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C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

1)

目  次

ページ

序文

  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

2

3  用語及び定義  

2

4  記号及び単位  

5

5  方法の概要  

6

6  測定器  

7

6.1  音響測定器  

7

6.2  非音響測定器  

9

6.3  測定器の校正  

10

7  音響測定及びその手順  

10

7.1  音響測定位置  

10

7.2  音響測定  

13

8  非音響パラメータの測定  

14

8.1  一般  

14

8.2  風速の求め方  

14

8.3  風下方向  

16

8.4  その他の大気条件  

16

8.5  ロータ速度及びピッチ角の測定  

16

9  データ処理方法  

16

9.1  音響パワーレベル及び 1/3 オクターブバンド音響パワーレベルに関する一般的方法  

16

9.2  音圧レベルの求め方  

18

9.3  見かけの 特性音響パワーレベル  

22

9.4  高さ 10 m の風速を基準とする見かけの 特性音響パワーレベル  

23

9.5  純音性可聴度  

23

10  報告事項  

29

10.1  一般  

29

10.2  風車の特性  

29

10.3  自然環境  

30

10.4  測定器  

30

10.5  音響データ  

31

10.6  非音響データ  

31

10.7  不確かさ  

32

附属書

A(参考)風車の騒音放射に関わるその他の特徴及びその定量化  

33

附属書

B(参考)乱流強度の評価  

35


C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)  目次

2)

ページ

附属書

C(参考)測定の不確かさの評価  

36

附属書

D(参考)見かけの粗度長  

38

附属書

E(参考)次ウィンドスクリーンの特性評価  

40

附属書

F(規定)小形風車  

44

附属書

G(参考)空気吸収  

48


C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

電機工業会(

JEMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,

JIS C 1400-11:2010 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 1400 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 1400-0  第 0 部:風力発電用語

JIS C 1400-1  第 1 部:設計要件

JIS C 1400-2  第 2 部:小形風車の設計要件

JIS C 1400-3  第 3 部:洋上風車の設計要件

JIS C 1400-11  第 11 部:騒音測定方法

JIS C 1400-12-1  第 12-1 部:発電用風車の性能試験方法

JIS C 1400-21  第 21 部:系統連系風車の電力品質特性の測定及び評価

JIS C 1400-22  第 22 部:風車の適合性試験及び認証

JIS C 1400-24  第 24 部:雷保護


日本工業規格

JIS

 C

1400-11

2017

(IEC 61400-11

2012

)

風力発電システム-第 11 部:騒音測定方法

Wind Energy Generation systems-

Part 11: Acoustic noise measurement techniques

序文

この規格は,

2012 年に第 3 版として発行された IEC 61400-11 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

この規格の目的は,風車による音響放射の測定,並びに解析の一貫性及び精度を確保する一般的な方法

を提示することにある。この規格は,次の事業者などが利用することを念頭において作成した。

  明確に定義された音響放射性能要件及び/又は表示制度(IEC/TS 61400-14 など)を満たすように取

り組む風車製造業者

  性能要件を指定する風車発注業者

  新品又は改修済みの風車が,明確に示された又は要求された音響性能仕様を満たしているという証明

を求められた風力発電事業者

  新品又は改良された風車の設置に関する環境規制及び認可要件に応じて,正確かつ公平に風車の音響

放射特性を規定する必要がある風車の設計者又は規制当局。

この規格は,風車による複雑な音響放射の測定,解析及び報告に関する標準的なガイダンスである。こ

の規格は,風車の製造,設置,計画及び認可,運転,利用並びに規制に関わる関係当事者の利益となる。

環境上の問題について一貫性のある正確なコミュニケーションを図りながら,風車の開発及び運転を継続

的に行うため,全ての関係当事者はこの規格が推奨する測定・解析手法を適用することが望ましい。この

規格に示す測定及び報告の手順に従うことによって,関係当事者以外の者でも正しい結果を得ることがで

きる。

適用範囲

この規格は,風車による音響放射特性を把握するための測定方法について規定する。この方法では,騒

音の伝搬過程における誤差を避けるために,風車の近傍で,かつ,騒音源が有限の寸法をもつと仮定する

のに十分な距離の範囲で測定を行う。

ここで示す方法は,環境騒音の問題で一般にとられている騒音の測定方法とは種々の点で異なり,一定

の範囲の風速及び風向の条件における風車の発生騒音の特性を把握することを目的としている。この方法

によって,異なる風車を比較することも可能となる。

この規格では,

1 基の風車の音響放射特性の一貫性を保ち,かつ,正確な方法で把握するための方法を

示す。その内容は,次のとおりである。

  音響測定位置


2

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

  音響,気象及び関連する風車の運転データ収集のための要件

  得られた解析データ及び報告するデータの内容

  環境影響評価のための風車の音響放射に関するパラメータ及びそれに関連する説明因子の定義

この規格では,風車の大きさ又は形式は限定しない。この規格で規定する方法に基づくことによって,

風車からの音響放射について十分に説明することができる。小形風車の測定方法については,附属書

説明する。

注記

  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61400-11:2012,Wind turbines-Part 11: Acoustic noise measurement techniques(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“

IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,“一致している”こ

とを示す。

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS C 1111:2006  交流入力トランスデューサ

注記

  対応国際規格:IEC 60688,Electrical measuring transducers for converting a.c. electrical quantities

to analogue or digital signals(MOD)

JIS C 1400-12-1:2010  風車-第 12-1 部:発電用風車の性能試験方法

注記

  対応国際規格:IEC 61400-12-1:2005,Wind turbines-Part 12-1: Power performance measurements

of electricity producing wind turbines(IDT)

JIS C 1509(規格群)  電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)

注記

  対応国際規格:IEC 61672 (all parts),Electroacoustics-Sound level meters(IDT)

JIS C 1514:2002  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

注記

  対応国際規格:IEC 61260:1995,Electroacoustics-Octave-band and fractional-octave-band filters

IDT)

JIS C 1515:2004  電気音響-音響校正器

注記

  対応国際規格:IEC 60942:2003,Electroacoustics-Sound calibrators(IDT)

IEC 61400-12-2,Wind turbines-Part 12-2: Power performance of electricity-producing wind turbines based

on nacelle anemometry

ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement-Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

注記

  対応国際規格は用語のアルファベット順で記載され読みにくいため,読みやすく並び替えた。

3.1

音圧レベル(

sound pressure level),L

p

音圧の実効値の二乗の,基準音圧の二乗に対する比の常用対数の

10 倍。

注記

  音圧レベルは,基準音圧(20 µPa)に対するデシベル(dB)で表す。


3

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

3.2

特性音圧レベル(A-weighted sound pressure levels),L

A

JIS C 1509 規格群に規定する周波数重み付け特性 A で測定される音圧レベル。

注記

  A 特性音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。

3.3

特性音圧レベル(C-weighted sound pressure levels),L

C

JIS C 1509 規格群に規定する周波数重み付け特性 C で測定される音圧レベル。

注記

  C 特性音圧レベルは,デシベル(dB)で表す。

3.4

見かけの

特性音響パワーレベル(apparent A-weighted sound power level),L

WA

風下方向で測定される風車の音響放射パワーと同じ値をもつロータ中心に位置する点音源の

A 特性音響

パワーレベル

1)

L

WA

は,ハブ高さでのビン中心の風速ごとに表示する。

注記

  音響パワーレベルは,音源の音響パワーの,基準の音響パワー(1 pW)に対する比の常用対数

10 倍。単位は,デシベル(dB)で表す。

1)

  A 特性音響パワーレベルは,JIS C 1509 規格群に規定する周波数重み付け特性 A で測定した音

圧レベルから算出する。

3.5

高さ

10 m の風速を基準とする見かけの 特性音響パワーレベル(apparent sound power level with reference to

wind speed at 10 m height),L

WA, 10 m

高さ

10 m におけるビン中心ごとの風速に対応して算出した風車の見かけの A 特性音響パワーレベル。

注記

  高さ 10 m における風速を基準とする見かけの A 特性音響パワーレベルは,デシベル(dB)で

表す。

3.6

純音性卓越度(

tonality),ΔL

k

純音成分の音圧レベルとその周波数を中心とする臨界帯域におけるマスキング成分の音圧レベルとの差。

風速ビンごとに表示し,

はビン中心値とする。

注記

  純音性卓越度は,デシベル(dB)で表す。

3.7

可聴指標(

audibility criterion),L

a

ある臨界帯域内で純音が聞こえ始める音圧レベル(マスキングしきい値)とマスキングノイズの音圧レ

ベルとの差で,周波数に依存する。正常な聴力をもつ聴者を対象とした実験から求められた。

注記

  可聴指標は,基準の音圧 20 µPa に対するデシベル(dB)で表す。

3.8

純音性可聴度(

tonal audibility),ΔL

a, k

純音性卓越度と可聴指標との差。風速ビンごとに表示し,

はビン中心値とする。

注記

  純音性可聴度は,デシベル(dB)で表す。

3.9

基準距離(

reference distance),R

0

風車の基部中心から指定した各マイクロホンの位置までの公称水平距離。

注記

  基準距離は,メートル(m)で表す。


4

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

3.10

傾斜角(

inclination angle),φ

測定板の面に対して,マイクロホンとロータ中心とを結ぶ線がなす角度。

注記

  傾斜角は,度(°)で表す。

3.11

最大出力(

maximum power)

出力を最適化した運転モードにおける,風速ビンごとの出力曲線の最大値。

注記

  最大出力は,ワット(W)で表す。

3.12

風速ビン(

wind speed bin)

整数又はそれに

0.5 を加えた値を中心とする風速の区間。幅は 0.5 m/s とし,下端値以上,上端値未満の

風速の範囲。

3.13

ビン中心(値)(

bin centre)

風速ビンの中心(の値)。

3.14

高さ

の風速(measured wind speed at height z),V

z, m

風況観測塔上に設置した風速計によって,高さ

の位置で測定される風速。

注記

  高さ の風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.15

高さ

の基準化風速(normalised wind speed at height z),V

z, n

基準大気条件において,高さ

の値に補正した風速。

注記

  高さ の基準化風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.16

ナセル風速計によるハブ高さの風速(

measured nacelle wind speed at hub height),V

nac, m

ナセル風速計によって測定した,ハブ高さにおける風速。

注記

  ナセル風速計によるハブ高さの風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.17

ナセル風速計によるハブ高さの基準化風速(

normalised nacelle wind speed at hub height),V

nac, n

ナセル風速計による測定値から推定した,ハブ高さにおける基準化風速。

注記

  ナセル風速計によるハブ高さの基準化風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.18

ハブ高さの基準化風速(

normalised wind speed at hub height),V

H, n

基準大気条件における値に補正したハブ高さの風速。

注記

  ハブ高さの基準化風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.19

暗騒音測定時のハブ高さの基準化風速(

normalised wind speed at hub height during background noise

measurements),V

B, n

暗騒音を測定している間のハブ高さにおける基準化風速。

注記

  暗騒音測定時のハブ高さの基準化風速は,メートル/秒(m/s)で表す。


5

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

3.20

高さ

10 m の風速(wind speed at 10 m height),V

10

高さ

10 m の風速を基準とする見かけの A 特性音響パワーレベル及びスペクトルの報告に必要な,高さ

10 m における風速。

注記

  高さ 10 m の風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.21

出力曲線による基準化風速(

normalised wind speed derived from power curve),V

P, n

出力曲線から求める,基準大気条件に基準化された風速。

注記

  出力曲線による基準化風速は,メートル/秒(m/s)で表す。

3.22

基準粗度長(

reference roughness length),z

0ref

風速を基準の気象条件における値に変換するために用いる粗度長。

0.05 m とする。

注記

  基準粗度長は,メートル(m)で表す。

記号及び単位

次に,この規格で用いる記号及び単位を定義する。

ロータ直径(水平軸)又は赤道直径(垂直軸)

m)

風車近傍の地表面からロータ中心までの高さ(水平軸)又はロータ赤道面までの高さ

(垂直軸)

m)

L

A

又は

L

C

A 特性音圧レベル又は C 特性音圧レベル

dB)

