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C 1604

:2013

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  種類 

4

4.1

  抵抗素子の種類  

4

4.2

  測温抵抗体の種類  

5

5

  許容差  

5

5.1

  抵抗素子の許容差  

5

5.2

  測温抵抗体の許容差  

5

5.3

  特別な許容差クラスと許容差が適用される温度範囲  

7

5.4

  許容差判定  

7

6

  規準抵抗値  

8

7

  測定電流  

8

8

  使用温度範囲による区分  

9

9

  特性 

9

9.1

  抵抗素子の特性  

9

9.2

  測温抵抗体の特性  

9

10

  寸法  

10

10.1

  抵抗素子  

10

10.2

  測温抵抗体  

10

11

  測温抵抗体の構造及び材料  

11

11.1

  構造一般  

11

11.2

  内部導線の結線方式  

11

11.3

  導線接続  

12

11.4

  内部導線の材料  

12

11.5

  抵抗素子と内部導線との接合  

12

11.6

  内部導線の絶縁  

12

11.7

  内部導線の抵抗  

12

11.8

  保護管  

12

12

  外観  

13

13

  試験  

13

13.1

  試験状態  

13

13.2

  抵抗素子の試験  

13

13.3

  測温抵抗体の試験  

14


C 1604

:2013  目次

(2)

ページ

14

  検査  

16

14.1

  一般  

16

14.2

  抵抗素子の検査  

16

14.3

  測温抵抗体の検査  

16

15

  製品の呼び方  

17

16

  表示  

17

16.1

  測温抵抗体の表示  

17

16.2

  端子の表示  

17

17

  製造業者の情報提供  

17

17.1

  抵抗素子  

17

17.2

  測温抵抗体  

18

附属書 JA(参考)抵抗素子及び測温抵抗体の許容差判定における不確かさの算出例  

19

附属書 JB(参考)Pt100 の規準抵抗値  

25

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

28


C 1604

:2013

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

電気計測器工業会(JEMIMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工

業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工

業規格である。

これによって,JIS C 1604:1997 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

1604

:2013

測温抵抗体

Platinum resistance thermometers

序文 

この規格は,2008 年に第 2 版として発行された IEC 60751 を基に作成した日本工業規格であるが,対応

国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している。変更の一覧

表にその説明を付けて,

附属書 JC に示す。

適用範囲 

この規格は,温度測定に使用する白金測温抵抗体(以下,測温抵抗体という。

)及び測温抵抗体に組み込

まれ測温する白金抵抗素子(以下,抵抗素子という。

)について規定する。

注記 1  この規格における温度値は,1990 年国際温度目盛(ITS-90)に準拠する。

注記 2  セルシウス度の温度は,記号 で示される。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60751:2008

,Industrial platinum resistance thermometers and platinum temperature sensors

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7516

  金属製直尺

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

JIS Z 8704

  温度測定方法−電気的方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1

測温抵抗体(platinum resistance thermometer)


2

C 1604

:2013

抵抗素子,内部導線,絶縁物,保護管,端子などからなる白金測温体。ただし,分離できる保護管及び

サーモウエルは含まない。

注記  用語として,対応国際規格を翻訳した場合は,

“白金測温抵抗体”となるが,この規格では一般

的に,市場で長きにわたり普及している“測温抵抗体”を採用している。

3.2

シース測温抵抗体(metal sheathed resistance thermometer)

測温抵抗体で,柔軟性をもち,保護管と内部導線及び抵抗素子の間に絶縁物を充塡し,一体となった構

造に加工された白金測温体。

3.3

抵抗素子(platinum resistor)

絶縁体(多くの場合ガラス又はセラミック)に納められ,定義された電気特性をもつ白金線(巻線抵抗

素子)又は白金薄膜(薄膜抵抗素子)からなる素子。

3.4

内部導線(internal connecting wire)

抵抗素子と測温抵抗体の端子とを接続する導線。

3.5

絶縁物(insulation material)

内部導線の相互間及び保護管との短絡を防ぐための介在物。

3.6

保護管(protection tube)

抵抗素子及び内部導線が被測定物又は雰囲気からの影響を直接受けないように保護するために付ける管。

3.7

検出部(temperature sensitive length)

測温抵抗体のうち,測定対象と同じ温度になるべき部分。抵抗素子及びその近傍にある保護管の一部を

含む。

3.8

端子(terminals)

測温抵抗体の抵抗素子の温度による抵抗変化を導き出すために付けた金具又は内部導線の端部。

3.9

規準抵抗値(reference resistance)

測温抵抗体又は抵抗素子が指定された温度のとき,もつべき抵抗値。

注記  この抵抗値は,式(2)又は式(3)によって算出される。

3.10

測定電流(measuring current)

抵抗値測定のために抵抗素子に流す電流。

3.11

耐電圧(dielectric strength)

電気回路の全ての部品と測温抵抗体のシース間,又は複数の感温回路をもつ測温抵抗体の場合には,そ

れぞれの回路間にダメージを受けずに耐え得ることができる直流又は交流の最大電圧。


3

C 1604

:2013

3.12

絶縁抵抗(insulation resistance)

常温又は高温で,規定された測定電圧(交流又は直流)下での全ての電気回路と保護管間の電気抵抗値。

3.13

公称抵抗値(nominal resistance)

抵抗素子又は測温抵抗体の 0  ℃における名目上の抵抗値。

3.14

自己加熱(self-heating)

測定電流の消費電力によって引き起こされる,抵抗素子の温度上昇又は測温抵抗体中の抵抗素子の温度

上昇。

3.15

自己加熱係数(self-heating coefficient)

単位消費電力当たりの抵抗素子の温度上昇を表す係数。

注記  係数は,℃/mW で表す。

3.16

応答時間(thermal response time)

温度のステップ変化に対する規定された割合まで指示値が到達する時間。

3.17

熱電効果(thermoelectric effect)

測温抵抗体内の電流供給・電圧検出用の導線部分で,接続部に異種金属の介在及び材料の不均質が発生

し,この部分が温度勾配に置かれると熱起電力(EMF)が誘引され,誤差要因となる現象。

3.18

許容差(tolerance)

抵抗素子又は測温抵抗体の抵抗値から,その規準抵抗値を引いた値を温度換算した値としてこの規格が

要求する範囲。

3.19

ヒステリシス(hysteresis)

抵抗素子及び測温抵抗体が,昇温した場合と降温した場合で同じ温度に達しているにもかかわらず,異

なる値を示すこと。

3.20

不確かさ(uncertainty)

用いる情報に基づいて,測定対象量に帰属する量の値のばらつきを特徴付ける負でないパラメータ。

注記  パラメータは,例えば,標準測定不確かさと呼ばれる標準偏差(又はその指定倍量),又は区間

の幅の半分であり,表記された包含確率をもつ。

3.21

拡張不確かさ(expanded uncertainty)

合理的に測定量に結び付けられ得る値の分布の大部分を含むと期待される区間を定める量。

3.22

標準不確かさ(standard uncertainty)

標準偏差として表した測定不確かさ。


4

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3.23

合成標準不確かさ(combined standard uncertainty)

測定モデルの入力量に付随する個々の標準測定不確かさを用いて得られる標準測定不確かさ。

3.24

包含係数(coverage factor)

拡張不確かさを求めるために合成標準不確かさに乗じる数として用いられる数値係数。

3.25

管理幅(control band)

システムの健全性を維持するために使用者が自ら設定し,管理する範囲。

3.26

く(矩)形分布(rectangular distribution)

観測値がある区間で一様に広がっていることを仮定した確率分布。

3.27

プール値(pool values)

同じ測定条件下での長期の連続した測定から得られた蓄積データ,既存の情報,製造業者が提供する技

術情報などから算出された標準偏差。

3.28

不確かさバジェット表(uncertainty budget table)

測定不確かさ,その測定不確かさの成分,及び,それらの計算及び合成結果を表した一覧表。

注記  不確かさバジェットには,測定モデル,推定値と測定モデルの量に付随する測定不確かさ,共

分散,適用した確率密度関数のタイプ,自由度,測定不確かさの評価のタイプ及び包含係数を

含めることが望ましい。

3.29 

トレーサビリティ(traceability)

