>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 2140

:2009

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  一般的事項 

2

5

  試験装置

2

6

  電極

2

6.1

  一般

2

6.2

  テーパピン電極(平板,管及び棒状試験片用) 

2

6.3

  導電性塗料電極(平板,管及び棒状試験片用) 

2

6.4

  金属棒電極(薄板及びフレキシブルテープ状試験片用)

2

7

  試験片

3

7.1

  テーパピン電極用試験片 

3

7.2

  導電性塗料電極用試験片 

3

7.3

  金属棒電極用試験片

3

8

  状態調節

3

9

  選択,準備及び測定の手順 

3

10

  一般的注意事項

4

10.1

  一般

4

10.2

  試験片の選択 

4

10.3

  試験片のクリーニング 

4

10.4

  試験片の取付け

4

11

  結果の表し方 

4

12

  報告

4

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

10


C 2140

:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会(IEEJ)及び財団法人日本規

格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会

の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

2140

:2009

固体電気絶縁材料−絶縁抵抗の測定方法

Solid electrical insulating materials-

Methods of determination of the insulation resistance

序文 

この規格は,1964 年に第 1 版として発行された IEC 60167 を基に,技術的内容を変更することなく作成

した日本工業規格であるが日本工業規格の様式に合わせるため,箇条番号及び構成を変更して作成した日

本工業規格である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,固体電気絶縁材料について,体積抵抗と表面抵抗とを区別せず,両者を共に含む絶縁抵抗

を測定する方法について規定する。この測定方法は,試験片を簡単,かつ,容易に準備できるため,高い

精度が要求されない絶縁性能のおおまかな指標となる測定値を,手早く得る場合に特に有用である。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60167:1964

,Methods of test for the determination of the insulation resistance of solid insulating

materials (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを示

す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 2139

  固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法

注記  対応国際規格:IEC 60093,Methods of test for volume resistivity and surface resistivity of solid

electrical insulating materials (MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

絶縁抵抗 (insulation resistance)

試験片に接触した又は埋め込まれた二つの電極間に印加した直流電圧の,電圧の印加から規定の時間を

経過した後の全電流に対する比。絶縁抵抗の値は,試験片の体積抵抗及び表面抵抗の両方に依存する。


2

C 2140

:2009

一般的事項 

4.1

  この規格で規定する絶縁材料の絶縁抵抗測定方法では,体積抵抗と表面抵抗とを区別せず,両者を

含む抵抗値を得られる。したがって,この方法では,JIS C 2139 とは異なり,明確に定義された材料固有

の物性値を求めることはできない。しかし,この測定によって,異なった絶縁材料の性能比較に用いるこ

とが可能な概略値を求めることができる。

4.2

  この規格で規定する試験方法は,状態調節によって試験片表面の絶縁性だけでなく,試験片内部の

絶縁性も変化するような,吸湿性の材料に対する湿度の影響の評価に非常に有用である。

試験装置 

5.1

  絶縁抵抗は,JIS C 2139 に規定する,ブリッジ法,又は電圧計−電流計法によって測定する。

5.2

  絶縁抵抗を測定するときに印加する電圧は,電圧変動に伴って生じる充電電流及び放電電流の変化

が,試験片を流れる電流に対して無視できる程度に,十分安定な直流とする。蓄電池が必要な場合がある。

電極 

6.1 

一般 

電極は,試験実施時の雰囲気で腐食しない,また,試験する材料との間で化学反応を起こさない材料で

作製する。6.26.4 に規定する電極は,経験上満足できる特性となっている。テーパピン電極  (6.2)  は,

一般に体積抵抗が主に問題となる場合に用いる。導電性塗料電極  (6.3)  及び金属棒電極  (6.4)  は,表面抵

抗が主に問題となる場合に用いる。

6.2 

テーパピン電極(平板,管及び棒状試験片用) 

