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C 2501 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS C 2501-1989 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格には,次の附属書がある。

附属書 1(規定)  試験片と磁極との間の空げきの影響

附属書 2(参考)  ポールコイルによる簡易測定法


日本工業規格

JIS

 C

2501

 : 1998

永久磁石試験方法

Methods of test for permanent magnet

序文  この規格は,1993 年に第 2 版として発行された IEC 60404-5, Magnetic materials−Part 5 : Permanent

magnet (magnetically hard) materials

−Methods of measurement of magnetic properties を基に,対応する部分に

ついては対応国際規格を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格

であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加している。

なお,この規格のうち,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格の目的は,磁束密度,磁気分極及び磁界強度の測定方法及び JIS C 2502 で指定す

るような,体積全体について均質と仮定される永久磁石材料の減磁曲線及びリコイル線の測定を定義する

ことである。

磁気装置の性能は永久磁石材料の磁気特性によるだけではなく,装置,空げき(隙)及びその他の寸法

にも左右される。この規格で記述する方法は,環状に近似した閉磁気回路における磁気的性質の測定であ

る。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

IEC 60404-5 : 1993, Magnetic materials

−Part 5 : Permanent magnet (magnetically hard) materials−

Methods of measurement of magnetic properties

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付

記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 2502

  永久磁石材料

備考  IEC 60404-8-1 : 1986, Magnetic materials−Part 8 : Specifications for individual materials−Section

One : Standard specification for magnetically hard materials

がこの規格と一致している。

参考  上記 IEC 規格番号は,1997 年 1 月 1 日から実施の IEC 規格新番号体系によるものである。こ

れより前に発行された規格については,規格票に記載された規格番号に 60000 を加えた番号に

切り替える。これは番号だけの切替えであり,内容は同一である。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

磁化曲線  磁界強度の変化に伴って生じる,材料中の磁束密度・磁気分極・磁化の変化を表す曲線。

3.2

磁気履歴  磁界強度の変化に関する,磁束密度又は磁化の不可逆変化。

3.3

履歴曲線  閉じた磁化曲線で,磁気履歴を示すもの。


2

C 2501 : 1998

3.4

減磁曲線  飽和磁束密度又は飽和磁気分極の状態から磁界を変化させて得られる履歴曲線のうち,

第 2 象限の部分。

減磁曲線には,次の 2 種類がある。

a)

磁束密度で表現するもの(B−H 減磁曲線と呼ぶ。

b)

磁気分極で表現するもの(J−H 減磁曲線と呼ぶ。

3.5

残留磁束密度  B−H 減磁曲線における磁束密度のうち,磁界強度が零に対応するもの。量記号は

B

r

,

単位はテスラ (T) で表す。

3.6

残留磁気分極  J−H 減磁曲線における磁気分極のうち,磁界強度が零に対応するもの。量記号は J

r

単位はテスラ (T) で表す。したがって,残留磁気状態では,J

r

B

r

となる。

3.7

保磁力  減磁曲線における磁界強度で,B-H 減磁曲線で磁束密度が零に対応するものを保磁力,J−

H

減磁曲線で磁気分極が零に対応するものを固有保磁力とする。量記号は,それぞれ H

CB

H

CJ

,単位は,

アンペア毎メートル (A/m) で表す。

3.8

最大エネルギー積  B-H 減磁曲線上の磁束密度とそれに対応する磁界強度との積(エネルギー積)

の最大値。量記号は,  (BH)

max

,単位はジュール毎立方メートル (J/m

3

)

で表す。

永久磁石材料について,この規格は保磁力 H

CB

(磁束密度に対する保磁力)及び固有保磁力 H

CJ

(磁気分

極に対する保磁力)の双方を扱う。

この規格で指定される測定は,磁界強度 の関数として磁束密度 及び磁気分極 の双方を対象にして

いる。これらの量は,次の式によって求める。

B

µ

0

H

 (1)

ここに,

B

:  磁束密度 (T)

µ

0

:  真空の透磁率=4

π×10

7

 (H/m)

H

:  磁界強度 (A/m)

J

:  磁気分極 (T)

この関係式を使うと,H

CB

値は B  (H)  履歴曲線から得られ,H

CJ

値は J  (H)  履歴曲線から得られる。BH

積の大きさが最大値をもつ点は  (BH)

max

に対する動作点と呼ぶ(

図 参照)。


3

C 2501 : 1998

図 1  (BH) 

max

点を示す減磁曲線

4.

