>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 C

4603

-1990

高圧交流遮断器

AC Circuit Breakers for 3.3kV or 6.6kV

1.

適用範囲  この規格は,公称電圧 3.3kV 又は 6.6kV の周波数 50Hz 又は 60Hz の高圧受電設備に使用す

る高圧交流遮断器(以下,遮断器という。

)について規定する。

ここで規定する遮断器は,

定格電圧 3.6kV,

定格遮断電流 16kA 以下,

定格電圧 7.2kV,

定格遮断電流 12.5kA

以下のものとする。

引用規格:

JIS B 7411

  ガラス製棒状温度計(全浸没)

JIS B 7528

  水銀充満圧力式指示温度計

JIS C 1601

  指示熱電温度計

JIS C 1603

  指示抵抗温度計

JIS C 2320

  電気絶縁油

JIS C 3307

  600V ビニル絶縁電線 (IV)

JIS C 3316

  電気機器用ビニル絶縁電線 (KIV)

対応国際規格:

IEC 56

  High-voltage alternating-current circuit-breakers

2.

用語の意味

2.1

遮断器の種類及び定格に関する用語  遮断器の種類及び定格に関する主な用語の意味は,次のとお

りとする。

(1)

交流遮断器  交流電路に使用し,常規状態の電路のほか,異常状態,特に短絡状態における電路をも

開閉できる装置。

(2)

油遮断器  電路の開閉が油中で行われる遮断器。

(3)

磁気遮断器  開路が磁界中で行われる気中遮断器。

(4)

真空遮断器  電路の開閉が真空中で行われる遮断器。

(5)

ガス遮断器  電路の開閉が六ふっ化硫黄のような不活性ガス中で行われる遮断器。

(6)

定格電圧  規定の条件の下で,その遮断器に課すことができる使用回路電圧の上限。線間電圧(実効

値)で表す。

(7)

定格耐電圧  その電圧を規定の時間,遮断器に印加しても異常が認められない電圧の限度。

(8)

定格周波数  その遮断器が規定の条件に適合するように設計された周波数。

(9)

定格電流  定格電圧及び定格周波数の下で,規定の温度上昇の限度を超えないで、その遮断器に連続

して通じ得る電流の限度。

(10)

定格短時間耐電流  その電流を規定の時間,遮断器に通じても異常が認められない電流の限度。


2

C 4603-1990

(11)

定格遮断電流  すべての定格及び規定の回路条件の下で,規定の標準動作責務と動作状態とに従って

遮断することができる遅れ力率の遮断電流の限度。交流分(実効値)で表す。

(12)

定格過渡回復電圧  遮断器が定格遮断電流以下の電流を遮断する際に課し得る固有過渡回復電圧の限

度。

定格過渡回復電圧は,固有過渡回復電圧を 2 パラメータ法によってパラメータの規約値で表す。

(13)

定格投入電流  すべての定格及び規定の回路条件の下で,規定の標準動作責務及び動作状態に従って

投入することができる投入電流の限度。投入電流の最初の周波の瞬時値の最大値で表す。

(14)

定格遮断時間  定格遮断電流をすべての定格及び規定の回路条件の下で,規定の標準動作責務及び動

作状態に従って遮断する場合の遮断時間の限度。定格遮断時間は,定格周波数を基準としたサイクル

数で表す。

(15)

定格開極時間  無負荷時に表 の条件において引き外す場合の開極時間の限度。特に開極の遅延装置

をもっているものに対しては,その遅延時間を最小にするように調整したときの値を採る。

表 1  引外し条件

引外しの種類

引外し条件

電圧引外し

定格開路制御電圧を印加したとき

コンデンサ引外し

コンデンサ引外し装置の定格入力電圧において引外

しコイルを励磁したとき

瞬時励磁方式

過電流引外し

常時励磁方式

定格開路制御電流の標準値の 300%を通電したとき

不足電圧引外し

定格開路制御電圧の下に保持されている引外し装置

の電源を開放したとき

(16)

定格閉路操作電圧  遮断器の閉路操作装置を設計する基準となる電圧。定格閉路操作電圧は,閉路操

作中における最大電流時の端子電圧で表す。

(17)

定格開路制御電圧  遮断器の引外し装置を設計する基準となる電圧。定格開路制御電圧は,端子電圧

で表す。

(18)

定格開路制御電流  引外し装置の設計基準電流値(実効値)。

2.2

極及び接触子に関する用語  遮断器の極及び接触子に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

極  電路の各線に対する開閉部分。同時に開閉し得る線の数によって,単極,2 極,3 極又は多極とい

う。

(2)

主接触子  閉路位置において主回路の電流が流通するように主導電部に設けられた接触子。

(3)

アーク接触子  遮断又は投入に伴うアークを誘引し,主接触子に発弧することを避けるために設けら

れた接触子。

(4)

可動接触子  回路を構成する導電部の可動部に取り付けられた接触子。

(5)

固定接触子  回路を構成する導電部の固定部に取り付けられた接触子。

(6)

    触  相接する導電部の両面とも銀ばり又は使用上機能が保証される銀めっきの接触。

2.3

操作及び制御に関する用語  遮断器の操作及び制御に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

操作装置  遮断器の可動接触部を直接動作させるエネルギーを処理し,伝達する機構。

(2)

操作電圧  操作装置のソレノイド,電動機などの端子に加えられる電圧。

(3)

電気操作  電気エネルギーによる操作。

(4)

ばね操作  ばねに蓄えられたエネルギーによる操作。

(5)

手動ばね操作  手動で蓄勢するばね操作。


3

C 4603-1990

(6)

電動ばね操作  電動機で蓄勢するばね操作。

(7)

ソレノイド操作  閉路に必要なエネルギーが,ソレノイドによって与えられる操作。

(8)

制御装置  遮断器外部からの指令又は信号を受け,これを選択し,遮断器操作のエネルギーを制御す

る装置。

(9)

制御電圧  制御装置の端子に加えられる電圧。

(10)

過電流引外し  遮断器の主回路に接続された変流器二次電流によって,遮断器が引き外される方式。

変流器二次電流によって常時励磁しておくものを常時励磁方式,保護継電器を通じて動作時だけ励磁

されるものを瞬時励磁方式という。

(11)

不足電圧引外し  不足電圧引外し装置に印加されている電圧の低下によって,遮断器が引き外される

方式。引外しコイルが直接に制御電源に接続されるものを直接式,保護継電器を通して制御電源に接

続されるものを間接式という。

(12)

コンデンサ引外し  充電されたコンデンサのエネルギーによって,遮断器が引き外される方式。

(13)

引外し自由  接触子の接触又は接触子間のアークによって主回路が通電状態となれば,たとえ閉路指

令中であっても,引外し装置の動作によってその遮断器を引き外すことができ,また,引外し完了後

において,なお閉路装置に閉路を行わせる指令が与えられていても,再び閉路動作を行わず,一度こ

の閉路指令を解いた後,再び閉路指令を与えたときに,初めて閉路動作が行われること。

(14)

コンデンサ引外し電源装置  コンデンサ,整流器,その他で構成された引外しに必要な電源装置。

(15)

過電流引外し装置の容量  引外しコイルの通電電流と端子電圧の積。

瞬時励磁方式では.開路制御電流標準値に対する容量をいい,常時励磁方式では,定格開路制御電

流に対する容量をいう。

(16)

不足電圧引外し装置の容量  定格電圧の下に引外し機構が保持されている状態において,電圧と電流

との積。

2.4

動作に関する用語  遮断器の動作に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

動作責務  投入,遮断,又は投入に引き続き猶予なく遮断する動作を所定の時間を隔てて行う一連の

動作。

(2) 

標準動作責務  遮断器の遮断性能,投入性能などが定められる基準となる動作責務。

(3)

試験動作責務  遮断器の短絡試験(9.7 参照)に際して,その遮断器に課せられる動作責務。

(4)

開閉速度曲線  遮断器の開閉動作の際の可動接触子の移動距離と時間との関係を示す曲線。

(5)

開閉速度  遮断器の開閉動作の際の可動接触子が移動する速度。

(6)

平均開閉速度  遮断器の可動接触子が,開離位置から全移動距離の約 90%まで移動するまでの開閉速

度の平均値。

(7)

