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C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  記号及び略語 

9

4.1

  記号

9

4.2

  座標系

13

5

  主要構成要素 

13

5.1

  一般

13

5.2

  設計方法 

14

5.3

  品質保証 

14

6

  外部条件

16

6.1

  一般

16

6.2

  SWT クラス 

16

6.3

  風条件

17

6.4

  その他の環境条件

22

6.5

  電気負荷条件 

23

7

  構造設計

24

7.1

  一般

24

7.2

  設計方法 

24

7.3

  荷重及び荷重ケース

25

7.4

  簡略化した荷重モデル 

26

7.5

  空力弾性モデリング

31

7.6

  荷重計測 

33

7.7

  応力計算 

33

7.8

  安全率

34

7.9

  限界状態解析 

35

8

  保護及び停止システム 

36

8.1

  一般

36

8.2

  保護システムの機能的要求事項

36

8.3

  手動停止 

36

8.4

  保守のための停止

36

9

  試験

36

9.1

  一般

36

9.2

  設計データを検証するための試験 

37


C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)  目次

(2)

ページ

9.3

  機械的荷重試験

37

9.4

  耐久性試験 

38

9.5

  機械部品の試験

40

9.6

  安全性及び機能試験

41

9.7

  環境試験 

42

9.8

  電気試験 

42

10

  電気システム 

42

10.1

  一般

42

10.2

  保護装置 

42

10.3

  断路器

42

10.4

  接地システム 

42

10.5

  雷保護

43

10.6

  電気導体及びケーブル 

43

10.7

  電気負荷 

43

11

  支持構造物

44

11.1

  一般

44

11.2

  動的挙動に関する要求事項 

44

11.3

  環境要因

44

11.4

  接地

44

11.5

  基礎

44

11.6

  SWT アクセス時の設計荷重 

44

12

  文書に対する要求事項 

45

12.1

  一般

45

12.2

  据付け

45

12.3

  運転

45

12.4

  保守及び定期点検

46

13

  SWT の表示 

47

附属書 A(参考)小形風車の型式認証

48

附属書 B(規定)SWT クラス を記載する設計パラメータ 

50

附属書 C(参考)乱流の統計的モデル

51

附属書 D(参考)決定論的乱流記述

53

附属書 E(参考)材料の部分安全率 

55

附属書 F(参考)簡易設計計算式の開発

64

参考文献

72


C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電機

工業会(JEMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 1400-2:1999 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS C 1400

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

1400-0

  風力発電システム−第 0 部:風力発電用語

JIS

C

1400-1

  風車−第 1 部:設計要件

JIS

C

1400-2

  風車−第 2 部:小形風車の設計要件

JIS

C

1400-11

風力発電システム−第 11 部:騒音測定方法

JIS

C

1400-12-1

  風車−第 12-1 部:発電用風車の性能試験方法

JIS

C

1400-21

風力発電システム−第 21 部:系統連系風車の電力品質特性の測定及び評価


   

日本工業規格

JIS

 C

1400-2

:2010

(IEC 61400-2

:2006

)

風車−第 2 部:小形風車の設計要件

Wind turbines-Part 2: Design requirements for small wind turbines

序文 

この規格は,2006 年に第 2 版として発行された IEC 61400-2 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,安全性の考え方,品質保証及び技術的な健全性を扱い,かつ,規定の外部条件下における

設計,据付け,保守及び運転を対象に小形風車(以下,SWT という。

)の安全性に対する要求事項につい

て規定する。その目的は,設計寿命を通じてシステムの危険要因による損傷に対して,適切なレベルの保

護措置を講じることである。

この規格は,保護機構,内部電気システム,機械システム,支持構造物,基礎,負荷との電気的な接続

など SWT のすべてのサブシステムに関係している。

この規格は,JIS C 1400-1 によく似ているが,SWT に適用するために,単純化し,かつ,大幅に変更し

ている。

この規格は,ロータの受風面積が 200 m

2

未満で,発電電圧が交流 1 000 V 以下又は直流 1 500 V 以下の

SWT

に適用する。

この規格は,適切な引用規格(箇条 参照)と一緒に用いることが望ましい。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61400-2:2006

,Wind turbines−Part 2: Design requirements for small wind turbines(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 9960-1

  機械類の安全性−機械の電気装置−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60204-1,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1:

General requirements

(MOD)

JIS C 1400-1

  風車−第 1 部:設計要件

注記  対応国際規格:IEC 61400-1,Wind turbines−Part 1: Design requirements(IDT)


2

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

JIS C 1400-12-1

  風車−第 12-1 部:発電用風車の性能試験方法

注記  対応国際規格:IEC 61400-12-1,Wind turbines−Part 12-1: Power performance measurements of

electricity producing wind turbines

(IDT)

JIS C 4034-1

  回転電気機械−第 1 部:定格及び特性

注記  対応国際規格:IEC 60034-1,Rotating electrical machines−Part 1: Rating and performance(MOD)

JIS C 4034-5

  回転電気機械−第 5 部:外被構造による保護方式の分類

注記  対応国際規格:IEC 60034-5,Rotating electrical machines−Part 5: Degrees of protection provided

by the integral design of rotating electrical machines (IP code)

−Classification(IDT)

JIS C 5381-1

  低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法

注記  対応国際規格:IEC 61643-1,Low-voltage surge protective devices−Part 1: Surge protective

devices connected to low-voltage power distribution systems

−Requirements and tests(IDT)

JIS C 60364-5-54

  建築電気設備−第 5-54 部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保

護ボンディング導体

注記  対応国際規格:IEC 60364-5-54,Electrical installations of buildings−Part 5-54: Selection and

erection of electrical equipment

− Earthing arrangements, protective conductors and protective

bonding conductors

(IDT)

JIS C 60721-2-1

  環境条件の分類  自然環境の条件−温度及び湿度

注記  対応国際規格:IEC 60721-2-1,Classification of environmental conditions−Part 2-1: Environmental

conditions appearing in nature

−Temperature and humidity 及び Amendment.1:1987(IDT)

JIS Q 9000

(シリーズ)品質マネジメントシステム

注記  対応国際規格:ISO 9000 (series),Quality management systems(IDT)

JIS Q 17025:2005

  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

注記  対応国際規格:ISO/IEC 17025:2005,General requirements for the competence of testing and

calibration laboratories

(IDT)

ISO 2394

,General principles on reliability for structures

IEC 60034-2

,Rotating electrical machines. Part 2: Methods for determining losses and efficiency of rotating

electrical machinery from tests (excluding machines for traction vehicles)

注記  対応日本工業規格:JIS C 4210  一般用低圧三相かご形誘導電動機

IEC 60034-8

,Rotating electrical machines−Part 8: Terminal markings and direction of rotation

IEC 60038

,IEC standard voltages

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

年平均(annual average) 

十分な期間にわたって集めた十分な量の測定データセットを平均した値であって,測定対象の期待値を

推定できるもの。平均を計算する期間は,季節差などの非定常効果をならすため,年数は整数とする。

3.2 

年平均風速(annual average wind speed),V

ave 


3

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

年平均の定義に従って平均した風速。

3.3 

自動再閉路周期(auto-reclosing cycle) 

系統故障の後に開放された遮断器が自動的に再閉路し,線路が系統に再接続されるまでの約 0.01 秒から

数秒間の変化の事象。

3.4 

SWT の)ブレーキ装置[brake (for wind turbines)] 

ロータの回転速度を緩めるか,又は回転を静止させることができる装置。

3.5 

SWT の)重大故障[catastrophic failure (for wind turbines)] 

構成部品又は構造物が,分解又は破壊して,基礎機能を失い安全性を損ねること。

3.6 

(材料の)特性値[characteristic value (of a material property)] 

限りなく試験されると仮定して,達成されない所定の確率をもつ値。

注記  JIS Z 8101-1  に定義される“分位点”(fractile)と同等である。

3.7 

SWT の)運転制御装置[control system (for wind turbines)] 

SWT

の状態及び/又は環境の情報を受け,運転制限範囲内に保つよう SWT を調整する補助装置。

3.8 

カットイン風速(cut-in wind speed),V

in

SWT

が動力を発生するハブ高さにおける最小の平均風速。

3.9 

カットアウト風速(cut-out wind speed),V

out

SWT

が動力を発生するように設計されたハブ高さにおける最大の平均風速。

3.10 

設計限界(design limits) 

設計に用いられる最大値又は最小値。

3.11 

設計状態(design situation)

SWT

運転中の考えられる状態。例えば,発電状態,パーキング状態など。

3.12 

設計風速(design wind speed)

簡単な設計式において,入力値として用いられる風速(1.4×V

ave

に等しい。

3.13 

風下(downwind) 

主たる風の方向(主風向)

3.14 

SWT の)緊急停止[emergency shutdown (for wind turbines)]

保護システム又は手動操作によって SWT を速やかに停止させること。


4

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

3.15 

環境条件(environmental conditions)

SWT

システムの挙動に影響を与える可能性がある環境(高度,温度,湿度など)の特性。

3.16 

SWT の)外部条件[external conditions(for wind turbines)]

季節による風の変化,その他の気象因子(雪,氷など)

,地震及び電力系統の状態を包含する SWT の運

転に影響を与える要素。

3.17 

極値風速(extreme wind speed)

秒間で平均した最大平均風速で,年という指定期間(再現期間)内で起こり得る風速。

注記  幾つかの規格では,再現期間 T=50 年及び T=1 年,平均時間 t=3 秒及び t=10 分を用いる。

平易な言葉では,

“耐風速”という,あまり正確ではない用語がしばしば用いられる。しかし,

実際的には,風力発電システムは,設計荷重ケースとして極値風速を用いて設計される。

3.18 

フェイルセーフ(fail-safe)

故障の発生が重大な障害につながることを防止する設計上の特質。

3.19 

ファーリング(furling) 

受風投影面積を減らすことによって,受動的に過速度を制御する機構。

3.20 

突風(gust) 

風速が平均値を超えて突然,かつ,短時間に増加すること。

注記  突風は,立上り時間,振幅及び継続時間で特徴付けることができる。

3.21 

水平軸(形)風車(horizontal axis wind turbine)

ロータの回転軸が風の流れに対して実質的に平行な SWT。

3.22 

SWT の)ハブ[hub (for wind turbines)]

翼又は翼組立品をロータ軸に取り付ける固定部品。

3.23 

SWT の)ハブ高さ[hub height (for wind turbines)] 

SWT

ロータ中心の地上からの高さ。垂直軸形風車の場合,ハブ高さは,赤道面の高さ。

3.24 

SWT の)アイドリング[idling (for wind turbines)] 

低速回転しているが,電力を発生していない SWT の状態。

3.25 

限界状態(limit state)

構造物及びそれにかかる荷重の状態であって,それを超えると構造物が設計要求事項に合致しなくなる

状態(ISO 2394 の 2.2.9 を修正)

注記  設計計算(すなわち,限界状態に対する設計要求事項)の目的は,限界状態になる確率を当該


5

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

構造物に定められたある値以下に抑えることである(ISO 2394 参照)

3.26 

荷重ケース(load case) 

設計条件と外部条件との組合せ。結果的には,構造物に加わる荷重の組合せを意味する。

3.27 

ウィンドシアの対数法則(logarithmic wind shear law) 

地上高の対数関数として,高さ方向の風速変化を表現する数学法則。

3.28 

平均風速(mean wind speed)

数秒から数年を変数とする所定期間内で平均化した風速の瞬間値の統計的平均。

3.29 

ナセル(nacelle) 

水平軸 SWT において,タワーの頂部に配置され,動力伝達装置,その他の構成要素を格納するもの。

3.30 

SWT の)通常停止[normal shutdown (for wind turbines)]

すべての段階が制御システムの制御下にある停止。

3.31 

動作限界(operating limits)

SWT

設計者によって設定された,制御及び保護システムの動作を支配する条件のセット。

3.32 

待機中の SWT(parked wind turbine) 

SWT

の設計に応じて,SWT が静止状態又はアイドリングのいずれかの状態。

3.33 

パーキング(parking)

通常停止後の SWT の状態。

3.34 

ウィンドシアの指数法則(power law for wind shear)

地上高の指数関数として,高さ方向の風速変化を表現する数学法則。

3.35 

出力(power output)

特定の形態で,かつ,特定の目的のために,装置によって供給される電力。

注記 SWT に関しては,SWT によって供給される電力を示す。

3.36 

SWT の)保護システム[protection system (wind turbine)]

風力発電システムを設計限界内に保つことを保証するシステム。

3.37 

レイリー分布(Rayleigh distribution) 

風速に対してしばしば用いられる確率分布関数。レイリー分布は,一つの(変更可能な)パラメータに

依存する。そのパラメータを尺度パラメータといい,平均風速を操作することになる。

注記  レイリー分布は,形状パラメータが 2 のワイブル分布(3.55 参照)に等しい。


6

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

3.38 

基準風速(reference wind speed)  V

ref

SWT

クラスを定義するために用いられる風速の基本パラメータ。その他の設計に関係する気象パラメー

タは,基準風速,その他の基本 SWT クラスパラメータから導かれる。

注記  基準風速 V

ref

の SWT クラスで設計された SWT は,SWT のハブ高さにおける再現時間 50 年の

10

分平均極値風速が V

ref

以下の気象に耐えるように設計する(3.17 参照)

3.39 

共振(resonance) 

強制振動の周期が自由振動の周期に非常に近い振動系で現れる現象。

3.40 

SWT の)ロータ速度[rotor speed (for wind turbines)]

SWT

のロータの軸周りの回転速度。

3.41 

粗度長(roughness length)

風速の鉛直方向分布が,

高さに対して対数的に変化すると仮定した場合,

平均風速が 0 となる外挿高さ。

3.42 

安全寿命(safe life) 

重大事故の申告確率を含めて定めた耐用年数。

3.43 

計画保守(scheduled maintenance) 

計画された予定表に従って実施される予防的保守。

3.44 

SWT の)停止[shutdown (for wind turbines)]

発電から,静止又はアイドリングまで移行する SWT の過渡的な状態。

3.45 

静止(standstill) 

風力発電システムが止まっている状態。

3.46 

SWT の)支持構造物[support structure (for wind turbines)]

タワー及び基礎からなる SWT の一部。

3.47 

耐風速[survival wind speed (deprecated)]

構造物が耐えるよう設計されている最大風速の慣用名称。

注記  JIS C 1400 規格群では,この用語は用いていない。設計条件では,その代わりに“極値風速”

を用いる(3.17 参照)

3.48 

小形風車(SWT)[small wind turbine (SWT)] 

ロータの受風面積が 200 m

2

未満の,風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するシステム。

3.49 

受風面積(swept area) 


7

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

ロータが 1 回転中に描く平面を,風向に垂直な平面に投影した面積。

3.50 

乱流強度(turbulence intensity) 

平均風速に対する風速の標準偏差の比。この比は,指定時間内に採取した風速測定データサンプルと同

一のデータセットから決定する。

3.51 

終極(終局)限界状態(ultimate limit state) 

一般に最大荷重許容能力に相当する限界状態。

3.52 

計画外保守(unscheduled maintenance) 

計画された予定表による保守ではなく,ある項目の状態に関して指摘を受けて実施する保守。

3.53 

風上(upwind) 

主たる風向と反対の方向。

3.54 

垂直軸(形)風車(vertical axis wind turbine) 

ロータ軸が垂直な SWT。

3.55 

ワイブル分布(Weibull distribution) 

風速に対してしばしば用いられる確率分布関数。この分布関数は,二つのパラメータ及び分布の幅を調

整する形状パラメータ並びに平均風速を調整する尺度パラメータで決まる。

注記  3.60 参照。

3.56 

ウィンドプロファイル−ウィンドシア法則(wind profile-wind shear law) 

地上高に対して仮定される風速変化の数学表現。

注記  通常,用いられるプロファイルは,対数プロファイル式(1)又は指数プロファイル式(2)である。

⎟⎟

⎜⎜

⎟⎟

⎜⎜

×

0

r

0

r

ln

ln

)

(

)

(

z

z

z

z

z

V

z

V

 (1)

α

z

z

z

V

z

V

⎟⎟

⎜⎜

×

r

r

)

(

)

(

 (2)

ここに,

V(z): 高さ における風速

z: 地上高さ

z

r

プロファイルに合わせるために用いられる基準高さ

z

0

粗度長

α: ウィンドシア(又は指数則)の指数

3.57 

ウィンドシア

(wind shear)

風向に対して垂直な面上の風速変化。


8

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

3.58 

ウィンドシアの指数

(wind shear exponent)

指数法則の指数(

3.56

参照)

3.59 

風速

(wind speed)

空間中の指定の点において,その指定点周りの微小量の空気の運動速度。

注記

風速は,また,局所の風速度(ベクトル)の大きさである(

3.61

参照)

3.60 

風速分布

(wind speed distribution)

ある長時間内の風速の分布を記述するのに用いる確率分布関数。

注記

よく用いられる分布関数は,レイリー関数 P

R

(V

0

)

及びワイブル関数 P

W

(V

0

)

である。



⎟⎟

⎜⎜



⎟⎟

⎜⎜

k

0

0

W

2

ave

0

0

R

exp

1

2

exp

1

C

V

V

V

P

V

V

V

V

P

}

{

}

{

π

 (3)

ただし,



)

の場合

(

π

π

2

2

1

1

ave

k

C

k

V

 (4)

ここに,

P

R

(V

0

)

累積確率関数,すなわち,VV

0

の確率

V

0

風速(限界)

V

ave

風速 の平均値

C: ワイブル分布の尺度パラメータ

k: ワイブル分布の形状パラメータ

Γ: ガンマ関数

及び は,実際のデータから評価される。レイリー関数は,ワイブル関数において k=2 とし,かつ,

及び V

ave

が k=2 の場合の式(4)で決められる条件を満足する場合に等しい。

分布関数は,風速が V

0

より小さい累積確率を表す。したがって,[P(V

1

)

P(V

2

)]

は,規定限界 V

1

及び V

2

の間で評価すれば,風速がこれらの限界内にあるのは時間にしてどのくらいの割合かを示す。分布関数を

微分すると,それに対応する確率密度関数を得る。

3.61 

風速度(wind velocity) 

対象点の微小量の空気の運動の方向を示すベクトル。その大きさは,この空気の“かたまり”の運動速

度に等しい。

注記  したがって,任意点の速度は,その点を通って移動する空気のかたまりの位置ベクトルの時間

微分である。

3.62 

ヨー運動(yawing) 

ロータ軸の垂直軸周りの回転(水平軸形 SWT だけに適用)

3.63 


9

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

ヨーイング角速度(yaw rate) 

ヨー角の時間変化率及びヨー運動の速度。

3.64 

ヨーミスアラインメント(yaw misalignment) 

SWT

のロータ軸の風向に対する水平偏向量。

記号及び略語 

4.1 

記号 

この規格で用いる記号,添字,略号及びそれらの意味は,次による。

断面積 (m

2

)

A

proj

風向きに直角又は平行な面への投影面積 (m

2

)

乱流標準偏差モデルの傾斜パラメータ

(

−)

翼の枚数

(

−)

ワイブル分布関数の尺度パラメータ (m/s)

C

d

抗力係数

(

−)

C

f

空力係数

(

−)

C

l

揚力係数

(

−)

C

T

スラスト係数

(

−)

Coh

コヒーレンス関数

(

−)

ロータ直径 (m)

e

r

ロータ重心からロータ軸までの距離 (m)

(N)

F

zB

翼根における翼幅方向の翼への力 (N)

F

x

shaft

軸方向の力 (N)

周波数 (Hz)

f

k

材料強度の特性値

(

−)

発電機の定格トルクと短絡トルクとの比

(

−)

重力の加速度:9.81 (m/s

2

)

I

B

翼のフラップ方向軸周りの慣性モーメント (kgm

2

)

I

15

 10

分平均風速 15 m/s でのハブ高さにおける乱流強度の特性値

(

−)

修正ベッセル関数

(

−)

ワイブル分布関数の形状パラメータ

(

−)

等方性乱流積分尺度パラメータ (m)

L

lt

つり上げ点とタワートップとの間の距離 (m)

L

rt

ロータ中心とヨー軸との間の距離 (m)

L

rb

ロータ中心と第 1 ベアリングとの間の距離 (m)

L

C

コヒーレンス尺度パラメータ (m)

L

k

速度成分積分尺度パラメータ (m)

M

xB

M

yB

翼根曲げモーメント (Nm)

M

brake

低速軸上のブレーキによるトルク (Nm)


10

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

M

x

shaft

第 1 ベアリングにおけるロータ軸上のねじりモーメント (Nm)

M

shaft

第 1 ベアリング(ロータに最も近い)における軸合成曲げモーメント (Nm)

M

tower

つり上げ点の留め具におけるタワー中の曲げモーメント (Nm)

m

B

翼質量 (kg)

m

overhang

つり上げ点とタワートップとの間のタワーの質量 (kg)

m

r

ロータ質量。翼+ハブの質量 (kg)

m

towertop

ナセルとロータとの合計質量 (kg)

N(.)

