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C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 2 

3 用語及び定義  2 

4 一般的な考慮事項  3 

4.1 測定の種々の目的  3 

4.2 複数の周波数をもつ磁界及び電界の発生源  9 

4.3 測定前の考慮事項  11 

5 測定手順及び注意事項  11 

5.1 交流磁界  11 

5.2 直流磁界  13 

5.3 交流電界  13 

6 測定不確かさ  15 

7 測定報告書  16 

附属書A(参考)典型的な環境における磁界及び電界特性の例 17 

附属書B(参考)測定距離の例  20 

附属書C(規定)測定不確かさ  22 

附属書D(参考)測定不確かさの例  25 

 

 


 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電気学会(IEEJ)及び一般財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS C 1910: 

2004は廃止され,この規格及びJIS C 1910-1に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 1910の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 1910-1 第1部:測定器に対する要求事項 

JIS C 1910-2 第2部:測定に対する要求事項 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

C 1910-2:2017 

 

(IEC 61786-2:2014) 

人体ばく露を考慮した直流磁界並びに 

1 Hz〜100 kHzの交流磁界及び交流電界の測定− 

第2部:測定に対する要求事項 

Measurement of DC magnetic, AC magnetic and AC electric fields from  

1 Hz to 100 kHz with regard to exposure of human beings- 

Part 2: Basic standard for measurements 

 

序文 

この規格は,2014年に第1版として発行されたIEC 61786-2を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

適用範囲 

この規格は,直流磁界並びに1 Hz〜100 kHzの周波数帯域の準静的磁界及び電界の人体へのばく露レベ

ルを評価するために,磁界及び電界の強度測定の要求事項について規定する。 

この規格は,特に,人体ばく露の評価に関する明確な目的を達成し,測定手順を確立するための要求事

項について規定する。 

注記1 測定器及び校正に対する要求事項は,JIS C 1910-1で規定している。 

様々な環境にある発生源からの磁界及び電界の特性(例えば周波数成分,時間的及び空間的変化,偏波

並びに大きさ)には違いがあり,また,測定の目的にも違いがあるため,具体的な測定手順は,状況によ

って異なる。 

磁界及び電界の発生源は,商用周波数で動作し,商用周波数及びその高調波の磁界及び電界を発生する

機器,商用周波数以外の磁界及び電界を発生する機器,直流送電線並びに地磁気である。この規格が対象

とする磁界及び電界の強度は,交流磁界では0.1 μT〜200 mT,直流磁界では1 μT〜10 T,及び交流電界で

は1 V/m〜50 kV/mとする。 

この強度範囲を超える測定を実施する場合も,この規格の規定のほとんどが適用できるが,規定する不

確かさ及び校正手順については,特に注意することが望ましい。 

この規格に従って測定できる磁界及び電界の発生源の例を,次に示す。 

− 商用周波数(50 Hz又は60 Hz)で動作し,商用周波数及びその高調波の磁界及び電界を発生する機器

(例えば,電力線,電気器具など) 

− 商用周波数以外の磁界及び電界を発生する機器[例えば,電気鉄道(直流から20 kHzまで),民間航

空機(400 Hz),誘導加熱器(100 kHzまで)及び電気自動車] 

− 静磁界を発生する機器(例えば,MRI,直流送電線,直流溶接,電気分解,磁石,電気炉など)。直流


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

電流は,コンバータによって発生するが,同時に交流成分(商用周波数の高調波)も発生する。この

ような交流成分も評価することが望ましい。 

電磁界に関する製品規格がある場合には,その製品規格を適用することが望ましい。 

電界測定に関しては,この規格は,空間中又は導体近傍のある点における,じょう(擾)乱がない電界

強度(測定器及び測定者が存在しない場合の電界)の測定だけを対象とする。 

測定時における不確かさの要因も同定し,全体の測定不確かさを求めるために,要因ごとの不確かさを

合成する方法についての指針を示す。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61786-2:2014,Measurement of DC magnetic, AC magnetic and AC electric fields from 1 Hz to 

100 kHz with regard to exposure of human beings−Part 2: Basic standard for measurements

(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS C 1910-1:2017 人体ばく露を考慮した直流磁界並びに1 Hz〜100 kHzの交流磁界及び交流電界の

測定−第1部:測定器に対する要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 61786-1:2013,Measurement of DC magnetic, AC magnetic and AC electric 

fields from 1 Hz to 100 kHz with regard to exposure of human beings−Part 1: Requirements for 

measuring instruments(IDT) 

ISO/IEC Guide 98-3:2008,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in 

measurement (GUM:1995) 

注記 対応標準仕様書:TS Z 0033,測定における不確かさの表現のガイド(IDT) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

注記 “磁束密度”と“磁界”とは,同義として扱う。 

3.1 

平均ばく露レベル(average exposure level) 

人体がばく露される磁界及び電界の全身にわたる空間平均値。 

3.2 

補正係数(correction factor) 

既知の誤差を補償するために,補正されていない測定値に乗じる数値。 

注記 既知の誤差を完全に把握することはできないため,完全な補償はできない。 

3.3 

包含係数(coverage factor) 

拡張不確かさを得るために,合成標準不確かさに乗じる数値。 

注記 平均値μz及び標準偏差σの正規分布に従う量zに対し,包含係数k=1,2及び3に対する区間


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

μz±kσは,それぞれ分布の68.27 %,95.45 %及び99.73 %を包含する。 

3.4 

(測定結果の)繰返し性[repeatability (of results of measurements)] 

同一測定量に対して,次の条件で連続的に測定を実施する場合における測定結果間の一致度合い。 

− 同一測定手順 

− 同一測定者 

− 同一測定器,同一使用条件 

− 同一実験室内 

− 比較的短い時間間隔 

(出典:IEC 60050-311:2001,311-06-06を修正,注記を削除した。) 

3.5 

(測定の)再現性[reproducibility (of measurements)] 

同一測定量に対して,次の条件を変えて測定を実施する場合における測定結果間の一致度合い。 

− 測定原理 

− 測定方法 

− 測定者 

− 測定器 

− 適用規格 

− 実験室 

− 通常とは異なる測定器の使用条件下 

− 1回の測定に要する時間と比較して長い時間間隔 

(出典:IEC 60050-311:2001,311-06-07を修正,注記を削除した。) 

3.6 

標準不確かさ(standard uncertainty) 

標準偏差で表現する測定結果の不確かさ。 

3.7 

測定不確かさ(uncertainty of measurement) 

測定量に起因すると合理的に考えられる値のばらつきを特徴付ける,測定結果に関係するパラメータ。 

注記 測定不確かさは,一般に多くの成分を含む。これらの成分のうち幾つかは,一連の測定結果の

統計的な分布に基づいて評価してもよく,実験で得られる標準偏差で表すことができる。他の

成分は,経験又は他の情報に基づいて評価できる。 

 

一般的な考慮事項 

4.1 

測定の種々の目的 

4.1.1 

一般事項 

磁界及び電界は,幾つかのパラメータ,すなわち,大きさ,周波数,偏波など(JIS C 1910-1:2017の附

属書C参照)によって特徴付けられる。これらのパラメータの一つ又は複数の特徴付け,及びそれらと人

体ばく露との関連付けが,測定の目的となる。磁界及び電界の測定計画書の作成に関心のある人の助けと

なるよう,この箇条では,想定できる測定の目的のリスト及び目的を達成するために考えられる方法を示

す。 


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

高電圧発生源の近傍を除いて,商用周波数の電界を測定する必要はない。なぜなら,電界は,大きくて

も数十ボルト毎メートル(V/m)に過ぎないからである[3,22]1)。 

注1) 角括弧内の数字は,参考文献を意味する。 

様々な環境における典型的な磁界及び電界の特徴の例を,附属書Aに示す。 

4.1.2〜4.1.6に記載するような測定計画の目的は,明確に定義しなければならない。測定器の選定及び校

正の要求事項(例えば,測定器の通過帯域,測定レンジ,校正周波数など)には,明確に定義した目的が

必要となる。目的を確定して適切な測定器を用意した後,測定方法及び関連する測定計画を最終的に決め

る前に,測定しようとする環境において予備実験を行うとよい。測定の目的を達成するため,測定計画に

は,可能な方法を示して従う手順を順に記載する。測定計画には,測定器に対する要求事項(例えば,通

過帯域,プローブ寸法,測定レンジ),測定場所及び測定期間を明確に記載する。これによって,同じ測定

計画に基づいて類似した環境で得られた信頼できる測定結果の比較が可能となる。 

考えられる測定の目的,及び目的を達成するために考えられる方法を,4.1.2〜4.1.6に示す。 

4.1.2 

ばく露基準への適合性評価のための磁界及び電界の特徴付け 

合成値,及び周波数の関数として表す磁界又は電界の制限値は,多くの文書[例えば,17〜19,21]で示

しており,磁界若しくは電界の最大値,又は特定範囲における空間平均値を求める必要がある。測定位置

は,人の存在し得る位置を考慮して決定する。 

方法:磁界及び電界の合成値を測定するために,3軸測定器を用いる。電力線の近傍[4,9,15]及び電気機

器[10]近傍におけるこのような測定に関する規格及び指針がある。 

電力線近傍の磁界の測定は,負荷電流と関連付けるとよい。機器に流れる負荷電流は,一定,又は決ま

った値の範囲で比較的短時間で周期的に変動することが多いため,数回の測定を行うことによって合成磁

界の最大値を求めることが可能である。 

4.1.3 

空間分布の特徴付け 

磁界及び電界は,それらの発生源の近傍で一様ではない。例えば,電力線下の磁界又は電界の空間的な

変動がその代表例であり,計算で求められる(図1及び図2参照)。 

図1において,非一様性は,次の最大値(%)で定義する[4,9]。 

100

/

avg

avg

h

B

B

B

 