初開離速度  遮断器の可動接触子が,開離位置から全移動距離の約 20%まで移動するまでの平均速度。

2.5

時間に関する用語  時間に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

開極時間  閉路の状態にある遮断器の引外し装置が付勢された瞬時から,アーク接触子(アーク接触

子のない場合は,主接触子)が開離するまでの時間。

(2)

アーク時間  最初に発弧した極の発弧瞬時からすべての極の主電流が遮断されるまでの時間。特にあ

る極についていう場合には,その極の発弧瞬時からその極の主電流が遮断されるまでの時間。

(3)

遮断時間  閉路の状態にある遮断器の引外し装置が付勢された瞬時から,すべての極の主電流が遮断

される瞬時までの時間。

(4)

閉極時間  開路の状態にある遮断器の閉路制御装置が付勢された瞬時から、すべての極のアーク接触


4

C 4603-1990

子(アーク接触子がない場合は主接触子)が接触するまでの時間。

(5)

投入時間  開路の状態にある遮断器の閉路制御装置が付勢された瞬時から,主回路に電流が流れ始め

るまでの時間。

(6)

充電時間  コンデンサ引外し電源装置のコンデンサが充電を開始してから,遮断器が引外し可能な制

御電圧に達するまでの時間。

(7)

過渡回復電圧遅れ時間  過渡回復電圧波形の初期上昇部分の停滞を表し,規約された方法(9.7 及び附

属書 参照)によって求められた時間。

(8)

過渡回復電圧波高時間  その極に過渡回復電圧が現れ始めてから,その過渡回復電圧波高値に至る時

間。

(9)

過渡回復電圧規約波高時間  規約された方法(9.7 及び附属書 参照)によって求められた過渡回復電

圧波高時間。

2.6

遮断及び投入に関する用語  遮断及び投入に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

進み小電流遮断  容量性小電流を遮断すること。

(2)

遅れ小電流遮断  誘導性小電流を遮断すること。

(3)

異相地絡遮断  遮断器を挟む両側線路で,異なる相がそれぞれ地絡を生じた状態で流れる短絡電流を,

その遮断器が遮断すること。

(4)

短絡試験  遮断器の短絡遮断性能及び短絡投入性能を確かめるために行う試験。

(5)

直接短絡試験  遮断電流,投入電流,過渡回復電圧及び商用周波回復電圧をともに同一電源から供給

して行う短絡試験。三相遮断器の単相試験は,単相直接短絡試験という。

(6)

試験周波数  遮断器の試験に際してこれに給与される電圧又は電流の周波数。

(7)

短絡力率  短絡電流の交流分基本波と,その遮断時の商用周波回復電圧の交流分基本波との間の相差

角の余弦。三相回路の力率は,各相の平均値で表す。

(8)

波形の狂い率  その波とその等価正弦波とを両者の瞬時値の最大差が最小となる位置において重ね合

わせた場合,その波と等価正弦波との最大差の等価正弦波波高値に対する百分率。ここにある波の等

価正弦波とは,その波と実効値及び周期が等しい正弦波をいう。

(9)

不平衡率  多相電圧波又は多相電流波を正弦波とみなしたとき,その逆相分の正相分に対する百分率。

2.7

電圧に関する用語  電圧に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

給与電圧  試験の際,電流投入直前に遮断器に加えられている電圧。特に指定する場合を除き,線間

電圧(実効値)で表す。三相回路の場合は,各線間電圧の平均値で表す。

(2)

回復電圧  遮断器の 1 極の端子間に電流遮断直後に現れる電圧。

過渡回復電圧と商用周波回復電圧とから成る。

(3)

商用周波回復電圧  過渡回復電圧に引き続き現れる商用周波数の回復電圧。特に断らない限り実効値

で表す。線間値に換算して表す場合もある[

図 1(a)参照]。

(4)

過渡回復電圧  電流遮断直後の過渡期に現れる回復電圧[図 1(a)参照]。

過渡回復電圧には,単一周波の過渡成分だけをもつものと,多重周波の過渡成分をもつものとがあ

る[

図 1(b)参照]。


5

C 4603-1990

図 1  回復電圧

e

1

e

2

e

3

:アーク電圧

V

1

V

2

V

3

:商用周波回復電圧

r

1

r

2

r

3

:過渡回復電圧

(5)

固有過渡回復電圧  電路の 1 点において,その電路の正弦波交流電流が,その自然零値でアークを発

生することなく,また,電路の過渡現象特性に何らの影響も与えず,遮断された場合の過渡回復電圧。

三相回路の場合は,最初に遮断された相の同相端子間の値で表す。

(6)

過渡回復電圧波高値  過渡回復電圧波形の幾つかの極大値のうち,その最大値。

(7)

過渡回復電圧上昇率  過渡回復電圧の時間的増加率。

(8)

過渡回復電圧規約上昇率  単一周波の過渡成分だけをもつ過渡回復電圧において,規約された方法

9.7 及び

附属書 4)によって求められた過渡回復電圧上昇率をいい,kV/

µs を単位として表す。

(9)

過渡回復電圧周波数  規約された方法(9.7 及び附属書 4)によって求められた周波数。

(10)

復帰電圧  不足電圧引外し装置が復帰するときの最小端子電圧(実効値)。

(11)

入力電圧  コンデンサ引外し電源装置の入力側の端子に印加されている交流電圧の実効値。

(12) 2

パラメータ法  単一周波の過渡成分だけをもつ過渡回復電圧波形を,波高値及び上昇率(又は波高

時間)の二つのパラメータによって表す方法。

2.8

電流に関する用語  電流に関する主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

短時間耐電流  規定の条件の下に規定の時間,その遮断器の各極に流すことができる電流。

(2)

投入電流  遮断器を投入したとき,その各極に流れる電流をいい,最初の周波における波高値で表し,

三相試験では各相の最大のものを採る(

図 参照)。


6

C 4603-1990

図 2  投入電流

(3)

遮断電流  遮断器の遮断動作中,その各極を流れる電流をいい,発弧瞬時における値で表す。

(4)

対称遮断電流  遮断電流中の交流分をいい,発弧瞬時の値を実効値で表し,三相の平均値を採る。

(5)

非対称遮断電流  直流分を含む交流波形の遮断電流をいい,次によって求めた値で表す。

2

2

2

Y

X

÷÷ø

ö

ççè

æ

ここに,  及び は,それぞれの遮断器の遮断電流中の交流分及び直流分の振

幅を示す。

(6)

百分率直流分  遮断電流中の直流分振幅の交流分振幅に対する比[Y/X(図 参照)]を百分率で示し

たもの。


7

C 4603-1990

図 3  遮断電流

(7)

開路制御電流  引外し装置が動作し,遮断器が引き外されるのに要する電流。

3.

種  類  遮断器の種類は,次の 4 種類とする。

(1)

油遮断器

(2)

磁気遮断器

(3)

真空遮断器

(4)

ガス遮断器

4.

使用状態

4.1

標準使用状態  この規格では,次の使用状態をすべて満足する場合を標準使用状態とし,特に規定

されない限り、遮断器はこの状態で使用するものとする。

(1)

屋内用については,周囲温度が最高+40℃,最低−5℃の範囲を超えない場合。

また,24 時間の平均値が+35℃を超えない場合。

屋外用については,周囲温度が最高+40℃,最低−20℃の範囲を超えない場合。

また,24 時間の平均値が+35℃を超えない場合。

(2)

屋内用については,相対湿度が 45∼85%の範囲で使用する場合。

(3)

標高が 1000m 以下の場合。

(4)

  4.2

のいずれにも該当しない通常の条件の場合。


8

C 4603-1990

4.2

特殊使用状態  特殊使用状態とは,次のいずれかに該当する使用状態とする。この使用状態の場合

は,特に指定しなければならない。

(1)

周囲温度及び標高が 4.1 に定める使用状態以外の場所で使用する場合。

(2)

潮風を受けることが著しい場所で使用する場合。

(3)

常時湿潤な場所で使用する場合。

(4)

過度の水蒸気又は過度の油蒸気がある場所で使用する場合。

(5)

爆発性,可燃性その他有害なガスがある場所及びそのガスが及ぶおそれがある場所で使用する場合。

(6)

過度のじんあいがある場所で使用する場合。

(7)

異常の振動又は衝撃を受ける場所で使用する場合。

(8)

氷雪が特に多い場所で使用する場合。

(9)

以上のほか,特殊の条件の下で使用する場合。

5.

