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C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 試験方法························································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 老化処理の機械的特性への影響 ························································································ 2 

4.3 線心試験片の巻付試験 ···································································································· 4 

附属書A(規定)オーブン内の換気率の測定方法 ······································································· 6 

附属書B(規定)銅導体付き試験片又は金属めっき銅導体付き試験片の準備 ··································· 10 

附属書C(規定)完成品ケーブルの老化用試料及び試験片の準備·················································· 13 

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS 

C 3660-1-2:2003は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 3660の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 3660-100 第100部:一般事項 

JIS C 3660-201 第201部:一般試験−絶縁体厚さの測定 

JIS C 3660-202 第202部:一般試験−非金属シース厚さの測定 

JIS C 3660-203 第203部:一般試験−仕上寸法の測定 

JIS C 3660-301 第301部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃における誘電率の測定 

JIS C 3660-302 第302部:電気試験−充塡コンパウンドの23 ℃及び100 ℃における直流抵抗率の測

定 

JIS C 3660-401 第401部:各種試験−加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化 

JIS C 3660-402 第402部:各種試験−耐水性試験 

JIS C 3660-403 第403部:各種試験−架橋コンパウンドのオゾン試験 

JIS C 3660-404 第404部:各種試験−シースの耐油試験 

JIS C 3660-405 第405部:各種試験−PVC絶縁体及びPVCシース材料の熱安定性試験 

JIS C 3660-406 第406部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの耐環境応力亀

裂性試験 

JIS C 3660-407 第407部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの質量増加率 

JIS C 3660-408 第408部:各種試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの長期安定性試

験 

JIS C 3660-409 第409部:各種試験−熱可塑性絶縁体及びシース材料の加熱減量試験 

JIS C 3660-410 第410部:各種試験−銅導体を被覆するポリオレフィン絶縁材料の銅触媒による酸化

劣化試験 

JIS C 3660-411 第411部:各種試験−充塡コンパウンドの低温ぜい化 

JIS C 3660-412 第412部:各種試験−加熱老化試験方法−加圧空気による加熱老化 

JIS C 3660-501 第501部:機械試験−絶縁体及びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

JIS C 3660-502 第502部:機械試験−絶縁体の収縮試験 

JIS C 3660-503 第503部:機械試験−シースの収縮試験 

JIS C 3660-504 第504部:機械試験−絶縁体及びシースの低温曲げ試験 

JIS C 3660-505 第505部:機械試験−絶縁体及びシースの低温伸び試験 

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

(3) 

JIS C 3660-506 第506部:機械試験−絶縁体及びシースの低温衝撃試験 

JIS C 3660-507 第507部:機械試験−架橋した材料のホットセット試験 

JIS C 3660-508 第508部:機械試験−絶縁体及びシースの加熱変形試験 

JIS C 3660-509 第509部:機械試験−絶縁体及びシースの巻付加熱試験 

JIS C 3660-510 第510部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の巻付試験 

JIS C 3660-511 第511部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドのメルトフロー

インデックスの測定 

JIS C 3660-512 第512部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加

熱による前処理後の引張強さ及び破断時の伸び試験 

JIS C 3660-513 第513部:機械試験−ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−前

処理後の巻付試験 

JIS C 3660-601 第601部:物理試験−充塡コンパウンドの滴下点の測定 

JIS C 3660-602 第602部:物理試験−充塡コンパウンドの油分離 

JIS C 3660-603 第603部:物理試験−充塡コンパウンドの全酸価の測定 

JIS C 3660-604 第604部:物理試験−充塡コンパウンド中の腐食成分試験 

JIS C 3660-605 第605部:物理試験−ポリエチレンコンパウンド中のカーボンブラック及び無機充塡

剤の含有量測定 

JIS C 3660-606 第606部:物理試験−密度測定法 

JIS C 3660-607 第607部:物理試験−ポリエチレン及びポリプロピレン中のカーボンブラック分散測

定方法 

  

