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C 3216-4

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  耐溶剤(公称導体径が 0.250 mm を超える丸線及び平角線に適用) 

2

3.1

  試験装置 

2

3.2

  試験手順 

2

4

  耐冷媒(エナメル丸線に適用)

3

4.1

  抽出

3

4.2

  絶縁破壊 

5

5

  はんだ付け性(エナメル丸線及びより線に適用) 

6

5.1

  試験装置 

6

5.2

  試験片

7

5.3

  試験手順 

7

6

  耐加水分解及び耐トランス油(エナメル線に適用) 

8

6.1

  丸線

8

6.2

  平角線

9

附属書 JA(規定)代替試験方法 

11

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

14


C 3216-4

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電線工業会(JCMA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS C 3003:1999 及び JIS C 3006:1999 は廃止さ

れ,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

この規格は,エナメル線及び横巻線の試験方法の統一並びに試験規格の IEC 規格整合化を目的として制

定したものである。この規格は,IEC 規格への整合化に向け検討してきたが,内容によって大きな変更と

なり市場の混乱が予想されたため,整合化に向けた経過措置として整合化規格を主とし,従来の JIS によ

る試験方法を

附属書 JA として併記した。この規格の制定によって,市場に IEC 整合規格のコンセンサス

を得ることを目的とした。したがって,次回改正時には IEC 規格への整合を図る。

JIS C 3216

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

3216-1

第 1 部:全般事項

JIS

C

3216-2

第 2 部:寸法

JIS

C

3216-3

第 3 部:機械的特性

JIS

C

3216-4

第 4 部:化学的特性

JIS

C

3216-5

第 5 部:電気的特性

JIS

C

3216-6

第 6 部:熱的特性


   

日本工業規格

JIS

 C

3216-4

:2011

巻線試験方法−第 4 部:化学的特性

Winding wires-Test methods-Part 4:Chemical properties

序文 

この規格は,2005 年に第 2.2 版として発行された IEC 60851-4 を基に,対応国際規格を翻訳し,市場に

IEC

整合規格のコンセンサスを得るまでの措置として,技術的内容を変更して作成した日本工業規格であ

る。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。また,附属書 JA は,対応国際規格にはない事項である。

要求事項は,この規格を引用する個別規格で規定する。

適用範囲 

この規格は,巻線に用いる各種エナメル銅線,エナメルアルミニウム線,横巻銅線及び横巻アルミニウ

ム線の化学的特性の試験方法について規定する。

なお,試験方法の全般事項については,JIS C 3216-1 による。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60851-4:2005

,Winding wires−Test methods−Part 4:Chemical properties(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 2300-3-1

  電気用セルロース紙−第 3-1 部:個別製品規格−絶縁紙

JIS C 2320

  電気絶縁油

注記  対応国際規格:IEC 60296:1982,Specification for unused mineral insulating oils for transformers

and swichgear

(MOD)

JIS C 3216-1

  巻線試験方法−第 1 部:全般事項

注記  対応国際規格:IEC 60851-1:1996,Winding wires−Test methods−Part 1:General(MOD)

JIS C 3216-3

  巻線試験方法−第 3 部:機械的特性

注記  対応国際規格:IEC 60851-3:1996,Winding wires−Test methods−Part 3:Mechanical properties

(MOD)

JIS C 3216-5

  巻線試験方法−第 5 部:電気的特性


2

C 3216-4

:2011

注記  対応国際規格:IEC 60851-5:1996,Winding wires−Test methods−Part 5:Electrical properties

(MOD)

JIS K 8271

  キシレン(試薬)

JIS K 8322

  クロロホルム(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS S 6006

  鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いるしん

JIS Z 3282

  はんだ−化学成分及び形状

IEC 60554-1:1977

,Specification for cellulosic papers for electrical purposes−Part 1: Definitions and general

requirements

耐溶剤(公称導体径が 0.250 mm を超える丸線及び平角線に適用) 

