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C 3216-6:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

2A 一般事項 ······················································································································ 1 

3 耐熱衝撃(エナメル線及びテープ巻線に適用) ······································································ 2 

3.1 一般事項 ······················································································································ 2 

3.2 試験片 ························································································································· 2 

3.3 試験手順 ······················································································································ 2 

3.4 結果 ···························································································································· 2 

4 耐軟化(公称導体径0.100 mmを超え1.600 mm以下のエナメル丸線及びテープ巻丸線に適用) ······ 2 

4.1 一般事項 ······················································································································ 2 

4.2 試験装置 ······················································································································ 3 

4.3 試験手順 ······················································································································ 3 

5 温度指数························································································································· 4 

6 加熱減量(エナメル丸線に適用) ························································································ 4 

6.1 一般事項 ······················································································································ 4 

6.2 試験片 ························································································································· 4 

6.3 試験手順 ······················································································································ 4 

附属書A(参考)高温中破壊試験(エナメル丸線に適用) ··························································· 5 

附属書JA(規定)代替試験方法 ······························································································ 6 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12 

C 3216-6:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

電線工業会(JCMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS C 3216-6:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 3216の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 3216-1 第1部:全般事項 

JIS C 3216-2 第2部:寸法 

JIS C 3216-3 第3部:機械的特性 

JIS C 3216-4 第4部:化学的特性 

JIS C 3216-5 第5部:電気的特性 

JIS C 3216-6 第6部:熱的特性 

日本工業規格          JIS 

C 3216-6:2019 

巻線試験方法−第6部:熱的特性 

Winding wires-Test methods-Part 6: Thermal properties 

序文 

この規格は,2012年に第3版として発行されたIEC 60851-6を基とし,市場にIEC整合規格としてのコ

ンセンサスが得られるまでの措置として,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所及び附属書JAは,対応国際規格にはない事項

である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,巻線に用いる各種エナメル銅線,エナメルアルミニウム線,横巻銅線及び横巻アルミニウ

ム線の熱的特性の試験方法について規定する。 

注記1 対応国際規格の試験方法の全般事項についての規定は,箇条2Aに移した。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60851-6:2012,Winding wires−Test methods−Part 6: Thermal properties(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 1501 転がり軸受−鋼球 

JIS C 3216-1 巻線試験方法−第1部:全般事項 

注記 対応国際規格:IEC 60851-1:1996,Winding wires−Test methods−Part 1: General 

JIS C 3216-3 巻線試験方法−第3部:機械的特性 

注記 対応国際規格:IEC 60851-3:2009,Winding wires−Test methods−Part 3: Mechanical properties 

JIS C 3216-5 巻線試験方法−第5部:電気的特性 

注記 対応国際規格:IEC 60851-5:2008,Winding wires−Test methods−Part 5: Electrical properties及

びAmendment 1:2011 

IEC 60172,Test procedure for the determination of the temperature index of enamelled and tape wrapped 

winding wires 

2A 一般事項 

試験方法の全般事項については,JIS C 3216-1による。熱的特性に関する要求事項は,この規格を引用

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する個別規格で規定する。 

耐熱衝撃(エナメル線及びテープ巻線に適用) 

