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日本工業規格

JIS

 C

2528

-1991

電気抵抗用繊維巻線

Silk and polyester fiber covered wires

for electrical resistance use

1.

適用範囲  この規格は,JIS C 2521JIS C 2522 及び JIS C 2532 に規定する電気抵抗用銅ニッケル線,

電気抵抗用銅マンガン線,一般電気抵抗用銅ニッケル 49 種線,一般電気抵抗用銅ニッケル 30 種線及び一

般電気抵抗用銅マンガン 44 種線に,絹巻,絹・ポリエステル繊維巻又はポリエステル繊維巻を施した線(以

下,線という。

)について規定する。

備考  この規格の引用規格を,付表 に示す。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

体積抵抗率  単位断面積,単位長さの電気抵抗  (

µΩm)。単に抵抗率と呼ぶこともある。

(2)

導体抵抗  均一な断面積をもつ電気導体の長さ方向における所定長さ当たりの電気抵抗  (

Ω)。

一般に,1m 当たりの電気抵抗  (

Ω/m),又は 1km 当たりの電気抵抗  (Ω/km)。

(3)

一次温度係数及び二次温度係数  電気導体の温度による電気抵抗変化率を温度の二次関数として求め

る場合,温度の一次項の係数を一次温度係数,二次項の係数を二次温度係数とする。

一般に温度係数に用いる記号は,次による。

(a)

一次温度係数:

α

(b)

二次温度係数:

β

(c)

t

℃における一次温度係数:

α

t

(4)

平均湿度係数  電気導体の温度による電気抵抗変化率を所定の温度区間における温度差で除した値。

一般に温度係数に用いる記号は,次による。

(a)

平均温度係数:

α

(b)

t

a

℃と t

b

℃  (t

a

t

b

)

の平均温度係数:

α

a, b

(5)

対銅平均熱起電力  線と JIS C 2527 の 4.2(標準白金線又は標準銅線)に規定する標準銅線で熱電対

を構成し,基準温度を 0℃,高温接点を t℃とする場合に生じる熱起電力の

t

1

  (

µV/K)。

(6)

電気抵抗安定度  十分に焼きなましたものであるか否かを検出するための所定の熱処理前後における

電気抵抗の変化率 (%)。

3.

種類及び記号  種類及び記号は,被覆の種類及び導体の種類によって,表 のとおり分類する。


2

C 2528-1991

表 1  種類及び記号

種類

被覆

導体

記号

(

1

)

二重絹巻き

電気抵抗用銅ニッケル線 AA 級 DSCNWAA

電気抵抗用銅ニッケル線 A 級 DSCNWA

電気抵抗用銅ニッケル線 B 級 DSCNWB

電気抵抗用銅マンガン線 AA 級 DSCMWAA

電気抵抗用銅マンガン線 A 級 DSCMWA

電気抵抗用銅マンガン線 B 級 DSCMWB

一般電気抵抗用銅ニッケル 49 種線 DSGCN49W

一般電気抵抗用銅ニッケル 30 種線 DSGCN30W

一般電気抵抗用銅マンガン 44 種線 DSGCM44W

絹・ポリエステル繊維巻

電気抵抗用銅ニッケル線 AA 級 DSTCNWAA

電気抵抗用銅ニッケル線 A 級 DSTCNWA

電気抵抗用銅ニッケル線 B 級 DSTCNWB

電気抵抗用銅マンガン線 AA 級 DSTCMWAA

電気抵抗用銅マンガン線 A 級 DSTCMWA

電気抵抗用銅マンガン線 B 級 DSTCMWB

一般電気抵抗用銅ニッケル 49 種線 DSTGCN49W

一般電気抵抗用銅ニッケル 30 種線 DSTGCN30W

一般電気抵抗用銅マンガン 44 種線 DSTGCM44W

二重ポリエステル繊維巻

電気抵抗用銅ニッケル線 AA 級 DTCNWAA

電気抵抗用銅ニッケル線 A 級 DTCNWA

電気抵抗用銅ニッケル線 B 級 DTCNWB

電気抵抗用銅マンガン線 AA 級 DTCMWAA

電気抵抗用銅マンガン線 A 級 DTCMWA

電気抵抗用銅マンガン線 B 級 DTCMWB

一般電気抵抗用銅ニッケル 49 種線 DTGCN49W

一般電気抵抗用銅ニッケル 30 種線 DTGCN30W

一般電気抵抗用銅マンガン 44 種線 DTGCM44W

(

1

)

