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C1731-1 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによって JIS C 1731-1988 は廃止され,この規格に置き換えられる。

JIS C 1731-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)  変流器

規格の構成

JIS

C

1731-1

計器用変成器−(標準用及び一般計測用)第 1 部:変流器

JIS

C

1731-2

計器用変成器−(標準用及び一般計測用)第 2 部:計器用変圧器


C1731-1 : 1998

(1) 

目次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  定義

1

3.

  使用状態

2

3.1

  標準使用状態

2

3.2

  特殊使用状態

3

4.

  構造

3

4.1

  構造一般

3

4.2

  機械的強度

3

4.3

  がい管類

3

4.4

  内部構造

3

4.5

  密封構造

3

4.6

  極性

3

5.

  種類・定格

3

5.1

  最高電圧

3

5.2

  定格電流

4

5.3

  定格耐電流

4

5.4

  確度階級

5

5.5

  定格負担

5

5.6

  定格周波数

5

6.

  性能

5

6.1

  耐電流

5

6.2

  温度上昇

5

6.3

  耐電圧

6

6.3.1

  雷インパルス耐電圧

6

6.3.2

  商用周波耐電圧

6

6.3.3

  部分放電

6

6.3.4

  長時間交流耐電圧

6

6.3.5

  巻線端子間耐電圧

6

6.4

  比誤差及び位相角の限度

8

7.

  試験

8

7.1

  試験の種類

8

7.2

  試験項目と順序

8

7.3

  試験方法

9

7.3.1

  耐電流試験

9

7.3.2

  温度上昇試験

10


C1731-1 : 1998

目次

(2) 

7.3.3

  耐電圧試験

10

7.3.4

  比誤差及び位相角

12

8.

  端子

12

8.1

  端子の位置

12

8.2

  端子の記号

12

9.

  表示

13

附属書 1(規定)  変流器

16

1.

  共通事項

16

1.1

  適用範囲

16

1.2

  引用規格

16

2.

  定義

16

2.1

  共通定義

16

2.2

  計測用変流器に関する追加定義

19

2.3

  保護用変流器に関する追加定義

19

3.

  標準及び特殊使用状態

19

3.1

  標準使用状態

19

3.2

  特殊使用状態

20

3.3

  接地方式

20

4.

  定格

21

4.1

  定格一次電流の標準値

21

4.2

  定格二次電流の標準値

21

4.3

  定格連続通電一次電流

21

4.4

  定格出力の標準値

21

4.5

  耐電流

21

4.6

  温度上昇の限度

21

5.

  性能

22

5.1

  絶縁性能

22

5.2

  機械的性能

26

6.

  試験の種類

26

6.1

  形式試験

26

6.2

  受入試験

27

6.3

  特殊試験

27

7.

  形式試験

27

7.1

  耐電流試験

27

7.2

  温度上昇試験

28

7.3

  一次巻線のインパルス耐電圧試験

28

7.4

  屋外用変流器の注水試験

29

8.

  受入試験

29

8.1

  端子記号の確認

29

8.2

  一次巻線の商用周波耐電圧試験と部分放電試験

29


C1731-1 : 1998

目次

(3) 

8.2.1

  商用周波耐電圧試験

29

8.2.2

  部分放電試験

29

8.3

  一次巻線と二次巻線のセクション間及び二次巻線の商用周波耐電圧試験

30

8.4

  巻線端子間耐電圧試験

30

9.

  特殊試験

30

9.1

  一次巻線の裁断波雷インパルス耐電圧試験

30

9.2

  静電容量及び誘電正接の測定

31

9.3

  機械的性能試験

31

10.

  表示

32

10.1

  端子記号の一般原則

32

10.2

  定格銘板の表示

32

11

  計測用変流器に関する追加要求事項

33

11.1

  計測用変流器の確度階級

33

11.1.1

  確度階級の標準値

33

11.2

  計測用変流器の電流誤差及び位相角の限度

33

11.3

  拡張電流定格

34

11.4

  計測用変流器の確度に関する形式試験

34

11.5

  計測用変流器の確度に関する受入試験

34

11.6

  計器安全係数

34

11.7

  計測用変流器の定格銘板の表示

35

12.

  保護用変流器に関する追加要求事項

35

12.1

  誤差限度係数の標準値

35

12.2

  保護用変流器の確度階級

35

12.3

  保護用変流器の誤差の限度

35

12.4

  保護用変流器の電流誤差及び位相角に関する形式試験及び受入試験

36

12.5

  コンポジット誤差の形式試験

36

12.6

  コンポジット誤差の受入試験

36

12.7

  保護用変流器の定格銘板の表示

36

説明図37

附属書 1A(規定)  保護用変流器

40

附属書 1B(参考)  多重裁断波雷インパルス耐電圧試験

43


日本工業規格

JIS

 C1731-1

 : 1998

計器用変成器−

(標準用及び一般計測用)

第 1 部:変流器

Instrument transformers for testing purpose

and used with general instrument

Part 1 : Current transformers

序文  この規格は,1996 年に第 1 版として発行された IEC 60044-1, Instrument transformers−Part 1 : Current

transformers

を元に,本体には,従来,日本工業規格で規定していた計器用変成器のうちの変流器について

規定し,これに対応する国際規格に規定されている項目については,技術的内容を変更することなく

附属

書 として作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格

として追加している。

1.

適用範囲  この規格は,商用周波数範囲において,標準用及び一般計測用に使用する新しく製造され

た変流器について規定する。

関連規格  JIS C 1736-1988  計器用変成器(電力需給用)

JEC-158-1970

  標準電圧

JEC-183-1984

  ブッシング

JEC-210-1981

  低圧制御回路絶縁試験法・試験電圧標準

JEC-0102-1994

  試験電圧標準

JEC-0201-1988

  交流電圧絶縁試験

JEC-0301-1989

  静止誘導機器インパルス耐電圧試験

JEC-0401-1990

  部分放電測定

JEC-1201-1997

  計器用変成器(保護継電器用)

JEC-2200-1995

  変圧器

JEC-2300-1985

  交流遮断器

JEC-2350-1994

  ガス絶縁開閉装置

JEC-6147-1992

  電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価

JEAG 5003-1980

  電気技術指針発変電編“変電所における電気設備の耐震対策指針”

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

計器用変成器  電気計器又は測定装置と共に使用する電流及び電圧の変成用機器で,変流器及び計器


2

C1731-1 : 1998

用変圧器の総称。

b)

変流器  一次電流をこれに比例する二次電流に変成する計器用変成器。

c)

一次巻線  変成される電流が通電される巻線。

d)

二次巻線  電気計器又は測定装置に電流を供給する巻線。

e)

二次回路  変流器の二次巻線によって供給される電流を受ける外部回路。

f)

最高電圧  規定の条件の下で,この規格に定めた性能を保証できる通常発生する最高の回路電圧のこ

とで,銘板に表示した値。

g)

変流器の定格電流  規定の条件の下で,この規格に定めた性能保証の基準となる一次電流及び二次電

流のことで,銘板に表示した値。

h)

真の変流比  実際に一次巻線に通電した電流と,二次巻線から供給される電流との比。測定によって

求めた値。

i)

公称変流比  定格一次電流と定格二次電流との比。

j)

変流比誤差(比誤差)  真の変流比が公称変流比に等しくないことから生じる誤差のことで,次の式

で表される値。

100

1

×

=

K

K

K

n

ε

ここに,

ε

1

変流比誤差 (%)

K

n

公称変流比

K: 真の変流比

k)

位相角  一次電流ベクトルと二次電流ベクトルとの間の位相差。ベクトルの方向は理想的な変流器の

位相角を零とする方向に選び,二次電流ベクトルが進む場合の位相角を正とし,分で表す。

l)

負担  変流器の二次端子間に接続される負荷。定格周波数の定格二次電流の下で,負荷に消費される

皮相電力 (VA) とその負荷の力率で表す。

m)

定格負担  規定の条件の下で,この規格に定めた性能保証の基準となる巻線当たりの負担で,銘板に

表示した値。

n)

定格周波数  規定の条件の下で,この規格に定めた性能を保証できる周波数のことで,銘板に表示し

た値。

o)

確度階級  変流器の確度を示す階級のことで,銘板に表示した値。定格負担の下で,定格周波数の定

格電流を通電したときの比誤差の限度値で表す。

p)

定格耐電流  規定の条件の下で,この規格に定めた性能を保証できる過電流の限度のことで,銘板に

表示した値。定格過電流強度(保証できる過電流を定格一次電流で除した値)又は,定格過電流(保

証できる過電流の値)で表す。

q)

始発温度  変流器の熱的耐電流の計算において設定する一次巻線の初期温度。

3.

使用状態

3.1

標準使用状態  この規格は,次の条件で使用される変流器に適用する。

なお,次の条件をすべて満足する使用状態を標準使用状態という。

a)

周囲温度が,最高 40℃,最低−20℃の範囲を超えないで,しかも,24 時間の平均周囲温度が 35℃以

下の場合。


3

C1731-1 : 1998

b)

設置場所が,標高 1 000m を超えない場合。

c)

3.2

のいずれにも該当しない場合。

3.2

特殊使用状態  この規格は,次の条件で使用される変流器にも適用することができる。

なお,次の条件のいずれかに該当する使用状態を特殊使用状態という。この使用状態の場合には,特に

指定しなければならない。

a)

設置場所の標高及び周囲温度が,3.1 に定める範囲以外の場所で使用する場合。

b)

潮風を著しく受ける場所で使用する場合。

c)

湿潤な場所で使用する場合。

d)

過度の水蒸気又は過度の油蒸気がある場所で使用する場合。

e)

爆発性,可燃性,その他有害なガスがある場所及び同ガスが襲来するおそれがある場所で使用する場

合。

f)

過度のじんあいがある場所で使用する場合。

g)

異常な振動又は衝撃を受ける場所で使用する場合。

h)

氷雪の特に多い場所で使用する場合。

i)

上記のほか,特殊な条件の下で使用する場合。

4.

構造

4.1

構造一般  変流器の構造は,電気的・機械的に十分な耐久性をもち,締付部分などの緩みなどの生

じ難いもので,保守点検は,安全,かつ,容易にできるように製作されなければならない。

4.2

機械的強度  変流器の各部は,次の荷重に対し,それに耐える十分な強度をもたなくてはならない。

a)

 4.9m/s

2

の静的一定水平加速度

b)

最大風速 40m/s の風圧荷重(屋内用は除く。

4.3

がい管類  がい管類は,所要の電気的・機械的特性が良好なもので,長期間使用できるものでなけ

ればならない。

4.4

内部構造  鉄心・巻線などの材料は良質のものを用い,組立ては丈夫で,運搬及び長期の使用に対

して締付箇所の緩み及び関係位置の変位を生じてはならない。

4.5

密封構造  変流器の密封構造は,次による。

a)

油入形変流器の内部は,油面上に窒素ガスを封入するか、又は全部に油を充てん(填)した密封構造

とする。

b)

ガス絶縁形変流器の内部は,SF

6

ガスなどの絶縁ガスを封入し,ガス絶縁変流器単独で密封可能な構

造とする。

4.6

極性  減極性とする。変流器の一次側及び二次側の端子には減極性に従って容易に消えない方法で

端子記号を明記し,その配列も原則として,減極性に従う。

備考  端子の位置・記号については,8.18.2 を参照。

5.

