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C 1001

:2010

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  標準球ギャップ 

3

4.1

  形状及び表面仕上げについての要求事項 

3

4.2

  測定時の球ギャップの一般的な配置 

3

4.3

  接続

6

5

  球ギャップの使用

7

5.1

  球の表面状態 

7

5.2

  照射

7

5.3

  電圧測定 

8

6

  標準球ギャップのスパークオーバ電圧 

9

6.1

  表 及び表 の数値の精度 

14

6.2

  空気密度補正係数

14

6.3

  湿度補正係数 

14

7

  直流電圧測定のための標準棒−棒ギャップ

14

7.1

  棒−棒ギャップの標準配置 

14

7.2

  標準値

16

7.3

  測定手順 

16

8

  認可測定システムの性能点検への標準気中ギャップの適用

16

附属書 A(参考)球ギャップ実験的校正の範囲

17

附属書 B(参考)表 及び表 の値が各国の標準又はその他の出典から導出されるまでの経緯

18

附属書 C(参考)照射源

19

附属書 D(参考)不確かさ及び球ギャップの校正

20

附属書 JA(参考)昇降法

21

附属書 JB(参考)標準気中ギャップにおける湿度の影響 

23

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

24


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気学会

(IEEJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによ

って,JIS C 1001:1994 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

1001

:2010

標準気中ギャップによる電圧測定方法

Voltage measurement by means of standard air gaps

序文 

この規格は,2002 年に第 3 版として発行された IEC 60052 を基とし,我が国の測定環境を考慮し,技術

的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JC に示す。また,附属書 JA 及び附属書 JB は対応国際規格にはない事

項である。

適用範囲 

この規格は,電気機器及びその他の電気工作物に対する高電圧試験で,IEC 60060-1 に定義する次の電

圧の波高値測定に用いられる標準気中ギャップによる電圧測定方法について規定する。

a)

商用周波交流電圧

b)

全波標準雷インパルス電圧及びそれよりも長い波尾をもつインパルス電圧

c)

標準開閉インパルス電圧

d)

直流電圧

注記 1  この規格の附属書 JC を除く附属書(いずれも参考)には,次のことを記載している。

附属書 には,標準球ギャップのスパークオーバ電圧値の表を記載し,実験から導いたと

きの電圧及び周波数の限界を示す。すなわち,同表の値は,箇条 で規定する範囲内では正

確であるとみなすことができる。

附属書 には,標準球ギャップのスパークオーバ電圧値の表を記載し,多くの国の標準及

附属書 の 2)及び 3)に示す文献から導き出されたときの手順を示す。

附属書 には,照射に関する事項を示す。

附属書 には,表 及び表 のスパークオーバ電圧値に対する不確かさ及び球ギャップの

校正についての考え方を示す。

附属書 JA には,昇降法によって 50 %スパークオーバ電圧及び標準偏差を求める手法など

を示す。

附属書 JB には,標準気中ギャップにおける湿度補正の適用範囲などに関する事項を示す。

我が国では,特に夏季に高湿度状態になることが多いことから記載した。

注記 2  標準気中ギャップに絶縁破壊をもたらす放電に関する用語として,IEC 60052 では,破壊放

電(disruptive discharge)という用語が用いられている。一方,旧規格 JIS C 1001:1994  (球

ギャップによる電圧測定方法)では放電電圧,また,一般的にはフラッシオーバという用語

がそれぞれ用いられている。しかし,この規格では,スパークオーバという用語を用いるこ

ととした。これは,IEC 60060-1 に規定する厳密な定義によったためである。すなわち,IEC 


2

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60060-1

では,破壊放電はスパークオーバ,フラッシオーバ及び貫通破壊の総称で,スパー

クオーバは気体及び液体中の破壊放電,フラッシオーバは気体中における固体若しくは液体

の表面での破壊放電,又は液体中における固体の表面での破壊放電であると定義している。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60052:2002

,Voltage measurement by means of standard air gaps(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

IEC 60060-1

,High-voltage test techniques−Part 1: General definitions and test requirements

IEC 60060-2

,High-voltage test techniques−Part 2: Measuring systems

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

標準気中ギャップ(standard air gap)

大気中に 2 個の球電極又は棒電極を対向させて電圧の波高値測定のために用いる装置。電極の構造及び

配置は,この規格で規定する。標準気中ギャップには,標準球−球ギャップ(以下,標準球ギャップとい

う。

)と標準棒−棒ギャップとがある。

この規格で規定する標準気中ギャップは,IEC 60060-1 及び IEC 60060-2 で規定する電圧測定のための標

準測定装置である。

3.2 

標準球ギャップ(standard sphere-gap)

2 個の球電極によってこの規格に基づいて構成し,電圧の波高値を測定する装置。この規格で特に混同

のおそれがない場合には,単に,球ギャップということもある。

二つの球面上の互いに最も接近した 2 点をスパーク点という。

球直径の 0.3 倍の開きをもつコンパスで,

スパーク点を中心に球面上に円を描いたとき,その内部をスパーク領域という。

3.3 

標準棒−棒ギャップ(standard rod-rod gap)

2 本の棒の端部によってこの規格に基づいて構成し,直流電圧を測定する装置。

3.4 

スパークオーバ確率(sparkover probabirity)

ある想定した電圧において,印加回数 1 回当たり気中ギャップでスパークオーバが生じる確率。気中ギ

ャップのスパークオーバ確率は,百分率又は分数で表す。スパークオーバ確率が p  %となる電圧値を p  %

スパークオーバ電圧という。

3.5 

慣用的標準偏差(conventional standard deviation)

