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C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本騒音制御工学会 (INCE/J)/財

団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61043 : 1993,Electroacoustics−

Instruments for the measurement of sound intensity−Measurement with pairs of pressure sensing microphones を基

礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

この規格は,音響インテンシティプローブ及び音響インテンシティ処理器で構成される音響インテンシ

ティ測定器について規定する。この規格に規定する音響インテンシティプローブは,空間的に分離した圧

力形ペアマイクロホンで音響インテンシティを検出する。その他の検出方法を用いるものを含めて,この

音響インテンシティ測定器には常に改良が加えられている。

音響インテンシティ測定器の主要な用途は二つある。第一は,音源の放射特性の調査である。第二は,

音源の音響パワーの測定である。例えば,音圧測定による音響パワーの測定が不可能であるような音響条

件の現場であっても,音響インテンシティによる方法では音響パワーの測定が可能となる。

この規格は,JIS Z 8736-1 に従う音響パワーの測定に用いる音響インテンシティ測定器に適用する。ま

た,その他の応用にも十分に保証された性能の測定器を提供する。

この規格に規定する仕様及び許容差は,現在の測定器に用いられている技術水準及びダイナミック性能

指数に対する実用的な要求に基づいている。

プローブ及び処理器の性能の検査は,型式評価試験を想定して規定する。多くの国で要求される定期試

験に適した試験項目を,

附属書 に規定する。

プローブ及び処理器に対しては,それぞれ単独の性能を規定する。これらを組み合わせたものを“測定

器”と呼び,測定器としての性能も合わせて規定する。

JIS C 1507

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  定期試験の試験項目

附属書 B(参考)  オートレンジ機能

附属書 C(参考)  FFT に基づく音響インテンシティ処理器

附属書 D(参考)  位相差を発生させる回路

附属書 E(参考)  ダイナミック性能指数


C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  精度のクラス

4

5.

  基準環境条件

4

6.

  音響インテンシティ処理器の性能

5

6.1

  周波数範囲

5

6.2

  フィルタ

5

6.3

  特性

5

6.4

  指示値の精度

5

6.5

  マイクロホン間隔への対応

5

6.6

  結果の提示

5

6.7

  時間平均

5

6.8

  波高率

6

6.9

  音圧−残留インテンシティ指数

6

6.10

  位相補償

6

6.11

  レンジ設定

6

6.12

  過大入力指示器

6

6.13

  静圧及び周囲温度に対する補正

6

6.14

  動作環境

6

7.

  音響インテンシティプローブの性能

7

7.1

  機械的構造

7

7.2

  音圧特性

8

7.3

  音響インテンシティ特性

8

7.4

  指向特性

8

7.5

  定在波音場での性能

9

7.6

  音圧−残留インテンシティ指数

10

7.7

  環境条件

10

8.

  音響インテンシティ測定器の性能

10

9.

  電源の性能

10

10.

  音響インテンシティプローブ校正器の性能

10

10.1

  音圧校正器

10

10.2

  残留インテンシティ試験器

10

10.3

  音響インテンシティ校正器

10


C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)  目次

(3)

ページ

11.

  音響インテンシティ処理器の試験

11

11.1

  オクターブバンド及び 1/3 オクターブバンドフィルタ

11

11.2

  音響インテンシティの指示値

11

11.3

  時間平均

12

11.4

  波高率

12

11.5

  音圧−残留インテンシティ指数及び動作範囲

12

12.

  音響インテンシティプローブの試験

13

12.1

  周波数特性

13

12.2

  指向特性

13

12.3

  定在波音場での性能

13

12.4

  音圧−残留インテンシティ指数

14

13.

  校正器の試験

14

13.1

  音圧校正器

14

13.2

  残留インテンシティ試験器

14

13.3

  音響インテンシティ校正器

14

14.

  現場での校正及び確認

15

15.

  表示及び取扱説明書

15

15.1

  表示

15

15.2

  取扱説明書

15

附属書 A(規定)定期試験の試験項目

17

附属書 B(参考)オートレンジ機能

18

附属書 C(参考)FFT に基づく音響インテンシティ処理器

19

附属書 D(参考)位相差を発生させる回路

21

附属書 E(参考)ダイナミック性能指数

22

 


C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 C

1507

:2006

(IEC 61043

:1993

)

電気音響−音響インテンシティ測定器−

圧力形ペアマイクロホンによる測定

Electroacoustics

Instruments for the measurement of sound intensity

Measurement with pairs of pressure sensing microphones

序文  この規格は,1993 年に第 1 版として発行された IEC 61043,Electroacoustics−Instruments for the

measurement of sound intensity−Measurement with pairs of pressure sensing microphones を翻訳し,技術的内容

及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,音響インテンシティの測定に用いる機器及びそれらに関連する校正器の性能

について規定する。

この規格は,プローブと処理器の製造業者が異なる場合も含めて,同じ測定を異なる測定器で行うこと

によって生じる差異を実用的な最小値にまで減少させることを目的としている。

この規格は,JIS Z 8736-1 に従う音響パワーの測定に用いる音響インテンシティ測定器の測定精度の確

保を目的とする。JIS Z 8736-1 に適合する測定を行うため,測定器は,1/3 オクターブバンド又はオクター

ブバンドごとに音響インテンシティを分析できることが必要である。また,オプションの A 特性で周波数

重み付けしたバンドレベルでの音響インテンシティ分析が必要となることがある。測定器には,JIS Z 

8736-1

に規定する音場指標を容易に算出できるように,音響インテンシティレベルとともに,音圧レベル

の測定も必要である。

この規格は,空間的に離して配置した圧力形ペアマイクロホンによって音響インテンシティを検出する

測定器にだけ適用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61043 : 1993

,Electroacoustics−Instruments for the measurement of sound intensity−Measurement

with pairs of pressure sensing microphones (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

備考  IEC 60651,Sound level meters からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

参考  現在,IEC 60651 は廃止され,IEC 61672-1 及び IEC 61672-2 に置き換わっている。IEC 

61672-1

は,JIS C 1509-1 : 2005 と一致している。


2

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

JIS C 1514

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

備考  IEC 61260,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters が,この規格と一

致している。

JIS C 1515

  電気音響−音響校正器

備考  IEC 60942,Electroacoustics−Sound calibrators が,この規格と一致している。

JIS Z 8736-1

  音響−音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第 1 部:離散

点による測定

備考  ISO 9614-1,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound

intensity−Part 1 : Measurement at discrete points が,この規格と一致している。

参考  原国際規格発行時には ISO 9614-1 だけが発行されていたが,その後 1996 年に第 2 部 (Part

2 : Measurement by scanning)  が,2002 年に第 3 部  (Part 3 : Precision method for measurement

by scanning)  が発行された。この規格では原国際規格に整合させるために ISO 9614-1 と一

致する JIS Z 8736-1 だけを引用しているが,ISO 9614-2 と一致する JIS Z 8736-2 及び ISO 

9614-3

と一致する JIS Z 8736-3 に従い音響パワーレベルを測定する場合にも,この規格に

適合する測定器を使用する。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

音響インテンシティプローブ  (sound intensity probe)  音響インテンシティの規定方向の成分を求

めるための信号を得る電気音響変換器システム。

参考  この規格では,単に“プローブ”と略すことがある。

3.2

p-p

プローブ  (p-p probe)  既知の一定距離だけ離して配置した二つの圧力形マイクロホンで構成す

るプローブ。2 つのマイクロホンで測定する音圧の平均値をプローブの基準点の音圧とし,音圧の差から

粒子速度を得る。2 マイクロホンプローブともいう。

備考1.  並列 p-p プローブは,図 のように配置した二つのマイクロホンからなる。

2.

