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C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 試験のための供試品 ·········································································································· 2 

4 適合性···························································································································· 3 

5 事前検査························································································································· 3 

6 電源······························································································································· 3 

7 環境条件························································································································· 4 

8 試験の一般要求事項 ·········································································································· 4 

9 音響校正器 ······················································································································ 4 

9.1 一般 ···························································································································· 4 

9.2 事前に確認する事項 ······································································································· 5 

9.3 試験に関する事項 ·········································································································· 5 

9.4 音響校正器の校正 ·········································································································· 5 

10 校正点検周波数における指示値 ························································································· 5 

11 自己雑音 ······················································································································· 5 

11.1 マイクロホン装着時の自己雑音 ······················································································· 5 

11.2 電気信号入力装置置換時の自己雑音 ················································································· 6 

12 周波数重み付け特性の音響信号による試験 ·········································································· 6 

13 周波数重み付け特性の電気信号による試験 ·········································································· 8 

14 1 kHzでの周波数重み付け特性及び時間重み付け特性 ···························································· 9 

15 連続動作時の安定性 ········································································································ 9 

16 基準レベルレンジにおけるレベル直線性 ············································································· 9 

17 レベルレンジ切換器を含むレベル直線性 ············································································ 10 

18 トーンバースト応答 ······································································································· 10 

19 C特性ピークサウンドレベル ··························································································· 11 

20 過負荷指示 ··················································································································· 11 

21 高レベル入力に対する安定性 ··························································································· 12 

22 作成文書 ······················································································································ 12 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本騒音制御工学会(INCE/J)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 1509の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 1509-1 第1部:仕様 

JIS C 1509-2 第2部:型式評価試験 

JIS C 1509-3 第3部:定期試験 

  

日本工業規格          JIS 

C 1509-3:2019 

(IEC 61672-3:2013) 

電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)− 

第3部:定期試験 

Electroacoustics-Sound level meters-Part 3: Periodic tests 

序文 

この規格は,2013年に第2版として発行されたIEC 61672-3を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,クラス1又はクラス2の時間重み付けサウンドレベルメータ,積分平均サウンドレベルメ

ータ及び積分サウンドレベルメータの定期試験の手順について規定する。この規格の目的は,全ての試験

機関が一致した方法を用いて定期試験を行うことである。 

注記1 この規格は,特に規定がない場合,JIS C 1509-1:2017及びJIS C 1509-2:2018を参照する。 

注記2 JIS C 1509-1:2005の規定事項に適合するように設計したサウンドレベルメータの定期試験手

順は,IEC 61672-3:2006を用いる。 

定期試験の目的は,試験が行われた環境条件下で,限定された主要な試験項目についてサウンドレベル

メータの性能がJIS C 1509-1:2017の要求事項に適合していることをサウンドレベルメータの使用者に示

すことである。 

この規格は定期試験に必要な最小限の項目を規定する。 

この規格に規定する定期試験は,次に適用する。 

− 製造業者がJIS C 1509-1:2017の仕様に適合する旨を宣言しているサウンドレベルメータ 

− 型式評価に責を負う試験機関によってJIS C 1509-2:2018の試験手順に従って型式評価試験に合格し

たサウンドレベルメータ。ただし,合格していないサウンドレベルメータにも適用できる。 

定期試験の範囲及び試験項目の数が限定されているため,この規格に規定する全ての試験に合格しても,

型式評価試験に合格していることが示されていない場合には,サウンドレベルメータのJIS C 1509-1:2017

の要求事項に適合していると一般的に結論付けることはできない。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 61672-3:2013,Electroacoustics−Sound level meters−Part 3: Periodic tests(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 1508 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法 

注記 対応国際規格:IEC 61183,Electroacoustics−Random-incidence and diffuse-field calibration of 

sound level meters 

JIS C 1509-1:2017 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様 

注記 対応国際規格:IEC 61672-1:2013,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications 

JIS C 1509-2:2018 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第2部:型式評価試験 

注記 対応国際規格:IEC 61672-2:2013,Electroacoustics−Sound level meters−Part 2: Pattern 

evaluation tests 

JIS C 1515 電気音響−音響校正器 

注記 対応国際規格:IEC 60942,Electroacoustics−Sound calibrators 

IEC 61094-4,Measurement microphones−Part 4: Specifications for working standard microphones 

IEC 61094-6,Measurement microphones−Part 6: Electrostatic actuators for determination of frequency 

response 

IEC 62585,Electroacoustics−Methods to determine corrections to obtain the free-field response of a sound 

level meter 

ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in 

measurement (GUM:1995) 

ISO/IEC Guide 99,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated terms 

(VIM) 

試験のための供試品 

3.1 

サウンドレベルメータの定期試験を行うためには,サウンドレベルメータの形式及び版(バージョ

ン)に対応する取扱説明書を利用する必要がある。該当する取扱説明書がサウンドレベルメータとともに

提供されなかった場合で,試験機関に保管する書類として利用できず,サウンドレベルメータの製造業者

又は供給者のインターネットウェブサイト上でも閲覧できない場合には,定期試験を行わない。 

3.2 

取扱説明書の出典を定期試験の試験報告書に記載する。 

3.3 

供試品のサウンドレベルメータを定期試験のために必要となる全ての附属品とともに提供する。試

験機関から求められた場合には,取扱説明書に指定するマイクロホンからの信号及び等価な電気信号を入

力するための装置も提供する。 

3.4 

サウンドレベルメータの表記がJIS C 1509-1:2017の規定に適合していない場合又は適合しない表記

が認められる場合には,定期試験を行わない。製造番号及び形式の表記は,サウンドレベルメータ本体上

で視認できなければならない。 

3.5 

定期試験を行うために必要なデータを利用する。利用するデータの出典を試験機関の記録として残

す。データには,JIS C 1509-1:2017の箇条9(取扱説明書)及びIEC 62585に規定する情報の全てを含む。 

3.6 

音響校正器を利用し,試験を行う。サウンドレベルメータに用いる音響校正器は,使用者又は試験

機関が準備する。使用者が適切な音響校正器を提供する場合,試験機関はその校正器をサウンドレベルメ

ータの校正に用いる。使用者が適切な音響校正器を提供できない場合,試験機関が準備する。 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