3.1 

一般事項 

この試験は,エナメル線及びテープ巻線に適用する。 

耐熱衝撃は,マンドレルへの巻付け,曲げ,引張りなどの負荷を加えた後に,個別規格に規定する温度

に耐えるかを検査する。 

なお,受渡当事者間の協定によって,JA.1の試験方法を用いてもよい。 

3.2 

試験片 

3.2.1 

丸線 

試験片は,次によって作製する。 

− 公称導体径が1.600 mm以下のエナメル線の場合,JIS C 3216-3の5.1.1.1(公称導体径1.600 mm以下

のエナメル丸線)による。 

− 公称導体径が1.600 mmを超えるエナメル線の場合,JIS C 3216-3の5.2[伸長試験(公称導体径が1.600 

mmを超えるエナメル丸線に適用)]による。 

− 公称導体径が1.600 mm以下のテープ巻線の場合,JIS C 3216-3の5.1.1.4(テープ巻丸線)による。 

− 公称導体径が1.600 mmを超えるテープ巻線の場合,JIS C 3216-3の5.5.4[テープ巻丸線及び平角線

(融着テープ巻線)]による。 

3.2.2 

平角線 

平角線については,JIS C 3216-3の5.1.2(平角線)によって厚さ方向(flatwise)曲げ用の試験片を作製

する。 

3.3 

試験手順 

試験片を規定の温度(個別規格に規定した温度の±5 ℃)に保った強制循環恒温槽中で30分間加熱する。

強制循環恒温槽から取り出し,試験片の温度が常温に戻った後,皮膜に亀裂が生じていないかを表1に示

す倍率の拡大鏡で調べる。 

試験は,丸線は3本,平角線は2本の試験片で行う。 

表1−拡大鏡の倍率 

線の寸法 

倍率 

公称導体径0.040 mm以下の丸線 

10〜15倍 

公称導体径0.040 mmを超え0.500 mm以下の丸線 

6〜10倍 

公称導体径0.500 mmを超える丸線 

1〜 6倍 

平角線 

6〜10倍 

3.4 

結果 

亀裂が発生した本数を記録する。 

耐軟化(公称導体径0.100 mmを超え1.600 mm以下のエナメル丸線及びテープ巻丸線に適用) 

4.1 

一般事項 

この試験は,公称導体径0.100 mmを超え1.600 mm以下のエナメル丸線及びテープ巻丸線に適用する。 

耐軟化は,試験片2本を互いに直交するように配置し,その交点に個別規格に規定の温度で,規定のお

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もりを載せたとき短絡するかを検査する。 

注記 多くの場合,耐軟化は絶縁破壊した温度で表される。 

なお,受渡当事者間の協定によって,JA.2の試験方法を用いてもよい。 

4.2 

試験装置 

試験装置は,次による(図1参照)。 

− 黄銅又は銅製の金属ブロック。電気加熱ができ,温度の測定及び制御ができるものとする。 

ブロック中央の交点に2本の試験片を直交させて入れる二つの溝があり,その交差部分に垂直にお

もりを載せるためのセラミック製ピストンがあるものとする。 

− 変圧器。100 VA以上の容量をもち100±10 Vの交流試験電圧を供給できるものとする。5±1 mAで作

動する過電流装置,及び最大電流を50 mAに制御する抵抗器を備えるものとする。 

単位 mm 

① 試験片 
② 試験片 
③ ピストン 
④ セラミック製ピストン 
⑤ おもり 
⑥ 金属ブロック(銅又は黄銅) 
⑦ 試験片挿入用スロット 
⑧ 温度制御装置挿入穴 
⑨ 熱電対挿入穴 
⑩ 負荷ピストン挿入穴 
⑪ 電熱ヒータ 
⑫ 水銀温度計 
⑬ 試験片接続用絶縁端子 
⑭ 絶縁プレート 

図1−耐軟化試験装置 

4.3 

試験手順 

2本の直線状の試験片を,前もって個別規格に規定する温度に加熱した金属ブロックに相互に直交させ

て挿入する。温度は,できる限り交差部分の近くで測定したとき,個別規格に規定する温度の±3 ℃とす

る。交差部分は,ピストンの中心の真下になるようにする。公称導体径0.200 mm未満の場合は,2本の直

線状の試験片を平行に並べて置き,もう1本の試験片を,交差部分の中心にピストンの軸がくるように,

最初の2本の上に直交させて置く。 

表2に規定する力がかかるおもりをピストンに載せ,直ちに試験電圧を上下の試験片に印加する。下側

に2本の試験片を用いる場合には,その端末同士をつないで導通させておく。 

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交差部分にかける力及び電圧を,2分間かける。試験は3回行い,破壊した本数を記録する。 

表2−交差部分にかける力 

公称導体径 

mm 

交差部分にかける力 

を超え 

以下 

0.100 

0.125 

1.25 

0.125 

0.315 

2.20 

0.315 

0.500 

4.50 

0.500 

0.800 

9.00 

0.800 

1.250 

18.00 

1.250 

1.600 

36.00 

温度指数 

温度指数は,IEC 60172に従って試験する(試験片は含浸していないエナメル線とする。)。 

なお,受渡当事者間の協定によって,JA.3の試験方法を用いてもよい。 

加熱減量(エナメル丸線に適用) 