定  格

5.1

定格電圧  遮断器の定格電圧は,表 のとおりとする。

表 2  定格電圧

単位 kV

公称電圧

定格電圧

3.3 3.6

6.6 7.2

5.2

定格耐電圧  遮断器の定格耐電圧及びこれに対応する絶縁階級は,表 のとおりとする。

表 3  定格耐電圧

単位 kV

定格耐電圧

定格電圧

雷インパルス

商用周波(実効値)

絶縁階級

(号)

45 16

3A

3.6

30 10

3B

60 22

6A

7.2

45 16

6B

備考

絶縁階級の呼称及び表示は.原則として“3 号 A”

“6 号 A”

のように行う。

5.3

定格周波数  遮断器の定格周波数は,50Hz 又は 60Hz とする。

5.4

定格電流  遮断器の定格電流は,表 のとおりとする。

表 4  定格電流

単位  A

定格電流

400

    600

5.5

定格遮断電流・定格遮断時間・定格短時間耐電流・定格投入電流  遮断器の定格遮断電流,定格遮

断時間,定格短時間耐電流及び定格投入電流の値並びに定格電圧及び定格電流との組合せは,

表 のとお

りとする。


9

C 4603-1990

表 5  定格値の組合せ

定格電圧

kV

定格遮断電流

kA

定格遮断時間

サイクル

定格電流

A

定格短時間耐電流

kA

定格投入電流

kA

遮断容量

(

1

MVA

 8.0

3

.5 400.600

 8.0

20

 50

3.6

16.0 3

.5 400.600

16.0 40

100

 8.0

3

.5 400.600

 8.0

20

100

7.2

12.5 3

.5 400.600

12.5

31.5

160

(

1

)

遮断容量は,その遮断器が適用できる系統の三相短絡容量の限度を示し,次の式によって求め,参考値とする。

遮断容量 (MVA) =

3

×定格電圧 (kV) ×定格遮断電流 (kA)

5.6

定格過渡回復電圧  遮断器の定格過渡回復電圧は,表 のとおりとする。

表 6  定格過渡回復電圧

定格電圧

規約波高値

規約上昇率

規約波高時間

遅れ時間

周波数

区分

kV kV kV/

µs

µs

µs kHz

3.6 6.2  0.16  39

5  10

定格遮断電流の場合

7.2 12.3  0.32

39

5  10

3.6 6.2  0.32  19

− 21

定格遮断電流の 60%,30%

及び 10%の場合

7.2 12.3  0.64

19

− 21

備考1.

波高値=1.4×1.5×

3

/

× 2 定格電圧 (kV)

2.

遅れ時間は,目標値である。

3.

周波数は参考値であり,直接短絡試験において上述の上昇率を与える周波数の近似値としたときの値である。

(

)

Z

kH

波高時間

周波数≒

×

×

2

10

8

.

0

3

波高時間の単位は,

µs とする。

5.7

定格閉路操作電圧  遮断器の定格閉路操作電圧は,表 のとおりとする。

表 7  定格閉路操作電圧

単位  V

交流・直流の別

定格閉路操作電圧

直流操作 100    200

交流操作 (50Hz, 60Hz)

100

    200

備考

交流操作の場合は,実効値で表す。

5.8

定格開路制御電圧  電圧引外し及び不足電圧引外しの定格開路制御電圧は,表 のとおりとする。

表 8  定格開路制御電圧

単位  V

引外しの種類

定格開路制御電圧

直流引外し

100

    200

電圧引外し

交流引外し

100

    200

交流不足電圧引外し 100    200

備考

交流の場合は,実効値で表す。

5.9

定格開路制御電流  過電流引外しの定格開路制御電流は,常時励磁方式の場合は

5A

,瞬時励磁方式

の場合は

3A

とする。

5.10

開路制御電流の標準値  過電流引外しの開路制御電流の標準値は.表 のとおりとする。


10

C 4603-1990

表 9  開路制御電流の標準値

単位  A

励磁方式

開路制御電流の標準値

瞬時励磁方式

3

以下

常時励磁方式

3, 4, 5

5.11

引外し装置の容量  過電流引外し装置の容量及び不足電圧引外し装置の容量は,

100VA

以下とする。

5.12

コンデンサ引外し装置の定格入力電圧  コンデンサ引外し装置の定格入力電圧は,

100V

又は

200V

とする。

6.

性  能

6.1

主回路端子間抵抗  主回路端子間抵抗値は,9.2 によって試験を行ったとき,表 10 のとおりでなけ

ればならない。

表 10  主回路端子間の抵抗値

検査の種類

同相主回路端子間の抵抗値

形式検査

製造業者があらかじめ設定した範囲内の値

受渡検査

1.5R

µ

以下で,かつ R

T

T

µ

以下であること。

ここに,R

µ

:形式検査時の抵抗値

T

µ

:形式検査時の温度上昇値

T

表 14 で規定する温度上昇限度

6.2

開閉性能  開閉性能は,次の各項に適合しなければならない。

(1)

閉路操作性能  閉路操作性能は,9.3.1 によって試験を行ったとき,表 11 に示す変動範囲のすべての

操作電圧及び制御電圧で,支障なく閉路できること。

表 11  閉路操作電圧及び制御電圧の変動範囲

単位 %

変動範囲

操作方式

電  圧

区  分

閉路操作電圧

制御電圧

操作回路と制御回路

が同一電源の場合

直  流

表 に規定する値

の 75∼125

電動ばね操作

交  流

表 に規定する値

の 85∼110

表 に規定する値

の 85∼110

表 に規定する値の

85

∼110

直  流

表 に規定する値

の 75∼110

表 に規定する値

の 75∼125

表 に規定する値の

75

∼110

ソレノイド操作

交  流

表 に規定する値の 85∼110

(2)

引外し操作性能  引外し操作性能は,9.3.2 によって試験を行ったとき,表 12 に示す値で,支障なく

開路できること。ただし,過電流引外しの標準値に対する動作電流の変動範囲は,常時励磁方式の場

合は±

10%

.瞬時励磁方式の場合は,

110%

以下とする。

表 12  引外し操作性能における電圧及び電流の変動範囲

単位 %

区  分

変動範囲

電圧引外しの開路制御電圧

表 に規定する値の 60∼125 の範囲

不足電圧引外しの開路制御電圧

表 に規定する値の 20∼60 の 1 点

過電流引外しの開路制御電流

表 の値

コンデンサ引外しの入力電圧

5.12

に規定する値の 60∼125 の樋囲


11

C 4603-1990

(3)

引外し自由性能  引外し自由性能は,9.3.3 によって試験を行ったとき,表 13 に示す範囲で,支障な

く動作すること。

なお,閉路操作中にも,支障なく動作すること。

表 13  引外し自由性能における電圧及び電流の変動範囲

単位 %

変動範囲

区  分

手動ばね操作

電動 ばね操作 及び

ソレノイド操作

閉路操作電圧

閉路制御電圧

表 11

電圧引外しの開路制御電圧

表 に規定する値の 60∼125 の範囲

不足電圧引外しの開路制御電圧

表 8

過電流引外しの開路制御電流

表 9

コンデンサ引外しの入力電圧

5.12

に規定する値の 60∼125 の範囲

(4)

不足電圧引外しにおける復帰性能  不足電圧引外しにおける復帰性能は,9.3.4 によって試験を行った

とき,

表 に規定する値の

70

90%

で,支障なく動作すること。

(5)

開閉特性  開閉特性は,9.3.5 によって試験を行ったとき,定格値における開極時間が,製造業者の保

証する定格開極時間の

110%

を超えないこと。

(6)

連続開閉性能  連続開閉性能は,9.3.6 によって試験を行ったとき,各部に異常がなく,かつ,(1)(2)

及び(5)のいずれの特性にも支障がないこと。

(7)

手動開閉性能  手動で開閉できる遮断器は,9.3.7 によって試験を行ったとき,開閉が確実で,かつ,

いずれの部分にも支障がないこと。

6.3

温度上昇  温度上昇は,9.4 によって試験を行ったとき,表 14 の値を超えてはならない。周囲温度

40

℃を超える場所に使用されるものに対しては,

表 14 に示す値から周囲温度が

40

℃を超える温度を減

じた値をその温度上昇の限度とする。

表 14  温度上昇限度

単位  ℃

部分

温度上昇の限度

最高許容温度

気中

 35

 75

SF

6

ガス中

 50

 90

銅  接  触

油中

 40

 80

気中

65

105

SF

6

ガス中

65

105

接触部

銀接触

(

2

)