適合性 

4.1 

JIS C 1509-1:2017の仕様に対する適合性は,設計目標からの測定偏差が適用可能な受容限度値を超

えず,かつ,該当する測定の不確かさがJIS C 1509-1:2017に95 %の包含確率で規定する不確かさの最大

許容値を超えていない場合に実証される。JIS C 1509-1:2017の附属書Cは,この規格の仕様に対する適合

性の評価例を示している。 

4.2 

定期試験を行う試験機関は,ISO/IEC Guide 98-3の指針に従って,全ての測定について,測定の不

確かさを求める。用語については,ISO/IEC Guide 99の定義に従う。実際の測定の不確かさは,95 %の包

含確率を用いて求める。特定の試験における測定の不確かさは,次の不確かさを考慮して求める。その他

の不確かさは,箇条7,箇条12及び箇条13を考慮して求める。 

− 音響校正器及び自由音場試験設備を含む,試験を実施するために用いる個々の試験装置の校正に起因

する不確かさ 

− 環境の影響又は補正に起因する不確かさ 

− 印加する信号に存在する小さな誤差に起因する不確かさ 

− 測定結果の再現性に関連する不確かさ。試験機関が1回だけ測定を行う場合,その試験機関は,総合

的な測定の不確かさへの偶然性による寄与を推定することになる。推定は,同種のサウンドレベルメ

ータの性能に対して過去に行われた数回の測定に基づいて求める。 

− 試験中の騒音計の表示装置の分解能に関する不確かさ。信号レベルを0.1 dBの分解能で指示するディ

ジタル表示装置の不確かさは,±0.05 dBの一様分布として考慮する。 

− 自由音場試験設備内にサウンドレベルメータを取り付ける装置に関する不確かさ 

− 理想的な自由音場と自由音場試験設備内の音場との違いによる偏差に関する不確かさ 

− 測定データに適用する各補正に関する不確かさ 

4.3 

試験機関が行う定期試験における実際の測定の不確かさが該当する測定の不確かさの最大許容値を

超える場合,この規格の要求事項への適合性を評価するためにその試験の結果を用いてはならない。 

4.4 

試験機関による実際の測定の不確かさは,JIS C 1509-1:2017の附属書Bに規定する測定の不確かさ

の最大許容値を超えてはならない。また,その不確かさに製造業者による自由音場又はランダム入射の補

正値に対する不確かさは含めない。ただし,製造業者の補正値に対する不確かさが提供されている場合,

製造業者の補正値が試験機関の不確かさの見積りとして重要であるときだけ,実際の測定の不確かさは不

確かさの最大許容値を超えてもよい。その場合,試験を行ってもよいが,定期試験の報告書には,試験結

果がJIS C 1509-1:2017の要求事項に適合していない理由を明記する。 

事前検査 

測定に先立ち,特にマイクロホンの振動膜及び保護グリッドの損傷又は異物の付着などに注意を払いな

がら,サウンドレベルメータ及び全ての附属品に対して目視検査を行う。操作部が正常に動作することを

確認する。操作部,表示部,その他の主要な部位が正常に動作しない場合には,定期試験を行わない。 

電源 

全ての試験で,サウンドレベルメータには,使用者によって推奨される方法又は他の適切な方法で電源

を供給する。音響信号又は電気信号それぞれの一連の試験を実施する前後に,取扱説明書に記載する方法

に従って,供試品のサウンドレベルメータに供給される電源電圧が,取扱説明書に指定する動作限界内に

あることを確認する。電圧が動作限界を逸脱しており,その原因が部分的に放電している電池の使用又は

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

誤った電圧の商用電源への接続でない場合には,故障と判断し,定期試験を行わない。 

注記 電源出力に対する変化は,バッテリの初期電圧の割合の変化として,又は同等の手順によって

判断することができる。 

環境条件 

7.1 

定期試験は,次の環境条件の範囲内で実施する。 

− 静圧:80 kPa〜105 kPa 

− 周囲温度:20 ℃〜26 ℃ 

− 相対湿度:25 %〜70 % 

7.2 

この規格に規定する定期試験を行う前後の静圧,周囲温度及び相対湿度を測定して記録する。 

7.3 

97 kPa未満の静圧で行われる周波数重み付け特性の定期試験において,サウンドレベルメータの形

式への影響に対して利用可能なデータがない限り,試験機関は3 kHz以下の周波数において測定の標準不

確かさとして0.09 dB,3 kHzより高い周波数において標準不確かさとして0.14 dBを用いる。 

注記 12.6に示す情報が利用できない場合には,これら二つの標準不確かさを用いる。これらは,バ

ックキャビティ内に最大のエアスティフネスをもつマイクロホンの形式に対して,周波数特性

に及ぼす静圧の影響が最大となる条件で,それぞれ0.15 dB及び0.25 dBの推定値から決定した

ものである。 

試験の一般要求事項 

8.1 

この箇条以降に規定する定期試験は,JIS C 1509-1:2017の中で性能を規定する機能のうち,試験に

提供されるサウンドレベルメータで利用できるものに限って適用する。該当する全ての機能について試験

を行う。 

8.2 

全ての定期試験において,サウンドレベルメータの構成は,附属品を含め規格に適合する旨を取扱

説明書に記載するノーマルモードのうち,使用者が指定するもので試験する。附属品の影響又はサウンド

レベルメータの他の構成の影響に対する相対周波数レスポンスの補正が,選択可能なサウンドレベルメー

タについては,使用するノーマルモードにおけるサウンドレベルメータの構成に対して,適切な設定条件

で試験する。この設定条件は,試験中は変更しない。 

8.3 

サウンドレベルメータに電気信号を印加する場合は,取扱説明書に指定する入力装置又は手段を用

いる。指定した周波数に対する入力信号の周波数の偏差は,±0.25 %を超えてはならない。 

8.4 

電気出力端子をもつサウンドレベルメータが,定期試験で電気出力端子を用いる場合,電気出力か

ら得られる指示値とサウンドレベルメータの表示装置上の指示値とが,JIS C 1509-1:2017の5.19.4に規定

