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C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  総則

1

1.1

  適用範囲 

1

1.2

  引用規格 

2

2

  用語及び定義 

2

3

  試験値

2

4

  適用性

2

5

  形式試験及びその他の試験 

3

6

  前処理

3

7

  中央値

3

8

  前処理後の破断時の伸び試験

3

9

  加熱による前処理後の巻付試験

3

10

  熱老化後の巻付試験

4

11

  絶縁体の質量増加率

4

附属書 A(規定)長期安定性試験 

6

附属書 B(規定)ポリオレフィン絶縁導体の銅触媒の酸化劣化試験方法[酸化誘導時間(OIT)試験]··

8


C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電線

工業会(JCMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 3660-4-2:1998 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 3660

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

3660-1-1

第 1-1 部:試験法総則−厚さ及び仕上寸法の測定−機械的特性試験

JIS

C

3660-1-2

第 1-2 部:試験法総則−熱老化試験方法

JIS

C

3660-1-3

第 1-3 部:試験法総則−密度測定の方法−耐水性試験−収縮試験

JIS

C

3660-1-4

第 1-4 部:試験法総則−低温試験

JIS

C

3660-2-1

第 2-1 部:エラストマーの特性試験方法−オゾン,ホットセット及び耐油試験

JIS

C

3660-3-1

第 3-1 部:ビニルコンパウンドの試験方法−加熱変形試験−巻付加熱試験

JIS

C

3660-3-2

第 3-2 部:ビニルコンパウンドの試験方法−加熱減量試験及び熱安定性試験

JIS

C

3660-4-1

第 4-1 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−耐環境応力の

亀裂性,メルトフローインデックスの測定,直接燃焼によるポリエチレン中のカーボンブラック

及び無機充填剤の含有量測定,サーモグラビメトリック分析によるカーボンブラック含有量測定

及び顕微鏡によるポリエチレン中のカーボンブラック分散測定

JIS

C

3660-4-2

第 4-2 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加熱による前

処理後の破断時の引張強さ及び伸び,加熱による前処理後の巻付試験,熱老化後の巻付試験,絶

縁体の質量増加率,長期安定性試験及び銅触媒の酸化劣化試験

JIS

C

3660-5-1

第 5-1 部:充填コンパウンドの試験方法−滴下点,油分離,低温ぜい化,全酸価,腐

食性,23  ℃誘電率並びに 23  ℃及び 100  ℃の直流抵抗率


日本工業規格

JIS

 C

3660-4-2

:2011

(IEC 60811-4-2

:2004

)

電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−

第 4-2 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの

試験方法−加熱による前処理後の破断時の引張強さ及び伸び,

加熱による前処理後の巻付試験,熱老化後の巻付試験,絶縁体

の質量増加率,長期安定性試験及び銅触媒の酸化劣化試験

Insulating and sheathing materials of electric and optical cables-Common test

methods-Part 4-2 : Methods specific to polyethylene and polypropylene

compounds-Tensile strength and elongation at break after conditioning at

elevated temperature-Wrapping test after conditioning at elevated

temperature-Wrapping test after thermal ageing in air-Measurement of mass

increase-Long-term stability test-Test method for copper-catalyzed oxidative

degradation

序文 

この規格は,2004 年に第 2 版として発行された IEC 60811-4-2 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

総則 

1.1 

適用範囲 

この規格は,船舶及び海上設備を含む配電及び通信設備に使用する電気・光ケーブルの絶縁体及びシー

ス材料の試験方法について規定する。この規格は,ポリオレフィン絶縁体及びシースに適用する。

なお,これらの長期安定性試験については

附属書 A,及びポリオレフィン絶縁導体の銅触媒の酸化劣化

試験については

附属書 に規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60811-4-2:2004

,Insulating and sheathing materials of electric and optical cables−Common test

methods

−Part 4-2: Methods specific to polyethylene and polypropylene compounds−Tensile

strength and elongation at break after conditioning at elevated temperature

−Wrapping test after

conditioning at elevated temperature

−Wrapping test after thermal ageing in air−Measurement of

mass increase

−Long-term stability test−Test method for copper-catalyzed oxidative degradation

(IDT)


