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C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 体積抵抗測定の意義  2 

5 試験方法 3 

5.1 一般的事項  3 

5.2 電源及び印加電圧  3 

5.3 試験装置  3 

5.4 校正  7 

5.5 試験片  7 

5.6 特定の材料の試験手順  7 

6 試験手順 8 

6.1 一般的事項  8 

6.2 体積抵抗の測定  8 

6.3 体積抵抗率の計算  8 

7 試験報告書  8 

8 再現精度及び繰返し精度  9 

附属書JA(参考)受動ガード及び能動ガード  10 

 

 


 

C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電気学会(IEEJ)及び一般財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS C 2139:2008は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格及びJIS C 2139-3-2:2018

に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 2139の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 2139-3-1 第3-1部:直流電圧印加による抵抗特性の測定−体積抵抗及び体積抵抗率 

JIS C 2139-3-2 第3-2部:直流電圧印加による抵抗特性の測定−表面抵抗及び表面抵抗率 

JIS C 2139-3-3 第3-3部:直流電圧印加による抵抗特性の測定−絶縁抵抗 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

C 2139-3-1:2018 

 

(IEC 62631-3-1:2016) 

固体電気絶縁材料の誘電特性及び抵抗特性− 

第3-1部:直流電圧印加による抵抗特性の測定− 

体積抵抗及び体積抵抗率 

Dielectric and resistive properties of solid insulating materials- 

Part 3-1: Determination of resistive properties (DC methods)- 

Volume resistance and volume resistivity 

 

序文 

この規格は,2016年に第1版として発行されたIEC 62631-3-1を基に,技術的内容を変更することなく

作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項及び附属書JAは,対応国際規格にはない事項であ

る。 

 

適用範囲 

この規格は,直流電圧の印加によって電気絶縁材料の体積抵抗及び体積抵抗率を測定するための試験方

法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 62631-3-1:2016,Dielectric and resistive properties of solid insulating materials−Part 3-1: 

Determination of resistive properties (DC methods)−Volume resistance and volume resistivity−

General method(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 2103 電気絶縁用ワニス試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60464-2,Varnishes used for electrical insulation−Part 2: Methods of test

(MOD) 

JIS C 2142 固体電気絶縁材料−試験前及び試験時における標準状態 

注記 対応国際規格:IEC 60212,Standard conditions for use prior to and during the testing of solid 

electrical insulating materials(MOD) 

JIS K 7215 プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法 


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

  

注記 対応国際規格:ISO 868,Plastics and ebonite−Determination of indentation hardness by means of 

a durometer (Shore hardness) 

IEC 60455(all parts),Resin based reactive compounds used for electrical insulation 

IEC 60464(all parts),Varnishes used for electrical insulation 

IEC 61212(all parts),Insulating materials 

IEC 61212-2,Insulating materials−Industrial rigid round laminated tubes and rods based on thermosetting 

resins for electrical purposes−Part 2: Methods of test 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

体積抵抗(volume resistance) 

材料内部を貫通する電気伝導による絶縁抵抗の成分。 

注記 体積抵抗は,Ωの単位で表す。 

3.2 

体積抵抗率(volume resistivity) 