対面 p-p プローブは,

図 のようにスペーサで分離した互いに対向する二つのマイクロホン

からなる。

  1  並列 p-p プローブ

  2  対面 p-p プローブ

3.3

プローブの基準点  (reference point of a probe)  音響インテンシティが測定されているとみす点。

備考  プローブの基準点は,実効マイクロホン中心の中間となり,幾何学的中点とは限らない。

3.4

プローブ軸  (probe axis)  基準点を通る軸。その軸に沿った方向の粒子速度成分が検出される。


3

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

3.5

基準方向  (reference direction)  プローブの音響インテンシティ特性を規定するための,プローブ軸

に平行な方向。

3.6

p-p

プローブのチャンネル間位相差  (phase difference between probe channels for a p-p probe)  p-p プ

ローブに同一入力を加えたときのチャンネル間の位相差で,周波数の関数。マイクロホン,前置増幅器及

びケーブルがプローブの不可欠な要素であれば,それらはプローブに含まれる。

3.7

p-p

プローブの公称マイクロホン間隔  (nominal separation of microphones in a p-p probe)  音響イン

テンシティの計算に用いるマイクロホン間隔。指定する周波数範囲内での,実効マイクロホン間隔の平均

値とする。

3.8

音響インテンシティ処理器  (sound intensity processor)  指定のプローブとともに用いて,音響イン

テンシティを算出する装置。処理器は,オクターブバンド又は 1/3 オクターブバンドでの,音響インテン

シティ及び音圧,又は音響インテンシティレベル及び音圧レベルとして,結果を提示する。

参考  この規格では,単に“処理器”と略すことがある。

3.9

音響インテンシティ測定器  (sound intensity instrument)  音響インテンシティプローブと音響イン

テンシティ処理器からなる装置。

参考  この規格では,単に“測定器”と略すことがある。

3.10

残留インテンシティ  (residual intensity)  測定チャンネル間の位相差による見かけのインテンシテ

ィ。処理器の二つのチャンネルに同一の電気入力を加えたとき,又は処理器に接続したプローブのマイク

ロホンに同一の音圧を加えたときに生じるインテンシティ。

3.11

音圧−残留インテンシティ指数  (pressure-residual intenstiy index)  処理器の二つのチャンネルの電

気入力に同一のピンクノイズを加えたとき,又は入力に接続したマイクロホンに同一のピンクノイズを加

えたときに指示するオクターブバンド又は 1/3 オクターブバンドでの音圧レベルから残留インテンシティ

レベルを減じた値。ただし,空気の密度を 1.204

8 kg/m

3

として計算する。この指数は,音圧レベルの指示

値にほとんど依存しない場合の値である。

3.12

ダイナミック性能指数  (dynamic capability index)  測定器の音圧−残留インテンシティ指数から

JIS Z 8736-1

に規定するバイアス誤差係数 を減じた値。音圧レベルと音響インテンシティレベルとの間

の差が JIS Z 8736-1 に従う測定精度のグレードのダイナミック性能指数以下の値であれば,測定する音響

インテンシティレベルは有効である。

3.13

動作範囲  (operating range)  処理器又は測定器が,この規格の要求する音圧−残留インテンシティ

指数に適合する,ピンクノイズの最大音圧レベルの指示値と最小音圧レベルの指示値との差。単位はデシ

ベル (dB)。

3.14

静電駆動器  (electrostatic actuator)  コンデンサマイクロホンの周波数特性を電気的に測定するため

に用いる装置。マイクロホンの振動膜に近接させて平行に保持される金属格子で,通常,直流高電圧に重

畳させた交流試験電圧を駆動器と振動膜の間に印加する。それによって生じる静電気力を,マイクロホン

への音圧による作用とみなす。

3.15

実時間動作  (real time operation)  平均時間内に入力に加えられるすべてのデータを音響インテン

シティ及び音圧の算出に用いる,処理器の動作。

備考  附属書 に記載するように,処理器によっては実時間動作であってもすべてのデータを有効に

処理できないことがある。


4

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

3.16

位相差補償  (phase difference compensation)  校正中に観測される位相差を補正して残留インテンシ

ティ成分を減少させるための,処理器に備えてもよい機能。この機能を用いることによって,音圧−残留

インテンシティ指数は大きくなる。

備考  この機能によっても,電気雑音による残留インテンシティ成分を減少させることはできない。

3.17

オートレンジ機能  (autoranging)  精度,直線性及び音圧−残留インテンシティ指数に対して最良の

レンジを自動的に選択するための,処理器に備えてもよい機能。

備考  オートレンジ機能の使用方法は,附属書 に記載する。

3.18

音圧校正器  (sound pressure calibrator)  マイクロホン,又は音響インテンシティ測定器を音圧校正

する装置。

3.19

残留インテンシティ試験器  (residual intensity testing device)  ある周波数帯域の一つ以上の音圧レ

ベルで,p-p プローブの二つのマイクロホンに同時に同一音圧波形を印加する装置。音圧−残留インテン

シティ指数の算出に適用する。

3.20

音響インテンシティ校正器  (sound intensity calibrator)  測定器の音響インテンシティ指示値の校正

を可能にする装置。

3.21

型式評価試験  (type test)  法定計量の国家サービスに提出された,同一型式の一つ以上の測定器又は

マイクロホンの検査。この検査には,型式承認に必要な試験を含む。

参考  この規格で規定する測定器又はマイクロホンに対しては,我が国ではこのような型式評価試験

は法制化されていない。

3.22

検定  (verification)  測定器の規則への適合性を検査及び確認する目的で,法定計量の国家サービス

機関(又は法的に認められたその他の組織)の行うすべての作業。

参考  この規格で規定する測定器に対して,我が国ではこのような検定は法制化されていない。

3.23

初期試験  (initial verification)  以前に検定を受けていない測定器の検定。

3.24

定期試験  (periodic verification)  初期試験の後,規則による手順に従って定期的に行われる測定器の

検定。

4.

精度のクラス  音響インテンシティ測定器,処理器及びプローブを,その測定精度に従い分類する。

精度のクラスは二つあり,クラス 1 及びクラス 2 として識別する。音圧−残留インテンシティ指数ではク

ラス 2 への要求事項がクラス 1 よりも緩くなっていることを除き,両方のクラスに同じ要求事項を適用し

その許容限度値だけが異なる。

この規格で規定する周波数範囲において実時間で動作しない処理器及び測定器は,クラス 2X とする。

5.

基準環境条件  基準環境条件は,次のとおりとする。

周囲温度 20

静圧

101.325

kPa

相対湿度 65

%

参考  この規格では原国際規格の規定に従ったが,1998 年以降に発行される音響測定器の IEC 規格で

は,周囲温度 23  ℃,静圧 101.325 kPa 及び相対湿度 50 %を基準環境条件とすることが決定し

ている。

備考  平面進行波内での,音圧レベル L

p

と音響インテンシティレベル L

I

との差は,次の式で与えられ

る。


5

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

dB

 

400

log

10

10

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

=

c

L

L

p

I

ρ

ここに,

ρ

:  空気の密度 (kg/m

3

)

c

:  音の速さ (m/s)

基準環境条件下で,この関係は,L

I

L

p

−0.15 dB である。

6.

