C 1806-2-6
:2012 (IEC 61326-2-6:2005)
(1)
目 次
ページ
序文
1
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
用語及び定義
2
4
一般
2
5
EMC 試験計画
2
5.1
一般
2
5.2
試験中の EUT の構成
2
5.3
試験中の EUT の動作条件
2
5.4
性能評価基準の仕様
3
5.5
試験の記述
3
6
イミュニティ要求事項
3
6.1
試験中の条件
3
6.2
イミュニティ試験要求事項
3
6.3
偶発性の側面
4
6.4
性能評価基準
4
7
エミッション要求事項
4
8
試験結果及び試験報告書
5
9
使用法
5
C 1806-2-6
:2012 (IEC 61326-2-6:2005)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本分析機器工業会(JAIMA)及
び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出が
あり,
日本工業標準調査会の審議を経て,
厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS C 1806
の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS
C
1806-1
第 1 部:一般要求事項
JIS
C
1806-2-1
第 2-1 部:個別要求事項−EMC 防護が施されていない感受性の高い試験及び測定装置
の試験配置,動作条件及び性能評価基準
JIS
C
1806-2-2
第 2-2 部:個別要求事項−低電圧配電システムで使用する可搬形試験,測定及びモニ
タ装置の試験配置,動作条件及び性能評価基準
JIS
C
1806-2-6
第 2-6 部:個別要求事項−体外診断用医療機器
日本工業規格
JIS
C
1806-2-6
:2012
(IEC 61326-2-6
:2005
)
計測,制御及び試験室用の電気装置−
電磁両立性要求事項−
第 2-6 部:個別要求事項−体外診断用医療機器
Electrical equipment for measurement, control and laboratory use-
EMC requirements-Part 2-6: Particular requirements-
In vitro diagnostic (IVD) medical equipment
序文
この規格は,2005 年に第 1 版として発行された IEC 61326-2-6 を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,JIS C 1806-1:2010 の適用範囲に加えて,体外診断用医療機器及びその電磁環境の特殊性並
びに特定の側面を考慮した体外診断用医療機器の電磁両立性
(イミュニティ及びエミッション)
について,
最低限の要求事項を規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61326-2-6:2005
, Electrical equipment for measurement, control and laboratory use− EMC
requirements
−Part 2-6: Particular requirements−In vitro diagnostic (IVD) medical equipment
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号
IDT
は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき, 一致している
こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。
)は適用しない。
JIS C 1806-1:2010
計測,制御及び試験室用の電気装置−電磁両立性要求事項−第 1 部:一般要求事
項
注記 対応国際規格:IEC 61326-1:2005,Electrical equipment for measurement, control and laboratory
use
−EMC requirements−Part 1: General requirements(MOD)
JIS C 60050-161:1997
EMC に関する IEV 用語
注記 対応国際規格:IEC 60050-161:1990,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:
Electromagnetic compatibility
(IDT)
JIS T 14971:2003
医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用
2
C 1806-2-6
:2012 (IEC 61326-2-6:2005)
注記 対応国際規格:ISO 14971:2000,Medical devices−Application of risk management to medical
devices
(IDT)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 1806-1 及び JIS C 60050-161 によるほか,次による。
3.101
体外診断用医療機器(in vitro diagnostic medical equipment)
疾病の治療,緩和,手当又は予防のために,健康状態の判定を含め,病気又はその他の診断に使用する