する受容限度値内で一致していることを確認する。複数の出力端子をもち,取扱説明書に試験のための指

定がある場合,定期試験にはその出力を用いる。 

8.5 

試験機関は,適切に校正された機器を使用しなければならない。必要に応じて,国家標準へのトレ

ーサビリティをもって校正したものでなければならない。 

音響校正器 

9.1 

一般 

音響校正器は,取扱説明書に指定する形式,又はその形式と同じ公称音圧レベル及び公称周波数を発生

する音響校正器のいずれかとする。後者の場合,音響校正器でサウンドレベルメータを校正する場合に適

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

用する補正値は,サウンドレベルメータ又は音響校正器の製造業者から入手可能なデータを用いる。 

注記 サウンドレベルメータの取扱説明書に記載されていない音響校正器の補正値は,JIS C 

1509-2:2018に従って確認されていない可能性がある。 

9.2 

事前に確認する事項 

次の事項について,事前に確認しなければならない。 

− サウンドレベルメータのマイクロホンと音響校正器とを接続するために必要なアダプタが使用可能で

なければならない。 

− 音響校正器の取扱説明書も利用できなければならない。 

適切な音響校正器,必要なアダプタ及びその取扱説明書が利用できない場合,定期試験を行わない。 

9.3 

試験に関する事項 

サウンドレベルメータの定期試験では,JIS C 1515の適用可能なクラスに対する定期試験の要求事項に

適合する音響校正器を用いる。JIS C 1515に規定する方法によって,音圧レベル,周波数及び全ひずみに

ついて適合性が示されていなければならない。音響校正器のJIS C 1515の該当する要求事項への適合性は,

JIS C 1515に規定する手順に従って実施された定期試験の文書によって示してもよい。試験機関は,使用

者に対して音響校正器の校正を提案できる。 

9.4 

音響校正器の校正 

音響校正器の校正は,国家標準へのトレーサビリティをもって校正した装置で実施する。音響校正器の

校正には,サウンドレベルメータが備えるマイクロホン若しくはこれと等価なマイクロホン,又はサウン

ドレベルメータが備えるマイクロホンに対して適切な補正を行うことのできるマイクロホンを用いる。補

正値を用いる場合,音響校正器,マイクロホン又はサウンドレベルメータの製造業者が,定期試験のため

の文書に記載したデータを用いる。校正結果を示す音響校正器の校正証明書を,試験機関に提出する。 

10 

校正点検周波数における指示値 

10.1 

電気音響性能試験を実施する前に,校正点検周波数での指示値を箇条9による音響校正器を用いて

点検する。必要がある場合,周囲の環境条件下で求められる音圧レベルの指示値となるように調整する。

多チャンネルサウンドレベルメータシステムでは,試験を必要とするチャンネルの数だけ,指示値の点検

を行う。調整前及び調整後の指示値を記録する。調整値が音響校正器の特定のアダプタを指定する場合,

サウンドレベルメータを点検するときも同じアダプタを用いる。 

10.2 

周囲の環境条件が音響校正器の発生する音圧レベルに与える影響は,JIS C 1509-1:2017の箇条4(基

準環境条件)に規定する基準環境条件での音圧レベルを基準として,音響校正器の取扱説明書に記載する

手順に従い,音響校正器の取扱説明書又は校正票のデータを用いて補正する。 

11 

自己雑音 

11.1 

マイクロホン装着時の自己雑音 

11.1.1 

自己雑音の測定は,試験機関の中で音響的なノイズが最小となる場所で行う。ウインドスクリー

ン及びウインドスクリーンの附属品は,自己雑音のレベルを測定するときに用いる必要はない。サウンド

レベルメータは,定期試験に提出された構成で,最も感度が高いレベルレンジ及び周波数重み付け特性A

に設定する。 

11.1.2 

自己雑音の測定結果を記録し,報告書に記載する。自己雑音は,30 s間以上の時間平均サウンド

レベルで測定することが望ましい。時間平均サウンドレベルは,直接測定しても,音響暴露レベルの指示

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

値及び積分時間から算出して求めてもよい。時間平均サウンドレベルを算出できない場合は,60 s間にわ

たって無作為に10回観測した平均値によって時間重み付きサウンドレベルを求める。時間重み付きサウン

ドレベルを記録する場合,利用できるときは時間重み付け特性Sを,利用できないときは時間重み付け特

性Fを用いる。 

注記1 指示値は測定場所の音響的なノイズ及びサウンドレベルメータの自己雑音の影響を受ける。 

注記2 A特性の自己雑音レベルは,情報として報告され,適合性評価には用いない。自己雑音レベ

ルは,不確かさを含めず報告する。 

11.2 

電気信号入力装置置換時の自己雑音 

マイクロホンを電気信号入力装置(又は電気信号を印加するために指定する手段)に置き換え,対応す

る自己雑音のレベルを測定するために取扱説明書に指定する方法で終端した状態で,マイクロホンを装着

時と同じ手順に従って,サウンドレベルメータで利用できる全ての周波数重み付け特性について,最も感

度の高いレベルレンジにおける時間平均サウンドレベル又は時間重み付けサウンドレベルの指示値を記録

し,自己雑音レベルとして報告する。 

注記 自己雑音レベルは,情報として報告するだけで適合性の評価には用いない。自己雑音レベルは,

不確かさを含まず報告する。 

12 

周波数重み付け特性の音響信号による試験 

12.1 

サウンドレベルメータは,定期試験に提出された構成で試験する。サウンドレベルメータは,利用

できる場合は周波数重み付け特性Cに設定し,利用できない場合は周波数重み付け特性Aに設定する。周

波数重み付け特性は,校正済みの複数周波数音響校正器,比較カプラ,静電駆動器又は自由音場を実現す

る設備を用いて試験する。自由音場を用いる試験の場合は,JIS C 1509-2:2018の9.4(音響信号を用いた

