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C 3711

:2007

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  構成部品及び定格

3

5

  性能

3

5.1

  構造

3

5.2

  温度上昇 

3

5.3

  絶縁抵抗 

3

5.4

  耐電圧

3

5.5

  防雨性(屋外用絶縁トロリーシステムだけに適用する。)

4

5.6

  水平強度 

4

5.7

  垂直強度 

4

5.8

  耐衝撃

4

5.9

  走行性

4

5.10

  短絡

4

6

  構造

4

6.1

  絶縁トロリー線

4

6.2

  フィードイン 

5

6.3

  乗移り部 

5

6.4

  エンド

5

6.5

  ハンガ

5

6.6

  耐張引留装置 

5

6.7

  コレクタ 

5

7

  材料

6

7.1

  導体

6

7.2

  絶縁物

7

7.3

  コレクタ 

7

8

  試験方法

7

8.1

  構造試験 

7

8.2

  温度試験 

7

8.3

  絶縁抵抗試験 

7

8.4

  耐電圧試験 

7

8.5

  防雨性試験 

7

8.6

  水平強度試験 

8

8.7

  垂直強度試験 

8


C 3711

:2007  目次

(2)

ページ

8.8

  耐衝撃試験 

8

8.9

  走行性試験 

9

8.10

  短絡試験 

9

9

  検査

10

9.1

  形式検査 

10

9.2

  受渡検査 

10

10

  製品の呼び方 

10

11

  表示 

11


C 3711

:2007

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気設備

学会(IEIEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 3711:1993 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


C 3711

:2007  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 C

3711

:2007

絶縁トロリーシステム

Covered trolley wire systems

適用範囲 

この規格は,主として工場,倉庫などの事業場に設置されるクレーンなどの移動用機器に電気を供給す

る交流 600 V 又は直流 750 V 以下の電路に使用する定格電流 2 000 A 以下の絶縁トロリー線及びその附属

品で構成する絶縁トロリーシステムについて規定する。

なお,多線式絶縁トロリーシステムは,屋内用だけに適用する。

注記  この規格は,トロリーバスダクトの特性について規定するものであるが,その特性にかかわる

規定は設計の指針を示すものであり,この規格によって適合性評価を行うことは意図していな

い。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 1602

  熱電対

JIS C 2110

  固体電気絶縁材料の絶縁耐力の試験方法

JIS C 3005

  ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法

JIS C 3104

  平角銅線

JIS C 3801

  がいし試験方法(規格群)