6.1 

一般事項 

この試験は,エナメル丸線に適用する。 

加熱減量は,個別規格に規定する温度での皮膜の質量減少率を測定する。 

6.2 

試験片 

皮膜の質量が0.5 g以上となる量の線を準備して,皮膜に影響を及ぼすことがない方法で洗浄する。試験

片は,130±3 ℃の熱風循環恒温槽の中で1時間加熱する。恒温槽から取り出した後,試験片をデシケータ

の中に置き,室温まで30分以上冷却する。試験片は0.1 mg単位までひょう(秤)量する(M1)。 

6.3 

試験手順 

るつぼを150±3 ℃で2時間加熱しておく。るつぼに試験片を入れ,個別規格に規定する温度の強制循

環恒温槽の中に2時間置く。恒温槽の温度は,±3 ℃以上の変化がないように維持する。 

恒温槽から取り出し,試験片をデシケータ中に置き,室温まで30分以上冷却する。試験片は0.1 mg単

位までひょう量する(M2)。 

皮膜の剝離に用いる薬品は,導体に影響がないものを用いる。剝離した後,裸導体を150±3 ℃におい

て15±1分間乾燥させる。 

その後,デシケータ中に置き,室温まで30分以上冷却する。裸導体を0.1 mg単位までひょう量する(M3)。 

質量損率(ΔM)は,次の式で計算する。 

(%)

100

Δ

3

1

2

1

×

M

M

M

M

M

試験は2回行い,それぞれの値を記録する。 

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附属書A 

(参考) 

高温中破壊試験 

(エナメル丸線に適用) 

(対応国際規格の,高温中破壊試験に関する記載を削除した。) 

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附属書JA 

(規定) 

代替試験方法 

この附属書は,本体の対応する箇条を補足するものであり,本体で規定する試験方法に対し,置き換え

て適用が可能な,耐熱衝撃(箇条3参照),耐軟化(箇条4参照)及び温度指数(箇条5参照)の試験方法

について規定する。 

注記 この附属書で規定する試験方法は,旧規格(JIS C 3216-6:2011)をIEC 60851-6に整合させる

に当たり,この内容によって大きな変更となり市場の混乱が予想される事項について,完全整

合化に向けた経過措置として,廃止したJIS C 3003:1999及びJIS C 3006:1999に従った試験方

法を代替試験方法として併記したものである。現時点市場でのコンセンサスが十分であるとは

言えないため,この規格にも併記する。 

JA.1 耐熱衝撃 

JA.1.1 丸線 

丸線は,公称導体径が0.080 mm以上0.370 mm未満の場合はa)の伸長によって,公称導体径が0.370 mm

以上の場合はb)の巻付けによって行う。 

a) 伸長 同一巻枠から長さ約35 cmの試験片を3本とり,標線距離を250 mmとして1分間当たり300 mm

以下の引張速さで規定の値まで伸ばした後,個別規格に規定する温度に保った恒温槽中で1時間加熱

する。恒温槽から取り出し,試験片の温度が常温に戻った後,皮膜に導体が見える亀裂が生じていな

いかを約15倍の拡大鏡で調べる。 

b) 巻付け 同一巻枠から長さ約50 cmの試験片3本をとり,個別規格に規定する径をもつ表面が滑らか

な丸棒に,線と線とが接触するように緊密に10回巻き付けた後,個別規格に規定する温度に保った恒

温槽中で1時間加熱する。恒温槽から取り出し,試験片の温度が常温に戻った後,皮膜に導体が見え

る亀裂が生じないかを目視で調べる。 

JA.1.2 平角線 

平角線は,同一巻枠から長さ約35 cmの試験片3本をとり,それぞれについて標線距離を250 mmにし

て1分間当たり300 mm以下の引張速さで個別規格に規定する値まで伸ばした後,個別規格に規定する温

度に保った恒温槽中で1時間加熱する。恒温槽から取り出し,試験片の温度が常温に戻った後,皮膜に導

体が見える亀裂が生じていないかを目視で調べる。 

JA.2 耐軟化 

公称導体径の0.200 mm未満の丸線の場合はa)の輪状交差法によって,公称導体径が0.200 mm以上の丸

線の場合はb)の交差法によって,及び平角線の場合はc)の鋼球法によって行う。試験は,導体間又は導体

と鋼球との間に50 Hz又は60 Hzの正弦波に近い波形をもつ交流電圧100 Vを加え,その状態で1分間当

たり約2 ℃の割合で温度を上昇させ,短絡する温度(以下,耐軟化温度という。)を試験片に最も近い部

分に熱電対を固定して測定する。そのときの試験装置の短絡電流の感度は,5〜20 mAとする。 

a) 輪状交差法 同一巻枠から長さ約30 cmの試験片2本をとり,これを各々輪状にして図JA.1のように

交差させ,下側の試験片に表JA.1に示すおもりをつり下げ,これを恒温槽に入れて耐軟化温度を測定

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する。 

b) 交差法 同一巻枠から長さ約15 cmの試験片2本をとり,これを直角に重ねて平板上に置き,重ねた

部分の上に表JA.1に示すおもりを載せ,これを恒温槽に入れて耐軟化温度を測定する。 

c) 鋼球法 長さ約20 cmの試験片1本をとり,この幅の面にJIS B 1501に規定する直径1.6 mmの表面

が滑らかな鋼球を置き,その上に1 kgのおもりを載せ,これを恒温槽に入れ耐軟化温度を測定する。 

表JA.1−おもりの質量 

公称導体径(mm) 