ここに, 

Bh: 地上0.5 m,1.0 m及び1.5 mの高さにおける磁界の強さ 

 

Bavg: 三つの高さにおける磁界の強さの算術平均値 


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

 

 

図1−77 kV架空送電線の下の磁界レベル(出典:[9]) 

(77 kV,2回線垂直配列) 

 

 

図2−架空送電線の下の電界レベル(出典:[9]) 

(77 kV,2回線垂直配列) 

 

電力線又は特定できる単一の発生源から離れた場所における磁界の空間分布は,一般的には不明である。 

発生源の電流から生じる磁界に空間依存性があるため,ほとんどの環境において,交流磁界は一様では

ない。住居内においては,静磁界も大きな空間変動を示す[29]。 

 

導体

3.2 m 

3.0 m

3.0 m

1.0 m
地表

距離(m)

11.0 m

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

-30

-20

-10

0

10

20

30

distance x (m)

Electric Field (V/m)

A

B

C

A

B

C

Untransposed

A

B

C

C

B

A

transposed

phase sequence 

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

‒30

‒20

‒10

0

10

20

30

距離x   (m) 

界(

V

/m

 

A

B

C

A

B

C

Untransposed

A

B

C

C

B

A

transposed

phase sequence

A
B

C

位相配列 

A
B

C

A
B

C

C
B

A

3.2 m 

3.5 m 

3.5 m 

3.8 m 

3.8 m 

0

順相 

逆相 

 

導体

3.2 m 

3.0 m

3.0 m

1.0 m

地表

距離(m)

6.0 m

磁界

T

 

1.5 m

1.0 m
0.5 m

-

A

B

C

A

B

C

untransposed

1.5 m

1.0 m
0.5 m

非一様性

A

B

C

A

B

C

untransposed

A

1.5 m

1.0m
0.5 m

non -

A

B

C

C

B

A

transposed
phase sequence

1.5 m

1.0 m
0.5 m

A

B

C

C

B

A

transposed
phase sequence

‒30

‒20

‒10

0

10 

20 

30 

距離(m)

非一

様性(

%

 

100 

90 
80 
70 
60 
50 

40 
30 
20 
10 

5.0 
4.5 

4.0 
3.5 

3.0 
2.5 

2.0 
1.5 
1.0 

0.0

0.5 

7.0 

6.0 

5.0 

4.0 

3.0 

2.0 

1.0 

0.0

磁界

 (

T

 

‒30

‒20

‒10

0

10 

20 

30 

距離(m)

‒10 

一様

性(

%

 

 

100 

90 
80 
70 
60 

50 
40 
30 
20 

10 

B

C

A

B

C

C

C

非一様性

3.2 m

3.5 m 

3.5 m

3.8 m 

3.8 m

0

77 kV 2回線垂直配列 

順相配列 

逆相配列 

 


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

方法:空間分布を特徴付けるときには,磁界の各方向成分を座標の関数として記録する。電力線[4,9,15]

及び電気機器[9]近傍において,このような測定を実施するための規格がある。このような測定は,携帯形

測定器を用いて行うことができるが,物理的な障害物が車輪の動きを妨げない場合には,移動測定用の車

輪に取り付けた測定器を磁界の空間分布を特徴付けるために用いることもできる。車輪が回転したとき,

磁界の合成値を記録するように,3軸磁界測定器にトリガがかかる。測定器に付帯するソフトウェアを用

いた場合,磁界分布,等磁界面の図示,磁界の統計的解析などが可能になる[2,26]。磁界制限値との適合

性評価をするための磁界レベルを得るためには,繰り返し測定を行って,データの時間変動を考慮する。 

4.1.4 

時間変動の特徴付け 

磁界は,時間変動の大きい負荷電流及び大地帰還電流によって発生するので,磁界の時間変動は,2倍

を容易に超え得る。 

電力線の下では,磁界は,送電線の負荷電流に依存する。1回線又は並列に運用されている2回線の場

合には,磁界は,送電線の負荷電流に比例する。図3は,735 kV送電線の負荷電流及び外気温の例である。

この場合には,負荷電流は,人の活動(日変動),外気温(季節変動)及び送電網における当該送電線の位

置に影響される。さらに,大きい負荷電流及び環境条件に伴う発熱に起因する導体のたるみによって,磁

界が変動し得る[16]。 

 

 

図3−人の活動(日変動)による735 kV送電線の負荷電流の変動及び外気温(季節変動)の例 

 

方法:1か所以上の点における磁界変動を時間の関数として記録するために,市販のデータロガーへ接続

できるような出力端子をもつ3軸及び単軸磁界測定器を使用できる。3軸ばく露測定器及び磁界波形を取

得できる測定器も,磁界を周期的に記録するために使用できる。磁界は,日,週,季節などによって変動

する負荷電流に依存する(図3参照)ことから,磁界変動を正確に把握するために妥当な統計的評価がで

きる測定間隔を決める必要がある。対象とする測定場所において予備実験を実施することは,測定のサン

プリング時間を決めるのに有効である。 

時間変動する磁界の最大値を実測によって求めることは,容易ではない。1回線電力線の下のように取

扱いの容易な場合には,磁界測定をするときに電流を記録し,外挿によって最大負荷時を想定することに

よって磁界の最大値を求めることができる。 

電気的な大量輸送システム内,又は可変速駆動電動機のある他の場所で測定する場合には,更に考慮す

ると望ましい事項がある。例えば,電車内においては,磁界は,電車の速度に依存する(図4参照)。 

 

7

3

k

V

A

日 

温度 

負荷電流 

12/29 

12/30 

12/31 

1/1 

1/2 

1/3 

1/4 

1/5 

1/6 

1/7 


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

 

 

 

注記 広帯域は40 Hz〜800 Hz,高調波は100 Hz〜800 Hz。 

 

図4−フランスの高速鉄道電車内の磁界 

 

電力線から発生する電界の値は,電圧がほぼ一定であるため,スポット測定による磁界とは異なり,大

きく変動することはない。ただし,大きな負荷電流による発熱によって導体のたるみが大きくなる場合,

電界が変化する[16]。 

4.1.5 

磁界又は電界の周波数成分の特徴付け 

次の理由から,周波数成分の特徴付けは,重要な目的となる。 

a) 電気機器の発生する電界及び磁界は,商用周波数の高調波又は商用周波数に無関係な周波数をしばし

ば含んでいる。 

b) 電界及び磁界の制限値は周波数の関数として設定されている[17〜19,21]。 

一般的な電気機器から発生する高調波成分を多く含む磁界の例を,図5に示す。図5 a) は,66.04 cm(26

インチ)液晶テレビの平面スクリーン中心から10 cm離れた点における磁界の水平方向成分の波形である。

磁界の高調波成分を,図5 a) の波形の周波数スペクトルとして図5 b) に示す。基本波周波数は50 Hzで

あり,第3次及び第5次高調波を多く含むことが分かる。 

広帯域 

高調波 

時間 


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

 

 

 

a) 波形 

b) 周波数スペクトル 

図5−66.04 cm(26インチ)平面スクリーン液晶テレビから発生する磁界 

 