材料内部に関わる体積抵抗(実際には,体積抵抗を単位体積の立方体に換算した値)。 

注記1 体積抵抗率は,Ωmの単位で表す。 

注記2 絶縁材料の場合,一般に体積抵抗率は材料のシートの両面に配置した電極によって測定する。 

注記3 IEC 60050-121(Electromagnetism)では,“導電率”(conductivity)は,“媒質中の電界の強さ

との積が電流密度に等しいスカラー又はテンソル量”,また,“抵抗率”(resistivity)は,“そ

の逆数が存在するときの導電率の逆数”と定義している。この定義に従って測定した場合,

体積抵抗率は測定に関わる試験片内部に含まれるあらゆる不均一性に起因する抵抗率の平均

値であり,体積抵抗率には,電極界面に起こる分極現象の影響が含まれる。 

なお,この規格では,電圧印加から一定の時間後に測定することで,極力分極による過渡

電流(吸収電流など)の影響を回避している。 

注記4 電気学会電気専門用語集No.16(絶縁材料)によれば,体積抵抗及び体積抵抗率は,次のと

おり定義されている。 

− 体積抵抗:絶縁体の内部を通して流れる電流分についての電気抵抗。 

− 体積抵抗率:絶縁体の内部を通して流れる漏れ電流分によって定められる抵抗率。 

体積抵抗率は,絶縁材料の基本的物性値の一つであり,一つの供試材料には誤差の範

囲で一つの値が定まる。また,“漏れ電流”はこの用語集で,“絶縁体に直流電圧を印加

したとき,吸収電流が認められなくなった後において測定される時間的に変化しない電

圧”と定義されている。 

3.3 

漂遊電流(stray current) 

大地又は大地に埋設した金属構造体に流れる漏れ電流。意図的な接地又は想定外の偶然の接地による。 

 

体積抵抗測定の意義 

電気絶縁材料は,通常,電気部品と電気部品との間及び電気部品と大地との間を電気的に遮断するため


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

 

に用いる。また,固体電気絶縁材料は,電気部品の機械的支持の役割をもつ。このような目的に応じて,

固体電気絶縁材料は一般に,できるだけ大きな絶縁抵抗をもち,同時に十分な機械的特性,化学的特性及

び熱的耐久性を併せもつことを求められる。体積抵抗は,絶縁抵抗の一部である。 

体積抵抗は,用途に応じて絶縁材料を選択するための一助として用いられる。抵抗率の変化は,温度及

び湿度によって大きい場合があるため,動作環境条件に応じて設計時にその情報を得ておく必要がある。 

試験片が接触した電極間に直流電圧を印加すると,試験片を流れる電流は漸近的に減少して定常状態の

値に近づく。時間の経過に伴う電流の減少は,誘電分極及び可動イオンの電極方向への掃引に起因する。

体積抵抗率がおおよそ1010 Ωm以下の材料の場合は,通常1分以内に定常状態に達し,この課電時間の後

に抵抗を測定できる。体積抵抗率がより高い材料の場合には,電流は数分,数時間,数日又は数週間にわ

たって減り続ける。このような材料には,より長い課電時間が必要な場合がある。 

注記 非常に強い電界強度の下では,挙動が異なる場合がある。 

 