テーパピン電極は,直径約 5 mm で,約 2  %のテーパをもつ清浄な黄銅製又は鋼製のピンとする。長さ

は,7.1 の規定による。テーパピン電極は,平板(

図 参照),管及び棒状(図 参照)の試験片に用い,

試験片に中心軸間の距離が 25±1 mm の二つの孔をあけ,それらの孔に挿入して用いる(7.1 参照)

6.3 

導電性塗料電極(平板,管及び棒状試験片用) 

導電性塗料を,電極として用いてもよい。導電性塗料の媒体は,測定する材料の絶縁抵抗に影響を与え

ない性質のものが望ましい。平板状の試験片の場合,電極は,幅 1 mm,長さがそれぞれ 100±1 mm,間

げき(隙)が 10±0.5 mm の 2 本の平行な導電性塗料の帯とする(

図 参照)。管及び棒状の試験片の場合,

周囲に幅 1 mm,内側の間げきが 10±0.5 mm の 2 本の平行な導電性塗料の細い帯を形成する(

図 参照)。

電極は,管又は丸棒状の試験片を旋盤に取り付けて回転させながら小さなはけ(刷毛)又は絵筆で帯を描

くと容易に形成できる。

6.4 

金属棒電極(薄板及びフレキシブルテープ状試験片用) 

金属棒電極は,寸法が約 10 mm×10 mm×50 mm の金属製角棒の締め金具とし,25±0.5 mm の間げきで

試験片に取り付けて用いる(

図 参照)。金属棒電極は,通常厚さ 1 mm 以下の薄板及びフレキシブルテー

プ状試験片に用いる。金属棒電極を絶縁性の部品を介して金属の支持板に取り付け,この支持板をガード

として用いてもよい[

図 5 a)  参照]。また,金属棒電極は,試験片自体に保持させるか[図 5 b)  参照],

又は絶縁された端子へ電極を接続することによって保持してもよい。試験片が硬い材料の場合には,電極

と試験片とを密着させるため,金属棒電極にすずはく(箔)を巻き付け,金属棒電極を試験片に取り付け

た後に,すずはくを電極の角に沿ってへらで電極へ押し付ける。


3

C 2140

:2009

試験片 

7.1 

テーパピン電極用試験片 

テーパピン電極による測定の場合,試験片は,50 mm×75 mm 以上の長方形の平板(

図 参照),又は直

径 20 mm 以上,長さ 75 mm 以上の管若しくは棒とする(

図 参照)。テーパピン電極を挿入するために,

試験片には,中心軸間の距離を 25±1 mm 離して 2 本の平行な電極挿入孔をあける。テーパピン電極と同

じテーパをもつリーマで孔を仕上げたとき,これらの孔の大きい側の端の直径は,4.5 mm〜5.5 mm とする。

孔は試験片を貫通していなければならないが,試験片が管の場合には,管壁の片側だけを貫通していれば

よい。孔は,孔の軸方向,試験片の厚さ方向の全体にわたって,リーマによるテーパが付いた孔とする。

試験片の孔あけ及びリーマによる整形のときは,試験用の孔の周囲の材料に,いかなる形の損傷(例え

ば,割れ目,きず,加工時の熱による炭化など)も与えないように注意する。電極挿入孔は,裁断された

試験片の縁端から 25 mm 以上離れた位置に設ける。テーパピン電極は,孔にしっかりと密着するように圧

入するが,つち(槌)などで打ち込んではならない。テーパピン電極は,試験片を貫通し,試験片の両側

に 2 mm 以上突き出していなければならない(

図 及び図 参照)。

7.2 

導電性塗料電極用試験片 

導電性塗料電極による測定の場合,試験片は,60 mm×150 mm 以上の長方形の平板(

図 参照),又は

長さ 60 mm 以上の管若しくは棒とする(

図 参照)。電極は,試験片の各縁端から 25 mm 以上離れた位置

に設ける。

7.3 

金属棒電極用試験片 

金属棒電極による測定の場合,試験片は,幅が 25.5 mm 以下,長さが 50 mm 以上のフレキシブルテープ

又は薄板とする(

図 参照)。

状態調節 

試験片の予備状態調節(必要な場合)

