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日本工業規格

JIS

 C

2141

 - 1992

電気絶縁用セラミック材料

試験方法

Testing methods of ceramic insulators for electrical

and electronic applications

1.

適用範囲  この規格は,電気機器及び電子機器に使用するセラミック絶縁材料(以下,セラミックス

という。

)の試験方法について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0601

  表面粗さの定義と表示

JIS B 0651

  触針式表面粗さ測定器

JIS B 7410

  石油類試験用ガラス製温度計

JIS B 7502

  外側マイクロメータ

JIS B 7503

  0.01mm 目盛ダイヤルゲージ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7734

  微小硬さ試験機

JIS C 1303

  高絶縁抵抗計

JIS C 2320

  電気絶縁油

JIS R 1611

  ファインセラミックスのレーザフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験

方法

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8704

  温度の電気的測定方法

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

IEC 672-2 (1980)

  Specification for ceramic and glass insulating materials. Part 2:Methods of test

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

(1)

かさ体積  セラミックスの固体部分のほかに閉ざされた気孔と開かれた気孔とを含めた全体積。

(2)

見掛体積  セラミックスのかさ体積から開かれた気孔を除いた体積。

(3)

見掛気孔率  セラミックスの閉ざされた気孔を除き,開かれた気孔だけの全体積のかさ体積に対する

百分比。

(4)

かさ密度  セラミックスの質量を,そのかさ体積で除した商。

(5)

見掛密度  セラミックスの質量を,その見掛体積で除した商。


2

C 2141 - 1992

3.

試験の種類  試験の種類は,表 のとおりとする。

表 1  試験の種類

種類

適用箇条

吸水率

見掛気孔率

かさ密度

見掛密度

5. 

表面粗さ

6. 

曲げ強さ

7. 

弾性率

8. 

硬さ

9. 

平均線膨張係数

10. 

熱衝撃耐力

11. 

比熱容量

12. 

熱拡散率及び熱伝導率

13. 

体積抵抗率及び表面抵抗率

14. 

絶縁破壊の強さ

15. 

比誘電率及び誘電正接

16. 

4.

数値の丸め方  数値の丸め方は,各試験によって得られた測定値又は平均値を JIS Z 8401 によって,

表 に示すけた数に丸める。

表 2  数値の丸め方

種類

丸めるけた数

吸水率

見掛気孔率

小数点以下 1 けた

かさ密度

見掛密度

有効数字 3 けた

表面粗さ

有効数字 2 けた

曲げ強さ

弾性率

硬さ

有効数字 3 けた

平均線膨張係数 10

−6

少数点以下 1 けた

熱衝撃耐力 10 の単位

比熱容量

熱拡散率

熱伝導率

有効数字 3 けた

体積抵抗率

表面抵抗率

絶縁破壊の強さ

比誘電率

有効数字 2 けた

誘電正接 10

−4

1

の単位

5.

吸水率試験,見掛気孔率試験,かさ密度試験及び見掛密度試験

5.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

恒温槽  槽内温度を 105∼120℃に調節できるもの。

(2)

はかり  感量 1mg 以上のもの。


3

C 2141 - 1992

(3)

ビーカー  JIS R 3503 に規定する 200ml 以上のもの。

(4)

真空ポンプ付ベルジャー  2×10

3

Pa

以下の減圧状態を保持できる真空容器。

(5)

温度計  JIS B 7410 に規定する最小目盛 1℃のアルコール温度計。

(6)

金網  ステンレス製鋼のもの。

5.2

試験片  試験片は,質量 5g 以上で,測定前にチッピングなどを除去したものとする。

5.3

試験方法

5.3.1

乾燥質量  試験片を 105∼120℃に調整した恒温槽中で乾燥し,恒量に達したとき恒温槽から取り

出し,デシケータに入れて室温に達した後,はかりで質量を量り,乾燥質量 m

1

とする。

5.3.2

飽水方法  試験片の飽水方法は,次のいずれかによる。

(1)

方法 1  乾燥,恒量した試験片を乾燥したビーカーの中に入れ,それを真空容器の中に入れる。真空

度は 2∼3×10

3

Pa

で 5 分間保持する。保持後,この真空容器内のビーカーの中へ蒸留水又はイオン交

換水(以下,水という。

)を入れる。水は試験片を十分に浸せきするだけの量を導入する。

試験片を水で十分浸せきした後,さらに 5 分間真空引を行い,その後,空気を導入して大気圧に戻

す。

(2)

方法 2  乾燥,恒量した試験片を水の入ったビーカーの中に入れ煮沸する。このとき水は試験片を十

分に浸せきするだけの量とする。

また,ビーカーの底から 1cm 程度上に金網を設ける。

試験片をこの金網の上に置き,十分に水が回るようにする。煮沸時間は 30 分とする。

5.3.3

飽水試験片の水中質量  飽水試験片の水中における質量を量り,水中質量 m

2

とする。このときの

水温を記録する。

5.3.4

飽水試験片の質量  飽水試験片を水中から取り出し,湿ったガーゼ(

1

)

で手早く表面の水滴をぬぐっ

た後,質量を量り,飽水試験片の質量 m

3

とする。

(

1

)

  ガーゼは,十分に水を含ませた後,試験片表面の水滴だけを取る程度に絞って用いる。

5.4

計算

5.4.1

吸水率  吸水率 A

W

は,次の式によっで計算する、

100

(%)

1

1

3

W

×

=

m

m

m

A

5.4.2

見掛気孔率  見掛気孔率

P

A

は,次の式によって計算する。

100

(%)

2

3

1

3

A

×

=

m

m

m

m

P

5.4.3

かさ密度  かさ密度

ρ

B

は,次の式によって計算する。

W

2

3

1

3

B

)

/

(

ρ

ρ

×

=

m

m

m

cm

g

ここに,

ρ

w

試験時の水の密度

 (g/cm

3

)

5.4.4

見掛密度  見掛密度

ρ

A

は,次の式によって計算する。

W

2

1

1

3

A

)

/

(

ρ

ρ

×

=

m

m

m

cm

g

ここに,

ρ

W

試験時の水の密度

 (g/cm

3

)

6.

