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C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  総則

1

1.1

  適用範囲 

1

1.2

  引用規格 

1

2

  試験値

2

3

  適用性

2

4

  滴下点

2

5

  油分離

4

6

  低温ぜい化 

4

7

  全酸価

5

8

  腐食性

6

9

  23  ℃の誘電率 

6

10

  23  ℃及び 100  ℃の直流抵抗率

7

附属書 A(規定)p-ナフトールベンゼインの仕様 

12


C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電線

工業会(JCMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 3660-5-1:1998 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 3660

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

3660-1-1

 

第 1-1 部:試験法総則−厚さ及び仕上寸法の測定−機械的特性試験

JIS

C

3660-1-2

 

第 1-2 部:試験法総則−熱老化試験方法

JIS

C

3660-1-3

 

第 1-3 部:試験法総則−密度測定の方法−耐水性試験−収縮試験

JIS

C

3660-1-4

 

第 1-4 部:試験法総則−低温試験

JIS

C

3660-2-1

 

第 2-1 部:エラストマーの特性試験方法−オゾン,ホットセット及び耐油試験

JIS

C

3660-3-1

 

第 3-1 部:ビニルコンパウンドの試験方法−加熱変形試験−巻付加熱試験

JIS

C

3660-3-2

 

第 3-2 部:ビニルコンパウンドの試験方法−加熱減量試験及び熱安定性試験

JIS

C

3660-4-1

 

第 4-1 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−耐環境応力の

亀裂性,メルトフローインデックスの測定,直接燃焼によるポリエチレン中のカーボンブラック

及び無機充填剤の含有量測定,サーモグラビメトリック分析によるカーボンブラック含有量測定

及び顕微鏡によるポリエチレン中のカーボンブラック分散測定

JIS

C

3660-4-2

 

第 4-2 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加熱による前

処理後の破断時の引張強さ及び伸び,加熱による前処理後の巻付試験,熱老化後の巻付試験,絶

縁体の質量増加率,長期安定性試験及び銅触媒の酸化劣化試験

JIS

C

3660-5-1

 

第 5-1 部:充填コンパウンドの試験方法−滴下点,油分離,低温ぜい化,全酸価,腐

食性,23  ℃誘電率並びに 23  ℃及び 100  ℃の直流抵抗率


日本工業規格

JIS

 C

3660-5-1

:2011

(IEC 60811-5-1

:2004

)

電気・光ケーブルの絶縁体及び

シース材料の共通試験方法−

第 5-1 部:充填コンパウンドの試験方法−

滴下点,油分離,低温ぜい化,全酸価,腐食性,

23

℃誘電率並びに 23  ℃及び 100  ℃の直流抵抗率

Insulating and sheathing materials of electric and optical cables-

Common test methods-Part 5-1: Methods specific to filling compounds

Drop-point-Separation of oil-Lower temperature brittleness-

Total acid number-Absence of corrosive components-

Permittivity at 23

℃-D. C. resistivity at 23  ℃ and 100 ℃

序文 

この規格は,2004 年に第 1.1 版として発行された IEC 60811-5-1 を基に,技術的内容及び構成を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。

総則 

1.1 

適用範囲 

この規格は,船舶及び海上設備を含む通信設備に使用する電気・光ケーブルの充填コンパウンドの試験

方法について規定する。

この規格は,滴下点,油分離,低温ぜい化,全酸価,腐食性,23  ℃誘電率並びに 23  ℃及び 100  ℃の直

流抵抗率の試験方法について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60811-5-1:2004

,Insulating and sheathing materials of electric and optical cables−Common test

methods

−Part 5-1: Methods specific to filling compounds−Drop-point−Separation of oil−

Lower temperature brittleness

− Total acid number − Absence of corrosive components −

Permittivity at 23

℃−D. C. resistivity at 23  ℃ and 100 ℃(IDT)

なお,対応の程度を表す記号

IDT

は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき, 一致している

とを示す。

1.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。


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C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

IEC 60247: 2004

,Insulating liquids−Measurement of relative permittivity, dielectric dissipation factor (tan δ)

and d.c. resistivity

試験値 

この規格に規定する試験条件及び試験要求事項は,個別ケーブル独自の要求に適合するように,各々の

関連個別ケーブル規格で修正する場合がある。

適用性 

この規格に規定のない試験条件及び試験要求事項は,材料規格又は個別ケーブル規格に規定する。

滴下点 

注記  この試験の目的は,滴下点による充填コンパウンドの分類である。

4.1 

一般 

滴下点試験は,充填コンパウンドが完全に液状化する又は過度の油を分離しない最高温度の指標として

用いる。

4.2 

方法 A(標準試験) 