種類・定格

5.1

最高電圧  変流器の最高電圧は,表 による。ただし,一次巻線又は一次導体をもたず,主回路の

絶縁をもたない変流器は除く。


4

C1731-1 : 1998

表 1  変流器の最高電圧

単位 kV

公称電圧

最高電圧

公称電圧

最高電圧

0.22 0.23

66  69

0.44 0.46

77  80.5

1.1 1.15  110 115

3.3 3.45  132 138(

2

)

6.6 6.9  154 161

11 11.5  187

195.5(

3

)

13.2 13.8(

1

) 220  230(

3

)

16.5 17.25(

1

) 275  287.5(

3

)

22 23

500

550(

3

)

33 34.5

(

1

)

最高電圧13.8kV 及び17.25kV の変流器は,

発電機回路に使用するものに限る。

(

2

)

最高電圧 138kV の変流器は,特殊品とする。

(

3

)

最高電圧 195.5kV 以上の変流器は,有効接地系統の線路に適用する。

5.2

定格電流  変流器の定格一次電流及び定格二次電流は,表 による。

表 2  変流器の定格電流

単位 A

定格一次電流

定格二次電流

− 1  10 100 1

000  10

000

1

− 12 120 1

200  12

000

5

− 15 150 1

500  15

000

− 2  20 200 2

000  20

000

0.25 2.5  25  250 2

500

− 3  30 300 3

000  30

000

− 4  40 400 4

000

0.5 5  50 500 5

000

− 6  60 600 6

000

− 75 750  −

− 8  80 800 8

000

備考  多重比変流器の定格一次電流は,表 から選ぶこととし,二重比の場合には,2 倍比

とするのがよい。

5.3

定格耐電流  変流器の定格耐電流は,定格過電流強度で表す場合は表 3,定格過電流で表す場合は表

4

の値とし,通電時間は 1 秒間とする。

表 3  変流器の定格過電流強度

定格過電流強度(

4

)

保証する過電流

40

定格一次電流の 40 倍

75

定格一次電流の 75 倍

150

定格一次電流の 150 倍

300

定格一次電流の 300 倍

(

4

)

定格過電流強度が300を超す場合は,特殊品とする。


5

C1731-1 : 1998

表 4  変流器の定格過電流

最高電圧 kV

定格過電流(

5

)kA

3.45 1.6 4 8 16 25

40

6.9 2  4

8

12.5

20

31.5

40

11.5 25  40

50 80

23 12.5

20

25

40

50

63

34.5 12.5

16

25 31.5

40

69 12.5

20

25

31.5

40

80.5 12.5

20

25 31.5

115 12.5

20

25

31.5

40

161 12.5

20

25

31.5

40

195.5 12.5

16

25 31.5

40

50

230 20

25

31.5

40

50

63

287.5 16  20

31.5

40 50

63

550 40

50

63

(

5

)

定格過電流を定格過電流強度に換算した値が300を超す場合は特殊品とする。

5.4

確度階級  変流器の確度階級は,表 に示す 5 階級とする。

表 5  変流器の確度階級

確度階級

呼称

主な用途

0.1

0.2

標準用

変流器試験用の標準器又は特別精密計測

0.5

精密計測用

1.0

3.0

一般計測用

普通計測用,配電盤用

5.5

定格負担  変流器の定格負担は,表 の値とする。

表 6  変流器の定格負担

単位 VA

確度階級

定格負担

0.1

級 5

− 15 25 −

0.2

級 5

− 15 25 −

0.5

− 15 25 40

1.0

5  10 15 25 40

3.0

5  10 15 25 40

5.6

定格周波数  変流器の定格周波数は,50Hz,60Hz 又は 50Hz/60Hz 共用とする。

6.

性能

6.1

耐電流  変流器の耐電流についての性能は,次による。ただし,標準用変流器は除く。

a)

変流器の熱的耐電流は,7.3.1 a)1)によって試験し,損傷してはならない。

なお,

計算によって求める場合は,

7.3.1 a)2)

に記載の計算式で,

最終温度が耐熱クラス A では 250℃,

耐熱クラス B では 350℃を超えてはならない。

b)

変流器の機械的耐電流は,7.3.1 b)によって試験し,損傷してはならない。

6.2

温度上昇  変流器の温度上昇は,7.3.2 によって試験し,表 の限度値を超えてはならない。


6

C1731-1 : 1998

表 7  変流器の温度上昇の限度

単位 K

温度上昇の限度

測定箇所

耐熱クラス A

耐熱クラス B

乾式自冷式の場合 75

巻線

油入自冷式の場合

55

本体タンク内の油が直接外気と接触する場合

50

本体タンク内の油が直接外気と接触しない場合

55

端子その他の金属部分の絶縁物に接した表面

近接絶縁物を損傷しない温度

6.3

耐電圧  変流器の耐電圧についての性能は,次による。

なお,主回路の絶縁をもたない変流器の耐電圧性能は,低圧側だけに適用する。

6.3.1

雷インパルス耐電圧  最高電圧 3.45kV 以上の変流器の雷インパルス耐電圧は,7.3.3 b)によって試

験し,

表 の試験電圧に耐えなければならない。ただし,標準用変流器は除く。

6.3.2

商用周波耐電圧  非有効接地系統に使用する最高電圧 161kV 以下の変流器の商用周波耐電圧は,

7.3.3 c)

によって試験し,

表 の試験電圧に耐えなければならない。

備考  標準用変流器など主回路側の耐電圧が指定されないものは,最高電圧によって試験し,これに

耐えるものとする。

6.3.3

部分放電  非有効接地系統に使用する最高電圧 6.9kV 以上のモールド形及び 69kV 以上 161kV 以下

の油入形又はガス絶縁形変流器の部分放電は,7.3.3 d)によって試験し,放電電荷量は外部雑音などの影響

を含めて 50pC を超えてはならない。ただし,標準用変流器は除く。

6.3.4

長時間交流耐電圧  有効接地系統に使用される最高電圧 195.5kV 以上の変流器の長時間交流耐電

圧は,7.3.3 e)によって試験し,

表 の試験電圧印加後,試験終了までに継続して内部部分放電が検出され

てはならない。ただし,標準用変流器(

6

)

は除く。

(

6

)

標準用変流器は,6.3.2によって最高電圧で耐電圧試験を実施し,これに耐えるものとする。

6.3.5

巻線端子間耐電圧  変流器二次巻線の巻線端子間耐電圧は,7.3.3 f)によって試験し,定格一次電流

を通電したときに誘起する電圧か,又は鉄心を共有する巻線のうち最大巻回数をもつ巻線の端子間で波高

値 3kV のいずれか低い方の電圧に耐えなければならない。

備考  中間タップをもつ巻線については,最大巻回数の巻線端子間で 3kV に耐えることとし,鉄心を

共有する複数の巻線がある場合の最大巻回数をもたない巻線の巻線端子間耐電圧は,最大巻回

数の巻線の巻線端子間の電圧が 3kV となる条件下で,当該巻線の開放端子間に誘起される電圧

(波高値 3kV 以下)に耐えるものとする。二次巻線以外の巻線端子間耐電圧値については,最

大巻回数をもたない巻線として扱う。


7

C1731-1 : 1998

表 8  変流器の試験電圧

単位 kV

試験電圧

商用周波

耐電圧

長時間交流耐電圧

商用周波耐電圧

      (低圧側)

二次巻線と外箱相互間

一次巻線(一次導体)一括と

二次巻線及び外箱一括間

公称電圧

最高電圧

雷インパルス

(全波)

電圧印加パターン(

11

)

一次巻線又は二次巻線が二つ以

上の相互に絶縁された巻線から

なるものの巻線相互間

0.22 0.23

− 2

0.44 0.46

− 3

1.1 1.15

− 4

3.3 3.45  30(

9

)

45

10

16

6.6 6.9

45(

9

)

60

16

22

11 11.5  75(

9

)

90

28

13.2 13.8(

7

) 100(

9

)

115

39

16.5 17.25(

7

) 100(

9

)

115

39

22 23

100(

10

)

125(

9

)

150

50

33 34.5  150(

10

)

170(

9

)

200

70

66 69

350  140

77 80.5  400  160

110 115

550

230

132 138(

8

) 650  275

154 161

750

325

187 195.5

650(

10

)

750

170-225-170

220 230

750(

10

)

900

200-265-200

275 287.5

950(

10

)

1 050

250-330-250

500 550

1

300(

10

)

1 425(

10

)

1 550

1 800

475-635-475

2

(

7

)

最高電圧13.8kV 及び17.25kV の変流器は,発電機回路に使用するものに限る。

(

8

)

最高電圧 138kV の変流器は,特殊品とする。

(

9

)

避雷器などの保護装置によって過電圧が低いレベルに抑制されている場合,又は雷過電圧侵入頻度・過電圧
レベルが小さい場合に適用する。

(

10

)

高性能化をはかった避雷器を設置する場合に適用する。

(

11

)

電圧印加パターンは,7.3.3 e)を参照。


8

C1731-1 : 1998

6.4

比誤差及び位相角の限度  変流器の比誤差及び位相角は,7.3.4 によって試験し,表 又は表 10 の限

度を超えてはならない。

なお,中間の一次電流の比誤差及び位相角の限度は,補間法によって定める。

表 9  標準用変流器の比誤差及び位相角の限度

比誤差  %

位相角  分

確度階級

0.025I

n

0.05I

n

 0.2I

n

 1.0I

n

 1.2I

n

 0.025I

n

0.05I

n

0.2I

n

 1.0I

n

 1.2I

n

0.1

±0.2

±0.16

±0.12

±0.1

±0.1

±10

± 8

± 6

± 5

± 5

0.2

±0.6

±0.5

±0.3

±0.2

±0.2

±30

±25

±15

±10

±10

備考  I

n

は,定格周波数の定格一次電流を表す。

表 10  一般計測用変流器の比誤差及び位相角の限度

比誤差  %

位相角  分

確度階級

0.05I

n

 0.2I

n

 1.0I

n

 0.05I

n

0.2I

n

 1.0I

n

0.5

±1.5

±0.75

±0.5

± 90

±45

±30

1.0

±3.0

±1.5

±1.0

±180

±90

±60

3.0

級 0.5I

n

∼1.0I

n

±3.0 0.5I

n

∼1.0I

n

±180

備考  I

n

は,定格周波数の定格一次電流を表す。

7.

試験

7.1

試験の種類  試験は次の 2 種類とする。

a)

形式試験  形式試験は,その形式についてこの規格が要求する構造,性能などを満足することを検証

するために行う試験をいう。

b)

受入試験  受入試験は,受入品が形式試験品の構造,性能と同等の性能をもつことを検証するために

行う試験をいう。

7.2

試験項目と順序  この規格に定めた構造及び性能に関する事項全般にわたり,試験を行う。試験の

項目と順序は

表 11 による。


9

C1731-1 : 1998

表 11  変流器の試験項目及び順序

形式試験

受入試験

試験項目

最高電圧

161kV

以下

最高電圧

195.5kV

以上

最高電圧

161kV

以下

最高電圧

195.5kV

以上

備考

構造

極性

比誤差及び位相角試験の前に行
ってもよい。

耐電流

耐電流の試験は,協議によって省
略できる。

温度上昇

雷インパルス耐電圧

注水状態における試験は,屋外用

に限るものとし,協議によって省
略できる。

商用周波耐電圧

注水状態における試験は,屋外用

に限るものとし,協議によって省
略できる。

部分放電(

12

)

長時間交流耐電圧

巻線端子間耐電圧

比誤差及び位相角

(

12

)

部分放電試験の適用は,

最高電圧6.9kV 以上のモールド形及び69kV 以上161kV 以下の油入形及びガス絶縁形の

変流器に限る。

備考  ○印内数値は,その試験順序を表す。

7.3

試験方法

7.3.1

耐電流試験  変流器の耐電流の検証は,次の方法で実施する。

a)

熱的耐電流  変流器の熱的耐電流は,直接試験を行うか,最終温度を計算で求めるかのいずれかとす

る。

1)

直接試験  定格負担の 25%負担(力率 1 と 0.8 遅れ電流の間の任意の 1 点,ただし,定格二次電流

が 5A で定格二次負担が 5VA の変流器は 2.5VA)の下で,定格耐電流を 1 秒間通電する。試験周波

数は,50Hz 又は 60Hz のいずれを使用してもよい。

なお,同一形式品で検証済みの場合は,協議によってそのデータを代替として使用できるものと

する。

2)

計算  次の計算式によって最終温度を算出する。ただし,始発温度は表 12 の値とする。

TT

0

+0.008

σ

2

t

ここに,

T: 最終温度  (℃)

T

0

始発温度  (℃)

σ

定格耐電流(交流分実効値)に対する一次巻線(銅)の電
流密度 (A/mm

2

)

t: 保証時間 (s)

耐電流と保証時間の関係は,次の換算式による。

t

S

S

t

=

1

ここに,  S

1

:  1 秒換算時の耐電流

S

t

:  秒時の定格耐電流

耐電流の保証時間が 1 秒以外の場合の始発温度は,上記によって耐電流 S

1

に換算して適用する。


10

C1731-1 : 1998

表 12  変流器の耐電流に対する始発温度

始発温度  ℃

熱的耐電流 S

1

を過電流強

度に換算した値(

13

)

耐熱クラス A

耐熱クラス B

40 105

130

75 75

90

150 55

65

300 45

(

13

)

過電流強度に換算した値が表の値と異なる場合は,

解説図1

による。

b)

機械的耐電流  変流器の機械的耐電流試験は,7.3.1 a)1)に記載の直接試験と同一の試験方法(ただし,

通電時間は 5 サイクル)によって検証するか,熱的耐電流の直接試験実施時に合わせて検証してもよ

い。ただし,最初の周波の波高値は定格耐電流(実効値)の 2.5 倍以上とする。

なお,同一形式品で既に検証済みの場合は,協議によって省略できる。

7.3.2

温度上昇試験  変流器の温度上昇試験は,定格負担の下で,定格周波数の定格一次電流を通過して

行う。

なお,温度上昇試験の測定箇所及び測定方法は,

表 13 による。

表 13  変流器の温度上昇試験における測定箇所及び測定方法

測定箇所

測定方法

巻線

抵抗法(

14

)

温度計法

端子その他の金属部分の絶縁物に近接した表面

温度計法

(

14

)

大電流変流器で,一次導体の温度が抵抗法で測定でき
ない場合は,温度計法によってもよい。

7.3.3

耐電圧試験  変流器の耐電圧試験は,次による。

a)

耐電圧一般  変流器の形式試験における耐電圧試験は,温度上昇試験に引き続き表 11 に示す順に行う。

ただし,温度上昇試験を行わない場合,常温のまま行う。

b)

雷インパルス耐電圧  変流器の雷インパルス耐電圧試験は,+1.2/50

µs の標準インパルス電圧波形(

15

)

を,一次巻線一括と二次巻線及び外箱一括間に印加する。試験の順序は,乾燥状態で 50∼75%の低減

電圧を 1 回印加後,100%電圧を 1 回印加し,その後注水状態で 100%電圧を 1 回印加する。ただし,

注水状態における試験は屋外用のものに限る。

(

15

)

負極性の方が条件が厳しい場合は,負極性インパルス電圧を印加する。

c)

商用周波耐電圧  変流器の商用周波耐電圧試験は周波数 50Hz 又は 60Hz の正弦波に近い交流電圧を用

い,乾燥状態で 1 分間,注水状態で 10 秒間,次に示す部位に印加する。ただし,注水状態における試

験は,屋外用で高圧側だけに適用する。

1)

一次巻線一括と二次巻線及び外箱一括間

2)

二次巻線と外箱の相互間

3)

一次巻線又は二次巻線が二つ以上の相互に絶縁された巻線で構成されている場合は,巻線相互間

d)

部分放電試験  非有効接地系に使用される最高電圧 6.9kV 以上のモールド形及び 69kV 以上 161kV 以

下の油入形及びガス絶縁形の変流器の部分放電試験は,周波数 50Hz 又は 60Hz の正弦波に近い交流電

圧を用い,

図 の試験回路(例)によって一次巻線一括と二次巻線及び外箱一括間に最高電圧の 1.2

倍に相当する電圧を 10 秒間以上加えた後,これを徐々に下げて最高電圧の

3

/

1

.