不確かさが全て表記された切れ目のない比較の連鎖によって,決められた基準に結び付けられ得る測定

結果又は標準の値の性質。基準は,通常,国家標準又は国際標準である。

種類 

4.1 

抵抗素子の種類 

抵抗素子の種類は,通常,

表 のとおりとする。

なお,公称抵抗値が,

表 以外の種類もある。

表 1−種類

記号

公称抵抗値  Ω

R

100

/R

0

Pt100 100

1.385

1

Pt500 500

1.385

1

Pt1000 1 000

1.385

1

注記 1  R

100

は,100  ℃における抵抗素子の抵抗値。

注記 2  R

0

は,0  ℃における抵抗素子の抵抗値。

抵抗素子の温度係数 α は,式(1)で定義する。


5

C 1604

:2013

ここに,R

100

は t=100  ℃における抵抗値,R

0

は t=0  ℃の抵抗値としたとき,α=3.851×10

3

  ℃

1

とな

る。

0

0

100

100

R

R

R

×

=

 ℃

α

  (1)

4.2 

測温抵抗体の種類 

測温抵抗体の種類は,用いる抵抗素子の種類と同じものとする。

許容差 

5.1 

抵抗素子の許容差 

抵抗素子の許容差は,

表 2

のとおりとする。許容差が適用される温度範囲が

表 2

の範囲と異なる場合に

は,その温度範囲を常に明記することにより,この規格を適用できる。

表 2

抵抗素子の許容差

巻線抵抗素子

薄膜抵抗素子

許容差

a)

許容差クラス

許容差が適用される

温度範囲  ℃

許容差クラス

許容差が適用される

温度範囲  ℃

W0.1

−100∼350 F0.1  0∼150

±(0.1  ℃+0.001 7|t|)

W0.15

−100∼450 F0.15

−30∼300

±(0.15  ℃+0.002 |t|)

W0.3

−196

b)

∼660 F0.3 −50∼500

±(0.3  ℃+0.005 |t|)

W0.6

−196

b)

∼660 F0.6 −50∼600

±(0.6  ℃+0.01 |t|)

a)

  |t|は,温度の絶対値(単位  ℃)。

b)

  −196  ℃の温度は,液体窒素の沸点近傍として選ばれた。

5.2 

測温抵抗体の許容差 

測温抵抗体の許容差の分類を

表 3

に示す。

許容差が適用される温度範囲が

表 3

の範囲と異なる場合には,

その温度範囲を常に明記することにより,この規格を適用できる。また,測温抵抗体の具体的な許容差と

適用される温度範囲を

表 4

及び

表 5

に示す。ただし,許容差クラス AA 及び A は,2 導線式の測温抵抗体

には適用しない。

表 3

測温抵抗体の許容差

許容差クラス

許容差が適用される温度範囲  ℃

許容差

a)

巻線抵抗素子

薄膜抵抗素子

AA

−50∼250 0∼150

±(0.1  ℃+0.001 7|t|)

A

−100∼450

−30∼300

±(0.15  ℃+0.002 |t|)

B

−196

b)

∼600

−50∼500

±(0.3  ℃+0.005 |t|)

C

−196

b)

∼600

−50∼600

±(0.6  ℃+0.01 |t|)

a)

  |t|は,温度の絶対値(単位  ℃)。

b)

  −196  ℃の温度は,液体窒素の沸点近傍として選ばれた。


6

C 1604

:2013

表 4

巻線による抵抗素子を用いた測温抵抗体の許容差値

測定温度

許容差クラス

測温抵抗体 AA

測温抵抗体 A

測温抵抗体 B

測温抵抗体 C

用いる抵抗素子

抵抗素子 W0.1

抵抗素子 W0.15

抵抗素子 W0.3

抵抗素子 W0.6

−196  ℃

±1.28  ℃

±0.55 Ω

±2.56  ℃

±1.10 Ω

−150  ℃

±1.05  ℃

±0.44 Ω

±2.10  ℃

±0.87 Ω

−100  ℃

±0.35  ℃

±0.14 Ω

±0.80  ℃

±0.32 Ω

±1.60  ℃

±0.65 Ω

−50  ℃

±0.19  ℃

±0.07 Ω

±0.25  ℃

±0.10 Ω

±0.55  ℃

±0.22 Ω

±1.10  ℃

±0.44 Ω

−30  ℃

±0.15  ℃

±0.06 Ω

±0.21  ℃

±0.08 Ω

±0.45  ℃

±0.18 Ω

±0.90  ℃

±0.35 Ω

0  ℃  ±0.10  ℃

±0.04 Ω

±0.15  ℃

±0.06 Ω

±0.30  ℃

±0.12 Ω

±0.60  ℃

±0.23 Ω

50  ℃  ±0.19  ℃

±0.07 Ω

±0.25  ℃

±0.10 Ω

±0.55  ℃

±0.21 Ω

±1.10  ℃

±0.42 Ω

100  ℃  ±0.27  ℃

±0.10 Ω

±0.35  ℃

±0.13 Ω

±0.80  ℃

±0.30 Ω

±1.60  ℃

±0.61 Ω

150  ℃  ±0.36  ℃

±0.13 Ω

±0.45  ℃

±0.17 Ω

±1.05  ℃

±0.39 Ω

±2.10  ℃

±0.78 Ω

200  ℃  ±0.44  ℃

±0.16 Ω

±0.55  ℃

±0.20 Ω

±1.30  ℃

±0.48 Ω

±2.60  ℃

±0.96 Ω

250  ℃  ±0.53  ℃

±0.19 Ω

±0.65  ℃

±0.24 Ω

±1.55  ℃

±0.56 Ω

±3.10  ℃

±1.12 Ω

300  ℃

±0.75  ℃

±0.27 Ω

±1.80  ℃

±0.64 Ω

±3.60  ℃

±1.28 Ω

350  ℃

±0.85  ℃

±0.30 Ω

±2.05  ℃

±0.72 Ω

±4.10  ℃

±1.44 Ω

400  ℃

±0.95  ℃

±0.33 Ω

±2.30  ℃

±0.79 Ω

±4.60  ℃

±1.58 Ω

450  ℃

±1.05  ℃

±0.36 Ω

±2.55  ℃

±0.86 Ω

±5.10  ℃

±1.73 Ω

500  ℃

±2.80  ℃

±0.93 Ω

±5.60  ℃

±1.86 Ω

550  ℃

±3.05  ℃

±1.00 Ω

±6.10  ℃

±1.99 Ω

600  ℃

±3.30  ℃

±1.06 Ω

±6.60  ℃

±2.12 Ω

注記  表中の抵抗値は,Pt100 の算出例を示す。

表 5

薄膜による抵抗素子を用いた測温抵抗体の許容差値

測定温度

許容差クラス

測温抵抗体 AA

測温抵抗体 A

測温抵抗体 B

測温抵抗体 C

用いる抵抗素子

抵抗素子 F0.1

抵抗素子 F0.15

抵抗素子 F0.3

抵抗素子 F0.6

−50  ℃

±0.55  ℃

±0.22 Ω

±1.10  ℃

±0.44 Ω

−30  ℃

±0.21  ℃

±0.08 Ω

±0.45  ℃

±0.18 Ω

±0.90  ℃

±0.35 Ω

0  ℃

±0.10  ℃

±0.04 Ω

±0.15  ℃

±0.06 Ω

±0.30  ℃

±0.12 Ω

±0.60  ℃

±0.23 Ω

50  ℃

±0.19  ℃

±0.07 Ω

±0.25  ℃

±0.10 Ω

±0.55  ℃

±0.21 Ω

±1.10  ℃

±0.42 Ω

100  ℃

±0.27  ℃

±0.10 Ω

±0.35  ℃

±0.13 Ω

±0.80  ℃

±0.30 Ω

±1.60  ℃

±0.61 Ω

150  ℃

±0.36  ℃

±0.13 Ω

±0.45  ℃

±0.17 Ω

±1.05  ℃

±0.39 Ω

±2.10  ℃

±0.78 Ω

200  ℃

±0.55  ℃

±0.20 Ω

±1.30  ℃

±0.48 Ω

±2.60  ℃

±0.96 Ω

250  ℃

±0.65  ℃

±0.24 Ω

±1.55  ℃

±0.56 Ω

±3.10  ℃

±1.12 Ω

300  ℃

±0.75  ℃

±0.27 Ω

±1.80  ℃

±0.64 Ω

±3.60  ℃

±1.28 Ω

350  ℃

±2.05  ℃

±0.72 Ω

±4.10  ℃

±1.44 Ω

400  ℃

±2.30  ℃

±0.79 Ω

±4.60  ℃

±1.58 Ω

450  ℃

±2.55  ℃

±0.86 Ω

±5.10  ℃

±1.73 Ω

500  ℃

±2.80  ℃

±0.93 Ω

±5.60  ℃

±1.86 Ω

550  ℃

±6.10  ℃

±1.99 Ω

600  ℃

±6.60  ℃

±2.12 Ω

注記  表中の抵抗値は,Pt100 の算出例を示す。


7

C 1604

:2013

5.3 

特別な許容差クラスと許容差が適用される温度範囲 

表 2

及び

表 3

に規定されていないものの扱いは,次による。

a)

