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C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  総則

1

1.1

  適用範囲 

1

1.2

  引用規格 

2

2

  用語及び定義 

2

3

  試験値

2

4

  適用性

3

5

  形式試験及びその他の試験 

3

6

  前処理

3

7

  中央値

3

8

  耐環境応力亀裂性試験 

3

9

  熱老化後の巻付試験

8

10

  熱可塑性ポリエチレンのメルトフローインデックスの測定

8

11

  ポリエチレン中のカーボンブラック及び無機充填剤の含有量測定 

12

12

  サーモグラビメトリック分析によるカーボンブラック含有量測定 

12

13

  顕微鏡によるポリエチレン中のカーボンブラック分散測定

13

附属書 A(参考)器具及び試薬 

15


C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電線

工業会(JCMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 3660-4-1:1998 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 3660

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

3660-1-1

第 1-1 部:試験法総則−厚さ及び仕上寸法の測定−機械的特性試験

JIS

C

3660-1-2

第 1-2 部:試験法総則−熱老化試験方法

JIS

C

3660-1-3

第 1-3 部:試験法総則−密度測定の方法−耐水性試験−収縮試験

JIS

C

3660-1-4

第 1-4 部:試験法総則−低温試験

JIS

C

3660-2-1

第 2-1 部:エラストマーの特性試験方法−オゾン,ホットセット及び耐油試験

JIS

C

3660-3-1

第 3-1 部:ビニルコンパウンドの試験方法−加熱変形試験−巻付加熱試験

JIS

C

3660-3-2

第 3-2 部:ビニルコンパウンドの試験方法−加熱減量試験及び熱安定性試験

JIS

C

3660-4-1

第 4-1 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−耐環境応力の

亀裂性,メルトフローインデックスの測定,直接燃焼によるポリエチレン中のカーボンブラック

及び無機充填剤の含有量測定,サーモグラビメトリック分析によるカーボンブラック含有量測定

及び顕微鏡によるポリエチレン中のカーボンブラック分散測定

JIS

C

3660-4-2

第 4-2 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加熱による前

処理後の破断時の引張強さ及び伸び,加熱による前処理後の巻付試験,熱老化後の巻付試験,絶

縁体の質量増加率,長期安定性試験及び銅触媒の酸化劣化試験

JIS

C

3660-5-1

第 5-1 部:充填コンパウンドの試験方法−滴下点,油分離,低温ぜい化,全酸価,腐

食性,23  ℃誘電率並びに 23  ℃及び 100  ℃の直流抵抗率


日本工業規格

JIS

 C

3660-4-1

:2011

(IEC 60811-4-1

:2004

)

電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−

第 4-1 部:ポリエチレン及びポリプロピレンコンパウンドの

試験方法−耐環境応力の亀裂性,メルトフローインデックスの

測定,直接燃焼によるポリエチレン中のカーボンブラック及び

無機充填剤の含有量測定,サーモグラビメトリック分析による

カーボンブラック含有量測定及び顕微鏡による

ポリエチレン中のカーボンブラック分散測定

Insulating and sheathing materials of electric and optical cables-Common test

methods-Part 4-1 : Methods specific to polyethylene and polypropylene

compounds-Resistance to environmental stress cracking-Measurement of the

melt flow index-Carbon black and/or mineral filler content measurement in

polyethylene by direct combustion-Measurement of carbon black

content by

thermogravimetric analysis

(TGA)-Assessment of carbon black dispersion in

polyethylene using a microscope

序文 

この規格は,2004 年に第 2 版として発行された IEC 60811-4-1 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

総則 

1.1 

適用範囲 

この規格は,船舶及び海上設備を含む配電及び通信設備に使用する電気・光ケーブルの絶縁体及びシー

ス材料の試験方法について規定する。

この規格は,絶縁体の多孔質コンパウンド・発泡層を含むポリエチレン及びポリプロピレンの耐環境応

力亀裂性試験,熱老化後の巻付試験,メルトフローインデックスの測定並びにカーボンブラック及び無機

充填剤の含有量測定について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60811-4-1:2004

,Insulating and sheathing materials of electric and optical cables−Common test

methods−Part 4-1 : Methods specific to polyethylene and polypropylene compounds−Resistance

to environmental stress cracking−Measurement of the melt flow index−Carbon black and/or