試験方法 

5.1 

一般的事項 

この規格に特定の材料のための試験方法が記載されている場合には,そこに規定する特定の試験方法を

用いる。 

体積抵抗(及び体積抵抗率)の測定は,細心の注意を払って行う。また,測定回路及び供試材料固有の

特性に配慮しながら実施する。 

試験を行うには,多くの場合,高電圧の使用が不可欠である。試験者は感電しないように注意する。 

材料の分極現象が測定に影響を与えることがある。したがって,十分な時間間隔を空けずに連続して抵

抗測定を行うことは避ける。 

注記 体積抵抗が1012 Ω以下の材料の場合は,測定と次の測定との間の時間間隔は1時間程度で十分

である。 

5.2 

電源及び印加電圧 

十分に安定な直流電源が必要である。電池又は直流安定化電源を用いる。必要な安定度は,いかなる電

圧の変化に対しても,電流の変化が被測定電流に対して無視できる程度とする。 

注記1 電源電圧のリップルは重要である。100 Vに対して,P-P値は0.005 %(5 mV)以下が適切で

ある。 

5.5に規定する試験片に印加する試験電圧は,通常,10 V,100 V,500 V,1 000 V及び10 000 Vとする。 

個別規格に規定がない場合には,100 Vを用いる。 

注記2 空気中では,340 V以下で部分放電を生じることはない。材料固有の放電開始電圧を超える

と,部分放電によって抵抗の測定に誤差を生じることがある。 

5.3 

試験装置 

5.3.1 

試験の精度 

適切な試験装置であれば何を用いてもよい。その試験回路は,未知の抵抗を少なくとも次の測定精度で

測定できるものとする。 

− 抵抗値が1010 Ω未満の場合,±10 % 

− 抵抗値が1010 Ω〜1014 Ωの場合,±20 % 

− 抵抗値が1014 Ωを超える場合,±50 % 


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5.3.2 

ガード 

測定回路に用いる絶縁材料の特性は,良くても,供試材料と同等程度である。このような状況の下で,

絶縁材料の試験片を測定するときに生じる誤差要因は,次のとおりである。 

− 所定の印加電圧以外の外部からの電圧に起因する漂遊電流。この電圧は,通常その大きさが定まらず,

また,常に生じるとも限らない。 

− 試験片の抵抗,標準抵抗又は電流測定装置の絶縁物にそれぞれ並列に,これらに用いられている絶縁

物によって形成される不要な電流経路。これらの電流経路の抵抗も値が定まらず,しばしば変動する。 

− 表面抵抗。その値は体積抵抗よりも一桁以上低い場合がある。 

測定回路を構成する全ての部品に用いる絶縁材料の絶縁抵抗をできるだけ高くすることによって,上記

の誤差要因はおおよそ無視できる程度となる。ただし,このような場合には,しばしば測定装置の取扱い

が難しくなり,絶縁抵抗が数100 MΩ(108 Ω)を超える試験片を測定する場合には適切ではない。漂遊電

流の影響をほぼ完全に取り除くには,ガードの技術を用いることが有効である。 

注記1 試験片の絶縁抵抗が大きい場合には,その値とリード線の静電容量との積で決まる時定数が

大きいので,電圧印加時の過渡電流が定常電流になるまで長い時間を要し,測定が困難にな

る(附属書JA参照)。 

ガードは,漂遊電流を生じるおそれのある絶縁材料を用いた全ての測定回路の部品にガード導体を装着

することによって行う。これらのガード導体は,誤差の原因となる全ての漂遊電流を取り込み,大地に流

して捨てる。多数のガード導体の全てを電気的に接続してガードシステムを構成し,一対の測定端子と併

せて3端子回路網を形成する。適切な回路接続を行った場合には,所定の印加電圧以外の外部からの電圧

に起因する漂遊電流を,ガードシステムによって測定回路から排除することができる。すなわち,ガード

を施した回路要素(試験片,標準抵抗など)よりも,測定端子とガードシステムとの間の絶縁抵抗(ガー

ド導体上に設置した測定用電極の支持絶縁物の絶縁抵抗など)がはるかに低い場合でも,漂遊電流は測定

回路からガード導体に分流する。その結果として,試験片の抵抗だけが測定端子間の唯一の電流経路とな

る。このようなガードの技術によって,測定誤差を生じる可能性は著しく減少する。体積抵抗の測定に用

いるガード付き電極の基本的な回路を図1に示す。 

 

 

図1−ガード付き電極の基本的な測定回路 

 

注記2 図1で,下側中央の円板電極を主電極,それを囲む環状の電極をガード電極,上側の円板電

極を対向電極と呼ぶ。 

注記3 ここに記載のガードシステムは,“受動ガード”と呼ばれている。ガード導体は通常接地され

ているので,漂遊電流を測定装置を通ることなく大地に“捨てる”ための回路システムであ


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

 

