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C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

3

4

  記号及び単位

5

5

  性能試験の準備

8

5.1

  風車及び系統連系システム

8

5.2

  試験サイト

8

6

  試験装置

10

6.1

  電力

10

6.2

  風速

10

6.3

  風向

11

6.4

  大気密度

11

6.5

  ロータ角速度及びピッチ角

11

6.6

  ブレード状態

11

6.7

  風車制御装置

11

6.8

  データ収録システム

11

7

  計測手順

12

7.1

  一般

12

7.2

  風車運転

12

7.3

  データ収録

12

7.4

  データの削除

12

7.5

  データ補正

13

7.6

  データベース

13

8

  導出結果

14

8.1

  データの正規化

14

8.2

  実測出力曲線の決定

14

8.3

  推定年間発電量(AEP

15

8.4

  出力係数

15

9

  報告形式

16

附属書 A(規定)試験サイトの障害物の評価

26

附属書 B(規定)試験サイトの地形評価

30

附属書 C(規定)サイトキャリブレーション手順

31

附属書 D(規定)計測における不確かさの評価

33

附属書 E(参考)ビンの方法を用いる計測の不確かさを決定する理論的根拠

35


C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)  目次

(2)

ページ

附属書 F(規定)カップ形風速計の校正手順

50

附属書 G(規定)気象観測マストへの計器の取付け

57

附属書 H(規定)小形風車の出力性能試験

65

附属書 I(規定)風速計の等級分類

68

附属書 J(参考)カップ形風速計の評価

70

附属書 K(参考)風速計のサイト比較

78

参考文献

80


C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電機工業会(JEMA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって,JIS C 1400-12:2002 は廃止され,この規格に置

き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS C 1400

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

1400-0

  風力発電システム−第 0 部:風力発電用語

JIS

C

1400-1

  風車−第 1 部:設計要件

JIS

C

1400-2

  風車−第 2 部:小形風車の設計要件

JIS

C

1400-11

  風力発電システム−第 11 部:騒音測定方法

JIS

C

1400-12-1

  風車−第 12-1 部:発電用風車の性能試験方法

JIS

C

1400-21

  風力発電システム−第 21 部:系統連系風車の電力品質特性の測定及び評価


C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)  目次

(4)

白      紙


   

日本工業規格

JIS

 C

1400-12-1

:2010

(IEC 61400-12-1

:2005

)

風車−第 12-1 部:発電用風車の性能試験方法

Wind turbines-

Part 12-1: Power performance measurements of electricity producing

wind turbines

序文

この規格は,2005 年に第 1 版として発行された IEC 61400-12-を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にない事項である。

この規格の目的は,風車の出力性能の計測及び解析においての一貫性,精度及び再現性を保障する統一

した方法論を提供することにある。この規格は,次の関係者によって適用されることを想定して作成され

ている。

−  明確な出力性能要求事項及び/又はあり得る性能表示システムの充足を目指す風車の製造業者。

−  明確な性能要求事項を指定する風車の購入者。

−  新設又は改造装置に関して記載された又は要求された出力性能仕様が満たされていることを検証する

風車の運用者。

−  新設又は改造設備に対する法規制又は認証要求に応じて,風車の出力性能特性を正確かつ公正に明示

する計画者又は規制者。

この規格は,風車の出力性能試験の計測,解析及び報告のための指針を与える。この規格は,風車の製

造,設置計画,認可,運転,利用及び規制に携わる関係者の利益となるはずである。風車の継続的な開発

及び運転が諸関係者の間でそご(齟齬)がなく正確な情報伝達が保持された環境下で実施するために,す

べての関係者は,この文書で推奨する技術的に正確な計測及び解析技術を適用する。この規格は,その他

の人によっても再現性がある正確な結果をもたらすと期待される計測及び報告の手順を提供する。

なお,この規格の利用者は,きわめて多様なウィンドシア及び乱流に起因する差異又はデータ選択に起

因する差異があることを認識しておく必要がある。利用者は,出力性能計測を実施する前に,これらの差

異の影響及びデータ選択の基準を試験目的に照らして検討しておく。

出力性能試験のかぎとなる要素は,風速の計測である。この規格は,風速を計測するのにカップ形風速

計の使用を規定する。この計器は頑丈で,以前からこの種の試験に適しているとみなされていた。たとえ,

適切な風洞校正手順を指示していても,現地の気流条件は大きさ及び方向の両方が変化する風ベクトルと

関係しており,気流条件によっては異なる計器が潜在的に異なる結果を与えることがある。

カップ形風速計を等級分類する手段及び手順を

附属書 に規定及び附属書 に記載してある。しかし,

試験結果は,風速計測器の選択によって影響を受ける可能性が常にある。したがって,風速を計測するた

めに選ばれる計器の選択には特別な注意を払うべきである。


2

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

1

適用範囲

この規格は,単一の風車の出力性能特性を計測する手順を規定し,かつ,電力系統に接続されるすべて

の形式及び規模の風車の試験に適用する。さらに,この規格は電力系統又はバッテリバンクのいずれかに

接続される場合の小形風車(JIS C 1400-2:2010 で規定されている。

)の出力性能特性を決定するのに用い

られる手順を記載する。

この手順は,特定場所の特定風車の性能評価に用いることが可能であるが,同様にその方法論は,異な

る風車モデル間又は異なる風車設定の間の一般的な比較をするのに用いることも可能である。

風車出力性能特性は,計測される出力曲線及び推定年間発電量(AEP)によって決定する。実測出力曲

線は,試験サイトにおいて一定の風速域及び変化する風及び大気条件のもとで統計的に有意なデータベー

スを作成するために十分な期間にわたり風速及び出力の同時計測を行うことによって得られる。AEP は,

100 %の利用可能率を仮定し,実測出力曲線を基準風速頻度分布に適用することによって計算する。

この規格は,実測出力曲線及びそれから得られる年間発電量を,各種の不確かさの発生源及びそれらの

合計の効果の評価によって補足する試験方法を規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61400-12-1:2005

,Wind turbines−Part 12-1: Power performance measurements of electricity

producing wind turbines(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS C 1111:2006

  交流入力トランスデューサ

注記  対応国際規格:IEC 60688:1992,Electrical measuring transducers for converting a.c. electrical

quantities to analogue or digital signals 並びに Amendment 1:1997 及び Amendment 2:2001(MOD)

JIS C 1400-2:2010

  風車−第 2 部:小形風車の設計要件

注記  対応国際規格:IEC 61400-2,Wind turbines−Part 2: Design requirements for small wind turbines

(IDT)

JIS C 1731-1:1998

  計器用変成器−(標準用及び一般計測用)第 1 部:変流器

注記  対応国際規格:IEC 60044-1:1996,Instrument transformers−Part 1: Current transformers 並びに

Amendment 1:2000 及び Amendment 2:2002

1)

(MOD)

JIS C 1731-2:1998

  計器用変成器−(標準用及び一般計測用)第 2 部:計器用変圧器

注記  対応国際規格:IEC 60044-2:1997,Instrument transformers−Part 2: Inductive voltage transformers

(MOD)

JIS W 0201:1990

  標準大気

注記  対応国際規格:ISO 2533:1975,Standard atmosphere(IDT)

IEC 60044-5:2004

,Instrument transformers−Part 5: Capacitor voltage transformers

ISO/IEC Guide 98-3:2008

,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

1)

 Edition

1 並びにその Amendment 1 及び 2 を含んだ統合版の Edition 1.2:2003 が存在する。


3

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

精度(accuracy)

計測結果と計測対象の真値との間の一致の度合い。

3.2

年間発電量(annual energy production)

風車の 1 年間の発電量推定値。この推定値は,実測した出力曲線とハブ高さとにおける基準風速出現頻

度分布をもとに,100 %の利用可能率を仮定して計算する。

3.3

複雑な地形(complex terrain)

地形が変化に富み又は障害物が存在し,それらによって風がゆがめられやすい試験サイト周囲の地形形

状。

3.4

データセット(data set)

ある期間に連続的に採取されたデータの集合。

3.5

距離定数(distance constant)

風速のステップ入力に対して,最終値の 63 %を指示するのに必要な大気の移動長さとして定義される風

速計の応答時間の指標。

3.6

外挿出力曲線(extrapolated power curve)

実測された出力曲線を,実測された風速の最大値からカットアウト風速までの出力を外挿して得られる

出力曲線。

3.7

気流のゆが(歪)み(flow distortion)

障害物,地形変化,ほかの風車などに起因する気流の変化。計測される風速は自由気流風速から偏り,

有意の不確かさを伴う。

3.8

風車の)ハブ高さ[hub height(wind turbines)]

タワーに取付けされた風車の受風面積中心の地上高さ。

注記  垂直軸風車の場合には,赤道面の高さ。

3.9

実測出力曲線(measured power curve)

正式な計測手続きによって計測し,補正し,そして正規化された風車の正味出力を計測風速の関数とし

て表示した表及びグラフ。

3.10

計測期間(measurement period)

統計的に意味があるデータベースを収録するのに必要な性能試験の期間。


4

C 1400-12-1

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3.11

計測方位区分(measurement sector)

実測出力曲線に用いるデータを分離選択する風向の方位区分。

3.12

ビンの方法(method of bins)

風速の区間(ビン)ごとに試験データを分類するデータ処理方法。

注記  ビンごとにデータセット又はサンプル数及び総和を記録し,平均値を計算する。

3.13

正味有効電力(net active electric power)

電力系統に送電される,風車の電力の測定値。

3.14

障害物(obstacles)

建物及び樹木のように風を遮へい(蔽)し,気流にゆがみを発生させる物体。

3.15

ピッチ角(pitch angle)

ブレードがある半径方向位置(通常は,ブレード半径の 100 %位置)における,翼弦とロータ回転面と

のなす角度。

3.16

出力係数(power coefficient)

ロータ受風面積を単位時間に通過する自由気流から採取可能な動力に対する風車の正味出力の割合。

3.17

出力性能(power performance)

風車の電力又はエネルギーを生み出す能力を表す尺度。

3.18

定格出力(rated power)

通常,製造業者によって指定される構成部品,装置及び設備を仕様条件下で運転した場合に得られる出

力の値。

注記  通常運転条件下で風車が供給するよう設計された最大連続出力。

3.19

標準不確かさ(standard uncertainty)

標準偏差で表した計測結果の不確かさ。

3.20

受風面積(swept area)

水平軸風車の場合,ロータ軸に直角な面への回転ロータの投影面積。ティータリングロータの場合,ロ

ータは低速シャフトに直角のままであると仮定する。垂直軸風車の場合は,垂直面への回転ロータの投影

面積。

3.21

試験サイト(test site)

試験対象の風車及びその周辺を含む場所。


5

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

3.22

計測の不確かさ(uncertainty in measurement)

計測の結果に付随した,合理的に計測量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴付けるパラメータ。

4

記号及び単位

風車ロータの受風面積

(m

2

AEP 

年間発電量

(Wh)

気圧

(Pa)

B

10 min

 10 分間平均計測大気圧

(Pa)

パラメータに関する感度係数(偏微分)

c

B

,

i

ビン における気圧の感度係数

(W/Pa)

c

d

,

i

ビン におけるデータ取得システムの感度係数

c

k

,

i

ビン における要素 の感度係数

c

m

,

i

ビン における大気密度補正の感度係数

(Wm

3

/kg)

c

T

,

i

ビン における気温の感度係数

(W/K)

c

V

,

i

ビン における風速の感度係数

(Ws/m)

C

h

ピトー管圧力係数

C

P

,

i

ビン における出力係数

C

QA

一般化した空力トルク係数

C

T

スラスト係数

マストの直径

(m)

ロータ直径

(m)

D

e

等価ロータ直径

(m)

D

n

隣接した運転中の風車のロータ直径

(m)

f

i

ある風速間隔における風速の相対発生回数

F

(V)

風速のレイリー累積確率分布関数

障害物の高さ−零面変位

(m)

風車のハブ高さ

(m)

カップ形風速計ロータの慣性

(kgm

2

クラス番号

k

b

閉そく(塞)補正係数

k

c

風洞校正係数

k

f

ほかの風洞に対する風洞補正係数(不確かさ評価にだけ用いる。

k

ρ

密度に関する湿度補正

K

B

,

t

気圧計の感度

K

B

,

s

気圧計の表示値

K

B

,

d

気圧サンプリング

K

T

,

t

温度トランスデューサ

K

T

,

s

温度トランスデューサ表示値

K

T

,

d

温度トランスデューササンプリング


6

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

K

p

,

t

圧力トランスデューサ感度

K

p

,

s

圧力トランスデューサ表示値

K

p

,

d

圧力トランスデューササンプリング変換

三脚マストの脚間距離

(m)

風車と気象観測マストとの間の距離

(m)

L

e

風車又は気象観測マストと障害物との間の距離

(m)

L

n

風車又は気象観測マストと隣接運転風車との距離

(m)

l

h

障害物の高さ

(m)

l

w

障害物の幅

(m)

各ビンにおける不確かさ要素の数

M

A

カテゴリ A 不確かさ要素の数

M

B

カテゴリ B 不確かさ要素の数

ビン数

N

h

1 年間の時間数=

8 760

(h)

N

i

風速ビン における 10 分間データセット数

N

j

風向ビン における 10 分間データセット数

サンプリング間隔内のサンプル数

n

風速鉛直分布のべき指数

P

0

障害物の透過率(0:固体,1:障害物なし)

P

i

ビン における正規化平均出力

(W)

P

n

正規化出力

(W)

P

n

,

i

,

 j

ビン におけるデータセット の正規化平均出力

(W)

P

10 min

 10 分間平均実測出力

(W)

P

w

蒸気圧

(Pa)

Q

A

空力トルク

(Nm)

Q

f

摩擦トルク

(Nm)

相関係数

マスト中心までの距離

(m)

R

0

乾燥大気の気体定数(287.05)

[J/(kgK)]

R

w

水蒸気の気体定数(461.5)

[J/(kgK)]

カテゴリ A の不確かさ要素

s

A

風洞風速時系列のカテゴリ A の標準不確かさ

s

k

,

i

ビン における要素 のカテゴリ A 標準不確かさ

s

i

ビン におけるカテゴリ A の合成不確かさ

s

P

,

i

ビン における出力のカテゴリ A 標準不確かさ

(W)

s

w

,

i

ビン における気候変動のカテゴリ A 標準不確かさ

s

α

,

 j

ビン における風速比のカテゴリ B 標準不確かさ

マストのソリディティ

時間

(s)

絶対温度

(K)


7

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

TI 

乱流強度

T

10 min

 10 分間平均計測絶対大気温度

(K)

主方向風速成分

(m/s)

カテゴリ B の不確かさ要素

u

AEP

推定年間発電量における合成標準不確かさ

(Wh)

u

B

,

i

ビン における大気圧のカテゴリ B 標準不確かさ

(Pa)

u

c

,

i

ビン における出力の合成標準不確かさ

(W)

u

i

ビン における合成カテゴリ B 不確かさ

u

index

インデックスパラメータのカテゴリ B 標準不確かさ

u

k

,

i

ビン における要素 のカテゴリ B 標準不確かさ

u

m

,

i

ビン における大気密度補正のカテゴリ B 標準不確かさ

(kg/m

3

u

P

,

i

ビン における出力のカテゴリ B 標準不確かさ

(W)

u

V

,

i

ビン における風速のカテゴリ B 標準不確かさ

(m/s)

u

T

,

i

ビン における大気温度のカテゴリ B 標準不確かさ

(K)

u

α

,

i

,

 j

風速ビン 及び風向ビン におけるサイトキャリブレーションの合成標準不

確かさ

(m/s)

風速

(m/s)

U

d

中心線風速欠損

(m/s)

U

eq

等価水平風速

(m/s)

U

i

ビン の風速

(m/s)

U

h

障害物の高さ における自由風速

(m/s)

U

t

風速のしきい値

(m/s)

U

ρ

風速ベクトル

風速の横方向成分

(m/s)

平均風速

(m/s)

風速

(m/s)

V

ave

ハブ高さにおける年平均風速

(m/s)

V

i

ビン における正規化平均風速

(m/s)

V

n

正規化風速

(m/s)

V

n

,

i

,

 j

ビン におけるデータセット の正規化風速

(m/s)

V

10 min

 10 分間平均計測風速

(m/s)

風速の鉛直成分

(m/s)

w

i

偏差包絡線を定義する重み付け関数

X

k

前処理時間間隔にわたって平均化したパラメータ

X

10 min

 10 分間平均パラメータ

気象観測マスト又は風車と下流障害物との間の距離

(m)

地表面高さ

(m)

z

0

粗度長

(m)

α

じょう(擾)乱方位区分(障害物などの影響を受ける風向方位区分)

(°)

α

迎角

(°)


8

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

α

j

風向ビン における風速比(風車位置と気象観測マスト位置との比)

Δ

U

z

障害物の影響による風速の差異

(m/s)

ε

max,i

風速範囲における風速ビン の最大偏差

(m/s)

κ

von Karman 定数 0.4

λ

速度比

ρ

相関係数

ρ

大気密度

ρ

 0

基準大気密度

(kg/m

3

ρ

 10 min

 10 分間平均した計算大気密度

(kg/m

3

ρ

 k

,

l

,

i

,

j

ビン における不確かさ要素 とビン における不確かさ要素 との間の相

関係数

σ

 P

,

i

ビン における正規化出力データの標準偏差

(W)

σ

10 min

 10 分間平均したパラメータの標準偏差

σ

u

/

σ

v

/

σ

w

主方向,横方向及び鉛直方向風速の標準偏差

φ

相対湿度(0∼1 の範囲)

ω

角速度

(s

1

5

性能試験の準備

風車の出力性能計測に関する試験条件仕様は明確に定義し,箇条 の詳細規定に従って試験報告書に記

録する。

5.1

風車及び系統連系システム

箇条 に規定するように,風車及び系統連系システムは,試験対象の特定機械構成が一意に識別できる

ように記載し,文書で提供する。

5.2

試験サイト

試験サイトにおいて風車を駆動する風速を計測するため,風車の近くに気象観測マストを設置する。試

験サイトは,風速の実測出力性能に有意の影響を及ぼすことがある。特に,気流のゆがみの影響によって

気象観測マストと風車の風速とが相関はしているが,相異なるということが起こり得る。

次の目的のために,試験サイトは気流のゆがみの発生源について評価する。

−  気象観測マストの位置の選定

−  適切な計測方位区分の決定

−  気流のゆがみの適切な補正係数の推定

−  気流のゆがみによる不確かさの評価

特に次の要素を考慮する。

−  地形的変化

−  ほかの風車

−  障害物(建物,樹木など)

試験サイトは,箇条 に規定するように,記録する。

5.2.1

気象観測マストの位置

気象観測マストの位置決定に注意する。風車の前面では風速は影響を受け,変化し,低下するので,気


9

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

象観測マストは風車に近すぎてはならない。また,風速と出力との相関が低下するので,気象観測マスト

は風車から遠すぎてはならない。気象観測マストは,風車から風車のロータ直径 の 2∼4 倍の距離に配

置する。ロータ直径 の 2.5 倍の距離を推奨する。

垂直軸風車の場合,は等価的に 2

π

/

A

と定義する。ここに,

A

はロータの受風面積である。マスト

までの距離は

L

0.5 D

とする。ここに,

L

は風車の中心と等価水平軸風車のマストとの距離である。

性能評価試験を実施するのに先立って,また,気象観測マストの位置を選ぶ場合,マスト又は風車のい

ずれかが流れの乱れにさらされるすべての方位区分の計測値を除外する必要性に考慮するのがよい。

大抵の場合,気象観測マストの最適位置は,試験中最も有効な風が吹くと予想する方向の風車の風上で

ある。しかし,その他の場合では,例えば,山の尾根に設置する風車のように気象観測マストを風車と並

んで設置することがより適正である場合もある。

5.2.2

計測方位区分

計測方位区分は,試験対象風車と気象観測マストとの両方から見て有意の障害物,有意の地形の変化,

その他の風車がある方向を除く。

すべての隣接風車及び障害物に対して,後流効果のために除くべき方向は

附属書 の手順によって決定

する。

気象観測マストが試験対象風車の後流中に存在するときに,除くべきじょう(擾)乱方位区分は,風車

のロータ直径の

2

倍,

2.5

倍及び

4

倍の距離の場合を

図 に示す。特別な地形条件がある場合又は複雑な形

状をした構造物の方向からの風に対して想定外のデータが計測される場合には,方位区分を更に減じる。

この場合,計測方位区分を減じる理由を,文書に明確に記録する。

図 1−気象観測マストの距離に関する要求事項及び最大許容計測方位区分

5.2.3

地形によって生じる気流のゆがみの補正係数及び不確かさ

試験サイトは,地形変化による気流ゆがみの発生源について評価する。その評価の結果によって,出力


10

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

曲線の計測にサイトキャリブレーションが必要かどうかを決定する。

附属書 の基準を満たす場合,その

サイトの気流自体はサイトキャリブレーションを必要としない。しかし,気流ゆがみ補正を不要とする場

合においては,試験サイトの気流ゆがみによる標準不確かさとして,気象観測マストが風速のロータ直径

2

3

倍の距離にある場合は,計測風速の

2 %

以上,ロータ直径の

3

4

倍の距離にある場合には

3 %

上の値を適用する。ただし,異なった不確かさを指定すべき明確な理由付けが提示できる場合はこれによ

らない。

附属書 の基準を満たさない場合又は試験サイトの気流のゆがみによる不確かさに対してより小さい値

を適用することを望む場合は,実測による試験サイトキャリブレーションを実施する。実測による試験サ

イトキャリブレーションを行う場合は,

附属書 による。この場合,各方位区分について計測した気流の

ゆがみの補正係数を用いる。

6

試験装置

6.1

電力

風車の正味有効電力は電力計測機器(例えば,電力トランスデューサ)を用いて計測し,各相の電流及

び電圧の計測に基づく。

変流器のクラスは JIS C 1731-1 の要求事項を満たし,

計器用変圧器

(用いる場合)