日本産業規格          JIS 

C 3660-401:2019 

(IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

電気・光ファイバケーブル− 

非金属材料の試験方法−第401部:各種試験− 

加熱老化試験方法−エアオーブンによる加熱老化 

Electric and optical fibre cables-Test methods for non-metallic materials- 

Part 401: Miscellaneous tests-Thermal ageing methods- 

Ageing in an air oven 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたIEC 60811-401及びAmendment 1:2017を基に,技術的

内容を変更することなく作成した日本産業規格である。ただし,追補(amendment)については,編集し,

一体とした。 

適用範囲 

この規格は,電線,光ファイバ及びそれらからなるケーブルに用いる,絶縁体及びシース材料に用いる

架橋及び熱可塑性コンパウンドのエアオーブンによる老化の手順について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60811-401:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic materials−Part 

401: Miscellaneous tests−Thermal ageing methods−Ageing in an air oven及びAmendment 

1:2017(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 3660-100 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第100部:一般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60811-100:2012,Electric and optical fibre cables−Test methods for 

non-metallic materials−Part 100: General 

JIS C 3660-409 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第409部:各種試験−熱可塑性

絶縁体及びシース材料の加熱減量試験 

注記 対応国際規格:IEC 60811-409,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic 

materials−Part 409: Miscellaneous tests−Loss of mass test for thermoplastic insulations and sheaths 

JIS C 3660-501 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第501部:機械試験−絶縁体及

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

  

びシース用コンパウンドの機械的特性試験 

注記 対応国際規格:IEC 60811-501,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic 

materials−Part 501: Mechanical tests−Tests for determining the mechanical properties of insulating 

and sheathing compounds 

JIS C 3660-504 電気・光ファイバケーブル−非金属材料の試験方法−第504部:機械試験−絶縁体及

びシースの低温曲げ試験 

注記 対応国際規格:IEC 60811-504,Electric and optical fibre cables−Test methods for non-metallic 

materials−Part 504: Mechanical tests−Bending tests at low temperature for insulation and sheaths 

JIS C 3664 絶縁ケーブルの導体 

注記 対応国際規格:IEC 60228,Conductors of insulated cables 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 3660-100の箇条3による。 