2

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

mineral filler content measurement in polyethylene by direct combustion−Measurement of carbon

black content by thermogravimetric analysis (TGA)−Assessment of carbon black dispersion in

polyethylene using a microscope(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

1.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS C 3660-1-3:2003

  電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第 1-3 部:試験法総

則−密度測定の方法−耐水性試験−収縮試験

注記  対応国際規格:IEC 60811-1-3:1993,Insulating and sheathing materials of electric cables−Common

test methods−Part 1: General application−Section 3: Methods for determining the density−Water

absorption tests−Shrinkage test(IDT)

JIS C 3660-4-2:2011

  電気・光ケーブルの絶縁体及びシース材料の共通試験方法−第 4-2 部:ポリエチ

レン及びポリプロピレンコンパウンドの試験方法−加熱による前処理後の破断時の引張強さ及び

伸び,加熱による前処理後の巻付試験,熱老化後の巻付試験,絶縁体の質量増加率,長期安定性

試験及び銅触媒の酸化劣化試験

注記  対応国際規格:IEC 60811-4-2:2004,Insulating and sheathing materials of electric and optical cables

−Common test methods−Part 4-2: Methods specific to polyethylene and polypropylene compounds

−Tensile strength and elongation at break after conditioning at elevated temperature−Wrapping test

after conditioning at elevated temperature−Wrapping test after thermal ageing in air−Measurement

of mass increase−Long-term stability test−Test method for copper-catalyzed oxidative degradation

(IDT)

JIS K 6812

  ポリオレフィン管,継手及びコンパウンドの顔料分散又はカーボン分散の評価方法

注記  対応国際規格:ISO 18553:2002,Method for the assessment of the degree of pigment or carbon

black dispersion in polyolefin pipes, fittings and compounds(IDT)

用語及び定義 

試験のために,次のようにポリエチレンを分類する。

ポリエチレンの種類

23  ℃における密度

a)

g/cm

3

低密度ポリエチレン 0.925 以下

中密度ポリエチレン 0.925 を超え 0.940 以下

高密度ポリエチレン 0.940 を超え

a)

  これらの密度は,JIS C 3660-1-3 の 8.(密度測定法)に規定する方法によ

って求めた非充填レジン材料の値とする。 

試験値 

この規格は,試験条件(温度,期間など)及び試験要求事項の全てを規定するものではない。この規格

に規定のない試験条件及び試験要求事項は,個別ケーブル規格に規定する。


3

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

この規格に規定する試験条件及び試験要求事項は,個別ケーブル独自の要求に適合するように,各々の

関連個別ケーブル規格で修正する場合がある。

適用性 

この規格は,汎用形のケーブル,電線及びコードの絶縁体並びにシースコンパウンドの試験条件及び試

験パラメータについて規定する。

形式試験及びその他の試験 

この規格に規定する試験方法は,形式試験に適用する。ある種の試験で形式試験と出荷試験との間に差

異がある場合は,その差異をこの規格に示す。

前処理 

全ての試験は,絶縁体及びシースコンパウンドの押出し後,又は加硫がある場合は加硫(又は架橋)後,

16 時間以上経過した後に行う。

中央値 

試験の結果得られた値を昇順又は降順に並べたとき,有効な測定値の数が奇数の場合はその中央値,偶

数の場合は二つの中央値の平均値を中央値とする。

耐環境応力亀裂性試験 

8.1 

総則 

耐環境応力亀裂性試験は,シース材料に適用し,次の条件 A 又は条件 B による。

a)

条件 A  ケーブル・システムの状態及び環境が過酷でない場合の材料に適用する。

b)

