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C 2560-2

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)/財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,  JIS C 2561:1992 は廃止され,この規格に置き換えられる。また,E 形フェライト磁心の

製品規格である JIS C 2514:1989 も廃止され,この規格及び JIS C 2560-3:2006 に置き換えられる。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60424-1:1999,Ferrite cores−Guide

on the limits of surface irregularities

−Part 1: General specification,IEC 61631:2001,Test method for the

mechanical strength of cores made of magnetic oxides

IEC 62044-1:2002,Cores made of soft magnetic materials

−Measuring methods−Part 1: Generic specification,IEC 62044-2:2005,Cores made of soft magnetic materials

−Measuring methods−Part 2: Magnetic properties at low excitation level 及び IEC 62044-3:2000,Cores made of

soft magnetic materials

−Measuring methods−Part 3: Magnetic properties at high excitation level を基礎として用

いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 2560-2

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)ディスアコモデーション

附属書 2(参考)THD 試験の測定条件

附属書 3(参考)振幅透磁率測定のための基本回路及び関連装置

附属書 4(参考)パワーロス測定のためのマルチプライング法−基本回路及び関連測定手順

附属書 5(参考)直流磁気特性及びその他の基本的物理的特性の試験方法

附属書 6(参考)ヘッド用フェライト磁心特有の試験方法

附属書 7(規定)機械的強度測定のための磁心の支持方法

附属書 8(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS C 2560

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 2560-1

    第1部:通則(予定)

JIS C 2560-2

  第 2 部:試験方法

JIS C 2560-3-1

第 3-1 部:寸法及び外観−E 形フェライト磁心


C 2560-2

:2006

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  標準試験状態 

3

4.1

  一般事項 

4

4.2

  標準大気条件(標準状態) 

4

5.

  電磁気的試験 

4

5.1

  一般事項 

4

5.2

  低磁界における磁気特性の測定

5

5.3

  高磁界における磁気特性の測定

17

6.

  機械的強度試験 

23

6.1

  装置

23

6.2

  試料

23

6.3

  試験

23

7.

  外観検査

26

8.

  寸法検査

26

附属書 1(規定)ディスアコモデーション 

27

附属書 2(参考)THD 試験の測定条件 

29

附属書 3(参考)振幅透磁率測定のための基本回路及び関連装置 

31

附属書 4(参考)パワーロス測定のためのマルチプライング法−基本回路及び関連測定手順 

32

附属書 5(参考)直流磁気特性及びその他の基本的物理的特性の試験方法

35

附属書 6(参考)ヘッド用フェライト磁心特有の試験方法 

45

附属書 7(規定)機械的強度測定のための磁心の支持方法 

48

附属書 8(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

49


日本工業規格

JIS

 C

2560-2

:2006

フェライト磁心−第 2 部:試験方法

Cores made of ferrite

Measuring methods

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された IEC 60424-1,Ferrite cores−Guide on the limits of

surface irregularities

−Part 1: General specification,2001 年に第 1 版として発行された IEC 61631,Test method

for the mechanical strength of cores made of magnetic oxides

,2002 年に第 1 版として発行された IEC 62044-1

Cores made of soft magnetic materials

−Measuring methods−Part 1: Generic specification,2005 年に第 1 版とし

て発行された IEC 62044-2,Cores made of soft magnetic materials−Measuring methods−Part 2: Magnetic

properties at low excitation level

及び 2000 年に第 1 版として発行された IEC 62044-3,Cores made of soft

magnetic materials

−Measuring methods−Part 3: Magnetic properties at high excitation level を翻訳し,技術的内

容を変更することなく一つにまとめて作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線及び/又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1. 

適用範囲  この規格は,フェライト磁心の低磁界及び高磁界における電磁気的特性の試験方法,機械

的強度の試験方法及び外観の検査方法について規定する。

備考1.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60424-1:1999

,Ferrite cores−Guide on the limits of surface irregularities−Part 1: General

specification(MOD)

IEC 61631:2001

,Test method for the mechanical strength of cores made of magnetic oxides(MOD)

IEC 62044-1:2002

,Cores made of soft magnetic materials−Measuring methods−Part 1: Generic

specification(MOD)

IEC 62044-2:2005

,Cores made of soft magnetic materials−Measuring methods−Part 2: Magnetic

properties at low excitation level(MOD)

IEC 62044-3:2000

,Cores made of soft magnetic materials−Measuring methods−Part 3: Magnetic

properties at high excitation level(MOD)

参考1.  低磁界における電磁気的特性とは主にレイリー領域内における特性,高磁界における電磁気

的特性とはレイリー領域外での特性をそれぞれ意味する。レイリー領域とは,磁性材料の磁

束密度及び磁界の強さをグラフで表示したときの原点近傍の領域のことで,その中では磁束

密度が次の式のように磁界の強さの二次関数として表現できる。

(

)

(

)

2

2

p

p

i

0

2

H

H

v

H

vH

µ

µ

B

±

+

=

ここに,

ν

:レイリー履歴係数


2

C 2560-2

:2006

参考 2.  高磁界における特性は,コアロス及び振幅透磁率の二つだけである。

参考 3.  附属書 に直流磁気特性及びその他の基本的物理特性の試験方法を,附属書 にヘッド用フ

ェライト磁心特有の試験方法を,参考として示す。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・

追補には適用しない。

JIS C 60068-1

:1993

  環境試験方法−電気・電子−通則

備考 IEC 

60068-1

:1988

  Environmental testing−Part 1: General and guidance が,この規格と一致して

いる。

IEC 60050(221)

:1990

  International Electrotechnical Vocabulary (IEV). Chapter 221: Magnetic materials and

components

,Amendment 1 and Amendment 2

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1 

振幅透磁率 µ

a

(実効振幅透磁率 µ

ea

)[(effective) amplitude permeability]  規定の消磁状態にある磁

心に,交流磁界を外部印加したときの,磁束密度のせん頭値

e

B

及び磁界の強さのせん頭値

e

から得られ

る比透磁率。

備考1.  この定義は,IEC 60050(221)の 221-03-07 における同用語の定義とは異なる。

2.

次の二つの振幅透磁率が一般的に用いられる。

−  磁束密度及び磁界の実際の波形のせん頭値を用いるもの。

−  磁束密度及び磁界の波形の基本成分のせん頭値を用いるもの。

3.

磁心が周期的に磁化され,B-H 曲線を逸脱しなければ,磁束密度,磁界,及び振幅透磁率は

静的な物質量とみなされる。

3.2 

最大振幅透磁率

µ

a

max

(実効最大振幅透磁率

µ

ea

max

)[maximum (effective) amplitude permeability

励磁の振幅が変動する場合の振幅透磁率の最大値。

備考  この定義は,IEC 60050(221)の 221-03-10 における同用語の定義とは異なる。

3.3 

励磁(excitation)  波形及びその振幅がともに規定の許容差内にある磁束密度又は磁界。

備考  励磁のための基準として磁束密度(磁界)を選んだ場合,磁性材料の非線形的な振舞いに起因

する励磁波形に関して磁界(磁束密度)の波形は結果的にゆがむ場合がある。

3.4 

高励磁状態(high excitation level)  透磁率が励磁振幅に依存(特に低周波において)する励磁,及び

/又はコアロス(3.9 参照)が顕著な温度上昇を生じさせる励磁(特に高周波において)

3.5 

正弦波励磁(sinusoidal excitation)   1 %以下の高調波定数をもつ励磁。

3.6 

励磁巻線(exciting winding)  励磁するための巻線。

3.7 

電圧検出巻線(voltage sensing winding)  誘起される電圧を測定するための巻線。

3.8 

測定巻線(measuring winding)  励磁巻線及び/又は電圧検出巻線とは別に,通常二次的な測定に使

用する無負荷又は負荷状態の巻線。

3.9 

コアロス (power loss)  磁心によって吸収される電力。コアロスには,次のような二つの表現方法

がある。

3.9.1 

単位体積当たりのコアロス P

v

  単位体積当たりのコアロス P

v

は,次の式(1)によって算出する。


3

C 2560-2

:2006

V

P

P

=

v

 (1)

ここに,V:磁心の実効体積(m

3

)

3.9.2 

単位質量当たりのコアロス P

m

  コアロス P

m

は,次の式(2)によって算出する。

m

P

P

=

m

 (2)

ここに,m:磁心の質量(kg)

参考  PP

v

及び P

m

は,それぞれ P

c

P

cv

及び P

cm

とも呼ぶ。

3.10 

チップ及びラッジドエッジ(chips and ragged edges)  チップは取扱中又は切削中に起きる機械的衝

撃によって生じる磁心の欠損部。ラッジドエッジは幅 1 mm 以下のチップが連続したもの。

3.11 

クラック(crack)  長さと比べて十分に幅が小さい磁心表面上のひび。

3.12 

フラッシュ(flash)  磁心の表面の輪郭部分にできたばり。

3.13 

プルアウト(pull-out)  成形のときの金型へのはりつきによって生じる磁心の表面層の欠損部。プレ

ス方向と垂直な面に発生する。ただし,深さが 1 mm 以上の欠損はチップとみなす。

3.14 

機械的強度(mechanical strength)  磁心に機械的な負荷をかけたときの磁心が壊れる瞬間の負荷の

値。

3.15

総高調波ひずみ THD(magnetic) total harmonic distortion]  磁心における磁束密度 と磁界 

の非線形的な関係によって生じる電圧波形のひずみ。次の式(3)及び式(4)によって算出する。

THD=20 log(V

m

/V

f

)  (3)

å

=

=

1

2

m

n

n

V

V

 (4)

ここに,  V

n

:  次の高調波の振幅成分

V

f

:  基本周波数における電圧振幅

3.16 

総高調波ひずみ係数 THD

F

(magnetic) total harmonic distortion factor]  材料特性の評価に用いる

係数。次の式(5)及び式(6)によって算出する。

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

CCF

V

V

THD

ea

f

m

F

log

20

µ

 (5)

(

)

2

s

1

3

1

1

R

L

CCF

ω

+

=

 (6)

ここに,

V

f

基本周波数における電圧振幅

µ

ea

実効振幅透磁率

L

1

一次側インダクタンス(5.2.9.2 参照)

R

s

信号源一次側抵抗(抵抗=50Ω)

5.2.9.2 参照)

備考  CCF は回路補正係数であり,直流バイアスのない第三高調波の近似によって与えられる。


4

C 2560-2

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4. 

標準試験状態

4.1 

一般事項  磁心は,必要があれば規定の測定方法のための消磁を 5.1.2 によって行う。

すべての試験手順の間,磁心は機械的及び磁気的な障害から保護されていなければならない。測定コイ

ル上に温度変化による結露があってはならない。

4.2 

標準大気条件(標準状態)  他に規定がない場合,全ての測定は JIS C 60068-1 の標準試験状態にお

ける温度及び湿度の範囲内で実施する。測定の間,測定結果に大きな影響を及ぼすほどの温度変化があっ

てはならない。恒温槽が必要な場合,磁心及び締付けジグが温度平衡に達するのに十分な時間,試験環境

に放置し,測定中も温度を一定に保つ。

備考  測定は,15∼35  ℃の温度範囲(望ましくは 25  ℃±3  ℃)及び 25∼75  %の湿度範囲内で実施

する。

5. 

電磁気的試験  フェライト磁心の電磁気的特性は,次の手順で測定する。

5.1 

一般事項

5.1.1 

一般的な注意事項

a) 

実用上との関係  測定条件は,磁心の性能を判定するのに適したものを選択する。すべての条件が一

般的に広く用いられている条件と一致しなくてもよい。

b) 

組立磁心の固定  組立磁心は,測定の間締付けジグで固定する。この締付けジグは,接触面に均一な

力が加わり,磁心をしっかりと固定できるものでなければならない。締付けジグの締付け圧力は,測

定する特性の変動をできるだけ小さくするような範囲の値とする。測定の間,締付け圧力は±10  %の

許容差で一定に保たなければならない。

備考  インダクタンスはこの締付け圧力の変動に最も敏感な特性であるため,インダクタンス測定の

ための特別な締付け圧力を規定してもよい。また,この圧力を他の測定に適用してもよい。

組立磁心の接合面は,測定前にきれいな状態にしておく。境面及び加工面からは特にほこり

を取り除く。磁心に測定コイルを組み込むときに,座金などの非磁性な緩衝材で固定する。磁

心は,ずれないように配置し,測定時間内の特性の変動が無視できるほど十分な時間,規定し

た力を加える。

c) 

測定コイルの選定  測定コイルは,次の指針を参考に選定する。

−  巻数は測定条件,使用する測定器及び必要な測定精度との兼ね合いで規定する。

−  巻線の抵抗成分及び静電容量成分は,関連する測定誤差と比べて,無視できる程度に小さくする。

複数巻線したコイルからなる磁心の場合,それらの巻線間静電容量はできるだけ小さく保つ。

−  巻線は,できるだけ 100  %の結合状態となるように,磁心の近くに巻く。

−  リング形磁心の場合,

巻線は磁心の周りに均等に巻かなければならない。

他の形状の磁心については,

できるだけ多くの窓(巻き線が挿入される部分)面積を占有するように配置する。これは大きなギャ

ップをもった磁心のインダクタンスの測定のときに,特に重要な注意事項である。

5.1.2 

消磁

5.1.2.1 

目的  測定に先立ち,磁心を再現性のある消磁状態にする。

5.1.2.2 

原理  消磁には,次の二つの方法がある。

a)

磁心に十分な強さの交流磁界を印加し,その振幅を徐々に 0(零)に近付ける電気的方法

b)

磁心をキュリー温度以上にする熱的方法


5

C 2560-2

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5.1.2.3 

電気的方法の手順  磁界の強さの初期のピーク値は,磁化曲線の変曲点よりも十分に大きく,振

幅を減少させるときには,1 サイクルに 2 回磁束が方向変換するようなものでなければならない。

次の二つの方法のうちいずれかを行う。

a)

磁気履歴を消去しながら,測定コイルに交流電流を流す。電流の減少が線形的な場合は1)

,指数関数

的な場合には2)による。磁心には,消磁を実施する間,電流による発熱があってはならない。

1)

線形的な場合:正弦波発生器で電力増幅器に入力信号を供給する。適切なゲイン制御回路を使い,

望ましい周波数及び規定のピーク振幅を調整するために磁心の試験巻線に電流を流し,間隔ごとの

出力信号の振幅を調節する。交流は 50 Hz 以下でなければならない。

2)

指数関数的な場合:コンデンサはプリセット電圧で充電し,調整する磁心の試験巻線と直列なイン

ダクタを介して放電する。放電回路におけるコンデンサ,磁心の巻線と直列なインダクタ及びその

他の部分が,振動電流を決定する。同方向での各交流電流ピーク値の比は,0.78 以下でなければな

らない。

b)

磁心を電磁石のギャップの中で交流磁界にさらす。コイルの巻数,電流及びギャップの寸法は,ギャ

ップに約 25 kA/m の磁界の強さが得られるように調整する。

5.1.2.4 

熱的方法の手順  磁心は規定の温度変化速度で加熱し,キュリー温度より約 25  ℃高い温度で 30

∼60 秒間そのままの状態を維持する。加熱速度は,2  ℃/s を超えてはならない。また,冷却速度は 5  ℃/s

を超えてはならない。この方法を用いる前に,加熱サイクルの結果として,磁心材料が非可逆変化を示さ

ないものであることを確認する。すべての手順の間,磁心は,磁気的障害及び機械的ストレスから守られ

なければならない。

5.1.3 

測定精度  特性の測定中に得られる精度は,その測定方法と関連する。試験方法は,その精度が規

定の特性限界値を満足するように選択する。

測定における精度は,使用する測定装置固有の精度だけでなく,環境条件及び磁心と測定コイルとの組

立状態によって決まる。これは測定のために暫定的な方法で磁心と測定コイルとを組み立てることによっ

て起こる。フェライト材料で作られた磁心の測定方法の精度は本質的に限定され,一般磁性部品に用いる

測定方法の精度とは異なる。したがって,磁心の測定方法とその磁心を使用した磁性部品の測定方法との

必要な相関関係を考慮することが望ましい。

5.2 

低磁界における磁気特性の測定

5.2.1 

透磁率測定に関する一般的注意事項

a) 