1

倍に相当する電圧

1

分間以上保持した場合の放電電荷量を測定する。


11

C1731-1 : 1998

ただし,ガス絶縁変流器については,協議によってガス絶縁開閉装置と同一の試験条件で実施して

もよい。

e)

長時間交流耐電圧試験  有効接地系に使用される最高電圧

195.5kV

以上の変流器の長時間交流耐電圧

試験は周波数

50Hz

又は

60Hz

の正弦波に近い交流電圧を用い,

図 の試験回路の例によって表 の長

時間交流試験電圧を下記印加パターンによって加え,電圧印加後試験終了まで部分放電電荷量を測定

する。外部ノイズはできるだけ低く抑える。

表 14  印加時間

(

16

)

ガス絶縁以外の変流器の場合は協議による。

図 1  変流器の部分放電試験回路の例

f)

巻線端子間耐電圧試験  変流器の巻線端子間耐電圧試験は次の方法 1)又は方法 2)によって行う。

方法 1)

一次巻線以外の巻線をすべて開放して,一次巻線に定格周波数の定格一次電流を通電したとき

に二次巻線端子間に誘起する電圧値か,又は波高値

3kV

のいずれか低い方の電圧を

1

分間誘起させ

る。

方法 2)

電圧を印加する二次巻線以外の巻線をすべて開放し,当該二次巻線に定格周波数の波高値

3kV

の電圧を

1

分間印加する。このとき,二次巻線に流れる電流の最大値は定格電流とする。

なお,二次巻線端子間電圧波高値が

3kV

に到達しない場合には,次の方法によって耐電圧試験を

行う。

電圧を印加する二次巻線以外の巻線をすべて開放し,当該二次巻線の二次電流は,定格電流を超

えない範囲とし,試験周波数を増加させることによって,波高値

3kV

の電圧を印加する。ただし,

定格周波数の

5

倍においても

3kV

に到達しない場合には,この電圧を印加することで,その変流器

の巻線端子間耐電圧試験とすることができる。

また,

方法 1)によって,一次巻線以外の巻線をすべて開放して一次巻線に定格一次電流を通電し

たときに,二次巻線端子間に誘起する電圧値が

3kV

未満であることがあらかじめ確認されている変


12

C1731-1 : 1998

流器と同一構造の変流器については,

方法 1)で得られた

3kV

未満の値を印加することで,その変流

器の巻線端子間耐電圧試験とすることができる。

上記の試験において,試験周波数が定格周波数の

2

倍を超える場合は,次の式によって試験時間

を短縮できる。試験時間の短縮を図るなどの目的から,試験周波数を定格周波数の

5

倍以上として

もよいが,このときにおいても,試験時間の最短は

15

秒とする。

t

n

t

f

f

T

×

×

=

2

60

ここに,

T

t

試験時間

 (s)

f

n

定格周波数

 (Hz)

f

t

試験周波数

 (Hz)

7.3.4

比誤差及び位相角  変流器の比誤差及び位相角の試験は,次の条件の下で行う。

a)

変流器の試験電流  変流器の試験電流は,表 15 による。

表 15  変流器の比誤差及び位相角の試験条件

試験電流

確度階級

0.025I

n

 0.05I

n

 02I

n

 0.5I

n

 1.0I

n

 1.2I

n

0.1

0.2

0.5

1.0

3.0

備考1.  ◎印は,形式試験と受入試験の試験点を表し,○印は,形式試験だけの試験点を表す。

2.  I

n

は,定格周波数の定格一次電流を表す。

b)

変流器の試験負担  変流器の試験負担は,定格負担と定格負担の

25%

の負担とし,負担力率は,

0.8

遅れ電流とする。ただし,標準用変流器の負担力率は,

1

とする。

8.

端子

8.1

端子の位置  変流器の端子の位置は,原則として二次側から見て,左から右へ

K

L

,及び

k

l

順とする。二次端子が上下に設けられたものでは,上から下へ

k

l

とする。

8.2

端子の記号  端子の記号は次による。

a)

単一比及び中間口出しをもつ変流器  単一比の変流器の端子記号は,図 のように一次端子を

K

L

二次端子を

k

l

とし,

K

k

又は

L

l

で各誘導起電力の同一方向を表すものとする。貫通形では,二

次端子の

k

に対応する穴の側に

K

を,

l

に対応する穴の側に

L

を記入する。中間口出しをもつ変流器

の端子記号は,

図 の例に従い,端子記号に

1

2

……などの添字を付ける。


13

C1731-1 : 1998

図 2  単一比の変流器

図 3  中間口出しをもつ変流器

b)

標準用変流器  標準用変流器の端子記号は,図 又は図 の例による。

図 4  標準用変流器(電流表示)

図 5  標準用変流器(電流・記号併記)

c)

直並列接続する変流器  一次巻線又は二次巻線が直列又は並列接続ができるように数個に分割された

変流器は,

図 又は図 の例に従い,巻線全部に端子記号を付ける。

図 6  一次側を直並列する変流器

図 7  二次側を直並列する変流器

9.

表示  変流器には,見やすい適切な所に,図 810 の例に倣い,次の表示事項を容易に消えない方法

で明示した銘板を取り付けなければならない。ただし,定格事項については,銘板の大きさの制限上,

“定

格”の記載を省略してもよい。

a)

名称

b)

製造業者名又はその略号

c)

製造番号

d)

形名

e)

確度階級

f)

最高電圧  主回路側の絶縁をもたない変流器を除く。

g)

耐電圧  主回路側の絶縁をもたない変流器及び主回路側の耐電圧値が指定されない標準用は記載しな

い。


14

C1731-1 : 1998

最高電圧

195.5kV

以上で長時間交流耐電圧値と雷インパルス耐電圧値を組合せ表示した例

475

635

475/1 550kV

最高電圧

161kV

以下で商用周波耐電圧値と雷インパルス耐電圧値を組合せ表示した例

140/350kV

備考

f)

と g)の項を一つの記号に組み合わせてもよい。

 1.15/4/

kV

(−は,雷インパルス耐電圧が指定されないものを示す。

69/140/350kV

h)

定格一次電流及び定格二次電流

i)

定格耐電流  標準用を除く。

備考

保証時間が

1

秒以外のときは,保証時間を記載する。

j)

定格負担

k)

定格周波数

l)

窓径  必要があるものに記載する。

m)

屋内用,屋外用の別  必要があるものに記載する。

n)

製造年  必要があるものには,月も記載する。

o)

総質量  銘板の大きさに制約を受ける場合,省略してよい。

p)

油量  油入形に限る。


15

C1731-1 : 1998

図 8  標準用変流器の銘板例(巻線形)

図 9  標準用変流器の銘板例(貫通形)

図 10  一般計測用変流器の銘板例


16

C1731-1 : 1998

附属書 1(規定)  変流器

序文  この附属書は,この規格の本体部分の規定に対応する国際規格 IEC 60044-1

 : 1996, Instrument

transformers

Part 1 : Current transformers

を技術的内容を変更することなく作成したものであるが,国際規

格には規定されていない規定項目[

10.2 の a A)識別表示]を追加している。また,

附属書 1A 及び附属

書 1B は IEC 60044-1 の附属書を技術的内容を変更することなく翻訳したものである。

1.

共通事項

1.1

適用範囲  この附属書は,

15

100Hz

の周波数範囲において,電気計測装置及び電気保護装置と共

に使用する新しく製造される変流器に適用する。

所要事項は,基本的には分離巻線をもつ変流器に関するものであるが,単巻の変流器にも適用できる。

11.

は計測用変流器,12.は保護継電器用変流器,特に定格電流の数倍まで精度を維持することを主目的と

する保護方式用変流器に必要とする性能及び試験について,3.から 10.に追加して規定する。

変流器の性能が,高速度平衡方式及び消弧リアクトル接地系統に使用される地絡保護のように保護装置

全体の特性に影響するような保護システムにとっては,追加性能が必要となる。

計測用及び保護継電器用の両方に使用される変流器については,この附属書のすべての項を適用する。

1.2

引用規格  次に掲げる引用規格は,この附属書がよりどころとしている規定を含んでいる。出版時

に明示している版号が有効であるが,すべての規格は改正されるので,この附属書の関係者は次の規格の

最新のものを調査し,適用するよう奨励する。

IEC 60028

 : 1925

International standard of resistance for copper

IEC 60038

 : 1983

IEC standard voltages

IEC 60050 (321)

 : 1986

International Electrotechnical Vocabulary

Chapter 321 : instrument transformers

IEC 60060-1

 : 1989

High-voltage test techniques

Part 1 : General definitions and test requirements

IEC 60071-1

 : 1993

Insulation co-ordination

Part 1 : Definitions, principles and rules

IEC 60085

 : 1984

Thermal evaluation and classification of electrical insulation

IEC 60121-1

 : 1960

Recommendation for commercial annealed aluminium electrical conductor wire

IEC 60270

 : 1981

Partial discharge measurements

IEC 60567

 : 1992

Guide for the sampling of gases and of oil from oil-filled electrical equipment and for the

analysis of free and dissolved gases

IEC 60599

 : 1978

Interpretation of the analysis of gases in transformers and other oil-filled electrical

equipment in service

IEC 60721

 : 1990

Classification of environmental conditions

IEC 60815

 : 1986

Guide for the selection of insulators in respect of polluted conditions

2.