応力(又はひずみ)の関数として,根拠をもって示される破壊に至るま

でのサイクル数(すなわち,S−N 曲線)

(

−)

極値状態の再現期間

(年)

ロータ回転数 (min

1

)

n

i

荷重ビン の疲労サイクルのカウント数

(

−)

運転時間率 (%)

電力 (W)

P

R

(V

0

)

レイリー確率分布,すなわち,VV

0

となる確率

(

−)

P

W

(V

0

)

ワイブル確率分布

(

−)

生存確率

(

−)

ロータトルク (Nm)

ロータ半径 (m)

R

cog

翼重心とロータ中心との間の半径方向距離 (m)

射影された距離ベクトルの大きさ (m)

S

1

(f )

縦方向風速成分パワースペクトル密度関数 (m

2

/s)

S

k

一方向速度成分スペクトル (m

2

/s)

s

i

ビン 内のサイクル数に関連する応力(又はひずみ)レベル

(

−)

突風特性時間 (s)

時間 (s)

T

d

設計寿命 (s)

T

E

除外時間 (h)

T

N

 SWT

が運転されなかった時間 (h)

T

T

耐久性試験中の全経過時間 (h)

T

U

不明の時間 (h)

風速 (m/s)

V(z)

高さ における風速 (m/s)

V

ave

ハブ高さにおける年平均風速 (m/s)

V

cg

全ロータ受風面積における極値コヒーレントガストの大きさ (m/s)

V

design

設計風速 (m/s)

V

eN

期待極値風速(3 秒間平均)

,再現時間間隔 年。V

e1

及び V

e50

は,それぞ

れ 1 年及び 50 年に対応する。

(m/s)

V

gustN

期待再現期間 年における突風の大きさの最大値 (m/s)

V

hub

ハブ高さにおける 10 分平均風速 (m/s)


11

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

V

in

カットイン風速 (m/s)

V

max,shutdown

製造業者が通常停止を許容する最大風速 (m/s)

V

0

風速分布モデルにおける限界風速 (m/s)

V

out

カットアウト風速 (m/s)

V

ref

 10

分平均基準風速 (m/s)

V

tip

翼先端のスピード (m/s)

V(z,t)

極値突風及びシアの状態の瞬間変化を記述するための風速度主方向成分 (m/s)

 

応力計算で用いられる断面係数 (m

3

)

xyz

風の流れ場の記述に使用する座標系。風の方向(主方向)

,風と直角方向

(横方向)及び高さ方向に対応する。

(m)

z

hub

 SWT

のハブ高さ (m)

z

r

基準地上高さ (m)

z

0

対数ウィンドプロファイルの粗度長 (m)

α

ウィンドシアの指数法則の指数

(

−)

β

極値方向変化モデル及び極値運転突風モデルのパラメータ

(

−)

Γ

ガンマ関数

(

−)

γ

f

荷重の部分安全率

(

−)

γ

m

 

材料の部分安全率

(

−)

Δ

範囲(幅)

(

−)

θ (t)

風向の瞬間変化

(

°)

θ

cg

突風下における平均風速方向からの最大角度偏差

(

°)

θ

eN

再現期間 年の極値方向変化

(

°)

η

出力電力及びロータの要素としての効率(代表的に発電機,ギアボック

ス及び変換システム)

(

−)

Λ

1

主方向のパワースペクトル密度 f S

1

(

f

 

)/σ

1

2

が 0.05 に等しくなる無次元の

波長として定義される乱流尺度パラメータ

(m)

λ

周速比

(

−)

ρ

大気密度,ここでは 1.225 と仮定 (kg/m

3

)

σ

1

ハブ高さにおける主方向風速度の標準偏差 (m/s)

σ

2

ハブ高さにおける横方向風速度の標準偏差 (m/s)

σ

3

ハブ高さにおける垂直方向風速度の標準偏差 (m/s)

σ

d

設計応力 (MPa)

σ

k

ハブ高さにおける 番目風速度成分の標準偏差(k=1,2 又は 3) (m/s)

ω

n

ロータの角速度 (s

1

)

ω

yaw

ヨーイング角速度 (s

1

)

添字: 

ave

平均

B

design

簡易化された設計式の入力パラメータ

e50 50

年 1 回の極値(3 秒間平均)


12

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

hub

ハブ

max

最大

R

ロータ

shaft

X x

方向

Y y

方向

Z z

方向

略語: 

a.c.

交流

d.c.

直流

DLC

設計荷重ケース  (design load cases)

ECD

風向変化を伴う極値コヒーレントガスト  (extreme coherent gust with direction change)

ECG

極値コヒーレントガスト (extreme coherent gust)

EDC

極値風向変化  (extreme direction change)

EMC

電磁両立性 (electromagnetic compatibility)

EOG

運転中の極値突風 (extreme operating gust)

EWM

極値風速モデル  (extreme wind speed model)

F

疲労 (fatigue)

GFCI

接地故障遮断器  (ground fault circuit interrupter)

HAWT

水平軸形 SWT (horizontal axis wind turbine)

NWP

通常ウィンドプロファイルモデル  (normal wind profile model)

NTM

通常乱流モデル (normal turbulence model)

S

特別 IECSWT クラス (special IEC wind turbine class)

SWT

小形風車 (small wind turbine)

U

終極(終局)(ultimate)


13

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

4.2 

座標系 

荷重の方向を定義するために,

図 に示す軸系を用いる。

タワー座標系 

は風下の方向が正,は上方が正,及び は右手系の方向が正になるように定める。 
タワーの座標系は,固定座標系を用いる。

軸座標系 

X

shaft

は,軸周りの正モーメントが回転方向に働く方向(X

shaft

及び正モーメントが右ねじになる方向。

Y

shaft

及び

Z

shaft

は用いず,合成モーメントの表現だけに用いられる。

軸系は,ナセルとともに回転する座標系を用いる。

翼座標系 

X

blade

は,軸周りの正モーメントが回転方向に働く方向(X

blade

及び正モーメントが右ねじになる方向。

Y

blade

は,正モーメントが翼先端を風下へ曲げるように働く方向。

Z

blade

は,翼先端方向を正とする。

翼座標系は,風上から見たときに,時計方向に回転するロータに対しては右手系に従い,反時計回りに回転するロ
ータに対しては左手系に従うことに注意する。翼軸系は,ロータとともに回転する座標系を用いる。

図 1HAWT の軸系の定義 

主要構成要素 

5.1 

一般 

SWT

の構造的,機械的及び電気的システム並びに制御システムの安全性を確保するための工学的及び技

術的要求事項を,5.25.3 に示す。この要求事項からなる仕様書は,SWT の設計,製造,据付け及び保守

並びにそれに関連した品質マネジメントプロセスに適用する。

附属書 は,この規格が SWT の型式認証においてどのように用いられ得るかの指針を与える。


14

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

5.2 

設計方法 

この規格が対象とする SWT の設計方法は,

図 による。種々の SWT 構成に対して簡易アプローチが許

される。受風面積が 2 m

2

未満の SWT の場合,タワーは設計対象部として考えない。

主要な SWT データは,

“設計データを検証するための試験”

9.2 参照)において測定される。その後,

予測設計荷重値は,次に示す三つの方法のうちの一つ又はこれらの組合せから得る。

−  特定の SWT 構成の場合に与えられている簡易的な計算方法。

7.4

に,ある限られた荷重ケースの組合せを,簡易式及び簡略化された外部条件とともにまとめてい

る。

−  設計データを検証するための試験及びモデル検証のための制約がある実機規模の荷重計測を組み合わ

せた構造に関する動的モデルの使用。

このモデルは,乱流条件,6.3 で定義されるその他の極値風条件及び 7.5 に定義される設計条件を用

い,ある風速範囲にわたった荷重の決定に用いる。外部条件及び設計条件の関係するすべての組合せ

を解析する。そのような組合せのうち,最低限のものがこの規格中において荷重ケースとして定義さ

れている。

−  実機による荷重計測値の外挿。

これらの方法は,それぞれ異なる不確かさをもつ。したがって,用いられる荷重推定方法(7.8 参照)に

のっとり,安全率の異なる組合せを適用する。

すべての SWT に対して,静的翼試験(9.5 参照)が要求される。その他の耐荷重コンポーネントの適合

性を立証するために,計算又は試験のいずれかが要求される。試験条件は,関連する安全率を含めた設計

荷重を反映する。

最終的に,すべての SWT に対して“安全性及び機能試験”

9.6 参照)及び“耐久性試験”

9.4 参照)

が要求される。

5.3 

品質保証 

品質保証は,SWT 及びそのすべての部品の設計,調達,製造,設置,運転及び保守の全体をカバーする。

品質システムは,JIS Q 9000 シリーズの要求事項に適合することが望ましい。


15

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

交流1 000 V 又は
直流1 500 V 以下
の電圧のSWT

受風面積

200 m

2

未満?

No

支持システムを含む
必要なし

JIS C 1400-1を適用する。

Yes

設計データを検証する

ための試験 (9.2)

簡略化した荷重モデル(7.4),

空力弾性モデリング (7.5) 又は

実機による荷重計測値の外挿(7.6)

によって決定される設計荷重

極値外部条件?

環境試験

耐久性試験 (9.4)

システムの安全性及び機能試験 (9.6)

Yes

翼の静的荷重試験(9.5.2)の要件,

その他の要素試験又は解析 (9.5)

電気システム設計 (箇条10)

Yes

No

No

受風面積

2 m

2

未満?

図 2JIS C 1400-2 決定の道筋

交流 1 000 V 以下又
は直流 1 000 V 以下
の電圧の SWT


16

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

外部条件 

6.1 

一般 

SWT

は,荷重,耐久性及び運転に影響する環境並びに電気的条件にさら(曝)される。適切なレベルの

安全性及び信頼性を確保するために環境,電気及び土壌のパラメータを考慮して設計し,これらパラメー

タは,設計文書に明記する。

環境条件は,風の条件,その他の環境条件に分けられる。電気的条件は,電力系統の条件,又はバッテ

リ,ハイブリッドシステム,特定地域の電力網などの局所電力条件のいずれかに関係する。土壌特性は,

SWT

の基礎設計に関係する。

風の条件は,構造的な安全性に対して主に外的に検討すべき事柄である。また,その他の環境条件につ

いても,制御システム機能,耐久性,腐食などの設計の特徴に影響を与える。

外部条件は,通常外部条件及び極値外部条件に分けられる。通常外部条件は,一般的に長期間の構造へ

の荷重条件及び運転条件に関係する。一方,極値外部条件は,頻度としてはまれではあるが,潜在的に重

大な外部の設計条件を示す。設計荷重ケースは,SWT の運転モードとこれらの外部条件との組合せから構

成する。

6.2 SWT

クラス 

設計上考慮する外部条件は,計画サイト又は SWT 設置サイトの種類に依存する。SWT クラスは,風速

及び乱流パラメータによって定義される。SWT クラスの目的は,大抵の適用事例を網羅することである。

風速及び乱流パラメータの値は,多くの異なるサイトの特性値を表すことを意図しており,ある特定のサ

イトを正確に表すものではない。SWT クラスの目標は,風によって左右される強度を明確な変数で分類す

ることである。

表 は,SWT を定義する基本パラメータを示している。

特殊な風条件,その他の外部条件又は特別な安全カテゴリが設計者又は顧客によって要求される場合に

は,追加の SWT クラス,クラス S を設定する。SWT クラス S に対する設計値は,設計者によって選択さ

れ,設計文書に明示する必要がある。このような特殊設計の場合には,設計条件として選択される値は,

SWT

の使用に対して予想される値より,より厳しい環境を反映する。

次に示す風車カテゴリ I,II,III 及び IV で定義される特定の外部条件は,洋上条件,又はハリケーン,

サイクロン,台風のような熱帯性低気圧で発生する場合で,風車カテゴリ I,II,III 及び IV で定義される

風条件から逸脱する条件では,風車カテゴリ S の設計が必要な場合がある。

なお,熱帯性低気圧などで発生する風条件の評価方法には,

“日本型風力発電ガイドライン(2008)

”な

どがある。

表 1SWT クラスの基本パラメータ 

SWT

クラス I

II

III

IV

S

V

ref

 (m/s) 50

42.5

37.5

30

V

ave

 (m/s) 10

8.5

7.5

6

I

15

(

−) 0.18

0.18

0.18

0.18

a

(

−) 

2 2 2 2

設 計 者 が 定 め る

値。

  この表の値は,ハブ高さにおいて適用する。 
  I

15

は,風速 15 m/s 時の乱流強度の無次元特性値である。 

  は,式(7)で用いられる無次元傾斜パラメータである。


17

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

SWT

設計に用いられる外部条件を完全に規定するには,これらの基本パラメータのほかに,幾つかの重

要な追加のパラメータが必要である。

標準 SWT クラスとして後で引用される SWT クラス I∼IV の場合,これらの追加のパラメータの値は,

6.3

6.4 及び 6.5 に規定する。

6.3

内の細分箇条の見出しの括弧内に付け加えられた略語は,7.5 に定義する設計荷重ケースの風条件を

記述するのに用いられる(単純な荷重ケース計算の場合,風条件も同様に簡素化される。

SWT

クラス S の場合,製造業者は,設計文書に用いたモデル及び重要な設計パラメータの値を記述する。

この細分箇条中のモデルが採用される場合には,パラメータの値を記載するだけで十分かもしれない。

SWT

クラス S の設計文書は,

附属書 に記載している情報を含む。

設計寿命は,設計文書に明確に記載する。

6.3 

風条件 

6.3.1 

一般 

SWT

は,選択した SWT クラスによって定義される風条件で,安全に耐えるように設計する。風条件の

設計値は,設計文書に明記する。荷重及び安全を検討するための風の季節による変化は,SWT の通常運転

中に頻繁に発生する通常風条件及び 1 年又は 50 年の再現期間で定義される極値風条件に分類される。

すべての場合,平均流れの傾きの影響を水平面に対して 8°まで考慮する。流入角は,高さ方向には変

化しないものと仮定してよい。

注記  ロータの回転方向に対してファーリングの方向の選択を誤ると,傾いて流入する風がファーリ

ングに影響を与え得る。

6.3.2 

通常の風条件 

6.3.2.1 

風速分布 

サイトにおける風速分布は,個々の荷重条件の発生頻度を決定するので,SWT 設計において重要である。

標準的な SWT クラスの場合,設計荷重計算に対して,10 分平均風速はレイリー分布に従うと仮定する。

この場合,ハブ高さにおける風速の累積確率分布は,式(5)による。

( )



⎟⎟

⎜⎜

=

2

ave

hub

hub

R

2

exp

1

V

V

π

V

P

 (5)

6.3.2.2 

通常ウィンドプロファイルモデル(NWP 

ウィンドプロファイル

V(z)

は,平均風速を地上からの高さ

z

の関数で表したものである。標準的な

SWT

クラスの場合,通常のウィンドプロファイルは,指数法則で与えられると仮定する。

α

⎟⎟

⎜⎜

=

hub

hub

)

(

z

z

V

z

V

 (6)

ここに,

α

 0.2

を仮定する。

仮定したウィンドプロファイルを用いて,ロータの受風面高さ方向の平均ウィンドシアを定義する。

6.3.2.3 

通常乱流モデル(NTM 

通常の乱流モデルは,

NWP

の項に示されているウィンドシアを含む。

“風の乱れ”とは,風速の

10

分平

均値からの統計的偏差を示している。乱流モデルは,風速変化,風向変化及び旋回成分の影響を含む。標

準的な

SWT

クラスの場合には,不規則な風速ベクトル場におけるパワースペクトル密度は,モデルの中

で明確に用いられているか否かを問わず,次の要求事項を満足する。


18

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

a)

風速の主方向成分の標準偏差は,式

(7)

による

1)

1

)

15

(

hub

15

1

+

+

=

a

aV

I

σ

 (7)

ここに,

I

15

及び

a

の値は,

表 に示す。標準偏差

σ

1

及び乱流強度

σ

1

 /V

hub

の特性値は,

図 による。

1)

荷重ケースの計算を行うために,

表 で指定するほかに異なる百分位値を使用してもよい。

このような百分位値は,式

(7)

に値を入力して決定する。

Δσ

1

2 (x

1) I

15

ここに,

x

は通常の確率分布関数から決定する。例えば,第

95

番目の百分位値として

  x

1.64

0

1

2

3

4

5

6

0 10 20 30 40

風速 V

hub

  (m/s)

標準偏差

σ

 

1

(m/s)

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0

10

20 30 40

風速 V

hub

  (m/s)

乱流強度

σ

 1

/V

hub

(

%)

図 3−風の乱れの特性値 

b)

慣性小領域の高周波数側では,乱流の主方向成分のパワースペクトル密度

S

1

f )

は,式

(8)

に漸近する。

3

5

3

2

hub

1

2

1

1

)

(

05

.

0

)

(

f

V

Λ

σ

f

S

⎟⎟

⎜⎜

=

 (8)

乱流尺度パラメータ

Λ

1

は,式(

9

)による。

の場合

の場合

m

30

m

21

m

30

7

.

0

hub

hub

hub

1

z

z

z

Λ

 (9)

これらの要求事項を満たす統計的乱流モデルの仕様値は,

附属書 による。また,附属書 には,乱流

の統計的記述に基づく簡易化された決定論的モデルが示されている。この決定論的モデルは,旋回風速度

に対して,

SWT

翼の応答が十分に減衰することが認められたときに用いることができる。この有効性に対

する指針も

附属書 に示されている。

6.3.3 

極値風条件 

6.3.3.1 

一般 

極値風の条件を用いて,

SWT

に加わる極値風荷重を決定する。これらの条件は,あらし(嵐)によるピ

ーク風速及び風向風速の急激な変化を含む。また,これらの極値条件は,風の乱れの影響の潜在性を含ん

でいるので,設計計算においては決定論的な影響だけを考慮する必要がある。


19

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

6.3.3.2 

極値風速モデル(EWM 

50

年間極値風速

V

e50

及び

1

年間の極値風速

V

e1

は,基準風速

V

ref

に基づく。標準的な

SWT

クラスにおけ

SWT

設計では,

V

e50

及び

V

e1

は,式

(10)

及び式

(11)

による。

V

e50

(

z

)=

1.4V

ref

11

.

0

hub

z

z

 (10)

V

el

0.75

V

e50

(11)

ここに,

z

hub

ハブ高さ

また,平均風向から±

15

°の短周期偏差を仮定する。

6.3.3.3 

運転中の極値突風(EOG 

年の再現期間に対するハブ高さにおける突風の大きさ V

gustN

は,標準的な

SWT

クラスの場合,式

(12)

によって求める。

V

gustN

β

⎟⎟

⎜⎜

1

1

1

.

0

1

Λ

D

σ

 (12)

ここに,

σ

1

式(7)で与えられる標準偏差 i

Λ

1

式(9)で与えられる乱流尺度パラメータ

D: ロータ直径

  β=4.8(N=1 の場合)及び β=6.4(N=50 の場合)

年の再現期間に対して風速は,式(13)によって定義される。

の場合)

及び

  

          

の場合)

T

t

t

z

V

T

t

T

t

T

t

V

z

V

t

V

0

)

(

0

2

cos

1

3

sin

37

.