JIS C 8306

  配線器具の試験方法

JIS C 60068-2-75

  環境試験方法−電気・電子−第 2-75 部:ハンマ試験 

JIS G 3132

  鋼管用熱間圧延炭素鋼鋼帯

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板並びに条

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 4040

  アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線

JIS H 4080

  アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管

JIS H 4100

  アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材

JIS K 7113

  プラスチックの引張試験方法

用語及び定義 


2

C 3711

:2007

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

絶縁トロリー線 

導体を絶縁物によって覆い,コレクタが集電可能な連続した開口部をもつトロリー線。

3.2 

張力形絶縁トロリー線 

耐張引留装置を用い,張力を加えて施工する方式の絶縁トロリー線。

3.3 

非張力形絶縁トロリー線 

張力を加えずに施工する方式の絶縁トロリー線。

3.4 

単線式絶縁トロリー線 

1 本の導体に独立した絶縁被覆をもった単極導体構造の絶縁トロリー線。単線式絶縁トロリー線を複数

本同一のハンガで固定して使用するものもある。

3.5 

多線式絶縁トロリー線 

複数本の導体を一つの絶縁被覆で連結した多極導体一括形の絶縁トロリー線。

3.6 

屋内用絶縁トロリーシステム 

屋内で使用することを意図した絶縁トロリーシステム。

3.7 

屋外用絶縁トロリーシステム 

屋外又は屋側で使用することを意図した絶縁トロリーシステム。

なお,湿気又は水気の多い屋内での使用も意図する。がいし付きハンガなどで絶縁性能を高めたものが

ある。

3.8 

エキスパンション 

熱伸縮による変化量を吸収する構造をもつ絶縁トロリー線。

3.9 

フィードイン 

絶縁トロリー線に給電するための部品。

3.10 

ジョインタ 

絶縁トロリー線相互を電気的及び機械的に接続する部品。

3.11 

乗移り部 

コレクタが絶縁トロリー線間を乗り移るために使用する部分。

3.12 

エンド 

絶縁トロリー線の端末部を絶縁する部品。


3

C 3711

:2007

3.13 

ハンガ 

絶縁トロリー線を支持又は固定する部品。

3.14 

耐張引留装置 

絶縁トロリー線に張力を加えて引き留める装置。

3.15 

コレクタ 

集電用ブラシを絶縁トロリー線の導体面としゅう(摺)動させながら集電する機構をもつ部品。

構成部品及び定格 

構成部品,定格電圧及び定格電流は,

表 による。

表 1−構成部品及び定格 

構成部品

定格電圧

a)

V

定格電流(参考値)

c)

A

絶縁トロリー線

エキスパンション 
フィードイン 
ジョインタ

30,60,90,100,150,200,300,400,
500,600,800,1 000,1 500,2 000

エンド

ハンガ

耐張引留装置

屋内用

屋外用

b)

コレクタ

600 (750) 
300 (300)

15,20,30,50,60,75,80,90,100,
120,200,250,300,400,500,600

a)

  括弧内の数値は,直流電圧を示す。

b)

  屋外用は,単線式のものに限る。

c)

  定格電流は参考値であり,この表にないものも適用することができる。

性能 

5.1 

構造 

絶縁トロリー線及びその附属品は,8.1 の試験を行ったとき,実用上支障があってはならない。

5.2 

温度上昇 

導体中央部及び接続部の温度上昇は,8.2 の試験を行ったとき,

表 の値以下でなければならない。

表 2−温度上昇 

単位  ℃

絶縁物の最高許容温度

温度上昇

85 以上 55

75 45 
60 30

5.3 

絶縁抵抗 


4

C 3711

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絶縁抵抗は,8.3 の誠験を行ったとき,5 MΩ 以上でなければならない。

5.4 

耐電圧 

耐電圧は,8.4 の試験を行ったとき,これに 1 分間耐えなければならない。

5.5 

防雨性(屋外用絶縁トロリーシステムだけに適用する。) 

防雨性は,8.5 の試験を行った後,次の部位間について,直流 500 V 絶縁抵抗計を用いて絶縁抵抗を測定

したとき 5 MΩ 以上であり,かつ,周波数 50 Hz 又は 60 Hz の交流電圧 3 000 V を加えたとき,1 分間これ

に耐えなければならない。

a)  8.5 a) 1)

3)に示す取付状態で,ハンガ支持用金属部と金属はく(箔)との間。

b)  8.5 b)

に示す取付状態で,充電部と引留めボルトとの間。

5.6 

水平強度 

水平強度は,直線状の絶縁トロリー線について 8.6 の試験を行ったとき,絶縁物に破損又はひび割れが

なく,かつ,5.2 及び 5.3 を満足しなければならない。

5.7 

垂直強度 

垂直強度は,絶縁トロリー線を垂直に使用するものについて 8.7 の試験を行ったとき,各部に実用上有

害な永久ひずみ又は破損がなく,かつ,導体が移動してはならない。

5.8 

耐衝撃 

耐衝撃は,

磁器のものを除き,

8.8

の試験を行ったとき,

絶縁物に実用上有害な破損又はひび割れがなく,

かつ,5.2 及び 5.3 を満足しなければならない。

5.9 

走行性 

走行性は,8.9 の試験を行ったとき,電気的又は機械的な欠陥が生じず,コレクタのブラシ端子部の温度

上昇が 55  ℃以下であり,かつ,5.2 及び 5.3 を満足しなければならない。

5.10 

短絡 

多線式絶縁トロリー線の短絡は,8.10 の試験を行ったとき,試験後の隣接導体相互間の最大永久変位量

が試験前の間隔の 25  %以下であり,導体支持部に有害な損傷又はひび割れがなく,絶縁トロリーシステ

ムを構成する各部に実用上有害な変形又は切損を生じてはならない。ただし,エキスパンションには,最

大永久変位量 25  %は適用しない。

また,短絡試験後,5.2 及び 5.3 を満足しなければならない。

構造 

6.1 

絶縁トロリー線 

絶縁トロリー線は,7.1 の導体を 7.2 の絶縁物によって覆い,コレクタを滑らかに接触走行させることが

できる連続した開口部を設けたもので,次の各項に適合しなければならない。

a)