定義  この附属書に次の定義を適用する。

2.1

共通定義

2.1.1

計器用変成器 (instrument transformer)   測定装置,計器,保護継電器及びその他の類似装置に,

変成された電圧又は電流を供給することを目的とした変成器。

IEV 321-01-01 の修正]


17

C1731-1 : 1998

2.1.2

変流器 (current transformer)   通常の使用状態において,二次電流は一次電流に実質的に比例し,

適切な接続をすれば,その位相差がほぼ零である計器用変成器。

  [

IEV 321-02-01

]

2.1.3

一次巻線 (primary winding)   変成される電流を通電する巻線。

2.1.4

二次巻線 (secondary winding)   測定装置,計器,保護継電器及びその他の類似装置の回路に電流

を供給する巻線。

2.1.5

二次回路 (secondary circuit)   変流器の二次巻線から電流が供給される外部回路。

2.1.6

定格一次電流  (rated primary current)    変流器の性能の基準となる一次電流の値[IEV 321-01-11

の修正]

2.1.7

定格二次 電流 (rated secondary current)   変流器の性能の基準となる二次電流の値。[IEV 

321-01-15

の修正]

2.1.8

真の変流比 (actual transformation ratio)   真の二次電流に対する真の一次電流の比。[IEV 

321-01-17

の修正]

2.1.9

定 格変流 比 (rated transformation ratio)   定格二次電流に対す る定格一 次 電流の比。[IEV 

321-01-19

の修正]

2.1.10

電流誤差(比誤差)  [current error (ratio error)]    変流器を用いて電流を測定する場合に,真の変

流比が定格変流比に等しくないことから生じる誤差。

IEV 321-01-21 の修正]

電流誤差は百分率で表し,次の式によって与えられる。

100

1

×

=

p

p

s

n

I

I

I

K

ε

ここに,

ε

1

:  電流誤差 (%)

K

n

:  定格変流比

I

p

:  真の一次電流 (A)

I

s

:  I

p

を流したときの真の二次電流 (A)

2.1.11

位相角 (phase displacement)   一次電流ベクトルと二次電流ベクトルとの位相差。ベクトルの方向

は理想変流器の位相角が零となるように選ぶ。

IEV 321-01-23 の修正]

位相角は,二次電流ベクトルが一次電流ベクトルより進むときを正であるといい,通常,分又はセンチ

ラジアンで表す。

備考  この定義は,厳密には,正弦波電流に限り正しい。

2.1.12

確度階級 (accuracy class)   指定された使用状態の下で,規定の限度内の誤差をもつ変流器に割り

当てられた階級。

2.1.13

負担 (burden)   オームと力率で表した二次回路のインピーダンス。一般に,規定の力率と定格二

次電流における皮相電力として,ボルトアンペアで表す。

2.1.14

定格負担 (rated burden)   規定の誤差特性の基準となる負担の値。

2.1.15

定格出力 (rated output)   変流器に定格負担を接続し,定格二次電流を流したとき,二次回路に供

給される皮相電力の値。規定の力率におけるボルトアンペアで表す。

2.1.16

最高電圧  (highest voltage for equipment)    変流器の絶縁設計に使用される線間の最大実効値電圧。

2.1.17

定格絶縁レベル  (rated insulation level)    変流器の耐電圧性能を表す電圧値の組合せ。

2.1.18

中性点非接地方式  (isolated neutral system)    保護や計測の目的で高インピーダンスを接続する以

外に,中性点が大地に接続されない方式。  [IEV 601-02-24]


18

C1731-1 : 1998

2.1.19

中性点直接接地方式 (solidly earthed neutral system)   中性点が直接接地される方式。  [IEV 

601-02-25

]

2.1.20

中性点インピーダンス接地方式  [impedance earthed (neutral) system]    中性点が,地絡電流を抑制

するために,インピーダンスを介して接地される方式。  [IEV 601-02-26]

2.1.21

中性点消弧リアクトル接地方式  [resonant earthed (neutral) system]    1 か所以上の中性点が,1 線

地絡事故電流の容量性成分をおおむね補償するリアクトルを介して,大地に接続される方式。  [IEV 

601-02-27

]

備考  系統の消弧リアクトル接地によって,事故時の残留電流は,通常,気中アーク事故が自己消弧

する程度に抑制される。

2.1.22

接地係数  (earth fault factor)    三相系統の指定位置において,指定の系統構成に対し,地絡事故継

続中の健全相の最高対地間商用周波数電圧(実効値)の,事故除去後の指定位置において得られる対地間

商用周波数電圧(実効値)に対する割合。  [IEV 604-03-06]

2.1.23

中性点接地方式  (earthed neutral system)    中性点が直接接地されるか又は過渡的発振を低減し,

選択地絡保護に利用できる電流を与えるのに十分な低い値の抵抗及びリアクタンスを介するかのいずれか

で接地される方式。

a)

所定の地域における中性点有効接地方式とは,この点における接地係数が 1.4 以下の方式。

備考  この条件は一般的に,あらゆる系統構成において,正相リアクタンスに対する零相リアクタン

スの比が 3 より小さく,正相リアクタンスに対する零相抵抗の比が 1 より小さいときに得られ

る。

b)

所定の地域における中性点非有効接地方式とは,この点における接地係数が 1.4 を超える方式。

2.1.24

暴露設置 (exposed installation)   機器が大気中で過電圧にさらされる設置状態。

備考  このような設置では,通常,機器は直接又は短いケーブルを介して架空送電線に接続される。

2.1.25

非暴露設置 (non-exposed installation)   機器が大気中で過電圧にさらされない設置状態。

備考  このような設置では,通常,機器はケーブル系統に接続される。

2.1.26

定格周波数 (rated frequency)   この附属書の性能の基準となる周波数の値。

2.1.27

定格熱的耐電流  (I

th

) (rated short-time thermal current) 

  二次巻線を短絡した状態で,変流器が有

害な影響を受けることなく 1 秒間耐える,一次電流の実効値。

2.1.28

定格機械的耐電流  (I

dyn

) (rated dynamic current) 

  二次巻線を短絡した状態で,変流器が電気的に

も機械的にも損傷しないで耐える,一次電流の波高値。

2.1.29

定格連続通電一次電流 (rated continuous thermal current)   二次巻線に定格負担を接続した状態

で,温度上昇が規定の値を超えることなく,一次巻線に連続して通電できる電流の値。

2.1.30

励磁電流 (exciting current)   一次巻線及びその他のすべての巻線を開放した状態で,二次端子に

定格周波数の正弦波電圧を印加したとき,変流器の二次巻線に流れる電流の実効値。

2.1.31

コンポジット誤差  (

ε

c

) (composite error) 

  定常状態における a)と b)の電流の差の実効値。

a)

一次電流の瞬時値

b)

定格変流比倍した真の二次電流の瞬時値

一次及び二次電流の正の符号は,端子記号の規定による。

コンポジット誤差

ε

c

は次の式によって,一次電流の実効値に対する百分率で表す。

ò

=

T

p

S

n

c

dt

i

i

K

T

Ip

0

2

)

(

1

100

ε


19

C1731-1 : 1998

ここに,  K

n

:  定格変流比

I

p

:  一次電流の実効値 (A)

i

p

:  一次電流の瞬時値 (A)

i

s

:  二次電流の瞬時値 (A)

T:  周期 (s)

2.2

計測用変流器に関する追加定義

2.2.1

計測用変流器  (measuring current transformer)    指示計器,積算計器及び類似の装置に供給するた

めの変流器。

2.2.2

定格計器制限一次電流  (IPL) (rated instrument limit primary current)    定格負担に等しい二次負

担の下で,計測用変流器のコンポジット誤差が 10%以上になるときの一次電流の最小値。

備考  変流器によって電流が供給される機器を系統事故による大電流から保護するために,コンポジ

ット誤差は 10%以上とする。

2.2.3

計器安全係数 (FS) (instrument security factor)   定格一次電流に対する定格計器制限一次電流の

比。

備考  変流器の一次巻線を系統事故電流が流れたとき,計器安全係数 (FS) の値が小さいほど,変流

器に接続した装置の安全性は高くなる。

2.2.4

二次制限起電力 (secondary limiting e.m.f.)   計器安全係数 (FS) と定格二次電流の積に定格負担

と二次巻線インピーダンスのベクトル和を乗じて得られる電圧。

備考1.  二次制限起電力の計算値は,実際の二次制限起電力より高い値となる。この計算方法は11.6

及び保護用変流器の12.5と同様の試験方法を適用するために選定されたものである。

2.

二次制限起電力を計算する場合,二次巻線抵抗値は 75℃に換算する。

2.3

保護用変流器に関する追加定義

2.3.1

保護用変流器  (protective current transformer)    保護継電器に電流を供給するための変流器。

2.3.2

定格誤差限度一次電流  (rated accuracy limit primary current)    規定のコンポジット誤差を満足す

る一次電流の上限値。

2.3.3

誤差限度係数  (accuracy limit factor)    定格一次電流に対する定格誤差限度一次電流の比。

2.3.4

二次制限起電力 (secondary limiting e.m.f.)   誤差限度係数と定格二次電流の積に,定格負担と二

次巻線インピーダンスのベクトル和を乗じて得られる電圧。

3.

標準及び特殊使用状態  環境状態の種別に関する詳細は,IEC 60721 シリーズによる。

3.1

標準使用状態

3.1.1

周囲温度  変流器の周囲温度は,附属書 表 の 3 区分に分けられる。

附属書 表 1  温度区分

単位℃

区分

最低温度

最高温度

− 5/40

− 5

40

−25/40

−25 40

−40/40

−40 40

備考  温度区分の選択においては,保管及び輸送時の

温度条件も考慮する。

3.1.2

標高  標高は,1 000m を超えないものとする。


20

C1731-1 : 1998

3.1.3

振動及び地震  変流器の外部で発生する振動及び地震は無視してもよい。

3.1.4

屋内用変流器に関するその他の使用状態  屋内用変流器について考慮するその他の使用状態は,次

による。

a)

太陽の輻射の影響は無視してよい。

b)

大気はじんあい,煙,腐食性のガス,水蒸気又は塩分による著しい汚染はない。

c)

湿度の状態は次による。

1)

相対湿度の 24 時間の平均値は,95%を超えない。

2)

水蒸気圧の 24 時間の平均値は,2.2kPa を超えない。

3)

相対湿度の 1 か月間の平均値は,90%を超えない。

4)

水蒸気圧の 1 か月間の平均値は,1.8kPa を超えない。

これらの状態では,結露する場合がある。

備考1.  結露は,高湿度時,急激に温度変化した場合に発生することがある。

2.

高湿度及び結露による絶縁破壊及び金属部分の腐食などの影響に耐えるように設計された変

流器を使用することが望ましい。

3.

結露は,特別に設計された容器及び適切な換気並びに加熱又は除湿装置によって防止できる。

3.1.5

屋外用変流器に関するその他の使用状態  考慮するその他の使用状態は,次による。

a)

周囲温度の 24 時間の平均値は,35℃を超えない。

b)

晴天日,正午の太陽のふく(輻)射は,1 000W/m

2

まで考慮することが望ましい。

c)

大気はじんあい,煙,腐食性ガス,水蒸気又は塩分で汚染されていてもよい。

汚染レベルは

附属書 表 による。

d)

風圧は,700Pa(34m/s の風速に相当)を超えない。

e)

結露及び降雨を考慮する。

3.2

特殊使用状態  変流器が 3.1 の標準使用状態以外の状態で使用されるときは,次の標準手順によって,

仕様を決定することが望ましい。

3.2.1

周囲温度  周囲温度が 3.1.1 に述べた標準使用状態と著しく相違する場所に設置される場合に指定

する最低及び最高温度の範囲は,次によることが望ましい。

非常に寒い地域  最低温度−50℃,最高温度 40℃

非常に暑い地域  最低温度−5℃,最高温度 50℃

高湿度の暖かい風がしばしば吹く地域では,急激な温度変化によって,屋内でも結露することがある。

備考  太陽熱のふく(輻)射の状態によっては,指定された温度上昇を超えないよう,屋根の設置や

強制換気などの処置が必要になる場合や温度低減策が採用される場合がある。

3.2.2

標高  変流器が 1 000m 以上の標高に設置される場合,標準大気状態でのせん絡距離は,設置場所

で必要とする耐電圧値を k 倍(

附属書 図 から求められる係数)して決定する。

備考  内部絶縁については標高の影響を受けない。したがって,外部絶縁を検証する方法については,

製造業者と購入者間の協議によって決定する。

3.2.3

地震  性能と試験方法については検討中。

3.3

接地方式  接地方式は次による。

a)

中性点非接地方式(2.1.18 参照)

b)

中性点消弧リアクトル接地方式(2.1.21 参照)

c)

中性点接地方式(2.1.23 参照)


21

C1731-1 : 1998

1)

中性点直接接地方式(2.1.19 参照)

2)

中性点インピーダンス接地方式(2.1.20 参照)

4.

定格

4.1

定格一次電流の標準値

4.1.1

単一比の変流器  定格一次電流は,次の値及びこの値の 10 のべき乗倍又は 10 のべき乗分の 1 の値

とする。下線部の電流は推奨値を示す。

10A

−12.5A−15A−20A−25A−30A−40A−50A−60A−75A

4.1.2

多重比の変流器  4.1.1 に示した標準値は,多重比の定格一次電流の最小値とする。

4.2

定格二次電流の標準値  定格二次電流の標準値は 1A,2A 及び 5A とし,5A を推奨値とする。

備考  三角結線された変圧器に使用する場合は,上記定格二次電流標準値を 3 で除したものも標準

値とする。

4.3

定格連続通電一次電流  特に指定がない限り,定格連続通電一次電流は定格一次電流とする(11.3

参照)

4.4

定格出力の標準値  定格出力の標準値は 30VA までとし,次による。用途によって,30VA を超える

値も選ぶことができる。

2.5VA

−5.0VA−10VA−15VA−30VA

備考  標準の定格出力と標準の確度階級の組合せをもつ一つの変流器に対して,これ以外に非標準の

定格出力とその他の標準の確度階級との組合せを追加指定することができる。

4.5

耐電流  一次巻線又は導体をもつ変流器は,4.5.1 及び 4.5.2 による。

4.5.1

定格熱的耐電流  (I

th

  定格熱的耐電流  (I

th

)

は,個々の変流器に指定される(2.1.27 参照)

4.5.2

定格機械的耐電流  (I

dyn

  定格機械的耐電流  (I

dyn

)

の値は,通常,定格熱的耐電流  (I

th

)

の 2.5 倍

とし,この値と異なる場合には銘板に表示する(2.1.28 参照)

4.6

温度上昇の限度  定格出力に相当する力率 1 の負担の下で,定格連続通電一次電流に等しい一次電

流を流したときの変流器の温度上昇は,

附属書 表 に示す限度値を超えないものとする。これらの値は

3.