パラメータ  磁心の実効透磁率は,磁気履歴,時間,温度,磁界強度,機械的圧力,測定電流の周波

数,磁心形状,測定巻線の位置などの多くの要因に依存する。この規格で説明する個々の測定方法で

は,例えば時間,温度などの要因の一つを選択し,測定の間は他のすべての要因による影響を排除す

ることに注意する。

例えば,締付けジグの締付け圧力は,圧力の変化が測定結果に影響しないように,時間の経過又は

温度の変化によらず一定でなければならない。

b)

組立磁心の固定  組立磁心の固定は,5.1.1 b)による。

5.2.2 

低磁界での損失測定に関する一般的注意事項

5.2.2.1

損失の要因  低磁界では,コイルなどを用いて測定する磁心の損失は,多くの要因を含んでいる。

それは磁心固有のもの,コイルなどと測定器との接続によるものなどである。

コイルを用いる測定では,次の要因によって損失を区別することができる。

−  コアロス


6

C 2560-2

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−  コイルの直流損失

−  表皮効果及び近接効果による損失

−  コイルの誘電損失

−  接続された配線の損失

−  その他の要因による損失(例えば,コンデンサとの共振)

全損失からコアロスを分離できるように,

他の要因による損失を無視できる測定条件を選び,

設定する。

コイルの直流損失及びその他の要因による損失は,測定時に分離することが可能である。また,それ以外

に起因する損失は,計算又は実験によって求めることも可能である。

ギャップがないか又はあっても非常に小さなフェライト磁心(例えば,リング形磁心及びギャップのな

い形状の磁心)では,コアロスの限定(分離)は比較的容易である。理由は,適切に設計されたコイルを

用いることよって,コアロスが他の要因による損失よりはるかに大きな値を示すようになるためである。

これは,コアロスを得ることが難しいギャップ付き磁心の測定には当てはまらない。

ギャップ付きの場合,次の二つの測定方法がある。

a) 

ギャップがない状態で測定した損失を基に,ギャップ付き磁心の損失を計算する。

備考  ギャップ付き磁心と異なる形状をしたギャップなし磁心の損失値を用いてはならない。同材質

で作られたリング形磁心を使った場合,渦電流損失は磁心の形状に大きく影響を受けてしまう

ためである。ただし,中心部に開口がある形状にトロイダル状(環状)に巻線した磁心は,こ

の限りではない。

b) 

磁心及びコイルの損失の分離はせず,同一構造及び同一直流抵抗をもつコイルを使って,異なる磁心

を測定して得られた結果と磁心及び測定コイルの全損失とを比較する。

最良な方法は同じ製造元のものか,少なくとも(空心)コイルの直流抵抗値を含む同一仕様の測定

コイルを用いることである。

5.2.2.2

組立て  磁心と周囲の物との間に磁気的な結合が生じないようにする。

試料の移動による付加的な誤差が生じないように,測定コイルなどと測定装置とはできるだけ短く配線

する。配線部分における誘導電圧の影響を軽減させるために接続導線をねじるのも効果的である。組立磁

心と測定コイルとは通常 5.1.1 b)によって固定する。

備考1. tan

δ

η

B

及び THD

F

の測定に関して,締付け圧力は 0.2 N/mm

2

±10  %に保持し,突合せ面に

垂直な方向にだけ力を加えることが望ましい。

2.

A

L

α

 

F

D

F

及び Z

N

の測定に関して,実効断面積(A

e

)

が 50 mm

2

未満である磁心については締

付け圧力を 0.6∼1.0 N/mm

2

の範囲とし,実効断面積(A

e

)

が 50 mm

2

以上の磁心については締付

け圧力を 50 N±10  %とすることが望ましい。

磁心の測定巻線の位置決めは,5.2.4.3 による。

5.2.3 

消磁  消磁は,5.1.2 による。

5.2.4 

インダクタンス

5.2.4.1

一般事項  5.2.5では測定方法の詳細ではなく,電気計測器に依存する,インダクタ及びトランス

のインダクタンスの測定についての一般的な注意事項を規定する。

測定の目的は,次の三つに分類される。

a) 

磁心のインダクタンス特性の絶対値を求める。

b) 

ある条件の下でインダクタンス値の条件依存を求める。

c) 

測定結果から特定条件下での磁心材料の透磁率を計算によって求める。


7

C 2560-2

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5.2.4.2

試験信号の決定  インダクタンスの測定には,交流磁気特性測定装置を使用する。装置は周波数

が選択でき,電圧値又は電流値のいずれかが設定可能な正弦波交流信号を出力できなければならない。装

置の試験信号は電圧及び電流の大きさに限界があるため上限値には注意する。等価並列回路が指定されな

い場合,等価直列回路を使用して測定する。

測定装置の推奨精度は,それぞれの周波数におけるインピーダンス又はインダクタンスレベルによって

変化するため,それぞれの周波数における特定のインピーダンスについて装置の要求精度を検証する。

測定電流の周波数及びピーク磁束密度は,一定に保つ。

備考  磁心のピーク磁束密度 B(交流磁束密度)は,次の式によって算出する。

e

rms

2

2

A

N

f

V

B

×

×

×

=

π

 (7)

ここに,

B: ピーク磁束密度(T)

V

rms

コイルに印加された正弦波電圧の実効値(rms 値)

f: 信号周波数(Hz)

N: 巻数

A

e

実効断面積(m

2

)

推奨するピーク磁束密度は,0.5 mT である。この磁束密度の値は,レイリー領域内にある。

試験周波数は,10 kHz 又は 100 kHz のいずれかであることが望ましい。次の基準によって 10 kHz 又は

100 kHz

を選択する。

a) 

測定装置は,試料の予想されるインピーダンスに必要な交流電圧及び交流電流を供給する能力をもつ。

b) 

試験装置は,要求精度を満足する能力をもつ。

c) 

試験周波数は,自己共振周波数から十分に離れていなければならない[周波数を変えることによって

自己共振の影響が無視できる程度の値(10  %未満)になるようにする。

d) 

磁性材料の透磁率の周波数依存が低い[周波数を変えることによって周波数依存性の影響が無視でき

る程度の値(10  %未満)になるようにする。

自己共振周波数の影響を避けてインダクタンスを測定するのに適切な周波数範囲を,

図 に示す。

自己共振に起因するインダクタンスの変化を無視するように,自己共振
周波数より低い周波数でインダクタンスを測定する。

周波数

イン

ダク

タン

  1  自己共振周波数がインダクタンス測定値に与える影響の概念図

5.2.4.3

試験コイルの決定  通常,測定コイルを使用するが,磁性材料と電磁信号との必要な相互関係を


8

C 2560-2

:2006

満たすために他の適切なコイル装置を使用してもよい。

コイルと磁心との組合せによるインダクタンスの測定は,次の事項の影響を受けやすい。

−  巻数

−  導体材質,寸法及び構造

−  磁気回路に適応した巻線方法

−  巻線占積率

測定コイルの仕様には,これらの各影響について十分な注意を促すような記述をすることが望ましい。

5.2.4.2

に示した推奨する二つの測定周波数及び三種類の磁心形状に対して,十分な測定分解能を得るため

に,磁心形状,試験周波数及びインダクタンス係数 A

L

と巻数との関係を,

表 に示す。三種類の磁心には

それぞれ異なったタイプの巻線を施す。

−  リング形磁心のトロイダル巻線

−  一般 E 形磁心のボビン巻線

−  プレナー形磁心のプレナーコイル巻線

  1  磁心形状,試験周波数及びインダクタンス係数 A

L

と巻数との関係

磁心形状

巻数

周波数

kHz

インダクタンス係数 A

L

nH/N

2

          10

> 10 000

          1

        100

> 1 000

          10

> 100

        10

        100

> 10

          10

リング形磁心

   100

        100

          1

          10

        10

          10

一般 E 形磁心

      100

          10

> 10 

          10

          1

        100

          10

> 100

        10

        100

> 10

          10

プレナー形磁心

   100

        100

a) 

リング形磁心  ギャップ付きリング形磁心は,特に導体の位置に影響を受けやすい。ギャップ付きリ

ング形磁心は特定な例として,巻線とギャップとの相対位置を規定しなければならない。ギャップの

入っていないリング形磁心は,比較的巻線の位置に影響を受けにくい。

巻数 10 ターンの場合,測定巻線は磁心の円周の上で均等に巻き付けなければならない。

初透磁率が 100 未満であるギャップの入っていないリング形磁心では,空洞形の測定用ジグを測定

用又は相関用として使用する。

b) E

形磁心  標準コイルとして,ボビンに導線を層巻によって巻線する(巻線面積の 85  %以上)表 1

の巻数及び 5.2.4.2 c)を満足するコイルを推奨する。しかし,磁心が大きければ大きいほど巻線された

導体の厚さが薄くなるため,ボビンに十分巻線することは難しくなる。

標準コイルと著しく異なった特殊な測定用コイルを使用する場合には,測定相関をとる必要がある。


9

C 2560-2

:2006

ギャップ付き磁心の場合,測定されるインダクタンスの値は,測定用コイルのボビンの巻枠がどの

程度巻線で占められているかによって影響を受ける。例えば,わずかに巻線されたコイルは,十分に

巻線されたコイルよりも測定されるインダクタンスの値は小さくなる。巻線の占める割合が小さいほ

ど差が大きくなり,又は大きなギャップ付き磁心ほど差は大きくなる。

両面にギャップ付けされた磁心では,コイルを片方の磁心に固定するように位置決めする。片面だ

けにギャップ付けされた磁心では,コイルをギャップ付けされた側に固定するように位置決めをする。

測定の再現性を得るために,測定用コイルの片面に方向性を明示するための印を付けて,一連の測

定の間決められた位置を保つようにする。

c) 

プレナー形磁心  プレナー形磁心を,通常の巻線用導線を使った巻線,幅広導体はくを使った巻線及

びエッジワイズ巻線のプレナーコイルで試験した例を示す。プレナーコイルを用いて測定の再現性を

実現するために,

製造業者及び使用者は可能な限り 5.2.4.3 b)の規定に従って測定することを推奨する。

ただし,次の主な二つの問題を考慮する必要がある。1)  プレナー形状によって小さくなった窓面積に

よる形状の影響  2)  一般導線を使用したコイルとプレナーコイルとの相関

1)

幾何学上の影響  ほとんどのプレナー形磁心には,実用上 100 ターンも巻線することができない。

このため,

表 に 10 ターンのプレナー巻線を使用した場合の推奨条件を示す。巻数が 10 ターンの

ように少ない場合,測定結果は漏えい磁束及びボビンの巻線占有率に大きな影響を受ける。巻線の

占有率及びコイルの構造による影響は他の磁心形状よりも大きい。ロット間及び製造業者・使用者

間の測定値の再現性を最大限に確保するためには,実用上の最大巻数(100 ターン以下)を巻線し,

窓枠一杯に巻線した(窓面積占有率は約 85  %以上)コイルを使用することを推奨する。

2)

相関への影響  プレナー形磁心が使用される用途では,一般的に巻数の多い通常の導線は用いない。

事実プレナー形磁心を使った用途では,巻数の少ない(例えば 3∼10 ターン)プリント基板配線に

よるプレナーコイルが主に使用されている。少ない巻数のプレナーコイル及び巻数の多い一般導線

によるコイルなど,様々な種類のコイルで測定した A

L

値は,形状的な影響を非常に大きく受けるた

め,

測定用コイルと実使用コイルとの間の相関の入念な解析が必要である。

幾つかの事例において,

製造業者と使用者とが合意の上で,生産時に使用する実際のコイルを測定用コイルに使うことがあ

る。ただし,プレナーコイルを使用した場合の測定ごとのデータの再現性は,巻数の多い通常導線

の測定用コイルを使用した場合よりも測定相関は低下するおそれがあるということを使用者は留意

しなければならない。

5.2.4.4

組立磁心の測定時に考慮すべきこと  測定用コイルを合わせて組み立てた磁心では,磁心は測定

用コイルの直近に配置し,非磁性の締付けジグによって保持する。もし,磁心の接合面のすり合わせによ

ってより高いインダクタンス値となり,インダクタンス測定の再現性を改善させられるならば,製造業者

は使用者に対してすり合わせ方法の詳細を示す。

組立磁心に測定用コイルを装着する場合,測定には締付けジグを使用する。この締付けジグは,5.1.1 b) 

に従ったもので,磁心に曲げひずみを与えることなく接触面への固定力が,均一で接合面に垂直に加わる

ものでなければならない。締付け圧力は,実効断面積 A

e

が 50 mm

2

よりも小さい磁心の場合,

0.6

∼1.0 N/mm

2

の範囲に,50 mm

2

以上の磁心の場合,50 N±10  %で保持することを推奨する。

5.2.4.5

磁心結合構造に関連するパラメータ

a)

インダクタンス係数 A

L

値  インダクタンス係数は,次の式(8)によって磁性材料の実寸法及び透磁率

に関係付けられる。


10

C 2560-2

:2006

(

)

2

2

measured

e

e

e

0

L

N

H

N

L

l

A

A

=

×

×

=

µ

µ

 (8)

ここに,

µ

 

0

磁気定数[0.4π

×10

-6

(H/m)

µ

 

e

実効透磁率

A

e

実効断面積(m

2

)

l

e

実効磁路長(m)

L

measured

測定インダクタンス(H)

N: 測定用コイルの巻数

b)

実効透磁率

µ

e

  固有の又は設定されたギャップをもつ磁心の A

L

を求めるに当たって式(6)を適用する

ためには,次の式(9)のように磁路部分の寸法を考慮した実効透磁率を用いる。

(

) (

)

(

)

e

i

e

e

e

e

A

l

l

A

l

A

l

×

+

=

µ

µ

g

g

g

 (9)

ここに,

l

e

:  実効磁路長(m)

A

e

:  実効断面積(m

2

)

l

g

:  実効ギャップ長(m)

µ

 

i

:  初透磁率

A

g

:  実効ギャップ面積(m

2

)

もし,A

g

 =A

e

,かつ,l

g

が  l

e

より十分小さい場合,実効透磁率はより簡単な次の式(10)となる。

i

e

e

1

1

µ

µ

+

=

l

l

g

 (10)

実効透磁率を求めるこの式は,周辺磁束の影響を考慮していない。実効透磁率は,ギャップの周辺に発

生する磁束によってこの式で求められる値より明らかに大きくなる。ギャップ長 l

g

が大きくなれば,測定

される実効透磁率

µ

e

の値はより大きくなる。周辺磁束によって

µ

e

の値がどの程度大きくなるかは,磁心の

巻数,コイル設計及び磁心形状による。

5.2.4.6

磁性材料パラメータ

a)

初透磁率

µ

i

measured

2

e

e

0

L

N

A

l

×

×

×

=

µ

µ

i

(11)

