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C 2525 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS C 2525 : 1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

JIS C 2525

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  ISO/TAG4 の測定の不確かさの表示に関する指針の概要


日本工業規格

JIS

 C

2525

: 1999

金属抵抗材料の導体抵抗及び

体積抵抗率試験方法

Testing method for conductor-resistance and

resistivity of metallic resistance materials

序文  この規格は,1974 年に発行された IEC 60468, Method of measurement of resistivity of metallic materials

を参考として,最近の計測技術の進歩を考慮して,JIS C 2525 : 1994 を改正したものである。

1.

適用範囲  この規格は,体積抵抗率 0.05

µΩm 以上 2µΩm 以下の金属抵抗材料などの導体抵抗,及び体

積抵抗率の試験方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

金属抵抗材料  電気抵抗特性を利用する金属導電材料。

b)

導体抵抗  均一な断面積をもつ電気導体の長さ方向における所定長さ当たりの電気抵抗  (

Ω)。一般に,

1m

当たりの電気抵抗  (

Ω/m)  又は 1km 当たりの電気抵抗  (Ω/km)。

導体抵抗の記号:RC

c)

体積抵抗率  単位断面積,単位長さの電気抵抗  (

Ωm)。単に,抵抗率ということもある。体積抵抗率

の記号は,次による。

体積抵抗率の記号:

ρ

t

℃における体積抵抗率の記号:

ρ

t

d)

電圧端子  試験片両端の電位差を測定するための,試験片押さえジグで,刃形の金具。

e)

電流端子  試験片に電流を流す場合の,試験片押さえジグで,ねじ止め式の金具。

f)

測定用導線  電圧端子,電流端子と測定器及び電源とを結ぶ導線。

g)

拡張不確かさ  高い信頼水準  (P)  をもつことの期待される信頼限界のある測定の不確かさ。ここでは,

P

=95%を使用する。

4.

試験片

4.1

試験片の採取方法  試験片の採取方法は,表 による。


2

C 2525 : 1999

表 1  試験片の採取方法

試験片

製品の形状

採取方法

導体抵抗用試験片

製品から規定数を採取し,そのままのものを試験片とする。

直径 0.1mm 未満の線

厚さ 0.5mm 未満の帯又は板

製品と同一溶解単位の中間工程から直径 0.5∼1.0mm の線,又は

厚さ 0.5∼1.0mm の帯若しくは板を作製して試験片とする。同一
溶解単位の中間工程から試験片採取が困難な場合は,7.1b)によ
って試験片の断面積を求め,

そのままのものを試験片としてもよ

い。

直径 0.1mm 以上の線又は棒

体積抵抗率用試験片

厚さ 0.5mm 以上の帯又は板

0.01

Ω以上の試験片が得られれば導体抵抗用試験片をそのまま

使用する。0.01

Ω未満の場合は,線又は棒ではこれを伸線若しく

は引抜きし,

帯又は板ではこれを一様な幅をもつリボン状に裁断

して試験片とする。これが困難な場合は,同一溶解単位の中間工
程から別に線若しくは棒又は帯若しくは板を製造して 0.01

Ω以

上の試験片を作製する。

4.2

試験片の処理方法  試験片の処理方法は,次による。

a)

導体抵抗用試験片及び体積抵抗率用試験片は,製品の仕上がり状態のままのものを用いる。製品と別

に作製した体積抵抗率用試験片は,それぞれの材質に適した焼なましを施したものを用い,裁断によ

って採取した試験片は,裁断によって生じたひずみを除去しておかなければならない。

b)

試験片の表面に酸化皮膜又は絶縁被覆がある場合は,試験片と測定用端子の接触部分の皮膜又は被覆

を除去して,金属面を露出させておかなければならない。

c)

採取した試験片には,張力,曲げなどを加えてはならない。また,汚れ,じんあい(塵埃)などが付

着しないよう慎重に取り扱わなければならない。

d)

ニッケルクロム電熱材の試験片は,使用者から熱処理の要望があった場合には,約 800℃の温度で 30

分間保持した後に空冷する熱処理を施すことができる(ニッケルクロム電熱材は,仕上げ焼なましで

急冷されると抵抗値が数%小さくなる特性があるからである。

4.3

試験片の寸法  試験片の寸法は,通常,測定長 50cm 以上でなければならない。ただし,体積抵抗率

測定用試験片の場合は,試験片の全長を通じて,直径に 1%以上,幅及び厚さに 3%以上の変化があっては

ならない。

5.