油中

 50

 90

気中

 50

 90

SF

6

ガス中

65

105

銅 又 はア ル ミニ

ウム接続

(

3

)

油中

60

100

気中

75

115

SF

6

ガス中

75

115

銀  接  続

油中

60

100

気中

65

105

SF

6

ガス中

65

105

ボルト締め

などによる

導体接続部

すず接続

油中

60

100

銅又はアルミニウム接続

(

4

)

 50

 90

主回路端子

接続部

銀  接  続

65

105


12

C 4603-1990

単位  ℃

部分

温度上昇の限度

最高許容温度

すず接続

65

105

油遮断器の油

 50

 90

A

種絶縁

65

105

E

種絶縁

80

120

B

種絶縁

90

130

F

種絶縁 115

155

H

種絶縁 140

180

絶縁物及び絶縁物に接触する

金属部分

C

種絶縁 140  超過

180

超過

磁器がいしのセメント付部分

(

4

)

 55

 95

機  械  的

構造部分

その他の金属の部分

70

110

(

2

)

銀接触とは,相接する導電部の両面とも銀ばり又は銀めっきの接触をいう。銀めっ

きは,使用中その銀めっき性能が保証されている場合は,銀接触とみなす。

(

3

)

アルミ接続には,十分な防食,防酸処理が施されているものとする。

(

4

)

エポキシ樹脂製がいし,がい管など有機質絶縁物の温度上昇限度及び最高許容温度

は,受渡当事者間の協定による。

備考

真空遮断器の真空中の部分には.この表を適用しない。

6.4

    圧  耐電圧は,9.5 によって試験を行ったとき,地絡及びフラッシオーバを生じることなく,

かつ,各部に異常があってはならない。

6.5

短時間耐電流強度  短時間耐電流強度は,9.6 によって試験を行ったとき,著しい損傷がなく,引き

続き定格遮断電流の遮断及び定格投入電流の投入が実用上支障なくでき,かつ,定格電流を連続通電でき

なければならない。

6.6

短絡性能  短絡性能は,9.7 によって試験を行ったとき,著しい損傷がなく,かつ,引き続き定格電

圧の下に定格電流を投入,遮断及び連続通電することができなければならない。

7.

標準動作責務及び回路条件

7.1

標準動作責務  遮断器を使用する場合の使用動作責務は,その遮断器の標準動作責務に基づいて定

められるものとする。

なお,

この場合の開閉操作は,

その遮断器について定められた操作方式に従って行わなければならない。

定格電圧における動作責務は,

表 15 

2

種類とする。

表 15  標準動作責務

記号

動作責務

A O-

(1 分)−CO-(3 分)−CO

B CO-

(15 秒)−CO

備考

  O

:遮断動作

CO

:投入動作に引き続き直ちに遮断

動作を行うもの。

(1)

標準動作責務遂行中の状態  遮断器は,その標準動作責務に従って動作する場合に,絶縁物の貫通破

壊,外部フラッシオーバ,過度の噴油,噴煙,機械的衝撃などがなく,実用上支障がないこと。

(2)

標準動作責務完了後の状態  標準動作責務を完了した後における遮断器の構成部分は,動作前と大差

がなく,引き続き定格電圧の下で定格電流を投入,遮断及び連続通電できること。

(3)

標準動作責務完了後の補修  標準動作責務完了後,その短絡遮断性能及び短絡投入性能を再び元の値

に回復させるため,アークによって損傷を受ける部分について,使用者と製造業者との協議によって


13

C 4603-1990

定められた基準に従って補修を行ってもよい。

7.2

回路条件  遮断器がすべての定格の下で標準動作責務に従って,定格遮断電流以下の電流を遮断で

き,かつ,定格投入電流以下の電流を投入できる回路の特性は.次のとおりとする。

(1)

回路の力率  回路の力率は,表 16 に定められた回路の状態の種類に対応して生じる値のすべてを含む

ものとする。

(2)

商用周波回復電圧  定格電圧の

100%

とする。

(3)

中性点接地方式  非有効接地方式とする。

(4)

回路の状態及び電流  表 16 に示す各種類の回路電流を投入,遮断できるものとする。

表 16  回路の状態及び電流

回路の状態及び電流

備考

1

相地絡時電流

健全相の充電電流遮断を含む。

2

相地絡時電流

健全相の充電電流遮断を含む。

3

相地絡時電流

2

相非接地短絡時電流

健全相の充電電流遮断を含む。

3

相非接地短絡時電流

無負荷線路充電電流

無負荷変圧器励磁電流

突入電流を含む。

負荷電流

定格電流以下

(5)

短絡電流の交直両成分の比率  遮断器の発弧瞬時における交流分に対する百分率直流分は,表 17 に示

すリレー時間と遮断器の定格開極時間の和から

図 によって求めた値以下とする。

遮断器は,この範囲の直流分が含まれても定格遮断電流以下の電流を遮断できなければならない。

表 17  定格遮断時間におけるリレー時間

定格遮断時間

サイクル

リレー時間

ms

3 15

5 30

図 4  百分率直流分の減衰曲線 

8.

構  造

8.1

構造一般  遮断器は,電気的,機械的に十分な耐久性をもち,操作は円滑,確実で衝撃が少なく,

保守点検は安全,かつ,容易にできるように製作されなければならない。


14

C 4603-1990

8.2

塗装及びめっき  発せい(錆)の予想される部分は,十分なさび止めを行い,塗装は十分に密着し,

かつ,容易にはく離を起こしてはならない。

めっきを施す部分については,十分な前処理を行い,必要な厚みをもつめっきが施されていなければな

らない。

8.3

操作機構

8.3.1

引外し自由  遮断器は,引外し優先装置及びポンピング防止装置を備えなければならない。

(1)

引外し優先装置  たとえ閉路指令中であっても,その遮断器を引き外すことができる機械的装置。

なお,遮断器の構造によっては,いったん閉路動作を完了してから開路動作を行う場合もある。

(2)

ポンピング防止装置  開路動作完了後において,なお閉路指令が与えられていても,一度この閉路指

令を解いて再び閉路指令を与えない限り閉路することを防止する装置。

8.3.2

手動操作方式

(1)

操作用ハンドルによって,

1

人の力で安全,かつ,容易に閉路できるものであること。

(2)

手動引外し用のボタン又はレバーには,その用途を明示すること。

8.3.3

開閉表示  開閉表示は,機械的表示装置によって行うものとする。この場合,開閉表示の色別は,

開は緑,閉は赤とし,文字を使用する場合,開は“切”

,閉は“入”とする。

8.3.4

補助開閉器

(1)

補助開閉器は,長期間その動作や接触状態が変わらないように製作されたものであること。

(2)

各接点は,独立回路とし,遮断器自体の制御に必要な接点以外の予備接点は,

a

接点

2

個及び

b

接点

2

個以上とする。

(3)

予備接点の電気的容量は,次の値とする。

連続通電容量

交  流

5A

開閉容量

直  流

 100V 5A

時定数

 50ms

以下

8.3.5

制御配線及び端子接続方法

(1)

使用電線  制御回路の使用電線は,原則として JIS C 3307

600V

ビニル絶縁電線

 (IV)

又は JIS C 3316

[電気機器用ビニル絶縁電線

 (KIV)

に規定された

1.25mm

2

以上の電線を用いるものとする。

ただし,

電流容量,電圧降下などに支障がなく,保護協調がとれれば,これよりも細い電線を使用してもよい。

(2)

端子接続方法  配線の端子台を使用する場合の接続部は,所定の記号を記入した接続端子台で,外部

ケーブルと接続できる構造とする。

なお,端子台を使用するものの配線締付ねじは,

3.5mm

以上の太さとする。

引出形遮断器の場合には,プラグ構造とする。

8.3.6

制御装置  遮断器操作の制御装置は,その動作の点検が安全,かつ,容易に行える構造及び配置と

する。

8.4

    

(1)

主接触子は,他力接触方式又はこれと同等の信頼度をもつものとし,発弧部に耐弧材料を用い,容易

に取換え可能な構造とする。ただし,特にアークによって消耗しても,所定の動作及び特性に影響が

ないように設計されたものは,この限りでない。

(2)

可動接触子は,投入又は遮断動作時に有害な跳躍現象がないこと。

8.5

主回路端子取付部及び接地線取付部

(1)

主回路端子取付部  主回路端子を取り付ける場合の取付部の穴数及び寸法は,表 18 及び図 による。


15

C 4603-1990

表 18  主回路端子取付部の穴数及び使用ボルトの呼び

定格電流 A

穴数

使用ボルトの呼び

400 1

又は 2 M10 又は M12

600 1

又は 2 M12

図 5  主回路端子取付部の寸法

(2)

接地線取付部  遮断器には,直径

2.6mm

以上の接地線を確実に取り付けることができる接地線取付部

を設けること。

引出形の遮断器には,上記接地線と同等以上の電気的特性をもつしゅう(摺)動接触部又は接地端

子取付部を設けること。

8.6

    油  絶縁油は,JIS C 2320(電気絶縁油)に規定された

2

号又はこれと同等以上の品質のもの

でなければならない。

8.7

油面表示  絶縁油の所定量を示すため油面計を設けるか,又は油量を表す線によって表示を行わな

ければならない。

9.

