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C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。

これによって,JIS C 1400-11:2001 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61400-11:2002,Wind turbine

generator systems  −  Part 11 : Acoustic noise measurement techniques を基礎として用いた。

JIS C 1400-11

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)風車の音響放射に関するその他の特徴とその定量化

附属書 B(参考)記録/再生機器の基準

附属書 C(参考)乱流強度の評価

附属書 D(参考)測定の不確かさの評価

附属書 E(参考)参考文献

JIS C 1400

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 1400-0 

風力発電システム−第 0 部:風力発電用語

JIS C 1400-1 

風力発電システム−第 1 部:安全要件

JIS C 1400-2 

風力発電システム−第 2 部:小形風力発電システムの安全基準

JIS C 1400-11 

風力発電システム−第 11 部:騒音測定方法

JIS C 1400-12 

風力発電システム−第 12 部:風車の性能計測方法

TS C 1400-13 

風力発電システム−第 13 部:機械的荷重の計測方法(TS)

JIS C 1400-21 

風力発電システム−第 21 部:系統連系風車の電力品質特性の測定及び評価

TS C 1400-23 

風力発電システム−第 23 部:風車の実翼構造強度試験(TS)

TR C 1400-24 

風力発電システム−第 24 部:風車の雷保護(TR)


C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

(2) 

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

3.1

  見かけの音響パワーレベル  L

WA

    (dB re. 1pW)

2

3.2

  可聴基準  L

a

    (dB re. 20 

μPa)

2

3.3

  特性又は 特性音圧レベル  L

A

又は L

C

  (dB re. 20 

μPa)

2

3.4

  指向性  Δi (dB) 3

3.5

  傾斜角φ(度) 3

3.6

  基準距離  R

0

(m) 3

3.7

  基準高さ  z

ref

(m) 3

3.8

  基準粗度長  z

0ref

 (m)  3

3.9

  音圧レベル L

p

 (dB re. 20 

μPa) 3

3.10

  標準風速  V

s

 (m/s)

3

3.11

  純音の可聴度ΔL

a, k

 (dB)

3

3.12

  純音性ΔL

k

 (dB)

3

4.

  記号及び単位

3

5.

  方法の概要

4

6.

  計測器

4

6.1

  音響計測器

4

6.2

  非音響計測器

5

6.3

  トレーサブルキャリブレーション

5

7.

  測定方法及び測定手順

6

7.1

  測定位置

6

7.2

  音響測定

7

7.3

  非音響測定

8

8.

  データ処理方法

9

8.1

  風速

9

8.2

  暗騒音の補正

10

8.3

  見かけの音響パワーレベル

10

8.4

  1/3 オクターブバンドレベル

11

8.5

  純音性

11

8.6

  指向性(随意)

13

9.

  報告事項

13

9.1

  風車の特徴記述

13


C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

(3) 

ページ

9.2

  自然環境

14

9.3

  計測器

15

9.4

  音響データ

15

9.5

  非音響データ

15

9.6

  不確かさ

16

附属書 A(参考)風車の音響放射に関するその他の特徴とその定量化

25

附属書 B(参考)記録/再生機器の基準

27

附属書 C(参考)乱流強度の評価

29

附属書 D(参考)測定の不確かさの評価

30

附属書 E(参考)参考文献

32

 


C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

日本工業規格(案)

JIS

 C

1400-11

:2005

(IEC 61400-11

:2002

)

風力発電システム−第 11 部:騒音測定方法

Wind turbine generator systems

−  Part 11 : Acoustic noise measurement

techniques

序文  この規格は,2002 年に第 2 版として発行された IEC 61400-11:2002,Wind turbine generator systems

−Part 11:Acoustic noise measurement techniques を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな

く作成した日本工業規格である。

この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

JIS C 1400

の一部であるこの規格の目的は,風力発電システムが放射する音の測定及び解析において,

一貫性及び精度を保証する一般的方法を提供することである。この規格は,次の人々によって使用される

ことを念頭において作成された。

−  明確にされた音響放射性能要求及び/又は,表示制度を満たすよう努力している風車の製造者。

−  このような性能要求を明確に指定したい購入者。

−  新形又は改造された装置が,明示又は要求されている音響性能仕様を満たしているか検証しなければ

ならない風車のオペレータ。

−  新規又は改造機の導入に当たって,環境規制及び認可要求のとき,正確かつ公平に風車の音響放射特

性を明らかにしなければならない風車の計画者又は規制者。

この規格は,

風力発電システムによる複雑な音響放射の測定,

解析及び報告に関する手引きを規定する。

この規格は,風車の製造,設置計画,認可,運転,利用及び規制に係わる人々の利益となるはずである。

この文書で推奨されている技術的に正確な測定・解析手法は,風車の継続的な開発及び運転において,

環境影響の側面に関する事象を,一貫性をもって,正確に意思疎通することを確実にするため,すべての

人々によって用いられるべきである。この規格は,ほかの人々によっても再現性のある正確な結果を得る

ことが期待できる,測定及び報告の方法を提供している。

1.

適用範囲  JIS C 1400 の一部であるこの規格は,風車による音響放射の特徴づけを可能とする測定方

法を提供する。そのためには,音の伝搬による誤差を避けるために機械に近く,かつ音源の大きさが有限

であると考えられる十分離れた位置において,音の評価を行うのに適した測定方法が必要である。記述さ

れている手順は,環境騒音の調査において採用されているような,騒音の評価目的のためのものとは幾つ

かの点で異なっている。この手順は,ある範囲の風速及び風向における風車の音の特徴づけを容易とする

よう意図している。また,測定方法の標準化は,異なる風車の比較を容易にすることになる。

この手順は,一台の風車の音を,矛盾なく,正確に特徴づけることを可能とする方法を提供している。

これらの手順には,次のものが含まれる。

−  音響測定位置。

−  音響,気象及び関連する風車の運転データ収集のための要求事項。


2

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

−  得られたデータの解析と報告するデータの内容。

−  環境影響評価に用いられる音響放射パラメータ及び関連した記述子の定義。

この規格は,風車の大きさ又は形式を限定しない。この規格で記述されている手順は,風車からの音響

放射に関して十分な説明書ができるよう考慮されている。もし,より狭い範囲の測定が必要とされる場合

には,この規格の関連する部分に従って測定が行われればよい。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61400-11:2002

,Wind turbine generator systems − Part 11:Acoustic noise measurement

techniques (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS C 1400-12:2002

  風力発電システム−第 12 部:風車の性能計測方法

備考  IEC 61400-12:1998, Wind trubine generator systems  −  Part 12 : Wind turbine power performance

testing  が,この規格と一致している。

JIS C 1505:1988

  精密騒音計

備考  IEC 60651:1979,Sound level meters 及び IEC 60804:2000, Integrating - averaging sound level

meters  からのタイプ 1 の騒音計に関する引用事項は,時間重み特性“I”に関する規定を除き,

この規格の該当事項と同等である。

JIS C 1514:2002

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

備考  IEC 61260:1995, Electro-acoustics  −  Octave-band and fractional octave-band filters が,この規格

と一致している。

JIS C 5569:1991

  録音再生機器における速さ変動の測定方法

備考  IEC 60386:1972, Method of measurement of speed fluctuations in sound recording and reproducing

equipment  が,この規格と一致している。

IEC 60688:1992

,Electrical measuring transducers for converting a.c. electrical quantities into analog or digital

signals

IEC 60942:1997, Electro-acoustics

− Sound calibrators

3.

