1
C
2120 :
19
99
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表
JIS C 2120 : 1999
電気絶縁用ワニスクロス類試験方法
IEC 60394-2 : 1972
電気絶縁用ワニスクロス−第 2 部:試験方法
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
(1)
適用範囲
○ ワニスクロス類の試験方法
○ 綿,生絹又は合成繊維(ガラス含
む)で織られた基材からなるワニ
スクロスの試験方法。
= IEC は
第一部 定義及び一般要求
事項
第二部 試験方法
第三部 個別材料の仕様
の 3 部から構成されている中
の一規格として位置づけら
れる。
(2)
引用規格
○ JIS B 7502
,JIS Z 8401
JIS B 7721
,JIS Z 8703
JIS C 1303
,IEC 60212
JIS C 2110
,IEC 60243
JIS R 3503
,IEC 60296
○ IEC 60212
IEC 60243
IEC 60296
= IEC に旧 JIS の引用規格を追
加。
(3)
定義
○ クロス・テープ
ワニスクロス類
○ 全幅,スリット品,ストレイト,
バイアスなど 8 用語について簡
単に定義。
= 分類法及び呼び方を,ISO で
はクロスは全幅材料,スリッ
ト材料,テープはストレイト
カット,バイアスカットとし
て,形状ごとに 8 種類を定義
している。
2
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19
99
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
(4)
試験の種類
[(7)
〜(16)参照]
○ 外観
厚さ
耐油性 A 法,B 法併記
耐加水分解性 A 法,B 法
併記
耐熱性
引張強さ及び伸び
伸長度
引裂き強さ
端裂抵抗
絶縁破壊電圧 A 法,B 法
併記
○ 厚さ
耐加水分解性
耐油性
ワニスクロスによる油
その他液体の影響
引張強さ及び伸び
引裂き強さ
端裂抵抗
絶縁耐力
耐熱性(検討中)
ADP IEC
の規定に加え次の項目
を追加又は併記した。
追加した項目
・伸長度
併記した項目
・耐油性 B 法
・耐加水分解性 B 法
・引張強さ及び伸びの引張速
度
・絶縁破壊電圧 B 法
旧 JIS 法採用を IEC に提案
していく。
(5)
試験条件
○ IEC の前処理条件を A 法旧
JIS
を B 法として併記。
A
法 温度 23±2℃
相対湿度 (50±5) %
B
法 温度 20±2℃
相対湿度 (65±5) %
IEC 60394-2
○ 前処理条件
温度 23±2℃
相対湿度 (50±5) %
ADP
日本の気象条件を考慮し,旧
JIS
の試験条件を B 法として
併記した。
日本の気候条件から,整合化
は困難。今後も併記で対応し
たい。
(6)
数 値 の 丸 め
方
○
−
−
(7)
外観
○ 目視によることを規定。
○ 個別規格で規定。
= IEC は,IEC934-3 で外観基
準はあるがその方法は規定
されていない。
一般的に目視によるため JIS
では明確にした。
3
C
2120 :
19
99
解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
(8)
厚さ
○ IEC 60394-2 に規定の外側マ
イクロメータ又はダイヤル
型マイクロメータ使用を規
定。
IEC 60394-2
○ ・外側マイクロメータの性能
測定面径約 6〜8mm
平面度 0.001mm 以下
平行度 0.003mm 以下
圧力 10〜20N/cm
2
・ダイヤル型マイクロメータの性
能
測定面径約 6〜8mm
平面度 0.001mm 以下
平行度 0.003mm 以下
圧力 10N/cm
2
15N
加圧時たわみ
0.002mm
以下
= IEC では測定器の精度チェ
ック法が規定されているが,
JIS
では JIS B 7502 外側マイ
クロメータを用いることと
して当該規定は省略した。
(9)
耐油性
○ A 法(IEC 法)
B
法(旧 JIS 法:油の汚染度
及び試験片の変化を目視で
評価)の併記。
IEC 60394-2
○ 酸価測定による油の汚染度評価。 ADP 油の汚染度の評価方法
IEC
:分析法
旧 JIS:目視判定
実用的で簡易的な旧 JIS 法
を IEC へ提案する。
(10)
耐 加 水 分 解
性
(旧 JIS 項目名
耐湿熱性)
○ A 法(IEC 法)
B
法(旧 JIS 法:広口ビンの
使用)を併記。
IEC 60394-2
○ 試験管に試験片と蒸留水を入れ
て封止し,これを加熱して加水分
解性をみる。
ADP IEC
法:グラス管を封止
旧 JIS 法:栓をした広口ビン
IEC
の方法は封止した試験
管が加熱によって爆発の危
険性あり,IEC へ旧 JIS 法の
採用を提案する。
(11)
耐熱性
○ 規定時間加熱後,規定重量を
加えて折り曲げ,折り曲げ部
の絶縁塗膜にひびが入って
いないかを目視で調べる。
IEC 60394-2
○
検討中
としている。
−
IEC
へ旧 JIS 法を提案する。
(12)
引 張 強 さ 及
び伸び
○ 引張速度:
IEC
法と旧 JIS 法
(約 200mm/分)を併記。
IEC 60394-2
○ 引張速度 60±10 秒で規定荷重に
達するよう製品によって調整。
ADP IEC
法:時間規制方法
旧 JIS 法:定速方法
旧 JIS 法の採用を IEC へ提
案する。
4
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解
説
解説付表 1 JIS と対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JIS
の規定内容 (II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容 (IV)
JIS
と国際規格との相違点 (V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
(13)
伸長度
(バイアステー
プに適用)
○ 定荷重後の伸び測定。
−
−
採用を提案する。
(14)
引裂強さ
○ エルメンドルフ形引裂試験
機による引裂強さの測定。
IEC 60394-2
○
= IEC 法は試験片を 1 回 1 枚と
して 5 回測定することとして
いるが,JIS は測定値が小さ
い場合重ねて測定できるよ
う 5 回測定分の試験片数を採
取するとした。
(15)
端裂抵抗
○ 角度 30°の測定治具を使用
し,試験片の裂ける力を測
定。
IEC 60394-2
○
= IEC 法は中央値を求めるが,
JIS
は中央値又はは平均値と
している。
(16)
絶 縁 破 壊 電
圧
○ A 法(IEC 法)
B
法(旧 JIS 法)の併記
IEC 60394-2
○
ADP
試験条件の差異がある方法
は比較的共通しているが細
部に相違点ある。
概要下の表のとおり。
IEC
,旧 JIS とも,試験の目
的は同じであるが,試験条
件,試験方法で差異があるた
め,旧 JIS 法の採用を IEC
へ提案する。
試験項目
IEC
法
旧 JIS 法
試験方法
試験条件
常温
常態
=
△
高温
高温
=
△
伸長時
伸長度試験度
△
△
折曲後
耐熱性試験後
△
△
吸湿後
−
−
−
−
耐油性試験度
−
−
備考 =同等 △差異あり −非該当