方法:市販の1軸及び3軸磁界測定器には,磁界強度に比例した電圧を出力する端子をもつものがある。 

このような測定器を市販のスペクトルアナライザとともに用いる場合,磁界の周波数成分を特徴付ける

ことができる。波形記録装置には,記録したデータから周波数成分を求めることができるソフトウェアを

もつものもある。磁界の商用周波数成分の実効値と,一つ以上の高調波成分の実効値とを切り換えて表示

できる磁界測定器もある。スペクトルアナライザを内蔵している磁界及び電界測定器もある。 

例えば,電気的な大量輸送システムのように可変速電気機器から発生する磁界の高調波成分は,速度に

よって変化する[5]ことに注意するとよい。 

交流電力システムの電界の総合高調波ひずみは小さい。したがって,電界における商用周波数の高調波

は,無視できる[9]。 

4.1.6 

公衆の磁界ばく露の特徴付け及び評価量の定義 

商用周波数磁界へのばく露による健康影響の可能性を調査するために,職業的及び公衆ばく露に関する

数多くの疫学研究が行われてきた。磁界測定によって,異なる統計的指標を定義できる。 

方法:人体の関心のある部位における磁界を周期的に測定する小形の3軸ばく露量計を身に付けることに

よって,ばく露のより正確な評価ができる。 

測定値の空間的及び時間的変動,及び被験者の行動記録に基づいて,人体ばく露を評価する[31]。 

人体への取付けが可能な市販の3軸ばく露量計を使用できる。磁界測定のサンプリング周期,メモリ容

量及び電池の寿命によるが,このような測定器は,磁界の合成値を数日間にわたって定期的に記録する。

サンプリング周期は,磁界と対象物との相互作用を仮定したモデルに部分的に依存する。収集したデータ

は,コンピュータにダウンロードすることができ,測定器に附属した,又は別途開発したソフトウェアに

よって,時間加重平均(TWA),幾何平均及び幾つかのパーセンタイル値のようなばく露パラメータを求

めることができる。 

特定の場所における過去の人体ばく露は,ばく露量計を装着させた被験者に,その場所における以前と

同じ行動をさせることによって推定することが望ましい[27,28,30]。この方法は,磁界発生源が以前と

大きく変わっていないことを前提としている。 

-0.02

-0.01

0

0.01

0.02

時間(s) 

μ

T

 

0.3

0.2

0.1

0

−0.1

−0.2

−0.3

−0.02 

−0.01 

0.01 

0.02 

Fundamental frequency: 50 Hz

0,1

周波数(Hz) 

μ

T

 

基本波周波数50 Hz 

0.1

0.08

0.06

0.04

0.02

00 

500 

1 000 

1 500 

2 000 


C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

4.2 

複数の周波数をもつ磁界及び電界の発生源 

4.2.1 

一般事項 

発生源からの磁界及び電界が一つの周波数の正弦波ではない場合には,その磁界及び電界は,異なる周

波数の正弦波磁界及び電界の重ね合わせとして表す。磁界及び電界のスペクトルは,離散的又は連続的な

周波数成分から成る。離散的なスペクトルを示す発生源の例として,配電線及びAC/DCコンバータがあ

る。このような例では,高調波スペクトルももつ。すなわち,一つの基本波周波数の整数倍のスペクトル

成分だけをもつ。非高調波離散スペクトルは,二つ以上の独立した発生源によって生じる。連続的なスペ

クトルの場合には,離散的なスペクトル成分は見えない。なぜなら,無限に小さい間隔で無限数のスペク

トル線から構成されるためである。連続的なスペクトルの例としては,単一インパルス波又はバースト波

のスペクトルがある。熱雑音も連続的なスペクトルを発生する。もちろん,実際のスペクトルでは離散的

なスペクトルと連続的なスペクトルとが重ね合わさることもある。 

4.2の目的は,非正弦波磁界及び電界を既存のガイドライン又は規格の参考レベルとどう比較するかを示

すことである。 

100 kHz以下の周波数領域においては,ガイドラインは,神経系への刺激作用のような短期効果に基づ

いている[17〜19,21]。他の生物学的効果として,熱的なものが知られているが,100 kHz未満では無視で

きる。文献[25]は,電磁界の神経生理学的効果に関する論文を大変良く取りまとめている。 

ガイドラインでは,神経生理学的効果を特徴付ける基本制限を定義している。このような基本制限は,

測定可能な量ではないため,ガイドラインは,外部磁界及び電界に対する参考レベルを導入している。基

本制限及び参考レベルは,周波数に依存する。 

参考レベルについては,外部正弦波磁界及び電界に有効な実用モデルがある。参考レベルの逆数の曲線

は,外部磁界及び電界から生物学的効果への変換関数とみなすことができる。外部磁界及び電界のスペク

トラムに変換関数を乗じた結果が1未満の場合,外部磁界及び電界は,該当するばく露基準に適合してい

るとみなす。 

変換関数の概念は,非正弦波磁界及び電界にも適用できる。外部磁界及び電界に変換関数を乗じた場合,

ばく露に関連するスペクトルになり,これを加重スペクトルと称することができる。離散的スペクトルの

場合には,この加重スペクトルは,各スペクトル成分の磁界及び電界をスペクトル線の周波数における参

考レベルで除したものに相当する。加重スペクトル線を加算する手法として,4.2.2〜4.2.6のような方法が

提案されている。 

4.2.2 

加重された大きさの和 

文献[19],[21]及び[18]は,加重スペクトル線の大きさを加算することを提案している。 

例えば,文献[21]は,磁界に対して次の基準を提案している。 

1

MHz

10

1

,

R

j

j

j

H

H

 

ここに, 

Hj: 周波数jの磁界強度 

 

HR,j: 文献[21]で定義された周波数jに対する参考レベル 

 

この方法は,スペクトルの位相情報を用いないため,通常,ばく露を過大評価することになる。 

4.2.3 

加重ピーク値 

4.2.2に示す加重された大きさの和を取る方法は,加重スペクトル線の位相を考慮していないため,最悪

状態の評価に過ぎないとICNIRPステートメント[20]で記載している。発生源のスペクトルの位相を考慮

し,加重スペクトルを時間領域に変換することを提案している。このようにして得られた加重時間領域信


10 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

号のピーク値は,ばく露に関連する指標となる。変換関数の値として,参考レベル曲線の逆数を使用する。

変換関数の位相は,参考レベル曲線の傾きから導出する。 

時間領域だけで行う方法も文献[20]で提案している。この方法では,磁界又は電界の時間領域における

信号及び加重フィルタのインパルス応答の畳み込みを作る。この加重フィルタの伝達関数は,既に述べた

周波数領域法における変換関数と同じである。時間領域の加重された信号のピーク値も,ばく露に関連す

る指標となる。 

数学的には,二つの提案法には違いはない。なぜなら,周波数領域における乗算は,時間領域における

畳み込みと厳密に同じためである。IEC 62311:2007 [11]の箇条8には,加重ピーク値法についても詳細に

記載している。畳み込みを使用する加重ピーク値法は,既に市販の測定器で利用できる。このような測定

器は,リアルタイムで動作し,取扱いは極めて容易であり,任意の信号に対して使用できる。特に,パル

ス,バースト波又はノイズのような信号は,文献[20]及び[11]に示された考え方で評価できる。 

4.2.4 

インパルス分割 

任意の時間的挙動を示す信号に対しては,時間領域信号の評価法が文献[1]の5.3.2で提案されている。

磁界だけを対象として詳細に記載している。磁界の時間領域信号を,連続する単一インパルスに分割する。

それぞれのインパルスの持続時間から対応する周波数を計算し,各インパルスに対する適切な参考レベル

を選択するのに用いる。一般的な場合には,それぞれの磁界インパルスの時間導関数のピーク値は,対応

する角周波数を乗じた参考レベルにおける正弦波信号のピーク値と比較する。 

同じ参考レベルを適用し,インパルスが正しく分離して対応する周波数を正確に抽出した場合,多くの

場合において,この手順によって文献[11]及び[20]に記載した加重ピーク値法と同じ結果が得られる。この

類似性は,同じ物理学的及び神経生理学的効果が両方法の根拠となっていることに起因する。ただし,こ

れらの効果の解釈には,多少違いがある。時間領域信号を単一インパルス群に分離し,適切なパラメータ

を抽出する作業は容易ではなく,十分には定義されていない。したがって,この方法の再現性は良くない。 

4.2.5 

加重実効値 

文献[10]で,まず加重スペクトル成分の大きさの二乗を加算し,次いで実際のばく露の指標としてこの

合計値の平方根を取る方法を提案している。パーセバルの定理によれば,加重時間領域信号の実効値は,

周波数領域で求めた加重実効値と厳密に同じである。文献[10]では,時間領域法に対して1秒の平均化時

間を提案している。この方法は,大きさを直接加算することによって生じる可能性のある過大評価を避け

るために導入された。また,文献[11]では,この方法の周波数領域版を,過大評価を避ける方法として提

案している。ただし,この細分箇条の手法の神経生理学的な理論的根拠はない。したがって,この細分箇

条の手法は,実際の状況を過小評価することになる場合がある。 

4.2.6 

最大加重スペクトル線 

文献[1]では,神経生理学的効果に関して異なるスペクトル成分の相加効果はないものと仮定している。

文献[1]の5.3.3によれば,スペクトルが有限数の高調波を含んでおり,かつ,それらの高調波の大きさが

周波数とともに小さくなる場合,各スペクトル成分の適合性を別々に示せば十分である。この手法の理論

的根拠として,文献[8]を文献[1]中で引用している。文献[8]は,概要であることに注意する必要がある。文

献[1]の5.3.2に記載した方法が,かなり過小評価になる場合があることにも注意が必要である。 

4.2.7 

結論及び推奨 

複数の周波数を含む磁界及び電界の評価には,多くの方法があることを示した。過小評価だけではなく,

過大評価の危険性が最も小さいため,現時点では,加重ピーク値法を使用することが望ましい。評価者の

最小の労力で,安定した予測可能な結果を得ることもできる。 


11 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

4.3 

測定前の考慮事項 

測定を実施する前に,測定対象の磁界及び電界の分布について見当を付けておくことは役に立つ。この

ためには,次の情報が必要である(入手可能な場合)。 

− 磁界及び電界発生源の同定 

− 発生源の幾何学的特性 

− 発生源の負荷(電流,電力などによって定義する) 