定義  この規格では,次の定義を用いる。

3.1

見かけの音響パワーレベル  L

WA

    (dB re. 1pW)

    風下方向で測定される風車の音響放射出力と同

じ出力をもち,ロータ中心にある点音源の 1pW を基準とするA特性音響パワーレベル。L

WA

  は,6∼10m/s

の各整数風速で決定される。

3.2

可聴基準  L

a

    (dB re. 20 

μPa)  リスニングテストによって決定した,周波数に依存する基準曲線で

あり,異なった周波数の純音に対する“典型的”なリスナの主観的反応を与える。

3.3

A

特性又は 特性音圧レベル  L

A

又は L

C

  (dB re. 20 

μPa)  JIS C 1505 に規定されている A 又は C

の周波数補正回路で測定される音圧レベル。


3

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

3.4

指向性 

Δ

i

 (dB)

  測定位置 2,3 及び 4 で測定された A 特性音圧レベルと,風下の基準位置 1 で測定

された A 特性音圧レベルとの差であって,各位置は風車のロータ中心から同一距離にあるように補正され

たもの。

3.5

傾斜角φ

 (度)  マイクロホン取付け板面及びマイクロホンとロータ中心とを結ぶ線がなす角度。

3.6

基準距離  R

0

(m)  風車の基部中心から規定したマイクロホンの各位置までの公称水平距離。

3.7

基準高さ  z

ref

(m)  10 m 高さであって,風速を基準条件に変換するために用いる。

3.8

基準粗度長  z

0ref

 (m)

  0.05 m の粗度長であって,風速を基準条件に変換するために用いる。

3.9

音圧レベル L

p

 (dB re. 20 

μPa)  音圧の 2 乗平均及び基準音圧 20 μPa の 2 乗の比の常用対数の 10 倍。

3.10

標準風速  V

s

 (m/s)

  対数風速分布を用い,基準条件(高さ 10 m,粗度長 0.05 m)に変換された風速。

3.11

純音の可聴度

Δ

L

a, k

 (dB)

  整数風速 = 6,7,8,9,10 における,純音性と可聴基準との差。

3.12

純音性

Δ

L

k

 (dB)

  整数風速 = 6,7,8,9,10 における,純音のレベルと純音周りの臨界帯域内の

マスキング音のレベルとの差。

4.

記号及び単位

D

ロータ直径(水平軸)又は赤道径(垂直軸)

m

H

ロータ中心(水平軸)高さ,又はロータ赤道面高さ(垂直軸) m

L

A

又は L

C

A

又は 特性音圧レベル dB

L

Aeq, k

整数風速 6,7,8,9,10 における等価騒音レベル dB

L

Aeq, c, k

整数風速 6,7,8,9,10 における暗騒音補正等価騒音レベル dB

L

aeq, i

測定位置“i”における暗騒音補正等価騒音レベル dB

L

n

暗騒音の等価音圧レベル dB

L

pn, j, k

k

番目の風速で 番目のスペクトルの臨界帯域内のマスキング音の音圧レベル。

ただし,

=1

∼12,k  =6,7,8,9,10 dB

L

pn, avg, j, k

k

番目の風速で 番目のスペクトルの臨界帯域内のマスキング音の解析帯域内の平均音

圧レベル。ただし,=1∼12,k  =6,7,8,9,10 dB

L

pt, j, k

k

番目の風速で 番目のスペクトルの純音又は複数の純音の音圧レベル dB

L

s

風車の音だけの等価音圧レベル dB

L

s+n

風車の音及び暗騒音を合成した等価音圧レベル dB

L

WA, k

整数風速 k  =6,7,8,9,10 における見かけの音響パワーレベル dB

P

m

実測電力

W

P

n

基準化電力 W

R

i

ロータ中心から測定位置“i”( i= 1,2,3 又は 4)までの傾斜距離 m

R

0

基準距離

m

S

0

基準面積,S

0

=1m

2

m

2

T

C

大気温度

T

K

大気温度

K

U

A

U

B

不確かさの要素 dB

V

H

ハブ高さ における風速 m/s

V

D

パワーカーブから得られた風速 m/s

V

z

高さ における風速 m/s


4

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

V

s

標準風速

m/s

f

純音の周波数 Hz

f

c

臨界帯域の中心周波数 Hz

p

大気圧

kPa

z

0

粗度長

m

z

0ref

基準粗度長,0.05 m

m

z

風速計高さ m

z

ref

風速の基準高さ,10 m

m

β

気象観測塔位置の許容域を規定するために用いる角度

κ

標準風速と測定風速の比

Δ

i

i

番目の測定位置の指向性 dB

Δ

L

tn, j, k

k

番目の風速で 番目のスペクトルの臨界帯域内の純音性。ただし,=1∼12,k  =6,7,

8,9,10

dB

φ

傾斜角

5.

方法の概要  JIS C 1400 の一部であるこの規格では,風車の音響放射の測定,解析及び報告において

使用すべき手順を規定する。計測器及び校正への要求事項は,音響及び非音響測定の精度並びに一貫性を

保証するために明確に指定した。また,音響放射の決定に関連する大気条件を定めるために必要な非音響

測定についても明確に指定している。測定及び報告すべきすべてのパラメータを特定し,これらのパラメ

ータを得るために必要なデータ処理法と共に明記している。

この規格で規定している方法を適用すれば,整数風速 6∼10 m/s における各風車の見かけの A 特性音響

パワーレベルの値,周波数スペクトル及び純音性が得られる。随意の測定によって,指向性を決定できる。

測定は,地形の影響,大気条件又は風雑音の影響をできるだけ避けるため,風車に近い位置で行う。試

験を行う風車の大きさを考慮し,風車の大きさに依存する基準距離 R

0

を用いる。

風雑音を抑え,地表面の種類の違いによる影響を少なくするため,地表面上に置いた板上にマイクロホ

ンを取り付けて測定を行う。

広い風速範囲で,音圧レベル及び風速を同時に,短時間測定する。測定した風速は,10 m の基準高さで,

0.05 m の基準粗度長における風速に補正する。標準風速 6,7,8,9 及び 10 m/s における音のレベルを決

定し,見かけの A 特性音響パワーレベルを計算するために用いる。

指向性は,風車の周りの三つの非基準位置における A 特性音圧レベルを,基準位置で測定したものと比

較することによって決定する。

附属書(参考)には,次のものが含まれる。

−  風車の音響放射に関するその他の特徴とその定量化  (

附属書 A)

−  記録/再生機器の基準  (

附属書 B)

−  乱流強度の評価  (

附属書 C)

−  測定の不確かさの評価  (

附属書 D)

6.