L

Aeq

時間平均

A 特性音圧レベル

dB)

L

pn, jk

番目の風速ビンにおいて,番目の測定時間におけるスペクトルの臨界帯域内のマス

キング成分の音圧レベル

dB)

L

pn, avg, jk

  番目の風速ビンにおいて,番目の測定時間におけるスペクトルのマスキング成分の

解析帯域内の平均音圧レベル

dB)

L

pt, jk

番目の風速ビンにおいて,番目の測定時間におけるスペクトルの純音成分又は複数

の純音成分の音圧レベル

dB)

L

WA, k

見かけの

A 特性音響パワーレベル。は風速ビンの中心値

dB)

log

10

 10 を底とする対数(常用対数)

(-)

P

m

実測電力

W)

P

n

基準化電力

W)

R

1

ロータ中心から測定点までの直線距離

m)

R

0

基準距離

m)

S

0

基準面積,

S

0

1(m

2

m

2

T

C

大気温度

(℃)

T

K

絶対大気温度

K)

u

A

タイプ

A 不確かさ

(-)

u

B

タイプ

B 不確かさ

(-)

V

H

ハブ高さ

での風速

m/s)


6

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

V

P

出力曲線から求める風速

m/s)

V

z

高さ

での風速

m/s)

V

nac

ナセル風速計による風速

m/s)

純音の周波数

Hz)

f

c

スペクトルの局所最大値の周波数

Hz)

大気圧

Pa)

z

0

粗度長

m)

z

0ref

基準粗度長,

z

0ref

0.05(m)

m)

風速計の測定点高さ

m)

κ 

基準化風速と実測風速との比

(-)

ΔL

tn, jk

番目の風速ビンにおいて,番目の測定時間におけるスペクトルの純音性卓越度

dB)

φ 

傾斜角

(°)

方法の概要

この規格は,風車の音響放射の測定,解析及び報告に関する手順を規定する。音響パラメータ及び非音

響パラメータの測定の精度及び一貫性を確保するために,測定器及び校正の要件を明確に規定する。さら

に,風車の騒音放射を決定する要因である大気の条件を表すために必要な非音響パラメータの測定方法に

ついても規定する。測定及び報告するパラメータについて,それらを求めるためのデータ処理法とともに

規定する。

この規格で規定する方法を適用することによって,各風車のハブ高さ及び高さ

10 m のビン中心風速に

おける見かけの

A 特性音響パワーレベル,スペクトル及び純音性可聴度が得られる。純音性可聴度が含ま

れているのは,風車音に純音成分が含まれているかどうかを示すためである。得られた純音性卓越度は,

他の距離における純音性卓越度を示すものではない。指向特性に関する情報を得るために,任意に測定位

置を追加して測定を行ってもよい。

この規格で示す方法は,全ての風速に適用できる。表示される風速範囲は,風車によって異なる。最小

値としては,最大出力の

85 %となる風速の 0.8 倍~1.3 倍の範囲のハブ高さにおける風速を風速ビン中心

値に丸めた範囲とする。具体的には,高さ

10 m の風速で約 6 m/s~10 m/s となるが,これは風車の形式に

よって異なる。風速の範囲は,各国で要求される範囲などに拡大してもよい。

測定は,地形の影響,気象条件又は風雑音の影響をできるだけ避けるため,風車に近い位置で行う。測

定対象の風車の大きさを考慮するために,風車の大きさに基づく基準距離

R

0

を用いる。

マイクロホンで生じる風雑音を抑えるとともに地表面の種類の違いによる影響を最小化するために,測

定は地表面に置いた測定板上に取り付けたマイクロホンを用いて行う。

音圧レベル,音圧スペクトル,風速,電力,ロータ回転速度,及びピッチ角(測定される場合)の測定

は短時間で同期させ,かつ,広い範囲のハブ高さにおける風速で行う。ビン中心風速における音圧レベル

及びスペクトルから,見かけの

A 特性音響パワーレベル及びスペクトルを算出する。

この規格には,次の内容に関する附属書がある。

  風車の騒音放射に関わるその他の特徴及びその定量化[附属書 A(参考)]

  乱流強度の評価[附属書 B(参考)]

  測定の不確かさの評価[附属書 C(参考)]

  見かけの粗度長[附属書 D(参考)]


7

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

  2 次ウィンドスクリーンの特性評価[附属書 E(参考)]

  小形風車[附属書 F(規定)]

測定器

6.1 

音響測定器

6.1.1 

一般

この規格に規定する音響パラメータの測定には,

6.1.26.1.7 に規定する次の測定器を用いる。

6.1.2 

時間平均

特性音圧レベルの測定に用いる測定器 

JIS C 1509 規格群のクラス 1 のサウンドレベルメータ(騒音計)の要件を満たしている測定器を用いる。

マイクロホンの振動膜の直径は,

13 mm 以下とする。

6.1.3 A 特性 1/3 オクターブバンドスペクトルの分析に用いる測定器 

6.1.2 のクラス 1 のサウンドレベルメータの要件に加えて,少なくとも中心周波数が 20 Hz~10 kHz の 1/3

オクターブバンドの周波数範囲に対して周波数特性が一定である測定器を用いる。フィルタは,

JIS C 1514

に規定するクラス

1 フィルタの要件を満たすものを用いる。

中心周波数が

20 Hz~10 kHz の 1/3 オクターブバンドの全てにわたって時間平均 A 特性音圧レベルも同

期して分析できるものを用いる。

6.1.4 

狭帯域スペクトルの分析に用いる測定器

20 Hz~11 200 Hz の周波数範囲で JIS C 1509 規格群のクラス 1 のサウンドレベルメータの要件を満たし

ている測定器を用いる。

6.1.5 

測定板及びウィンドスクリーン付きのマイクロホン

マイクロホンは,図

及び図 に示すように,マイクロホンの振動膜を硬い平板の中心に,平板に直交

させ,マイクロホンの軸を風車に向けて取り付ける。測定板は,直径

1.0 m 以上の円形で,厚さ 12.0 mm

以上の合板又は硬い樹脂合板若しくは厚さ

2.5 mm 以上の金属板など,音響的に剛な材料を用いる。

例外的に分割した板を用いる場合には,各板は同一平面上にそれぞれの板が同一平面になるように配置

し,隙間は

1 mm 未満になるように配慮する。さらに,図 1 a)に示すように分割線は測定板の中心から外

れ,マイクロホンの軸に平行となるように配慮する。

地表面上に設置するマイクロホンには,主ウィンドスクリーン及び必要に応じて

2 次ウィンドスクリー

ンを装着する。主ウィンドスクリーンは,図

に示すように,マイクロホンの振動膜を中心とする直径約

90 mm の半球で,通気性をもつ発砲材料で作られたものを用いる。

強風時に低周波数域で十分な信号対雑音比を得る必要がある場合には,

2 次ウィンドスクリーンを用い

てもよい。

2 次ウィンドスクリーンを用いる場合には,その周波数特性への影響を文書化し,それに従って 1/3 オ

クターブバンドごとに補正する。

2 次ウィンドスクリーンの校正方法,設計の注意点及び挿入損失に関す

る必要条件は,附属書

を参照する。


8

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

 

風車

最小寸法

A

 = 1.0 m

最小厚さ

T

 = 12.0 mm(木材)

     2.5 mm(金属)

マイクロホン受圧面位置

A

 

1/2 A

マイクロホン設置板

分割 (任意)

a)  マイクロホンの取付け(平面図) 

主ウィンドスクリーン

マイクロホン

任意の2次ウィンド
スクリーン

風車

マイクロホン設置板

b)  マイクロホンの取付け(断面図) 

1-マイクロホンの取付け 


9

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

2-マイクロホン及び測定板 

6.1.6 

音響校正器

録音,データ収集及び分析システムを含む音響測定システム全体は,マイクロホンに音響校正器を装着

し,一つ以上の周波数で測定の直前及び直後に感度の校正を行う。音響校正器は,

JIS C 1515 のクラス 1

の要件を満たすものを用い,指定された環境条件下で用いる。

6.1.7 

データ記録・再生システム

データ記録・再生システムは,必要な測定システムの一部である。分析(再生・試聴を除く。

)に用いる

場合には,全ての測定器は,

JIS C 1509 規格群のクラス 1 の要件を満たすものを用いる。

6.2 

非音響測定器

6.2.1 

一般

この規格に規定する非音響パラメータの測定には,

6.2.26.2.4 に規定する測定器を用いる。

6.2.2 

風速計

風況観測塔に取り付ける風速計及びその信号処理器は,

4 m/s~12 m/s の風速域で,校正値からの最大偏

差が±

0.2 m/s 以内のものを用いる。風速計は,音響測定と同じ時間間隔で平均風速を測定できるものを用

いる。

ナセル風速計は測定中に現場で校正する(

8.2.1.2 参照)ため,ナセル風速計を校正する必要はない。ナ

セル風速計による測定は,風車制御システムから行ってもよい。ナセル風速計は,暗騒音の測定には用い

ない。

6.2.3 

電力トランスデューサ

電力トランスデューサ(電流及び電圧変換器を含む。

)は,

JIS C 1111 に規定する階級指数 1 の精度要件


10

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

を満たすものを用いる。校正システムが,電力信号用として利用できない場合,電力の不確かさを追加的

に含める。製造業者は,電力測定系全体及びこれらに対応する不確かさの構成要素について詳細に記載す

ることによって測定系の不確かさを文書化できる場合には,電力信号を提供してもよい。

6.2.4 

その他の測定器

カメラ及び距離測定器を用いる。温度計は,大気温度を±

1  ℃の精度で測定することができるものを用

いる。気圧計は,大気圧を±

1 kPa の精度で測定することができるものを用いる。

6.3 

測定器の校正

次の測定器は,定期的に点検し,国家標準又は一次標準とつながるトレーサブルな校正を行う。校正を

行ってから次の校正までの最長期間を,測定器ごとに括弧書きで示す。

  音響校正器(12 か月)

  マイクロホン(24 か月)

  サウンドレベルメータ(24 か月)

  周波数分析器(36 か月)

  データ記録・再生システム(24 か月)(解析に用いる場合)

  風速計(24 か月)

  電力トランスデューサ(24 か月)

  温度トランスデューサ(24 か月)

  気圧トランスデューサ(24 か月)

測定期間に,単に気象条件に関する一般情報を得るために温度及び大気圧を測定する場合には,これら

の測定器は,内部における検査で十分である。

測定器の修理を行った場合,又は故障若しくは損傷の疑いがある場合には,必ずその測定器を再校正す

る。

音響測定及びその手順

7.1 

音響測定位置

風車の騒音放射特性を正確に把握するために,次の測定点を設ける。

マイクロホンの設置位置は,通常

1 か所とするが,参考データを得るためにそれ以外に 3 か所設けても

よい。これらの測定点は,風車のタワー鉛直中心線の回りに図

の平面図に示すように配置する。その中

で,風下の点が必須の測定点で,これを基準点とする。この点は,測定時における風車の風下方向に対し

±

15°以内とする。風下の方向は,ヨー位置から求めてもよい。風車のタワー鉛直中心線から各マイクロ

ホン位置までの水平の基準距離

R

0

を図

に示す。R

0

の許容範囲は,±

20 %で最大±30 m とし,±2 %の精

度で測定する。


11

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

60°

60°

1

2

4

3

R

0

風向

タワー中心線

任意の測定点

基準点

3-マイクロホン位置の標準的配置(平面図) 

水平軸風車の場合には,図

4 a)に示す基準距離 R

0

は,式

(1)によって算出する。

2

0

D

H

R

+

=

  (1)

ここに,

H: 地表面からロータ中心までの鉛直距離

D: ロータ直径

垂直軸風車の場合には,図

4 b)に示す基準距離 R

0

は,式

(2)によって算出する。

R

0

HD  (2)

ここに,

H: 地表面からロータ赤道面までの鉛直距離

D: 赤道直径


12

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

D

 

H

H +

 D

2

R

0

R

1

φ

 

a)  水平軸風車 

H

D

R

1

φ

 