0

)

(

)

(

gustN

π

π

 (13)

ここに,  V(z): 式(6)で定義される。 

T=10.5 s(N=1 の場合)及び T=14.0 s(N=50 の場合)

一例として,1 年の再現期間及び V

hub

=25 m/s における運転中の極値突風を,

図 に示す。

15

20

25

30

35

40

–2 –1  0  1  2  3

4

5

6

7

8

9  10

11

12

時間 t  (s)

EOG

風速

 V

hub

(m/s)

図 4−運転中の極値突風の例(N及び V

hub

25 m/s

二つの再現期間に対するパラメータ値は,同じ最大上昇率が得られるように選択する。


20

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

6.3.3.4 

極値風向変化(EDC 

年の再現期間に対する極値風向変化の大きさ θ

eN

は,式(14)による。

θ

eN

(t)=±

β

arctan





⎟⎟

⎜⎜

1

hub

1

1

.

0

1

Λ

D

V

σ

 (14)

ここに,

θ

eN

±180°の間隔に制限される。

Λ

1

式(9)で与えられる乱流尺度パラメータ

D: ロータ直径

  β=4.8(N=1 の場合)及び β=6.4(N=50 の場合)

年の再現期間に対する過渡的な極値風向変化 θ

N

(t)

は,式(15)による。



の場合)

の場合)

の場合)

T

t

θ

T

t

T

t

θ

t

t

θ

eN

eN

N

0

cos

1

5

.

0

0

0

)

(

π

 (15)

ここに,T=6 秒を極値風向変化の過渡状態継続時間とする。符号は,最悪の過渡状態が生じるように選

択する。風向変化の過渡的状態が終了した後,風向は変わらないと仮定する。

一例として,50 年の再現期間及び V

hub

=25 m/s における極値風向変化を,

図 5

及び

図 6

に示す。

–180.0

–135.0

–90.0

–45.0

0.0

45.0

90.0

135.0

180.0

0

10

0

0

0

風速 V

hub

  (m/s)

θ

 eN

(

°)

ECD

変化

図 5

極値風向変化の大きさの例(N50

D

5 m 及び z

hub

20 m


21

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

0

10

20

30

40

50

60

0 2

4

6

8

10

時間 t  (s)

θ

 

N

(t)

(

°)

EC

D

風向変

図 6

極値風向変化の例(N50 及び V

hub

25 m/s

6.3.3.5 

極値コヒーレントガスト(ECG 

標準的な SWT クラスの SWT 設計の場合,V

cg

=15 m/s の大きさの極値コヒーレントガストを仮定する。

風速は,式(16)で定義される。



の場合)

    

の場合)

の場合)

T

t

V

z

V

T

t

T

t

V

z

V

t

z

V

z

t

V

cg

cg

)

(

0

cos

1

5

.

0

)

(

0

)

(

)

,

(

π

 (16)

ここに,T=10 秒を立上り時間とする。また,風速は,式(6)に規定する通常のウィンドプロファイルモ

デルを用いる。V

hub

=25 m/s における極値コヒーレントガストを,

図 に示す。

0

10

20

30

40

50

–2 0  2

4

6

8

10

12 14

時間 t  (s)

風速

V (t)

(m/s)

図 7−極値コヒーレントガスト(V

hub

25 m/s)(ECG

6.3.3.6 

風向変化を伴う極値コヒーレントガスト(ECD 

この場合,風速の立上り(ECG の項に記述,

図 参照)は,風向変化 θ

cg

と同時に発生すると仮定する。

ここに,θ

cg

は,式(17)で定義される。

°

°

)

の場合

/

(

  

)

の場合

/

(

   

)

(

ref

hub

hub

hub

hub

cg

s

m

4

720

s

m

4

180

V

V

V

V

V

θ

(17)


22

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

V

hub

に対する方向変化 θ

cg

及び V

hub

=25 m/s における時間に対する方向変化 θ (t)を,それぞれ

図 8

及び

9

に示す。

0

50

100

150

200

0

10

0

0

0

風速 V

hub

  (m/s)

方向

変化

θ

cg

(

°)

図 8

ECD

の方向変化 

0

5

10

15

20

25

30

35

0 2

4

6

8

10

12

14

時間 t  (s)

  

方向変化

θ

 (t)

(

°)

図 9

V

hub

25 m/s の場合の方向変化の時間変化 

同時に発生する風向変化は,式(18)による。



>

±

±

<

°

の場合)

         

の場合)

の場合)

          

T

t

T

t

T

t

t

t

cg

cg

0

cos

1

5

.

0

0

0

)

(

θ

π

θ

θ

 (18)

6.4 

その他の環境条件 

6.4.1 

一般 

風以外の種々の環境(気象)条件は,熱,光化学,腐食,機械,電気,その他の物理的作用によって SWT

の完全性及び安全性に影響する。さらに,気象パラメータが組み合わさると,その作用が増大することも

ある。

(設計者は,

)少なくとも,次に示す環境条件を考慮し,対策を設計文書に記載する。

−  温度


23

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

−  湿度

−  大気密度

−  日射

−  雨,あられ,雪及び氷

−  化学的活性物質

−  機械的活性粒子

−  雷

−  地震

−  海洋環境−腐食

海洋環境では,特に追加検討する必要がある。設計のための気象条件は,変化する条件の代表値又は限

界値によって定義する。設計値を選ぶ場合は,幾つかの気象条件が同時に起きる確率を考慮する。

1

年の再現期間に対応する通常制限内の気象条件の変化によって,SWT の設計通常運転が妨げられては

ならない。相関が存在しない場合には,

6.4.3

に基づく“その他の極値環境条件”は,

6.3.2

の“通常の風

条件”と組み合わせる。

6.4.2 

その他の通常環境条件 

その他の通常の環境条件値で考慮するものは,次のとおりである。

−  −10 ℃∼+40 ℃の通常のシステム運転周囲温度

−  相対湿度 95 %

−  大気成分は,内陸の非汚染大気と同等(

JIS C 60721-2-1

参照)

−  日射強度 1 000 W/m

2

−  大気密度 1.225 kg/m

3

設計者が更に別の外部条件パラメータを指定する場合には,これらのパラメータ及びその値を設計文書

に記載する。また,それらは

JIS C 60721-2-1

の要求事項に適合する。

6.4.3 

その他の極値環境条件 

6.4.3.1 

一般 

SWT

設計に考慮するその他の極値環境条件は,温度,落雷,氷結及び地震である。

6.4.3.2 

温度 

標準 SWT クラスにおいて,極値温度範囲としての設計値は,少なくとも−20 ℃∼+50 ℃とする。

6.4.3.3 

落雷 

10.5

で要求している雷保護の規定は,標準 SWT クラスの SWT において適切と考えられる。

6.4.3.4 

氷結 

標準 SWT クラスでは,氷結に対する要求事項は示さない。

製造業者が,設計荷重の見積りにおいて氷結荷重についても織り込みたい場合には,すべての露出面上

に密度 900 kg/m

3

で 30 mm 厚以上の氷結を想定することが望ましい。この氷結静的荷重は,待機中の SWT

システム上で 3  V

ave

のときの抗力荷重と組み合わせる。支持ワイヤを含む支持構造物上の氷結荷重は,支

持構造物の設計荷重で考慮することが望ましい。

6.4.3.5 

地震 

標準 SWT クラスの場合には,地震に対する最低限の要求事項は示さない。

6.5 

電気負荷条件 


24

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

6.5.1 

一般 

設計で考慮する必要がある電気条件は,SWT の適用方法によって異なる。

6.5.2 

電力系統に接続される SWT の場合 

6.5.2.1 

通常の電力系統条件 

設計で考慮する SWT 接続点における通常条件を,次に示す。

次のパラメータが規定される範囲内にある場合には,通常の電力系統条件であるとみなす。

−  電圧:公称値(

IEC 60038

に準拠)  ±10 %

−  周波数:公称値±2 %

−  電圧不平衡:逆相成分の正相成分に対する比が 2 %以下

−  自動再閉路周期:初回の再閉路に対して 0.2∼5.0 秒,2 回目に対しては 10∼90 秒

−  停電:電力系統の停電は,年間 20 回起きると仮定する。最長 24 時間の停電は,通常条件と考える。

6.5.2.2 

極値電力系統条件 

SWT

の接続点において,少なくとも次の極値電力系統条件を,設計において考慮する。

−  電圧:公称値から±20 %の逸脱

−  周波数:公称値±10 %

− 15

%

の電圧不平衡

−  対称及び非対称故障

−  停電:最長 1 週間の停電を,極値条件として考慮する。

6.5.3 

電力系統に接続されない SWT の場合 

6.5.3.1 

バッテリ充電 SWT 

SWT

は,次のバッテリ電圧の全範囲で運転できる。

−  電圧範囲:公称電圧(

  12 V,24 V,36 V など)の−15 %  若しくは  +30 %,又は,

−  チャージコントローラの高い方及び低い方の設定値を 5 %超過。

6.5.3.2 

特定地域の系統 

特定地域への接続,すなわち,大規模系統に接続されない SWT は,大きな電圧及び周波数の変化に直

面すると予想される。

SWT

システムは,次に示す制約内で運転できる。

電圧:公称値から±15 %の逸脱,及び

周波数:公称値±5 Hz

構造設計 

7.1 

一般 

SWT

の構造設計は,ロータ翼から基礎に至る臨界荷重パス中の構成部品が構造的に完全であることの確

認を基本とする。SWT の構造的な完全性を適切な安全レベルで判定するために,構造部材の終極(終局)

強度及び疲労強度は,計算及び/又は試験によって確認する。

構造解析は,

ISO 2394

又は当てはまる場合には同等の規格に基づく。

7.2 

設計方法 

SWT

設計の場合,限界状態を超えないことを検証する。

SWT

設計に対して設計荷重を決定するのに,次の三つの方法がある。

簡略化した荷重モデル(

7.4


25

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

空力弾性モデリング(

7.5

機械的荷重計測(

7.6

7.3 

荷重及び荷重ケース 

7.3.1

7.3.5

に示す種類の荷重を検討する。

7.3.1 

振動

慣性及び重力荷重 

慣性及び重力荷重は,慣性,ジャイロ力,振動,重力及び地震活動(又は船などのような支持物の運動)

によって SWT に作用する静的及び動的荷重である。

SWT

システムの固有周波数における励振に注意することが望ましい。

7.3.2 

空力荷重 

空力荷重は,静的及び動的荷重であって,空気流と SWT の静止部と可動部との相互作用によって生じ

る。空気流は,ロータの角速度,ロータ回転平面を通過する風の平均風速,乱流,大気密度及び SWT の

構成要素の空力的形状並びに空力弾性効果を含む相互作用効果に左右される。

7.3.3 

運転荷重 

運転荷重は,SWT システムの運転及び制御によって生じる。運転荷重は,ヨー運動,ブレーキ,ファー

リング,ピッチング,系統接続などによって生じる。

7.3.4 

その他 

製造業者によって具体的に示されている特別な運転環境によって生じると思われるすべての荷重も考慮

する(例えば,波動荷重,後流荷重,氷結荷重,輸送,組立て,保守,修理荷重など。

7.3.5 

荷重ケース 

設計のために,SWT の寿命は,SWT が経験すると思われる最も重大な条件を含む,一組の設計条件に

よって代表し得る。

荷重ケースは,具体的な組立て,建設,保守及び運転モード又は設計条件を外部条件と組み合わせて決

定する。

関係するすべての荷重ケースは,妥当な発生確率で,制御及び保護システムの動作とともに考慮する。

通常,SWT の構造的安全性を決定するために用いられる設計荷重ケースは,次のすべての組合せによっ

て計算してよい。

故障がなく,かつ,通常外部条件の SWT 運転

故障がなく,かつ,極値外部条件の SWT 運転

故障し,かつ,適切な外部条件の SWT 運転

輸送,据付け及び保守設計条件並びに適切な外部条件

極値外部条件と故障状態との間に有意な相関関係がある場合,この二つの現実的な組合せを設計荷重ケ

ースとして考慮する。各設計状態の中で幾つかの設計荷重ケースを考慮し,SWT の構成部品の構造的完全

性を検討する。最小限,

表 2

又は

表 4

の設計荷重ケースを考慮する。これらの表において,設計荷重ケー

スは,各々の設計状態に対して風,電気的,その他の外部条件の記述によって規定されている。

制御及び保護システムが一定の SWT パラメータを監視し,かつ,制限しない場合,このことは荷重ケ

ースで考慮する。そのようなパラメータの例は,次による。

−  ケーブルのよじれ

−  振動

−  ロータ速度


26

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

−  フラッタ(自励振動)

7.4 

簡略化した荷重モデル 

7.4.1 

一般 

特定の SWT 構成の場合,荷重は限られた一組の荷重ケースに対する単純で保守的な式を用いて導かれ

得る。

附属書 F

は,これらの計算式に対する背景の情報を与える。SWT 構成がこれらの構成要求事項に一

致しない場合,簡略化した式は用いることができない。その代わり,代替の空力弾性モデリング(

7.5

)又

は荷重計測(

7.6

)を用いる。

簡略化した式を用いることができる SWT 構成は,次の要求事項のすべてを満足する。

−  水平軸

−  2 枚以上の翼のプロペラ形ロータ

−  カンチレバー翼

−  リジッドハブ(ティータリング又はヒンジドハブでない。

SWT

構成は,アップウィンド形又はダウンウィンド形ロータを用いてもよい。

可変速又は一定速度のいずれで運転してもよい。固定ピッチと同様に,能動又は受動のピッチ機構でも

よい。また,ファーリングなしと同様に,垂直,水平又は中間軸回りのファーリングとしてもよい。

この細分箇条で述べる簡略化された荷重モデルは,最大ヨーイング角速度の場合を除き,

9.2

に規定され

ているように測定する。これらのパラメータは,次による。

−  設計回転数,n

design

−  設計風速,V

design

−  設計軸トルク,Q

design

−  最大ヨーイング角速度,ω

yaw,max

−  最大回転数,n

max

さらに,設計周速比は,式(19)及び式(20)のように定義される。

λ

hub

hub

tip

V

R

V

V

ω

λ

design

30

design

design

n

V

R

π

 (19)

ω

n

60

n

π

30

n

π

 (20)

簡略化された荷重計算のための設計荷重ケースは,

表 に要約されている。簡略化された荷重計算のた

めの荷重成分は,荷重ケースを議論している各箇条に示されている。

各設計条件に対して,適切な解析タイプを

表 中の“

F

”及び“

U

”で示す。

F

”は,疲労強度の評価に用いる疲労荷重の解析を表す。

U

”は,材料の最大強度を超える解析,翼

先端の変形の解析,安定性の解析などの終極(終局)荷重解析を表す。


27

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

表 2−簡略化した荷重計算方法のための設計荷重ケース 

設計条件

荷重ケース

風速

解析区分

注記

発電 A

通常運転   F

 B

ヨーイング

V

hub

V

design

U

 C

ヨーエラー

V

hub

V

design

U

 D

最大スラスト

V

hub

=2.5V

ave

U

ロータスピニングは,フ
ァーリング又はフラッタ

リングでもよい。

発電+故障発生 E

最大角速度

U

 F

負荷接続時の短絡

V

hub

V

design

U

最大短絡発電機トルク

停止 G

停止

(ブレーキング)

V

hub

V

design

U

待機中

(アイドリング又は静止)

H

待機中の風荷重

V

hub

V

e50

 U

待機中及び故障条件 I

待機中の風荷重及び

最大受風面積

V

hub

V

ref

 U

SWT

は,最悪の受風状態

の荷重を受ける。

輸送,組立て,保守及び修理

J

製造業者によって指定

U

特定の

SWT

設計に必要な場合は,安全に関するその他の設計荷重ケースを考慮する。

7.4.2 

荷重ケース A:通常運転 

通常運転の場合の設計荷重は,疲労荷重である。荷重ケースは,翼及び軸に対する一定範囲の疲労荷重

を仮定する。これらの範囲は,次による。

疲労評価において,その範囲はピーク幅として考える。荷重の平均値は,無視し得る。

翼荷重 

ΔF

zB

2m

B

R

cog

2

design

n,

ω

 (21)

ΔM

xB

B

Q

design

2m

B

gR

cog

 (22)

ΔM

yB

B

Q

design

design

λ

 (23)

翼上の疲労荷重は,翼と根元との接続部又は根元とハブとの接続部に生じると考えられる。その接続部

は,常に最低の終極(終局)強度をもつと判断される。

計算される応力は,遠心力(

F

zB

)と曲げモーメント(

M

xB

及び

M

yB

)との組合せである。

軸荷重 

ΔF

x

shaft

R

Q

design

design

2

3

λ

 (24)

ΔM

x

shaft

Q

design

2m

r

ge

r

 (25)

ΔM

shaft

2m

r

gL

rb

6

R

ΔF

x

shaft

 (26)

ここに,設計文書によって,より低い値が妥当であることが証明されないなら,

e

r

0.005 R

である。

ロータ軸上の疲労荷重は,第

1

ベアリング(ロータに最も近い。

)のところのロータ軸上の位置にあると

考える。応力の範囲は,スラスト荷重(

F

x

shaft

,ねじりモーメント(

M

x

shaft

)及び曲げモーメント(

M

shaft

の組合せから計算する。


28

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

7.4.3 

荷重ケース B:ヨー運動 

この荷重ケースの場合,終極(終局)荷重(ジャイロ力及びモーメント)は,

n

design

とともに生じる最大

ヨーイング角速度

ω

yaw,max

を仮定して計算する。

パッシブなヨーシステムの場合,最大ヨーイング角速度は,式

(27)

による。

ω

yaw,max

3

0.01

×(

πR

2

2

)

 (27)

2 m

2

未満のロータ受風面積をもつすべての

SWT

の場合,最大のヨーイング角速度は,

3 s

1

とする。

アクティブなヨーシステムの場合,最大のヨーイング角速度は,穏やかな風の中の測定によって決定す

る。最大のヨーイング角速度がより高い角速度の緊急ヨー運動のような特別な条件下で起きると予想され

る場合,アクティブなヨーイング角速度は,これらの条件で測定する。

翼上の曲げモーメント

M

yB

による荷重及び軸曲げモーメント

M

shaft

は,式

(28)

を用いて計算する。

M

yB

m

B

2

yaw

ω

L

rt

R

cog

2ω

yaw

 I

B

ω

n

9

ΔF

x

shaft

 (28)

ΔF

x

shaft

は,式

(24)

で与えられる。

軸に対して,荷重は翼数に左右される。

2

枚翼のロータの場合,

M

shaft

4ω

yaw

ω

n

I

B

m

r

gL

rb

6

ΔF

x

shaft

 (29)

3

枚以上の翼のロータの場合,

M

shaft

yaw

 ω

n

I

B

m

r

gL

rb

6

ΔF

x

shaft

 (30)

7.4.4 

荷重ケース C:ヨーイングエラー 

すべての

SWT

は,ある一定のヨーイングエラーをもって作動する。この荷重ケースでは,

30

°のヨー

イングエラーが仮定される。ヨーイングエラーが原因のフラップ方向の曲げモーメントは,式

(31)

による。

M

yB

8

ρA

proj,B

C

l,max

R

3





2

design

design

2

design

n,

1

3

4

1

λ

λ

ω

 (31)

最大揚力係数 C

l,max

データが手に入らない場合,2.0 の値を用いる。

7.4.5 

荷重ケース D

最大スラスト 

SWT

では,ロータに大きなスラスト荷重が加わり得る。スラスト荷重は,ロータ軸に平行に働き,かつ,

式(32)で与えられる最大値をもつ。

F

x

shaft

C

T

3.125ρ

2

ave

V

πR

2

 (32)