周波数重み付け特性の試験)に従うが,試験周波数は,12.7による。複数周波数音響校正器は,JIS C 1515

のクラス1の要求事項への適合性が示されていなければならない。適切な環境条件である場合,クラス1/C

の複数周波数音響校正器を使用してもよい。比較カプラで用いる計測用マイクロホンは,IEC 61094-4に

適合するものを用いる。静電駆動器は,IEC 61094-6の該当する要求事項に適合するものを用いる。 

注記1 適切な自由音場補正値又はランダム入射補正値が利用できる場合,複数周波数音響校正器,

比較カプラ又は静電駆動器を用いた試験は,自由音場設備を使用した試験より時間を削減で

きる可能性がある。 

注記2 IEC 61094-1の要求事項に適合する標準マイクロホンは,IEC 61094-4の計測用マイクロホン

の要求事項にも適合している。 

12.2 

各試験周波数において,サウンドレベルメータに指示されるサウンドレベルを,適用可能な場合に

は,JIS C 1508又はIEC 62585に規定する手順に従って求めた自由音場又はランダム入射に補正するため

のデータとして利用してもよい。補正値は,次の事項について考慮しなければならない。 

− 音源が複数周波数の音を発生することが可能な音響校正器における若しくは比較カプラにおける音場

である場合,又は擬似音源が静電駆動器から等価的に得られた音場である場合の,サウンドレベルメ

ータと同等な自由音場又はランダム入射の周波数特性1)。 

− 適用可能である場合,通常使用のためにサウンドレベルメータの構成の一部であるウインドスクリー

ン及び附属品を含む代表的なマイクロホンの周波数特性に与える平均的な影響。 

注1) この項目は,適用可能である場合,音源又は擬似音源に対する等価な自由音場又はランダム

入射レベルへの補正,並びにサウンドレベルメータのきょう(筐)体からの反射及びマイク

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

ロホンの周囲の回折の影響の代表値を含む。 

12.3 

補正値は,サウンドレベルメータの取扱説明書から引用する。 

12.4 

必要な補正値がサウンドレベルメータの取扱説明書から入手できない場合には,マイクロホン,複

数周波数音響校正器,比較カプラ又は静電駆動器の製造業者による補正値を用いてもよい。この値は公的

に利用できるものとする。 

注記 取扱説明書に記載されていない公的に入手可能なデータは,JIS C 1509-2:2018に従って確認さ

れていない可能性がある。 

12.5 

自由音場又はランダム入射に対する補正値の出典は,定期試験の文書に記載する。関連する測定の

不確かさの出典は,対応する補正値の不確かさの出典と同じとする。対応する自由音場補正値の不確かさ

が利用できない場合,IEC 62585に規定する適用可能な測定の不確かさの最大許容値を,試験機関の全て

の不確かさの算出に用いる。 

12.6 

提出されたサウンドレベルメータの通常使用状態の構成に附属品を含むが,附属品が指定するマイ

クロホンの代表的な周波数レスポンスに及ぼす影響に関係するデータが取扱説明書に記載がなく,製造業

者又は供給者のインターネットウェブサイトなどでも利用できない場合には,自由音場を実現する設備を

用いない限り,この規格に従ってサウンドレベルメータの定期試験を行うことはできない。 

12.7 

音響信号を用いた試験の周波数重み付け特性は,125 Hz,1 kHz及び8 kHzの三つの周波数で測定

する。 

12.8 

試験機関の判断によって,サウンドレベルメータは,F時間重み付きサウンドレベル,S時間重み

付きサウンドレベル,時間平均サウンドレベル又は音響暴露レベルを測定するように設定する。音響暴露

レベルを測定する場合には,積分時間を考慮してJIS C 1509-1:2017の式(6)によって,対応する時間平均サ

ウンドレベルを算出する。平均時間又は積分時間は,10 s間以上とし,それを記録する。サウンドレベル

メータは,基準レベルレンジに設定する。複数周波数音響校正器,比較カプラ,又は静電駆動器の信号を

表示できる基準レベルレンジに最も近いレベルレンジに設定してもよい。音響信号による周波数重み付け

特性は,適用可能な場合,JIS C 1509-2:2018の自由音場又はランダム入射の試験手順に従って試験する。 

12.9 

複数周波数音響校正器を用いた周波数重み付け特性の試験では,音響校正器のカプラ内部に発生す

る音圧レベルは,1 kHzにおいては基準音圧レベルに設定し,その他の周波数においては70 dB〜125 dB

の範囲とする。サウンドレベルメータのマイクロホンを挿入したときの音響校正器のカプラ内部に発生す

る音圧レベルは,各試験周波数で既知なデータを用いる。サウンドレベルメータのマイクロホンの保護グ

リッドをアダプタリングに置き換えて補正値を求めた場合,周波数重み付け特性の音響信号試験を行うと

きには,同じ形式のアダプタリングを用いる。補正値を音響校正器及びアダプタの特定の形式を用いて求

めた場合,周波数重み付け特性の音響信号の試験を行うときには同じ形式のアダプタを用いる。 

12.10 比較カプラを用いた周波数重み付け特性の試験では,カプラ内の音圧レベルは,1 kHzにおいては

基準音圧レベルに設定し,その他の周波数においては70 dB〜125 dBの範囲とする。カプラ内部に発生す

る音圧レベルは,各試験周波数で既知なデータを用いる。サウンドレベルメータのマイクロホンの保護グ

リッドをアダプタリングに置き換えて補正値を求めた場合,音響信号を用いた周波数重み付け特性試験を

行うときは同じ形式のアダプタリングを用いる。特定の形式のアダプタを用いて比較カプラで補正値を求

めた場合,音響信号を用いた周波数重み付け特性試験を行うときは同じ形式のアダプタを用いる。 

12.11 

周波数重み付け特性試験で静電駆動器を用いる場合,入手可能ならば,静電駆動器の取扱説明書及

びサウンドレベルメータのマイクロホンの取扱説明書に従って静電駆動器をマイクロホンに取り付ける。

静電駆動器に印加する電圧は,サウンドレベルメータの表示するサウンドレベルが1 kHzで70 dB〜100 dB