のクラスは JIS C 1731-2

及び IEC 60044-5 の要求事項を満たす。これらは,すべてクラス

0.5

以上とする。

電力計測機器の精度は,それが電力トランスデューサである場合,JIS C 1111 の要求事項を満たし,ク

ラス

0.5

以上とする。電力計測機器が電力トランスデューサでない場合,その精度はクラス

0.5

の電力トラ

ンスデューサと等価とする。電力計測機器の動作範囲は,風車が発生するあらゆる正負の瞬間ピーク電力

を計測できるように設定する。目安として電力計測機器のフルスケール範囲は,風車定格出力の−

50 %

200 %

に設定する。電力計測機器の適用範囲限界の超過が発生しないようにするため,試験中にすべての

データを定期的に検討する。電力トランスデューサは,所定の手順に従って校正する。

電力計測機器は,風車と電気接続部との間に取り付け,正味の有効電力(すなわち,自己消費分を減じ

て)を計測する。計測は,変圧器の風車側で行うのか又は変圧器の系統側で行うかを記載する。

6.2

風速

風速計測は,

附属書 の要求事項を満たすカップ形風速計によって行う。出力性能計測の場合,

1.7 A

り上のクラスの風速計を用いる。さらに,サイトキャリブレーションを必要としない条件を規定した

附属

書 の要求事項を満たさない地形では,クラス

2.5 B

又は

2.5 S

より上のクラスを用いることが望ましい。

計測されるべき風速は,瞬間的な風速ベクトル

2)

の水平方向成分絶対値の平均として定義され,主方向及

び横方向乱流成分だけを含み,鉛直方向乱流成分は含まない。その結果として,カップ形風速計の角度応

答は,コサイン形である(

附属書 参照)。すべての報告される風速及び風速計の動作特性に関連したすべ

ての不確かさは,この風速の定義に関係付けられる。

2)

このように定義付けられた風速を測定可能な計器を用いることによって大抵のフィールド条件

で矛盾がない出力曲線が得られると信じられている。ここで矛盾がないとは,傾斜気流条件下

で測定される出力曲線が,水平気流条件下で測定される出力曲線と本質的に類似であることを

意味している。適切な取付け(計器をまっすぐに配置する。)をすることに特に注意が必要で,

また,カップがゆがんでいないか,風速計を点検することにも特別な注意が必要である。不適

切な取付け又はゆがんだカップによって,ひどく偏った結果が生じ得る。

カップ形風速計は,計測期間の前に校正する。そして,計測期間の後,再度,校正する。校正と再校正


11

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

とによる回帰線の差は,

6 m/s

から

12 m/s

までの範囲で,±

0.1 m/s

以内である。計測期間の前の校正値だ

けを性能試験に用いる。カップ形風速計の校正は,

附属書 の手順に従って実施する。校正中カップ形風

速計は,出力性能試験中に用いられるものと類似の垂直な管上に取り付ける。

再度の校正の下位の代替として,カップ形風速計が,その校正を計測期間中の持続が維持されたことを

報告する方法がある。その手順は,

附属書 に従う。

カップ形風速計は,気象観測マストにおいて,地表面からハブ高さ±

2.5 %

の位置に取り付ける。

附属書

G

の取付けに関する要求事項を用いる。

風速計測の不確かさは,三つの発生源に由来する(

表 D.1 参照)。すなわち,計器の校正,風速計の動作

特性及び取付効果による気流ゆがみ。校正の不確かさは,

附属書 から得る。動作特性に起因する不確か

さは,風速計の分類に関する

附属書 から得る。取付けの影響による不確かさは,附属書 から得る。

6.3

風向

風向は,矢羽根形風向計で計測する。この目的に用いる風向計は,

附属書 に規定されているように,

気象観測マスト上のブームに取り付ける。風向計測の校正,動作及び風向計取付角度の合成不確かさは

5

°

を下回る。

6.4

大気密度

大気密度は,大気温度及び大気圧の計測値から式

(1)

を用いて導く。温度が高い場合には,相対湿度を計

測し,それを用いて補正するよう推奨する。大気中の湿度の大気密度への影響に対する補正は,式

(F.1)

用いて行う。

大気温度センサは,湿度センサを用いる場合,風車ロータ中心における大気温度を計測するため,ハブ

高さから

10 m

以内に設ける。

大気圧センサは,風車ロータ中心における大気圧に極力近い計測値を得るため,気象観測マスト上にハ

ブ高さに近い位置に設けることが望ましい。大気圧センサがハブ高さ近くに設置されない場合,大気圧計

測値は JIS W 0201 に従ってハブ高さに補正する。

6.5

ロータ角速度及びピッチ角

ロータ角速度及びピッチ角は,特別な必要性がある場合,例えば,騒音試験との関係で計測値を適用す

る必要性がある場合,試験中計測するのがよい。計測する場合,計測値は箇条 に従って報告する。

6.6

ブレード状態

ブレードの状態は,特に失速制御風車の出力曲線に影響し得る。ブレード状態に影響する可能性のある

因子を監視することは風車の特性を理解するのに役立つ。これには降水,氷,昆虫及びほこりの付着が含

まれる。

6.7

風車制御装置

7.4

のデータ削除基準を適用するのに十分な風車の状態信号を特定し,検証し,そして監視する。利用で

きる場合,風車制御装置のデータシステムからこれらのパラメータを得ることは妥当である

3)

。各状態信

号の定義を報告書に記載する。

3)

風車カットイン風速に関する状態信号は,カットアウトヒステリシス制御アルゴリズムを証明

するのに適切である。

6.8

データ収録システム

計測値を収録し,かつ,前処理データを蓄積するのに少なくとも

1 Hz

のチャンネル当たりサンプリング

レートをもつデジタルデータ収録システムを用いる。

一連のデータシステム(伝送,信号調節及びデータ記録)の校正及び精度は,トランスデューサ端に既


12

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

知信号を入力し,この入力信号と記録されたデータとを比較することによって検証する。指針として,デ

ータ収録システムの不確かさは,センサの不確かさに比較して無視できるほど小さなものである。

7

計測手順

7.1

一般

計測手順の目的は,データが風車の出力性能特性を正確に決定するために,十分な数量及び品質をもつ

明確に定義された一組の基準を満たすデータを収録することである。この計測手順は,あらゆる計測ステ

ップ及び試験条件を再検討することができ,かつ,必要な場合は,繰り返すことができるように,箇条 9

の詳細規定に従って記録する。

計測の精度は,

附属書 に規定する計測の不確かさによって表す。計測期間中,データを定期的に点検

することによって試験結果の高い品質及び再現性を確保する。出力性能試験中のすべての重要な事象を記

録する試験日誌を維持する。

7.2

風車運転

計測期間中,風車は風車運転マニュアルの規定に従って通常運転状態を維持しなければならず,また,

機械の構成を変更しない。風車の運転状態は箇条 の規定に従い,状態信号によって報告する。風車の通

常の保守は計測期間を通して実施するが,そのような作業は試験日誌に書き留める。良好な性能を試験中

確保するための頻繁なブレード洗浄などの特別な保守作業は,特に書き留める。試験開始前に契約者間で

合意していない限り,そのような特別な保守作業は,注意して実施する。

7.3

データ収録

データは,

1 Hz

又はそれ以上のサンプリングレートで連続収録する。計測している場合,大気温度,大

気圧力,降水量及び風車の状態のサンプリングレートは,これより低くてもよいが,少なくとも

1

分に

1

回とする。

データ収録システムは,収録した生データ又は次に示す統計データのいずれかを蓄積する。

平均値

標準偏差

最大値

最小値

選択されるデータセットは,連続した計測データから得られる

10

分間に基づく。

データは 7.6 で定義する要求条件が満たされるまで収録する。

7.4

データの削除

風車の通常運転中得られるデータだけが分析で用いられることを保証するために,また,データが破壊

されていないことを保証するために,次の状況の下にあるデータセットは,データベースから除外する。

風速以外の外部条件が風車の運転範囲外である。

風車故障状態のため風車を運転できない。

風車は手動停止,試験又は保守運転モード状態である。

試験装置の故障又は劣化。

5.2.2

に定義される計測方位区分以外の風向。

有効な(完全な)サイトキャリブレーション方位区分以外の風向。

その他の削除基準も明確に報告する。

出力曲線は,カットイン制御アルゴリズムにおけるヒステリシス効果をとらえる。また,出力曲線はカ


13

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

ットイン風速未満の寄生損失の効果もとらえる。カットアウト制御アルゴリズムにおける大きなヒステリ

シスループの出力曲線への影響は,無視できない量になることがある。したがって,計測期間中カットア

ウト風速に達した場合,二つの出力曲線を提供する。一つはデータベースのすべてのデータを含んだデー

タセット(データベース

A

,もう一つは,高風速域のカットアウトによって風車の発電出力が停止した場

合のすべてのデータセットを除外したもの(データベース

B

4)

である。

4)

データベース

A

に基づいた出力曲線は,カットアウト時の風車挙動の影響を評価するのに用い

ることができる。この評価は,試験を実施した場所及び時期に関する限り正確なものであるが,

ほかの時期又はほかの場所における風車挙動とは一致しないこともある。データベース

B

に基

づいた出力曲線(カットアウトヒステリシスによる出力損失を含まない。

)は,出力曲線の比較・

検証をより一般的に行う場合に用いることができる。

試験期間中に発生した特殊な運転状態(例えば,ほこり,塩,昆虫及び氷によるブレード表面の著しい

荒れ)又は特殊な大気条件(例えば,降水及びウィンドシア)の下で収録したデータセットは,特殊デー

タベースとして選択してよい。

系統の周波数が

2 Hz

以上のオーダで変化する場合,特殊なデータベースとして異なる周波数レベルの出

力性能を選択することは妥当な場合がある。この場合,系統周波数は,系統周波数の整数値を中心とする

周波数ビンに分割するのがよい。

7.5

データ補正

選択データセットは,サイトキャリブレーションに基づき,気流のゆがみについて(5.2 参照)補正する。

大気圧は,ハブ高さに近くない高さで計測した場合(6.4 参照)

,補正する。

7.6

データベース

データの正規化(8.1 参照)後,

“ビンの方法”

8.2 参照)を用いて選択データセットを分類する。選択

データセットは,カットイン風速より

1 m/s

下から風車の定格出力の

85 %

に対応する風速の

1.5

倍までの

風速域を含む。この風速域に替えて,カットイン風速より

1 m/s

下から“計測

AEP

”が“外挿

AEP

8.3

参照)の

95 %

以上となる風速までの風速域としてもよい。報告書は,実測出力曲線の範囲の決定に,二つ

のうち,いずれの定義を用いたかを明記する。この風速域を,

0.5 m/s

の倍数を中心とする

0.5 m/s

の連続

したビンに分割する。

データベースは,次の基準を満たすとき,完全とみなす。

各ビンが最小

30

分間の収録データを含む。

データベースは最小

180

時間の収録データを含む。

ある一つのビンについてデータ数が不十分なため試験の完了が妨げられる場合,二つの隣接した完全な

ビンからの線形補間によって,そのビンを推定してもよい。高速域のデータ数が不十分な場合は,次の手

法によって出力曲線を完了させてもよい。

定格出力の

85 %

に対応する風速の

1.6

倍以上の風速域に対しては,

計測方位区分に制限を設けない

(全

風向の計測データを有効とする。

これら二つの手法を適用する場合,それによって次の条件が達成される。つまり,これらの拡張手法に

よって計測した

AEP

と拡張手法に対する最高速完全風速ビンまで外挿して得た

AEP

との差は

1 %

未満とす

る(この場合,8.3 に規定するレイリー分布を仮定する。

データベースは,箇条 で詳しく示した試験報告書によって報告する。


14

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

8

導出結果

8.1

データの正規化

選択データセットを二つの基準大気密度に対して正規化する。一つは,JIS W 0201 の標準大気に依拠す

る海抜

0

メートル大気密度(

1.225 kg/m

3

)とする。他方は,試験サイトにおける計算大気密度データの平

均を直近

0.05 kg/m

3

に丸めた値とする。実際の平均大気密度が

1.225

±

0.05 kg/m

3

以内にある場合,実際の

平均大気密度に対する大気密度正規化は不要である。大気密度は,計測大気温度及び大気圧から,式

(1)

用いて算出する。

min

10

0

min

10

min

10

T

R

B

×

=

ρ

 (1)

ここに,

ρ

10 min

10

分間平均した計算大気密度

T

10 min

10

分間平均した計測絶対大気温度

B

10 min

10

分間平均した計測大気圧

R

0

気体定数,すなわち,

287.05 J/(kgK)

固定ピッチ・一定回転速度の失速制御風車の場合,実測出力に対し式

(2)

に従ってデータ正規化を適用す

る。

min

10

0

min

10

n

ρ

ρ

×

P

P

 (2)

ここに,

P

n

正規化出力

P

10 min

10

分間平均した実測出力

ρ

0

基準大気密度

アクティブ出力制御風車の場合,風速に対して式

(3)

に従って正規化を適用する。

3

1

0

min

10

min

10

n

⎟⎟

⎜⎜

=

ρ

ρ

V

V

 (3)

ここに,

V

n

正規化風速

V

10 min

10

分間平均した計測風速

8.2

実測出力曲線の決定

実測出力曲線は,正規化されたデータセットに対して

0.5 m/s

の区間を用いる“ビンの方法”を適用し,

(4)

及び式

(5)

に従って各風速ビンについて正規化風速及び正規化出力の平均値を計算することによって

決定する。

=

i

N

j

j

i

i

i

V

N

V

1

,

n,

1

 (4)

=

i

N

j

j

i

i

i

P

N

P

1

,

n,

1

 (5)

ここに,

V

i

ビン における正規化平均風速

V

n,ij

ビン におけるデータセット の正規化風速

P

i

ビン における正規化平均出力

P

n,ij

ビン におけるデータセット の正規化出力

N

i

ビン における 10 分間データセット数

実測出力曲線は,箇条 に規定するとおり表現する。計測期間中にカットアウト風速に達した場合,二

つの出力曲線を提供する。7.4 に記載したように,出力曲線 A はデータベース A を基に,出力曲線 B はデ

ータベース B を基にする。両方の出力曲線は,箇条 に記載する。


15

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

8.3

推定年間発電量(AEP

一般の AEP は,実測出力曲線を種々の基準風速頻度分布に適用して算出する。レイリー分布(形状パラ

メータ 2 のワイブル分布)を基準風速頻度分布として用いる。AEP の計算は,式(6)及び式(7)に従って 4 m/s,

5 m/s,6 m/s,7 m/s,8 m/s,9 m/s,10 m/s 及び 11 m/s の年平均風速について行う。

( ) ( )

[

]

=

2

1

1

1

h

i

i

N

i

i

i

P

P

V

F

V

F

N

AEP

 (6)

ここに,  AEP: 推定年間発電量 

N

h

1 年間の時間数=8 760

N: ビン数

V

i

ビン における正規化平均風速

P

i

ビン における正規化平均出力

また,



2

ave

4

exp

1

)

(

V

V

V

F

π

 (7)

ここに,  F (V):

風速のレイリー累積確率分布関数

V

ave

ハブ高さにおける年平均風速

V: 風速

V

i

1

を V

i

−0.5 m/s,P

i

1

を 0.0 kW に設定して総和を開始する。

特定のケースとして,そのサイトの風況を規定する条件が既知の場合がある。このような場合は,付加

的にそのサイト固有の AEP をこのサイト固有の風況に基づいて計算し報告してもよい。

AEP は二つの方法で計算する。その一つは“計測 AEP”,他方は“外挿 AEP”と呼ぶ。実測出力曲線が

カットアウト風速までのデータを含んでいない場合,最大計測風速からカットアウト風速まで出力曲線を

外挿する。

計測 AEP は,実測出力曲線の適用範囲の上下のすべての風速について出力ゼロを仮定して実測出力曲線

から算出する。

外挿 AEP は,実測出力曲線の最低風速より下のすべての風速について出力ゼロ,実測出力曲線の最高風

速とカットアウト風速との間の風速について一定出力を仮定して実測出力曲線から算出する。外挿 AEP 

ついて用いる一定出力は,実測出力曲線における最高風速のビンから得られる出力値とする。

計測 AEP 及び外挿 AEP は,

箇条 に規定するとおり試験報告書に示す。

すべての AEP の計算について,

風車の利用可能率は 100 %に設定する。与えられた年平均風速に対して計測 AEP の推定値が外挿 AEP 

95 %未満である場合,計測 AEP の推定値に“不完全”の表示を付ける。

与えられたすべての年平均風速に対する計測 AEP について,

附属書 によって AEP の標準不確かさで

表した計測の不確かさの推定値を報告する。

上記の AEP の不確かさは,出力性能試験から生じる不確かさだけを取り扱うものであり,所定の設備の

実際の発電に関係するそのほかの重要な要因による不確かさを考慮に入れていない。

8.4

出力係数

風車の出力係数 C

P

を試験結果に追加し,箇条 に規定するとおり提出する。C

P

は実測出力曲線から,

式(8)に従って算出する。

3

0

P,

2

1

i

i

i

AV

P

C

ρ

=

 (8)


16

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

ここに,

C

P,i

ビン における出力係数

V

i

ビン における正規化平均風速

P

i

ビン における正規化平均出力

A: 風車ロータの受風面積

ρ

0

基準大気密度

9

報告形式

試験報告書は,次の情報を含む。

a)

次を含む試験中の特定の風車構成の識別及び記載(5.1 参照)

1)

製造業者名,形式,製造番号及び製造年。

2)

ロータ直径及び用いた確認方法の記述又はロータ直径に関する文書の参照。

3)

ロータ回転数又はロータ回転数範囲。

4)

定格出力及び定格風速。

5)

ブレードデータ:製造業者名,形式,製造番号,ブレード枚数,固定又は可変ピッチ及びピッチ角。

6)

ハブ高さ及びタワーの形式。

7)

制御システム(装置及びソフトウェアバージョン)の記載及びデータ削減に用いられている状態信

号の文書。

8)

風車設置点の系統条件,すなわち,電圧,周波数及びその許容公差の記載並びに特に内部又は外部

の変圧器及び電力の自己消費に関連して,出力トランスデューサがどこに接続されるかを示す図。

b)

次を含む試験サイトの記載(5.2 参照)

1)

可能な場合,風車のハブ高さから撮影したすべての計測方位区分の写真。

2)

風車のロータ直径の少なくとも 20 倍の直径距離に至る周囲領域を示し,かつ,地形,風車の位置,

気象観測マスト,有意の障害物,ほかの風車及び計測方位区分を表示する試験サイトの地図。

3)

サイト評価の結果,例えば有効測定範囲の限界。

4)

サイトキャリブレーションが行われる場合は,最終的な計測方位区分の限界も報告する(サイト評

価結果に対して何か変更がある場合は,その理由説明も含む。

c)

試験装置の記載(箇条 参照)

1)

センサ及びデータ収録システムの記載であり,センサ,伝送路及びデータ収録システムの校正記録

を含む。

2)

附属書 の要求事項及び記載に従った,気象観測マスト上のカップ形風速計の配置の記載。

3)

タワーの主要寸法諸元及び計器取付具を示す気象観測マストの配置図。

4)

計測期間中風速校正を維持する方法の記載及び校正が保たれていることを示す結果の記録。

d)

計測手順の記載(5.1 及び箇条 参照)

1)

手順のステップ,試験条件,サンプリングレート,平均時間及び計測時間の記録。

2)

出力性能試験中のすべての重要な事象を記録する試験日誌。試験中行われたすべての保守業務のリ

スト及び良好な性能を確保するためになされた

(ブレード洗浄などの)

特別な処置のリストを含む。

3)  7.4

に記載されている事項を超えたデータの削除基準の確認。

e)

計測データの提出(7.37.6 参照)  各選択データセットのデータは,表形式及びグラフ形式の両方で

提出し,実測出力の統計値を風速及び重要な気象パラメータの関数として与える。また,次を含む。

−  風速の関数としての平均,標準偏差,最大及び最小出力の散布プロット(プロットは,サンプル周

波数の情報を含む。

図 に一例を示す。


17

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

−  風向の関数としての平均風速及び乱流強度の散布プロット。

−  風速の関数としての乱流強度及び各風速ビンの平均乱流強度の散布プロットを提出する。

−  特殊な運転状態又は気象状態の下で収録したデータからなる特殊データベースも,上記記載のとお

り提出すべきである。

−  計測する場合,ロータ回転数及びピッチ角は,ビン平均値を含む散布図(風速を横軸とする。

)及び

ビン平均値の表で提出する。

−  状態信号の定義及び計測期間中の状態信号のプロット。

f)

海抜 メートルの大気密度に対応する実測出力曲線の提出(8.1 及び 8.2 参照)

1)

出力曲線を

表 に類似の表で提出する。各風速ビンに対して,その表は次を示す。

−  正規化平均風速

−  正規化平均出力

−  データセット数

−  C

p

計算値

−  カテゴリ A 標準不確かさ(

附属書 及び附属書 参照)

−  カテゴリ B 標準不確かさ(

附属書 及び附属書 参照)

−  合成標準不確かさ(

附属書 及び附属書 参照)

2)

出力曲線は,

図 に類似のグラフで提出する。グラフは,正規化平均風速の関数として表す。

−  正規化平均化出力

−  合成標準不確かさ

3)  C

p

曲線は,

図 に類似のグラフで提出する。

4)

グラフ及び表の両方には,正規化のために用いられる海抜 0 メートルの大気密度 1.225 kg/m

3

を明示

する。

5)

計測期間中カットアウト風速に達している場合には,出力曲線及び C

p

曲線又はカットアウトヒステ

リシスによって影響を受ける曲線部分は,1)∼4)  と同じようにして提出する。

g)

サイト固有の大気密度に対する実測出力曲線の提出(8.1 及び 8.2 参照)  サイト平均大気密度が 1.225

±0.05 kg/m

3

以内でない場合又はあらかじめ定められた公称大気密度が要求される場合,追加の実測

出力曲線を表示する。この表示は海抜 0 メートルの大気密度の場合と同じである。ただし,この表示

はサイト固有の大気密度への正規化によって得られる出力曲線結果とする。

h)

特殊な運転状態及び大気状態のもとで収録した実測出力曲線の提出(7.5 参照)  特殊な運転状態又は

大気状態に対するデータベースのサブセットから導かれる出力曲線も報告し得る。この場合,出力曲

線は,海抜 0 メートル大気密度の場合の出力曲線として報告するのがよい。しかし,すべてのプロッ

ト及び表に特殊な運転状態及び/又は大気状態であることを明記する。

i)

海抜 メートルの大気密度に対する推定年間発電量の提出(8.3 参照)

1)

各年平均ハブ高さ風速に対して,次を含む表。

−  計測 AEP

−  計測 AEP の標準不確かさ(

附属書 及び附属書 E

−  外挿 AEP

2)

表には,次のことを明記する。

−  基準大気密度

−  カットアウト風速


18

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

3)

年平均風速において,計測 AEP が外挿 AEP の 95 %未満である場合,表の計測 AEP 値の欄に“不完

全”の表示を付ける。

4)

計測期間中カットアウト風速に達している場合,推定年間発電量は,カットアウトヒステリシスを

含めて,1)  及び 3)  と同様に追加して提出する。表には,基準大気密度も明記する。

j)

サイト固有の大気密度に対する推定年間発電量の提出(8.3 参照)  サイト平均大気密度が 1.225±0.05

kg/m

3

以内でない場合又はあらかじめ定められた公称大気密度を用いることが望まれている場合,追

加の AEP の表を提出する。この表示は海抜 0 メートル大気密度の場合と同じであるが,サイト固有大

気密度への正規化によって得られる AEP 結果である。

k)

実測出力係数の記載(8.4 参照)  実測出力係数は風速の関数として,表及びグラフの形で記載する。

表及びグラフにはロータの受風面積を表示する。

l)

サイトキャリブレーションの結果の記載(附属書 参照)

1)

サイトキャリブレーションを実施した場合,報告書中に表及びグラフで記載する。

2)

表は各風向ビンに対して,次を示す。

−  最小及び最大風向限界値

−  ビン平均化風向

−  ビン平均化風速比

−  データセット数

−  各風向ビンに対するデータセット数

− 6

m/s,10 m/s 及び 14 m/s における風速比の合成標準不確かさ

3)

グラフ(

図 参照)は,次を示す。

−  ビン平均化風速比(標準偏差 s

α, j

併記)対風向

m)

計測の不確かさ(附属書 参照)  すべての不確かさ要素に関する不確かさの仮定を提出する。

n)

手順からの逸脱  この規格の要求事項からの逸脱は,独立した章を設けて明確に記録する。各々の逸

脱は,技術的根拠及びその試験結果への推定される影響を明記する。


19

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

Scatter plot of measured power output (data base A)

-100

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

1400

1500

0

2

4

6

8

0

2

4

6

8

0

2

4

6

Hub height wind speed (m/s)

E

le

ct

ri

c

 p

o

w

e

r (k

W

)

Minimum

Maximum

Std.dev

Mean

a)

  実測出力曲線の散布図(データベース A

Scatter plot of m

ured pow  out

 (data base B)

-

0

500

800

900

1000

1100

1200

1300

1400

1500

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

26

Hub height wind speed (m/s)

E

le

ct

ri

c

 p

o

w

e

r (k

W

)

Minimum

Maximum

Std.dev.