おもりの質量(g) 

注記 

皮膜の種類 

を超え 

以下 

0種 

1種 

2種 

3種 

− 

0.020 

− 

− 

輪状交差法 

0.020 

0.025 

0.025 

0.030 

0.030 

0.040 

12 

12 

0.040 

0.050 

20 

20 

0.050 

0.080 

36 

36 

0.080 

0.120 

64 

64 

64 

64 

0.120 

0.190 

112 

112 

112 

112 

0.190 

0.250 

400 

300 

200 

150 

交差法 

0.250 

0.400 

500 

400 

300 

250 

0.400 

0.650 

600 

500 

400 

350 

0.650 

0.850 

700 

600 

500 

− 

0.850 

1.100 

800 

700 

600 

1.100 

1.500 

900 

800 

− 

1.500 

2.000 

1000 

900 

2.000 

2.600 

1200 

1000 

2.600 

3.200 

1500 

1200 

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図JA.1−輪状交差法結線図 

JA.3 温度指数 

JA.3.1 概要 

温度指数は,公称導体径0.260〜1.500 mmの丸線を用いて求める。平角線の場合は,同じ皮膜でエナメ

ル丸線を作製し実施する。 

JA.3.2 試験片 

JIS C 3216-5のJA.1.2 b)(2個より法)に従って2個より試験片を作製する。試験片の数は,試験する

加熱温度ごとに21本を標準とする。 

JA.3.3 試験手順 

試験手順は,次による。 

a) 試験片は,試験中,外部応力を避けるため適切な方法で固定し,加熱する。 

b) 試験片を表JA.2に規定する加熱温度及び加熱日数で加熱した後,恒温槽から取り出し常温になるまで

放置し,寿命時間を調べるため表JA.3に規定する電圧で耐電圧試験を行い,それを1サイクルとする。

試験片が破壊されない場合は2サイクル目の試験を行い,その後試験片は破壊されるまでサイクルを

繰り返す。 

なお,この試験に用いる変圧器の容量は500 VA以上とし,検出装置は高圧側で5 mA以上で作動す

るように設定する。また,電圧の印加時間は1秒間とする。 

c) 試験は3点以上の温度で行い,最低加熱温度は推定温度指数より20〜40 ℃高い温度とし,加熱温度

の間隔は20 ℃以内とする。また,最高加熱温度は,寿命時間が100時間以上になるように設定する。

試験片の加熱は,規定する加熱温度の±2 ℃に維持する。 

平均寿命のサイクル数は,8〜20サイクルに入るように加熱温度を選択する。 

なお,特定のサイクルで既に試験を行っている場合は,平均寿命のサイクル数を8〜20サイクルに

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入れるようにサイクルの加熱日数を増減させてもよい。 

d) 試験片の平均寿命時間は,その試験片が試験電圧で破壊しなかった合計の加熱時間に破壊したときの

サイクル加熱時間の1/2を加えた値で示す。全ての試験片が破壊し終わったとき,各加熱温度での平

均寿命を計算する。計算した値は,図JA.2に示す耐熱寿命グラフにプロットし,回帰直線1)を求める。 

注1) 注記の回帰直線の簡易計算方法を参照。 

e) 温度指数は,回帰直線を20 000時間まで外挿し,その交点から求めた温度で表す。 

表JA.2−1サイクルの推奨加熱日数 

加熱温度 

℃ 

加熱日数 日 

推定温度指数 

105〜109 

120〜130 

150〜159 

180〜189 

200〜209 

220〜229 

240〜249 

320 

310 

300 

290 

280 

14 

270 

28 

260 

14 

49 

250 

28 

240 

14 

49 

230 

28 

220 

14 

49 

210 

28 

200 

49 

190 

14 

180 

28 

170 

14 

49 

160 

28 

150 

14 

49 

140 

28 

130 

49 

120 

表JA.3−試験電圧 

両側皮膜厚さ 

mm 

試験電圧 

を超え 

以下 

0.015 

0.024 

300 

0.024 

0.035 

400 

0.035 

0.050 

500 

0.050 

0.070 

700 

0.070 

0.090 

1000 

0.090 

0.130 

1200 

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10 

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図JA.2−耐熱寿命グラフ 

注記 回帰直線の簡易計算方法 この注記の目的は寿命試験値に対して,簡単に回帰直線をプロット

する方法を示すことにある。この方法は,各試験温度における多くの測定値に対して適用され

る。信頼限界が必要な場合は,IEC 60216-3に従って詳細に解析することができる。 

多くの絶縁材料は,次の式に従って劣化する。 

L=AeB/T ··············································································· (JA.1) 