− 測定実施予定場所を適切に示す写真又は地図 

− 最新の電気回路図 

− 大気条件 

− 公衆又は作業者が接近可能な区域 

− 金属物体の存在 

注記 目視によって確認できる磁界発生源(例えば,天井の照明器具,電気製品)もあるが,確認で

きない発生源(例えば,隣室又は上下階にある電気機器)もある。 

最終測定を実施する前に,予備実験の実施が必要な場合がある。この予備実験の内容は,状況による。

最大磁界及び電界を見付けるために区域を迅速にスキャンするだけでよい場合がある。測定位置の間隔,

測定高さ,データ数,データシートの様式,作業及び職務分担の質問表などを決定するために,予備実験

をより詳細に行う必要があることもある。 

予備実験では,高調波の有無を確認しておくことが望ましい。高調波を無視できると示すことができる

場合,すなわち,高調波を含まない場合と含む場合とで測定した磁界又は電界の違いが5 %未満のときは,

実際の測定において高調波を測定する必要はない。 

測定器の測定レンジも,予備実験で確認しておくことが望ましい。例えば,測定場所によって磁界及び

電界の大きさが大きく変わる場合には,レンジの自動切換機能をもつ測定器がより便利である。過渡信号

には,レンジの自動切換を使わないことが望ましい。 

測定目的が疫学研究の場合,最終測定手順を決める過程の一部として,予備実験を行う。 

 

測定手順及び注意事項 

5.1 

交流磁界 

測定方法及び手順の策定に当たり,該当する場合には,次に示す磁界発生源及び項目を考慮する。 

− 設備の電源 

− 変圧器の種類及び場所 

− 電源ケーブル及び遮断器の場所 

− 供給電圧の大きさ及びピーク電力となる期間 

− 電源及び電気装置の周波数(0 Hzを含む) 

− 既知の磁界発生源に対する人の相対位置 

− 人体における測定場所(例えば,頭,胴体) 

− 電動機及び発電機の有無 

− 小形ヒータの有無 

− 補償用空芯リアクトル用及びフィルタコイル用の空芯コイルの有無 

− 接地系統及び接続 

磁束密度の測定では,3軸測定器を用いて合成値を得なければならない。 


12 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

例えば,磁界の方向及び最大値を知りたい場合,磁界だ(楕)円の向き及び形状を調査する場合,直線

磁界の向きが事前に分かっている場合など,幾つかの場合には,1軸測定器を使用できる。 

3軸測定器には,上記の磁界パラメータを測定できるものもある。 

プローブ又はセンサ素子の大きさは,測定する磁界の空間変動に対して適切でなければならない。セン

サ素子の面積は,0.01 m2以下が望ましい(JIS C 1910-1:2017の5.8.2参照)。 

測定器の通過帯域は,測定対象の磁界の周波数成分に対して適切でなければならない。測定器の通過帯

域が磁界測定値に顕著な影響を及ぼす可能性がある場合(例えば,磁界が二つ以上の周波数成分をもつ場

合)には,通過帯域を記録して報告書に記載する。 

電力システムから発生する磁界の場合,周波数成分は,通常,基本波(50 Hz又は60 Hz)及びその数次

高調波である。このような磁界の測定に用いる最小通過帯域は,基本周波数から800 Hzまでとする。例え

ば,電力線近傍のように,高調波成分が十分に小さく,測定結果への影響が無視できることを実証できる

場合,又はより狭い周波数帯域の測定をする特別の理由がある場合にだけ,より狭い通過帯域を用いても

よい。 

電力システム以外から発生する磁界を測定する場合には,通過帯域を適切に選択する。ある種の輸送シ

ステムから発生する磁界の基本周波数は低い。これに対して,誘導加熱器,ビデオディスプレイ端末,民

間の航空機及び船舶から発生する磁界,並びに可変速駆動電動機から発生する磁界の高調波は,より高い

周波数となる。 

通過帯域をより低周波側へ拡張する場合には,静磁界中のコイルプローブの動きによって生じる誤差を

避けることに注意を払う。このような誤差は,コイルを固定すること,又は適切な周波数帯域を設定する

ことによって,一般的には排除できる。 

ほぼ一様な磁界中における測定値は,測定時に測定場所に人が存在すると仮定したときの人体全身のば

く露に相当する。このような状況は,電力線の下で生じる[9]。 

発生源と人体との間の距離が20 cmを超える場合には,平均ばく露レベルの概念を使用できる。平均ば

く露レベルを求めるには,人体の位置を考慮して異なる高さ及び場所で磁界の測定を行い,測定値の平均

値を求める。JIS C 1911では,電気設備から発生する磁界への公衆ばく露の測定手順を規定しており,3

種類の高さでの測定を規定している[9]。 

距離が20 cm以下の場合には,平均ばく露レベルの概念で人体全身にわたる平均化を行ってはならない。 

測定計画には,測定点と発生源(又は壁,フェンス若しくは表面)との距離を明記する。この距離は,

既定値の20 cmとすることが望ましい。特定の状況における測定距離を規定する規格もある(附属書B参

照)。 

人体の磁界へのばく露を求めるための測定計画を策定する過程の一部として,測定の目的,及びそれを

達成する方法を明確に示されなければならない。測定器の選定及び校正への要求事項(例えば,測定器の

通過帯域,強度レンジ,校正周波数など)を決定するために,目的を明確に定義することが必要である。

どのような磁界パラメータを測定するか,どこで測定するか,及びどのように測定するかを,測定計画に

示すことが望ましい。一般には,単一の測定計画が全ての状況における測定に適しているわけではないこ

とに注意することが重要である。 

磁界は,電流に比例するため,測定実施中に変動する可能性がある。したがって,測定結果を解釈する

ために,この変動を把握しておかなければならない。測定中に負荷電流を記録すること,又は固定位置の

磁界を記録することによって,変動を把握できる。 


13 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

5.2 

直流磁界 

交流及び直流磁界測定における主たる違いは,地磁気の影響である。 

直流電力ネットワークについては,JIS C 1911の測定手順を用いることが望ましい。地中直流電力線の

場合には,人体の占める場所における直流磁界は一様と考えてよい(JIS C 1911参照)ので,高さ1 mに

おける1点測定で十分である。磁界の均一性は,計算によって評価できる(図6参照)。 

 

 

 P=1.4 m D=1.05 m e=35 cm I=926 A 

各ケーブルの電流極性= + − − + 
地磁気の大きさは50 μT,下面に対して60°,ケーブルと同方向 
 

図6−直流地中ケーブル上の直流磁界特性の例(高さ1 mにおける計算) 

 

測定の開始前及び終了後に,ケーブルのそれぞれの側で地磁気を測定する。地磁気及びケーブルから発

生する直流磁界はベクトルなので,地磁気成分を単純に減算することはできない。測定した磁界は,その

まま記録する。地磁気成分も,記録する。 

5.3 

交流電界 

じょう(擾)乱のない電界の測定は,3軸測定器を用いて行い,電界の合成値を求める。 

例えば,電界の方向が既知の場合などには,1軸測定器を使用できる。 

測定器の通過帯域は,測定対象の電界の周波数成分に対して適切でなければならない。測定器の通過帯

域が電界測定値に顕著な影響を及ぼす可能性がある場合(すなわち,電界が二つ以上の周波数成分をもつ

場合)には,通過帯域を記録して報告書に記載する。 

地表 

地中ケーブル 

ケーブル中心軸までの距離(m) 