表 2

及び

表 3

に規定されていない許容差クラス及び許容差が適用される温度範囲は,受渡当事者間で

協定し,決定する。

b)

表 2

及び

表 3

に規定されていない許容差クラスを設定する場合は,許容差クラス B の許容差の倍数又

は分数によって構成された数値にするのがよい。

c)

表 2

及び

表 3

に規定されていない温度範囲を設定する場合は,受渡当事者間で協定し,決定する。

d)

  温度範囲の指定のない許容差クラスは有効としない。

5.4 

許容差判定 

許容差の合否判定を製造業者が行うときは,規準抵抗値からの偏差を測定した結果に拡張不確かさ付き

の温度差を付し,その温度差全体が許容差幅の内側にある場合だけ合格となる。使用者が合否判定を行う

ときも,規準抵抗値からの偏差を測定した結果に拡張不確かさ付きの温度差を付し,その温度差全体が許

容差幅の外側にある場合だけ不合格となる。必要な場合は,測定系の構成及び不確かさ評価について受渡

当事者間で協定し,決定する。

なお,許容差の判定に当たっては,次の事項に留意する。

a)

  許容差を判定するときには,測定における不確かさを評価しておかなければならない。

各試験結果の不確かさは,拡張不確かさ(包含係数 k=2)で示されたものとする。

b)

  許容差を判定するときには,受渡当事者間で異なる条件で測定された場合,測定結果に差が生じる場

合がある。

特に,抵抗素子及び測温抵抗体の検出部を浸せき(漬)する媒体及び電流値が異なる場合に,自己加熱

の影響がある。また,周囲環境及び挿入長さが異なる場合に熱の流入による影響があるので,結果に差が

生じるため注意が必要となる。受渡当事者間で判定結果を比較する場合は,両者の測定条件を統一するな

どの対策を行うか,又は自己加熱量による差を補正する。必要な場合は,協定し,決定する。

図 1

は,各供試測温抵抗体及び供試抵抗素子の試験結果を拡張不確かさで表したものである。こ

の場合,製造業者が判定した結果,供試測温抵抗体及び供試抵抗素子 No.1 だけが合格となる。使

用者が判定した場合は,供試測温抵抗体及び供試抵抗素子 No.1∼No.3 は合格,No.4 だけが不合

格となる。不確かさは,受渡当事者の測定間で同一と仮定している。


8

C 1604

:2013

注記  許容差判定を目的として行われる試験において,考慮しなければならない不確かさ要因に関す

る指針を

附属書 JA に示す。

図 1

供試測温抵抗体及び供試抵抗素子に対する試験結果の例

規準抵抗値 

規準抵抗値は,次の式(2)又は式(3)によって求める。

−200  ℃∼0  ℃の範囲:R

t

R

0

[1+AtBt

2

C(t−100  ℃)t

3

]  (2)

0  ℃∼850  ℃の範囲:R

t

R

0

(1+AtBt

2

)  (3)

ここに,  A=3.908 3×10

3

  ℃

1

B=−5.775×10

7

  ℃

2

C=−4.183×10

12

  ℃

4

R

0

は,0  ℃における抵抗値,R

t

は,温度 における抵抗値を表す。

注記

  これらの関係式は,この規格の規準抵抗値を求めるもので,個別の測温抵抗体の係数を求め,

運用することを目的とするものではない。

例えば,参考として公称抵抗値が 100  Ω の抵抗素子の規準抵抗値を,

表 JB.1

に示す。公称抵抗値 R

0

500 Ω 又は 1 000 Ω の規準抵抗値は,R

0

/100 Ω を

表 JB.1

の規準抵抗値に乗じることによって求められる。

測定電流 

抵抗値を測定するときに抵抗素子又は測温抵抗体に流す測定電流は,直流又は 100 Hz 以下の交流電流と

する。製造業者が定めた測定条件下において,より高い周波数を用いてもよい。ただし,試験・検査に用

いる測定電流は,最大測定電流を超えないものとする。一般には,次の値を用いる。

0.5 mA,1 mA,2 mA

なお,最大測定電流は,自己加熱の大きさが定められた許容差クラスにおける許容差の 25 %を超えない

値とする。


9

C 1604

:2013

使用温度範囲による区分 

使用温度範囲による区分は,

表 6

による。ただし,使用温度範囲が表中の値と異なる場合は,明記しな

ければならない。

表 6

測温抵抗体の使用温度範囲による区分

記号

区分

使用温度範囲

L

低温用

−196  ℃∼100  ℃

N

常温用

−30  ℃∼200  ℃

M

中温用 0

℃∼350  ℃

H

高温用 0

℃∼600  ℃

a)

a)

  シース測温抵抗体は,500  ℃とする。

特性 

9.1 

抵抗素子の特性 

9.1.1 

温度に対する抵抗値の特性 

温度に対する抵抗値の特性は,

13.2.1.3

によって試験したとき,

5.4

で判定した結果が,

表 2

の範囲でな

ければならない。

9.1.2 

自己加熱 

自己加熱の大きさは,

13.2.1.4

によって試験したとき,

表 2

の許容差の 25 %を超えてはならない。

9.1.3 

上限温度での安定性 

許容差が適用される温度範囲の上限温度での安定性は,

13.2.1.5

によって試験したとき,0  ℃で差は,ク

ラス W0.1 及び F0.1 では±0.1  ℃,クラス W0.15 及び F0.15 では±0.15  ℃,クラス W0.3 及び F0.3 では±

0.3  ℃,クラス W0.6 及び F0.6 では±0.6  ℃の範囲でなければならない。

9.2 

測温抵抗体の特性 

9.2.1 

温度特性 

9.2.1.1 

温度に対する抵抗値の特性 

温度に対する抵抗値の特性は,

13.3.1.3

によって試験したとき,

5.4

で判定した結果が,

表 3

の範囲でな

ければならない。

9.2.1.2 

自己加熱 

自己加熱の大きさは,

13.3.1.4

によって試験したとき,

表 3

の許容差の 25 %を超えてはならない。

9.2.1.3 

上限温度での安定性 

使用温度範囲の上限温度での安定性は,

13.3.1.5

によって試験したとき,0  ℃での差は,クラス AA では

±0.1  ℃,クラス A では±0.15  ℃,クラス B では±0.3  ℃,クラス C では±0.6  ℃の範囲でなければなら

ない。

9.2.1.4 

温度サイクル 

温度サイクルは,

13.3.1.7

によって試験したとき,0  ℃での偏差は,クラス AA では±0.1  ℃,クラス A

では±0.15  ℃,クラス B では±0.3  ℃,クラス C では±0.6  ℃の範囲でなければならない。

9.2.1.5 

熱電効果 

熱電効果は,

13.3.1.8

によって試験したとき,

表 3

に示す許容差クラスにおける許容差を超えてはならな

い。


10

C 1604

:2013

9.2.1.6 

ヒステリシス 

ヒステリシスは,

13.3.1.9

によって試験したとき,

表 3

に示す許容差クラスにおける許容差を超えてはな

らない。

9.2.2 

電気的特性 

9.2.2.1 

絶縁抵抗 

絶縁抵抗は,

表 8

の外径で長さが 1 000 mm 以下のものについて,

13.3.1.6

又は

13.3.1.12

によって試験し

たとき,

表 7

の値以上でなければならない。

表 7

絶縁抵抗

試験温度  ℃

絶縁抵抗  MΩ

試験電圧 V

常温 100

100 又は 125

常温∼250 20

10 又は 25

251∼450 2 
451∼650

a)