この試験は,公称導体径が 0.250 mm 以下の丸線には適さない。

耐溶剤は,溶剤処理後の鉛筆硬度によって示す。

なお,受渡当事者間の協定によって JA.3 の方法を用いてもよい。

3.1 

試験装置 

次の混合液からなる標準溶剤又は受渡当事者間の協定による溶剤を用いる。

−  60 vol %の流動パラフィン又はホワイトスピリット(芳香族炭化水素含有率が 18 %以下のもの)

−  30 vol %のキシレン

−  10 vol %のブタノール

鉛筆は,JIS S 6006 に規定されたものを用いる。

試験前に

図 のように鉛筆の先を芯の軸方向に対称的に 60°の角度になるように平らな面のやすりで削

る。

①  試験片

②  鉛筆 
③  ガラス板

図 1−耐溶剤試験における鉛筆及び試験片 

3.2 

試験手順 

長さ 150 mm の直線状の試験片を用い,130±3  ℃に保った強制循環恒温槽で 10 分間前処理した後,試

験片をガラス管に入れた標準溶剤に浸し,60±3  ℃で 30 分間維持する。試験片は,溶剤から取り出した


3

C 3216-4

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後,30 秒以内に,試験片の表面の硬さを,次の方法で測定する。

試験片は,

図 のように平らで硬い面に置く。平角線の場合,試験は試験片の幅方向の面の上で行う。

鉛筆を,試験片の表面に角度 60±5°に置き,削られた先を線の表面に沿ってゆっくり 5±0.5 N の力で押

す。

3

本の試験片で行う。皮膜が

がれ導体が露出した場合は,結果を記録する。

注記 1  この方法は,他の液体の適合性,例えば,耐トランス油にも用いることができる。

注記 2  絶縁物の硬さを決定する場合,導体表面から皮膜が取り除けなかった鉛筆の硬さが,巻線表

面の硬さとして示される。鉛筆硬度の順序は,次による。

6B 5B

4B 3B 2B

B

HB

H

2H

3H

4H

5H

6H 7H 8H 9H

4 5

6 7 8 9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

耐冷媒(エナメル丸線に適用) 

耐冷媒は,試験片を冷媒にさらすことによって,試験片の皮膜から抽出した物質の質量及び絶縁破壊電

圧によって表す。

注記 1  この試験方法に記載されている条件は,モノクロロジフルオロメタン(冷媒 R-22)の適用を

考慮している。他の冷媒を用いる場合は,その冷媒のデータを十分確認し,圧力容器の運用

は,見直しした試験条件で行うのが望ましい。

注記 2  試験に用いる冷媒及び洗浄液は,受渡当事者間で合意したものを用いるのが望ましい。

なお,受渡当事者間の協定によって JA.4 の方法を用いてもよい。

4.1 

抽出 

4.1.1 

概要 

試験片を含むサインフォンカップを圧力容器内に置く。抽出物は,試験片を加圧・加温した冷媒にさら

した後,測定する。

4.1.2 

試験装置   

次の装置を用いる。

図 に示すようなサイフォンレベルで 450 ml の容積をもつサイフォンカップ

− 20

MPa

の耐圧で,内径約 100 mm,2 000 ml の容量をもち,できれば溶接部のないように設計され,

加熱装置をもつ圧力容器

図 に示すような凝縮器をもつ圧力容器の蓋

−  強制循環恒温槽


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カップの高さ:82±5 mm 
カップの直径:84±5 mm

チューブ径  :  5±1 mm

図 2−サイフォンカップ 

図 3−凝縮器 

4.1.3 

試験片 

0.6

±0.1 g の絶縁をもつ試験片を 8  本用意し,それぞれ 70 ターンのコイルに作り上げる。試験片は油を

取り除き,150±3  ℃に保った強制循環恒温槽中で 15 分間加熱処理する。30 分間室温で放置後,8 個のコ

イルは一緒に 0.000 1 g まで精密に測定し,初期総質量 M

1

とする。

4.1.4 

試験手順   

8

個の試験片を,サイフォンカップに入れ,圧力容器の蓋に付いている凝縮器の下 25±5 mm につるす。

圧力容器を組み立てた後,油分のない精製した冷媒を 700±25 g 注入する。冷却水の供給管及び排水管を

接続し,調整機能をもつ加熱装置で圧力容器の温度が 75±5  ℃になるよう加熱する。サイフォンカップか

ら 1 時間で 20∼25 回の割合で還流を維持できるように,凝縮器を通過する水量を設定する。還流は冷媒の


5

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臨界圧力に影響を受けるので,還流条件に適合するように圧力容器の温度を低く設定してもよい。抽出時