記号の意味は,次のとおりである。

DS

……二重絹巻線

DST

……絹・ポリエステル繊維巻

DT

……二重ポリエステル繊維巻

DS

,DST 及び DT の次の CNW……電気抵抗用銅ニッケル線

DS

,DST 及び DT の次の CMW……電気抵抗用銅マンガン線

DS

,DST 及び DT の次の GCN49W……一般電気抵抗用銅ニッケル 49 種線

DS

,DST 及び DT の次の GCN30W……一般電気抵抗用銅ニッケル 30 種線

DS

,DST 及び DT の次の GCM44W……一般電気抵抗用銅マンガン 44 種線

末尾の文字 AA,A 及び B……等級(JIS C 2521 及び JIS C 2522 参照)

4.

品質

4.1

化学成分  線に用いる導体の化学成分は,電気抵抗用銅ニッケル線にあっては JIS C 2521,電気抵

抗用銅マンガン線にあっては JIS C 2522,一般電気抵抗用銅ニッケル 49 種線,30 種線及び一般電気抵抗

用銅マンガン 44 種線にあっては JIS C 2532 の規定に適合しなければならない。

4.2

体積抵抗率  線に用いる導体の体積抵抗率は,6.2.2 によって試験を行い,JIS C 2521JIS C 2522

及び JIS C 2532 の規定に適合しなければならない。ただし,導体の直径 0.355mm 未満の線については適用

しない。


3

C 2528-1991

4.3

一次温度係数及び二次温度係数  線の一次温度係数及び二次温度係数は,6.2.3 によって試験を行い,

JIS C 2521

及び JIS C 2522 の規定に適合しなければならない。

4.4

平均温度係数  線の平均温度係数は,6.2.4 によって試験を行い,JIS C 2521 の規定に適合しなけれ

ばならない。

4.5

電気抵抗安定度  線の電気抵抗安定度は,6.2.5 によって試験を行い,JIS C 2522 の規定に適合しな

ければならない。

4.6

対銅平均熱起電力  線の対銅平均熱起電力は,6.2.6 によって試験を行い,JIS C 2522 の規定に適合

しなければならない。

4.7

機械的性質  線の導体の引張強さと伸びは,6.2.7 によって試験を行い,JIS C 2521JIS C 2522 

び JIS C 2532 の規定に適合しなければならない。ただし,導体の直径 0.20mm 未満の線については適用し

ない。

4.8

導体抵抗及び導体抵抗許容差

4.8.1

導体抵抗  線の導体抵抗は,6.2.8 によって試験を行い,JIS C 2521JIS C 2522 及び JIS C 2532

の規定に適合しなければならない。

なお,規定寸法にない寸法の導体抵抗は,当分の間受渡当事者間の協定による寸法を用いて 6.2.8 に示し

た計算式によって求めた値に適合しなければならない。

4.8.2

導体抵抗許容差  線の導体抵抗許容差は,表 による。

なお,規定寸法にない寸法の線の導体抵抗許容差は,

表 による。

4.9

横巻繊維のほつれ  横巻繊維のほつれは,切り口から 5mm 以下でなければならない。

5.