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

の範囲となるように調整する。 

注記 静電駆動器を用いて測定した場合,マイクロホンの振動膜に穴のような欠損があった場合でも,

その影響は,周波数重み付け特性において1 kHz未満の周波数では表れない。 

12.12 音響校正器及びマイクロホン,比較カプラ及びマイクロホン,又は静電駆動器及びマイクロホンは

装着の後,安定するまで時間を置く。各試験周波数で,入力信号に応答して表示されたサウンドレベルの

値を記録する。全体で3回以上測定を行うように,測定を2回は反復する。 

12.13 各試験周波数で,調整を行った周波数重み付きサウンドレベルの算術平均として,平均サウンドレ

ベルを算出する。 

12.14 複数周波数音響校正器,比較カプラ,又は静電駆動器を用いた試験では,各周波数において12.13

の平均サウンドレベルに12.2の適用可能な補正値で,自由音場又はランダム入射周波数重み付きサウンド

レベルと等価な値に補正する。 

12.15 1 kHzの応答に対する相対周波数重み付け特性は,各試験周波数における平均自由音場又はランダ

ム入射サウンドレベルから1 kHzにおける平均自由音場又はランダム入射サウンドレベルを減じて求める。 

12.16 相対周波数重み付け特性のJIS C 1509-1:2017の表3(周波数重み付け特性及び受容限度値)に対

応する設計目標値からの偏差は,JIS C 1509-1:2017の表3の適用可能な受容限度値を超えてはならない。 

13 

周波数重み付け特性の電気信号による試験 

13.1 

JIS C 1509-1:2017の表3に周波数重み付け特性の設計目標値及び受容限度値を規定する周波数重み

付け特性において,サウンドレベルメータが備える全てのものについて,定常正弦波電気入力信号を用い

て,周波数重み付け特性を求める。サウンドレベルメータは,F時間重み付きサウンドレベル,時間平均

サウンドレベル又は音響暴露レベルを表示するように設定する。音響暴露レベルから時間平均サウンドレ

ベルを求める場合は,積分時間からJIS C 1509-1:2017の式(6)によって算出する。平均時間又は積分時間は

10 s間以上とし,それを記録する。 

13.2 

試験する各周波数重み付け特性で基準レベルレンジに設定し,取扱説明書に指定する基準レベルレ

ンジの1 kHzの直線動作範囲の上限よりも45 dB小さい値を指示するように,1 kHzの入力信号レベルを調

整し,記録する。 

13.3 

1 kHz以外の試験周波数の,入力信号レベルは,1 kHzの入力信号レベルから試験周波数の周波数重

み付け特性に対して,JIS C 1509-1:2017の表3の周波数重み付け特性の設計目標値を減じて求める。表示

装置上の指示値を記録する。 

13.4 

次の周波数について,入力信号のレベル及びそれに対応する指示値を記録する。 

− クラス1のサウンドレベルメータの場合:63 Hz〜16 kHzのオクターブ間隔の9個の公称周波数。 

− クラス2のサウンドレベルメータの場合:63 Hz〜8 kHzのオクターブ間隔の8個の公称周波数。 

13.5 

それぞれの周波数重み付け特性について,試験周波数におけるサウンドレベルの指示値から1 kHz

におけるサウンドレベルの指示値を減じることによって相対周波数重み付け特性を求める。 

13.6 

それぞれの周波数重み付け特性について,各試験周波数で,基準方向に対するマイクロホンの自由

音場又はランダム入射周波数特性の補正,サウンドレベルメータのきょう(筺)体からの反射,マイクロ

ホン及びプリアンプ周りの回折の代表的な影響,可能な場合,代表的なマイクロホンの周波数特性,及び

ウインドスクリーンの周波数特性及び通常の使用でサウンドレベルメータの構成要素となる附属品の周波

数特性の代表的な影響の補正を,13.5で求めた相対周波数重み付け特性に適用する。 

13.7 

自由音場又はランダム入射周波数特性における,反射及び/又は回折による影響及びウインドスク

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

リーン・ウインドスクリーンの附属品の影響に対する補正値は,音響信号による周波数重み付け特性試験

と同じ補正値を用いる。 

13.8 

試験機関は,サウンドレベルメータに取り付けたマイクロホンの基準入射方向に対する自由音場又

はランダム入射周波数特性を求める。補正値は,13.4の適用可能な全ての試験周波数に対して求める。IEC 

62585は,自由音場周波数特性の補正値の求め方を規定する。 

13.9 

13.5〜13.8の方法で求めた相対周波数重み付け特性を,JIS C 1509-1:2017の表3の周波数重み付け

特性の設計目標値からの偏差とする。 

13.10 各試験周波数で,周波数重み付け特性の設計目標値からの偏差は,JIS C 1509-1:2017の表3の該

当する受容限度値を超えてはならない。 

14 

1 kHzでの周波数重み付け特性及び時間重み付け特性 

14.1 

F時間重み付きサウンドレベル又は時間平均サウンドレベルを表示する設定で,基準レベルレンジ

で周波数重み付け特性Aでの指示値が基準音圧レベルとなるように1 kHzの定常正弦波電気入力信号を用

いて,利用できる場合は周波数重み付け特性をC及びZに設定したときの指示値を記録する。加えて,利

用できる場合は,F時間重み付きサウンドレベル,次にS時間重み付きサウンドレベル及び時間平均サウ

ンドレベルを表示する設定で,周波数重み付け特性Aでの指示値を記録する。 

14.2 

周波数重み付け特性Aでのサウンドレベルの指示値から周波数重み付け特性C及びZの対応する

サウンドレベル指示値の偏差は,JIS C 1509-1:2017の5.5.9に規定する受容限度値を超えてはならない。 

14.3 

周波数重み付け特性AでのF時間重み付きサウンドレベルの指示値からのS時間重み付きサウンド

レベル及び時間平均サウンドレベルの指示値の偏差の各値は,JIS C 1509-1:2017の5.8.3に規定する受容