音響インテンシティ処理器の性能

6.1

周波数範囲  クラス 1 の処理器の周波数範囲は,少なくとも,1/3 オクターブバンドで 45 Hz から 7.1

kHz とする。クラス 2 の処理器の周波数範囲は,少なくとも,1/3 オクターブバンドで 45 Hz から 7.1 kHz

又はオクターブバンドで 45 Hz から 5.6 kHz とする。

参考  上記の周波数範囲をフィルタの中心周波数で表すと,1/3 オクターブバンド中心周波数で 50 Hz

から 6.3 kHz,オクターブバンド中心周波数で 63 Hz から 4 kHz である。

6.2

フィルタ  フィルタは,表 の要求事項に適合しなければならない。フィルタの方式は,アナログ

又はディジタルでもよい。フィルタは,狭帯域の分析結果から合成してもよいが,JIS C 1514 の要求事項

に適合しなければならない。

クラス 1 及びクラス 2 の処理器は,実時間で動作しなければならない。高速フーリエ変換 (FFT) 分析器

では,オーバーラップ信号処理が要求される(

附属書 参照)。

実時間で動作しない処理器はクラス 2X とし,

表 の要求事項に適合しなければならない。

6.3

A

特性  処理器は,A 特性オクターブバンドレベル及び A 特性 1/3 オクターブバンドレベルを求め

る機能を備えてもよい。周波数重み付け特性の基準レスポンスは,JIS C 1509-1 

表 に示す基準レスポ

ンスとし,許容限度値は,JIS C 1509-1 

表 に示すクラス 1 の許容限度値の半分とする。

6.4

指示値の精度  処理器は,音響インテンシティ又は音響インテンシティレベルを,表 に示す精度

で指示しなければならない。

6.5

マイクロホン間隔への対応  処理器は,プローブの公称マイクロホン間隔に対応して,音響インテ

ンシティを直接算出できなければならない。

表 の精度での計算ができるように,十分な精度で公称マイ

クロホン間隔に対する設定ができなければならない。

6.6

結果の提示  処理器は,音響インテンシティ及び音圧,又は音響インテンシティレベル及び音圧レ

ベルに比例した値を指示するか出力しなければならない。

処理器の分解能は,0.1 dB とする。

処理器は,音響インテンシティの正負を識別する機能を備えなければならない。音圧−残留インテンシ

ティ指数を指示する機能を備えることが望ましい。スペクトル表示及びハードコピー機能を備えることも

望ましい。

6.7

時間平均  処理器は,音響インテンシティの時間平均値を提示する。その積分時間は,表 に示す

範囲内及び分解能で可変とする。


6

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

  1  音響インテンシティ処理器に対する仕様及び性能

クラス 1

クラス 2

クラス 2X

フィルタの種類

JIS C 1514

のクラス 1 に適

合する 1/3 オクターブバン

JIS C 1514

のクラス 2 に適

合するオクターブバンド又
は 1/3 オクターブバンド

JIS C 1514

のクラス 2 に適

合するオクターブバンド又
は 1/3 オクターブバンド

実時間信号処理

必須。

狭帯域分析結果からフィルタを合成する場合,オーバーラ
ップ処理が要求される。

時間窓,データ取込み時間

及び処理時間に関して必要
なすべての情報を取扱説明
書に記載する。

指示値の精度

±0.2 dB

±0.3 dB

±0.3 dB

マイクロホン間隔の設定精

±0.1 dB

±0.2 dB

±0.2 dB

時間平均の積分時間

10  ∼ 180 s

連続変化又は

1 s 以下での段階的変化

10  ∼ 180 s

連続変化又は

段階的変化

30  ∼ 600 s

異なる周囲条件での音響イ
ンテンシティ計算への対応

必須

任意

任意

6.8

波高率  処理器は,波高率が 5 (14 dB)  までの信号に対して,測定結果を正確に提示する能力をもた

なければならない。

6.9

音圧−残留インテンシティ指数  処理器の音圧−残留インテンシティ指数は,動作範囲内で表 

示す値以上とする。

6.10

位相補償  処理器は,チャンネル間位相差を補償する機能を備えてもよい。その場合,使用方法と

限界についての十分な情報を取扱説明書に記載する。

6.11

レンジ設定  レンジの設定は,手動でもオートレンジ機能による自動でもよい。オートレンジ機能

で設定されたレンジは,保持できるようにする。

6.12

過大入力指示器  処理器には,処理器への入力信号が大きすぎてこの規格の要求事項を満たさなく

なったことを示す指示器を備える。その指示は,自動的に消えてはならない。

6.13

静圧及び周囲温度に対する補正  クラス 1 の処理器は,音響インテンシティの計算に用いるために,

周囲の静圧及び周囲温度,又はこれらから求められる補正係数の値を入力できるようにする。

6.14

動作環境  処理器は,5  ℃から 40  ℃の周囲温度範囲内で,表 に適合しなければならない。


7

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

  2  25 mm の公称マイクロホン間隔に対するプローブ,処理器及び測定器の音圧−

残留インテンシティ指数の最小値

単位  dB

プローブ

処理器

測定器

バンド中心周波数

Hz

クラス 1

クラス 2

クラス 1

クラス 2

クラス 1

クラス 2

   50 
   63 
   80

  100 
  125 
  160

  200 
  250 
  315

  400 
  500 
  630

  800 
1 000 
1 250 
1 600 
2 000 
2 500 
3 150 
4 000 
5 000 
6 300

13 
14 
15 
16 
17 
18 
19 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20

 7 
 8 
 9 
10 
11 
12 
13 
14 
15 
16 
17 
18 
18 
18 
18 
18 
18 
18 
18 
18 
18 
18

19 
20 
21 
22 
23 
24 
25 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26 
26

13 
14 
15 
16 
17 
18 
19 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20 
20

12 
13 
14 
15 
16 
17 
18 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19 
19

 6 
 7 
 8 
 9 
10 
11 
12 
13 
14

  14.5

15 
16 
16 
16 
16 
16 
16 
16 
16 
16 
16 
16

備考1. 25

mm 以外のマイクロホン間隔に対する音圧−残留インテンシティの許容最

小値は,をミリメートルで表したマイクロホン間隔として,表の数値に 10 
log

10

 (x/25)  を加える。

2.

オクターブ分析だけの処理器では,オクターブバンド中心周波数にだけ適用す
る。

7.

音響インテンシティプローブの性能

7.1

機械的構造  音響インテンシティプローブは,同一のマイクロホン及び同一のマイクロホン間隔に

よって,少なくとも連続する三つのオクターブバンドにわたり,この規格の要求事項に適合しなければな

らない。

複数のプローブで全周波数範囲をカバーする場合,各プローブの周波数範囲は,少なくとも 1 オクター

ブバンドは重なり合うことが望ましい。

プローブは,マイクロホン間隔を一定に保つ,機械的に安定な構造とする。

プローブは,同一型式のマイクロホンを対にした構成とする。同一型式とは,寸法,形状,バイアス電

圧,温度,湿度及び経時特性,並びに高い位相安定性のそれぞれが同一であることを意味する。

プローブには,処理器が指示する音響インテンシティの向きを正しく判断できるように,二つのチャン

ネルを識別する表示をしなければならない。

マイクロホンをプローブから着脱可能なときは,

それらがペアマイクロホンであることが分かるように,

例えば製造番号のような識別するための表示をしなければならない。


8

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

プローブは,音圧校正器及び残留インテンシティ試験器を使用できるような構造とする。

7.2

音圧特性  プローブに基準方向から入射する平面進行波に対して,プローブに取り付けた個々のマ

イクロホンの音圧に対する周波数特性は,250 Hz を基準として

表 の許容限度値内とする。

備考  この規定は,プローブに取り付けた状態での個々のマイクロホンに対する特性であり,プロー

ブとしての音圧特性ではない。プローブとしての音圧特性は,処理器での計算方法に依存する

ので,プローブに固有なものとして定義はできない。

7.3

音響インテンシティ特性  プローブは,基準方向から入射する平面進行波に対して,250 Hz を基準

とした次の式による公称音響インテンシティレベルを算出できるような信号を出力しなければならない。

クラス 1 の処理器を用いて算出した値は,

表 の許容限度値内とする。

dB

 

sin

sin

log

10

ref

ref

10

θ

θ

θ

θ

f

f

ここに,

θ

f

d

r

×f×

2

×

π

/

 c

 (rad)

d

r

マイクロホン間隔

 (m)

f

周波数

 (Hz)

c

基準環境条件での音の速さ

 (343.37 m/s)