条件 B  ケーブル・システムの状態及び環境が過酷である場合の材料に適用する。

8.2 

装置 

この試験に用いる装置,材料及び試薬は,8.2.18.2.14 による。

8.2.1

成型板よりも広い(大きい)プレートをもつ成型試験シート作成用加熱プレス機。

8.2.2

成型板  約 200 mm×230 mm の長方形で厚さ 6±0.5 mm の板。板の中央部に温度センサ取付け用

の孔を設ける。

8.2.3

剥離用シート  約 200 mm×230 mm の長方形のシート。例えば,厚さ 0.1∼0.2 mm のアルミニウム

はく。

8.2.4

成型枠  試験シートを作成するために用いる,内側寸法が約 150 mm×180 mm の長方形で高さ

3.3±0.1 mm の枠。内側の角には,半径 3 mm の R を付ける。

8.2.5

電熱エアオーブン  強制エア循環機能をもち,かつ,自然換気であって,冷却速度 5±0.5 K/h で温

度を下げることができるオーブン。

8.2.6 

打抜きダイ及び打抜きプレス  試験シートから 8.6.2 に規定する寸法の試験片を切り出すための,

打抜きダイ及び打抜きプレス。 

8.2.7 

ダイヤルゲージ  ゲージ面は,直径 4∼8 mm の平面。測定圧は,5∼8 N/cm

2

8.2.8 

切欠き装置  試験片に切欠きを入れるための装置(図 参照)。刃の形状は,図 による。


4

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

刃は,

図 による(附属書 も参照)。

図 1−切欠き装置(例) 

単位  mm

この寸法に研磨する(

附属書 も参照)。

図 2−切欠き装置の刃 

8.2.9 

曲げクランプ  試験片 10 枚を長さ方向に対称に曲げ(図 参照),かつ,ねじなどでその形状を保

持できる装置。

図 3−曲げクランプ 

8.2.10 

移動具  曲げた試験片 10 枚を曲げクランプから試験片ホルダに一度に移すための工具(図 参照)。

 
 


5

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

図 4−移動具 

8.2.11 

試験片ホルダ  試験片 10 枚を試験のために保持するジグ(図 参照)。

単位  mm

図 5−黄銅製溝付試験片ホルダ 

8.2.12 

試験管  内径 32 mm,長さ 200 mm の硬質ガラス試験管。曲げた試験片を付けた試験片ホルダを入

れて試験を行う(

図 参照)。

図 610 枚の曲げ試験片を取り付けた状態の黄銅製溝付試験片ホルダを挿入した試験管 

8.2.13

試薬  Igepal CO-630

1)

  [Antarox CO-630

1)

]又はこれと同等の化学混合物。条件 A には,100 %水

溶液を用いる。条件 B には,10 %水溶液を用いる。

注記 1  試験には,新しい試薬を用いるのがよい。

注記 2  水の量が規定の最大値より 1 %でも超えていると結果に大きな影響を与えるので,ほんのわ

ずかな時間であっても誤って浸したときは,試薬の水分量を確認するのがよい。

注記 3 Igepal

CO-630 又はこれと同等な材料の水溶液は,1 時間以上 60∼70  ℃に保ち,よくかき混

ぜておくのがよい。水溶液は,1 週間以内に使用するのがよい。

1)

