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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 2810-1995 

屋内配線用電線コネクタ通則 

−分離不能形 

General rules on non-separable type wire  

connectors for interior wiring 

1. 適用範囲 この規格は,600V以下の一般屋内配線及び屋側配線において,銅線又はアルミニウム線(以

下,アルミ線という。)の接続に使用する圧着,圧縮など機械的接続による分離不能形電線コネクタ(以下,

電線コネクタという。)について規定する。電線コネクタに適用する電線の範囲は,単線では直径1.0〜

3.2mm(アルミ線を除く。),より線及び可とうより線では公称断面積0.75〜1 000mm2(14mm2以下のアル

ミ線を除く。)とする。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 9711 屋内配線用電線接続工具 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 分離不能形電線コネクタ 電線相互の直線接続,分岐接続若しくは終端接続に用いる単独の器材又は

電線の終端に接続するターミナルラグなどの器材で,接続後電線コネクタ本体を破損しなければ電線

の分離ができないもの。 

(2) 圧着接続 非対照的なダイスによって圧力を加え,接続部を変形させる接続。 

(3) 圧縮接続 対照的なダイスによって圧力を加え,接続部を変形させる接続。 

3. 種類 電線コネクタの種類は,表1のとおりとする。 

表1 種類 

接続方式に

よる種類 

ヒートサイクル
回数による種類 

圧着 

A種 

圧縮 

B種 

C種 

4. 性能 

4.1 

構造 7.2によって試験を行ったとき,5.,6.及び9.に適合しなければならない。 

4.2 

温度上昇 7.3によって試験を行ったとき,導電部の温度上昇値が30K以下又は接続電線の温度上昇

値以下でなければならない。 

4.3 

ヒートサイクル 7.4によって試験を行ったとき,次のいずれかに適合しなければならない。 

(1) 25回目の電線コネクタの温度上昇値が75K以下,その後の各測定値は,25回目の測定値に8 Kを加

C 2810-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

えた値以下であること。 

(2) 25回目の電線コネクタの温度上昇値が接続電線の温度上昇値以下であり,その後の電線コネクタの各

測定値は,25回目の測定値に8Kを加えた値以下であること。 

4.4 

引張荷重 7.5によって試験を行ったとき,破損,永久変形,接続電線の抜け,ずれ,切断その他の

異常を生じてはならない。 

5. 構造 構造は,次に適合しなければならない。 

(1) 接続作業及び連続使用状態において,電線の導体及び被覆に有害な損傷を与えないこと。 

(2) JIS C 9711に規定された接続工具又は製造業者が指定した接続工具を用いて,製造業者指定の方法に

よって接続するとき,接続作業の過程及び接続部の状態は,次に適合すること。 

(a) 電線接続作業が容易で,接続が完全であり,かつ,接続に際して,より線又は可とうより線の減線

又は足し線の必要がないこと。 

(b) 切断,き裂などを生じないこと。 

(3) テープ巻きを必要とするものは,テープ巻きを施した場合,そのテープを損傷するおそれのある鋭い

角及び突起がないこと。 

(4) 銅線とアルミ線を接続するものは,銅線とアルミ線が直接接触しない構造であること。 

6. 材料 材料は,次に適合しなければならない。 

(1) 銅線用電線コネクタの導電材料は,銅又は銅合金で,使用中有害な腐食又はき裂を生ずるおそれがな

いこと。 

(2) アルミ線用電線コネクタ(アルミ線,銅線兼用を含む。)の導電材料は,アルミニウム,アルミニウム

合金,すずめっきを施した銅若しくは銅合金又はその他これらと同等以上の性能をもつ材料で,使用

中有害な腐食又はき裂を生ずるおそれがないこと。 

(3) 導電を目的としない部分には,さび止めを施した鉄又は銅を使用することができる。 

7. 試験方法 

7.1 

接続方法 接続は,次によって行う。 

(1) 圧着及び圧縮のものは,JIS C 9711に規定された接続工具又は製造業者指定の工具を用いる。 

(2) 接続に用いる銅線及びアルミ線(導電率61%以上)は,いずれも600Vビニル絶縁電線とし,2.6mm

まで単線,それより太いものはより線とする。ただし,8mm2以下のより線(又は可とうより線)を

接続することを目的とする電線コネクタは,より線(又は可とうより線)を使用する。 

(3) 銅線は太さにかかわらず,すべて軟銅線,アルミ線は半硬アルミ線又は硬アルミ線とする。 

(4) 接続電線の長さは,適合電線の公称断面積が22mm2以下の場合は1m以上,公称断面積が22mm2を超

える場合は,2m以上のものを使用する。ただし,引張荷重試験においては0.3m以上とする。 

なお,接続電線の長さは,接続部を中心として片方向への長さとする。 

(5) 銅線は新しいものを用い,その接続部導体の表面は,磨かないものとする。アルミ線は新しいものを

用い,その接続部導体の表面をワイヤブラシなどで磨いた後,1時間以内に接続を行う。この場合,

よりをほぐして素線間の接触面を磨くことはしないものとする。 

(6) 接続部には,接続コンパウンドを用いない。ただし,電線コネクタに接続コンパウンドをあらかじめ

塗布してあるものは,この限りでない。 

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備考 接続コンパウンドとは,接続部の接触面に塗布して良好な接触状態にするとともに,接触面を