る。 

注記4 演算増幅器を容易に入手できる現在,広く用いられている“能動ガード”について,附属書

JAに示す。 

注記5 試験片の寸法は,5.5に示す。 

ガード導体とガードされた端子との間に存在する電気化学的(電池作用による)起電力,熱的(熱起電

力)によって生じる電圧などは,これらがあまり大きくなければ,適切な補償によって対処することがで

きる。測定時には,このような電圧に注意して,誤差を生じないように注意する。 

電流測定における誤差は,ガードされている側の端子とガードシステムとの間の抵抗が電流測定装置の

入力端子間に並列に接続され,測定装置に流れるはずの電流の一部が分流されることによって生じる。測

定装置の動作が満足できるものであることを確認するために,まず電源電圧から試験片までのリード線を

接続しない状態で測定するとよい。このとき,測定装置がその測定感度内で無限大の抵抗値を指示すれば,

ガードシステムが適切に機能していると判断することができる。抵抗値が既知の適切な標準抵抗が入手で

きれば,測定装置の動作を確認するために用いてもよい。 

5.3.3 

電極材料 

5.3.3.1 

一般的事項 

絶縁材料に用いる電極は,容易に用いることができ,試験片の表面に密着しやすく,電極の抵抗又は試

験片の汚染物による明らかな誤差を生じることがない材料であることが望ましい。電極材料は,試験時の

雰囲気条件の下で耐食性があるものが望ましい。電極は,規定する形状及び寸法の適切な裏打ち板ととも

に用いる。異なる2種類の電極材料又は2種類の電極形成の方法を試験的に用いて,明らかな誤差が生じ

るかどうかを調べることは有益である。使用可能な代表的な電極材料を,5.3.3.2〜5.3.3.7に示す。 

5.3.3.2 

導電性銀ペイント 

市販されている自然乾燥用又は低温焼付け用の高導電性銀ペイントは,いずれも十分に多孔質で,塗膜

を通して水分が拡散できるので,電極形成後に試験片の状態調節ができる。これは,温度依存性と同様に

抵抗の湿度に対する依存性を調べる場合に,特に有用な特性である。 

導電性銀ペイントを電極材料に用いる前に,ペイントの溶剤が試験片の電気的諸特性に影響を及ぼさな

いことを確認しておくことが望ましい。細い毛の筆を用いると,電極の端部を適切かつ滑らかに仕上げる

ことができる。円形の電極の場合は,より明瞭な輪郭に仕上げるために,電極の円周をコンパスを用いて

描き,その円の中を筆で塗るとよい。電極形成用のペイントを吹き付けて塗布する場合には,適切なマス

クをクランプで試験片表面に密着させて用いるとよい。 

5.3.3.3 

蒸着金属又はスパッタ金属 

蒸着金属又はスパッタ金属を用いてもよい。ただし,試験する材料がイオンによる衝撃,熱ストレス又

は真空処理によって影響を受けないことを確認する必要がある。 

5.3.3.4 

液体電極 

電極として導電性の液体を用いたとき,良い結果を得られる場合がある。液体電極の構成を,図2に示

す。 

上側の電極となる液体(測定電極及びガード電極)は,いずれも例えばステンレススチールのリングで

囲む。それらのリングの下側の縁は,それぞれ断面がナイフエッジとなるように加工する。水銀を用いる

ことはできないが,導電性の液体として,ガリウム,インジウム及びすず(錫)の合金に室温で液体とな

るものがあり,用いることができる。 

 


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

  

 

図2−液体電極 

 

5.3.3.5 

コロイド状黒鉛 

水又は他の適切な媒体に分散したコロイド状の黒鉛は,5.3.3.2(導電性銀ペイント)と同じ条件で用い

てもよい。 

5.3.3.6 

導電性ゴム 

電極材料として,導電性ゴムを用いてもよい。導電性ゴムの電極は,試験片への取付け及び取外しが素

早く容易にできる利点がある。この電極は測定をするときだけ取り付けるため,試験片の状態調節を妨げ

ない。導電性ゴムの抵抗分は,1 000 Ω未満とする。 

導電性ゴムの材料は,適度な圧力,例えば,2 kPa(0.2 N/cm2)を加えたとき試験片と確実に接触するよ

うに,十分柔らかいものを用いる。JIS K 7215によるショアA硬度で,65〜85のものが適切である。 

注記1 導電性ゴムの電極を用いて得た抵抗値の測定結果は,金属電極を用いて得られた測定結果よ

りも常に数10 %〜数100 %大きい。 

注記2 導電性ゴムの抵抗分は,主電極及び対向電極を短絡(直接密着又は金属板を挟む。)して,両

電極間の抵抗を測定することによって得られる。 

注記3 ゴム,エラストマなど,弾性のある材料の固さの単位として,デュロメータ硬さが適切であ

る。試験方法としては,JIS K 6253-3:2012[加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第