Mean

Scatter plot of measured power output (database B)

b)

  実測出力曲線の散布図(データベース B

図 2−データベース 及び の例示:出力性能試験散布図(サンプリングレート 1 Hz10 分間平均値)

最小値

最大値

標準偏差

ビン平均

ハブ高さ風速(m/s)

最小値

最大値

標準偏差

ビン平均

0  2  4  6  8  10 12 14 16 18 20 22 24 26

ハブ高さ風速(m/s)

1 500

1 400

1 300

1 200

1 100

1 000

900

800

700

600

500

400

300

200

100

0

-100

電力

(kW)

1 500 
1 400 
1 300 
1 200 
1 100 
1 000

900 
800 
700 
600 
500 
400 
300 
200 
100

0

-100

電力

(kW)


20

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

–100

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1 000

1 100

1 200

1 300

1 400

0

2 4 6 8

10

12

14

16

18

20

24

26

風速(m/s)

出力

(kW)

出力曲線

22

a)

  海抜 メートル大気密度 1.225 kg/m

3

に補正した実測出力曲線(データベース A

–100

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1 000

1 100

1 200

1 300

1 400

0

2 4  6

8

10

12

14

16

18

20

24 26

風速(m/s)

出力

(kW)

出力曲線

22

b)

  海抜 メートル大気密度 1.225 kg/m

3

に補正した実測出力曲線(データベース B

図 3−データベース 及び の実測出力曲線の例示


21

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

0.45

0 2 4

6 8

10

12

14

16

18

20

22

24

26

風速(m/s)

C

p

0.50

0.40

0.35

0.30

0.25

0.20

0.15

0.10

0.05

0.00

–0.05

–0.10

–0.15

–0.20

–0.25

–0.30

a)

  海抜 メートル大気密度 1.225 kg/m

3

に補正した C

p

データベース A

0.45

0 2 4 6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

26

風速(m/s)

C

p

0.50

0.40

0.35

0.30

0.25

0.20

0.15

0.10

0.05

0.00

–0.05

–0.10

–0.15

–0.20

–0.25

–0.30

b)

  海抜 メートル大気密度 1.225 kg/m

3

に補正した C

p

データベース B

図 4−データベース 及び の C

p

曲線の例示


22

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

サイトキャリブレーション風速比(全データ)

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

0 30  60

90 120

150

180

210

240

270

300

330

360

風向 (°)

風速比︵計測値

0.93

0.94

0.95

0.96

0.97

0.98

0.99

1.00

1.01

1.02

1.03

風速比︵

ビン平

均化デ

ータ

風速比(計測値)

風速比(ビン平均化)

図 5−サイトキャリブレーションの例示

有効方位区分は 20°∼30°,40°∼60°,160°∼210°及び 330°∼350°だけ)


23

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 1−データベース による実測出力曲線の例示

実測出力曲線(データベース A)

基準大気密度:1.225 kg/m

3

カテゴリ A

不確かさ

カテゴリ B

不確かさ

合成

不確かさ

ビン

番号

i

ハブ高さ

風速

m/s

出力

kW

C

p

データセット

番号

(10 分間平均)

標準不確かさ

s

i

kW

標準不確かさ

u

i

kW

標準不確かさ

u

ci

kW

4 2.1  −3.6

−0.26 138

0.05

6.3

6.3

5 2.5  −3.6

−0.16 275

0.04

6.3

6.3

6 3.0  −3.8

−0.10 270

0.13

6.3

6.3

7 3.5  −2.2

−0.03 320

0.56

6.3

6.3

8 4.0  −0.4 0.00  347

0.56

6.3

6.3

9 4.5

6.0  0.05  362

0.67

6.3

6.4

10 5.0  27.7  0.15

333

1.09

6.8

6.9

11 5.5  67.4  0.28

285

1.65

10.9

11.0

12 6.0  111.3  0.36

262

2.26

16.1

16.3

13 6.5  160.9  0.40

265

3.08

20.1

20.3

14 7.0  209.4  0.42

286

3.22

20.4

20.7

15 7.5  262.0  0.43

287

3.23

20.7

20.9

16 8.0  327.6  0.44

248

3.28

23.3

23.5

17 8.5  395.2  0.44

215

4.38

28.6

28.9

18 9.0  462.0  0.44

179

4.94

29.8

30.2

19 9.5  556.1  0.45

183

5.02

29.9

30.3

20 10.0  629.8

0.43

133

5.83

41.5

41.9

21 10.5  703.1

0.42

127

6.82

32.8

33.5

22 11.0  786.5  0.41

119

6.75

36.1

36.7

23 11.5  836.5  0.38

101

6.65

36.5

37.1

24 12.0  893.5

0.36

94

7.27

25.2

26.2

25 12.5  928.6

0.33

74

5.59

28.8

29.3

26 13.0  956.4

0.30

70

6.38

19.5

20.5

27 13.5  971.3

0.27

63

4.66

16.5

17.1

28 14.0  980.9

0.25

71

3.19

13.5

13.8

29 14.5  988.2

0.22

77

2.53

12.2

12.4

30 15.0  993.5

0.20

64

1.37

11.9

11.9

31 15.5  993.7

0.18

47

0.84

11.6

11.6

32 16.0  995.7

0.17

54

0.83

11.3

11.3

33 16.5  996.2

0.15

33

0.42

11.4

11.4

34 17.0  996.4

0.14

23

0.23

11.3

11.3

35 17.5  996.5

0.13

30

0.24

11.3

11.3

36 18.0  996.5

0.12

13

0.18

11.3

11.3

37 18.5  995.7

0.11

11

0.21

11.3

11.3

38 19.0  935.5

0.09

15

0.70

11.3

11.4

39 19.5  900.5

0.08

12

61.11

36.8

71.3

40 20.0  842.5

0.07

8

65.05

23.0

69.0

41 20.5  551.2

0.04

5

122.70

33.9

127.3

42 20.9  661.2

0.05

6

230.33

159.9

280.4

43 21.5  396.5

0.03

8

211.08

77.3

224.8

44 22.0  −6.3 0.00

6  176.06  144.4  227.7

45 22.6  494.3

0.03

4

0.03

224.5

224.5

49 24.6  −6.3 0.00

3

0.19  125.4  125.4

50 25.0  −6.3 0.00

3

0.04

6.3

6.3


24

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

表 2−データベース による実測出力曲線の例示

実測出力曲線(データベース B)

基準大気密度:1.225 kg/m

3

カテゴリ A

不確かさ

カテゴリ B

不確かさ

合成

不確かさ

ビン

番号

i

ハブ高さ

風速

m/s

出力

kW

C

p

データセット

番号

(10 分間平均)

標準不確かさ

s

i

kW

標準不確かさ

u

i

kW

標準不確かさ

u

ci

kW

4 2.1 −3.6

−0.26 138  0.05

6.3

6.3

5 2.5 −3.6

−0.16 275  0.04

6.3

6.3

6 3.0 −3.8

−0.10 270  0.13

6.3

6.3

7 3.5 −2.2

−0.03 320  0.56

6.3

6.3

8 4.0 −0.4 0.00  347

0.56

6.3

6.3

9 4.5  6.0  0.05  362

0.67

6.3

6.4

10 5.0  27.7  0.15

333

1.09

6.8

6.9

11 5.5  67.4  0.28

285

1.65

10.9

11.0

12

6.0

111.3

0.36

262 2.26  16.1 16.3

13

6.5

160.9

0.40

265 3.08  20.1 20.3

14

7.0

209.4

0.42

286 3.22  20.4 20.7

15

7.5

262.0

0.43

287 3.23  20.7 20.9

16

8.0

327.6

0.44

248 3.28  23.3 23.5

17

8.5

395.2

0.44

215 4.38  28.6 28.9

18

9.0

462.0

0.44

179 4.94  29.8 30.2

19

9.5

556.1

0.45

183 5.02  29.9 30.3

20

10.0

629.8

0.43

133 5.83  41.5 41.9

21

10.5

703.1

0.42

127 6.82  32.8 33.5

22

11.0

786.5

0.41

119 6.75  36.1 36.7

23

11.5

836.5

0.38

101 6.65  36.5 37.1

24

12.0

893.5

0.36 94 7.27  25.2 26.2

25

12.5

928.6

0.33 74 5.59  28.8 29.3

26

13.0

956.4

0.30 70 6.38  19.5 20.5

27

13.5

971.3

0.27 63 4.66  16.5 17.1

28

14.0

980.9

0.25 71 3.19  13.5 13.8

29

14.5

988.2

0.22 77 2.53  12.2 12.4

30 15.0  993.5  0.20

64

1.37

11.9

11.9

31 15.5  993.7  0.18

47

0.84

11.6

11.6

32 16.0  995.7  0.17

54

0.83

11.3

11.3

33 16.5  996.2  0.15

33

0.42

11.4

11.4

34 17.0  996.4  0.14

23

0.23

11.3

11.3

35 17.5  996.5  0.13

30

0.24

11.3

11.3

36 18.0  996.5  0.12

13

0.18

11.3

11.3

37 18.5  995.7  0.11

11

0.21

11.3

11.3

38 19.0  996.6  0.10

14

0.59

11.3

11.3

39 19.4  996.1  0.09

10

0.21

11.3

11.3

40 20.0  994.1  0.09

5

0.41

11.3

11.3

41 20.5  987.4  0.08

2

2.67

11.4

11.7

42 20.9  996.9  0.08

3

3.38

11.8

12.3


25

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 3−推定年間発電量の例示(データベース A

推定年間発電量

(データベース A)

基準大気密度:1.225 kg/m

3

カットアウト風速:25 m/s

(最終ビンからの一定出力によって外挿)

AEP における標準不確かさ

ハブ高さ

年平均風速

(レイリー)

m/s

計測 AEP

(実測出力曲線)

MWh

MWh %

外挿 AEP

(外挿出力曲線)

MWh

 4

481

 99

21

481

  5

1 083

129

12

1 083

 6

1 825

152

 8

1 825

 7

2 596

168

 7

2 596

 8

3 305

181

 6

3 305

 9

3 892

197

 5

3 892

10

4 329

216

  5

4 329

11

4 615

238

  5

4 615

表 4−推定年間発電量の例示(データベース B

推定年間発電量

(データベース B)

基準大気密度:1.225 kg/m

3

カットアウト風速:25 m/s

(最終ビンからの一定出力によって外挿)

AEP における標準不確かさ

ハブ高さ

年平均風速

(レイリー)

m/s

計測 AEP

(実測出力曲線)

MWh

MWh %

外挿 AEP

(外挿出力曲線)

MWh

 4

481

 99

21

495

  5

1 083

129

12

1 097

 6

1 825

152

 8

1 841

 7

2 597

165

 6

2 621

 8

3 307

170

 5

3 362

 9

3 890

169

 5

4 026

10

4 318

163

  4

4 590

不完全

11

4 591

156

  4

5 045

不完全

注記  表 及び表 中の不確かさの数字は適用率 1.0 に基づく。これは信頼性のレベル(インターバ

ルに“真の”AEP 値を含む出力曲線を繰り返して計測した場合のパーセンテージ。

)が 58 %

から 68 %のオーダにあることを意味する。正確に計測した確率分布の詳細な情報は通常分か

らないため,信頼性のレベルは単なる見積りに過ぎない。上位の値(68 %)は正規分布に当
てはまり,下位の値(58 %)は長方形分布に当てはまる。


26

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

附属書 A

規定)

試験サイトの障害物の評価

A.1

  隣接運転中の風車に関する要求事項

試験中の風車及び気象観測マストは,隣接風車によって影響を受けていない。隣接風車が出力性能試験

中わずかの時間でも運転されている場合,この附属書の規定に従って,その後流を同定し,処置する。隣

接風車が出力性能試験中常時停止状態にある場合,障害物とみなして A.2 の規定に従って処置する。

試験中の風車及び気象観測マストから隣接運転中の風車までの最小距離は,隣接する風車又は試験中の

風車ロータ直径 D

n

のうち,いずれか大きい方のロータ直径の 2 倍とする。隣接運転中の風車の後流の影響

を除外すべき方位区分は,

図 A.1 による。

考慮すべき寸法は,風車又は気象観測マストと隣接運転中の風車との距離 L

n

及び隣接運転中の風車のロ

ータ直径 D

n

である。除外すべき方位区分は,試験中の風車及び気象観測マストの両方について定め,隣接

運転中の風車,気象観測マスト及び試験中の風車間でそれぞれが指向する方向を中心とする。例は,

図 A.2

による。

A.2

  障害物に関する要求事項

計測方位区分中に,風車及び気象観測マストからある程度の距離以内に有意障害物(例えば,建物,樹

木及び停止中の風車)が存在しない。風車の運転又は計測機器に関連する小建築物だけが許容される。

気象観測マスト及び風車位置のハブ高さへの障害物の影響は,障害物モデルを用いて予測する。有意障

害物を決定する基準は,計測方位区分中のすべての方向に対して,風車位置のハブ高さと気象観測マスト

のハブ高さとの間で気流が 1 %を超えるか否かである。

高さ における,気象観測マスト又は風車位置への障害物の影響は,式(A.1)∼式(A.3)で推定する。

(

)

(

)

5

.

1

0

h

z

67

.

0

exp

1

75

.

9

Δ

η

η

=

x

h

P

U

U

(A.1)

2

1

n

h

x

K

h

H

η

(A.2)

0

2

n

1

2

z

h

K

κ

(A.3)

ここに,

x:  障害物から下流側の気象観測マスト又は風車の間の距離(m)

h:  障害物の高さ(m)

U

h

  障害物の高さ における自由流風速(m/s)

n  風速鉛直分布のべき指数(n=0.14)

P

0

  障害物の透過率(0:固体,1:障害物なし)

H  ハブ高さ(m)

z

0

  粗度長(m)

κ  von Karman 定数 0.4

有意障害物に関係する方位区分は,

図 A.1

を参照して除外する。考慮すべき寸法は,風車又は気象観測

マストと隣接運転風車との距離 L

e

及び障害物の等価ロータ直径 D

e

である。障害物の等価ロータ直径は,


27

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

式(A.4)のように定義する。

D

e

w

h

w

h

2

l

l

l

l

(A.4)

ここに,

D

e

等価ロータ直径

l

h

障害物の高さ

l

w

障害物の幅

図 A.1−隣接運転中の風車及び有意障害物の後流のために除外すべき方位区分


28

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

図 A.2−試験中の風車,隣接運転中の風車及び有意障害物の後流のために除外すべき方位区分の例

図 A.2 は,次の場合に除外すべき方位区分を示す。

a)

気象観測マストが試験中の風車の後流中に存在する場合

b)

気象観測マストが隣接運転中の風車の後流中に存在する場合

c)

風車が隣接運転中の風車の後流中に存在する場合


29

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

d)

気象観測マストが有意障害物の後流中に存在する場合

e)

風車が有意障害物の後流中に存在する場合

f)

上記の影響 a)∼e)  をすべて合成した場合


30

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

附属書 B

規定)

試験サイトの地形評価

事前にサイトキャリブレーションを行わないで試験する場合,試験サイトの地形は,風車のタワーの基

部及び

表 B.1 に規定する方位区分内の地形の両方を通過する平面からの変化がわずかである。

試験サイトの地形が

表 B.1 の要求事項に従う場合,サイトキャリブレーションを必要としない。

地形の特徴が

表 B.1 に示す最大傾斜限界値の 1.5 倍以内の場合,サイトキャリブレーションの要不要を

決定するために流れモデルを用いることができる。流れモデルは,該当地形のタイプに対して(精度を)

検証する。風速計と風車ハブ高さの位置との間の風速差が,計測方位区分内において,風速 10 m/s で 1 %

以下であることが流れモデルによって示す場合,サイトキャリブレーションの計測は不要である。

上記以外の場合は,サイトキャリブレーションによる計測が必要である。

表 B.1−試験サイトの要求事項:地形的変化

距離

方位区分

最大傾斜

%

平面からの最大地形化

<2 L 360 度

<3

a)

<0.04(HD

≧2 及び 4

L

計測方位区分

<5

a)

<0.08(HD

≧2 及び< 4  L

計測方位区分以外

<10

b)

適用されない

≧4 及び< 8  L

計測方位区分

<10

a)

<0.13(HD

a)

  方位区分内の地形に最もよく一致し,かつ,タワーの基部を通る平面の最大傾斜。

b)

  タワーの基部を方位区分内の個別地形点に結ぶ直線のうち,最も傾斜の強い直線。

図 B.1−評価対象地点の平面図


31

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

附属書 C 

規定)

サイトキャリブレーション手順

C.1

  一般

サイトキャリブレーションは,出力性能計測に及ぼす地形及び障害物の影響を定量化し減らす可能性が

ある。地形及び障害物は,出力性能を行うための風速計が取り付けられている気象観測マスト上の位置及

び風車ロータの中心の間で,風速の系統的な差の原因となり得る。

サイトキャリブレーションの重要な結果は,計測方位区分内のすべての風向に対する気流のゆがみを補

正する係数の表を作成することである。もう一つの結果は,これらの補正係数の不確かさの推定である。

試験は,許容できる計測方位区分への変更を正当化する情報を与える。

C.2

  試験セットアップ

風車の据付け前又は撤去後,二つの気象観測マストを立てる。一つのマストは,基準位置となる気象観

測マストで出力性能試験にも用いる。第 2 のマストは,風車位置のマストである。試験セットアップは,

二つの風速計,一つの風向計,データ処理及び記録システムで構成される必要がある。基準位置風速計及

び風向計は,出力性能試験にも用いられる気象観測マスト上に取り付ける。風車位置風速計は,仮のマス

ト上の,設置する又は設置された風車のハブ高さ位置に可能な限り近くの位置に取り付ける。この風速計

は,ハブ高さの±2.5 %以内に設置し,また,そのマストは風車タワー中心線から可能な限り近く,0.2  H

は風車ハブ高さ)以内に建てる。サイトの気流のゆがみに関する追加情報を提供するために,第 2 の

風向計を風車位置の仮のマスト上に取り付けてもよい。

サイトキャリブレーションで用いるセンサは,箇条 の要求事項を満たす。風速計は,同じ動作特性の

同一タイプとする。風速計は,同じ風速計校正期間中に校正する。この要件が満たされない場合は,風速

計に関する追加すべき不確かさを考慮する。

C.3

  データ収録及び分析

データは,出力性能試験の場合と同じサンプリングレートで連続的に収録する。データセットは,連続

した計測データから得られる 10 分間に基づく。各 10 分間の平均,標準偏差,最小及び最大値が導かれ,

蓄積する。

データセットは,風向ビンに分類する。各ビン幅は,10°以下である。ただし,風向ビン(の幅)は,

風向方位区分の不確かさ以下ではない。

データセットは,次に示す状況下ではデータベースから削除する。

a)

試験装置の故障又は性能低下(例えば,氷結による。

b)  5.2.2

に規定する計測方位区分以外の風向

c) 4

m/s 未満又は 16 m/s を上回る平均風速

d)

