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日本工業規格

JIS

 C

4602

-1986

高圧受電用過電流継電器

Overcurrent Relays for 6.6 kV Receivng

1.

適用範囲  この規格は,主として電気需要場所の受電点における 6.6kV の電路の短絡及び過負荷保護

を目的とする過電流継電器(以下,継電器という。

)について規定する。

引用規格: 

JIS C 0911

  小形電気機器の振動試験方法

JIS C 0912

  小形電気機器の衝撃試験方法

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

整定  所定の装置(タップ,レバーなど)によって,動作の基準値を定めること。

(2)

動作  継電器がその所定の責務を遂行すること。

(3)

始動  継電器を動作させる方向に入力が変化した場合,原位置における機能に変化を生ずること。

(4)

復帰  継電器が原位置における機能に戻ること。

(5)

フローチング(浮動)  継電器の可動部が動作又は復帰行程の途中において停滞し,継電器の機能を

不安定にさせる現象。

(6)

動作時間特性試験点  表 の動作時間特性欄に規定する条件を満足する動作時間整定目盛のうちで製

造業者の明示した一つの値。

(7)

定格値負担  継電器の定格入力電流に対する負担であり,ボルトアンペア (VA) で表す。ただし,こ

れが整定値,他の入力などによって変化する場合は,特に条件を明示しない限り最大となる条件にお

ける値を示すものとする。

(8)

接点容量  閉路容量,開路容量及び通電容量の総称。

(a)

閉路容量  閉路し得る負担の限度。保証する条件及び電圧とそれに対応する電流とをもって示すも

のとする。

(b)

開路容量  開路し得る負担の限度。保証する条件及び電圧とそれに対応する電流,又はボルトアン

ペアと許容し得る電圧,電流の範囲をもって示すものとする。

(c)

通電容量  保証する条件で通電部が定められた温度上昇限度を超えない電流の限度。通電許容時間

によって連続通電容量及び短時間通電容量に分けられる。

(9)

誘導計  交番磁界によって導体に生ずる渦電流と他の交番磁界との電磁作用によって導体が駆動され

るもの。

(10)

静止形  静止回路を主体に構成されたもの。

3.

使用状態


2

C 4602-1986

3.1

標準使用状態  標準使用状態とは,次の使用状態をいい,継電器は,特に指定されない限り,この

状態で使用されるものとする。

(1)

周囲温度は,−20∼50℃。ただし,氷結しない状態とする。

(2)

相対湿度は,30∼80%。

(3)

標高は,2 000m 以下。

(4)

異常な振動,衝撃又は傾斜を受けない状態。

(5)

爆燃性の粉じん,可燃性の粉じん若しくはこれら以外の粉じんで過度のもの,可燃性のガス,腐食性

のガス,引火性の蒸気,塩水の飛まつ又は水滴にさらされない場所。

3.2

特殊使用状態  3.1 に規定する以外の状態で使用される場合は,特殊使用状態とする。このような場

合は,特殊の構造及び機能を必要とするものがあり,その製作,適用に当たっては,特別の注意を必要と

する。

4.

種類  継電器の種類は,次のとおりとする。

(1)

誘導形継電器

(2)

静止形継電器

5.

定格  継電器の定格は,次のとおりとする。

5.1

定格電流  定格電流は,5A とする。

5.2

定格周波数  定格周波数は,50Hz  若しくは 60Hz 専用又は 50Hz 及び 60Hz 共用とする。

6.