3部:デュロメータ硬さ(対応国際規格ISO 7619-1:2010)]が適切である。 

5.3.3.7 

金属はく 

体積抵抗測定用の電極として,金属はくを試験片表面に貼り付けて用いてもよい。通常,アルミニウム

及びすず(錫)のはくを用いる。これらの金属はくに,小量のワセリン,シリコーングリース,油又は他

の適切な材料を粘着剤として,できるだけ薄く塗って試験片に貼り付ける。 

いずれの粘着剤も測定結果に影響を与える可能性があるため,使用量は最小限にとどめることが望まし

い。 

注記 導電性粘着剤としては,次の組成(質量部)で調合して得られるゼリー状物質が適している。 

− 分子量600の無水ポリエチレングリコール:800部 

− 水:200部 

− 軟石けん(薬用):1部 

− 塩化カリウム:10部 

軟石けんは,腐食性のない薬用中性石けんとする。 

電極は,できるだけしわができないように,滑らかに圧力を加えて貼り付ける。例えば,指先でこする

のも良い方法である。はく電極の端の方に押し出された余分な粘着剤は,清浄で柔らかいティシュペーパ


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

 

ーなどで拭き取る。この方法は,表面が十分に滑らかな試験片の場合だけ用いてもよい。十分に注意を払

って作業すれば,この方法で粘着剤の層を0.002 5 mm(2.5 μm)以下まで薄くすることができる。 

5.4 

校正 

測定装置は,既知の体積抵抗の値によって校正する。 

注記 100 TΩ(1014 Ω)までの校正用標準抵抗が市販されている。 

5.5 

試験片 

5.5.1 

一般的事項 

測定に用いる試験片は,その材料の実使用状態に近い厚さとする。 

特に規定がない場合,縦100 mm以上,横100 mm以上,厚さ1 mm±0.5 mmを推奨する。 

5.5.2 

試験片の推奨寸法 

個別製品規格に規定がない場合,表1に示す試験片の寸法を推奨する。 

 

表1−試験片 

製品の種類 

試験片の推奨寸法 

参考 

熱可塑性成形材料 

− 

− 

熱硬化性成形材料 

− 

− 

長繊維強化ポリエステル及びビニル
エステル成形材料 
(SMC BMC) 

100 mm×100 mm×(3〜5) mm 

− 

エポキシ樹脂板及び積層板 

− 

− 

含浸樹脂及びワニス 

− 

IEC 60455規格群及びIEC 
60464規格群に記載の材料 

注型樹脂 

− 

IEC 60455規格群に記載の材料 

管,角棒及び丸棒  

− 

IEC 61212規格群に記載の材料 

エラストマ材料 

100 mm×100 mm×3 mm 

− 

 

5.5.3 

試験片の作製 

試験片の作製方法及び形状は,その材料の個別製品規格による。試験素材からの採取及び試験片の作製

を行う過程で,材料の状態が変化しないようにする。また,試験片に損傷を与えない。 

試験片表面の電極と接触する部分を機械加工する場合には,機械加工の方式を報告書に記載する。試験

片は,試験する領域を平行平板状,管状など単純な形状とする。 

製品から試験片を採取する場合には,可能な場合,製品の厚さのままとする。 

5.5.4 

試験片の個数 

試験片の個数は,関連する製品規格の規定による。規定がない場合,3個以上の試験片を試験する。 

5.5.5 

試験片の状態調節及び前処理 

試験片の状態調節及び前処理は,関連する製品規格の規定による。規定がない場合,JIS C 2142の標準

雰囲気B(温度23 ℃,相対湿度50 %)で,4日間以上状態調節する。 

5.6 

特定の材料の試験手順 

特定の材料については,その材料の仕様書に規定がある。IEC 60455-2,JIS C 2103及びIEC 61212-2に

は,試験方法の規定がある。特定の材料に特定の手順が規定されている場合には,その規定に従う。 

注記 IEC 60455-2:1998を対応国際規格とするJIS C 2105:2006が存在するが,IEC 60455-2が2015

年に改正され,規定内容が大きく変更されたため,ここでは,JIS C 2105:2006を引用しないこ


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

  