ここに,  C

T

:  スラスト係数で,0.5 である。

7.4.6 

荷重ケース E

最大角速度 

翼根の遠心力 F

zB

,遠心荷重及びロータアンバランスによる軸曲げモーメント M

shaft

は,式(33)及び式(34)

で計算する。最大可能ロータ角速度 ω

n,max

=(

π/30)n

max

は,

9.2.4

に規定する測定によって得る。

F

zB

m

B

2

max

n

ω

R

cog

 (33)

M

shaft

m

r

gL

rb

m

r

e

r

2

max

n

ω

L

rb

 (34)

7.4.7 

荷重ケース F

負荷接続時の短絡 

SWT

の出力における直接短絡又は発電機の内部短絡の場合,交流機の短絡トルクによって大きなモーメ

ントがロータ軸周りに発生する。発電機軸に働く短絡トルクは,より正確な証明された値がないので,


29

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

Q

design

としてよい。

M

x

shaft

GQ

design

 (35)

は,より正確な証明された値がないので 2.0 とする。

M

xB

B

M

shaft

x

 (36)

7.4.8 

荷重ケース G

停止

(

ブレーキング

)

機械式又は電気式ブレーキ装置を動力伝達系に装備した SWT の場合,制動モーメントが最大駆動モー

メントより大きい場合があり得る。この場合,試験又は計算で求めた制動モーメントを SWT の設計計算

に用いる。最大軸トルクは,制動モーメントに設計トルクを加えた値に等しいと仮定する(したがって,

発電機は,設計トルクを発生しながらブレーキが加えられると仮定している。

M

x

shaft

M

break

Q

design

 (37)

ブレーキ装置が高速軸上にある場合,M

brake

は変速比を乗じる。

停止中の翼荷重は,軸トルク及び翼質量によって決定されると仮定する。したがって,

M

xB

B

M

shaft

x

m

B

gR

cog

 (38)

ここに,

M

x

shaft

式(37)で計算される軸トルク

SWT

が変速装置及び高速軸ブレーキ装置を装備している場合,式(37)で計算された軸トルクは,動力伝

達系のエネルギーを考慮して増すことが望ましい。より正確な証明された値がないので,軸トルクは 2 倍

とする。

7.4.9 

荷重ケース H

待機中の風荷重 

この荷重ケースでは,SWT は通常に待機している。SWT の風にさらされた部分の荷重は,

6.3.3.2

にあ

る風速

V

e50

を仮定して計算する。

パーキングされる SWT の場合,アウトオブプレーン翼根の曲げモーメントは,抗力によって支配され

る。したがって,式(39)のように定義される。

M

yB

C

d

2

50

e

4

1

ρV

A

proj,B

R

 (39)

ここに,

C

d

抵抗係数で,1.5 を選ぶ。

A

proj,B

翼の平面図面積

V

e50

でロータスピニングする SWT の場合,ロータのある位置で,風向きの変化によって翼の一つで

C

l,max

が生じるかもしれない。したがって,翼の根元の曲げモーメントは,

M

yB

C

l,max

2

50

e

6

1

ρV A

proj,B

R

 (40)

C

l,max

のデータが手に入らない場合,2.0 の値を用いる。

スラスト荷重の場合:

待機中のロータの場合,軸スラスト荷重は式(41)によって計算する。

F

x

shaft

B

×

C

d

2

50

e

2

1

ρV

A

proj,B

 (41)

回転中のロータの場合,スラスト荷重は式(42)によって計算する。

F

x

shaft

=0.17

B A

proj,B

2

e50

λ

2

50

e

ρV

 (42)

ここに,

λ

e50

は V

e50

における周速比で,未知の場合,式(43)によって計算し得る。


30

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

λ

e50

50

e

max

30

V

R

n

π

 (43)

タワーの最大曲げモーメントは

SWT

設計によって決まるが,式

(41)

又は式

(42)

で計算したスラストを用

いて計算する。タワー及びナセルの抗力,揚力又はそれらの合成力は,同様に考慮する必要がある。これ

らの力を計算するのに式

(44)

を用いる。自立タワーの場合,最大曲げモーメントは,タワー基部に現れる

場合がある。支線付きのタワーの場合,最大曲げモーメントは,上部の支線留め具に生じる。

各構成要素の荷重は,式

(44)

による。

FC

f

2

50

e

2

1

ρV

A

proj

 (44)

ここに,

C

f

空力係数(

表 3

参照)

A

proj

風向に直角な面上に投影された構成要素の面積

個々の構成要素の荷重から翼,軸及びタワー荷重を計算する必要がある。

7.4.10 

荷重ケース I

待機中の風荷重

全方向から風を受ける場合 

ヨーメカニズムの故障の場合,

SWT

は全方向からの風を受ける可能性がある。したがって,設計に当た

って

SWT

翼,ナセル,タワー及び(当てはまる場合)後縁(

tail

)上の力は,ロータの前,横又は後ろか

らの風を含むすべての方向からの風に対して計算する。

各構成要素の荷重は,式

(45)

による。

FC

f

2

ref

2

1

ρV A

proj

 (45)

ここに,

C

f

空力係数で,揚力,抗力又はそれらの合成力から生じる。

A

proj

空力係数に当てはまる構成要素面積。

(最も好ましくない場所

における)丸い(又は切り立った)胴体(例えば,ナセルカ
バー及びタワー断面)の場合,面積は風向に直角な面への投
影面積とする。翼形状の場合,平面図面積とする。

表 3

空力係数 C

f

特性長さ<0.1 m

1.3

1.3

1.5

1.5

1.5

2.0

特性長さ>0.1 m

0.7

1.2

1.5

1.5

1.5

2.0

7.4.11 

荷重ケース J

輸送

組立て

保守及び修理 

製造業者は,輸送,組立て,据付け,保守及び修理によって生じる

SWT

システム上の荷重を考慮する。

そのような荷重の例は,

垂直に立てた位置以外の輸送中に

SWT

に加わる重力荷重。

特別な据付具によって生じる荷重。

据付け中の風荷重。

 SWT

を基礎上につり上げる場合,

SWT

にかかる荷重。

建設中傾いたタワーへの荷重。

昇塔時の支持構造物への荷重。

一例として,タワーが傾いている間の荷重を計算する式は,式

(46)

による。


31

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

M

tower

2

(m

towertop

2

overhang

m

)gL

lt

 (46)

ここに,

M

tower

つり上げ点の金具におけるタワーの曲げモーメント(

Nm

m

towertop

ナセル及びロータの全体の質量(

kg

m

overhang

つり上げ点とタワートップとの間のタワーの質量

L

lt

つり上げ点とタワーのトップとの間の距離

(46)

は,次に示す仮定に基づいている。

動的増幅率は,

2

である。

 SWT

の重心は,ロータ軸の途中にある。

タワーが水平のとき,最大の曲げモーメントが生じる。

7.5 

空力弾性モデリング 

7.5.1 

一般 

設計荷重が空力弾性モデリングによって決定される場合,この細分箇条の荷重ケースを考慮する。設計

荷重ケースの最小限のセットは,

表 4

による。この表においては,各設計状態に対して,風,電気,その

他の外部条件の記述によって設計荷重ケースを規定している。風速範囲が示されている場合に評価すべき

荷重ケースでは,最も厳しい荷重を確認するために,風速の全範囲にわたって荷重ケースを評価する。

特定の

SWT

設計に必要となる場合,安全に関連するその他の設計荷重ケースを考慮する。

各設計状態に対して適切な解析のタイプは,

表 4

において“

F

”及び“

U

”で示す。

F

”は,疲労強度の

評価に用いる疲労荷重の解析を表す。

U

”は,材料の最大強度を超える解析,翼先端の変形解析,安定性

解析などの終極(終局)荷重の解析を表す。

表 4

空力弾性モデルに対する設計荷重ケースの最小セット 

設計状態 DLC  風条件

その他の条件

解析のタイプ

1

)  発電 1.1

NTM

V

in

V

hub

V

out

又は 3V

ave

F

,U

 1.2

ECD

V

hub

V

design

U

 1.3

EOG

50

V

in

V

hub

V

out

又は 3V

ave

 U

 1.4

EDC

50

V

in

V

hub

V

out

又は 3V

ave

 U

 1.5

ECG

V

hub

V

design

U

2

)  発電+故障発生 2.1

NWP

V

hub

V

design

V

out

又は 2.5V

ave

制御系統故障 U

 2.2

NTM

V

in

V

hub

V

out

制御系統又は保護系統故障

F

,U

 2.3

EOG

1

V

in

V

out

又は

2.5V

ave

電気系統喪失 U

3

)  通常停止 3.1

NTM

V

in

V

hub

V

out

F

 3.2

EOG

1

V

hub

V

out

又は

V

max,shutdown

 U

4

)  緊急又は手動停止 4.1

NTM

製造業者が指定する

 U

5.1 EWM  V

hub

V

e50

電力系統の喪失の可能性 U

5

)  パーキング中

(静止又はアイドリング)

5.2 NTM

V

hub

<0.7V

ref

F

6

)  パーキング中及び故障状態 6.1

EWM V

hub

V

e1

U

7

)  輸送,組立て,保守及び修理 7.1 製造業者が指定する

U


32

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

7.5.2 

発電(DLC 1.11.5 

この荷重ケースでは,

SWT

は運転中であり,かつ,電気負荷に接続されている。想定する

SWT

構成は,

ロータの不平衡を考慮する。ロータの製造に規定されている最大質量及び空力不平衡(例えば,翼ピッチ

及びよじれの偏差)を設計計算に用いる。また,ヨーアラインメント不整,制御システムのトラッキング

誤差などの,理論的最適運転状態からの偏差も運転荷重の解析には考慮に入れる。

計算には,各状態の最悪の組合せを仮定する。例えば,設計荷重ケース(

DLC

1.4

において特有のヨー

ミスアラインメント時の風向変化を仮定する。設計荷重ケース

1.1

は,大気の乱れから生じる要求事項を

具体化している。

DLC 1.2

1.5

は,

SWT

の耐用期間中に発生し得る危機的事象として選択された過渡的ケ

ースを規定している。

7.5.3 

発電中の故障発生(DLC 2.12.3 

制御若しくは保護システムの故障又は電気システムの内部故障(例えば,発電機の短絡)は,

SWT

にか

かる荷重に大きく影響するので発電中に起きると仮定する。

DLC 2.1

の場合は,通常事象と考えられる制

御系の故障の発生を解析する。即時停止にならないが,そのため重大な疲労損傷をもたらす保護又は内部

電気システムの故障発生は,

DLC 2.2

において評価する。

荷重ケース

2.3

では,再現期間

1

年の運転中の極値突風を電気接続の喪失と組み合わせる必要がある。

受動的に制御された

SWT

の場合,制御系統故障の例は,

故障したファールシステム(例えば,ロックドテイル)

(ファーリングシステムが安全寿命であると証

明されない場合。

故障した翼ピッチシステム(翼ピッチシステムが安全寿命であると証明されない場合。

最短でも

24

時間/年,

SWT

の単一故障に対する疲労ケースを評価する。

7.5.4 

通常停止(DLC 3.13.2 

この荷重ケースは,発電状態から静止又はアイドリング状態に至るまでの通常の過渡状態中

SWT

に荷

重をもたらすすべての事象を含んでいる。発生数は,制御システム動作に基づいて評価する。受動的に制

御される

SWT

の場合,自動停止はないかもしれない。

この場合,疲労荷重ケースは無視され得る。荷重ケース

3.2

の場合,最大風速は V

out

又は V

max,shutdown

であ

る。

7.5.5 

緊急又は手動停止(DLC 4.1 

緊急又は手動停止によって生じる荷重を考慮する。その手順に対する風速制限は,製造業者によって,

運転マニュアル中に指示する。V

out

を用いる代わりに,製造業者によって定められた風速値を用いる。

7.5.6 

待機中(静止又はアイドリング)(DLC 5.15.2 

静止又はアイドリング状態でパーキングしている

SWT

のロータが極値風速を受ける場合を考慮する。

この状態は,乱流又は突風及び動的応答に対して補正を施した準定常のいずれかである。

一部の部品に重大な疲労損傷が生じる場合(例えば,アイドリングしている翼の自重などによる。

,各

適切な風速における発電していない予想時間数も考慮する。

パーキング状態の

SWT

への電力系統の停電の影響を考慮に入れる。

SWT

が系統に接続されていない場合,系統の停電は考慮する必要はない。

SWT

故障が大きな風速で生

じると思われる場合,これは荷重ケースで考慮されるかもしれない。

7.5.7 

パーキング中に故障が発生した場合(DLC 6.1 

電力系統又は

SWT

の故障が原因で待機中の

SWT

の通常動作が変化した場合には,解析する。電力系統

脱落以外の何らかの故障によってパーキング中の

SWT

の挙動が通常挙動と異なる場合は,起き得る事態


33

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

は,解析のテーマとする。荷重ケース

6.1

において故障状態は,極値風速モデル(

EWM

)と再現期間

1

との組合せとする。この状態は,乱流又は突風及び動的応答に対する補正を施した準定常状態のいずれか

である。

7.5.8 

輸送,組立て,保守及び修理(DLC 7.1 

製造業者は,輸送,組立て,据付け,保守及び修理中に発生し得る

SWT

システムに加わる荷重を考慮

する。そのような荷重の例は,次による。

垂直に立てた位置以外の,輸送中に

SWT

に加わる重力荷重。

特別な据付具によって生じる荷重。

据付け中の風荷重。

 SWT

を基礎上につり上げる場合に,

SWT

にかかる荷重。

建設中傾いたタワーに加わる荷重。

昇塔時に加わる支持構造物への荷重。

7.5.9 

荷重計算 

7.3

に規定されている荷重を,各設計荷重ケースに考慮する。関連する場合には,次の事項も考慮する。

 SWT

自体に起因した風流れ場のじょう(擾)乱(ウェークによる速度,タワーシャドーなど)

三次元流れが翼の空力特性に及ぼす影響(例えば,三次元ストール,空力ティップロスなど)

非定常空力効果

構造動力学及び振動モードの連成

空力弾性効果

 SWT

の制御システム及び保護システムの挙動

7.6 

荷重計測 

設計荷重が荷重計測から導かれる場合,荷重計測は,

7.5

に規定されている荷重ケースに可能な限り近い

条件で行うことが望ましい。測定された荷重の外挿は,

TS C 0039

に適合していなければならない。荷重

計測に関する更なる要求事項は,

9.3

及び

TS C 0039

による。

7.4

又は

7.5

の荷重ケースのいずれの場合でも,荷重ケースが規定するのと類似の条件で測定が行われる

限り,荷重計測が計算の代わりに用いられ得る。

7.7 

応力計算 

すべての重要な荷重を担う構成要素について,応力を計算する。一つの荷重ケース内で,それぞれの力

及びモーメントを用いて個別に計算した応力を組み合わせ,等価応力を定める。その結果得られた等価応

力を,材料の設計応力値と比較する。

応力の計算は,次の項目を考慮する。

応力の変動

応力集中

合成された荷重の大きさ及び方向

コンポーネントの寸法及び材料厚みの変動

各部位の表面粗さ及び表面処理

荷重の種類(曲げ,引張り,ねじりなど)

溶接,鋳造,機械加工,最終の結晶構造など

表 5

は,一方向の値から合成して等価応力を計算する指針を示す。


34

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

表 5

等価応力 

円形翼根元

方形翼根元

ロータシャフト

軸力

σ

zB

B

zB

A

F

σ

zB

B

zB

A

F

σ

x

shaft

shaft

shaft

x

A

F

曲げ

σ

MB

B

2

B

y

2

xB

W

M

σ

MB

yB

yB

xB

xB

W

M

W

M

σ

M

shaft

shaft

shaft

W

M

せん断

無視できる

無視できる

τ

 M

shaft

shaft

shaft

x

2

W

M

合成値(軸力+曲げ)

σ

eqB

σ

zB

σ

MB

σ

eq

(

)

2

shaft

M

2

shaft

M

shaft

x

3

τ

σ

σ

7.8 

安全率 

7.8.1 

材料係数及び要求事項 

この細分箇条に示す材料係数は,

95 %

の信頼限界で

95 %

の確率をもつと推定される材料特性に適用する。

材料特性がその他の生存確率で導かれる場合,材料の安全率は調整する(

附属書 E

参照)

強度については,応力又はひずみのいずれかに基礎を置く。材料特性を決定するとき,次に示す要因を

考慮する。

a)

実規模構造を代表する材料及び材料構成。

b)

実規模構造を代表する試験サンプルの製造方法。

c)

静的荷重試験,疲労荷重試験及びスペクトラム荷重試験(等級効果を含む。

d)

環境効果(例えば,腐食,紫外線劣化,湿度,温度など。

e)

材料特性に影響を及ぼす形状効果(例えば,射出成形翼の材料の配向,複合材及び木材中の繊維層の

切断,金属の鍛造による材料の配向など。

表 6

は,疲労及び終極(終局)強度解析に用いられる材料の部分安全率を一覧表にしている。

a)

e)

五つの要因が適切に考慮されている場合,材料の最小部分安全率を用いてもよい。この状態は,

“完全評価”

と表示する。材料特性が単に切取り試験片の試験によっており,上記の要因を考慮しない場合,最大の材

料係数を用いる。この状態を“最小評価”と表示する。実施されている材料試験の数及び種類によって決

まる適切な係数を決定する指針は,

附属書 E

による。

表 6

材料の部分安全率 

条件

完全評価

最小評価

疲労強度 1.25

a)

 10.0

b)

終極(終局)強度 1.1

3.0

a)

係数は,測定された材料の疲労強度に適用する[式(48)に示す。

b)

係数は,測定された材料の終極(終局)強度に適用する。 

7.8.2 

荷重に対する部分安全率 

部分安全率は,荷重推定プロセスの不確かさを表しており,したがって,各荷重決定法によって異なる。

表 7

は,各方法に対して用いる荷重係数を示す。空力弾性モデルは,測定された荷重によって実証されて

いる。したがって,荷重に対する部分安全率は,この荷重決定法の場合最も低い。


35

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

表 7

荷重に対する部分安全率 

荷重決定法

疲労荷重に対する安全率

γ

f

終極(終局)荷重に対する安全率

γ

f

簡略化した荷重計算 1.0

3.0

設計データ(ロータ回転数,出力)による空力弾
性モデル

1.0 1.35

外挿による荷重計測 1.0

3.0

7.9 

限界状態解析 

7.9.1 

終極(終局)強度解析 

終極(終局)強度に対して,満足すべき設計要求事項は,式

(47)

によって表される。

σ

d

f

m

k

γ

γ

f

 (47)

ここに,

f

k

材料強度の特性値

γ

m

材料の部分安全率

γ

f

荷重の部分安全率

7.9.2 

疲労破壊 

すべての疲労荷重ケースによる疲労損傷を組み合わせる。疲労損傷は,適切な疲労損傷計算を用いて予

測する。例えば,

Miner

則の場合,累積損傷が

1

を超えたならば限界状態に達したとする。そのため,

SWT

の寿命の範囲内での累積損傷は,

1

以下とする。

損傷=

i

s

γ

γ

N

n

)

(

i

m

f

i

1.0 (48)

ここに,

n

i

すべての関連する荷重ケースを含む特性荷重スペクトラム
のビン における疲労サイクルの総数

s

i

平均及び繰返し範囲の両方に対する効果を含むビン におけ
るサイクル総数に関連した応力(又はひずみ)レベル

N

(.)