電磁石及び磁化条件  測定は,軟質磁性材料から成る電磁石及び試験片で閉磁気回路を構成して行う。

ヨーク構造は対称形で,少なくとも片側の磁極は,試験片と磁極との間の空げきを最小にするために可

動できるものとする(

図 参照)。

対向する磁極の端面は,空げき部を最小とするために,極力精度よく平行,かつ,磁極の軸に垂直に研

磨する(

附属書 図 参照)。

備考  測定精度を上げるためヨーク及び磁極は,積層形として渦電流を減少させることができる。ヨ

ーク及び磁極の材料の保磁力は,100A/m 以上にならないようにする。

試験片の占めるスペース内で,

十分に均一な磁界を得るために,次の条件を同時に満足する必要がある。


4

C 2501 : 1998

図 2  電磁石及び磁化システムの構成

4.1

幾何学的条件(図 2

d

1

d

2

+1.2l'  (2)

d

1

≧2.0l'  (3)

ここに,  d

1

:  円形磁極の直径又は矩形磁極の小さい側の寸法 (mm)

l'

:  磁極間距離 (mm)

d

2

:  均一磁界部分の円柱体積の最大直径 (mm)

空げきの中心における磁界強度に関して,式(2)で半径方向

÷

ø

ö

ç

è

æ

2

2

d

における最大磁界の減少は 1%以内とし,

(3)で磁極面における電磁石の軸に沿う最大磁界の増大は 1%以内とする。

4.2

電磁石の条件  減磁曲線の測定において,磁極の磁束密度は,磁極面が極力等磁位を保つように,

実質的に飽和磁気分極より低くする必要がある。実用上,磁束密度は,鉄の場合は 1T 以下,コバルト含

有率 35∼50%の鉄合金の場合は 1.2T 以下とする。

ヨークは,試験片にできるだけ近く対称的に配置された磁化コイルによって励磁する(

図 参照)。試験

片の軸は,磁化コイルの軸と一致させるものとする。測定に先立ち,試験片は,試験片を飽和状態に近づ

けることのできる最大磁界 H

max

で磁化する(

1

)

。減磁曲線の測定は,初期磁化に用いた磁界と逆方向の磁界

で行う。

ヨーク内で試験片を飽和させるほどに磁化できない場合

[例えば,

(

1

)

に示した条件が得られない場合]

試験片は,電磁石外部で超伝導コイル又はパルス磁化器などで磁化するものとする。

(

1

)

製品の規格又は製造者が最大磁界強度 H

max

を指定しない場合,磁化曲線の測定前に試験片を磁


5

C 2501 : 1998

化して飽和させることが望ましい。二つの磁界強度値 H

1

及び H

2

に関して次の関係が維持される

場合,試験片は飽和したと考えられる。

P

2

P

1e

0.024 54 ln

 (H

2

/H

1

)  (4)

又は  P

2

P

1

10

0.024 54 log

 (H

2

/H

1

)  (5)

及び  H

2

≧1.2H

1

 (6)

ここに,

P

2

:  最大到達可能  (BH)

max

値 (J/m

3

)

又は最大到達可能 H

CB

(A/m)

P

1

:  低い方の  (BH)

max

値 (J/m

3

)

又は低い方の H

CB

値 (A/m)

H

2

:      P

2

に対応する磁界強度 (A/m)

H

1

:      P

1

に対応する磁界強度 (A/m)

H

2

/H

1

=1.5 の特別なケースでは,式(4)及び式(5)は P

2

<1.01P

1

になる。

いかなる場合も,磁化プロセスが試験片を過度に加熱させる原因にならないようにする。

5.