2

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

1.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 3660-1-1:2003

  電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第 1-1 部:試験法総

則−厚さ及び仕上寸法の測定−機械的特性試験

注記  対応国際規格:IEC 60811-1-1:1993,Common test methods for insulating and sheathing materials of

electric cables

−Part 1-1: Methods for general application−Measurement of thickness and overall

dimensions

−Tests for determining the mechanical properties 及び Amendment 1:2001(IDT) 

JIS C 3660-1-3:2003

  電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第 1-3 部:試験法総

則−密度測定の方法−耐水性試験−収縮試験

注記  対応国際規格:IEC 60811-1-3:1993,Insulating and sheathing materials of electric cables−Common

test methods

−Part 1: General application−Section 3 : Methods for determining the density−Water

absorption tests

−Shrinkage test(IDT)

JIS K 6257

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方

注記  対応国際規格:ISO 188,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Accelerated ageing and heat

resistance tests

(MOD)

用語及び定義 

試験のために,次のようにポリエチレンを分類する。

ポリエチレンの種類

23

℃における密度

a)

g/cm

3

低密度ポリエチレン

0.925

以下

中密度ポリエチレン

0.925

を超え 0.940 以下

高密度ポリエチレン

0.940

を超え

a)

これらの密度は,JIS C 3660-1-3 の 8.(密度測定法)に規定する方法によ
って求めた非充填レジン材料の値とする。

試験値 

この規格は,試験条件(温度,期間など)及び試験要求事項の全てを規定するものではない。この規格

に規定のない試験条件及び試験要求事項は,個別ケーブル規格に規定する。

この規格に規定する試験条件及び試験要求事項は,個別ケーブル独自の要求に適合するように,各々の

関連個別ケーブル規格で修正する場合がある。

適用性 

この規格は,汎用形のケーブル,電線及びコードの絶縁体並びにシースコンパウンドの試験条件,試験

手順及び試験結果の表し方について規定する。


3

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

形式試験及びその他の試験 

この規格に規定する試験方法は,形式試験に適用する。ある種の試験で,形式試験と出荷試験との間に

差異がある場合は,その差異をこの規格に示す。

個別ケーブル規格に規定がない場合は,多芯ケーブル及びコードの 3 芯以下について(複数の色がある

場合は,異なった色について)試験する。

前処理 

全ての試験は,絶縁体及びシースコンパウンドの押出し後,又は加硫がある場合は加硫(又は架橋)後,

16

時間以上経過した後に行う。

中央値 

試験結果の得られた値を昇順又は降順に並べたとき,有効な測定値の数が奇数の場合はその中央値,偶

数の場合は二つの中央値の平均値を中央値とする。

前処理後の破断時の伸び試験 

8.1 

一般 

この試験は,絶縁厚さ 0.8 mm を超えるポリオレフィン充填形ケーブル及び充填コンパウンドに直接接

触するポリオレフィンシースから採取したサンプルに適用する。

8.2 

前処理 

十分な長さの完成ケーブル試料を気中(すなわち,オーブン中につるす。

)で前処理をする。温度及び時

間は,次による。

−  7×24 時間  60±2  ℃:公称滴下点が 50  ℃を超え 70  ℃以下の充填コンパウンド

−  7×24 時間  70±2  ℃:公称滴下点が 70  ℃を超える充填コンパウンド