出力性能試験中,データ削除の基準として用いられるその他の特別な大気状態

最低でもサイトキャリブレーションデータセットは,

各非除外風向ビンに対して 24 時間分のデータから

なる。これらの各ビンにおいて,少なくとも 6 時間分は 8 m/s 超の風速に対するデータとし,少なくとも 6

時間分は 8 m/s 以下の風速に対するデータとする。


32

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

これらの最小限の要求事項に加えて,試験をモニターしてデータが収れん(斂)することを確認する

5)

サイトキャリブレーションデータベースから,各方位区分に対して,地形による気流のゆがみ補正係数

α

j

[風車位置の風速と(参照)気象観測マストの風速との比]の平均を求める。

5)

このための説明に最も役立つグラフは,ビン当たりの時間数に対する正規化移動平均値のプロ

ットである。各移動平均値は,分析の日の時点で得られた最終平均によって正規化する。移動

平均値は,多くのサイトでは,8∼16 時間のデータを集めれば最終平均値の 1 %以内に収れんす

る。ビン当たり 24 時間以上のデータが得られるまで続ければ,これを更に 0.5 %程度まで収れ

んさせることができる。一つ以上の移動平均値が安定するように見えた後に正規化値 1 からず

れる場合,風速計又は風向計に問題が起きていないことを保証するために,更にデータセット

を分析するのがよい。

C.4

  不確かさ分析

気流のゆがみ補正係数の計測の不確かさは,

附属書 に従って決定する。合成不確かさを各風向ビンに

対して計算した例を

附属書 に示す。

C.5

  最終計測方位区分の選択

附属書 によってサイト評価をしようとしても,計測方位区分の気流のゆがみ補正係数を決定するのに

十分なデータが得られない場合がしばしばある。さらに,ゆがみ補正係数は,風向ビンの間で突然変化す

ることがある。気流のゆがみ補正係数が隣接する方位区分に対して 0.02 以上異なる場合,計測方位区分か

らその風向を除外することを推奨する。

場合によっては,障害物が,計測された気流のゆがみ補正係数に対して検知可能な影響を与えないこと

を,サイトキャリブレーションは示すこともある。そのような場合,計測方位区分は,

附属書 の要求事

項を超えて増加してもよい。ただし,計測方位区分の増加は,妨害物からの後流がハブ高さの風速計に影

響を与えない場合でも供試風車のロータに影響を与えることはあり得るので,その可能性について考慮す

る。

C.6

  報告書に関する要求事項

サイトキャリブレーションの報告書に要求される事項は,箇条 による。

C.7

  結果の検証

サイトキャリブレーションを実施する場合,二つのマストの計測値から導かれるサイトキャリブレーシ

ョンそのものは,出力曲線計測中の風車で直接計測したデータを用いて確認することができる。

定格出力以下では,風車に流入する風速は,発電出力の時間平均値から,計測された出力曲線を用いて

導出することができる。発電出力から推定した風速と気象観測マストで計測された風速との比を,風向に

対してビン平均すれば,この風速比は,風車を設置する前のサイトキャリブレーションによって得られた

気流のゆがみ補正係数と理想的には一致する。


33

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

附属書 D 

規定)

計測における不確かさの評価

この附属書は,計測における不確かさの決定に関する要求条件を取り扱う。ビンの方法による不確かさ

を決定する理論的根拠は,不確かさの計算例とともに

附属書 に示す。

実測出力曲線は,計測の不確かさの推定値によって補う。この推定は,ISO/IEC Guide 98-3(計測にお

ける不確かさの表現に対する指針)に基づく。

ISO/IEC Guide 98-3

によるとカテゴリ A 及びカテゴリ B の 2 種類の不確かさがある。カテゴリ A は,

その大きさを計測値から導き出すことができ,カテゴリ B は,ほかの手段によって推定する。両カテゴリ

とも,不確かさは標準偏差として表され,標準不確かさと呼ばれる。

a)

被計測量  被計測量は,発電出力,風速の計測,正規化されたビン値によって決定される出力曲線(8.1

及び 8.2 参照)及び推定年間発電量(8.3 参照)である。計測値における不確かさは,感度係数によっ

て被計測量の不確かさに変換される。

b)

不確かさの要素  表 D.1 は,不確かさを分析に含めるべき不確かさパラメータの最小限のリストであ

る。


34

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

表 D.1−不確かさ要素の表

計測パラメータ

不確かさ要素

不確かさのカテゴリ

電力

変流器

計器用変圧器 
電力変換器又は電力計測機器 
データ収録システム(

注記参照)

電力の変動性





A

風速

風速計校正 
動作特性

取付効果 
データ収録システム(

注記参照)

地形による気流のゆがみ





B

大気温度

温度センサ 
ふく射遮へい

取付効果 
データ収録システム(

注記参照)




B

大気圧

圧力センサ 
取付効果 
データ収録システム(

注記参照)



B

データ収録システム

信号伝送 
システム精度

信号調節



B

注記  風車の 10 分間平均発電量が,ハブ高さにおいて計測される 10 分間平均風速

及び大気密度によって完全に説明される,ということを暗黙に仮定している
が,これは実は正しくはない。発電量に影響する気流変数はこれ以外にもあ
るので,ハブ高さ風速及び大気密度が同じであっても,異なるサイトでは,

同じ風車が異なる出力を発生する。これらの変数には,風速の(三次元方向
の)乱流変動,気流ベクトルの水平に対する傾き,乱流のスケール,ロータ
に対する平均風速シアなどがある。現時点においては,解析ツールはこれら

の変数の影響を同定するにほとんど役立たないし,また,実験的方法も同様
に難問に直面している。

その結果は,出力曲線はサイトによって変わるということである。しかし,

その他の支配的な変数は計測されたり,考慮されないので,出力曲線の変量
は不確かさとして表れることになる。

この見掛けの不確かさは,異なる地形及び気候状態下で,すなわち均質な

地形で計測される AEP を,均質でない地形のウィンドファームサイトで計測
される AEP と比較するとき観測される発電量の差から生じる。

この見掛けの不確かさの定量化は難しい。サイトの状態及び気候によって

不確かさは数%になり得る。地形の複雑さが増したり,中立でない大気の状
態の頻度が増すと,一般的に,不確かさは増加すると考えてよい。


35

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

附属書 E

参考)

ビンの方法を用いる計測の不確かさを決定する理論的根拠

E.1

  一般

ビン における出力の合成標準不確かさ u

c,

i

は,その最も一般的な形式として,式(E.1)のように表すこと

ができる。

∑ ∑

M

k

M

l

j

i

l

k

i

l

i

l

i

k

i

k

i

u

c

u

c

u

1

1

,

,

,

,

,

,

,

2

c,

ρ

(E.1)

ここに,

c

k,i

ビン における要素 の感度係数

u

k,i

ビン における要素 の標準不確かさ

M: 各ビンにおける不確かさ要素の個数

ρ

k,l,ij

ビン における不確かさ要素 とビン における不確か
さ要素 との間の相関係数(この式において要素 及び
は両方ともビン の中に存在する。)。

不確かさ要素は,各計測パラメータの不確かさに対する個別入力数量である。推定年間発電量における

合成標準不確かさ u

AEP

は,その最も一般的な形式として,式

(E.2)

のように表すことができる。

j

i

l

k

j

l

j

l

j

i

k

i

k

N

i

N

j

M

k

M

l

i

AEP

u

c

f

u

c

f

N

u

,

,

,

,

,

,

,

2

h

2

ρ

∑ ∑ ∑ ∑

(E.2)

ここに,

f

i

V

i

1

V

i

との間の風速の相対出現回数。すなわち,ビン

i

内における

F

 (

V

i

)−

F

 (

V

i

1

)

F

 (

V

): 風速のレイリー累積確率分布関数

N

ビン数

N

h

1 年間の時間数=8 760

相関係数

ρ

k,l,ij

のすべての値を直接導くことはほとんど不可能であり,一般に相当な単純化が必要である。

合成標準不確かさの上記の式を実用的なレベルまで単純化するために,次の仮定をおく。

−  不確かさ要素は,完全に相関しているか(

ρ

=1,合成標準不確かさを得るために線形和をとることを

意味する。

)又は独立(

ρ

=0,二乗和を意味する,すなわち,合成標準不確かさは不確かさ要素の二

乗和の平方根。

)のいずれかである。

−  すべてのカテゴリ A 不確かさ要素は,相互に独立で,また,カテゴリ A 及びカテゴリ B の不確かさ

要素は独立である(それらが同一ビンに属するか,又は異なるビンに属するかのいずれかである。

一方,カテゴリ B 不確かさ要素は,相互に完全に相関している(例えば,異なるビンにおける電力ト

ランスデューサ中の不確かさ。

これらの仮定を用いると,あるビン内の出力の合成不確かさ

u

c,

i

は,式(E.3)によって表現できる。

A

B

2

2

2

,

2

,

2

,

2

,

2

c,

M

k

M

k

i

i

i

k

i

k

i

k

i

k

i

u

s

u

c

s

c

u

(E.3)

ここに,

M

A

カテゴリ A 不確かさ要素の数

M

B

カテゴリ B 不確かさ要素の数

s

k,i

ビン

i

における要素

k

のカテゴリ A 標準不確かさ

s

i

ビン

i

における合成カテゴリ A 不確かさ

u

i

ビン

i

における合成カテゴリ B 不確かさ

2

c,i

u

は,ビンのサイズから独立でないことに注意するのがよい。それは,

s

p,

i

が当該ビン中のデータセッ

ト数に依存しているためである[式(E.10)参照]


36

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

上記の仮定は,発電量における合成標準不確かさ

u

AEP

について式(E.4)が成り立つことを意味する。

2

1

1

,

,

2

h

2

,

2

,

2

2

h

2

B

A

∑ ∑

M

k

N

i

i

k

i

k

i

N

i

M

k

i

k

i

k

i

AEP

u

c

f

N

s

c

f

N

u

(E.4)

この式の第 2 項の意味は,個々の要素についてビン間完全相関の仮定を適用することによって,各個別

カテゴリ B 不確かさ要素がそれと対応する

AEP

不確かさになるということである。次に,合成ビン間合成

不確かさ要素が二乗的に加えられて最終結果の

AEP

不確かさが得られる。

実際問題として,カテゴリ B 不確かさ要素を個別に合成する前に,それらをビン間で加え合わせる計算

は面倒である。カテゴリ B 不確かさ要素をビン間で合成する前に,近似的にビン内で合成できるとすれば

(すなわち,

s

i

及び

u

i

を用いることができるので)

,次のより便利な式(E.5)が導かれる。

2

1

2

h

2

1

2

2

h

2

1

2

,

2

,

1

2

h

2

,

2

,

2

2

h

2

A

B

⎟⎟

⎜⎜

N

i

i

i

i

N

i

i

N

i

M

k

M

k

i

k

i

k

N

i

i

i

k

i

k

i

AEP

u

f

N

s

f

N

u

c

f

N

s

c

f

N

u

(E.5)

この式から得られる u

AEP

は,常に式

(E.4)

から得られる値に等しいか大きい。

E.2

  拡張不確かさ

出力曲線及び AEP の合成標準不確かさは,

拡張不確かさによって表すこともできる。

ISO/IEC Guide 98-3

に従い,かつ,正規分布を仮定すると,

表 E.1

に示す適用範囲係数を合成標準不確かさに乗じることによ

って,

表 E.1

に示す信頼度をもつ区間を算出することができる。

表 E.1

拡張不確かさ

信頼度

適用範囲係数

%

68.27 1 
90 1.645 
95 1.960 
95.45 2 
99 2.576 
99.73 3

E.3

  例

次の例では,実測出力曲線の各ビンのカテゴリ

A

及びカテゴリ

B

不確かさを推定する。出力曲線の不確

かさを導き,次に AEP の不確かさを推定する。

この例では,

ISO/IEC Guide 98-3

及び上記の仮定に従う。式

(E.5)

に従ってカテゴリ

B

不確かさ要素の組

合せを用いて,まず,各ビン内のすべての不確かさ要素を合成することによって各計測パラメータの合成

カテゴリ

B

不確かさを表すことができ,これを風速の例で行うと式

(E.6)

を得る。

2

V2,

2

V1,

2

V,

i

i

i

u

u

u

(E.6)

ここに,不確かさ要素は

表 E.2

の不確かさ要素を参照し,使用記号及び添字は

表 E.2

に示すとおりであ

る。次に,式

(E.7)

及び式

(E.8)

に示すように,被計測量の標準不確かさをビン 中の計測パラメータの不確

かさによって表すことができる。


37

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

2

B,

2

B,

2

T,

2

T,

2

V,

2

V,

2

P,

2

P,

2

c,

i

i

i

i

i

i

i

i

i

u

c

u

c

u

c

u

s

u

(E.7)

2

2

m,

2

m,

2

B,

2

B,

2

T,

2

T,

2

V,

2

V,

2

P,

2

w

2

P,

2

2

h

2

N

i

N

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

APE

u

c

u

c

u

c

u

c

u

f

s

s

f

N

u

(E.8)

ここに,データ収録システムによる不確かさは,各計測パラメータの不確かさの一部であり,また,地

形による気流のゆがみは風速の不確かさに含まれる。気象変化に関する不確かさ s

w

は別途評価する。

この例では,

表 D.1

に従って不確かさ分析に含めるべき不確かさ要素だけを考慮している。

図 2

図 3

及び

表 1

に示す実測出力曲線をこの例で用いる。出力曲線は,最終ビンの出力である一定出力で

25 m/s

カットアウト風速まで外挿されている。この例における不確かさ分析の結果も

図 3

表 1

及び

表 2

に示す。

すべての感度計数は

表 E.4

及び

表 E.5

に示し,カテゴリ

B

不確かさは

表 E.6

及び

表 E.7

に示す。

E.4

  カテゴリ 不確かさ

考慮する唯一のカテゴリ

A

不確かさは,各ビン中の計測・正規化出力データの不確かさである。

E.4.1

  電力におけるカテゴリ 不確かさ

各ビンにおける正規化出力データの分布の標準偏差は,式

(E.9)

によって計算する。

2

1

,

n,

P,

)

(

1

1

i

N

j

j

i

i

i

i

P

P

N

σ

(E.9)

ここに,

σ

P,

i

ビン における正規化出力データの標準偏差

N

i

ビン における

10

分間データセット数

P

i

ビン における正規化平均出力

P

n,

ij

ビン におけるデータセット の正規化出力


38

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

表 E.2

カテゴリ 及び 不確かさの表

カテゴリ B:計測器

不確かさの確認

規格

不確かさ

感度

出力

変流器* 
計器用変圧器* 
電力トランスデューサ*又は

電力計測機器*




c

JIS C 1731-1

JIS C 1731-2

JIS C 1111 

u

P,i

u

P1,i

u

P2,i

u

P3,i

u

P4,i

c

P,i

=1

風速 
風速計*

動作特性* 
取付効果*

b

cd

c

u

V,i

u

V1,i

u

V2,i

u

V3,i

c

V,i

1

1

i

i

i

i

V

V

P

P

大気密度 
温度 
温度センサ*

ふく射遮へい* 
取付効果* 
大気圧

圧力センサ* 
取付効果*

 

a

cd

 


c

 
 
 
 
 
JIS W 0201 
 

u

T,i

u

T1,i

u

T2,i

u

T3,i

u

B,i

u

B1,i

u

B2,i

c

T,i

K

15

.

288

i

P

c

B,i

hPa

013

1

i

P

データ収録システム 
信号伝送* 
システム精度*

信号調節*

b

cd

u

d,i

u

d1,i

u

d2,i

u

d3,i

感度係数は実際の不確かさ
パラメータから導く。

カテゴリ B:地形

地形による気流のゆがみ* bc

u

V4,i

c

V,i

(上記参照)

カテゴリ B:方法

方法 
大気密度補正

cd

u

m,i

u

m1,i

 
c

T,i

及び c

B,i

カテゴリ A:統計

電力*

気候


e

s

P,i

s

w

c

P,i

=1

注記  不確かさの確認は,次による。 

a:規格参照

b:校正

c:その他の“客観的”方法

d:“推測による見積り”

e:統計

注*

不確かさ解析のために必要なパラメータ

ビン中の正規化平均出力の標準不確かさは,式

(E.10)

によって算出する。

i

i

i

i

N

s

s

P,

P,

σ

=

=

(E.10)

ここに,

s

P,

i

ビン における出力のカテゴリ

A

標準不確かさ

σ

P,

i

ビン における正規化出力データの標準偏差

N

i

ビン における

10

分間データセット数

E.4.2

  気象変数のカテゴリ 不確かさ

大気成層が安定(ウィンドシアが大きく低い乱れ)若しくは不安定(ウィンドシアが小さく高い乱れ)

又は風向が頻繁,及び/又は大きく変化するような,試験結果に系統的に影響する特別な大気の状態の下

で出力性能試験が行われることがある。この場合の気象上の不確かさ s

w

の大きさのオーダは,次の方法で


39

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

確かめることができる。

a)

データ記録をセグメントに分割する。ただし,各セグメントは出力の(統計的)不確かさが過大にな

らないよう十分な長さとする。

b)

(セグメントごとに)導出された出力曲線のそれぞれに対して年間発電量を見積もる。

c)

見積もられた年間発電量の標準偏差を計算する。

E.5

  カテゴリ 不確かさ

カテゴリ

B

不確かさは,計測器,データ収録システム及び出力性能試験サイトを囲む地形に関係するも

のと考えられる。これらの不確かさが不確かさ限界として表現する場合又は潜在的に

1

以外の適用範囲係

数をもつ場合は,標準不確かさを推定し又はこれらの不確かさを標準不確かさに適正に変換する。

注記

不確かさ限界±として表現された不確かさを考える。く(矩)形確率分布を仮定した場合,

標準不確かさは,式

(E.11)

によって表す。

3

U

σ

 (E.11)

三角形確率分布を仮定した場合,標準不確かさは,式

(E.12)

によって表す。

6

U

σ

(E.12)

E.5.1

  データ収録システムのカテゴリ 不確かさ

データ収録システムにおける伝送,信号調節,アナログ∼デジタル変換及びデータ処理から発生する不

確かさがある。この不確かさは,計測チャンネルごとに異なる。ある計測チャンネルのフルレンジに対す

るデータ収録システムの標準不確かさ u

d,

i

は,式

(E.13)

によって表すことができる。

2

d3,

2

d2,

2

d1,

d,

i

i

i

i

u

u

u

u

=

(E.13)

ここに,

u

d1,

i

ビン における信号伝送及び信号調節における不確かさ

u

d2,

i

ビン におけるデジタル化による不確かさ,例えば,量子
化による不確かさ

u

d3,

i

ビン における総合データ収録システムのほかの部分(ソ
フトウェア及びデータ保存システム)の不確かさ

この例においては,データ収録システムが各計測チャンネルのフルレンジに対して

0.1 %

の標準不確か

さ u

d,

i

をもつと仮定した。

E.5.2

  電力におけるカテゴリ 不確かさ

出力センサの不確かさは変流器,計器用変圧器及び電力トランスデューサの不確かさに由来する。これ

らのサブコンポーネントの不確かさは,一般にそれらの等級によって表現する。

各ビンの電力の標準不確かさ u

P,

i

は,電力トランスデューサ,変流器,電圧変成器及びデータ収録シス

テムの標準不確かさを合成することによって式

(E.14)

のように計算する。

2

dP,

2

P3,

2

P2,

2

P1,

P,

i

i

i

i

i

u

u

u

u

u

=

(E.14)

ここに,

u

P1,

i

ビン における変流器の不確かさ

u

P2,

i

ビン における計器用変圧器の不確かさ

u

P3,

i

ビン における電力トランスデューサの不確かさ

u

dP,

i

ビン における出力チャンネルに対するデータ収録シス
テムの不確かさ


40

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

この例では,変流器,計器用変圧器及び電力トランスデューサはすべてクラス

0.5

と仮定する。

クラス

0.5

の変流器(変流器の公称電流は,ここでは公称出力の

200 %

ではなく,公称出力

1 000 kW

合わせることとする。

。これらの変流器は,

JIS C 1731-1

によると,変流器定格電流(

100 %

負荷時)にお

いて±

0.5 %

の不確かさ限界をもっている。

しかし,

定格電流の

20 %

及び

5 %

電流における不確かさ限界は,

それぞれ,±

0.75 %

及び±

1.5 %

に増大する。風車の出力性能試験においては,定格電力以下の領域におけ

る発電が最も重要である。したがって,定格電流の

20 %

電流における不確かさ限界±

0.75 %

が平均として

妥当と思われる。不確かさ分布は,く(矩)形と仮定する。

3

個の変流器の不確かさは,大気温度,電力

系統周波数などの外部影響要因によって引き起こされると仮定する。したがって,それらは完全に相関し

ていると仮定し(一般仮定からの除外)

,線形的に加え合わせる。各変流器は出力計測に

1/3

だけ貢献する

ので,すべての変流器の不確かさは,式

(E.15)

のとおり出力に比例する。

)

kW

(

%

43

.

0

3

3

1

3

)

kW

(

%

75

.

0

,

1

P

i

i

i

P

P

u

×

=

×

×

×

=

(E.15)

クラス

0.5

の計器用変圧器は,

JIS C 1731-2

によると,すべての負荷において電圧の±

0.5 %

の不確かさ

限界をもっている。不確かさ分布は,く(矩)形と仮定する。電力系統電圧は,一般にかなり安定してお

り,風車の出力の影響を受けない。

3

個の計器用変圧器の不確かさは,変流器の場合と同様に大気温度及

び電力系統周波数のような外部影響要因によって引き起こされると仮定する。したがって,それらは完全

に相関していると仮定し(一般仮定からの除外)

,線形的に加え合わせる。各計器用変圧器は,出力計測に

1/3

だけ寄与するので,すべての計器用変圧器の不確かさは,式

(E.16)

のとおり出力に比例する。

)

kW

(

%

29

.

0

3

3

1

3

)

kW

(

%

5

.

0

P2,

i

i

i

P

P

u

×

×

×

×

(E.16)

変流器及び計器用変圧器がそれらの二次ループの動作負担限界内で動作しない場合,更に不確かさを追

加する。

クラス

0.5

の電力トランスデューサは,

JIS C 1111

によると,

2 000 kW

の公称出力のとき(風車の公称

出力

1 000 kW

200 %

10 kW

の不確かさ限界をもっている。不確かさ分布は,く(矩)形と仮定する。

したがって,電力トランスデューサの不確かさは,式

(E.17)

のとおりとなる。

kW

8

.