 0.5

651∼850 0.2 

a)

  シース測温抵抗体には 500  ℃以上を適用しない。

9.2.2.2 

耐電圧 

耐電圧は,

13.3.1.13

によって試験したとき,これに耐えなければならない。

注記

  この項目は,厳しい環境条件下で使用する測温抵抗体に適用するものとして,その適用は受渡

当事者間の協定によって決定する。

9.2.3 

機械的特性 

9.2.3.1 

耐衝撃性 

耐衝撃性は,

13.3.1.14

によって試験したとき,箇条

12

を満足し,断線又は短絡がなく,かつ,常温での

絶縁抵抗が

9.2.2.1

を満たし,0  ℃での差が 0.1  ℃の範囲でなければならない。

注記

  この項目は,厳しい環境条件下で使用する測温抵抗体に適用するものとして,その適用は受渡

当事者間の協定によって決定する。

9.2.3.2 

耐振動性 

耐振動性は,

13.3.1.15

によって試験したとき,箇条

12

を満足し,断線又は短絡がなく,かつ,常温での

絶縁抵抗が

9.2.2.1

を満たし,0  ℃での差が 0.1  ℃の範囲でなければならない。

注記

  この項目は,厳しい環境条件下で使用する測温抵抗体に適用するものとして,その適用は受渡

当事者間の協定によって決定する。

10 

寸法 

10.1 

抵抗素子 

抵抗素子の寸法は,受渡当事者間の協定による。

10.2 

測温抵抗体 

測温抵抗体の寸法は,通常,

表 8

及び

図 2

による。


11

C 1604

:2013

表 8

寸法

単位  mm

外径

長さ

3±0.05 250,300,500,750,1 000 
3.2±0.05

a)

4.5±0.05 
4.8±0.05

a)

6±0.06 
6.4±0.06

a)

8±0.08

10±0.10 
12±0.12 
15±0.15

注記  1 000 mm を超える長さは,受渡当事者間の協定による。 

a)

  この系列は,できるだけ使用しない。

注記  は,シース測温抵抗体の曲げ不可能寸法。

図 2

外形

11 

測温抵抗体の構造及び材料 

11.1 

構造一般 

測温抵抗体は,

それぞれ用途に適した構造のものでなければならない。

シース測温抵抗体の構造一般は,

箇条

10

によるほか,

シース測温抵抗体の保護管部分の最小曲げ半径は,

保護管外径の 5 倍とする。

ただし,

保護管の先端には抵抗素子が内蔵されているので曲げられない。曲げ不可能部の寸法(l)は 100 mm とす

る。

11.2 

内部導線の結線方式 

内部導線は,

JIS Z 8704

の測温抵抗体の結線方式によって,次による。

a)

  導線形式は,次のいずれかとする。

2 導線式,3 導線式,4 導線式

b)

  2 導線式は,抵抗素子の両端にそれぞれ 1 本の導線を接続した形式とする(

図 3

参照)

c)

  3 導線式は,抵抗素子の一端に 2 本,他端に 1 本の導線を接続し,導線抵抗の影響を除くことができ


12

C 1604

:2013

るようにした形式とする(

図 3

参照)

。この場合の導線は,材質,線径,長さ及び電気抵抗が等しく,

かつ,全長にわたって同じ温度分布になるように並べなければならない。

d)

  4 導線式は,抵抗素子の両端にそれぞれ 2 本の導線を接続し,導線抵抗の影響を除くことができるよ

うにした形式とする(

図 3

参照)

11.3 

導線接続 

許容差クラスが AA 及び A の測温抵抗体は,全て 3 導線式又は 4 導線式とする。測温抵抗体は,1 本又

は 2 本の抵抗素子で,様々な内部導線接続方式で構成される。端子の識別は,

図 3

に示す A,B の記号又

は色識別を用いる。

2 導線式

3 導線式

4 導線式

1 抵 抗
素子

2 導線式

3 導線式

4 導線式

2 抵 抗
素子

注記  識別色の黒(灰)は,黒又は灰のいずれかを指す。

図 3

導線接続による端子の識別

11.4 

内部導線の材料 

内部導線の材料は,良質で,加熱による局部的な熱起電力の発生,蒸発,酸化などによって測温に支障

を生じないものでなければならない。

11.5 

抵抗素子と内部導線との接合 

抵抗素子と内部導線とは,確実に接合されていなければならない。

11.6 

内部導線の絶縁 

内部導線の絶縁には,使用温度に対して十分な耐熱性,耐寒性及び絶縁性をもち,かつ,内部導線を汚

損しないような絶縁管,無機絶縁物又は導体被覆材を用いていなければならない。

11.7 

内部導線の抵抗 

内部導線の抵抗は,1 線につき常温で 0.5 Ω/m 以下でなければならない。ただし,保護管の外径が 4.5 mm

以下の場合は,この限りでない。

11.8 

保護管 

保護管は,抵抗素子及び内部導線が,被測定物又は雰囲気によって侵されないように気密で十分な耐熱

性,耐寒性及び耐久性をもち,かつ,その内部に湿気が入らないような構造のものでなければならない。


13

C 1604

:2013

12 

外観 

変形及び有害なきずがあってはならない。

13 

試験 

13.1 

試験状態 

試験は,特に指定がない限り,

JIS Z 8703

に規定する温度 20  ℃±15  ℃,湿度(65±20) %の状態で行う。

13.2 

抵抗素子の試験 

13.2.1 

試験方法 

13.2.1.1 

外観 

外観は,目視などで調べる。

13.2.1.2 

寸法 

寸法は,受渡当事者間の協定による。

13.2.1.3 

温度に対する抵抗値の特性 

温度に対する抵抗値の特性試験は,供試抵抗素子を

表 9

に示す試験温度に保たれた装置に十分深く挿入

して,そのときの抵抗値を測定した際,試験温度を式(2)又は式(3)によって抵抗値に換算した値との差を求

め,その抵抗値の差を温度に換算する。

試験時に用いる測定システムは,許容差及び合否判定に必要な性能及び不確かさが評価された機器によ

って構成される計測系を用い,トレーサビリティが確保されたものを用いる。

試験の具体的な方法は,次の定点法又は比較法による。

a)

定点法

  定点法は,あらかじめ上位標準によって値付けされた定点実現装置を用い,状態を良好にし

て供試抵抗素子を挿入して行う。

b)

比較法

  比較法は,温度分布及び時間的な安定性が良好な装置(液槽が望ましい。

)の中に,標準温度

計と供試抵抗素子とを互いに接近させて挿入して行う。

表 9

抵抗素子の試験温度

許容差クラス

受渡試験

形式試験

抵抗素子 W0.1,W0.15

F0.1,F0.15

−5  ℃∼30  ℃の 1 点

a)

及び 100  ℃近傍

0  ℃, 
上限温度, 
下 限 温 度 の
3 点

W0.3,W0.6 
F0.3,F0.6

−5  ℃∼30  ℃の 1 点

a)

a)

 0 ℃が望ましい。

13.2.1.4 

自己加熱 

供試抵抗素子を次の条件を保つ流体中に保持し,

最大測定電流及び 0.5 mA の二通りの電流から自己加熱

及び自己加熱係数を求める。

a)

  流体の設定温度値:0  ℃以上 30  ℃以下の一定の温度

b)