ここに, 

L: 絶縁材料の寿命(h) 

T: 絶対温度(K) 

A,B: 各絶縁材料に対する定数 

e: 自然対数の底 

式(JA.1)は対数をとることによって直線関係で表される。 

(

)TB

e

A

L

10

10

10

log

log

log

+

 ···················································· (JA.2) 

Y=a+bX ············································································· (JA.3) 

ここに, 

Y: log10 L 

a: log10 A 

X: 1/T 

b: (log10 e)・B 

高温での試験値をlog10 L−1/Tグラフ用紙にプロットし,直線を引き,低温まで外挿してもよ

いが,対数プロットの性質によって,試験値から最適直線を引こうとしても正確な外挿を行う

ことはできないので,精度及び一様性を上げるため,もっと厳密な方法が必要になることがあ

る。 

最小二乗法によって,定数a及びbは試験値から求めることができる。 

11 

C 3216-6:2019  

N

X

Y

a

∑−

 ··································································· (JA.4) 

(

)

∑∑

2

2

X

X

N

Y

X

XY

N

b=

 ························································· (JA.5) 

ここに, 

X: 1/T=ケルビン単位(θ ℃+273)で表した試験温度の逆数 

N: 平均寿命の数 

Y: log10 L=破壊時間の対数値 

∑: N個の値についての総和 

参考文献 JIS C 3003:1999 エナメル線試験方法 

JIS C 3006:1999 横巻線試験方法 

IEC 60216-3,Electrical insulating materials−Thermal endurance properties−Part 3: Instructions for 

calculating thermal endurance characteristics 

background image

12 

C 3216-6:2019  

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 3216-6:2019 巻線試験方法−第6部:熱的特性 

IEC 60851-6:2012,Winding wires−Test methods−Part 6: Thermal properties 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 耐熱衝撃 

3.1 一般事項 

3.1 

JISとほぼ同じ 

選択 

受渡当事者間の合意があればJA.1
の方法でもよいとした。 

国内のIEC規格への対応状況を勘
案し,経過処置としてJIS C 
3003:1999の12.2のB法を追加し選
択できるようにした。 

4 耐軟化 

4.1 一般事項 

4.1 

JISとほぼ同じ 

選択 

受渡当事者間の合意があればJA.2
の方法でもよいとした。 

国内のIEC規格への対応状況を勘
案し,経過処置としてJIS C 
3003:1999の11.2のB法を追加し選
択できるようにした。 

5 温度指数 

温度指数について規定  

JISとほぼ同じ 

選択 

受渡当事者間の合意があればJA.3
の方法でもよいとした。 

国内のIEC規格への対応状況を勘
案し,経過処置としてJIS C 
3003:1999の20.を追加し選択でき
るようにした。 

附属書A(参考) 
高温中破壊試験
(エナメル丸線
に適用) 

− 

附属
書A 

高温中破壊試験 

削除 

対応国際規格の高温中破壊試験に
関する記載を削除した。 

我が国では使用されない試験であ
るため,高温中破壊試験に関する記
載を削除した。 

附属書JA(規定) 
JA.1 耐熱衝撃 

耐熱衝撃について規定  

− 

− 

追加 

国内で従来から普及している測定
方法を追加した。線の種類に対する
試験方法が異なる。 

国内の対応国際規格への対応状況
を勘案し,経過処置としてJIS C 
3003:1999の12.2のB法を追加し
た。 

附属書JA(規定) 
JA.2 耐軟化 

耐軟化について規定 

− 

− 

追加 

国内で従来から普及している測定
方法(昇温法)を追加した。 

国内の対応国際規格への対応状況
を勘案し,経過処置としてJIS C 
3003:1999の11.2のB法を追加した 

2

C

 3

2

1

6

-6

2

0

1

9

background image

13 

C 3216-6:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書JA(規定) 
JA.3 温度指数 

温度指数について規定  

− 

− 

追加 

国内で従来から普及している測定
方法を追加した。試験条件が異な
る。 

国内の対応国際規格への対応状況
を勘案し,経過処置としてJIS C 
3003:1999の20.を追加した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60851-6:2012,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

C

 3

2

1

6

-6

2

0

1

9