絶縁物は,使用状態で容易に外れない。

b)

導体の接続部は,機械的及び電気的に確実に接続でき,かつ,絶縁カバーを取り付ける。

c)

導体接続部に用いるピン,ボルト,ナット及び座金は,十分な機械的強度をもつ。

なお,さびるおそれがある鋼にあっては,めっきなどのさび止めを施す。

d)

充電露出部と非充電露出金属部との間及び異極充電部相互間の距離は,

表 の値以上とする。

e)

絶縁物の開口部は,人が容易に充電部に触れにくい構造とする。

f)

エキスパンションは,導体の伸縮を吸収するための間げき(隙)をもち,十分な電流容量の絶縁電線

によって導体相互間を接続したもので,コレクタの走行に支障がない。


5

C 3711

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g)

垂直に使用する絶縁トロリー線は,導体が自重によって絶縁物から滑り落ちない。

h)

多線式絶縁トロリー線において,線間の隔壁が破損しても橋絡が起こらない。

表 3−絶縁距離 

定格電流

A

部位

定格電圧

a)

V

空間距離及び沿面距離

b)

mm

100 以下

充電露出部と非充電露出金属部との間
及び異極充電部相互間

12

100 を超えるもの

充電露出部と非充電露出金属部との間

及び異極充電部相互間

600 (750)以下
300 (300)以下

25

a)

  括弧内の数値は,直流電圧を示す。

b)

  コレクタを装着したときの寸法を示す。

6.2 

フィードイン 

フィードインは,給電線と絶縁トロリー線とを電気的及び機械的に確実に接続でき,給電部が露出しな

いように外部を絶縁した構造でなければならない。

6.3 

乗移り部 

乗移り部は,コレクタの乗移りが円滑にできる構造で,導体は,絶縁物の端部から 4 mm 以上内部にな

ければならない。

6.4 

エンド 

エンドは,良好な絶縁物で製作されたもので,絶縁トロリー線の端末部を常に確実に絶縁し,かつ,絶

縁トロリー線を延長するとき取外しができる構造でなければならない。

6.5 

ハンガ 

ハンガは,次に適合しなければならない。

a)

屋内用ハンガは,良好な絶縁性能をもち,かつ,絶縁トロリー線を支持又は固定するために十分な機

械的強度をもつ。

b)

屋外用ハンガは,降雨時においても良好な絶縁性能をもち,かつ,絶縁トロリー線を支持又は固定す

るために十分な機械的強度をもつ。

6.6 

耐張引留装置 

耐張引留装置は,次に適合しなければならない。

a)

屋内用耐張引留装置は,良好な絶縁性能をもち,かつ,絶縁トロリー線の引留めに十分な機械的強度

をもつ。

b)

屋外用耐張引留装置は,降雨時においても良好な絶縁性能をもち,かつ,絶縁トロリー線を引き留め

るために十分な機械的強度をもつ。

6.7 

コレクタ 

コレクタは,7.3 のブラシを,例として

表 に示す絶縁物で支持するもので,次に適合しなければならな

い。

a)

絶縁トロリー線に良好な接触を保ちながら円滑に走行集電ができる。

b)

絶縁トロリー線に装着したとき,人が容易に充電部に触れない構造とする。

c)

ブラシが容易に交換できる。

d)