R

0

H + D

b)  垂直軸風車 

4R

0

及び直線距離

R

1

の説明図

測定板の縁による測定結果への影響を小さくするために,測定板は地表面に平行になるように設置する。

測定板の縁又は下に隙間がある場合は,土で埋めて平らにする。図

に示す傾斜角 φ は,25°~40°とす

る。この条件を満たすためには,上記の許容範囲内で測定位置を調整する必要が生じることもある。複雑

な地形における測定の場合は,障害物又は地形による遮蔽,反射などの影響を避けるための配慮が必要と

なる。


13

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

建物,壁などの反射物がある場合には,反射の影響の計算値が

0.2 dB 未満となるような位置に測定点を

設定する必要がある。

7.2 

音響測定

7.2.1 

一般

音響測定は,次に示す風車のビン中心風速における騒音放射特性に関するデータを得るために行う。

  見かけの A 特性音響パワーレベル

  A 特性 1/3 オクターブバンドスペクトル

  純音性可聴度

任意の測定として,指向性,超低周波音,低周波騒音及び衝撃性音を含めてもよい。

7.2.2 

音響測定の要件

全ての音響測定を通して,次の事項を守る。

  測定系システム全体を通して,測定の前後又は測定途中で,マイクロホンを取り外し,再び取り付け

た場合には,少なくとも一つ以上の周波数で校正する。

  測定後の見直しができるように,全ての音響信号は録音し保存する。

  航空機騒音のような間欠的な暗騒音の影響を受けた時間帯は除外する。

  ハブ風速は,風車の最大出力の 85 %以上が得られる風速をビン中心値に丸めた値の 0.8 倍~1.3 倍の

範囲とする。

  風車が停止した状態で,一連の風車騒音の測定の直前及び直後において,測定中に類似した風の条件

と同じ測定システムを用いて暗騒音を測定する。この暗騒音の測定では,風車騒音の測定時における

暗騒音と同一の騒音が測定できるように最善の努力を払う必要がある。そのためには,風車騒音の測

定と同じ風速範囲をカバーするように,測定の期間中に数度にわたって暗騒音の測定を行うことが望

ましい。

  測定は,できる限り広い風速範囲について行う。そのためには,一連の測定を数回にわたって実施す

ることが必要になる場合がある。

  風車騒音及び暗騒音からなる全体騒音並びに暗騒音だけについて,対応する風速範囲をカバーするた

めに,

180 回以上の測定を行う。

  全体騒音及び暗騒音の両方について,風速ビンごとに 10 回以上の測定を行う。

個々の音響測定における要件は,

7.2.37.2.7 による。

7.2.3 

時間平均

特性音圧レベルの測定 

風車の時間平均

A 特性音圧レベルは,基準点で測定する。1 回の測定では,10 秒間にわたって積分平均

する。

7.2.4 A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの測定 

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルは,オーバーオールの A 特性音圧レベルの測定と同期させて 10

秒間のエネルギー平均値として測定する。測定周波数範囲は,中心周波数

20 Hz~10 kHz の範囲とする。

特性

A の周波数重み付けは,周波数分析の前の時間領域で行う。

風車停止時に行う暗騒音測定も,上記の要件による。

7.2.5 A 特性狭帯域音圧スペクトルの測定 

A 特性狭帯域音圧スペクトルは,上記の音圧レベルと同期させて 10 秒間のエネルギー平均値として測定


14

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

する。窓関数はハニング窓を用い,

50 %以上オーバーラップさせる。周波数分解能は,1 Hz~2 Hz の範囲

とする。

9.5.8 に規定するように,特定した純音成分の可聴度を算出するために,追加の騒音測定が必要になる場

合がある。

暗騒音の測定結果から,純音成分が暗騒音によるものでないことを確かめる。

7.2.6 

測定点

2及び における任意の音響測定 

基準点以外の測定点における測定でも,上記の基準点における測定の要件を満足させる。

基準点以外の測定は,基準点の測定と同時に行うことが望ましい。基準点以外の

3 地点における測定は

別々に行ってもよいが,それぞれ基準点の測定と同時に行う。

7.2.7 

その他の任意の測定

この規格に規定する方法では表すことができないような風車の騒音放射を特徴付ける評価量を求めるた

めの測定を行ってもよい。

このような例としては,超低周波音,低周波騒音,広帯域音の変調,衝撃性音,異音(ヒュー,シュー,

キィー,ブーンなど),騒音の中に含まれる明瞭な衝撃音(バン,ガタガタ,カチン,ドンなど),又は気

になる異常音が挙げられる。これらに関する検討及び定量的な評価尺度の概要を,附属書

に示す。これ

らの評価尺度はまだ広く認められているわけではないが,参考事項として示す。

非音響パラメータの測定

8.1 

一般

次の非音響パラメータについて,測定を行う。風速,電力及び風車の回転速度のサンプリングは,

1 Hz

以上とする。その他の風車パラメータを測定する場合のサンプリング周波数も,同じとする。

8.2 

風速の求め方

風速は,発電出力の測定値から出力曲線によって求める。

(3)の条件を満たしていない出力曲線の区間については,風速は発電出力の数値からは求めることがで

きないため,ナセル風速計を用いる。ナセル風速計が用意されていない場合には,ナセルに風速計を取り

付ける。ナセル風速計の取付け手順の指針は,

IEC 61400-12-2 に規定がある。

ナセル風速計で測定した風速は,ロータに当たる風速を代表するものとする。

暗騒音の測定の場合には,最低

10 m の高さの風況観測塔に取り付けた風速計を用いる。風況観測塔の

設置位置は,周囲に遮るものがなく,かつ,風車の位置における自由風を代表する風速が得られる場所と

することが望ましい。図

に,風況観測塔,ハブ高さ及びマイクロホン位置で測定する風速における相関

を確保するための,風況観測塔の設置位置に関する指針を示す。


15

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

風向

1×風車直径

1×風車直径

5-風況観測塔の設置位置の範囲(網掛部分) 

風速及び発電出力のデータは,音響測定の時刻と同期させ,算術平均値を算出する。

風車に流入する乱流は,その空力的騒音放射に影響を及ぼす。乱流の評価については,附属書

に述べ

る。

8.2.1 

風車稼働時の風速の求め方

8.2.1.1  出力曲線による風速の求め方 

出力曲線は,ハブ高さにおける風速と発電出力との関係を表したものである。これによって,風速は測

定した発電出力から求める。出力曲線の適用区間では,測定した音圧レベルと測定した発電出力との相関

は,極めて高い[式

(3)参照]。

風速

V

P, n

は,文書化された発電出力-風速曲線を用いて発電出力の測定値から求める。この出力曲線は,

風車の機種ごとに異なり,

JIS C 1400-12-1 又は IEC 61400-12-2 に準拠して求めることが望ましい。実測に

よる出力曲線が得られない場合には,算出によって求められた曲線を用いてもよい。その場合,出力曲線

の測定範囲の不確かさを適用することができる。出力曲線は,ハブ高さの風速と

15  ℃及び 101.3 kPa の標

準大気条件における風車の発電出力との関係を示すものとする。

用いる出力曲線の区間は,値の重複がなく,かつ,不確かさを含む出力曲線の傾斜が右上がりになって

いる範囲とする。

(3)を満足する場合,出力曲線のいずれの区間においても出力曲線の傾斜に関する条件を満足する。

(P

k+1

P

tol

)-(P

k

P

tol

)>0  (3)

ここに,

k: 番目の出力曲線の風速ビン

P

k

: 出力曲線から導いた風速ビン

に対する発電出力

P

tol

: 発電出力の読取値の許容誤差。

P

tol

の一般的な値は,最大値の

1 %~5 %の値

この条件を満たす全ての出力曲線の区間は,出力曲線の“適用範囲”と呼ぶ。この範囲では,次の関係

が成り立つ。

V

H, n

V

P, n

ここに,

  V

H, n

: ハブ高さの基準化風速

8.2.1.2  ナセル風速計によるハブ高さの風速の求め方 


16

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

出力曲線の適用範囲で得られる全ての発電出力のデータ点に関して,出力曲線による基準化風速

V

P, n

ナセル風速計による実測値

V

nac, m

との比の平均値から

κ

nac

を算出する。出力曲線の適用範囲外の出力のデ

ータ点に関しては,式

(4)に示すように,この値をナセル風速計による実測値に乗じることによって,ナセ

ル風速計によるハブ高さの基準化風速を算出する。

V

nac, n

κ

nac

 V

nac, m

  (4)

ここに,

  V

nac, m

: ナセル風速計によるハブ高さの風速の実測値

V

nac, n

: ナセル風速計による実測値から算出したハブ高さの基準化

風速

V

nac, n

が出力曲線の適用範囲内の値をとる場合には,そのデータ点は解析の対象から除外する。

出力曲線の適用範囲外では,

V

H, n

V

nac, n

とする。

8.2.2 

暗騒音測定時の風速測定

暗騒音の測定時には,風況観測塔の最低

10 m の高さに取り付けた風速計で風速を測定する。現場で校

正を行うため,測定期間全体を通して風況観測塔における風速測定を行う。

出力曲線の適用範囲で得られる全ての発電出力のデータ点に関して,出力曲線による基準化風速

V

P, n

実測風速

V

z, m

との比の平均値から

κ

z

を算出する。式

(5)に示すように,この値を暗騒音の測定時に測定した

風速に乗じることによって,暗騒音測定時のハブ高さの基準化風速を算出する。

V

B, n

κ

z

 V

z, m

(5)

ここに,

V

z, m

: 高さ

の風速

V

B, n

: 暗騒音測定時のハブ高さの基準化風速

暗騒音の測定中は,

V

H, n

V

B, n

になる。

8.3 

風下方向

測定板とナセルとの位置関係に対して,風向を常に監視し,マイクロホンがナセルから風下方向±

15°

の範囲内にあるときの測定データを分析する。ヨー位置(ナセル方位角)は,風車制御装置から他の制御

信号と同時に測定することが望ましい。

8.4 

その他の大気条件

大気温度及び気圧は,

1.5 m 以上の高さで,最低でも 2 時間ごとに測定し,記録する。

8.5 

ロータ速度及びピッチ角の測定

ロータ速度は,必ず測定し報告する。ピッチ角は,測定し報告することが望ましい。これらのデータは

風車制御装置から得ることができ,音響測定の時刻と同期させ,算術平均値を算出する。

データ処理方法

9.1 

音響パワーレベル及び

1/3 オクターブバンド音響パワーレベルに関する一般的方法 

この方法の目的は,統計的手法を用いてオーバーオールの

A 特性音響パワーレベル及び A 特性 1/3 オク

ターブバンド音響パワーレベルを求めることにある。非音響データに関しては算術平均,音響データに関

してはエネルギー平均の

2 種類の平均化の方法を使い分ける必要がある。

この細分箇条には不確かさも規定し,オーバーオールの

A 特性音響パワーレベル及び A 特性 1/3 オクタ

ーブバンド音響パワーレベルとともに算出する。ほとんどの測定器には,精度が指定されている。次に示

す規定でこれを適用する前に,精度を不確かさに変換する。このための指針を,附属書

に示す。

騒音及び風速の測定値は,

10 秒間ごとに平均化する。騒音に関するデータとしては,時間平均 A 特性音

圧レベル

L

Aeq

及び時間平均

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベル L

Aeq, o

がある。各測定で得られる

A 特

1/3 オクターブバンド音圧レベルは,オーバーオールの時間平均 A 特性音圧レベル L

Aeq

の測定値と相対


17

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

関係を保つため,基準化する。

個々のデータ点は風速ビンに振り分け,次のように平均化した値とする。

  平均風速

  A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの時間平均値

  各量ごとの標準不確かさ

平均風速は,必ずしもビン中心値でなくてもよい。

風速ビン中心における,それぞれの

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの値は,対象とするビンに

隣接するビンにおける平均値を線形補間して算出する。これによって,ビン中心の風速に対する

A 特性 1/3

オクターブバンド音圧レベルを得る。

上記の方法を全体騒音(風車稼働時の騒音)及び暗騒音(風車停止時の騒音)に対して適用し,ビン中

心ごとの音圧レベルを算出する。

風速ビン中心ごとに,全体騒音に対して暗騒音の補正を行って風車騒音の

A 特性 1/3 オクターブバンド

音圧レベルを算出する。全体騒音の

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルのエネルギー和と暗騒音の A

特性

1/3 オクターブバンド音圧レベルのエネルギー和とのレベル差が 3 dB を超え 6 dB 以下である場合,

報告時にその結果にアスタリスク(

*)を付けて示す。その差が 3 dB 以下である場合,風速ビンに関する

結果は報告しない。

次の記号及び定義を,

9.29.5 に用いる。

1/3 オクターブバンドの番号

(例

i=1 は中心周波数 20 Hz,i=2 は中心周波数 25 Hz,...,i=28 は中心周波数 10 000 Hz)