5

3

kW

10

P3,

i

u

(E.17)

計測チャンネルの電力適用範囲が

2 500 kW

であり,データ収録システムの不確かさがこの適用範囲にお

いて

0.1 %

であることを考慮すると,各ビンの出力センサによる標準不確かさは,式

(E.18)

によって与えら

れる。

2

2

2

2

2

2

P,

)

kW

3

.

6

(

)]

kW

(

%

52

.

0

[

)

kW

500

2

%

1

.

0

(

)

kW

8

.

5

(

)]

kW

(

%

29

.

0

[

)]

kW

(

%

43

.

0

[

 =

i

i

i

i

P

P

P

u

×

×

×

×

····(E.18)

E.5.3

  風速におけるカテゴリ 不確かさ

風速計測の不確かさは,数個の不確かさ要素の組合せである。通常,最も重大な要素は,地形による気

流のゆがみ,カップ形風速計の動作特性,風速計の取付効果及び風速計校正の不確かさである。地形が

属書 B

の要求条件を満たす場合,地形による気流のゆがみは,風車から気象観測マストまでの距離に応じ

2 %

又は

3 %

とする。

附属書 C

に従って実験的試験サイトキャリブレーションを行う場合,このキャリ

ブレーションから導かれる標準不確かさを用いる。取付効果による気流のゆがみ(

附属書 G

参照)は,風

速計をマスト頂部の管上に取付けしない場合,大きな値となることがある。風速計校正の不確かさ(

附属


41

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

書 F

参照)及び動作特性による不確かさ(

附属書 I

参照)が支配的となることがある。

ビン における風速から生じるカテゴリ

B

不確かさ u

V,

i

は,式

(E.19)

によって表す。

2

dV,

2

V4,

2

V3,

2

V2,

2

V1,

V,

i

i

i

i

i

i

u

u

u

u

u

u

(E.19)

ここに,

u

V1,

i

ビン における風速計校正の不確かさ

u

V2,

i

ビン における風速計の動作特性による不確かさ

u

V3,

i

ビン における取付効果による気流のゆがみの不確かさ

u

V4,

i

ビン における地形による気流のゆがみの不確かさ

u

dV,

i

ビン における風速に対するデータ収録システムによる不
確かさ

感度係数は,式

(E.20)

で表される実測出力曲線の局所的なこう配として決定する。

1

1

V,

i

i

i

i

i

V

V

P

P

c

(E.20)

風速計校正の標準不確かさは

0.1 m/s

とする。風速計の動作特性による不確かさは,風速計のクラス(

属書 I

参照)から導かれ,ここではクラス

1.2 A

とする。く(矩)形の不確かさ分布を仮定すると,この

クラスは

0.034 m/s

0.003 4

V

i

の不確かさに対応する。取付効果による気流のゆがみの不確かさは風速の

1 %

とする。計測チャンネルに対して

30 m/s

の風速範囲及びこの範囲で

0.1 %

のデータ収録システムの不確

かさを考慮すると,データ収録からの標準不確かさは

0.03 m/s

である。この例では,サイトキャリブレー

ションを行わないと仮定する。また,地形による気流のゆがみは,風速の

3 %

とする。各風速ビンの不確

かさは,式

(E.21)

によって与えられる。

2

2

2

2

2

2

2

2

V,

)]

(m/s

4

003

.

0

m/s

034

.

0

[

]

)

m/s

(

032

.

0

[

)

m/s

104

.

0

(

)

m/s

30

001

.

0

(

)]

m/s

(

03

.

0

[

]

)

m/s

(

01

.

0

[

)]

m/s

(

4

0.003

m/s

034

.

0

[

)

m/s

1

.

0

(

i

i

i

i

i

i

V

V

V

V

V

u

×

×

×

×

×

×

  

(E.21)

サイトキャリブレーションを行った場合,サイトキャリブレーションによる不確かさを,一定値(

2 %

又は

3 %

)の代わりに,地形による気流ゆがみの不確かさ u

V4,

i

として含める。各風向ビンの気流補正係数

のカテゴリ

A

の不確かさは,実測気流補正係数(風車位置の風速と気象観測マストの風速との比)の分布

から決定する。各ビンの分布の標準偏差は,s

α,  j

でカテゴリ

A

不確かさは,平均値の標準偏差 s

α,  j

/

    で

ある。ここに,N

j

は風向ビン における風速比の数である。校正の不確かさは,出力曲線計測に対するそ

れと同じである。サイトキャリブレーションにおける

2

台のカップ形風速計の動作の不確かさは,カップ

形風速計が同じタイプの場合,相互に関係しており(同じ特性と考えられるので)

,したがって無視してよ

い。

サイトキャリブレーション不確かさ(各風向ビン に対する風速の比)は,式

(E.22)

で与えられる。

j

j

i

i

i

i

j

i

N

s

V

u

V

u

u

2

α,

2

2

dV,

2

2

V1,

,

α,

2

2

(E.22)

ここに,

u

α,ij

風速ビン 及び風向ビン におけるサイトキャリブレーシ
ョンの不確かさ

u

V1,

i

ビン における風速計校正の不確かさ

u

dV,

i

ビン における風速に対するデータ収録システムによる
不確かさ

s

α, j

風向ビン における風速比の標準偏差

N

j

風向ビン における風速比の数

j

N


42

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

サイトキャリブレーションは,風速に左右される。特定の風速,例えば

10 m/s

に対するサイトキャリブ

レーションの不確かさを示すことを推奨する。箇条

6

では,不確かさは,三つの風速に対して計算すると

規定されている。サイトキャリブレーションに起因する不確かさを

表 E.3

に示す。

風速不確かさにサイトキャリブレーション不確かさが含まれる場合は,

(風速不確かさの計算において)

サイトキャリブレーション不確かさに感度係数を乗じる。

この場合の感度係数は,

各ビンの風速に等しい。

j

i

j

i

i

j

i

N

V

s

u

u

u

/

2

2

2

2

α,

2

dV,

2

V1,

,

V4,

(E.23)

出力曲線の各風速ビンの不確かさは,サイトキャリブレーションの各風向ビンに対して,その風速ビン

におけるデータ数で重み付けられる。

j

j

i

j

i

j

j

i

i

N

N

u

u

,

,

,

V4,

V4,

(E.24)

ここに,

N

ij

風速ビン 及び風向ビン に対する出力曲線データセット
の数

E.5.4

  大気密度におけるカテゴリ 不確かさ

大気密度は,大気温度及び大気圧の計測値から導かれる。

大気温度の計測は,次の不確かさ要素を含むことがある。

温度センサ校正の不確かさ

温度センサの不完全なふく射遮へい(遮へい不良は,センサの温度上昇を引き起こす。

)による不確か

取付効果による不確かさ(温度センサがハブ高さに設置されない場合,大気温度鉛直分布の昼夜間変

動が温度の推定に影響を及ぼす。

各ビンの計測大気温度における標準不確かさ u

T,

i

は,式

(E.25)

のように表すことができる。

2

dT,

2

T3,

2

T2,

2

T1,

T,

i

i

i

i

i

u

u

u

u

u

(E.25)

ここに,

u

T1,

i

ビン における温度センサ校正の不確かさ

u

T2,

i

ビン における温度センサの不完全なふく射遮へいによ
る不確かさ

u

T3,

i

ビン における温度センサの取付効果による不確かさ

u

dT,

i

ビン における大気温度に対するデータ収録システムに
よる不確かさ

海抜

0

メートルにおける大気温度計測の感度係数は,式

(E.26)

によって推定する。

)

kW/K

(

15

.

288

T,

i

i

P

c

(E.26)

大気圧センサがハブ高さに位置していない場合,大気圧センサの計測において大気圧を補正する補正係

数を用いることがある。この場合,この補正による不確かさを考慮することになる。圧力センサの不確か

さ(校正)を含める。各ビンの計測大気圧の標準不確かさ u

B,

i

は,式

(E.27)

によって与えられる。

2

dB,

2

B2,

2

B1,

B,

i

i

i

i

u

u

u

u

(E.27)

ここに,

u

B1,

i

ビン における大気圧センサ校正の不確かさ

u

B2,

i

ビン における大気圧センサの取付効果による不確かさ


43

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

u

dB,

i

ビン における大気圧センサに対するデータ収録システム
による不確かさ

海抜

0

メートルにおける大気圧計測の感度係数は,式

(E.28)

によって推定する。

)

kW/hPa

(

013

1

B,

i

i

P

c

(E.28)

平均大気温度が高い場合,相対湿度による不確かさが大きくなる。海抜

0

メートル,

20

℃の大気温度に

おいて大気密度は,相対湿度

0 %

から

100 %

の間で

1.2 %

変化する。

30

℃及び

40

℃においては,それぞれ,

2.0 %

及び

4.0 %

変化する。したがって,温度が高い場合には,相対湿度を計測し,それに応じて補正する

よう推奨する。相対湿度の影響は,この例では考慮していない。

温度センサの標準不確かさは,

0.5

℃と仮定する。温度センサの遮へいは,

2

℃の標準不確かさを発生

すると仮定する。温度センサの取付効果による標準不確かさは,ハブ高さからの垂直距離に依存する。

10 m

を超える場合,ハブ高さからの距離

10 m

以内では,

1/3

℃の標準不確かさを仮定する。計測チャンネルの

温度適用範囲が

40

℃であり,この適用範囲におけるデータ収録システムの不確かさが

0.1 %

であることを

考慮すると,各ビン中の大気温度の標準不確かさの式は,式

(E.29)

のとおりとなる。

K

1

.

2

)

K

40

%

1

.

0

(

)

K

3

.

0

(

)

K

0

.

2

(

)

K

5

.

0

(

2

2

2

2

T,

×

i

u

(E.29)

圧力センサは,3.0 hPa の標準不確かさをもつ。圧力は

JIS W 0201

に従ってハブ高さに関して補正され

るものと仮定する(それは,標準大気及びセンサとハブとの間の高度差 28 m に対して,3.4 hPa である。

配置による不確かさは,補正の 10 %(すなわち,0.34 hPa)とする。計測チャンネルの圧力適用範囲が 100

hPa であり,この適用範囲におけるデータ収録システムの不確かさが 0.1 %であることを考慮すると,大気

圧の標準不確かさの式は,式(E.30)のとおりとなる。

hPa

0

.

3

)

hPa

100

%

1

.

0

(

)

hPa

34

.

0

(

)

hPa

0

.

3

(

2

2

2

B,

×

i

u

(E.30)

E.5.5

  合成カテゴリ 不確かさ

各ビンのカテゴリ B 不確かさは,式(E.31)のように合成する。

]

)

hPa

0

.

3

(

)

K

1

.

2

[(

}

m/s)]

(

4

003

.

0

m/s

034

.

0

[

m/s)]

(

032

.

0

[

)

m/s

104

.

0

{(

)

kW

3

.

6

(

]

)

kW

(

%

52

.

0

[

2

2

B,

2

2

T,

2

2

2

2

V,

2

2

2

B,

2

B,

2

T,

2

T,

2

V,

2

V,

2

P,

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

c

c

V

V

c

P

u

c

u

c

u

c

u

u

×

×

×

(E.31)

E.5.6

  合成標準不確かさ−出力曲線

出力曲線の各ビンの合成標準不確かさは,カテゴリ A 不確かさをすべてのカテゴリ B 不確かさと合成す

ることによって式(E.32)のように算出する。

]

)

hPa

0

.

3

(

)

K

1

.

2

[(

}

]

)

m/s

(

4

0.003

m/s

034

.

0

[

)]

m/s

(

032

.

0

[

)

m/s

104

.

0

{(

)

kW

3

.

6

(

)]

kW

(

%

52

.

0

[

2

2

B,

2

2

T,

2

2

2

2

V,

2

2

2

P,

2

B,

2

B,

2

T,

2

T,

2

V,

2

V,

2

P,

2

P,

2

2

c,

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

c

c

V

V

c

P

s

u

c

u

c

u

c

u

s

u

s

u

 =

×

×

×

(E.32)

E.5.7

  合成標準不確かさ−発電量

AEP の合成標準不確かさは,カテゴリ A 及びカテゴリ B 不確かさをビンに関して個別に合成することに


44

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

よって式(E.33)のように算出する。

2

1

2

2

B,

2

2

T,

2

2

V,

2

2

2

V,

2

2

2

P,

1

2

h

2

1

2

1

2

h

]

)

hPa

0

.

3

(

K)

1

.

2

[(

}

)]

m/s

(

4

003

.

0

m/s

034

.

0

{[

}

)]

m/s

(

032

.

0

[

)

m/s

104

.

0

{(

)

kW

3

.

6

(

)]

kW

(

%

52

.

0

[

×

×

×

N

i

i

i

i

i

i

i

i

i

i

N

i

i

N

i

i

i

i

N

i

i

AEP

c

c

V

c

V

c

P

f

s

f

N

u

f

s

f

N

u

(E.33)

ここに,

f

i

=[(F

i

1

F

i

)+(F

i

F

i

1

)]/2 は,ビン における風速の平均出現率である。


45

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 E.3

サイトキャリブレーションに起因する不確かさ

ビン番号

風速

V

i

m/s

サイト

キャリブレーション

u,V

4,i

4 2.0  0.147 7 
5 2.5  0.147 7 
6 3.0  0.147 2 
7 3.5  0.147 3 
8 4.0  0.147 4 
9 4.5  0.147 9

10 5.0  0.147 5 
11 5.5  0.148 0 
12 6.0  0.148 1 
13 6.5  0.148 2 
14 7.0  0.147 8 
15 7.5  0.147 8 
16 8.0  0.148 4 
17 8.5  0.148 6 
18 9.0  0.148 8 
19 9.5  0.148 9 
20 10.0

0.149 0

21 10.5

0.149 2

22 11.0

0.149 3

23 11.5

0.149 4

24 12.0

0.149 4

25 12.5

0.149 9

26 13.0

0.149 8

27 13.5

0.149 9

28 14.0

0.150 0

29 14.5

0.150 1

30 15.0

0.150 3

31 15.5

0.150 3

32 16.0

0.150 7

33 16.5

0.151 3

34 17.0

0.151 2

35 17.5

0.152 3

36 18.0

0.153 0

37 18.5

0.152 2

38 19.0

0.152 1

39 19.5

0.153 9

40 20.0

0.154 1

41 20.5

0.150 5

42 21.0

0.151 2

43 21.5

0.154 8

44 22.0

0.153 0

45 22.5

0.153 3

46 23.0

0.155 7

47 23.5

0.156 7


46

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

表 E.4

感度係数

データベース A

出力曲線(データベース A)

感度係数

ビン番号 i

風速 V

i

電力 P

i

風速 c

V,i

大気温度 c

T,i

大気圧 c

B,i

 m/s  kW kW/ms kW/K

kW/hPa

 4

2.13

−3.64 1.71  0.01  0.00

 5

2.49

−3.65 0.01  0.01  0.00

 6

2.99

−3.78 0.27  0.01  0.00

 7

3.51

−2.19 3.06  0.01  0.00

 8

3.99

−0.43 3.65  0.00  0.00

 9

4.50

6.04

12.83

0.02

0.01

10 4.98  27.70  44.69  0.10  0.03 
11 5.52  67.39  74.00  0.23  0.07 
12 5.98  111.30  94.47  0.39  0.11 
13 6.51  160.95  95.05  0.56  0.16 
14 7.01  209.42  95.41  0.73  0.21 
15 7.50  261.96 107.51  0.91  0.26 
16 8.00  327.63 132.16  1.14  0.32 
17 8.50  395.23 136.16  1.37  0.39 
18 8.99  462.01 134.67  1.60  0.46 
19 9.49  556.06 187.71  1.93  0.55 
20 10.00  629.80  144.25

2.19

0.62

21 10.47  703.06  157.30

2.44

0.69

22 11.00  786.55  156.23

2.73

0.78

23 11.50  836.48  101.15

2.90

0.83

24 11.99  893.52  116.32

3.10

0.88

25 12.49  928.61  69.27

3.22

0.92

26 13.03  956.44  51.66

3.32

0.94

27 13.50  971.30  31.58

3.37

0.96

28 14.00  980.92  19.49

3.40

0.97

29 14.48  988.17  15.10

3.43

0.98

30 15.00  993.46  10.20

3.45

0.98

31 15.49  993.71

0.50

3.45

0.98

32 15.99  995.70

3.97

3.46

0.98

33 16.54  996.22

0.96

3.46

0.98

34 17.02  996.42

0.42

3.46

0.98

35 17.48  996.48

0.12

3.46

0.98

36 17.95  996.50

0.04

3.46

0.98

37 18.49  995.71

1.48

3.46

0.98

38 18.97  935.54  125.87

3.25

0.92

39 19.45  900.46  71.97

3.12

0.89

40 19.97  842.52  112.19

2.92

0.83

41 20.50  551.21  549.95

1.91

0.54

42 20.92  661.19  261.26

2.29

0.65

43 21.47  396.55  480.32

1.38

0.39

44 22.02  −6.30 738.89

0.02

0.01

45 22.60  494.34  861.43

1.72

0.49

46 23.00  231.88  656.95

0.80

0.23

47 23.56  193.49  67.81

0.67

0.19

48 24.02  −7.92 445.39

0.03

0.01

49 24.56  −6.34 2.89  0.02  0.01 
50 25.03  −6.30 0.08  0.02  0.01


47

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 E.5

感度係数

データベース B

出力曲線(データベース B)

感度係数

ビン番号

i

風速

V

i

電力

P

i

風速

c

V,i

大気温度

c

T,i

大気圧

c

B,i

m/s kW

kW/ms kW/K kW/hPa

4 2.13  −3.64 1.712 0.013

0.004

5 2.49  −3.65 0.014 0.013

0.004

6 2.99  −3.78 0.269 0.013

0.004

7 3.51  −2.19 3.062 0.008

0.002

8 3.99  −0.43 3.645 0.001

0.000

9 4.50

6.04  12.825  0.021  0.006

10 4.98  27.70  44.664  0.096  0.027 
11 5.52  67.39  74.049  0.234  0.067 
12 5.98  111.30  94.430  0.386  0.110 
13 6.51  160.95  95.019  0.558  0.159 
14 7.01  209.42  95.472  0.727  0.207 
15 7.50  261.96 107.566  0.909  0.259 
16 8.00  327.63 131.992  1.137  0.323 
17 8.50  395.23 136.290  1.372  0.390 
18 8.99  462.01 134.677  1.603  0.456 
19 9.49  556.06 187.824  1.930  0.549 
20 10.00  629.80  145.079

2.186  0.622

21 10.47  703.06  155.957

2.440  0.694

22 11.00  786.55  157.358

2.729  0.776

23 11.50  836.48  100.000

2.903  0.826

24 11.99  893.52  116.327

3.101  0.882

25 12.49  928.61  70.200

3.223  0.917

26 13.03  956.44  51.481

3.319  0.944

27 13.50  971.30  31.702

3.371  0.959

28 14.00  980.92  19.200

3.404  0.968

29 14.48  988.17  15.208

3.429  0.976

30 15.00  993.46  10.192

3.448  0.981

31 15.49  993.71

0.408

3.449  0.981

32 15.99  995.70

4.000

3.455  0.983

33 16.54  996.22

0.909

3.457  0.983

34 17.02  996.42

0.417

3.458  0.984

35 17.48  996.48

0.217

3.458  0.984

36 17.95  996.50

0.000

3.458  0.984

37 18.49  995.71

0.556

3.457  0.983

38 18.97  996.6

0.833

3.459  0.984

39 19.42  996.1

1.111

3.457  0.983

40 19.96  994.1

3.704

3.450  0.981

41 20.51  987.4

12.182

3.427  0.975

42 20.88  996.9

25.676

3.460  0.984


48

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

表 E.6

カテゴリ 不確かさ

データベース A

ビン番号

電力

風速

風速

大気温度

大気温度

大気圧

大気圧

i

u

P,i

u

V,i

c

V,i

u

V,i

u

T,i

c

T,i

u

T,i

u

B,i

c

B,i

u

B,i

 kW m/s kW  K  kW hPa kW

4  6.29 0.19  0.33 2.09  0.03  3.18 0.01 
5  6.29 0.19  0.00 2.09  0.03  3.18 0.01 
6  6.29 0.19  0.05 2.09  0.03  3.18 0.01 
7  6.29 0.19  0.60 2.09  0.02  3.18 0.01 
8  6.29 0.20  0.71 2.09  0.00  3.18 0.00 
9  6.29 0.20  2.53 2.09  0.04  3.18 0.02

10  6.29 0.20  8.86 2.09  0.20  3.18 0.09 
11  6.30 0.20 14.81 2.09  0.49  3.18 0.21 
12  6.32 0.20 19.05 2.09  0.81  3.18 0.35 
13  6.35 0.20 19.35 2.09  1.17  3.18 0.51 
14  6.39 0.21 19.57 2.09  1.52  3.18 0.66 
15  6.44 0.21 22.27 2.09  1.90  3.18 0.82 
16  6.52 0.21 27.70 2.09  2.37  3.18 1.03 
17  6.62 0.21 28.85 2.09  2.86  3.18 1.24 
18  6.74 0.21 28.86 2.09  3.35  3.18 1.45 
19  6.93 0.22 40.68 2.09  4.03  3.18 1.75 
20  7.09 0.22 31.64 2.09  4.57  3.18 1.98 
21  7.28 0.22 34.91 2.09  5.10  3.18 2.21 
22  7.51 0.22 35.13 2.09  5.70  3.18 2.47 
23  7.65 0.23 23.03 2.09  6.06  3.18 2.63 
24  7.82 0.23 26.81 2.09  6.48  3.18 2.81 
25  7.93 0.23 16.19 2.09  6.73  3.18 2.92 
26  8.02 0.24 12.24 2.09  6.93  3.18 3.00 
27  8.07 0.24  7.58 2.09  7.04  3.18 3.05 
28  8.10 0.24  4.74 2.09  7.11  3.18 3.08 
29  8.13 0.25  3.72 2.09  7.16  3.18 3.10 
30  8.14 0.25  2.55 2.09  7.20  3.18 3.12 
31  8.14 0.25  0.13 2.09  7.20  3.18 3.12 
32  8.15 0.26  1.02 2.09  7.22  3.18 3.13 
33  8.15 0.26  0.25 2.09  7.22  3.18 3.13 
34 8.15 0.26  0.11 2.09  7.22  3.18 3.13 
35  8.15 0.27  0.03 2.09  7.22  3.18 3.13 
36  8.15 0.27  0.01 2.09  7.22  3.18 3.13 
37  8.15 0.28  0.41 2.09  7.22  3.18 3.13 
38  7.96 0.28 35.16 2.09  6.78  3.18 2.94 
39  7.84 0.28 20.44 2.09  6.53  3.18 2.83 
40  7.67 0.29 32.32 2.09  6.11  3.18 2.65 
41  6.91 0.29