ととした。 

 

試験手順 

6.1 

一般的事項 

個別製品規格に記載の数の試験片を用意する。特に規定がない場合,試験片3個を試験する。電極を形

成又は装着する前に,試験片の厚さを5点以上で測定する。試験片厚さ及び電極寸法の測定値は,±1 %

の許容誤差とする。 

6.2 

体積抵抗の測定 

体積抵抗の測定を始める前に,試験片の帯電などを取り除いて,電気的に安定な状態にしておくことが

必要である。そのためには,試験片に形成又は装着した1対の測定用電極を,電流測定装置を通して短絡

し,短絡電流を測定する。その間,電流測定装置の感度を必要に応じて高める。短絡電流は,測定時に予

測できる電流値よりも十分小さい一定の値に達するまで監視する必要がある。特に規定がない場合,課電

から1分経過後に体積抵抗を測定する。測定を行う前に,試験片を標準雰囲気の下で24時間以上放置する。 

試験片が雰囲気的(温度,湿度など)及び電気的に定常状態に戻る前に測定を繰り返さない。 

材料の時間変化を調べる場合には,電圧印加と同時にストップウォッチなどの計時装置をスタートさせ

る。特に規定がない場合,電圧印加後,1分,2分,5分,10分,50分及び100分後にそれぞれ測定を行

う。2回続けて同じ結果が得られたときをもって試験完了とする。 

6.3 

体積抵抗率の計算 

体積抵抗率は,次の式によって求める。 

h

A

R

x

 

ここに, 

ρ: 体積抵抗率(Ωm) 

 

Rx: 体積抵抗の測定値(Ω) 

 

A: ガードされた電極の有効面積(m2) 

 

h: 試験片の平均厚さ(m) 

 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

− 供試材料の名称,種類及び仕様。製造業者及び商品名を含む。 

− 試験片の形状,寸法及び厚さ 

− 試験電圧 

− 試験装置の精度,必要と認めた場合,抵抗の測定値に応じた校正方法 

− 供試材料の硬化条件,及び前処理条件 

− 試験片の状態調節及び試験前の雰囲気 

− 試験の準備状況及び試験に用いた装置の説明 

− 試験片の数 

− 試験実施日 

− 試験片ごとの個々の体積抵抗及び体積抵抗率の測定値及びそれらの中央値 

− 試験時の環境条件 

− その他特記事項 


C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

 

再現精度及び繰返し精度 

体積抵抗及び体積抵抗率の測定は,多くの要因に依存する。経験的に,試験の再現精度(reproducability)

は,測定値に対して50 %以上である。 

繰返し精度(repeatability)は,20 %〜50 %である。 

注記 再現精度(reproducability)及び繰返し精度(repeatability)については,検討中である。IEC TC112 

WG4では,これらをより高い精度で記載するために,ラウンドロビン試験を行う予定である。 

 


10 

C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

  

附属書JA 

(参考) 

受動ガード及び能動ガード 

 

この規格は,国際規格への整合を図るため,対応国際規格を基にしている。この規格が規定している体

積抵抗及び体積抵抗率の測定方法の内容は,IEC 60093がIEC 62631-3-1及びIEC 62631-3-2に置き換わっ

ても変わらない。 

しかし,その間に種々の技術的改良が試みられ,より優れた測定技術が開発されている。特に測定精度

に決定的な影響を及ぼすガードの技術に関しては,旧来の受動ガードだけが簡略に記載され,近年多用さ

れている能動ガードに関しては,全く記載されていない。 

このため,この附属書では,ガード技術全般について説明する。 

 