10 秒間測定の番号(ビンごとに 10 個以上必要であるため,j=1~10 又はそれ以上)

風速ビン(

k=6 m/s ビン,k=6.5 m/s ビン,k=7 m/s ビンなど)

ビン中心値

o

測定した

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベル

n

基準化した

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベル(9.2.1 参照)

T

全体騒音

B

暗騒音

C

暗騒音補正済みの全体騒音

データ処理方法の詳細を

9.29.5 に規定し,そのフローチャートを図 に示す。


18

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

音響測定

箇条

7

電力,ナセル

風速など

箇条

8

1/3 オクターブ

バンド解析

10 秒間)

7.2.4

積分平均

10 秒間)

1/3 オクターブバンドごと

2 次ウィンドスクリー

ン(使用する場合)を

補正する。

(附属書

参照)

出力曲線及び風速計

から風速

V

H , n

算出する。

8.2.1.1 及び 8.2.1.2

風速

V

, n

に対する

プロット

L

Aeq

及び

電力(散布図)

10.5

ハブ高さ,
風速計高さ

ビンに

振り分ける。

ビンごとに各

1/3 オクターブバンド平均音圧レベル

[式

(9)]及び対応する標準偏差[式(10),式(11),

(12)及び式(13)]を算出する。

9.2.2

1/3 オクターブバンドごとのビン平均間の区分的線形補間によるビン中心値

[式

(20),式(21)]及び対応する標準偏差  [式(22)]を算出する。

9.2.4

十分なデータが登録された場合,ビンを終了する。

ビンごとに暗騒音のビン中心

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの

補正[式

(24)]及び対応する標準偏差[式(25)]を算出する。

9.2.4

出力曲線

測定した風速の全ての

10 秒間測定値,及び

出力曲線の許容範囲から

算出した風速から,風速

計風速の補正を算出する。

8.2.1.2

時間領域における

A 特性

同期的

ビンごとに基準化風速の平均値[式

(14)]及び対応する

標準偏差[式

(15),式(16),式(17)及び式(18)]を算出する。

ビンごとに電力,回転速度などの平均値を算出する。

9.2.3 

1/3 オクターブバンドごとに風速及び

騒音の共分散[式

(19)]を算出する。

9.2.3

全体騒音と暗騒音との

1/3 オクターブバンドのエネルギー和の差が 3 dB 未満

の場合,そのデータは用いない。差が

3 dB~6 dB の場合,その結果は用いる

が算出した音響パワーレベルにアスタリスク(

*)を付けて報告する。

差が

6 dB を超える場合,その結果にはアスタリスクを付けずに報告する。

ビンごとに見かけの

A 特性音響パワーレベル L

WA,i,k

[式(26)],見かけの A 特性音響パ

ワーレベル

L

WA,k

[式(27)]及びそれに対応する標準偏差      [式(28)]を算出する。

9.3

ハブ高さ,
測定距離

このラインよりも下の

全ての活動は全体騒音

及び暗騒音に対するもの

L

Aeq,j

10 秒間)

7.2.3

L

Aeq,o,j

A 特性音圧レベル

のエネルギー和)[式

(6)]

を算出する。

9.2.1

L

Aeq,n,i,j

(基準化

A 特性

1/3 オクターブバンド音

圧レベル)[式

(8)]を

算出する。

9.2.1

騒音測定器からの入力

風速計制御システム
などからの入力

差Δ

j

 [式(7)]を

算出する。

9.2.1

ハブ高さの基準化風速

V

, n

は,許容時において

出力曲線から算出したハブ
高さ風速,補正した風速計
風速などである。

見かけの音響パワーレベル

L

WA,10m

は,

z

0

 = 0.05 で 10 m における整数風速に

対応するハブ高さ風速で算出する。

ハブ高さのビン平均値間で線形補間を用いる。

k

L

u

,

WA

V

L

u

6-データ処理方法のフローチャート 

9.2 

音圧レベルの求め方

9.2.1 

一般

騒音に関するデータとしては,時間平均

A 特性音圧レベル L

Aeq

及び中心周波数

20 Hz~10 kHz の A 特性


19

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

1/3 オクターブバンド音圧レベルを求める。時間平均 A 特性音圧レベル L

Aeq, o

は,

A 特性 1/3 オクターブバ

ンド音圧レベルの測定値のエネルギー和(合成値)から式

(6)によって,算出する。さらに,式(7)によって,

L

Aeq

L

Aeq, o

との差を求める。

=





=

28

1

10

10

o,

Aeq,

,

Aeq,

10

log

10

i

L

j

j

i

L

  (6)

Δ

j

L

Aeq, j

L

Aeq, o, j

  (7)

(8)に示すように,この差を個々のバンドの A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの値に加えて,測

定時間ごとの基準化

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルを算出する。

L

Aeq, n, ij

L

Aeq, ij

Δ

j

  (8)

ここに,

  L

Aeq, o, j

番目の測定時間において,A 特性 1/3 オクターブバンド音
圧レベルから算出した

A 特性音圧レベル

L

Aeq, ij

番目の測定時間における 番目の A 特性 1/3 オクターブバ
ンドの

A 特性音圧レベル

L

Aeq, j

番目の測定時間における時間平均 A 特性音圧レベル

Δ

j

: 直接測定した

A 特性音圧レベルと A 特性 1/3 オクターブバ

ンド音圧レベルから算出した

A 特性音圧レベルとの差

L

Aeq, n, ij

番目の測定時間における 番目の中心周波数の基準化 A
特性

1/3 オクターブバンド音圧レベル

2 次ウィンドスクリーンを用いる場合,基準化 A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルは,1/3 オクター

ブバンドごとに

2 次ウィンドスクリーンの影響を補正する。

9.2.29.2.4 に規定する全ての解析は,基準化

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルを用いて行う。基

準化

A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルは,風速ビン ごとに振り分ける。各ビンの音圧レベル及び

風速の両方について,平均値及び不確かさは風速ビン

ごとに 9.2.29.2.4 に示す式によって算出する。

全体騒音及び暗騒音は,同じ方法で解析する。

9.2.2 

風速ビン当たりの平均音圧レベル及び不確かさの算出

番目の中心周波数の A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの平均値

k

i

L

,

は,式

(9)によって算出する。





=

=





N

j

L

k

i

k

j

i

N

L

1

10

10

,

,

,

10

1

log

10

  (9)

ここに,

N: 風速ビン における測定数

L

ijk

: 風速ビン

において,番目の測定時間における 番目の A 特

1/3 オクターブバンド音圧レベル

この結果は,風速ビン

における 1/3 オクターブバンドごとの一つの平均音圧レベルとなる。

風速ビン

における 番目の 1/3 オクターブバンド平均音圧レベルに対するタイプ A の標準不確かさ s

Lik

は,式

(10)で算出する。

(

)

(

)

=

=

1

1

,

,

,

2

,

N

N

L

L

s

N

j

k

i

k

j

i

L

k

i

   (10)

ここに,

k

i

L

,

: 式

(9)で算出した風速ビン

における 番目の 1/3 オクターブバ

ンドの平均音圧レベル


20

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

L

ijk

: 風速ビン

において,番目の測定時間における 番目の 1/3

オクターブバンド音圧レベル

番目の測定時間において,エネルギー平均した 番目の 1/3 オクターブバンドの音圧レベルを合成した

タイプ

B 標準不確かさ

j

i

L

u

,

は,式

(11)で算出する。タイプ B 不確かさについては,附属書 に示す。

=

=

7

1

2

,

,

,

q

L

L

q

j

i

j

i

u

u

  (11)

ここに,

q

j

i

L

u

,

,

番目の測定時間において,エネルギー平均した 番目の 1/3
オクターブバンドの音圧レベルの要因

によるタイプ B 標準

不確かさ

風速ビン

における 番目の 1/3 オクターブバンドの平均音圧レベルに関するタイプ B 標準不確かさ

k

i

L

u

,

は,式

(12)で算出する。

k

j

i

k

j

i

k

i

L

N

j

L

L

u

u

N

u

,

,

,

,

,

1

2

1



=

=

   (12)

ここに,

k

j

i

L

u

,

,

番目の測定時間において,エネルギー平均した 番目の 1/3
オクターブバンドの音圧レベルを合成したタイプ

B 標準不確

かさ。式

(11)も参照する。この値は,

番目の測定時間の全て

の値に対して,同じ値をとる

風速ビン

における 番目の 1/3 オクターブバンドの平均音圧レベルに関する合成標準不確かさ

k

i

L

u

,

,

com

は,式

(13)で算出する。

2

2

,

com

,

,

,

k

i

k

i

k

i

L

L

L

u

s

u

+

=

  (13)

9.2.3 

風速ビン当たりの平均風速及び不確かさの算出

風速ビン

における平均風速

k

V

は,式

(14)で算出する。

=

=

N

j

k

j

k

V

N

V

1

,

1

   (14)

ここに,

N: 風速ビン における測定数

V

jk

: 風速ビン

において,番目の測定時間における風速の平均値

風速ビン

の平均風速に対するタイプ A 標準不確かさ s

Vk

は,式

(15)で算出する。

(

)

(

)

=

=

1

1

2

,

,

N

N

V

V

s

N

j

k

k

j

k

V

   (15)

ここに,

V

jk

番目の測定時間における平均風速

k

: 風速ビン の平均風速で,式(14)で算出する。

測定時間

における風速に関するタイプ B 標準不確かさ

j

V

は,式(16)で算出する。

=

=

9

8

2

,

q

q

V

V

j

j

u

u

   (16)

ここに,

q

j

V

u

,

番目の測定時間において,平均風速の要因 によるタイプ B
標準不確かさ


21

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

風速ビン

における平均風速に関するタイプ B 標準不確かさ u

Vk

は,式

(17)で算出する。



=

=

N

j

V

k

V

j

u

N

u

1

2

,

1

   (17)

ここに,

j

V

: 番目の測定時間における平均風速に関するタイプ B 標準不確

かさ。式

(16)で算出する。

風速ビン

における風速に関する合成標準不確かさ u

com, Vk

は,式

(18)で算出する。

2

,

2

,

,

com,

k

V

k

V

k

V

u

s

u

+

=

  (18)

風速及び音圧レベルに対応する共分散

cov

LVik

は,式

(19)で算出する。

=

=

N

j

k

i

k

j

i

k

k

j

k

i

LV

L

L

V

V

N

1

,

,

,

,

,

,

)

(

)

(

1

1

cov

  (19)

ここに,

V

jk

番目の測定時間における平均風速

k

: 風速ビン における平均風速。式(14)で算出する。

L

ijk

: 風速ビン

において,番目の測定時間における 番目の 1/3

オクターブバンドの平均音圧レベル

k

i

L

,

: 風速ビン

における 番目の 1/3 オクターブバンドの平均音圧

レベル。式

(9)で算出する。

9.2.4 

不確かさを含む風速ビン中心における音圧レベルの算出

全体騒音及び暗騒音の両方について,ビン中心の風速における

番目の 1/3 オクターブバンドの音圧レ

ベルの推定値は,ビン平均値の間の線形補間によって算出する。原則として,この方法はあらゆる風速に

適用できる。

風速

における音圧レベルの推定値は,式(20)で算出する。

( )

1

)

1

(

+

+

=

k

k

V

L

t

L

t

t

L

   (20)

ここに,

1

+

k

k

V

V

V

(20)の風速

に対する の値は,式(21)で算出する。

(

)