ブラシには,摩耗限度を示すマークを付ける。


6

C 3711

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表 4−絶縁物の例 

加熱試験

加熱後の残率%

絶縁物の種類

引張強さ

MPa

伸び

引張 
強さ

伸び

加熱条件

加熱    加熱 
温度  ×  時間

℃      h

破壊

電圧の

強さ

kV/mm

最高 
許容 
温度

60

60

75

75

硬質塩化ビニル

95

29.4 以上

− 14 以上

95

60 100 以上 85 以上

80 以上

(100±2)× 48

60

75 120 以上 90 以上

75 以上

(120±3)×120 75

軟質塩化ビニル

95

9.8 以上

120 以上 70 以上

75 以上

(135±3)×120

30 以上

95

ポリフェニレンオキサイド 63.7 以上 30 以上

− 30 以上 120

不飽和ポリエステル FRP

a)

 29.4 以上

− 11 以上 145

クロロプレン 5.9 以上 250 以上

60 以上

60 以上

(100±2)×48 20 以上 75

ポリカーボネート 54.9 以上 60 以上

− 14 以上 125

ポリカーボネート FRP

a)

 58.8 以上

− 14 以上 130

ポリプロピレン 29.4 以上 250 以上

− 30 以上 95

ポリプロピレン FRP

a)

 34.3 以上

− 30 以上 110

ユリア 31.4 以上

− 10 以上 90

フェノール 29.4 以上

− 10 以上 140

ポリアミド 39.2 以上 25 以上

− 12 以上 90

ポリアミド FRP

a)

 68.6 以上

− 15 以上 130

アクリロニトリルスチレン 
FRP

a)

58.8 以上

− 12 以上 85

エポキシ(鉱物質充てん) 17.7 以上

− 12 以上 105

磁器 29.4 以上

− 35 以上 90

b)

引張強さ及び伸びの試験方法は,JIS K 7113 による。ただし,軟質塩化ビニル及びクロロプレンは,JIS C 3005 に,

磁器は,JIS C 3801(規格群)による。

破壊電圧の強さの試験方法は,JIS C 2110 による。

加熱試験の試験方法は,JIS C 3005 による。

a)

 FRP は,Fiberglass Reinforced Plastic(強化プラスチック)の略である。

b)

  磁器単体は,180  ℃を超えるものであるが,金具との保持用セメンティングなどの関係で 90 ℃とする。

材料 

7.1 

導体 

導体は,次のいずれかを用い,その断面積は 28 mm

2

以上でなければならない。ただし,定格電圧が 300

V 以下のものは,断面積を 8 mm

2

以上とすることができる。

a)  JIS C 3104

に規定するもの又はこれと同等以上の導電率をもつ銅。

b)  JIS H 3100

に規定する C 2680 又はこれと同等以下の体積抵抗率をもつ黄銅。

c) 

JIS H 4000

JIS H 4040JIS H 4080 若しくは JIS H 4100 に規定するもの又はこれと同等以上の導電

率をもつアルミニウム若しくはアルミニウム合金。

d)  JIS G 3132

に規定するもの又はこれと同等以上の機械的強度をもつ鋼に亜鉛めっきなどを施したもの。


7

C 3711

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e) 

JIS G 4305

に規定するもの又はこれと同等以上の機械的強度をもつステンレス鋼。

f)

絶縁トロリーシステムとして構成したとき箇条 に規定する性能を満足する材料で,上記  a)e)に規

定する材料と同等のもの。 

g)

上記 a)f)に規定する材料によって構成された複合材。

7.2 

絶縁物 

絶縁物は難燃性があり,絶縁トロリー線の絶縁物の厚さは 1.5 mm 以上であり,かつ,絶縁トロリーシ

ステムとして構成したとき箇条 に規定する性能を満足しなければならない。絶縁物の材料を参考として

表 に示す。

7.3 

コレクタ 

コレクタの材料は,次に適合するものでなければならない。

a)

集電用ブラシは,焼結合金,メタリックカーボン,銅合金などの集電に適したもの。

b)

集電用ブラシを支持する絶縁物及びブラシ端子部に用いる絶縁物は,最高許容温度が 85  ℃以上のも

の。

試験方法 

8.1 

構造試験 

構造試験は,絶縁トロリー線及びその附属品について材料,構造,仕上げ,絶縁距離及び接触状態を調

べる。さらに,取付状態において絶縁トロリー線の開口部(乗移り部を除く。

)を,JIS C 8306 の 3. (4)