間は 6 時間とする。

容器内の圧力は,選択した冷媒の臨界圧力の 75 %を超えてはならない。そのため,使用前には安全弁が

正しく作動することを確認する。

注記  選択した冷媒の臨界圧力の 75 %を超えるか,又はコイル凝縮器を通る水が遮断した場合,加熱

装置は自動停止することが望ましい。

抽出時間の終了時点で圧力容器を冷却する。その後,冷媒を回収できる適切な装置を用いて,圧力容器

から冷媒を回収し,圧力を低下させてから圧力容器を開ける。

次の作業のため,洗浄液は使用前に蒸留しておく。

試験片及びサイフォンカップを受渡当事者間で合意した洗浄液ですすぎ,すすいだ液は圧力容器に注ぎ

込む。圧力容器内の壁面を各 100 ml の洗浄液で 2 回連続して洗い流す。その後,洗浄液は圧力容器の底か

ら 5±1 mm になるまで蒸発させ,安全な方法で回収する。

試験後の圧力容器を 15 ml の洗浄液で洗浄する。洗浄した液は先に回収した洗浄液と一緒に,自重を測

定したアルミニウム製のひょう量皿に移す。液の入ったひょう量皿を 150±3  ℃で,60∼65 分乾燥し,液

を蒸発させる。

ひょう量皿はデシケータ中で室温まで冷却する。

残さとひょう量皿は 0.000 1 g まで精密に測定し,初期のひょう量皿の質量を減じる。

その差は 8 個の試験片から抽出された物質の総残さ質量 M

2

となる。

コイルの絶縁は,導体にきずを付けずに適切な化学的方法によって取り除く。その後導体は 150±3  ℃

に保った強制循環恒温槽で 15±1 分間乾燥し,デシケータ中で室温まで冷却する。

8

個の導体の質量を 0.000 1 g まで精密に測定し,合計を総導体質量 M

3

とする。

試験は,1 回行う。

4.1.5 

結果 

抽出率(A)は,次の式で求める。

%

100

3

1

2

×

− M

M

M

A

ここに,

A: 抽出率(%)

M

1

コイルの初期総質量(g)

M

2

抽出された物質の総残さ質量(g)

M

3

総導体質量(g)

質量(M

1

M

2

及び M

3

,冷媒,洗浄液,圧力容器の温度及び圧力並びに抽出率を記録する。

4.2 

絶縁破壊 

4.2.1 

概要 

試験片は JIS C 3216-5 の 4.4.1(常温試験)によって作製し,この規格の 4.2.2 に従い,圧力容器内に置

く。絶縁破壊電圧は,試験片を加圧・加温した冷媒にさらした後,測定する。

4.2.2 

試験手順   

試験片は 150±3  ℃に保った強制循環恒温槽で 4 時間加熱処理する。

処理した試験片を圧力容器に入れ,

組み立てた後,冷媒を 1 400±50 g 注入する。圧力容器をこの規格の 4.1.4 によって加熱する。ただし,時

間は 72±1 時間とする。


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C 3216-4

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処理時間の終了時点で圧力容器はこの規格の 4.1.4 の規定のように冷却,冷媒回収処理し,圧力容器内の

圧力を下げる。圧力容器内の圧力が 0.2 MPa より下がったとき,圧力容器を開け,試験片を 25 秒から 30

秒以内に 150±3  ℃に保った強制循環恒温槽に移す。試験片は,恒温槽内で 10±1 分間加熱処理する。試

験片を恒温槽から取り出した後,

室温まで冷却し JIS C 3216-5 の 4.4.1 によって絶縁破壊電圧を測定する。

試験は,5 本の試験片で行う。

4.2.3 

結果 

5

個それぞれの測定値を記録する。

はんだ付け性(エナメル丸線及びより線に適用) 