159.68 2.09  4.00  3.18 1.73

42  7.17 0.29 76.82 2.09  4.79  3.18 2.08 
43  6.62 0.30

144.22 2.09  2.87  3.18 1.25

44  6.29 0.30

224.40 2.09  0.05  3.18 0.02

45  6.80 0.31

265.85 2.09  3.58  3.18 1.55

46  6.41 0.31

205.65 2.09  1.68  3.18 0.73

47  6.37 0.32 21.58 2.09  1.40  3.18 0.61 
48  6.29 0.28

125.27 2.09  0.06  3.18 0.02

49  6.29 0.29  0.83 2.09  0.05  3.18 0.73 
50  6.29 0.29  0.02 2.09  0.05  3.18 0.61


49

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 E.7

カテゴリ 不確かさ

データベース B

ビン番号

電力

風速

風速

大気温度

大気温度

大気圧

大気圧

i

u

P,i

u

V,i

c

V,i

u

V,i

u

T,i

c

T,i

u

T,i

u

B,i

c

B,i

u

B,i

 kW m/s kW  K  kW hPa kW

4  6.29 0.19  0.33 2.09  0.03  3.18 0.01 
5  6.29 0.19  0.00 2.09  0.03  3.18 0.01 
6  6.29 0.19  0.05 2.09  0.03  3.18 0.01 
7  6.29 0.19  0.60 2.09  0.02  3.18 0.01 
8  6.29 0.20  0.71 2.09  0.00  3.18 0.00 
9  6.29 0.20  2.53 2.09  0.04  3.18 0.02

10  6.29 0.20  8.85 2.09  0.20  3.18 0.09 
11  6.30 0.20 14.82 2.09  0.49  3.18 0.21 
12  6.32 0.20 19.04 2.09  0.81  3.18 0.35 
13  6.35 0.20 19.34 2.09  1.17  3.18 0.51 
14  6.39 0.21 19.58 2.09  1.52  3.18 0.66 
15  6.44 0.21 22.28 2.09  1.90  3.18 0.82 
16  6.52 0.21 27.66 2.09  2.37  3.18 1.03 
17  6.62 0.21 28.87 2.09  2.86  3.18 1.24 
18  6.74 0.21 28.86 2.09  3.35  3.18 1.45 
19  6.93 0.22 40.71 2.09  4.03  3.18 1.75 
20  7.09 0.22 31.82 2.09  4.57  3.18 1.98 
21  7.28 0.22 34.61 2.09  5.10  3.18 2.21 
22  7.51 0.22 35.38 2.09  5.70  3.18 2.47 
23  7.65 0.23 22.77 2.09  6.06  3.18 2.63 
24  7.82 0.23 26.81 2.09  6.48  3.18 2.81 
25  7.93 0.23 16.41 2.09  6.73  3.18 2.92 
26  8.02 0.24 12.20 2.09  6.93  3.18 3.00 
27  8.07 0.24  7.61 2.09  7.04  3.18 3.05 
28  8.10 0.24  4.67 2.09  7.11  3.18 3.08 
29  8.13 0.25  3.75 2.09  7.16  3.18 3.10 
30  8.14 0.25  2.55 2.09  7.20  3.18 3.12 
31  8.14 0.25  0.10 2.09  7.20  3.18 3.12 
32  8.15 0.26  1.03 2.09  7.22  3.18 3.13 
33  8.15 0.26  0.24 2.09  7.22  3.18 3.13 
34 8.15 0.26  0.11 2.09  7.22  3.18 3.13 
35  8.15 0.27  0.06 2.09  7.22  3.18 3.13 
36  8.15 0.27  0.00 2.09  7.22  3.18 3.13 
37  8.15 0.28  0.15 2.09  7.22  3.18 3.13 
38  8.15 0.28  0.23 2.09  7.22  3.18 3.13 
39  8.15 0.28  0.32 2.09  7.22  3.18 3.13 
40  8.15 0.29  1.07 2.09  7.21  3.18 3.12 
41  8.12 0.29  3.54 2.09  7.16  3.18 3.10 
42  8.15 0.29  7.54 2.09  7.23  3.18 3.13


50

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

附属書 F

規定)

カップ形風速計の校正手順

F.1

  一般要求事項

風速計の校正に関する一般的要求事項を,次に示す。

−  すべてのトランスデューサ及び計測機器は,追跡可能な校正を受ける。校正証書及び報告書は,すべ

ての関連する追跡性に関する情報を含んでいる。風速計の校正の間に用いられたすべての参考標準は,

校正作業の試験報告書に記載する。

−  用いられたピトー管は,適切な風速範囲に対して校正する。また,その校正に関して報告書に記載す

る。

−  それぞれの校正の繰返しに先立って,実験装置の信頼性は,公的機関の“参照用風速計”との比較校

正によって実証される。

−  風洞気流の品質に関する計測が行われる。

−  校正の再現性が実証される。

−  風速計の校正は,

ISO/IEC Guide 98-3

に従って行われた校正の不確かさについての全体評価によって

支持されている。

F.2

  風洞に関する一般的要求事項

正確な風速計の校正ができるように,風洞はしっかりと装備され,そして注意深く準備する。

風速計の存在によって風洞内の流れ場が大きく影響を受けない。計測に当たって,風速計は風洞の閉そ

く率又は境界層の発達によってある程度影響を受けるかもしれない。

風速計の前方面積

(取付装置を含む。

及び風洞計測部の主流に垂直な断面積に対する比で定義される閉そく率は,開放形試験部については 0.1

を,密閉形試験部については 0.05 を超えない。

風速計の取り付けられた領域を通過する流れは,一様である。流れの一様性に関しては,風速計の校正

に先立って評価する。流れの一様性については,風速を計測するための計測装置,例えばピトー管,熱線

流速計又はレーザドップラ流速計を用い,主流方向,横方向及び鉛直方向の速度分布を計測することによ

って評価する。流れは 0.2 %まで一様である。これらの調査は,風洞に関して一度は,また,風洞の空気

力学を修正する場合は,その後に追加的に行う。

カップ形風速計は,水平方向の風速こう配に極めて感度が高い。網及び整流板の汚れの状況によって風

速の水平こう配が異なることがある。そのため,二つの同じ特性をもつピトー管を用いて水平方向風速こ

う配を確認することが有効である。それらはその頭部が,カップ形風速計の回転するカップによってカバ

ーされる領域に,風速計の先端が位置するように正確に取り付ける。2 本のピトー管で同時計測し,二つ

のピトー管によって計測された動圧の直線回帰を計算する。その差異は,0.2 %未満である。風速計の位置

での主流方向の乱流強度は,2 %以下である。

参照計測位置における条件と風速計の位置での条件との間の関係を与える風洞校正係数は,ピトー管を

用いて評価する。

施設は,風速計の校正の再現性を確保するために詳細な試験を行う。その施設は,これらの試験に用い

るため,参照用風速計を指定する。参照用風速計は,該当するその他の風速計施設の性能を確認するため


51

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

にだけ用いる。再現性試験には,少なくとも 5 回の(種々の環境条件で)参照用風速計の校正が含まれる。

風速 10 m/s において,何度かの校正間の最大差は,0.5 %未満であるべきである。この手順は,施設のい

かなる修正又は再校正の後でも繰り返す。

施設は,ラウンドロビンテストを通じて,その結果がほかの風速計校正施設のものと同等であることを

証明する。その施設の平均値,すなわち(上記の再現性試験から決定された)参照用風速計の校正は,風

速 4 m/s∼16 m/s の範囲において,ほかの施設の校正平均値と 1 %以内で合致する。

F.3

  器具類及び校正装置に関する要求事項

周波数/電圧変換器などのような専用の外部信号調節機器の校正は,風速計とは別個に校正され,報告

する。

データ収録装置の分解能は,0.02 m/s である。アナログ電圧機器の場合には,低インピーダンス記録装

置によって信号の減衰を避けるように適切に保護されていることが保証されるよう注意を払う。

校正の間,気流のゆがみを最小にするよう,風速計は垂直円管の先端に取り付ける。この垂直円管の寸

法は,自由大気中で用いられる風速計が取り付けられるものと同じ寸法である。ロータの径に対する垂直

円管の径の比が高い場合には,特に取付調整が機器の感度に大きく影響する。

風速計がいかなる参照用の風速計測機器の存在によっても影響されないことを保証することが大切であ

る。逆に,風速計の存在が参照用器具がある領域の流れに影響しない。気流のゆがみが生じた場合には,

ピトー管の位置を変える。この効果は,まず風速計を取り除き,そして次に再度取り付け,その後に(そ

れがピトー管又は参照用風速計であっても)参照用器具についても同様にし,残りの計測器の出力の変化

があるかどうかを確認することによって評価する。風洞の制御できないドリフトによる不確かさを除去す

るために,この手順を幾度か繰り返すことが示唆される。

(参照用の)ピトー管は,風洞の試験部に可能な限り正確に主流に対して垂直になるように置かれる。

許容最大偏差角は,1°である。

風速計は,風洞の試験部において,主流に対して可能な限り垂直に置くようにする。許容最大偏差角は,

1°である。数多くの研究によって,カップ形風速計の鉛直方向の迎角に対する感度は器具の形状に依存し,

一般的には鉛直方向に対して極めて感度が高いことが分かっている。

校正の間,風速計の出力信号が干渉又はノイズにさらされていないことを確認するために検査する必要

がある。

F.4

  校正手順

大きな温度変化が風速計の軸受の機械的摩擦に与える影響を避けるため,風速計は,校正を開始する前

に 5 分間程度運転する。校正は 4 m/s∼16 m/s で,風速を増速させる場合及び減速させる場合の両方につい

て,1 m/s 又はそれ以下の間隔で行われる。風速の増速及び減速の双方について読み取ることによって,計

測機器にヒステリシス効果があるかどうかを同定することができる。

注記

 1

m/s という間隔は,次のような 2 m/s 間隔で実現できる。すなわち,4 m/s,6 m/s,8 m/s,10 m/s,

12 m/s,14 m/s,16 m/s,15 m/s,13 m/s,11 m/s,9 m/s,7 m/s 及び 5 m/s。

サンプリングレートは,少なくとも 1 Hz,そしてサンプリング間隔は,少なくとも 30 秒である。低分

解能の風速計を校正する場合には,この時間は増やされる。風速計及び参照用風速計の読取りは,同じ時

間間隔にわたることを保証することが大切である。各風速のデータを集める前に,安定な流動状態が達成

されるように適切な時間を考慮する。これは典型的には 1 分であるが,設備ごとに変化する場合がある。


52

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

二つの連続する 30 秒間の平均値の差が 0.05 m/s 以内である場合,安定性が確保されたとみなす。

大気密度

ρ

 

は,風洞の平均気温 T,相対湿度φ及び気圧 によって,式(F.1)を用いて計算する(10

3

 kg/m

3

未満の標準不確かさ)

⎟⎟

⎜⎜

w

0

w

0

1

1

1

R

R

P

R

B

T

φ

ρ

(F.1)

ここに,

B: 気圧(Pa)

T: 絶対温度(K)

φ:

相対湿度(0∼1 の範囲で値をとる。

R

0

乾燥大気の気体定数(287.05 J/kgK)

R

w

水蒸気の気体定数(461.5 J/kgK)

P

w

蒸気圧(Pa)

P

w

=0.000 020 5 exp (0.063 184 6×) (F.2)

ここに,

P

w

蒸気圧は平均気温に依存する。

風速計の位置での平均風速は,式(F.3)を用いて参照用風速計の平均差圧

ΔP

ref

から計算する。

n

i

i

ΔP

C

k

n

k

V

1

,

ref

h

c

b

2

1

ρ

(F.3)

ここに,

C

h

ピトー管のヘッド定数

k

c

あらかじめ決定された風洞の校正係数

k

b

閉そく修正係数

n: サンプリング間隔内のサンプル数

密閉系風洞の閉そく修正係数は,Maskells の定理によって計算する。閉そく修正係数を計算しない場合

には,不確かさの計算には密閉系風洞に対しては閉そく率の約 1/4 を,開放形風洞に対しては 1/16 を用い

る。

F.5

  データ解析

次の回帰パラメータを推定するために,校正データについて直線回帰解析を行う。そのパラメータとは,

オフセット値,傾き,回帰係数,風速に関する傾き,切片の標準不確かさ及びそれらの共分散である。風

速の値は,風速計の出力に対して回帰する。風速に対して風速計の出力を回帰することは論理的に見える

が,その逆を行う方がより便利である。校正の間,風速計の出力は,通常,高い精度で知ることができる

が,風速の計測はより正確さに欠ける。

データに対する相関係数 が 0.999 95 未満である場合は,校正は再度行う。

(再校正にもかかわらず)相

関係数が条件を満たさない場合は,校正施設が不適切であるか又は風速計が過度に非線形であり,使用し

てはならない。

F.6

  不確かさの解析

風速計に対する水平面内の迎角の問題として知られている不確かさを同定することは重要である。不確

かさの解析は,

ISO

規格のタイプ A 及びタイプ B の不確かさを含む不確かさの表記についての指針に従っ

て行われることが要求される。正味の不確かさの大きさは,統計的に評価しなければならず,また,次を

考慮する。


53

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

−  速度計測の不確かさ(ピトー管,トランスデューサ,大気密度評価,その他)

−  周波数計測

−  閉そく効果を含む風洞校正

−  風速計近傍の流れの変わりやすさ

F.7

  報告形式

関連する書類は,風速計の校正のために行われた手順,用いられた施設に関する情報(校正作業に関す

る試験報告書)及びそれぞれの風速計の校正に関する情報(風速計校正報告書)を提供する。

校正作業に関する試験報告書には,次のものを含める。

−  風洞の説明

−  試験部における風力計及びピトー管の正確な位置を示す風洞の見取り図

−  風洞気流の品質計測

−  閉そく修正係数

−  器具の証明書

−  計測手順

−  データ評価手順

−  風速計校正の再現性に関する文書

−  不確かさ解析

−  これらの要求からの逸脱

風速計の校正報告書は,少なくとも次の情報を含める。

−  試験された風速計の製造業者名,形式及び製造番号,並びにカップが別に搬送された場合は,その製

造番号

−  取付装置の管径

−  外部変換器(周波数−電圧変換器)を用いた場合は,その製造業者名,形式及び製造番号

−  顧客の名前及び住所

−  校正した人,結果を確認した人及びその結果を認証した人のサイン

−  風洞の名前

−  校正中の環境条件(気温,気圧及び湿度)

−  回帰パラメータ(オフセット値,傾き,回帰係数,風速の傾き及び切片の標準不確かさ並びにそれら

の共分散)

−  すべての校正点及び回帰結果の表及びグラフによる表現(線形回帰直線からのずれを拡大表記する。

−  それぞれの計測点に関する不確かさ

−  対応する校正作業報告書への参照及び校正の日付

−  風速計及びその風洞内の取付けを示す写真

F.8

  不確かさ計算の例

理想的には,不確かさ計算は校正試験に用いられたそれぞれの風速の校正条件に対して独立に行うべき

である。この例についても,定格 25 m/s の風洞を用いて 10 m/s の概念的な校正点をとる。

表 F.1

は,最初にカテゴリ B の不確かさを扱いながら,順番に不確かさの源を取り扱っている。


54

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

繰返しを避けるために,気圧計測の詳細評価は,温度計測と同様に扱われるので省略されている。

表 F.1

風速計校正の不確かさ評価の例

誤差原因

u

i

内容

u

i

感度値

c

i

u

i

c

i

m/s

u

f

風洞修正係数,
k

f

現在の技術レベルを反映する風洞の比較による場
合,風速に関しては 0.5 %,すなわち,k

f

=1.005 の

修正係数が必要である。修正された値と,修正され
ていない値との差の半分の標準不確かさが適用さ
れることが示唆される。

0.002 5

m/s

95

.

9

1.005

10

f

f

k

v

c

0.025

u

t

風洞校正係数,
k

c

風洞の校正は,一つは常置の参照位置のものと,一
つは試験用風速計によって占められる位置におけ
る二つのピトー管を用いて行われることがある。

二つのピトー管を交換することによって,すべての
B タイプの誤差は取り除かれ,修正係数(切片は原
点を通るようにする。

)と関連する A タイプの標準

不確かさを求めるために標準回帰分析が行われる。
修正の値は 1.02,そして標準不確かさは,0.01 を仮
定する。

0.01

m/s

90

.

4

02

.

1

10

5

.

0

5

.

0

c

t

×

k

v

c

0.049

u

p,t

圧力変換器感度,
K

p,t

圧力変換器は,定格 500 N/m

2

と仮定する。10 m/s

の風速においては圧力はおよそ 60 N/m

2

である。

誤差の“限界”は,フルスケール(1 N/m

2

)の 0.2 %

であるということを製造業者によって見積もられ
たとして,また,これは三角形の不確かさ分布に関

連するとして,等価標準偏差は 1×1/

6

又は 0.40

N/m

2

と求められる。また,変換器感度 K

p,t

をボルト

当たり 5 000 N/m

2

(100 mV の最大出力)と仮定し

て,60 N/m

2

における標準不確かさ u

p,t

は,ボルト当

たり 33 N/m

2

に等しくなる。

33

001

.

0

000

5

10

5

.

0

5

.

0

t

p,

t

p,

×

K

v

c

0.033

u

p,s

圧力変換器信号
調節の値, 
K

p,s

信号調節は,変換器の最大出力電圧(100 mV)をデ
ータシステムのフルスケール(10 V)にまで上げる
ように設定されたとすると,要求される値は 100 と

なる。したがって,K

p,s

=0.01。標準不確かさを 0.2 %

とすると,u

p,s

は 0.000 02 と求められる。

0.000 02

500

01

.

0

10

5

.

0

5

.

0

s

p,

s

p,

= 

×

K

v

c

0.010

u

p,d

圧力変換器デー
タサンプリング

変換, 
K

p,d

データシステムの分解能は,フルスケール値によっ
て定義される。例えば,10 V に対して 12 ビット(す
なわち 4 096)又は 0.002 44 V の K

p,d

量子化限界はこ

の半分,0.001 22 V であり,そしてく(矩)形分布
が妥当なので,関連する標準不確かさは 0.001 22/

3

又は 0.000 704 となる。

0.000 704

049

2

44

002

.

0

10

5

.

0

5

.

0

d

p,

d

p,

  

= 

×

K

v

c

0.004


55

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 F.1

風速計校正の不確かさ評価の例

続き

誤差原因

u

i

内容

u

i

感度値

c

i

u

i

c

i

m/s

u

T,t

雰 囲 気 温 度 変
換器, 
K

T,t

前述した理論は,温度と変換器出力とを結ぶ関係に
おいて,ゼロオフセットを仮定するにもかかわら
ず,現実には結構高いオフセット値が存在すること

から,温度の取扱いはやや難しいように見える。典
型的には温度装置は−20∼30  ℃の温度範囲に対し
て,4 mA∼20 mA の電流範囲となるように見積もら

れるかもしれない。数式を再構築するよりも側面か
らのアプローチが可能である。変換器は,0.2  ℃ま
では良好なように見込まれていると仮定する。三角

形分布を仮定すると,これは 0.08  ℃の不確かさに
つながる。これは完全な温度連鎖(temperature chain)
というよりも,変換器に帰すべき誤差である。物理

的な T及び パラメータによる風速に関する基
本式に戻ると,対応する風速の変化を決定すること

を変化させることによって容易にできる(例え

ば,15  ℃,288 K から 15.08  ℃,288.08 K まで)

この結果が 10 m/s に対して 0.001 m/s という値であ
る。この値は,より一般的解析手法に基づく 3 番目

及び 4 番目の欄への参照なしに直接,表の最後の欄
に挿入される。

n/a

t

T,

t

T,

5

.

0

K

v

c

=

n/a

0.001

u

T,s

温 度 信 号 調 節
の値, 
K

T,s

温度送信器からの電流出力が温度範囲に対して 2∼
10 V 出力が得られるように 500

Ωの精密抵抗器に送

られると仮定する。したがって,K

T,s

は 2 mA/V と

なる。抵抗器が 0.2

  Ωの標準不確かさをもつと仮定

すると,K

T,s

は 0.000 8 mA/V の対応する不確かさを

もつことになる場合がある。

0.000 8

5

.

2

2

10

5

.

0

5

.

0

s

T,

s

T,

= 

×

K

v

c

0.002

u

T,d

温 度 信 号 数 値
変換, 
K

T,d

上の場合の圧力変換信号線については,量子化の標
準不確かさは 0.000 704 V である。 
15  ℃の温度については,公称値 3 113 を与えなが
ら,d/a システムを通して見られる電圧は 7.6 V で
ある。 
変換に関する不確かさ u

T

,

d

は,このとき 0.000 002 3

V より大きくならない。

0.000 002 3

049

2

44

002

.

0

10

5

.

0

5

.

0

d

T,

d

T,

  

= 

×

K

v

c

0.004

u

h

ピ ト ー 管 ヘ ッ
ド係数,

C

h

ピトー管のヘッド係数は,風の迎角に依存する。二

つの誤差原因があり得る。一つは平均流に沿ってピ
トー管が取り付けられる精度に関連し,もう一つは
乱流による瞬間的な流れの方向の変化である。

公称ヘッド係数 C

h

は,0.997,また,迎角の標準偏

差は 2°であると仮定する。

関連する ISO 規格から,

これはヘッド係数の 0.1 %変化することが示唆され

る。

0.000 997

015

.