表面粗さ試験


4

C 2141 - 1992

6.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

測定器  JIS B 0651 に規定するもの。

(2)

触針  頂角

90

°の円すい形で,球状先端の曲率半径が

5

µ

m

のもの。

6.2

試験片  試験片は,測定器に装着できる任意のものとする。

6.3

試験方法  試験方法は,JIS B 0601 によって,中心線平均粗さ

 (R

a

)

,最大高さ

 (R

max

)

及び十点平

均粗さ

 (R

z

)

のうちいずれか又は全部を求める。

6.4

結果の表示  結果の表示は,次による。

(1)

中心線平均粗さ

 (R

a

)

の表示は,

µ

mR

a

による。

(2)

最大高さ

 (R

max

)

の表示は,

µ

mR

max

による。

(3)

十点平均粗さ

 (R

z

)

の表示は,

µ

mR

z

による。

7.

曲げ強さ試験

7.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

曲げ試験機  クロスヘッドの移動速度を一定に保てる適当な材料試験機。材料試験機の荷重指示の精

度は,真の荷重の±

1%

まで測定が可能なものとする。

(2)

支持具  図 に示すもので,ロールの弾性率は,

14.7

×

10

4

N/mm

2

以上をもち,試験中塑性変形及び破

壊しない材質のもの。これらのロール半径

R

1

R

2

は,

図 に示す値とし,その先端表面の粗さは,JIS 

B 0601

に規定する

1.6S

とする。

また,支持具は左右同一形状で,試験片の幅を超える長さのものを用いる。

図 1  支持具

(3)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(4)

ダイヤルゲージ  JIS B 7503 に規定する

0.01mm

目盛ダイヤルゲージ又はこれと同等以上の精度をも

つもの。

(5)

ノギス  JIS B 7507 に規定する最小読取長さ

0.05mm

又はこれと同等以上の精度をもつもの。

7.2

試験片  試験片の形状は,長方形板又は角柱とし,その寸法は図 による。

また,試験片は,バリ,チッピングなどの欠陥がないものとする。


5

C 2141 - 1992

図 2  試験片の形状及び寸法

角柱試験片は,研磨加工によって作製する。その上下面は,表面粗さが JIS B 0601 に規定する

0.8S

とす

る。それ以外の場合は報告で記述する。

また,

図 のとおりりょう(稜)を丸めるか,又は面取りをする。

図 3  試験片のりょうの丸め又は面取り

7.3

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

試験片の幅及び厚さの測定は,あらかじめマイクロメータ又はダイヤルゲージを用いて行う。

(2)

支点間距離及び荷重点間距離は

図 のとおりとし,あらかじめノギスを用いて測定する。

(3)

試験片の荷重点にクロスヘッドの移動速度

0.5mm/min

で荷重を加え,試験片が破壊したときの最大荷

重を測定する。

7.4

計算  曲げ強さは,個々の試験片の測定値から次の式によって計算する。

2

3

b

2

3

wd

Pl

=

σ

2

4

b

wd

Pl

=

σ

ここに,

σ

b3

3

点曲げ強さ (N/mm

2

)

σ

b4

4

点曲げ強さ (N/mm

2

)

P

試験片が破壊したときの荷重 (N)


6

C 2141 - 1992

l

下部支点間距離 (mm)

w

試験片の幅 (mm)

d

試験片の厚さ (mm)

8.

弾性率試験

8.1

静的試験方法

8-1.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

試験機  機械式又は油圧式の材料試験機又は静荷重装置。荷重指示精度は,真の荷重の±1%のものと

する。

また,ひずみを±1%の精度で指示する手段を備え,

図 に示す 3 点曲げ支持又は 4 点曲げ支持によ

る支持具を附属する。ひずみの測定には,抵抗線ひずみゲージによる方法又は荷重点の変位の測定の

いずれによってもよい。

(2)

支持具  7.1(2)による。ただし,支持ロール間距離 は,30∼80mm とする。

(3)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(4)

ダイヤルゲージ  JIS B 7503 に規定する 1 級又はこれと同等以上の精度をもつもの。

8.1.2

試験片  試験片の形状は,断面が長方形の角柱とし,その寸法は図 による。

また,試験片上下面の表面粗さは,JIS B 0601 に規定する 1.6S とする。

図 4  試験片の形状・寸法

8.1.3

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

試験片の寸法  試験片の幅及び厚さの測定は,あらかじめマイクロメータ又はダイヤルゲージを用い

て行う。

(2)

負荷方法  荷重は,原則として当該試験片の曲げ強さ予想値の 70%以上とする。材料試験機を用いる

場合,クロスヘッドの移動速度は,0.5mm/min 以下とし,応力−ひずみ曲線の直線領域で荷重を加え

る。

なお,試験に先立って一度これらの条件下で荷重を加え,支持具と試験片をなじませておく。

(3)

ひずみの測定

(a)

抵抗線ひずみゲージによる測定  抵抗線ひずみゲージの長さは,3 点曲げの場合は 1mm 以下,4 点

曲げの場合は 8mm 以下とし,試験片下面の支持ロール間中央に長手方向に平行にはり付けて,ひ

ずみを測定する。

(b)

荷重点の変位及び試験片中央部の変位の測定  荷重点の変位は,材料試験機のクロスヘッドの移動

距離から測定する。


7

C 2141 - 1992

また,試験片中央部の変位は差動トランスなどの変位検出器によって測定する。

なお,あらかじめ試験片と同一材料,又はそれより高い弾性率をもつ材料で補正用試料を作製す

る。補正用試料の寸法は,試験片と同材質のものを用いる場合,それと同じ長さ及び幅で,厚さが

4.6

倍以上の直方体とする。これを用いて試験片の測定と同じ荷重域における変位を測定し,

図 5(a)

の補正値曲線を求める。各荷重における試験片の変位量  (y

b

)

は,測定値  (y

m

)

と補正値  (y

c

)

の差か

ら求め,

図 5(b)の補正後の荷重−変位線図を作成する。

図 5  重荷−変位線図とその補正方法

8.1.4

計算

(1)

  3

点曲げ  3 点曲げによって弾性率を求める場合は,次による。

(a)

ひずみゲージによる場合  8.1.3(3)(a)で得られる図 のような線図を用いて次の式によって弾性率

を計算する。

図 6  荷重−ひずみ線図

ここに,

P

荷重 (N)

l

支持ロール間距離 (mm)

w

試験片の幅 (mm)

d

試験片の厚さ (mm)

ε

s

ひずみゲージによって測定されたひずみ

(b)

荷重点の変位又は試験片中央部の変位による場合  補正後の変位を用いて、図 5(b)の線図から次の

式によって計算する。


8

C 2141 - 1992

(

)