はんだ付け性は,皮膜を除去し,導体にはんだが付くまでの試験片の浸せき時間で表す。

なお,受渡当事者間の協定によって JA.5 の方法を用いてもよい。

安全警告  化学的な危険−鉛は,危険な物質である。主な暴露経路は吸入及び摂取である。

これらの製品を用いる,取り扱っている又は処分している間は,鉛,すず,フラックス

及びアルコールの製品安全データシート(MSDS)に記載された情報を守ることが必要で

ある。

試験の際には環境規制によって,はんだ槽からの揮発物及び絶縁分解生成物の除去のた

め,適正な換気又は強制排気が必要かもしれない。

安全警告  熱的な危険−はんだ槽から試験片を取り出す際にはやけどをする危険があるため,注意し

なければならない。

5.1 

試験装置 

次の試験装置を用いる。

−  個別規格に規定する温度で試験片を浸したとき,はんだ温度を一定に保てるような十分な容量をもつ

はんだ槽を用いる。はんだは,受渡当事者間で合意したものを用いる。各試験の前にはんだ槽表面の

汚れを取り除く。温度は個別規格に規定の温度±5  ℃で制御する。

−  試験片ホルダを用いる場合は,試験片が支点間において 35  ±5 mm 以上,自由な状態で保持できる形

状になるものとする(

図 参照)。試験片ホルダに用いる材質は,はんだが汚染されないものとし,試

験片ホルダは浸せき中にはんだ槽の温度に大きな影響を与えない大きさとする。

注記  はんだの酸化及び/又は試験片などからのはんだへの金属の溶出は,試験結果に影響がある。


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単位  mm

図 4−試験片ホルダの例 

5.2 

試験片 

5.2.1 

公称導体径 0.050 mm 以下 

8

本の直線状の試験片は,過度の張力をかけずにより合わせて試験片ホルダに巻き付ける。

5.2.2 

公称導体径 0.050 mm を超え 0.100 mm 以下 

1

本の直線状の試験片を試験片ホルダに巻き付ける。

5.2.3 

公称導体径 0.100 mm を超える 

長さ約 200 mm の 1 本の直線状の試験片を用いる。

5.2.4 

仕上がり外径 0.250 mm 以下のより線 

より線の試験片は,公称導体径 0.800 mm のすずめっき銅線 200 mm の端末近くに 15∼20 mm の幅で巻

き付ける。適切な隙間を開け最小 5 回,最大 10 回巻き付ける。

5.2.5 

仕上がり外径 0.250 mm を超えるより線 

長さ 200 mm の 1 本の直線状の試験片を用いる。

5.3 

試験手順 

試験片ホルダ又は試験片は,個別規格に規定した温度に保たれた槽の中心上に垂直方向に取り付ける。

試験片ホルダ又は試験片の下端を,はんだ表面から下に 35±5 mm まで降ろす。試験片ホルダ又は試験片

の浸せき位置は,温度測定箇所の 10 mm 以内とし,個別規格に規定する時間浸せきする。取り出すときは,

試験片ホルダ又は試験片を横に動かして,はんだ槽から取り出す。

はんだの付いた試験片は 6 倍から 10 倍の倍率で調べる。公称導体径 0.100 mm 以下の線の場合,保持さ

れている試験片の中央 25±2.5 mm の部分を調べる対象とする。公称導体径 0.100 mm を超える線及びより

線の場合,調べる対象ははんだ槽に浸された部分の,下側 15 mm とする。

3

本の試験片で行う。試験片の表面状態を記録する。


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C 3216-4

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耐加水分解及び耐トランス油(エナメル線に適用) 