試験方法

9.1

構造試験  遮断器の構造試験は,8.及び 12.に規定する事項について調べる。

9.2

主回路抵抗測定試験  主回路抵抗測定試験は,直流

10A

以上を通電し,直流電圧降下法で主回路端

子間の抵抗を測定する。

9.3

開閉試験  開閉試験は,次の諸試験を含み,これらの試験の一部又は全部を同時に行ってもよい。

(1)

閉路操作試験

(2)

引外し操作試験

(3)

引外し自由試験(

CO

動作)

(4)

復帰試験

(5)

開閉特性試験

(6)

連続開閉試験

(7)

手動開閉試験

開閉試験は,現場使用状態になるべく近い状態で,遮断器に電流を流さず,また電圧も加えないで行う

ものとする。ただし,遮断液を用いる遮断器で,遮断液が開閉性能に及ぼす影響を無視しても実用上支障

がないと考えられるものは,遮断液がない状態で試験してもよい。

9.3.1

閉路操作試験  電気操作の遮断器の閉路操作試験は,表 11 に規定する変動範囲で表 19 に規定する

組合せによって閉路操作を行い,動作状態を調べる。その際,操作装置に供給される電流を測定する。


16

C 4603-1990

表 19  閉路操作電圧及び制御電圧の組合せ

閉路操作電圧

制御電圧

最高値

最高値

定格値

定格値

最低格値

最低値

9.3.2

引外し操作試験  引外し操作試験は,表 12 に規定する変動範囲で表 19 に規定する組合せによって

引外し操作を行い,動作状態を調べる。その際,操作装置に供給される電流を測定する。

過電流引外しの遮断器は,あらかじめ

表 に規定する電流が動作前の励磁コイルに流れるように設定し

ておき,分流回路を開放して引外し操作を行う。

コンデンサ引外しの遮断器は,

5.12

に規定された定格値及び

表 12 に規定する変動範囲の上限値及び下限

値のそれぞれについてコンデンサを充電後,その電源を切り離し,

30

秒を経過した後引外し操作を行う。

9.3.3

引外し自由試験  引外し自由試験は,表 13 に規定する変動範囲で,表 19 に規定する組合せによっ

て試験を行い,動作状態を調べる。

なお,過電流引外しの遮断器は,5.9 に規定する値の

300%

の電流を主接触子によって引外しコイルに通

電し,その値で引外し自由操作を行う。

コンデンサ引外しの遮断器は,

5.12

に規定された定格値及び

表 12 に規定する変動範囲の上限値及び下限

値のそれぞれについてコンデンサを充電後,その電源を切り離し,

30

秒を経過した後引外し自由操作を行

う。

不足電圧引外しの遮断器は,主接触子によって開路制御電圧を零にして引外し自由操作を行う。

9.3.4

復帰試験  不足電圧引外し装置の復帰試験は,閉路の状態から電圧を徐々に上昇させ,不足電圧引

外し装置が復帰する電圧を測定する。

9.3.5

開閉特性試験  開閉特性試験は,閉路操作電圧又は制御電圧の定格値及び許容変動範囲の最高値・

最低値で行い,各組合せ(

表 19 参照)において開極時間(

s

又は

ms

,閉極時間(

s

又は

ms

,開閉速度

曲線(時間は

s

又は

ms

,移動距離は全移動距離に対する

%

,平均開閉速度

 (m/s)

及び初開離速度

 (m/s)

測定する。ただし,開閉速度曲線を測定し難いもので,他の測定諸量によって遮断器の機能が推定できる

場合は,開閉速度曲線の測定は省略することができる。

連動動作を行う断路部などをもつものについては,各開閉部の動作の時間関係を明確にしなければなら

ない。

9.3.6

連続開閉試験  連続開閉試験は,表 20 の組合せの下で,手動ばね操作の遮断器は

1000

回,電動ば

ね操作及びソレノイド操作の遮断器は

2000

回の開閉を行い,各部の異常の有無を調べる。

9.3.7

手動開閉試験  手動で開閉できる遮断器は,一人の力で開閉を行い,動作状態を調べる。


17

C 4603-1990

表 20  連続開閉試験条件

単位  回

開閉回数

操作方式

閉路操作電圧及び

閉路制御電圧

開路制御電圧

(

5

)

動作責務

形式検査

受渡検査

手動

C

−t−O−t

500

手動ばね操作

手動

定格値

C

t−O−t

500 20

最低値

最低値

C

t−O−t

500

定格値

定格値

C

t−O−t

500 20

最高値

最高値

C

t−O−t

500

電動ばね操作

ソレノイド操作

定格値

定格値 CO−t

500

(

5

)

不足電圧引外しの場合は,定格値から零にして,過電流引外しの場合は,定格開路制御電流値の

300%

で引外し操作を行うものとする。

備考

  C

:閉路動作

O

:開路動作

CO

:閉路後直ちに開路する動作

t

:動作間隔(製造業者が明示する時間)

9.4

温度上昇試験  温度上昇試験は,遮断器本体の温度上昇試験と操作装置及び制御装置の温度上昇試

験とからなり,通風の影響がない周囲温度が

40

℃以下の場所で行う。温度上昇試験のとき主導電部に接続

する外部導体は,端子から

1m

以内の各部の温度上昇と端子の温度上昇との差が

5

℃以内のものでなけれ

ばならない。

周囲温度の決定は,次のとおり行う。

供試遮断器の周囲において高さは導電部の中央,距離は

1

2m

の位置に,少なくとも

3

か所以上に温度

計を約

0.5

l

の油に浸しておき,この温度計の読みの平均を採って周囲温度とする。

なお,温度上昇試験中に周囲温度に変化があるときには,全試験期間の最後の

4

1

の間における温度の平

均をもって周囲温度とする。

温度の測定は温度計法によるものとし,JIS B 7411[ガラス製棒状温度計(全浸没)

]で規定するガラス

製棒状温度計,JIS B 7528(水銀充満圧力式指示温度計)で規定する水銀温度計,JIS C 1601(指示熱電温

度計)で規定する指示熱電温度計及び JIS C 1603(指示抵抗温度計)で規定する指示抵抗温度計のいずれ

かの温度計の検出部を取り付けることができる部分で,最高温度と推定される箇所の面に接触させる。温

度計の検出部は,適量のパテなどで包むことが必要である。

(1)

遮断器本体の温度上昇試験  遮断器本体の温度上昇試験は,三相又は単相で三極直列にし,供試遮断

器に通じる電流及び周波数は,その定格値を下回らないこと。

温度上昇は,最終の一定温度を確認できるよう十分な時間をかけて測定するが,実際上,

1

時間に

つき

1

℃を超える変化が認められないときは,この温度を最終温度とみなす。

(2)

操作装置及び制御装置の温度上昇試験  操作装置及び制御装置の温度上昇試験は,その標準値で行い,

交流の場合の周波数は,その定格周波数で行う。連続的に電圧の印加されるものでは,最終温度上昇

を確定できるまで続けること。

閉路操作装置,引外し装置など閉路及び引外し動作中だけ電流が流れる回路に対しては,

2

秒間隔

で,

10

回の開閉動作を行った後の温度上昇値を測定する。

なお,過電流引外しにおける瞬時励磁方式の遮断器は,5.9 に規定する値の

300%

で操作後に温度を

測定する。

備考

  2

秒間隔での操作が困難な場合は,その遮断器が動作し得る最短の時間間隔で開閉動作を行う

ものとする。


18

C 4603-1990

9.5

耐電圧試験  耐電圧試験は,商用周波耐電圧試験と雷インパルス耐電圧試験とからなり,供試遮断

器をなるべく使用状態に近い状態に据え付け,次の各号によって行う。

9.5.1

主回路の商用周波耐電圧試験

(1)

電圧印加方法  図 による。

図 6  電圧印加方法

試験 No.