(

)

(

)

3

1

b

2

b

3

1

2

3

3

b

10

4

GPa

×

=

y

y

wd

P

P

l

E

ここは,

y

b

荷重点の変位 (mm)

(2)

  4

点曲げ  4 点曲げによって弾性率を求める場合は,次による。

(a)

ひずみゲージによる場合

(

)

(

)

(

)

3

1

s

2

s

2

1

2

4

b

10

GPa

×

=

ε

ε

wd

P

P

l

E

(b)

荷重点の変位による場合

(

)

(

)

(

)

3

1

b

2

b

3

1

2

3

4

b

10

27

5

GPa

×

=

y

y

wd

P

P

l

E

(c)

試験片中央部の変位による場合

(

)

(

)

(

)

3

1

2

3

1

2

3

4

b

10

27

4

23

GPa

×

×

=

y

y

wd

P

P

l

E

ここに,  y:  試験片中央部の変位量 (mm)

8.2

動的試験方法

8.2.1

曲げ共振法

(1)

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(a)

駆動回路  振動数が可変の発振器,増幅器,駆動器及び周波数カウンタからなる。発振器は,振動

数が 100Hz∼10kHz の範囲で可変でき,また 0.1Hz 以内の分解能で調整できるものとする。

(b)

検出回路  検出器,増幅器及びオシロスコープからなる。検出器は,試験片の振幅,振動の速度又

は加速度に比例した電圧を発生するものとする。

(c)

試験片の支持具  基本的に試験片が拘束されないものとし,支持具を含めた測定系の固有振動が,

測定に使用する振動数の範囲外にあるものとする。

(d)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(e)

ダイヤルゲージ  JIS B 7503 に規定する 1 級又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(f)

ノギス  JIS B 7507 に規定する最小読取長さ 0.05mm 又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(2)

試験片  試験片の形状は,長さ L

T

が 40mm 以上,幅 が 5mm 以上,厚さ が 1mm 以上の直方体と

し,試験片の長さと厚さの比  (L

T

/d)

は,20 以上とする。

また,上下面及び幅の平行度は,それぞれ厚さ及び幅の 0.5%以下とする。

(3)

試験方法  試験方法は,次による。

(a)

試験片の質量を 5.3.1 によって±0.2%の精度で測定する。試験片の長さはノギスを用いて,厚さと

幅はマイクロメータ又はダイヤルゲージを用いてそれぞれ測定する。

(b)

試験片を

図 のように右側の振動の節部を糸で支持し,さらに駆動部においては糸によって試験片

の振動の節近傍,外側で支持する。試験片の振動の節は端面から 0.224L

T

に位置する。

(c)

発振器の周波数を徐々に変えながら,駆動力をつり下げ糸を通じて試験片に加える。このときの試

験片の振動を,検出器及び増幅器を通してオシロスコープで観察し,振幅が最大となる一次共鳴振

動数を測定する。


9

C 2141 - 1992

図 7  曲げ共振法の装置及び装置基本構成図

(4)

計算  弾性率 E

r

は,次の式によって計算する。

(

)

9

2

T

3

T

2

r

10

59

.

6

1

5

946

.

0

GPa

×

ïþ

ï

ý

ü

ïî

ï

í

ì

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

×

=

L

d

d

L

w

mf

E

ここに,

m

:  試験片の質量 (kg)

f

:  曲げ共振の一次共鳴周波数 (Hz)

L

T

:  試験片の長さ (m)

w

:  試験片の幅 (m)

d

:  試験片の厚さ (m)

8.2.2

超音波パルス法

(1)

装置  装置は,縦波振動子及び横波振動子を用いて 0.2∼50MHz の周波数の超音波パルスを励起し,

超音波パルスが試験片中を伝ぱ(播)するときの音速を計測できるものとする。

(2)

試験片  試験片の形状は,10mm 角以上の角柱又は直径 10mm 以上の円柱とする。試験片端面の表面

粗さは,3.2S とし,その平行度は 0.02mm 以下とする。

(3)

試験方法  試験方法は,次による。

(a)

試験片の長さをマイクロメータ又はダイヤルゲージを用いて測定する。

(b)

試験片の端面に,縦波振動子を接着剤を用いて固定し,パルスの伝ぱ速度から縦波音速を測定する。

同様に,横波振動子を用いて横波音速を測定する。

(4)

計算  弾性率 E

p

は,次の式によって計算する。

(

)

9

2

t

2

l

4

t

2

t

2

l

B

p

10

4

3

GPa

×

=

V

V

V

V

V

E

ρ

ここに,

ρ

B

かさ密度 (kg/m

3

)

V

l

縦波音速 (m/s)

V

t

横波音速 (m/s)

9.

硬さ試験

9.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

試験機  JIS B 7734 に規定するもの。ただし,荷重は,0.98∼9.8N とする。

(2)

顕微鏡  0.1

µm まで読取り可能なもの。

9.2

試験片  試験片は,次による。

(1)

試験片の形状及び寸法は,試験機に装着できる任意のものとする。ただし,試験片の厚さは,0.6mm

以上とする。

また,平行度は,0.05mm 以下とする。


10

C 2141 - 1992

(2)

試験片の試験面は,原則として平面で,その仕上がりは,鏡面又は鏡面に近く圧こん(痕)対角線長

さを 0.1

µm まで読取り可能な表面仕上げとする。

9.3

試験方法  試験方法は,次の順で行う。

(1)

試験片の硬さを測定する圧こんの中心間の距離 l

1

は,圧こんの対角線の長さ の 4 倍以上で,かつ,

圧こんの中心からき裂の先端までの長さ の 5 倍以上とする。

また,圧こんの中心から試験片の縁までの距離 l

2

は,原則として対角線長さの 2.5 倍以上で,かつ,

圧こんの中心からき裂の先端までの距離の 5 倍以上とする(

図 8)。

図 8  圧こん間の距離と圧こん中心から試験片縁までの距離

(2)

試験片の試験面は,圧子取付軸に垂直になるように置く。

(3)

荷重(

2

)

は,衝撃を伴うことなく,徐々に規定荷重に達するまで増加させる。

(4)

規定荷重に保つ時間は,原則として 15 秒とする。

(5)

  1

個の試験片で 5 か所を測定する。

(6)

圧こんの対角線の長さは,荷重を完全に除去した後顕微鏡の視野の 20∼70%の範囲内で測定し,2 本

の対角線の測定値の平均を対角線の長さとする。

(

2

)

荷重は,ほかに制限のない限り大きいものを選ぶこと。

9.4

計算  計算は,次の順で行う。

(1)

試験片の各測定箇所の硬さは,次の式によって計算する。

2

09

189

.