耐加水分解は,高温高圧で蒸留水を含んだトランス油に試験片をさらした後,外観及び密着性で示す。

また,耐トランス油は,高温高圧のトランス油に試験片をさらした後,絶縁破壊電圧及び可とう性で示す。

注記  水は,皮膜に対して加水分解又は吸湿によって影響を及ぼす。吸湿だけが発生したのであれば,

絶縁破壊電圧を測定する前に 125±3  ℃で保った恒温槽で 30 分間乾燥することで試験片は回復

するはずである。公称導体径が 0.800∼1.500 mm までの線は,一般に扱いやすく試験がしやす

い。

6.1 

丸線 

6.1.1 

試験装置 

次の試験装置を用いる。

−  封をすることができる直径 25 mm,長さ 300 mm の 2 本のガラス管

−  溶接のない構造で容積が 400∼500 ml の加熱調整可能なステンレス製圧力容器

−  JIS C 2320 の絶縁油 A 又は B

−  IEC 60554-1 のタイプ 1 又は JIS C 2300-3-1 の絶縁紙

6.1.2 

試験片 

次の試験片を準備する。

−  耐加水分解のために,圧力容器の高さの 2/3 の長さがある直線状の試験片を 12 本用意する。

−  絶縁破壊のために,公称導体径 2.500 mm 以下の線は JIS C 3216-5 の 4.4.1 に従って,10 個の 2 個より

試験片を作成する。公称導体径 2.500 mm を超える線は,JIS C 3216-5 の 4.5.1(常温試験)に従って

10

本の直線状の試験片を用意する。

−  可とう性のために,公称導体径 1.600 mm 以下の線は JIS C 3216-3 の 5.1.1(丸線)に従って 3 個の巻

付け用試験片を作成する。公称導体径 1.600 mm を超える線は JIS C 3216-3 の 5.2[伸長試験(公称導

体径が 1.600 mm を超えるエナメル丸線に適用)

]に従って 3 本の直線状の試験片を用意する。

6.1.3 

試験手順 

6.1.3.1 

耐加水分解 

ステンレス製圧力容器に,圧力容器容量の(52.5±2.5)%になるよう脱気したトランス油を入れる。6.1.2

によって準備した試験片のうち 6 本を,共に圧力容器に入れる。圧力容器は密閉して 150±3  ℃で 24 時間

加熱する。その後,室温まで冷却してから開封する。試験片は通常視力で観察する。

同様にして,トランス油容量の 0.3±0.1 %に等しい蒸留水を共に入れた条件でも試験を行う。

試験は 1 回行う。外観及び密着性の変化の確認結果を記録する。

6.1.3.2 

耐トランス油 

圧力容器には,6.1.2 によって準備した 10 個の 2 個より試験片又は直線状の試験片,3 本の巻付け用試験

片又は直線状の試験片及び

表 に規定する皮膜の容量に達するように余分に線を入れる。次に表 に規定

するその他の構成材料を圧力容器に入れる。トランス油及び絶縁紙は,容器に入れる直前に,90±3  ℃で

16

±1 時間又は 105±3  ℃で 4±0.3 時間,2 kPa 以下で脱気及び乾燥する。


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C 3216-4

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表 1−構成材料の容量 

構成材料

封入容量

%

トランス油 65±5

絶縁紙

4

±1

皮膜 0.275±0.075

a)

a)

受渡当事者間の協定による。

密閉された圧力容器は,巻線の耐熱クラス温度±3  ℃,又は巻線の耐熱クラス温度が 150  ℃より高けれ

ば 150±3  ℃で 1 000±10 時間加熱する。加熱終了後,圧力容器は室温まで冷却し,開封する。試験片 10

本のうち 5 本は JIS C 3216-5 の 4.4.2(高温中試験)又は 4.5.2(高温中試験)に従って空気中,105±3  ℃

で絶縁破壊電圧を測定する。残りの 5 本は 125±3  ℃で 30±5 分乾燥させた後,室温まで冷却し,JIS C 

3216-5

の 4.4.2 又は 4.5.2 に従って空気中,105±3  ℃で絶縁破壊電圧を測定する。

3

本の試験片は JIS C 3216-3 の 5.1.1.1(公称導体径 1.600 mm 以下のエナメル丸線)又は 5.2 に従って,

亀裂の確認をする。試験は 1 回行う。絶縁破壊電圧個々の値及び亀裂の確認結果を記録する。

注記  必要とする皮膜容量を確保するための線の総質量(M)は,次の式でおおよその質量が計算で

きる。

D

V

Y

M

×

×

×

δ

600

ここに,

M: 線の総質量(g)

V: 圧力容器の容積(ml)

Y: 試験片 1 m 当たりの質量(g)

δ: 両側皮膜厚さ(mm)

D: 試験片の仕上がり外径(mm)

