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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 2808-1993 

医用接地センタボディー及び 

医用接地端子 

Hospital grade earth centerbodies and terminals 

1. 適用範囲 この規格は,主として病院,診療所における感電防止対策に用いる医用接地センタの主要

部分を構成する医用接地センタボディー及び医用接地端子について規定する。 

備考1. 医用接地センタボディー及び医用接地端子は,病院,診療所以外で接地の信頼性を特に要求

されるところでも使用できる。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 3307 600Vビニル絶縁電線 (IV)  

JIS C 8306 配線器具の試験方法 

JIS C 8316 フラッシプレート 

JIS C 8336 埋込配管用の附属品(電線管用) 

JIS H 8610 電気亜鉛めっき 

JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき 

JIS H 8619 電気すずめっき 

3. この規格の中で { } を付けて示した単位及び数値は,従来単位によるものであって,参考

として併記したものである。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 医用接地センタ 医用接地センタボディーと外箱から構成されるもの。 

(2) 医用接地センタボディー 接地分岐線を集合して接地幹線に接続するためのもので,分岐用端子基板,

リード線,試験端子,プレートなどから構成されたもの。 

(3) 医用接地端子 接地端子基板,ブック形圧着端子をつなぐ接続端子,リード線をかしめた圧着端子な

どから構成された接地用の端子。 

(4) 分岐用端子基板 接地幹線から接地分岐線を分岐するための銅板(分岐バーともいう。)。 

(5) 試験端子 電気的試験を行うために分岐用端子基板上に設けられた端子。 

3. 性能 

3.1 

電線引張強度 電線引張強度は,5.2によって試験を行ったとき,圧着端子と電線との圧着接続部分

において滑りを起こしたり,電線が抜けたり,使用上有害な変形などがあってはならない。 

3.2 

端子の強度 試験端子及び接続端子の強度は,5.3によって試験を行ったとき,端子又は端子ねじが

破損してはならない。 

C 2808-1993  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3 

電気抵抗 電気抵抗は,5.4によって試験を行ったとき,3mΩ以下でなければならない。 

また,5.5の振動試験終了後の電気抵抗は,試験前の値より1mΩ以上増加してはならない。 

3.4 

耐振動 耐振動は,5.5によって試験を行ったとき,素線の切れ,素線の抜け,切損,ひび,割れな

ど使用上の支障があってはならない。 

3.5 

めっき めっきは,5.6によって試験を行ったとき,素地の露出,さびなどが生じてはならない。 

4. 構造,寸法及び材料 

4.1 

構造一般 

4.1.1 

医用接地センタボディーの構造一般 医用接地センタボディーの構造一般は,次に適合しなければ

ならない。 

(1) JIS C 8336に規定する5個用スイッチボックス(カバー付き)に取り付けられること。 

(2) リード線は,付図3に示す圧着端子に確実にかしめ,それを分岐用端子基板に2本のリベット又は分

岐用端子基板に設けた2個の突起で確実にかしめるなどして堅固に取り付けられていること。 

(3) リード線が引っ張られても,曲げられても圧着端子が30°以上折れ曲がらないようにしてあること。 

(4) 試験端子は,分岐用端子基板に緩み止めを施したナット止め,又は容易に回転しない方法で分岐用端

子基板に直接かしめなどして取り付けられていること。 

また,つまみは,抜け止めが施してあること。 

(5) 試験端子は,つまみを手で回して電線又はフック形圧着端子が接続できること。 

(6) リード線は,JIS C 3307に適合するもので長さ約140mm,公称断面積5.5mm2,絶縁体の色が緑/黄