試験条件

5.1

試験場所の温度  試験は,通常,JIS Z 8703 に規定する標準温度 23±3℃で行う。試験温度が異なる

場合には,補正を加えて算出する。

5.2

測定電流  測定電流によって試験片が自己加熱し,その結果 0.1%以上の抵抗値の変化を起こすおそ

れがある場合は,初めの電流とその

2

倍の電流とで抵抗を測定し,その差が 0.1%を超えなければ初めの

電流で測定してもよい。0.1%を超えた場合は,上記の条件を満たすような小さな電流で測定する。


3

C 2525 : 1999

6.

測定装置  抵抗の測定は,ダブルブリッジ法,ホイートストンブリッジ法,デジタル抵抗計法又は電

圧比較法(電位差計又はデジタル電圧計を使用)などで行い,その測定装置は,

参考図 1.1(抵抗測定器法

による 4 端子測定の場合)

参考図 1.2(電圧比較法による 4 端子抵抗測定の場合),参考図 1.3(抵抗測定

器による 2 端子測定の場合)のように電圧端子,電流端子,測定用導線,直流電流計,測定器,標準抵抗

器などを組み合わせて使用する。

a)

測定器  抵抗の測定には,必要な測定範囲で有効数字 4 けた以上を測定できるブリッジ,抵抗計,又

は電圧測定器を用いる。ただし,試験片の電気抵抗が 0.01

Ω未満のときは 1µΩが測定できるものとす

る。測定器は適切な標準器を用いて精度(拡張不確かさ)の確認が行われたものを使用する。

b)

端子  電圧端子及び電流端子は,次による。

1)

一対の電圧端子は,丈夫な台の上に固定した測定長さ(端子間隔)100cm 又は 50cm のナイフエッ

ジとする。各端子における試験片との接触面を試験片の長さの方向にはかったとき,その大きさが

電圧端子間の間隔の 1/500 以下であることが必要である。ただし,試験片の抵抗値が十分高く,測

定に疑義を生じるおそれがない場合は,ねじ止め式の端子で代用してもよい。

2)

試験片の抵抗値が 1

Ω以下の場合は,電圧端子間の外側に電流端子を設けなくてはならない。この場

合,電流端子と電圧端子との間隔は,試験片の直径又は幅の 3 倍以上でなければならない。

3)

試験片の抵抗温度係数が 1 000×10

6

・K

1

以上の場合には,試験片及び端子全体を絶縁性の油槽中

に浸し,抵抗測定中に試験片の温度が変化しない構造でなければならない。

c)

標準抵抗器  抵抗の標準を必要とする場合は,有効数字 4 けた以上まで精度(拡張不確かさ)の確認

された標準抵抗器を使用する。標準抵抗器は,その温度を測定し,温度による抵抗値変化を補正して

使用する。

d)

測定用導線  ダブルブリッジで測定する場合,電流,電圧の各端子と測定器とを接続する導線は,そ

の抵抗値が 0.01

Ω以下でなければならない。

7.

測定方法

7.1

試験片の寸法測定  試験片の寸法測定は,次による。

a)

長さの測定  長さの測定は,0.5mm の精度(拡張不確かさ)で測定する。試験片上の電圧端子間隔を

長さとする。

b)

断面積の測定  断面積の測定は,次によって行い有効数字 4 けたまで求める。

1)

直径から求める場合  線及び棒は,1 点について互いに直角な 2 方向の直径をほぼ等間隔に 5 か所

以上の点で測定して平均し,次の式によって断面積を算出する。

2

4

d

A

π

=

ここに,

A

断面積

 (mm

2

)

d

直径

 (mm)

2)

質量,密度及び長さから求める場合  形状上,寸法から断面積の算出が困難な場合は,質量,密度

及び長さから次の式によって算出する。

L

d

M

A

S

A

=

ここに,

A

断面積

 (mm

2

)

M

A

試験片の空気中の質量

 (g)