注記  滴下点の詳細については,JIS C 3660-5-1 の箇条 4(滴下点)を参照。

前処理後,直射日光を避け,16 時間以上室温に保つ。その後,試験シース及び絶縁線芯をケーブルから

採取し,適切な方法で清掃する。

8.3 

加熱による前処理後の引張強さ及び伸び 

個別ケーブル規格の要求事項に関する引張強さ及び/又は伸びについては,8.2 に従って準備した試料を,

JIS C 3660-1-1

の 9.(絶縁体及びシースの機械的特性の測定試験)によって試験する。ただし,熱処理は

行わない。

8.4 

結果の表し方 

引張強さ及び/又は破断時の伸びの値は,中央値を記録する。

加熱による前処理後の巻付試験 

9.1 

一般 

この試験は,絶縁厚さ 0.8 mm 以下のポリオレフィン充填形ケーブルに適用する。

9.2 

前処理 

前処理は,8.2 による。次に,試料とする線芯をケーブルから採取し,適切な方法で清掃する。

9.3 

試験方法 

9.2

によって準備した試料を,10.5.2 に従って巻き付ける。


4

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

厚さ 0.2 mm 以下の発泡絶縁体における引張荷重は,導体断面積を考慮した上で,約 7.5 N/mm

2

を差し引

く。

9.4 

結果の評価 

試料を室温に冷やした後,拡大鏡を使わずに目視によって検査し,亀裂がないことを確認する。試験に

合格しなかった場合,1 回だけ再試験を行ってもよい。

10 

熱老化後の巻付試験 

この試験方法は,ポリオレフィン絶縁体の老化試験である。

10.1 

一般 

この試験は,絶縁厚さ 0.8 mm 以下のポリオレフィン非充填形及び充填形ケーブルに適用する。

10.2 

装置 

この試験に用いる装置は,次による。

10.2.1

  滑らかな金属マンドレル及び荷重装置 

10.2.2

  巻付機,できれば機械式が望ましい。 

10.2.3

  自然対流式電気恒温槽

10.3

試料採取 

この試験は,一連長のケーブル又は線芯ごとの 4 試料について実施する。

試料は 2 m 採取し,4 等分に切断する。

線芯上に充填コンパウンド,外装及び編組が施されているときは,注意して取り除く。

絶縁体中の導体を取り除き,試料はまっすぐに矯正する。

10.4

熱老化方法 

10.3

に従って用意した試料を,10.2.3 の電気恒温槽の中で他の試料と 20 mm 以上離し,100±2  ℃で 14

×24 時間,垂直につるす。試料容積は,恒温槽容積の 2 %以下とする。加熱終了後,速やかに試料を恒温

槽から取り出し,直射日光を避け,16 時間以上室温に放置する。

注記  加熱時間又は加熱温度は,個別ケーブル規格に規定がある場合,長くしたり,温度を上げたり

してもよい。

10.5 

試験手順 

10.5.1

  10.3 に従って用意し,10.4 によって熱老化した試料を,常温で巻付試験を行う。

10.5.2

  試料は,片端の導体をむき出しにする。導体断面積に見合う 15 N/mm

2

±20 %の荷重をむき出した

導体に加える。10.2.2 に従った巻付機を用い,巻付速度を 1 回転 5 秒として他端を 10 回巻き付ける。

巻付径は,試料外径の 1∼1.5 倍とする。試料を巻き付けた後,巻付機から試料を外し,巻付け形状を保

ったまま 70±2 ℃で 24 時間,10.2.3 に規定する恒温槽の中に垂直に入れる。

10.6 

結果の評価 

試料を室温に冷やした後,拡大鏡を使わずに目視によって検査し,亀裂がないことを確認する。試験に

合格しなかった場合,1 度だけ再試験を行ってもよい。

11 

絶縁体の質量増加率 

11.1 

一般 

この試験は,絶縁材料と充填形ケーブルの充填材料との間の影響について試験するものであり,材料選

定の指針となる。


5

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

11.2 

試料採取 

充填工程前のケーブルから,各色の線芯を 3 試料ずつ採取する。約 2 m の各試料を,600 mm,800 mm

及び 600 mm に分割する。

11.3 

試験方法 

800 mm

の長さの試料を,ガラス容器に入れた約 200 g の充填コンパウンドの中に浸せきし,次の温度で

予熱する。

− 50 ℃を超え 70  ℃以下の滴下点の材料は,60±2  ℃

− 70 ℃を超える滴下点のものは,70±2  ℃

注記  滴下点の詳細については,JIS C 3660-5-1 の箇条 を参照。

試料の中央部 500 mm 以上を,容器及び他の試料に触れることなくコンパウンドの中に浸せきさせる。