遮断器の状態

印加端子

接地端子

1

閉 Aa

BCbcF

2

閉 Bb

ACacF

3

閉 Cc

ABabF

4

開 A

BCabcF

5

開 B

ACabcF

6

開 C

ABabcF

7

開 a

ABCbcF

8

開 b

ABCacF

9

開 c

ABCabF

備考

遮断器の形状によって,次のように試験を省略できる。

1.

各極が独立し.相間絶縁距離が十分に確保できるものに

ついては,1 極だけの試験でよい。

2.

中心の極に対して両側の極が対称に配置されているも

のについては,No.3,6,9 の試験を省略してよい。

3.

開路状態にある遮断器の形状が両側端子に関して対称

な場合は,No.7,8,9 の試験を省略してよい。

(2)

加圧時間  乾燥試験の場合は,まず試験電圧の

2

1

以下の電圧を加え,さらに試験電圧まで電圧計にそ

のときどきの電圧を表示され得る範囲でできるだけ速く上昇させ,試験電圧に達した後

1

分間連続加

圧する。

注水試験の場合は,試験電圧までできるだけ速く上昇させ,試験電圧に達した後,

10

秒間連続加圧

する。

加圧時間経過後は,できるだけ速やかに電圧を降下させる。

(3)

試験電圧  表 の定格耐電圧の値とする。

(4)

試験電圧の波形及び周波数  試験電圧の波形はなるべく正弦波とし,周波数は

40

70Hz

とする。た

だし,波形が正弦波と著しく異なる場合は,その試験電圧の波高値は,規定の試験電圧に 2 を乗じ

た値以上であること。

(5)

注水試験  水圧一定の下に,噴水口から噴射させ,水滴は,なるべく細かく,かつ,一様で,注水範

囲は,供試器を十分に包含できる広さであること。各部への注水密度は,なるべく一様で,その注水

角度は,供試器のほぼ中央部で垂直方向に対して約 45 度とする。注水量は,その垂直成分で毎分約

3mm

とする。


19

C 4603-1990

また,注水の抵抗率は,原則として 100

Ω・m±20%とする。

9.5.2

主回路の雷インパルス耐電圧試験

(1)

電圧印加方法  9.5.1(1)による。

(2)

試験電圧  表 の定格耐電圧の値による。

(3)

試験電圧の波形及び試験回数  波形は,標準波形 1.2/50

µs(波形の裕度は,波頭長で±30%,波尾長

で±20%とする。

)とし,試験回数は,正負極性別に各 3 回とする。

9.5.3

制御・操作・補助回路の耐電圧試験  商用周波電圧は対地に 2kV,1 分間を,雷インパルス電圧は

対地に 7kV,電気回路相互間,接点極間及びコイル端子間に 3kV,正負各 3 回を印加する。ただし,電動

機,電子部品など個別規格でこれらの電圧より低い試験電圧が規定されているものについては,それぞれ

の規格によるものとする。

備考  供試電気回路が複雑で多岐にわたり試験の実施が困難な場合には,電気回路相互間,接点極間

及びコイル端子間の試験は受渡当事者間の協定によって省略してもよい。

9.6

短時間耐電流試験  短時間耐電流試験は,供試遮断器を完全に組み立て,できる限り実際に近い状

態に据え付け,次の各項によって行い,異常の有無を調べる。

(1)

遮断器を閉路状態にして,三相又は隣接する極を直列にして単相で,その遮断器の定格短時間耐電流

に等しい試験電流を 1 秒間通電する。

(2)

試験電流値は,

附属書 に示す方法で求める。

三相試験の場合は,三相中の少なくとも 1 相の値が

表 に示す定格短時間電流以上であること。そ

の電流は,通電の最初の周波において,その定格値(実効値)の 2.5 倍以上の波高値をもつものであ

ること。

なお,試験電流の周波数は,定格周波数の 80∼120%の範囲内であること。

9.7

短絡試験  短絡試験は,供試遮断器を完全に組み立て,できる限り実際の使用状態に近い据付け状

態で,架台,タンクなど接地して使用する部分には接地を施し,電源側を非接地,短絡点を接地して

表 21

に示す条件によって行い,異常の有無を調べる。試験回路の例を

図 に示す。


20

C 4603-1990

表 21  遮断試験条件

項目

条件

給与電圧

給与電圧は,定格電圧以上でなければならない。波形の狂い率は各相とも 10%以下と

し,三相試験における不平衡率は 5%以下でなければならない。

  なお,波形の狂い率は

附属書 に示す方法によって求め,三相試験における不平衡

率は

附属書 に示す方法によって求める。

過渡回復電圧

附属書 に示す方法によって求めた過渡回復電圧の包絡線 OAC は,図 の OA

0

C

0

下回ってはならない。

図 7

過渡回復電圧の包絡線

商用周波回復電圧

商用周波回復電圧は,次に示す値が定格電圧の 90%以上であり,その持続時間は,5

サイクル以上でなければならない。

(a)

三相試験では.

附属書 に示す方法によって求めた値。

(b)

単相試験では,

附属書 に示す方法によって求めた値に

3

2

を乗じて算出した値。

短絡力率

短絡力率は,

附属書 に示す方法によって求めたとき,0.15 以下でなければならない。

  なお,三相試験の場合,各相の力率は平均値から 25%以上を超える差異があっては

ならない。

試験周波数

試験周波数は,

附属書 に示す方法によって求めたとき,定格周波数の 80∼120%の範

囲に入っていなければならない。

  なお,三相試験の場合は,最初に遮断された相について求める。

操作制御条件

それぞれの標準値で行う。

試験動作責務

表 22 による。ただし,アーク時間が短い遮断器は,附属書 による。

  なお,試験動作責務 1 号,2 号,3 号及び 4 号における百分率直流分は 20%以下でな

ければならない。試験動作責務 5 号は三相中少なくとも 1 相の直流分が 7.2(5)で求め

た値以上でなければならない。

遮断 電流及び 投入

電流の減衰時定数

附属書 に示す方法によって求めたとき,対称遮断電流の減衰時定数は 0.5 秒以上,

投入電流の減衰時定数は 0.1 秒以上でなければならない。

  なお,対称遮断電流の波形の狂い率は,10%を超えてはならない。

三相試験の不平衡率は,10%以下とする。

図 8  遮断試験回路例 


21

C 4603-1990

表 22  試験動作責務

試験動作責務番号

試験電流

試験動作責務

1

定格電圧で定格遮断電流の 7∼13%で

O

t

1

−O−t

3

−O 又は O−t

0

−O

2

定格電圧で定格遮断電流の 25∼35%で

O

t

1

−O−t

3

−O 又は O−t

0

−O

3

定格電圧で定格遮断電流の 50∼70%で

O

t

1

−O−t

3

−O 又は O−t

0

−O

4

定格電圧で定格遮断電流の少なくとも 100%及び定

格投入電流の少なくとも 100%で

O

t

1

−CO−t

3

−CO 又は CO−t

0

−CO

5

定格電圧で定格遮断電流の少なくとも 100%で百分

率直流分が 7.2(5)で求めた値以上で

O

t

1

−O−t

3

−O 又は O−t

0

−O

O

:遮断動作

C

:投入動作

CO

:投入後直ちに遮断する動作

t

0

,

t

1

,

t

3

:動作間隔

t

0

=15 秒以下

t

1

=1 分以下

t

3

=3 分以下

試験設備の都合によって規定の条件での,試験動作責務番号 4 の遂行が困難な場合には,試験を次のよ

うに分けて行ってもよい。

試験動作責務 4 号(a)投入試験

O*

t

1

−CO*−t

3

−CO*(O−t

1

−CO−t

3

−CO に対して)

又は

CO*

t

0

−CO*(CO−t

0

−CO に対して)

試験動作責務 4 号(b)遮断試験

O-

t

1

−C

*

O

t

3

−C

*

O

(O−t

1

−CO−t

3

−CO に対して)

又は

C*O

t

0

−C*O(CO−t

0

−CO に対して)

ここで,C*及び O*は,試験設備上可能な限り規定値に近い条件で投入及び遮断を行うものとする。こ

の場合,試験動作責務 4 号(a)と 4 号(b)の間で補修取換えを行ってもよい。試験動作責務番号 5 において,

規定の条件の下に投入試験が行われる場合には,試験動作責務 4 号(a)は省略してもよい。

備考  試験動作責務 1 号,2 号,3 号及び 4 号は.すべての遮断器に適用する。

また,7.2(5)によって求めた百分率直流分が 20%を超えるものについては,試験動作責務 5

号をも適用する。

10.

