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C 2110-3

:2010 (IEC 60243-3:2001)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  一般的事項 

2

5

  電極及び試験片 

3

6

  試験前の状態調節

3

7

  周囲媒質

3

8

  電気機器類 

3

8.1

  電源

3

8.2

  電圧の測定 

3

9

  測定手順

4

10

  昇圧方式 

4

10.1

  絶縁破壊試験 

4

10.2

  保証試験 

4

11

  絶縁破壊の判定基準

4

12

  試験回数 

5

13

  報告

5

13.1

  完全な試験報告書

5

13.2

  簡易な試験報告書

5


C 2110-3

:2010 (IEC 60243-3:2001)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会(IEEJ)及び財団法人日本

規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS C 2110:1994 は廃

止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS C 2110

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 2110-1

第 1 部:商用周波数交流電圧印加による試験

JIS C 2110-2

第 2 部:直流電圧印加による試験

JIS C 2110-3

第 3 部:インパルス電圧印加による試験


日本工業規格

JIS

 C

2110-3

:2010

(IEC 60243-3

:2001

)

固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−

第 3 部:インパルス電圧印加による試験

Solid electrical insulating materials-Test methods for electric strength-

Part 3: Tests using impulse voltage

序文 

この規格は,2001 年に第 2 版として発行された IEC 60243-3 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

適用範囲 

この規格は,波形 1.2/50 μs の雷インパルス電圧印加による固体電気絶縁材料の絶縁破壊の強さを測定す

る場合に,JIS C 2110-1 の規定に追加が必要な事項について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60243-3:2001

,Electric strength of insulating materials−Test methods−Part 3: Additional

requirements for 1.2/50 μs impulse tests(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 2110-1

  固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第 1 部:商用周波数交流電圧印加によ

る試験

注記  対応国際規格:IEC 60243-1,Electrical strength of insulating materials−Test methods−Part 1:

Tests at power frequencies(MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 2110-1 の箇条 3(用語及び定義)によるほか,次による。

3.1 

インパルス全波電圧波形(full impulse-voltage wave)

急激に最大値まで立ち上がり,続いてやや緩慢に 0 に向かって減衰する非周期性の過渡電圧波形(

図 1

参照)


2

C 2110-3

:2010 (IEC 60243-3:2001)

3.2 

インパルス電圧波形の波高値,U

P

(peak value of an impulse-voltage wave)

インパルス電圧波形の最大電圧値。

3.3 

インパルス電圧波形の規約波高値,U

1

(virtual peak value of an impulse-voltage wave)

インパルス電圧波形上に高周波振動又は多少のオーバシュートがある場合に,記録された波形から導か

れる数値。

3.4 

インパルス電圧波形の規約原点,O

1

(virtual origin of an impulse-voltage wave)

インパルス電圧波形の立ち上がり部分において,

波高値の 0.3 倍及び 0.9 倍の点を結んで引いた直線が電

圧値 0 の線(横軸)を切る点(

図 参照)。

3.5 

インパルス電圧波形の規約波頭長,t

1

(virtual front time of an impulse-voltage wave)

電圧が波高値の 0.3 倍及び 0.9 倍の時点間の時間 t

f

の 1.67 倍に等しい時間値(t

f

図 参照)。

3.6 

規約波尾長,t

2

(virtual time to half-value)

規約原点 O

1

と,波尾上で電圧がピーク値の 0.5 倍に減衰した時点との間の時間 t

2

図 1−インパルス全波電圧波形 

一般的事項 

JIS C 2110-1

の箇条 4(一般的事項)のほか,次の事項を考慮する。

a)

高電圧機器は,例えば,機器の近くに落雷したときに生じるような過渡電圧ストレスにさらされるこ

とがある。このような状況は,電力の送電システム及び配電システムに用いられる変圧器,開閉器な

どの機器において著しい。このような過渡電圧に耐える絶縁材料の性能は,絶縁材料によって絶縁さ


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C 2110-3

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れる機器の信頼性を確保する上で重要である。

b)