試料の両端部は,コンパウンドに浸せきしてはならない。

ガラス容器は,上記に対応する温度で 10×24 時間,一定温度の恒温槽で保温する。

期間終了後,試料を充填コンパウンドから取り出し,注意しながら吸取紙で拭う。充填コンパウンドに

浸せきした中央部 500 mm 以上を残し,両端を切り落とす。残りの 2 本の 600 mm 長の試料を試験した試

料と同じ長さに切り,3 本とも導体を取り除く。3 試料は,室温で 0.5 mg 単位で計量する。

11.4 

計算 

質量増加率 は,次の式によって求める。

100

1

1

2

×

=

M

M

M

W

ここに,

M

1

浸せきしない 2 試料の平均質量(mg)

M

2

浸せきした試料の質量(mg)


6

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

附属書 A

(規定)

長期安定性試験

注記  この試験は,銅線対をもつ通信用ケーブルだけに適用する。配電用ケーブルにも同様な試験を

検討中である。

A.1 

一般 

ケーブル構成材料が,ケーブル推奨寿命を超える材料であるかどうかの確認が必要となる場合がある。

特に,ポリオレフィン絶縁体は,商用においても高い寿命を保有しなければならない。充填コンパウンド

入りのポリオレフィン絶縁ケーブルでは,絶縁体と充填材との組合せ適合性を評価しなければならない。

試験期間,温度,環境及び破壊の判定基準は,注意して選択しなければならない。材料選択に適切な一

つの方法を,この附属書に規定する。ただし,試験期間は,定常的な品質管理試験には適切ではない。し

たがって,ケーブルの寿命評価用の材料選定試験として考慮するのがよい。

定常的な品質管理試験には,

附属書 のような短期間で試験ができる試験方法が適切である。

A.2 

試験条件 

試験温度及び試験期間の異なる二つの試験条件のいずれかから,ケーブルシステムの条件及び環境の厳

しさに応じて,ケーブル規格に従って使用する。

条件 A: 直接埋設するケーブル,ダクト又はトラフの中に布設するケーブル,地上に露出した状態に布

設するケーブルのような通常 50  ℃未満の過酷過ぎない条件で使用するケーブルの絶縁体に適

用する。

− 100

℃で 42 日間

条件 B: キャビネット,ターミナルボックスのような,地上の高温加熱条件下に布設するケーブルの絶

縁体に適用する。

− 105

℃で 42 日間

A.3 

装置 

A.3.1 

JIS K 6257

に従い,かつ,次の基準に適合する恒温槽。

−  試験中の平均温度は,規定値±0.5  ℃以内で制御しなければならない。

−  試験中の温度のばらつきは,規定値±1.0  ℃以下でなければならない。

−  空気の置換:毎時 6 回以上の換気。疑義がある場合には,最大毎時 10 回とする。

注記  代わりに,1 室以上の隔室からなる,次の寸法をもつ,上記の基準を満たす試験装置を使用し

てもよい。

隔室高さ:  250 mm 以上

隔室径  :  75 mm 以上

高さと径との比:  3:1∼4:1

A.3.2 A.3.1

の恒温槽の体積に適切な計測範囲を備えた空気流量計。

A.3.3 

0.1 

℃単位で読取り可能であり,測定誤差が 0.2 ℃以下の熱電対又は温度計。 


7

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

A.3.4

  精度が±0.5 mg で 0.1 mg の読取り及び繰返し測定可能なひょう量計。

A.4 

試料採取 

充填形又は非充填形ケーブルから,2 m の試料を各色 3 試料ずつ採取する。

A.5 

試験方法 

A.5.1 

非充填形ケーブル 

A.5.1.1

  試料を約 60 mm 径の緩いコイル状にする。試料は,より及びねじれがあってはならない。必要な

らば,コイルを 2 本のアルミニウム線で緩く縛ってもよい。

A.5.1.2

  試料は,0.1 mg 単位で質量を測定し,蓋に取り付けたアルミニウム線のフックなどによって恒温

槽の下部につるす。試料のコイル中心の温度が,A.2(条件 A 又は条件 B)によって規定する温度である

ことを熱電対又は適切な温度計で計測する。

各色 3 試料を検査する。装置が隔室を備えている場合,各試料は違う隔室に入れることが望ましい。必

要であれば 3 試料以下を 1 隔室内で老化してもよい。ただし,互いの試料及び内壁に触れないように,3

∼5 mm 離す。

注記  試験中の温度を監視するために,データ記録装置を使用することが望ましい。

A.5.1.3

  規定する試験期間の後,試料を恒温槽から取り出し,常温まで冷却する。試料は,次に適合しな

ければならない。

1)