4.2.1 

装置 

方法 A に使用するカップは,クロムめっきした黄銅であって,その寸法は

図 による。

耐熱ガラス(ほうけい酸ガラス)試験管は,カップを支持する三つのくぼみをもち,

図 に示す寸法と

する。

温度計は,−5〜+300  ℃の範囲(浸没線 76 mm)で 1  ℃の目盛線のものを用いる。球の長さは,10〜

15 mm

で,球の直径は,5〜6 mm とする。

オイルバスは,400 mL のビーカ及び適切な油,オイルバスを支えるリングスタンド,温度計用のクラン

プ,

図 の二つのコルク,直径 1.2〜1.6 mm 及び長さ 150 mm の長さの磨いた金属棒並びにオイルバスを

暖めかくはんする適切な手段によって構成する。

4.2.2 

試験手順 

図 に示すように,温度計をコルクの中に通し,装置を試験できるように組み立てたときに,温度計の

球部の先端がカップの底から 3 mm 上に位置するように上部コルク位置を調整する。2 本目の温度計は,

オイルバスに取り付け,試験管の中の温度計と球とがほぼ同じ高さになるようにする。

充填コンパウンドをできるだけこねないように注意し,カップの大きい方の口から充填コンパウンドで

満たす。余分なコンパウンドは切り捨てる。金属棒が,カップの大きい方の口から上に約 25 mm 突き出る

まで金属棒を静かに押し付け,その間,カップの小さい方の口を底に向けて,垂直保持し,棒を,カップ

上部の縁及びカップ下部の同じ側の縁と同時に接触するように押し付ける。カップを回転しながら,棒が

カップの下端にくるまで,カップを下方に動かす。この間,この接触を維持する。このら線状の動きによ

って,コンパウンドが金属棒に付着して,カップの内側に逆円すい(錐)形の空間,かつ,再現可能な形

状のコンパウンドを残す。

カップ及び温度計を,試験管に入れ,オイルバスの液面が試験管の上端から 6 mm 以内になるように試

験管をつるす。温度計上の 76 mm の浸没線が上部コルクの下端部と一致するように,試験管の中で温度計

を保持する上部コルクの位置を調整する。組み立てた試験管を,この浸没線の位置までオイルバスに沈め

ることが望ましい。


3

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

オイルバスをかくはんし,4〜7 K/min の割合で,コンパウンドの予想滴下温度よりも約 17  ℃低い温度

まで,加熱する。この温度に達したら加熱を弱め,オイルバスが更に 2.5 K 上昇する間に,試験管とオイ

ルバス内との温度差が 2  ℃以内に近付くようにする。

次に,試験管内の温度とオイルバス内との温度差が,1〜2  ℃になるように加熱を続ける。この状態は,

オイルバスを 1〜1.5 K/min の割合で加熱するときに得られる。温度が高くなるにつれ,物質がカップの開

口部を通して徐々に突き出てくる。最初に滴下したときに,二つの温度計の温度を読む。

4.2.3

結果の表し方 

充填コンパウンドの滴下点は,二つの温度計の平均値とする。

4.3

方法 B

4.3.1

装置 

方法 B に使用するカップは,クロムめっきした黄銅であって,その寸法は

図 による。カップは,試験

するコンパウンドの影響を受けない別の金属で作ってもよい。カップの上部及び開口部を形成している管

の底は,カップの軸と直角で,互いに平行で滑らかにする。カップの広い部分の下部は,ほぼ半球状であ

って,直径 7 mm の鋼球をカップに入れたときに,鋼球の頂点は,試験管の開口部の底から 12.2±0.15 mm

となる内部深さとなる。開口部の底の端は,丸み又は面取りを付けないほうがよい。

図 に,金属スリーブの寸法及び温度計の取付け状態を示す。図 に,金属ケース及びカップ固定具の

寸法並びに金属ケースにカップを取り付けた状態を示す。

金属ケースに金属スリーブをねじ止めしたとき,温度計の球部の底が金属ケースの縁から下に 8.0± 

0.1 mm

の位置になるように,かつ,温度計の中心軸がケース及びスリーブの軸と同一線上になるように,

金属スリーブを温度計に固定する。温度計は,温度計の範囲に合うように接合剤でスリーブに固定する。

温度計の特性は,目盛範囲 20〜120  ℃(1  ℃目盛)