性能

6.1

不動作特性  8.3 の試験を行ったとき,継電器の瞬時要素は,動作してはならない。

6.2

フローチング  誘導形継電器は,8.4 の試験を行ったとき,始動電流値は,整定値に対して,その差

が±10%の範囲内でなければならない。

6.3

動作電流特性  8.5 の試験を行ったとき,各動作電流値は,表 の値の範囲内でなければならない。

表 1

項  目

性  能

限時要素

整定値に対し誤差が±10%

瞬時要素

整定値に対し誤差が±15%

6.4

動作表示器及び補助接触器の動作特性  8.6 の試験を行ったとき,通電時には,動作表示器及び補助

接触器は確実に動作し,補助接触器は自己保持しなければならない。

また,電流を遮断したとき,補助接触器は確実に復帰するとともに,動作表示器は手動で復帰させるま

で表示を残置し,かつ,手動で確実に復帰しなければならない。

6.5

動作時間特性  限時要素は,表 の動作時間特性欄の特性をもつとともに,8.7 の試験を行ったとき,

動作時間の誤差は,

表 の許容誤差欄に示す値の範囲内でなければならない。瞬時要素は,8.7 の試験を行

ったとき,動作時間は,0.05s 以下でなければならない。


3

C 4602-1986

表 2

動作時間特性

項目

反限時特性

超反限時特性

許容誤差

1

動作時間整定目盛位置 において,動
作電流整定値の 300%の電流を加えた
ときの公称動作時間  T

n3

10s

T

n3

≧1.5s

動作時間整定目盛位置 10,動作電流整定値の

300%

電流での公称動作時間を T

10

3

,動作時間

整定目盛位置 N

動作電流整定値の 300%電流

での実測動作時間を T

N3

としたとき,

%

17

%

100

10

3

10

3

10

3

×

T

T

N

t

N

ここに,N:動作時間特性試験点として

表される数値とする。

2

動作時間整定目盛位置 において,動
作電流整定値の 700%の電流を加えた
ときの公称動作時間  T

n7

2s

T

n7

≧0.5s

動作時間整定目盛位置 10,動作電流整定値の

700%

電流での公称動作時間を T

10

7

,動作時間

整定目盛位置 N

動作電流整定値の 700%電流

での実測動作時間を t

N7

としたとき,

%

12

%

100

10

7

10

7

10

7

×

T

T

N

t

N

ここに,N:動作時間特性試験点として

表される数値とする。

3

T

n3

と T

n7

の比

4

7

7

3

n

n

T

T

4

上記 1 及び 2 の条件を同時に満足する
動作時間整定目盛位置 は,3 目盛以

上とすること。この場合,は自然数
とする。

6.6

復帰特性  8.8 の試験を行ったとき,継電器は,確実に復帰しなければならない。

6.7

慣性特性  8.9 の試験を行ったとき,継電器の限時要素は,動作してはならない。

6.8

温度の影響  8.10 の試験を行ったとき,各温度における動作電流値及び動作時間は,20℃における

動作電流値及び動作時間に対して,その差が±20%の範囲内でなければならない。

6.9

傾斜の影響  8.11 の試験を行ったとき,始動電流値は,6.2 の測定値に対して,その差が±10%の範

囲内でなければならない。

また,動作表示器及び補助接触器の動作特性は,6.4 の規定に適合しなければならない。

6.10

耐波形ひずみ性能  8.12 の試験を行ったとき,継電器は,動作してはならない。

6.11

耐久性

6.11.1

機構  8.13(1)の試験を行ったとき,継電器は,使用に耐えないような異常を生じてはならない。

6.11.2 

接点  8.13(2)の試験を行ったとき,接点は,使用に耐えないような異常を生じてはならない。

6.11.3

動作表示器及び補助接触器  8.13(3)の試験を行ったとき,動作表示器及び補助接触器は,使用に耐

えないような異常を生じてはならない。

また,動作表示器は,試験中確実に表示を行わなければならない。

6.12

過負荷耐量  8.14 の試験を行ったとき,継電器は,各部に異常を生じてはならない。


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6.13

温度上昇  8.15 の試験を行ったとき,各部の温度上昇は,表 の値以下であり,かつ,継電器に異

常を生じてはならない。

表 3

単位  ℃

温度上昇(基準周囲温度の限度 40℃)

測定箇所

抵抗法

温度計法

コイル

(

1

)

55 50

接  点

− 50

A

種絶縁のもの

− 50

抵抗器

その他のもの

− 80

(

1

)  F

種及び H 種絶縁のものは規定しない。

6.14

振動  8.16 の試験を行ったとき,加振試験中に誤動作を生じてはならない。

また,試験を行った後,継電器は,6.3 に適合し,かつ,各部に異常を生じてはならない。

6.15

衝撃  8.17 の試験を行ったとき,継電器は,6.3 に適合し,かつ,各部に異常を生じてはならない。

6.16

絶縁抵抗  8.18 の試験を行ったとき,絶縁抵抗は,5M

Ω以上でなければならない。

6.17

商用周波耐電圧  8.19 の試験を行ったとき,継電器は,各部に異常を生じてはならない。

6.18

雷インパルス耐電圧  8.20 の試験を行ったとき,継電器は,各部に異常を生じてはならない。

6.19

耐ノイズ性能  静止形継電器は,8.21 の試験を行ったとき,誤動作を生じてはならない。

また,試験を行った後,継電器は 6.3 に適合し,かつ,各部に異常を生じてはならない。

6.20

定格値負担  8.22 の試験を行ったとき,定格値負担は,公称値の 110%以下でなければならない。

7.