目視で絶縁体の亀裂,割れ,劣化の兆候などがあってはならず,かつ,色は識別可能でなければなら

ない。

2)

質量は 0.1 mg 単位で測定し,1 mg 以上増加してはならない。

又は,

附属書 の酸化劣化試験を行ったとき,試験結果が 2 分以上でなければならない。

A.5.1.4 A.5.1.3

の要求事項を満足した試料に対し,次の試験を行う。

試料から 200 mm の試料を 3 本以上,切断し採取する。これらは,試料の端から等間隔に 200 mm ずつ

切る。各試料の亀裂及び割れのないことを確認しながら,10 回以上の自己巻付け処理を行う。巻付けを行

った試料を 60±2  ℃の空気循環式恒温槽中に 7 日間放置する。

期間終了後,目視によって,亀裂及び割れのないことを確認する。

A.5.2

充填形ケーブル

A.5.2.1

  充填コンパウンド入り試料は,次の温度において,7 日間前処理を行う。

− 60±2  ℃:滴下点温度が 50  ℃を超え 70  ℃以下のもの。

− 70±2  ℃:滴下点温度が 70  ℃を超えるもの。

注記  滴下点については,JIS C 3660-5-1 の箇条 を参照。

単一試料又はケーブルをガラス容器に入れた約 200 g の充填コンパウンドへ浸せきする(両端は浸せき

しない。

)ことによって前処理を行う。ケーブルを用いる場合は,前処理後の試験片採取に注意を払う。

A.5.2.2

  前処理後,試料をけばのない吸取紙で過剰な充填コンパウンドを拭い取る。充填コンパウンドに

浸せきした中央部を残して両端を切り落とし,A.4 に規定する長さにする。

A.5.2.3

  試験方法は,A.5.1.1A.5.1.4 による。


8

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

附属書 B

(規定)

ポリオレフィン絶縁導体の銅触媒の酸化劣化試験方法

[酸化誘導時間(OIT)試験]

B.1 

一般 

製品に十分な耐酸化性をもつことを保証するために,製造業者が監視をする必要がある。酸化誘導時間

(以下,OIT という。

)試験は,以前は材料を選定する場合の必要条件とされていた。OIT 試験は,適切と

選定した材料について,材料及びケーブルが要求事項を満足するかの監視に適切であることが判明してい

る。OIT 試験は,材料の選定には適切ではない。材料の選定には,長期熱劣化試験が望ましい。

銅触媒の酸化劣化試験に適する試験方法を,この附属書で規定する。

B.2 

装置 

B.2.1

  20±1 K/min の昇温が可能で,試料と照合試料との温度差(又は熱伝達差)を感度よく,0.2 K 以下

で正確に自動記録できる示差熱分析計(又は示差走査熱量分析計)