6.2 

平角線 

6.2.1 

試験装置 

6.1.1

と同じ試験装置を用いる。

6.2.2 

試験片 

次の試験片を準備する。

−  耐加水分解のために,圧力容器の高さの 2/3 の長さの直線状の試験片を 10 本用意する。

−  耐トランス油のために,JIS C 3216-5 の 4.7.1(常温試験)によって作成した 4 本の U 字状試験片を用

意する。

−  耐トランス油のために,JIS C 3216-3 の 5.1.2(平角線)によって作成した 2 本の曲げ用試験片を用意

する。

6.2.3 

試験手順 

6.2.3.1 

耐加水分解 

6.2.2

で準備した直線状の試験片を 5 本ずつに分け 2 本の管に入れ,それぞれに脱気したトランス油を

80 ml

入れる。片方の管には蒸留水を 0.24±0.01 ml 加える。2 本の管は,封をして 150±3  ℃で 24  時間加

熱する。管を取り出したら,室温になるまで冷却し,封を開ける。試験片は通常視力で観察する。

試験は 1 回行う。外観及び密着性の変化の確認結果を記録する。


10

C 3216-4

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6.2.3.2 

耐トランス油 

圧力容器には,4 個の U 字状試験片,2 個の巻付け用試験片及び

表 に規定する皮膜の容量に達するよ

うに余分に線を入れる。次に

表 に規定するその他の構成材料を圧力容器に入れる。トランス油及び絶縁

紙は,容器に入れる直前に,90±3  ℃で 16±1 時間又は 105±3  ℃で 4±0.3 時間,2 kPa 以下で脱気及び乾

燥する。密閉した圧力容器は巻線の耐熱クラス温度±3  ℃,又は巻線の耐熱クラス温度が 150  ℃より高け

れば 150±3  ℃で 1 000±10 時間加熱する。加熱終了後,圧力容器は室温まで冷却し,開封する。2 本の U

字状試験片は,JIS C 3216-5 の 4.7.2(高温中試験)に従って空気中,105±3  ℃で絶縁破壊電圧を測定す

る。残りの 2 本は,125±3  ℃で 30 分乾燥させた後,室温まで冷却し,JIS C 3216-5 の 4.7.2 に従って,空

気中 105±3  ℃で絶縁破壊電圧を測定する。

巻付け試験片は,JIS C 3216-3 の 5.1.2 に従って,亀裂を確認する。試験は 1 回行う。絶縁破壊電圧個々

の値及び亀裂の確認結果を記録する。

注記  必要な皮膜容量を確保するための線の総質量(M)は,次の式でおおよその質量が計算できる。

(

)

T

W

V

Y

M

+

×

×

×

δ

385

ここに,

M: 線の総質量(g)

V: 圧力容器の容積(ml)

Y: 試験片 1 m 当たりの質量(g)

δ: 両側皮膜厚さ(mm)

W: 試験片の幅(mm)

T: 試験片の厚さ(mm)


11

C 3216-4

:2011

附属書 JA

(規定)

代替試験方法

この附属書は,本体の対応する箇条を補足するものであり,本体で規定する試験方法に対し,置き換え

て適用が可能な試験方法について規定する。 

注記  この附属書で規定する試験方法は,この規格を IEC 60851-4 に整合するに当たり,内容によっ

て大きな変更となり市場の混乱が予想される事項について,完全整合化に向けた経過措置とし

て,廃止した JIS C 3003:1999 及び JIS C 3006:1999 に従った試験方法を代替試験方法として併

記したものである。

JA.3 

耐溶剤 

JA.3.1 

丸線 

丸線は,長さ約 20 cm の試験片を 1 本とり,個別規格で規定する温度(規定のない場合は温度 125±3  ℃)

に保った恒温槽中で約 10 分間加熱処理をする。加熱処理後は試験片を曲げたり伸ばしたりせず,温度

60

±3  ℃の JIS K 8271 に規定するキシレン中に,約 15 cm の部分を 30 分間浸した後取り出し,皮膜に泡

又は膨れを生じないかを目視で調べる。さらに,導体径 0.190 mm 以下は,a)のつめ法によって,導体径

0.200 mm

以上は b)の鉛筆法によって調べる。ただし,この試験は取り出し後 2 分以内に行い,溶剤に浸さ

れている端部及び液面の下部約 20 mm 並びに溶剤液面から出ている部分は,試験の対象としない。

つめ法及び鉛筆法は,次による。

a)

