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C 4003:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 一般的事項 ······················································································································ 3 

4.1 電気絶縁材料と電気絶縁システムとの関係 ·········································································· 3 

4.2 最高使用温度 ················································································································ 3 

4.3 影響する他の要因 ·········································································································· 3 

4.4 電気絶縁材料の熱的評価 ································································································· 3 

4.5 電気絶縁システムの熱的評価 ··························································································· 4 

5 耐熱クラス ······················································································································ 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

C 4003:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電気学会

(IEEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによ

って,JIS C 4003:1998は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

JIS 

C 4003:2010 

電気絶縁−熱的耐久性評価及び呼び方 

Electrical insulation-Thermal evaluation and designation 

序文 

この規格は,2007年に第4版として発行されたIEC 60085を基に,技術的内容を変更することなく作成

した日本工業規格であるが,箇条番号の一部を変更している。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書

JAに示す。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,電気絶縁システム(EIS)の耐熱クラスと電気絶縁材料(EIM)の耐熱クラスとの間の違い

を明確にし,電気絶縁材料及び電気絶縁システムの双方に対して,熱的耐久性評価の判定基準及び耐熱ク

ラスを指定する手順について規定する。 

この規格は,熱的要因が主な劣化因子である場合に,用いることができる。 

注記1 電気絶縁材料がある電気絶縁システムに用いられているという関係から,用いられている電

気絶縁材料にその電気絶縁システムの耐熱クラスを当てはめることはできない。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60085:2007,Electrical insulation−Thermal evaluation and designation(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

IEC 60216-1,Electrical insulating materials−Properties of thermal endurance−Part 1: Ageing procedures and 

evaluation of test results 

IEC 60216-5,Electrical insulating materials ‒Thermal endurance properties−Part 5: Determination of relative 

thermal endurance index (RTE) of an insulating material 

IEC 60505,Evaluation and qualification of electrical insulation systems 

IEC 61857 (all parts),Electrical insulation systems−Procedures for thermal evaluation 

IEC 61858,Electrical insulation systems−Thermal evaluation of modifications to an established wire-wound 

EIS 

C 4003:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,IEC 60505によるほか,次による。 

3.1 

電気絶縁材料,EIM(electrical insulating material) 

電気機器において,電位が異なる導体間を分離するために用いる,導電性が無視できる程度に低い固体

材料若しくは液体材料,又はそれらの簡単な組合せ材料。 

注記1 “簡単な組合せ”とは,例えば,ポリエチレンテレフタレートフィルム上に積層された紙で

構成される可とう(撓)性材料のように,接合状態で配置される電気絶縁材料の組合せであ

る。 

注記2 試験の目的によっては,試験しようとする電気絶縁システムを構成している組合せ材料(材

料の簡単な組合せ)ではなく,単体の材料に電極を取り付けることもある。 

3.2 

電気絶縁システム,EIS(electrical insulation system) 

電気機器中に用いる導電部分と単独又は複数の電気絶縁材料とで構成される絶縁構造。 

3.3 

評価対象電気絶縁材料(candidate EIM) 

推定される熱的耐久性を確定するために評価試験を受ける電気絶縁材料。 

3.4 

参照電気絶縁材料(reference EIM) 

望ましくは使用経験を基に得られた,既知の熱的耐久性をもち,評価対象電気絶縁材料とともに比較評

価試験に用いる材料。 

3.5 

評価対象電気絶縁システム(candidate EIS) 

熱的稼働能力を確定するために機能評価試験を受ける電気絶縁システム。 

3.6 

参照電気絶縁システム(reference EIS) 

既知の使用経験の記録又は既知の比較機能評価試験に基づいて,確証が得られている電気絶縁システム。 

3.7 

電気絶縁材料の実績熱的耐久性指数,EIM ATE(EIM assessed thermal endurance index) 

特定の用途において,参照電気絶縁材料がその温度まで満足する使用経験をもつことが知られている温

度(℃)の数値。 

3.8 

電気絶縁材料の相対熱的耐久性指数,EIM RTE(EIM relative thermal endurance index) 