計測器

6.1

音響計測器  次の機器は,この規格で示す音響計測を行うために必要である。


5

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

6.1.1

等価騒音レベル決定のための計測器  当該機器は,JIS C 1505 の騒音計の要求事項を満たしていな

ければならない。マイクロホン径は,13 mm 以上であってはならない。

6.1.2

1/3

オクターブバンドスペクトル決定のための計測器  騒音計の要求事項に加えて,当該機器は,

少なくとも 45 Hz∼11 200 Hz の周波数範囲にわたって,一定の周波数レスポンスをもっていなければなら

ない。フィルタは,JIS C 1514 のクラス 1 フィルタの要求事項を満たしていなければならない。

1/3 オクターブバンド等価音圧レベルは,50 Hz∼10 kHz の中心周波数の範囲で,同時に測定できなけれ

ばならない。風車の低周波音の測定が必要な場合には,

附属書 に記している,より広い周波数帯域が必

要である。

6.1.3

狭帯域スペクトル決定のための計測器  当該機器は,20 Hz∼11 200 Hz で,JIS C 1505 の要求事項

を満たさなければならない。

6.1.4

測定板と防風スクリーンをもつマイクロホン  マイクロホンは,図 及び図 に示すように,マイ

クロホンのダイヤフラムを硬い平板に直交させ,マイクロホン軸を風車に向けて取り付けなければならな

い。板は最小直径が 1.0 m の円形であって,音響的に硬い材料,例えば,少なくとも 12.0 mm の厚さをも

つ合板か硬い樹脂合板,又は最低 2.5 mm の厚さをもつ金属で作られていなければならない。柔らかい地

盤では,大きい板の使用を推奨する。例外的に分割板(一体ではないこと)を用いる場合,次の点に配慮

する。すわなち,各板は同じ平面上にあるようにし,すき間を 1 mm 以下,分割線は板中心を外し,かつ,

図 1 a)に示すようにマイクロホン軸に平行でなければならない。

地表面設置のマイクロホンとともに使用する防風スクリーンは,

主防風スクリーン及び必要な場合には,

2 次防風スクリーンで構成しなければならない。主防風スクリーンは,図 に示すように,マイクロホン

ダイヤフラムを中心とする約 90 mm 径のオープンセルフォームの球の半分で構成しなければならない。

高風速時に,十分な信号対雑音比を低周波数域で得なければならないときには,2 次防風スクリーンを

使用する必要があろう。

例えばそれは,10 mm 当たり 4∼8 の気孔をもつ,13∼25 mm 厚さのオープンセルフォームで,少なく

とも 450 mm 径の近似的に半球形状のワイヤフレームを覆って構成されよう。この 2 次半球防風スクリー

ンは,小さな主防風スクリーンを覆って対称に置かなければならない。

2 次防風スクリーンを用いる場合には,2 次防風スクリーンの周波数応答への影響を記録し,補正しなけ

ればならない。

6.1.5

音響校正器  あらゆる記録,データ収集又は計算システムを含む音響計測システム全体は,音響校

正器を用いて,一つかそれ以上の周波数で,測定の前と後で,直ちに校正されなければならない。校正器

は,IEC 60942 のクラス 1 の要求事項を満たすもので,規定された環境条件内で使用しなければならない。

6.1.6

データ記録/再生システム  データ記録/再生システムが計測機器の一部である場合,計測機器の

全系は,JIS C 1505 の要求事項を満たしていなければならない。

附属書 に例が示されている。

6.2

非音響計測器  この規格に規定した非音響測定を実施するために,次の機器が必要である。

6.2.1

風速計  風速計及びその信号処理器は,4∼12 m/s の風速域で,校正値からの最大偏差が±0.2 m/s

以内でなければならない。風速計は,音と同時に測定可能で,平均風速を測定できなければならない。

6.2.2

電力トランスデューサ  電力トランスデューサは,電流及び電圧変換器を含め,IEC 60688 のクラ

ス 1 の要求精度を満たしていなければならない。

6.2.3

風向計  風向計は,±6 度以内の精度でなければならない。

6.2.4

その他の計測器  カメラ及び距離計測器が必要である。大気温度は±1  ℃及び大気圧は±1 kPa の

精度で測定しなければならない。


6

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

6.3

トレーサブルキャリブレーション  次の機器は,定期的に点検し,国家標準又は一次標準までトレ

ーサブルな校正を受けなければならない。

各機器のキャリブレーションの最大期間は,

次のとおりである。

−  音響校正器(12 か月)

−  マイクロホン(24 か月)

−  積分形騒音計(24 か月)

−  スペクトル解析器(36 か月)

−  データ記録/再生システム(24 か月)

−  風速計(24 か月)

−  電力トランスデューサ(24 か月)

もし,音響校正器が積分形騒音計の一部として校正される場合,校正の最大期間は 24 か月としてよい。

機器が修理されるか,故障又は損傷の疑いがある場合,常に再校正しなければならない。

7.

測定方法及び測定手順

7.1

測定位置  風車の音響放射を確実に特徴づけるため,次の測定位置を設けなければならない。

7.1.1

音響測定位置  1 か所(随意には,ほかに 3 か所)のマイクロホン位置を用いる。4 か所の位置は,

図 に示すように,風車のタワー鉛直中心線の回りに配置しなければならない。風下の要求測定位置は,

図 に示すように,基準位置と定義する。測定位置の方向は,測定時の風向に対し±15 度以内にならなけ

ればならない。タワーの鉛直中心線から各マイクロホン位置までの水平距離は,

図 に示されているとお

りで,±20  %の許容範囲内にあり,±2  %の精度で測定しなければならない。

図 4 a)に示すように,水平軸風車の基準距離 R

0

は,次の式で与えられる。

2

0

D

H

R

 (1)

ここに,

H

地表からロータ中心までの鉛直距離

D

ロータ直径

図 4 b)に示されているように,垂直軸風車の基準距離 R

0

は,次の式で与えられる。

R

0

H

(2)

ここに,

H

地表からロータ赤道面までの鉛直距離,

D

赤道直径である。

反射板の縁による測定値への影響を小さくするため,板は確実に地表に密接して置かれていなければな

らない。土を使い,板端部及び底面下にいかなるすき間もできないようしなければならない。傾斜角φは,

図 に示すように,25 °∼40 °の間になければならない。このため,上記の許容範囲内での測定位置の調整

が必要となるかもしれない。

測定位置は,建物のような反射構造物による反射波の影響の計算値が 0.2 dB 以下となるよう選ばなけれ

ばならない。

7.1.2

風速及び風向の測定位置  風速計及び風向計は,10 m とロータ中心との間の高さで,風車の風上

側に設置しなければならない。これらのトランスデューサは,ロータ中心から 2D∼4の間になければな

らない。もし方法 2(7.3.1.2 参照)を用いて風速を決定する場合は,風速計及び風向計の設置許容範囲は

図 に示されている。

角度

β

は,次の式で与えられる。

min

min

max

ref

ref

)

(

β

β

β

β

z

H

z

z

 (3)


7

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

ここに,

z

風速計高さ(

図 6

参照)

z

ref

10 m の基準高さ

H

ロータ中心高さ,又は赤道面高さ(

図 4

参照)