0

d

P

h

=

ここに,

h

:  各測定箇所の硬さ

d

:  試験片の圧こん対角線の長さの平均 (mm)

P

:  荷重 (N)

(2)

試験片の硬さは,次の式によって計算する。

5

5

4

3

2

1

h

h

h

h

h

HV

+

+

+

+

=

ここに,

HV

試験片のビッカース硬さ

h

1

h

5

試験片の

5

か所の硬さ

9.5

結果の表示  結果の表示は,硬さ値の後に硬さ記号

HV

を付け,さらに,その後に試験荷重を従来

kgf

単位に換算した値で付ける。

試験荷重が

2.942N

で,硬さの数値が

1 483

であるとき,この結果の表示は,

1 480HV 0.3

とする。

10.

平均線膨張係数試験


11

C 2141 - 1992

10.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

伸び検出器  少なくとも

1

µm

の変位が検出できるもの。

(2)

電気炉  毎分

5

℃以下の昇温速度で制御できるもの。

(3)

温度計  精度が JIS Z 8704 

C

級又はこれと同等以上の熱電対温度計。

(4)

記録計  温度と伸びを記録できるもの。

(5)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

10.2

試験片  試験片の形状は柱状とし,長さは

10

50mm

で,断面積は

3

50mm

2

とする。

なお,試験片の両端は軸方向に垂直に研磨して平行度が

0.05mm

以下とする。

10.3

試験方法  試験方法は,次による。

(1)

試験片の長さをあらかじめマイクロメータを用いて測定する。

(2)

試験片を装置に取り付け,

15

分間放置した後,毎分

5

℃以下で昇温し,試験片の伸びを自動記録する。

温度範囲は

T

1

300

℃とする。

なお,必要であれば

T

1

600

℃又は

T

1

1 000

℃も適用してもよい。

特別の場合には,

T

1

100

℃を適用してもよい。この場合,昇温速度を遅くし,

20

℃以下の温度から

測定開始すべきである。

なお,

T

1

20

℃又は

40

℃とする。

10.4

計算  平均線膨張係数は,次の式によって計算する。

(

)

1

2

2

1

T

T

L

L

T

T

=

α

ここに,

α

T1

T2

温度

T

1

T

2

℃における平均線膨張係数

 (K

1

)

L

加熱による試験片の伸び

 (mm)

L

温度

T

2

における試験片の長さ

 (mm)

T

1

測定温度範囲の低い方の温度

  (

)

T

2

測定温度範囲の高い方の温度

  (

)

石英ガラスによる示差式又は押棒式伸び検出器を用いた場合は,次の式によって計算する。

(

)

2

sio

1

2

2

1

α

α

+

=

T

T

L

L

T

T

ここに,

α

sio2

石英ガラスの平均線膨張係数=

0.54

×

10

6

 (K

1

)

11.

熱衝撃耐力試験

11.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

電気炉  自動温度調節器付電気炉。

1 000

℃まで昇温可能で,温度の精度は±

5

℃に保たれるもの。又

300

℃まで昇温可能で,温度の精度は±

2

℃に保たれるもの。

(2)

水槽  試験片の大きさに見合う適当な大きさ(

3

)

の水槽で,水温を

0

30

(

4

)

に調節できるもの。

(

3

)

試験片投入後の水温上昇が

1

℃以下。

(

4

)

氷水が望ましい。

(3)

検査液  検査液は,浸透性のよい着色液。

(4)

温度計

(a)

水槽測温用  JIS B 7410 に規定する最小目盛

1

℃のアルコール温度計。

(b)

電気炉測温用  精度が JIS Z 8704 

C

級又はこれと同等以上の熱電対温度計。


12

C 2141 - 1992

(5)

恒温槽

105

120

℃に調節できるもの。

11.2

試験片  7.2 又は受渡当事者間の取決めによる。

11.3

試験方法  試験方法は,方法

A

又は方法

B

のいずれかによる。

11.3.1

方法 A−曲げ強さ試験

(1)

試験片を少なくとも

5

個規定温度に保った電気炉中で

30

分間保持した後,直ちに水槽に漬けて

5

分間

放置する。次に乾いた布でよくぬぐい,温度

120

℃で

2

時間乾燥した後,室温付近まで冷却する。

電気炉の規定温度は,水槽の温度より最初は

100

℃高い温度とする。ただし,熱衝撃耐力が高いと

思われる材料を試験するときは,

100

℃以上の温度差から始めてもよい。

(2)

次に 7.によって曲げ強さを測定する。

(3)

(2)

の試験が終了したら電気炉の温度を

50

℃ずつ上昇させ,平均の曲げ強さが熱衝撃前の値の

3

2

に減少

するまで繰り返し試験を行う。

11.3.2

方法 B−外観クラック試験

(1)

方法

A

(1)

と同じ処理をする。

(2)

検査液によってクラック調査をする。

(3)

目視でクラックが検出できない場合は,電気炉の温度を

10

℃ずつ上昇させ,

2

個以上クラックが発生

するまで繰り返す。

なお,熱衝撃の温度差が

200

℃以上になったときは

25

℃ずつ上昇させてもよい。

11.4

計算

11.4.1

方法 A  熱衝撃前の

3

2

の曲げ強さになったときの温度差を補間して求める。

11.4.2

方法 B

2

個以上のクラックが生じた最も低い温度差。

12.