電気絶縁材料の実績熱的耐久性指数の温度において,評価対象電気絶縁材料の推定終点時間が参照電気

絶縁材料の推定終点時間と同じになる温度(℃)の数値。 

3.9 

電気絶縁システムの実績熱的耐久性指数,EIS ATE(EIS assessed thermal endurance index) 

既知の使用経験又は既知の比較機能評価試験から導かれた参照電気絶縁システムの温度(℃)の数値。 

3.10 

電気絶縁システムの相対熱的耐久性指数,EIS RTE(EIS relative thermal endurance index) 

C 4003:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

比較機能評価試験で参照電気絶縁システム及び評価対象電気絶縁システムに,同じ劣化及び判定の処置

を施したとき,参照電気絶縁システムの既知の電気絶縁システムの実績熱的耐久性指数に関連付けられる

評価対象電気絶縁システムの温度(℃)の数値。 

3.11 

耐熱クラス(thermal class) 

推奨される最高連続使用温度(℃)の数値に等しい呼び方。 

注記1 指定の耐熱クラスを超える温度で稼働した電気絶縁システムでは,より短い期待寿命になる

ことがある。 

注記2 異なる熱的耐久性指数(IEC 60216-5による実績熱的耐久性指数及び/又は相対熱的耐久性

指数)をもつ複数の電気絶縁材料を組み合わせて一つの電気絶縁システムを構成する場合,

IEC 60505によると,電気絶縁システムの耐熱クラスは,個々の電気絶縁材料の推奨最高連

続使用温度より高くなる場合もあり,逆に低くなる場合もある。 

注記3 我が国では,電気絶縁システムについては耐熱クラス,電気絶縁材料については温度クラス

と使い分けることもある。 

一般的事項 

4.1 

電気絶縁材料と電気絶縁システムとの関係 

電気機器に特定の耐熱クラスであると記載されている場合,その電気機器を構成する各電気絶縁材料が

同じ熱的耐久性のものであることを意味しないし,また,意味していると解釈してはならない。 

電気絶縁システムの耐熱クラスは,それを構成する個々の電気絶縁材料の熱的耐久性に直接関係付ける

ことはできない。電気絶縁システムでは,そのシステムで用いられるその他の電気絶縁材料の保護的な特

性が,個々の電気絶縁材料の熱的耐久性より高い耐熱クラスの電気絶縁システムに用いられるそれぞれの

電気絶縁材料の性能を改善することがある。一方,電気絶縁材料間の非適合性の問題は,システムの耐熱

クラスを電気絶縁材料の熱的耐久性より低下させることがある。したがって,電気絶縁システムの耐熱ク

ラスからその構成に含まれる電気絶縁材料の耐熱性を推定してはならない。 

4.2 

最高使用温度 

この規格の耐熱クラスは,個別製品規格で規定した標準運転条件の下での電気絶縁システムに推奨され

る最高温度に数値的に等しい。 

電気機器の最高使用温度が電気絶縁システムの耐熱クラスと異なる場合の運転条件は,個別製品規格で

規定する。このような状況は,寿命が通常より短いか,若しくは長いと考えられる場合,又は運転の異常

状態が存在する場合に生じることがある。 

4.3 

影響する他の要因 

電気絶縁システムがその機能を果たす能力は,熱的因子を別にした場合,多くの因子,例えば,電気的

又は機械的なストレス,振動,有害な雰囲気及び化学物質,湿度,ほこり並びに放射線によって影響を受

ける。電気機器の詳細な設計又はこれらの評価について,これ以外の指針がIEC 60505中にあると思われ

るときは,これらすべての因子を考慮に入れるのがよい。 

4.4 

電気絶縁材料の熱的評価 

電気絶縁材料及び電気絶縁材料の簡単な組合せ材料は,IEC 60216-1の指針に従った上に,IEC 60216-5

によって,想定される実用状況に留意して評価する。 

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C 4003:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.5 