に示した使用状態を基準にしている。

3.1

の標準周囲温度値を超える周囲温度が指定された場合には,

附属書 表 の温度上昇の限度は標準周

囲温度を超えた量だけ,減じる。

1 000m

を超える標高で使用されるように指定された変流器が,1 000m 以下の標高で試験される場合に

は,

附属書 表 に規定の温度上昇の限度を,標高 1 000m を超える 100m ごとに次の量だけ減じる。

a)

油入変流器  0.4%

b)

乾式変流器  0.5%

巻線の温度上昇は,巻線自身又はその巻線を取り囲む絶縁物の低い方の耐熱クラスで制限される。各耐

熱クラスごとの温度上昇限度は,

附属書 表 による。


22

C1731-1 : 1998

附属書 表 2  巻線の温度上昇の限度

単位 K

耐熱クラス

(IEC 60085 による)

最大温度上昇

油入開放形 60

油入密封形 65

コンパウンド充てん形 50

油入形及びコンパウンド充てん形を除く

Y 45

A 60

E 75

B 85

F 110

H 135

備考  製品(例えばレジン形)によっては,製造業者が適切な耐熱クラスを明示

する。

油入変流器の最高部の油の温度上昇は,油入密封形変流器で 55K を,油入開放形変流器で 50K を超えて

はならない。

絶縁物に接する鉄心及びその他の金属部分の外部表面の温度上昇は,

附属書 表 の値を超えてはなら

ない。

5.

性能

5.1

絶縁性能  次の絶縁性能は,すべての形式の変流器に適用する。ガス絶縁変流器については,必要

性能の追加を検討中である。

5.1.1

一次巻線の絶縁性能  変流器の一次巻線の絶縁性能は機器の最高電圧 U

m

を基準とする。

一次巻線をもたず,それ自身で一次回路の絶縁をもたない変流器については,最高電圧 0.72kV の値を適

用する。

5.1.1.1

最高電圧 0.72kV 及び 1.2kV の巻線の絶縁性能は,

附属書 表 の定格商用周波耐電圧によって

検証する。

5.1.1.2

最高電圧 3.6kV 以上 300kV 未満の巻線の絶縁性能は,

附属書 表 の定格雷インパルス耐電圧と

定格商用周波耐電圧によって検証する。

同一最高電圧値に対して 2 種類の絶縁レベルがある場合の選択基準は,IEC 60071-1 を参照する。

5.1.1.3

最高電圧が 300kV 以上の巻線の絶縁性能は,

附属書 表 の定格開閉インパルス耐電圧及び定格

雷インパルス耐電圧によって検証される。

同一最高電圧値に対して 2 種類の絶縁性能がある場合の選択基準は IEC 60071-1 を参照する。


23

C1731-1 : 1998

附属書 表 3  最高電圧 300kV 未満の変流器の一次巻線の定格絶縁レベル

単位 kV

変流器の最高電圧

U

m

 (r.m.s.)

定格商用周波耐電圧

(r.m.s.)

定格雷インパルス耐電圧

(peak)

0.72 3

1.2 6

3.6 10  20

40

7.2 20  40

60

12 28

60

75

17.5 38  75

95

24 50

95

125

36 70

145

170

52 95

250

72.5 140  325

100 185

450

185 450

123

230 550

230 550

145

275 650

275 650

170

325 750

395 950

245

460 1

050

備考  暴露設置の場合には,最高の絶縁レベルを選択することを推奨する。


24

C1731-1 : 1998

附属書 表 4  最高電圧 300kV 以上の変流器の一次巻線の定格絶縁レベル

単位 kV

変流器の最高電圧

U

m

 (r.m.s.)

定格開閉インパルス耐電圧

(peak)

定格雷インパルス耐電圧

(peak)

750 950

300

850 1

050

850 1

050

362

950 1

175

1 050

1 300

420

1 050

1 425

1 050

1 425

525

1 175

1 550

1 425

1 950

765

1 550

2 100

備考1.  暴露設置の場合には,最高の絶縁レベルを選択することを推奨する。

2.

最高電圧 765kV の試験電圧レベルは最終決定でないため,開閉インパルス試験電

圧と雷インパルス試験電圧の見直しが必要になるかもしれない。

5.1.2

一次巻線のその他の絶縁性能

5.1.2.1

商用周波耐電圧  最高電圧 300kV 以上の変流器の巻線は,附属書 表 の雷インパルス耐電圧に

対応する商用周波耐電圧に耐えなければならない。

附属書 表 5  最高電圧 300kV 以上の変流器の一次巻線の商用周波耐電圧

単位 kV

定格雷インパルス耐電圧

(peak)

定格商用周波耐電圧

(r.m.s.)

950 395

1 050

460

1 175

510

1 300

570

1 425

630

1 550

680

1 950

880

2 100

975

5.1.2.2

部分放電  部分放電性能は最高電圧 7.2kV 以上の変流器に適用する。

部分放電レベルは 8.2.2 による前課電電圧を印加後,

附属書 表 の部分放電試験電圧において,規定の

限度を超えてはならない。


25

C1731-1 : 1998

附属書 表 6  部分放電の試験電圧と許容レベル

部分放電許容レベル

pC

絶縁の種類

系統の接地方式

部分放電試験電圧

(r.m.s.)

kV

油絶縁

固体断絶

中性点接地方式 
(接地係数 1.5 以下)

U

m

3

/

2

.

1

m

U

10

5

50

20

中性点非接地又は非有効接地方式

(接地係数 1.5 超過)

1.2U

m

3

/

2

.

1

m

U

10

5

50

20

備考1.  接地方式が未定の場合には,中性点非接地方式の値とする。

2.

部分放電許容レベルは定格周波数と異なる周波数に対しても適用する。

5.1.2.3

裁断波雷インパルス耐電圧  裁断波雷インパルス耐電圧が追加指定された場合には,一次巻線は

全波雷インパルス電圧の 115%の波高値をもつ裁断波雷インパルス電圧に耐えなければならない。

備考  低い試験電圧値を適用する場合については,製造業者と購入者間の協議による。

5.1.2.4

静電容量及び誘電正接  静電容量及び誘電正接 (tan

δ

)

は,最高電圧 72.5kV 以上の油絶縁一次巻

線の変流器だけに適用する。

静電容量及び誘電正接は,定格周波数において,10kV から最高電圧の 3 分の 1 倍までの電圧で測定さ

れた値とする。

備考1.  静電容量及び誘電正接は,製品の均一性の確認を目的とするもので,ばらつきの許容値は製

造業者と購入者間の協議による。

2.

誘電正接は,絶縁設計及び電圧と温度に依存する。周囲温度で最高電圧の 3 分の 1 倍の電

圧においては,通常 0.005 (0.5%)  を超えない。

5.1.2.5

多重裁断波インパルス耐電圧  最高電圧 300kV 以上の油入変流器の一次巻線は,運転中の高周波

電圧によるストレスに対する性能を確認するため,製造業者と購入者間の合意によって,多重裁断波イン

パルス電圧に耐えなければならない。

多重裁断波インパルスについては十分な経験がなく,最終的な試験方法及び許容基準についての提案が

できないため,この附属書では,試験方法についての情報だけを

附属書 1B に示す。設計の正当性は製造

業者が証明する。

備考  内部シールド及び多重裁断波インパルスによる過渡的電流が流れる接続部について,詳細に検

査することが望ましい。

5.1.3

セクション間の絶縁  二つ以上に分割された一次巻線及び二次巻線のセクション間は,定格商用周

波耐電圧値 3kV (r.m.s.)  の絶縁をもつものとする。

5.1.4

二次巻線の絶縁  二次巻線は定格商用周波耐電圧値 3kV (r.m.s.)  の絶縁をもつものとする。

5.1.5

巻線端子間の絶縁  巻線端子間の定格耐電圧は波高値 4.5kV とする。

変流器によっては 8.4 の試験方法によって,4.5kV より低い電圧値が許容される。

備考  8.4 の試験方法においては,波形は大きくひず(歪)んでいてもよい。

5.1.6

外部絶縁性能

5.1.6.1

汚染  磁器がい管をもつ屋外用変流器の汚染レベルと表面漏れ距離の関係は,附属書 表 によ

る。


26

C1731-1 : 1998

附属書 表 7  表面漏れ距離

汚染レベル

最小表面漏れ距離

mm/kV(

1

)(

2

)

表面漏れ距離

せん絡距離

I

  軽汚染

II

  中汚染

16

20

≦3.5

III

  重汚染

IV

  超重汚染

25

31

≦4.0

(

1

)

機器の線間最高電圧実効値に対する対地間表面漏れ距離の比(IEC 

60071-1

を参照)

(

2

)

表面漏れ距離の詳細及び製造公差については,IEC 60815 を参照。

備考1.  がい管の外部絶縁性能は,がい管形状に大きく影響される。

2.

超軽汚染地域では,運転実績から,16mm/kV 以下の最小表面漏れ距離
が採用されている。ただし,12mm/kV が最小限度値とされている。

3.

極度に汚染された地域では,31mm/kV の最小表面漏れ距離では十分で
ないかもしれない。運転実績及び研究所での試験結果をもとに,規定
の最小表面漏れ距離以上の値を用いることもできるが,ある場合には,

洗浄が考慮されてもよい。

5.2

機械的性能  最高電圧 72.5kV 以上の変流器に適用する。

附属書 表 の規定は変流器が耐えなければならない静的荷重を示すが,これらは風又は氷などによる

荷重も含む。規定の試験荷重は,一次端子のいかなる方向にも適用する。

附属書 表 8  静的耐試験荷重

静的耐試験荷重  F

R

 N

最高電圧  U

m

kV

荷重クラス I

荷重クラス II

 72.5

∼100

1 250

2 500

123

∼170

2 000

3 000

245

∼362

2 500

4 000

≧420

4 000

6 000

備考1.  通常の運転状態で作用する荷重の総和は,規定の耐試験荷重の50%を

超えないことが望ましい。

2.

変流器は,

まれに発生する静的耐試験荷重の 1.4 倍以下の動的荷重

(短

絡機械力など)に耐えることが望ましい。

3.

適用条件によっては,一次端子の回転方向の耐力が必要になる。試験

時に加えるモーメントについては,製造業者と購入者間の協議によ
る。

6.

試験の種類  試験は,形式試験,受入試験及び特殊試験に分類される。

形式試験  同じ仕様で製作されたすべての変流器が,受入試験でカバーできない要求を満足することを証

明するために,各々の形式の変流器について実施される試験。

備考  相違部分がわずかな変流器については,製造業者と購入者間の協議によって,形式試験を省略

してもよい。

受入試験  個々の変流器について実施される試験。

特殊試験  製造業者と購入者間の合意による,形式試験及び受入試験以外の試験。

6.1

形式試験  次の 6 項目を形式試験とする。

a)

耐電流試験(7.1 参照)

b)

温度上昇試験(7.2 参照)


27

C1731-1 : 1998

c)

雷インパルス耐電圧試験(7.3.2 参照)

d)

開閉インパルス耐電圧試験(7.3.3 参照)

e)

屋外用変流器に対する注水試験(7.4 参照)

f)

誤差試験(11.4

12.411.612.5 参照)

すべての絶縁試験は,特に指定のない限り,同一の変流器で実施する。

6.1

の絶縁試験を完了後,6.2 の受入試験を実施する。

6.2

受入試験  次の 7 項目を受入試験とする。

a)

端子記号の確認(8.1 参照)

b)

一次巻線の商用周波耐電圧試験(8.2.1 参照)

c)

部分放電試験(8.2.2 参照)

d)

二次巻線の商用周波耐電圧試験(8.3 参照)

e)

セクション間の商用周波耐電圧試験(8.3 参照)

f)

巻線端子間耐電圧試験(8.4 参照)

g)

誤差試験(11.5

12.412.6 参照)

試験の順序は規定しないが,誤差試験は,その他の試験後に実施する。

一次巻線に商用周波耐電圧試験を繰り返し実施する場合には,規定の試験電圧値の 80%の試験電圧とす

る。

6.3

特殊試験  次の 4 項目の特殊試験は,製造業者と購入者間との合意によって実施される試験とする。

a)

裁断波雷インパルス耐電圧試験(9.1 参照)

b)

静電容量及び誘電正接の測定(9.2 参照)

c)

多重裁断波雷インパルス耐電圧試験(

附属書 1B 参照)

d)

機械的性能試験(9.3 参照)

7.