  媒体の種類と流速:液体の場合は,0.2 m/s 以上,空気の場合は 3±0.3 m/s

13.2.1.5 

上限温度での安定性 

供試抵抗素子を空気中で許容差の有効温度範囲の上限温度に 1 000 時間放置し,試験前後での 0  ℃にお

ける抵抗値を測定し,差を温度に換算する。


14

C 1604

:2013

13.3 

測温抵抗体の試験 

13.3.1 

試験方法 

13.3.1.1 

外観 

外観は,目視などで調べる。ただし,シース先端の封止溶接部の健全性を確認するため,該当箇所を水

中に浸せき(漬)し,絶縁抵抗を

13.3.1.12

で試験したとき,

9.2.2.1

を満たさなければならない。

13.3.1.2 

寸法 

寸法は,外径を

JIS B 7507

に規定するノギス又は

JIS B 7502

に規定するマイクロメータで,長さを

JIS B 

7516

で規定する直尺,又はこれと同等以上の精度をもつ測定具で測定する。

13.3.1.3 

温度に対する抵抗値の特性 

温度に対する抵抗値の特性試験は,

供試測温抵抗体を

表 10

に示す試験温度に保たれた装置に十分深く挿

入して,そのときの抵抗値を測定した際,試験温度を式(2)又は式(3)によって抵抗値に換算した値との差を

求め,その抵抗値の差を温度に換算する。

試験時に用いる測定システムは,許容差及び合否判定に必要な性能と不確かさが評価された機器によっ

て構成される計測系を用い,トレーサビリティが確保されたものを用いる。

試験の具体的な方法は,次の定点法又は比較法による。

a)

定点法

  定点法は,あらかじめ上位標準によって値付けされた定点実現装置を用い,状態を良好にし

て供試測温抵抗体を挿入して行う。

b)

比較法

  比較法は,温度分布及び時間的な安定性が良好な装置(液槽が望ましい。

)の中に,標準温度

計と供試測温抵抗体の検出部とを互いに接近させて挿入して行う。

表 10

測温抵抗体の試験温度

許容差クラス

受渡試験

形式試験

測温抵抗体 AA,A

−5  ℃∼30  ℃の 1 点

a)

 0

a)

 0 ℃が望ましい。

13.3.1.4 

自己加熱 

供試測温抵抗体を次の条件を保つ流体中に保持し,

最大測定電流及び 0.5 mA の二通りの電流から自己加

熱及び自己加熱係数を求める。

a)

  流体の設定温度値:0  ℃以上 30  ℃以下の一定の温度

b)

  媒体の種類と流速:液体の場合は,0.2 m/s 以上,空気の場合は 3±0.3 m/s

13.3.1.5 

上限温度での安定性 

供試測温抵抗体の検出部を使用温度範囲の上限温度で 672 時間(4 週間)以上放置し,試験前後で 0  ℃

における抵抗値を測定し,差を温度に換算する。

13.3.1.6 

上限温度での絶縁抵抗 

供試測温抵抗体が

表 8

の外径で長さが 1 000 mm 以下のものについて,最小挿入長さ以上を使用温度範

囲の上限温度にさらし,端子と保護管との間の絶縁抵抗を 10 V 又は 25 V の直流電圧で測定する。

13.3.1.7 

温度サイクル 

供試測温抵抗体の検出部を使用温度範囲の上限温度まで徐々に加熱した後,室温の大気にさらす。次に

使用温度範囲の下限温度まで徐々に温度を下げた後,室温の大気にさらす。

供試測温抵抗体は,いずれの限界温度でも検出部が平衡温度に達するまで試験温度を保持して,10 回繰

り返し,試験前後の 0  ℃における抵抗値の差を温度に換算する。


15

C 1604

:2013

13.3.1.8 

熱電効果 

供試測温抵抗体を使用温度範囲の上限温度まで加熱し,端子は周囲温度に保つ。供試測温抵抗体の挿入

長さは,熱起電力が最大となる位置とする。供試測温抵抗体に流す電流は直流の最大測定電流で,電流が

順方向と逆方向の場合で抵抗値を測定する。

順方向で測定した供試測温抵抗体の抵抗値と,逆方向で測定した供試測温抵抗体の抵抗値とを比較し,

その差を温度に換算する。

13.3.1.9 

ヒステリシス 

供試測温抵抗体の検出部を使用温度範囲の下限温度に暴露した後,使用温度範囲の中間温度で供試測温

抵抗体の抵抗値を測定する。供試測温抵抗体の検出部は,使用温度範囲の下限温度から中間温度へ連続的

に変化させ,中間温度を超えないようにする。その後,供試測温抵抗体の検出部を使用温度範囲の上限温

度に暴露して,再度,使用温度範囲の中間温度で抵抗値を測定する。供試測温抵抗体の検出部は,使用温

度範囲の上限温度から中間温度へ連続的に変化させ,中間温度未満に冷やしてはならない。

ただし,これらの加熱及び冷却の過程を 1 台の試験装置で実現できない場合は,過程の途中で試験装置

を換えてもよいが,

試験装置の移動の際に供試測温抵抗体の温度変化が中間温度を通過しないようにする。

上の試験方法で測定された前後二つの抵抗値の差を温度に換算する。

  −50  ℃∼250  ℃の適用温度範囲の測温抵抗体を低温用及び高温用の 2 台の試験装置で試験する

場合は,−50  ℃から暴露を開始し,昇温しながら測定を行う。低温用試験装置の使用上限で,極

力暴露温度の非連続性を抑えて,供試測温抵抗体を高温用試験装置に差し替えて,250  ℃まで昇

温しながら測定を継続する。降温過程も同様にする。

13.3.1.10 

最小挿入長さ 

供試測温抵抗体を 85  ℃以上の恒温液槽に挿入する。挿入長さは,

表 8

に規定する供試測温抵抗体の外

径の 20 倍以上とする。抵抗素子の抵抗値を測定しながら挿入長さを徐々に減少させて,0.1  ℃変化したと

きの挿入長さを測定する。

13.3.1.11 

応答時間 

供試測温抵抗体の検出部を第一の媒体中で平衡温度に保ち,瞬時に別の温度に保った第二の媒体中に入

れ指示温度を記録する。通常は,第一の媒体は空気である。第二の媒体は,ある流速をもった流体とし,

その流速は空気の場合は 3±0.3 m/s とし,液体の場合は 0.2 m/s 以上とする。このような条件で温度指示が

最終値の 50 %となる時間を測定する。

13.3.1.12 

常温における絶縁抵抗 

供試測温抵抗体が

表 8

の外径で長さが 1 000 mm 以下のものについて,常温における端子と保護管との

間の絶縁抵抗を 100 V 又は 125 V の直流電圧で測定する。

13.3.1.13 

耐電圧 

供試測温抵抗体の検出部を常温に保ち,端子と保護管との間に,周波数 50 Hz 又は 60 Hz の正弦波に近

い 500 V の交流電圧を 1 分間加えて試験する。

ただし,測温抵抗体に複数の回路がある場合,又は保護管外径 4.5 mm 以下のものは,各々の回路につ

いて試験電圧を 1/2 として同様の試験を行う。

13.3.1.14 

耐衝撃性 

供試測温抵抗体を横に持ち,固い床の上に置いた厚さ 6 mm の鉄板の上に,250 mm の高さから 10 回繰

り返し落下させ試験する。


16

C 1604

:2013

13.3.1.15 

耐振動性 

供試測温抵抗体を次の試験条件で試験を行う。また,試験は,可能な限り使用時と同じ固定方法で行う。

a)

  振動数 10∼150 Hz

b)

  加速度 10∼20 m/s

2

c)

  掃引時間  2 分

d)

  掃引回数 10 回

13.3.1.16 

静電容量 

供試測温抵抗体の端子とシース間で,周波数 1 kHz における静電容量の測定を行う。

なお,静電容量については,

14.3 c)

の追加検査を実施するときは測定データだけを示すこととする。

13.3.1.17 

インダクタンス 

供試測温抵抗体の周波数 1 kHz における,一つの抵抗素子を含む回路のインダクタンス測定を行う。複

数素子の場合は個別に行う。

なお,インダクタンスについては,

14.3 c)

の追加検査を実施するときは測定データだけを示すこととす

る。

14 

検査 

14.1 

一般 

検査は,箇条

13

の試験によって,次の形式検査,受渡検査及び追加検査を行い,箇条

9

,箇条

10

及び

箇条

12

の規定に適合しなければならない。

14.2 

抵抗素子の検査 

抵抗素子の検査項目は,次による。

a)

形式検査項目

1)

  外観

2)

  寸法

3)

  温度に対する抵抗値の特性

4)

  自己加熱

5)

  上限温度での安定性

b)

受渡検査

  受渡検査の一部の項目は,製造中に行ってもよい。

1)

  外観

2)

  温度に対する抵抗値の特性

14.3 

測温抵抗体の検査 

測温抵抗体の検査項目は,次による。

a)

形式検査項目

  形式検査の項目は,受渡当事者間の協定による。

1)