限度値を超えてはならない。 

15 

連続動作時の安定性 

15.1 

サウンドレベルメータの連続動作時の安定性は,動作時間の最初と最後に適用する1 kHzの安定し

た信号に対するA特性サウンドレベルの差によって評価する。最初の指示値は,基準レベルレンジにおい

て基準音圧レベルを表示する。 

15.2 

連続動作時間を25分〜35分とし,定常正弦波電気入力信号を用いた適切な装置によって試験する。 

15.3 

A特性サウンドレベルの最初と最後との指示値の差は,JIS C 1509-1:2017の5.14.2に規定する受容

限度値を超えてはならない。その指示値は,10 s時間平均サウンドレベル,F時間重み付きサウンドレベ

ル,又はS時間重み付きサウンドレベルのいずれかを用いる。 

16 

基準レベルレンジにおけるレベル直線性 

16.1 

レベル直線性は,サウンドレベルメータを周波数重み付け特性Aに設定し,8 kHzの定常正弦波電

気入力信号を用いて試験する。レベル直線性の各試験では,F時間重み付きサウンドレベル又は時間平均

サウンドレベルの指示値,加えてサウンドレベルの予測値を記録する。 

16.2 

取扱説明書に指定する基準レベルレンジにおける8 kHzの周波数での開始点の値を表示するように

入力信号を調整してから,レベル直線性の試験を開始する。レベル直線性は,JIS C 1509-2:2018の9.8.1.3

に規定する算出手順に従って,レベル直線性偏差を算出する。 

16.3 

開始点から取扱説明書に指定する基準レベルレンジにおける8 kHzでの直線動作範囲の上限より5 

dB小さいレベルの範囲までは,入力信号のレベルを5 dBの間隔で増加させ,過負荷指示が最初に発生す

10 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

る直前まで1 dBの間隔で増加させてレベル直線性を測定する。次に,開始点から指定する下限より5 dB

高いレベルの範囲までは入力信号のレベルを5 dBの間隔で減少させ,アンダーレンジ指示が最初に発生す

る直前まで1 dBの間隔で減少させて,レベル直線性の試験を継続する。 

16.4 

8 kHzの周波数で取扱説明書に指定する直線動作範囲内のレベル直線性偏差は,JIS C 1509-1:2017

の5.6.5及び5.6.6に規定する適用可能な受容限度値を超えてはならない。 

16.5 

測定したレベル直線性偏差は,直線動作範囲についてJIS C 1509-1:2017の5.6.5及び5.6.6に規定す

る適用可能な受容限度値を超えてはならない。ただし,直線動作範囲の上限を超える最初の過負荷指示,

直線動作範囲の下限を下回る最初のアンダーレンジ指示を除く。 

17 

レベルレンジ切換器を含むレベル直線性 

17.1 

複数のレベルレンジをもつサウンドレベルメータの場合には,レベルレンジ切換器による偏差を含

むレベル直線性偏差の試験は,1 kHzの定常正弦波電気入力信号を用いて,サウンドレベルメータを周波

数重み付け特性Aに設定して行う。各試験において,F時間重み付きサウンドレベル又は時間平均サウン

ドレベルの指示値を記録する。 

17.2 

入力信号を,基準レベルレンジで基準音圧レベルを指示するように調整する。入力信号のレベル及

びサウンドレベルメータの指示値を記録する。 

17.3 

入力信号レベルを一定に保ち,入力信号レベルが表示される全てのレベルレンジでサウンドレベル

メータの指示値を記録する。サウンドレベルメータの指示値及び対応する信号レベルの予測値を記録する。 

17.4 

それぞれのレベルレンジにおいて,入力信号のレベルがレベルレンジのアンダーレンジ指示を最初

に表示する信号レベルより5 dB大きい信号レベルを与えるように調整する。サウンドレベルメータの指示

値及び対応する予測値を記録する。 

17.5 

サウンドレベルメータの指示値と対応する予測値との差として求めるレベル直線性偏差は,JIS C 

1509-1:2017の5.6.5に規定する受容限度値を超えてはならない。 

18 

トーンバースト応答 

18.1 

短い継続時間の信号に対する応答は,基準レベルレンジで,4 kHzの定常正弦波電気信号から取り

出したゼロ交差で開始し,ゼロ交差で終了する4 kHzのトーンバーストを入力して試験する。周波数重み

付け特性は,A特性に設定する。 

18.2 

トーンバースト応答の測定において,記録するサウンドレベルメータの指示値は,適用可能な場合

は,F時間重み付きサウンドレベルの最大値,S時間重み付きサウンドレベルの最大値及び音響暴露レベ

ルとする。音響暴露レベルを測定する機能をもたない場合,時間平均サウンドレベル及びトーンバースト

を含む平均時間を測定し,JIS C 1509-1:2017の式(4)を用いて音響暴露レベルを算出する。 

18.3 

トーンバーストの時間重み付き特性Fのサウンドレベルの最大値を測定する場合,振幅の等しい4 

kHzの定常信号のレベルは,時間重み付け特性Fで測定する。同様に,トーンバーストの時間重み付き特

性Sのサウンドレベルの最大値を測定する場合,振幅の等しい4 kHzの定常信号のレベルは,時間重み付

け特性Sで測定する。トーンバーストの音響暴露レベルを測定する場合,定常信号の時間平均サウンドレ

ベルを測定する。時間平均サウンドレベルを測定する機能をもたない場合,適切な積分時間で定常信号の

音響暴露レベルを測定し,JIS C 1509-1:2017の式(6)を用いて対応する時間平均サウンドレベルを算出する。 

18.4 

定常信号のレベルは,基準レベルレンジで,F時間重み付きサウンドレベル,S時間重み付きサウ

ンドレベル又は時間平均サウンドレベルの指示値が,取扱説明書に指定する4 kHzの直線動作範囲の上限

11 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

より3 dB小さい値となるように調整する。 

18.5 

時間重み付け特性Fの試験では,継続時間が200 ms,2 ms及び0.25 msのトーンバーストに応答し