形式試験

7.1

耐電流試験  熱的耐電流試験においては,変流器の初期温度は,10℃から 40℃の間とする。

この試験は,二次巻線を短絡して行い,時間 に対する電流 と定格熱的耐電流 I

th

との関係については,

(I

2

t)  は  (I

th

2

)

以上とし,は 0.5 秒から 5 秒の間の値とする。

機械的耐電流試験は二次巻線を短絡し,少なくとも一つの波高値が定格機械的耐電流 I

dyn

より大きい一

次電流で行う。

機械的耐電流試験は,最初の波高値が定格機械的耐電流 I

dyn

より大きな値の試験電流によって,熱的耐

電流試験と組み合わせて実施してもよい。

変流器は,10℃から 40℃の間の周囲温度に冷却した後に次の条件を満足するなら,その試験に合格した

ものとする。

a)

外観上損傷していない。

b)

減磁後の誤差が,試験前に記録した誤差に対して,確度階級に対応する誤差限度の 2 分の 1 以上変化

していない。

c)

試験電圧又は試験電流を 90%とした 8.28.3 及び 8.4 の絶縁試験に耐える。

d)

導体表面に接する絶縁物が著しく劣化(例えば炭化)していない。

定格熱的耐電流 I

th

に対する一次巻線の電流密度が次の値を超えないなら,d)の検査は必要としない。

巻線が銅の場合    :180A/mm

2

……導電率は IEC 60028 の値の 97%以上とする。


28

C1731-1 : 1998

巻線がアルミの場合:120A/mm

2

……導電率は IEC 60121 の値の 97%以上とする。

備考  定格熱的耐電流値に対する一次巻線の電流密度が上記の値を超えない場合,経験的に,耐熱ク

ラス A の熱的性能を満足することが示されている。

したがって,

この要求を満足する場合には,

製造業者と購入者間の協議によって,絶縁物の検査を省略してもよい。

7.2

温度上昇試験  試験は 4.6 の性能を満足することを証明するために実施する。温度上昇が 1 時間当た

り 1K を超えないとき,変流器は安定温度に達したものとする。

試験条件は,次による。

a)

試験場所の周囲温度は,10℃から 30℃までとする。

b)

試験は,変流器を使用状態と同じになるように据え付けて実施する。

c)

巻線の温度上昇は抵抗法によって測定するが,抵抗値が非常に低い巻線では,熱電対によって測定し

てもよい。

d)

巻線以外の部分の温度上昇は,温度計又は熱電対によって測定できる。

7.3

一次巻線のインパルス耐電圧試験

7.3.1

共通事項  インパルス耐電圧試験は,IEC 60060-1 によって実施する。

試験電圧は,一括接続した一次巻線端子と大地間に印加する。フレーム,外箱,鉄心(接地可能な場合)

及び二次巻線のすべての端子を接地する。

インパルス試験は,一般に低減電圧レベルと定格耐電圧レベルの電圧を組み合わせて印加する。低減イ

ンパルス電圧は,定格インパルス耐電圧値の 50%から 75%までの電圧値とする。インパルス電圧の波高値

と波形を記録する。

試験結果は,低減電圧及び定格耐電圧について記録した波形の変化から判定する。

試験結果の判定は,電圧波形の記録のほかに,大地への電流を記録することによって向上する。

7.3.2

雷インパルス耐電圧試験  試験電圧は,変流器の最高電圧と規定の絶縁レベルによって,附属書 1

表 又は附属書 表 で与えられる。

7.3.2.1

最高電圧 300kV 未満の変流器の一次巻線  試験電圧の極性は,正極性及び負極性の両方とし,各

極性につき,大気状態の補正をしないインパルス電圧を連続 15 回印加する。

試験後,各々の極性について次のすべてを満足する場合に,変流器は試験に合格したものとする。

a)

自復性がない内部絶縁に,破壊放電が生じない。

b)

自復性がない外部絶縁に沿って,せん絡が生じない。

c)

自復性がある外部絶縁については,2 回を超えるせん絡が生じない。

d)

絶縁不良の他の兆候が検出されない(例えば,記録された 15 回分の波形に変化がない。

備考  正極性及び負極性各 15 回の電圧印加は外部絶縁試験として指定される。もし,その他の試験が

外部絶縁の検証方法として,製造業者と購入者間で合意されるなら,大気状態の補正をしない

雷インパルス試験電圧の印加回数は,正極性及び負極性各 3 回としてもよい。

7.3.2.2

最高電圧 300kV 以上の変流器の一次巻線  試験電圧の極性は正極性及び負極性の両方とし,各極

性につき,大気状態の補正をしないインパルス電圧を連続 3 回印加する。

試験後,各々の極性について次のすべてを満足する場合に,変流器は試験に合格したものとする。

a)

破壊放電が生じない。

b)

絶縁不良の他の兆候が検出されない(例えば,記録された 3 回分の波形に変化がない。

7.3.3

開閉インパルス耐電圧試験  試験電圧は変流器の最高電圧と規定の絶縁レベルによって,附属書 1

表 で与えられる。


29

C1731-1 : 1998

試験は,正極性の大気状態の補正をしたインパルス電圧を連続 15 回印加する。

なお,屋外用変流器は,注水状態で実施する(7.4 参照)

試験後,次のすべてを満足する場合に,変流器は試験に合格したものとする。

a)

自復性がない内部絶縁に,破壊放電が生じない。

b)

自復性がない外部絶縁に沿って,せん絡が生じない。

c)

自復性がある外部絶縁については,2 回を超えるせん絡が生じない。

d)

絶縁不良の他の兆候が検出されない(例えば,記録された 15 回分の波形に変化がない。

備考  試験場の壁又は天井に放電した場合は,試験回数に入れない。

7.4

屋外用変流器の注水試験  注水の方法は,IEC 60060-1 による。

最高電圧 300kV 未満の変流器の一次巻線の試験は,変流器の最高電圧に対応する

附属書 表 の商用周

波耐電圧値を大気状態の補正をして実施する。

最高電圧 300kV 以上の変流器の一次巻線の試験は,変流器の最高電圧及び絶縁レベルによって,

附属書

1

表 の正極性の開閉インパルス耐電圧値で実施する。

8.

受入試験

8.1

端子記号の確認  端子記号が正しいことを確認する(10.1 参照)。

8.2

一次巻線の商用周波耐電圧試験と部分放電試験

8.2.1

商用周波耐電圧試験  商用周波耐電圧試験は,IEC 60060-1 による。

試験電圧は,変流器の最高電圧に対応する

附属書 表 又は附属書 表 の値とし,印加時間は 60 秒間

とする。

試験電圧は,一次巻線一括と大地間に印加する。一括した二次巻線,フレーム,外箱及び鉄心(接地可

能な場合)は接地する。

8.2.2

部分放電試験

8.2.2.1

試験回路と計測器  試験回路及び計測器は,IEC 60270 による。試験回路の例を,附属書 図 2

から

附属書 図 に示す。

計測器はピコクーロン (pC) で表した発生電荷 を測定し,その校正は試験回路で行う(

附属書 図 5

の例を参照)

広帯域の計測器は,少なくとも 100kHz の帯域幅をもち,カットオフ周波数の上限は,1.2MHz を超過し

ない。

狭帯域の計測器は,0.15MHz から 2MHz までの共振周波数をもつものとする。共振周波数は,0.5MHz

から 2MHz までが望ましいが,できれば,最高感度の周波数で測定する。

計測器の感度は,5pC の部分放電レベルを検出できるものとする。

備考1.  雑音は感度より十分低いこと。外部雑音であることが明らかなパルスは無視してもよい。

2.

外部雑音抑制のために,平衡試験回路が採用される(

附属書 図 参照)。

3.

電子信号処理が,バックグラウンドノイズを低減するために用いられる場合は,反復パルス

を検出できるように,パラメータを変えて行う。

8.2.2.2

部分放電試験手順  次の方法 A 又は方法 B で前課電電圧を印加後,附属書 表 に規定の部分

放電試験電圧値とし,30 秒間以内に,部分放電レベルを測定する。

測定された部分放電レベルは,

附属書 表 に指定された限度を超えない。

方法 A  商用周波耐電圧試験後,電圧を下げ部分放電試験電圧値とする。


30

C1731-1 : 1998

方法 B  部分放電試験は,商用周波耐電圧試験後に実施する。印加電圧は商用周波耐電圧値の 80%に

上昇させて 60 秒間以上保持した後,引き続き規定の部分放電試験電圧値に低減する。

指定がなければ,試験方法は製造業者が選択できるが,採用した試験方法を,試験報告書に明示する。

8.3

一次巻線と二次巻線のセクション間及び二次巻線の商用周波耐電圧試験  5.1.3 又は 5.1.4 に規定の

試験電圧を,各巻線ごとにセクションを一括した端子間及び各二次巻線と大地間に,それぞれ,60 秒間印

加する。

フレーム,外箱,鉄心(接地可能な場合)とすべての他の巻線の端子及びセクションは,一括して接地

する。

8.4

巻線端子間耐電圧試験  巻線端子間耐電圧試験は,次のいずれかの方法による。

指定がなければ,試験方法は製造業者が選択できる。

方法 A  二次巻線を開放し(又はピーク電圧を読むために,高インピーダンスの装置を接続する),一

次巻線に,40∼60Hz(IEC 60060-1 参照)の周波数の定格一次電流(又は定格連続通電一次電流,11.3

参照)に等しい正弦波電流を,60 秒間通電する。

  通電電流が定格一次電流(又は定格連続通電一次電流)に到達する前に,波高値 4.5kV の試験電圧

が得られる場合には,この電圧値を試験電圧とする。

方法 B  一次巻線を開放し,400Hz を超えない適当な周波数の規定の試験電圧を,各二次端子間に 60

秒間印加する。ただし,二次電流の実効値は定格二次電流(又は定格連続通電一次電流に相当する二

次電流)を超えない。

  周波数 400Hz の定格二次電流(又は定格連続通電一次電流に相当する二次電流)においても,得ら

れる電圧の波高値が 4.5kV より低い場合には,この電圧値を試験電圧とする。

試験周波数が定格周波数の 2 倍を超える場合には,

次の式によって試験時間を 60 秒間以下としてもよい。

ただし,試験時間の最短は 15 秒間とする。

t

n

t

f

f

T

×

×

=

2

60

ここに,

T

t

:  試験時間 (s)

f

n

:  定格周波数 (Hz)

f

t

:  試験周波数 (Hz)

9.

特殊試験

9.1

一次巻線の裁断波雷インパルス耐電圧試験  試験は負極性だけとし,次の方法で,負極性の全波雷

インパルス耐電圧試験と組み合わせて実施する。

電圧波形は標準雷インパルス電圧波形とし,2

µs から 5µs までで裁断する。裁断回路は,実試験波形の

反対極性への振れ過ぎ量が,波高値の 30%程度に制限されるように調整する。

全波雷インパルス試験電圧は,変流器の最高電圧と規定の絶縁レベルによって,

附属書 表 及び附属

書 表 から選ぶ。

裁断波雷インパルス試験電圧値は 5.1.2.3 による。

雷インパルス試験電圧の印加順序は,次による。

a)

最高電圧 300kV 未満の一次巻線

・全波

1

・裁断波

2


31

C1731-1 : 1998

・全波 14 回

b)

最高電圧 300kV 以上の一次巻線

・全波

1

・裁断波

2

・全波

2

裁断波雷インパルス電圧印加前後に印加した全波雷インパルス電圧波形の変化が,内部事故を示す。

裁断波雷インパルス耐電圧試験中に発生した自復性のある外部せん絡は,許容する。

9.2

静電容量及び誘電正接の測定  静電容量及び誘電正接は,一次巻線の商用周波耐電圧試験後に測定

する。

試験電圧は,一次巻線一括と大地間に印加する。一般に,二次巻線一括及びシールドは,絶縁した金属

ケースとともに計測ブリッジに接続する。もし変流器に,これらの測定のための特別な装置(測定端子)

がある場合には,その他の低電圧端子を一括し,金属ケースとともに接地又は計測ブリッジのガードに接

続する。試験は周囲温度で実施し,値を記録する。

備考  場合によっては,接地を計測ブリッジの他の点に接続する必要がある。

9.3

機械的性能試験  試験は,変流器が 5.2 に指定された性能をもつことを証明するために実施する。

試験は,次による。

a)

変流器は完全組立状態とし,堅く固定されたフレームで垂直位置に据え付ける。

b)

油入変流器は絶縁油を満たし,運転時の圧力状態にする。

c)

試験荷重は,各端子に対して

附属書 表 に示された各条件ごとに,60 秒間加える。

d)

変流器は,損傷の形跡(破壊,破裂又は漏れ)がなければ,合格とする。

附属書 表 9  一次端子に加える耐試験荷重の適用例

水平荷重

垂直荷重

備考  試験荷重は端子の中央に加える。


32

C1731-1 : 1998

10.