(

)

k

k

k

V

V

V

V

t

=

+1

   (21)

ビン中心風速

について算出した音圧レベルに関する標準不確かさは,式(22)で算出する。

)

(

)

(

cov

)

(

)

(

2

2

2

t

u

t

t

u

t

u

V

L

L

L

V

V

=

   (22)

ここに,

2

1

,

,

com

2

2

,

,

com

2

2

)

1

(

)

(

+

+

=

k

L

k

L

L

u

t

u

t

t

u

1

1

,

2

,

2

cov

cov

)

1

(

)

(

cov

+

+

+

=

k

k

LV

k

k

LV

L

N

t

N

t

t

V

2

1

,

,

com

2

2

,

,

com

2

2

)

1

(

)

(

+

+

=

k

V

k

V

V

u

t

u

t

t

u

ここに,

N

k

: 風速ビン

における測定数

(22)で

N

k

を用いることによって,音圧レベル及び風速の平均値に関する標準不確かさを補正する。

最も高い風速ビンにおいて,ビン平均風速がビン中心における風速を下回る場合,ビン中心に対して外

挿を行ってもよい。最も低い風速ビンにおいて,ビン平均風速がビン中心における風速を上回る場合,ビ

ン中心に対して外挿を行ってもよい。ただし,外挿を行ってよいのは,少なくとも

10 個の測定データがあ

るビンに限る。


22

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

番目の 1/3 オクターブバンドにおいて,全体騒音の音圧レベル L

V, T, ik

が暗騒音の音圧レベル

L

V, B, ik

りも

3 dB 以上高い場合,暗騒音を補正した音圧レベル

L

V, C, ik

及びこの値における標準偏差

u

C, ik

は,それ

ぞれ式

(23),式(24)によって算出する。





=









10

10

10

,

,

C

,

,

,

B

,

,

,

T

,

10

10

log

10

k

i

V

k

i

V

L

L

k

i

V

L

  (23)





















+





=

10

10

2

10

2

10

,

,

C

,

B

,

,

T

,

,

B

,

,

B

,

,

T

,

,

T

,

10

10

10

10

i

V

i

V

i

V

i

V

i

V

i

V

L

L

L

L

L

L

k

i

u

u

u

   (24)

全体騒音と暗騒音とのレベル差が

3 dB よりも大きい場合,両者は相関がないものとみなす。これによっ

て,両者に何らかの相関性がある場合には,不確かさの過大評価になる可能性がある。各ビン又は各

1/3

オクターブバンドにおいて,全体騒音のレベル

L

V, T, i

が暗騒音のレベル

L

V, B, i

3 dB 未満の値で上回る場

合は,

3 dB の補正を行い,その結果に角括弧([])を付ける。不確かさは,その差を 3 dB とみなして,式

(25)で算出する。





















+





=

10

3

10

2

10

3

2

10

,

,

C

,

T

,

,

T

,

,

T

,

,

B

,

,

T

,

,

T

,

10

10

10

10

i

V

i

V

i

V

i

V

i

V

i

V

L

L

L

L

L

L

k

i

u

u

u

   (25)

9.3 

見かけの

特性音響パワーレベル 

各風速ビン内における,

1/3 オクターブバンドごとの見かけの A 特性音響パワーレベル

L

WA, ik

は,ビン

中心風速における同じ

1/3 オクターブバンドの暗騒音を補正した音圧レベル

L

V, C, ik

から式

(26)で算出する。

+

=

0

2

1

10

,

,

C

,

,

,

WA

π

4

log

10

6

S

R

L

L

k

i

V

k

i

   (26)

ここに,

L

V, C, ik

: 基準大気条件下で,

のビン中心風速において A 特性の周波

数重み付けをした

番目の 1/3 オクターブバンドの音圧レベ

ルで,暗騒音補正を行った値

R

1

: 図

に示す,ロータ中心からマイクロホンまでの直線距離

m)

S

0

: 基準面積(

S

0

1 m

2

(26)の中の 6 dB の定数は,測定板上で音圧レベルを測定することによって音圧が約 2 倍になることを

考慮するためのものである。

風速ビン

における見かけの A 特性音響パワーレベルの推定値は,全ての A 特性 1/3 オクターブバンド

音響パワーレベルのエネルギー和(合成値)として式

(27)で算出する。

=





=

28

1

10

10

,

WA

,

,

WA

10

log

10

i

L

k

k

i

L

   (27)

全体騒音と暗騒音との間で,式

(27)によって算出した A 特性 1/3 オクターブバンド音圧レベルの合成値

の差が

3 dB を超え 6 dB 以下である場合,報告時にその結果にアスタリスク(*)を付けて示す。その差が


23

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

3 dB 以下である場合には,その風速ビンに関する結果は報告しない。

=





=









=

28

1

10

28

1

10

,

,

C

,

,

WA

,

,

WA

,

WA

10

10

i

L

i

L

k

i

L

k

i

k

i

k

u

u

  (28)

(28)は,相関性のある不確かさに関して有効である。各 1/3 オクターブバンドの A 特性音響パワーレ

ベルの不確かさは,相関性があるとみなす。

タイプ

B 不確かさについては,附属書 に示す。

9.4 

高さ

10 m の風速を基準とする見かけの 特性音響パワーレベル 

測定範囲内の整数風速に対する高さ

10 m の風速を基準とする見かけの A 特性音響パワーレベル

L

WA, 10 m, k

は,次の手順で算出する。

高さ

10 m における風速の設定値からハブ高さの風速

V

H, n

を,式

(29)で算出する。次に,式(20)~式(26)

によって線形補間及び暗騒音補正の算出を行う。









=

ref

0

ref

0

10

n

,

10

ln

ln

z

z

H

V

V

H

   (29)

測定範囲内の整数風速

に関する L

WA, 10 m, k

及びそれに関する不確かさ

uL

WA, 10 m, k

は,それぞれ式

(27),

(28)で算出する。

9.5 

純音性可聴度

9.5.1 

純音性に関する一般手順

ある風速における風車騒音の中の純音性の有無は,狭帯域分析に基づき,

9.5.29.5.9 によって判定する。

その手順を図

のフローチャートに示す。


24

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

音響測定

スペクトル

純音成分の周波数
及び純音性可聴度

を報告する。

終了

局所最大値から

純音候補を特定する。








音性

解析


L

70%

によって臨界帯域

のスペクトルラインを

分類する。

純音成分及びマスキン
グ成分の音圧レベル,
並びに純音性卓越度及
び純音性可聴度の算出

純音候補がない場合,

純音性可聴度の解析

からスペクトルを除く。

同一の音源による純音

成分の平均純音性可聴度

特定された純音がない
場合,純音性可聴度の
解析からスペクトルを

除く。

平均

Δ

L

a

 ≧-3 dB

特定された純音

のある全ての測定

スペクトルの

20 %

特定された純音の

ある

6 個以上の

スペクトル

30 個以上の

測定スペクトル

“関連する純音成分
なし”と報告する。

はい

いいえ

10 個以上の
スペクトル

いいえ

いいえ

はい

はい

はい

はい

いいえ

いいえ

7-各風速ビンにおける純音性可聴度の判定手順 

純音解析は,音響パワーレベルの測定と同じ風速範囲を対象として行う。

7.2.5 に規定するように,測定

データ全体を

10 秒間に分割し,その間のエネルギー平均としてのスペクトルを求める。


25

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

全てのスペクトルは,風速ビンに振り分ける。一つの風速ビンにおける全体の純音性可聴度は,その風

速ビンにおいて

6 個以上の狭帯域スペクトルが同一の音源によることが特定することができた純音成分を

もつ場合に限って,用いる。

同一の音源による純音成分は,次のように定義する。異なるスペクトルで純音性があると特定された成

分は,その周波数を中心にした臨界帯域幅の±

25 %の範囲内にある場合,これらは同一の音源による純音

成分とみなす。同一の音源による純音成分は,一つの純音成分として扱い,報告する。

風速ビンごとに一つの純音成分と特定された各スペクトル

に関して,次の量を求める。

  純音成分の音圧レベル,

L

pt, jk

  臨界帯域内で純音成分の周辺にあるマスキング成分の音圧レベル,

L

pn, jk

  純音性卓越度(純音成分の音圧レベルとマスキング成分の音圧レベルとの差),Δ

L

tn, jk

  純音性可聴度(純音性卓越度と純音の可聴指標との差),Δ

L

a, jk

全体の純音性可聴度

Δ

L

a, k

は,風速ビンごとに,同一の音源によると特定された純音成分ごとの

Δ

L

a, jk

のエネルギー平均として算出する。この計算には,純音成分と特定されたスペクトルだけを含める。

例外的(純音成分が多くのスペクトルラインから成る場合,傾斜が非常に急なマスキング音を含む場合

など)には,ここに規定する方法では正確な結果が得られない場合がある。そのような場合には,ここに

規定する方法とは別の方法をとってもよいが,その方法を報告する。

9.5.2 

純音候補の特定

スペクトルラインの分類のために,最初に純音成分を特定する。

純音成分の候補となる音は,次の手順で特定する。

a)

  スペクトルから局所最大値を見つける。

b)

  臨界帯域,すなわち,局所最大値を中心として式(30)で与えられる帯域幅をもつ閉区間を設定する。

69

.

0

2

l

000

1

c

4

1

1

75

25





+

+

=

f

.

B

  (30)

ここに,

B

l

: 臨界帯域幅

f

c

: スペクトルの局所最大値の周波数(

Hz)

c)

  個々の局所最大値の周波数を中心とした臨界帯域におけるエネルギー平均値を算出する。ただし,局

所最大値のスペクトルライン及びそれに隣接する二つのスペクトルラインは除く。

d)

  局所最大値のレベルが c)で算出した平均値よりも 6 dB を超えて大きい場合,それを純音候補とする。

9.5.3 

臨界帯域内のスペクトルラインの分類

臨界帯域の中心周波数は,純音候補の周波数と一致させる。純音候補の周波数が

20 Hz~70 Hz の範囲に

ある場合,臨界帯域は

20 Hz~120 Hz とする。

あるスペクトルラインの中心周波数が臨界帯域に含まれている場合,そのラインは臨界帯域の一部であ

る。

各臨界帯域内にある全てのスペクトルラインは,次の手順で“純音成分”,“マスキング成分”

“いずれ

でもない”の

3 種類のうちのいずれかに分類する。

a)

L

70 %

の音圧レベルを計算する。ここで,

L

70 %

は,図

に示すように,臨界帯域に含まれるスペクトル

ラインの中でエネルギーが低い方から

70 %に相当するもののエネルギー平均である。

b)