又は緑のものとし,10本が取り付けられていること。 

(7) プレートは,JIS C 8316の5.1(構造)に適合すること。ただし,プレートの構造について必要な場合

は,変更してもよい。 

4.1.2 

医用接地端子の構造一般 医用接地端子の構造一般は,次に適合しなければならない。 

(1) JIS C 8336に規定する1個用スイッチボックス(カバー付き)に取り付けられること。 

(2) リード線は,付図3に示す圧着端子に確実にかしめ,それを接地端子基板に2本のリベット又は接地

端子基板に設けた2個の突起で確実にかしめるなどして堅固に取り付けられていること。 

(3) リード線が引っ張られても,曲げられても圧着端子が30°以上折れ曲がらないようにしてあること。 

(4) 接続端子は,接地端子基板にねじ込んでかしめ止め又は緩み止めナットを併用,若しくは容易に回転

しない方法で接地端子基板に直接かしめなどして堅固に取り付けられていること。 

また,つまみのねじは,5山以上とし,つまみは抜け止めが施してあり,5mm以上移動できること。 

(5) リード線は,JIS C 3307に適合するもので長さ約140mm,公称断面積5.5mm2,絶縁体の色が緑/黄

又は緑のものとする。 

(6) プレートは,JIS C 8316の5.1に適合すること。ただし,プレートの構造について必要な場合は,変

更してもよい。 

4.2 

主要部の寸法 主要部の寸法は,次に適合しなければならない。 

(1) 医用接地センタボディーは,付図1(1)又は付図1(2)による。 

なお,プレートの詳細寸法は,JIS C 8316の付図1による。ただし,プレートの外形寸法,形状な

どについて必要な場合は,変更してもよい。 

(2) 医用接地端子は,付図2(1)又は付図2(2)による。 

なお,これに記載のない詳細寸法は,JIS C 8316の付図1による。ただし,外形寸法,形状などに

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ついて必要な場合は,変更してもよい。 

(3) 圧着端子は,付図3による。 

4.3 

主要部の材料 主要部の材料は,次に適合しなければならない。 

(1) 医用接地センタボディーの分岐用端子基板及び医用接地端子の接地端子基板は,銅であること。 

(2) 圧着端子は,銅でその表面には,JIS H 8619に規定する1級以上の電気すずめっきが施してあること。 

(3) 圧着端子を分岐用端子基板又は接地端子基板に固着するリベットは,銅であること。 

(4) 試験端子及び接続端子は,黄銅でその表面には,JIS H 8617に規定する1級以上のニッケルめっきが

施してあること。 

(5) リード線押さえ金具,取付金具などの鋼製部品には,JIS H 8610に規定する2種1級以上の電気亜鉛

めっきなどによるさび止めが施してあること。 

(6) プレートは,JIS H 8617に規定する1級以上のニッケルめっきを施した黄銅,アルミニウムに耐食処

理(切断面は除く。)を施したもの,又はステンレス鋼若しくはJIS C 8316の4.1(合成樹脂プレート

の強度)及び4.2(耐熱)の性能に適合する熱可塑性合成樹脂であること。 

5. 試験方法 

5.1 

構造試験 構造試験は,JIS C 8306の3.(構造試験)の(1)及び(2)によって行い,4.及び7.について

調べる。 

5.2 

電線引張強度試験 電線引張強度試験は,次の部位間に引張試験機で荷重を加える。この場合,引

張速度は1分間に約25mmの速さで800N (81.7kgf) になるまで加え,800Nに達した後その状態を1分間保

持する。 

(1) 医用接地センタボディーでは,相対するリード線間ごと。 

(2) 医用接地端子では,リード線と接地端子基板との間。 

5.3 

端子の強度試験 端子の強度試験は,端子のつまみに2N・m {20.4kgf・cm} のトルクを加える。 

5.4 

電気抵抗試験 電気抵抗試験は,JIS C 8306の5.(2)(交流法による接触抵抗試験)(ただし,試験電

流は,10〜25Aの間とする。)又はダブルブリッジ若しくは接触抵抗計によって,次の部位間について測定

する。この場合,リード線の測定点は,圧着端子から140mm離れた箇所とする。 

(1) 医用接地センターボディーでは,各リード線と試験端子間。 

(2) 医用接地端子では,リード線と接続端子間。 