試験片  試験片は,単純な形状とする(円柱又は円筒)。試験片の長さ は,5mm 以上で,その他の

寸法は最小限 5mm とし,試験片及び検出部は,4.で定義されているように直径 d

2

内に配置する。

試験片の両端面は,できるだけ互いに平行,かつ,試験片軸に対して直角となるようにし,空げきを小

さくする(

附属書 参照)。

試験片の断面積は,試験片の長さ方向に対してできるだけ均一にし,その変動は,最小断面積の 1%以

下とする。平均断面積は,1%以内に限定される。

試験片は磁化方向に印を付ける必要がある。

6.

磁束密度の測定  試験片における磁束密度の変化は,サーチコイル中に誘導される電圧を積分して測

定する。

サーチコイルは,できるだけ試験片に密着し,磁極面に対して対称に巻き付ける。リード線はきつくね

じり,リード線中のループ内に誘導される電圧によって発生する誤差を避ける。

磁束密度測定の全誤差は,±2%以上にならないものとする。

二つの瞬間 t

1

と t

2

との間における空げき磁束を補正しない見掛けの磁束密度

B

ap

の変化量は,次の式に

よって求める。

ò

2

1

1

Δ

1

2

t

t

ap

Udt

AN

B

B

B

 (7)

ここに,

B

2

t

2

における磁束密度 (T)

B

1

t

1

における磁束密度 (T)

A

試験片の断面積 (m

2

)

N

サーチコイルの巻数

ò

2

1

t

t

Udt

  (t

2

t

1

)

の時間間隔(秒)における誘導電圧の積分値 (Wb)

見掛けの磁束密度

B

ap

におけるこの変化は,

サーチコイル中に含まれる空げき磁束を考慮して補正する。

したがって,試験片中における磁束密度

B

の値は,次の式によって求める。

(

)

A

A

A

H

B

B

t

ap

Δ

Δ

0

µ

 (8)

ここに,

µ

0

真空の透磁率=

4

π×

10

-7

 (H/m)

H: 磁界強度測定値の変化

 (A/m)

A

t

サーチコイルの平均断面積

 (m

2

)


6

C 2501 : 1998

7.

磁気分極の測定

試験片における磁気分極の変化は,二つのサーチコイルの端子における誘導電圧を

積分することによって測定する。その場合,試験片はこれらのコイルの中の一方だけに置かれ,個々のコ

イルの断面積と巻数の積が等しく,電気的に互いに打ち消し合うように接続される場合,試験片における

磁気分極

∆J

の変化は,次の式によって求める。

ò

2

1

1

Δ

1

2

t

t

Udt

AN

J

J

J

 (9)

ここに,

J

2

t

2

における磁気分極

 (T)

J

1

t

1

における磁気分極

 (T)

A

試験片の断面積

 (m

2

)

N

サーチコイルの巻数

ò

2

1

t

t

Udt

(

t

2

t

1

)

の時間間隔(秒)における誘導電圧の積分値

 (Wb)

したがって,試験片中の を除いて,コイル

1

の出力はコイル

2

の出力を補償することができるので,

個々の空げき磁束の補正が不要となり,ある範囲の断面積をもつ試験片は同一の二つのサーチコイルによ

って測定が可能である。

二つのサーチコイルは,式

(2)

及び式

(3)

で定義される均一磁界内にすべて置く必要がある。

総合測定誤差は,±

2%

以上にならないものとする。

8.

磁界強度の測定

  試験片の表面と内部の磁界強度は,磁界強度ベクトルが試験片側面に平行になって

いる空間部分においてだけ等しくなる。したがって,

H

センサは,試験片に対してできるだけ近い均一磁

界内に,磁極面に対称に置く(

図 2

参照)

磁界強度を測定するために,フラットサーチコイル,磁気ポテンショメータ又はホールプローブを適切

な計器と共に使用する。

H

センサの寸法及びその位置は,直径 d

2

で限定される範囲内にあるものとする[式

(2)

及び式

(3)

参照]

測定誤差を軽減するために,試験片と磁極との間の空げきは小さくするべきである。空げきの影響は

属書 1

で検討されている。

磁界強度を測定する装置は,校正が必要であり,その際の総合測定誤差は,±

2%

以上にならないものと

する。

備考

電磁石の磁極面は等磁位面とする(

4.