14 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

電力線,変圧器などの電力システムから発生する電界の場合,主な周波数は商用周波数50 Hz又は60 Hz

である。電界の実効値を測定する場合,商用周波数付近を中心とする狭通過帯域の測定器が適している。 

例えば,民間の航空機,船舶,電車など他の発生源からの電界を測定する場合には,基本周波数は50 Hz

又は60 Hzとは大きく異なることがあるので,通過帯域を適切に選ばなければならない。 

電界測定中は,電界プローブ付近にいる人だけでなく,測定者による近接効果を避けるため,細心の注

意を払うことが望ましい。電界の顕著なじょう(擾)乱が生じ,測定に許容できない誤差が生じる可能性

がある。 

図7は,プローブからの測定者までの距離及び電界計の地上高さの関数として,電界測定値のじょう(擾)

乱を百分率で示したものである[7]。図中の点は,身長1.8 mの接地電位にある測定者(腕は,脇腹に付け

ている。)による,500 kV送電線下の電界のじょう(擾)乱の実測値を示す。地表面から測定器までの3

種類のいずれの高さにおいても,近接効果が確認できる。実線は,理論値である。漏れ抵抗及び地面に対

する静電容量のために測定者の電位は接地電位に近いことが多く,図7に示した近接効果は,典型的なも

のとみなすことができる。 

 

 

図7−鉛直方向の電界測定時の測定者による近接効果 

 

他の形状の浮遊電位形電界測定器の測定者による近接効果は,図7と比較して大きい場合も小さい場合

も,実験的に求めることができる。プローブの中心から測定者までの距離の関数として,電界値の変化に

留意して近接効果を求めることができる。 

したがって,測定者とプローブとの最小距離2 mを確保しなければならない[4]。 

導電性物体がある場合,その導電率が低い場合(樹木,フェンス,植物,ビルなど)においてさえも,

電界は,非常に容易にじょう(擾)乱を受ける[4]。可能な場合には,除去できる全ての物体を除去するこ

とが望ましい。除去できない場合には,可能な限りプローブと物体との距離を物体高さの3倍以上(移動

可能な物体の場合)又は1 m以上(移動できない物体の場合)にすることが望ましい。除去できない物体

は記載し,その寸法及び設置場所を明示する[4]。 

プローブは,絶縁性の三脚上に配置する(JIS C 1910-1:2017の5.8.4参照)。 

相対湿度が70 %を超える場合,電界を正しく測定できないことがある(JIS C 1910-1:2017の5.5参照)。 

ほぼ一様な電界中における測定値は,測定時に測定箇所に人がいる場合には,人体全身のばく露に相当

測定器から観測者までの距離(m) 

%

 

10.0

0

-10.0

-20.0

1.0 

2.0 

3.0 

4.0 

5.0 

1.6 

1.4 

1.0 

1.6 

1.4 

1.0 

測定器の高さ(m) 


15 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

する。一様でない電界中の測定値は,人体ばく露を考える場合には,より限定的な解釈が必要である。す

なわち,電界測定値は,その測定場所における人体の当該部分だけに対するばく露を表す。 

人体の電界へのばく露を求めるための測定計画を策定する過程の一部として,測定の目的,及びその目

的を達成する方法を明確に示さなければならない。測定器の選定及び校正への要求事項(例えば,測定器

の通過帯域,強度レンジ,校正周波数など)を決定するために,目的を明確に定義することが必要である。

どのような電界パラメータを測定するか,どこで測定を実施するか,どのように測定するかを,測定計画

に示さなければならない。一般には,単一の測定計画が全ての状況における測定に適しているわけではな

いことに注意することが重要である。 

 

測定不確かさ 

測定不確かさは,ISO/IEC Guide 98-3に従って評価する。この規格は,測定に影響を及ぼす各物理量に

関連する標準偏差を,実施した測定(タイプA)に基づいて,又は経験(タイプB)に基づいて決めるこ

とを規定している。 

測定時に許容される合成標準不確かさを,決定することが望ましい(測定器の不確かさに対する要求事

項は,JIS C 1910-1:2017の箇条5で規定している。)。 

異なる測定環境における電界又は磁界の実効値測定に関する合成標準不確かさを求めるために,不確か

さの様々な発生源について適切な算出方法があるとよい。可能性のある不確かさの発生源が,附属書C及

びJIS C 1910-1:2017の箇条6に次のように規定している。 

− タイプAの不確かさ 

・ 校正の不確かさ 

・ 測定結果の繰返し性 

・ 測定の再現性 

− タイプBの不確かさ 

・ 補正係数 

・ 非一様磁界及び電界測定時のコイルプローブ内の平均化効果 

・ 非一様磁界及び電界中のプローブ位置決めの誤差 

・ 周波数応答又は通過帯域制限(フィルタの選択) 

・ 測定器の時定数 

・ 測定器の経時変化 

・ 分解能 

・ 気温 

・ 物体又は障害物への近接 

・ 湿度(電界の場合) 

・ 自動レンジ切換機能における測定レンジ 

不確かさの要因には,その影響を無視できる程度に減らすことができるものもある。例えば,絶縁材料

でできた計測器台を,電界測定器プローブの正確な位置決めに使用できる。 

可能な場合,既知の補正係数を測定値に適用することが望ましい。 

ただし,この補正係数は,各軸に対して求めて適用するので,複雑になる可能性がある。 

同様に,電気製品又は他の電気機器から発生する磁界又は電界を発生源からの距離の関数として測定す

るときの不確かさは,非常に大きくなる(例えば,100 %を超える。)。発生源からの磁界又は電界が,背


16 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

景磁界又は電界に近付くためである。 

分散の和の平方根(すなわち,標準偏差の二乗の和の平方根)として,合成標準不確かさucを求める。 

m

i

i

c

u

c

u

1

2

2

 

ここに, 

ci: 感度係数 

 

ui: 標準不確かさ 

 

拡張不確かさueは,合成標準不確かさのk倍である。ここで,kは包含係数である。 

包含係数は,2とする。これは,正規分布の約95 %の信頼区間に相当する。 

c

e

2u

u

 

測定不確かさの評価例を,附属書Dに示す。 

 

測定報告書 

測定結果の記録及び報告に要求される情報は,測定の目的によって変わる。測定の目的は,冒頭に明記

する。測定器及び測定に関係する次の情報も,必要に応じて示さなければならない。 

− 測定手順 

− 製造業者の識別 

− 測定器及びプローブの識別 

− 測定器の帯域幅 

− 最新の校正及び検証試験日 

− 測定日 

− 測定時刻 

− 測定実施者の識別 

− 天候 

− 湿度(電界の場合) 

− 発生源,例えば,周波数及び信号の特性 

− 発生源の状態,例えば,負荷電流 

− 複数の周波数を含む磁界及び電界に対するスペクトルの周波数分解能 

− 報告する磁界及び電界の量,例えば,最大値,合成値,鉛直方向成分,時間加重平均(TWA),実効

値など(SI単位を使用することが望ましい。一般的に使用する単位は,括弧内に表示するとよい。) 

− 人体ばく露のデータが含まれる場合には,被験者の行動記録 

− 測定を実施した区域及び場所を示す図面,可能な場合,写真添付 

− 基準測定点の位置,可能な場合,GPS座標位置 

− 直流磁界測定の場合は,地磁気 

− 統計的情報,例えば,電界及び磁界の最大値,最小値,中央値,幾何学平均値など 

− 拡張不確かさ 

− 測定目的に対する結論 

− 発生源までの距離 


17 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

附属書A 

(参考) 

典型的な環境における磁界及び電界特性の例 

 

磁界及び電界の特性を理解することで,測定器及び測定手順を正しく選択できる。一般的には,公衆が

立ち入る環境に比べて,作業者は,磁界及び電界強度が高い環境に立ち入る。ほとんどの場合,二つの環

境は,当然,物理的な境界によって区切られている。例えば,変電所内又は中程度の電圧階級の設備構内

には,作業者だけが立ち入りできる区域がある。 

一般的に,公衆が受ける磁界又は電界は,電力線に近いほど高い。 

高電圧及び大電流設備は,磁界又は電界ができる限り小さくなるように設計されている。 

業務の性質上,例えば,活線検査又は保守管理においては,作業者は,磁界又は電界が高い区域に立ち

入る。変電所内においては母線直下の地表面近く,発電所内では発電機の接続部付近,活線保守管理作業

では架空電力線の相導体近くで,磁界又は電界強度は,かなり高くなる。職業環境における他の高磁界発

生源の例として,溶接機,電気分解,誘導加熱などがある。 

北米の電力会社の変電所及び電力線下における,作業者及び公衆が立ち入ることができる区域における

商用周波数磁界及び電界の大きさの目安を,表A.1にまとめて示す。 

 