JA.1 受動ガード 

この規格の対象とする絶縁材料の体積抵抗率及び表面抵抗率の測定では,当然のことながら多くの場合

高抵抗を測定対象としなければならない。したがって,ケーブル,測定器の端子などに用いられる絶縁材

料の漏れ抵抗が無視できなくなり,これが原因となって,しばしば大きな測定誤差を生じる。例えば,109 

Ωの抵抗を同じ入力抵抗をもつ測定器で測定する場合,その誤差は50 %となる。 

受動ガードは,漏れ抵抗を通して流れる微小電流を,測定系を通さずに直接接地又は電源に逃がす回路

を設けることによって,誤差を低減する方法であり,古くから用いられてきた。 

図JA.1にガードのない2端子接続を示す。この測定系では,試験片の抵抗Rxと支持絶縁物の漏れ抵抗

RABとが並列接続されるため,RABの影響は非常に大きく,測定誤差の最大の要因となる。これに対して,

同じ測定対象にガードを設けた場合を図JA.2 a) に示す。図JA.2 b) はその等価回路で,支持絶縁物SAの

漏れ抵抗RA及び支持絶縁物SBの漏れ抵抗RBを流れる漂遊電流は,ガード導体を介して接地(G)に分流

するため,測定誤差は大幅に低減される。 

 

 

図JA.1−2端子接続(ガードなし) 

 


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C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

 

 

 

a) 端子接続の具体例 

b) 等価回路 

図JA.2−3端子接続(受動ガード付き) 

 

この規格の図1及び図2に示すガード付き電極による測定方法は,上記の受動ガードの原理に基づいて

いる。 

現在広く用いられている絶縁抵抗計は,受動ガード回路(G)を構成できる測定器の代表的な例である。

その基本測定回路を図JA.3に示す。図JA.3の,AとBとの間に接続されている抵抗Rxが被測定抵抗であ

り,AとGとの間の抵抗RA及びBとGとの間の抵抗RBは,それぞれ端子A及びBの支持絶縁物の漏れ

抵抗である。この回路によれば,支持絶縁物の漏れ抵抗による電流は,電流計Aを通らずに電源(高電圧

発生装置)に戻されるため,ガード端子を用いない場合に比べて測定誤差が大幅に低減される。 

なお,高電圧機器では,図JA.3の回路のように,しばしば+側を接地して用いるため,注意が必要であ

る。 

 

 

図JA.3−絶縁抵抗計 

 

JA.2 能動ガード 

JA.1に記載したように,漏れ抵抗に起因する誤差は,受動ガードによって十分に低減される。しかし,

近年,高利得,高入力インピーダンス,低出力インピーダンスなどの優れた特性を兼ね備えた演算増幅器

を容易に用いることができるようになったため,演算増幅器によってガード導体を駆動して,常に測定電

流が流れるリード線(信号線)と同電位に保つことによって,漂遊電流を常にほぼ0にする方法が広く用

いられている。この方法は,能動ガード(又はアクティブガード)と呼ばれている。 

能動ガードには,漏れ抵抗による誤差を低減する働きばかりでなく,測定電流が流れるリード線(信号

線)とガード導体との間の静電容量をほぼ0にする働きがある。実際に測定を行う場合,試験片の抵抗と


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C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

  