構造  継電器の構造は,次の各項に適合するものでなければならない。

(1)

継電器は,十分な機械的・電気的強度をもち,通常の温度変化,湿度変化及び機械的振動・衝撃に耐

えるものであること。

(2)

継電器は,次の二つの動作要素を備えていること。

(a)

限時要素

(b)

瞬時要素

(3)

継電器は,動作表示器を備えていること。

(4)

動作表示器は,動作状態と不動作状態が明りょうに識別できるものとし,動作した場合,自動的に復

帰しない構造であること。この復帰操作は,カバーを開かないで行うことができるものであること。

(5)

継電器要素は,ほこりの入らないようにした金属製又はこれと同等以上の丈夫な箱内に収めること。

パッキンは,容易に変質しないものであること。

(6)

カバーは,取付け及び取外しが可能な構造であること。

(7)

動作表示器の表示及び継電器の名称は,カバーを取り去ることなく見られるものであること。

(8)

動作電流整定装置は,次の値を整定できる構造であること。

(a)

限時要素  3  3.5  4  4.5  5A

(b)

瞬時要素  30  40  (50)  60  (80) A 又は限時要素電流整定値の倍率で表す場合は,

10

  15  20 倍。

備考1. 3.5A 及び4.5A は,誘導形には取り付けなくてもよい。

2. (50A)

及び(80A)  は,取り付けなくてもよい。

(9)

動作時間整定装置は,

表 の動作時間特性欄に規定する条件を満足する目盛を少なくとも 3 点以上整

定できるものであること。誘導形は最大整定目盛を 10 とし,これを 10 分割する。静止形は

表 の動


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作時間特性欄に規定する条件を満足する最大の整定目盛を 10 とし,これ以下を 10 分割する。

(10)

動作電流値の整定は,電流回路を開放せずに行えるものであること。

(11)

端子は,容易に外部回路を接続し得る構造とし,公称断面積 2∼5.5mm

2

の電線を確実に接続できる構

造であること。

(12)

整定値,端子記号などの表示は,明りょうであり,容易に消えないものであること。

(13)

継電器の端子記号は,併用される遮断器の引外し方式によって,

表 のとおりとする。

表 4

継電器の端子記号

区分

引外し方式

単相用

三相用

1A

1B

変流器二次電流によ
る引外し方式

2

無 電 圧 引 外 し 方 式

(開路引外し方式)

3

電圧引外し方式 
(閉路引外し方式)

4

電圧又は無電圧引外
し方式

備考  C

1

及び C

2

は,変流器二次回路用端子,T

1

,T

2

,T

a

,T

b

及び T

c

は,遮断器引外し回路用端子,

添字の R 及び T は,相別,□部は,検出部電流回路を表す。

8.

試験方法

8.1

試験条件  試験は,各項目において定める場合を除き,次の条件で行うものとする。ただし,判定

に疑義を生じない場合は,周囲温度については,20±10℃を採用してもよい。

(1)

周囲温度  20±2℃

(2)

外部磁界  80A/m 以下(定格周波数)

(3)

取付角度  正規位置±2℃

(4)

周波数  定格周波数


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(5)