,浸没線 100 mm,球部の径 3.55〜3.65 mm 及び球部

の長さ 6 mm 以下とする。試験管は,ほうけい酸ガラスであって,内径 25±1 mm,長さ 110±2 mm とす

る。

ビーカは,試験管を垂直にその 2/3 の長さを液体熱媒体の中に浸せきすることができ,そのときの試験

管の底が,ビーカの底から約 25 mm 上にくるよう十分な大きさのものを用いる。

かくはん機は,ビーカに入れた液体熱媒体の温度を均一にできるものを用いる。

試験管,液体熱媒体用温度計及び熱源ビーカを保持するためのスタンド。

ガスバーナは,4.3.2 に規定する速度でビーカに入れた液体熱媒体を加熱できなければならない。

注記  液体熱媒体は,80  ℃未満の滴下点の試料の場合には水を用い,80  ℃を超える試料の場合には

グリセリン又はホワイトオイルを用いるのがよい。

4.3.2 

試験手順 

コンパウンドを溶融しない状態で,へらなどを用いてカップに詰める。余分なコンパウンドは,取り除

く。気泡が入らないよう注意する。ただし,コンパウンドを溶かさない。

カップを金属ケースの下側から,止まるまで押し込む。カップの底から出てきたコンパウンドは,取り

除く。金属ケース側面の開口部を塞がないように注意する。カップを装着した温度計を,穴の開いたコル

クに通して取り付け,カップの底が試験管の底から 25±1 mm の位置になるように調整する。試験管を,

液体熱媒体が入ったビーカの中にその 2/3 の長さを浸せきして,試験管の底から約 25 mm となる位置でス

タンドによって垂直に固定する。また,ビーカには,かくはん機及び熱媒体の温度測定用の温度計を入れ

る(

図 参照)。


4

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

ビーカを,ガスバーナによって液体熱媒体の温度が試料の滴下点よりも 20  ℃低い温度になるまで熱媒

体をかくはんしながら加熱する。その後,1 K/min の温度上昇速度になるように加熱する。カップから最

初に滴下する又はコンパウンドの連続した流れが試験管の底に達したときの温度を記録する。

4.3.3 

結果の表し方 

充填コンパウンドの滴下点は,1  ℃の単位まで,温度計の温度を記録する。

油分離 

5.1 

一般 

この試験では,50  ℃において充填コンパウンドから分離する油の量を調べる。

5.2 

装置 

二つの長方形の容器からなるアングルボックスは,

図 に示す寸法で,分離した油の広がりを妨げない

よう,表面を仕上げて製作する。

5.3 

試験手順 

充填コンパウンドは,溶融後,透明,かつ,澄んだ状態となるまでよくかき混ぜる。アングルボックス

の一つの長方形容器に溶けたコンパウンドを一杯に入れ,約 100  ℃に加熱したオーブンの中にアングルボ

ックスを移す。そのとき,オーブンの扉を開けた状態にして温度を室温まで下げる。

24

時間以上冷却後にアングルボックスを 90°回転し,オーブンを 50±2  ℃に加熱する。24 時間後にア

ングルボックスを,オーブンの中から取り出して,目視によって油の広がりを調べる。

5.4 

要求事項 

油は,アングルボックスの未充填の中央部に 5 mm を超えて広がってはならない(ボックスの端に沿っ

た油の染み出しは無視する。

6

低温ぜい化

6.1

一般 

この試験では,コンパウンドとケーブルに使用する他の材料との間の密着性を調べる。

注記  この試験方法は,滴下点が 80  ℃以下のコンパウンドに適用する。

6.2 

装置 

鉛合金の短冊寸法は,170 mm×14 mm×0.9 mm とする。

金型は,黄銅製の寸法 160 mm×160 mm×1 mm であって 100 mm×10 mm の長方形の開口部をもち,か

つ,短冊の動きを防ぐための,位置決めができなければならない。

6.3 

試験手順 

鉛合金の短冊は,ワイヤブラシで磨き,平らな基盤の上に置く。短冊の縦の端と金型の開口部の縦とが

平行かつ左右対称になるように金型を短冊の上に置く。

試験するコンパウンドは,金型の開口部に常温でへらによって入れる。余分な材料は暖めて,へら又は

適切なジグで取り除く。コンパウンドを搭載した短冊から金型を取り外す。

コンパウンドを搭載した短冊試料を,10 個作成する。

試料は,室温で 16 時間以上保持した後,−10±1  ℃で 1 時間以上冷却する。その後,素早く各試料をあ