表示

10.1

端子記号の一般原則  端子記号は次のものを区別する。

a)

一次及び二次巻線

b)

巻線のセクション

c)

巻線及び巻線のセクション間の極性の相関関係

d)

中間タップ

10.1.1

表示方法  端子記号は,表面又はその付近の見やすい場所に,容易に消えない方法で明示する。

端子記号は,記号の後に数字を付けるか,必要によって,記号の前に数字を付けて表す。記号は大文字

を使用する。

10.1.2

使用する記号  変流器の端子記号は,次の附属書 表 10 のように表示する。

附属書 表 10  端子記号

一次端子

二次端子

附属書 図 1  単一比変流器

附属書 図 2  二次巻線に中間タップをもつ変流器

一次端子

二次端子

附属書 図 3  一次巻線を直並列接

続する変流器

附属書 図 4  個別の鉄心をもつ二次巻線が二つの

変流器

(二次端子には 2 種類の表示方法がある。)

10.1.3

対応する極性の表示  P1,S1 及び C1 端子は,同極性とする。

10.2

定格銘板の表示  すべての変流器は,少なくとも,次の表示をしなければならない。

a)

製造業者名及びその略号

a A) 

識別表示  この附属書に規定する仕様のものであることを示す表示。

表示例:IEC 60044-1

b)

製造番号又は形式名(両方の表示か望ましい。

c)

定格一次電流及び定格二次電流

K

n

I

pn

/I

sn

 A(例  K

n

100/5A

d)

定格周波数(

例  50Hz)

e)

定格出力とそれに相当する確度階級。11.7 及び 12.7 に規定した追加情報と組み合わせて表示する。

備考1.  二次巻線ごとの性能を表示する。

例  1S, 15VA, Class0.5 ; 2S, 30VA, Class1.0)

2.

 Class

は確度階級を表す。


33

C1731-1 : 1998

f)

最高電圧(

例  1.2kV 又は 145kV)

g)

定格絶縁レベル(

例  6/−kV (

3

)

又は 275/650kV)

備考  f)と g)の二つは,一つの記号に組み合わせて表示してもよい。

  1.2/6/−kV(

3

)

又は 145/275/650kV)

(

3

)

ダッシュ(−)は雷インパルス耐電圧の規定がないことを示す。

すべての情報は,変流器本体又は変流器に堅固に取り付けた定格銘板上に,容易に消えない

方法で明示する。

銘板に余裕がある場合には,更に,次の情報を追加表示する。

h)

定格熱的耐電流  (I

th

  機械的耐電流が熱的耐電流の 2.5 倍と相違する場合には,機械的耐電流も表示

する。

例  13kA 又は 13/40kA)

i)

絶縁物の耐熱クラスが耐熱クラス A と異なる場合には,耐熱クラスを表示する。

備考  複数種類の絶縁材料が使用されている場合には,巻線の温度上昇を制約する耐熱クラスを表示

することが望ましい。

j)

複数の二次巻線をもつ変流器は,各巻線の用途と対応する端子を表示する。

11

計測用変流器に関する追加要求事項

11.1

計測用変流器の確度階級  計測用変流器の確度階級は,定格電流における百分率で表した,最大許

容電流誤差の値で示す。

11.1.1

確度階級の標準値  計測用変流器の確度階級の標準値は,次による。

0.1

−0.2−0.5−1.0−3−5

11.2

計測用変流器の電流誤差及び位相角の限度  確度階級 0.1,0.2,0.5 及び 1.0 に関して,定格周波数

における電流誤差及び位相角は,定格負担の 25%から 100%までの二次負担の下で,

附属書 表 11 の値を

超えてはならない。

確度階級 0.2S 及び 0.5S の特殊用途(定格電流 5A の 1%から 120%に相当する,50mA から 6A までの電

流を正しく測定できる,特殊な電気計器に接続して使用する変流器)に関して,定格周波数における電流

誤差及び位相角は,定格負担の 25%から 100%までの二次負担の下で,

附属書 表 12 の値を超えてはなら

ない。これらの確度階級は,主として,電流比が 25/5,50/5,100/5 及びこれらの 10 のべき乗倍で,定格

二次電流が 5A のものに限り適用する。

確度階級 3 及び 5 に関して,定格周波数における電流誤差は,定格負担の 50%から 100%までの二次負

担の下で,

附属書 表 13 の値を超えてはならない。

試験時の二次負担の力率は,0.8 遅れ電流とする。ただし,負担が 5VA 以下の場合は,力率 1 を使用す

る。試験負担が 1VA より小さくなることはない。

備考  一般的に,前述の電流誤差及び位相角の限度は,外部導体が変流器の最高電圧から決まる気中

絶縁距離を確保した状態において,有効である。

大電流で運転電圧が低いというような特殊使用条件については,製造業者と購入者間で,別

途,協議する。


34

C1731-1 : 1998

附属書 表 11  計測用変流器の比誤差及び位相角の限度(確度階級 0.11.0

±位相角

次の定格電流に対して,百分率で表示した電流に対する値

±電流誤差%

次の定格電流に対して,百分率
で表示した電流に対する値

分 c

rad

確度 
階級

5  20 100 120  5  20 100 120  5  20 100 120

0.1

0.4

0.2

0.1

0.1 15

8 5 5

0.45

0.24

0.15

0.15

0.2 0.75  0.35  0.2  0.2

30

15 10 10

0.9 0.45

0.3 0.3

0.5 1.5  0.75  0.5  0.5

90

45 30 30

2.7 1.35

0.9 0.9

1.0 3.0  1.5

1.0  1.0

180

90 60 60

5.4 2.7 1.8 1.8

附属書 表 12  特殊用途計測用変流器の比誤差及び位相角の限度

±位相角

次の定格電流に対して,百分率で表示した電流に対する値

±電流誤差%

次の定格電流に対して,百分率で
表示した電流に対する値

分 c

rad

確度

階級

1  5 20

100

120 1  5 20

100

120

1  5 20

100

120

0.2S

0.75

0.35 0.2 0.2 0.2 30  15  10 10 10 0.9

0.45 0.3 0.3 0.3

0.5S

1.5 0.75 0.5 0.5 0.5 90  45  30  30 30 2.7

1.35 0.9 0.9 0.9

備考  定格二次電流 5A の変流器にだけに適用

附属書 表 13  計測用変流器の変流比誤差の限度(確度階級 及び 5

±電流誤差%

次の定格電流に対して,百分率で表示した電流に対する値

確度 
階級

50 120

3 3

3

5 5

5

確度階級 3 及び 5 は,位相角の限度を規定しない。

11.3

拡張電流定格  確度階級 0.1 から 1.0 の変流器は,次の二つの性能を満足する定格拡張一次電流をも

つことができる。

a)

定格連続通電一次電流は,定格拡張一次電流とし,定格一次電流に対する百分率で表示する。

b)

定格拡張一次電流における電流誤差及び位相角の限度は,

附属書 表 11 に規定された,定格一次電流

の 120%の電流における限度値とする。

定格拡張一次電流の標準値は,定格一次電流の 120%,150%及び 200%とする。

11.4

計測用変流器の確度に関する形式試験  確度階級 0.1 から 1.0 の変流器が 11.2 の規定を満足している

ことを確認する形式試験は,定格負担と定格負担の 25%の負担(負担は 1VA を最小とする)の下で,

附属

書 表 11 に示した各電流値について実施する。

定格一次電流の 120%を超える定格拡張一次電流をもつ変流器は,定格一次電流の 120%の電流値に代え

て,定格拡張一次電流値で試験する。

確度階級 3 及び 5 の変流器は,定格負担と定格負担の 50%の負担(負担は 1VA を最小とする)の下で,

附属書 表 13 に示した 2 点の電流値について試験する。

11.5

計測用変流器の確度に関する受入試験  確度に対する受入試験は,基本的に 11.4 の形式試験と同様

とする。ただし,類似の変流器の形式試験結果から 11.2 の性能を満足することが示される場合には,測定

電流点や測定負担点の数を減らしてもよい。

11.6

計器安全係数  形式試験は次の間接試験法によって実施できる。

一次巻線を開放し,二次巻線に定格周波数で二次制限起電力に等しい実効値をもつ,ほぼ正弦波に等し

い電圧を印加する。


35

C1731-1 : 1998

定格二次電流  (I

sn

)

と計器安全係数 FS との積に対する百分率で表示した励磁電流  (I

exc

)

の測定値は,

10%

以上とする。

10

100

×

FS

I

I

sn

exc

この測定結果に疑問がある場合には,直接試験(

附属書 1A

を参照)によって,再測定して最終決定す

る。

備考

間接試験法の最大の利点は,大電流及び特別の負担(定格一次電流

3 000A

で計器安全係数

10

の場合には,

30 000A

の電流と

50A

用の負担)のいずれも必要としないことである。間接測定

法では,一次導体の帰路の影響はないが,運転状態では,この影響はコンポジット誤差を大き

くするだけであり,計測用変流器に接続される計測器の安全性にとって,望ましい。

11.7

計測用変流器の定格銘板の表示

  計測用変流器の定格銘板は,

10.2

に従い,必要な表示をしなけれ

ばならない。

確度階級及び計器安全係数は,対応する定格出力表示の後に,表示する。

(例

 15VA,

Class0.5,

FS10

定格拡張一次電流(

11.3

参照)をもつ変流器は,確度階級のすぐ後に,この定格を表示する。

(例

 15VA

Class0.5

ext.150%

備考1.

定格銘板は,変流器が満足する出力及び確度階級の幾つかの組合せについて表示(例

 15VA Class0.5

30VA Class1.0

)しても,非標準の出力値を使用して表示(例えば

4.4

備考

に従い,

15VA Class1.0

7VA Class0.5

)してもよい。

2.

 Class

は確度階級,

ext.

は拡張一次電流を表す。

12.

保護用変流器に関する追加要求事項

12.1

誤差限度係数の標準値

  誤差限度係数の標準値は,次による。

5

10

15

20

30

12.2

保護用変流器の確度階級

12.2.1

確度階級の構成

  保護用変流器の確度階級は,定格誤差限度一次電流におけるコンポジット誤差の

限度値に,記号

P

Protection

の意味)を付けて表示する。

12.2.2

確度階級の標準値

  保護用変流器の確度階級の標準値は,次による。

5P

及び

10P

12.3

保護用変流器の誤差の限度

  定格周波数の定格負担の下で,定格一次電流における電流誤差及び位

相角と定格誤差限度一次電流におけるコンポジット誤差は,

附属書 表 14

の値を超えてはならない。

電流誤差及び位相角の確認試験を行う場合,負担は力率

0.8

遅れ電流とする。ただし,負担が

5VA

次の

場合には,力率

1

としてもよい。

コンポジット誤差の確認を行う場合,負担は力率

0.8

と力率

1

の間の,製造業者が決めた値とする。

附属書 表 14  保護用変流器の誤差の限度

位相角

定格一次電流に対する値

確度階級

電流誤差

定格一次電流に対する値

%

分 c

rad

コンポジット誤差

定格誤差限度一次電流に対する値

%

5P

±1

±60

±1.8 5

10P

±3

− 10


36

C1731-1 : 1998

12.4

保護用変流器の電流誤差及び位相角に関する形式試験及び受入試験

  電流誤差及び位相角について,

12.3

の性能を確認する試験は,定格一次電流で行う。

12.5

コンポジット誤差の形式試験

a)

コンポジット誤差が

附属書 表 14

に示す誤差の限度を満足することを確認するため,

製造業者が選択

した,力率

0.8

遅れ電流と力率

1

の間の,定格負担に等しい大きさの負担を接続し,定格誤差限度一

次電流に等しい正弦波電流を一次巻線に流す直接試験を実施する(

附属書 1A

を参照)

試験は,幾何学的相互配置が同一の,低減絶縁した類似の変流器で実施してもよい。

備考

定格一次電流が大きく,棒形一次巻線をもつ変流器については,一次側の帰り導体と変流器と

の距離が使用状態を再現するように考慮することが望ましい。

b)

実質的に連続した環状鉄心と均等に分布巻された二次巻線をもち,中心に配置した一次導体又は均等

に分布巻した一次巻線をもつ変流器については,一次側の帰り導体の影響を無視できるなら,直接試

験に代えて次の間接試験とすることができる。

一次巻線を開放して,二次巻線に,定格周波数の二次制限起電力に等しい正弦波電圧を印加する。

測定された励磁電流の,定格二次電流と誤差限度係数との積に対する百分率表示した値が,

附属書 1

表 14

のコンポジット誤差の限度を超えてはならない。

備考1.

二次制限起電力を計算する場合,二次巻線のインピーダンスは室温で測定された二次巻線抵

抗値に等しいと仮定し,これを

75

℃に換算して使用することが望ましい。

2.

間接試験法によってコンポジット誤差を決定する場合,巻数比と定格変流比の違いを考慮す

る必要はない。

12.6

コンポジット誤差の受入試験

12.5

b)

に該当する変流器はすべて,受入試験と形式試験が同一と

なる。

12.5

b)

に該当しない変流器については,励磁電流を測定する間接試験法を用いてもよいが,結果を補

正する。この補正係数は,当該変流器と同形式の変流器(

備考 2.

を参照)に実施した,直接試験と間接試

験の比較から得られる。ただし,誤差限度係数及び試験条件は同一とする。

このような場合には,試験成績書は利用できるように,製造業者が保管する。

備考1.