L

試験片の長さ

 (m)


4

C 2525 : 1999

d

s

試験片の密度

 (g/cm

3

)

ただし,質量は

4

けたまで測定し,長さは,

0.1%

よりよい精度(拡張不確かさ)で測定する。ま

た,密度を測定する場合は,

10g

以上の試験片を用い,化学天びんで空気中と水中の質量を

5

けた

まで求め,次の式によって密度を算出する。この場合,水は常温とし,気泡などによって誤差が生

じないようにする。

L

A

L

A

S

M

M

d

M

d

=

ここに,

d

s

試験片の密度

 (g/cm

3

)

M

A

空気中における試験片の質量

 (g)

M

L

水中における試験片の見掛けの質量

 (g)

d

L

水の密度

 (g/cm

3

)

常温における水の密度を,

表 に示す。

表 2  常温における水の密度(一部)

温度  ℃  水の密度  g/cm

3

温度  ℃ 水

g/cm

3

温度  ℃ 水

g/cm

3

10 0.999

70 17 0.998

78 24 0.997

30

11 0.999

61 18 0.998

60 25 0.997

05

12 0.999

50 19 0.998

41 26 0.996

79

13 0.999

38 20 0.998

21 27 0.996

52

14 0.999

25 21 0.997

99 28 0.996

24

15 0.999

10 22 0.997

77 29 0.995

95

16 0.998

94 23 0.997

54 30 0.995

65

7.2

抵抗の測定  抵抗の測定は,常温における試験片の抵抗値を測定する。抵抗の測定をホイートスト

ンブリッジによって求める場合には,接続導線の抵抗値を測定値から差し引くものとする。求められた抵

抗値から導体抵抗及び体積抵抗率は,次によって求める。ただし,標準状態の温度は

23

℃とする。

a)

導体抵抗は,次の式によって有効数字

4

けたを求め,JIS Z 8401 によって

3

けたに丸める。

L

R

R

C

=

ここに,

R

c

導体抵抗

  (

/m)

R

試験片の常温 t℃における実測抵抗値

  (

)

L

試験片の長さ

 (m)

b)

導体抵抗の温度による補正  試験片の抵抗温度係数が

270

×

10

6

K

1

以上あるものでは,次の式によ

って

23

℃における導体抵抗値を算出する。

)

23

(

1

23

+

=

t

R

R

ct

α

ここに,

ρ

23

23

℃における導体抵抗

  (

/m)

R

ct

t

℃における導体抵抗

  (

/m)

α

試験片の抵抗温度係数

 (K

1

)

t

試験片の温度

  (

)

c)

体積抵抗率  体積抵抗率は,次の式によって有効数字

4

けたを求め,JIS Z 8401 によって

3

けたに丸

める。


5

C 2525 : 1999

[

]

A

L

t

R

A

R

+

=

)

23

(

1

23

23

α

ρ

ここに,

ρ

23

23

℃における体積抵抗率  (

µΩm)

R

23

試験片の実測抵抗値を 23℃における値に換算した導体抵抗 
(

Ω/m)

R

試験片の t℃における実測抵抗値  (

Ω)

α

試験片の抵抗温度係数 (K

1

)

L

試験片の長さ (m)

A

試験片の断面積 (mm

2

)

8.

測定の不確かさ  測定の不確かさによって標準的方法及び日常的方法に分類する。

8.1

標準的方法の不確かさ  標準的方法においては,測定の不確かさは 95%信頼度の拡張不確かさで表

すものとし,体積抵抗率±0.25%,導体抵抗±0.2%を推奨する。しかし,許容差によって,少なくとも許

容差の 1/10 よりよい拡張不確かさで測定しなければならない。測定値(補正を含む計算値)±拡張不確か

さは,許容差内でなければならない。不確かさの記載は,使用者との合意による。

ISO

ガイドで示される測定の不確かさに関する概要を附属書に記載する。

8.2

日常的方法の不確かさ  日常的方法では,規格の許容差の 1/4 よりよい拡張不確かさで測定する。こ

の方法は,測定又は試験のチェック,確認などのため,日常的に使用される方法で,測定値は,受渡試験

のデータとして使用することは望ましくなく,参考とする。

関連規格  IEC 60468:1974  Method of measurement of resistivity of metallic materials

ISO/TAG4/WG3

:1993  Guide to the expression of uncertainty in measurement


6

C 2525 : 1999

参考図 1.1  測定装置(抵抗測定器による 端子測定の場合)