β

max

βの最大角,β

max

=90 °

β

min

βの最小角,β

min

=30 °

試験中,風速計はその他の風車のロータ及び他の構造物のウェーク内にあってはならない。風車のウェ

ークは,風車の風下の,ロータ直径の 10 倍の範囲と考えなければならない。風速・風向変換器は,互いに

干渉しないよう設置しなければならない。

7.2

音響測定

  風車の音響放射を確実に特徴づけするため,次の音響計測が必要である。

音響測定によって,整数風速 6,7,8,9 及び 10 m/s(10m 高さ及び 0.05m の粗度長)における風車の音

響放射に関する次の諸量が決定されなければならない。

−  見かけの音響パワーレベル。

− 1/3 オクターブバンドレベル。

−  純音性。

随意の測定には,指向性,超低周波音,低周波音及び衝撃性が含まれる。

7.2.1

音響測定の要求事項

  すべての音響測定に対して,次の要求事項が有効である。

−  全測定系は,測定の前と後に,又は位置変更中にマイクロホンを取り外した場合,少なくとも一つの

周波数で校正しなければならない。

−  すべての音響信号は,後の解析のために記録及び保存されなければならない。

−  断続的な暗騒音(例えば,航空機からのもの)がある時間帯は,省かなければならない。

−  風車の音の各測定の前か後で直ちに,風車が停止した状態で,また,同じ計測器を用いて,暗騒音を

測定しなければならない。上述のような風速範囲で,合計少なくとも 30 個の測定値を得なければなら

ない。暗騒音の測定では,その暗騒音の測定データが,風車の騒音測定の間に発生した暗騒音を代表

していると保証するためのあらゆる努力をしなければならない。

−  測定値は,できるだけ幅広い風速範囲をカバーしなければならない。十分な風速範囲を得るために,

何度かの測定が必要となるかもしれない。

  上記に加えて,個々の音響測定に対して,以下の要求事項が有効である。

7.2.2

基準位置 での音響測定

7.2.2.1

A

特性音圧レベル

  風速の測定と同時に,一連の少なくとも 30 個の,基準位置における等価騒

音レベルの測定値が得られなければならない。各測定値は,少なくとも 1 分間の実測時間にわたって積分

されたものでなければならない。少なくとも,各整数風速の±0.5 m/s 内に 3 個以上の測定値がなければな

らない。

暗騒音測定のため,上記の風速域を含む少なくとも計 30 の測定値を得なければならない。

7.2.2.2

1/3

オクターブバンド測定

  基準位置における風車からの音の 1/3 オクターブバンドスペクトル

は,各整数風速において,  1 分間以上の測定で得た少なくとも 3 個のスペクトルのエネルギー平均から決

定しなければならない。少なくとも,50 Hz∼10 kHz の中心周波数の範囲の 1/3 オクターブバンドの測定を

行わなければならない。

風車が停止した状態の暗騒音測定では,上記の要求事項を満たさなければならない。

7.2.2.3

狭帯域測定

  各整数風速において,少なくとも 2 分以上の風車の音及び暗騒音の測定が必要であ

る。これらの 2 分間の風速は,可能な限り整数風速に近くなければならない。


8

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

7.2.3

位置 2及び における随意の音響測定

  風車の等価騒音レベルを,次の二つのいずれかの方法

で,非基準位置で測定しなければならない。

第 1 の方法(望ましい)は,非基準位置における測定を基準位置での測定と同時に行うことである。三

つの非基準位置での測定は個別に行ってもよいが,その場合には,基準位置の測定と同時に行わなければ

ならない。各測定位置の音圧レベルは,少なくとも 1 分間の五つの測定値のエネルギー平均によって決定

しなければならない。五つの実測時間における個々の平均風速は,できるだけ 8 m/s に近くなければなら

ない。

暗騒音の測定値は,少なくとも 1 分間の実測時間内の五つのエネルギー平均でなければならない。

2 番目の方法では,同時測定を必要としない。3 か所の非基準位置の各々において,風車からの一連の,

少なくとも 1 分間の等価騒音レベルを少なくとも 10 個及び同じ時間帯での風速測定を行わなければならな

い。この測定では,風速 V

s

は 8 m/s から±2 m/s 以内で,また,その測定データ数の少なくとも 25  %は,

8 m/s 以上で,少なくとも 25  %は,8 m/s 以下でなければならない。

風車が停止した状態で,少なくとも 1 分間のエネルギー平均を行った,少なくとも 10 個の測定値を得ら

れなければならない。

7.2.4

その他の随意の測定

  この規格で詳しく述べた測定手順では規定していないが,明確な特徴をもつ

風車の放射する音を定量化するための,追加的な測定を行うよう推奨する。

そのような特性には,低周波音,広帯域音の低周波変調,衝撃性の音,異音(例えば,ヒューヒュー音,

シューッ音,金切り音又はブンブン音),明りょうな衝撃音(例えば,バンという音,ガタガタ音,カチン

という音,又はドスンという音),又は人の十分注意を引き付ける異音があり得る。これらについては,

属書 A

で述べるとともに,利用できる定量的尺度の例を概説している。これらは,現在,広く受け入れら

れているものでなく,単に手引き用に与えられている。

7.3

非音響測定

  次の非音響測定を行わなければならない。

7.3.1

風速測定

  風速は,次の二つの方法のうちの一つに従って決定しなければならない。方法 1 が望ま

しい方法であり,認証及び表示目的の測定である場合には,標準である。

7.3.1.1

方法 1:出力及び出力曲線による風速決定

  出力曲線は,ハブ高さにおける風速及び発電出力を

関連付ける。ほとんどの風車に対し,測定された発電出力から風速を決定できる。測定した音響パワーレ

ベルは,最大出力まで極めて相関が高い。

風速は,発電出力の測定値から,できれば

JIS C 1400-12

に従ってトレーサブルに実測された発電出力対

風速曲線を用いて得なければならない。この場合,発電出力対風速曲線は,同じ風車,そうでなければ同

じコンポーネントをもつ,同じ調整をした同形機のものであることが望ましい。出力曲線は,15  ℃及び

101.3 kPa の標準大気条件で,風車が発生する発電出力及びハブ高さ風速を関連付けるものでなくてはなら

ない。

電力は,騒音測定と同じ時間帯で平均しなければならない。

音の測定中に風車は,最大出力点以下での運転である場合,電力測定値及び風車出力曲線を用いる方法

が風速決定に望ましい方法である。しかし,風車停止中の暗騒音測定は,少なくとも 10 m 高さの風速計

によって行われることに注意が必要である。

風車の発生する電力を記録し,音の測定中に出力が最大出力の 95  %を超えないことを確認する。最大

出力の 95  %以下の出力は,定格出力以上の高風速によっても出現することに注意が必要である。これは,

測定風速をチェックすることによって管理し得る。

パッシブストール制御風車に対しては,音の測定中に計測された発電出力は,次の式を用いて標準大気


9

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

条件に変換しなければならない。

P

p

T

T

P

P

ref

ref

k

m

n

⎟⎟

⎜⎜

 (4)

ここに,

P

n

基準化した電力 (kW)

P

m

実測電力 (kW)

T

k

大気温度(K),T

k

=T

c

+273

T

c

大気温度 (°C)

T

ref

基準温度,Tref=288 K

p

大気圧 (kPa)

p

ref

基準大気圧で,

p

ref

=101.3 kPa

出力曲線を用いて得られる,P

n

におけるロータ中心高さの風速は,式(7)によって,10 m 高さ及び基準

粗度長に補正しなければならない。

アクティブ制御風車に対しては,ハブ高さ風速を次の式に従って補正しなければならない。

3

1

ref

k

ref

D

H

⎟⎟

⎜⎜

pT

T

P

V

V

 (5)

ここに,

V

H

ハブ高さで補正した風速(m/s)

V

D

出力曲線から導入した風速(m/s)

ハブ高さで補正した風速は,10 m 高さで基準粗度長における標準風速に変換しなければならない。

もし定格出力の 95  %に対応する標準風速が 10 m/s 以下の場合,次の方法を用いなければならない。定

格出力の 95  %以下の出力レベルのすべてのデータ点に対し,標準風速と測定風速との比

κを求めなけれ

ばならない。この比を定格出力の 95  %以上の出力レベルに対応する風速に適用し,式(6)を用いて標準風

速を推定する。

V

s

κV

z

 (6)

ここに,

V

s

標準風速

V

z

高さ で測定した風速

7.3.1.2

方法 2:風速計による風速の決定

  風速測定に風速計を用いる場合,風速の測定値は,式(7)によ

って,10 m 高さ及び基準粗度長に補正しなければならない。

10 m とロータ中心高さとの間の風速計による測定は,風車停止時の暗騒音測定に適している。音の測定

時には,風車が風速計として用いられる。

風速データは,音の測定と同時に収集し,同じ時間帯で算術平均しなければならない。

7.3.2

風向

  風向は,風向計によって監視し,測定位置が風上に対しナセル方位の 15 度以内にあること

を確認するとともに,風速計の位置を測定する。風向は,騒音測定と同じ実測時間で平均しなければなら

ない。

7.3.3

その他の大気条件

  気温及び気圧は,少なくとも 2 時間ごとに測定し,記録しなければならない。

風車に流入する風の乱れは,空力音の発生に影響し得る。風の乱れに関する説明は,

附属書 C

で行われ

ている。

8.