比熱容量試験

12.1

レーザフラッシュ法

12.1.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

装置  装置は,試験片の表面にレーザパルスを照射したときの試験片裏面の温度−時間曲線(図 

照)を利用して比熱容量を計算するためのもので,次の機能をもつものとする。

図 9  試験片裏面の温度−時間曲線

(a)

試験片ホルダ  試験片からの放射が少なく,試験片をレーザ光に垂直に保持できると同時に,側面

及び裏面への散乱光が十分に少ないもの。


13

C 2141 - 1992

(b)

温度計  線径が

0.1mm

以下の熱電対温度計。

(c)

レーザ強度計測装置  レーザ光をハーフミラーで一定比に分割し,相対強度を測定時間内で誤差

3%

以内の再現精度で測定できるもの。

(d)

発光装置  試験片近傍で直径

10mm

以上のレーザパルスをそのパルス幅が

0.1

3ms

で発光できるも

の。

(e)

計測回路と記録  計測回路は,

20Hz

以上の応答性をもち,温度−時間曲線を自動記録できるもの。

(2)

はかり  感量

0.1mg

以上のもの。

12.1.2

試験片  試験片は,直径

8

10mm

,厚さ

4mm

以下の円板(

5

)

で,表裏面の平行度は厚さの

0.5%

下とする。

また,表面粗さは JIS B 0601 に規定する

1.6S

とする。

(

5

)

  試験片単独の熱容量が受光板などを含む全試験片の熱容量に対し

70%

以下にならないことが望

ましい。

12.1.3

試験方法  試験方法は,次の順で行う。

(1)

試験片及び受光板の質量をはかりを用いて測定する。

(2)

吸収熱量の測定  レーザパルスの試験片への吸収熱量は,次の手順で評価する。

(a)

試験片と類似形状の標準試験片(

6

)

を準備し,その裏面に線径

0.1mm

以下の熱電対を導電性ペースト

で接着する。

(

6

)

純度

99.9%

以上のサファイア又はニッケル。標準試験片の比熱容量は,JIS R 1611による。

(b)

標準試験片の表面にシリコーングリースを微量塗布し,受光板(

7

)

を密着する。このとき,シリコー

ングリースの質量を測定しておく。

(

7

)

グラッシーカーボン又は黒化処理アルミニウム。

(c)

レーザパルスを照射し,指数関数的に減衰する標準試験片の温度−時間曲線から指数関数を用いて

レーザ照射時間

  (t

0)

まで補外したときの補外温度

T

0

(

8

)

及びそのときのレーザ光の相対強度

q

求める。

(

8

)

T

0

10

℃を超えないこと。

(d)

吸収熱量

Q

は,次の式によって計算する。

Q (J)

  (C

1

m

1

C

2

m

2

C

3

m

3

)

T

0

ここに,

C

1

標準試験片の比熱容量

 [J/ (kg

K)]

C

2

受光板の比熱容量

 [J/ (kg

K)]

C

3

接着剤の比熱容量

 [J/ (kg

K)]

m

1

標準試験片の質量

 (kg)

m

2

受光板の質量

 (kg)

m

3

接着剤の質量

 (kg)

(e)

吸収熱量

Q

とレーザ光

q

の関係を,次の一次式で求めておく。

Q

a

b

q

ここに,

ab

定数

(3)

室温における比熱容量の測定  (2)と同様に試験片の補外温度

T

0

及びそのときのレーザ光の相対強度

q

を求める。試験片の室温における比熱容量

C

R

は,次の式によって計算する。

(

)

[

]

m

m

C

m

C

T

Q

C

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

3

3

2

2

0

R

K

kg

J/


14

C 2141 - 1992

ここに,

  Q

a

b

q

m

試験片の質量

 (kg)

C

2

受光板の比熱容量

 [J/ (kg

K)]

C

3

接着剤の比熱容量

 [J/ (kg

K)]

m

2

受光板の質量

 (kg)

m

3

試験片測定時の接着剤の質量

 (kg)

(4)

高温における比熱容量の測定

(a)

試験片に熱電対を接着した後,試験片表面にカーボンの受光膜を塗布する。

(b)

試験温度範囲において試験片及び受光膜に影響を与えない雰囲気にする。

(c)

(2)

と同様に室温において試験片の補外温度

T

0

R

及びそのときのレーザ光の相対強度

q

R

を求める。

(d)

試験片を所定の温度まで加熱し,試験片温度が安定したときの温度を

T

b

とする。レーザパルスを照

射し,試験片の補外温度

T

0

及びそのときのレーザ光の相対強度

q

を求める。

(e)

温度

T

における比熱容量

C

H

は,次の式によって計算する。

(

)

[

]

R

R

R

H

C

q

q

T

T

K

kg

J

C

=

0

0

/

ここに,

2

0

T

T

T

b

+

=

12.2

DSC

12.2.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

DSC

装置  二つの容器ホルダをもち,そのホルダの熱容量が同等で,かつ,同一な熱交換条件で加熱

冷却が可能である構造。入力補償形

DSC

の場合は,試験片及び標準物質の温度が等しくなるように標

準物質と試験片とに加えた単位時間当たりの熱エネルギーの入力の差が測定できるように構成されて

いること。熱流束形

DSC

は,試験片と標準物質との温度差が単位時間当たりの熱エネルギーの入力の

差に比例するように構成されていること。

また,加熱冷却速度を毎分

10

℃に制御できる電気炉を具備しているものとする。

(2)

はかり  感量

0.1mg

以上のもの。

12.2.2

試験片  試験片は,質量

30

60mg

の焼結品又はその粉砕品とする。焼結品形状は,容器に無理な

く入り,かつ,試験片と容器の底が密着できるものとする。

12.2.3

試験方法  試験方法は,次の順で行う。

(1)

空容器測定  ふたを固定した空容器を容器ホルダに載せ,測定開始温度

  (T

1

)

で等温ベースラインを

求めた後に毎分

10

℃で昇温し,

DSC

曲線を求める。測定終了温度

  (T

2

)

で昇温を止め,等温ベースラ

インを求める。このとき,

T

1

T

2

の温度差は

100

200

℃とし,これより広い温度域を測定する場合

は,二つ以上の区間に分けて測定する。この際,約

20

℃の温度範囲を重複させる。

(2)

標準物質測定  はかりを用いて

0.1mg

まで量り取った標準物質(純度

99.9%

以上の

α

−アルミナ)を容

器に入れ,ふたを固定して容器ホルダに装着し,(1)と同様の操作を行う。

(3)

試験片測定  はかりを用いて

0.1mg

まで量り取った試験片を容器に入れ,ふたを固定して容器ホルダ

に装着し,(1)と同様の操作を行う。

12.2.4

計算  12.2.3(1)(3)で求めた三つの

DSC

曲線を縦軸に平行移動させ,

T

1

及び

T

2

の等温ベースライ

ンが互いに重なり合うようにする(

図 10 参照)。各温度の比熱容量は,空容器,試験片を入れた容器及び

標準物質を入れた容器での

DSC

曲線の縦軸方向の差から次の式によって計算する。


15

C 2141 - 1992

p

2

1

p

C

m

m

H

H

C

=

ここに,

C

p

試験片の比熱容量

 [J/ (kg

K)]

m'