波形ひずみ率 5%以内

8.2

構造試験  7.及び 11.に規定する事項について調べる。

8.3

不動作試験  瞬時要素を最小動作電流整定値とし,動作電流値の 80%に相当する電流を急激に加え

る。

8.4

フローチング試験  誘導形継電器について,限時要素を最小動作電流整定値とし,動作時間整定の

10

,7,4 及び 1 の目盛位置における始動電流値を測定する。

8.5

動作電流特性試験  限時要素の動作時間整定を,1 の目盛位置としたときの各動作電流整定値におけ

る動作電流値及び瞬時要素を各動作電流整定値としたときの動作電流値を測定する。

8.6

動作表示器及び補助接触器の動作特性試験  変流器二次電流による引外し方式又は無電圧引外し方

式の遮断器と併用される継電器にあっては,8.5 の動作電流特性試験時の動作電流値に等しい電流を加え,

動作表示器及び補助接触器を動作させる。

また,電圧引外し方式の遮断器と併用される継電器にあっては,製造業者の公称する動作電流値に等し

い電流を動作表示器及び補助接触器に急激に加えて動作させる。上記の試験の後,外部からの電流を遮断

する。動作表示器は,手動で復帰させる。

8.7

動作時間特性試験  限時要素を最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を形式検査では表 2

を満足する少なくとも 3 目盛,受渡検査では動作時間特性試験点の位置として

表 の電流を急激に加え,

継電器の動作時間を測定する。

次に瞬時要素を最小動作電流整定値とし,整定値の 200%の電流を急激に加え,継電器の動作時間を測

定する。

8.8

復帰特性試験  限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を

10

の目盛位置として動作させた後,電流値を限時要素については整定値の 80%,瞬時要素については整定

値の 10%に減ずる。

8.9

慣性特性試験  限時要素を最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を 10 の目盛位置として,

動作電流整定値の 1 000%の電流を

表 に示す時間,通電する。

表 5

区分

通電時間

誘導形

動作時間の 60%

静止形

動作時間の 90%

8.10

温度の影響  限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を 1

の目盛位置として,継電器の周囲温度を−20℃,20℃及び 60℃の 3 点として動作電流値を測定する。

さらに,静止形については,限時要素を最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を動作時間特性

試験点として,継電器の周囲温度を−20℃,20℃及び 60℃の 3 点として,動作電流整定値の 300%の電流

を急激に加え,動作時間を測定する。

8.11

傾斜の影響  継電器を正規の取付け位置から前後及び左右に 5 度傾斜させ,8.4 及び 8.6 の試験を行

う。

8.12

耐波形ひずみ試験  限時要素を最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を 1 の目盛位置とし

て,基本波に対して 30%の第 5 調波を含有させた動作電流整定値の 80%の電流を通電する。

8.13

耐久性試験  耐久性試験は,次のとおり行う。

(1)

機構  限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を 10 の目盛位

置として,限時要素の動作電流整定値の 300%の電流を加えて継電器を動作させた後,入力を零とし


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C 4602-1986

て復帰させる。これを 500 回繰り返す。

次に,瞬時要素にその動作電流整定値の 150%の電流を加えて継電器を動作させた後,入力を零と

して復帰させる。これを 500 回繰り返す。

この試験は,接点回路を無通電で行ってもよい。

(2)

接点  接点について,次の試験を行う。

(a)

表 の 1A 又は 1B に示される接点については,遮断器引外し回路用端子間に力率 0.5,10

Ω(R=5Ω,

X

=8.67

Ω)に設定したインピーダンスを接続し,限時要素を最小動作電流整定値とし,かつ,動作

時間整定を 1 の目盛位置として,動作電流整定値の 300%の電流を加えて継電器を動作させた後,

入力を零として復帰させる。これを 100 回繰り返す。

次にインピーダンスを力率 0.5,2

Ω(R=1Ω,X=1.732Ω)に変更し,瞬時要素を最小動作電流整

定値とし,60A の電流を加えて継電器を動作させた後,入力を零として復帰させる。これを 100 回

繰り返す。

(b)

表 の 2 又は 3 に示される接点については,表 の試験条件によって,開路容量試験又は閉路容量

試験を行う。

この場合は,限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を

1

の目盛位置として,限時要素ではその動作電流整定値の 300%,瞬時要素ではその動作電流整定値

の 150%の入力で継電器を動作させる。

表 6

試験条件

試験の種類

適  用

回  数

電流 A

電圧 V

時定数 L/R

又は力率

開閉条件

開路容量試験

表 4

の区分 2 100  AC  0.7 AC  110 cos

φ

=0.1 0.5s  開路

閉路容量試験

表 4

の区分 3 l00  DC  10 DC  220

L/R

=0ms 0.5s  通電

備考  回数は,限時要素及び瞬時要素それぞれについて 100 回とする。

(c)

表 の 4 に示される接点については,表 の試験条件によって,常時閉路接点は開路容量試験,常

時開路接点は閉路容量試験を行う。

(3)