ここに,  L

measured

5.2.4.2

で定義される低磁界におけるリング形磁心の測定

インダクタンス(H)。磁心はリング形が望ましく,磁気回
路にギャップがあってはならない。そうでなければ,
L

measured

はフェライト材料固有の

µ

 

i

でなく,構造に依存し

µ

e

(実効透磁率)を求めることになる。

l

e

実効磁路長(m)

µ

 

0

磁気定数 [0.4π

×10

-6

(H/m)]

A

e

実効断面積(m

2

)

N: 測定用コイルの巻数

b)

複素比透磁率

µ

r

f

Z

N

A

l

×

×

×

=

π

µ

µ

2

measured

2

e

0

e

r

 (12)

ここに,  Z

measured

5.2.4.2

で定義される低磁界におけるリング形磁心のイン

ピーダンス(

Ω)。インピーダンスは,規定の信号周波数で


11

C 2560-2

:2006

測定する。インピーダンスは,他に規定がない場合,直列
測定モードで測定する。

l

e

実効磁路長(m)

µ

 

0

磁気定数 [0.4π

×10

-6

(H/m)]

µ

 

r

s

複素比透磁率(直列測定モードの場合)

µ

r

p

複素比透磁率(並列測定モードの場合)

f: 試験信号周波数(Hz)

A

e

実効断面積(m

2

)

N: 測定用コイルの巻数

c) 

複素比透磁率の実数部(

µ

'

r

)

measured

2

e

0

e

'

L

N

A

l

×

×

×

=

µ

µ

r

 (13)

ここに,  L

measured

5.2.4.2

で定義される低磁界におけるリング形磁心

の測定インダクタンス(H)。インダクタンスは,規
定の信号周波数で測定する。インダクタンスは,
他に規定がない場合,直列測定モードで測定する。

l

e

実効磁路長(m)

µ

 

0

磁気定数[0.4π

×10

-6

(H/m)]

µ

' 

r

s

複素比透磁率(直列測定モードの場合)の実数部

µ

'

r

p

複素比透磁率(並列測定モードの場合)の実数部

A

e

実効断面積(m

2

)

N: 測定用コイルの巻数

d) 

複素比透磁率の虚数部

µ

''

r

f

R

N

A

l

×

×

×

=

π

µ

µ

2

measured

2

e

e

0

"

r

 (14)

ここに,  R

measured

5.2.4.2

で定義される低磁界におけるリング形磁心のイン

ピーダンスの実数部(Ω)

。抵抗は,他に規定がない場合,

直列測定モードで測定する。

l

e

実効磁路長(m)

µ

 

0

磁気定数[0.4π

×10

-6

(H/m)]

µ

'' 

r

s

複素比透磁率(直列測定モードの場合)の虚数部

µ

''

r

p

複素比透磁率(並列測定モードの場合)の虚数部

A

e

実効断面積(m

2

)

f: 測定信号周波数(Hz)

N: 測定用コイルの巻数

5.2.6 

直流重畳インダクタンス  直流を重畳させて,交流磁界における磁心のインダクタンスを測定する

方法について規定する(5.2.4.2 参照)

5.2.5.1

測定時に考慮すべきこと  磁心の測定用コイルに,規定の直流電流を流してインダクタンスを測

定する。そのときに電流は低い方から連続的に増加させる。電流を重畳させるインダクタンス測定は,5.1.2

によって磁心が消磁された状態になってから再度測定することが望ましい。

5.2.5.2

試料  これらの測定の場合,磁化されていない状態の磁心によって行うことが最も望ましい。以前

に交流又は直流によって励磁された履歴がある磁心は,次の測定に先立ち,5.1.2 によって消磁する。測定

には生産品の磁心又は物性測定用に特別に準備された磁心を用いる。


12

C 2560-2

:2006

備考  同じ寸法の磁心であっても異なるギャップをもった磁心同士には,その測定結果に相関はない。

5.2.5.3

測定コイル  測定用コイルの決定は,5.2.4.3 による。測定時に磁心の温度変化によってインダク

タンスが変化しないように,流す直流電流の最大値によって導線径を選定する。

二つの巻線を使用する場合,結合が一番大きく取れるようにし,望ましくは同じ径の導線によって並列

に巻かなければならない。

備考  ギャップのある磁心の測定の場合,コイルは,巻線が可能な領域及び電流容量に見合ったでき

るだけ多くの巻線を行う。

5.2.5.4

測定手順

a) 5.2.4.3

及び 5.2.4.4 によって磁心を測定用コイルに組み込む。

b) 

測定磁心は,5.1.2 によって消磁を行う。

c) 

前処理の後,磁心の温度を安定させるために 15 分間経過した後に,5.2.4.3 によって交流信号を用いて

インダクタンスを測定する。測定に当たって,磁束密度のピーク値は磁心のいかなる部分においても

1.0 mT

を超えてはならない。測定周波数は規定する。

d) 

重畳する直流電流は,

規定の最低値から最高値まで連続的に増加させる。電流の調整に要する時間は,

コイル及び磁心の温度変化が 1  ℃以下となるようにする。

e) 

直流が重畳するインダクタンスの測定においては,以前に励磁されていないもの又は消磁したものだ

けを用いる。測定を行う前に,最低でも 1 回は b)c)及び d)の工程を実施すれば,実効透磁率が 1 000

より大きい磁心でも再測定することができる。

備考  温度を変えて測定する場合,b)c)及び d)の工程を繰り返した後に測定を実施する。

参考  直流重畳インダクタンスの測定回路の例を,参考として次に示す。

a)

供試コイルと別に直流重畳コイルを設けた場合

b)

供試コイルに直流重畳した場合

b)

供試コイルに直流重畳した場合

参考図  1  直流重畳インダクタンス測定回路例


13

C 2560-2

:2006

5.2.7 

ディスアコモデーション  時間に対する磁心の透磁率の変化として定義するディスアコモデーシ

ョンの測定方法は,

附属書 による。

5.2.8 

透磁率の温度係数

5.2.7.1

試料  測定に使用する磁心は,正常な生産品から抜き取る。組立磁心を使用する場合,インダク

タンスの変化は標準の巻線で測定する。中心部に空洞をもつ磁心の場合,その部分をトロイダルとみなし

て巻線してもよい。

インダクタンスの変化は,標準巻線で得られた結果とほぼ等しいか又は相関がとれていることを確認し

てから測定する。

5.2.7.2

測定手順  測定磁心(試料)は,温度コントロールされた槽内に置くこととする。T

ref

(25  ℃が

望ましい。

)における自己インダクタンス L

ref

と異なる温度 における自己インダクタンス L

T

を測定し,

次の式(15)によって温度係数を計算する。

(

)

(

)

(

)

(

)

ref

ref

ref

T

ref

ref

ref

T

µ

T

T

T

T

L

L

L

×

=

×

=

µ

µ

µ

α

 (15)

ここに,

L

ref

基準温度 T

ref

(25  ℃が望ましい)で測定した自己インダク

タンス

L

T

温度 で測定した自己インダクタンス

自己インダクタンスの測定は,各温度で 2 時間(推奨)保持した後に行い,電流は測定の間だけ流す。

測定条件は,5.2.2.25.2.4.3 及び 5.2.4.4 に従う。低温から高温の順に測定を行う。

備考1.  温度係数は,一般的に,与えられた温度範囲内の磁心の透磁率変化の限界値を計算するため

に用いられる。透磁率の温度変化に対する直線性の限界から,温度係数は記載された温度範

囲内だけの動作であることを考慮する。この特性が非線形であると T

ref

の選択によって異な

る温度範囲では異なる温度係数となることに留意すべきである。

より小さい温度範囲を選択する場合,直線からの逸脱は非常に重要となる場合がある。リ

ング形磁心,トロイダル巻線した中央部に空洞のある磁心,又は組合せ磁心では,測定中に

残留ギャップ(予期しえない見かけ上のギャップ)の熱的な変化を誘発することを避けるた

めにギャップをもつ磁心を使うことを推奨する。

2.

温度係数

α

F

は一般的に製造業者の仕様に使われ,次のように定義する。

(

)

(

)

(

)

(

)

eref

µe

iref

µi

ref

2

ref

ref

T

ref

2

ref

1

ref

T

2

0

F

µ

α

µ

α

µ

µ

µ

µ

α

=

=

×

=

×

×

×

×

=

T

T

T

T

L

C

L

L

N

 (16)

ギャップをもつ磁心で,その温度範囲内で透磁率の変化が十分に小さい場合,次の近似式に

よって表される。

L

1

0

µ

F

A

C

×

×

=

µ

α

α

 (17)

ここに,  C

1

:  磁心定数

A

L

:  磁心のインダクタンス係数

µ

0

:  磁気定数(0.4π×10

-6

 H/m)

N:  測定コイルの巻数

µ

T

:  ある温度における初透磁率

L

T

:  ある温度における自己インダクタンス

3.

インダクタンスの温度係数は,磁心の温度係数とは別に,締付けジグ,巻線などの他の要因


14

C 2560-2

:2006

によって影響を受けることがある。

5.2.9 

低磁界における損失

5.2.8.1

目的  ギャップ付き及びギャップなし磁心双方の損失に関する一般的な測定について説明する。

5.2.8.2

測定コイル  測定コイルの詳細な構造は関連個別仕様書で与えられるものとする。構造は基本的

に次の内容を考慮する。

a) 

複数の部分で構成される磁心用のコイルは,可能な限り測定周波数における磁心の Q[式(18)参照]

が最大になるように設計する。これによってコイルの損失は無視することができる。このような設計

が難しい場合,より線,低巻数及び/又は分割巻きコイルを使用することによって巻線損失及びコイ

ル絶縁による誘電損失をできるだけ小さくし,測定結果にはコイルの直流抵抗損失の補正だけを行え

ばよいようにする。

コイル損失を補正しても誤差が無視できないときは,標準コイルを使用し,磁心及びコイルによる

損失を規定する[5.2.2.1 b)参照]

。ギャップ付き磁心のように の高い磁心を測定する場合,標準コ

イルを使用し,磁心を交換しながら行う。

b)

トロイダル磁心巻線は,絶縁被覆導線を磁心円周上に均等に巻線することが望ましい。

5.2.8.3

相対損失係数の測定  規定の損失限界値が精度よく測定可能で,周波数及び磁束密度を規定値に

調整できる LCR-ブリッジなどの測定装置を使用する。磁束密度の値が規定されていない場合,5.2.4 に応

じて,同じ磁心におけるインダクタンス測定のための値以下で行う。

コイル損失の補正が必要な場合,次の方法で行う。

磁心入りコイルの直列抵抗及びインダクタンスを測定し,コイルの直流抵抗分を差し引く[5.2.8.2 a)

照]

。必要な場合,コアロスを表現することのできる並列抵抗,式(18)によって などに変換する。

損失係数をギャップ加工前に測定する場合[5.2.2.1 a)参照]

,ギャップ付き磁心の損失は次の式(19)によ

って算出する。

Q

L

f

R

r

r

1

2

tan

measured

measured

=

×

×

=

×

×

′′

=

π

µ

µ

δ

 (18)

(

)

e

i

e

tan

tan

µ

µ

δ

δ

×

=

 (19)

ここに, tan

δ

e

ギャップ付き磁心の実効透磁率を加味した損失角の正接

tan

δ

 /

µ

i

ギャップ加工前の磁心(同一ロット又は同形状磁心)で
測定した相対損失係数

備考  ギャップ研削による機械的ストレスが磁心の総合損失に影響を与えていない場合は,上の方程

式は有効である。

5.2.8.4

ヒステリシス損失の測定  ヒステリシス損失の測定には,5.2.8.3 の測定器を使用する。ヒステリ

シス損失は,関連個別仕様書で周波数とともに規定のピーク磁束密度値

1

及び

2

において測定する損失

の差から求める。

1

2

tan

tan

tan

h

÷÷ø

ö

ççè

æ

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

÷÷ø

ö

ççè

æ

µ

δ

µ

δ

µ

δ

 (20)

ここに,

h

÷÷ø

ö

ççè

æ

µ

δ

tan

ヒステリシス損失係数

2

tan

÷÷ø

ö

ççè

æ

µ

δ

高い側の規定磁束密度で測定した相対損失係数

1

tan

÷÷ø

ö

ççè

æ

µ

δ

低い側の規定磁束密度で測定した相対損失係数


15

C 2560-2

:2006

ヒステリシス材料定数は,次の式(21)によって算出する。

(

)

(

)

(

)

e

1

2

1

2

1

2

B

tan

tan

tan

1

µ

δ

δ

µ

δ

η

×

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

=

h

 (21)

ここに,

η

B

:  ヒステリシス材料定数

例えば,エアギャップ付き磁心測定においては,近似式

( )

( )

e

µ

µ

µ

=

1

2

ˆ

ˆ

B

B

は有効である。

備考  損失角の測定精度は,ギャップの増加とともに減少する(5.2.2.1 参照)。

5.2.10 

総高調波ひずみ

5.2.9.1

試料  組立磁心の固定及び測定巻線の選択は,5.1.15.1.3 による。一次巻線及び二次巻線は,一

つのボビンに層巻きする。

5.2.9.2 

測定器及び測定回路  図 に THD

F

(Total Harmonic Distortion Factor)

の測定回路例を示す。測定器

と試料との間の配線は,シールド付きのツイストケーブルを推奨する。

回路部分もシールドすることを推奨する。

R

s

:信号源一次側抵抗(抵抗=50Ω)

L

1

:一次側インダクタンス

V

1

:入力電圧(V

rms

)

V

2

:出力電圧(V

rms

)

N

1

:一次巻線の巻数

N

2

:二次巻線の巻数

備考1.  THD

F

測定では,N

1

及び N

2

の巻数は同一にする。

2.  THD

F

測定では,CH

2

の入力インピーダンスは 100 kΩ以上とする。

  2  THD

F

の測定回路の例

5.2.9.3 

測定手順  測定周波数が 5 kHz 及び 10 kHz の場合は,磁束密度を 50 mT に設定する。25 kHz の場

合は,30 mT に設定する。周囲温度は 25  ℃±3  ℃に設定する。組立磁心は,金具などで固定しなければ

ならない。金具などの締付けジグは 5.1.1 b)に従って接触面に垂直で均一な力がかかり,磁心に曲げ応力が

加わらないものでなければならない。締付け圧力は,0.2 N/mm

2

±10  %を推奨する。

備考  THD は締付け圧力に敏感で,力が増加すると THD も増加する。

a) 

磁束密度特性  THD は,5.2.9.3 によって測定する。磁束密度の設定は,信号源の出力電圧ではなく,

一次電圧 V

1

から計算によって求める。

b) 

温度特性  試料は,温度制御できる恒温槽内に入れる。THD の測定温度は,−40  ℃,−20  ℃,0  ℃,

25

℃,40  ℃,70  ℃及び 85  ℃とする。試料は測定前の 30 分間,各温度に保つ。

備考  5.2.7.2 で推奨する温度係数測定のための温度保持時間は 2 時間であるが,THD 測定の場合,温

度係数測定のときほど温度変動による影響は大きくないので,保持時間は 30 分間が適切である。

Specim en

R

S

 

1

N

2 

V

1 

L

1

V

2 

CH

1

CH

2

            試料

N

1


16

C 2560-2

:2006

5.2.9.4  THD

F

測定のための A

L

値及び巻線条件  一次巻線及び二次巻線の巻数は同一とし,コイル部の同

一部分にバイファイラ巻きで巻く。5.2.9.3 に規定の磁束密度を得るためには,

表 から磁心寸法に依存す

る A

L

値及び巻数を選択する。

  2  THD

F

測定のための A

L

値及び巻数

磁心形状

インダクタンス係数 A

L

A

e

mm

2

EP

形磁心 RM 形磁心

E

形磁心

ポット形磁

nH/N

2

公差

%

巻数

N

1

 =

N

2

3

∼14.4 EP7,EP10

E5.3/2

∼E13/4

P5.8/3.3

P7.4/4

, P9/5

     63

±5

71

14.4

∼26.7 EP13 RM4, RM5  E13/4, E16/5

P11/7

    200

±5

39

26.7

∼55 EP17 RM6, RM7  E20/6, E25/7

P14/8

P18/11

    630

±10

22

55

∼90.3

EP20

E32/9

P22/13

  1 600

±15

14

90.3

∼100   RM8,

RM10

  2 000

±15

12

備考1.  指定する磁束密度に到達するためには,開放電圧は少なくとも 10 V の実効値に設定できなければならな

い。

2. 