試験片の質量

 (kg)

m'

標準物質の質量

 (kg)

C

p

標準物質の比熱容量(

表 による。)

 [J/ (kg

K)]

H

1

空容器と試験片との

DSC

曲線の縦軸方向の差

 (W)

H

2

空容器と標準物質との

DSC

曲線の縦軸方向の差

 (W)

図 10  DSC による比熱容量の求め方の例 


16

C 2141 - 1992

表 3  標準物質(

α

−アルミナ)の比熱容量

絶対温度

K

比熱容量

J/ (kg

・K)

絶対温度

K

比熱容量

J/ (kg

・K)

絶対温度

K

比熱容量

J/ (kg

・K)

120

−153.15

196.9

330

 56.85

 837.2

540

266.85

1 069.2

130

−143.15

235.0

340

 66.85

 854.8

550

276.85

1 075.6

140

−133.15

274.0

350

 76.85

 871.3

560

286.85

1 081.6

150

−123.15

313.3

360

 86.85

 887.1

570

296.85

1 087.5

160

−113.15

352.5

370

 96.85

 902.0

580

306.85

1 093.1

170

−103.15

391.3

380

106.85

 916.1

590

316.85

1 098.6

180

−93.15

429.1  390 116.85

929.5 600 326.85

1

103.8

190

−83.15

465.9

400

126.85

 942.3

610

336.85

1 108.8

200

−73.15

501.4

410

136.85

 954.4

620

346.85

1 113.6

210

−63.15

535.5

420

146.85

 966.0

630

356.85

1 118.2

220

−53.15

568.2

430

156.85

 977.0

640

366.85

1 122.7

230

−43.15

599.4

440

166.85

 987.5

650

376.85

1 127.0

240

−33.15

629.2

450

176.85

 997.5

660

386.85

1 131.3

250

−23.15

657.6

460

186.85

1 007.0

670

396.85

1 135.3

260

−13.15

684.5

470

196.85

1 016.0

680

406.85

1 139.2

270

−3.15

710.1

480

206.85

1 024.7

690

416.85

1 143.0

280

6.85

734.2

490

216.85

1 033.0

700

426.85

1 146.7

290

16.85

757.1

500

226.85

1 040.8

720

446.85

1 153.7

300

26.85

778.8

510

236.85

1 048.4

740

466.85

1 160.4

310

36.85

799.4

520

246.85

1 055.6

760

486.85

1 166.7

320

46.85

818.8

530

256.85

1 062.6

780

506.85

1 172.6

13.

熱拡散率試験及び熱伝導率試験

13.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

装置  試験片の表面にレーザパルスを照射したときの試験片裏面の温度−時間曲線(図 参照)を利

用して熱拡散率を計算するためのもので,次の機能をもつものとする。

(a)

試験片ホルダ  12.1.1(1)(a)による。

(b)

温度計  熱拡散率試験の温度−時間曲線は非接触温度計(

10kHz

以上の応答性をもつ赤外線検出器

など)によって計測する。試験温度は,試験片又は試験片直近の試験片ホルダ部に接着した熱電対

で測定できること。

(c)

発光装置  12.1.1(1)(d)による。

(d)

雰囲気制御装置  試験に適した温度及び雰囲気に制御できるもの。

(e)

計測回路と記録  計測回路は,

20kHz

以上の応答性をもち,温度−時間曲線を自動記録できるもの。

(2)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(3)

ダイヤルゲージ  JIS B 7503 に規定する

1

級又はこれと同等以上の精度をもつもの。

13.2

試験片  12.1.2 による(

9

)

(

9

)

試験片の厚さは,試験片の

t

1/2

3

τ

100ms

の範囲とする。

τ

はパルス幅を表す。

13.3

試験片の表面処理  試験片の表裏面にカーボンを薄く均一に塗布する。ただし,透光性がある試験

片については,遮光のため金などの金属膜を蒸着してからカーボンを塗布する。

13.4

試験方法  試験方法は,次の順で行う。

(1)

パルスの重心測定  パルスの重心

t

g

を次のいずれかの方法によって測定する。


17

C 2141 - 1992

(a)

リアルタイム法  レーザパルスの部の波形を非接触温度計と同じ程度の応答性をもつ検出器で測定

し,観測波形から直接重心位置を算定する。

(b)

積分法  ハーフタイム(

10

)

3

µs

以下の金属薄板の温度−時間曲線において

2

m

T

に達する時間を重心

とする。

(

10

)

パルスの重心位置を時間軸の原点

t

g

とし,裏面温度飽和値

T

m

2

1

の温度に達するまでの時間。

(c)

補外法  厚さ

d

の異なる同種の試験片について,

d

2

に対してハーフタイムをプロットし,直線関係

がある場合,直接時間軸交点を重心とする。

10

µs

以内の精度で重心が評価できるような標準試験片

を用いること。

(2)

試験片の厚さを,外側マイクロメータ又はダイヤルゲージを用いて測定する。

(3)

試験温度範囲において,試験片が化学的な変化を受けない雰囲気とする。

(4)

照射前において,雰囲気ないし試験片ホルダの温度変動が安定した後レーザパルスを照射し,温度−

時間曲線との関係を求める。

(5)

温度−時間曲線からハーフタイム

t

1/2

を求める。

13.5

計算

(1)

熱拡散率

α

は,次のいずれかの式によって計算する。

( )

(

)

2

/

1

2

2

1

2

8

138

.

0

/s

m

t

e

d

k

k

+

=

α

α

(

11

)

( )

(

)

h

e

d

4

/s

m

2

2

+

=

ここに,

d

:  試験片の厚さ (m)

k

1

:  レーザパルスの不均一性に関する補正係数

k

2

:  試験片からの熱損失に関する補正係数

e

:  室温から試験温度までの試験片の厚さ方向の熱膨張 (m)

h

:  温度−時間曲線の立ち上がり領域 (0<T<∆T

m

)

において,

m

T

T

求め,1n (t

1/2

T)

t

1

に対してプロットしたとき得られる直線の

傾き  (s)。ただし,

6

.

0

3

.