空気や水分から隔絶して接触面の経年劣化を防ぐ目的のコンパウンドをいう。 

(7) 電線の終端に接続するターミナルラグなどの電線コネクタは,2個相互間を温度上昇試験及びヒート

サイクル試験に影響の少ない方法で締め付ける。 

(8) 3本以上の電線を接続する電線コネクタにあっては,最も厳しい試験条件となる電線本数及び電線太

さの組合せで接続する。 

(9) その他の点については,その製造業者指定の方法による。 

7.2 

構造試験 構造,材料,仕上げ,表示事項などを調べる。 

7.3 

温度上昇試験 7.1によって電線を接続した試供品の接続部を15〜35℃の通風の影響のない空気中

に保持し,適合電線の寸法によって,表2の試験電流(50Hz又は60Hzの交流とする。)を連続通電し,

温度が一定となった後,電線コネクタの導電部の温度及び必要な場合は接続電線の被覆内部の温度を熱電

対で測定する。ただし,試験電流値について特別の規定がある電線コネクタでは,その電流を通電して試

験を行うものとする。 

表2 温度上昇試験電流 

適合電線の寸法 

試験電流A 

単線 

mm 

より線及び 

可とうより線 

mm2 

銅線 

アルミ線 

1.0 

0.75 

16 

− 

− 

0.9 

17 

− 

1.2 

1.25 

19 

− 

1.6 

2.0 

27 

− 

2.0 

3.5 

37 

− 

2.6 

5.5 

48 

− 

3.2 

62 

− 

− 

14 

88 

− 

− 

22 

115 

90 

− 

38 

160 

125 

− 

60 

215 

170 

− 

100 

300 

230 

− 

150 

395 

310 

− 

200 

470 

365 

− 

250 

555 

435 

− 

325 

650 

505 

− 

400 

745 

580 

− 

500 

840 

655 

− 

600 

990 

775 

− 

725 

1 100 

855 

− 

800 

1 150 

885 

− 

850 

1 200 

925 

− 

1 000 

1 350 

1 050 

7.4 

ヒートサイクル試験 7.1によって電線を接続した供試品について,次によって行う。 

(1) 接続電線がより線の場合は,各素線に流れる電流の均等化を図るため,接続電線の途中に有効な電流

均等化処置を施し,その位置は,表3のLの値以上電線コネクタから離すこと。 

また,接続電線が単線の場合は,隣り合う電線コネクタ間の距離は,表3のLの値の2倍以上とす

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る。 

(2) 接続部及び接続電線は,15〜35℃の通風の影響のない空気中に保持すること。 

(3) ヒートサイクル試験回路において,電線コネクタに接続する電線は,水平に空中に張り,壁から30cm

以上,天井及び床から60cm以上,他の電線から20cm以上離すこと。 

(4) 適合電線の寸法によって,表3のヒートサイクル試験電流(50Hz又は60Hzの交流とする。)を同表

に示す時間通電し,かつ,休止する。このヒートサイクルを,次の回数で行う。ただし,試験電流値

について特別の規定がある電線コネクタでは,その電流を通電して試験を行うものとする。 

A種 125回 

B種 250回 

C種 500回 

(5) 25回目,250回目,500回目の通電時間の終わりに,電線コネクタの温度及び必要な場合は,接続電

線の被覆内部の温度を熱電対を用いて測定すること。 

なお,接続電線がより線の場合の温度測定箇所は,二つの電流均等化処置の中間とし,温度測定箇

所と電流均等化処置との距離は,表3のLの値より長いこと。 

また,接続電線が単線の場合は,温度測定箇所と電線コネクタ又は電源用端子との最小距離は,表

3のLの2倍とする。 

表3 ヒートサイクル試験項目 

適合電線の寸法 

ヒートサイクル試験電流 

通電時間又は休止時間 

(最小) 