5

997

.

0

10

5

.

0

5

.

0

h

h

=−

   

=−

=−

×

C

v

C

0.005

u

B,t

気圧計の感度,
K

B,t

気圧計は,一般的に大きな物理的オフセットをもつ

ことから,ほとんど温度計と同様に扱われてよい。

t

B,

t

B,

5

.

0

K

v

c

=


56

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

表 F.1

風速計校正の不確かさ評価の例

続き

誤差原因

u

i

内容

u

i

感度値

c

i

u

i

c

i

m/s

u

B,s

気 圧 計 の 信 号
調節の値, 
K

B,s

ほかの信号処理パラメータに対すると同様に対処
する。

s

B,

s

B,

5

.

0

K

v

c

=

u

B,d

気 圧 計 信 号 の

デジタル変換,
K

B,d

ほかのデータ収集チャンネルに対すると同様な取
扱い。

d

B,

d

B,

5

.

0

K

v

c

=

s

A

風 速 の 時 間 履
歴 の 平 均 に お

け る 統 計 的 不
確かさ

乱流強度は 2 %で,30 秒間にわたり 2 Hz のサンプ
リングを行い,60 個のサンプル数になることを仮定
する。それによって,10 m/s の平均値において,標

準不確かさは

60

/

1

×0.02×10 となる。

0.026 1 

0.026

u

ρ

密度 k

ρ

に対す

る湿度補正

又は 
u

ϕ

,相対湿度

ϕ

c

ρ

が,c

B

又は c

T

よりも c

ϕ

によって支配される場合,

c

ρ

2

u

ρ

2

が c

ϕ

2

u

ϕ

2

に等価なことを示すことが可能であ

る(ここに,u

ϕ

は相対湿度に対する不確かさ,c

ϕ

湿度に対する導かれた風速の感度)

通常はこういうケースである。 
相対湿度

ϕ

は,携帯計器から,95 %信頼区間で 5 %

の精度で 50 %と計測されたと仮定する。

ϕ

=0.5,u

ϕ

=0.025 で,

B

P

k

v

k

v

c

w

ρ

ρ

ρ

φ

378

.

0

2

1

ϕ

×

15  ℃で P

w

=1 700 Pa であり,B=1 013 mbar=

101 300 Pa を仮定すると,k

ρ

は 0.997,c

ϕ

(10 m/s で)

0.032 と評価される。

u

ϕ

=0.025

c

ρ

=0.032 

0.001

合成された不確かさは,表の右欄の影響を与える不確かさの平均平方根を取ることによって得られる。

取り扱われた値については 0.07 m/s となる。

例によれば,タイプ B の誤差が支配的になる。校正期間を延ばすことで,タイプ A の不確かさを減じる

ことは可能だが,タイプ B についてはなんら効果をもたない。さらに,タイプ B の誤差原因は,特定の風

速に対してお互いに関連付けられていないものの,

風速範囲に対して完全に自己関連付けられる。

これは,

かなりの不確かさを保持しながらも良好で明確な校正(良好な直線)が得られることを意味する。


57

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

附属書 G 

規定)

気象観測マストへの計器の取付け

G.1

  一般

気象観測マストに計器を適切に取り付けることは,正確な風車試験のために重要なことである。特に,

風速計はマスト及びブームからの影響による気流のゆがみを最小にするように置く。気象観測マストの頂

上に取り付けることによって,風速計による気流のゆがみが最小となることが分かっている。風速計がマ

ストから伸びたブームの上に取り付けられたときには,マスト及びブーム双方から気流のゆがみを考慮す

る。マスト上のほかの計器は,ハブ高さ近傍に,ただし,風速計との干渉を回避するように取り付ける。

G.2

  風速計の頂上への取付けの好ましい方法

風速計の取付けの好ましい方法は,近くにほかの計器又は器具なしで気象観測タワーの頂上に取り付け

ることである。風の計測に無視できる(気流の)ゆがみを達成するために,この節のすべての条項を満た

す。

風速計は垂直円管に取り付ける。垂直円管の外形は校正時に用いた円管と同一とし,風速計の信号ケー

ブルは管内に通す。鉛直軸に対しての偏差角は 2°以内にする。傾斜角計を用いて計測することを推奨す

る。円管の径は,風速計の本体より大きくなく,気象観測タワー及びほかのいかなる障害物の少なくとも

0.75 m 上方に風速計を設置する。風速計を垂直円管に連結するブラケットは,コンパクトで平滑で対称で

ある。風速計を安定した状態に保つために必要な場合は,その頂点が風速計カップの高さである 1:5 の円

すいの外側に気象観測マストのいずれの部分も出ないことを保証するために,小口径の垂直円管をもう一

つの大口径チューブの上に取り付けてもよい。ほかの計器は,少なくとも風速計カップの 1.5 m 下に設置

する。これらの計器及びそれらをブームに支持するブラケットは,1:5 の円すいを超えてもよい。

図 G.1

は,頂上付近の取付け状況の例である。


58

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

単位  m

図 G.1

頂上に取り付けられた風速計及び取付けに対する要求の例

G.3

  風速計頂上取付けのほかの方法

風速計のほかの取付方法は,気流のゆがみによって風速計測の不確かさが増すと考える。二つのカップ

形風速計がタワー頂上に,タワーから及び互いに適切に離れて並んで取り付けられるときは,比較的小さ

なゆがみとなる。二つに並べた風速計の配置に関して,2 本の垂直な円管及び風速計接続ブラケットは,

G.2

に規定した要求事項を満足させる。

風速計のカップはブーム上,

ブーム径の 15 倍以上上方に配置する。

ブーム径の 25 倍を推奨する。風速計同士は,1.5 m 以上(ただし,2.5 m 以下)離される。

図 G.2

は,並ん

で取り付けられた例を示す。主となるカップ形風速計を,試験開始前に定義する。もう一方の風速計は,

制御用の風速計である。計測方位区分は,制御用カップ形風速計が主たるカップ形風速計に影響しないよ

うに限定する。ほかの計器,マスト及びブームの流れのゆがみに帰する不確かさが決定される。


59

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

単位  m

図 G.2

並んで取り付けられた頂上代替配置の主風速計及び制御用風速計,

ブーム上の風向計並びにほかの計器の例

G.4

  落雷防止

避雷針によって,頂上に取り付けられた計器を守ることができる。避雷針が備え付けられる場合,幾つ

かの注意が必要である。

−  避雷針は,マストの頂上に設置された風速計が,避雷針の先端から頂角 60°の円すい形内に収まるよ

うに,また,風が計測方位区分にあるときに風速計が決して避雷針の後流に入らないように取り付け

られることが望ましい。

−  適切な寸法の接地線をタワーの基礎部分につなぐ。

−  風速計への気流のゆがみを評価し,また,追加補正による不確かさを考慮する。

G.5

  ほかの気象観測機器の取付け

制御用風速計を用いる場合,試験中二つの計器によい相関を与えるように主風速計に近いところに位置

する。試験中,主風速計がその校正を変えないことを保証するために,この相関性は検証する。しかし,

制御用風速計は,主風速計に干渉しない。

風向計は,主風速計の少なくとも 1.5 m 下に,そして気象観測マストの地面レベルからの距離としての

ハブ高さまでの 10 %以内に取り付けられる。また,それは計測方位区分に関して,流れのゆがみ効果が最

小となるように取り付ける。

温度及び圧力センサは,気象観測マスト上のハブ高さに近いところで,主風速計の下 1.5 m 以内の位置

に設置する。温度センサは,ふく射遮へい中に取り付ける。圧力センサは,風雨密の箱に収納してもよい。

しかし,箱の周りの圧力分布によって圧力の読取りが影響されないように,その箱が適切に換気されるよ


60

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

う注意が必要である。

ブーム上のほかの計器及び頂上に取り付けられた風速計の好ましい配置の例は,

図 G.3

及び

図 G.4

によ

る。

単位  m

図 G.3

頂上取付けの風速計並びに制御用風速計,風向計及び

ほかのブーム上のセンサ取付けの例

単位  m

図 G.4

頂上取付けの主風速計及び制御用風速計,風向計並びに

ブーム上のその他の計器の例


61

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

G.6

  カップ形風速計のブームへの設置方法

帆げた上に取り付けられたカップ形風速計は,マスト及びブーム双方の気流のゆがみによって影響を受

ける。円形断面のブームの影響は,カップ形がブームからブーム径の 15 倍上方にあるとき,0.5 %である。

ブームによる気流のゆがみは,0.5 %以内に収める。

気象観測マストの後流中で作動する風速計は,大きな乱れの影響を受ける。そのような計測は,出力性

能計測には用いない。気流のゆがみはマスト上流においても無視できない量となることがある。気流のゆ

がみ影響を可能な限り低いレベルに保つため,カップ形風速計及びマストは,適切な距離を置くよう考慮

する。風速計及びタワーの適切な分離に関する手引きは,

G.6.1

及び

G.6.2

に示す。

タワー支持索からの後流は,驚くほどの長い距離にわたってカップ形風速計に強い影響を与えることが

ある。支持索の下流側に,近傍にカップ形風速計を置くことは避ける。

どのくらいの乱れ及び不確かさを受け入れるかを決定することは,使用者に大きくゆだねられるが,好

ましい目標は,マスト及びブームに起因する気流のゆがみがそれぞれ 1 %及び 0.5 %以上になることを避け

ることである。

気象観測マストは,円筒状でもラチス構造でもよい。要求されるタワーから風速計までの距離は,マス

トの形式及びソリディティに依存する。

G.6.1

  円筒状の気象観測マスト

円筒状マストの近傍での流れの乱れの概要は,

図 G.5

から得られる。この図は(定常)ナビエ−ストー

クス解析による円筒状マスト周りの等速度線図である。風が 45°に向かうと最小の乱れになることが分か

る。さらに一般的には,マストの上流側で流れの減速が,その周りに加速が,背後で後流が観察される。

1.02

1.01

1.00

1.03

1.04

0.

99

0.

98

0.

97

0.

96

図 G.5

自由流風速

左側から

によって正規化された円筒状マスト周りの等速度線図:

二次元ナビエ

ストークス計算による解析


62

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

風速計から気象観測マストに向けて 45°以内の風に対しては,最高相対風速は,風が風速計及びマスト

の方向が一直線上にあるときに見られる。

図 G.6

は,この相対風速を距離の関数として示す。ただし,風

が風速計及びマストの並びから 45°以上大きい角度から入ってくる場合は,風速のゆがみは

図 G.6

に見ら

れるよりも高くなる可能性があることに留意が必要である。

0.960

0.965

0.970

0.975

0.980

0.985

0.990

0.995

1.000

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

マスト径で無次元化したセンタまでの距離 R/d

セン

タラインで


相対風速

図 G.6

円筒状マストのセンタからの距離及びマスト径の関数としてのセンタラインでの相対風速

R/が 8.2 で 99.5 %の相対風速が発生することが分かる。99 %相対風速に対する値は 6.1 である。

G.6.2

  ラチス構造気象観測マスト

ラチス構造周りの流れの解析は,作動円盤理論とナビエ−ストークス解析とを組み合わせて行われる。

マストによって流れが乱されるその度合いは,マストのソリディティ,それぞれの構成物の抗力,風の方

位及び計測点のマストからの距離に依存する。

図 G.7

は,三角形のラチスマストの平面図に関する対象の

寸法を示す。

図 G.7

センタライン速度欠損,脚距離 のマストの作動円盤の図及び

マスト中心から観察位置までの距離 を示す三本足ラチスマストの描写

気流のゆがみは,想定した抗力係数 C

T

の関数である。抗力係数は,マストの透過率及び個別部材の抗力

によって決定される。C

T

は,タワーの単位長さ当たりの総抗力を動圧及び正面幅 によって除した量とみ


63

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

なすことができる。

図 G.8

は,C

T

が 0.5 のラチスタワー周りの流れの計算結果である。風速計とタワーとの間の距離 を 2

以上とした典型的な例においては,流れの乱れは,タワーの向きによってわずかしか影響されず(正面又

は角のいずれが風向きにあったとしても)

,そのため影響は同じと仮定される。

計測方位区分が 90°か又はそれ以下である場合は,

計測方位区分の中央に対して 90°位置に風速計を置

いたときにゆがみが最小となる。そうでない場合は,流れのゆがみは距離の関数として上流の風速欠損を

考慮して決定することができる。

図 G.9

は,種々の C

T

値をもつラチスタワーに関するセンタライン上の相

対風速の計算結果である。しかし,風速計及びマストの並びに対して 100°以上の角度から風が来た場合,

風速のゆがみは

図 G.9

に示される以上に大きくなるかもしれないことに注意する必要がある。

1.00

1.01

1.02

1.03

1.

00

0.

98

0.

97

0.

96

+

図 G.8

C

T

が 0.5 の三角形ラチスタワー周りの自由流風速で規格化された局所流れの等速度線図:

二次元ナビエ

ストークス計算及び作動円盤理論による解析


64

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

0.960

0.965

0.970

0.975

0.980

0.985

0.990

0.995

1.000

2.0

2.5

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

9.5

10.0

正面幅で無次元化したセンタまでの距離 R/L

センタラインでの


対風

C

T

 = 0.1

C

T

 = 0.3

C

T

 = 0.5

C

T

 = 0.7

円柱の場合 (R/d)

3.0

図 G.9

種々の C

T

値について,正面幅 の三角形ラチスマストの中央からの距離 

関数としてのセンタライン相対風速

式(G.1)を C

T

及び R/の関数としてセンタライン風速欠損 U

d

を推定するために用いるとよい。

U

d

=1−

(

)

×

+

082

.

0

076

.

0

062

.

0

T

2

T

R

L

C

C

 (G.1)

C

T

は,ある地域の建築規格又は特定された範囲内では,

表 G.1

から推定され得る。この表では,ソリデ

ィティ は,タワー側面の全構造物要素の投影面積と全表面積との比として定義される。

表 G.1

種々の形式のラチスタワーに対する C

T

の推定方法

タワーの形式

平面断面

C

T

の表現

有効範囲

正方形断面で鋭いエッ
ジをもつ構材

4.4 (1−tt 0.1tt<0.5

正方形断面で丸い構材

2.6 (1−tt 0.1tt<0.3

三角形断面で丸い構材

2.1 (1−tt 0.1tt<0.3

上記の方法とは別に,中心線における速度欠損の上限値を規定する場合,距離 は式(G.2)で求めること

ができる。

082

.

0

)

076

.

0

062

.

0

(

1

T

2

T

d

+

+

=

C

C

U

L

R

 (G.2)

C

T

が 0.5 のラチスタワーにおいて,中心線における速度欠損を 99.5 %にしたい場合,はマストの脚間

距離 の 5.7 倍である。速度欠損を 99 %にすると距離 は脚間距離の 3.7 倍に減少する。


65

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

附属書 H 

規定)

小形風車の出力性能試験

JIS C 1400-2

:2010 で定義されている小形風車には,出力性能試験に関する特別な条項が必要となる。特

に,バッテリ充電用風車は,通常の運転を代表するものの,試験中用いられる特定のバッテリ構成及び条

件の影響を減らすか又は排除するように試験する。小形風車を試験する場合,この規格に規定のすべての

要求事項は,次に示す追加及び変更要件を満たす。

a

)

5.1

:バッテリ充電性能を特徴付ける場合には,風力発電システムは,風車,風車タワー,風車制御装

置及び風車と負荷との間の配線を包含する。風力発電システムは,バッテリ又は充電完了時に風車出

力を減らす電圧保護装置の充電制御装置を含む。また,バッテリが充電完了したとき,風車のエネル

ギーを散逸させるのに用いる負荷吸収装置を含み得る。バッテリバンクは(電気的)負荷とみなされ

るので,風力発電システムはバッテリバンクを含まない。

b

)

5.1

:系統連系システムを特徴付ける場合には,風力発電システムは,風車,風車タワー,風車制御装

置,風車と負荷との間の配線,充電制御装置及び(用いられている場合)上記の負荷吸収装置を含む。

さらに,このシステムでは電圧インバータを含んでよい。電圧インバータと系統との間に変圧器が設

置される場合,変圧器は風力発電システムの一部又は負荷のいずれかとみなしてよい。

c

)

5.1

:風車が設計されている負荷を代表する電気負荷に,風車を接続する。バッテリ充電応用例の場合

には,負荷は,バッテリバンク,電圧調整器及び電圧調整器を通る電力を散逸させる手段からなる。

理想的な試験装置では,バッテリバンクは風車によって生み出されるエネルギーを貯蔵しない。むし

ろ,風車出力のすべては,電圧調整器を通して送られる。したがって,風車と負荷との接続点の電圧

が次の仕様内に維持できる限り,バッテリバンクは,風車に対して一般に推奨されるものより小さく

てよい。

d

)

5.1

:風車は,製造業者指定の取付装置を用いて設置する。風車が取付装置とともに供給されない場合,

風力発電機は少なくとも 10 m のハブ高さに取り付ける。

e

)

5.1

:風車と負荷との間の配線による結果の差を最小にするために,負荷への接続は風車タワーの基礎

に近すぎず,かつ,タワー高さの 3 倍以内とする。小形風車と負荷との間の配線は,製造業者の仕様

書に準拠する。その仕様書がある範囲の電線サイズを認めている場合には,電線はその範囲の平均に

可能な限り近いサイズのものを選ぶ。仕様書が与えられない場合,配線は風力発電機と負荷との間の

電圧降下が定格出力において公称電圧の 10 %に等しくなるように寸法を選ぶ。

f

)

5.1

:電圧調整器は,風車の全出力範囲にわたって

表 G.1

に示す設定値の 10 %以内で風車の接続点の電

圧を維持できる。負荷電圧の 1 分間平均は,使用可能なデータセットに含まれるように

表 G.1

の設定

値の 5 %以内である。

g

)

5.2.1

:風速計を風車タワーにつながれる長いブーム上に取り付けることがより現実的である場合,別

の気象観測マストは必要でない。風速計,風向計及びそれらの取付金具の後流が,小形ロータへの気

流に影響を与える可能性を最小化するために,そのような要素はすべて,ロータから 3 m 以上離して

配置する。その上,風速計の取付金具は,ハブ高さからロータ直径の 1.5 倍下の高さ上に金具の断面

積を最小化するように取り付けるべきである。

h

)

6.1

:風車発生出力は,負荷との接続点で計測する。


66

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

i

)

6.1

:電力に加えて,負荷との接続点の電圧を計測し,次にリストされている要求事項に適合すること

を保証する。

j

)

6.4

:大気温度センサ及び大気圧力センサは,取付位置が地表面から 10 m 未満となっても,ハブ高さ

より少なくともロータ直径の 1.5 倍低い位置に取り付ける。

k

)

6.6

:小形風車の状態の監視は,風車制御装置が風車故障の表示を備えるときだけ要求される。

l

)

7.2

:風車の充電制御装置が任意の高電圧設定値で風車出力を減らす場合,その装置は高めの電圧に調

整してよい。その装置を調整する場合,試験報告に調整前後の設定値を記録する。風車の制御に対し

て,その他の調整は明確に報告する。

m

)

7.3

:前処理データは,1 分間継続データである。小形風車を試験するとき,この規格中の 10 分間デー

タセットのその後の引用はすべて,1 分間データセットに加える。

n

)

7.6

:データベースは,次の基準を満たしたとき,完全とみなす。

1

)  カットイン未満の 1 m/s と 14 m/s との間の各風速ビンは,最小限 10 分間サンプルデータを含む。

2

)  全データベースは,小形風車について風速範囲内で少なくとも 60 時間のデータを含む。

3

)  ファーリング風車の場合,データベースは風車がファールされるとき,性能を特徴付ける(ように)

完成した風速ビンを含むべきである。

o

)

8.1

:ファーリング,

ブレードフラッタリングなどのパッシブ出力制御の風車の場合,式(5)(風速調整)

式(6)(出力調整)

,又は代わりの方法を用いて風速を正規化する。代わりの方法の使用を正当化する

ために文書を提供する。

p

)

8.3

:小形風車が強風で停止しない場合には,カットアウト風速が最大風速ビンか又は 25 m/s のいずれ

か大きい方と仮定して計測 AEP 及び予測 AEP を計算する。

q

)  箇条

9

:箇条

6

にリストされている情報に加えて,風車及び試験装置の記載は,次を含む。

1

)  風車と負荷とをつなぐのに用いる配線のサイズ,導体材料,タイプ,長さ及びコネクタ

2

)  インバータとコネクタとの間又はインバータがない場合,風車と負荷との間の配線の抵抗の計測値

3

)  小形風力発電システムの一部である過電圧又は不足電圧保護装置の電圧設定値

4

)  公称バッテリバンク電圧(例えば,12 V,24 V 及び 48 V)

5

)  バッテリバンクサイズ(すなわち,アンペアアワー容量),バッテリタイプ及び寿命

6

)  バッテリバンク電圧を規定限度内に維持するのに用いる電圧制御装置の製造業者,モデル名及び仕

様を含む説明

r

)  バッテリバンク電圧の変化が風車性能に与える影響を定量化するために,追加の性能データを得るこ

とが推奨される。バッテリバンク電圧を

表 H.1

にリストされている任意の低及び高設定値に設定する

ことによって,また,1 分間前平均化を用いて少なくとも 30 時間のデータを得ることによって,これ

らの追加の出力曲線を求めるべきである。これらの出力曲線を報告する場合には,表及びグラフは出

力曲線が任意の低及び高電圧設定における性能を示すことを,明確に示さなければならず,これらの

電圧設定値を示す。出力が風速及びバッテリバンク電圧とともに変化することを示すために,単一の

グラフを用いることを推奨する。


67

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 H.1

バッテリバンク電圧設定値

単位  V

公称電圧

所要設定値

選択可能な低めの設定値

選択可能な高めの設定値

12 12.6 11.4

14.4

24 25.2 22.8

28.8

36 37.8 34.2

43.2

48 50.4 45.6

57.6

その他 2.1

a)

 1.9

 a)

 2.4

 a)

a)

  1 セル当たりの電圧。


68

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

附属書 I

規定)