0

<

<

m

T

T

とする。

(

11

)

この式は,k

1

>0.90

又は k

2

 0.93

の条件を満足するときに適用できる。

備考  k

1

及び k

2

については,それぞれの影響が 3%,については 1%を超えないと判断される場合は,

k

1

k

2

=1.00,e=0.00 とすることができる。

なお,補正係数 k

1

及び k

2

の求め方は JIS R 1611 に準じる。

(2)

熱伝導率

λ

は,次の式によって計算する。

λ

 [W/ (m

・K)]  =

α

ρ

B

C

ここに,

α

熱拡散率 (m

2

/S)

ρ

B

かさ密度 (kg/m

3

)

C

比熱容量 [J/ (kg・K)]

14.

体積抵抗率試験及び表面抵抗率試験

14.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

高絶縁抵抗計  高絶縁抵抗計は,JIS C 1303 に規定するもの又はこれと同等以上の性能をもつものと

する。

(2)

電気炉  電気炉は,試験片全体が均一に加熱できる構造で,測定用炉内電極及び温度検出端子を設置

できるようになっているもの。


18

C 2141 - 1992

炉の温度は,800℃程度まで上昇できるもので誘導を避ける構造とし,外周の金属部分には接地用端

子を付ける。

(3)

ノギス  JIS B 7507 に規定する 1 級で,最小読取長さ 0.05mm のノギス又はこれと同等以上の精度を

もつもの。

(4)

マイクロメータ  マイクロメータは,JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上

の精度をもつものとする。

(5)

恒温槽  120℃に調節できるもの。

14.2

試験片

14.2.1

試験片の形状及び寸法

(1)

形状及び寸法  一辺が 50mm 以上の長方形板又は直径が 50mm 以上の円板とする。

(2)

厚さ  厚さは,1∼3mm とし,同一試験片の厚さの平行度は平均厚さの 5%以下とする。

14.2.2

電極形状及び寸法  電極の形状及び寸法は,図 11 に示すとおりとする。

図 11  試験片の電極付与方法

14.2.3

電極付与方法  導電性ペイントの焼付け,蒸着,スプレーなどの成膜方法が用いられる。導電材料

としては,銀,金,プラチナなどであるが,高温まで測定する場合には,そのマイグレーションのため銀

の使用は避けるべきである。

14.3

試験方法  試験方法は,次の順で行う。

(1)

電極を付与する前の試験片の厚さを,マイクロメータを用いて 3 か所を 0.01mm の精度で測定し平均

値を求める。

(2)

試験片に電極を付与し,主電極の直径 D

1

及びガード電極の直径 D

2

をノギスを用いて 0.05mm の精度

で測定する。

(3)

試験片を温度 120℃で 2 時間以上乾燥した後,デシケータ内で冷却する。

(4)

試験片を温度 20±2℃,相対湿度 (65±5)%の室内に 16 時間以上放置した後,高絶縁抵抗計によって


19

C 2141 - 1992

体積抵抗及び表面抵抗を測定する。

(5)

次に電気炉に試験片を挿入し,5℃/min 以下の割合で炉内の温度を 800℃以下の任意の温度まで上昇又

は 800℃以下の任意の温度から下降させながら,高絶縁抵抗計によって体積抵抗を測定する。

なお,精度が要求される場合は,ステップ昇温を行う(

図 12 参照)。

図 12  加熱用電気炉及び接続回路例

体積抵抗率測定の場合は

図 13,表面抵抗率測定の場合は図 14 のように回路を接続し,電源には直

流 1000V 以下を用いて 1 分間充電後測定する。

図 13  体積抵抗測定回路

図 14  表面抵抗測定回路

14.4

計算

(1)

体積抵抗率

ρ

v

は,次の式によって計算する。

(

)

v

v

m

R

d

A

=

ρ

(

)

4

2

1

g

D

A

+

=

π

2

1

2

D

D

g

=

ここに,

R

v

:  体積抵抗  (

Ω)

A

:  主電極の有効面積 (m

2

)

g

:  主電極とガード電極のすきま (m)

d

:  試験片の厚さ (m)

D

1

:  主電極の直径 (m)

D

2

:  ガード電極の直径 (m)


20

C 2141 - 1992

(2)

表面抵抗率

ρ

s

は,次の式によって計算する。

( )

s

R

g

D

π

ρ

m

s

=

2

2

1

m

D

D

D

+

=

ここに,

R

s

:  表面抵抗  (

Ω)

D

m

:  平均直径 (m)

D

1

:  主電極の直径 (m)

D

2

:  ガード電極の直径 (m)

14.5

結果の表示  結果の表示は,次による。

(1)

室温での体積抵抗率

ρ

v

及び表面抵抗率

ρ

so

(2)

  14.3(5)

で測定した各温度での絶縁抵抗値から,14.4 の式によって体積抵抗率

ρ

v

を計算する。縦軸にそ

の対数値 log p

v

,横軸に絶対温度の逆数

T

1

をプロットし,直線で結ぶ。

(3)

  (2)

で求めた直線から,体積抵抗率が 10

6

Ω・m (100MΩ・cm)  及び 10

4

Ω・m (1MΩ・cm)  になったとき

T

1

の値を読み,摂氏温度に換算し,これをそれぞれ t

k100

t

k1

と表示する。

15.

絶縁破壊の強さ試験

15.1

装置及び器具

15.1.1

試験機  試験機は,次による。

(1)

変圧器  変圧器は,電圧調整装置と組み合わせた場合,試験破壊電圧の

2

1

を試験片に加えて電圧を変

化させた場合に,波高率(波高値と実効値との比)が 1.34∼1.48 に収まるものでなければならない。

変圧器は,波高値が簡単に求められない場合,試験電圧 10kV 未満では 0.5kVA 以上,100kV 未満で

は 5kVA 以上のものを用いる。

(2)

回路遮断器  回路遮断器は,試験片の絶縁破壊によって流れる電流から変圧器及び電極を保護するた

め,破壊によって自動的に速やかに動作するものでなければならない。

(3)

保証抵抗  保護抵抗は,試験片の絶縁破壊時の電流又は電圧サージから変圧器を保護するため,試験

片と直列に挿入する場合には,その抵抗値は 100k

Ωを超えてはならない。

(4)

電圧調整装置  電圧調整装置は,ほぼ一定の電圧上昇速度が得られるもので,可変比単巻変圧器,誘

導電圧調整器などを用いる。

また,発電機の界磁調整によるか,又は抵抗分圧器を用いてもよい。

15.1.2

電極  電極は,図 15 による。電極間圧着力は,2∼4N とする。

電極の材質は,黄銅,ステンレス鋼などとする。


21

C 2141 - 1992

図 15  電極

15.1.3

マイクロメータ  マイクロメータは,JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータとする。

15.1.4

恒温槽  120℃に調節できるもの。

15.2

試験片  試験片は,次による。

(1)