つめ法  つめ先で 1 回こすったとき,導体が現れるほど皮膜が

がれないかを目視で調べる。

b)

鉛筆法  JIS S 6006 に規定の鉛筆の芯を,約 60°の角度をもたせて刃形に削り,これを図 JA.1 のよう

に試験片に約 60°の角度で約 5 N の力で押し,試験片の長さ方向に規定の硬さの芯で 1 回引っかいた

とき,導体が現れるほど皮膜が

がれないかを目視で調べる。

図 JA.1−鉛筆法 

JA.3.2

平角線

平角線は,長さ約 20 cm の試験片を 1 本とり,個別規格で規定する温度(規定のない場合は 125±3  ℃)

に保った恒温槽で約 10 分間加熱処理をする。加熱処理後は,試験片を曲げたり伸ばしたりせず,温度 60


12

C 3216-4

:2011

±3  ℃の JIS K 8271 に規定するキシレン中に約 15 cm の部分を 30 分間浸した後取り出し,皮膜に泡又は

膨れを生じないかを目視で調べる。また,平角線の幅の面を JA.3.1 b)によって試験したとき導体が現れる

ほど皮膜が

がれないかを目視で調べる。ただし,この試験は取り出し後 2 分以内に行い,溶剤に浸され

ている端部及び液面の下部約 20 mm 及び溶剤液面から出ている部分は,試験の対象としない。

JA.4 

耐冷媒 

公称導体径 0.600 mm を超え 1 000 mm 以下のエナメル線について行う。次の試験については,密閉耐圧

容器(例えば,オートクレーブ)及びモノクロロジフルオロメタン(R-22,以下,冷媒という。

)を用いて

行う。

JA.4.1 

絶縁破壊 

長さ約 50 cm の試験片を 1 本とり,JIS C 3216-5 の JA.4.2 b) (2 個より法)に従って試験片を作製する。

この試験片を個別規格で規定する温度(規定のない場合は 125±3  ℃)に保った恒温槽中で 1 時間加熱処

理をする。加熱処理後は,試験片を曲げたり伸ばしたりせず,温度 10∼30  ℃の液状冷媒中に 24 時間浸し

た後取り出し,5 分以内に JIS C 3216-5 の JA.4.2 b)によって破壊電圧値を求める。

JA.4.2 

冷媒抽出 

a)

皮膜の質量約 1 g の適切な長さの試験片をとり,JIS K 8891 に規定するメタノールを含ませた清浄な

布で線の表面を拭き,これをコイル状に巻き,個別規格で規定する温度(規定のない場合は 125±3  ℃)

に保った恒温槽中で 1 時間加熱処理をした後,乾燥剤の入ったデシケータ中で温度を 10∼30  ℃に戻

し,試験片の質量を 0.000 1 g まで精密に測定する。

b)

あらかじめ十分洗って乾燥した密閉耐圧容器に試験片を入れ,適切な方法で液状冷媒を注入する。

c)

密閉耐圧容器を温度 10∼30  ℃で 24  時間保持する(この場合,試験片は十分液状冷媒に浸しているも

のとする。

。その後,冷媒をガス状で密閉耐圧容器から抜き出し,密閉耐圧容器を開く。

d)

耐圧容器へ JIS K 8322 に規定するクロロホルムを適量入れて,試験片及び耐圧容器に付着している抽

出物を溶解させ,試験片を取り出す。次に抽出液をあらかじめ加熱乾燥処理

1)

後,質量を測定した約

50 ml

のアルミニウムカップに集めた後,100  ℃以下の温度で抽出液の量が 3∼4 ml になるまで加熱し

蒸発させる。このアルミニウムカップ加熱乾燥処理

1)

後質量を測定し,抽出残さの質量 M

1

を 0.000 1 g

まで算出する。

e)