よって試験する。

8.2 

温度試験 

温度試験は,同じ定格の絶縁トロリー線を 2 個接続し,床から 300 mm 以上の高さに水平に置き,風に

さらされないようにして定格電流を流し,各部の温度が一定となったとき,JIS C 1602 に規定する熱電対

を用いて導体の中央部及び接続部の温度を測定する。

この場合の周囲温度は,10∼30  ℃とする。

8.3 

絶縁抵抗試験 

絶縁抵抗試験は,JIS C 1302 に規定する直流 500 V 絶縁抵抗計を用いて,次の部位間を測定する。

a)

絶縁トロリー線を 2 個接続し,接続部を中心に約 3 m にわたって,外周を金属はく(箔)によって覆

い,金属はく(箔)の部分にハンガを取り付けた状態で,導体と金属はく(箔)との間及びハンガ支

持用金属部と金属はく(箔)との間。

b)

耐張引留装置を取り付けた状態と同一条件として,充電部と引留めボルトとの間。

c)

異極充電部相互間。

8.4 

耐電圧試験 

耐電圧試験は,次の部位間に周波数 50 Hz 又は 60 Hz の交流電圧 3 000 V を 1 分間加える。

a) 8.3 

a)

に示す取付状態で,導体と金属はく(箔)との間及びハンガ支持用金属部と金属はく(箔)との

間。

b)

耐張引留装置を取り付けた状態と同一条件として,充電部と引留めボルトとの間。

c)

異極充電部相互間。

8.5 

防雨性試験 

防雨性試験は,JIS C 0920 の 14.2.3 に規定する方法及び次による。

a)

絶縁トロリー線のハンガ取付部分を中心に約 20 cm にわたって金属はく(箔)で覆い,その上から屋


8

C 3711

:2007

外用ハンガを取り付け,次の状態とする。

1)

絶縁トロリー線を水平に支持し,開口部を下向きとする。

2)

絶縁トロリー線を水平に支持し,開口部を横向きとする。

3)

絶縁トロリー線を垂直に支持する。

b)

屋外用耐張引留装置を取付状態とする。

8.6 

水平強度試験 

水平強度試験は,次による。

a)

張力形絶縁トロリー線では,

図 のように直線状の絶縁トロリー線を 2 個接続し,接続部を中央にし

て 6 m の間隔でハンガによって支持し,両端に耐張引留装置によって中央部のたわみが 5∼15 mm に

なるように張力を加え,その絶縁トロリー線 12 m に相当するおもりを接続部に 1 分間加える。試験

は開口部が下向き及び横向き両方で実施する。

図 1−水平強度試験(張力形) 

b)

非張力形絶縁トロリー線では,

図 のように直線状の絶縁トロリー線を 2 個接続し,接続部を中央に

して,導体断面積が 500 mm

2

未満のものにあっては 2 m,導体断面積が 500 mm

2

以上のものにあって

は 3 m の間隔でハンガによって支持し,

それぞれ,

導体断面積が 500 mm

2

未満のものにあっては 12 m,

導体断面積が 500 mm

2

以上のものにあっては 18 m に相当するおもりを接続部に 1 分間加える。ただ

し,導体断面積が 28 mm

2

未満のものにあっては,1 m の間隔でハンガによって支持して試験を行う。

試験は開口部が下向き及び横向き両方で実施する。

図 2−水平強度試験(非張力形) 

8.7 

垂直強度試験 

垂直強度試験は,直線状の長さ 3 m の絶縁トロリー線を 1.5 m の間隔で 2 か所ハンガによって垂直に支

持し,その絶縁トロリー線 15 m に相当するおもりを導体の下端に 2 分間つり下げる。

8.8 

耐衝撃試験 

耐衝撃試験は,周囲温度 10∼30  ℃において,

図 の試験装置木台の上に,次の a)e)に示すように試


9

C 3711

:2007

験品を置き,その上に,衝撃エネルギーが 0.5 J となる条件で,鋼球を最も破損しやすいと思われる箇所に

1 回落下させる。

a)

  台は,厚さが 30 mm 以上の堅木製とする。

図 3−耐衝撃試験装置 

a)