5.5 

振動試験 振動試験は,5.4の試験を行った後,図1に示す方法によって片振幅を0.5mm,振動の周

波数を33Hzとして8時間連続して行う。試験は,図1の(1)及び(2)の(a),(b)に示すように,試料にかかる

振動方向を変えて各2回行う。試験終了後,5.4の試験を行う。 

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図1 振動試験方法 

5.6 

めっき試験 めっき試験は,めっきの種類に従い,次による。 

(1) 電気すずめっきを施した部分は,JIS H 8619の5.3(均一性試験)によって行い,これを3回繰り返す。 

(2) ニッケルめっきを施したものは,JIS H 8617の7.4(1)(中性塩水噴露試験),電気亜鉛めっきを施した

もの及びその他のさび止めを施したものは,JIS H 8610の7.3(クロメート皮膜の耐食性試験)に規定

する方法で試験を行う。 

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6. 検査 

6.1 

形式検査 形式検査は,次の検査項目について5.の試験方法によって試験を行い,3.,4.及び7.の規

定に適合しなければならない。ただし,(2)〜(4)は同一試料で検査項目順に行う。 

なお,(6)の試験は,めっきが施された部品につき部品のままで行う。 

(1) 構造,寸法及び材料 

(2) 電線引張強度 

(3) 端子の強度 

(4) 電気抵抗 

(5) 振動 

(6) めっき 

(7) 表示 

6.2 

受渡検査 受渡検査は,次の検査項目について5.の試験方法によって試験を行い,3.,4.及び7.の規

定に適合しなければならない。ただし,(2)及び(3)は同一試料で検査項目順に行う。 

なお,受渡当事者間の協定によって省略することができる。 

(1) 構造一般 

(2) 端子の強度 

(3) 電気抵抗 

(4) 表示 

7. 表示 製品には,(1)及び(2)で規定された見やすい場所に容易に消えない方法で明りょうに,[押印(ス

タンプ),印刷,印刷されたラベルのはり付け又は金型による刻印のいずれかによって]次の事項を表示し

なければならない。 

(1) 医用接地センタボディー 

(a) 医用接地センタの文字(プレート表面に表示する。医用接地センタと表示してもよい。) 

(b) 医用である旨の記号

(プレート表面及び医用接地センタボディーに表示する。) 

(c) 製造業者名又はその略号(医用接地センタボディーに表示する。) 

(d) 製造年月又はその略号(医用接地センタボディーに表示する。) 

(2) 医用接地端子 

(a) 医用である旨の記号

(プレート表面及び医用接地端子の接地端子基板又は附属するカバー及び取

付枠に表示する。ただし,医用接地端子に附属するカバーなどに表示することによってプレートを

取り付けたとき,医用である旨の記号

が見えるものはプレート表面の表示を省略してもよい。) 

(b) 製造業者名又はその略号(医用接地端子の接地端子基板又は取付枠に表示する。) 

(c) 製造年月又はその略号(医用接地端子の接地端子基板又は取付枠に表示する。) 

(d) 保護接地記号

(プレート表面又は医用接地端子に附属するカバーの表面に表示する。) 

なお,やむを得ない場合は

の表示でもよい。 

関連規格 JIS C 0303 屋内配線用図記号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 医用接地センタボディー(形状は,一例を示す。) 

備考1. 付図1の中で許容差がない値は,基準寸法を示す(以下,付図1において同じ。)。 

2. 括弧内の数値は,大形プレート用の場合を示す。 
3. 表示は,“医用接地センター”でもよい。 

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付図1 (続き) 

備考 表示は,“医用接地センター”でもよい。 

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付表1 付図1の部品名及び材料 

番号 

部品名 

材料 

備考 

分岐用端子基板 銅板 

公称厚さ2.6mm以上 

圧着端子 

銅 

付図3 

端子ねじ 
(試験端子) 