参考図 1.2  測定装置(電圧比較法による 端子抵抗測定の場合)

参考図 1.3  測定装置(抵抗測定器による 端子測定の場合)


7

C 2525 : 1999

附属書(参考) 

ISO/TAG44

測定の不確かさの表示に関する指針の概要 

この

附属書(参考)は,本体で規定した事柄を説明するもので,規定の一部ではない。

この指針は 1980 年の BIPM(国際度量衡局)の勧告を基に作成され,現在のところ,最も詳細,かつ,

その根拠を明確に示し,広い計測分野をカバーするものである。従来不明確であった誤差に代わって,不

確かさ (uncertainty) の語を導入したものである。

不確かさを A,B 二つに分け,A は統計的に計算できるもの,B はそれ以外を示す。A は従来のランダ

ム誤差,B は系統誤差に近いが,完全に同一ではない。

計算は要因によって,A,B 二つに分けて 1

σ(標準偏差)相当の標準不確かさを求め,これを rss (root sum

of squares)

方式[不確かさの伝搬の法則]によって合成,合成標準不確かさを求める。次いでこれに保証

係数  (coverage factor) k を乗じて拡張不確かさを求める。

標準不確かさ  標準偏差で表した不確かさ

A

タイプ(ランダム)  一連の統計解析による評価

1)

多数データの場合 (n>10)  

n

q

q

K

n

k

/

1

÷÷

ø

ö

çç

è

æ

Σ

=

=

)

1

/(

]

)

(

[

)

(

2

1

2

Σ

=

=

n

q

q

q

s

k

n

k

k

[

]

n

q

s

q

s

K

/

)

(

)

(

2

2

=

ここに,

n

:  測定回数

q

k

:  測定値

q

:  平均値

s

2

:  分散

2)

少数データの場合 (n≦10)  

[

]

n

q

s

t

q

s

K

/

)

(

)

(

25

.

0

)

(

2

2

05

.

0

2

φ

=

ここに,

t

0.05

 (

φ

)

φ

n−1 の 分布(95%信頼水準)の値

B

タイプ(系統的)  統計解析以外の方法による評価で,要因ごとに分析

標準偏差相当に換算されている場合(そのまま)s (s

1

s

2

…)

±の長方形分布の(限界値の与えられている)場合 a/

3

  (a

1

a

2

…)

校正証明書(95%信頼限界の不確かさ U)の場合 U/2

合成標準不確かさ  rss 方式によって合成される 1

σ相当の不確かさ

]

)

2

/

(

3

/

3

/

[

)

(

2

2

2

2

1

2

2

2

1

2

U

a

a

s

s

s

y

u

q

C

+

+

+

+

+

+

+

=

Λ

Λ

拡張不確かさ  高い信頼水準をもつことの期待される信頼限界の値

(95%信頼水準の場合,k=2)

U

ku

c

 (y)

保証係数  拡張不確かさを得るため合成標準不確かさに乗じる係数

間接測定の場合,rss 方式を適用するが,測定量間に相関のある場合には,相関を考慮する。この規格に

おいては,k=2,信頼水準 95%の拡張不確かさを適用する。


8

C 2525 : 1999

JIS

改正原案作成(整合化)委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

平  山  宏  之

東京都立科学技術大学

(委員)

伊  藤      章

通商産業省機械情報産業局

村  上  拓  巳

通商産業省基礎産業局

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

赤  嶺  淳  一

社団法人日本電機工業会

井  川      淳

横河 M&C 株式会社

岡  村  郁  生

株式会社精電テクノ

山  内  五  郎 NTT 技術協力センター

塚  原  順  吉

大手金属株式会社

高  橋      宏

王子合金株式会社

木  島  三樹男

株式会社古河テクノマテリアル

戸  田  邦  明

根岸電材株式会社

原  田  秀  明

東京特殊電線株式会社

備考  *印は日本電気抵抗合金工業会技術委員