検  査

10.1

形式検査  形式検査は,一つの形式について,9.によって次の項目の検査を行ったとき,6.8.及び

12.

に適合しなければならない。

(1)

構  造

(2)

主回路端子間抵抗

(3)

開閉性能

(4)

温度上昇

(5)

耐  電  圧


22

C 4603-1990

(6)

短時間耐電流強度

(7)

短絡性能

10.2

受渡検査  受渡検査は,9.によって次の項目の検査を行ったとき,6.8.及び 12.に適合しなければな

らない。ただし,受渡当事者間の協定によって,検査項目及び内容を省略してもよい。

(1)

構  造

(2)

主回路端子間抵抗

(3)

開閉性能(定格値に限る。

(4)

耐電圧(乾燥状態での商用周波耐電圧に限る。

ただし,(3)については開閉速度曲線の測定は行わない。

11.

製品の呼び方  製品の呼び方は,名称又は種類,屋内外の別,操作方式,定格電圧,定格電流及び定

格遮断電流による。

例:真空遮断器  屋内用  電動ばね操作  7.2kV  600A  定格遮断電流  12.5kA

12.

表  示  遮断器には,見やすいところに次の事項を容易に消えない方法で表示しなければならない。

(1)

名称又は種類(例えば,油遮断器,ガス遮断器,真空遮断器など。

(2)

形式(製造業者が定める形式)

(3)

定格電圧(kV 又は V)

(4)

絶縁階級(号)

(5)

定格電流 (A)

(6)

定格遮断電流 (kA)

(7)  定格周波数 (Hz)

(8)  定格短時間耐電流 (kA)

(9)  定格投入電流 (kA)

(10)

定格遮断時間(サイクル)

(11)

定格閉路操作電圧 (V) 交直流の別(交流の場合は,周波数を記載する。

(12)

定格閉路制御電圧 (V) 交直流の別(交流の場合は,周波数を記載する。

(13)

定格開路制御電流 (A) 又は定格開路制御電圧 (V)

(14)

製造業者名又はその略号

(15)

総質量 (kg)

(16)

油量,ガス量  (l)  (使用しているものについて記載する。

(17)

製造年及び製造番号

備考  ※印のものは受渡当事者間の協定によって省略してもよい。


23

C 4603-1990

附属書 1  短時間耐電流決定方法

附属書 図は,短時間耐電流試験において供試遮断器に通電した電流のオシログラムである。電流の包

絡線 AA'及び BB'間の縦軸に平行な距離の 2 等分線 CC'を定める。

時間軸上に OT=1 秒の 点をとり,OT を 10 等分し,各分点 0,1,……9,に縦軸に平行な直線を引

き,曲線 AA'及び CC'の交点 E

0

E

1

……E

T

を定める。各分点 0,1,……における電流の交流分振幅を X

X

1

……X

τ

とし,

ただし,

0

0

0

E

F

X

1

1

1

E

F

X

τ

τ

τ

E

F

X

さらに,

2

0

0

X

Z

2

2

1

1

τ

τ

X

Z

X

Z

とすれば.短時間耐電流(実効値)は,次の式によって与えられる。

(

) (

)

[

]

2

2

8

2

6

2

4

2

2

2

9

2

7

2

5

2

3

2

1

2

0

2

4

30

1

τ

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

Z

+

+

+

+

+

+

+

+

+

+

附属書 図  電流のオシログラム


24

C 4603-1990

附属書 2  波形の狂い率決定方法

波形の狂い率の求め方は,直角座標,極座標いずれを用いてもよい。

(1)

直角座標からの求め方

附属書 図 1  半サイクルの波形

附属書 図 1

は,曲線を半サイクルの波形とする。波形の横軸を 等分し,その中間における波

形の瞬時値を a

1

a

2

a

3

,……a

n

とすれば,曲線の実効値 は,

n

a

a

a

a

a

n

2

2

3

2

2

2

1

Λ

Λ

となる。 2 を最大値とし,半波長 DE が 曲線の 0

n

の長さに等しい正弦波 が等価正弦波であ

る。A両曲線の瞬時値の最大差が最小になるように合わせたとき,その最大差を とすると,狂い

率は次のように算出される。

( )

100

2

%

×

a

d

波形の狂い率

(2)

極座標からの求め方  附属書 図 は,極座標で表した半サイクルの波形とする。

附属書 図 2  半サイクルの波形

この図形の面積を求め

π

4

×

図形の面積

A

とすれば,は等価正弦波の最大値となる。


25

C 4603-1990

A

を直径とし,原点 0 を通る円を描き,この円と誘起電圧波形との最大差(0 を通る直線上で測る。

が最小になるように重ね合わせるとき,その最大差を d とすれば,狂い率は次のように計算される。

( )

100

%

×

A

d

波形の狂い率 


26

C 4603-1990

附属書 3  遮断電流及び給与電圧の不平衡率決定方法

各相の遮断電流:I

1

I

2

及び I

3

又は各相の給与電圧(これは線間電圧値でも相電圧値でもよい。

V

1

V

2

及び V

3

は,遮断電流又は給与電圧を記録したオシログラム

附属書 図 によって定める。

附属書 図 に示すように I

1

I

2

及び I

3

,又は V

1

V

2

及び V

3

の大きさを三辺とする三角形 ABC を描く。

AB

の中点 と とを結ぶ

3

CM

GM

=

にとれば,

G

は△ABC の重心となる。

G

を中心とし CG を左右に各 120°

ずつ回転したものを,それぞれ GD 及び GE とすれば

=正相分

AD

=逆相分

AE

となるから,不平衡率 (%) =

100

×

AD

AE

附属書 図 1  遮断電流又は給与電圧のオシログラム

SS´:短絡瞬時

PP

´:発弧瞬時

附属書 図 2  不平衡率決定方法


27

C 4603-1990

附属書 4  試験回路の過渡回復電圧規約値の決定方法

多重周波の初期波高値が過渡回復電圧波高値となる場合を含む

附属書 図は,過渡回復電圧のオシログ

ラムである。

波高値

µ

'

C

 (kV)

規約波高時間 :t'

3

(

µs)

規約上昇率

µ

'

0

/t'

3

kV/

µ

S {GV/s}

周波数

:10

3

/2t "

3

 (kHz)

x"

3

の単位

µ

s

なお,過渡回復電圧波形は,線分 EF と交差しないことが望ましい。

附属書 図  過渡回復電圧のオシログラム


28

C 4603-1990

附属書 5  商用周波回復電圧の決定方法

商用周波回復電圧は,すべての極が消弧した瞬時から 1/2f∼1/f 秒(ただし,は商用周波回復電圧の周

波数)の間で,

附属書 図 又は附属書 図 に示す方法で求める。

(1)

三相試験の場合

00'

:消弧瞬時  G

1

G

1

'

:00'から 1/2秒の瞬時  G

2

G

2

'

:00'から 1/秒の瞬時

f

:商用周波回復電圧の周波数

2

2

1

V

:a 相の相電圧,

2

2

2

V

:b 相の相電圧,

2

2

3

V

:c 相の相電圧,

a

,b,c 相の平均=

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

+

2

2

2

2

2

2

3

1

3

2

1

V

V

V

商用周波回復電圧=

(

)

3

2

1

3

2

1

204

.

0

3

2

2

2

2

2

2

3

1

V

V

V

V

V

V

+

+

=

×

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

+

また,

2

2

,

2

2

,

2

2

3

2

1

L

L

L

V

V

V

を線間電圧値とすれば,

商用周波回復電圧=

(

)

L

L

L

L

L

L

V

V

V

V

V

V

3

2

1

3

2

1

0.118

2

2

2

2

2

2

3

1

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

+

+

附属書 図 1  商用周波回復電圧のオシログラム(三相試験の場合)


29

C 4603-1990

(2)

単相試験の場合

L

L

V

V

354

.