黄銅棒 

フック形圧着端子取付面は,直径約10mmの円が内接
する大きさとする。 

つまみ 

黄銅 

外面には滑り止めを施すこと。丸以外の形状でもよい。 

リード線 

IV 

4.1.1(6)に適合するもの。 

取付金具 

鋼板 

公称厚さ1.2mm以上 

リベット又は突
起 

銅 

リベットの公称径は4mm又は5mm,突起は圧着端子
取付用穴の内径よりわずかに小さい径とする。 

リード線押さえ 鋼板 

公称厚さ1.2mm以上 

プレート 

黄銅,アルミニウム
若しくはステンレス
鋼又は熱可塑性合成
樹脂 

構造及び厚さは,JIS C 8316による。 

備考1. 番号は,付図1(1)及び付図1(2)の番号である。 

2. 分岐用端子基板に突起を設けるものは,突起周辺の厚さについては,2.6mm以上を適用し

ない。ただし,強度は十分耐える厚さであること。 

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付図2 医用接地端子(形状は,一例を示す。) 

備考1. 付図2の中で許容差がない値は,基準寸法を示す(以下,付図2において同じ。)。 

2. 括弧内の数値は,大形(外形が120×70のもの)プレート用を表す。 
3. リード線の出し方は,上側でも下側でもよい(以下,付図2において同じ。)。 
4. 保護接地記号は,やむを得ない場合は,

でもよい(以下,付図2において同じ。)。 

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10 

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付図2 (続き) 

備考 取付枠耳部(a部4か所)に連接時の位置合せ用形状を施す場合は,46以下でなくてもよい。 

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11 

C 2808-1993  

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付表2 付図2の部品名及び材料 

番号 

部品名 

材料 

備考 

接地端子基板 

銅板 

公称厚さ2.6mm以上 

端子ねじ 

黄銅棒 

フック形圧着端子取付面は,直径約10mmの円が内接
する大きさとする。 

つまみ 

黄銅 

外面には滑り止めを施すこと。丸以外の形状でもよい。 

ボス 

黄銅棒 

圧着端子 

銅 

付図3 

リベット又は突
起 

銅 

リベットの公称径は4mm又は5mm,突起は圧着端子
取付用穴の内径よりわずかに小さい径とする。 

リード線 

IV 

4.1.2(5)に適合するもの。 

リード線押さえ 鋼板 

公称厚さ1.2mm以上 

カバー 

熱可塑性合成樹脂 

10 取付枠 

鋼板 

公称厚さ1.2mm以上 

11 プレート 

黄銅,アルミニウム
若しくはステンレス
鋼又は熱可塑性合成
樹脂 

構造及び厚さは,JIS C 8316による。 

備考1. 番号は,付図2(1)及び付図2(2)の番号である。 

2. 接地端子基板に突起を設けるものは,突起周辺の厚さについては,2.6mm以上を適用しな

い。ただし,強度は十分耐える厚さであること。 

付図3 圧着端子(形状は,一例を示す。) 

12 

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改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

金 井   寛 

上智大学理工学部 

稲 葉 裕 俊 

工業技術院標準部 

青 柳 桂 一 

通商産業省機械情報産業局 

岩 井 幸 三 

建設省官庁営繕部 

秋 山 和 義 

厚生省保健医療局 

矢ケ崎 義 一 

財団法人日本電気用品試験所研究所 

安 野 俊 英 

財団法人関東電気保安協会総合技術センター 

宮 田 勝 雄 

都立工業技術センター計測制御部 

吉 原   勝 

東京電力株式会社営業部技術サービス室 

鈴 木 宏 幸 

株式会社関電工設計部 

(主査) 

小 野 哲 章 

三井記念病院MEサービス部 

渡 辺   敏 

北里大学医学部 

漆 原 富志郎 

日本配線器具工業会 

下 川 英 男 

社団法人電気設備学会技術部 

飯 村 正 憲 

日本電設工業株式会社 

(副主査) 

柳   曻 二 

松下電工株式会社津工場技術総務部 

高 橋 秀 憲 

株式会社明工社技術部 

山 中 貞 秋 

神保電器株式会社技術部 

(事務局) 

中 川   実 

社団法人電気設備学会