 Igepal

CO-630 及び Antarox CO-630 は,市販製品の一例である。この情報は,この規格の利用者

の便宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない(

附属書 参照)。

8.2.14 

加熱水槽  試験片ホルダを入れ,試薬を満たした試験管を保持するラックを収納するために十分な

大きさ及び深さがある加熱水槽。水温を適切な手段によって,50±0.5 ℃に維持する。水槽の熱容量は十分

大きく,試験管及びラックを浸せきした場合にも,水温は 49 ℃以上でなければならない。


6

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

8.3 

試験シートの作成 

8.3.1 8.2.3

に規定する剥離用シートを清浄にし,8.2.2 に規定する成型板及び 8.2.4 に規定する成型枠の上

に置く。成型枠には,粒状及び粉状の試験材料 90±1 g を入れ,表面に凹凸がないようにする。この成型

枠の上に 2 枚目の剥離用シート,さらに,2 枚目の成型板を上に置く。離型剤を使用してはならない。 

8.3.2 8.3.1

の成型枠(成型板及び剥離シートを含む。

)を,170  ℃に予熱した成型試験シート作成用加熱

プレス機(8.2.1 参照)に設置する。成型枠を,1 kN 以下の力で圧縮する。 

8.3.3

  成型板に設置した適切な温度センサで測定した温度が 160∼170 ℃に達したとき,最大圧力(50∼

200 kN)を 2 分間かける。力をかけている間の温度は,165∼170 ℃の範囲でなければならない。力をかけ

終わった後,直ちに成型枠プレス機から取り去る,又は力をかけたまま急速に冷却する。 

8.4 

試験シートの熱処理 

試験シートの状態は,

試験結果に影響を与える可能性があるため,熱処理は関係者の同意を必要とする。

ほかに前処理の規定がない場合は,次の前処理を行ってもよい。

成型した試験シートを,平滑で,かつ,分離用ホイルとポリエチレンとが良好な接触状態で保持される

よう,分離用ホイルを乱すことなく成型板を取り去った後,試験シートを自然換気の 8.2.5 に規定する電

熱エアオーブンに入れる。

試験シートの水平面中央の上方 5 mm 以下の距離で測定した温度は,次による。

−  低密度ポリエチレン:145±2  ℃

−  中密度ポリエチレン:155±2  ℃

−  高密度ポリエチレン:165±2  ℃

この温度で 1 時間保持した後,29±1  ℃になるまで,冷却速度 5±2 K/h で冷却する。冷却期間の温度は,

記録計などで記録しなければならない。

注記  試験結果に疑義がある場合には,この規格に規定する方法で熱処理した試験シートを用いるの

がよい。

8.5

試験シートの目視(外観)検査 

シートは,表面が平滑で,端から 10 mm 以内の部分を除き,気泡,突起,くぼみなどがあってはならな

い。

8.6 

試験手順 

8.6.1 

試験片の準備 

試験片をシートの端から 25 mm 以上内側から,8.2.6 に規定する打抜きダイ及び打抜きプレス又は他の

適切な装置を用いて 8.6.2 に規定する寸法の試験片 10 枚を切り取る。打抜きダイは,清浄であって,刃は

鋭く,かつ,欠けがあってはならない。試験片の厚さは,8.2.7 に規定するダイヤルゲージで測定したとき,

8.6.2

に適合しなければならない。試験片は,縁が直角に切られていなければならない。縁が斜めにそがれ

たような場合は,誤った結果となる可能性がある。

8.6.2

試験片の切欠き及び挿入

試験片を試薬へ入れる直前に,8.2.8 に規定する切欠き装置又は他の適切な装置を用い,切欠きを入れる

図 参照)。

打抜きダイは清浄であって,その刃は鋭く,かつ,欠けがあってはならない。刃は,必要に応じて交換

する又は刃の状態にかかわらず,切欠き作業が 100 回を超えて切り欠かないことが望ましい。


7

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

単位  mm

ポリエチレンシース

コンパウンドの密度

a) 

g/cm

3

mm

mm

mm

b)

 

mm

0.940 以下 38.0±2.5 13.0±0.8 3.00∼3.30 0.50∼0.65

  0.940 を超え 38.0±2.5 13.0±0.8 1.75∼2.0 0.30∼0.40

a)

レジンが満たされていない状態での密度は,箇条 による。

b)

深さ は,長さ方向で一定とする。

図 7−切欠き付き試験片 

切欠きを付けた試験片は,8.2.9 に規定する曲げクランプに取り付ける。試験片を,ねじ又は定速度のモ

ータ駆動の回転プレスで 30∼35 秒間所定の位置に保持する。試験片を,8.2.10 に規定する移動具又は他の

適切な工具を用いて曲げクランプから取り出し,8.2.11 に規定する試験片ホルダの溝の中に装着する。試

験片ホルダからの試験片のはみ出しが大きい場合は,手で試験片を試験片ホルダの溝へ押し込む。

試験片ホルダを,試験片を曲げた 5∼10 分後に,8.2.12 に規定する試験管の中に挿入する。直ちに,こ

の試験管に 8.2.13 に規定する適切な試薬を,試験片を完全に覆うよう満たす。試験管には,アルミニウム

はくで包んだコルクの栓をする。試験片をラックに取り付け,50±0.5  ℃の加熱水槽に入れ,24 時間(条

件 A)又は 48 時間(条件 B)放置する。試験中,試験片が試験管に触れないように注意する。加熱水槽に

入れた時間は記録しておく。

8.7 

結果の評価 

試験終了後,試験片を拡大鏡を使わずに目視によって検査する。亀裂の発生がある場合は,試験片の不

良とする。

注記  一般的に,環境応力亀裂は,切欠き部から発生して,切欠きと直角方向に進行する。

条件 A  試験片の不良は,5 枚以下でなければならない。6 枚以上の試験片が不良の場合は,不適合と判定

する。1 回限り,新しいシートからの 10 枚の試験片を使って再試験してもよい。再試験の場合も,

試験片の不良は,5 枚以下でなければならない。

条件   試験片の不良は,あってはならない。試験片が 1 枚でも不良になった場合は,不適合と判定する。

新しいシートからの 10 枚の試験片を使って再試験してもよい。再試験の場合も,試験片の不良

は,あってはならない。


8

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

8.8 

試験などの条件並びに条件 及び条件 の要求事項 

状態及び要求事項

条件 A

条件 B

試験シートの準備:

−  温度

165∼170

−  圧力 kN

50∼200

−  時間 min

2

試験シートの熱処理:

−  温度

a)

−  冷却速度 K/h

5±2

試験状態条件:

−  試薬

b)

濃度 %

100

10

−  温度

50±0.5

−  時間(最小) h

24

48

要求事項:

−  許容不良数(最大)

5 試験片

0 試験片

a)

  熱処理温度のポリエチレンの密度による区分は,次による。

−  低密度ポリエチレン:145±2  ℃

−  中密度ポリエチレン:155±2  ℃ 
−  高密度ポリエチレン:165±2  ℃

最終温度:29±1  ℃

b)

 Igepal

CO-630(Antarox CO-630)又はこれと同等の化学混合物。 

熱老化後の巻付試験 

試験方法は,JIS C 3660-4-2 の箇条 10(熱老化後の巻付試験)による。

10 

熱可塑性ポリエチレンのメルトフローインデックスの測定 

10.1 

総則 

ポリエチレン及びポリエチレンコンパウンドのメルトフローインデックス(MFI)とは,温度 190  ℃に

おいて,規定荷重を加えたとき 1.5 分間又は 10 分間以内に規定のダイスを通して押し出される材料の量の

ことである。

注記 1  ISO 1133 で同じ方法を規定している。

注記 2 MFI は,難燃性ポリエチレンには適用しない。

10.2 

装置 

装置は,基本的に押出形ブラストメータで,概要を

図 に示す。垂直な金属シリンダ内のポリエチレン

は,管理された温度条件下で荷重のかかったピストンによって,ダイスを通して押し出される。試験材料

に接触する装置の表面は,高度に研磨されていなければならない。

装置は,次の主要部品から成る。

a)

鋼製シリンダ  鋼製シリンダは,垂直に固定し,かつ,190  ℃で操作するため適切に断熱する。シリ

ンダは,内径 9.5∼10.0 mm で長さ最小 115 mm のもので,かつ,b)の要求事項に合致するものでなけ

ればならない。シリンダの底部は,露出金属面積が 4 cm

2

を超える場合には,断熱処理を施さなけれ

ばならず,断熱材料としては,押し出された材料との粘着を避けるために,ポリテトラフルオロエチ

レン(厚さ約 3 mm)を用いるのがよい。


9

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

b)

鋼製中空ピストン  鋼製中空ピストンの最小長さは,シリンダの長さと同じとする。シリンダ及びピ

ストンの軸は一致し,ピストンの有効長は最大 135 mm とする。長さ 6.35±0.10 mm のヘッドがあり,

ヘッドの径はシリンダの動作範囲内ではシリンダの内径より 0.075±0.015 mm 小さい。さらに,おも

りの重さ[c)参照]を計算するために,この直径は±0.025 mm の精度で測定することが望ましい。ヘ

ッドの下端は半径 0.4 mm とし,

上端はとがった角を取り除く。

ヘッド上部のピストンは直径約 9 mm。

ピストンの最上部に調整用おもりの支え用のスタッドを付けてもよいが,ピストンはこのおもりか

ら断熱しなければならない。

c)

ピストン最上部の調整用おもり  調整用おもりとピストンとの合計荷重は,次の力 を与える値とす

る。

P

=21.2 N  方法 A の場合(10.5 参照)

P

=49.1 N  方法 C の場合(10.6 参照)

d)

ヒータ  シリンダ内のポリエチレンを 190±0.5  ℃に保つためのヒータ。ヒータには自動温度調節装置

を必要とする。

e)

温度測定装置  温度測定装置は,シリンダ本体内でダイスに極力近付けて取り付け,測定精度が±

0.1  ℃となるように校正する。

f)