データ処理方法

8.1

風速

  高さ で測定した風速,又は電力測定からロータ中心高さ で決定した風速は,次の式の風

速分布を仮定することによって,基準条件の風速 V

s

に補正しなければならない。


10

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

0

0

0

0

ln

ln

ln

ln

z

z

z

H

z

H

z

z

V

V

ref

ref

ref

z

s

 (7)

ここに,

z

0ref

0.05 m の基準粗度長

z

0

粗度長

H

ロータ中心高さ

z

ref

基準高さ 10 m

z

風速計の高さ

式(7)は,次のような原理を用いている。

−  実測高さ の,ロータ中心高さ に対する補正には,実際のサイトの条件を考慮するために,サイト

の粗度長 z

0

に対応する対数風速分布を使用する。

−  ロータ中心高さ から基準条件への補正には,基準粗度長 z

0ref

の対数風速分布を使用する。これによ

って,地形に依存しない音響特性が記述できる。

粗度長 z

0

は,複数の高さにおける風速測定から計算できるか又は

表 1

によって評価される。もし望まし

い方法(方法 1)が風速決定に用いられた場合は,暗騒音測定のための基準化風速の計算に,

κが用いら

れる。

1  粗度長

地形のタイプ

粗度長  z

0

水域,雪又は砂の表面 0.0

m

開けた平たん地,干し草及び裸土 0.01 m

植物のある農地 0.05 m

郊外,町,森林,多数の樹木及び藪 0.30 m

8.2

暗騒音の補正

  関連する次の

8.3

8.7

で述べられる方法を用い,測定したすべての音圧レベルは,

暗騒音の影響の補正を行わなければならない。平均の暗騒音のレベルが,風車及び暗騒音の合成レベルよ

りも 6 dB 以上低い場合,次の式を用いて補正値を求めることができる。

L

s

=10 lg [10

(0.1Ls

n)

−10

(0.1Ln)

]  (8)

ここに,

L

s

運転時の風車の音だけの等価音圧レベル(dB)

L

s

n

風車の音及び暗騒音を合成した等価音圧レベル(dB)

L

n

暗騒音の等価音圧レベル(dB)

風車の音及び暗騒音が合成された等価音圧レベルが,暗騒音のレベルよりも 6 dB∼3 dB の範囲で大きい

とき,1.3 dB の補正を行う。この場合,補正されたデータ点に星印“*”の記号を付ける。これらのデータ

点は,見かけの音響パワーレベル又は指向性の決定に使用してはならない。その差が 3 dB 以下の場合,デ

ータ点は報告せず,風車の音が暗騒音以下であることを報告する。

8.3

見かけの音響パワーレベル

  30 個又はそれ以上の,基準位置における等価騒音レベル及び風速のデ

ータ対を用い,2 次の回帰分析を行わなければならない。この分析によって,6 m/s∼10 m/s の整数風速に

おける L

Aeq, k

の値を決定しなければならない。L

Aeq, k

は,整数風速における 2 次の回帰式の値である。

暗騒音測定値の少なくとも 30 組のデータ対を用いて,同様な回帰分析を行わなければならない。整数風

速における L

Aeq, k

の値は,各整数風速における暗騒音で補正し,L

Aeq, c, k

で表示しなければならない。

見かけの音響パワーレベル L

WA, k

は,基準位置で,整数風速における暗騒音補正した音圧レベル L

Aeq, c, k

を用い,次の式で計算する。


11

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     



0

2

1

4

lg

10

6

S

R

L

L

π

k

c,

Aeq,

k

WA,

 (9)

ここに,

L

Aeq, c, k

基準条件のもとで,音響基準風速において暗騒音補正し
た等価騒音レベル

R

1

図 4

に示すロータ中心からマイクロホンまでの傾斜距離

S

0

基準面積で,S

0

=1 m

2

式(9)中の 6 dB の定数は,地表設置板上の音のレベル測定で生じる,近似的な音圧倍加を考慮したもの

である。

8.4

1/3

オクターブバンドレベル

  風車の音の 1/3 オクターブバンドレベルは,対応する暗騒音の 1/3 オ

クターブバンドレベルで補正しなければならない。

8.5

純音性

8.5.1

方法の概要

  種々の風速における騒音中の純音の存在を,狭帯域分析に基づいて決定しなければな

らない。

純音分析は,音響パワーレベル測定と同じ風速域で行わなければならない。

図 7

に示すように,各風速

ビンで,整数風速値に最も近い,二つの,1 分間データを対象として分析を行わなければならない。

二つの,1 分間の測定データを 12 の 10 秒間データに分け,これらに対し,ハニング窓処理で得た 12 の

エネルギー平均狭帯域スペクトルを作る。

周波数分解能は,

表 2

に示す範囲内になければならない。

2  周波数分解能

周波数

Hz

2 000 以下  2 000‐5 000

周波数分解能

2∼5 Hz

2∼12.5 Hz

k = 6

,7,8,9 及び 10 m/s の各整数風速ごとに,=1∼12 の各 10 秒間のエネルギー平均のスペクトルに

対し,

−  純音の音圧レベル L

pt, j, k

を決定。

−  純音周囲の臨界帯域内のマスキング音の音圧レベル L

pn, j, k

を決定。

−  純音とマスキング音との差,純音性

ΔL

tn, j, k

を得なければならない。

個々の 12 の

ΔL

tn, j, k

のエネルギー平均によって,オーバオールの純音性

ΔL

k

を決定する。

臨界帯域の帯域幅は,次の式によって決定しなければならない。

69

.

0

2

000

1

4

.

1

1

75

25



⎟⎟

⎜⎜

c

f

C

 (10)

ここに,

C

臨海帯域幅

f

c

中心周波数(Hz)

例外的(例えば,幅広の純音が多くの周波数ラインを構成している,又は,マスキング音が急なこう配

をもっているなど)に,この方法では,正しい結果を得られない場合があり得る。このような場合,規定

した方法から外れることもあり得るが,そのような場合には,報告しなければならない。

8.5.2

純音候補の特定

  各スペクトルラインの分類のため,事前に純音候補の特定を行う必要がある。

次の手順で,純音候補であるかどうか判定する。

−  スペクトル中の局所最大値を捜す。


12

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

−  各局所最大値を中心とする臨界帯域の平均エネルギーを計算する(この場合,局所最大値と隣接する

二つのラインを含まないこと。

−  もし,局所最大値が平均のマスキング音のレベルより 6 dB 以上大きければ,これは純音候補である。

8.5.3

臨界帯域内のスペクトルラインの分類

  臨界帯域の中心周波数は,純音候補の周波数と一致させな

くてはならない。純音候補の周波数が 20 Hz∼70 Hz の間にある場合,臨界帯域は 20 Hz∼120 Hz とする。

各臨界帯域内のすべての周波数ラインを,次の手順で,

“純音”

“マスキング音”又は“いずれでもない”

に分類する。

a

)  L

70

の音圧レベルを計算する。ここで,L

70

図 8

に示すように,臨界帯域内にあるスペクトルライ

ンの内,低いレベルの 70  %のエネルギー平均である。

b

)

図 9

に示すように,L

70

+6 dB を判定レベルとする。

−  判定レベルより低いレベルをもつラインは,

“マスキング音”と分類する。

図 10

に示すように,マス

キング音と分類されたすべてのラインのエネルギー平均を L

pn, ave

とする。

−  L

pn, ave

+6 dB を超えるラインは,

“純音”と分類する。

−  “純音”と分類された幾つかの隣接するラインの中から,最大レベルのラインを特定する。隣接する

ラインのうち,最大レベルの 10 dB 以内にあるラインだけ純音と分類する。

−  “純音”又は“マスキング音”に分類されなかったラインは,

“いずれでもない”と分類する。

“いず

れでもない”と分類されたスペクトルラインは,分析対象から外す。

図 11

は,臨界帯域内のラインの

分類を示している。

8.5.4

純音のレベルの決定

  純音の音圧レベル,L

pt, j, k

を,

8.5.3

中の臨界帯域内で純音と特定されたすべ

てのスペクトルラインのエネルギー和によって決定する。隣接するラインが二つ以上ある場合,ハニング

窓を用いた補正を行う。この補正は,エネルギー和を 1.5 で割ることによって行われる。

もし,同じ臨界帯域内に一つ以上の純音がある場合,上記の手順はこれらの個々の純音のレベルのエネ

ルギー和を求めることと等価である。

8.5.5

暗騒音補正

整数風速に最も近い二つの 1 分間の測定値を用いて,暗騒音の 2 分間の狭帯域スペク

トルを得なければならない。対応する風車の音の分析に関連し,純音が暗騒音によるものでないことを確

認しなければならない。式(8)に従い,純音分析を行った同じ臨界帯域及び整数風速における暗騒音のレベ

ルを用い,L

pn, ave, j, k

を補正しなければならない。暗騒音のレベルは,臨界帯域内のすべてのラインのエネ

ルギー和から求める。暗騒音のレベルは,対応する臨界帯域内の風車の音のレベルより,少なくとも 6 dB

低くなければならない。もしそうでなければ,マスキング音は暗騒音に影響されている,と記録しなけれ

ばならない。

8.5.6

マスキング音のレベルの決定

  マスキング音のレベル L

pn, j, k

は,次の式で定義する。

Eb

Cb

L

L

lg

10

k

j,

ave,

pn,

k

j,

pn,

(11)