寸法及び寸法許容差

5.1

線の寸法及び寸法許容差  線の寸法及び寸法許容差は,6.2.9 によって試験を行い,表 の規定に適

合しなければならない。ただし,規定寸法にない線の直径については,当分の間受渡当事者間の協定によ

ることができる。この場合,寸法許容差は,

表 による。


4

C 2528-1991

表 2  導体直径,直径許容差,導体抵抗許容差,横巻繊維厚さ及び最大仕上外径

導体

二重絹巻

絹・ポリエステル繊維巻

二重ポリエステル繊維巻

直径

mm

許容差

mm

導体抵抗

許容差

%

最小巻厚さ

mm

最大仕上外径

mm

最小巻厚さ

mm

最大仕上外径

mm

0.025

±0.002

±13 0.020 0.110  −

0.032

±0.003

±12 0.020 0.117  −

0.040

±0.003

±12  0.025 0.125 0.035 0.140

0.050

±0.004

±11  0.025 0.135 0.035 0.150

0.063

±0.004

±11  0.025 0.148 0.035 0.163

0.071

±0.005

±10  0.025 0.156 0.035 0.171

0.080

±0.005

±10  0.030 0.170 0.035 0.180

0.090

±0.005

±10  0.030 0.180 0.035 0.190

0.100

±0.006

±

9  0.030 0.190 0.035 0.200

0.112

±0.006

±

9  0.030 0.202 0.035 0.212

0.125

±0.006

±

9  0.030 0.215 0.035 0.225

0.140

±0.008

±

8  0.030 0.230 0.035 0.240

0.160

±0.008

±

8  0.030 0.250 0.035 0.260

0.180

±0.008

±

8  0.030 0.270 0.035 0.280

0.200

±0.010

±

8  0.030 0.290 0.035 0.300

0.224

±0.010

±

8  0.035 0.324 0.035 0.324

0.250

±0.010

±

8  0.035 0.350 0.035 0.350

0.280

±0.013

±

7  0.035 0.380 0.035 0.380

0.315

±0.013

±

7  0.035 0.415 0.035 0.415

0.355

±0.013

±

7  0.035 0.455 0.035 0.455

0.400

±0.016

±

7  0.035 0.500 0.035 0.500

0.450

±0.016

±

7  0.040 0.570 0.040 0.570

0.500

±0.016

±

7  0.040 0.620 0.040 0.620

0.560

±0.016

±

7  0.040 0.680 0.040 0.680

0.630

±0.020

±

6  0.045 0.770 0.045 0.770

0.710

±0.020

±

6  0.045 0.850 0.045 0.850

0.800

±0.020

±

6  0.045 0.940 0.045 0.940

0.900

±0.025

±

6  0.045 1.040 0.045 1.040

1.000

±0.025

±

6  0.050 1.160 0.050 1.160

表 3  規定寸法以外の線の寸法許容差

単位 mm

二重絹巻,絹・ポリエステル繊維巻

二重ポリエステル繊維巻

導体直径

最小巻厚さ

最大仕上外径

最小巻厚さ

最大仕上外径

0.025

以上 0.035 5 未満 0.020  導体直径+0.085

0.035 5

以上 0.080  未満 0.025  導体直径+0.085 0.035 導体直径+0.100

0.080

以上 0.225  未満 0.030  導体直径+0.090 0.035 導体直径+0.100

0.225

以上 0.425  未満 0.035  導体直径+0.100 0.035 導体直径+0.100

0.425

以上 0.630  未満 0.040  導体直径+0.120 0.040 導体直径+0.120

0.630

以上 0.950  未満 0.045  導体直径+0.140 0.045 導体直径+0.140

0.950

以上 1.000  以下 0.050  導体直径+0.160 0.050 導体直径+0.160

5.2

導体の直径及び直径許容差  線に用いる導体の直径及び直径許容差は,6.2.9 によって試験を行い,

表 の規定に適合しなければならない。ただし,規定寸法にない導体の直径については,当分の間受渡当

事者間の協定によることができる。この場合,寸法許容差は,

表 による。


5

C 2528-1991

表 4  規定寸法以外の線の導体直径許容差及び導体抵抗許容差

直径

mm

導体直径許容差

mm

導体抵抗許容差

%

0.025

以上 0.028  未満

±0.002

±13

0.028

以上 0.047 5 未満

±0.003

±12

0.047 5

以上 0.067  未満

±0.004

±11

0.067

以上 0.095  未満

±0.005

±10

0.095

以上 0.140  未満

±0.006

± 9

0.140

以上 0.200  未満

±0.008

± 8

0.200

以上 0.280  未満

±0.010

± 8

0.280

以上 0.400  未満

±0.013

± 7

0.400

以上 0.600  未満

±0.016

± 7

0.600

以上 0.850  未満

±0.020

± 6

0.850

以上 1.000  以下

±0.025

± 6

6.

試験

6.1

試験条件  6.2.26.2.76.2.8 及び 6.2.9 の試験は,JIS Z 8703 に規定する常温・常湿[温度 20±15℃,

湿度 (65±20) %]で行う。

6.2

試験方法

6.2.1

導体の化学分析試験  導体の化学分析試験は,JIS H 1413 又は JIS H 1414 に規定する方法によっ

て行う。

6.2.2

体積抵抗率試験  体積抵抗率試験は,JIS C 2525 に規定する方法によって行う。ただし,標準状態

の温度は,23℃とする。

6.2.3

一次温度係数及び二次温度係数試験  一次温度係数及び二次温度係数試験は,JIS C 2526 に規定す

る方法によって行う。

6.2.4

平均温度係数試験  平均温度係数試験は,JIS C 2526 に規定する方法によって行う。

6.2.5

電気抵抗安定度試験  電気抵抗安定度試験は,JIS C 2522 の 7.2.4(電気抵抗安定度試験)によっ

て行う。

6.2.6

対銅平均熱起電力試験  対銅平均熱起電力試験は,JIS C 2522 の 7.2.5(対銅平均熱起電力試験)