形状及び大きさ  一辺が 50mm 以上の長方形板又は直径が 50mm 以上の円板とする。

(2)

厚さ  厚さは,0.5∼5.0mm とし,同一試験片の厚さの平行度は平均厚さの 5%以下とする。

15.3

試験方法  法試験方法は,次の順で行う。

(1)

試験片の厚さをマイクロメータで測定する。

(2)

試験片を温度 120℃で 2 時間以上乾燥した後,デシケータ内で冷却する。

(3)

試験片を JIS C 2320 に規定する 2 号絶縁油中の電極間に装着する。

(4)

商用周波電圧を 0 から平均 10∼20 秒で絶縁破壊が起こるような一定の速さで上昇させる。又は破壊電

圧の

2

1

まで急速に上昇させ,その後は平均 10∼20 秒で破壊が起こるような一定の速さで上昇させるか

のいずれかとする。

(5)

絶縁破壊が生じたときの電圧を測定する。

15.4

計算  絶縁破壊の強さ E

s

は,次の式によって計算する。試験回数は,特に規定がない限り,10 回行

うこととし,その平均値をとる。

なお,計算結果には,試験片の厚さを明記する。

(

)

d

U

E

=

V/m

s

ここに,  U:  絶縁破壊電圧 (V)


22

C 2141 - 1992

d

:  試験片の厚さ (m)

16.

比誘電率試験及び誘電正接試験

16.1

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

測定器  測定器は,表 に規定する条件を満足するものとする。

なお,静電容量の確度は測定値の 2%,誘電正接の確度は 1×10

4

であることが望ましい。

表 4  測定器

測定周波数 48∼62Hz,0.8∼2kHz 又は 1MHz

測定周波数許容差

±20%

測定電圧 5Vrms 以下

(2)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの。

(3)

ノギス  JIS B 7507 に規定する 1 級で,最小読取長さ 0.02mm のノギス又はこれと同等以上の精度を

もつもの。

(4)

恒温槽  120℃に調節できるもの。

16.2

試験片

16.2.1

試験片の形状及び寸法

(1)

形状及び寸法  一辺が 50mm 以上の長方形板又は直径が 50mm 以上の円板とする。

(2)

厚さ  厚さは,0.5∼5.0mm とし,同一試験片の厚さの平行度は平均厚さの 1%以下とする。

16.2.2

電極形状及び寸法  電極の形状及び寸法は,図 16 に示すとおりとする。主電極及びガード電極は,

それぞれ円板状及び環状であって主電極とガード電極の間の輪状のすきまは 1.0±0.1mm とする。

図 16  比誘電率及び誘電正接試験の電極構造

16.2.3

電極の付与方法  導電性ペイントの塗布,焼付け,蒸着,スプレーなどの成膜方法を用いる。


23

C 2141 - 1992

16.3

試験方法  試験方法は,次の順で行う。

(1)

電極を付与する前の試験片の厚さを,マイクロメータを用いて 3 か所を 0.01mm の精度で測定し平均

値を求める。

(2)

試験片に電極を付与し,主電極の直径 D

1

及びガード電極の直径 D

2

をノギスを用いて 0.05mm の精度

で測定する。

(3)

試験片を温度 120℃で 2 時間以上乾燥した後,デシケータ内で冷却する。

(4)

試験片をデシケータから取り出し,温度 20±2℃,相対湿度 (65±5) %で 16 時間以上放置した後,試

験片の主電極の静電容量 C

x

及び誘電正接を測定する。

なお,測定の際には装置全体に浮遊容量などによる測定誤差が極力少なくなるようにする。

16.4

計算  比誘電率

ε

r

は,次の式によって計算する。

0

x

r

C

C

=

ε

100

6

.

3

2

2

1

0

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

=

d

g

D

C

2

1

2

D

D

g

=

ここに,

C

x

試験片の主電極の静電容量値 (pF)

C

0

主電極の面積及び試験片の厚さから算出した比誘電率

ε

=1

のときの静電容量値 (pF)

D

1

主電極の直径 (m)

g

主電極とガード電極のすきま (m)

d

試験片の厚さ (m)

D

2

ガード電極の直径 (m)

関連規格  JIS C 2110  固体電気絶縁材料の絶縁耐力の試験方法

JIS C 5102

  電子機器用固定コンデンサの試験方法

JIS K 7123

  プラスチックの比熱容量測定方法

JIS R 1601

  ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法

JIS R 1602

  ファインセラミックスの弾性率試験方法

JIS R 1610

  ファインセラミックスのビッカース硬さ試験方法

IEC 250

  Recommended methods for the determination of the permittivity and dielectric dissipation

factor of electrical insulating materials at power, audio and radio frequencies including metre

wavelengths

IEC 345

  Method of test for electrical resistance and resistivity of insulating materials at elevated

temperatures


24

C 2141 - 1992

JIS C 2141

  改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

一ノ瀬      昇

早稲田大学

吹  譯  正  憲

通商産業省機械情報産業局

稲  葉  裕  俊

工業技術院標準部

山  本      孝

防衛大学校

菱  田  俊  一

無機材質研究所

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会

山  岡  信  立

太陽誘電株式会社

高  橋      孝

株式会社東芝

石  森  太  郎

日本電気株式会社

小  林      喬

株式会社日立製作所

村  瀬  嘩  生

富士通株式会社

入  江  義  郎

松下電子部品株式会社

濱  野  文  雄

京セラ株式会社

岡  本      明 TDK 株式会社

加  藤  正  利

株式会社住友金属セラミックス

小  池  保  夫

日本ガイシ株式会社

神  戸  六  郎

日本特殊陶業株式会社

(関係者)

角  田  悦  啓

工業技術院標準部

(事務局)

松  本      悌

日本電子材料工業会

佐  藤  秀  樹

日本電子材料工業会

JTS C 2141

  改正原案作成委員会 WG 委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

神  戸  六  郎

日本特殊陶業株式会社

小  梶      彰

京セラ株式会社

岡  本      明 TDK 株式会社

山  口  輝  雄

鳴海製陶株式会社

小  池  保  夫

日本ガイシ株式会社

入  江  義  郎

松下電子部品株式会社

(事務局)

松  本      悌

日本電子材料工業会

佐  藤  秀  樹

日本電子材料工業会