θ

ref

基準周波数での

θ

f

の値

上記の式から計算した

250 Hz

を基準とした公称音響インテンシティ特性が

0

±

1 dB

となる周波数範囲内

でだけ,この規格を適用する。

表 には,上記の式から計算した

25 mm

のマイクロホン間隔でのプローブの公称音響インテンシティ特

性も示す。

7.4

指向特性  指向特性は,図 及び図 に示すように,互いに直交する三つの平面

XY

ZY

及び

ZX

内で規定する。

ZX

及び

ZY

平面内の音響インテンシティ特性は,基準方向から

360

°にわたり,余弦則に

従う。

正の最大の応答は

0

°,負の最大の応答は

180

°となる。

  3  対面 p-p プローブの指向特性を規定する軸

  4  並列 p-p プローブの指向特性を規定する軸

0

°<

φ

90

°及び

270

°<

φ

360

°の角度での特性は,

0

°の音響インテンシティレベルに

10 log

10

(cos

φ) dB

を加えたものとする。

90

°<

φ

270

°の角度での特性は,

180

°の音響インテンシティレベルに

10 log

10

 (

cos

φ) dB

を加えたものとする。

90

°及び

270

°に対して,クラス

1

では±

5

°,クラス

2

では±

7

°


9

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

以内に最小値があるものとする。角度φは,

ZX

及び

ZY

平面内での,入射方向とプローブ軸との間の角度

である。

許容限度値は,基準方向の

60

°以内,すなわち,

300

°∼

  0

°∼

 60

°及び

120

°∼

 180

°∼

 240

°の角

度内で,クラス

1

のプローブで±

1.5 dB

,クラス

2

のプローブで±

2 dB

とする。

備考

基準方向から

60

°と

120

°との間の角度の特性は,その検査が困難であるため規定しない。

  3  音圧特性及び音響インテンシティ特性の許容限度値

マイクロホンの音圧特性

プローブの音響インテンシティ特性

周波数

Hz

許容限度値

クラス 1

dB

許容限度値

クラス 2

dB

許容限度値

クラス 1

dB

許容限度値

クラス 2

dB

25 mm 間隔の公称音

響インテンシティ

dB

   50

   63 
   80 
  100

  125 
  160 
  200

  250 
  315 
  400

  500 
  630 
  800 
1 000 
1 250 
1 600 
2 000 
2 500 
3 150 
4 000 
5 000 
6 300

±0.5

±0.5 
±0.5 
±0.5

±0.5 
±0.5 
±0.5

基準

±0.5 
±0.5

±0.5 
±0.5 
±0.5

±0.5 
±0.5 
±0.6

±0.7 
±0.8 
±0.9

±1.0 
±1.2 
±1.4

±0.7

±0.7 
±0.7 
±0.7

±0.7 
±0.7 
±0.7

基準

±0.7 
±0.7

±0.7 
±0.7 
±0.7

±0.7 
±0.7 
±0.6

±1.0 
±1.2 
±1.4

±1.6 
±1.8 
±2.0

±1.0

±1.0 
±0.9 
±0.8

±0.7 
±0.7 
±0.7

基準

±0.7 
±0.7

±0.7 
±0.7 
±0.7

±0.7 
±0.8 
±0.9

±1.0 
±1.1 
±1.2

±1.3 
±1.6 
±1.9

±1.5

±1.4 
±1.3 
±1.2

±1.1 
±1.0 
±1.0

基準

±1.0 
±1.0

±1.0 
±1.0 
±1.0

±1.0 
±1.0 
±1.1

±1.3 
±1.6 
±1.9

±2.2 
±2.5 
±2.8

   0.0

   0.0 
   0.0 
   0.0

   0.0 
   0.0 
   0.0

  基準

   0.0 
   0.0

   0.0 
  −0.1 
  −0.1 
  −0.1 
  −0.2 
  −0.4 
  −0.6 
  −1.0 
  −1.6 
  −2.7 
  −4.8 
−10.5

備考  マイクロホン間隔が 25 mm 以外での公称音響インテンシティ特性は,7.3 の式から求める。

7.5

定在波音場での性能  プローブは,定在波音場内でも音響インテンシティを正確に測定できる構造

とする。低い周波数範囲ほどマイクロホンの気圧平衡のための圧力減衰が小さくなり,マイクロホン間の

位相不整合による測定誤差が生じやすいので,次に規定する周波数だけで性能を規定する。音圧及び粒子

速度をプローブの異なる二点から求めることによる誤差も,この周波数範囲で検出される。

定在波管の中に,音圧レベルの最大と最小との差が,クラス

1

のプローブで

24 dB

,クラス

2

のプロー

ブで

20 dB

となる定在波を発生させる。周波数は,

125 Hz

,又はプローブの使用下限周波数が

125 Hz

400

Hz

との間であればその周波数とする。このとき,プローブで測定される音響インテンシティレベルは,真

値に対し,クラス

1

のプローブで+

1.3 dB

及び−

1.75 dB

以内,クラス

2

で+

1.6 dB

及び−

2.5 dB

以内とす

る。


10

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

備考1.

音響インテンシティレベルの真値は,定在波音場の音圧レベルの最大値からデシベルで表し

た定在波比の半分の値を減じ,5.  で規定する音圧レベルと音響インテンシティレベルの間の

補正を適用して計算できる。

2.

7.5

の規定に適合させるため,

表 に例とした

25 mm

よりも大きな公称マイクロホン間隔が

必要となることもある。

7.6

音圧−残留インテンシティ指数  プローブは,表 の要求事項に適合しなければならない。

7.7

環境条件  プローブの試験は,基準環境条件,又は可能な限りこれに近い環境条件で行う。試験中

の実際の環境条件を明記する。

8.

音響インテンシティ測定器の性能  あるクラスの測定器としてプローブと処理器が同時に供給される

場合,クラス

1

の測定器は,クラス

1

の処理器とクラス

1

のプローブの組合せと同等の性能とする。クラ

2

の測定器は,少なくとも,クラス

2

の処理器とクラス

2

のプローブの組合せと同等の性能とする。ク

ラス

2X

の測定器は,

少なくとも,

クラス

2X

の処理器とクラス

2

のプローブの組合せと同等の性能とする。

プローブ及び処理器が別々に供給されたものを組み合わせて測定器を構成する場合,クラス

1

の測定器

は,クラス

1

の処理器及びクラス

1

のプローブによる構成とする。クラス

2

の測定器は,クラス

1

の処理

器とクラス

2

のプローブ,クラス

2

の処理器とクラス

1

のプローブ,又はクラス

2

の処理器とクラス

2

プローブのいずれかの構成とする。クラス

2X

の測定器は,クラス

2X

の処理器とクラス

1

のプローブ又は

クラス

2X

の処理器とクラス

2

のプローブのいずれかの構成とする。

9.