  図 に示すように,

L

70 %

6 dB を基準レベルとする。


26

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

  あるスペクトルラインのレベルが基準レベル未満である場合,そのラインは“マスキング成分”と

分類する。

L

pn, avg

は,図

10 に示すように,マスキング成分と分類した全てのスペクトルラインのエ

ネルギー平均である。

  あるスペクトルラインのレベルが

L

pn, avg

6 dB を超える場合,そのラインは“純音成分”とする。

  “純音成分”と分類されたスペクトルラインが隣接して複数ある場合,最高のレベルをもつスペク

トルラインを特定する。これに隣接する他のスペクトルラインについては,それらのレベルと最高

レベルの差が

10 dB 以下である場合だけ,“純音成分”と分類する。

  “純音成分”又は“マスキング成分”のいずれにも分類されないスペクトルラインは“いずれでも

ない”と分類する。

“いずれでもない”と分類されたスペクトルラインは,その後の解析の対象には

しない。

一つの臨界帯域にあるスペクトルラインの分類の例を,図

11 に示す。

20

25

30

35

40

45

50

55

246

256

266

276

286

296

306

316

326

336

346

周波数   Hz

音圧レベ

dB

L

70%

8-臨界帯域内の L

70 %

レベル


27

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

20

25

30

35

40

45

50

55

246

256

266

276

286

296

306

316

326

336

346

周波数   Hz

音圧レベ

d

B

L

70%

 + 6 dB

L

70%

9L

70 %

6dB 未満のスペクトルライン 

20

25

30

35

40

45

50

55

246

256

266

276

286

296

306

316

326

336

346

周波数   Hz

音圧

レベ

dB

マスキング成分

L

pn,avg

10L

pn, avg

レベル及びマスキング成分に分類されたスペクトルライン


28

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

20

25

30

35

40

45

50

55

246

256

266

276

286

296

306

316

326

336

346

周波数   Hz

音圧

レベ

d

B

純音成分

マスキング成分

L

pn,avg

 + 6 dB

L

pt,max

− 10 dB

いずれでもない

11-全てのスペクトルラインの分類 

9.5.4 

特定された純音成分

特定された純音成分は,

“純音成分”と分類された一つ又は複数のスペクトルラインからなり,純音性を

もつ可能性がある。

9.5.3 に従って,最高レベルのスペクトルラインの周波数を純音成分の周波数とする。

9.5.5 

純音成分の音圧レベルの算出

純音成分の音圧レベル

L

pt, jk

は,

9.5.3 に規定する方法によって臨界帯域内で“純音成分”と特定した全

てのスペクトルラインのエネルギー和として算出する。隣接するスペクトルラインが複数ある場合,ハニ

ング窓を用いていることを補正する必要があり,エネルギー和を

1.5 で除す。

同じ臨界帯域内に複数の純音成分がある場合,上記の手順は,それらの個々の純音成分のレベルのエネ

ルギー和を算出することに相当する。

9.5.6 

マスキング成分の音圧レベルの算出

マスキング成分の音圧レベル

L

pn, jk

は,式

(31)で定義する。





+

=

e

1

10

,

avg,

pn,

,

pn,

log

10

B

B

L

L

k

j

k

j

   (31)

ここに,

L

pn, avg, jk

: 臨界帯域内で“マスキング成分”と分類されたスペクトル

ラインのエネルギー平均値

B

l

: 臨界帯域幅

B

e

: 実効帯域幅

実効帯域幅は,周波数分解能の

1.5 倍で,これにはハニング窓を用いることに対する補正が含まれてい

る。

9.5.7 

純音性卓越度の算出

純音性卓越度は,対応する臨界帯域内の純音成分のレベルとマスキング成分のレベルとの差で,式

(32)

で算出する。

Δ

L

tn, jk

L

pt, jk

L

pn, jk

   (32)

9.5.8 

純音性可聴度の算出

純音に対するヒトの聴感反応の周波数依存性を考慮するために,

Δ

L

tn, jk

に周波数に依存した補正を行う。


29

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

スペクトルごとの“純音性可聴度”

Δ

L

a, jk

は,式

(33)で算出する。

Δ

L

a, jk

Δ

L

tn, jk

L

a

   (33)

ここに,

L

a

は,式

(34)で算出される周波数に依存した可聴指標である。

なお,この可聴指標を表す曲線は聴感実験から得られたもので,異なる周波数の純音(時間不変)に対

する一般的なヒトの主観的反応を反映したものである。

+

=

5

.

2

10

a

502

1

log

2

f

L

   (34)

ここに,

f: 臨界帯域内で最大レベルをもつ純音成分の周波数(Hz)

風速ビンごとに,同一音源による純音成分ごとに

Δ

L

a, jk

のエネルギー平均として

Δ

L

a, k

を求める。

純音性可聴度が式

(35)の条件を満たす場合,純音性可聴度を報告する。

Δ

L

a, k

≧-

3.0(dB)  (35)

ただし,次の場合は報告しない。

a)

  ∆

L

a, k

≧-

3.0 dB で,かつ,10 個以上のスペクトルの 20 %未満にしか同一の音源による純音成分とみ

なされる成分が含まれない場合には,

L

a, k

の値は“純音成分なし”として報告する。

b)

  ∆

L

a, k

≧-

3.0 dB で,かつ,同一の音源による純音成分とみなされる成分を含むスペクトルが全数の

20 %を超えるが,その数が 6 未満である場合には,更に多くの測定を行う。最大 30 個のスペクトル

の測定が必要になる場合がある。

純音性可聴度が式

(36)の条件を満たす場合,∆

L

a, k

の値は“純音成分なし”と報告する。

L

a, k

<-

3.0(dB)  (36)

純音性可聴度が

0 dB を超える場合の純音成分は,可聴と判断する。

9.5.9 

暗騒音

風速ビンごとに,暗騒音の狭帯域スペクトルを求める。暗騒音に含まれている純音成分が可聴性の解析

に著しい影響を及ぼす場合には,その影響がどの程度のものかを明確にするための措置を講じ,その方法

を報告する。

広帯域成分をもつ暗騒音に対しては,補正を行わない。

10  報告事項 

10.1  一般 

風車の構成及びその運転条件について,

10.210.7 の事項を報告する。

10.2  風車の特性 

風車の構成に関して,次の事項を含める。

a)

  風車の詳細

  製造業者名

  機種番号

  製造番号

b)

  運転に関する詳細事項

  垂直軸又は水平軸風車

  アップウィンド形又はダウンウィンド形ロータ


30

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

  ハブ高さ

  ロータ中心からタワー軸までの水平距離

  ロータの直径

  タワーの種類(格子状又は筒状)

  パッシブストール制御,アクティブストール制御又はピッチ制御風車

  定速又は可変速

  出力曲線

  角風速ビンにおける回転速度

  定格出力

  制御用ソフトウェアのバージョン

c)

  ロータの詳細

  ロータ制御装置

  ボルテックスジェネレータ,ストールストリップ及びギザギザ状の後縁の取付け

  翼のタイプ

  製造番号

  翼の枚数

d)

  ギアボックスに関する情報

  製造業者名

  機種番号

  製造番号

e)

  発電機の詳細

  製造業者名

  機種番号

  製造番号

10.3  自然環境 

風車サイト,その周辺及び測定位置の自然環境について,次の事項を報告する。

  設置位置,サイトの地図及びその他の関連情報を含むサイトの詳細

  周辺地域(周囲 1 km までの範囲)における地勢・地形の種類(丘陵,平地,崖,山など)

  地表面特性(草地,砂地,樹木,やぶ,水面など)

  建物又はその他の構造物,崖,樹木,水面などの近くの反射物

  暗騒音レベルに影響を及ぼす可能性のあるその他の周辺の音源(他の風車,幹線道路,工業団地,空

港など)

  基準マイクロホン位置から風車方向を撮影した写真 1 枚及び風況観測塔から風車方向を撮影した写真

1 枚の合計 2 枚の写真

  地表面に置いた測定板上のマイクロホンとその周辺を撮影した写真 1 枚(図 参照)

10.4  測定器 

測定器に関して,次の事項を報告する。

  製造業者名

  機器名及び形式

  製造番号


31

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

  その他の関連情報(直近の校正年月日など)

  測定シリーズごとに用いる風況観測塔の風速計の位置及び高さ

  2 次ウィンドスクリーンを用いた場合の影響

  測定シリーズごとに用いる各マイクロホンの測定位置

10.5  音響データ 

音響データに関して,次の事項を報告する。

  測定シリーズごとのマイクロホンの位置

  各測定シリーズの時間及び日付

  ハブ高さにおけるビン中心風速ごとの見かけの A 特性音響パワーレベル

L

WA, k

  高さ 10 m の整数風速ごとの見かけの A 特性音響パワーレベル

L

WA, 10 m, k

  測定した全体騒音及び暗騒音(異なる記号を付ける)の基準位置 1 における全ての測定データ対を示

すプロット図。風速を異なった方法で算出した場合,そのプロット図に区別して示す。プロット図で

は,

L

Aeq

及び

V

H, n

の軸は線形とし,

1 m/s が 2 dB に相当するように目盛付けをする。

  全体騒音の全ての測定結果を発電出力に対してプロットした図

  ビン中心風速ごとの 1/3 オクターブ音響パワースペクトルの表及びプロット図[1 オクターブ=10 dB

となるように座標をとり,レベルは適宜,角括弧(

[ ])で囲む。]

  全体騒音及び暗騒音を示す表。表の値は,ビンごとの平均 1/3 オクターブバンド音圧レベルのエネル

ギー和として算出する。ビン中心で補正した

1/3 オクターブバンド音圧レベルから算出したビン中心

の補正

L

Aeq

を表に含めてもよい。全体騒音と暗騒音との差が

3 dB を超え 6 dB 以下である場合,その

結果にアスタリスク(

*)を付ける。その差が 3 dB 以下である場合,その結果は報告に含めない。

  各ビン中心風速

に対する次の事項

  特定した各純音成分の Δ

L

tn, jk

  特定した各純音成分の Δ

L

k

  特定した各純音成分の Δ

L

a, k

  特定した各純音成分の周波数

  ビンごとに,全体騒音及び暗騒音の狭帯域スペクトルを重ねて示した図

任意として,次の事項も報告に含めてもよい。

  低周波騒音

  超低周波音

  衝撃性音

  振幅変調

  その他の騒音特性

10.6  非音響データ 

次の非音響データを報告する。

  風速の算出方法

  測定したナセル風速計による風速及び風況観測塔で測定した風速に対する出力曲線による風速のプロ

ット図

  ロータ回転速度

  大気温度


32

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

  大気圧

  粗度長(推定値)

  測定中の風下方向の範囲及びヨー方向がマイクロホン位置から±15°内にあることを確認するために

用いた方法

任意として,次の非音響データを含めてもよい。

  音響測定中の乱流強度の推定値又は測定値

  乱流強度のデータが測定によるものか,又は気象条件からの推測によるものかの記述

10.7  不確かさ 

報告された音響パラメータの測定不確かさに関して,次の事項を評価し,報告する。

  タイプ B 不確かさの記述

  ビン中心風速における見かけの A 特性音響パワーレベル

  ビン中心風速における基準位置での騒音の 1/3 オクターブバンド音圧レベル

測定不確さの評価については,附属書

及び ISO/IEC Guide 98-3 を参照する。

注記

  ISO/IEC Guide 98-3 を基に,技術的内容を変更することなく作成した標準仕様書[TS Z 0033

(測定における不確かさの表現のガイド)]が発行されている。


33

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 A

(参考)

風車の騒音放射に関わるその他の特徴及びその定量化

A.1  一般 

風車の騒音発生には,この規格の本体に記載した特徴以外にも,次のような特徴の一部又は全てが含ま

れることがある。

  超低周波音

  低周波騒音

  衝撃性音

  低周波数で変調された広帯域騒音又は純音成分

  ヒュー,シュー,キィー,ブーンというような異音,バン,ガタガタ,カチン,ドンというような明

瞭な衝撃音が含まれた音など

この附属書では,これらの特徴について簡単に説明し,その定量的な表し方を示す。

超低周波音,低周波騒音,衝撃性音及び振幅変調については,現在のところ全てが解明されているわけ

ではないことに注意する必要がある。これらの特徴を把握するためには,測定位置をこの規格で規定する

位置よりも遠い場所に設定した方がよい場合もある。

A.2  超低周波音 

20 Hz よりも低い周波数の音は,超低周波音と呼ばれている。このような音は,ヒトの耳にはほとんど

聞こえないが,建物を振動させる原因となり,極端な場合にはアノイアンス(不快感)を引き起こす可能

性もある。超低周波音が発生していると考えられる場合には,

ISO 7196 に規定されている G 特性音圧レベ

ルによる評価が適当である。これまでの研究から,最近のアップウィンド形の風車は,耳に感じられるよ

うな超低周波音は発生していないことが分かっている。

A.3  低周波騒音 

通常の手順では,

20 Hz の 1/3 オクターブバンドまで分析することになっており,低周波騒音で問題とな

る周波数範囲はこの範囲に含まれている。その結果から,遠距離音場の低周波騒音の音圧レベルを予測す

ることができる。

周波数が

20 Hz~100 Hz の範囲の低周波騒音によって障害が生じることもある。低い周波の音による不

快感は,この音がはっきりと聞こえる場合に生じる。聴覚しきい値に近いレベルでは,

L

Aeq

の値だけで評

価すると,この音の不快感を過小に評価してしまう可能性がある。

A.4  衝撃性音 

風車のブレードとタワーの周辺の乱れた風との相互作用などによって,物をたた(叩)くような衝撃性

の音が発生することがある。このような音の程度は,

“衝撃性”によって評価できる。

“衝撃性”の定量的な評価としては,時間重み付け特性

I(インパルス)による C 特性音圧レベルの最

大値と時間重み付け特性

S(遅い動特性,SLOW)による C 特性音圧レベルの最大値との差を何度か測定


34

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

してその平均値を求める方法がある。

A.5  広帯域音の振幅変調 

風車から放射される広帯域騒音がブレードの通過周波数で変調を受けることによって,ヒュー,シュー

などの音になって聞こえることがある。

このような振幅変調は,ロータが

10 回以上回転する時間にわたって A 特性音圧レベルを時間重み特性 F

(速い動特性,

FAST)で記録することによって観測することができる。

この振幅変調は局所的な大気の条件(附属書

参照)の影響を受けるので,測定時の大気の条件を記録

しておくことが望ましい。

A.6  その他の騒音特性 

風車の発生音にヒュー,シュー,キィー,ブーン,バン,ガタガタ,カチン,ドンというような音が含

まれている場合には,その様子を記録しておくことが望ましい。騒音の感じをできるだけ言葉で表し,騒

音の性質を表す何らかの測定方法がある場合にはそれによることが望ましい。


35

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 B

(参考)