参照)

。高い残留磁束密度,高い保磁力又は両方同時にも

つ幾つかの永久磁石材料の場合,

1.0T

又は

1.2T

以上の磁束密度をもつ可能性がある。これらは,

試験片に近接する磁極の各部で受け入れにくいほど高い磁束密度を発生させる可能性がある。

このようなケースでは,磁極面がもはや等磁位面ではなく,誤差が大きくなるおそれがある。

9.

減磁曲線の測定

  減磁曲線は,B

  (

H

)

又は J

  (

H

)

グラフとして求める。初めに求めた シグナルの J

シグナルへの変換及びその逆変換は,式

(1)

µ0

H

にそれぞれ加算又は減算することによって電気的又は数

値的に行うことができる。

B

 (

H

)

曲線の測定は,次の

9.1

及び

9.2

で説明する。J

 (

H

)

曲線においては,磁束密度 が関連の式と曲

線に対応する磁気分極 で置き換えられる場合,同様の推論が適用される。

測定は,周囲温度

296

±

1K

で行い,試験片温度は,電磁石の磁極に取り付けられた非磁性温度センサで

測定する。測定計器の温度依存性(例えば,ホールプローブ)も考慮する必要がある。


7

C 2501 : 1998

備考  IEC

では,測定の周囲温度を

296

±

5K

と規定しているが,永久磁石の温度係数を考えたとき,

公差が±

5K

では測定結果に影響があるため,±

1K

とした。

9.1

減磁曲線の測定原理(電磁石で磁化された試験片の場合)

  又は の測定に用いるサーチコイル

は,零に調整されている校正済み磁束積分器に接続する。試験片をサーチコイルに挿入して,電磁石に組

み込み,飽和状態まで磁化する。次に,磁化電流を非常に低いレベルか零まで落とす,又は必要ならば逆

転することによって磁界強度を零にする。それに対応する磁束密度又は磁気分極の値を記録する。

逆方向への磁化のための電流は,磁界強度が保磁力 H

CB

又は H

CJ

を超すレベルまで増大させる。磁界強

度の変動速度は,と の位相差又は試験片における渦電流の発生を避けるために,十分遅くする。ある

種の材料の場合,磁束密度と磁界強度の変化の間に有意の遅れがある。この場合,正確な積分値を確保す

るためには磁束積分器の時定数が十分に長く,零点移動(ドリフト)が十分に低いことが必要である。

減磁曲線における と 又は と の対応値は,

磁界強度の測定装置及び磁束積分器の出力に接続した

記録計で得られる連続曲線又は磁界強度に対応する磁束密度又は磁気分極の一点一点の測定から得ること

ができる。

9.2

減磁曲線の測定原理(超伝導コイル又はパルス磁化器で磁化された試験片の場合)

  試験片は,

4.

に準拠して,超伝導コイルで,又はパルス磁化器を使い飽和するまで磁化する。

B

又は の測定に使用されるサーチコイルは,零に調整されている校正済み磁束積分器に接続する。試

験片をサーチコイルに挿入して電磁石に組み込み,前に超伝導コイル又はパルス磁化器で磁化した方向と

同じ方向に磁化して飽和させる。

次に,磁化電流を非常に低いレベルか零まで落とす,又は必要ならば逆転して磁界強度を零にする。そ

れに対応する磁束密度又は磁気分極の値を記録する。

次に,磁界強度が保磁力 H

CB

,又は H

CJ

を超すまで,電磁石の磁化電流を

9.1

に従い逆方向に極力緩やか

に増大する。

9.1

に従い,減磁曲線上の と 又は と の対応値を得ることができる。

10.