電源の性能  電源は,外部電源又は内部電源のいずれであっても,

5

℃から

 40

℃までの周囲温度範

囲内で,プローブ及び/又は処理器の正常動作を保証できるようにする。商用電源を用いる場合,その公

称電圧の

10 %

の変動に対して正常動作を保証できるようにする。

電源が電池の場合には,正常動作に十分な電圧であることを示す指示器を備える。

10.

音響インテンシティプローブ校正器の性能  ある特定の型式のプローブ用に設計された校正器は,そ

の旨を校正器に表示するか,取扱説明書に記載する。

10.1

音圧校正器  音圧校正器は,JIS C 1515 のクラス

0

,クラス

1

又はクラス

2

に適合する音響校正器で

なければならない。

参考

 2004

年に改正された現行の JIS C 1515 では,クラス

0

に対応する音響校正器をクラス

LS

と表

している。

10.2

残留インテンシティ試験器  残留インテンシティ試験器は,ピンクノイズ又はホワイトノイズを発

生し,

45 Hz

から

7.1 kHz

までの周波数範囲の全体又は一部の周波数範囲で動作しなければならない。

試験器は,少なくとも

45 Hz

から

1 000 Hz

までの周波数範囲で,振幅が±

0.1 dB

以内,位相差が次の式

の値未満である同一音圧を二つのマイクロホンに印加する。

Hz

1

10

54.2

-6

×

×

°

f

ここに,

f

:  周波数 (Hz)

10.3

音響インテンシティ校正器  音響インテンシティ校正器は,指定する周囲温度,静圧及び公称マイ

クロホン間隔において,製造業者の規定する値に対して±0.5 dB 以内の許容限度値で擬似的な音響インテ

ンシティをプローブのマイクロホンに与えるようにする。


11

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

製造業者は,静圧,周囲温度及び湿度に関する依存性を明記する。

11.

音響インテンシティ処理器の試験

11.1

オクターブバンド及び 1/3 オクターブバンドフィルタ  処理器の両チャンネルのフィルタ減衰特性

については,JIS C 1514 への適合性を試験する。処理器を音圧測定モードに設定し,正弦波信号を入力し

て試験することが望ましい。50 Hz から 6.3 kHz までの 1/3 オクターブバンドを試験する。オクターブバン

ドフィルタだけを備えるならば,63 Hz から 4 kHz までのオクターブバンドを試験する。許容限度値は,

基準減衰量又は基準入力(例えば,処理器が電圧を直接読み取る機能をもつならば,1 V の入力を基準値

とする。

)に適用する。

直線性の試験は,処理器を音圧測定モードに設定し,それぞれの帯域で正弦波信号を印加して行う。処

理器のマイクロホン感度に対する設定を 12 mV/Pa,又は設定可能な範囲内でこれに最も近い値に設定する。

処理器のフルスケールの指示値を 100 dB,又は 100 dB 未満の値にしか設定できない場合には最大のフル

スケール値に設定する。処理器が過大入力を指示するレベルより 22 dB 低い出力となるように,処理器へ

の入力を調整する。これを基準点として,処理器の指示する音圧レベルを記録する。処理器への入力を基

準点から 5 dB ずつ四段階に増加させ,各段階での処理器の指示する音圧レベルを記録する。次に,クラス

1 の測定器では,処理器への入力を基準点から 5 dB ずつ四段階に減少させ,各段階での処理器の指示する

音圧レベルを記録する。クラス 2 の測定器では,処理器への入力を 5 dB ずつ二段階に減少させ,各段階で

の処理器の指示する音圧レベルを記録する。測定器の指示値は,各段階で±0.2 dB 以内で正しいものとす

る。

A 特性を備えるものは,6.3 への適合性を,バンド中心周波数で検査する。

11.2

音響インテンシティの指示値  処理器の二つのチャンネルに二つの信号間の位相差が既知である正

弦波電気信号を同時に印加して,試験をする。試験信号のレベルは,同一(±0.1 dB 以内)とし,適切な

レンジのフルスケールの指示値から 20 dB 低い音圧レベルを示すように選ぶ。

試験周波数は,

63 Hz,250 Hz,

1 kHz 及び 4 kHz とする。処理器を音圧測定モードに設定し,オクターブバンド又は 1/3 オクターブバンド

音圧レベルの指示値 L

p

を記録する。処理器を音響インテンシティ測定モードに設定し,10 mm から 100 mm

までのプローブ間隔を一つ選び,その値に設定する。可能であれば,101.3 kPa の気圧及び 20  ℃の周囲温

度の設定とする。入力信号間の位相差

α

°を,次の式の値に設定する。

1.2

10

c

360

×

°

×

×

=

f

dr

α

ここに,

dr

:  マイクロホン間隔 (m)

f

:  周波数 (Hz)

c

:  基準環境条件での音の速さ (343.37 m/s)

二つの入力信号間の位相差は,クラス 1 の処理器を試験する場合±2 %で,クラス 2 の処理器を検査す

る場合±3.5 %で既知とする。音響インテンシティレベルの指示値を記録する。処理器の二つの入力を交換

し,処理器の指示する新たな音響インテンシティレベルを記録する。記録した二つの音響インテンシティ

レベルの平均値

I

L

と先の音圧レベルの指示値 L

p

は,

I

L

L

p

−12.15 dB の関係に対し,

表 の“指示値の

精度”の許容限度値内とする。

処理器のプローブマイクロホン間隔の設定値を変更したときの同一入力信号に対する音響インテンシテ

ィレベルの指示値の変化は,dr

1

及び dr

2

を元のマイクロホン間隔の設定値とその後のマイクロホン間隔の

設定値とすると,10 log

10

 (dr

1

/dr

2

) dB となる。指示値の変化は,表 の“マイクロホン間隔の設定精度”の


12

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

許容限度値内とする。

備考  位相差が既知である電気信号は,単一出力の発振器と附属書 に記載する RC 回路を用いて発

生させることが可能である。

11.3

時間平均  処理器を音圧測定モードに設定し,両方の入力に同時に 6.3 kHz(処理器がオクターブ分

析しか備えないならば 4 kHz)の正弦波信号を印加する。処理器のクラスに対してこの規格が要求する最

長平均時間(

表 参照)で平均し,その指示値 L

1

を記録する。次に,時間 で平均しながら,信号を時

間 T/10 だけ印加し,その指示値 L

2

を記録する。二つの指示値は,L

2

L

1

−10 dB の関係に対し,クラス 1

の処理器で±0.3 dB,クラス 2 及びクラス 2X の処理器で±0.5 dB 以内とする。

信号を時間 T/10 だけ印加する。時間 T/4 で平均し,その指示値 L

3

を記録する。L

1

及び L

3

は,L

3

L

1

−4

dB の関係に対し,前述の許容限度値内とする。

11.4

波高率  処理器を音圧測定モードに設定し,2 kHz の定常正弦波信号を印加する。30 s≦T≦36 s であ

る時間 で平均し,その指示値 L

1

を記録する。次に,継続時間が 4 ms でバースト繰返し周波数が 20 Hz

の 2 kHz のトーンバースト列を印加する。各バーストはゼロで始まりゼロで終わる 8 周期とし,定常信号

と同じ振幅をもつ。この信号を時間 で平均し,2 kHz のオクターブバンドでの指示値 L

2

を記録する。

L

1

及び L

2

は,L

2

L

1

−11 dB の関係に対し,クラス 1 の処理器で±0.3 dB,クラス 2 の処理器で±0.5 dB

以内とする。

継続時間を 8 ms(完全な 16 周期)