測定器とを接続するリード線として比較的低容量のケーブルを用いた場合でも,試験片の抵抗とケーブル

容量との積で与えられる時定数が問題となる。例えば,1013 Ωの抵抗を1 m当たり100 pFの容量をもつケ

ーブルを用いて測定する場合,その時定数(R×Cの値)は単純計算で1 000秒となり,非常に長い。特に

自動計測の場合には,セットリング時間(例えば,最終到達値の±0.001 %までの到達時間)を考慮する必

要があり,その値は時定数の5〜10倍とされている。すなわち,測定時間は5 000秒〜10 000秒となり,

このままの状態では自動計測は事実上不可能である。 

この課題は,測定回路のガード導体を,入力インピーダンスが非常に高く,出力インピーダンスが極め

て低く,かつ,利得が1の演算増幅器を用いて駆動することによって,上記の測定時間を2桁以上短縮す

ることができる。また,同時に,漏れ抵抗による電流も原理的には0とすることができる。ここで用いる

演算増幅器は,しばしば“ユニティ ゲイン アンプ”と呼ばれている。 

能動ガードの概念を明瞭にするために,まず,図JA.4 a) に示すようなガードが施されていない回路を

考える。この図において,Rxは試験片の抵抗,VRXは流れた電流(図中省略)によって抵抗Rxの両端に現

れる電圧,VMは電圧計によって実際に測定した電圧,RLKGはケーブルの絶縁物の漏れ抵抗に電圧計の入力

抵抗を併せて考慮した等価並列抵抗である。図JA.4 b) は,図JA.4 a) の等価回路である。この図から明

らかなように,試験片の抵抗の両端に現れる電圧は,RxとRLKGとによって分圧され,電圧の測定値VMは,

式(JA.1)によって求められ,VRXよりも小さくなる。 

LKG

x

x

RX

M

R

R

R

V

V

  (JA.1) 

式(JA.1)から,JA.1に例示したように,Rx及びRLKGがともに109 Ωの場合,誤差は50 %となることが分

かる。また,RLKGが1桁大きく,1010 Ωの場合にも,VM=0.909 VRXとなって,9 %以上の誤差を生じる。 

 

 

 

a) 測定回路 

b) 等価回路 

図JA.4−ガードなし測定回路 

 

このような難点は,上記の演算増幅器(利得A=1)を用い,図JA.5 a) に示すような能動ガード回路を

設けることによって,著しく改善される。この回路の等価回路を,図JA.5 b) に示す。図JA.4 a)では,RLKG

の一端はケーブルの外部導体と一緒に接地されていたが,図JA.5 a) では,RLKGの一端とケーブルの外部

導体とはともに演算増幅器の出力に接続され,演算増幅器によって駆動される。この増幅器の利得は1で

あるから,RLKGの両端の電位は常に等しく保たれるため,RLKGを通る漏れ電流は発生しない。また,演算

増幅器の出力インピーダンスは非常に低いため,出力端子に使われた絶縁体を通る漏れ電流は測定にほと

んど影響を与えない。このような能動ガード回路の働きによって,VRXとVMとの値はほとんど一致し,測


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C 2139-3-1:2018 (IEC 62631-3-1:2016) 

 

定誤差は極めて小さくなる。 

さらに,ケーブルの内部導体(ケーブル内のリード線)と外部導体との間の電位差も常に0に保たれて

いるため,両者の間に電気力線は発生せず,ケーブル容量(内部導体と外部導体との間の静電容量)は等

価的にほとんど0となる。したがって,試験片の抵抗とケーブル容量との積で与えられる時定数は極めて

小さくなり,測定時間は短縮され,自動計測が十分に可能となる。 

今日の高抵抗測定においては,能動ガードは必須と考えられている。実際,近年市販されている微小電

流計及びエレクトロメータの多くはユニティ ゲイン アンプを内蔵し,その出力をガード端子として備え

ており,容易に能動ガード回路を構成することができる。 

 

 

 

a) 測定回路 

b) 等価回路 

図JA.5−ガード付き測定回路 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献  

[1] IEC 60050-121,International Electrotechnical Vocabulary−Part 121: Electromagnetism 

[2] IEC 62631-3-11,Dielectric and resistive properties of solid insulating materials−Part 3-11: Determination 

of resistive properties (DC methods)−Volume resistance and volume resistivity−Method for 

impregnation and coating materials1) 

[3] ケースレーインスツルメンツ著/株式会社東洋テクニカ訳:高感度測定ハンドブック〜精密DC微

小電流,微小電圧,高抵抗/低抵抗測定のための手引き(第4版) 

[4] 電気学会電気規格調査会標準規格JEC-6148:2002 電気絶縁材料の絶縁抵抗試験方法 通則(電気

書院) 

[5] 一般社団法人電気学会,電気用語標準特別委員会,絶縁材料用語小委員会編著,電気学会電気専門

用語集No.16“絶縁材料”(コロナ社) 

注1) 未発行。