主な特性の測定

10.1

残留磁束密度

  又は 軸と減磁曲線との切片の長さによって求める。

10.2

最大エネルギー積

  減磁曲線上の 及び の対応値の積の大きさの最大値である。

以下は,測定方法の例である。

a)

B

H=一定の曲線群から直接読取り又は補間による評価(

図 1

参照)

b)

減磁曲線の幾つかの点に対する B積の計算及び最大値が包含されていることの確認

c)

B

と を電子的に乗じ,積を

H

又は

B

の関数としてプロットすることによる評価

10.3

保磁力 H

CB

及び H

CJ

  保磁力 H

CB

は B

0

の直線と減磁曲線との切片の長さによって求める。保磁力

H

CJ

は,J

0

の線と減磁曲線との切片の長さによって求める。

10.4

リコイル線及びリコイル透磁率の測定

  リコイル線のスタート点 B

rec

H

rec

については(

図 3

参照)

試験片を最大磁界強度 H

max

によってあらかじめ磁化しておき,履歴曲線の第

2

象限で動作させるため,減

磁電流を H

rec

に対応する値にまで増大させる。次に,磁界強度を

分減少させ,磁束密度の変化∆を測

定する。リコイル透磁率

µ

rec

は,次の式によって求める。

H

B

rec

Δ

Δ

1

0

×

µ

µ =

 (10)

ここに,

µ

rec

リコイル透磁率


8

C 2501 : 1998

∆B: 変化∆に対応する磁束密度の変化 (T)

図 3  減磁曲線及びリコイル履歴曲線

リコイル透磁率は減磁曲線に沿って常に一定ではないため,H

rec

B

rec

値を指定する必要がある。

11.

再現性

  測定の再現性は,

表 1

に記載する標準偏差によって表す。

表 1  永久磁石材料の磁気特性測定の再現性

特性

アルニコ磁石

フェライト磁石,

希土類磁石

B

r

 1% 2%

H

CB

 1%  2%

(BH)

max

 1.5%

3%

12.

試験報告

  試験報告は,次の項目を適用する。

−  試験片の形状及び寸法

−  使用するヨークのタイプ(単一又は二重ヨーク)

−  測定中の試験片の温度

−  周囲温度

−  最大磁界強度 H

max

の値

−  材料の種類及び識別記号

−  減磁曲線


9

C 2501 : 1998

−  残留磁束密度 B

r

又は J

r

−  保磁力 H

CB

及び H

CJ

−  最大エネルギー積  (BH)

max

−  (BH)

max

点に相当する 及び の値,すなわち B

a

及び H

a

図 1

参照)

−  リコイル透磁率

µ

rec

及び B

rec

H

rec

の値

−  異方性材料の場合:磁化方向の角度が零度ではない場合,材料の磁化容易軸に対する磁化方向

−  測定の不確定性の評価

−  H,B 又は J センサのタイプ


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C 2501 : 1998

附属書 1(規定)  試験片と磁極との間の空げきの影響

空げきによる磁界強度測定の相対最大誤差⊿H/H は,次の式によって求める。

lH

dB

H

H

0

2

Δ

µ

 (1)

ここに,

B

H

減磁曲線上で与えられた点での磁束密度 (T) 及び磁界強度 
(A/m)

の値

l

試験片の長さ (m) (

附属書 図 1

参照)

d

試験片と磁極片との面間の空げきの長さ (m)

µ

0

磁気定数=4

π10

-7

 (H/m)

例えば  (BH)

max

点近傍で,次の d/比に対し,誤差は 1%である

材料 d/l

AlNiCo 37/5

0.00025

Hard Ferrite 25/14 0.003

RECo 140/100     0.005

附属書 図 1  空げき


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C 2501 : 1998

附属書 2(参考)  ポールコイルによる簡易測定法

本体における B コイル及び J コイルの代わりにポールコイルを使用し,試験片の寸法,形状に対し,よ

り制約の少ない簡易測定法であるポールコイル法は,この規格としては試験片表裏面の測定値が異なるな

どの問題があるものの,実用測定法として一般的に広く使用され,大形リング又は角板形状などの実用試

験片に対して有効であるため,参考として示す。以下,これについて注意点だけ記述し,他の項目はすべ

て本体に準じるものとする。ただし,この場合には“ポールコイル法”による試験結果であることを注記

すること。

a)

試験片

  試験片の大きさは,磁束検出コイルを十分に覆うことができる断面をもっており,磁化器に

装着できるものであれば,特に制限はない。

b)