らかじめ−10  ℃に冷やし,水平に保持した直径 10 mm の金属製マンドレルにら旋状に巻き付ける。巻き

付ける速さは,約 1 回/秒とする。

それぞれの試料は,拡大鏡を使わずに目視によって亀裂の有無を調べる。


5

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

6.4 

要求事項 

10

個の試料中に 2 個を超える亀裂があってはならない。

2

個を超える不良がでた場合は,1 回だけ試験を行ってもよい。

注記  コンパウンド層のコーナーでのわずかな膨れは,許容する。

7

全酸価

7.1

一般 

この試験では,充填コンパウンド中の腐食性の要因を調べる。

全酸価は,試料 1 g 中の全酸性物質を滴定するのに必要な塩基の量[水酸化カリウム(KOH)のミリグ

ラム(mg)単位の量]と定義する。

7.2

装置 

0.1 mL

の目盛の付いた 50 mL のビュレット又は 0.05 mL 目盛の付いた 10 mL のビュレット。

7.3

試薬 

試薬は,分析用試薬品質と認められたのものを用いる。

蒸留水を全手順にわたって使用する。

7.3.1 

標準アルコール性水酸化カリウム[0.1 n(モル濃度)]  2 L の三角フラスコの中に無水イソプロ

ピルアルコール(水分含有量 0.9 %未満)約 1 L 及び固形水酸化カリウム(KOH)を 6 g 加える。フラスコ

の底の KOH 固形物が,ケーキ状にならないように 10〜15 分間静かにかくはん混合し,煮沸する。水酸化

バリウム[Ba(OH)

2

]2 g 以上を加え,更に 5〜10 分間静かに煮沸する。室温まで冷却し,数時間放置し,

液体表面に浮かぶ物質を精製焼結ガラス又は磁器製のろ過ロートを通してろ過する。ろ過中は,必要以上

に二酸化炭素(CO

2

)にさらすことを避ける。コルク,ゴム又はけん化性のストップコック潤滑油に接触

しないように,ソーダ,石灰又はソーダアスベストを含む保護チューブで保護した化学的に安定な瓶に溶

液を入れる。終点を検出するフェノールフタレインを用い,CO

2

を含まない水約 100 mL の中に純粋なフ

タル酸水素カリウムを入れ,0.000 5 n(モル濃度)の変化も検出できるように調整しておく。

注記 1  計算を単純化するため,標準 KOH 溶液 1.00 mL が KOH 5.00 mg に相当するように調整して

おくとよい。

注記 2 KOH の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いてもよい。

7.3.2 

p-

ナフトールベンゼイン指示溶液  7.3.3 に規定する滴定溶媒に 1 L 当たり p-ナフトールベンゼイン

10 g

を溶解する。

p-ナフトールベンゼインは,附属書 に適合しなければならない。

7.3.3 

滴定溶媒  無水イソプロピルアルコール 495 mL に対し,水 5 mL 及びトルエン 500 mL を加える。

7.4 

試験手順 

250 mL

の三角フラスコに 0.1 g の単位まで正確に量った充填コンパウンド約 25 g を入れる。100 mL の

滴定溶媒及び指示薬 0.5 mL を加え,栓をしないで試料が溶剤に完全に溶けるまでかくはんする。30  ℃未

満の温度で,素早く滴定する。0.1 n(モル濃度)KOH 溶液を徐々に加え,必要に応じて KOH が分散する

ようにかくはんする。終点近くになったら強く振る。しかし,溶液中に CO

2

が溶解するのは避ける。

色の変化が 15 秒続くか,又は 0.1 n(モル濃度)HCl を 2 滴落としたとき,逆に変色する場合は,明確

な終点とする。

注記  酸性コンパウンドの場合,オレンジ色が終点に近付くにつれ緑又は緑褐色に変化する。

滴定溶媒 100 mL 及び指示薬 0.5 mL のブランクを滴定し,0.1 n(モル濃度)KOH 溶液を 0.05 mL 又は


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C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

0.1 mL

ずつ加える。終点(オレンジ色から緑)に達するまでに要した 0.1 n(モル濃度)KOH の量を記録

する。

7.5 

全酸価の算出 

全酸価は,次の式によって算出する。

TVA  =

(

)

W

N

B

A

1

.