表A.1−北米の電力会社変電所内(職業環境)及び変電所外(公衆環境)における 

磁界及び電界の特性例 

対象 

電界 

磁界 

 

作業者立入り区域 

公衆立入り区域 

作業者立入り区域 

公衆立入り区域 

735 kV変電所内の区
域 

変電所内の母線下,
地上2 mにおける最
大値13.6 kV/m以上 

変電所のフェンスか
ら1 m〜10 m離れた
位置における最大値
1 kV/m程度 

ブロッキングインダ
クタンス付近1 000 
μT 

変電所フェンス外側
4 μT 

電力線の下 

地上1 mにおける最大値10 kV/m 

地上1 mにおける最大値30 μT 

相導体の活線保守管
理作業 

作業場所における電
界計算値は80 kV/m
に達する。 
人体が受ける電界を
低減するため,作業
者は導電性服の着用
が要求されている。 

− 

4導体の束の中にお
ける磁界計算値 
150 μT/kAに達する。 
(導体束の上でバケ
ツ形の工具入れを持
って処置をすると
き,電流は導体束の
各導体に分流) 

− 

 

3人の作業者が発電所内で受けた磁界の統計量を図A.1に示す。3日間の作業の間にその磁界を受けた時

間の割合[図A.1 a)]及び磁界強度とその磁界を受けた時間との積[図A.1 b)]を示す。この例は,発電

所における全ての作業者のばく露を代表するものではない。 


18 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

 

 

 

a) 

b) 

図A.1−北米の発電所内で典型的な作業者(電気技術者)が受ける磁界 

(3日間の記録に基づくもの) 

 

大量輸送システムは,商用周波数より高い周波数の磁界を発生する。公衆ばく露に対するこれらの磁界

の特性を表A.2に示す[6]。これらのシステムで発生する磁界は,乗り物の加速及び減速時に変動する。 

 

表A.2−アメリカ合衆国における大量輸送システムの磁界特性(μT):平均値及び最大値 

輸送システム 

静的 

5 Hz未満 

極低周波数 

5 Hz〜 

3 000 Hz 

極低周波数

の低い方 

5 Hz〜55 Hz 

商用周波数 

60 Hz 

商用周波数の

高調波 

65 Hz〜300 Hz 

極低周波数の 

高い方 

305 Hz〜3 000 Hz 

フェリー 

51.1 

(76.0) 

0.06 

(0.33) 

0.02 

(0.10) 

0.04 

(0.31) 

0.02 

(0.12) 

0.01 

(0.03) 

エスカレータ 

55.7 

(95.8) 

0.15 

(6.14) 

0.13 

(6.01) 

0.04 

(0.32) 

0.02 

(1.05) 

0.01 

(0.03) 

動く歩道 

57.6 

(121.8) 

0.37 

(20.0) 

0.31 

(19.54) 

0.12 

(1.24) 

0.07 

(3.72) 

0.03 

(1.90) 

ガソリン自動車及
びトラック 

32.1 

(96.8) 

0.57 

(12.45) 

0.55 

(12.45) 

0.09 

(1.94) 

0.08 

(1.36) 

0.04 

(0.78) 

電気自動車及びト
ラック 
 試験台 
 
 テストコース 

 
 

40.8 

(128.6) 

38.8 

(104.1) 

 
 

0.57 

(8.08) 

0.57 

(9.35) 

 
 

0.34 

(5.61) 

0.48 

(9.27) 

 
 

0.09 

(1.25) 

0.08 

(1.53) 

 
 

0.36 

(7.99) 

0.19 

(2.45) 

 
 

0.1 

(0.86) 

0.07 

(0.69) 

ジェット旅客機 

55.2 

(66.9) 

1.35 

(21.25) 

0.06 

(0.35) 

0.00 

(0.06) 

0.02 

(0.81) 

1.35 

(21.24) 

トラム(交流) 

47.0 

(83.5) 

1.37 

(9.04) 

1.07 

(8.85) 

0.55 

(2.90) 

0.30 

(1.44) 

0.12 

(0.70) 

バス(ガソリン車) 

40.1 

(112.4) 

1.68 

(14.57) 

1.64 

(14.42) 

0.09 

(1.42) 

0.19 

(2.13) 

0.21 

(2.48) 

電気バス 

38.1 

(80.8) 

2.04 

(48.78) 

1.47 

(48.67) 

0.08 

(3.88) 

0.89 

(22.05) 

0.16 

(1.07) 

通勤電車 

53.8 

(196.9) 

4.96 

(79.93) 

1.85 

(45.35) 

3.42 

(73.88) 

1.46 

(34.03) 

0.59 

(4.87) 

括弧がない数値:平均値,括弧内の数値:最大値 

%

 

μ

T

h

磁界強度(μT) 

磁界強度(μT) 


19 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

状況によっては,測定場所における電界又は磁界が一様ではない可能性がある。例えば,JIS C 1911 [9]

には,公衆環境における電力線の下の磁界及び電界は一様とみなせるが,地中電力線上の磁界は一様では

ないとの記載がある。 


20 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

附属書B 

(参考) 

測定距離の例 

 

関係する規格の距離の例をB.1〜B.6に示す。 

hは測定高さ,dは発生源までの距離とする。 

 

B.1 

JIS C 1911:2013 [9] 

・ 1点測定:h=1 m 

・ 3点測定:h=0.5 m,1 m及び1.5 m,d=0.2 m 

・ 5点測定:h=0.2 m,d=0.5 mの円周上の4点,及び円の中心 

・ 架空電力線が接続された変電所の周囲:h=1 m,d=0.2 m 

 

B.2 

JIS C 1912:2014 [10] 

・ 人体の一部と接触した状態で使用する電気機器:0 cm 

・ それ以外の電気機器:30 cm 

・ 特別な場合:フェイシャルスチーマ,ヘアドライヤ,ウォータベッドヒータ:10 cm 

・ 誘導加熱調理器:d=30 cm,h:調理面の上方1 mの地点から下方0.5 mの地点 

 

B.3 

IEC 62311:2007 [11] 

(発生源から使用者までの)距離:評価に用いる距離は,製造業者が明示し,機器の意図した使用方法

と矛盾しないものでなければならない。 

 

B.4 

IEC 62369-1:2008 [12] 

電子物品監視装置(EAS)からの通常の測定距離は,20 cm又は30 cmである。胴体及び頭部上(最小

高さ85 cm)の10 cm又は15 cm間隔の格子上で測定する。詳細は,文献[12]にあり,EASシステムの形式

に応じて測定用格子が示されている。 

 

B.5 

IEC/TS 62597:2011 [14] 

・ 車両 

− 車両内の作業者が近づける区域 

・ 表面法:発生源の上にある床の場合,hは最も近付ける高さ,更に,必要に応じて,0.5 m,1 m

及び1.5 m 

・ 体積法:h=1 m及び1.5 m,d=0.3 m 

− 車両内の公衆区域 

・ 表面法:発生源の上にある床の場合,hは最も近付ける高さ,更に,必要に応じて,0.5 m,1 m

及び1.5 m 

・ 体積法:0.3 m,1 m及び1.5 m,d=0.3 m 

− 車両外の作業者及び公衆 


21 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

・ 表面法:hは発生源となる装置の中心,dは車両外壁面 

・ 体積法:hはレールから0.5 m,1 m及び2.5 m,dは車両外壁面から0.3 m 

・ 固定設備 

− 地上の鉄道路線:h=1 m又は1.5 m,d=10 m(都市間鉄道)又はd=3 m(都市内鉄道) 

− 固定電源設備に近い区域:次のいずれかを選択 

・ h=0.5 m,1.0 m及び1.5 m,d=0.3 m 

・ h=0.3 m,0.9 m及び1.5 m,d=0.2 m 

プラットホーム:h=0.5 m,1 m及び1.5 m,d=0.3 m 

 

B.6 

IEC 62493:2009 [13] 

照明器具及び測定距離の例を,図B.1に示す。 

 

図B.1−照明器具及び測定距離(出典[13]) 

照明装置 

測定距離 

cm 

ハンドランプa) 

5 a) 

卓上スタンド 

30 

壁面照明器具 

50 

上向き灯 

50 

つり下げ形照明器具 

50 

消費電力b) 180 W以下の蛍光灯用天井灯及び/又は埋込形器具 

50 

消費電力b) 180 Wを超える蛍光灯用天井灯及び/又は埋込形器具 

70 

消費電力b) 180 W以下の放電灯用天井灯及び/又は埋込形器具 

70 

消費電力b) 180 Wを超える放電灯用天井灯及び/又は埋込形器具 

100 

携帯用照明器具 

50 

投光器 

200 

道路灯・街路灯 

200 

ライティングチェーン 

50 

プール用照明器具及び類似器具 

50 

舞台,テレビ及び映画スタジオの照明装置(屋外及び屋内) 