電気絶縁システムの熱的評価 

電気絶縁システムの熱的評価についての規格に従って,設計及び組立てが行われた回転機,変圧器など

多くの電気機器については,標準運転状態で十分な経済的寿命が得られることが経験的に立証されている。 

電気絶縁システムの熱的評価の試験方法は,IEC 60505の指針に従う。低電圧機器を意図した電気絶縁

システムの試験方法には,IEC 61857シリーズ及びIEC 61858がある。 

耐熱クラス 

電気機器の温度は,多くの場合,電気絶縁システム中の電気絶縁材料の劣化に影響する主要な因子であ

る。このことから,基本的な耐熱クラスは有用であり国際的にも認められてきた。電気絶縁システムの耐

熱クラスが指定された場合,それは電気絶縁材料の組合せが適切な場合における推奨最高連続使用温度

(℃)を意味する。 

電気絶縁システムの耐熱クラスは,使用経験又は4.5に従った機能試験の結果に基づいて指定する。こ

の電気絶縁システムの耐熱クラスは,電気絶縁システムの実績熱的耐久性指数又は電気絶縁システムの相

対熱的耐久性指数に基づいて指定する。 

電気絶縁材料の耐熱クラスが,使用経験又は4.4に従った試験の結果に基づいて,ある電気絶縁材料に

適用された場合でも,その電気絶縁材料の耐熱クラスを,電気絶縁システムの耐熱クラスに使用するのに

適することを意味しないし,また,その電気絶縁材料が部分をなしている電気絶縁システムの耐熱クラス

が,その電気絶縁材料の耐熱クラスと等しいことを自動的に意味するものではない。 

耐熱クラスの呼び方を,表1に示す。 

表1−耐熱クラスの呼び方 

実績熱的耐久性指数又は相対熱的耐久性指数 

℃ 

耐熱クラス 

℃ 

指定文字a) 

≧90 

<105 

90 

≧105 

<120 

105 

≧120 

<130 

120 

≧130 

<155 

130 

≧155 

<180 

155 

≧180 

<200 

180 

≧200 

<220 

200 

≧220 

<250 

220 

≧250 b) 

<275 

250 

− 

注a) 必要がある場合,指定文字は,例えば,クラス180 (H) のように括弧を付けて表

示することができる。スペースが狭い銘板のような場合,個別製品規格には,指
定文字だけを用いてもよい。 

b) 250を超える耐熱クラスは,25ずつの区切りで増加し,それに応じて指定する。 

参考文献 IEC 60216-6,Electrical insulating materials−Thermal endurance properties−Part 6: Determination of 

thermal endurance indices (TI and RTE) of an insulating material using the fixed time frame 

method 

IEC/TS 62101,Electrical insulation systems−Short-time evaluation of combined thermal and electrical 

stresses 

background image

C 4003:2010  

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 4003:2010 電気絶縁−熱的耐久性評価及び呼び方 

IEC 60085:2007 Electrical insulation−Thermal evaluation and designation 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 一般的
事項 

 
 
 
 
 
 
4.1 電気絶縁材料と電
気絶縁システムとの関
係 

題名は,“一般的事項−電
気絶縁材料と電気絶縁シス
テムとの関係”となってお
り,電気絶縁材料と電気絶
縁システムとの関係及び他
の細分箇条の4項目を規定。 

一致 
 
 
 
 
 
追加 

 
 
 
 
 
 
段落部分を細分箇条として記載し
たものであり,技術的差異はない。 

対応国際規格の箇条4の題名は,
“一般的事項−電気絶縁材料と電
気絶縁システムとの関係”となっ
ているが,“電気絶縁材料と電気
絶縁システムとの関係”について
は箇条4の最初の段落に記載があ
り,次に続く細分箇条では別の事
項が規定されている。この部分を
4.1として記載した。 

4.2 最高使用温度 

4.1 

最高使用温度 

一致 

細分箇条番号だけを変更したもの
であり,技術的差異はない。 

4.3 影響する他の要因 

4.2 

影響する他の要因 

一致 

4.4 電気絶縁材料の熱
的評価 

4.3 

電気絶縁材料の熱的評価 

一致 

4.5 電気絶縁システム
の熱的評価 

4.4 

電気絶縁システムの熱的評
価 

一致 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60085:2007,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

3

C

 4

0

0

3

2

0

1

0

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。