,状態調節及び試験のときの状態,並びに手順は,試験する材料に

よって異なるため,個別材料規格の規定に従うことが望ましい。

注記  固体絶縁材料の試験前及び試験時の標準状態については,JIS C 2142 参照。

選択,準備及び測定の手順 

9.1

  試験片の数は,個別材料規格に規定する。抵抗を測定する前に,試験片を適正に選択し(10.2 参照)

クリーニングし(10.3 参照)

,電極を取付け(10.4 参照)

,状態調節を行う(箇条 参照)

。試験片は,そ

れぞれ個々に測定する。抵抗測定は,試験片を状態調節した雰囲気中で行うことが望ましい。

試験時に試験片を規定の雰囲気に維持することが,実質的にできない場合には,試験片を状態調節用雰

囲気から素早く取り出し,可能な限り迅速に,できれば取り出してから数分以内に測定するとよい。試験

片の取出しから測定までの許容時間を,個別材料規格に規定しておくことが望ましい。また,電極の取付

けを状態調節の前後のいずれで行うかについても,個別材料規格に規定しておくとよい。

9.2

  電極及び試験片は,箇条 及び箇条 の規定に従って選択する。抵抗は,必要な感度及び精度をも

つ適切な機器(箇条 参照)を用いて測定する。特に規定がない限り,印加電圧は 500±10 V とし,電流

は,電圧印加して 1 分後の値を測定する。


4

C 2140

:2009

10 

一般的注意事項 

10.1 

一般 

抵抗の測定,温度及び湿度の一般的な影響並びに印加電圧及び課電時間についての一般事項は,JIS C 

2139

による。

10.2 

試験片の選択 

絶縁抵抗の測定値は,試験片の表面状態に著しく依存するため,表面に損傷がない試験片を選択するよ

うに注意することが望ましい。

10.3 

試験片のクリーニング 

多くの場合,運搬,加工後に実際に使用される状態で材料を試験することが望ましい。その場合には,

試験片はクリーニングしないほうがよい。クリーニングが必要な場合には,状態調節を行う前に,試験片

の表面をアルコールとエーテルとの混和物又は他の適切な溶剤でふく。クリーニングの後は指でじかに触

れないように取り扱う(化繊,ポリエチレンなど適切な材質の手袋を着用することが望ましい。

10.4 

試験片の取付け 

試験片を取り付けるときは,電極間に試験片以外の導電経路がないようにする。電極支持台にガードが

必要な場合には,JIS C 2139 に従って構成する。

11 

結果の表し方 

管及び棒の周りに形成した帯状の導電性塗料電極の場合,抵抗の測定値 R

x

は,次の式によって長さ 100

mm の電極に換算して表す。

x

100

100

π

R

d

R

×

=

ここに,

  R

100

: 電極の長さ

100 mm

に換算した抵抗値

  (Ω)

R

x

抵抗の測定値

  (Ω)

d

管又は棒の直径

 (mm)

金属棒電極を用いる測定で,電極間の間げきが

25 mm

と異なる場合,抵抗の測定値

R

x

は,次の式によ

って間げき

25 mm

の電極に換算して表す。

x

25

25

R

b

R

×

=

ここに,  R

25

電極間の間げき 25 mm に換算した抵抗値  (Ω)

R

x

抵抗の測定値  (Ω)

b

電極間の間げき (mm)

12 

報告 

報告書には,少なくとも次の事項を記載する。

a)

絶縁材料の名称

b)

試験片の形状・寸法

c)

測定方法及び電極の形式。導電性塗料の種類及び特性(導電性塗料を用いた場合)

d)

電極の取付け又は電極の形成が状態調節の前・後のいずれか

e)

クリーニングの方法

f)

予備状態調節の条件(予備状態調節を実施した場合)

,及び状態調節の条件

g)

測定時の雰囲気の状態(温度,湿度など)


5

C 2140

:2009

h)

試験電圧

i)

電圧印加時間

j)