  外観

2)

  寸法

3)

  温度に対する抵抗値の特性

4)

  自己加熱

5)

  上限温度での安定性

6)

  上限温度での絶縁抵抗

7)

  温度サイクル


17

C 1604

:2013

8)

  熱電効果

9)

  ヒステリシス

10)

  最小挿入長さ

11)

  応答時間

12)

  常温における絶縁抵抗

b)

受渡検査項目

  受渡検査の一部の項目は,製造中に行ってもよい。

1)

  外観

2)

  寸法

3)

  温度に対する抵抗値の特性

4)

  常温における絶縁抵抗

c)

追加検査項目

  追加検査は,代表的サンプルに対して受渡当事者間の協定によって追加可能な次の項

目を行う。

1)

  耐電圧

2)

  耐衝撃性

3)

  耐振動性

4)

  静電容量

5)

  インダクタンス

15 

製品の呼び方 

測温抵抗体の呼び方は,名称,種類の記号,許容差クラス,測定電流,使用温度区分の記号又は使用温

度範囲,導線形式及び寸法(外径×長さ)から構成される。

  測温抵抗体 Pt100 クラス A  1 mA  H  3 導線式  6×500 mm

シース測温抵抗体 Pt100 クラス B  1 mA  M  3 導線式  6×500 mm

抵抗素子の呼び方は,製造業者に委ねるものとする。

16 

表示 

16.1 

測温抵抗体の表示 

測温抵抗体の表示は,次の事項を見やすいところに容易に消えない方法で表示する。

a)

  種類の記号,素子の数,許容差のクラス,測定電流及び使用温度区分の記号又は使用温度範囲

b)

  製造業者又はその略号

c)

  製造年月又はその略号

16.2 

端子の表示 

端子の表示は,端子色又は記号によって表示する。

17 

製造業者の情報提供 

17.1 

抵抗素子 

抵抗素子は,次による。

a)

  引き出し線

1)

  長さ

2)

  単位長さ当たりの抵抗値(Ω/m)


18

C 1604

:2013

3)

  温度係数

4)

  材質

b)

  この規格に指定された形式検査の結果

17.2 

測温抵抗体 

測温抵抗体は,次による。

a)

  検出部の長さ及び抵抗素子の位置

b)

  この規格に指定された形式検査の結果


19

C 1604

:2013

附属書 JA

(参考)

抵抗素子及び測温抵抗体の許容差判定における不確かさの算出例

JA.1 

一般 

この附属書は,

5.4

の許容差判定を目的として行われる温度に対する抵抗値試験において考慮しなければ

ならない不確かさの算出例を示す。

JA.2 

不確かさ算出の手順 

JA.2.1 

一般 

許容差判定に使用する不確かさ(拡張不確かさ)は,

JA.2.2

JA.2.6

の手順によって算出する。

なお,不確かさの評価方法の詳細は,

“計測における不確かさの表現ガイド(

ISO/IEC Guide 98-3

)/Guide

to the Expression of Uncertainty in Measurement (GUM)”を参照する。

JA.2.2 

測定方法の特定 

実際に試験を行うシステム及び対象品を特定し,測定方法を明確にする。

JA.2.3 

不確かさ要因の抽出 

特定した測定方法において,測定結果に対し影響を与える可能性がある要因を抽出する。詳細を

JA.3

に示す。

なお,不確かさの要因は,試験の手法によって異なる。

JA.2.4 

各要因に対する標準不確かさの算出 

抽出した各要因に対して,標準不確かさを算出するための例として,ここでは次の方法を示す。

a)

校正結果から標準不確かさを算出する方法の例

  試験に使用する測定器の校正結果に不確かさが表

記されている場合は,拡張不確かさを包含係数で除し,1 標準偏差相当の標準不確かさを算出する。

b)

管理幅から標準不確かさを算出する方法の例

  蓄積データ,既存の情報,製造業者が提供する技術情

報などを根拠に使用者が管理幅を設定する。この幅をく(矩)形分布の範囲と仮定した場合は,管理

幅の最大値と最小値との差の半分を

3

で除し,標準不確かさを算出する。

c)

実測データから標準不確かさを算出する方法の例

  あるデータから得られた結果を実験標準偏差の

式を用いて標準不確かさを算出する。

なお,実験標準偏差は,関数電卓,表計算ソフトウエアなどの機能を用いれば,簡単に算出するこ

とができる。

JA.2.5 

合成標準不確かさの算出 

各要因で求めた標準不確かさの全てを二乗和し,その平方根を算出する。

JA.2.6 

拡張不確かさの算出 

求めた合成標準不確かさに包含係数を乗じる。有効桁数に丸める場合は,四捨五入ではなく切り上げる

場合が多い。

JA.2.7 

不確かさ算出のための注意点 

不確かさ算出のための注意点を次に示す。

a)

試験を簡便に行うにはプール値を採用することが可能であり,その算出手法は複数から選択できる。

自身の蓄積したデータから求める場合は,極端に少ないサンプル数から不確かさを算出すると不確か


20

C 1604

:2013

さの過小評価の可能性があり,逆に多い場合は,評価するために多大な労力が必要となる。また,既

存の情報,技術情報などは,測定条件が異なれば適用できない場合がある。どの情報から不確かさを

算出するかは,採用するシステム,期待する不確かさ,評価を行う労力などから総合的に判断する必

要がある。

b)

不確かさの評価では使用するシステムにおいて,校正結果と表示値とに差が生じている場合は,その

差を補正することを前提とする。

c)

設定した管理幅を超える可能性が生じる又は超えた場合は,新たな管理幅を設定して標準不確かさを

算出する。

d)

不確かさの算出において,表計算ソフトなどを使用する場合は,算出過程における有効桁数の取扱い

によって,最終結果に影響を及ぼす場合があるため注意が必要である。

JA.3 

比較法を用いた 0  ℃における不確かさの算出方法例 

JA.3.1 

一般 

13.3.1.3 b)

の比較法を用いた

0

℃の試験における不確かさの算出例を示す。

JA.3.2 

この事例での注意点 

この事例での注意点を次に示す。

a)

不確かさの要因及び不確かさの大きさは,採用する測定システム及び測定方法によって異なる。ここ

で取り上げた不確かさ要因は,一例であり,全ての要因ではない。目標とする不確かさの大きさによ

っては,ここで取り上げた以外の不確かさ要因も影響する場合がある。

b)

標準器としてここの一例で示す指示計器付温度計は,校正機関で校正されたときの条件が維持されて

いることが前提である。特に,検出部を浸せき(漬)する媒体及び電流値が異なる場合に自己加熱の

影響で,周囲環境及び挿入長さが異なる場合は,熱流入の影響で,校正機関の結果と差が生じること

があるため,注意が必要となる。

c)

許容差を判定するときに,受渡当事者間で異なる条件で測定された場合,結果に差が生じる場合があ

る。

b)

と同様に,抵抗素子及び測温抵抗体の検出部を浸せき(漬)する媒体及び電流値が異なる場合

に自己加熱の影響がある。また,周囲環境及び挿入長さが異なる場合に熱の流入による影響があるの

で,結果に差が生じることがあるため,注意が必要となる。受渡当事者間で判定結果を比較する場合

は,両者の測定条件を統一するなどの対策を行うか,又は自己加熱量による差を補正する。必要な場

合は協定し,決定する。

JA.3.3 

測定システム例 

ここでは,温度液槽に“オイルバス”

,標準器測定システムに“指示計器付き温度計”

,試験対象品測定

システムに“電圧測定器+電流発生器+スキャナ”

,試験対象品に“測温抵抗体”を採用した場合の測定シ

ステム例を

図 JA.1

に示す。


21

C 1604

:2013

①  オイルバス 
②  指示計器付き温度計

③  電圧測定器

④  電流発生器 
⑤  スキャナ

⑥  測温抵抗体

図 JA.1

比較測定システム図

JA.3.4 

不確かさ要因の抽出 

採用したシステムの性能例及び抽出した不確かさ要因例を

表 JA.1

に示す。

表 JA.1

システム性能例及び不確かさ要因例

番号

システム

性能例

不確かさ要因例

参照箇条

オイルバス

・熱媒体:シリコーンオイル 
・0  ℃における安定性:±0.01  ℃

・測定位置間での温度差:0.01  ℃

安定性

JA.3.5 a) 1) 