補正係数は,直接試験法から得られるコンポジット誤差の,間接試験法から得られる励磁電

(

4

)

に対する比に等しい。

2.

“同形式の変流器”とは,電流比に関係なくアンペア回数が同一で,幾何学的配置,磁性材

料及び二次巻線が同一であることを意味する。

(

4

)

  12.5b)

に規定の間接試験法から得られる,定格二次電流と誤差限度係数との積に対する百分

率で表された励磁電流。

12.7

保護用変流器の定格銘板の表示

  保護用変流器の定格銘板は,

10.2

に従い,必要な表示をしなけれ

ばならない。

定格誤差限度係数は,対応する定格出力と確度階級の後に表示する(

例 30VA

Class5P 10

備考

出力,確度階級及び誤差限度係数について数種類の組合せ性能をもつ変流器は,それらのすべ

てを表示できる。

例 (15VA

Class

0.5)

 (15VA

Class 0.5)

(30VA Class 1.0)

    又は

 (15VA

Class 1.0, ext.150%)

(30VA Class 5P 10)

 (15VA

Class 5P 20)


37

C1731-1 : 1998

説明図

ここに,

H

標高

 (m)

m

1

商用周波及び雷インパルス耐電圧の場合

m

0.75

開閉インパルス耐電圧の場合

附属書 図 1  標高の補正係数


38

C1731-1 : 1998

附属書 図 2  部分放電試験の回路

附属書 図 3  部分放電試験のその他の回路 


39

C1731-1 : 1998

附属書 図 4  部分放電試験の平衡試験回路例

附属書 図 5  部分放電測定の校正回路例


40

C1731-1 : 1998

附属書 1A(規定) 

保護用変流器 

A.1

ベクトル図

  変流器自身及び変流器の負担が電気的及び磁気的に直線成分だけからなり,さらに,

正弦波一次電流とした場合,すべての電流,電圧及び磁束が正弦波であるとすれば,

附属書 1A 図 A.1

示すベクトル図で表すことができる。

附属書 1A 図 A.1

において,

I

s

は二次電流を表す。それは,二次巻線及び負担のインピーダンスをとおし

て流れ,必要な誘起起電力

E

s

及び電圧ベクトルと直角な磁束

Φの大きさと向きを決める。

この磁束は,磁束と同位相の磁化成分

I

m

及び電圧と同位相の損失(又は有効)成分

I

a

をもつ励磁電流

I

e

によって構成されている。二次電流

I

s

及び励磁電流

I

e

のベクトル和は,巻数比(二次巻数と一次巻数の比)

で除した一次電流として表されるベクトル

I″

p

である。

このように,定格変流比に等しい巻数比をもつ変流器では,

I″

p

の長さに対する,ベクトル

I

s

I″

P

の長

さの差が

2.1.10

で定義された電流誤差であり,ベクトル

I

s

I″

p

の位相差

δが

2.1.11

の位相角である。

A.2

巻数調整

  巻数比が定格変流比と異なる(通常は少ない)とき,変流器は巻数調整をもつという。

したがって特性を評価する場合には,一次電流を巻数比で除した

I”

p

と一次電流を定格変流比で除した

I'

p

を区別する必要がある。

巻数調整がないことは

I'

p

I″

p

を意味する。巻数調整がある場合には,

I'

p

I″

p

と異なり,

I″

p

がベクトル

図に用いられ,

I'

p

は電流誤差の決定に用いられることから,巻数調整は電流誤差に影響することが分かる

(ゆえに,その目的に用いてもよい。

。しかしながら,ベクトル

I'

p

及び

I″

p

は同じ向きをもつことから,

巻数調整は位相角には影響しない。

コンポジット誤差に対する巻数調整の影響は,電流誤差に対する影響より少ないことは明らかである。

A.3

誤差三角形

附属書 1A 図 A.1

の上部を拡大した

附属書 1A 図 A.2

において,位相角が小さいため,

二つのベクトル

I

s

及び

I″

p

が,実質,平行とみなせると仮定する。巻数調整がないと仮定すると,

I

e

I″

p

に投影することによって,よい近似で,電流誤差を得るために,

I

e

の同相成分

  (

I)

I″

p

I

s

の代数差の

代わりに用いることができ,同様に,

I

e

の直角相成分

  (

I

q

)

を位相角の表現に用いることができる。

与えられた仮定の下で,

I″

p

で除した励磁電流

I

e

は,

2.1.31

のコンポジット誤差に等しい。

このように巻数調整のない変流器については,ベクトル表現が正しい条件の下で,電流誤差,位相角及

びコンポジット誤差は,直角三角形を形成する。

この三角形において,コンポジット誤差を表す直角三角形の斜辺は,負担及び二次巻線からなる全負担

インピーダンスの大きさで決まり,電流誤差と位相角の割合は,全負担インピーダンス及び励磁電流の力

率によって決まる。これら二者の力率が等しい場合(

I

s

及び

I

e

が同相の場合)に,位相角は零になる。

A.4

コンポジット誤差

  コンポジット誤差の概念を適用する上で最も重要なことは,非線形状態が励磁

電流及び二次電流の中に高調波を発生させるため,正しいベクトル表現ができないことである(

附属書 1A

図 A.3

参照)


41

C1731-1 : 1998

コンポジット誤差が

2.1.31

のように定義され,

附属書 1A 図 A.2

に示す電流誤差及び位相角のベクトル

和のように,より簡単に定義できないのは,この理由による。

このように一般的には,コンポジット誤差は,一次側に存在しない高調波が二次巻線に存在するために

生じる理想変流器からの逸脱をも表す(この規格では,一次電流は常に正弦波と考える。

A.5

コンポジット誤差の直接試験

附属書 1A 図 A.4

1

1

の巻数比をもつ変流器を示す。それは正弦

波一次電流の電源に接続され,線形特性をもつ二次負担

Z

B

と一次電流及び二次電流の両方が互いに逆向き

に流れる電流計に接続されている。この方法によれば,電流計を流れる電流は,正弦波一次電流という一

般的な条件の下で励磁電流に等しく,一次電流の実効値に対するその励磁電流の実効値は,

2.1.31

による

コンポジット誤差で,その関係は百分率で表される。

附属書 1A 図 A.4

は,コンポジット誤差の直接測定の基本回路を示す。

附属書 1A 図 A.5

は,定格変流比が

1

以外の変流器のコンポジット誤差の直接測定の基本回路で,同じ

定格変流比をもつ二つの変流器を示す。変流器

N

は,一般的条件下(最小負担)でコンポジット誤差が無

視できるものとし,被試験変流器

X

には定格負担が接続されているものとする。

それらは,同じ電源から正弦波一次電流が供給され,電流計は二つの二次電流の差を測定するように接

続される。これらの状態で,電流計

A

1

の実効値電流に対する電流計

A

2

の実効値電流の割合は,変流器

X

のコンポジット誤差で,その関係は百分率で表される。

この方法では,使用条件下で,変流器

N

のコンポジット誤差が無視できる必要がある。変流器

N

が既知

のコンポジット誤差をもっている場合には,ひず(歪)み波形によってコンポジット誤差の特性が非常に

複雑になり,試験結果の補正に使用できないため,十分とはいえない。

A.6

コンポジット誤差直接測定のその他の方法

  コンポジット誤差の測定に,その他の方法を使用して

もよい。一例を

附属書 1A 図 A.6

に示す。

附属書 1A 図 A.5

に示した方法は,変流器

X

に等しい定格変流比をもち,定格誤差限度一次電流でコン

ポジット誤差が無視できる特別の照合用変流器

N

を必要としたが,

附属書 1A 図 A.6

に示す方法は,標準

照合用変流器

N

及び

N'

をそれらの定格一次電流付近で使用できるようにしている。これらの照合用変流器

のコンポジット誤差が無視できることについては,なお不可欠であるが,この要求を満足することは容易

である。

附属書 1A 図 A.6

において,

X

は被試験変流器,変流器

N

は,変流器

X

の定格誤差限度一次電流(試験

を行う電流)と同程度の大きさの定格一次電流をもつ標準照合用変流器であり,変流器

N'

は,変流器

X

定格誤差限度一次電流に相当する二次電流と同程度の大きさの定格一次電流をもつ,標準照合用変流器で

ある。

変流器

N'

は変流器

X

の負担

Z

B

の一部となる,それゆえ,負担

Z'

B

の値を決めるときに計算に入れる必要

があるということに注意しなければならない。

A

1

及び

A

2

は二つの電流計であり,

A

2

は変流器

N

及び変流

N'

の二次電流の差を測定するということに注意しなければならない。

変流器

N

の定格変流比が

K

n

,変流器

X

K

nx

及び変流器

N'

K'

n

とすると,定格変流比

K

n

K'

n

及び

K

nx

の積に等しくなければならない。

すなわち

K

n

K'

n

×

K

nx

これらの条件の下で,電流計

A

1

の電流に対する電流計

A

2

の電流の実効値の比は,変流器

X

のコンポジ

ット誤差であり,その関係は百分率で表される。


42

C1731-1 : 1998

備考  附属書 1A 図 A.5

及び

附属書 1A 図 A.6

に示した方法を用いるときは,

A

2

については低インピ

ーダンス電流計を使用しなければならない。これは,この電流計の電圧降下(

附属書 1A 図 A.6

の場合には,変流器

N'

の定格変流比分の

1

)が変流器

X

の負担電圧の一部分となり,この変流

器の負担を減少させるからである。同時に,この電流計の電圧降下は,変流器

N

の負担を増加

させる。

A.7

コンポジット誤差の利用

  コンポジット誤差の数値は,電流誤差及び位相角(後者はセンチラジア

ンで表す。

)のベクトル和より,必ず大きい。したがって,コンポジット誤差は,常に電流誤差又は位相角

のとりうる最大値を表す。

電流誤差は過電流継電器,位相角は位相検出継電器(例えば方向継電器)の動作に,特に重要である。

差動継電器の場合には,関連する変流器間のコンポジット誤差の組合せを考慮しなければならない。

コンポジット誤差限度のさらなる利点は,その結果,ある種の継電器の正確な動作に必要とする,二次

電流の高調波成分の含有率を制限することである。

附属書 1A 図 A.1

附属書 1A 図 A.2

附属書 1A 図 A.3

附属書 1A 図 A.4

附属書 1A 図 A.5

附属書 1A 図 A.6


43

C1731-1 : 1998

附属書 1B(参考) 

多重裁断波雷インパルス耐電圧試験 

この試験は,波頭付近で裁断された負極性のインパルスで行われる。

IEC 60061-1

に従って測定される電圧裁断の実質時間は,約

0.5

µ

秒とする。回路は,記録されたインパ

ルスの反対極性へのオーバシュートがピーク値の

50%

のオーダーになるように調整する。

電圧のピーク値は,定格雷インパルス耐電圧値の約

60%

とする。

破壊のこん跡を残すためには,少なくとも

100

回のインパルスを印加する必要がある。インパルス電圧

は,

1

分間当たりほぼ

1

回の割合で印加する。

試験前と試験終了

3

日後に,油入変流器の油中ガス分析を実施する。

結果を評価する基準は,生成されたガスの量と成分(重要なガスの量の割合)を基本とするが,現在の

ところ,数値はない。

H

2

及び

C

2

H

3

の量が比較的多い場合には,破壊を示す。

油サンプリングの手順は

IEC 60567

による。

分析の手順及び故障診断の基準は

IEC 60599

による。


44

C1731-1 : 1998

計器用変成器規格国際整合化委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

北  川  英  雄

日本電気計器検定所

(幹事)

小  山  仁  平

立命館大学

高  井      勉

株式会社日立製作所

中  邑  達  明

株式会社東芝

(委員)

吉  田      功

資源エネルギー庁

吉  村  大  輔

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

平  出  信  人

電気事業連合会

和  気  正  二

東京電力株式会社

三  石  拓  治

中部電力株式会社

湯  川  英  彦

関西電力株式会社

越  智  直  輝

三菱電機株式会社

伊  藤  敬  三

富士電機株式会社

深  掘  伸  次

日新電機株式会社

稲  橋      徹

大崎電気工業株式会社

山  内  欣  二

日本電機工業会(三菱電機株式会社)

太  田      勝

宇賀神電機株式会社

篠  原      茂

財団法人関東電気保安協会

浅  井      功

社団法人日本電気協会

(事務局)

志  摩  道  夫

社団法人日本電気協会

計器用変成器規格国際整合化委員会分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

北  川  英  雄

日本電気計器検定所

(幹事)

小  山  仁  平

立命館大学

高  井      勉

株式会社日立製作所

中  邑  達  明

株式会社東芝

(委員)

高  畑      亨

電気事業連合会

神  長  英  夫

東京電力株式会社

深  掘  伸  次

日新電機株式会社

山  内  欣  二

日本電機工業会(三菱電機株式会社)

浅  井      功

社団法人日本電気協会

(事務局)

志  摩  道  夫

社団法人日本電気協会