たときのF時間重み付きサウンドレベルの最大値を記録する。 

18.6 

時間重み付け特性Sの試験では,継続時間が200 ms及び2 msのトーンバーストに応答したときの

S時間重み付きサウンドレベルの最大値を記録する。 

18.7 

音響暴露レベル(又は時間平均サウンドレベル及びトーンバーストをその中に含む平均時間)の測

定では,継続時間が200 ms,2 ms及び0.25 msのトーンバーストに応答したときの指示値を記録する。 

18.8 

トーンバースト応答の測定値のJIS C 1509-1:2017の表4(4 kHzの基準トーンバースト応答及び受

容限度値)による理論値からの偏差は,JIS C 1509-1:2017の表4による受容限度値を超えてはならない。 

19 

C特性ピークサウンドレベル 

19.1 

C特性ピークサウンドレベルの指示値は,感度が最も低いレベルレンジで試験する。試験には,次

の信号を用いる。 

a) ゼロ交差で開始し,ゼロ交差で終了する8 kHzの1周期の正弦波信号 

b) ゼロ交差で開始し,ゼロ交差で終了する500 Hzの正に向かう半周期の正弦波信号及び負に向かう半周

期の正弦波信号 

19.2 

1周期の信号及び振幅の等しい8 kHzの定常正弦波電気入力信号のレベルは,C特性F時間重み付

きサウンドレベル又はC特性時間平均サウンドレベルの指示値が,最も感度が低いピークレベルレンジで,

取扱説明書に指定するピークサウンドレベル測定範囲の上限より8 dB小さくなるように調整する。定常サ

ウンドレベルの指示値を記録する。 

19.3 

8 kHzの1周期正弦波信号を入力したときに応答するC特性ピークサウンドレベルの指示値を記録

する。8 kHzの1周期正弦波信号を入力したときに,過負荷状態の指示があってはならない。 

19.4 

正に向かう半周期の信号並びに負に向かう半周期の信号及び振幅の等しい500 Hzの定常正弦波入

力信号のレベルは,C特性F時間重み付きサウンドレベル又はC特性時間平均サウンドレベルの指示値が,

最も感度が低いレベルレンジで,取扱説明書に指定するピークサウンドレベル測定範囲の上限より8 dB小

さくなるように調整する。定常サウンドレベルの指示値を記録する。 

19.5 

500 Hzの正に向かう半周期の正弦波信号及び500 Hzの負に向かう半周期の正弦波信号を入力した

ときに応答するC特性ピークサウンドレベルの指示値を記録する。500 Hzの半周期の正弦波信号を入力し

たときに,過負荷状態の指示があってはならない。 

19.6 

C特性ピークサウンドレベルの指示値と対応する定常信号のレベルの指示値との差と,JIS C 

1509-1:2017の表5(C特性ピークサウンドレベルの差の理論値及び受容限度値)による差の理論値との偏

差は,JIS C 1509-1:2017の表5による受容限度値を超えてはならない。 

20 

過負荷指示 

20.1 

時間平均サウンドレベルを表示させることのできるサウンドレベルメータについてだけ,この過負

荷指示について試験を行う。 

20.2 

過負荷指示は,サウンドレベルメータをA特性時間平均サウンドレベルを表示するように設定し,

感度が最も低いレベルレンジで試験する。試験には,4 kHzの正に向かう半周期及び負に向かう半周期の

正弦波電気信号を用いる。半周期の信号は,振幅の等しい定常信号から取り出し,ゼロ交差で開始し,ゼ

ロ交差で終了する。 

12 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

20.3 

定常信号に対する時間平均サウンドレベルの指示値が,4 kHzにおける直線動作範囲の上限よりも

1 dB小さいレベルから試験を開始する。正に向かう半周期入力信号のレベルを,最初に過負荷指示が起き

るまで0.1 dBずつ増加させる。同じ手順で,負に向かう半周期入力信号を用いて繰り返す。最初に過負荷

指示が発生した半周期信号のレベルを0.1 dBの分解能で記録する。 

注記 半周期入力信号の相対レベルは,入力信号レベルの減衰器の設定から求めてもよい。 

20.4 

過負荷指示が最初に発生し対応する正に向かう半周期信号と負に向かう半周期信号との差は,JIS 

C 1509-1:2017の5.11.3で規定する受容限度値を超えてはならない。 

20.5 

過負荷状態が発生した場合,過負荷指示がJIS C 1509-1:2017の5.11.4及び5.11.5に規定するように

保持されることを確認する。 

21 

高レベル入力に対する安定性 

21.1 

高レベルに対して感度の変化なしに連続的に動作するサウンドレベルメータの安定性は,1 kHzの

定常正弦波電気入力信号の入力を開始した最初と連続的に印加した5分後とのA特性サウンドレベルの差

によって評価する。 

21.2 

定常正弦波電気入力信号のレベルは,最も感度が低いレベルレンジにおいて1 kHzの直線動作範囲

の上限よりも1 dB小さいサウンドレベルを表示するレベルとする。指示されたサウンドレベルは,10 s平

均サウンドレベル,F時間重み付きサウンドレベル又はS時間重み付きサウンドレベルでもよい。 

21.3 

A特性サウンドレベルの最初の値と最後の値との差は,JIS C 1509-1:2017の5.15.2に規定する受容

限度値を超えてはならない。 

22 

作成文書 

定期試験の文書は,国内の法規が別途要求する場合を除き,適用可能な場合は,次の情報を含める。 

a) 定期試験を実施した年月日 

b) サウンドレベルメータが,この規格に規定する手順に従って定期試験が実施された旨の記載 

c) 定期試験に提出されたサウンドレベルメータの形式の適合性がJIS C 1509-2:2018に規定する型式評

価試験によって証明されていることについて,型式評価に責を負う独立した試験機関による証明が利

用可能か否か(さらに,利用可能な場合はその出典)の記載 

d) 定期試験を実施した試験機関の名称及び所在地 

e) 製造業者又は供給者の名称,形式,製造番号及びサウンドレベルメータのクラス。該当する場合は,

サウンドレベルメータにインストールされているソフトウェアのバージョン。 

f) 