風速計の等級分類

I.1

  一般

風速計は,風速を計測する計器である。風速計は,計器の動作特性によって風速計測に影響を与える外

部条件にさらされる。カップ形風速計に対して一般に知られている影響因子は,乱流,大気温度,大気密

度及び気流の平均流入角である。出力性能計測に用いられる風速計は,これらの影響パラメータ

6)

  及び

属書 D

表 D.1

)の規定に従って動作特性に伴う不確かさを評価する。風速計の動作特性に伴う不確かさ

を決定するには,この附属書に規定する風速計の等級分類法を用いる。この等級分類法は,電力トランス

デューサの分類,

JIS C 1111

のアプローチに類似したものである。

風速計の一つの型式について,少なくとも 2 個の検体を評価する。カップ形風速計の摩擦トルクに影響

を与える可能性がある外部形状の設計変更又は内部設計変更については新たに評価が必要である。

出力性能試験のために等級指定がある風速計を用いる前に,風速計の形状を等級に対応したタイプ説明

と照合することを推奨する。

6)

知られているその他の影響パラメータは,雪,氷及び霜である。これらのパラメータが風速計

による通常の計測にかかわってくる場合は,これらのパラメータによる不確かさも評価する。

I.2

  影響パラメータの範囲及びクラス

影響パラメータの範囲は,二つの方法のいずれかに当てはめることができる。一つは,一般的な影響パ

ラメータ範囲を当てはめる方法で,この範囲からクラス番号 が導かれる。クラス番号 は,影響パラメ

ータ範囲にわたって起きるすべての影響パラメータの変動による風速計の応答の偏差を評価することにか

かわっている。クラス番号 は,式(I.1)

  7) 

に対応する風速域における(水平風速入力からの)風速計の最

大応答偏差として決定する。

7)

1 のクラス番号は,10 m/s の場合 1 %,10 m/s 以下の場合 1 %以上,10 m/s 以上の場合 1 %以下

に対応する。

i

i

U

w

×

+

=

0.5

m/s

5

i

i

w

k

ε

max

100

×

=

 (I.1)

ここに,

w

i

偏差包絡線を定義する重み関数

ε

max,

i

風速域における風速ビン の最大偏差(m/s)

k: クラス番号

U

i

ビン における風速

一般的なパラメータ範囲は,地形が

附属書 B

の要求事項を満たすか,又はサイトキャリブレーションが

必要かによって,二つのクラスに分けられる。前者をクラス A 影響パラメータ範囲,後者をクラス B 影響

パラメータ範囲(

表 I.1

参照)とする。


69

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

表 I.1

クラス 及び 

10

分間平均に基づく

影響パラメータ範囲

クラス A

地形は

附属書 

要求事項を満たす

クラス B

地形は

附属書 

要求事項を満たさない

最小

最大

最小

最大

対象とする風速範囲

(m/s) 4

16

4

16

乱流強度 0.03

0.12+0.48/V

0.03 0.12+0.96/V

乱流構造

σ

u

/

σ

v

/

σ

w

a)

1/0.8/0.5

(非等方性乱流)

1/1/1

(等方性乱流)

大気温度

(℃) 0

40

−10 40

大気密度

(kg/m

3

) 0.9

1.35

0.9

1.35

気流の平均傾斜角

(°)

−3 3

−15 15

a)

  あるクラスをシミュレーションによって評価する場合,風スペクトルは 350 m の軸方向乱流長さスケ

ールをもった Kaimal 風スペクトルとすることが提案されている。JIS C 1400-1 を参照。

影響パラメータ範囲を適用するもう一つの方法は,特別クラス S を規定することである。このクラスは

必要な低いクラス番号 をもち,これに対する影響パラメータ範囲は別に規定する。クラス S に対する影

響パラメータ範囲は,

表 I.1

と等価な表で示す。

特定の計測に当たっては,地形又は計測に必要な精度に応じて風速計クラスを選択する。

クラス A:

附属書 B

の要求事項を満たし,このタイプの地形の一般的な影響パラメータ範囲をもつ地形に

対応する。

クラス B:

附属書 B

の要求事項を満たさず,複雑地形の一般的な影響パラメータ範囲をもつ地形に対応す

る。

クラス S:特別に指定した精度に対応する(影響パラメータの範囲は指定した風速計の精度が確保できる

範囲に制限)

。また,クラス A  若しくはクラス B でカバーされない影響パラメータ範囲又は出

力性能計測中に検証される影響パラメータ範囲

8)

  に対応させてもよい。

8)

  出力性能計測において決定される影響パラメータには,風速,乱流,大気温度,大気密度など

既に計測がなされているパラメータも含まれている。気流の平均傾斜は,風車基礎部に立てた

気象観測マストのハブ高さ位置に 2 方向(バイベーン)風向計又は三次元超音波風速計を設置

して,サイトキャリブレーション中に決定することができる。

風速計の等級は,クラス番号 k,クラスのタイプ kA,kB 及び kS によって規定される(

  1.7 A,2.5 S)

カップ形風速計の動作特性標準不確かさ(

表 D.1

及び

表 E.2

参照)は,く(矩)形の不確かさ分布を仮定

してその等級から導くことができる。この場合,出力性能不確かさ評価で用いられる標準不確かさは,式

(I.2)で与えられる。

3

)

0.005

m/s

(0.05

V2,

k

U

u

i

i

×

×

 (I.2)


70

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

附属書 J

参考)

カップ形風速計の評価

J.1

  一般

等級分類のための風速計の評価は,風洞試験,その他の試験所試験,現地試験,関連するモデル及び外

挿から得られる場合がある。完全な評価方法は,風洞試験及び現地試験の両方を含むべきであって,また,

その試験は相互に検証されるべきである。

各型式のカップ形風速計について評価を行う場合には,次に示す基本特性の計測への影響を組み入れる

ための証明された手順を含む。

−  角度応答特性

−  ロータの加速特性と減速特性とが異なることによる動的効果

−  ベアリングの摩擦トルク

J.3

及び

J.4

に,二つの評価例を記載する。各型式の実際の評価はこの例によって行ってもよいし,基本

特性の影響を組み入れる証明された手順を含む限り,その他の評価法によって行ってもよい。

J.2

  カップ形風速計の特性の計測

J.2.1

  風洞中で計測される角度応答特性

風速計の角度応答は,風洞を用いて計測される。三つの風速(4∼16 m/s の範囲で均等に分散させる。推

奨値は,5 m/s,8 m/s 及び 12 m/s)に対して,気流の入射角は少なくとも−30°∼+30°の範囲で変化さ

せて,角度特性を 2°の分解能で計測する。

“理想”のコサイン分布を含めた)一例を

図 J.1

に示す。

0.86

0.88

0.90

0.92

0.94

0.96

0.98

1.00

1.02

–45 –40 –35 –30 –25 –20 –15 –10 –5

0

5

10

15

20

25

30

35  40  45

チルト角(下方向からの風を正とする)(°)

相対風速

5 m/s 
8 m/s

11 m/s

cos

図 J.1

コサイン応答と比較したカップ形風速計の実測角度応答

J.2.2

  風洞における加速及び減速力の計測

カップ形風速計ロータに働くトルクは,細いシャフトをカップ形風速計ロータの先端に付けて,かつ,

そのシャフトで風洞気流速度に比べて平衡しない角速度でカップ形風速計を回して,風洞内で計測するこ


71

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

とができる。シャフトに働く反動トルクは,カップ形風速計ロータトルクに等しいので,計測することが

できる。平衡速度比により近く,より詳細で正確な計測値を得ることが必要である。風洞速度を 8 m/s で

一定に保ってロータの角速度を変えてトルク計測をした一例を

図 J.2

に示す。

図 J.2

8 m/s

におけるカップ形風速計の風洞トルク計測例

J.2.3

  ベアリングの摩擦トルクの計測

摩擦トルク計測は,カップ形風速計のロータをはずみ車に置き換えて行い,約 20 m/s に対応する角速度

からの減速を計測する。ロータに作用するトルクは,ベアリングの摩擦トルク及びはずみ車の大気摩擦ト

ルクである。はずみ車の大気摩擦トルクは,計測したトルクから減じる。摩擦トルク計測の一例を

図 J.3

に示す。

0E+00

5,0E-05

1,0E-04

1,5E-04

2,0E-04

2,5E-04

3,0E-04

3,5E-04

4,0E-04

-25 -20 -15 -10

-5

0

45

Temperature degC

F

ri

c

ti

o

n

 N

m

80rad/
60rad/
40rad/
20rad/

4.0E-04

3.5E-04

3.0E-04

2.5E-04

2.0E-04

1.5E-04

1.0E-04

5.0E-05

0.0E-00

–25  –20  –15 –10 –5

–5

0

5

10

15 20

25

30

35 40

45

温度 ℃

摩擦

 

80 rad/s

60 rad/s

40 rad/s 
20 rad/s

図 J.3

ベアリング摩擦トルク計測例

(mNm)

(rad/s)

(Nm)

温度(℃)


72

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

J.2.4

  自由フィールド比較計測

自由フィールド比較計測の場合,カップ形風速計及び風洞校正済みの三次元超音波風速計は,

G.2

に示

すように(マストの)先端に取り付けられる。ブームに垂直な比較的小さい方位区分における 10 分間平均

計測値だけを容認する。一定の乱流強度の範囲(例えば,0.04∼0.14)をカバーする十分なデータベースを

収集する。

J.3

  風洞及び試験所と自由フィールドとの比較に基づくクラス S1 カップ形風速計の評価方法

J.3.1

  異なる平均気流角度に対する乱流気流下での角度応答

J.3.1.1

  平均気流 0°

乱流下の角度応答は,異なる平均流の入射角度に対して計算する。一例として,まず平均水平気流(平

均流の入射角 0°)の平たんな地形状態を考える。乱流は,乱流強度によって記載される。

U

TI

u

σ

=

(J.1)

ここに,

σ

u

:  水平風速の標準偏差

U:  水平平均風速

乱流中のカップ形風速計の角度応答特性は,

乱流の鉛直成分に依存する。

風速の鉛直成分の標準偏差は,

水平成分の標準偏差より小さい(等級分類の目的のためには関係式,

σ

v

=0.8

σ

u

を用いる。

気流の角度(下方向からを正とする)の出現確率を異なる乱流強度に対して求める(

図 J.4

参照)

TI 15 % (–)

TI 10 % (–)
TI   5 % (–)

角度 (°)

確率

(−)

0.40

0.35

0.30

0.25

0.20

0.15

0.10

0.05

0.00

–0.05

–20

–15

–10

–5

0

5

10

15

20

水平乱流強度の影響

図 J.4

風速の水平及び鉛直成分の標準偏差の比を一定と仮定した鉛直風速成分の分布

次の段階として,

図 J.4

に与えられている確率に,角度特性と

図 J.5

の理想コサイン分布との差を,すべ

ての角度に対して乗じる[

図 J.5 a

)  参照]。こうすると特定の乱流強度に対する等級分類した風速計と,

理想風速計の偏差の代表値が得られる(例えば,

図 J.4

で TI=0.15 に対して 0.8 %)

。この偏差を TI=0.2

までの全乱流強度範囲についてプロットする[

図 J.5 b

)  参照]。


73

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

0.25

0.23

0.20

0.18

0.15

0.05

0.03

0.00

–0.03

–0.05

–30  –25

–20

–15  –10

–5

0

5

10

15

20

25

30

角度 (°)

0.13

0.10

0.08

応答差

(−)

  

応答確率

(−)

実測及び理想応答間の差と確率

差 (–)

確率 (–)

a)

コサイン応答率 (−)

1.001

0

水平乱流強度 (%)

コサイン応答率 (−)

1.000

0.999

0.998

0.997

0.996

0.995

0.994

0.993

0.992

0.991

0.990

0.989

2 4 6

8

10

12

14

16

18

20

b)

図 J.5

コサイン応答に関する全偏差の計算

J.3.1.2

  平均気流−20°∼+20°

複雑な地形において平均流が 0°と異なる場合,気流入射角度の確率は,

図 J.6

に示すように平均流の入

射角度で最大値をもつ。


74

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

平均流の影響

0.14

–30

角度 (°)

確率

(−)

Alpha –5 (degrees)

Alpha 0 (degrees)

Alpha 10 (degrees)

0.12

0.10

0.08

0.06

0.04

0.02

0.00

–0.02

–25 –20 –15 –10

–5

0

5

10

15

20

25  30

図 J.6

流入気流の三つの異なる平均

入射

角度に対する確率分布

−20°と+20°(5°ステップで)との間の平均流の入射角度及び鉛直風速の変化する乱流強度変動に対

して,風速計の応答を計算する。また,理想のコサイン応答からの偏差を報告する(

図 J.7

参照)

一定乱流強度に対する平均流の入射角の影響

0.975

0.980

0.985

0.990

0.995

1.000

1.005

0 2 4 6

8

10

12

14

16

18

20

乱流強度 (%)

コサイン応答率 (–), 0 degrees 
コサイン応答率 (–), –10 degrees
コサイン応答率 (–), +10 degrees

図 J.7

流入気流の三つの異なる平均角度に対してコサイン応答からの

全偏差と水平乱流強度との関係

これらの結果から,風速計がクラス 1 の風速計である平均流の入射角度及び乱流強度の範囲を決定する

ことができる。この範囲内で,等級分類したカップ形風速計の理想のコサイン応答からの偏差は 1 %未満

である。

α

=−5°

α

=  0°

α

= 10°

   0° 
−10° 
+10°

一定乱流強度に対する平均流の入射角度の影響


75

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

J.3.2

  非定常気流条件による動力学的効果

カップ形風速計の角度特性によって引き起こされる非定常気流条件による上記の効果に加えて,風速計

によっては,空気力学的オーバスピード効果としばしば呼ばれる一種の動力学的効果をもつ傾向がある。

この効果は,フィールド試験によってクラス分けする。

30 m の高さのフィールド比較を行う。等級分類対象のカップ形風速計は,校正済みの超音波風速計と比

較する。

(カップ形風速計と超音波風速計との間の差の傾きとして表現される)乱流強度に関係したオーバ

スピード効果を計測し,報告する(

図 J.8

参照)

1.05

1.04

1.03

1.02

1.01

1.00

0.99

0.98

0.97

0.00

0.02

0.04

0.06

0.08

0.10

0.12

0.14

ビン平均化

シグマ W と超音波風速計との測定値の比率

カップ形風速

計と超音波風速計との測定値の

比率

散布データ

図 J.8

傾斜基準を満たさない風速計の例

クラス 1 風速計は,乱流強度範囲 0.2(20 %)に対して,傾きは 0.05 を下回る(1 %未満のオーバスピー

ド効果に対応)

J.3.3

  ベアリングの摩擦

風洞による風速計の校正は,しばしば屋内の雰囲気温度で行われるが,一方,風速計は,広範囲の温度

において運転される。

そのような温度変化における風速計の出力の偏差を調査する。

クラス 1 の風速計は,

運転される温度範囲内で 1 %以上偏差しない。

上記の手続きに対応する偏差は正負両方の値をとり得るが,クラス 1 の風速計においては,出力曲線計

測の運転影響パラメータ範囲内における全偏差は 1 %以内である。

J.4

  風洞及び試験所試験並びにカップ形風速計モデリングに基づく評価方法

J.4.1

  方法の記載

この方法は,すべての影響パラメータ範囲に対する応答を決めるために,風洞及び試験所におけるカッ

プ形風速計の基本特性の計測並びにカップ形風速計モデル及び人工的な風データによるシミュレーション


76

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

に基づいている。

J.4.2

  カップ形風速計モデリング

カップ形風速計の実測基本性能(通常の認定校正,角度特性,トルク係数対速度比及び摩擦)と,多少

の物理特性(ロータ慣性,一つのカップの面積及びカップの中心までの半径)を使えば,いかなる入力風

に対する応答も,全基本特性に適合した適切なカップ形風速計モデルによって導出することができる。

カップ形風速計の応答は,駆動トルク微分方程式から計算できる。ここに,ロータトルクは,空力トル

クと摩擦トルクとの和である。

f

A

Q

Q

dt

d

I

+

=

ω

(J.2)

空力トルク Q

A

は,次の気流入射角及びスカラ量をもつ瞬間風速ベクトルU

ρ

=(uvw)  の関数である。

2

2

2

2

2

,

arctan

w

v

u

U

v

u

w

ρ

α

(J.3)

等価水平風速は,角度特性に気流入射角及び風速ベクトルのスカラ量を適用することによって得ること

ができる。

( )

U

U

F

U

ρ

ρ

×

α

,

eq

α

(J.4)

空力トルクは,式(J.5)で表現できる。

( )

λ

ρ

QA

2

eq

A

2

1

C

ARU

(J.5)

ここに,

ρ: 大気密度

A: 一つのカップのカップ面積

R: カップまでの半径

U

eq

等価水平風速

U

t

風速のしきい値(摩擦の影響を差し引いたとき,校正オ
フセットの残りとして計算される。摩擦がゼロの場合,
風速のしきい値は校正オフセットに等しい。

C

QA

一般化された空力ロータトルク係数

一般化された空力ロータトルク係数は,風洞トルク計測から導かれる。この場合の U

eq

は,風洞風速に

等しい。

( )

2

eq

A

QA

QA

2

1

ARU

Q

C

C

ρ

λ

(J.6)

一般化された空力ロータトルク係数は,速度比の関数である。

t

eq

U

U

R

=

ω

λ

(J.7)

摩擦トルクは,摩擦計測から得られるように温度と角速度との関数である。

( )

ω

,

f

f

T

Q

Q

(J.8)

J.4.3

  影響パラメータ範囲の変化及び等級の決定

影響パラメータ範囲は,人工的な三次元風を発生する乱流モデルを用いて変動させることができる。カ

ップ形風速計モデルをそのような人工風に

10

分間さらせば,カップ形風速計の応答が導かれる。同一の風

データの風速の定義に対して導出する実際の値との偏差を全影響パラメータ範囲に対して決定すれば,そ


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C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

の偏差から等級が決定される。

図 J.9 は,クラス

A

影響パラメータ範囲変化に対する偏差の計算値例を示

す。この例のカップ形風速計の評価の結果,得られた等級はクラス

2.0A

である。

–0.4

–0.3

–0.2

–0.1

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0

2

4

6

8

0

2

4

6

8

2

風速 (m/s)

偏差

(m/s)

クラス 1

クラス 2

偏差

図 J.9−クラス 2.0 A カップ形風速計の例


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C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

附属書 K

参考)

風速計のサイト比較

K.1

  一般

出力曲線計測に用いられる風速計は,計測期間中,その校正状態に変化がないことを保証する。計測期

間終了後に風洞で風速計の校正を実施し,最初の校正状態からの変化を確認することができる。これに替

わる方法として,計測期間中に主風速計とその近くに設置した制御用風速計の計測とを比較する,いわゆ

るサイト比較がある。この方法の場合,主風速計の校正が徐々に劣化したとしても,制御用風速計が同じ

ような速度で劣化する場合は,それを把握できないことに注意する必要がある。

K.2

  必要な装置

計測期間中,

附属書 に示した方法で二つの風速計を気象観測マストに設置する。主風速計は,性能計

測のために用いられる。他方は,制御用風速計であり,比較を行うために用いられる。これらの風速計は,

次の

2

種類の方式で設置される。

方式

1

G.2 に従った頂上への設置

方式

2

G.3 に従った頂上への設置

K.3

  実施方法

計測期間中に記録された

10

分間の平均値が用いられる。データは,狭い風向方位区分(例えば,ブーム

に垂直な中心線に対して±

20

°又は±

40

°の範囲。計測方位区分に依存する。

)によってフィルタリングさ

れ,

6 m/s

12 m/s

の風速範囲に分類される。

二つの風速計による計測値の関係は,

ビンの方法によって

1 m/s

(制御用風速計の風速)のビンを用いて解析される。

計測の開始からすべての

1 m/s

ビンの計測が完了(少なくとも各ビン

3

値,最大

8

週間)するまで,線

形回帰解析が行われる。制御用風速計が従属変数及び出力曲線計測に用いられる主風速計が独立変数とな

る。

線形回帰係数が求められた後,次の式が用いられる。

b

V

m

V

+

×

=

control

_corr

control

風速計の種類によっては,正確な結果を得るためにより高いオーダの式が必要になる場合もある。ここ

での目的は,風速計の挙動の時間変化を明らかにすることであって,絶対的な校正を実施することではな

い。

K.4

  評価基準

次の二つの基準が満たされている場合は,計測期間終了後,風洞で主風速計を再び校正する必要はない

(解析の必要があるのは,線形回帰を行った後に記録されたデータだけである。

a

)

各ビンについて,データを少なくとも

30

分間サンプリングする。

b

)

修正された制御用風速計(

V

control_corr

)の風速データと主風速計(

V

control

)との差の平均値(系統的偏差)

を,各風速ビンに対して計算する。さらに,修正された制御用風速計(

V

control_corr

)の風速データと主


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C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

風速計との差の標準不確かさ(統計的偏差)を,各風速ビンに対して計算する。風速差の標準不確か

さは,各風速ビンに対し,風速差の標準偏差を各風速ビンのデータ点数の平方根で除した値として求

められる。系統的偏差と統計的偏差との自乗和が,各風速ビンにおいて

0.1 m/s

以下とする。


80

C 1400-12-1

:2010 (IEC 61400-12-1:2005)

   

参考文献

JIS C 1400-1

  風車−第

1

部:設計要件

注記

対応国際規格:IEC 61400-1

Wind turbines

Part 1: Design requirements

IDT

TS C 0039

:2005

  風力発電システム−第

13

部:機械的荷重の計測方法

注記

対応国際規格:IEC/TS 61400-13

:2001

Wind turbine generator systems

Part 13: Measurement of

mechanical loads

IDT

TS C 0040

:2005

  風力発電システム−第

23

部:風車の実翼構造強度試験

注記

対応国際規格:IEC/TS 61400-23

:2001

Wind turbine generator systems

Part 23: Full-scale structural

testing of rotor blades

IDT

TS C 0041

:2005

  風力発電システム−第

24

部:風車の雷保護

注記

対 応 国 際 規 格: IEC/TR 61400-24

:2002

Wind turbine generator systems

Part 24: Lightning

protection

IDT

TR C 0045

  小形風車を安全に導入するための手引き