動作表示器及び補助接触器  動作表示器及び補助接触器にそれぞれの公称動作電流値を加えて,限時

要素用及び瞬時要素用のものは,それぞれにつき 500 回,限時要素と瞬時要素とに共用のものは 1 000

回動作させる。

8.14

過負荷耐量試験  限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,定格電流の 2 000%の

電流を 1 分間隔をおいて 250ms 2 回加える。

この場合,

表 の 1A 又は 1B に示される接点については,遮断器引外し回路用端子間に,力率 0.5,2

(R

=1

Ω,X=1.732Ω)  に設定したインピーダンスを接続して試験する。

8.15

温度上昇試験  限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,継電器の変流器を二次

回路用端子間に 5A を連続して流したときの各部の温度上昇を測定する。ただし,変流器二次電流による

引外し方式の遮断器と併用される継電器では,限時要素を不動作状態にして行う。

なお,無電圧引外し方式の遮断器と併用される継電器では,継電器の遮断器引外し回路用端子間に製造

業者の公称する接点通電電流を連続印加したときの接点温度上昇を測定する。

また,電圧引外し方式の遮断器と併用される継電器では,製造業者の公称する動作表示器及び補助接触

器の定格電流を公称する定格時間だけ,それぞれの回路に流して各部の温度上昇を測定する。


8

C 4602-1986

8.16

振動試験  継電器を正規の位置に取り付け,JIS C 0911(小形電気機器の振動試験方法)の方法によ

って,

表 の条件で振動を加える。その後動作電流値を測定する。

表 7

複振幅  mm

参考

加速度  m/s

2

耐振

階級

振動数

Hz

前後

左右

上下

加振時間 s

(各方向とも)

前後

左右

上下

通電条件

10

(

2

)

5 2.5 30

10  5

A

16.7 0.4

600

2

B 16.7

0.4

600

2

最小動作電流整定値,

動作時間整定 1 の目盛

位置及び限時要素整定

値の 80%の電流

(

2

)  JIS C 0911

に規定する方法によって共振試験を行い,3∼10Hz の振動数範囲に共振点がないことを

確認する。もし,共振点がある場合は,その振動数で

7に示す加速度を30秒印加すること。

備考  耐振階級による区分は,表 のとおりとし,特に明示しない場合は,◎印の耐振階級を適用する。

○印の耐振階級を適用する場合は,耐振階級を明示しなければならない。

表 8

耐振階級

継電器の種類

A B

静止形継電器

誘導形継電器

8.17

衝撃試験  継電器を正規の位置を基準として,上下,左右及び前後の方向に JIS C 0912(小形電気

機器の衝撃試験方法)の方法によって,最大加速度 300m/s

2

の衝撃をそれぞれ 2 回加えた後,限時要素及

び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を 1 の目盛位置として,動作電流値

を測定する。

なお,衝撃を加えるときは,無通電で行う。

8.18

絶縁抵抗試験  直流 500V の絶縁抵抗計で電気回路相互間,接点回路端子間(極間)及び電気回路と

外箱間の絶縁抵抗を測定する。この測定は,限時要素の動作時間整定を 1 の目盛位置とし,相対湿度 80%

以下で行う。

8.19

商用周波耐電圧試験  電気回路相互間,接点回路端子間(極間)及び電気回路と外箱間に表 に示

す値の正弦波に近い電圧を 1 分間加える。この試験は,動作時間整定を 1 の目盛位置として行う。

なお,受渡検査の場合には,試験電圧の値を

表 に示す値の 120%とすることによって,試験時間を 1

秒間に短縮することができる。

表 9

単位  V

電気回路相互間及び電

気回路と外箱間

接点回路端子間(極間)

(

3

)

2 000

1 000

(

3

)