乱流強度の評価

通常,風には乱れが含まれており,それがロータ回転面を通過する際にブレード面上に非定常の圧力を

発生させ,それによって音が放射される。これまでの研究から,高出力又は高風速では,乱流によって発

生する騒音は,風車からの空力音において支配的な音源になる可能性があることが分かっている。

風の乱れは騒音放射全体に影響を与えるので,音響測定中に乱れの程度を評価し,記録しておくことが

望ましい。その方法としては,

1 Hz のサンプリングによって 1 回当たり 10 分の風速の直接測定を少なく

とも

3 回行うことが望ましい。10 分ごとの測定データから風速の平均値及び標準偏差を求める。その結果

から,各実測時間中の平均風速に対する標準偏差の比によって平均乱流強度を算出する。

乱流強度は,通常,ロータ中心の高さでじょう(擾)乱がない流れの中で測定する。高さ

10 m の風況

観測塔,出力曲線又はナセル風速計を用いることによって,その推定値を得ることができる。同一の風車

について,このような相対的な測定を行うことによって,騒音測定の結果を比較することができる。

上記の乱流測定ができない場合には,局所的な大気安定度及び地表粗度から乱れのレベルを推定しても

よい。快晴の日には大地が温められ,空気の浮揚効果によって乱流エネルギーが大気境界層内で発生する。

このような条件では大気境界層は不安定となり,乱れのレベルは高くなる。一方,日没後には大地は夜空

への放射損失によって冷却され,冷たい空気が暖かい空気の下になる場合が多い。このような条件では大

気が安定状態になり,境界層における乱流混合が抑えられるため,乱れのレベルは低い。さらに,測定サ

イトの地表粗度も乱れの程度に影響を与える。地表粗度が大きい場合及び地形が複雑な場合には,乱れの

レベルは大きくなる。乱れのレベルの実測結果が報告できない場合には,代わりに,測定の時間帯,雲量

及び地表粗度を報告することが望ましい。


36

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 C 
(参考)

測定の不確かさの評価

C.1  一般 

この附属書は,不確かさを算出する際の指針を示す。

C.2  タイプ 及びタイプ の不確かさの要素 

報告する各音響パラメータの測定の不確かさは,この附属書で示す方法によって合成標準不確かさとし

て計算し,報告することが望ましい。この方法を適用する際のその他の指針については,

ISO/IEC Guide 

98-3 を参照する。この附属書では,一連の繰返し測定の結果に対して統計的方法を適用して求めるタイプ

A 不確かさの要素と,類似の状況における様々な経験を含む関連情報を基に判断するタイプ B 不確かさの

要素とを区別する。タイプ

A 及びタイプ B の不確かさの要素は,いずれも標準不確かさの形で表現し,そ

れらを分散の合成法を用いて合成標準不確かさとする。

C.3  サイト効果 

測定結果の不確かさを評価する場合,風速の測定結果,測定板に取り付けたマイクロホンの音響的条件

などに測定サイトの影響が含まれることを考慮する必要がある。測定サイトの地形が不均一な場合には,

測定される風速はロータへの入射風速と異なる。この不一致は,ロータの中心と風速計との距離が大きく

なるほど大きくなる。地面が傾斜していて平たんでない場合には,マイクロホンを取り付ける測定板の設

置条件が十分に満たされなくなり,正しい音圧が測定されないこともある。周波数別のスペクトルの不確

かさは,オーバーオールの

A 特性音圧レベルの不確かさよりも大きく,それは測定板の寸法が小さくなる

ほど大きくなる。いろいろなサイト効果は,タイプ

B 不確かさの要素である。

C.4  音響パラメータの測定に関する不確かさ 

C.4.1  見かけの音響パワースペクトル及びレベル 

ここでは,現在得られている知見に基づいて,見かけの音響パワースペクトル及びレベルに関して最も

重要な不確かさの要素について述べる。

タイプ

A 不確かさを記述するパラメータは,風速ビン中心単位で 1/3 オクターブバンドごとに求められ

た音圧スペクトルの標準誤差である。詳細は,箇条

に示したとおりである。

音響測定に関するタイプ

B 不確かさの要素は,次のとおりである。

  音響測定器の校正,

u

B1

  音響測定系の許容範囲,

u

B2

  マイクロホン取付け板の音響条件に関する不確かさ,

u

B3

  ウィンドスクリーンの挿入損失に関する不確かさ,

u

B4

  マイクロホンからハブまでの距離及び風向に関する不確かさ,

u

B5

  空気の音響インピーダンス及び空気吸収に関する不確かさ,

u

B6

  風の乱れを含む気象条件の変化による風車の音響放射に関する不確かさ,

u

B7


37

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

風速測定に関するタイプ

B 不確かさの要素は,次のとおりである。

  風速計の校正及びサイト効果を含む風速の測定値に関する不確かさ又は(パワー曲線からの)風速の

算出値(発電出力の読取りの不確かさを含む)に関する不確かさ,

u

B8

  出力曲線の不確かさに起因する測定又は算出した風速に関する不確かさ,

u

B9

上記に述べた全てのタイプ

B 不確かさがとる可能性がある値については,簡単化のために範囲を“±

a

とする矩形分布を仮定する。この分布に対する標準不確かさは,式

(C.1)で表される。

3

a

u

=

  (C.1)

不確かさの要素としてとる可能性がある数値の例を,表

C.1 及び表 C.2 に示す。実際の評価では,これ

らの値はあくまで指針として用いることが望ましい。

C.1-見かけの音響パワースペクトルに関するタイプ 不確かさの要素の数値例 

単位

dB

要素

代表的範囲

代表的な標準不確かさ

校正,

u

B1

±

0.3 0.2

測定器,

u

B2

周波数依存性は,校正証明書から採用可能

取付け板,

u

B3

±

0.5 0.3

ウィンドスクリーン挿入
損失,

u

B4

附属書

を参照

距離及び風向,

u

B5

±

0.2 0.1

空気吸収,

u

B6

(この規格では,取り扱わない。

気象条件,

u

B7

±

0.8 0.5

C.2-見かけの音響パワースペクトルを求める際の風速の算出に関する 

タイプ

不確かさの要素の数値例 

単位

dB

要素

代表的範囲

代表的な標準不確かさ

風速[測定

a)

],

u

B8

±

1.2 0.7

風速[算出

b)

],

u

B8

±

0.3 0.2

風速,出力曲線,

u

B9

±

0.3 0.2

a)

  ナセル風速計又は風況観測塔から測定

b)

  T 出力曲線によって算出

合成標準不確かさの算出方法は,箇条

を参照する。


38

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 D 
(参考)

見かけの粗度長

D.1  一般 

粗度長は,地形条件だけに基づいて異なる高さで風速の算出に用いるパラメータである。粗度長の見積

り方を,表

D.1 に示す。ただし,この方法は曇天条件だけに有効な粗い推定であるので,この附属書では,

風速測定又は測定サイトの評価で得られた代表的なウィンドシアーから見かけの粗度長を推定する方法の

指針について示す。

D.1-粗度長 

単位

m

地形のタイプ

粗度長

z

0

水域,雪又は砂の地表

 0.000

1

開けた地形,平たん地,刈取り後の畑
地,裸地

0.01

作物がある農地

 0.05

郊外,市街地,森林,多数の樹木及び
やぶ(藪)がある地域

0.3

D.2  粗度長の策定方法 

粗度長は,風速プロファイルを表す対数式の中で用いられるパラメータである。式

(D.1)にその対数式を

示す。









=

0

ref

0

ref

,

ln

ln

z

z

z

z

V

V

z

z

   (D.1)

ここに,

V

z

: 地上高さ

における風速

V

z, ref

: 地上高さ

z

ref

(通常はバブ高さ)における風速

z: 風速を求める地表面からの高さ

z

ref

: 風速が既知である地表面からの高さ

z

0

: 検討対象としている風向における粗度長

(D.1)は,次のように変形できる。

( )

( )



=

ref

,

ref

,

ref

ln

ln

0

z

z

z

z

V

V

z

V

z

V

e

z

  (D.2)

地表面からの二つの異なる高さで風速を測定することによって,対象とする風向における粗度長を推定

することができる。粗度長は,騒音測定の全時間にわたる

10 秒間ごとの粗度長の平均として算出する。局

所的な地面の影響を最小限に抑えるため,

z

ref

はハブ高さ,及び

は翼端の最低高さになるようにすること

が望ましい。

D.3  ウィンドシアーから見かけの粗度長への変換 

ウィンドシアーは,多くの場合,測定サイトの評価時に測定される。ウィンドシアーは,式

(D.3)に示す


39

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

ように,高さ方向の風速の変化を表すための別の尺度である。式

(D.1)及び式(D.3)を等しく置くことによっ

て,ウィンドシアーを見かけの粗度長に変換することができる。

α

z

z

z

z

V

V





=

ref

ref

,

  (D.3)

ここに,

V

z

: 地上高さ

における風速

V

z, ref

: 地上高さ

z

ref

(通常はハブ高さ)における風速

z: 風速を求める地表面からの高さ

z

ref

: 風速が既知である地表面からの高さ

α: 検討対象としている風向におけるウィンドシアー係数

z

0

を解くことによって,式

(D.4)が得られる。

( )

( )



=

α

α

α

α

z

z

z

z

z

z

e

z

ref

ref

ref

ln

ln

0

  (D.4)

このように

z

0

を算出することによって,二つの異なるウィンドプロファイルを用いた二つの交点,すな

わち

に等しい高さ及び z

ref

に等しい高さを見出すことができる。これによって,これらにそれぞれ,高さ

10 m 及びハブ高さ

を選ぶことで,式(D.4)をウィンドシアーから見かけの粗度長を求める式(D.5)に書き

直すことができる。

( )

( )



=

α

α

α

α

H

H

H

e

z

10

10

ln

ln

10

0

  (D.5)

ここに,

H: 風車のハブ高さ

α: 測定した風向に対するウィンドシアー係数

測定された粗度長[式

(D.2)参照],見かけの粗度長[式(D.5)参照],又は表 D.1 に示す粗度長を用いて高

10 m の風速を基準とする見かけの A 特性音響パワーレベルを求める。


40

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 E

(参考)