A

e

は,実効断面積である。

5.2.9.5 

材料特性−THD

F

a) 

試料  磁心材の特性評価のためには,トロイダル磁心を推奨する。寸法は,R10 から R30 を推奨する。

b) 

手順及び測定条件  測定回路及び手順を 5.2.9.2 及び 5.2.9.3 に示す。

備考  巻数は,磁束密度条件によって設定する(附属書 参照)。

c)

総高調波ひずみ係数(THD

F

)

  THD

F

は,3.16 の式によって算出する。

5.2.11 

キュリー温度  測定する磁心を恒温槽に置き,温度を上昇させながら自己インダクタンス(L)を測

定し,インダクタンスと温度との関係を記録する。昇温速度は 1  ℃/分以下が望ましい。キュリー温度は,

インダクタンス最大値(L

max

)

の 80  %の点(L

80

)

と 20  %の点(L

20

)

とを直線で結んだ延長線と,磁心のないコ

イル単独のインダクタンスである L

0

ライン(X 軸)との交点として定義する。

なお,キュリー温度の記号は T

c

である。

  3  キュリー温度

L

max

L

80

L

20

L

o

温度

キュリー温度

イン

タン

温度

インダク

タンス

L

0


17

C 2560-2

:2006

5.2.12 

正規化インピーダンス及びコンダクタンス

5.2.11.1 

目的  共通の用途に関連する周波数依存材料パラメータの測定のための一般的な注意事項を提供

する。

5.2.11.2 

測定手順  測定手順は,5.2.4 による。

5.2.11.3 

正規化インピーダンス  1 ターンで測定した磁心の正規化インピーダンス Z

N

(

f

 

)

は,次の式(22)及

び式(23)によって算出する。

2

s

r,

2

s

r,

0

N

2

)

(

µ

µ

µ

π

′′

+

×

×

=

f

f

Z

 (22)

1

ターン以上で巻線した磁心のインピーダンス Z(

f

 

)

は,次の式によって予測できる。

)

(

)

(

N

2

e

e

f

Z

N

l

A

f

Z

×

×

=

 (23)

ここに,

l

e

実効磁路長(m)

A

e

実効断面積(m

2

)

備考  インピーダンスの実測値は,測定コイルの自己静電容量の影響によって,予想されるインピー

ダンスの真値と異なる。1 ターンでは,Z

N

)

の精度の高い測定値は得られない(5.2.4.2 参照)

Z

N

)

は,1 ターン以上巻線したコイルを使用して求める。

5.2.11.4 

コンダクタンス  コンダクタンス g

p

(

f

 

)

は,次の式(24)∼(26)によって算出する。

)

(

1

)

(

p

r,

p

f

f

f

g

µ

′′

×

=

 (24)

なお,磁心の抵抗 R

p

(

f

 

)

は,コンダクタンスを用いた次の式によって算出する。

)

(

1

2

)

(

p

2

e

e

p

f

g

N

l

A

f

R

×

×

×

=

π

 (25)

また,挿入損失に対するコンダクタンスの影響度は,次の式によって算出する。

)

(

)

(

p

L

e

C

f

g

f

f

a

×

×

=

µ

 (26)

ここに,  f

L

:  周波数帯の下限

5.3 

高磁界における磁気特性の測定

5.3.1 

高磁界での測定における一般的注意事項

5.3.1.1 

一般事項

a) 

実用上との関係  測定条件,方法及び手順は,実動状態での磁心の性能判定に適した方法で選択する。

これらはすべての規定事項(特に励起波形に関連するもの)が実用上の条件に一致する必要はない。

b) 

磁心実効パラメータ及び材料特性  磁心は,一般的に不均等な断面をもっており,磁路に沿って一様

に巻線されていない。したがって測定結果は,材料の振幅透磁率及びコアロスではなく,磁心の実効

磁束密度及び実効磁界に対応する実効振幅透磁率及びコアロスを表す。

材料の振幅透磁率及びコアロスを測定する場合,磁心はリング又はトロイダル形を用い,その外径

/内径比が 1.4 以上あってはならず,均一な閉磁路で,誘導結合係数が実際上 1 とみなせるように巻

線する。

c) 

消磁  磁心材料の中での様々な残留磁気及び時間による効果を抹消するために,5.1.2 よって消磁する。

5.3.1.2 

測定コイル


18

C 2560-2

:2006

a) 

巻数  巻数は,測定条件,使用する計測装置及び精度との関係で,各巻線に対して規定する。巻線は,

測定コイル巻線と磁心との間及び測定コイル巻線間の結合係数が可能な限り 100  %に近くなるよう

にする。

巻線の抵抗,自己容量及び巻線間静電容量は,関連誤差を無視できるようできるだけ低くする。

磁心がリング又はトロイダル形状の場合,磁心の周りに均等に巻線する。高周波での測定が必要な

場合,主に励磁巻線のコネクタは,絶縁タイプのより線によって構成する。

備考  角が鋭角な磁心に巻線するとき,電線の絶縁が破壊されないようにする。また,巻線がより線

の場合,素線が切断しないよう注意を払う。

b) 

単巻線  次の場合,励磁及び電圧検出には単巻線を使用するのがよい。

−  磁心の磁束密度 を測定するとき,励磁巻線と電圧検出巻線との間の結合が非常に悪く,無視できな

い誤差を生じる場合

−  巻線間静電容量が高過ぎる場合

−  測定器の入力側への励磁巻線を直接接続できない場合

備考  単巻線を使用する場合,磁心のパワーロスと比べ,巻線のコアロスが無視できる程度に巻線の

抵抗値を小さくした方がよい。

c)

二巻線  励磁巻線が,電圧及び電流測定器と電気的に分離された状態であるとき,励磁巻線と電圧検

出巻線(二重巻線)とを分離して使用した方がよい。例えば,入力側へのフローティング,直流接続

などを避けるためである。

備考1.  励磁巻線及び電圧検出巻線を使用する場合,磁気結合係数が可能な限り 100  %に近くなるよ

うにすることが重要である。

2.

磁心の磁束密度を電圧検出巻線によって測定する場合,磁心のパワーロスは,励磁電流(供

給)巻線の銅損(ワイヤーロス又はオーミックロス)を取り除くことで決定できる。

3.

 200

kHz

以上では二つの巻線を使用した方がよい。

5.3.1.3 

組立磁心の固定  組立磁心の固定は,5.1.1 b)による。締付け圧力は,5.2.2.2 の備考 2.による。

5.3.1.4

測定装置  測定装置は,測定に適した装置を使用する。適切な回路例を,附属書 及び附属書 4

に示す。

規定の測定方法及び/又は測定回路に対して規定した要求事項に加え,次の一般的な要求事項を満足し

なければならない。

a) 

磁束密度(磁界の強さ)によって確実に励磁するために,供試磁心及び電流検出抵抗によって組み立

てる測定コイルにおける励磁巻線の直列インピーダンスと比べて,励磁電源の出力インピーダンスを

低くする。

b) 

励磁に正弦波形が規定されている場合,励磁信号源の全高調波成分は 1  %以下とする。

c) 

測定の間,励磁振幅変動は 0.05  %を超えてはならない。

d) 

電圧計及び他の電圧検出計測機器の周波数範囲は,測定する基本波の 1  %以上の振幅をもった電圧の

すべての高調波を含んでいなければならない。この周波数範囲は関連機器の規格において規定する。

e) 

使用する電圧計及びその他の電圧検出計測器は高インピーダンス計測器とし,それらを接続すること

による測定回路への影響は,特に高周波域において無視できる程度でなければならない。入力抵抗が

高く入力容量の小さいプローブは,負荷の影響を減少させることができる。

f) 

測定波形の波高率が計測器の定格範囲内である場合,正弦波波形の校正に使用する電圧計測器の精度

は,実効値及び平均値の場合±0.5  %以内,ピーク値の場合±1  %以内とする。


19

C 2560-2

:2006

精度が上記の上限を超える場合,すべての高調波の含有率が 1  %未満の正弦波による励磁を推奨す

る。また,

−  正弦波の実効値,平均値及びせん頭値を決定する場合,1  %以内の精度をもつ実効値電圧計を使う。

平均値は実行値に 0.9 を,ピーク値は実効値に

2

を乗じることによって求めることができる。

−  非正弦波の場合,実効値,平均値及びせん頭値の計測には,ディジタル電圧計を使用する。

なお,これらの測定器は,被計測波形 1 周期当たり 150 以上のサンプリングレートで,8 ビット以

上の分解能によって波形を取り込み処理できるものとする。

備考  波高率は,測定した波形の実効値とピーク値との比である。

g) 

直列電流測定抵抗の抵抗値は,熱による抵抗値の変化を含め,有効数字 3 けた目が±1 以内の変動が

あることに注意する。ヒートシンク又は冷却器を用いた抵抗では上記の熱変動は緩和される。抵抗値

のもつインダクタンス値 は,5.3.1.4 d)で規定する周波数範囲において次の値を超えてはならない。

R

m

ˆ

V

R

L

δ

ω

 (27)

ここに,

R: 抵抗値

ω

m

角周波数(=2

π

f

m

f

m

は 5.3.1.4 d)で規定した周波数範囲内

の最大周波数]

R

δ

: 周波数 f

m

においてインダクタンス に起因する抵抗 によ

る電圧降下

R

の許容相対増加値

δ

 

R

ˆ

V

= 0.1

%,

R

=1

Ω,最大周波数f

m

=500 kHz

の場合,

インダクタンス は(2

π×500 ×10

3

)

-1

×1×(2×0.001)

0.5

=14.2

nH

以下とする。

5.3.1.4 d)

で規定する周波数範囲内で波形の振幅及び位相精度を低下させなければ,電流検出抵抗に

代えて,適切に校正した電流プローブを使用してもよい。このとき,電流プローブは,高調波を生じ

させないような線形デバイスでなければならない。

備考  振幅透磁率の測定では,主に電流プローブの振幅精度が測定結果を左右するおそれがあるので

注意する。

h) 

測定器及び部品の配線はできるだけ短くする。位相変動をもたらす接続が二つ以上ある場合,それら

は同じタイプで,同じ長さの接続にしなければならない。5.3.1.4 d)で規定する周波数範囲内で磁界及

び磁束密度に相当する信号を導くように設計されたチャンネル間の位相変動

ϕ

は,次の値より小さく

なければならない。

( )

rad

c

Q

ϕ

δ

ϕ

±

=

 (28)

ここに,

δ

 P(

∆ϕ

)

位相変動

∆ϕ

によるコアロス測定の総誤差の一部

Q

c

供試磁心の損失係数の逆数

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

v

e

e

2

ˆ

ˆ

P

H

B

ω

ω

角周波数(=2

πf

e

及び

e

磁心の実効磁束密度及び実効磁界のピーク値

P

v

単位体積当たりのコアロス(=P/V

e

V

e

は磁心の実効

体積)

非正弦波によって励磁した場合,その高調波によって位相変動が決まってくる。各高調波の周波数

に応じて,上述のパラメータの値を算出に使うとよい。

例  試供磁心及び測定条件に対して,

δ

  P(

∆ϕ

)

は±1  %以内及び Q=5 である。したがって,

∆ϕ

  は±


20

C 2560-2

:2006

0.01/5=

±0.002 rad でなければならない。

i) 

電圧又は電流測定回路に接続する配線(コネクタ,スイッチなどを含む。

)は,必要な電圧及び関係す

る仕様で規定した電流の値を測定できるものを使用する。配線による接触抵抗,位相変動,誘導的な

結合及び容量的な結合,直列インピーダンス並びに平行アドミッタンスは,5.3.1.4 d)で規定する周波

数範囲を含む測定条件下での測定結果に対し,影響を与えないようにする。

j) 

測定又はこれに付随する校正は,すべての測定条件における振幅透磁率及びコアロス測定の誤差が,

附属書 及び附属書 に示す測定方法及び回路による測定の誤差を超えないように実施する。

k) 

前処理,セッティング,測定及び読取り作業中は,磁心及び周囲環境が温度平衡を維持できる制御可

能な環境で行う。

5.3.1.5 

試料  測定には正常な生産品から抜き取った,閉磁路の磁心を用いる。

5.3.2 

振幅透磁率及びコアロスの測定手順

a) 

測定する磁心は,5.1.1 b)及び 5.2.2.2 によって測定コイルと組み合わせる。リング形磁心の場合,5.3.1.2 

a)

に従って巻線する。

b) 

磁心は,5.3.1.4 k)に従って制御した環境内に保持する。磁気的な前処理,組込み及び測定のようなす

べての測定作業は,磁心の温度が規定の温度に到達し,その温度に安定した後に実施する。

c) 

測定を行う磁束密度及び磁界のピーク値に相当する電圧は,次の式によって算出する。

磁束密度

e

による励磁の場合:

e

e

av

4

A

N

f

V

×

×

×

×

=

 (29)

ここに,

N:  N

1

(励磁及び電圧検出に単巻線を使用の場合)又は

N

2

(電圧検出に二次巻線を使用の場合)

磁界

e

による励磁の場合:

1

e

e

R

N

H

l

R

×

×

=

 (30)

ここに,  N

1

:  励磁巻線の巻数

備考1.  実用上,正弦波形の磁束密度

e

の場合,

e

に相当する電圧は,電圧計又はその他装置を利用

して測定することができる。各実効値,V

rms

値及びピーク値

Vˆ は,次の式によって算出する。

e

e

rms

2

A

N

f

V

×

×

×

×

×

=

π

 (31)

e

e

2

A

N

f

×

×

×

×

=

π

 (32)

2.

抵抗 の代わりに電流プローブを使用する場合,磁界

e

に相当する電流のピーク値

I

は,

次の数式によって算出する。

1

e

e

ˆ

ˆ

N

l

H

I

×

=

 (33)

3.