,バースト繰返し周波数を 10 Hz としたトーンバーストによって,試

験を繰り返す。

2 kHz のオクターブバンドフィルタを備えていない処理器では,試験は,2 kHz の 1/3 オクターブバンド

フィルタで行う。この場合,L

1

及び L

2

は,L

2

L

1

−11.3 dB の関係に対し,前述の許容限度値内とする。

11.5

音圧−残留インテンシティ指数及び動作範囲  処理器を音圧及び音響インテンシティを指示するよ

うに設定する。プローブ間隔の設定は,25 mm,又は設定可能な最も近い値とする。可能であれば,101.3

kPa の静圧及び 20  ℃の周囲温度に設定する。マイクロホンの感度の設定は,12 mV/Pa,又は設定可能な

最も近い値とする。

校正された減衰器を通して,処理器の両方の電気入力に,波高率が少なくとも 4 のピンクノイズを印加

する。信号は,20 Hz から 20 kHz までに帯域制限してもよい。処理器を,140 dB のフルスケール値,又は

140 dB 未満の値にしか設定できない場合には最大のフルスケール値に設定する。処理器が過大入力を指示

するレベルより 2 dB 低い出力となるように,処理器への入力を調整する。

信号を少なくとも 60 s 間平均し,処理器の音圧レベル及び音響インテンシティレベルの指示値から音圧

−残留インテンシティ指数を算出する。

処理器のレンジを変更せずに入力信号を 10 dB 減衰させ,音圧−残留インテンシティ指数を算出する。

入力信号を変化せずに処理器のフルスケールの指示値を 10 dB 減少させ,音圧−残留インテンシティ指

数を算出する。

いずれかの帯域で算出した音圧−残留インテンシティ指数が

表 の要求事項に適合しなくなるまで,入

力信号を減衰させて音圧−残留インテンシティ指数を算出し,フルスケールの指示値を減少させながら音

圧−残留インテンシティ指数を算出する手順を繰り返す。

最大入力信号で測定した一組のバンド音圧レベルの算術平均と,音圧−残留インテンシティが適合する

最小入力信号で測定した一組のバンド音圧レベルの算術平均との差が,処理器の動作範囲である。


13

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

12.

音響インテンシティプローブの試験  ここで“プローブ”とは,プローブの動作に不可欠なすべての

要素とともに,二つのマイクロホンを機械的に取り付けたものであることを意味する。

次の試験では,クラス 1 の処理器を用いる。ただし,クラス 2 のプローブの試験には,クラス 2 の処理

器を用いてもよい。

12.1

周波数特性  処理器にプローブを接続し,プローブの製造業者が指定する校正器を用いてシステム

全体の感度を調整する。

プローブを,平面進行波が基準方向から入射するように自由音場内に置く。自由音場特性が既知のマイ

クロホンと比較して,プローブの自由音場音響インテンシティ特性及び個々のマイクロホンの音圧特性を

求める。

プローブの各構成に対して,

製造業者が動作範囲として保証していない周波数を除き,

50 Hz から 6.3 kHz

までの特性を 1/3 オクターブ間隔で求める。その特性は,

表 の要求事項に適合しなければならない。

プローブの音響インテンシティ特性を 250 Hz で測定しないときには,測定範囲内のある周波数を基準と

した公称音響インテンシティ特性を計算するために,7.3 の式を用いてもよい。

表 の許容限度値を適用す

る。

備考1.  試験は,連続正弦波信号又は電気的にゲートを通したトーンバーストを処理器に入力して行

ってもよい。連続正弦波信号での試験には,より理想的な自由音場が必要である。自由音場

の必要性を低減するために,ピンクノイズを用いてもよい。音源は,測定距離と比較して小

さいことが望ましく,例えば,直径 25 mm の音源に対し,音源とプローブとの間の最適距離

は 250 mm から 350 mm である。

2.

この型式のプローブが

附属書 の方法による定期試験の対象となるとき,この試験で測定す

る自由音場におけるマイクロホンの特性と,A.2.2 の試験で用いる静電駆動器又は音圧校正器

で測定する特性との差を求めることが必要となる。

12.2

指向特性  指向特性は,基準方向以外から音を入射し,前述の方法によってプローブの音響インテ

ンシティを測定して求める。

基準方向から±30°及び±60°の角度で音響インテンシティを測定し,

図 及び図 に定義する ZX 及

び ZY 平面内の指向特性を求める。

音場でプローブを回転させて測定するか,90°及び 270°付近で測定し補間を行うことによって,音響

インテンシティが最小となる角度を求める。

プローブの指向特性は,7.4 の要求事項に適合しなければならない。

12.3

定在波音場での性能  この試験は,400 Hz 未満の周波数でも使用するように設計されたプローブに

だけ必要である。

処理器にプローブを接続し,プローブの製造業者の指定する校正器を用いて製造業者の指示に従いシス

テム全体の感度を調整する。

平面定在波音場内でプローブの性能を試験する。125 Hz の周波数,又は製造業者の保証する使用下限周

波数が 125 Hz と 400 Hz との間であればその周波数で,音圧レベルの最大と最小との差が,クラス 1 のプ

ローブでは 24 dB±0.5 dB,クラス 2 のプローブでは 20 dB±0.5 dB となる定在波音場を用いる。プローブ

を,その軸が波面に垂直となる向きに置き,

λ

を音の波長として,少なくとも 0.75

λ

の距離だけ軸に対して

平行な方向に動かす。0.05

λ

以下の間隔で,処理器の指示する音響インテンシティを記録する。指示する

音響インテンシティは,7.5 に示す許容限度値内で一定とする。

備考  この試験は,長さが 0.8

λ

以上の定在波管の中の,終端に近い部分を用いて行うことができる。


14

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

定在波比は,グラスウールのような吸音材によって調整する。平面波だけが伝搬するように直

径は 0.35

λ

を超えないことが望ましいが,同時に,管の断面積は供試プローブの最大断面積の

少なくとも 10 倍であることが望ましい。管壁の振動は音場に影響を与えないように小さくし,

プローブに振動が伝わらないように注意する。

12.4

音圧−残留インテンシティ指数  処理器にプローブを接続し,プローブの製造業者の指定する校正

器を用いて製造業者の指示に従いシステム全体の感度を調整する。

製造業者が使用範囲として保証しない周波数を除き,50 Hz から 6.3 kHz までの周波数範囲の 1/3 オクタ

ーブ間隔で音圧−残留インテンシティ指数を算出する。500 Hz 以下の周波数ではプローブのマイクロホン

に同一のピンクノイズを音響信号として印加することで行うが,500 Hz を超える周波数では同一のピンク

ノイズで駆動する静電駆動器を用いて,それをマイクロホンに対する同一の音響信号とみなして行っても

よい。試験に使用する処理器の音圧−残留インテンシティ指数は,各 1/3 オクターブバンドにおいて,プ

ローブのそれより 5 dB を超える値であることが望ましい。プローブの音圧−残留インテンシティ指数は,

表 の要求事項に適合しなければならない。

13.