ダイス  ダイスは焼入鋼製で,長さ 8.000±0.025 mm,平均内径 2.09∼2.10 mm,長さ方向にわたって

均一で誤差は±0.005 mm とする(

図 参照)。ダイスは,シリンダ底部から飛び出てはならない。

g)

ひょう量  ひょう量は,精度±0.000 5 g とする。

単位  mm

A  ダイス保持板 
B  断熱板

図 8−メルトフローインデックス測定装置(大きな外径のシリンダ) 


10

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

単位  mm

図 9−ダイス(小さな外径のシリンダ及びダイス取付けの方法例を示す。) 

10.3 

試料 

絶縁体及びシース材料の試料は,ケーブル又は電線の片端から採取する。試料は,3 mm 角以下の寸法

で試験片として切り出す。

注記  必要ならば,絶縁体の材料は異なる線芯から採取してもよい。

10.4 

装置の洗浄及び保守 

装置は,試験ごとに洗浄する。

表面に付着したポリエチレンを除去するとき又は装置の部品を取り扱うときは,ピストン,シリンダ又

はダイスの表面を荒らすおそれのある研磨剤のようなものは,使用しないほうがよい。

装置洗浄用の適切な溶剤としては,キシレン,テトラヒドロナフタリン又は無臭ケロシンがある。ピス

トンは,暖かい間に溶剤に浸した布で拭い,シリンダも同様にして掃除棒で拭う。ダイスはぴたりと合う

黄銅製のリーマー又は木製くぎで洗浄した後,沸騰溶剤中に浸せきする。

かなり頻繁に用いる装置(例えば,常時使用の装置は毎週 1 回)

,断熱板及びダイス保持板(

図 参照)

を外してシリンダを十分洗浄することが望ましい。

10.5 

方法 

10.5.1 

総則 

方法 A は,メルトフローインデックス(MFI)が未知のポリエチレンの MFI 測定に適している。

10.5.2 

試験手順 

装置を清掃する

10.4 参照)

試験に先立ち,

シリンダ及びピストンの温度を 15 分間 190±0.5  ℃に保ち,

そのままの温度をポリエチレンの押出し中も維持する。

温度測定装置[10.2 e)参照]は,水銀棒温度計をシリンダ本体に固定して設置したものを用いるのがよ

い(

注記参照)。ウッドメタルのような低融点合金を使用して熱的接触をよくすることが望ましい。

注記  他の温度測定装置を使用する場合は,試験に先立ち,10.2 e)に従いシリンダ内のポリエチレン

中に適切な深さまで浸せきし,190±0.5  ℃で水銀棒温度計と比較し校正することが望ましい。


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:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

次に,シリンダ内に試料の一部を入れ(

表 参照),次いでおもりを載せないピストンをシリンダ上部に

挿入する。

試料投入 4 分後,シリンダ温度が 190±0.5  ℃に復帰していることを確認する。おもりをピストン上部に

載せ,ポリエチレンをダイスから押し出す。押出量は,押し出された材料を一定時間間隔ごとに適切な刃

物で“カットオフ”と呼ぶ小試料を切り取って測定する。この一定時間間隔は,

表 による。試料をシリ

ンダに投入してから 20 分以内に数個のカットオフを採る。最初のカットオフ及び気泡を含んだものは除

外する。残りの 3 個以上の連続したカットオフをそれぞれ 0.001 g 単位まで測定し,平均値を算出する。最

大値と最小値との差が平均値の 10 %よりも大きいときには,改めて試験をやり直す。

10.5.3 

結果の表し方 

MFI 値は,有効数字 2 桁(注記 参照)と記号 MFI.190.20.A とで示す(注記 参照)。

t

m

×

=

600

A

.

20

.

190

.

MFI

ここに, MFI:

10 分当たりのグラム数

m

カットオフの質量平均値(g)

t

カットオフの一定時間間隔(秒)

注記 1  ポリエチレンの MFI は,熱的及び機械的に影響されることがある。特に酸化は,MFI を下げ

る傾向がある。試験中に起こる酸化は,通常カットオフ量の減少を示す原因となる。この現

象は,酸化防止剤を含んだポリエチレンコンパウンドでは現れない。

注記 2 MFI:メルトフローインデックス

190:試験温度(℃)

20(方法 C では 50):溶融に必要な荷重(N)

10.6

方法 C

10.6.1 

総則 

方法 C は,方法 A によって測定した MFI 値が 1 未満のポリエチレンに適用する。

10.6.2 

試験方法 

試験方法は,方法 A と同様である。カットオフの時間間隔及びシリンダヘの投入量を,

表 に示す。

10.6.3 

結果の表し方 

MFI 値は,有効数字 2 桁(10.5.3 の注記 参照)と記号 MFI.190.50.C とで示す(10.5.3 の注記 参照)。

t

m

×

=

150

C

.