例えば,

V

av

を算出する場合の

A

min

のように,

A

e

以外の断面積を使用するとき,そのことにつ

いて関連個別仕様書で明確に記述する。

d)

磁心は,他に規定がない場合,5.1.2.3 によって消磁する。

e) 

消磁終了後の時間

t

c

経過後に,時間に依存する特性についてはできるだけ早く,できれば時間

t

c

=2

±

0.5

秒以内に,規定の周波数,波形及び励磁振幅に励磁源を設定する。

備考

すべての測定条件において正確な励磁波形を維持するために,制御可能な信号源を用いる。磁

束密度モードによる励磁の場合,分離した電圧検出巻線に発生する電圧によって信号原を制御

することが望ましい。

f) 

磁心を励磁する時間

t

m

後,測定値の読取りを行い,励磁を素早く終了する。磁心の過度の自己発熱を

避けるために,磁心を励磁する時間

t

m

はできるだけ短くし,

10

秒間未満でなければならない。


21

C 2560-2

:2006

5.3.3 

振幅透磁率の測定方法

5.3.3.1 

目的  閉磁路における対称な周期波形及び高磁界での(実効)振幅透磁率の測定方法について規

定する。

備考

磁界強さの規定のピーク値で得られる磁束密度のピーク値を決定してもよいし,逆に磁束密度

の規定のピーク値から得られる磁界の強さのピーク値を決定してもよい。

5.3.3.2 

測定の原理  磁心の磁束密度及び磁界の強さは,磁心の電圧検出巻線の平均値電圧及び励磁巻線

に直列に接続した抵抗器のピーク値電圧を測定することによって決定する。測定は,磁束密度又は磁界の

強さのいずれかの規定のピーク値,周波数及び温度で行う。

5.3.3.3 

回路及び装置  附属書 に示された回路の機能を満足することができるならば,どのような測定

装置を使用してもよい。

5.3.1.4

の要求事項を満足しなければならない。磁束密度及び磁界の強さの波形は,振幅透磁率の測定の

場合それほど重要でないため,5.3.1.4 a)及び 5.3.1.4 b)の要求事項を厳密な形で満たす必要はない。

備考

振幅透磁率が,磁束密度及び磁界の強さの波形の基本的構成部分のピーク値によって決まる場

合,それらのピーク値は 5.3.1.4 の要求事項を満足する周波数選択タイプの測定器によって測定

する。

5.3.3.4

測定手順  5.3.2 の一般的手順を行う。

電圧検出用巻線の平均値電圧

V

av

での,抵抗

R

の電圧のピーク値電圧

R

又は励磁コイルを流れる電流の

ピーク値

I

のいずれかの値を読み取る。

磁界の強さによって励磁する場合,電圧値平均

V

av

は,

R

ˆ

V

の規定のピーク値又は

I

の規定のピーク値で

の値を読み取る。

備考

規定の磁界の強さで測定する磁束密度又は逆に規定の磁束密度で測定する磁界の強さを必要と

する場合,励磁による規定のピーク値を設定することによって,それぞれの値を決定する。

5.3.3.5 

計算  (実効)振幅透磁率は,次の式

(34)

及び式

(35)

によって算出する。

R

av

e

2

1

0

e

e

0

e

ea

4

V

A

N

fN

R

l

×

=

=

µ

µ

µ

 (34)

抵抗

R

の代わりに電流プローブを使用する場合,

V

A

N

fN

l

av

e

2

1

0

e

ea

4

×

=

µ

µ

 (35)

ここに,

  V

av

電圧検出用巻線

N

2

にかかる平均値電圧

R

直列抵抗

R

にかかるピーク値電圧

励磁巻線

N

1

によって流れる電流のピーク値

N

1

励磁コイル

N

1

の巻数

N

2

検知用コイル

N

2

の巻数

備考

励磁及び電圧検出が一次コイル

N

1

だけによって行う場合,

N

2

=N

1

と置き代える。

5.3.4 

コアロスの測定方法

5.3.4.1 

目的  閉磁気回路を形成する磁心の周期的な高磁界波形によるコアロスの測定方法について規

定する。

5.3.4.2 

測定方法及び原理  コアロスの測定方法及び原理は,次による。

a) 

マルチプライング法  これらの測定方法は,電流−電圧積算原理に基づくものであり,位相変動に対

して誤差が少ない方法である。磁心の磁束密度及び磁界の強さを電圧で測定し,処理方法,時間又は

周波数ドメイン技術でのアナログ,ディジタル又はそれらを合わせた方法によって積算する。これら


22

C 2560-2

:2006

の方法の代表的なものを

表 に示す。

  3  マルチプライング法の種類及びドメイン

ドメイン

測定方法

使用する励磁波形

データ取得方法

演算処理方法

附属書 における

記載項目

デジタイジング法

任意

時間

時間

4. 

クロスパワー法

任意

時間

周波数

5. 

ベクトルスペクトル法

任意

周波数

周波数

6. 

V-A-W

メータ法

正弦波

時間

時間

7. 

インピーダンスアナライザ法

正弦波

適用しない

適用しない

8. 

その他の関連する測定手順を,

附属書 に示す。

1) 

デジタイジング法  この方法は,任意の励磁波形での測定に適している。測定電圧はサンプリング

され,デジタイザによってディジタルデータとして処理される。各サンプリング点における電圧値

の積が計算される。コアロスは,

1

サイクルでの積算した電圧の平均値に比例している。

2) 

クロスパワー法  この方法は,任意の励磁波形に適している。

規定の励磁状態において,

1

回以上のサイクルで測定電圧をサンプリングし,ディジタルデータ

として処理する。測定サイクルの複素スペクトラムは,

FFT

によって計算する。磁心のコアロスは,

各周波数のクロスパワースペクトラムの実部の総和によって得られる。

3) 

ベクトルスペクトル法  この方法は,任意の励磁波形に適している。

電圧信号の振幅及び位相の差異は,ネットワークアナライザによって測定する。測定は,適用す

る電圧の基本周波数及び高調周波数での値で行う。磁心のコアロスは,基本周波数及び高調周波数

によるコアロス要素の総和によって得られる。

4) V-A-W

(ボルト-アンペア-ワット)メータ法  この測定方法は,5.3.1.4 b)に規定した正弦波励磁に

限定する。

V-A-W

メータは,磁心のコアロスに比例する電圧及び電流を測定し,積算して時間平均を算出す

る。

5) 

インピーダンスアナライザ法  この測定方法は,5.3.1.4 b)に規定した正弦波励磁に限定する。イン

ピーダンスアナライザは,基本周波数における磁束密度及び磁界の強さをベクトル要素部分で決定

し,磁心のコアロスを算出する。

b) 

二乗平均値法(rms 法)  この方法は,

一般に,使用する回路部品,組立て及び測定装置が 5.3.1.4 の要求事項を満たす場合に適用できる。

ひずみの小さい印加波形に適している。

磁心に装着した測定コイルの無負荷の測定巻線にかかる電圧と,測定コイルの励磁巻線に直列に配

した抵抗器にかかる電圧の実効値の総量との差異を実効値電圧計によって測定する。実効値の平方根

の差がコアロスに相当する。

c) 

反射測定法  この方法は,入力電力

P

F

と反射電力

P

R

との差異の測定に基づくものであり,次のよう

な特長をもつ。

正弦波励磁に限らない。

 500

kHz

以上の周波数に適用できる。

磁束密度モードでの励磁に適している。

測定は,

2

チャンネルの測定検知部に接続した反射メータ(

S.W.R.

メータ)を使用することによって


23

C 2560-2

:2006

行う。電圧は,電圧検出用巻線に並列接続したボルトメータでモニタする。電圧検出用巻線に接続し

たボルトメータ又は測定器の平均値によって,励磁磁束密度のピーク値を設定できる。

備考

磁界の強さによる励磁の場合,電圧測定器に並列に挿入する電流検知用抵抗は,測定の確度を

低下させる可能性がある。

d) 

カロリーメトリック測定法  この方法は,磁心のコアロスによる容器内の流体の温度上昇の測定に基

づくものであり,

特に校正に適している。

測定周波数にあまり依存しない。

波形のひずみに敏感でない。

かなりの測定時間を要する(一般的に各測定点ごとに数時間を要する。

コアロスは温度平衡状態において,校正温度抵抗の温度差

ΔT

(磁心の電力消費によって導かれる。

を測定することによって,又は温度

ΔT

を,発熱抵抗への電力供給レベルによって導かれる温度

ΔT

に相当する温度とマッチングさせることによって決まる。

非温度平衡状態の場合,希望する測定温度を設定温度として用いる。磁心のコアロスは,磁心への

電力の供給がある場合とない場合に,発熱抵抗に規定の電力を供給することによって決定する。

6. 

機械的強度試験  フェライト磁心の機械的強度を,次の手順で測定する。

6.1 

装置

6.1.1 

支持具及び加圧くさび  磁心は,その大きさによって,自由に動くローラ又は平たんな支持具の上

に固定する。加圧ジグ及びローラは,硬度

40

60 HRC

の硬度鋼で,半径

2 mm

とする。加圧ジグは,負

荷の大きさを測定するために測定装置及び記録装置を接続する。

6.1.2 

試験装置  試験装置は,磁心を破壊するのに十分な負荷を,一定の速度でかけられることができる

機器でなければならない。また,試験器具は,破壊時の負荷のピーク値を記録できる機能をもっていなけ

ればならない。試験器具の精度は,測定値の

1

%とする。

6.1.3 

湿度計  湿度を計測する装置は,

2

%の精度で相対湿度を測定できなければならない。

6.2 

試料  試料は,受渡当事者間での合意の下で選定する。試料の表面は機械的強度に大きな影響を及

ぼすため,規定の寸法に合うように試料の表面研磨を行った方がよい。

6.2.1 

試料の数  材料の進歩度,特性又は品質を検査するために最低

5

個の試料が必要である。機械的強

度の統計的評価を行うためには,最低

30

個の試料が必要である。

備考

異なる材料のデータの比較を行うためには,統計的に十分な根拠をもった結果を得るに十分な

試料数が必要である。一般にその根拠は,試験結果の数及び試料のばらつき度合いに依存する

ため,試料の数は,統計的な検討を十分に行ったうえで決定しなければならない。

6.2.2 

注意事項  試料は,試験結果に影響を及ぼすような試験以外の付加的な損傷を与えないよう取り扱

う。試料は常に個別に保管し,輸送の際には個々に包装する。

6.3 

試験

6.3.1 

環境状態  試験条件は,4.2 による。

6.3.2 

試験手順  磁心は,次の a)e)に従って,試験を行う状態に配置する(図 4及び附属書 参照)。

E

強度試験及び

W

強度試験は,材料比較の目的に適用でき,一方の

M

強度試験及び

T

強度試験は工程比

較の目的に適用できる。

I

強度試験は,アンテナロッドのような平面形状の磁心にだけ適用することを推

奨する。磁心の上面及び下面は完全に平行ではないため,磁心に

5

25 N

の予備負荷をかける。さらに,


24

C 2560-2

:2006

磁心が破壊するまで,

5

20 mm/

分の速度で負荷をかけ,破壊の瞬間の負荷力を記録する。破壊した磁心

の破片は,後に行う破壊構造評価試験のために元の位置などを確認したうえで,保管しておく。

a) E

強度  図 のように,

E13

以上のサイズの磁心はローラの上に,

E13

未満のサイズの磁心には平ら

な支持台の上に配置する。磁心には,加圧ジグを介して負荷をかけ,破壊の瞬間の負荷の値を記録す

る。

  4  強度

b) W

強度  図 のように,

E13

以上のサイズの磁心はローラの上に,

E13

未満のサイズの磁心には平ら

な支持台の上に配置する。磁心には,加圧ジグを介して負荷をかけ,破壊の瞬間の負荷の値を記録す

る。

  5  強度

c) T

強度  磁心は,図 のように配置する。

E32

以上のサイズの磁心は,

図 のようにローラを介して

加圧ジグ

加圧ジグ

ローラ

磁心

磁心

負荷

負荷

磁心

磁心

加圧ジグ

加圧ジグ

磁心

ローラ

負荷

負荷


25

C 2560-2

:2006

両脚部分に負荷をかける。

E32

未満のサイズの磁心は,受渡当事者間の合意の下で用意するジグを用

いて負荷をかけ,破壊の瞬間の負荷の値を記録する。

  6  強度

d) M

強度  図 のように,

E13

以上のサイズの磁心はローラの上に,

E13

未満のサイズの磁心には平ら

な支持台の上に配置する。磁心には,加圧ジグを介して負荷をかけ,破壊の瞬間の負荷の値を記録す

る。

  7  強度

e) 

強度  図 のように,

I13

以上のサイズの磁心はローラの上に,

I13

未満のサイズの磁心には平らな支

持台の上に配置する。磁心には,加圧ジグを介して負荷をかけ,破壊の瞬間の負荷の値を記録する。

負荷

  8  強度

加圧ジグ

加圧ジグ

磁心

磁心

ローラ

負荷

負荷

加圧ジグ

磁心

ローラ

加圧ジグ

負荷

ローラ R=2mm

2m

m

負荷

負荷

ローラ  R=2 mm


26

C 2560-2

:2006

7. 

外観検査  目視又は適切な観察装置を用いて,磁心の表面にチップ,ラッジドエッジ,クラック,フ

ラッシュ,プルアウト(3.103.13 参照)などの不具合を観察する。

8. 

寸法検査  磁心の寸法は,目視又は規定の公差を確認できる適切な観察装置を用いて検査する。


27

C 2560-2

:2006

附属書 1(規定)ディスアコモデーション

1. 

一般事項  附属書 では,ディスアコモデーション(透磁率の経時変化)を評価する。

備考1.

複素透磁率の実数部,虚数部はともに,ディスアコモデーションを示す。しかし,この附属

書では実数部についてだけを考える。

2.

ディスアコモデーション及びディスアコモデーション係数は,いずれも時間の変数として使

用される。

2. 

測定方法の原理  磁心は,磁気的な前処理を行う。インダクタンス又は初期透磁率に相当する他のパ

ラメータは,磁気的な前処理の後に,二つの規定の時間での値を測定する。ディスアコモデーション係数

は,それら測定値の差によって算出する。

備考

ディスアコモデーションは,通常,磁束密度の増加とともに減少するので,低い磁束密度で測

定する。

3. 

試料  測定する磁心は,量産品から抜き取る。

ポット形磁心のような組立磁心は,ディスアコモデーションを通常の巻線によって測定する場合,ギャ

ップのない磁心を用いることが望ましい。異なるエアギャップの仕様をもつ一連の磁心を測定する場合,

そのうち最も小さいエアギャップをもつもので測定することが望ましい。

備考1.

中央に空洞をもつ磁心形状の場合,トロイダル磁心と同様な扱いで巻線してよい。ディスア

コモデーションは,通常の巻線で測定した場合と,トロイダルと同様な扱いで巻線した場合

とで測定結果が同等又は相関がとれ,

更に,

トロイダルと同様な扱いで測定した初透磁率が,

磁心のもつ初透磁率とほとんど差はないことが分かっているため,トロイダルと同様な巻線

で測定してよい。

2.

ある材質のディスアコモデーションは,焼成直後のある期間に大きく変動する。この場合,

製品のデータシートには,受入試験は製造後のある期間実施してはならないことを規定し,

更にその期間を規定する。

4. 

時間計測器(タイマー)  どのような時間計測においても精度

1

%以内でなければならない。消磁装

置によって測定を開始する時間計測器の場合,その誤差は,スタート技術誤差及び計測器そのものの誤差

による。

備考

原理的に,スタートする基準時間は,磁界の強さが飽和値から減少し始める瞬間である。コン

デンサ放電及び電力増幅法を用いた自動消磁器の場合,全消磁過程は,最初の測定までの時間

の許容内に完了する。

5. 