ここに,

Cb

臨界帯域幅

Eb

実効帯域幅

L

pn, ave, j, k

暗騒音補正して得た臨界帯域内で“マスキング音”と
特定したラインのエネルギー平均

実効帯域幅は,周波数分解能の 1.5 倍であり,ハニング窓を用いたことによる補正を含む。

8.5.7

純音性の決定

  臨界帯域内の純音のレベル L

pt, j, k

とマスキング音とのレベルの差は,次の式で与え

られる。

ΔL

tn, j, k

L

pt, j, k

L

pn, j, k

 (12)


13

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

もし,

8.5.3

に従って純音が特定できず,したがって,12 のスペクトルの幾つかの

ΔL

tn, j, k

が定義されな

いときには,次の値を代用しなければならない。

Eb

Cb

L

lg

10

=−

k

j,

tn,

Δ

 (13)

12 個のΔL

tn, j, k

のエネルギー平均によって

ΔL

k

を得る。ただし,各風速のビン k  = 6,7,8,9,10 であ

る。

スペクトル中の純音の周波数が,臨界帯域の 10  %以内で違っている場合,同じ純音とみなさなければ

ならない。

8.5.8

可聴性

違った周波数の純音に対する人の耳のレスポンスを補うため,得られた各

ΔL

k

に対し周波

数に依存した補正を行わなければならない。

純音の可聴性

ΔL

a, k

を,次の式で定義する。

ΔL

a, k

L

k

L

a

 (14)

L

a

は,周波数に依存する可聴基準であり,次の式で定義される。

5

.

2

a

502

1

lg

2

f

L

=−

 (15)

ここに,

f

純音の周波数(Hz)

この基準曲線は,リスニング試験から得られたものであり,典型的なリスナによる時間不変の種々の周

波数の純音に対する主観的印象を反映している。

ΔL

k

の値に対応する

ΔL

a, k

を,計算しなければならない。次の条件に適合する純音の可聴性の場合,

ΔL

a, k

  ≧−3.0 dB  (16)

ΔL

a, k

の値を報告しなければならない。この条件に適合しない場合,すなわち,

ΔL

a, k

<−3.0 dB  (17)

では,この値を報告する必要はない。

8.6

指向性

随意

)  風車の騒音の指向特性は,基準位置 1 における A 特性音圧レベルと,同時に測定

した位置 2,3 及び 4 の 3 点における A 特性音圧レベルを用いて決定しなければならない。それらのレベ

ルは,暗騒音補正及び距離補正をしたものでなければならない。各位置の指向特性

Δ

i

は,次の式を使って

決定しなければならない。

Δ

i

L

Aeq, i

L

Aeq, 1

+20 lg(R

i

/R

1

) (18)

ここに,

L

Aeq, i

位置 2,3 及び 4 における,各位置で暗騒音補正し
た等価騒音レベル。

L

Aeq, 1

L

Aeq

  i

と同時に測定し,暗騒音補正をした,位置 1

における等価騒音レベル。

R

i

ロータ中心と位置 2,3 又は 4 との間の傾斜距離。

R

1

ロータ中心と基準位置 1 との間の傾斜距離。

もし,非同時測定による測定手順を用いている場合は,基準風速における風車の音及び暗騒音の等価騒

音レベルは,測定位置 1,2,3 及び 4 の各位置における回帰分析によって決定しなければならない。風車

の音の測定結果に暗騒音補正を行い,式(8)を用いて,指向性

Δ

i

を決定しなければならない。

9.

報告事項

  次に示す,風車の構成及びその運転条件を報告しなければならない。

9.1

風車の特徴記述

  風車の構成には,次の項目を含まなければならない。


14

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

−  風車の詳細

−  製造業者

−  機種番号

−  製造番号

−  運転の詳細

−  垂直軸又は水平軸

−  アップウィンド又はダウンウィンドロータ

−  ハブ高さ

−  ロータ中心からタワー中心軸までの水平距離

−  ロータ直径

−  タワーのタイプ(ラティス又は管)

−  パッシブストール,アクティブストール又はピッチ制御

−  定速又は可変速

−  出力曲線(風速決定に必要であった場合)

−  6∼10 m/s の各標準風速及び定格風速における回転速度

−  6∼10 m/s の各標準風速におけるピッチ角

−  定格出力

−  制御ソフトウエアのバージョン

−  ロータの詳細

−  ロータの制御装置

−  ボルテックスジェネレータ,ストールストリップ及びギザギザ状の後縁の取付け

−  翼のタイプ

−  翼枚数

−  ギアボックスの詳細

−  製造業者

−  機種番号

−  平行軸又は遊星ギアボックス

−  発電機の詳細

−  製造業者

−  機種番号

−  回転速度

9.2

自然環境

  風車のサイト,その近く及び測定位置における自然環境について,次の事項を報告しな

ければならない。

−  位置,サイトの地図その他の関連する情報を含むサイトの詳細。

−  周辺地域(∼1 km の範囲)における地勢/地形(丘陵,平地,崖,山など)のタイプ。

−  表面特性(例えば,草,砂,樹木,藪及び水面)

−  建物又はその他の構造物,崖,樹木,水面などの近くの反射構造物。

−  その他の,ハイウェイ,産業用設備,空港など騒音レベルに影響する可能性がある近くの音源。

−  1 枚は基準マイクロホン位置から風車方向を,1 枚は風速観測塔から風車方向を撮影した 2 枚の写真。

−  地表面上に置いた測定板及び近接する周辺を写した写真(図

2

参照)


15

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

9.3

計測器

  次の測定器の項目を,報告しなければならない。

−  製造業者

−  機器名及び形式

−  製造番号

−  その他の関連情報(例えば,最新の校正年月日)

−  各測定における風速計位置及び高さ

−  各測定シリーズごとの風速計位置及び測定高さ

−  2 次防風スクリーンを使用した場合には,その影響

9.4

音響データ

  実際の測定に含まれる,次の音響データを報告しなければならない。

−  各測定での,マイクロホンの測定位置。

−  各整数風速 6∼10 m/s における L

WA, k

と暗騒音補正した標準化値の図。図は線形とし,1 m/s が 2 dB に

相当するように目盛づけしなければならない。

−  測定点 1 における風車の音のレベル及び暗騒音(違った記号を用いる)のデータ対の図。L

Aeq

及び V

s

のグラフの軸は線形とし,1 m/s が 2 dB に相当するよう目盛づけしなければならない。

−  各整数風速 6∼10 m/s における 1/3 オクターブバンドスペクトルの表及び図で,図の座標は,1 オクタ

ーブ=10 dB でプロットし,適宜,星印記号“*”を付ける。

各整数風速(

κ= 6,7,8,9,10)に対し,

−  特定された各純音の

ΔL

tn, j, k

j = 1,2,3,...12)