雷によって発生する過渡電圧は,正極性,負極性のいずれの場合もあり得る。同じ電極を対向させた

対称分布の電界においては,極性は絶縁破壊の強さに影響を及ぼさない。しかし,異なる電極を用い

る場合には,極性効果が現れることが予想される。試験者が試験する材料に関して前もって経験及び

知識をもたずに非対称の電極を用いる場合には,両極性について比較試験を行うことを推奨する。

c)

標準波形は,1.2/50 μs のインパルスである。すなわち,約 1.2 μs でピーク電圧値に到達し,波形の開

始点から約 50 μs 後にピーク電圧値の 0.5 倍に減衰する波形である。この波形は,絶縁破壊までは生起

することなく機器が被る雷撃の模擬を意図している。

注記  試験の対象が誘導性機器の場合は,8.2.2 に規定する振動成分が 5 %以下の規定の波形を得る

ことが困難,又は不可能なことがある。しかし,この規格の試験手順は,本来容量性の試験

片及び電極の構成・形状に適用することを前提としている。より複雑な形状,例えば機器の

完成品,又はこれらの機器を模したコイルとコイルとの間のような場合には,当該機器の仕

様に従って試験を行うことが望ましい。

d)

電圧印加時間が短いため,ほとんどの材料のインパルス試験の時間内における誘電加熱,その他の熱

的効果,及び空間電荷注入の影響はほとんどない。したがって,インパルス試験では短時間交流試験

のピーク電圧よりも高い値となる。インパルス絶縁破壊の強さをより長い時間を要する試験の結果と

比較することによって,供試材料に対する種々の試験の結果として生じる故障の機構を推測できる可

能性がある。

電極及び試験片 

電極及び試験片は,JIS C 2110-1 の箇条 5(電極及び試験片)による。

試験前の状態調節 

試験前の状態調節は,JIS C 2110-1 の箇条 6(試験前の状態調節)による。

周囲媒質 

周囲媒質は,JIS C 2110-1 の箇条 7(周囲媒質)による。

電気機器類 

8.1 

電源 

電極に印加する電圧は,

次のような特性及び構成要素をもつインパルス電圧発生装置によって供給する。

a)

正極性,負極性のいずれの電圧も選択でき,電極の片側に接続する配線は接地する。

b)

インパルス電圧発生装置内部の制御機構によって,試験片に印加する電圧波形を 1.2 μs±0.36 μs の規

約波頭長 t

1

及び 50 μs±10 μs の規約波尾長 t

2

図 参照)に調整できなければならない。

c)

インパルス電圧発生装置の電圧特性及びエネルギー蓄積用コンデンサは,いかなる試験片に対しても,

絶縁破壊電圧又は供試材料の仕様書に規定する保証電圧まで,適切なインパルス電圧波形を供給する

ために十分なものでなければならない。

d)  8.2.2

に規定する条件を満たす場合,電圧のピーク値を規約波高値とする。

8.2 

電圧の測定 

8.2.1

インパルス電圧を試験片に印加したときに,その波形を記録するための装置,並びに規約波高値,


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C 2110-3

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規約波頭長,及び実際の値の±5 %以内の精度で規約波尾長を測定するための装置を備えなければならな