装置及び器具。このような装置及び器具は,人体から採取した試料の収集,調製及び検査に使用する。
4
一般
次の事項を追加して,JIS C 1806-1 を適用する。
4.101
体外診断用医療機器の電磁環境
体外診断用医療機器は,その他の医療機器と同様に,広範な電磁環境下で使用される。体外診断用医療
機器は,標準的な医療環境(病院,診療所,医院,試験所)及び家庭環境において,適切に,かつ,安全
に機能しなければならない。機器は,これらの使用環境に対して,最低限度のイミュニティレベルを満た
さなければならない。
救急車,航空機,車,ヘリコプターなどの上記使用環境以外での使用を意図した装置は,機器の安全及
び性能を確実にするために,より高いイミュニティレベルが必要である。
5
EMC
試験計画
5.1
一般
JIS C 1806-1
の 5.1 による。
5.2
試験中の EUT の構成
5.2.1
一般
JIS C 1806-1
の 5.2.1 による。
5.2.2
EUT
の構成要素
JIS C 1806-1
の 5.2.2 による。
5.2.3
EUT
の組合せ
JIS C 1806-1
の 5.2.3 による。
5.2.4
I/O
ポート
JIS C 1806-1
の 5.2.4 による。
5.2.5
補助装置
JIS C 1806-1
の 5.2.5 による。
5.2.6
ケーブル配線及び接地(グラウンド)
JIS C 1806-1
の 5.2.6 による。
5.3
試験中の EUT の動作条件
次の事項を追加して,JIS C 1806-1 の 5.3 を適用する。
5.3.101
動作モード
試験は,製造業者が指定した条件で行う。
3
C 1806-2-6
:2012 (IEC 61326-2-6:2005)
異なる電源入力モード(例えば,電池,交流オプション)が利用できるときは,製造業者はこれらのモ
ードを明示しなければならない。これらのモードは,製品リスク分析に従った最悪条件をカバーしなけれ
ばならない。
5.4
性能評価基準の仕様
JIS C 1806-1
の 5.4 による。
5.5
試験の記述
JIS C 1806-1
の 5.5 による。
6
イミュニティ要求事項
6.1
試験中の条件
JIS C 1806-1
の 6.1 を,次に置き換える。
試験中の構成及び動作モードは,試験報告書に詳細に記載する。
試験は,
表 1 に従って関連のあるポートに対して適用する。
試験は,基本規格(
表 1 記載の JIS C 61000 規格群)に従って実施する。試験は,1 項目ごとに実施する。
追加の方法の要求がある場合は,その方法及び理由を記載する。
6.2
イミュニティ試験要求事項
JIS C 1806-1
の 6.2 を,次に置き換える。
6.2.101
リスクアセスメント及び EMC イミュニティ要求事項
強力な電磁放射源は,近くの医療機器の誤動作を招くことがある。異なる種類の医療機器は,誤動作に
伴うリスクレベルが異なる。体外診断用医療機器は,患者の生命の維持及びそ(蘇)生を行うためのもの
ではないので,誤動作が直接,患者の死亡及び深刻な危害の原因となることはない。しかし,体外診断用
医療機器のこのような誤動作によって,読取りが不正確なものとなることがあり,その結果,誤った治療
の決定(誤診)につながる可能性がある。ある種の測定項目及びある種の状況では,不正確な結果が患者
に重大な危害を及ぼすこともあり得る。大形の体外診断用医療機器の場合は,電磁妨害が,例えば予想外
の機械的な動きによって,操作者に直接的な脅威となる誤動作を引き起こすこともある。
直接的な危険要因に付随するリスクを評価する方法は,JIS T 14971 を参照する。また,誤った体外診断
試験結果による患者のリスクを評価するための指針は,JIS T 14971 の
附属書 B を参照する。
注記 一般に,体外診断用医療機器で得た結果は,医療関係者がその妥当性を審査するか,又は医療
従事者の決定によって経過観察する。一般の使用者が用いる自己検査用の体外診断用医療機器
には,明瞭でない結果の場合にとる処置についてのアドバイスが常に提供される。使用者は何
らかの医学的な決定を下す前に,最初に医師と連絡をとるように強く求められる。
体外診断用医療機器の使用に付随するリスクは,生命維持用ではない医療機器に付随するリスクと同様
である。したがって,次の
表 1 に示す最低限のイミュニティ要求事項は,生命維持用ではない医療機器に
対する要求事項と同様である。
4
C 1806-2-6
:2012 (IEC 61326-2-6:2005)
表 1−体外診断用医療機器に対する最低限のイミュニティ要求事項
ポート
現象
基本規格
試験値
静電気放電(ESD)
JIS C 61000-4-2
2, 4, 8 kV
気中,2, 4 kV 接触
放射無線周波電磁界
JIS C 61000-4-3
3 V/m
(80 MHz〜2 GHz, 80 % AM)
きょう体
電源周波数磁界
a)
JIS C 61000-4-8
3 A/m
,
(50/60 Hz)
電圧ディップ
d)
JIS C 61000-4-11
1
サイクルの間 0 %;
5/6
サイクルの間 40 %;
25/30
サイクルの間 70 %
短時間停電
d)
JIS C 61000-4-11
250/300
サイクルの間 5 %以下
バースト
JIS C 61000-4-4
1 kV
(5/50 ns, 5 kHz)
サージ
JIS C 61000-4-5
2 kV
[線と接地(グラウンド)との間]
1 kV
(線間)
交流電源
無線周波伝導妨害
JIS C 61000-4-6
3 V
(150 kHz〜80 MHz, 80 % AM)