min 

電線コネクタ端と電流均

等化処置間の最小距離 

(L) cm 

単線 

mm 

より線及び 

可とうより線 

mm2 

銅線 

アルミ線 

銅線 

アルミ線 

銅線 

アルミ線 

1.0 

0.75 

25 

− 

45 

− 

15 

− 

− 

0.9 

27 

− 

45 

− 

15 

− 

1.2 

1.25 

30 

− 

45 

− 

15 

− 

1.6 

2.0 

43 

− 

45 

− 

15 

− 

2.0 

3.5 

58 

− 

45 

− 

15 

− 

2.6 

5.5 

76 

− 

45 

− 

15 

− 

3.2 

98 

− 

45 

− 

15 

− 

− 

14 

140 

− 

45 

− 

15 

− 

− 

22 

180 

140 

45 

45 

15 

15 

− 

38 

255 

200 

60 

45 

30 

15 

− 

60 

345 

265 

60 

60 

30 

30 

− 

100 

470 

365 

60 

60 

45 

30 

− 

150 

625 

485 

90 

60 

60 

45 

− 

200 

740 

580 

90 

90 

60 

45 

− 

250 

880 

685 

90 

90 

60 

60 

− 

325 

1 050 

800 

150 

90 

90 

60 

− 

400 

1 200 

920 

150 

90 

90 

60 

− 

500 

1 350 

1 050 

150 

150 

90 

90 

− 

600 

1 550 

1 200 

150 

150 

90 

90 

− 

725 

1 750 

1 350 

180 

150 

90 

90 

− 

800 

1 800 

1 400 

180 

150 

90 

90 

− 

850 

1 850 

1 450 

180 

150 

90 

90 

− 

1 000 

2 100 

1 650 

180 

180 

90 

90 

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7.5 

引張試験 7.1によって電線を接続した供試品について,常温 (20±15℃) において,接続電線相互

間又は一方の端子側を固定して引張荷重を徐々に加え,表4の値以上で10秒間保持する。 

表4 引張試験 

適合電線の寸法 

引張加重 N 

単線 

mm 

より線及び 

可とうより線 

mm2 

銅線 

アルミ線 

1.0 

0.75 

120 

− 

− 

0.9 

150 

− 

1.2 

1.25 

200 

− 

1.6 

2.0 

290 

− 

2.0 

3.5 

540 

− 

2.6 

5.5 

780 

− 

3.2 

980 

− 

− 

14 

1 400 

− 

− 

22 

1 800 

310 

− 

38 

2 500 

450 

− 

60 

3 200 

670 

− 

100 

3 900 

1 000 

− 

150 

4 100 

1 200 

− 

200 

4 400 

1 500 

− 

250 

4 600 

1 800 

− 

325 

4 800 

2 000 

− 

400 

5 000 

2 200 

− 

500 

5 000 

2 200 

− 

600 

5 000 

2 200 

− 

725 

5 000 

2 200 

− 

800 

5 000 

2 200 

− 

850 

5 000 

2 200 

− 

1 000 

5 000 

2 200 

8. 検査 検査は,次によって行う。 

(1) 構造 

(2) 温度上昇 

(3) ヒートサイクル 

(4) 引張荷重 

9. 表示 電線コネクタには,次の事項を容易に消えない方法で表示しなければならない。ただし,電線

コネクタに表示が困難な場合には,(1),(2)及び(3)については,包装箱などに表示してもよい。 

(1) 適合電線の寸法又はその範囲。 

(2) ヒートサイクルの回数による種類。ただし,A種のものは省略してもよい。 

(3) アルミ線用のものはAlの文字,銅線・アルミ線兼用のものは,Cu-Alの文字。 

C 2810-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 2810 原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

小 熊 修 蔵 

東邦電気株式会社 

倉 重 有 幸 

工業技術院標準部 

松 嶋 靖 夫 

建設省官庁営繕部 

荻   雅 勇 

住宅・都市整備公団 

中 野 弘 伸 

職業能力開発大学校 

竹 腰 恵 好 

財団法人日本電気用品試験所 

赤 嶺 淳 一 

社団法人日本電機工業会 

長谷部 守 邦 

社団法人日本電線工業会 

石 山 壮 爾 

社団法人電気設備学会 

漆 原 富志郎 

社団法人日本配線器具工業会 

小 市 秀 人 

東京電力株式会社 

古 川 典 保 

株式会社関電工 

飯 村 正 憲 

日本電設工業株式会社 

和 中 勘 良 

日本圧着端子製造株式会社 

長 屋 欣 一 

ワゴジャパン株式会社 

川 岸 潤一郎 

株式会社泉精機製作所 

山 田 俊 一 

産機興業株式会社 

園 田 敬 治 

株式会社ニチフ端子工業 

今 井   彰 

日本エー・エム・ピー株式会社 

(事務局) 

下 川 英 男 

社団法人電気設備学会