マイクロホンの製造業者又は供給者の名称,形式及び製造番号 

g) 前置増幅器(以下,プリアンプという。)がサウンドレベルメータの本体から取り外せる場合は,プリ

アンプの製造業者又は供給者の名称,形式及び製造番号 

h) 多チャンネルのサウンドレベルメータの場合,試験に用いたチャンネル 

i) 

サウンドレベルメータの取扱説明書の文書番号などの版,利用可能な場合,発行年月日を含む。取扱

説明書をインターネットウェブサイトからダウンロードした場合は,ダウンロードした年月日及びそ

の詳細。 

j) 

用いた全てのアダプタの詳細及び校正点検周波数における指示値の調整に用いた全ての補正値の出典

とともに,音響校正器の製造業者又は供給者の名称,形式及び製造番号。適用可能な場合は,音響校

正器がサウンドレベルメータの取扱説明書に指定した形式でないことの記載。 

13 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

k) ランダム入射音又は基準方向からの入射に対する平面進行音波に応答して指示するサウンドレベルと

等価になるように,複数周波数音響校正器,比較カプラ,静電駆動器の適用によって指示するサウン

ドレベルの補正に用いたデータの出典 

補正値の出典がサウンドレベルメータの取扱説明書ではない場合,その旨の記載 

l) 

自由音場補正値の不確かさを利用できない場合は,次の記載 

“取扱説明書で与えられる又はサウンドレベルメータの製造業者若しくは供給業者,マイクロホンの

製造業者若しくは複数周波数校正器の製造業者から提供される,2019年に発行されたJIS C 1509-3で

要求されている,補正のための測定の不確かさの記載がない。 

それゆえ,補正値の測定の不確かさは,自由音場補正値及び包含範囲95 %に対してIEC 62585に与

えられる不確かさの最大許容値として仮定した。” 

m) サウンドレベルメータの校正点検周波数,基準音圧レベル及び基準レベルレンジ 

n) サウンドレベルメータを動作させるために用いた,接続ケーブルを含む構成 

o) 各一連の試験をしたときの静圧,周囲温度及び相対湿度の範囲 

p) 校正された音響校正器を用いて校正点検周波数でサウンドレベルメータを調整したときの,調整前及

び調整後の指示値 

利用可能な場合には,音響校正器の校正証明書の引用 

q) マイクロホンを装着した時の周波数重み付け特性Aで測定した自己雑音レベルの情報としての記載 

適切に終端した電気信号入力装置を装着したときのサウンドレベルメータが備える全ての周波数重

み付け特性の自己雑音レベル 

注記 報告書に記載した自己雑音レベルの測定値が,取扱説明書に記載される自己雑音レベルの最

も大きいと予想される値を超えた場合であっても,JIS C 1509-1:2017の仕様への不適合を示

すとは限らない。 

r) JIS C 1509-2:2018の型式評価試験によってサウンドレベルメータの形式がJIS C 1509-1:2017の該当す

る全ての仕様への適合性を示した証明書が公にされており,この規格の定期試験に合格した場合,次

の記載 

“試験に提出されたサウンドレベルメータは,試験が実施された環境条件にて,JIS C 1509-3:2019

のクラスxの定期試験に合格した。サウンドレベルメータのこの形式が,JIS C 1509-1:2017の仕様に

完全に適合していることが,独立した試験機関の実施したJIS C 1509-2:2018に従って型式評価試験に

よって証明されているため,試験に提出されたサウンドレベルメータは,JIS C 1509-1:2017のクラス

xの仕様に適合している。” 

注記 “クラスx”は,“クラス1”又は“クラス2”のいずれかの適切なクラスに置き換える。 

s) 

JIS C 1509-2:2018の型式評価試験によって,サウンドレベルメータの形式がJIS C 1509-1:2017の該当

する全ての仕様に適合することを示した証明書が公にされてない場合,又は取扱説明書に周波数重み

付けの音響試験のための補正値が提供されてない場合,この規格の定期試験に合格したときは,次の

記載 

“試験に提出されたサウンドレベルメータは,試験が実施された環境条件の下で,JIS C 1509-3:2019

の定期試験に合格した。ただし,サウンドレベルメータのこの形式が,JIS C 1509-1:2017の仕様に完

全に適合していることについては,次の理由によって言及することも判定することもできない。 

1) 独立した試験機関の実施したJIS C 1509-2:2018に従って型式評価試験によって証明書が公にさ

れていないか,又は取扱説明書に周波数重み付けの音響試験のための補正値が提供されていな

14 

C 1509-3:2019 (IEC 61672-3:2013) 

  

い。 

2) JIS C 1509-3:2019の定期試験は,JIS C 1509-1:2017に規定する性能の一部について実施された

だけである。” 

t) 

サウンドレベルメータの定期試験の結果が,表記するクラスの試験に合格できなかった場合,次の記

載 

“試験に提出されたサウンドレベルメータは,JIS C 1509-3:2019のクラスxの定期試験に不合格で

あった。よって,提出されたサウンドレベルメータは,JIS C 1509-1:2017の要求事項に適合していな

い。” 

さらに,適合しなかった試験及びその理由の記載 

注記1 適合できなかった理由の記載例として,“測定されたレベル直線性偏差が受容限度値を超

えた。”又は“C特性ピークサウンドレベルの指示値の偏差が受容限度値を超えた。”が挙

げられる。 

その他の理由として,“製造業者によって提供された自由音場又はランダム音場補正値

の不確かさが,試験機関が見積もった不確かさと著しく異なっており,結果として設計目

標値からの偏差が特定の試験に対して受容限度値を超えた。”が挙げられる。 

注記2 “クラスx”は,“クラス1”又は“クラス2”のいずれかの適切なクラスに置き換える。 

u) 設計目標からの偏差の結果を試験機関が顧客に提供する場合は,それぞれの試験結果はその偏差に加

えて,測定の不確かさの最大許容値,及び試験機関の実際のそれぞれの試験に対する不確かさを提供

しなければならない。 

参考文献 IEC 61094-1:2000,Measurement microphones−Part 1: Specifications for laboratory standard 

microphones 

IEC 61094-5,Measurement microphones−Part 5: Methods for pressure calibration of working standard 

microphones by comparison