0

2

2

1

×

ここに

2

L

V

は,消弧瞬時より

f

2

1

秒及び

f

1

秒(ただし,は商用周波回復電圧の周波数)の間における商

用周波回復電圧(線間電圧値)の振幅である。

附属書 図 2  商用周波回復電圧のオシログラム(単相試験の場合)


30

C 4603-1990

附属書 6  短絡力率の決定方法

短絡力率=

÷

ø

ö

ç

è

æ

R

X

1

tan

cos

ここに,

X

及び

R

は,遮断点から見た試験回路の試験周波数に対する

1

相のリアクタンス及び抵抗で,

次の近似式によってこれを定める。

2

2

R

Z

X

ここに,

R

は直流で測定した試験回路の抵抗で,その回路に変圧器を含むときは,その変圧器の一次及

び二次回路の抵抗をそれぞれ

R

1

及び

R

2

,また,変圧比を

a

とすれば,

R

R

2

a

2

R

また,

Z

は給与電圧,商用周波回復電圧及び遮断電流を記録したオシログラムから,次の式によって定

められたインピーダンスである。

W

U

Z

3

  給与電圧及び商用周波回復電圧が線間電圧値の場合

W

U

Z

  給与電圧及び商用周波回復電圧が相電圧値の場合

ここに,  及び は,

附属書 

に示す値。

附属書 

において V

1

及び は,それぞれ任意の 1 相における給与電圧,商用周波回復電圧及び遮

断電流である。給与電圧及び商用周波回復電圧波の包絡線と,投入瞬時と消弧瞬時とにおける縦軸との交

点をそれぞれ E及び E'F'とし,直線 EE'及び FF'が発弧瞬時において縦軸を切り取る長さを とする。

また,短絡電流波の包絡線 AA'及び BB'が同じ発弧瞬時において縦軸を切り取る長さを W とする。

上記の方法によって求められない場合には,次の方法によってもよい。遮断電流を記録したオシログラ

附属書 

において,遮断電流の直流分 i

d

、が次の式の時間的変化を取るものとみなし,その減衰時定

数 を定める。

÷

ø

ö

ç

è

æ

T

t

I

i

d

d

exp

ここに,I

d

は,直流分 i

d

の投入瞬時における値である。


31

C 4603-1990

附属書 図  遮断電流のオシログラム

そのとき,

R

L

T

であるから,試験周波数を とすれば

短絡力率=

÷

ø

ö

ç

è

æ

R

fL

π

2

tan

cos

1

附属書 

において,

短絡電流波の包絡線 AA'及び BB'間の縦軸に平行な距離の二等分線を CC'とすれば,

CC'

は直流分 i

d

を示し,その投入瞬時において縦軸との交点を とすれば,O'C は直流分の投入瞬時の値

I

d

である。


32

C 4603-1990

附属書 7  試験周波数決定方法

附属書 

は,遮断電流を記録したオシログラムである。電流波の包絡線 AA'と BB'との間の縦軸に平行

な距離の二等分線 CC'を定める。発弧前において電流波と曲線 CC'との交点 D',発弧後第 2 番目の交点を

E'

とし,D'及び E'から時間軸に下ろした垂線の足をそれぞれ 及び とすれば,発弧前後の遮断電流の周

期 (s) は DE によって与えられるから

試験周波数

( )

DE

Hz

1

附属書 図  遮断電流のオシログラム


33

C 4603-1990

附属書 8  遮断電流及び投入電流の減衰時定数決定方法

附属書 

は,短絡試験において短絡電流を記録したオシログラムとする。

電流波の包絡線 AA'と包絡線 AA'及び BB'間の二等分線 CC'との間の縦軸に平行な距離 I

1

I

2

,…I

n

から短

絡電流の永久値 I

p

を差し引いたものを

(2)

に示すように,時間軸(秒単位)上の各対応する位置に移し,

その頂点を連ねた曲線 DD'を定めれば,曲線 DD'は短絡電流の過渡交流分の包絡線となる。短絡試験にお

ける短絡持続の時間が短く,

上記のオシログラムから短絡電流の永久値 I

p

を正確に決定できない場合には,

その短絡試験における状態と同一とみなすことのできる短絡状態の下に,特に短絡持続の時間を延ばして

短絡電流オシログラムを記録し,そのオシログラムから永久値 I

p

を決定する。

次に発弧瞬時において,曲線 DD'の縦軸に平行な高さ

E

E

上に

E

E

EF

368

.

0

となる F 点をとり,から

時間軸に平行な直線 FG を引き,曲線 DD'との交点 を定めれば

遮断電流減衰時定数(秒)= FG 

また,投入瞬時において曲線 DD'の縦軸に平行な高さ

H

H

上に

H

H

HJ

368

.

0

となる 点をとり,

から時間軸に平行な直線 JK を引き,曲線 DD'との交点 を定めれば

投入電流減衰時定数(秒)= JK となる。

附属書 図  短絡電流のオシログラム


34

C 4603-1990

附属書 9  アーク時間が短い遮断器の短絡試験

アーク時間が短い遮断器では,

同じ回路条件でも開極位相によって過酷さに大きな差があることがある。

したがって,第 1 遮断相のアーク時間が 1 サイクル以内の遮断器の試験は,次の各項によって三相試験を

行うものとする。試験動作責務番号 5 の試験は,標準動作責務とは無関係に 3 回の遮断による。

(1)

試験動作責務番号 123及び 4b

  試験動作責務の開路動作ごとに指令の位相を 40 度ずつ前へ進

める。

(2)

試験動作責務番号 5

  短絡位相の制御は,開極瞬時に規定の直流分が各相に順々に現れるように,試

験ごとに 60 度ずつ移動させる。更に,試験中に 1 回は一つの相で遮断第 1 相,規定の直流分,大ルー

プ中で可能な限り長いアーク時間の 3 条件が重なること。大ループの次の小ループ後の消弧となって

もよい。

実際の手順は,次による。

第 1 回目の試験では短絡位相と開極位相を調整し,

(a)

開極時に 1 相に規定の直流分が現れること。

(b)

消弧がその相で行われ,第 1 遮断相になる場合は大ループでの可能な限り長アーク時間の後に,第

3

遮断相になる場合は小ループに続く大ループでの可能な限り長いアーク時間の後に行われること。

第 2 回目の試験では,短絡位相は第 1 回目より 60 度進め,開極位相は第 1 回目の試験で第 1 遮断相

が大ループ後の消弧である場合は 130 度(第 1 回目より)進め,その他の場合で第 1 回目が有効な場

合は 25 度進める。

第 3 回目の試験では,短絡位相は更に 60 度進め,開極位相は第 2 回目の試験で第 1 遮断相が大ルー

プ後の消弧である場合は更に 180 度,その他の場合で第 2 回目が有効な場合は 25 度進める。

なお,各試験動作責務の後に初期の状態に戻すために,製造業者の指定に従って,例えば次のよう

な補修を行ってもよい。

(a)

アーク接触子などの交換。

(b)

消弧媒体のろ( )過,更新及び補充。

(c)

アーク生成物の除去。


35

C 4603-1990

電気部会  高圧開閉装置専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

中  西  邦  雄

東京電機大学

牧  野  征  男

通商産業省機械情報報産業局

鈴  木  紀  男

工業技術院標準部

並  木      徹

通商産業省資源エネルギー庁

海  老  忠  彦

自治省消防庁

川  上      茂

建設大臣官房官庁営繕部

横  山  眞  一

社団法人日本電気協会

石  山  壮  爾

社団法人電気設備学会

清  水  芳  翠

電気保安協会全国連絡会議

清  水  行  惟

東京電力株式会社

渡  辺      誠

中部電力株式会社

長  坂      進

関西電力株式会社

新  原  重  信

社団法人日本配電盤工業会

白  井  忠  雄

株式会社井上電機製作所

喜多村  忠  雄

富士電機株式会社

沢  村  光  仁

株式会社東芝

杉  中  輝  明

三菱電機株式会社

浜  崎  三喜夫

株式会社明電舎

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会

(事務局)

坂  本      満

工業技術院標準部電気規格課

小  田  宏  行

工業技術院標準部電気規格課