測定手順

a)

本体の 5.1.1 に従って測定コイルを磁心に組み込む。

b)

本体の 5.1.2 のいずれかの方法に従って磁心を消磁する。

消磁条件及びその消磁方法は明記しなければ

ならない。すべての場合において,消磁される瞬間を明確に,再現性があるように明示しなければな

らない。なぜなら,この明示は,測定開始時間を形成するとともに,ディスアコモデーションに影響


28

C 2560-2

:2006

するからである。

c)

本体の 5.2.4 に従って二つの測定値を読み取る。

電気的消磁方法の場合,最初に

10

分間後,二回目が

100

分間後である。

熱的消磁方法の場合,消磁後,測定温度より

10

℃高い温度に達したときを基準時間とし,最初

24

時間後,二回目が

48

時間後である。

電気的消磁方法の場合,上記の時間以外の時間を用いてもよいが,その時間は

24

時間以内であることが

望ましい。

2

回の測定において,測定手順及び測定環境は同じでなければならない。

2

回の測定間の温度は一定でなければならない。また,インダクタンスの経時変化が,インダクタンス

の温度係数による変化に影響されないように厳しく温度を管理しなければならない。

6. 

計算

t

1

t

2

との間のディスアコモデーション

D

は,

2

回の測定値から計算する。インダクタンスを

測定する場合,ディスアコモデーションは,次の式

(1)

によって算出する。

(

)

1

2

1

2

1

log

t

t

L

L

L

D

×

=

 (1)

ディスアコモデーション係数は,次の式

(2)

によって算出する。

i

F

µ

D

D

=

ここに,

  D

F

ディスアコモデーション係数

L

1

消磁後,時間

t

1

における自己インダクタンス

L

2

消磁後,時間

t

2

における自己インダクタンス

備考

アコモデーションは,時間の対数とほぼ比例する。そのため,通常,ディスアコモデーション

は経時変化を表現する方法として用いられる。近似の範囲内で,ギャップ付き磁心のディスア

コモデーションは,材料のディスアコモデーションから得ることができる(トロイダルでの測

定と同様)


29

C 2560-2

:2006

附属書 2(参考)THD 試験の測定条件

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 

目的  この附属書は,最適な測定条件のための,コイルの巻線及び

A

L

値を決定するための指針である。

磁束密度を最大にし,

CCF

を最小にすることがその選択の目的である。

2. 

磁束密度を最大にするための巻数の決定  本体の 5.2.9.3 の条件における

N

1

=N

2

の場合の磁束密度の変

化は,

附属書 図 による。

附属書   1  巻数(N

1

=

N

2

)

と磁束密度との関係

本体の 5.2.9.3 における最大周波数

f

=25 kHz

の場合の最大磁束密度を与える最適巻数は,次の式

(1)

によ

って算出する(

附属書   1 参照)。

L

max

s

op

A

R

N

×

=

ω

 (1)

この巻数における磁束密度最大値

B

max

は,次の式

(2)

によって算出する。

max

e

op

oc

max

2

ω

×

×

×

=

A

N

V

B

 (2)

ここに,

V

oc

信号発生器の開放実効値電圧

Number of turns

N

1

=

N

2

0 50

100

150

0

50

100

150

200

N

op

F

lux

 de

n

s

it

y

 B

 

m

T

磁束

B

mT

巻数

N

1

=

N

2

  f

=

5 kHz

  f

=

10 kHz

  f

=

25 kHz

磁束密度

  B

mT


30

C 2560-2

:2006

B

磁束密度

(T)

A

e

実効断面積

(m

2

)

少なくとも磁束密度は

50 mT

を必要とするため,磁心の寸法及び

A

L

値は,次の式

(3)

によって決定する。

s

max

L

measured

oc

e

R

A

B

V

A

×

=

ω

 (3)

ここに,

B

磁束密度

(T)

A

e

実効断面積

(m

2

)

3. 

CCF

を最小にするための巻数の決定  本体の 5.2.9.3 の条件における

N

1

=N

2

の場合の

CCF

の変化は,

附属書 図 による。

巻数に

N

op

を選択する場合の

CCF

max

は,次のようになる。

(

)

dB

10

3

1

1

log

20

2

s

L

op

2

max

max

=

ú

û

ù

ê

ë

é

×

×

+

=

R

A

N

CCF

ω

附属書   2  巻数(N

1

=N

2

)

と CCF との関係

N

1

=

N

2

Num ber of turns

N

1

 = 

N

2

CC

F

   d

B

0 50

100

150

?

5

0

N

op

?

10

?

15

?

20

?

25

?

30

?

35

  f

=

5 kHz

f

=

10 kHz

  f

=

25 kHz

-

-

-

-

-

-

-

巻数

N

1

=

N

2

C
C
D

dB

      CCF 


31

C 2560-2

:2006

附属書 3(参考)振幅透磁率測定のための基本回路及び関連装置

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

  装置 
    ES  :  励磁信号源(通常,発信器とパワーアンプとで構成されている。

    R  :  励磁巻線 N

1

を通る電流に比例する電圧 V

R

を測定するための無誘導抵抗

    CP  :  励磁電流のピーク値

Iˆ

を検出する電流プローブ

    V

R

:  無誘導抵抗 R のピーク電圧

R

ˆ

V

を検出する電圧計又はその他の計測器

    V

av

:  平均値電圧 V

av

を検出する電圧計又はその他の計測器

    N

1

及び N

2

:  励磁巻線及び電圧検出巻線

附属書   1  振幅透磁率測定のための基本回路

使用する回路及び計測器は,本体の 5.3.1.4 を満足することが望ましい。

本体の 5.3.1.4 を満足する場合,±

3

%の測定精度を得ることができる。

a)

励磁巻線 N

1

,電圧検出巻線 N

2

及び電流検出用の

  無誘導抵抗 R を用いる二巻線法 

ES

N

N

CP 

V

R

N

1

N

2

R

ES

V

av 

U

U

ˆ

U

 

R

ˆ

V

V

av

V

av

Iˆ

V

av

V

av

N

ES

R

N

V

av

ES

V

R

U

 

U

 

U

ˆ

R

ˆ

V

V

av

Iˆ

CP

c)  励磁巻線 N

1

,無誘導抵抗 R,フローティング入力の

電圧計 V

av

及び V

R

を用いる一巻線法

V

av

b)

励磁巻線 N

1

,電圧検出巻線 N

2

及び電流検出用の

電流検出プローブ CP を用いる二巻線法

d)

励磁巻線 N

1

及び電流検出用の電流検出プローブ CP

を用いる一巻線法


32

C 2560-2

:2006

附属書 4(参考)

パワーロス測定のためのマルチプライング法−基本回路及び関連測定手順

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  V

a

:励磁巻線を通る電流に比例する電圧降下

  V

b

  :N

1

又は N

2

のいずれかの巻線に発生する電圧。V

b

の平均値は,磁心の磁束密度に比例している

      [本体の 5.3.1.2 b)参照]

V

a

及び V

b

は,マルチプライング法における電圧の瞬時値,平均値又は実効値を表す。

装置 
  ES  :励磁信号源

  R

:励磁巻線 N

1

を通る電流に比例する電圧 V

a

を測定するための無誘導抵抗

  MI  :電圧 V

a

及び V

b

の取得並びに乗算処理を行うための測定器

附属書   1  マルチプライング法のための基本回路

  N

2

U

ES

R

N

1

U

MI

ES

N

1

N

2

MI

CP

U

U

V

a

V

b

V

b

V

a

U

U

R

N

ES

MI

U

U

N

1

ES

CP

MI

V

b

V

a

V

b

V

a

a)

励磁巻線 N

1

,電圧検出巻線 N

2

及び電流検出用の

無誘導抵抗 R を用いる二巻線法

b)

励磁巻線 N

1

,電圧検出巻線 N

2

及び電流検出用の

電流検出プローブ CP を用いる二巻線法

c)

励磁巻線 N

1

,電流検出用の無誘導抵抗 R 及び

フローティング入力を用いる一巻線法

d)

励磁巻線 N

1

及び電流検出用の電流検出プローブ CP

を用いる一巻線法


33

C 2560-2

:2006

  N

1

:励磁巻線

  N

2

:電圧検出巻線

備考1.  通常,励磁信号源 ES は,発振器及び電力増幅器を含める。発振器及び電力増幅器間にインピーダン

ス整合アダプタの追加が必要な場合もある。励磁信号源 ES 及び測定器 MI は,制御用コンピュータ及
び同一のユニット(システム)に統合される場合がある。

2.

電流プローブ CP を使用する場合は,本体の 5.3.1.4 g)に規定する高調波ひずみを発生させない直線的
なデバイスを使用する。

附属書   1  マルチプライング法のための基本回路(続き)

1. 

要求事項  回路及び測定装置は,本体の 5.3.1.4 に適合することが望ましい。

2. 

巻線  本体の 5.3.1.2 に適合することが望ましい。

3. 

精度  試験装置の精度は測定ジグ,測定条件及び装置の精度を複合した特性である。したがって,マ

ルチプライング計測器があらゆる測定条件下で絶対精度が得られる保証はない。

磁心損失測定の確度に影響を及ぼす振幅及び位相の誤差は,次の誤差要因の組合せが推測される。

校正作業上の誤差

−  標準器に対する校正機器の誤差

測定チャンネル(振幅及び位相)間のトラッキング誤差

計測器(例えば,アンプ,ミキサー,

A-D

変換器,電流変換器)の非線形性

周波数誤差

設定(例えば,磁束密度について)の精度

計算誤差

その他

特に回路接続及び校正方法による誤差に関しては,計測器メーカーの指示を参照することが望ましい。

誤差を最小にするために,本体の 5.3.1 の予防策による入念な注意とマルチプライング計測器の性能,測

定器の測定範囲による誤差限界に注意が必要である。

4. 

デジタイジング法  附属書 図 に示すように,電圧の

V

a

(t)

及び

V

b

(t)

は,デジタイザによって

V

ak

V

bk

として測定される。

k

は,

k

番目の信号のサンプル(

k=1

2

3

…)であることを意味する。

測定周期内の各サンプル点

k

の瞬時磁心損失は,

V

ak

×

V

bk

に比例している。

測定周期内のサンプル点

k

による磁心損失は,次の式

(1)

によって算出する。

(

)

å

=

=

n

k

k

k

V

V

n

P

1

b

a

1

α

 (1)

ここに,

α:

回路要素に依存する比例定数

5. 

クロスパワー法  電圧のサンプリングは,デジタイジング法に準じる。高速フーリエ変換によって

V

ak

及び

V

bk

の複素スペクトラムデータを計算する。これらの複素スペクトラムデータからクロスパワースペ

クトラムを導き,各周波数の実数部(有効電力スペクトラム)を加算して磁心損失

P

を導く。

磁心損失

P

は,次の式

(2)

によって算出する。


34

C 2560-2

:2006

[

]

å

=

=

1

0

2

1

)

(

Re

k

k

l

N

N

P

ω

 (2)

ここに,

Re

[

(

)

0

ω

k

l

]:

(

)

0

ω

k

l

の実数部

(

)

0

ω

k

l

V

ak

及び

V

bk

のクロスパワースペクトラム

6. 

ベクトルスペクトル法  ネットワークアナライザは,基本波

V

ak

,高調波電圧

V

ak

並びに

V

ak

及び

V

bk

の実効値とともに,これら電圧間の位相角

φ

k

を測定する。

k

は,

k

番目の高調波(

k=1

2

3

…)であるこ

とを意味する。

磁心損失

P

は,次の式

(3)

によって算出する。

(

)

k

k

k

k

V

V

P

ϕ

α

cos

1

b

a

=

å

=

 (3)

ここに,

α:

回路要素に依存する比例定数

7. V-A-W(

ボルト-アンペア-ワット)メータ法  測定電圧は,

V-A-W

メータの内部で積算される。

V-A-W

メータは,磁心の磁心損失

P

に比例する電圧の時間平均値を算出する。

磁心損失

P (W)

は,次の式

(4)

によって算出する。

α

=

=

K

i

u

P

 (4)

ここに,

i

u

: 磁心損失の瞬時値の時間平均

α:

V-A-W

メータの読値

K

計測器定数

8. 

インピーダンスアナライザ法  インピーダンスアナライザは,測定電圧のベクトル成分から計算によ

って等価並列抵抗

R

p

を算出する。

磁心損失

P(W)

は,次の式

(5)

によって算出する。

P=V

rms

2

 / R

p

 (5)

ここに,

  V

rms

励磁巻線電圧の実効値

備考

この損失は,等価並列抵抗から計算した値である。この損失の計算法は,電流と電圧信号とを

直接乗算した結果と同様に扱える。したがって,磁心損失

V

rms

2

 / R

p

は,

P=V

rms

I

rms

·cos

ϕ

と等価

である。


35

C 2560-2

:2006

附属書 5(参考)直流磁気特性及びその他の基本的物理的特性の試験方法

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 

試料  2.以降の試験に用いる試料の形状及び寸法(公称値)を,附属書 図 に示す。

単位  mm

附属書 図 1  直流磁気特性及びその他の基本的物理的特性の試験方法のための試料

 
d) e)

f)

g)

h) i)

j)

k)

a) b)

c)

h) i)

a)

                                              b)                                    c)

d)                                  e)                            f)                                g) 

k) 

    j)


36

C 2560-2

:2006

2.

直流磁気特性  直流磁気特性の試験は,次による。

a)

装置及び器具  測定に用いる試験装置及び器具は,あらかじめ校正し,十分な確度をもつものとする。

回路例を,

附属書 図 及び附属書 図 に示す。

L

:測定試料

C

:コンデンサ

Lm

:相互誘導器 VR:可変抵抗器

R

:無誘導抵抗器

附属書   2  積分方式の測定原理

附属書   3  CR 積分方式の測定原理

1)

M

積分方式

M

積分方式では,差電圧

e

を増幅して相互誘導器

Lm

によって入力側に負帰還する

回路方式であり,増幅器の利得が十分大きければ

e

を常に

0

にするよう帰還電流が流れ,

e

1

V

e

2

(V)

となり,磁束密度

B(T)

は次の式

(1)

及び式

(2)

によって表される。

( )

dt

dB

A

N

e

dt

di

L

e

2

1

m

2

V

=

=

 (1)

A

N

i

L

B

2

m

=

 (2)

ここに,

  L

m

相互誘導器の相互インダクタンス

(H)

i

電流値

(A)

N

2

試料の二次コイル巻数

A

実測による試料の断面積

(m

2

)

電流

i

を電圧に変換して

XY

記録計の

Y

軸に入力し,そのときの一次側電流を電圧に変換して

X

に入力して,

B-H

曲線に記録する。

2)

CR

積分方式

CR

積分方式についても

M

積分方式と同様に,増幅器の利得が十分大きければ次の

(3)

が成立する。

( )

iR

dt

dB

A

N

e

2

1

V

=

 (3)

3

2

RCe

idt

R

AB

N

=

=

ò

ここに,

  N

2

試料の二次コイル巻数

A

実測による試料の断面積

(m

2

)

i

電流値

(A)

R

無誘導抵抗器の抵抗値

(

Ω

)

C

コンデンサの静電容量

(F)

e

3

コンデンサの両端電圧

(V)


37

C 2560-2

:2006

全磁束変化は,コンデンサの両端の電圧

e

3

を測定して求める。実際上は

e

3

の代わりに増幅器の出力電圧

e

0

を用いて誤差は無視できるので,磁束密度

B(T)

e

0

を用いて次の式

(4)

によって表される。

A

N

CR

e

B

2

0

=

 (4)

ここに,

e

0

増幅器の出力電圧

(V)

C

コンデンサの静電容量

(F)

R

無誘導抵抗器の抵抗値

(

Ω

)

N

2

試料の二次コイル巻数

A

試料の実効断面積

(m

2

)

増幅器の出力電圧

e

0

XY

記録計の

Y

軸に入力し,そのときの一次側電流を電圧に変換して

X

軸に入

力して,

B-H

曲線を記録する。

b)

測定試料  測定する磁心がトロイダル形の場合は,絶縁電線を試料全周にわたり均一に巻く。組立て

磁心の場合は,ボビンなどに巻き線を行い測定してもよい。

なお,測定中にコイルの発熱による温度上昇の影響を受けないように線材の径を適切に選択する。

c)

消磁  試料は,本体の 5.1.2 によって消磁する。

d)

計算方法及び算出  附属書 図 又は附属書 図 に示す自記磁束計によって

B-H

曲線を描く。飽和

磁束密度

B

s

,残留磁束密度

B

r

,保持力

H

c

を次によって求める。ただし,最大磁界の強さは,予想さ

れる試料の保持力

H

c

の大きさによって

附属書 表 による。

1)

飽和磁束密度 B

S

B-H

曲線の最大磁界に対応する磁束密度を読み,

それを飽和磁束密度

B

S

とする。

2)

残留磁束密度 B

r

B-H

曲線の飽和状態から磁界を

0

(零)にしたときの磁束密度を読み,それを残

留磁束密度

B

r

とする。

3)

保磁力 H

c

B-H

曲線の飽和状態から磁界を

0

にし,更に反対方向に磁界を増加していくとき,磁束

密度が

0

になる磁界の強さを読み,それを保磁力

H

c

とする。

附属書   1  直流磁気特性の測定磁界

単位  A/m

保磁力

最大磁界の強さ

          100

未満

                        1 000

          100

以上   500 未満

                        5 000

          500

以上  1 000 未満

                      10 000

   1 000

以上  5 000 未満

                      50 000

3.