100 

病院の臨床区域及び医療建物内で使用する照明器具 

50 

地中埋込形照明器具 

50 

水族館の照明器具 

50 

プラグイン形常夜灯 

50 

電球形ランプ 

30 

紫外線及び赤外線照射装置 

50 

輸送機関の照明(バス及び電車の客室に設置するもの) 

50 

この表に記載のない他の照明器具 

50 

注a) 測定距離を30 cmとして,測定値を5 cmの距離における値に換算することが望ましい

(1/r3の式を用いる。)。 

b) 照明器具の全公称電力。 


22 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

附属書C 
(規定) 

測定不確かさ 

 

C.1 概要 

測定器の有効な校正を行う場合,測定誤差を生じる要因数は,少なくなる。必要に応じて考慮し,測定

器の校正不確かさと合成することが望ましい測定不確かさの要因を,次に示す。 

注記 C.2及びC.3に規定する幾つかの場合には,不確かさの定量的な評価の要因を示し(例えば,

非一様磁界及び電界の影響),他の場合には,定量化のための簡単な指針を示す(例えば,気温

の影響)。他の不確かさの要因については,可能性がある影響について注意を払うにとどめる。 

 

C.2 タイプAの不確かさの評価 

校正の不確かさ:値は,校正証明書に記載してある。 

測定の繰返し性(3.4参照):繰返し性条件には,次を含める。 

− 同一の測定手順 

− 同一の測定者 

− 同一の測定条件で使用する同一の測定器 

− 同一の測定場所 

− 短い時間間隔での繰返し(数分) 

 

測定の再現性(3.5参照):再現性の条件には,次を含める。 

− 異なる測定器又は測定器の形式 

− 異なる測定手順 

− 異なる測定者 

− 異なる測定条件 

− 異なる測定時刻 

試験所間の再現性は,試験所間で比較を行うことによって評価できる。 

 

C.3 タイプBの不確かさの評価 

C.3.1 非一様磁界及び電界 

電気機器のような磁界発生源の近くにおいて,非一様性の高い磁界をプローブを固定せずに測定すると

きに,不確かさは最も大きくなり得る。共通の中心をもたない3軸プローブ(例えば,ばく露量計)は,

異なる場所の磁界を測定する。さらに,通常,ほぼ一様な磁界中で校正する磁界測定器のプローブを,磁

界発生源からの距離dの3乗に反比例する磁界を測定するために使用する。通常,プローブの中心を測定

点とみなすが,実際には,磁界測定値は磁界の垂直方向成分のプローブの全断面積にわたる平均値となる。

磁界の平均値は,中心における磁界の値と大きく異なる場合もある。 

磁界測定器のプローブの方向及び位置決めに関連する不確かさは,非導電性の材料でできた調整可能な

台を用いることによって低減できる。 

電界測定器は,ほぼ一様な電界中で校正し,通常は,非一様な電界中で使用するが,測定不確かさはわ


23 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

ずかである。さらに,物体への最小離隔距離を保持しなければならない(5.3参照)。したがって,電界の

非一様性に起因する不確かさは,多くの実施事例において無視できる。 

C.3.2 通過帯域制限 

制限された通過帯域は,測定不確かさの要因となって,測定結果に差異が生じる。例えば,端末表示装

置(VDT)から発生する磁界の測定値は,商用周波数の磁界計(すなわち,50 Hz又は60 Hz付近に中心

をもつ狭帯域の磁界計)を用いた場合には,広帯域の磁界計を使用した場合の測定値に比べ20 %以上異な

ることがある[24]。VDTから発生する磁界には,商用周波数の磁界計では検出できない高調波成分を多く

含んでいるためである。磁界が商用周波成分を含まない場合には,差異すなわち誤差は,更に大きくなる

可能性がある。 

周波数を高くすることが測定値(例えば電車から発生する1632 Hz及び25 Hzの磁界)に影響を与える

ことがない場合,地磁気中におけるプローブの動きに起因するプローブからの信号を最小化するために,

検出回路にあるフィルタの高域通過周波数を高くするとよい。 

C.3.3 温度 

磁界計及び電界計に対する動作温度の影響は,不確かさの別の要因となり得る。測定場所で校正時とは

著しく異なる気温が予測される場合,気温の影響を把握又は特徴付けるとよい。製造業者が推奨する温度

範囲を逸脱する場合には,電界計を人工環境室内に置いて校正条件下で温度の影響を測定するとよい(JIS 

C 1910-1参照)。温度の影響は,単位温度℃又はK当たりの係数として特徴付けられる。 

C.3.4 湿度 

磁界測定においては,湿度の影響は,無視できる。 

湿度は,電界計に影響を与える。高湿度下では,電界計の各部の表面に結露が生じる可能性がある。不

確かさの主たる原因は,支持絶縁物から電極の一つへの取っ手を通した漏れ電流に起因する。顕著な場合

には,この漏れ電流は,プローブに誘起する電流を大きく増大させ,その結果生じる電界指示値も増大さ

せる。また,電界計の指示値を低下させる,二つのセンサ電極間の漏れ電流に関連するより小さい不確か

さもある。漏れ電流に起因する影響を最小にするために,電界計,取っ手組立体及びその内部絶縁体は,

清潔かつ乾燥した状態に保持しなければならない。 

大気湿度が電界計の性能に及ぼす影響は,人工環境室内で電界計を校正することによって把握できる。

湿度が70 %未満の場合には,湿度が電界測定に及ぼす影響は,無視できる(JIS C 1910-1 [23])。 

C.3.5 測定位置 

非一様磁界及び電界測定時には,測定位置の不確かさのために測定不確かさが生じる。測定磁界Bの距

離rに対する変化は,式(C.1)によって表すことができる。 

r

K

B

1

  (C.1) 

ここに, 

α: ほとんどの場合において1≦α≦3 

 

K: 定数 

 

すなわち,交流磁界は一定の実効値をもつ。 

式(C.1)をrで微分すると,式(C.2)となる。 

r

r

B

B

  (C.2) 

rの不確かさを一様分布と仮定した場合,r(∆r) の不確かさに起因するBの値の標準偏差sdは,式(C.3)


24 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

となる。 

B

r

r

s

3

d

  (C.3) 

例えば,双極子磁界発生源(α=3)を想定し,∆r=2 mm,r=500 mmとした場合,sd=±0.007Bとなる。 

C.3.6 長期ドリフト 

測定器の構成部品の緩やかな経時変化によって,磁界計及び電界計の応答に変化が生じる可能性がある。

校正の定期的検証(JIS C 1910-1:2017の箇条6参照)によって,長期ドリフト及び補正係数を求める方法

がある。 

C.3.7 測定器の時定数 

不確かさの他の要因には,検出器回路の時定数に起因するものがある。例えば,高磁界及び高電界中に

デジタル表示の磁界計及び電界計を置いた直後の指示値を読んだ場合,誤った値になる可能性がある。急

激に変動する磁界及び電界の場合にも,信号処理時間が不適切な場合,誤った値を示す可能性がある。 

適切な測定器設計及び入念な校正の下における極めて小さい測定不確かさと,時間及び空間変動に伴う

磁界及び電界の変動とを区別することを推奨する。磁界及び電界の時間及び空間変動は,測定における不

確かさをはるかに超える場合があり,5.1で検討する。 

C.3.8 測定者の近接効果(電界の場合) 

測定者と電界プローブとの距離が2 mより長い場合,測定者の近接効果は,無視できる。 

C.3.9 補正係数 

補正係数は,校正証明書に記載されている。3軸測定器の場合,補正係数は,一つの値又は三つの値(一

つの場合は平均値)である。したがって,補正係数を用いる場合には,このことに注意することが望まし

い。 

補正係数の使用例を,附属書Dに示す。 

C.3.10 測定レンジ 

自動レンジ切換機能をもつ磁界計及び電界計を使用する場合には,レンジの変更に注意することが望ま

しい。例えば,測定する磁界及び電界がフルスケール値に近い場合,磁界及び電界が少し変動したときに,

レンジが変わる可能性がある。この場合には,フルスケールの値が大きいレンジで値の小さい磁界及び電

界を測定することになるため,不確かさが大きくなる可能性がある。 


25 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

附属書D 
(参考) 

測定不確かさの例 

 

表D.1は,50 Hz超高圧架空線下の公衆環境における磁界測定についての不確かさの計算例である。使

用した測定器は,NARDA EHP-50Cプローブを取り付けたPMM 8053Bであり,測定レンジは100 μTであ

る。測定は,地上高1 mで実施している。 

注記 “NARDA EHP-50C”及び“PMM 8053B”は,使用した測定器の型名を示す。 

測定システムの解析に考慮した不確かさの要因は,附属書Cに示す。 

 