校正器の試験

13.1

音圧校正器  感度が国家標準へのトレーサビリティをもつマイクロホンを用い,校正器の発生する

音圧を測定する。そのマイクロホンは,その校正器によって校正されるマイクロホンと,同一の寸法及び

音響特性であることが望ましい。

JIS C 1515

に規定する音響信号の安定性,周波数及びひずみを測定する。

これらの測定値は,JIS C 1515 の要求事項に適合しなければならない。

13.2

残留インテンシティ試験器  試験器が適用される型式のペアマイクロホンを用いる。それらをマイ

クロホン取付口に挿入し,試験器の備える周波数範囲内でそれらの出力間の位相差を測定し,一つのチャ

ンネルの音圧レベルを測定する。測定器の設定を変えずに,同一の前置増幅器及び測定チャンネルに接続

した状態のマイクロホンを試験器のマイクロホン取付口で相互に交換して位相差を測定し,前回と同じチ

ャンネルの音圧レベルを測定する。

二つの位相差の差は,試験器の二つの音響信号の位相差の 2 倍である。

10.2

の要求事項に適合しなければならない。

備考  位相差の算出は,音圧−残留インテンシティ指数の値が,クラス 1 の処理器に求められるもの

より 5 dB 以上大きい音響インテンシティ処理器で行ってもよい。位相差は,残留インテンシテ

ィの測定値から算出する。

13.3

音響インテンシティ校正器  音響インテンシティ校正器は,位相は異なるがレベルの等しい音響信

号をプローブに加える。位相差は,平面進行波におけるプローブの公称間隔に対応する。

感度が国家標準へのトレーサビリティをもつマイクロホンで,校正器の各マイクロホン取付口内に発生

する音圧(p

1

及び p

2

)を測定する。測定中,両方の取付口には,その校正器が適用されるマイクロホンと

同一寸法及び音響特性のマイクロホンを取り付けておくことが望ましい。

取付口間の位相差  (

β

)  の測定には,校正器が適用される型式のペアマイクロホンを用いる。それらをマ

イクロホン取付口に挿入し,校正器の周波数で,それらの出力間の位相差を測定する。測定器の設定を変

化させずに,同一の前置増幅器及び測定チャンネルに接続した状態のマイクロホンを校正器のマイクロホ

ン取付口で相互に交換して位相差を測定する。

二つの位相差の差は,

二つの取付口の位相差の 2 倍である。

校正器によって発生される音響インテンシティレベルは,次の式である。


15

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

dB

10

π

2

sin

log

10

12

-

2

1

10

dr

f

p

p

ρ

β

ここに,

dr

:  校正器が適用されるプローブのマイクロホン間隔 (m)

f

:  校正器の周波数 (Hz)

ρ

:  周囲条件での空気の密度 (kg/m

3

)

この値は,

(製造業者が要求するすべての補正を適用した後に)製造業者が指定する値に対し,10.3 に示

す許容限度値内とする。

14.

現場での校正及び確認  型式評価試験及び検定を経た測定器が正しく動作していることを確認するた

めに,音響インテンシティ測定器を使用する前ごとに,次の手順に従う。

a)

製造業者の指定する余熱時間をおく。

b)

測定器を音圧測定モードに設定し,音圧校正器を二つのマイクロホンに交互に又は同時に適用する。

両チャンネルとも正確な音圧レベル  (±0.1 dB)  を指示するように測定器を調整する。

c)

残留インテンシティ試験器を二つのマイクロホンに適用し,音圧−残留インテンシティ指数を算出す

る。測定器が,残留インテンシティ試験器の動作範囲内で,そのクラスの要求事項に適合しているこ

とを確認する。音圧−残留インテンシティ指数を大きくするために,製造業者が推奨する位相補償及

びその他の手順を適用してもよい。位相補償及び音圧−残留インテンシティの算出は,使用するレベ

ルに近いレベルで行うことが望ましい。

d)

音響インテンシティ校正器が利用可能であれば,音響インテンシティの指示値の確認に用いる。

15.

表示及び取扱説明書

15.1

表示  この規格に適合する音響インテンシティプローブ,処理器,測定器又は校正器には,この規

格の番号,この規格の発効年及び適合するクラスを示す表示をする。また,製造業者の名称,型式番号及

び製造番号も表示する。

15.2

取扱説明書  音響インテンシティプローブ又は処理器には,少なくとも次の内容を記載した取扱説

明書を添付する。

15.2.1

音響インテンシティプローブ

a)

プローブに用いることのできるマイクロホンの型式

b)

表示するクラスに適合させるための取付方法

c)

基準点の位置,プローブ軸及び基準の向き

d)

この規格の許容限度値内で測定できる音響インテンシティレベル及び音圧レベルの範囲

e)

動作に必要な外部電源の仕様

f)

表示するクラスに適合させるための電気負荷インピーダンスの最小値

g)

プローブに取り付けたマイクロホンの感度

h)

プローブチャンネル間の位相差

i)

周囲温度(10∼50  ℃の範囲)の影響

j)

湿度(相対湿度 30∼90 %の範囲)の影響

k)

電磁場の影響

l)

推奨するウィンドスクリーンの 45 Hz から 7.1 kHz までの周波数範囲における影響

m)

精度を維持するための校正方法


16

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

n)

基準方向からの平面進行波入射に対する,音響インテンシティ特性及び音圧特性

o)

指向特性

p)

定在波音場内における性能

q)

音圧−残留インテンシティ指数

r)

この規格の要求事項に適合する,使用可能な音圧校正器及び残留インテンシティ試験器の詳細

15.2.2

音響インテンシティ処理器

a)

使用可能なマイクロホンの感度の範囲

b)

プローブ用として供給可能な電源の仕様

c)

電気入力インピーダンス

d)

周波数範囲

e)

フィルタのクラス

f)

周波数重み付け特性

g)

動作範囲

h)

平均時間の範囲

i)

備えるならば,位相補償機能の使用方法

j)

音響インテンシティの指示値の精度

k)

音圧−残留インテンシティ指数


17

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書 A(規定)定期試験の試験項目

この規格の 11.  から 13.  に規定する検査は型式評価試験のためのもので,大規模な試験設備及び長い試

験時間を必要とする。音響インテンシティ測定器のこの規格への適合性についての定期試験又は初期試験

を目的とする場合の試験は,次による。

A.1.

処理器

A.1.1

オクターブバンド及び 1/3 オクターブバンドフィルタ  11.1 のすべての試験。

A.1.2

音響インテンシティの指示値  11.2 の周波数 1 kHz での試験。

A.1.3

時間平均  11.3 の時間 で平均する試験。

A.1.4

波高率  11.4 の継続時間 8 ms,バースト繰返し周波数 10 Hz での試験。

A.1.5

音圧−残留インテンシティ指数及び動作範囲  11.5 の試験。ただし,型式試験に適合した最小入力

信号レベルでの試験。大きなレベルでの試験は,それより小さいレベルで適合しなかった場合だけ行う。

A.2.

プローブ

A.2.1

目視検査  プローブ及びマイクロホンの,腐食,機械的損傷及び変形の有無を検査する。可能であ

れば,マイクロホンの振動膜の検査を含む。

A.2.2

マイクロホンの音圧特性  音圧校正器を用いて,オクターブ以下の間隔で,125 Hz から 6.3 kHz ま

でのマイクロホンの音圧特性を求める。125 Hz 及び 250 Hz で音圧校正器を用いたうえで,200 Hz から 7.1

kHz までの周波数範囲は静電駆動器を用いて音圧特性を求めてもよい。音響校正器又は静電駆動器で求め

た特性に,プローブが自由音場にある場合の特性への補正値を適用する。これらの補正値は,製造業者の

提供する値でもよく,12.1 の試験の一部として求められたものでもよい。マイクロホンの特性は,

表 

示す許容限度値内とする。

適切な静電駆動器又は複数の周波数の音圧校正器が利用できなければ,12.1 の試験を行う。

A.2.3

音圧−残留インテンシティ指数  残留インテンシティ試験器又は静電駆動器を用いて二つのマイ

クロホンに同一のピンクノイズを同時に印加することによって,音圧−残留インテンシティ指数を算出す

る。算出した音圧−残留インテンシティ指数は,

表 に適合しなければならない。

A.3.