50

.

190

.

MFI

注記  短いカットオフ時間(150 秒)及び重いおもり(50 N)を使用することで,方法 A 及びスケー

ル A で選ばれた結果とほぼ一致するスケール C の値が得られる。ただし,スケール A とスケ

ール C との間には,直接の関係はない。

表 1−方法 及び方法 用のカットオフを得るための(メルトフロー 

インデックスに関する)時間間隔及びシリンダヘの投入量 

メルトフローインデックス

シリンダへの投入量

時間間隔

(MFI) g  s

0.1∼0.5 4∼5 240 
0.5∼1 4∼5 120

1∼3.5 4∼5 60


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ポリエチレン中のカーボンブラック及び無機充填剤の含有量測定

11.1

試料採取

絶縁体又はシースの試料をケーブルの片端から採取する。試料は,5 mm 角以下の寸法で試験片として

切り出す。

11.2 

試験手順 

長さ 75 mm の燃焼ボートを赤くなるまで加熱し,デシケータ内で 30 分以上冷やし 0.000 1 g 単位で質量

を測定する。質量 1.0±0.1 g のポリエチレンの試料をボートの中に置き,全体の量を,0.000 1 g 単位で測

定する。ボートの質量を差し引き,ポリエチレンの質量を 0.000 1 g 単位で求める(質量 A

ボート及び試料は,口径約 30 mm,長さ 400±50 mm の硬質ガラス,シリカ又は磁器製の燃焼管の中央

に置く。その後,300∼650  ℃の温度測定用の温度計を支えるストッパ及び窒素の注入用管を,温度計の端

が燃焼ボートに接触するように燃焼管の片端から挿入する。0.5 %未満の酸素含有量をもつ窒素を流量 1.7

±0.3 L/min で燃焼管中を通過させる。この流量は,加熱中維持する。

疑義のある場合,窒素中の酸素含有量は,0.01 %とする。

燃焼管を炉の中に置き,その出口には 2 個の冷却トラップを直列に接続し,両方ともトリクロロエチレ

ンを入れ,最初のものはドライアイスで冷やす。2 番目のトラップの出口の管は,排煙フード又は外気に

導く。その代わりに燃焼管から直接外気に導いてもよい。炉の温度が約 10 分後には,300∼350  ℃,更に

10 分後には約 450  ℃,最後の 10 分後には 600±5  ℃になるように加熱する。この温度を,10 分間保持し

た後(冷却トラップを使用する場合)