2 次ウィンドスクリーンの特性評価

E.1  一般 

高風速において低周波数の測定を行う場合には,

2 次ウィンドスクリーンを用いてもよい。2 次ウィンド

スクリーンはマイクロホンで発生する風雑音を低減する効果があるので,最低周波数及び最高周波数にお

ける信号対雑音比を改善することができる。

2 次ウィンドスクリーンを用いる場合には,その周波数応答に対する影響を文書化し,それに従って測

定結果を補正する。ウィンドスクリーンの挿入損失については,測定時の相対湿度,湿気などの気象条件

の変化の範囲を含めることが望ましい。

E.2 2 次ウィンドスクリーン 

2 次ウィンドスクリーンは,様々な方法で設計することができる。例えば,10 mm 当たり 4 個~8 個の

気孔のある厚さ

13 mm~25 mm のオープンセルフォーム又は別の種類の繊維素材で覆われた半球形状のワ

イヤフレームを用いてもよい。この半球形の

2 次ウィンドスクリーンは,それよりも小さい主ウィンドス

クリーンに対称性を保ちながらかぶ(被)せる。

2 次ウィンドスクリーンの直径は,少なくとも 450 mm とする。

E.3  挿入損失 

2 次ウィンドスクリーンは測定系全体の一部であるので,スクリーンの挿入損失を高い精度で測定する

必要がある。手順を,

E.4 に示す。

E.4  測定手順 

測定器は,風車の騒音測定と同様である。

挿入損失の測定には,スピーカ及びピンクノイズ信号を用いる。

測定用マイクロホンは,スピーカからの水平距離

6 m に設置した測定板に取り付ける。スピーカは,高

4 m の台の上に置く。測定板の水平距離は,風車騒音の測定距離の許容範囲に応じて±20 %の範囲で変

化させる。

別の制御用のマイクロホンを測定用マイクロホンを取り付けた測定板に並べて置いた測定板に取り付け

る。このマイクロホンは,測定中のスピーカからの放射音を監視するためのものである。半球状にした標

準的なウィンドスクリーンを,それぞれ

2 本のマイクロホンにかぶせる。

2 次ウィンドスクリーンは,測定用マイクロホンにかぶせる。スピーカからピンクノイズ信号を放射し,

二つのマイクロホンで観測される音圧レベルを

1 分~2 分間録音する。次に,2 次ウィンドスクリーンを測

定用マイクロホンから取り外して,同様の録音を行う。これを

3 回繰り返す。この測定の前後に暗騒音を

測定する。この測定手順を測定板の三つの異なる距離,すなわち

4.8 m,6.0 m 及び 7.2 m について繰り返

す。全ての測定は

1/3 オクターブバンドで行う。

2 次ウィンドスクリーンの挿入損失は,それを付けないときと付けたときとの音圧レベル差の,合計 9

回にわたる測定結果の算術平均として求める。それと同時に標準偏差も求める。ウィンドスクリーンを付


41

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

けたとき及び付けないときの音圧レベルは高いレベルであるにもかかわらずその差は小さいので,制御用

のマイクロホンの出力の差を基に測定中のスピーカの出力の変化分を測定結果に補正する必要がある。

暗騒音のレベルは,全ての

1/3 オクターブバンドにおいて,スピーカをオンにしたときのレベルに対し

て少なくとも

3 dB 低くする。この条件を満たさない場合は,1/3 オクターブバンドに関して挿入損失を報

告することはできない。

暗騒音によって測定ができない場合,

100 Hz 未満の周波数における挿入損失は,125 Hz における値に等

しいと仮定してもよい。

E.5  その他の必要条件 

挿入損失は,いずれの

1/3 オクターブバンドにおいても-1.0 dB~3.0 dB 以内とする。

隣接する二つの

1/3 オクターブバンドの挿入損失の差は,FFT 分析による狭帯域スペクトルのひずみを

防ぐため,

2dB を超過させない。これを超過する場合は,2 次ウィンドスクリーンに関する補正ができな

い。

E.6 2 次ウィンドスクリーンの例 

2 次ウィンドスクリーンの設置例及び挿入損失の例を次に示す。

  設置例  2 次ウィンドスクリーンの二つの例を,図 E.1 及び図 E.2 に示す。

E.1次ウィンドスクリーン例(1 


42

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

E.2次ウィンドスクリーン例(2 

  挿入損失の例  表 E.1 及び図 E.3 に,2 次ウィンドスクリーンの挿入損失の報告例を示す。挿入損失

は,最低でも

100 Hz まで測定することが望ましい。100 Hz 以下の周波数では,ほとんどの 2 次ウィ

ンドスクリーンで挿入損失は

0 としてよい。


43

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

E.1-挿入損失の報告例 

1/3 オクターブバンド中心周波数

Hz

挿入損失

dB

標準偏差

dB

20 0.1

0.2

25 0.2

0.4

31.5 0.1

0.2

40 0.1

0.2

50 0.1

0.3

63 0.0

0.3

80 0.2

0.2

100 0.2

0.1

125 0.1

0.1

160

0.1 0.2

200

0.3 0.3

250 0.0

0.2

315 0.3

0.2

400 0.6

0.2

500 1.2

0.2

630 1.7

0.2

800 1.7

0.4

1 000 0.7

0.3

1 250 1.3

0.7

1 600 1.7

0.5

2 000 1.6

0.5

2 500 2.3

0.4

3 150 2.6

0.6

4 000 2.1

0.9

5 000 0.8

1.3

6 300

0.1 0.7

8 000 0.7

1.0

10 000 1.6

1.9

挿入損失

3点の平均

クリー

の有

によ

音圧

ベル

(d

B

r

e

2

0

μP

a

E.3-表 E.1 に示した挿入損失の図示 


44

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 F

(規定) 
小形風車

F.1 

序文

大形風車の開発とともに,低コストの小形風車の開発も進められている。小形風車は大形風車とは設計

が異なり,生産コストも低いので,騒音測定における条件を緩和することが適切である。

この附属書では,低コストの小形風車の騒音測定方法について規定する。この方法は,最大出力

100 kW

未満の風車だけに適用することができる。

この附属書で示す方法は,小形風車の動的特性(フリーヨー,より大きなロータ回転速度変動など)に

適応するために,この規格の本体に規定する一般的な測定方法とは異なる。さらに,この附属書では,ナ

セル風速計などの大形風車に対する要件を除いている。風車の騒音測定は,対象とする風車の形状に応じ

て,本体に規定する方法又はこの附属書に規定する方法のいずれによってもよい。

この附属書は,本体に規定する測定方法の原理に基づいている。この附属書では,本体に規定する測定

方法と異なる部分について規定する。

風車が無負荷の状態(蓄電用風車で蓄電池が十分充電されている場合など)でも稼働するように設計さ

れている場合には,その状態についても測定を行い,別途報告することが望ましい。

F.2 

音響測定の位置

測定位置の許容範囲は,風下側のマイクロホン位置に対して±

45°以内とするが,風向の測定によって

決めてもよい。

F.3 

風速測定

風速は,発電出力から算出せず,直接測定する。

JIS C 1400-12-1 に従ってサイト評価を行った場合には,その結果に基づき適切な測定範囲を決定してよ

い。サイト評価を行っていない場合は,

β=90°として図 F.1 に示す位置に風況観測塔を設置する。

風速は,最低

10 m の高さ,可能な場合はロータ中心の高さに設置した風速計によって測定する。ロー

タ中心と風速計の高さとの差は,

25 m 未満とする。

風速は,式

(F.1)に示すように基準大気条件において基準化し,式(F.2)に示すように粗度長

z

0

を用いてハ

ブ高さにおける基準化風速

V

H, n

に補正する。

3

1

ref

ref

K

m

,

n

,





=

p

T

T

p

V

V

z

z

  (F.1)

ここに,

V

z, m

: 高さ

における風速の 10 秒間の平均値

V

z, n

: 高さ

の基準化風速

T

K

: 絶対大気温度の

10 秒間の平均値

p: 大気圧の 10 秒間の平均値(Pa)

T

ref

: 基準大気温度,

T

0

288 K

p

ref

: 基準大気圧,

p

0

101 325 Pa


45

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)









=

0

0

n

,

n

,

ln

ln

z

z

z

H

V

V

z

H

  (F.2)

ここに,

H: ハブ高さ

z: 風速計の測定点高さ

z

0

: 粗度長

D

D

β

β

風向

許容範囲

D

D

D

F.1β の関数としての気象観測塔位置の許容範囲(平面図) 

F.4 

風速の範囲

風速の測定は,カットイン風速から始め,最低でも

11 m/s まで行う。特に速度制御機構を備えた風車に

ついては,可能な場合は,カットアウト風速までのデータをとることが望ましい。

データは,整数風速を中心とする

1 m/s 幅の風速ビンに振り分ける。


46

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

F.5 

純音性可聴度

純音性可聴度は,算出方法を除いて,一般的方法による。

整数風速ごとに,

10 秒間の風車騒音の A 特性音圧スペクトルを,少なくとも 12 個用意する。これらの

12 個のスペクトルは,極力整数風速に近い風速におけるデータとする。測定時に A 特性の重み付けができ

ない場合には,平たん特性のスペクトルを

JIS C 1509-1 に従って A 特性音圧スペクトルに変換する方法を

とってもよい。

純音性卓越度は,

9.5 に従って分析する。

12 個の 10 秒間スペクトルのうち 9.5.4 による純音成分の特定ができないものがあり,Δ

L

tn, jk

が決められ

ない場合には,式

(F.3)で表される値を用いる。





=

e

1

10

tn

log

10

Δ

B

B

L

,j,k

  (F.3)

ここに,

B

l

: 臨界帯域幅

B

e

: 実効帯域幅

全体としての純音性卓越度

Δ

L

k

は,

12 個のデータごとの Δ

L

tn, jk

のエネルギー平均値として算出する。

注記

  9.5.8 では,純音性卓越度 Δ

L

tn, jk

ごとに式

(33)で純音性可聴度 Δ

L

a, jk

を計算し,そのエネルギー

平均として全体の純音性可聴度

Δ

L

a, k

を求めることになっているが,この附属書では,

Δ

L

tn, jk

のエネルギー平均値を求めて全体の純音性卓越度

Δ

L

k

とし,式

(33)に従って,その値から可聴

指標

L

a

を差し引いて全体の純音性可聴度

Δ

L

a, k

を求めることとしている。

F.6 

報告事項

報告書には箇条

10 に示した事項を全て記載する。発電量,ロータ回転速度,ピッチ角及びヨー方位角の

測定及び報告は必須ではない。

小形風車については,算出した

A 特性音響パワーレベルに基づいて騒音ばく(曝)露マップを作成し,

報告する。騒音ばく(曝)露マップにおける風速の範囲は,報告する音響パワーレベルを算出した風速の

範囲とする。ロータ中心からの距離は,水平軸上で,最小値を測定対象の風車のタワー高さとし,最大値

A 特性音圧レベルにおける 35 dB ライン(contour line)が現れる距離とする。音圧レベルは,球面拡散

を仮定して算出する。音圧レベルのデシベルごとのラインは,

5 dB の倍数(30 dB,35 dB,40 dB,45 dB

など)で表す。騒音ばく(曝)露マップには,純音性などに対するペナルティは含めないことに注意する。

これらのペナルティは,国又は地方ごとの規制によって決められているからである。騒音ばく(曝)露マ

ップにこのような地域ごとのペナルティを含めている場合には,その旨をマップに付けて示す。

ある一つの風速ビンに関するデータがない場合には,両側の風速ビン間に関する値から補間で求めるこ

とができる。騒音ばく(曝)露マップでは,このような補間したデータは実測で求められたデータと区別

するために,線の種類を変えるか,又はマップの下に注を追記する(“

7 m/s における騒音ばく(曝)露レ

ベルは補間データによる”など。)。

騒音ばく(曝)露マップの一例を,図

F.2 に示す。


47

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

ロータ中心からの距離(m)

風速

(m

/s

A 特性音圧
レベル(dB)

F.2-騒音ばく(曝)露マップの例 


48

C 1400-11:2017 (IEC 61400-11:2012)

附属書 G 
(参考) 
空気吸収

(削除)

参考文献

JIS C 1400-0

:2005  風力発電システム-第 0 部:風力発電用語

ISO 7196

Acoustics-Frequency-weighting characteristic for infrasound measurements

IEC/TS 61400-14

Wind turbines-Part 14: Declaration of apparent sound power level and tonality values

JIS Z 8738

:1999  屋外の音の伝搬における空気吸収の計算

注記

  対応国際規格:ISO 9613-1:1993,Acoustics-Attenuation of sound during propagation outdoors-

Part 1: Calculation of the absorption of sound by the atmosphere