校正器  13.に従う。


18

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書 B(参考)オートレンジ機能

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

多くの処理器ではオートレンジ機能が利用可能であり,最適なレンジを自動的に選択するように設計さ

れている。音響インテンシティ処理器として用いる場合には,通常,最適な音圧−残留インテンシティ指

数となるレンジで動作させることを意味する。可能な限りオートレンジ機能を用いることが望ましい。

音源周辺の固定点で音響インテンシティを測定する場合,各点において,測定を開始する以前にオート

レンジ機能を作動させることが望ましい。

スキャニングによる測定の場合,各面要素での測定を開始する前に,その面要素内で最高レンジ(最も

感度の低いレンジ)が必要となる点で,オートレンジ機能を作動させることが望ましい。

両チャンネルに対して,等しいレンジの設定が望ましい。


19

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書 C(参考)FFT に基づく音響インテンシティ処理器

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

離散フーリエ変換 (DFT) 又は高速フーリエ変換 (FFT) 分析器は,通常固定した本数(例えば 400 本)

のスペクトルラインで,ディジタル的に狭帯域分析を行う。各スペクトルラインは,狭帯域幅のフィルタ

に相当する。

その周波数範囲は,直流又は数分の一ヘルツから可聴周波数範囲内の周波数までである。

分析器は,0∼100 Hz,0∼1 kHz,0∼10 kHz,0∼20 kHz というような周波数レンジで分析する。400 ラ

インの能力では,各スペクトルラインは 0∼100 Hz のレンジで 100/400 Hz,又は 0∼1 kHz のレンジで

1 000/400 Hz の帯域幅のフィルタに相当し,その実効帯域幅は用いる時間窓の種類に依存する。

分析器によっては,実時間動作は 1 kHz 又は 2 kHz を上限とする周波数レンジでだけ利用可能であり,

それより高い周波数レンジでの動作では,分析する入力データに欠落が生じる。一例を

附属書 図 に示

す。

附属書   1  ハニング窓を使用した実時間動作ではない場合

実時間で動作する周波数レンジであっても,

(狭帯域を 1/N オクターブバンドに変換する通常の手段で

ある。

)ハニング窓を用いた場合,データの一部は失われるか,十分に考慮されない。一例を

附属書 図 2

に示す。

附属書   2  実時間動作でハニング窓を使用した場合

このような処理は,定常信号の正確な分析に対して悪い影響を与えるものではないが,信号がハニング

窓の長さと同程度の周期をもつ場合には,誤差が生じるであろう。

分析器によっては,この問題を解消するために“オーバーラップ”処理を用いている。一例を

附属書 C

図 に示す。


20

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書   3  オーバーラップ実時間動作でハニング窓を使用した場合

狭帯域分析結果から 1/N オクターブバンドを合成するためには,

1/N オクターブバンドフィルタごとに 5

又は 10 以上のライン(又は狭帯域バンドフィルタ)が必要である。分析器は,まず一群のデータを取り込

んで高い周波数範囲内の狭帯域分析を行い,次に異なる一群のデータを取り込んで低い周波数範囲を分析

する。処理のための時間によってデータが欠落することがある。一例を

附属書 図 に示す。

備考  この図は,図示する目的でだけ時間の流れを示したものであり,個々の分析器の動作の厳密な

形を示すものではない。

附属書   4  異なる周波数範囲で異なる時間窓を使用した場合

FFT 分析器の性能は型式ごとに異なる。狭帯域分析結果から 1/N オクターブバンドを合成する分析器の

取扱説明書には,処理方法の十分又は明確な情報が記載されていない場合が多い。しかしながら,騒音源

のレベルが周期的に変動し,その繰返し周期が平均時間に近いような場合,その FFT 分析器の使用が可能

かの判断に,この情報は非常に有用である。

例えば,一回の平均時間 T

a

が 2 s であるとき,この時間内で T

hf

(10 kHz までの高い周波数に対する取込

み時間)は 25 ms 程度であり,T

lf

(低い周波数に対する取込み時間)は 1.25 s 程度である。平均時間の残

りの部分 T

p

は処理時間である。この例では,スペクトルの低い部分に対しては動作時間の半分をわずかに

超えるデータを観測し,高い周波数の分析に対してはその時間のほんのわずかな部分について観測するに

すぎない。例えば,低い周波数とは 2 kHz 未満,高い周波数とは 2 kHz 以上である。


21

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書 D(参考)位相差を発生させる回路

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

一方の信号経路に簡単な RC 回路を挿入して,音響インテンシティ処理器の二つの入力に既知の位相差

の電圧を印加することができる。

図の回路は,V

in

と V

out

との間に角周波数

ω

で arctan (

ω

RC)

の位相差を,[1+(

ω

RC)

2

]

-0.5

の振幅減衰で発生

させる。

参考  V

in

を処理器の一方の入力チャンネルに,V

out

をもう一方のチャンネルに印加する。

例えば,マイクロホン間隔が 12 mm のプローブで 1 kHz の周波数であれば,11.2 は次の式の位相差

α

必要とし,を 10

-9

 F に選択すると,この位相差を与えるための は次の式となる。

( )

°

=

×

×

×

×

=

0.79

10

343.37

360

10

10

10

1.2

3

-3

α

( )

kΩ

2.2

10

10

π

2

0.79

tan

9

-

3

=

×

×

=

R

この回路の

ω

RC

は小さいので,その他の試験周波数でも正しい位相角度を与える。さらに,動作範囲の

すべての周波数での信号の振幅の減少は,

0.02 dB

未満である。

処理器の入力静電容量を補償するために,の値の抵抗を,他方の信号経路にも直列に挿入することが

望ましい。

回路はシールドケース内に収納することが望ましく,浮遊線間容量が の実質的な値を変化させないよ

うに注意することが望ましい。誤差が

1 %

以内の安定な素子を用いることが望ましい。

備考

ハンダ付けによる過熱で,素子の値が変化するおそれがある。


22

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書 E(参考)ダイナミック性能指数

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

ダイナミック性能指数は,JIS Z 8736-1 に規定される測定精度のグレードごとに定められた音響インテ

ンシティの測定が可能な,音圧レベルと音響インテンシティレベルの差である。この規格は,測定器のク

ラスごとに,測定器の音圧−残留インテンシティ指数に対する要求事項を規定する。JIS Z 8736-1 は,測

定精度のグレードごとに“バイアス誤差係数”を規定している。JIS Z 8736-1 のダイナミック性能指数は,

音圧−残留インテンシティ指数からバイアス誤差係数を減じることによって得られる。

JIS Z 8736-1

では,精密級(グレード

1

)及び実用級(グレード

2

)の測定にクラス

1

の測定器を用いる。

この場合の幾つかの公称マイクロホン間隔に対するダイナミック性能指数を

附属書 図 に示す。JIS Z 

8736-1

の簡易級(グレード

3

)の測定では,クラス

2

の測定器を用いてもよい。この場合のダイナミック

性能指数を

附属書 図 に示す。公称マイクロホン間隔によって定まるプローブの音響インテンシティ特

性を

附属書 図 に示す。図中の各マイクロホン間隔に対する上限周波数は,

250 Hz

の特性を基準として

プローブの音響インテンシティ特性が

1 dB

低下する周波数である。これは,単一のプローブ構成では,

45

Hz

から

7.1 kHz

までの全周波数範囲にわたりすべての要求事項を満足させることが不可能であることを示

している。

附属書   1  精密及び実用級の測定におけるダイナミック性能指数


23

C 1507

:2006 (IEC 61043:1993)

附属書   2  簡易級の測定におけるダイナミック性能指数

附属書   3  各マイクロホン間隔のプローブの

音響インテンシティ特性