長さ 30 cm 以上の絶縁トロリー線中央部について,開口部を横向きに置く。

b)

ハンガの開口部を横向きに置く。

c)

耐張引留装置を横向きに置く。

d)

コレクタを横向きに置く。

e)

エンドの端部を上向きに置く。

なお,鋼球を落下させる代わりに JIS C 60068-2-75 に規定するスプリングハンマによって,衝撃エネル

ギー0.5 J を加えてもよい。

注記  衝撃エネルギーレベルは,JIS C 60068-2-75 の附属書 表 を参照。

なお,一般には質量約 50 g の鋼球を高さ 1 m の位置から落下させることが多い。

8.9 

走行性試験 

走行性試験は,絶縁トロリー線を 2 個以上接続し,コレクタの定格電流に等しい周波数 50 Hz 又は 60 Hz

の電流を流しながら,コレクタを走行速度 125 m/min で接続部を連続して 20 000 回通過させ,かつ,120 km

以上走行させた後,通電状態のまま停止させて,直ちにコレクタのブラシ端子部の温度を JIS C 1602 に規

定する熱電対又は色温度計若しくは表面温度計を用いて測定する。

なお,この試験は,適合するコレクタのすべての定格電流について行う。

8.10 

短絡試験 

多線式絶縁トロリー線の短絡試験は,2 個の絶縁トロリー線を接続し,終端を短絡した後,50 Hz 又は

60 Hz の交流電圧を印加して,表 に示す短絡電流を約 0.1 秒間流す。

3 線式の絶縁トロリー線については三相回路で試験し,4 線式以上の絶縁トロリー線については三相回路


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の試験のほか,残りの導体すべてについて隣接導体間を単相回路で試験する。ただし,隣接導体間の構造

及び寸法がすべて同一の場合には,三相回路の試験だけでよい。

なお,上記の三相回路試験は,単相回路に置き換えて隣接導体相互間で試験してもよい。

短絡試験電流は,電流波形の包絡線を描き,短絡発生後 1/2 サイクル後の複振幅の

)

2

2

/(

1

をもって交流

分の実効値とする。三相回路の試験では,各相の電流の平均値とする。

表 5−短絡試験電流 

絶縁トロリー線の定格電流

A

短絡試験電流

A

遅れ力率

30 以下

30 を超え  60 以下

5 000

0.5∼0.6

60 を超え  90 以下 
90 を超え 100 以下

100 を超え 120 以下

7 500

120 を超え 150 以下 10

000

0.3∼0.4

150 を超え 200 以下 14

000 0.25∼0.3

検査 

9.1 

形式検査 

形式検査は,次の検査項目について箇条 によって試験を行い,箇条 4∼箇条 及び箇条 11 の規定に適

合しなければならない。ただし,a)d)は同一の試験品について,その順序で行い,e)j)は,それぞれ別

の試験品で行う。

a)

構造

b)

温度上昇

c)

絶縁抵抗

d)

耐電圧

e)

防雨性

f)

水平強度

g)

垂直強度

h)

耐衝撃

i)

走行性

j)

短絡

9.2 

受渡検査 

受渡検査は,次の検査項目の順序及び箇条 によって試験を行い,箇条 4∼箇条 及び箇条 11 の規定に

適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,その一部を省略してもよい。

a)

構造

b)

絶縁抵抗

c)

耐電圧

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製品の呼び方 

製品の呼び方は,構成部品名,定格電圧,定格電流,線数及び絶縁物の種類による。


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例 1  絶縁トロリー線  交流 600 V,60 A,3 線,硬質 PVC75

例 2  コレクタ        交流 600 V,30 A

11 

表示 

製品には,見やすい箇所に容易に消えない方法によって,次の事項を表示しなければならない。ただし,

絶縁トロリーシステムを一つのシステムとした場合は,受渡当事者間の協定によって 1 か所に表示しても

よい。

a)

絶縁トロリー線

1)

名称

2)

定格電圧

3)

定格電流

4)

絶縁物の種類又はその記号

5)

支持方法に指定がある場合は,その旨

6)

製造業者名又はその略号

7)

製造年又はその略号

b)

コレクタ

1)

定格電圧

2)

定格電流