温度分布

JA.3.5 a) 2) 

指 示 計 器 付

き温度計

・センサ:測温抵抗体

・校正の不確かさ:0.006  ℃(k=2)

・経年変化:1 年間の最大変化量 0.01  ℃ 
・表示分解能:0.001  ℃

校正の不確かさ

JA.3.5 b) 1) 

経年変化

JA.3.5 b) 2) 

分解能

JA.3.5 b) 3) 

電圧測定器

・測定レンジ:DC100 mV

・校正の不確かさ:0.002 mV(k=2)

・経年変化:1 年間の最大変化量 0.002 mV 
・表示分解能:0.001 mV

校正の不確かさ

JA.3.5 c) 1) 

経年変化

JA.3.5 c) 2) 

分解能

JA.3.5 c) 3) 

電流発生器

・測定電流:DC1 mA 
・校正の不確かさ:20 ppm(k=2)

・経年変化:1 年間の最大変化量 0.02 μA

・設定分解能:0.01 μA

校正の不確かさ

JA.3.5 c) 4) 

経年変化

JA.3.5 c) 5) 

分解能

JA.3.5 c) 6) 

スキャナ

・寄生熱起電力(カタログ値)

:1 μV 以下

寄生熱起電力

JA.3.5 c) 7) 

測温抵抗体

・公称抵抗値:100 Ωat0  ℃

・導線形式:3 導線式 
・導線抵抗のばらつき:最大 0.004 70 Ω

・0  ℃における抵抗値変化量:0.39 Ω/℃

安定性

JA.3.5 d) 1) 

導線抵抗

JA.3.5 d) 2) 

その他

ノイズなど

その他

JA.3.5 e) 

JA.3.5 

各不確かさ要因の標準不確かさ算出例 

a)

温度液槽に関する不確かさ

1)

オイルバスの安定性

  オイルバスの安定性±

0.01

℃を管理幅に定めたと仮定し,標準不確かさを,

次の式

(JA.1)

によって求める。


22

C 1604

:2013

8

005

.

0

3

2

1

)]

01

.

0

(

01

.

0

[

=

×

(

)  (JA.1)

注記

実測データから標準不確かさを算出してもよい。

2)

オイルバスの温度分布

  温度分布

0.01

℃を管理幅に定めたと仮定し,標準不確かさを次の式

(JA.2)

によって求める。

9

0.002

3

2

1

01

.

0

=

×

(

)  (JA.2)

注記

あらかじめ使用する空間を設定し,その空間で不確かさを算出してもよい。

b)

標準器測定システムに関する不確かさ

1)

指示計器付き温度計の校正の不確かさ

  校正の不確かさから標準不確かさを次の式

(JA.3)

によって

求める。

0.003

2

006

.

0

=

(℃)  (JA.3)

注記 1

  校正の不確かさは,校正中の安定性も含まれた不確かさとして解釈する。

注記 2

  校正の不確かさの大きさは,多くの場合,指示分解能に依存する。

2)

指示計器付き温度計の経年変化

  経年変化 0.01  ℃から管理幅を±0.01  ℃に定めたと仮定し,標準

不確かさを次の式(JA.4)によって求める。

[

]

8

0.005

3

2

1

)

01

.

0

(

01

.

0

=

×

(

)  (JA.4)

注記 1

データが蓄積されていない場合などは,カタログ値などから管理幅を設定すると求めや

すい。

注記 2

経年変化は,長期ドリフト,長期安定性などとも呼ばれる場合がある。

3)

指示計器付き温度計の分解能による不確かさ

  分解能

0.001

℃を管理幅に定めたと仮定し,標準不

確かさを次の式

(JA.5)

によって求める。

3

0.000

3

2

1

001

.

0

=

×

(

)  (JA.5)

c)

試験対象品測定システムに関する不確かさ

  次の項目について,温度に換算するときに,試験対象品

0

℃における抵抗値変化量

0.39 Ω/

℃を使用した。

1)

電圧測定器の校正の不確かさ

  校正の不確かさから標準不確かさを次の式

(JA.6)

によって求める。

0.001

2

002

.

0

=

(mV)  (JA.6)

この値を抵抗値に変換すると

0.001 Ω

となり,さらに,これを温度に換算した

0.002 6

℃を電圧測

定器の校正の不確かさとする。

2)

電圧測定器の経年変化

  経年変化

0.002 mV

から管理幅を±

0.002 mV

に定めたと仮定し,標準不確

かさを次の式

(JA.7)

によって求める。


23

C 1604

:2013

[

]

15

0.001

3

2

1

)

002

.

0

(

002

.

0

=

×

(mV)  (JA.7)

この値を温度に換算した

0.002 9

℃を電圧測定器の経年変化による標準不確かさとする。

3)

電圧測定器の分解能による不確かさ

  分解能

0.001 mV

を管理幅に定めたと仮定し,

標準不確かさを

次の式

(JA.8)

によって求める。

29

0.000

3

2

1

001

.

0

=

×

(mV)  (JA.8)

この値を温度に換算した

0.000 7

℃を電圧測定器の分解能による標準不確かさとする。

4)

電流発生器の校正の不確かさ

  校正の不確かさから標準不確かさを次の式

(JA.9)

によって求める。

01

0.000

2

000

000

1

20

1

=

×

(mA)  (JA.9)

この値を抵抗値に変換すると

0.001 Ω

となり,さらに,これを温度に換算した

0.002 6

℃を電流発

生器の校正の不確かさとする。

5)

電流発生器の経年変化

  経年変化

0.02 μA

から管理幅を±

0.02 μA

に定めたと仮定し,標準不確かさ

を次の式

(JA.10)

によって求める。

[

]

5

0.011

3

2

1

)

02

.

0

(

02

.

0

=

×

(μA)  (JA.10)

この値を温度に換算した

0.002 9

℃を電流発生器の経年変化による標準不確かさとする。

6)

電流発生器の分解能による不確かさ

  分解能

0.01  μA

を管理幅に定めたと仮定し,標準不確かさを

次の式

(JA.11)

によって求める。

9

0.002

3

2

1

01

.

0

=

×

(μA)   (JA.11)

この値を温度に換算した

0.000 7

℃を電流発生器の分解能による標準不確かさとする。

7)

スキャナの寄生熱起電力

  カタログ値の

1  μV

を管理幅に定めたと仮定し,標準不確かさを次の式

(JA.12)

によって求める。

29

0.000

3

2

1

001

.

0

=

×

(mV)   (JA.12)

この値を温度に換算した

0.000 7

℃をスキャナの寄生熱起電力による標準不確かさとする。

注記

実際に測定を行い,評価してもよい。

d)

試験対象品に関する不確かさ

1)

測温抵抗体の安定性による標準不確かさ

  事前に評価し,

0.010 0

℃のプール値が得られた。

注記 1

測定システムによる自己加熱量のばらつきも含まれた標準不確かさとする。

注記 2

試験対象品の安定性は,測定中のドリフト,再現性,繰返し性などとも呼ばれる場合が

ある。


24

C 1604

:2013

2)

測温抵抗体の導線抵抗のばらつきによる標準不確かさ(導線式だけ適用)

この測定システムでは,

3

導線式の場合,導線抵抗のばらつきが結果に影響を与える。事前に評価し,導線抵抗値差の最大

値が

0.004 70 Ω

であった。

この値を管理幅に定めたと仮定し,

プール値を算出する

[式

(JA.13)

参照]

36

0.001

3

2

1

70

004

.