い。

8.2.2

電圧波形が,振幅がピーク値の 5 %以内で,周波数が 0.5 MHz 以上の振動を伴う場合には,電圧値

の平均値の曲線を描き,その最大電圧値を規約波高値としてもよい。振幅がより大きい場合,又は周波数

がより低い振動を伴う場合には,その電圧波形は,この規格による試験に用いてはならない。

測定手順 

測定手順は,JIS C 2110-1 の箇条 9(測定手順)による。

10 

昇圧方式 

10.1 

絶縁破壊試験 

10.1.1

絶縁破壊試験は,JIS C 2110-1 の箇条 10(昇圧方式)による。

10.1.2

インパルス電圧は,ピーク電圧が等しい同一波形のインパルス電圧 3 個を一組として順次昇圧しな

がら印加する。最初の一組のピーク電圧は,予測される絶縁破壊電圧の約 70 %とするのがよい。

10.1.3

次の一組のピーク電圧は,最初の一組のピーク電圧の 5 %∼10 %高い値とする。JIS C 2110-1 

1

を適用することができる。

10.1.4

連続してインパルス電圧を印加する場合は,インパルス電圧発生装置が十分に充電された状態に達

するために十分な時間を与える。通常は,インパルス電圧発生装置の充電時定数の 3 倍程度の時間を与え

れば十分である。

10.1.5

一連のパルス間の時間としては,どのような注入空間電荷も消散するために十分な時間を与えるこ

とが望ましい。多くの材料において,インパルス電圧発生装置の充電時間は,通常,この時間より長くな

っている。空間電荷保持時間が長い材料では,供試材料の仕様書に必要な時間を規定する。この情報が不

明で,かつ,空間電荷保持時間が長いと疑われる場合には,絶縁破壊電圧に顕著な違いがあるかどうかを

判断するために,インパルスの時間間隔をより長くした追加試験を実施することが望ましい。

10.1.6

ある試験片に対して有効と認められる試験では,3 番目又はそれ以降の電圧レベルにおいて絶縁破

壊が発生する以前に,少なくとも 2 段階の電圧レベルが印加されていることが必要である。

10.1.7

絶縁破壊の強さは,絶縁破壊が起きることなく 3 回の波形が印加された最後の一組の仮想ピーク電

圧に基づく値でなければならない。絶縁破壊電圧は,絶縁破壊を生じた次の一組の波形の公称電圧の値と

する。

10.1.8

非対称な電極系を用いる場合には,正極性,負極性いずれの絶縁破壊電圧が低いかを判定するため

に,予備試験を実施する。その結果,極性によって著しい差異がある場合には,絶縁破壊電圧が低い方の

極性を試験に用いることが望ましい。

10.2 

保証試験 

保証試験又は耐電圧試験の目的で前もって規定された電圧の 3 個のインパルスを一組として,JIS C 

2110-1

の 10.1[短時間(急速昇圧)試験]に従って試験片に印加する。校正などの目的のために必要な場

合には,保証電圧の 80 %以下のピーク電圧の 3 個のインパルスまでならば,保証電圧波形を印加する前に

印加してもよい。

11 

絶縁破壊の判定基準 

絶縁破壊の判定基準は,JIS C 2110-1 の箇条 11(絶縁破壊の判定基準)を適用できる。絶縁破壊を起こ


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C 2110-3

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したインパルス波形の,立ち上がりからピークを経て波尾に至るどの位置で破壊が起こっても,そのイン

パルスのピーク電圧をインパルス破壊電圧とする。

耐電圧(withstand voltage)は,絶縁破壊を起こさなかった 3 個のインパルスの一組に対応する最も高い

公称ピーク電圧である。

12 

試験回数 

試験回数は,JIS C 2110-1 の箇条 12(試験回数)による。

13 

報告 

13.1 

完全な試験報告書 

特に規定がない限り,試験報告書に次の事項を記載する。

a)

供試材料の詳細な仕様(供試材料の製造元,材料の化学構造,組織,その他詳細な情報)

,並びに試験

片及びその調整方法の説明

b)

インパルス電圧波形の極性

c)

絶縁破壊の強さ(kV/mm)及び/又は絶縁破壊電圧(kV)の中央値(保証試験には適用しない。

d)

各試験片の厚さ[JIS C 2110-1 の 5.5(電極間距離)参照]

e)

試験中の周囲媒質及びその特性

f)

試験用電極,及び二つの電極が異なる場合は,それぞれの電極に対応する極性

g)

各試験片の絶縁破壊の強さ(kV/mm)及び/又は絶縁破壊電圧(kV)の値(保証試験には適用しない。

h)

空気中又はその他の気体中で試験した場合は,試験中の温度,気圧及び湿度。液体中で試験した場合

には,周囲媒質の温度

i)

試験前の状態調節の方法及び条件

j)

個々の試験片における最初の公称ピーク電圧レベル

k)

試験片上での絶縁破壊の形態及び位置(例えば,電極縁端部など)の表示,及び個々の試験片におい

て,最後の 3 個のインパルスの一組のうち,いずれの波形で絶縁破壊を起こしたかの表示

l)

個々の試験片において,絶縁破壊を起こしたときの波形上の位置(波頭,ピーク,又は波尾)

13.2 

簡易な試験報告書 

最も簡易な試験結果を求められた場合は,試験報告書に,13.1 の a)f),並びに g)について試験結果の

最小値及び最大値を記載する。