試験方法 

4.1 

一般 

この規格は,JIS C 3660-100と併せて用いる。 

エアオーブンによる老化の手順は,次による。また,個別条件は,関連ケーブル規格による。 

a) 絶縁体又はシース材料の試験片は,4.2.3.2による。 

b) 線心試験片(導体及び絶縁体)は,4.2.3.2及び4.2.3.3による。 

c) 完成品ケーブルの試験片は,4.2.3.4による。 

d) 加熱減量試験は,JIS C 3660-409による。 

老化試験a)又はb),及び加熱減量試験d)は,老化時間と老化温度とが同じならば,同一試験片で同時に

行ってもよい。 

一般的に,機械的特性は老化処理後に測定する。絶縁体をきずつけずに導体及びセパレータを取り除く

ことができない導体断面積が16 mm2以下の円形導体については,巻付試験を行う。老化後の巻付試験は,

疑義が生じた場合に許容される手順である。 

4.2 

老化処理の機械的特性への影響 

4.2.1 

装置 

老化処理は,自然対流式又は強制循環式いずれのオーブンを用いる場合であっても,空気が,試験片の

表面を流れるようにオーブンの下から入り,オーブンの上部から出るものとする。オーブンは,規定した

老化温度で1時間当たり8回以上,20回以内の換気を行う。附属書Aにオーブン内の換気率を測定する二

つの試験方法を示す。 

関連ケーブル規格に規定がない限り,ゴムコンパウンドを試験するときは,オーブン内のファンを用い

てもよい。ゴム以外のコンパウンドの場合は,オーブン内のファンを用いてはならない。ゴムコンパウン

ドの試験で疑義が生じた場合,オーブン内のファンを用いないで試験を行う。 

4.2.2 

試料及び試験片の準備 

試料は,ケーブルから剝ぎ取ったシース又は線心から老化処理なしの引張試験用として採取した試料に

可能な範囲で隣接した位置から,必要な長さを,JIS C 3660-501によって採取する。 

ダンベル状又は管状の試験片は,JIS C 3660-501によって準備する。 

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

線心の試料からなる試験片は,必要な長さに切断する。老化処理後,絶縁体をきずつけずに導体及びセ

パレータを取り除くことができない場合,試験片の準備は,B.2によって行う。めっきなし又は金属めっ

き線の導体で,その周りにセパレータをもつ導体断面積が16 mm2以下の円形導体にあっては,巻付試験

を,老化処理後の試験片について行う。 

4.2.3 

老化手順 

4.2.3.1 

一般 

試験は,絶縁体又はシースコンパウンドの押出し後又は架橋後,16時間以上経過した後に行う。試験は,

JIS C 3660-501によって準備した管状若しくはダンベル状の試験片,又はこの規格で規定される絶縁線心

について行う。 

4.2.3.2 

B.1,B.2.2,附属書C及びJIS C 3660-501によって準備した試験片の老化手順 

この手順は,次の試験片に用いる。 

− JIS C 3660-501による,導体なしの絶縁体材料及びシース材料の試験片 

− B.1による導体付き線心試験片 

− B.2.2による外径を減じた導体付き管状試験片 

− 附属書Cによる完成品ケーブル 

明らかに組成の異なるコンパウンドは,同じオーブンの中で同時に試験してはならない。 

JIS C 3660-501に規定された5個の試験片は,互いに20 mm以上離して,オーブンの中央に垂直につる

す。 

試験片が占める容積は,オーブンの容積の2 %以下とする。 

試験片は,関連ケーブル規格の材料に規定された温度及び時間,オーブンの中に保持する。 

老化が終了した後,すぐに試験片をオーブンから取り出し,直射日光を避け,16時間以上室温で放置す

る。 

4.2.3.3 

導体断面積16 mm2を超える導体付き試験片の老化手順 

この手順は,老化処理後に絶縁体をきずつけずに導体及びセパレータを取り除くことができないときに

用いる。 

B.2.3.1によって準備した試験片は,互いに20 mm以上離して,オーブンの中央に置く。 

試験片は,両端で支持し,絶縁体は支持線以外のものと接触しないようにする。試験片が占める容積は,

オーブンの容積の2 %以下とし,関連ケーブル規格に規定された温度及び時間,オーブンの中に保持する。 

老化が終了した後,すぐに試験片をオーブンから取り出し,直射日光を避け,室温で16時間以上放置す

る。ダンベル状試験片は,B.2.3.2によって準備する。 

4.2.3.4 

完成品ケーブルの老化手順 

C.1による3個のケーブル試験片は,互いに20 mm以上離して,オーブンの中央に垂直につるす。試験

片が占める容積は,オーブンの容積の2 %以下とする。 

ケーブル試験片は,関連ケーブル規格に規定された温度及び時間,オーブンの中に保持する。 

老化が終了した後,すぐにケーブル試験片をオーブンから取り出し,直射日光を避け,室温で16時間以

上放置する。 

4.2.4 

測定 

B.2.3又はC.2によって,直接老化させた又は老化後に準備したダンベル状及び/又は管状試験片の機械

的特性は,JIS C 3660-501によって測定する。 

background image

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

  

4.2.5 

結果の表し方 

引張強さ及び破断時伸びの計算は,JIS C 3660-501による。 

関連ケーブル規格で,老化した試験片と老化処理なしの試験片との変化率を要求された場合は,次の式

で求める。 

100

U

U

E

T

×

=

T

T

T

V

 ······································································ (1) 

100

U

U

E

E

×

=

E

E

E

V

 ····································································· (2) 

ここに, 

VT: 引張強さの変化率(%) 

TE: 老化後の試験片の引張強さ 

TU: 老化前の試験片の引張強さ 

VE: 破断時伸びの変化率(%) 

EE: 老化後の試験片の破断時伸び(%) 

EU: 老化前の試験片の破断時伸び(%) 