試験装置

  ポールコイルは,通常磁束検出コイル及び磁界補償コイルの二つから成る。磁化器の構造

は,

附属書 図 1

に示す。

なお,ポールコイルを装着する磁心は少なくとも磁極と同一,できればより飽和磁束密度の高い軟

質磁性材料を用いることが望ましい。実際の測定に当たっては,ポールコイル磁心の直径 5mm 以上,

コイル巻き込み間げきは,0.5mm 以下が望ましく,常にその磁心端面は磁極面との平行度及び平面度

を保つようにしなければならない。

附属書 図 1  磁化器の構造(ポールコイル使用)

ポールコイルは絶縁良好な軟鉄線を磁化器磁極内の磁心に巻いたもので,一般的には

附属書 図 2

に示すように,磁束検出コイルと磁界補償コイルを磁極軸に対して対称に配置した双心形のものを使

用する。試験片は磁束検出コイル上に配置し,磁束検出コイルだけを使用すれば B コイルとして使用

でき,磁束検出コイルと磁界補償コイルを直列に接続すれば J コイルとして使用できる。

H

センサは,磁界補償コイル上に配置し,試験片との磁極軸に対する対称性及び磁界の均一性を考

慮しなければならない。

リード線は,試験片の磁束以外の磁束によって生じる不要な誘導電圧が混入しないように十分よ

(撚)り合わせておかなければならない。


12

C 2501 : 1998

附属書 図 2  ポールコイルの一般的な配置

c)

試験方法

  磁化器に装着した試験片は,磁束検出コイルを完全に覆っていなければならない。

磁束密度を算出する場合,試験片の断面積は,ポールコイル断面積で置換する。

なお,ポールコイル法を使用した測定では,主としてポールコイルと接している部分だけの測定と

なるため,

試験片磁気特性の部分的なばらつき及び表裏面の特性差について十分注意する必要がある。

特にばらつき及び表裏面での特性差の大きい場合は,実用試験片から切り出した試験片をこの規格の

本体に沿って測定した値と比較確認しておくことが望ましい。

電子材料

JIS

国際整合化委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

一ノ瀬      昇

早稲田大学

(委員)

杉  原      真

元神奈川工科大学

木  戸  義  勇

科学技術庁金属材料技術研究所

永  松  荘  一

通商産業省機械情報産業局

兼  谷  明  男

通商産業省工業技術院

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

小助川  充  生

日本電気計器検定所

濱  村      敦

住友特殊金属株式会社

平  林  康  之 TDK 株式会社

中  村  恭  之

住友特殊金属株式会社

長  崎      潔

株式会社東芝

大  塚      努

株式会社トーキン

高  安  龍  典

北陸電気工業株式会社

神  山      準

石塚電子株式会社

塚  田  潤  二

社団法人日本電子機械工業会

吉  田  孝  一

社団法人日本電機工業会

北      邦  郎

東英工業株式会社

会  田      洋

東光株式会社

丸  山      浩

株式会社タムラ製作所

和  田  忠  造

松下電器産業株式会社

磯  部  保  明

株式会社デンソー

(事務局)

長谷川      実

社団法人日本電子材料工業会

佐  藤  秀  樹

社団法人日本電子材料工業会

後  藤  和  紀

社団法人日本電子材料工業会


13

C 2501 : 1998

永久磁石

JIS

分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

濱  村      敦

住友特殊金属株式会社

(委員)

大  嶋  清  治

通商産業省工業技術院

木  戸  義  勇

科学技術庁金属材料技術研究所

小助川  充  生

日本電気計器検定所

大  森  賢  次

日本ボンデッドマグネット工業協会

平  林  康  之 TDK 株式会社

岡  安  真  也

日立金属株式会社

杉  崎  重  徳

信越化学工業株式会社

安  保  武  志

株式会社ダイドー電子

多  田  雅  行

株式会社トーキン

秋  岡  宏  治

セイコーエプソン株式会社

大  内      弘

東京フェライト製造株式会社

北      邦  郎

東英工業株式会社

磯  部  保  明

株式会社デンソー

(関係者)

港  野  久  衞

住特通商株式会社

山  本  日登志

住友特殊金属株式会社

増  田  正  純

通商産業省工業技術院

(事務局)

長谷川      実

社団法人日本電子材料工業会

佐  藤  秀  樹

社団法人日本電子材料工業会

後  藤  和  紀

社団法人日本電子材料工業会