−  特定された各純音の

ΔL

k

−  特定された各純音の

ΔL

a, k

−  純音の周波数

−  特定された各純音の周波数ラインの分類結果を示す,10 秒平均のスペクトルの典型的な例。

−  各測定を行った日時

次の,随意の音響データ。

−  指向性

−  低周波音

−  超低周波音

−  衝撃性

−  振幅変調

−  もしあれば,その他の特徴

9.5

非音響データ

  次の非音響データを報告しなければならない。

−  風速の決定方法

−  大気温度

−  大気圧

−  粗度長

−  各測定における風向範囲(1 分間の平均。

報告する随意の非音響データには,以下がある。

−  音響測定中の乱流強度の推定値か測定値。

−  乱流強度のデータが測定によって決定されたか,又は気象条件からの推定によって決定されたかどう

か。


16

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

9.6

不確かさ

  次の報告する音響量の不確かさを評価し,報告しなければならない。

−  各整数風速における見かけの音響パワーレベル。

−  各整数風速における基準位置の 1/3 オクターブバンドスペクトル。

−  基準位置で測定した風車の放射する音の純音性。

測定の不確かさの評価のための手引きは,

附属書 D

及び

ISO

文書“Guide to the expression of uncertainty in

measurements”に示されている。

a

)

マイクロホンの取付け−平面図


17

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

b

)

マイクロホンの取付け−断面図

1  マイクロホンの取付け

2  マイクロホンと板の写真


18

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

3  マイクロホン位置の標準パターン−平面図


19

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

a

)

  水平軸風車

b

)

  垂直軸風車

4  R

0

及び傾斜距離 R

1

の説明図


20

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

5

β

の関数としての気象観測塔位置の許容範囲−平面図


21

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

6  気象観測塔位置の許容範囲−側面図


22

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

7  純音性処理の作業手順チャート


23

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

8  臨界帯域内の L

70 %

レベルの説明図

9    L

70 %

+6dB

基準以下の周波数ラインの説明図


24

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

10  L

pn, ave

及びマスキング音に分類された周波数ラインの説明図

11  すべての周波数ライン分類の説明図


25

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

附属書 A(参考)風車の音響放射に関するその他の特徴とその定量化

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

A.1

  一般

  この規格の本体で記述した風車の音の特性に加えて,次の幾つか又はすべての音放射現象があ

り得る。

−  超低周波音

−  低周波音

−  衝撃性

−  広帯域音又は純音の低周波変調

−  その他,例えば,ヒューヒュー音,シューッ音,金切り音,又はブンブン音,その他顕著な衝撃音で,

例えば,バンという音,ガタガタ音,カチンという音,又はドスンという音など。

それらについて,次に簡略に記述し,使える可能性がある定量的尺度を述べる。

超低周波音,低周波音,衝撃性及び振幅変調がある側面は,現在のところ十分に理解されているとはえ

ない。したがって,測定位置は,この規格の規定より風車から遠く離れている方が,これらの特性の決定

に好ましいかもしれない。

A.2

  超低周波音

  20 Hz 以下の周波数の音は,超低周波音と呼ばれる。この音は,人の耳にはほとんど聞

こえないが,建物の振動の問題を引き起こす可能性があり,極端な場合には,迷惑感(アノイアンス)を引

き起こし得る。

超低周波音が放射されていると考えられる場合,適切な尺度は,

ISO 7196

に規定される G 特性音圧レベ

ルである。

A.3

  低周波音

  20∼100 Hz の範囲の周波数をもつ低周波音によっても障害が引き起こされ得る。低周波

数が卓越する音によるアノイアンスは,

A 特性音圧レベルでは適切に評価できないこともある。この場合,

単に L

Aeq

値だけを用いた評価では,この音による障害は過小に評価されるかもしれない。

風車の音が,低周波成分をもつとして特徴づけられるかどうか,を決定することは可能であろう。A 特

性と C 特性の音圧レベルの差が約 20 dB を超えるような場合がそうである。

このような場合は,低周波音は,この規格の本体で記述したオクターブ又は 1/3 オクターブバンド測定

を 20 Hz まで引き下げることによって,定量化し得る。オクターブバンドでは,31.5 Hz のオクターブバン

ドが,また 1/3 オクターブバンドでは,20,25,31.5 及び 40 Hz のバンドを付加して測定すればよい。

100 Hz 以下の狭帯域スペクトルは,翼通過周波数の 1/2 以下の帯域幅を用いて測定すればよい。

A4

  衝撃性

  衝撃的なサンピング音は,例えば,タワー周りの乱れた風と翼との相互作用によって放射し

得る。衝撃性は,このサンピングの程度を与える尺度である。

衝撃性の特性づけは,C 特性の“インパルスホールド”と C 特性の“スロー”の音圧レベルの最大値と

の差についての,複数個の測定値の平均から得られる。

サンピング特性は,31.5 Hz オクターブバンドフィルタを通して得られた音圧信号の記録によっても表示

できる。

A.5

  広帯域音の振幅変調

  ある場合には,風車によって放射される広帯域音が,翼通過周波数で変調され


26

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

て,

“ヒュー,ヒュー”又は“シュッ,シュッ”という特徴をもつことがある。

この変調は,少なくとも 10 回の翼の通過に対し,動特性 F で測定した A 特性音圧レベルを記録するこ

とによって,特徴づけできる。振幅変調の特徴は,局所的な大気条件によって影響される可能性があり(

属書 C

参照),この理由によって大気条件を記録することが望ましい。

A.6

その他の騒音特性

  風車の音が,ヒューヒュー音,シューッ音,金切り音,ブンブン音,バンという

音,ガタガタ音,カチンという音,ドスンという音などを含む場合,この特徴を報告する。それらの音に

ついてのできるだけ十分な記述を言葉で与え,その音の性質を説明できる何らかの測定を行うことが望ま

しい。


27

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

附属書 B(参考)記録/再生機器の基準

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

B.1

一般

  通常,一連の機器は,マイクロホン,騒音計,レコーダ(記録/再生)及び解析器で構成され

る。指針として,テープレコーダの代表的な要求事項を紹介する。

B.2

アナログテープレコーダ

アナログテープレコーダについて

−  基準レベル(基準レベル:405picoWeber/mm のトラック幅)の 20 dB 以下の記録レベルにおける記録/再

生の周波数特性は,30 Hz∼10 kHz 帯域で,

JIS C 1505

の騒音計の許容差内になければならない。これ

らの許容差を,以下に図示している。低周波域の測定を行うのであれば,10 Hz∼20 Hz の範囲でより

厳しい許容範囲(すなわち,±3 dB)を指定するのが適切である。

附属書 1  許容差の周波数特性,JIS C 1505

−  基準レベルで記録した 1 kHz の純音の場合には,第 3 ハーモニックのひずみは,3  %を超えてはなら

ない。

−  再生ノイズは,次の値を超えてはならない。

−  基準レベル(A 特性)の 60 dB 以下。

−  基準レベル(線形,30 Hz∼10 kHz)の 50 dB 以下。

− 1

kHz のクロストーク減衰は,50 dB 以上。

JIS C 5569

によるワウ及びフラッタの補正ピーク値は,0.3  %を超えない。

B.3

デジタルテープレコーダ

デジタルテープレコーダについて。

−  最大レベル(0 dB)

,−20 dB,−40 dB 及び 60 dB の記録/再生の周波数特性は,30 Hz∼10 kHz にお

いて

JIS C 1505

の許容差内になければならない。


28

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

−  少なくとも 31.5 Hz,1 kHz 及び 8 kHz の純音を用いたレベルの直線性は,少なくとも最大レベル(0 dB)

∼−60 dB の範囲において,

JIS C 1505

の許容差内になければならない。これらの許容差は,基準レ

ベル(−20 dB)に関して±0.7 dB であり,5 又は 10 dB のいずれかのレベルシフトに対して±0.4 dB で

ある。

−  信号対雑音比(S/N 比)は,次の値を超えていなければならない。

−  80 dB (A 特性)

−  75 dB (平たん,30 Hz∼10 kHz)