飽和磁わい(歪)定数

3.1

三端子容量法

a) 

装置及び器具  測定に用いる試験機器及び装置は,あらかじめ校正し,十分な精度をもつものとし,

測定原理は

附属書 図 による。


38

C 2560-2

:2006

附属書 図 4  三端子容量法の測定原理

b)

測定試料  試料は,附属書 図 1

d)

g)から選ぶ。試料の装置は

附属書 図 5

a)

又は b)のいずれかを

行い,電極間距離が所定の距離となるようにする。

a)

  接着剤による固定 b)  ねじ止めによる固定 

附属書 図 5  試料の装着例

c)

前処理  前処理は行わない。

d)

試験方法及び算出  附属書 図 に示す装置で試料が飽和するまで磁化するのに十分な磁界を発生さ

せた後,磁界を

180

°回転させ,

附属書 図 のような回転角と電極間の静電容量の関係図を作成す

る。

附属書 図 から最大と最小の静電容量の差を求める。飽和磁わい定数

λ

s

を,次の式

(5)

によって

算出する。

(

)

2

0

0

S

3

2

C

C

d

C

S

=

ε

λ

 (5)

ここに,

ε 

0

真空の誘電率

8.854 2

×

10

-12

(F/m)

S

電極面積

(m

2

)

C

電極容量の変化

(F)

d

電極間距離

(m)

C

電磁石回転角

0

°

での電極間静電容量

(F)

C

0

電極の浮遊容量

(F)


39

C 2560-2

:2006

備考  電磁石回転角 0°の状態とは,測定方向が磁界と平行な状態をいう。 

附属書 図 6  電磁石回転角と静電容量との関係例

3.2

ストレインゲージ法

a)

装置及び器具  測定に用いる試験機器及び装置は,あらかじめ校正し十分な精度をもつものとし,測

定原理は,

附属書 図 による。

a)

  測定装置 b)  測定回路 

附属書   7  ストレインゲージ法の測定原理

b)

試料  試料は,附属書 図 1 h)又は i)から選び,表面をエメリー紙などで磨いて平らにしたものとす

る。また,鋼板,アルミニウム板などの非磁性板に同一ロットのできるだけ抵抗値の等しいストレイ

ンゲージ

(

1

)

をはり付けたものを,ダミーゲージとして用意する。

(

1

)

ストレインゲージは磁界の影響を受けないものを使用する。

c)

前処理  前処理は行わない。

d)

試験方法及び算出  二つのストレインゲージ

(

1

)

を抵抗線ひずみ計に接続してブリッジ回路を形成する。

なお,二つのストレインゲージ

(

1

)

は等温度中に置く必要がある。電磁石を用いて試料を十分飽和す

るまで磁化し,そのときの試料にはり付けたストレインゲージ

(

1

)

の抵抗値の変化から,次の式

(6)

によ

静電容

(C)

F


40

C 2560-2

:2006

って飽和磁わい定数

λ

s

を算出する。

R

R

l

l

GF

λ

=

=

S

 (6)

ここに,

  GF

試料の長さの変化

(m)

 l

試料の長さの変化

(m)

l

試料の長さ

(m)

R

抵抗値の変化

(W)

R

抵抗値

(W)

備考  飽和磁わい定数が小さく,抵抗線ひずみ計によって直接読み取ることが不可能な場合は,増幅

器を接続し出力を増幅して,その出力電圧とひずみとの関係をあらかじめ求めておき,

10

-6

度の飽和磁わい定数を検出する。

4.

体積抵抗率

4.1

二端子法

a)

装置及び器具  測定に用いる試験機器及び装置は,あらかじめ校正し,十分な精度をもつものとし,

測定回路は,

附属書 図 による。

a)

  電圧電流計法 b)  抵抗計法 

附属書   8  二端子法の測定回路

b)

測定試料  試料は,附属書 図 1 f)g)j)又は k)から選ぶ。電極を形成する面は研磨し表面層を除去

しておく。電極材料は,インジウムアマルガム又は銀ペーストとする。

c)

前処理  行わない。

d)

試験方法及び算出

1)

電圧電流計法  附属書 図 8 a)に示す測定回路を用いて直流電圧

V

及び直流電流

I

を測定し,次の

(7)

によって体積抵抗率

ρ

 v

 (

×

m)

を算出する。

I

V

l

S

=

V

ρ

 (7)

ここに,

  S

試料の電極面積

(m

2

)

l

試料の電極間距離

(m)

V

測定電圧

(V)

I

測定電流

(A)

電圧電流計法

抵抗計法

E

:直流電源

  :直流電圧計 
  :直流電流計

V

A


41

C 2560-2

:2006

また,接触抵抗が無視できない場合,電極間距離

l

を変えて

2

回測定し,次の式

(8)

によって体積抵抗率

ρ

 v

(

×

m)

を算出する。

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

2

2

1

1

2

1

V

I

V

I

V

l

l

S

ρ

 (8)

ここに,

S

試料の電極面積

(m

2

)

l

1

l

2

試料の電極間距離

(m)

(ただし,

l

1

l

2

)

V

1

V

2

l

1

l

2

に対応する測定電圧

(V)

I

1

I

2

l

1

l

2

に対応する測定電流

(A)

2)

抵抗計法  附属書 図 8 b)に示す測定回路を用いて体積抵抗率が大きい試料は絶縁抵抗計で,体積

抵抗率が小さい試料はホートストンブリッジなどで抵抗

R

を測定し,次の式

(9)

によって体積抵抗率

ρ

 v

(

×

m)

を算出する。

R

l

S

=

V

ρ

 (9)

ここに,

  S

試料の電極面積

(m

2

)

l

試料の電極間距離

(m)

R

抵抗値

(

Ω)

また,接触抵抗が無視できない場合,電極間距離

l

を変えて

2

回測定し,次の式

(10)

によって体積

抵抗率

ρ

 v

 (

×

m)

を算出する。

(

)

2

1

2

1

V

R

R

l

l

S

=

ρ

 (10)

ここに,

S

試料の電極面積

(m

2

)

l

1

l

2

試料の電極間距離

(m)

(ただし,

l

1

>l

2

)

R

1

R

2

l

1

l

2

に対応する抵抗値

(

Ω)

4.2

四端子法

a)

装置及び器具  測定に用いる試験及び装置は,あらかじめ校正し,十分な精度をもつものとし,測定

回路は,

附属書 図 による。

附属書   9  四端子法測定回路

b)

測定試料  試料は,附属書 図 1 f)又は k)から選ぶ。電極材料は導電材料を使用する。

c)

前処理  前処理は行わない。


42

C 2560-2

:2006

d)

試験方法及び算出  附属書 図 に示す測定回路を用いて直流電圧

V

及び直流電流

I

を測定し,次の

(11)

によって体積抵抗率

ρ

 v

 (

×

m)

を算出する。

I

V

l

S

=

V

ρ

(11)

ここに,

S

試料の電極面積

(m

2

)

l

試料の電圧測定間距離

(m)

V

測定電圧

(V)

I

測定電流

(A)

5.

かさ密度

5.1

飽水試料による方法

a)

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

1) 

恒温槽  槽内温度を

105

120

℃に調節できるもの。

2) 

はかり  感量

1 mg

以上のもの。

3)

ビーカ  JIS R 3503 に規定する

200 ml

以上のもの。

4)

真空ポンプ付ベルジャー

2

×

10

2

 Pa

以下の減圧状態を保持できる真空容器。

5)

温度計  JIS B 7410 に規定する最小目盛

1

℃のアルコール温度計。

6)

金網  ステンレス製のもの。

7)

つり線  試料をつるすのに十分な強さをもち,水中に入ったつり線の体積の変化による誤差が無視

できるもの。

b)

測定試料  測定試料は,質量

5 g

以上で,きず,欠けのないものとする。

c)

前処理  前処理は行わない。

d)

試験方法及び算出  次に示す方法によって乾燥試料の質量,飽水試料の水中質量を測定し,次の式

(12)

によってかさ密度

ρ

 b

 (kg/m

3

)

を算出する。

W

2

3

1

b

ρ

ρ

×

=

m

m

m

 (12)

ここに,

m

1

乾燥試料の質量

(kg)

m

2

飽水試料の水中質量

(kg)

m

3

飽水試料の質量

(kg)

ρ

 W

試験時の水の密度

(kg/m

3

)

1)

乾燥試料の質量  試料を

105

120

℃に調整した恒温槽中で十分に乾燥した後恒温槽から取り出し,

デシケータに入れて室温に達した後,はかりで質量を計り,乾燥試料の質量 m

1

とする。

2)

飽水方法 1  乾燥,恒量した試料を乾燥したビーカの中に入れ,それを真空容器の中に入れる。真

空度は

2

3

×

10

3

 Pa

5

分間保持する。保持後,この真空容器内ビーカの中へ水を入れる。水は試

料を十分に浸せきするだけの量を導入する。

試料を水で十分浸せきした後,更に

5

分間真空引きを行い,その後,空気を導入して大気圧に戻

す。

3)

飽水方法 2  乾燥,恒量した試料を水の入ったビーカの中に入れ煮沸する。このとき水は試料を十

分に浸せきするだけの量とする。また,ビーカの底から

1 cm

程度上に金網を設ける。試料をこの金

網の上に置き,十分に水が回るようにする。煮沸時間は

30

分間とする。


43

C 2560-2

:2006

4)

飽水試料の水中質量  飽水試料をつり線でつり,水中に入れて質量を計る。次に,つり線だけ水中

に入れて質量を計り,これを差し引いて飽水試料の水中質量 m

2

を求める。このときの水温を記録す

る。

5)

飽水試料の質量  飽水試料を水中から取り出し,湿ったガーゼ

(

2

)

で手早く表面の水滴をぬぐった後,

質量を計り,飽水試料の質量 m

3

とする。

(

2

)

ガーゼは,十分に水を含ませた後,試料表面の水滴だけを取る程度に絞って用いる。

5.2

パラフィン含浸試料による方法

a)

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

1) 

恒温槽  槽内温度を

105

120

℃に調節できるもの。

2) 

はかり  感量

1 mg

以上のもの。

3)

パラフィン

4)

つり線  試料をつるすのに十分な強さをもち,水中に入ったつり線の体積の変化による誤差が無視

できるもの。

5)

温度計  JIS B 7410 に規定する最小目盛

1

℃のアルコール温度計。

b)

測定試料  測定試料は,

5 g

以上で,きず,欠けのないものとする。

c)

前処理  前処理は行わない。

d) 

試験方法及び算出  次に示す方法によって乾燥試料の質量,パラフィンの含浸試料の質量,パラフィ

ン含浸試料の水中質量を測定し,次の式

(13)

によってかさ密度

ρ

 b

 (kg/m

3

)

を算出する。

W

2

3

1

b

ρ

ρ

×

=

m

m

m

 (13)

ここに,

m

1

乾燥試料の質量

(kg)

m

2

飽水試料の水中質量

(kg)

m

3

飽水試料の質量

(kg)

ρ

 W

試験時の水の密度

(kg/m

3

)

1)

乾燥試料の質量  試料を

105

120

℃に調整した恒温槽中で十分に乾燥した後恒温槽から取り出し,

デシケータに入れて室温に達した後,はかりで質量を計り,乾燥試料の質量 m

1

とする。

2) 

パラフィン含浸方法  乾燥,恒量した試料を溶解したパラフィン中に浸し,十分含浸させた後,取

り出して表面に付着したパラフィンをぬぐい取る。

3)

パラフィン含浸試料の質量  パラフィン含浸試料の質量を計り m

3

とする。

4) 

パラフィン含浸試料の水中質量  パラフィン含浸試料をつり線でつり,水中に入れて質量を計り,

次に,つり線だけ水中に入れて質量を計り,これを差し引いてパラフィン含浸試料の水中質量 m

2

を求める。このときの水温を記録する。

備考  パラフィン含浸試料をつり線でつり,水中に入れて質量を計るとき,気泡の付着がないように

しなければならない。

6.

熱伝導率  JIS R 1611 による。

7.

平均線膨張係数

a)

装置及び器具  装置及び器具は,次による。


44

C 2560-2

:2006

1)

伸び検出器  少なくとも

1

µ

m

の変位が検出できるもの。

2)

電気炉  毎分

5

℃以下の昇温速度で制御できるもの。

3)

温度計  精度が JIS Z 8704 

C

級又はそれと同等以上の熱電対温度計。

4)

記録計  温度及び伸びを記録できるもの。

5)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

b) 

測定試料  測定試料の形状は棒状とし,長さは

10

50 mm

,断面積は

3

50 mm

2

とする。

なお,測定試料の両端は軸方向に垂直に研磨して,平行度が

0.05 mm

以下とする。

c)

前処理  前処理は行わない。

d)

試験方法及び算出  測定試料の長さをあらかじめマイクロメータを用いて測定する。

測定試料を装置に取り付け,

15

分間以上放置した後,毎分

5

℃で昇温し,測定試料の伸びを記録す

る。測定温度範囲は,

40

150

℃とする。規定があれば,測定温度範囲の低い方の温度 T

1

20

℃と

してもよい。また,測定温度範囲の高い方の温度 T

2

は,

100

℃又は

300

℃を適用してもよい。ただ

し,

20

100

℃で測定する場合は,昇温速度を遅くし,

20

℃以下の速度から測定を開始しなければな

らない。平均線膨張係数

α

T

1

-T

2

(1/

)

は,次の式

(14)

によって算出する。

(

)

1

2

2

1

T

T

l

∆l

T

T

=

α

 (14)

ここに,

l

加熱による測定試料の伸び

(mm)

l

温度 T

1

での測定試料の長さ

(mm)

T

1

測定温度範囲の低い方の温度

(

)

T

2

測定温度範囲の高い方の温度

(

)

石英ガラスによる示差式又は押棒式伸び検出器を用いた場合は,次の式によって平均線膨張係数

α

T

1

-T

2

 (1/

)

を算出する。

(

)

2

SiO

1

2

2

T

1

T

α

α

+

=

T

T

l

l

 (15)

ここに,

α

SiO

2

石英ガラスの平均線膨張係数

0.54

×

10

-6

/

8.