注記 老化処理なし試験片は,室温に維持される。 

4.2.6 

要求事項 

老化した試験片の中央値と老化処理していない試験片の中央値との変化率を求め(JIS C 3660-501によ

る。),変化率が関連ケーブル規格の規格値を超えてはならない。 

4.2.7 

試験報告書 

試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。 

4.3 

線心試験片の巻付試験 

4.3.1 

装置 

老化処理は,4.2.1によるエアオーブン中で実施する。 

巻付試験の装置は,JIS C 3660-504による。 

4.3.2 

試料及び試験片の準備 

適切な長さの二つの試験片を,試験に用いる各線心より,老化なしの引張試験用に採取した試料に可能

な範囲で隣接した位置から採取する(JIS C 3660-504による。)。 

4.3.3 

手順 

試験片は,4.2.3.3の手順に従って老化させる。 

老化が終了した後,すぐに試験片をオーブンから取り出し,直射日光を避け,室温で16時間以上放置す

る。 

各試験片は,室温でできるだけ緊密にらせん状にマンドレルの周りに巻き付ける。 

巻付手順は,約5秒に1回の均一な速度で行う。 

巻付試験は,JIS C 3660-504に規定する装置で行う。 

マンドレルの外径は,線心径のf倍とする。fの値及び巻付回数は,表1による。 

表1−fの値及び巻付回数 

導体の断面積 

mm2 

倍率 

巻付回数 

2.5以下 

 4〜 6 
10〜16 

1±0.1 
2±0.1 
4±0.1 



C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

4.3.4 

要求事項 

巻付手順が終了した試験片は,マンドレルに巻き付けた状態で検査を行う。 

二つの試験片の絶縁体は,拡大しないで目視検査したとき,クラックがあってはならない。 

マンドレルへの巻き始め及び巻き終わりの部分のクラックは,無視する。 

4.3.5 

試験報告書 

試験報告書は,JIS C 3660-100に従って作成する。 

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

  

附属書A 

(規定) 

オーブン内の換気率の測定方法 

A.1 方法1−間接法又は電力消費量による方法 

A.1.1 この方法は,通風孔を開いておいてオーブン内の温度を指定温度に維持するのに必要な電力量と,

通風孔を閉じてオーブン内の温度を同じ指定温度に維持するのに必要な電力量との差を,通風孔が開いて

いるときのオーブン内を通過する空気量の尺度として用いる。通風孔を開いているとき,規定された老化

温度にオーブンの温度を維持するために必要な平均電力(P1,ワット:W)は,30分以上の時間で決定す

る。その後,通風孔(必要なら温度計孔)を閉じて,上記と同じ方法で平均電力(P2,ワット:W)を求

める。オーブンの温度と室温との差が二つの試験において0.2 ℃以内とする。室温は,オーブンから約2 m

離れた地点で,ほぼオーブンの底に相当する位置で測定する。ただし,いかなる物体からも少なくとも0.6 

m離さなければならない。 

A.1.2 通風孔が開いているとき,オーブンを通過する空気量は,次の式による。 

(

)

1

2

P

2

1

t

t

C

P

P

m

=

 ········································································ (A.1) 

d

m

V

600

3

=

 ············································································ (A.2) 

ここに, 

CP: 常圧における空気の比熱(J×g−1×K−1) 

t1: 室温(℃) 

t2: オーブンの温度(℃) 

P1−P2: A.1.1で求めた電力消費量の差 

m: 空気の量(g/s) 

V: 空気の体積(L/h) 

d: 試験時間における試験室内の空気の密度

(g/L) 

注記 101.3 kPa(760 mmHg),20 ℃における空気の密度は,1.205 g/Lである。 

これから, 

(

)

(

)

1

2

2

1

003

.1

600

3

t

t

d

P

P

V

=

  又は 

(

)

(

)