常時閉路接点には適用しない。

8.20

雷インパルス耐電圧試験  電気回路相互間及び電気回路と外箱間に,波形が 1.2/50

µS(波形の裕度

は波頭長で±30%,波尾長で±20%とする。

)で,波高値が 4.5kV の雷インパルス電圧を正負極性別に各 3

回印加する。電気回路相互間の試験では,1 回だけ絶縁破壊した場合,引き続き 3 回印加したとき,これ

に耐えればよい。この試験は,動作時間整定を 1 の目盛位置として行う。


9

C 4602-1986

8.21

耐ノイズ試験  静止形継電器について,限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,

かつ,動作時間整定を 1 の目盛位置として,限時要素整定値の 80%の電流を通電し,

表 10 に定める印加

箇所に,

表 11 に定めるいずれかの波形の繰返し減衰振動電圧を 2 秒間継続して印加する。

なお,試験後限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし,かつ,動作時間整定を 1 の目

盛位置として動作値を測定する。

表 10

印加箇所

印加方法例

変流器二次回路用端子一括対地間

変流器二次回路用端子極間

備考  ブロッキングコイル (L),カップリングコンデンサ (C) の値は,表 11 の波形

1

,2 に応じて次表の値とする。

波形 1 による場合

波形 2 による場合

L 370

µH 1.5mH

C 0.1

µF 0.5µF

表 11

波形 1

波形 2

第 1 波波高値 2.5∼3kV 2.5kV

0

10

+

%

振動周波数

1

∼1.5MHz 1MHz±10%

2

1

減衰時間

6

µs 以上

3

∼6 サイクル(振動周波数基準)

繰返し頻度 50 回以上/s 6∼10 回/商用周波の 1 周期(非同

期)

試験回路出力 
インピーダンス

150

Ω 200Ω±10%

8.22

定格値負担試験  継電器の限時要素及び瞬時要素を最小動作電流整定値に整定し,入力回路に定格

電流を加えて負担を測定する。

9.

検査

9.1

形式検査  形式検査は,次の項目について,8.によって試験を行ったとき,6.7.及び 11.の規定に適

合しなければならない。

(1)

構造


10

C 4602-1986

(2)

不動作特性

(3)

フローチング(誘導形のものに限る。

(4)

動作電流特性

(5)

動作表示器及び補助接触器の動作特性

(6)

動作時間特性

(7)

復帰特性

(8)

慣性特性

(9)

温度の影響

(10)

傾斜の影響

(11)

耐波形ひずみ性能

(12)

耐久性

(13)

過負荷耐量

(14)

温度上昇

(15)

振動

(16)

衝撃

(17)

絶縁抵抗

(18)

商用周波耐電圧

(19)

雷インパルス耐電圧

(20)

耐ノイズ性能(静止形のものに限る。

(21)

定格値負担

9.2

受渡検査  受渡検査は,次の項目について,8.によって試験を行ったとき,6.7.及び 11.の規定に適

合しなければならない。

(1)

構造

(2)

不動作

(3)

動作電流特性

(4)

動作時間特性

(5)

商用周波耐電圧

10.

製品の呼び方  製品の呼び方は,名称,種類,定格電流,定格周波数,瞬時要素の最小動作電流整定

値及び遮断器の引外し方式(変流器二次電流引外し方式のものを除く。

)による。

1:  高圧受電用誘導形過電流継電器  5A  50Hz  30A

2:  高圧受電用静止形過電流継電器  5A  60Hz  30A  電圧引外し方式

備考  固定形,引出形などの別並びに動作表示器及び補助接触器の定格を必要に応じて加える。

11.

表示  継電器には,容易に消えない方法で,次の事項を銘板記載その他の方法で見やすい箇所に表示

しなければならない。

(1)

名称

(2)

定格電流

(3)

定格周波数

(4)

動作電流整定値及び動作時間整定値


11

C 4602-1986

(5)

限時要素の時間整定目盛 10 における動作時間特性曲線

(6)

端子記号

(7)

製造業者名又はその略号

(8)

製造年又はその略号

(9)

製造番号

備考  名称中,種類の表示は省略することができる。


12

C 4602-1986

高圧受電用過電流継電器工業標準改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

斉  藤  満  雄

富士電機株式会社

広  野  允  士

通商産業省機械情報産業局

平  田  辰一郎

資源エネルギー庁公益事業部

太  田  健一郎

工業技術院標準部

長谷川  寿  夫

自治省消防庁

竹  添  輝  男

建設省大臣官房官庁営繕部

飯  沼  孝  正

社団法人日本電気協会

関  根  儀七郎

電気保安協会全国連絡会議

小  熊  修  蔵

東京電力株式会社

望  月  秀  俶

中部電力株式会社

岡  本  敏  雄

関西電力株式会社

榎  本  龍  幸

日本国有鉄道

春  藤  圭  介

社団法人日本配電盤工業会

石  山  壮  爾

社団法人日本電設工業協会

篠  崎  順  彦

株式会社明電舎

芳  賀      博

株式会社日立製作所

森  山  義  孝

株式会社東芝

伊  藤      真

三菱電機株式会社

村  重  伸  一

立石電機株式会社

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会