引数によって示される破壊に至るまでの繰返し数で,応力又
はひずみの関数(すなわち,特性

S

N

曲線)

γ

f

荷重に対する適切な安全率

γ

m

材料に対する適切な安全率

簡略化した荷重モデル(

7.4

)を用いる場合,荷重ケース

A

の範囲は,式

(49)

で与えられる疲労サイクル

数に対して適用する。

n

60

d

design

T

Bn

 (49)

ここに,

T

d

秒で表した

SWT

の設計寿命

S

N

曲線が手に入らない場合,材料強度特性値として,終極(終局)強度に関して式

(47)

を用いる。そ

の場合,

表 6

の疲労強度及び最小評価に対する部分安全率(γ

m

10.0

)を用いる。

7.9.3 

臨界変形解析 

SWT

の安全性に影響を及ぼす変形が設計荷重ケースで生じないことを実証する。

最も重要な検討事項の一つは,

翼とタワーとの間に機械的な干渉を生じないことを確認することである。

適切な部分荷重係数を乗じた先端変形の最大予測値は,翼とタワーとの間の無負荷時のギャップを超えな

い。


36

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

保護及び停止システム 

8.1 

一般 

SWT

は,すべての設計荷重ケース下ですべてのパラメータをその設計限界内に保つように設計する。こ

れは,設計に含まれる能動的及び/又は受動的保護システムによって達成する。特に,回転数の設計限界

n

max

を超えないようにする手段が必要である。

8.2 

保護システムの機能的要求事項 

保護システムは,フェイルセーフに設計する。いかなる単一故障,電源故障又は制御及び保護システム

内のいかなる交換部品の故障からも

SWT

を保護する。試験及び/又は解析では,システムのフェイルセ

ーフ動作を証明する必要がある。制御,電源又は保護システムの故障によって

SWT

の回転数が n

max

を超

えたり又は不安定な運転状態にならないようにする。

SWT

が手動又は自動制御下にあるとき,保護システムは満足に作動する。

保護システムが偶発的に又は無断で改変されないように対策をとる。

8.3 

手動停止 

受風面積が

40 m

2

以上の

SWT

では,手動停止ボタン/スイッチ及び停止手段がなければならない。手動

の停止ボタン/スイッチは,自動制御システムを解除し,かつ,すべての通常運転条件に対して待機状態

にできなければならない。

受風面積が

40 m

2

未満の

SWT

では,

手動停止ボタン/スイッチは要求されないが,

停止手順を規定する。

すべての

SWT

に対して,手動の停止ボタン/スイッチを推奨する。

8.4 

保守のための停止 

製造業者は,点検,サービス又は保守を実施する前に

SWT

を安全に停止させる方法を提供する。手順

を実施し得る最大の風条件,その他の条件に関する仕様を含む。最大風速は,

0.5

V

ave

以上とする。

ロータ及びヨー運動は,保守を実施するに先立って静止させる。製造業者は,

SWT

を静止させる手順を

提供する。

SWT

を停止させるために,起倒式タワー上の

SWT

を降ろすことは認められる手順である。起

倒式タワー上の

SWT

の保守は,地上で実施してもよい。タワーの頂上で保守を行う場合,保守を実施す

る前にロータ及びヨー運動を止める手段がなければならない。

試験 

9.1 

一般 

この箇条では,

SWT

に役立つ試験を規定する。

5.2

において,試験が不可欠であるとの概要を示した。

供試品は,

SWT

の種類/コンポーネントの設計を代表する。適切に校正された計測器及び適切なサンプル

定格を用いる。

風速が必要となるすべての測定に対して,風速計の位置及び測定方位区分は,出力性能測定規格の

JIS C 

1400-12-1

に準拠する。

試験は,文書にして報告書にまとめる。これに記載する事項は,用いた試験法,試験条件,試験機械の

仕様及び試験結果である。試験法の記述には,測定法,計器,データ収集及びデータ解析の詳細説明を含

める。この箇条に規定する試験から逸脱する場合は,別途文書にまとめる。

測定報告書は,

JIS Q 17025

の要求事項及び試験要求事項を定めるのに用いられる関連規格(例えば,

JIS 

C 1400-12-1

及び

TS C 0039

)の要求事項を満足する。


37

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

9.2 

設計データを検証するための試験 

9.2.1 

一般 

簡易化した荷重解析に必要なデータを決定するために又は空力弾性モデルを検証するために,試験を実

施し,次に示す設計データを決定する。

設計出力,P

design

設計ロータ回転数,n

design

設計軸トルク,Q

design

最大回転数,n

max

9.2.2 

P

design

n

design

V

design

及び Q

design

設計風速は

1.4

V

ave

と定義される。そのとき,設計出力 P

design

及び設計回転数 n

design

は,その風速におけ

る出力レベル及び回転数である。これらのパラメータを決定するために,風速,発電及び回転数が公称電

気負荷において測定する。

測定データを

0.5 m/s

風速の区間(ビン)に入れる。V

in

を下回る

1 m

/

s

から

2

V

ave

までの各風速区間は,

30

以上のデータ点を含む。一つのデータ点は,

0.5 Hz

以上のサンプリング速度で記録したサンプルの

1

間平均に基づいている。

設計軸トルク Q

design

は,式

(51)

に示すように P

design

及び n

design

から導く。駆動伝達系の効率

η は,より正

確に証明された値がないときには,式

(50)

によって与えられると仮定する。

⎪⎩

の場合)

  

の場合)

kW

20

7

.

0

kW

20

005

000

.

0

6

.

0

design

design

design

P

P

P

η

η

 (50)

Q

design

design

design

30

n

P

ηπ

 (51)

9.2.3 

最大ヨーイング角速度 

最大ヨーイング角速度は,ヨー軸周りのロータヨー運動の最大速さと定義される。ファーリングタービ

ンの場合,このヨー運動の速さは,ナセルフレームのヨー速さ及びヨー軸に平行な軸周りのファール速さ

の成分からなる。簡略化した荷重計算では,測定値は用いることができない。その代わり,式

(27)

によっ

て与えられる値を用いる。

製造業者がモデルの妥当性のためにヨーイング角速度を測定したい場合,次の検討項目を考慮すること

が望ましい。

ヨーイング角速度は,外部条件によって大きく影響される。

最大のヨーイング角速度を見い出すために,内挿又は外挿が必要になる場合がある。

ヨー位置からヨーイング角速度を見い出すことは,不明りょう(瞭)な結果につながり得る。

9.2.4 

最大周速度 

10

20 m

/

s

間の風速で最高のロータ回転数を与える

SWT

条件(例えば,負荷脱落又は突風)中で,ロ

ータ回転数を測定する。

2

時間以上のデータが要求され,そのうち少なくとも

30

分間は

15 m

/

s

未満で,

30

分間は

15 m

/

s

を超えなければならない。これらのデータから,最大ロータ回転数は,傾きの変化を考

慮に入れて,V

ref

への内挿又は外挿によって決定する。

9.3 

機械的荷重試験 

荷重計測の目的は二つあり,

設計計算が正しいことを証明すること及び設計荷重を決定することである。


38

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

荷重計測プログラムは,

7.5

に定義されている設計荷重ケースに実際上可能な限り近い測定荷重ケースに

基づいており,また,それから構成されている。測定荷重ケースは,通常及び最大運転状態,故障状態,

ブレーキ性能並びにヨー動作をすべて含む。試験は,設計風速範囲全体で,典型的な運転挙動を特徴付け

るのに十分なものとする。関連がある風速に対して,外挿を可能にする統計的にかなりの量のデータを収

集する。

測定データは少なくとも荷重,気象パラメータ及び

SWT

の運転データを含む。構造中の臨界荷重パス

位置における荷重を測定する。これらの荷重は,翼根曲げモーメント,軸荷重及び支持構造物に働く荷重

を含む場合がある。ロータ回転数,電力,ヨー位置及び

SWT

の状態を含む関連の

SWT

運転データを測定

する。

設計荷重が正しいことを証明するために荷重計測を実施する場合,データは,計算荷重との有効な比較

が可能なように解析する。適切な荷重データの標準偏差と同じように,最低限,平均,最小及び最大値は,

記録された風速,乱流範囲及び試験報告書に含まれる関連データにわたって評価し,記録に含む。

試験手順及び試験評価の指針は,

TS C 0039

による。

9.4 

耐久性試験 

9.4.1 

一般 

耐久性試験の目的は,次のことを調整することにある。

構造の完全性及び材料の劣化(腐食,き裂及び変形)

 SWT

の環境保護の質

 SWT

の動的挙動

耐久性試験中,供試

SWT

は,次に示す試験基準を満足するかどうか及びいつ満足するかを決定するた

めに,試験手順を実行する。

SWT

がそれを達成したとき,耐久性試験に合格したことになる。

試験期間中確実な運転

  6

か月間以上の運転

風速によらず

2 500

時間以上の発電

 1.2

V

ave

以上の風速において

250

時間以上の発電

 1.8

V

ave

以上の風速において

25

時間以上の発電

風速は,

0.5 Hz

以上のサンプリング速度による風速サンプルの

10

分平均である。試験中の

15 m

/

s

にお

ける平均乱流強度及び最高瞬間風速は,試験報告書に記載する。

発電とは,電気負荷との接続点にある電力変換器によって測定されるようなプラスの電力を

SWT

が発

生していることを意味する。

耐久性試験中の

SWT

の挙動は,可能な限り通常の

SWT

の使用時と類似していなければならない。例え

ば,バッテリ電圧レベルは,バッテリ充電システムとしてはバッテリバンクの通常な充電及び放電を反映

して変化することが望ましい。

SWT

の製造業者が種々のタワー形状上に同じ

SWT

を提供することは普通である。この場合,代替のタ

ワーの動的及び静的挙動が設計限界を超えないことが計算及び短期間試験で適切に証明され得る場合には,

各々のタワーに対して耐久性試験は要求しない。

9.4.2 

確実な運転 

9.4.2.1 

一般 

確実な運転とは,


39

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

運転時間率

90 %

以上

 SWT

システム中の

SWT

又は構成要素に主要な故障はない。

 SWT

構成要素に大きな摩耗,腐食又は損傷はない。

類似の風速において発電電力に大きな低下はない。

計画された保守の実施又は点検以外で

SWT

を試験中交換する場合,試験機関は,そのような変更が主

な故障又は大きな設計変更から起きたのかどうかを決めることになる。

SWT

システムの主要事故は,

SWT

の安全性及び機能に影響を与える翼,チャージコントローラ,交流発電機,ヨーベアリング又はインバー

タのシステム構成要素の故障を含んでいる。

大きな摩耗は,許容できない強度低下又はギャップの減少をもたらし,

SWT

の寿命に影響を与える。試

験の終わりに

SWT

システムの詳しい点検を実施して,構成要素の摩耗,腐食及び損傷状態を評価する。

9.4.2.2 

運転時間率 

耐久性試験のために,時間の比によって与えられる性能の尺度として運転時間率が定義される。すなわ

ち,評価期間中で

SWT

が通常設計挙動を示す時間の試験時間に対する比(パーセント表示)である。通

常設計挙動は,次の事項を含む(当てはまる場合)

 SWT

が発電中

低いカットイン風速から速いカットアウト風速に遷移する風速による自動スタートアップ及び停止。

V

in

未満又は V

out

超の風速におけるアイドリング又はパーキング状態。

通常停止(故障停止ではない。

)と

SWT

の再スタートとの間の延長時間(例えば,ブレーキ冷却サイ

クル及び先端ブレーキの格納)

運転時間率 は,式

(52)

によって与えられる。

O

E

U

T

E

U

N

T

T

T

T

T

T

T

T

×

100 %  (52)

ここに,

T

T

検討している全期間

T

N

SWT

が運転していないと分かっている期間

T

U

SWT

の状態が不明の期間

T

E

解析で除外される期間

SWT

の状態が不明の期間も解析に対して除外される期間も,いずれも運転時間率を下げようと上げよう

とカウントしないことに注意する。

次に示す状態は,

SWT

故障とみなし,T

N

の一部とする。

 SWT

の運転を止める

SWT

コントローラによって指示される

SWT

故障状態。

表示された故障が原因のコントローラによる

SWT

の自動停止。

通常日常の保守又は知覚された故障状態のために

SWT

を止める休止,停止又は試験モードの自動選

択。

製造業者の推奨に従って実施される

SWT

点検。

垂れ下がりケーブルを解くためのダウンタイム。

次に示す状態は,

SWT

の状態が不明の時間とみなす[式

(52)

の T

U

試験所のデータ収集システムの故障又は保守。

 SWT

状態の記録の喪失又は未解読記録。


40

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

次に示す状態は,試験期間から除外し,かつ,T

E

の一部とする。

製造業者によって推奨されない試験の一部として行われる

SWT

の点検(例えば,データ収集システ

ムの点検)

通常日常の保守又は発見された故障状態とは異なる目的のために,

SWT

の運転を中止させる,休止,

停止又は試験モードの手動選択。

系統,バッテリシステム,インバータ又は試験中の

SWT

システムの外部の構成要素の故障(次を参照)

これらの構成要素が次のシステムの一部とみなされる場合,この期間は T

N

としてカウントする。

設計外部条件外の外部条件を検出する

SWT

制御システムのために発電が低下するか又は止まる。

SWT

故障が,通常外部条件で起きて,上記の状態の一つの間存在する場合,この期間は T

N

とカウント

する。

耐久性試験報告書には,どの構成要素が

SWT

システムの一部とみなされ,どの構成要素が

SWT

の外部

とみなされたかを明確に記述する。この記述には,次のことを考慮する。

 SWT

と大地面との間の機械的インタフェース

 SWT

と負荷との間の電気的インタフェース

 SWT

と現場及び/又は遠隔制御装置との間

SWT

故障又は外部条件のいずれかに明確に帰さない条件がある場合,試験計画は,どのような条件はど

のカテゴリに帰せられるかを定義する。そのような条件の例は,次による。

先端ブレーキ又はファーリングの偶然の動作

過渡電圧によるコントローラの取違え

試験報告書には,耐久性試験中の全時間における

SWT

運転状態の確定及び記録を念頭に置いた計器の

使用及びデータ記録整理法を記載する。

9.4.2.3 

発電の低下 

SWT

の出力性能における隠れた低下を確認するための,次の手順は,耐久性試験の一部である。

耐久性試験の各月に対して出力レベルを,風速によって区分分割する。各風速に対して時間の関数とし

て区分分割された出力レベルをプロットする。傾向が分かる場合,その原因を決定するために,調査を行

う。バッテリ充電システムの場合,類似の充電状態をもつ点がプロットされるべきである。通常運転とみ

なされるデータ点だけを解析に用いることが望ましい。

9.4.3 

動的な挙動 

システムが過度に振動しないことを検証するために,

SWT

の動的挙動を評価する。

SWT

の動的挙動は,

カットイン風速から

20 m

/

s

の風速の風の中ですべての運転条件(例えば,負荷あり,なし及びファール状

態)下で観測する。約

5 m

/

s

10 m

/

s

15 m

/

s

及び

20 m

/

s

の風速で

5

分間,また,全体で

1

時間以上,

SWT

を最低限観測する。タワーの振動及び共振,

SWT

の騒音,翼の後縁の運動並びにヨー挙動に特に注意を払

うことが望ましい。運転記録に観測結果を書き留め,また,試験報告書に記録することが望ましい。計測

器の使用による評価も認められる。

9.5 

機械部品の試験 

9.5.1 

一般 

すべての

SWT

に対して静的荷重試験が要求される。その他の荷重を受けるすべての部品に対しては,


41

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

部品の計算がされていない場合,その部品を部品試験にかける。安全率を含めて設計荷重を最悪に組み合

わせて,部品に加える。

SWT

の安全運転を妨げるいかなる損傷(例えば,剛性の大きな喪失,プラスチッ

ク材料の変形,座屈,き裂など)が起きてはならない。

購入部品の場合,設計荷重は,部品仕様の範囲内であることを示すことが必要である。

9.5.2 

翼試験 

翼の静的荷重試験における印加荷重は,フラップ方向の曲げモーメントと遠心力との最悪の組合せとす

る。翼は,翼ハブ接続部を含めて試験する。モデル又は実測によって予測される最大運転荷重まで,安全

率を含めて試験荷重で損傷が起きてはならない。

設計荷重と実翼破損荷重との間の強度の裕度を決定するために,

翼は破壊まで試験することを推奨する。

翼の疲労試験を実施する場合,試験は

TS C 0040

の要求事項を満足する。

9.5.3 

ハブ試験 

ハブ試験を実施する場合,ハブは翼のすべての接続点で,遠心力及びフラップ方向の曲げによって静的

に試験する。ハブは,ハブ軸接続部を含めて試験する。最大計算荷重に基づいた設計試験荷重(安全率を

含む。

)で損傷が起きてはならない。

9.5.4 

ナセルフレーム試験 

ナセルフレーム試験を実施する場合,ナセルフレームは軸を傾けたときに生じる曲げモーメント,軸方

向ロータ力及びロータ重量を加えて,静的に試験する。最大計算荷重に基づいた設計試験荷重(安全率を

含む。

)で損傷が起きてはならない。

9.5.5 

ヨーメカニズム試験 

ヨーメカニズム試験を実施する場合,ヨーメカニズムはナセルフレーム試験の項で規定した荷重を加え

て試験する。ヨーメカニズムは,適切に作動することを示す。

9.5.6 

ギアボックス試験 

ギアボックス試験は要求されないが,

AGMA/AWEA 921-A97

に準拠した試験を推奨する。

9.6 

安全性及び機能試験 

安全性及び機能試験の目的は,試験中の

SWT

が設計で予測された挙動を示し,かつ,職員の安全に関

する規定を適切に満たしていることを証明することである。

安全性及び機能試験は,設計文書に記されているように,試験検証を必要とする制御及び保護の重要な

機能を含む。これらの重要機能は,次を含む。

出力及び速度制御

ヨーシステム制御(ウィンドアラインメント)

負荷の喪失

設計風速以上における過速度保護

設計風速を上回る風速でスタートアップ及び停止

当てはまると思われるその他の項目は,次による。

過度の振動に対する保護

通常運転中の緊急停止

ケーブルのよじれ

単独運転防止(系統連系用に対して)


42

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

部品故障,その他の重大事象又は運転状態によって作動する可能性がある追加の保護システム機能も試

験する。この試験は,重大事象又は運転条件のシミュレーションを含むことができる。例えば,ケーブル

がひどくよじれたとき,自動的に遮断するよう設計されたケーブルを垂れ下げた

SWT

は,適切に機能す

ることを実証する。

9.7 

環境試験 

SWT

が通常外部条件以外の外部条件に対して設計される場合,

SWT

にはこれらの条件を模擬する試験

を課す。これらの試験は,

SWT

全体に対して実施するのが好ましい。これが難しい場合,この外部条件に

よって影響されるシステムのあらゆる部分について実施する。

9.8 

電気試験 

SWT

の安全上決定的な影響を与える電気のサブシステム(例えば,発電機,制御盤,モータ,変圧器,

GFCI

及びヒータ)は,関係の

IEC

規格及び

JIS

などの国家規格に基づいて評価し,試験する。例えば,

発電機については,試験は

JIS C 4034-1

JIS C 4034-5

IEC 60034-2

及び

IEC 60034-8

に適合することが

望ましい。

10 

電気システム 

10.1 

一般 

SWT

の電気システム及びコントローラ,発電機などの電気システムで用いられる各電気的構成要素は,

JIS B 9960-1

の箇条

4

(一般要求事項)∼箇条

15

(附属品及び照明)の該当する部分,関連国家規格及び

いかなる地域規定にも適合する。

SWT

が電力系統に接続される場合,

10.7.3

を適用する。各電気的構成要

素は,すべての設計環境条件(

6.4

参照)及び構成要素が運転中に受ける機械的,化学的及び熱的応力に耐

える。

出力特性に基づいて選定した各電気的構成要素は,故障条件を含む設計荷重ケースを考慮しながら,装

置に要求される責務に対して適切なものとする。しかし,電気的構成要素が設計上,最終目的に対応する

特性をもっていなくとも,

SWT

電気システムの全体の一部として適切な追加保護を設ける条件で用いても

よい。

落雷,その他の過渡過電圧条件によって影響され得る

SWT

保護システム回路は,すべて

JIS C 5381-1

に準拠して保護する。

SWT

に用いられるすべてのサージ保護装置は,

JIS C 5381-1

に準拠する。

10.2 

保護装置 

SWT

電気システムは,安全ではない条件又は状態を引き起こす可能性がある

SWT

及び外部電気システ

ムの両方の故障に対して保護する適切な装置を含むものとする。これは,

JIS B 9960-1

7.1

(一般事項)

7.5

(停電,電圧低下及びその復旧時の保護)及び

7.8

(相順の保護)に準拠して実施する。このような

装置の例は,過電流保護ヒューズ,温度サーミスタなどである。

10.3 

断路器 

SWT

電気システムを保守又は試験時にすべての電源から切り離すことができなければならない。半導体

装置を単独で断路器として用いてはならない。

照明,その他の電気システムが保守中の安全のために必要な場合,これらの回路は,その他のすべての

回路が通電していないときに通電するように,独自の断路器をもつ補助回路を備える。

10.4 

接地システム 

接地電極システムが適切となる土壌の条件の範囲は,設計文書に記載する。ほかの土壌状態の場合にも,

その推奨事項を記載することが望ましい。


43

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

接地システム(接地電極,接地導体,主接地端子及びバー)の選択及び設置については,

JIS C 60364-5-54

及び地域電気規制当局の要求事項に適合しなければならない。

SWT

の設計には,

JIS C 60364-5-54

及び地域電気規制当局の要求事項に適合する局部接地電極システム

を含める。接地部品(接地電極,導体,バー及び主接地端子)の選択,配置及び取付けは,

SWT

の雷保護

に有効とする。接地電極システムが適切になるような土壌条件の範囲は,据付文書に記載する。ほかの土

壌条件の場合にも,その推奨事項も記載することが望ましい。

10.5 

雷保護 

SWT

の雷保護の指針は,

TS C 0041

による。保護策を翼まで拡大する必要はない。

SWT

の雷保護に対す

る更なる指針は,

IEA

の“

SWT

試験に対する推奨”の

9.