1

2

2

1

590

3

t

t

d

P

P

V

=

この式は,通風孔が閉じているとき,オーブンを通して流れる空気がないと仮定している。

したがって,空気がもれないようにドアの継ぎ目は接着テープでシールし,出入口は密閉して

おくのが望ましい。 

A.1.3 電力消費量を電力計で測定する場合,オーブンのヒータが“入”になっている全時間(s)をスト

ップウォッチで測定し,ヒータが“入”になっている間に一度だけ電力計を読む。 

電力計の読みの平均値にストップウォッチで測定した全時間(s)を乗じ,試験時間(s)で除し,温度

を一定に維持するために必要な電力を算出する。 

A.1.4 ワットアワーメータ又はキロワットアワーメータを用いる場合,メータの全エネルギー消費の読み

を試験時間(h)で除し,算出する。家庭用のキロワットアワーメータを用いる場合,短時間で十分な精度

は目盛が大きすぎて得られないので,このメータに付いている回転ディスクを電力消費のインジケータと

して用いる。ディスク上の目印のマークが,窓の中心の反対側になるまでメータを操作し,試験開始まで

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

接続しないでおく。 

誤差を少なくするため,ディスクが100回転するように,試験時間は十分に長くとる。試験は,ディス

ク上のマークが見えるときに終了するのが望ましい。試験終了時にマークが視野から外れるときは,補正

する。ヒータのオン又はオフに対する時点で試験を開始し,そして終了する(例えば,サーモスタットに

よってヒータが作動する瞬間)。 

A.2 方法2−直接及び連続法 

A.2.1 装置の特徴 

パイプシステム又はエアシリンダのような高圧空気源で動作するものとする。 

A.2.1.1 空気圧の制御 

様々な圧力の供給源からオーブンへの供給に必要な非常に低い圧力まで空気圧を減圧する装置とする。

一定圧力の空気流に調整するバルブが付いているものとする。 

A.2.1.2 流量計 

空気の流量が測定できる装置とする。この装置は,気圧計の原理で動作し,図A.1に示す。 

a) 毛細管は,内径約2 mm,長さ約70 mmの目盛が付いているものを用いる。図A.2は,空気の流量を

500 L/h又は600 L/hまで制御できる,一般的な校正図である。 

b) 気圧計としての管は,水圧差で0±300 mmの間に二重に目盛が付いているものを用いる。気圧計用の

液体は,蒸留水とする。 

A.2.1.3 エアオーブン 

エアオーブンは,入り口も隙間のないよう密閉して運転する。空気の管は,底を通ってオーブンに入る。

空気の出口の孔は,オーブンの上部にあり,開放している唯一の通風孔である。 

注記 次の二つの事項は,方法及び装置の信頼性を高める。 

− 上記の流量計は,製作及び校正をするのに容易であり,ここで必要とされる空気流量の範

囲にふさわしいことから,十分に信頼できるものである。 

− 僅かな“強制”換気を採用しても,オーブン内の異なる位置での温度の均一性を変えない

ことが試験によって示されている。 

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C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

  

図A.1−方法2におけるエアオーブン中の空気流制御のための流量計 

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C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

図A.2−方法2におけるエアオーブン中の空気流制御のための流量計の 

毛細管(d=2 mm,l=70 mm)の校正図表 

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10 

C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

  

附属書B 

(規定) 