試験片の各々の絶縁抵抗測定値

注記  測定値の平均値を求める場合,特に規定がない限り,個々の測定値の対数の算術平均を用い

ることが望ましい。

単位  mm

図 1−テーパピン電極を取り付けた平板状試験片


6

C 2140

:2009

単位  mm

図 2−テーパピン電極を取り付けた管又は棒状試験片


7

C 2140

:2009

単位  mm

図 3−導電性塗料電極を取り付けた平板状試験片


8

C 2140

:2009

単位  mm

図 4−導電性塗料電極を取り付けた管又は棒状試験片

単位  mm

a) 

金属棒電極を支持板に取り付ける場合 

図 5−金属棒電極を取り付けた薄板又はフレキシブルテープ状試験片


9

C 2140

:2009

単位  mm

b) 

金属棒電極を試験片に保持させる場合 

図 5−金属棒電極を取り付けた薄板又はフレキシブルテープ状試験片(続き)

参考文献  JIS C 2142  固体電気絶縁材料−試験前及び試験時における標準状態

注記  対応国際規格:IEC 60212:1971,Standard conditions for use prior to and during the testing

of solid electrical insulating materials (MOD)


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS C 2140:2009

  固体電気絶縁材料−絶縁抵抗の測定方法

IEC 60167:1964

,Methods of test for the determination of the insulation resistance of

solid insulating materials

(Ⅰ)JIS の規定 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

箇条番号及び名称

内容

(Ⅱ)
国際

規格
番号 

箇条番号

内容

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

− SECTION

1

GENERAL

一般(General) 一致

章の題名を削除した。技術的差異
はない。

JIS

の様式に合わせて

をな

くし, 箇条

とした。

1  適用範囲

1.

JIS

に同じ

一致

2  引用規格

3  用語及び定義

2.

JIS

に同じ

一致

4  一般的事項

3.

Significance

JIS

に同じ

一致

5  試験装置

4.

JIS

に同じ

一致

6  電極

SECTION

2

ELECTRODES

JIS

に同じ

一致

章である項目を,箇条に置き換え
た。技術的差異はない。

6.1  一般

5.

Electrodes

JIS

に同じ

一致

題名を

一般

とした。技術的差

異はない。

6.2  テーパピン電極

6.

JIS

に同じ

一致

6.3  導電性塗料電極

7.

JIS

に同じ

一致

6.4  金属棒電極

8.

JIS

に同じ

一致

7  試験片

SECTION

3

JIS

に同じ

一致

章である項目を,箇条に置き換え

た。技術的差異はない。

7.1  テ ー パ ピ ン 電 極
用試験片

 9.

JIS

に同じ

一致

7.2  導 電 性 塗 料 電 極
用試験片

 10.

JIS

に同じ

一致

7.3  金 属 棒 電 極 用 試
験片

11.

JIS

に同じ

一致

10

C

 214

0


2

009


(Ⅰ)JIS の規定 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容 

箇条番号及び名称

内容

(Ⅱ)
国際
規格

番号 

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価 

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

8  状態調節

SECTION

4

12.

JIS

に同じ

一致

注記に,JIS C 2142 を記載した。

対応国際規格では

検討中

とな

っているが,IEC 60212 が制定さ
れたため,対応する JIS を記載し
たものであり,技術的差異はない。

9  選択,準備及び測定
の手順

 SECT

5

13.

JIS

に同じ

一致

10  一般的注意事項

SECTION

8  JIS に同じ

一致

構成を変更した。

10.1  一般

19.  JIS に同じ

一致

10.2  試験片の選択

16.

JIS

に同じ

一致

10.3  試験片のクリー
ニング

 17.

JIS

に同じ

一致

10.4  試験片の取付け

 18.

JIS

に同じ

一致

11  結果の表し方

SECTION

6

14.

JIS

に同じ

一致

12  報告

SECTION 7 
15.

JIS

に同じ

一致

 

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60167:1964,MOD 

 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  一致 技術的差異がない。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。 

11

C

 214

0


2

009