SWT

設備の雷保護)に示されている。

10.6 

電気導体及びケーブル 

SWT

の導体は,

JIS B 9960-1

の箇条

13

(配線)に準拠して,温度,電圧,電流,環境条件及び劣化を促

進するものへの暴露(例えば,油,紫外線暴露)に耐える。

導体が据付け及び運転中受けると思われる,よじれに起因する応力を含む機械的応力を考慮する。導体

は,

JIS B 9960-1

の箇条

14

(電動機及び関連装置)に準拠して施設する。

げっ歯類の動物,その他の動物がケーブルをきず付ける可能性がある場合,外被付きケーブル又は電線

管を用いる。地下ケーブルは,作業者又は農耕機によって損傷を受けないよう,適切な深さに埋設する。

地下ケーブルは,ケーブルカバー又は適切なマーキングテープでマークする。

その保護限界は,電気的構成要素に加わる過電圧が構成要素の絶縁レベルによって設定される限界を超

えないように設計する。

10.7 

電気負荷 

10.7.1 

一般 

10.7.2

10.7.5

が扱う電気負荷は,

SWT

システムの適切な負荷である。

10.7.2 

バッテリ充電 

バッテリ充電装置として用いる

SWT

は,運転マニュアルに推奨されているタイプに適した電流及び電

圧でバッテリを充電するように設計する。その他の考慮事項は,次による。

バッテリ温度

バッテリの膨張

導体サイズ及び絶縁定格

充電回路は,負荷脱落又はバッテリが完全に充電され,かつ,その電圧が別の用途に加えられるとき,

最大電圧に耐えることができなければならない。

10.7.3 

電力系統(連系システム) 

10.7.3.1 

一般 

電力系統に連系される

SWT

は,

10.7.3.2

及び

10.7.3.3

の要求事項及び関連の連系に関する規格の要求事

項に適合する。

10.7.3.2 

自己励磁

電力系統の停電 

SWT

を自己励磁することができる電気システムは,電力系統が停電した場合,自動的に系統から遮断さ

れ,かつ,安全に切り離された状態にしておかなければならない。

キャパシタバンクが,系統連系している

SWT

に並列に接続している(すなわち,力率改善のため)場

合,系統が停電したときはいつでも

SWT

の発電機の自己励磁を回避するために,キャパシタバンクを切

り離す適切な開閉器が必要である。又は,キャパシタが設置されていても,そのキャパシタが自己励磁の


44

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

原因とならないことを十分に示すことができる場合は,それでよい。キャパシタバンクを切り離せない場

合,キャパシタを徐々に小さくするための対策をとる。

10.7.3.3 

高調波及び電力変換装置 

インバータ,パワーエレクトロニクス制御装置,静止形無効電力補償装置などの電力変換装置は,高調

波線路電流及び電圧波形ひずみが電力系統保護リレー動作を妨げないように設計する。特に,系統連系さ

れた

SWT

の場合,

SWT

から高調波が生じたとき,系統との接続点での総合電圧波形ひずみが電力系統で

許容できる上限の値を超えないようにする。

10.7.4 

電動機との直接接続[例えば

水のく(汲)み上げ] 

電動機に直結される

SWT

は,電圧,電流及び周波数が変わる。運転範囲全体にわたって安全に作動す

ることを証明する(耐久性試験,その他の試験,その他の解析は,購入仕様の一部となり得る。

10.7.5 

直接抵抗負荷(例えば

暖房) 

抵抗負荷に接続される

SWT

は,電圧,電流及び周波数が変わる。運転範囲全体にわたって安全に作動

することを証明する(耐久性試験,その他の試験,その他の解析は,購入仕様の一部となり得る。

ヒータなどの抵抗負荷に接続される

SWT

は,関連している電流,電圧及び温度に適した導体を備える。

11 

支持構造物 

11.1 

一般 

支持構造は,

SWT

の主要部である。支持構造は,

SWT

の荷重を支える。ロータ面積が

2 m

2

を超える場

合,支持構造は

SWT

システムの一部に包含する。支持構造は,また,地域の規則及び規制に適合する。

保守のために地上に安全に降ろすことができない

SWT

及びタワーは,タワーの昇降及びタワー上の作業

用に落下防止システムを備えることが望ましい。

11.2 

動的挙動に関する要求事項 

SWT

支持構造の共振は重要な設計課題であり,過大な振動につながる

SWT

システムの共振周波数での

連続運転を避けるよう,配慮することが望ましい。支持構造が人の住んでいる建物の場合,これは特に重

要である。

11.3 

環境要因 

SWT

支持システムは,箇条

6

において一覧表にされている外部条件のすべてに耐えることが望ましい。

極値環境条件下での

SWT

の据付け,運転及び保守に対して特別に配慮することが望ましい。製造業者は,

据付け,運転マニュアル及び設計書の中で

SWT

の設計環境条件を確認する。

11.4 

接地 

SWT

支持構造(支線を含む。

)は,落雷による損傷を減らすために適切な接地をする。

11.5 

基礎 

ロータ面積が

2 m

2

を超える

SWT

の場合,製造業者は,基礎のレイアウト,最小及び最大支線位置を推

奨してある支線の位置,該当する場合の支線設置に対する要求事項などを含む基礎に対する要求事項を指

定する。製造業者は,基礎システムの詳細図及び該当する場合の適切な土壌条件又は基礎の設計荷重を提

供する。

11.6 SWT

アクセス時の設計荷重 

タワーを登り,タワーを上下させる通常の

SWT

保守で生じる設計荷重を配慮する。これらの荷重は,

該当するマニュアルで指定されている

SWT

へのアクセス手順と一致していなければならない。


45

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

12 

文書に対する要求事項 

12.1 

一般 

この箇条は,

SWT

の製品マニュアルに対する要求事項を規定する。このマニュアルは,

SWT

設備の組

立て,据付け,運転及び建設に関する要求事項の明確な説明を与える。この文書は,

SWT

の保守に関する

要求事項に関する特定の情報も提供する。その情報は,据付者,所有者及び運転保守員に対して,

1

冊以

上のマニュアルで供給する。

すべての文書は,内容が重要な安全指示書であることを使用者に知らせなければならない。また,文書

は保存することが望ましい。文書は,

SWT

モデル,製造番号及び変更番号を参照する。文書は,使用者に

役立ち,かつ,使用者が読んで理解できる言葉で書かれていなければならない。

12.2 

据付け 

12.2.1 

一般 

SWT

の製造業者は,

SWT

の組立て,据付け,運転及び建設のために,図面,手順,仕様書,指示書及

びこん(梱)包リストを提供する。文書は,

SWT

の安全な輸送及び据付けに必要なすべての荷重,重量,

つり上げ具及び手順の詳細を包含する。

SWT

は,訓練された人によってだけ,据え付けられなければならないことを製造業者が要求するなら,

据付マニュアルの表紙に

“訓練を受けた人だけが据え付けることができる”

と同じ趣旨の宣言を表示する。

安全なつり上げ作業に必要なすべてのワイヤ,フック,その他の器具を含むクレーン,ホイスト及びつ

り上げ装置に対する要求事項を包含する。明確なつり上げ点は,マニュアルの中及び

SWT

の構成要素上

に明確に表示する。安全な据付作業に必要なすべての特殊工具,ジグ,固定具,その他の機器に対して言

及する。

構成要素すべての運転前のコンディショニング及び適切な給油を文書中に明確に述べなければならない。

電線は,

SWT

の所有者又は据付者によって供給されることになっている場合,電気機械の端子に対する

国際標準記号で作成した電気相互配線図がマニュアルのこの項に載っており,かつ,適切な導体サイズを

選定するための十分な情報も記載していなければならない。システム配線図は,マニュアル中の据付部分

又は運転部分のいずれかに記載していなければならない。

12.2.2 

支持構造物 

受風面積が

2 m

2

以上の

SWT

の場合,

使用者が

SWT

の安全運転のための適切な支持構造を選ぶのに必要

なすべての情報を,製造業者は提供する。これは,次のものを含むが,これだけに限定されない。

 SWT

とタワーとの機械的接続の詳細

 SWT

とタワーとの電気的接続の詳細

翼とタワーとの間の最小距離

タワー頂部の最大許容偏差

最大タワー頂部荷重

2 m

2

を超える受風面積の

SWT

の場合,上記の情報が提供されることを推奨する。この

SWT

の場合,

11.5

が要求している情報が与えられなければならない。

12.3 

運転 

運転文書は,通常運転条件で

SWT

を始動させ,かつ,停止させる具体的な手順を含む。マニュアルは,

緊急停止制御設定点のような適切な制御装置の設定のすべてを含む。運転文書は,また,通常運転及び意

図される適用に対して,システム全体の説明も網羅する。

製造業者は,手順が安全に実行され得る風速限界,その他の条件の仕様を含む手動停止手順をマニュア


46

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

ルに記載し,提供する。緊急の保守及び顧客支援のために,相談窓口を設けなければならない。

12.4 

保守及び定期点検 

12.4.1 

一般 

製造業者は,

SWT

の点検及び保守に関する文書を提供する。この文書には,

SWT

装置に対する点検,

停止手順及び定期保守の要求事項を具体的に記述する。

製造業者が,

SWT

は訓練を受けた人によって保護され,かつ,アフタサービスされることを要求するな

ら,保守及びサービスマニュアルの表紙に“保守及び修理は訓練を受けた人によってだけ実施すること”

と同じ趣旨の宣言を表示しなければならない。

12.4.2 

安全手順 

保守文書には具体的な停止手順を記す。すなわち,次のやり方の指示を含むが,必ずしもそれに限定し

ない。

負荷及び/又は電源を切り離す(

10.3

参照)

ロータを止め,かつ,固定する。

ヨーメカニズムを止め,かつ,固定する。

該当する場合,ファーリングシステムを止め,かつ,固定する。

SWT

が系統連系用の場合,

SWT

を系統から切り離す手順を提供する。

製造業者は該当する場合,適切な昇塔装置及び手順を含む,タワーを登る場合の安全推奨事項を提供す

る。

12.4.3 

定期点検 

製造業者は,タワー,駆動伝達系,コントローラ及びロータを含む

SWT

の定期点検の時間間隔を規定

する。製造業者は,次を含むがこれに限定しない点検対象の構成要素に,証拠を提供する。

ロータ翼

垂れ下がりケーブルの擦切れ又はよじれ

支線の張りの度合い

潤滑油のリーク

締め具

製造業者は,装置の一覧表を提供し,かつ,適切な運転及びその実証を確実にするのに必要な測定をす

る。製造業者は,

SWT

の安全に致命的な影響を与える通常運転範囲のすべての値を示す(これは,バッテ

リ電圧,水ポンプ流量,インバータ電圧,電流,周波数などを含む。

SWT

に対して試験記録をとり続けることを推奨する。試験記録中に含めるデータは,月日,時間,

点検実施者,重要な事象及び是正処置又は追加情報とすることが望ましい。

12.4.4 

保守 

製造業者は,

SWT

の定期保守の時間間隔を定めなければならない。定期保守は,

SWT

の安全運転を維

持するために,製造業者が一定期間後,必要と考えるサービス又は修理として定義される。定期保守は,

次を含むがそれに限定されない。

潤滑

緊急停止/過速度システムの定期試験

ブレーキ装置の調整/交換

ベアリング及びブラッシ/スリップリングの交換

製造業者が,

SWT

は定期保守の前に停止すると要求するなら,文書中に“備考  定期保守を実施する前


47

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

SWT

の適切な停止の手順に従わなければならない。

”と同じ趣旨の宣言文を用意する。

製造業者は,すべての保守及び修理について

12.4.3

に言及されている試験記録をとる。

12.4.5 

故障修理 

製造業者は,サービス員を呼ぶ前に確認し得る項目に関する故障修理リストを提供する。その表中の項

目は,訓練を受けた運転者によって確認できるものとするが,専門的な試験装置又は訓練を受けたサービ

ス員を必要としないものである。

12.4.6 

作業者の安全 

製造業者は,

据付け,

運転及び保守マニュアル中に作業者の安全に関する必要な情報をすべて提供する。

そのような情報には,昇塔手順,はしご,アンカ点,作業者の安全装具の使用などの情報を含む。また,

製造業者は,タワーを登る場合及び/又はタワーを下げる場合の風速の限界を定めなければならない。

13 SWT

の表示 

SWT

の銘板には,次の事項を明りょうで,かつ,消えないように表示する。

 SWT

の製造業者及び製造国

形名,製造番号及び改修番号

製造日

 SWT

の接続点での最大電圧及び電流

 SWT

の接続点での系統連系時の周波数

必要によって,次を追記する。

タワー上部の質量

耐風速

 SWT

クラス

受風面積

設計出力

翼の長さ


48

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

附属書 A

(参考)

小形風車の型式認証

A.1 

一般 

IEC WT01

は,

大形風車及び

SWT

に対する認証プロセスを述べている。

しかし,

IEC WT01

の改訂版は,

2001

年に発行された

IEC WT01

の第

1

版の幾つかの要求事項と一致していない。

IEC WT01

では,型式認証のビルディングブロックを示している(

図 A.1

図 A.1

型式認証のモジュール(IEC WT01 及びこの規格の本体に準拠) 

SWT

の場合,これらのモジュールは同じである。

A.2

において

SWT

の設計評価モジュール及び

A.3

おいて型式試験モジュールの内容を述べる。その他の

3

モジュールの内容は,

IEC WT01

に記されている

ものと同じである。

A.2 

設計評価 

IEC WT01

は,設計評価モジュールの中で

10

要素を述べている。

IEC WT01

は,この

10

要素のうち

3

要素だけが

SWT

に要求されるとはっきり述べている。しかし,この

10

要素に

2

要素を加えて,

SWT

に対

して全部で

12

要素を推奨している。追加要素は,設計データに対する試験及び静的翼試験である。

12

素のすべては,

図 A.2

による。静的翼試験,設計データに対する試験及び部品試験は,製造業者が所内で

実施できる。

設計評価

型式試験

製造評価

基礎設計

評価

(任意)

型式特性

測定

(任意)

最終評価

報告書

型式認証書


49

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

図 A.2

設計評価の要素(この規格の本体に推奨) 

A.3 

型式試験 

SWT

の型式試験は四つの要素,

安全性及び機能試験,

出力性能測定,

耐久性試験,

その他の試験 (

EMC

環境,その他)からなる。すべての構成要素は,

図 A.3

による。

大形風車と比較して,その差は,荷重計測及び翼疲労試験を耐久性試験に入れ替えていることである。

型式試験モジュール中のすべての試験は,認定試験所によって実施する。又は,認証機関が,試験を実

施する機関は,少なくとも

JIS Q 17020

又は

JIS Q 17025

の基準に適合することを証明する。

図 A.3

型式試験の要素(IEC WT01 及びこの規格の本体に準拠) 

制御及び

保護システム

の評価

基礎設計に 
対する要求 
事項の評価

設計データに

対する試験

の評価

設計管理

の評価

荷重及び

荷重ケース

の評価

製造計画

の評価

構造的な機械
要素及び電気

要素の評価

据付計画

の評価

静的翼試験

の評価

保守計画

の評価

部品試験

の評価

職員安全に 
関する評価

設計評価 
適合宣言

設計評価

安全及び 
機能試験

出力性能

測定

耐久性試験

その他の試験

(EMC,環境)

型式試験 
適合宣言


50

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

附属書 B

(規定)

SWT

クラス S を記載する設計パラメータ

クラス

S

SWT

の場合,次の情報を設計文書に示す。

機械パラメータ

定格出力

(W)

ハブ高さにおける運転風速範囲  V

in

V

out

(m/s)

設計寿命

(年)

風の条件

平均風速の関数としての特性乱流強度

年平均風速

(m/s)

気流の平均入射角

(

°

)

風速分布(ワイブル,レイリー,実測,その他)

乱流モデル及びパラメータ

ハブ高さにおける極値風速 V

e1

及び V

e50

(m/s)

  1

年及び

50

年の再現期間における極値突風モデル及びパラメータ

  1

年及び

50

年の再現期間における極値方向変化モデル及びパラメータ

極値コヒーレントガストモデル及びパラメータ

極値コヒーレントガスト時の風向変化モデル及びパラメータ

電力系統条件 

通常の供給電圧及び範囲

(V)

通常の供給周波数及び範囲

(Hz)

電圧不平衡

(V)

電力系統の停電の最大継続期間

(日)

電力系統の停電の回数

(回/年)

自動再閉路周期(説明)

(秒)

対称及び非対称外部故障中の挙動(説明)

その他の環境条件

考慮される場合

洋上

SWT

の場合の設計条件(水深,波の条件など)

通常及び極値温度範囲

(

)

大気中の相対湿度

(%)

大気密度

(kg/m

3

)

日射

(W/m

2

)

雨,あられ,雪及び氷結

化学的活性物質

機械的活性粒子

雷保護システムの説明

地震モデル及びパラメータ

塩分濃度

(g/m

3

)


51

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

附属書 C 
(参考)

乱流の統計的モデル

C.1 

一般 

次の乱流の統計的モデルは,設計荷重計算に用いてよい。このモデルは,

6.3.2

の要求事項を満足してい

る。乱流の速度変動は,その成分が零平均ガウスの統計量であるランダムベクトル場であると仮定する。

成分を表すパワースペクトル密度は,

Kaimal

のスペクトル及び指数コヒーレンスのモデル又は

von Karman

の等方性モデルによって与えられる。

Kaimal

のスペクトルモデル 

成分ごとのパワースペクトル密度は,無次元の形で式

(C.1)

によって与えられる。

3

5

hub

k

hub

k

2

k

k

6

1

4

)

(

⎟⎟

⎜⎜

V

L

f

V

L

f

σ

f

S

f

(

C.1

)

ここに,

f: 周波数(

Hz

k: 速度成分の方向を示す指標(すなわち,

1

=主方向,

2

=横方

向,

3

=垂直方向)

S

k

片側速度成分スペクトル

σ

k

速度成分の標準偏差[式

(C.2)

参照]

L

k

速度成分の積分尺度パラメータ

さらに,

0

k

2

k

)

(

df

f

S

σ 

(C.2)

乱流のスペクトルパラメータは,

表 C.1

による。

表 C.1

Kaimal

モデルの乱流のスペクトルパラメータ 

速度成分の指標  k

  1 2 3

標準偏差

σ

k

σ

1

 0.8

σ

1

 0.5

σ

1

積分尺度パラメータ  L

k

 8.1Λ

1

 2.7

 Λ

1

 0.66

 Λ

1

注記

  σ

1

及び Λ

1

は,それぞれこの規格に規定する乱流の標準偏差及び尺度パラメータである。 

C.2 

指数コヒーレンスモデル 

次の指数コヒーレンスモデルは,主方向速度成分の空間的相関構造を考慮する

Kaimal

の自己スペクトル

モデルと連結して用いてもよい。

Coh(r

,

)=

exp

⎪⎭

⎪⎩



⎟⎟

⎜⎜

⎟⎟

⎜⎜

5

.