銅導体付き試験片又は金属めっき銅導体付き試験片の準備 

B.1 

導体付き線心試験片の準備 

老化の後に,絶縁体を損傷せずに導体及びセパレータを除去できる場合は,十分な長さに切断した線心

の試験片を,老化なしの引張試験用として採取した試料に可能な範囲で隣接した位置からJIS C 3660-501

によって採取する。試験片は,4.2.3.2に示すように老化し,老化後,導体を取り去り,試験片の断面積を

JIS C 3660-501によって測定する。 

B.2 

老化後に導体と絶縁体又はセパレータとが接着している場合の試験片の準備 

B.2.1 一般 

導体又はセパレータが除去できない場合は,絶縁体を損傷しないように老化し,表B.1に示す適切な準

備及び試験方法を適用する。 

表B.1−老化中に導体又はセパレータが接着し,試験片の準備が難しい場合の線心の老化試験概要 

JIS C 3664による銅導体のクラス及び導体の形状 

試験方法 

クラス1:めっきなし導体 

B.2.2.1による,又はこの方法で接着問題が生じる場
合は,4.3による。老化後の巻付試験は,疑義が生じ
た場合に受け入れられる手順である。 

クラス1:金属めっき導体又はセパレータを巻いた導体 

4.3による。 

クラス2:めっきなし又は金属めっき線でセパレータあり又
 

はなしの16 mm2以下の円形導体 

4.3による。 

クラス2:めっきなし又は金属めっき線で16 mm2を超える
 

円形又は扇形導体 

4.2.3.3による。 

クラス5及びクラス6:めっきなし又は金属めっき線でセパ
 

レータあり又はなしの16 mm2以下の導体 

B.2.2.2による,又はこの試験方法で接着問題が生じ
る場合は,4.3による。老化後の巻付試験は,疑義が
生じた場合に受け入れられる手順である。 

クラス5及びクラス6:めっきなし又は金属めっき線で16 
 

mm2を超える導体 

4.2.3.3による。 

注記 巻付試験の場合(4.3),老化条件は,引張特性の測定要求と相違が生じる場合がある(B.1及びB.2.2)。関連

ケーブル規格による。 

B.2.2 外径を減じた導体を用いた管状試験片の準備 

B.2.2.1 外径を減じた単線めっきなし導体 

JIS C 3660-501によって五つの管状試験片を準備した後,10 %以内で外径を減じた単線めっきなし導体

を再挿入する。導体は,元の導体を伸長して外径を減じるか,又は元の外径よりも10 %以内の範囲で細い

導体を用いる。 

管状試験片は,4.2.3.2によって老化し,その後,外径を減じた導体を取り去り,管状試験片の断面積を

JIS C 3660-501によって測定する。 

B.2.2.2 素線数を減じたクラス5及びクラス6の導体 

JIS C 3660-501によって五つの管状試験片を準備する。試験のために,導体を構成する素線の約30 %を

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C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

絶縁体から取り去るか,管状試験片に導体を構成する素線の約70 %を再挿入してもよい。 

管状試験片は,4.2.3.2によって老化し,その後,素線数を減じた導体を取り去り,管状試験片の断面積

をJIS C 3660-501によって測定する。 

B.2.3 導体断面積が16 mm2を超える導体付き試験片の準備 

B.2.3.1 老化用試験片の採取及び準備 

約200 mmの長さの三つの試験片は,老化なしの引張試験用として採取した試料に可能な範囲で隣接し

た位置から採取する(JIS C 3660-501による。)。 

扇形の場合,幅10 mm以上の細片を導体軸に沿って扇形に切り抜き,導体から分離する。 

次に,この細片は,同じ場所に戻し,図B.1のように細片が導体と十分に接触するように試験片の中央

及び両端末から約20 mmの所を適切な針金でとめる。 

円形導体の線心の場合は,同様の手順を用いる。小さいサイズの場合は(例 25 mm2),絶縁体を半分

まで分離できる。 

B.2.3.2 老化後のダンベル状試験片の準備 

図B.2のとおり,老化した試験片を解体し,各試験片から二つのダンベル状試験片をJIS C 3660-501に

よって準備し,断面積をJIS C 3660-501によって測定する。 

図B.1−特別に準備した試験片 

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C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

  

図B.2−老化後に準備したダンベル状試験片 

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C 3660-401:2019 (IEC 60811-401:2012,Amd.1:2017) 

附属書C 
(規定) 

完成品ケーブルの老化用試料及び試験片の準備 

C.1 老化用試験片の採取及び準備 

長さ約200 mmの完成品ケーブルの3個の試験片は,老化なしの引張試験用として採取した試料に可能

な範囲で隣接した位置から採取する(JIS C 3660-501による。)。 

C.2 老化後のダンベル状又は管状試験片の準備 

老化した3個のケーブル試験片を加熱老化終了後16時間以上24時間以内に解体し,各線心(最大3線

心)の絶縁体及び各ケーブルのシースからJIS C 3660-501に規定する二つのダンベル状又は管状試験片を

採取する。各線心及びシースから,各々6試験片を採取する。 

試験片の厚さを2 mm以下にするために,切削又は研削が必要なときは,可能な限り完成品ケーブルで

他の材料に面していない側で行う。他の材料に面している側で切削又は研削する場合は,十分な平滑が得

られる最小除去量にする。