,出口の管を冷却トラップから外し,ボートの入った燃焼管を炉から

引き出す。窒素を前と同じ割合で流しながら,5 分間冷やす。ボートを燃焼管から窒素入口端を通じて取

り外し,デシケータの中で 20∼30 分間冷やし,0.000 1 g 単位で残りの質量を測定する(残りの質量 B

続いてボートを再び燃焼管の中に入れ,窒素の代わりに空気又は酸素を 600±20  ℃の温度中で適切な流量

で管に送り,残ったカーボンブラックを燃やす。試験装置の中で冷やした後,ボートを取り出し,0.000 1 g

単位で残りの質量を測定する(残りの質量 C

11.3 

結果の評価 

カーボンブラック含有率

%

100

×

A

C

B

無機充填剤含有率

%

100

×

A

C

充填剤含有率

%

100

×

A

B

12 

サーモグラビメトリック分析によるカーボンブラック含有量測定 

注記  ポリエチレンのカーボンブラック含有量を測定する場合,この方法を箇条 11 の代用手段として

もよい。ただし,疑義が生じた場合,箇条 11 の直接燃焼方法を標準方法として用いることが望

ましい。

12.1 

原則 

サーモグラビメトリック分析器に置いた質量のある試料を加熱速度 20 K/min で 100  ℃から 950  ℃まで

加熱する。

注記 1  冷却時間が短いと次の測定が早くできるので,開始温度は 100  ℃で始めると実用的である。

初めに酸素を含まない乾燥窒素で試料を浄化する。温度が 850  ℃に達したら,乾燥窒素から混合気へ切


13

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

り替える。混合気へ切り替えることで存在しているカーボンブラックの燃焼が続く。

注記 2  約 800  ℃まで窒素で循環している間の質量減少は,ポリマーの減量及びその他少量の成分の

減少によるものである。

12.2 

試験雰囲気 

試験雰囲気は,次による。

− 10

mg/㎏未満の酸素を含む乾燥窒素

−  乾燥した“混合気”

(80 %の窒素と 20 %の酸素との混合物)

12.3 

装置 

装置は,次による。

−  サーモグラビメトリック分析器

−  ガスセレクタ

−  プロッタ

−  天びん(秤)

12.4 

手順 

12.4.1 

試験条件 

試験条件は,次による。

a)

試験開始温度  100  ℃

b)

加熱速度  20 K/min

c)

試験終了温度  950  ℃

d)

試験質量  5∼10 mg

e)

850 

℃まで  乾燥窒素を使用する。

f)

850

950  ℃  乾燥した“混合気”を使用する。

12.4.2 

操作手順 

12.4.1

の条件及び装置の手順に従って試験を行う。試料はできるだけ薄くして,容器(るつぼ)の底を

覆うようにする。試験を行う前に,5 分間以上窒素で循環させ無酸素状態にしておく。

12.4.3 

試験評価 

コンパウンド中のカーボンブラックの割合は,

850∼950  ℃の乾燥した混合気の中で燃やしている間の各

単体試験試料量の質量変化から決定する。

なお,950  ℃での燃えかすは,残留灰となる。

13 

顕微鏡によるポリエチレン中のカーボンブラック分散測定 

13.1 

総則 

評価方法は,JIS K 6812 による。試験はポリエチレンコンパウンド又は押し出した物(例えば,シース)

で行う。

注記 3

%未満のカーボンブラックを含んだポリエチレンに適用する。

JIS K 6812

には,試料準備方法について二つの方法がある。いずれを用いてもよいが,次の推奨事項を

適用する。

−  圧縮法は,主にポリエチレンコンパウンドに用いるが,押し出したものでもよい。

−  ミクロトーム法は,ポリエチレンを押し出したものに用いる。


14

C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

13.2 

手順 

JIS K 6812

に従って,試験片を指定数用意する。

JIS K 6812

に規定する顕微鏡観察によって,次について試験片を調べる。

a)

分散の程度

b)

外観評価

13.3 

結果の評価 

JIS K 6812

に規定する方法で評価する。

13.4 

要求事項 

個別ケーブル規格に規定がない場合,JIS K 6812 

附属書 の分散度で決めることができる。

注記  JIS K 6812 の附属書 では,“次の値とすることが望ましい。”と述べている。

グレード:平均 3 以下(5.1 参照)

外観レート:

附属書 の顕微鏡写真 B 以上(すなわち,顕微鏡写真と比較して A1,A2,A3

及び B にレート付けされた分散状態だけを採用する。


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C 3660-4-1

:2011 (IEC 60811-4-1:2004)

附属書 A

(参考)

器具及び試薬

器具 

8.2.8

8.2.9 及び 8.2.10 の器具は,次から入手可能である。

MM. Custom Scientific Instruments Inc.

541 Deven Street

Arlington, N. J

U. S. A

8.2.8

8.2.9 及び 8.2.10 の器具の詳細図は,次から入手可能である。

American Society for Testing and Materials (ASTM)

1916 Race Street

Philadelphia 19103, Pa.

U. S. A

試薬 

密度 1.06(25  ℃)Igepal CO-630 100 %の試薬は,次から入手可能である。

GAF Corp., Dyestuff and Chemical Div.

140 West 51 Street

New York, N. Y.10020

U. S. A

試薬の水分量は,1 %未満とする。吸湿性があるため,密閉された金属又はガラス製のコンテナに保管

することが望ましい。

参考文献 ISO 

1133

,Plastics−Determination of the melt mass-flow rate (MFR) and the melt volume-flow rate

(MVR) of thermoplastics