0

2

c

2

hub

12

.

0

8

.

8

L

r

V

r

f

(C.3)


52

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

ここに,

Coh(r

,

): 自己スペクトル関数によって分割された,空間的に離れ

2

点での主方向風速成分のクロススペクトル密度の複

素数の大きさによって定義されるコヒーレンス関数

r: 平均風向に直角な平面上の

2

点間の距離ベクトルの投影

の大きさ

f: 周波数(

Hz

L

c

3.5

Λ

1

: コヒーレンスの尺度パラメータ

C.3 

フォンカルマン(von Karman)の等方性乱流モデル 

この場合,主方向速度成分のスペクトルは,無次元の方程式で与えられる。

6

5

2

hub

hub

2

1

1

71

1

4

)

(



⎟⎟

⎜⎜

×

V

L

f

V

L

f

σ

f

S

f

(C.4)

ここに,

f: 周波数

(Hz)

L

3.5

Λ

1

等方性積分尺度パラメータ

σ

1

ハブ高さにおける主方向の標準偏差

横方向及び垂直方向のスペクトルは等しく,式

(C.5)

の無次元の方程式で与えられる。

2

2

2

)

(

σ

f

S

f

2

3

3

)

(

σ

f

S

f

6

11

2

hub

2

hub

hub

71

1

189

1

2



⎟⎟

⎜⎜

×

⎟⎟

⎜⎜

×

×

V

L

f

V

L

f

V

L

f

(C.5)

ここに,

L: 式

(C.4)

と同じ等方性尺度パラメータ

σ

2

σ

3

σ

1

風速の標準偏差成分

コヒーレンスは,式

(C.6)

で与えられる。

Coh

(

r

,

)

6

5

2

6

1

Γ

[

x

6

5

K

6

5

(

x

)

0.5

x

6

11

K

6

1

(

x

)] (C.6)

ここに,

x

5

.

0

2

2

hub

12

.

0

2

L

r

V

r

f

π

に等しい。

r: 2 点間の距離

L: 等方性乱流の積分尺度

Γ(.): ガンマ関数

K(.)(.): 分数次,修正ベッセル関数

式(C.6)は,L

c

を等方性尺度パラメータ で置き換えることによって,式(C.3)の指数モデルによって近似

できる。


53

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

附属書 D 
(参考)

決定論的乱流記述

SWT

及び特にそのロータの振動モードが十分に減衰する場合,次の決定論的モデルを通常の風条件下の

乱流に対して用いることができる。減衰が十分か否かの検証は,回転サンプリングされた風速の簡単な統

計的モデルを用いても可能である。この簡単な検証モデルにおいては,独立した,また,時間的にも無相

関の,標準偏差は平均値の 5 %のランダム増分を各翼の平均風速に加える。これを SWT の動的シミュレー

ションモデルの各時間ステップごとにそれぞれの翼に適用する。各翼は,十分にそれぞれの瞬時速度場に

入っていると仮定する。そして,翼,先端部の変位及び根元部の曲げモーメント(フラップ方向及びエッ

ジ方向)の時刻歴応答を解析する。この解析は,回転周波数において基本振幅に対するより高い調和振幅

の比を決定することである。この比がすべて 1.5 未満である場合,次の決定論的モデルを用いることがで

きる。

主方向の速度成分: 

v

1

(yzt)

V(z)+A

1

sin(2

π

f

1

t)+

⎥⎦

⎢⎣

⎥⎦

⎢⎣

)

2

cos(

4

1

2

sin

)

2

sin(

4

1

2

sin

3

2

2

3

2

2

t

f

t

f

z

A

t

f

t

f

y

A

π

π

π

π

(D.1)

ここに,

(yz)

SWT

の受風面における点の横軸及び垂直軸の座標であり,

原点はロータの中心である。

横方向の速度成分: 

v

2

(t)

A

3

sin

⎥⎦

⎢⎣

)

2

sin(

4

1

2

5

4

t

f

t

f

π

π

(D.2)

横方向速度成分は,ロータの受風面積にわたって一様であると仮定する。

これらの風速モデルにおいて,振幅及び周波数のパラメータは,次の関係式で与えられる。

振幅パラメータ: 

A

1

=2.0 σ

1

A

2

A

1

/D

A

3

=0.8 A

1

周波数パラメータ: 

f

1

=0.019 4 V

hub

/Λ

1

f

2

=4.0 f

1

f

3

f

1

/10.0

f

4

=0.6 f

1

f

5

f

4

/10.0

ここに,

σ

1

ハブ高さでの風速の標準偏差

D: SWT のロータ直後

V

hub

ハブ高さでの 10 分平均風速

Λ

1

乱流の尺度パラメータ

注記  横方向及び主方向の速度成分は,両方併せて式(D.3)の関係式を用いて,ハブ高さにおける瞬間

風速及び風向きを定義する。


54

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

)

,

,

(

)

(

)

(

t

v

t

v

t

θ

t

v

t

v

t

V

0

0

arctan

}

)]

(

[

}

)]

,

0

,

0

(

{[

)

(

1

2

hub

5

.

0

2

2

2

1

hub

(D.3)


55

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

附属書 E

(参考)

材料の部分安全率

E.1 

一般 

この附属書は,包括的な材料試験結果を入手できない場合,材料の疲労に対する部分安全率の選定指針

を与える。

E.2 

記号 

複合物において形状効果を説明する材料係数

(

−)

所与の応力レベルにおいて疲労破壊に至るまでのサイクル数

(

−)

生存確率

(

−)

疲労サイクルにおける最小応力の最大応力に対する比

(

−)

応力 (MPa)

V

f

 

ファイバ容積率

(

−)

γ

m

 

材料の部分安全率

(

−)

δ

変動係数

(

−)

E.3 

特性値対設計値 

−  特性値:規定レベルの統計的な確率及びそれと関連した信頼度をもつ材料又は要素の機械的性質。部

品又は構造の設計に用いられる。JIS C 1400 規格群のこの部分では,材料の安全係数は,材料が 95 %

信頼限界での特性値を超えるであろう 95 %の確率に基づく。

−  設計値:所与の部品を設計するのに用いられる基準となる,設計解析で用いられる値及び解析方法を

用いる。また,材料の特性値を用いる。

材料の部分安全率は,式(E.1)による。

f

d

m

1

γ

f

k

 (E.1)

ここに,

f

d

材料の設計値

γ

m

材料の部分安全率

f

k

材料物性の特性値

特性値を確立するために,

図 E.1 による適切な分布を用いることが望ましい。大抵の設計者は,正規分

布又はベル(形)カーブに親しんでいる。しかし,経験によれば,複合材料により合うのは,ワイブル分

布である(

図 E.1 参照)。


56

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

強度


試品のパーセン

平均

正規分布

ワイブル分布

図 E.1−正規分布及びワイブル分布 

正規分布は対称であり,

すべての弱いサンプルに対して,

対応する強いサンプルがあることを意味する。

しかし,ワイブル分布は,一方の側にひずんでいる。上記のケースでは,試験のいかなる組でも,強いサ

ンプルより弱いサンプルの方が多いことを意味する。右側にひずんでいる場合,母集団中弱いサンプルよ

り強いサンプルの方が多いことを意味する。

金属,その他の均質な材料の場合,最も合うのは典型的に正規であるか又は対数−正規である。

複合材料の場合,しばしばワイブル分布が適切である。強度曲線が右にひずんでおり,弱いサンプルよ

り強いサンプルが多い,繊維支配形強度の物性では,これが当てはまる。

JIS C 1400

規格群のこの部分で与えられる材料係数は,材料物性が 95 %信頼限界で 95 %確率の値であ

るという仮定に基づいている。

材料物性の特性値がほかの生存確率 p(しかし,95 %信頼限界値)の値,10 %以上の変動係数 δ 又はそ

の双方から導かれているなら,関連する材料係数に

表 E.1 の係数を乗じる。これらの係数は,正規分布に

基づいている。

表 E.1−異なる生存確率及びばらつきに対する係数 

(%)

δ=10 %

δ=15 %

δ=20 %

δ=25 %

δ=30 %

99 0.93 0.95 0.97 1.02 1.06

98 0.96 0.99 1.03 1.09 1.15

95 1.00 1.05 1.11 1.2  1.3

90 1.04 1.11 1.20 1.32 1.45

80 1.08 1.18 1.31 1.47 1.65

E.4 

材料係数及び要求事項 

E.4.1 

一般 

五つの主要な要因が材料の疲労及び極限強度に影響を与える。材料試験は,これらの影響を考慮するこ

とが望ましい。これを,次に示す。

a)

材料及び実規模構造を代表する材料構成

b)

実規模構造を代表する試験サンプルの製造方法

c)

疲労及びスペクトル荷重試験


57

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

d)

環境の影響

e)

材料物性に影響を与える形状効果[例えば,射出成形翼の材料配向,複合物及び木(質材)の部分中

のプライドロップ,金属の鍛造による材料配向など]

最良の試験データは,a)e)を含む実規模試験から導かれる。95 %確率及び 95 %信頼限界で結果を得る

のに十分な試験サンプルを用いることが望ましい。

これらの影響は,普通いわれる応力集中係数を含まない。これらの係数は,応力解析中で考慮するが,

材料評価では考慮しない。

材料データベースが a)e)のすべての要因を含まない場合,部分安全率は,それに応じて調整する。個々

の係数は,この五つの影響の各々の推定値である。これらの係数又は適用する条件のすべてに対して乗じ

る。材料の特性値をこの総合係数で除する。

例えば,特性値が環境の影響又は疲労効果を含まない場合,次に示す追加の安全率を特性値に適用する。

安全率(環境の影響)×安全率(疲労)×公称安全率=補正安全率

材料データベースに関して a)e)の基準を満足しない場合,SWT 設計に対する安全率として,E.4.2

E.4.4

に示す指針を適用する。

E.4.2 

複合材 

複合材−グラスファイバの材料安全率

γ

m

=7.4

複合材−カーボンファイバの材料安全率

γ

m

=3.7

これらは,文献[E.1]から引用した材料係数で,極限強度から疲労強度への変換を含む。

これらは,疲労,環境,信頼性,サイズ効果などを考慮して,材料の静的極限強度に適用する総合係数

である。形状効果に対する追加係数が,それが局所的な材料物性に当てはまるとき,E.5 で議論されてい

るように必要であるかもしれない。形状効果は,実験的に又は解析によって決定される場合がある。応力

集中は,応力解析で考慮するのが適切である。ここでは,これらの係数は含めない。

上記は,極端に保守的ではないことが特筆される。これらの係数は,文献[E.4]と一致している。代表的

なデータは,

図 E.2∼図 E.4 による。特に,図 E.4 の S−N 曲線の傾きは,図 E.2 のそれの約半分であるこ

とに注目する。これが,カーボンファイバ複合材の材料安全率がグラスファイバ複合材のそれより低い原

因の一つである。

1.1

1.0

0.9

0.8

0.7

0.6

0.5

0.4

0.3

0.2

10

0

正規

化された

最大応力

S/So

破壊までのサイクル数

10

1

 10

2

 10

3

10

4

10

5

10

6

10

7

R = 0.1

R = 0.5

R = 0.1

R = 0.5

図 E.2−グラスファイバ複合材の疲労に対する典型的な S曲線(文献[E.2]の図 41 


58

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

700

600

500

400

300

200

100

0

10

0

 10

1

 10

2

10

3

10

4

10

5

10

6

10

7

20

℃乾燥 20 ℃湿潤

50

℃乾燥

50

℃湿潤


大絶対圧縮応力

MPa

破壊までのサイクル数

20

℃乾燥

20

℃湿潤

50

℃乾燥

50

℃湿潤

図 E.3−グラスファイバ複合材への典型的な環境効果(文献[E.2]の図 25 

最大絶対ひずみ

破壊までのサイクル数

10

0

 10

1

10

2

10

3

10

4

10

5

10

6

10

7

10

8

1.8

1.6

1.4

1.2

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

0

R = 0.1

R = 10

b = 0.054

b = 0.038

図 E.4−疲労ひずみ線図,ラージトウ炭素繊維 0°一方向材/ビニルエステル複合材の 

R

0.1 及び 10 に対する特性(文献[E.2]の図 107 

E.4.3 

金属 

疲労強度 

鋼の疲労材料係数

=1.9  文献[E.3]

アルミニウムの疲労材料係数=3.5  文献[E.3]

これらの係数も極限引張強度から疲労強度に変換している。典型的なカーブは,

図 E.5 による。ほかの

合金又はチタンのような金属の類似の曲線を用いることができる。

(    )

(    )


59

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

10

4

10

5

10

6

10

7

10

8

10

9

10

20

30

40

50

60

70

80

500

400

200

100

5

5

5

5

5

サイクル数

応力

ksi

σ

EA

σ

EB

σ

EC

σ

ED

A–T–1 鋼

B–1 020 鋼

C–アルミニウム合金 2 024–T4

D–マグネシウム合金

すべて研磨試料の回転
ビーム試験データ

MN/m

2

応力

300

図 E.5−代表的な金属の疲労に対する S曲線 

環境の影響  応力腐食割れ試験が実施されていない場合,次の環境材料係数を適用する(文献[E.4])。

鋼の環境材料安全率

=1.3

アルミニウムの環境材料安全率=1.3

チタンの環境材料安全率

=4.2

E.4.4 

木材 

軟材の疲労材料安全率  =3.4  文献[E.5]

軟材の環境材料安全係数=1.6  文献[E.6]

設計が階段,継ぎ手,形状変化などのような詳細部位の解析又は試験を含まない場合,形状効果を考慮

して,追加の係数 2.8 を用いる(文献[E.7])

上記を支持する追加のデータは,

図 E.6∼図 E.10 による。


60

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

カバ材継ぎ目を接合したカバ材の疲労曲線

70

60

50

40

30

20

10

0

–1

1

3

5

7

9

log (N)

回帰曲線

応力振幅

(MPa)

完全両振応力振幅(生存確率 95 %,信頼限界 95 %)

図 E.6−継ぎ目を接合した軟材の疲労寿命データ(文献[E.5] 

60

50

40

30

20

10

0

–1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

R = 10

R = –10

R = –2

R = –1

log (N)

ピー

ク圧縮応力

(MPa)

図 E.7−木材の典型的な S曲線(文献[E.5] 


61

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

90

60

30

0

8

12

16

20

24

含有水分量  (%)


極圧縮強度

(MPa)

図 E.8−繊維に平行方向の木材の圧縮強度への含有水分量の影響(文献[E.6]の図 4-13 

150

120

90

60

30

0

0

5

10

15

20

25

30

0

5.5

11.0

16.5

22.0

特性

(MPa)

特性

 (

×

10

3

lb

f/

in

2

)(参考

含有水分量  (%)

E

D

C

B

A

注記  図中の記号は,次による。

A

:繊維に平行方向の引張り

B

:曲げ

C

:繊維に平行方向の圧縮

D

:繊維に直角方向の圧縮

E

:繊維に直角方向の引張り

図 E.9−木材の特性への含有水分量の影響(文献[E.6]の図 4-11 


62

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

0

0

10

20

30

40

50

60

70

ファイバ方向に対する角度  (°)

ファイバに平行方向の特性の割合

N/P

Q/P =

0.20

0.10

0.05

= 2.5

2.0

1.5

2.5

2.0
1.5

2.5

2.0

1.5

注記  Q/P:繊維(P)を横切る機械特性の比

n  :実験的に決められる定数

図 E.10Hankinson 形の式に従う,きずがない木材の機械特性への繊維の角度の影響 

(文献[E.6]の図 4-4 

E.5 

形状効果 

構造設計の評価では,製造業者は,破損及び疲労に関連して形状効果を適切に考慮していると仮定して

いる。均一材料に対する典型的な応力集中の場合,機械設計に関する実用書,例えば,文献[E.7]が利用で

きる。

複合材の場合,複合材の構造の耐久性への形状の影響を決定するのに

表 E.2(文献[E.2])を用いること

ができる。

表 E.2 において,は追加の材料安全係数である。形状効果が E.4.1 の a)e)で扱われていない場合,形

状効果を考慮して,この を適用する。 

繊維

繊維


63

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

表 E.2−形状の不連続性 

項目

略図

切取りサンプル

(真っすぐな材料)

 1.0

接着で強化 
(はり−けた)

 1.2

荷重に直交するクラックの入った
材料の付加

 1.0

内部の 0 °の繊維層を 1 層切断

V

F

< 0.4

1.2

V

F

> 0.4

内部の 0 °の繊維層を 2 層切断

V

F

< 0.4

1.6

V

F

> 0.4

1.0

局所的な高繊維含有率

 1.4

表面のへこ(凹)み

(厚さ 25 %減によるファイバ容
積率 V

f

の増)

 2.5

E.6 

文献   

[E.1] ECN-C

−96-033, Verification of design loads for small wind turbines, F.J.L. Van Hulle et. al. Table 2.6

Safety Factors in IEC 1400-2 and Danish Code

[E.2]  Mandell, J.F., Samborsky, D.D., and Cairns, D.S., Fatigue of composite materials and substructures for wind

turbine blades, SAND REPORT, SAND 2002-0771, Unlimited Release, Sandia National Laboratories, March

2002

[E.3]  Higdon, Ohlsen, Stiles, Weese, and Riley, Mechanics of Materials, 3rd Edition, John Wiley and Sons, Inc.,

New York, New York, 1976, pp. 572, 674-675

[E.4]  Hertzberg, Richard W., Deformation and Fracture Mechanics of Engineering Materials, Fourth Edition, John

Wiley and Sons, Inc, New York, New York, 1996, pp. 508-509

[E.5]  Boerstra, G.K., Zwart, G.G.M., Proposal, Design Envelope Wood Epoxy Laminate as a Completion of NEN

6096, Paragraph 4.3.5.4, WindMaster Nederland, 1992, p. 11

[E.6]  Forest Products Laboratory, 1999, Wood handbook

−Wood as an engineering material. Gen. Tech. Rep.