によって行う。

6.2.7

引張試験  引張試験は,JIS Z 2241 によって,JIS Z 2201 に規定する 9A 号試験片を用いて行い,

引張強さ及び伸びを求める。

6.2.8

導体抵抗試験  導体抵抗試験は,JIS C 2525 によって行う。ただし,標準状態の温度は,23℃とす

る。

なお,規定寸法にない寸法の導体抵抗は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって,有効数字 3 け

たに丸める。

A

R

c

ρ

=

ここに,

R

c

:  導体抵抗  (

Ω/m)

ρ

:  体積抵抗率で,JIS C 2521JIS C 2522 及び JIS C 2532 に規

定する該当種類の体積抵抗率  (

µΩm)。

A

:  断面積で,受渡当事者間の協定による寸法から算出し,JIS Z 

8401

によって有効数字 4 けたに丸める (mm

2

)


6

C 2528-1991

6.2.9

寸法試験  寸法試験は,最小目盛

000

1

1

mm

まで測定できる測定器を用い,次によって行う。

(1)

線の寸法試験  線の寸法(線の仕上外径)試験は,長さ方向に垂直な同一平面内でほぼ等しい角度を

なす 2 か所以上を測定し,その平均値を求める。

(2)

導体の寸法試験  線に用いる導体は,横巻繊維を除いた後,導体の長さ方向に垂直な平面の最大及び

最小の直径を測定し,その平均値で表す。最大値及び最小値は許容差内でなければならない。

(3)

横巻繊維の厚さの求め方  線の横巻繊維の厚さは,線の外径と導体直径との差を求め,その差の

2

1

する。

なお,この測定は,長さ方向について 2 か所以上で行う。

6.2.10

横巻繊維のほつれ  横巻繊維のほつれは,長さ約 20cm の試料を採り,線の長さ方向に垂直に鋭利

なはさみで切断し,3 分間経過後,切口のほつれの長さ(

図 1)を調べる。

図 1  横巻繊維のほつれ

7.

検査

7.1

線は,6.によって試験を行い,4.及び 5.の規定に適合しなければならない。

7.2

その他の一般事項は,JIS H 0321 による。

8.

包袋  線は,ボビン(枠巻き)又はコイル(輪巻き)とし,運搬中損傷を受けないように適切な方法

によって包装する。

9.

製品の呼び方  製品の呼び方は,種類及び等級又は記号並びに導体の直径による。

例  二重絹巻電気抵抗用銅マンガン線 AA 級 0.5mm 又は DSCMWAA 0.5mm

10.

表示  線には,適切な方法によって,次の事項を表示しなければならない。

(1)

種類及び等級又は記号

(2)

導体直径

(3)

導体抵抗

(4)

一次温度係数又は平均温度係数(規定がある場合)

(5)

正味質量

(6)

製造番号

(7)

製造年月又はその略号

(8)

製造業者名又はその略号


7

C 2528-1991

付表 1  引用規格

JIS C 2521

  電気抵抗用銅ニッケル線,帯,条及び板

JIS C 2522

  電気抵抗用銅マンガン線,棒及び板

JIS C 2525

  金属抵抗材料の導体抵抗及び体積抵抗率試験方法

JIS C 2526

  金属抵抗材料の電気抵抗−温度特性試験方法

JIS C 2527

  金属抵抗材料の熱起電力試験方法

JIS C 2532

  一般電気抵抗用線,条及び板

JIS H 0321

  非鉄金属材料の検査通則

JIS H 1413

  銅ニッケル抵抗材分析方法

JIS H 1414

  マンガニン分析方法

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

電気部会  電気抵抗材料専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

平  山  宏  之

東京都立科学技術大学電子システム工学科

中  島  一  郎

通商産業省基礎産業局

吹  訳  正  憲

通商産業省機械情報産業局

稲  葉  裕  俊

工業技術院標準部

小  泉  邦  正

富士通株式会社

加  藤  敏  男

横河電機株式会社

三  谷      進

日本電信電話株式会社

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会

山  崎      悟

三菱電機株式会社福山製作所

清  田  泰  輔

日本金属工業株式会社

加  藤  仲  司

日本電気抵抗合金工業会

久保田      節

東京特殊電線株式会社依田川工場

吉  成      丹

古河特殊金属工業株式会社

鈴  木  益  夫

第一電工株式会社

桑  原  清  彦

株式会社東京ワイヤー製作所

(事務局)

角  田  悦  啓

工業技術院標準部電気規格課