表D.1−測定不確かさの例 

不確かさの要因 

注記 

不確かさの値 

uvi 

確率分布 

除数 

ki 

感度係数 

Ci 

標準不確かさ 

ui=uvi/ki 

統計的 

タイプA 

EHP-50Cの校正 

A1 

0.50 % 

正規 

0.25 % 

反復性 

A2 

4.00 % 

正規 

2.00 % 

再現性 

A3 

4.00 % 

正規 

2.00 % 

測定器 

タイプB 

磁界の非一様性 

B1 

1.00 % 

一様 

3.464 

0.29 % 

通過帯域制限 

B3 

1.00 % 

一様 

3.464 

0.29 % 

測定器の時定数 

B7 

0.20 % 

一様 

3.464 

0.06 % 

長期ドリフト 

B8 

4.00 % 

一様 

3.464 

1.15 % 

補正係数 

B10 

4.00 % 

一様 

3.464 

1.15 % 

分解能 

B11 

0.01 % 

一様 

3.464 

0.00 % 

測定レンジ 

B12 

0.00 % 

一様 

3.464 

0.00 % 

気温 

B13 

0.04 % 

U字 

2.828 

0.01 % 

湿度 

B14 

0.00 % 

一様 

3.464 

0.00 % 

合成標準不確かさ 

− 

− 

m

i

c

c

u

1

− 

− 

3.30 % 

拡張不確かさ 
(95 %信頼区間) 

− 

− 

正規 

ue=2uc 

− 

6.60 % 

気温:0 ℃〜40 ℃,積分時間:1秒 

A1: 測定器の校正:使用する測定器の校正試験所による校正不確かさ(校正証明書参照,本来はタイプBとし

て扱われる) 

A2: 繰返し性:同じ測定器,同じ操作者が同条件で繰返し測定を行った際の実際の測定によって得られる測定

値の不確かさ 

A3: 再現性:異なる測定器,異なる製造業者,異なる操作者,及び試験所間の比較に起因する測定値の不確か

さ 

B1: 測定周囲環境の影響が原因となり生じる被測定電磁界の分布が要因となる測定値の不確かさ(本来測定器

は一様な電磁界を受けた場合の測定値を表示する設計である) 

B3: 測定器が内部に持つフィルタの影響が要因となる不確かさ 
B7: 測定時間(例えば,1秒を超える場合など,過渡応答の影響が捕らえられない事が原因となる場合)が要因

となる不確かさ 

B8: 測定器を長時間使用した場合,表示される測定値のドリフトが要因となる不確かさ 
B10:校正証明書に記載された補正係数がある場合,この補正係数を用いた補正処理に伴う不確かさ(校正証明

書参照) 


26 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

表D.1−測定不確かさの例(続き) 

B11: 測定器の目盛りの分解能が要因となる不確かさ。例えば,10 mTの目盛りの場合,1 μT 
B12:測定値に対して,測定器が使用する測定レンジが要因となる不確かさ。例えば,10 μTの測定の際に最大

10 μTのレンジを使用する場合と100 μTのレンジを使用する場合で不確かさは異なる。 

B13:温度変化に関連する測定機器の特性の変化が要因となる不確かさ 
B14:湿度変化に関連する測定機器の特性の変化が要因となる不確かさ 


27 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献  

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[5] DIETRICH, F.M., et al. Comparison of magnetic and electric fields of conventional and advanced electrified 

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[6] DIETRICH, F.M. AND JACOBS, W.L. Survey and Assessment of Electric and Magnetic Field (EMF) Public 

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[7] DIPLACIDO, J., et al. Analysis of the proximity effects in electric field measurements. IEEE Transactions on 

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[8] HEINRICH, H. AND BÖRNER, F. Summation Formulae−Facts and Fiction. The Biolectromagnetics Society 

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[9] JIS C 1911:2013 交流電力システムから発生する電界及び磁界の強さ−公衆の人体ばく露を考慮した

測定手順 

注記 対応国際規格:IEC 62110:2009,Electric and magnetic field levels generated by AC power systems

−Measurement procedures with regard to public exposure 

[10] JIS C 1912:2014 家庭用電気機器及び類似機器からの人体ばく露に関する電磁界の測定方法 

注記 対応国際規格:IEC 62233:2005,Measurement methods for electromagnetic fields of household 

appliances and similar apparatus with regard to human exposure 

[11] IEC 62311,Assessment of electronic and electrical equipment related to human exposure restrictions for 

electromagnetic fields (0 Hz-300 GHz) 

[12] IEC 62369-1:2008,Evaluation of human exposure to electromagnetic fields from short range devices (SRDs) 

in various applications over the frequency range 0 GHz to 300 GHz−Part 1: Fields produced by devices used 

for electronic article surveillance, radio frequency identification and similar systems 

[13] IEC 62493:2009,Assessment of lighting equipment related to human exposure to electromagnetic fields 

[14] IEC TS 62597:2011,Measurement procedures of magnetic field levels generated by electronic and electrical 

apparatus in the railway environment with respect to human exposure 


28 

C 1910-2:2017 (IEC 61786-2:2014) 

  

[15] IEEE STD 644-1994,IEEE Standard Procedures for Measurements of Power Frequency Electric and 

Magnetic Fields from AC Power Lines 

[16] IEEE STD 738-2006,IEEE Standard for Calculating the Current−Temperature of Bare Overhead Conductors 

[17] IEEE STD C95.1:2005,IEEE Standard for Safety Levels with Respect to Human Exposure to Radiofrequency 

Electromagnetic Fields, 3 kHz to 300 GHz 

[18] IEEE STD C95.6:2002,IEEE Standard for Safety Levels with respect to human exposure to electromagnetic 

fields, 0-3 kHz 

[19] INTERNATIONAL COMMISSION ON NON-IONIZING RADIATION PROTECTION, Guidelines for 

limiting exposure to time-varying electric, magnetic, and electromagnetic fields (up to 300 GHz). Health Phys, 

1998, vol. 74, no. 4, p. 494-522 

[20] INTERNATIONAL COMMISSION ON NON-IONIZING RADIATION PROTECTION, Guidance on 

determining compliance of exposure to pulsed and complex non-sinusoidal waveforms below 100 kHz with 

ICNIRP guidelines. Health Phys, 2003, vol. 84, no. 3, p. 383-387 

[21] INTERNATIONAL COMMISSION ON NON-IONIZING RADIATION PROTECTION, Guidelines for 

limiting exposure to time-varying electric and magnetic fields (1 Hz to 100 kHz). Health Phys, 2010, vol. 99, 

no. 6, p. 818-836 

[22] KAUNE, W.T., et al. Residential magnetic and electric fields. Bioelectromagnetics, 1987, vol. 8, no. 4, p. 

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[23] KORPINEN, L.H., et al. Influence of relative humidity on analyzing electric field exposure using ELF electric 

field measurements. Bioelectromagnetics, 2013, vol. 34, no. 5, p. 414-418 

[24] MISAKIAN, M., et al. Measurements of power frequency magnetic fields away from power lines. Power 

Delivery, IEEE Transactions on, 1991, vol. 6, no. 2, p. 901-911. 

[25] REILLY, J.P. Applied Biolelectricity−from electrical stimulation to electropathology. New-York: Springer, 

1998. ISBN 0-387-98407-0 

[26] RENEW, D.C., et al. A method for assessing occupational exposure to power-frequency magnetic fields for 

electricity generation and transmission workers. Journal of Radiological Protection, 2003, vol. 23, no. 3, p. 279 

[27] SAHL, J.D., et al. Cohort and nested case-control studies of hematopoietic cancers and brain cancer among 

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[28] SAVITZ, D.A. AND LOOMIS, D.P. Magnetic field exposure in relation to leukemia and brain cancer mortality 

among electric utility workers. Am J Epidemiol, 1995, vol. 141, no. 2, p. 123-134 

[29] SWANSON, J. Measurements of static magnetic fields in homes in the UK and their implication for 

epidemiological studies of exposure to alternating magnetic fields. J. Radiol. Prot., 1994, vol. 14, no. 1, p. 

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[30] THERIAULT, G., et al. Cancer risks associated with occupational exposure to magnetic fields among electric 

utility workers in Ontario and Quebec, Canada, and France: 1970-1989. Am J Epidemiol, 1994, vol. 139, no. 6, 

p. 550-572. 

[31] UK CHILDHOOD CANCER STUDY INVESTIGATORS, Exposure to power-frequency magnetic fields and 

the risk of childhood cancer. UK Childhood Cancer Study Investigators. Lancet, 1999, vol. 354, no. 9194, p. 

1925-1931.