試験片の皮膜を適切な方法で除去して,導体の質量を 0.000 1 g まで精密に測定し,抽出前の皮膜質量

M

2

を計算する。

f)

冷媒抽出率(A

(%)は,次の式で求める。

100

2

1

×

M

M

A

ここに,

A: 冷媒抽出率(%)

M

1

抽出残さの質量(g)

M

2

抽出前の皮膜質量(g)

1)

加熱乾燥処理とは 105±3  ℃に保った恒温槽中で 1 時間加熱した後,直ちに乾燥剤の入った

デシケータ中で温度を 10∼30  ℃に戻すことをいう。

JA.5 

はんだ付け性 

同一巻枠から長さ約 15 cm の試験片 3 本をとり,

それぞれについて個別規格に規定の温度に保った

JIS Z 


13

C 3216-4

:2011

3282

に規定する Pb50Sn50 中に試験片の先端約 40 mm を規定の時間浸した後取り出し,直ちに軽く適切な

布で拭いたとき,浸した部分の上部約 10 mm を除き,はんだが一様に付いているかを調べる。ただし,導

体径 0.100 mm 以下のものは

図 JA.2

の巻付けジグを用いて,約 50 mm を浸し,中央部の約 30 mm で判定

してもよい。

単位  mm

図 JA.2

巻付けジグ 

参考文献  JIS C 3003

:1999

エナメル線試験方法

JIS C 3006:

1999

  横巻線試験方法


附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 3216-4:2011

  巻線試験方法−第 4 部:化学的特性

IEC 60851-4:2005

  Winding wires−Test methods−Part 4:Chemical properties

(I)JIS

の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号 及

び題名

内容

(II)

国際規格
番号

箇 条

番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS

と国際規格との技術的差異の理由及び

今後の対策

3

耐溶剤 3.1

試験装置

3.1

JIS

とほぼ同じ

追加

鉛筆について,JIS を引用し
た。

試験内容を明確にするため,JIS S 6006 を引用
した。

3.1

JIS

とほぼ同じ

追加

IEC

規格で規定されているホ

ワイトスピリットに,流動パ

ラフィンを追加した。

同等品として併記した。

5

は ん だ 付

け性

5.1

試験装置

5.1

JIS

とほぼ同じ

変更

IEC

規格では,使用するはん

だ成分(Pb60Sn40)を規定し

ている。

鉛フリー化の進展に伴い,はんだは,受渡当事
者間で合意したものを用いることにした。

 5.1

試験装置

図 4

5.1

JIS

とほぼ同じ

追加

調べる対象の長さを図に追記

した。

試験内容を明確にするため追記した。

6

耐 加 水 分

解 及 び 耐 ト

ランス油

6.1.1

  試験装置

6.1.1

JIS

とほぼ同じ

追加

試験に使用する材料について
絶縁紙及び電気絶縁油の JIS

を追加した。

国内で一般的に使用されている,JIS 品も試験
で使用できるようにしたもので,実質的差異は

ない。

JA.3

  耐溶剤

 3

耐 溶 剤 の 試 験 条

件について規定。

選択

使用溶剤及び試験条件が異な

る。

国内の IEC 規格対応状況を勘案し,経過処置と

して JIS C 3003:1999 の 13.2 B 法を追加した。 
次回見直し時,IEC 規格と整合化を図る。

JA.4

  耐冷媒

 4

耐 冷 媒 の 試 験 条

件について規定。

選択

使用薬品,試験装置及び試験

条件が異なる。

国内の IEC 規格対応状況を勘案し,経過処置と

して JIS C 3003:1999 の 16.2 B  法を追加した。 
次回見直し時,IEC 規格と整合化を図る。

附属書 JA

(規定)

JA.5

  は ん だ 付

け性

 5

は ん だ 付 け の 試
験 条 件 に つ い て
規定。

選択

使用するはんだ組成,試験条
件及び試験ジグが異なる。

国内の IEC 規格対応状況を勘案し,経過処置と
して JIS C 3003:1999 の 14.2 B 法を追加した。 
次回見直し時,IEC 規格と整合化を図る。

14

C

 321

6-

4


20
1

1


JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60851-4 :2005,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している 
    −  選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

15

C

 321

6-

4


20
1

1