29

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

附属書 C(参考)乱流強度の評価

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

大気乱流は,自然風の一部であり,それがロータ回転面中を通過する際に,翼面上に非定常な圧力を生

じ,音を放射する。諸研究によれば,高出力か高風速では,流入乱流による音は,風車からの空力音の支

配的な音源になり得ることを示唆している。

全放射音に及ぼすその影響のため,音の測定中に乱流レベルを評価及び記録することが望まれる。推奨

する方法は,各々の測定のサンプリング速度は 0.5 Hz 以下とし,各 10 分間の風速の直接測定を少なくと

も 3 回行う。風速の平均値と標準偏差を,各 10 分間ごとの測定データによって決定する。次いで,各実測

時間の風速と標準偏差の比との平均をとって,平均乱れ強さを決定する。

上記の乱れ測定ができない場合には,乱れのレベルは,局所的な大気安定度及び地表粗度の知識から評

価する。晴れた,日当たりがよい日には,大地は温められ,空気の浮揚効果によって,乱れのエネルギー

が大気境界層に発生する。これは,不安定な大気境界層となり,高レベルの乱流をもたらす。逆に,日没

後,大地はしばしば,夜空への放射損失によって冷され,冷たい空気が,より暖かい空気の下に沈む。こ

の条件は安定な大気条件となり,この場合には,境界層における乱流混合が抑えられ,乱れのレベルは低

い。また,測定サイトの地表粗度も,乱れのレベルに影響する。大地の表面が粗くなり,地形が複雑にな

る程,乱流レベルは高くなる。測定の時間とその間の雲の遮へい,及び地表粗度を,測定した乱流レベル

の報告に対する代替として,報告することが望ましい。


30

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

附属書 D(参考)測定の不確かさの評価

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

D.1

  一般

  測定結果の不確かさを報告しなければならない。この附属書は,不確かさの決定をどのように

行うかについての指針を与える。

D.2

  タイプ 及び の不確かさの要素

  報告する各音響量の測定の不確かさは,この附属書において定

義しているように,標準不確かさを総合して導き,報告する。この方法を適用する手引は,ISO 文書“Guide

to the expression of uncertainty in measurements (1995)”に示されている。この附属書では,一連の繰返し測

定に対し統計的な方法を使用して評価されるタイプ A の不確かさの要素と,よく似た状況の経験を含む

種々の関連情報を用いた判断によって評価されるタイプ B の不確かさの要素とを,区別する。タイプ A 及

びタイプ B の両方の不確かさの要素は,

標準偏差の形式で表現され,

合成した標準不確かさを求めるため,

分散の結合法を用いて,合成される。

D.3

  サイト効果

  測定結果の不確かさを評価するとき,実際の測定サイトが,測定風速及びマイクロホン

取付け板の音響条件に及ぼす影響を考慮することが重要である。サイトの地形が非一様であれば,測定風

速は,ロータに流入する風速と違っている可能性がある。不確かさは,ロータ中心と風速計間との距離が

大きくなれば,増加するであろう。地面が傾斜しているか平たんでなければ,マイクロホン取付け板の条

件は十分に満足されず,測定した音圧レベルは,不正確になり得る。スペクトルの不確かさは,A 特性の

オーバオールレベルの場合より大きくなり,板のサイズが小さくなるとともに,増加することになる。サ

イト効果は,タイプ B の不確かさの要素である。

D.4

  音響パラメータに関する不確かさ

D.4.1

  見かけの音響パワーレベル

  この節は,現在の知識に基づいて,見かけの音響パワーレベルに関し

て最も重要な不確かさの諸要素を記述する。

タイプ A の不確かさを記述するパラメータは,基準風速で評価した L

Aeq

の標準誤差である。これは,線

形回帰分析によって得られ,U

A

で表す。

(

)

2

2

N

y

y

U

est

A

(D.1)

ここに,

y

,  y

est

実測の音圧レベルと回帰分析より,同じ風速で
推定された音圧レベル(yy

est

は残差)

N

回帰分析に含まれる測定値の数。

次は,考慮するタイプ B の不確かさの要素である。

−  音響計測器の校正,U

B1

−  音響計測系についての許容差,U

B2

−  マイクロホン取付け板の音響条件に関する不確かさ,U

B3

−  マイクロホンからハブまでの距離に関する不確かさ,U

B4


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C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

−  空気の音響インピーダンスに関する不確かさ,U

B5

−  乱流を含む,変化する気象条件による風車の音響放射に関する不確かさ,U

B6

−  風速計校正とサイト効果を含む,測定風速に関する不確かさ,又は性能曲線の不確かさを含む,得ら

れた風速に関する不確かさ,U

B7

−  風向の測定に関する不確かさ,U

B8

−  暗騒音補正,U

B9

ここで述べたすべてのタイプ B の不確かさに対しては,単純化のため,範囲を“±a”とした矩形分布

が仮定されている。そのような分布の標準偏差は,次の式のとおりである。

3

α

U

(D.2)

附属書 表 1

に,標準不確かさの要素のあり得る数値例を示す。これらは,実際に行う評価の手引とし

てだけ使用すべきである。

附属書 1  見かけの音響パワーレベルに関するタイプ B の不確かさの要素の数値の諸例

要素

代表的範囲

代表的な標準的不確かさ

最悪ケースの標準的不確かさ

校正,U

B1

  ± 0.3 dB

0.2 dB

0.3 dB

計測器,U

B2

  ± 0.3 dB

0.2 dB

0.4 dB

板,U

B3

± 0.5 dB

0.3 dB

0.9 dB

距離,U

B4

± 0.1 dB

0.1 dB

0.2 dB

インピーダンス,U

B5

± 0.2 db

0.1 db

0.3 db

乱流,U

B6

± 0.7 dB

0.4 dB

0.9 dB

風速(測定)(

1

),U

B7

風速(導入)

U

B7

± 1.5 dB 
± 0.3 dB

0.9 dB (

2

)

0.2 dB (

2

)

3.3 dB (

2

)

0.6 dB (

2

)

風向,U

B8

± 0.5 dB

0.3 dB

0.6 dB

暗騒音,U

B9

実際の補正量に等しい

例:0.1 dB

0.8 dB

(

1

)  D.3

参照

(

2

) 1

m/s 当たり 1.2 dB の風速依存性を仮定。 

合成された標準不確かさは,要素の 2 乗の和の平方根として得られる。

⋅⋅

⋅⋅

2

2

B

2

1

2

A

U

U

U

Uc

B

(D.3)

基準風速での推定した L

Aeq

の標準誤差が 0.5 dB(代表的)又は,1.5 dB(最悪)である例をとると,合成され

た標準不確かさは,U

c

=0.9 dB (代表的)と,U

c

=2.5 dB (最悪)となる。顕著なサイト効果がある場合には,

不確かさは大きくなる。

D4.2

指向性

  指向性の標準不確かさの評価として,より詳細な不確かさの解析をしない場合には,見か

けの音響パワーレベルの合成された標準不確かさの

2

倍が用いられ得る。

D4.3

1/3

オクターブバンドスペクトル

  1/3 オクターブバンドに関しては,各バンドの U

A

は,平均バン

ドレベルに関する標準誤差であり,

1

N

で割れば標準偏差となる。ここで は,実測スペクトルの数(少

なくとも 3)である。

U

B3

の値は,L

WA

の場合よりはるかに大きいと考えられなければならない。典型的な推定値は,1/3 オク

ターブバンドで 1.7 dB である。

D.4.4

純音性

  純音性に関しては,各純音の U

A

は,平均した最大純音レベルについての標準誤差である。

U

B3

の値は,1.7 dB であると推定できる。報告する

ΔL

tn

は差であり,風速は二次的な量であると期待され

るので,U

B1

U

B4

及び U

B6

の値は,L

WA

についてよりも小さいと推定できる。

附属書 表 1

を参照のこと。


32

C 1400-11

:2005 (IEC 61400-11:2002)

     

附属書 E(参考)参考文献

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

ISO 7196,Acoustics - Frequency -weighting characteristic for infrasound measurements

ISO document:1995,Guide to the expression of uncertainty in measurement