FPL-GTR-113, Madison, WI: U.S. Department of Agriculture, Forest Service, Forest Products Laboratory,

"Chapter 4 Material properties of Wood

[E.7]  Norton, Robert L., Machine Design

−An Integrated Approach, Prentice-Hall, Upper Saddle River, New

Jersey, 1996, Appendix E

−Stress concentration factors, pp. 1005-1012


64

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

附属書 F

(参考)

簡易設計計算式の開発

F.1 

この附属書で用いる記号 

ロータ受風面積 (m

2

)

A

proj

風向きに直角な面に投影された成分の面積 (m

2

)

翼の数

(

−)

翼弦 (m)

C

d

抗力係数

(

−)

C

f

空力係数

(

−)

C

l

揚力係数

(

−)

C

p

出力係数

(

−)

C

T

スラスト係数

(

−)

ロータ直径 (m)

e

r

ロータ重心からロータ軸までの距離 (m)

力 (N)

F

zB

翼上 方向の翼根における力 (N)

F

x

shaft

軸荷重 (N)

重力加速度:9.81 (m/s

2

)

発電機短絡回路の乗数

(

−)

I

B

翼慣性モーメント (kg・m

2

)

L

rt

ロータ中心とヨー軸との間の距離 (m)

L

rb

ロータ中心と第 1 ベアリングとの間の距離 (m)

m

B

翼質量 (kg)

m

r

ロータ質量:翼質量+ハブ質量 (kg)

M

xB

M

yB

翼根曲げモーメント (Nm)

M

brake

ブレーキによる低速度軸上のトルク (Nm)

M

x

shaft

第 1 ベアリングにおけるロータ軸上のねじりモーメント (Nm)

M

shaft

第 1 ベアリングにおける軸曲げモーメント (Nm)

ロータ回転数 (min

1

)

電力 (W)

P

r

ロータ出力 (W)

ロータトルク (Nm)

半径座標 (m)

ロータ半径 (m)

R

cog

翼重心とロータ中心との間の距離 (m)

風速 (m/s)

V

ave

ハブ高さにおける年平均風速 (m/s)


65

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

V

design

 1.4

V

ave

と定義される設計風速 (m/s)

V

eN

期待極値風速(3 秒間平均)

,再現時間間隔 年。

1

年及び 50 年に対してそれぞれ V

e1

及び V

e50

(m/s)

V

hub

ハブ高さにおける 10 分平均風速 (m/s)

V

tip

翼先端のスピード (m/s)

 

相対風速 (m/s)

Δ

範囲

(

−)

Υ

ヨー角

(

−)

η

出力電力とロータとの間のコンポーネント(代表的に発電機,

ギアボックス及び変換システム)の効率

(

−)

λ

周速比

(

−)

λ

e50

V

e50

における周速比

(

−)

ρ

大気密度,ここでは 1.225 と仮定 (kg/m

3

)

Ψ

ロータの方位角(0°は翼垂直上)

(

°)

ω

n

ロータの角速度 (s

1

)

ω

yaw

ヨーイング角速度 (s

1

)

添字: 

ave

平均

B

design

簡易化された設計式の入力パラメータ

H

ヘリコプタ

hub

ハブ高さ

max

最大

proj

投影された

r

ロータ

shaft

F.2 

一般 

この附属書は,この規格本体の簡易設計計算式の背景を与える。

計算式の背景及び誘導を示すことは,幾つかの目的に役立つ。

−  簡易設計計算式のよりよい理解となる。

−  式中にどのような種類の物理が含まれており,したがって,何が含まれていないかを明らかにする(例

えば,フラッタ,シュラウド)

−  式の背景を示すことによって,特別な着想をもつ製造業者は,式の基礎に立ち戻って自身の設計によ

って適用可能な式を導き出すことができるかもしれない。

一般に,式(F.1)∼式(F.3)は妥当である。

30

60

2

n

n

n

ω

π

π

(F.1)

ここに,

n

ロータ回転数

ω

n

ロータ角速度


66

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

30

hub

hub

n

hub

tip

n

V

R

V

R

ω

V

V

λ

π

(F.2)

ここに,

λ: 周速比

V

tip

翼先端のスピード

V

hub

ハブ高さにおける風速

R: ロータ半径

Q

n

η

P

ηω

P

ω

P

π

30

n

n

r

(F.3)

ここに,

Q:  ロータトルク

P

r

:  ロータ出力

P:  電力

さらに,ある設計入力は,この規格の本体中に定義されている。

V

design

は,1.4 V

ave

として定義された設計風速である。V

ave

は,SWT のクラスに依存する。

P

design

及び n

design

は,それぞれ V

design

における出力及びロータ回転数である。

荷重ケース A:通常運転 

荷重ケース A は,一定範囲の疲労荷重ケースである。その範囲の背後にある基本の考えは,SWT は 0.5

∼1.5“定格”で回ることである。

“定格”は,多くの異なる意味をもつ用語なので,代わりに“design(設

計)

”が導入されている。この用語は,F.1 に定義されている。

を 0.5 n

design

から 1.5 n

design

に変えることによって,スピード範囲は,F

z

に式(F.4)に示す範囲を与える(こ

れは,可変ロータ回転数を仮定する。

Δ

F

zB

m

B

R

cog

2

design

30

5

.

1

n

π

m

B

R

cog

2

design

30

5

.

0

n

π

2m

B

R

cog

2

design

30

⎛ n

π

2m

B

R

cog

2

design

n,

ω

(F.4)

ここに,

m

B

翼質量

R

cog

翼重心とロータ中心との間の距離

n

design

V

design

におけるロータ速度として定義される設計ロータ回転

エッジ方向曲げモーメントの場合,エッジ方向モーメント範囲は,トルク変化(翼枚数

B

で均等に分割

された

1.5Q

design

0.5Q

design

)の項及び翼質量のモーメントの項からなる。

Δ

M

xB

B

Q

design

2m

B

gR

cog

(F.5)

フラップモーメントの導出過程は,多少より複雑である。

F

axial

C

T

×

2

hub

2

ρV A

C

T

×

2

hub

2

ρV

π

R

2

(F.6)

P

r

C

p

×

3

hub

2

ρV A

C

p

×

3

hub

2

ρV

π

R

2

(F.7)

ここに,

ρ

大気密度,ここでは

1.225

kg/m

3

)と仮定。

A

ロータ受風面積

R

ロータ半径

P

r

ロータ出力

C

T

は,

3

/

2C

p

である(文献

[F.1]

3

章)と仮定し,かつ,式

(F.6)

と式

(F.7)

とを組み合わせると,

F

axial

hub

r

2

3

V

P

(F.8)


67

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

(F.2)

V

hub

及び式

(F.3)

P

r

を代入すると,

F

axial

n

R

λ

π

30

2

3

P

r

30

30

2

3

n

Q

n

R

λ

π

π

R

λQ

2

3

(F.9)

この荷重が

2

/

3R

に加わると仮定し,かつ,翼数で除すると,

M

yB

B

λQ

(F.10)

上記は,円すい(錐)角が十分小さく遠心力成分を無視できると仮定している。

エッジモーメント範囲は,

Q

0.5

1.5 Q

design

に変わると仮定して決定する。

Δ

M

yB

B

Q

λ

design

design

(F.11)

軸上の軸荷重は,式

(F.9)

で与えられるロータ軸荷重に等しい。

Δ

F

x

shaft

R

Q

λ

design

design

2

3

(F.12)

軸ねじりの範囲は,トルク項及び偏心項からなる。偏心項は,ロータ質量中心が

0.005 R

だけ軸からず

れており,重力トルクを引き起こすと仮定する(よりよいデータが手に入らない限り)

Δ

M

x

shaft

Q

design

2m

r

ge

r

(F.13)

この軸曲げは,第

1

ベアリングにおいて最大であると仮定する。軸曲げの場合,ロータ質量及び軸荷重

偏心(ウィンドシアによって引き起こされる。

)を考慮する。

この偏心をこの規格の対応国際規格である IEC 61400-2 の最初の作業グループによって決められた

R

/

6

と仮定すると,これらは式

(F.14)

の範囲となる。

Δ

M

shaft

2m

r

gL

rb

6

R

Δ

F

x

shaft

(F.14)

ここに,

L

rb

ロータ面と第

1

ベアリングとの間の距離

m

r

ロータ(翼,ハブなど)の質量

荷重ケース B:ヨー運動 

この荷重ケースの場合,

SWT

ω

yaw,max

でヨー運転をしており,また,ロータは

ω

n,design

で回転している。

フラップ方向の曲げモーメントは,三つの項,つまり,遠心力,ジャイロ荷重及び軸荷重の偏心からなる

と仮定する。

ヨーイング角速度による翼上の遠心力と翼根と翼の質量中心との間の距離とを乗じて,

M

yB,centrifugal

m

B

2

max

yaw,

ω

L

rt

R

cog

(F.15)

ここに,

  L

rt

翼根中心とヨー軸との間の距離

ジャイロモーメント:

ヨーイング角速度及びロータ角速度による翼上のジャイロ力は,式

(F.16)

による。

文献

[F.1]

238

ページに更に詳細な誘導過程が示されている。

M

yB,gyroscopic

R

ω

0

n

2

ω

yaw

cosΨ

r

2

m(r)dr

2ω

yaw

I

B

ω

n

cosΨ(F.16)

これは,

Ψ

0

で最大である。

最後の項は,ウィンドシア又はねじれた流れによる軸力のずれを説明する。


68

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

ロータが

n

design

で回転しており,かつ,ロータがタワーに関して

ω

yaw,max

で動いている場合のフラップ方

向の曲げモーメント全体を表す式は,式

(F.17)

による。

M

yB

m

B

2

max

yaw,

ω

L

rt

R

cog

2ω

yaw,max

I

B

ω

n,design

9

R

Δ

F

x

shaft

(F.17)

軸については,式は次のように導かれる。

ジャイロ荷重:

2

枚翼機の場合,ヨー軸回りのロータの慣性は,方位角に左右される。

剛体動力学に関する応用教科書は,最大モーメントに対して式

(F.18)

を示している。

M

shaft

2

yaw,max

ω

n,design

I

B

(F.18)

3

枚以上のロータの場合,ロータの慣性の方位角変化は無視できるほど十分に小さい。したがって,式

(F.19)

を適用する。

M

shaft

yaw,max

ω

n,design

I

B

(F.19)

質量荷重及び軸荷重を加えると,

2

枚翼ロータの場合

M

shaft

4ω

yaw,max

ω

n,design

I

B

m

r

gL

rb

6

R

Δ

F

x

shaft

(F.20)

3

枚翼ロータの場合

M

shaft

Bω

yaw,max

ω

n,design

I

B

m

r

gL

rb

6

R

Δ

F

x

shaft

(F.21)

ここに,

  L

rb

ロータ中心と第

1

ベアリングとの間の距離

荷重ケース C:ヨーイングエラー 

固定ヨー

SWT

は,多くの時間ヨーエラーで作動する。ロータがヨーエラーをもち,かつ,瞬間的な風に

よって翼全体に最大揚力が加わる場合,極値荷重が生じる。次の解析は,この状態を簡略化して表現して

いる。翼半径

r

における相対風速は,近似的に,

W

n

V

hub

sinγ

cosΨ (F.22)

この式は,相対風の接線成分に比べ,一般に小さい垂直成分を無視している。

翼根のフラップモーメントは,近似的,

M

yB

2

ρc

ave

C

l,max

R

r

0

(

n

V

hub

sinγ

cosΨ)

2

dr (F.23)

これは

Ψ

0

,進んだ翼で最大である。

この式を積分すると,

M

yB

2

ρc

ave

C

l,max

γ

V

R

γ

V

ω

R

ω

R

2

2

hub

2

hub

n

3

2

n

4

sin

2

1

sin

3

2

4

1

(F.24)

30

°のヨーイングエラーに対して,再整理後この式は,式

(F.25)

のようになる。

M

yB

8

ρA

proj,B

C

l,max

R

3





2

design

design

2

design

n,

1

3

4

1

λ

λ

ω

(F.25)

荷重ケース D:最大スラスト 

この荷重ケースの式については,多くの説明を要しない。


69

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

これは,動圧と組み合わされた単純な空力係数である。

F

x

shaft

C

T

2

ρ

(2.5

×

V

ave

)

2

π

R

2

(F.26)

ここに,

C

T

スラスト係数で,

0.5

に等しい。

(F.26)

は,空力弾性モデルによって予想されるスラスト荷重を用いて調整した。

2.5 V

ave

C

T

0.5

との

組合せはこれらのモデルと類似の結果を与えた。

荷重ケース E:最大角速度 

この荷重ケースは,最大回転数(

min

1

)によって支配されると仮定する。

翼荷重の場合,遠心力だけを考慮する。

F

zB

m

B

R

cog

2

max

30

⎛ n

π

m

B

2

max

n,

ω

R

cog

(F.27)

軸に対しては,軸曲げモーメントだけを考慮する。ロータの質量中心と軸中心との間の距離

e

r

の不均衡

があると仮定する。

M

shaft

M

r

mass

M

r

imbalance

m

r

gL

rb

m

r

e

r

2

max

n,

ω

L

rb

(F.28)

荷重ケース F:負荷接続時の短絡 

この荷重ケースは,発電機の大きな短絡トルクを仮定する。定数は,発電機の専門家との議論の後,

NEN6096

/

2

,ドイツ

Lloyd

(青表紙)報告書などのほかの規格を参考にして選ばれた。

発電機に対してより正確な数値が知られない限り,設計トルクには次の値

G

を乗じる。

発電機

乗数 G

同期機又は非同期機 2

永久磁石発電機 2

したがって,

M

x

shaft

G

×

Q

design

(F.29)

M

x,B

B

Q

G

design

×

m

B

gR

cog

(F.30)

荷重ケース G:停止 

最大軸トルクは,ブレーキトルク(ブレーキがある場合)に定格発電機トルクを加えた値に等しいと仮

定する(したがって,発電機が依然定格トルクを供給している間ブレーキが加えられていると仮定。

M

x

shaft

M

brake

Q

design

(F.31)

ここに,

  M

brake

低速軸のブレーキトルク

停止中の翼荷重は,軸トルク及び翼質量によって決定すると仮定する。

したがって,

M

x,B

B

M

shaft

x

m

B

gR

cog

(F.32)

SWT

がギアボックス及び高速軸ブレーキをもつ場合,式

(F.31)

で計算される軸トルクは,動力伝達装置

の力学を考慮して増加することが望ましい。より正確な証明された値がないので,軸トルクには動的増幅

係数

2

を乗じる。


70

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

荷重ケース H:耐風速 

荷重ケース

H

は,実質的に二組の式であり,その一つは

SWT

設計に依存して用いられる。一つの組は,

最も能動的に制御される

SWT

のような強風の中で待機する風車用である。

もう一つの組は,最も受動的に制御される

SWT

(ファーリングなど)のようなロータが回転する

SWT

用である。

待機中のロータ:

パーキングされる

SWT

の場合,面外翼根曲げモーメントは抗力によって支配され,したがって,式

(F.33)

のように定義される。

M

yB

C

d

2

50

e

2

ρV A

proj,B

2

(F.33)

ここに,

C

d

抗力係数で,

1.5

と選ぶ。

A

proj,B

翼の平面図面積

(F.33)

は,翼の抗力は翼幅中央の圧力中心にあるとしている。大抵の翼の場合,この仮定は保守的であ

る。翼の平面図形は,風に完全に直角であるとも仮定している。

待機中のロータの場合,軸スラスト荷重は,式

(F.34)

によって与えられるとして計算する。

F

x

shaft

B

×

C

d

2

50

e

2

ρV A

proj,B

(F.34)

これは,すべての翼の合計抗力である。

完全にフェザリングされた翼は,主に,抗力よりむしろ揚力にさらされる場合がある。風向きの変化に

よって翼は,大きな迎角にさらされるかもしれない。この場合,力は,最大抗力係数よりむしろ最大揚力

係数によって決定する。これらの二つの値は同程度の大きさなので,これらの単純な式がフェザリングさ

れたロータに適用する。

回転中のロータ:

ロータが

V

e50

で回転している

SWT

の場合,ロータがある位置で,風向きの変化によって翼の一つで

C

l,max

が生じるかもしれない。したがって,翼根の曲げモーメントは,

M

yB

2

50

e

0

max

l,

2

ρV

R

r

C

R

Crdr

≈ C

l,max

2

50

e

6

ρV A

proj,B

R(F.35)

これは,先端で

C

l,max

及び根元で

0

の三角形揚力分布を仮定している。さらに,一定の翼弦を仮定して

いる。

C

l,max

について正確なデータが手に入らない場合,

2.0

の値を用いる。

回転中のロータの場合,スラスト計算はヘリコプタ理論に基づく。ヘリコプタスラスト係数は,風速よ

りむしろ先端スピードに基づく。

C

T,H

2

n

2

)

(

R

ω

R

ρ

T

π

(F.36)

文献

[F.2]

345

ページによる場合,ヘリコプタロータの最大スラスト係数は,近似的に,

σ

C

max

H

T,

0.17 (F.37)

ここに,

σ

ロータのソリディティ

R

Bc

σ

π

ave

であり,かつ,

c

ave

平均翼翼弦

である。


71

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

この値は,進行率,

R

ω

V

n

(周速比の逆数)

0

で生じる。進行率

0.5

で,スラスト係数は水平飛行の場合,

0.06

に減少する。

しかし,過渡的な場合では,約

0.17

である。したがって,進行率とは無関係に

0.17

の一定値を用いる。

ヘリコプタの軸スラスト係数を

SWT

の係数に変換すると,式

(F.38)

となる。

C

T

2C

T,H

λ

2

(F.38)

(F.37)

と式

(F.38)

とを組み合わせて,

C

T

0.34σλ

2

(F.39)

(F.39)

及び式

(F.26)

の形式を用いて,

F

x

shaft

0.34σ

2

50

e

2

50

e

2

ρV

λ

A(F.40)

ここに,

σ

ロータソリディティ(

BA

proj,B

/A

λ

e50

V

e50

における周速比で,未知の場合,次の式で推定され得る。

λ

e50

50

e

max

30V

R

n

π

(F.41)

(F.40)

σ

BA

proj,B

/A

を入れると,

F

x

shaft

0.17BA

proj,B

2

50

e

2

50

e

ρV

λ

(F.42)

回転中及び待機中の両ケースで,タワー荷重の計算の場合,スラストはタワー及びナセル上の抗力と組

み合わせなければならない。この抗力は,式

(F.43)

を用いてコンポーネントごとに評価し得る。

F

C

f

2

50

e

2

ρV A

proj

(F.43)

ここに,

C

f

空力係数

A

proj

風向きに直角な面に投影された,対象となる要素の投影面積

荷重ケース I:全方向から風を受ける場合 

この荷重ケースでは,

SWT

は完全に停止していると仮定する。コンポーネントの形状寸法に基づいて,

揚力及び/又は抗力を考慮する。基本式は,式

(F.44)

による。

F

C

f

2

e1

2

ρV A

proj

(F.44)

ここに,

V

e1

1

年期待極値風速

荷重は,風にさらされるすべての要素に対して計算する。

SWT

全体にわたって生じる応力を計算する。

F.3 

文献 

[F.1]  Burton, T., Sharpe, D, Jenkins, N, and Bossanyi, E., Wind Energy Handbook, John Wiley and Sons, 2001

[F.2]  Prouty, R.W., Helicopter Performance, Stability and Control, PWS Publishers, 1986


72

C 1400-2

:2010 (IEC 61400-2:2006)

   

参考文献 

JIS Q 9001

:2000

  品質マネジメントシステム−要求事項

注記

対応国際規格:ISO 9001

:2000

Quality management systems

Requirements

IDT

JIS Q 17020

  検査を実施する各種機関の運営に関する一般要求事項 

注記

対応国際規格:ISO/IEC 17020

:1998

General criteria for the operation of various types of bodies

performing inspection

IDT

JIS Z 8101-1

  統計−用語と記号−第

1

部:確率及び一般統計用語

TS C 0039

:2005

  風力発電システム−第

13

部:機械的荷重の計測方法

注記

対応国際標準仕様書:IEC/TS 61400-13

Wind turbine generator systems

Part 13: Measurement of

mechanical loads

IDT

TS C 0040

:2005

  風力発電システム−第

23

部:風車の実翼構造強度試験

注記

対応国際標準仕様書:IEC/TS 61400-23

Wind turbine generator systems

Part 23: Full-scale

structural testing of rotor blades

IDT

TS C 0041

:2005

  風力発電システム−第

24

部:風車の雷保護 

注記

対応国際標準報告書:IEC/TR 61400-24

:2002

Wind turbine generator systems

Part 24: Lightning

protection

IDT

TR C 0045

小形風車を安全に導入するための手引き 

ISO 9002

:1994

Quality systems

Model for quality assurance in production, installation and servicing

ISO 9003

:1994

Quality systems

Model for quality assurance in final inspection and test

IEC WT01

:2001

IEC system for conformity testing and certification of wind turbine generater systems

Rules

and procedures

ECN-C-96-033

Verification of design loads for small wind turbines, F.J.L. Van Hulle et al.

AIAA 2003-1048

Investigation of the IEC safety standard for small wind turbine design through modelling and

testing, Jason Jonkman et al.

AGMA/AWEA 921-A97

Recommended practices for design and specification of gearboxes for wind turbine

generator systems

Expert group study on recommended practices for wind turbine testing, 9.

Lightning protection for wind

turbine installations,

IEA

, 1997