B.2.2

  熱流又は温度軸 及び時間軸 が表示できる記録計。時間は 0.1 分値が読め,誤差は±1 %とする。 

B.2.3

  ガス選択スイッチ並びに高純度窒素及び酸素の供給装置。

B.2.4

  30 g 測定可能な±0.1 mg の読取り及び繰返し測定が可能なひょう量計。

B.2.5

  試料ホルダ:アルミニウム製ホルダ,各々6∼7 mm 径又は装置製造業者供給の同等品。

B.3 

試料採取 

3

∼5 mg の絶縁材料を得られるように,導体を含む約 4 mm の長さの適切な試料数(例えば,異なる色

から 4 試料)を,絶縁導体から採取する。

B.4 

装置調整 

B.4.1 

開始前に使用説明に従い装置の調整を行う。温度校正用に分析用インジウムを使用する。 

B.4.2

  アルミニウム製蓋付きのホルダに,代表例として 6 mg のインジウムを入れる。サンプルをホルダ

に入れ,装置の蓋を閉める。汚染物質を取り除くため,石油エーテル又は他の適切な溶剤を用い,試料及

びアルミニウム製ホルダを清掃する必要があるかもしれない。

B.4.3

  温度勾配設定は,145∼165  ℃では 1 K/min とし,温度を記録する。 

B.4.4

  装置の調整は,まずインジウムの感度温度 156.6  ℃に調整する。インジウムの溶融点 156.6 ℃は,

ピークと基線との外挿線の交点から求める(

図 B.1 参照)。

B.5 

装置の準備 

B.5.1

  窒素及び酸素ガスのバルブを開ける。ガス選択スイッチを窒素に合わせた後,流量を流量計で 50

±5 mL/min に調整する。

B.5.2

  アルミニウム製ホルダに B.3 に従って準備した試料を入れる(B.4.2 参照)

B.5.3

  装置内の試料用のホルダに B.3 に従って準備した絶縁電線を入れ,空のアルミニウム製ホルダは,

リファレンスの場所にセットする。


9

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

注記  適切なアルミニウム又はステンレススクリーンで試料を保持してもよい。これによって,試料

ホルダとの接触がよくなる。

B.5.4

  窒素ガスを 5 分間吹き流す。必要なら,再度流量を 50±5 mL/min に調整する。 

B.5.5

  装置の記録針をゼロ点に設定し,信号増幅装置及び記録計が急激な反応に対応できるような感度に

調整する。

B.5.6

  昇温速度を 20 K/min に設定する。 

B.6 

試験方法 

B.6.1

  加熱を開始し,温度を記録する。 

B.6.2

  規定の温度±1  ℃まで加熱する。加熱を終了し,試料を一定温度に平衡させる。温度の記録を開始

する。ポリエチレンの試験温度は,200  ℃が適切である。試験方法を単純化するために,前加熱を省略し,

直接試験温度で開始してもよい。

温度が平衡状態に達した後,ガス選択スイッチを酸素に合わせて,酸素ガスの吹流しに替える。流量を

50

±5 mL/min に設定する。このとき,記録計にその旨を記載する。この酸素ガスに替えたときを,ゼロ時

T

0

)とする。

B.6.3

  酸化反応の開始後から記録針が記録紙の記録できる範囲を外れるまで,一定温度を保ち続ける記録

の例を,

図 B.2 に示す。

段階的変化の場合も,記録針が外れるまで等温を保つ。

B.6.4

  試験完了後,記録計をオフにし,ガス選択スイッチを窒素に切り替える。

B.6.5

  装置を試験開始時の温度に冷却する。

B.6.6

  引き続き,更に 3 試料の試験を行う。合計 4 回行う。アルミニウム製のリファレンス用ホルダは,

毎回交換してもよい。

B.7 

計算 

B.7.1

  ゼロ時から酸化発熱まで基線を延長する。延長した基線と交わるように発熱部分の最も急激な勾配

を外挿する(

図 B.2 参照)。

B.7.2

  OIT は,ゼロ時から 1 分以下の実際的な最小間隔で計測する。

B.8 

記録 

試験記録は,次を含む。

a)

試料の識別

b)

試験温度

c)

4

試料の OIT(分)の平均値及び標準偏差


10

C 3660-4-2

:2011 (IEC 60811-4-2:2004)

溶融点(156.6 ℃)は,ピークと基線との外挿線の交点から求める。

図 B.1−インジウムの典型的な溶融挙動 

図 B.2−記録計動からの OIT の評価 

参考文献  JIS C 3660-5-1  電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第 5-1 部:充填コ

ンパウンドの試験方法−滴下点,油分離,低温ぜい化,全酸価,腐食性,23  ℃誘電率並び

に 23  ℃及び 100  ℃の直流抵抗率