弾性率  JIS R 1602 による。ただし,試料は,附属書 図 1 k)とする。

なお,試料は焼成後研磨加工しないものとする。

9.

ビッカース硬さ  JIS R 1610 による。

関連規格

JIS B 7410

  石油類試験用ガラス製温度計

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS R 1602

  ファインセラミックスの弾性率試験方法

JIS R 1610

  ファインセラミックスの硬さ試験方法

JIS R 1611

  ファインセラミックスのレーザフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導

率試験方法

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8704

  温度測定方法−電気的方法


45

C 2560-2

:2006

附属書 6(参考)ヘッド用フェライト磁心特有の試験方法

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

目的  この附属書では,磁気ヘッド用フェライト特有の試験方法について記載する。

2.

試料  磁気ヘッド用フェライトの測定に当たっては,附属書 図 のような試料を用いる。

単位  mm

a)

b)

c)

d)

附属書   1  試料(磁気ヘッド用フェライト磁心)

備考

試料には,

附属書 図 の形状になるように焼成したものか,焼成体から附属書 図 の形状

に加工したものかを明記する。また,単結晶の場合は試料の上下面に結晶方位も明記する。

3.

前処理  試料は,電気・磁気的測定の前に,本体の 5.2.1 及び次の附属書   1 によって消磁及びひ

ずみ取り処理を行う。ひずみ取り処理は巻線の前に行うが,測定値への影響が少ない場合は省略してもよ

い。

附属書   1  ひずみ取り処理の方法

種類

ひずみ取り方法

Ni-Zn

フェライト

1 000

℃の空気中に 1 時間放置又は 150  ℃の質量分率

85

%りん酸溶液中に 10 分間浸せきする。

多結晶

Mn-Zn

フェライト

質量分率 80  %の質量分率 85  %りん酸溶液中に 5 分
間浸せきする。

単結晶 Mn-Zn フェライト

質量分率 70  %の塩酸(1+1)中に 15 分間浸せき又は

80

℃の質量分率 85%りん酸溶液中に 5 分間浸せきす

る。

4.

埋込み特性  磁心が樹脂に埋め込まれ,等方的な応力が加わったときの磁気的な特性。

測定は,

附属書  1 a)c)から選択した試料に巻線及び消磁を行い,附属書 図 に示すような測定

容器内に入れ,あらかじめ調整した樹脂を注入し,硬化させた後に測定を行う。


46

C 2560-2

:2006

単位  mm

附属書   2  測定容器

備考

樹脂の注入に当たっては,試料に応力が等方的に加わるように注意する。

4.1

試験方法

a)

初透磁率  本体の 5.2.4.6 a)による。

b) 

相対損失係数  本体の 5.2.8.3 による。

c)

直流磁気特性  附属書 による。

備考

測定記録には,樹脂の種類,配合比,硬化温度,硬化時間及び硬化後測定までの経過時間を付

記する。

5.

結晶粒径測定  試料の結晶粒界線を顕微鏡で観察し,結晶の平均粒径又は分布を測定する。

5.1

装置及び器具

200

倍以上の倍率をもつ光学顕微鏡又は同等以上の性能をもつものとする。

5.2

試験方法  試料を鏡面研磨した後,適切なエッチング処理を用いて結晶粒界線を明らかに表したもの

を顕微鏡で観察する。顕微鏡の接眼レンズ又は投影ガラス上に付けた一定長さの直線が切断する粒子数又

は撮影した写真上に付けた一定長さの直線が切断する粒子数を数え,次の式

(1)

によって平均結晶粒子径

D(

µ

m

)を算出する。ただし,直線両端の結晶粒子が完全に直線によって切断されていない場合は

1/2

個と

して算出する。

000

1

1

×

=

n

l

N

D

 (1)

ここに,

N

顕微鏡の倍率又は撮影倍率

l

直線の長さ(直線を数本引いた場合は合計値)

(mm)

n

直線によって切断される粒子数(直線を数本引いた場合
は合計値)

結晶粒径分布は,結晶粒子を切断する直線の長さを個々の粒子ごとに測定し,それを結晶粒径とする。

結晶粒径と粒子数との関係をグラフ化したものを結晶粒径分布とする。

なお,直線の長さは一本で切断される結晶粒子数は少なくとも

10

個以上になるよう選定し,結晶粒子数

が総計

50

個以上になるまでの数視野(本)について測定する。

35mm

フィルムケースなど

樹脂

試料


47

C 2560-2

:2006

6.

白金混入量  試料の観察面を表面粗さ

0.20

µ

m

R

y

以下に研磨し,

100

倍以上の倍率の光学顕微鏡又は同

等以上の性能をもつもので観察し,白金粒子の混入数を数え,

1 cm

2

当たりに換算した値。

7.

面方位測定  結晶面の方位測定方法として,

X

線回折法及び光像法がある。

7.1

  X

線回折法

X

線回折法での試験は,最大管電圧が

20 kV

以上で最大管電流が

5 mA

以上の能力をも

X

線発生装置及び

1

分単位の角度が読み取れるゴニオメータと回折パターンの差を読み取るのに十分な

感度をもつ

X

線検出器とを使用し試験を行う。

試験は,試料を次の

附属書   3 のようにゴニオメータ上に載せ,

X

線発生装置及び

X

線検出器によっ

て次の式を満足するように配置する。試料を調整軸

N

の周りに適切に回転させ,

X

線検出器に現れたピー

クの最大値を示す角度を求める。その角度が結晶面からのずれとなり,方位を表す。

2

d

abc

sin

θ

 

=

n

λ

ここに,

d

abc

結晶面

(a

b

c)

の面間隔

(nm)

λ: 測定

X

線の波長

(nm)

 

附属書   3  線回折法による測定原理

7.2

光像法  光像法での試験は,光像を得るのに十分な輝度をもつ光源と,光像が確認できるスクリーン

とを使用し試験を行う。

試験は,試料をあらかじめ被測定面を平面状に加工し,塩酸中に

3

分間以上浸せきし,結晶表面に腐食

孔(食増)を形成した後,次の

附属書 図 のように試料表面に細い光束を投射する。その反射光線をス

クリーンに映して得た光像を,面方位が既知の試料の光像と比較して方位を決定する。

附属書   4  光像法による測定原理

X

線発生器

X

線発検出器

反射 X 線

ゴニオメータ

入射 X 線

結晶

入射光線

スリット板

スクリーン板

結晶

反射光線

光源


48

C 2560-2

:2006

附属書 7(規定)機械的強度測定のための磁心の支持方法

1.

磁心の支持方法  機械的強度試験を行うときの

E

形磁心の配置距離及び支持方法を,次の

附属書 

1

に示す。

附属書   1  形磁心の配置距離及び支持方法

配置位置

(

公称値)

支持方法の種類

E

形磁心

の略称

mm

H mm

E

強度

M

強度

W

強度

T

強度

E-5.25-2.65-1.95 0.3

0.3 a  a

a

b

E-6.18-2.85-1.95 0.5

0.6 a  a

a

b

E-8.00-4.00-2.35 0.6

0.6 a  a

a

b

E-8.30-4.00-3.60

E-9.00-4.00-1.90 0.9

1.0 a  a

a

b

E-10.0-4.94-2.94 0.7

0.7 a  a

a

b

E-10.2-5.50-4.70

E-12.7-6.40-3.55 0.9

0.9 R  R  R

b

E-16.0-7.20-4.80

E-16.0-8.05-4.50 1.1

1.1 R  R  R

b

E-19.0-8.00-5.00

E-20.1-10.5-5.65 1.4

1.4 R  R  R

b

E-25.1-12.6-7.20 1.8

1.8 R  R  R

b

E-25.4-9.50-6.35

E-30.0-13.2-10.7

E-32.1-16.1-9.15 2.3

2.2 R  R  R

R

E-33.0-13.8-12.7

E-35.0-15.5-10.0

E-40.0-17.0-10.7

E-42.2-21.0-15.0 2.9

3.0 R  R  R

R

E-42.2-21.0-19.6 2.9

3.0 R  R  R

R

E-50.0-21.3-14.6

E-55.2-27.5-20.7 4.3

4.3 R  R  R

R

E-55.2-27.5-24.6 4.3

4.3 R  R  R

R

E-60.0-22.3-15.6

E-65.2-32.5-27.0 5.0

5.0 R  R  R

R

a

:平らな支持台を使用する。

b

:使用者と製造業者との取決めに従ったジグを使用する。

R

:ローラによって支持する。

備考  磁心の配置位置の許容差は,次による。

及び が 1.0 mm 以下の場合:ともに±0.1 mm 
Lが 1.0 mm を超える場合:Lの±10  %


49

C 2560-2

:2006

附属書 8(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS C 2560-2

:2006

  フェライト磁心−第 2 部:試験方法

IEC 60424-1

:1999

  フェライト磁心の外観−第 1 部:通則

IEC 61631

:2001

  フェライト磁心の機械的強度試験方法

IEC 62044-1

:2002

  フェライト磁心の電磁気的特性試験方法−第 1 部:

通則

IEC 62044-2

:2005

  フェライト磁心の電磁気的特性試験方法−第 2 部:

高磁界における特性

IEC 62044-3

:2000

  フェライト磁心の電磁気的特性試験方法−第 3 部:

高磁界における特性

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:側線又は点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

1.

適用 範

フ ェ ラ イ ト 磁 心 の 低磁 界

及 び 高 磁 界 に お け る電 磁
気的特性,機械的強度及び
外観についての試験方法

IEC 60424-1

IEC 61631

IEC 62044-1

IEC 62044-2

IEC 62044-3

1

1

1

1

1

IEC 60424-1

:外観

IEC 61631

:機械的強度

IEC 62044-1

IEC 62044-2

:電磁気的特性

IEC 62044-3

以上についての試験方法

MOD/

変更

ユーザの利便性を考えて五つの国際

規格を一つの JIS とした。 
  なお, 
・低磁界及び高磁界の区別を明確に

するために,

“レイリー領域”に関

する記述を参考として追加した。

・高磁界における特性の説明を参考

として追加した。

2.

引用 規

JIS C 60068-1

IEC 60050

(221)

IEC 60424-1

IEC 61631

IEC 62044-1

IEC 62044-2

IEC 62044-3

なし

2

2

2

2

IEC 60068-1 
IEC 60050(221)

IEC 60404-8-6(パーマロ
イ) 
EN 10002-2(校正関係)

ISO 4677-1(校正関係) 
ISO 4677-2(校正関係)

MOD/

変更

削除した規格は,欧州による認証制
度及び加圧強度計・湿度計の校正,

並びにフェライトとは異なる金属軟
質 磁 性 材 料 に 関 す る 備 考 文 ( IEC 

62044-3

の序文の備考)に含まれる引

用規格であり,この JIS とは関係が
ないため削除した。

 

49

C

 2560-2


2005


50

C 2560-2

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容
  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目 
番号

内容

項目ごと の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

3.

定義

各 IEC 規格に規定された
計 16 用語

IEC 60424-1

IEC 61631

IEC 62044-1

IEC 62044-2

IEC 62044-3

3

3

なし

3

3

IEC 60424-1

:4 用語

IEC 61631

:1 用語

IEC 62044-1

:なし

IEC 62044-2

:2 用語

IEC 62044-3

:9 用語

IDT

コアロスの定義は
実用上,更に細か
く二つに分類され

るため,参考とし
てその定義を追加
した。

IEC 62044-3

への追加を IEC/TC51 に

提案する。

4.

標準 試

験状態

・一般事項 
・標準大気条件

IEC 62044-1

IEC 61631

3

6.1

・一般事項 
・標準大気条件

MOD/

変更

IEC 61631

の 6.1 に

は大気条件の湿度

範 囲 と し て 45 ∼

85

% と 規 定 し て

いる。

IEC 60068

(=JIS C 60068)

に準拠する

よう IEC 61631 の改正を IEC/TC51

に提案する。

5.

電磁 気

的試験

・一般事項 
・低磁界における磁気特性

の測定

・高磁界における磁気特性

の測定

IEC 62044-1

IEC 62044-2

IEC 62044-3

4

∼6

5

∼15

4

∼6

すべて JIS に同じ IDT

6.

機械 的

強度試験

・装置 
・試料 
・試験

IEC 61631

4

∼6

すべて JIS に同じ IDT

7.

外観 検

目視又は装置による方法

− MOD/追加

自明な内容として

IEC

規格に規定し

ていない。

規格の構成上,規定しておくべきで
ある。

8.

寸法 検

目視又は装置による方法

 

− MOD/追加

自明な内容として

IEC

規格に規定し

ていない。

規格の構成上,規定しておくべきで

ある。

 

50

C

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2005


51

C 2560-2

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容
  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目 
番号

内容

項目ごと の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

附属書 1 
(規定)

デ ィ ス ア コ モ デ ー ショ ン
の測定方法

IEC 62044-2

附属書 A

ディスアコモデーション
の測定方法

IDT

ただし,国際規格では規格本体に試
験項目として盛り込まれているにも
かかわらず,具体的内容については

附属書(参考)を参照と記載されて
いる。国際規格ではあくまで参考で
あるが,この JIS では規定扱いとし

た。

附属書 2

(参考)

THD 試験の測定条件

IEC 62044-2

附属書 B

THD 試験の測定条件 IDT

附属書 3 
(参考)

振 幅 透 磁 率 測 定 の ため の
基本回路及び関連装置

IEC 62044-3

附属書 A

振幅透磁率測定のための
基本回路及び関連装置

IDT

附属書 4 
(参考)

パ ワ ー ロ ス 測 定 の ため の
マ ル チ プ ラ イ ン グ 法− 基

本回路及び関連測定手順

IEC 62044-3

附属書 C

パワーロス測定のための
マルチプライング法−基

本回路及び関連測定手順

IDT

附属書 5 
(参考)

直流磁気特性(飽和磁束密
度,残留磁束密度及び保磁

力)の試験方法 
並びに 
その他の物理的特性(飽和

磁わい定数,体積抵抗率,
かさ密度,熱伝導率,平均
線膨張係数,弾性率及びビ

ッカース硬さ)の試験方法

− MOD/追加

JIS

では,国際規格

に規定されていな

いフェライト磁心
の直流磁気特性及
びその他の物理的

特性の試験方法を
記載。

使用者との商取引上,直流磁気特性
の評価は必す(須)であるため,参

考として記載した。IEC 62044 シリー
ズ(フェライトの電気的特性方法規
格 ) に 盛 り 込 ん で も ら う よ う

IEC/

TC51

に働きかける。

 
 
 

51

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C 2560-2

:2006

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際規

格番号

項目 
番号

内容

項目ごと の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

由及び今後の対策

附属書 6 
(参考)

ヘ ッ ド 用 フ ェ ラ イ ト磁 心
特有の試験方法(埋込み特

性,結晶粒径,白金混入量
及び面方位測定)

− MOD 追加

JIS

では,国際規格

に規定されていな

い磁気ヘッド用フ
ェライト磁心に特
有な特性の試験方

法を記載。

磁気ヘッド用フェライト磁心は,そ
の他の用途と比べより多くの特性に

ついて評価する必要があり,使用者
との商取引上,それらは必す(須)
であるため,参考として記載した。

附属書 7

(規定)

機械的強度測定のための,

各 磁 心 寸 法 ご と の 支持 方

IEC 61631 

附属書

機 械 的 強 度 測 定 の た め

の,各磁心寸法ごとの支
持方法

IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT……………… 技術的差異がない。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

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