0

=

×

(Ω)   (JA.13)

この値を温度に換算した

0.003 5

℃を導線抵抗による標準不確かさとする。

注記 1  11.3

図 3

に示す

B

B

とを入れ替えて抵抗値差を測定する方法もある。

注記 2  2

導線式の場合も考慮する必要があるが,

4

導線式の場合は,導線抵抗による影響を除去

できる。

e)

その他

  測定システムの電源変動,周囲環境の影響などの原因によるノイズが発生し,試験結果に影

響を及ぼす場合は,別途評価し,加算する。ここでは,不確かさとして十分小さいと仮定し無視する。

JA.3.6 

不確かさバジェット表の例 

各不確かさ要因をまとめた不確かさバジェット表の例を

表 JA.2

に示す。

表 JA.2

不確かさバジェット表の例

分類

システム

不確かさ要因

標準不確かさ

温度液槽

①  オイルバス

安定性 0.005

8

温度分布 0.002

9

標準器測定システム

②  指示計器付き温度計

校正の不確かさ 0.003

経年変化 0.005

8

分解能 0.000

3

試験対象品測定システム  ③  電圧測定器

校正の不確かさ 0.002

6

経年変化 0.002

9

分解能 0.000

7

④  電流発生器

校正の不確かさ 0.002

6

経年変化 0.002

9

分解能 0.000

7

⑤  スキャナ

寄生熱起電力 0.000

7

試験対象品

⑥  測温抵抗体

安定性 0.010

0

導線抵抗 0.003

5

その他

ノイズなど

その他 0.000

0

合成標準不確かさ 0.015

1

拡張不確かさ(k=2) 0.031

各要因で求めた標準不確かさから,

0.015 1

℃の合成標準不確かさを求め,更に包含係数

2

を乗じ,ここ

では有効桁数を

2

桁に切り上げた

0.031

℃の拡張不確かさを求めた。この不確かさを許容差判定に用いる

場合は,試験対象品の試験結果に対して,±

0.031

℃の温度幅を与え判定する。


25

C 1604

:2013

附属書 JB

(参考)

Pt100

の規準抵抗値

表 JB.1

Pt100

の規準抵抗値


26

C 1604

:2013

表 JB.1

Pt100

の規準抵抗値(続き)


27

C 1604

:2013

表 JB.1

Pt100

の規準抵抗値(続き)


28

C 1604

:2013

附属書 JC

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 1604:2013

  測温抵抗体 IEC 

60751:2008

  Industrial platinum resistance thermometers and platinum temperature

sensors 

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

温度測定に使用する白

金測温抵抗体及び測温
抵抗体に組み込まれ測

温する白金抵抗素子に

ついて規定する。

 1 電気抵抗を温度として

定義する工業用白金抵
抗温度センサ,工業用白

金抵抗温度計の要求事

項,及び温度/抵抗の関
係を規定する。

変更

抵抗素子の温度係数 α を,JIS 

は箇条 4(種類)に規定した。 
技術的差異は特にない。

JIS

の様式に合わせるために別の項目

に移動させた。 
今後の対応は不要。

2  引用規格

3  用語及び
定義

3.1  測温抵抗体 
∼ 
3.29  トレーサビリティ

 3

3.1∼
3.14

用語及び定義を規定し

ている。

追加

IEC

規格に規定されない用語と

して,内部導線,不確かさ関連用

語などを追加している。 
技術的な差異はない。

従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。

4  種類

種類及び記号を規定し

ている。

 4.2

表 1 における温度と抵

抗値の関係が適用でき

る種類(100 Ω,10 Ω,
500 Ω,1 000 Ω)を規定
している。

追加

JIS

では,表 1(種類)として,

一般的に使用される抵抗素子・測

温抵抗体の種類を記載した。技術
的な差異はない。使用者の理解を

助けるためのものである。

抵抗素子の温度係数 α を定義し
た。

従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。 
 
 
 
温度係数 α については,抵抗素子の特
性を表す際に国内では一般的に使用さ

れているため,定義として導入してい

る。

28

C

 160

4


2

013


29

C 1604

:2013

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

5  許容差 5.1

抵抗素子の許容差

5.2  測温抵抗体の許容

 5.1

抵抗素子・測温抵抗体の

許容差を規定している。

追加

表 4(巻線による抵抗素子を用い

た測温抵抗体の許容差値)

,表 5

(薄膜による抵抗素子を用いた

測温抵抗体の許容差値)を記載し

た。 
使用者の理解を助けるためのも

のである。技術的差異はない。

従来 JIS にある項目であるため残した。 
 
 
 
 
追加の項目なので今後の対応は不要。

 5.4

許容差判定

6.2.1
6.3.4

許容差の合否判定基準

を規定している。

変更

IEC

規格に整合させたが,分か

りやすい記述にした。

技術的差異

はない。

不確かさ算出例として附属書 JA

(参考)を追加した。

6  規準抵抗

規準抵抗値を式によっ
て算出する。

 4.1

規準抵抗値を式によっ
て算出する。また,表 1

で記載されている。

変更

基準抵抗値の表を附属書 JB とし
た。

技術的差異はない。

7  測定電流

試験・検査に用いる測

定電流について規定し
た。

 5.2

抵抗素子への測定電流

は,6.4.3 に定める条件
下で,温度計の自己加熱

が定められた許容差ク

ラスにおける許容差値
の 25 %を超えない値に

制限する。測定電流は通

常,100 Ω の巻線抵抗で
は 1 mA を超えない。

変更

最大測定電流の考え方を採用し,

技術的差異はない。

IEC

規格に記載されている“巻

き線抵抗素子では通常 1 mA を超

えない”は妥当性に欠けると判断
したため,

“一般的には次の値を

用いる。0.5 mA,1 mA,2 mA”

とした。

従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。

8  使用温度
範囲による

区分

表 6(測温抵抗体の使

用 温 度 範 囲 に よ る 区

分)

追加

表 6 は,JIS 独自のものである。 従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。

29

C

 160

4


2

013


30

C 1604

:2013

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

9  特性

抵抗素子,測温抵抗体

の各試験の判定基準を
規定をしている。

追加

判定基準を記載している。

IEC

規格は要求事項に試験方法・判定

基準が併記されているが,判定基準と
して独立した項目がない。

IEC

規格は特性について規定しており

製品規格ではない。これに対して JIS
は製品規格という側面をもっている。

この性格の違いからくる規格本文の相

違である。

10  寸法

抵抗素子,測温抵抗体
の寸法について規定し

ている。

追加

従来 JIS には,規定をしている項
目である。

従来 JIS にある項目であるため残した。 
追加の項目なので今後の対応は不要。

11  測 温 抵
抗体の構造
及び材料

11.1  構造一般

追加

従来 JIS には,規定をしている項

目である。

従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。

 11.2 内 部 導 線 の 結 線

方式 
11.3  導線接続

 5.4

内部導線の結線方式に

ついて規定している。

変更

JIS

では,詳細に規定した。

識別以外に B,A による記号の表

示も可とした。 
技術的差異はない。

将来,記号による表示も可とするよう

IEC

に提案する。

 11.4

内部導線の材料

追加

従来 JIS には,規定をしている項

目である。

従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。

 11.5 抵 抗 素 子 と 内 部

導線との接合

追加

 11.6

内部導線の絶縁

追加

 11.7

内部導線の抵抗

追加

 11.8

保護管

追加

12  外観

追加

従来 JIS にある外観上の欠陥が

ないことを規定している。

従来 JIS にある項目であるため残した。

追加の項目なので今後の対応は不要。

30

C

 160

4


2

013


31

C 1604

:2013

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

13  試験

追加

具体的な試験方法を記載してい

る。

IEC

規格は要求事項へ試験方法が併記

されているが,試験方法として独立し
た項目がない。

IEC

規格は特性について規定しており

製品規格ではない。これに対して JIS
は製品規格という側面をもっている。

この性格の違いからくる規格本文の相

違である。

14  検査

追加

従来 JIS に規定のある形式検査
及び受渡検査をこの規格でも踏

襲し具体的に規定している。

IEC

規格には検査の項目がない。

IEC

規格は特性について規定しており

製品規格ではない。これに対して JIS

は製品規格という側面をもっている。
この性格の違いからくる規格本文の相

違である。形式検査及び受渡検査の項

目追加を IEC に提案する。

15  製 品 の
呼び方

追加

従来 JIS には,規定をしている項
目である。

従来 JIS にある項目であるため残した。 
追加の項目なので今後の対応は不要。

16  表示 16.1

測 温 抵 抗 体 の 表

 8 製品への表示方法,項目

を規定している。

追加

製造業者名などを追加している。

技術的差異はない。

16.2  端子の表示  5.4

端子の識別を色で表示

している。

追加

端子の識別を色又は記号で表示

している。

記号に関しては,IEC 規格では明記さ

れていない項目であるので,今後,IEC
に提案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60751:2008,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
は規定内容を削除している。 

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。

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