バースト
JIS C 61000-4-4
1 kV
(5/50 ns, 5 kHz)
サージ
JIS C 61000-4-5
2 kV
[線と接地(グラウンド)との間]
1 kV
(線間)
直流電源
c)
無線周波伝導妨害
JIS C 61000-4-6
3 V
(150 kHz〜80 MHz, 80 % AM)
バースト
JIS C 61000-4-4
0.5 kV
(5/50 ns, 5 kHz)
サージ
JIS C 61000-4-5
なし
入出力信号
b)
無線周波伝導妨害
JIS C 61000-4-6
3 V
(150 kHz〜80 MHz, 80 % AM)
バースト
JIS C 61000-4-4
1 kV
(5/50 ns, 5 kHz)
サージ
JIS C 61000-4-5
なし
主電源に接続さ
れた I/O 信号
無線周波伝導妨害
JIS C 61000-4-6
3 V
(150 kHz〜80 MHz, 80 % AM)
注
a)
試験は,潜在的に磁気感受性のある装置にだけ適用する。1 A/m を超えて発生する CRT ディスプレイへの妨
害は,許容する。
b)
3
m
を超える線の場合に適用する。
c)
再充電器具から取り外す又は接続を切るようなバッテリー又は充電式バッテリーに接続するための入力ポー
トには適用しない。AC-DC 電源アダプタで使用するための直流電源入力ポート付の器具は,製造業者が指定
する AC-DC 電源アダプタの交流電源インプットで試験する。AC-DC 電源アダプタが指定されていない場合に
は,標準的な AC-DC 電源アダプタを使用する。この試験は長距離線に恒久的に接続される直流電源入力ポー
トに適用する。
d)
例えば, 5/6 サイクル
の表記は, 50 Hz 試験で 5 サイクル , 60 Hz 試験で 6 サイクル
を意味する。
性能評価基準は,測定データ,サンプル処理及びユーザインタフェースに影響を及ぼす可能性のある
EUT
動作モードを考慮に入れ,現象との関連で決定する。
表 1 に示す現象から該当するものを各 EUT 動
作モードに適用する。
試験の結果,EUT は,A,B 又は C の性能評価基準を示すが,残存リスクを許容限度内に維持するため
に必要な性能を損なってはいけない。残存リスクの許容については,JIS T 14971 を参照する。
性能評価基準は,試験報告書に記載しなければならない。
6.3
偶発性の側面
JIS C 1806-1
の 6.3 による。
6.4
性能評価基準
JIS C 1806-1
の 6.4 による。
7
エミッション要求事項
JIS C 1806-1
の箇条 7 による。
5
C 1806-2-6
:2012 (IEC 61326-2-6:2005)
8
試験結果及び試験報告書
JIS C 1806-1
の箇条 8 による。
9
使用法
JIS C 1806-1
の箇条 9 を,9.101 に置き換える。
9.101
体外診断用医療機器の取扱説明書に対する要求事項
体外診断用医療機器に添付される取扱説明書は,9.102 又は 9.103 の情報を記載しなければならない。
注記 1 電磁波による障害を受けない特性をもつことの情報を使用者又は操作者に提供するのは製造
業者の責任である。
注記 2 装置が目的通り機能するように,機器に準拠する電磁環境が維持できることを保証するのは
使用者の責任である。
9.102
自己検査用の体外診断用医療機器の取扱説明書
取扱説明書には,電磁両立性について次の警告を含まなければならない。
a)
この装置を乾燥した環境で使用すると,特に化学繊維(合成繊維の衣服,カーペットなど)がある
場合,有害な静電気放電によって,間違った測定結果の原因になるおそれがある。 という旨。
b)
正確な作動を妨げる可能性があるので,この装置を強力な電磁放射源の近くで使用してはならな
い。 という旨。
9.103
専門家用の体外診断用医療機器の取扱説明書
取扱説明書には,次の情報を含まなければならない。
a)
この機器は,JIS C 1806-2-6 に規定しているエミッション及びイミュニティ要求事項に適合してい
る。 という旨の記載。
b)
エミッション適合がクラス A の場合,次の警告を記載する。
この機器は,CISPR 11 クラス A に従って設計し,試験した。家庭環境では電波障害を引き起こ
すことがあり,その場合は,干渉を軽減する処置をする必要がある。 という旨。
c)
装置の動作に先立って,電磁環境の評価を行うことが望ましい。 という旨の注意。
さらに,取扱説明書には,EMC について,次の例に示すような危険防止の警告を含んでいなければなら
ない。
例
この機器は,放射源によって適正な動作が妨げられることがあるため,強力な電磁放射源(例
えば,遮蔽されていない意図的な RF 源)の近くで使用してはならない。
参考文献 AAMI TIR No.18:1997,Guidance on Electromagnetic Compatibility of Medical Devices for Clinical/
Biomedical Engineers
−Part 1: Radiated Radio-Frequency Electromagnetic Energy
ANSI C63.18:1997
,American National Standard−Recommended Practice for an On-Site, Ad-Hoc Test
Method for Estimating Radiated Electromagnetic Immunity of Medical Devices to Specific Radio
Frequency Transmitters