56

×

ここに,

TVA: 全酸価(mgKOH/g)

A: 試料の滴定に要した KOH の量(mL)

B: ブランクの滴定に要した KOH の量(mL)

N: KOH の規定度

W: 試料の質量(g)

腐食性 

8.1 

一般 

この試験では,ケーブルの金属部分と接触する充填コンパウンドの影響を調べる。

8.2 

装置 

純度 99.5 %(質量分率)以上で厚さ 0.5 mm 以上のアルミニウムのシート。このシートは,長さ 50 mm,

幅 20 mm の短冊に切る。

厚さ 0.5 mm 以上の冷間圧延銅のシートは,長さ 50 mm,幅 20 mm の短冊に切る。

注記  通常使用する銅のグレードは,タフピッチ高導電率銅,りん含有脱酸銅及び無酸素高導電率銅

の 3 種類である。

8.3 

試験手順 

各短冊は,欠陥のないように両面を磨く。各短冊は,ジエチルエーテルで洗浄した後に乾燥する。短冊

を取り扱うときは,きれいなピンセットを用いる。

充填コンパウンド約 120 g は,200 mL 以上の背の高いガラス製のビーカに入れ,80±2  ℃で予熱する。

新たに準備したアルミニウム及び銅の短冊を,ビーカの側面又は相互に接触させずにコンパウンドの中に

十分浸せきする。次に,ビーカを 80±2  ℃の温度のオーブンに 14 日間保持する。

規定時間経過後,オーブンからビーカを取り出し,室温で冷却する。金属の短冊を取り出し,余分なコ

ンパウンドを拭き取り,石油溶剤で洗浄し,次にジエチルエーテルで洗浄する。

拡大鏡を使わずに目視によって,短冊の表面に腐食,穴,脱色などがあるかどうかを調べる。

8.4 

結果の表し方 

金属短冊は,腐食してはならない。

9 23 

℃の誘電率 

9.1 

一般 

この試験は,充填コンパウンドの比誘電率を測定する。

試験は,3 端子セルを用い,IEC 60247 に規定する方法で行う。

9.2 IEC 

60247

の方法への追加事項 

充填コンパウンドは,透明,かつ,澄んだ状態になるまで加熱し,あらかじめ同じ温度に加熱したセル

に注入する。セルの中は,気泡が生じないように注意する。

この試験は,23±2  ℃で行う。


7

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

10 23 

℃及び 100  ℃の直流抵抗率 

10.1 

一般 

この試験は,コンパウンドの直流抵抗率を 23  ℃及び 100  ℃で測定する。

試験は,3 端子セルを用い,IEC 60247 に規定する方法で行う。

10.2 IEC 

60247

の方法への追加事項 

セルを,9.2 によって充填コンパウンドで満たす。

試験は,23±2  ℃及び 100±3  ℃の温度で行う。

直流試験電圧は,100 V とする。

単位  mm

図 1−カップ 


8

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

単位  mm

図 2−組み立てた試験管 


9

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

単位  mm

図 3−カップ 

単位  mm

図 4−温度計及びスリーブ 


10

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

単位  mm

図 5−ケース 

単位  mm

図 6−組み立てた装置 


11

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

単位  mm

図 7−二つの長方形の容器をもつアングルボックス 


12

C 3660-5-1

:2011 (IEC 60811-5-1:2004)

附属書 A

(規定)

p-

ナフトールベンゼインの仕様

A.1 

外観 

p-ナフトールベンゼインは,赤い非結晶の粉末である。

A.2 

塩素化合物 

塩素化合物の含有率は,0.5 %未満とする。

A.3 

溶解性 

10 g

の量を 7.3.3 に定めたように滴定溶媒 1 L に完全に溶解する。

A.4 

最少吸収 

メタノール 250 mL に試料 0.100 0 g を正確に溶解し,

pH12

の緩衝溶液によって,

この溶液 5 mL を 100 mL

にする。最終希釈液は,べックマン DU 又は交流形スペクトロメータを用いて,ブランクとして水及び 1 cm

のセルを用い,6.50 µm のピークを読んだとき,1.20 の吸収をもつ。

A.5 pH

範囲 

指示薬は,7.3.2 に規定する p-ナフトールベンゼイン指示溶液の pH で試験したとき,pH11±0.5 で最初

きれいな緑に変わる。ブランクに対し 0.01 n(モル濃度)KOH が 0.5 mL 以下では,最初きれいな緑の指

示薬溶液になる。ブランクに対し 0.01 n(モル濃度)KOH が 0.5 mL を超えて 1 mL 以下では,青の指示薬

溶液となる。

指示薬溶液の初期の pH は,ブランクの pH 以上でなければならない。