50 %スパークオーバ電圧と 16 %スパークオーバ電圧との差の値。慣用的標準偏差は,50 %スパークオー


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バ電圧値を基準として,単位法又は百分率で表すことが多い。スパークオーバ電圧の確率分布が正規分布

関数とみなせる場合には,この慣用的標準偏差は,ほぼ標準偏差に相当する。

3.6 

照射(irradiation)

電極面又はギャップ間に紫外線,放電光などを当てること。これは,標準球ギャップによって電圧を測

定する場合に,ギャップ間に適度な電離状態を与え,スパークオーバ電圧のばらつきを低減し測定値の再

現性を向上させることを目的とする。

標準球ギャップ 

4.1 

形状及び表面仕上げについての要求事項 

標準球ギャップは,同一直径(D)の二つの金属球,柄,ギャップ長調整機構,支持絶縁部,支持架台

及び接続線から構成する。

図 及び図 は,二つの配置を示すもので,そのうちの一方は,垂直軸をもつ

典型的な球ギャップで,他方は,水平軸をもつ球ギャップである。

は,センチメートル(cm)で表し,その標準値は,2 cm,5 cm,6.25 cm,10 cm,12.5 cm,15 cm,

25 cm,50 cm,75 cm,100 cm,150 cm 及び 200 cm である。ギャップ長(二つの球のスパーク点 P と P'

との間隔)は で表し,単位はセンチメートル(cm)で表す。

球は,その表面が滑らかで,かつ,曲率ができるだけ均一であるように注意深く加工し,球のスパーク

領域には凹凸があってはならない。

球の大きさ及び形状についての裕度は,通常,球ギャップを製作した最初だけ点検する必要があり,こ

の場合は,適切な計測器(例えば,球面計)を用いる。

球の直径の公称値からの許容差は,±2 %以内でなければならない。

球は,そのスパーク領域において,表面の不規則性をできるだけ小さくしなければならない。表面粗さ

は,中級の機械的表面仕上げ(最大粗さ R

max

が 10 μm 以下)であれば十分である。

球ギャップを使用する場合,球表面に手で触れ,かつ,目視検査で表面に異常がないことを確認する。

注記  対向しない半球部分にある小さな損傷は,球ギャップの性能には影響を及ぼさない。

4.2 

測定時の球ギャップの一般的な配置   

4.2.1 

垂直球ギャップ 

球を垂直に配置したとき,高電圧側の柄に鋭い縁及び角がなく,柄の直径は,長さ にわたって 0.2D

を超えてはならない。この要求事項は,スパークオーバ電圧に及ぼす柄の影響を低減するために設けられ

ている。コロナシールドリングを柄の端部に取り付ける場合には,球ギャップの軸に対して垂直方向に測

ったリングの最外径は,0.5を超えてはならず,高電圧側球のスパーク点から 2以上離れていなければ

ならない。

接地側の柄及び操作機構の影響は小さいので,これらの寸法はあまり重要ではない。

代表的な垂直球ギャップの構成要素の寸法に関する制限を,

図 に示す。

両球の柄は,目視した場合,同一直線上にあることが望ましい。

4.2.2 

水平球ギャップ   

球を水平に配置した場合の代表的な球ギャップの寸法に関する制限を,

図 に示す。これらの制限は,

球ギャップの両球について適用する。

両球の柄は,目視した場合,同一直線上にあることが望ましい。


4

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4.2.3 

水平大地面からの球の高さ 

高電圧側球のスパーク点 P の実験室床面からの高さ は,

表 に規定する限界内になければならない。

ただし,球ギャップの接地側が天井に取り付けられている場合で,壁,床などのその他の接地面とかなり

離れているときは,天井を距離 が下向きに測られる水平面とみなしてよい。

1:支持絶縁物 
2:球柄 
3:柄座 
4:直列保護抵抗をもつ高電圧接続線 
5:コロナシールドリング 
P:高電圧側球のスパーク点 
P':接地側球のスパーク点 
A:床面から高電圧球のスパーク点までの高さ 
B:外部物体との離隔距離(半径) 
X:2 と 4 との接続点を含み,2 と垂直な平面。4 は X 面より球側にあってはならない。 
D:球の直径 
S:ギャップ長 
 
注記  この図は,100 cm 球ギャップでギャップ長 50 cm を対象としている。

図 1−垂直配置の標準球ギャップ


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1:支持絶縁物 
2:球柄 
3:柄座 
4:直列保護抵抗をもつ高電圧接続線 
5:水平支持板 
P:高電圧側球のスパーク点 
P':接地側球のスパーク点 
A:床面から高電圧球のスパーク点までの高さ。ただし,5 の水平支持板が金属の場合は,

その表面からの高さ

A

min

表 の の最小値

B:外部物体との離隔距離(半径) 
X:2 と 4 との接続点を含み,2 と垂直な平面。4 は X 面より球側にあってはならない。 
D:球の直径 
S:ギャップ長 
 
注記  この図は,25 cm 球ギャップでギャップ長 12.5 cm を対象としている。

図 2−水平配置の標準球ギャップ

4.2.4 

球からの離隔距離 

高電圧側球のスパーク点(

図 の点 P)から,外部構造物(例えば,天井,壁,加電又は接地された機

器)及び導体によって構成された球の支持架台までの離隔距離 は,

表 に規定する値未満であってはな

らない。さらに,離隔距離 は,球のギャップ長 のいかなる値に対しても,2以上であることが望ま

しい。

球の支持架台が絶縁物で構成され,かつ,これが清浄で乾燥状態にあり,球ギャップを交流及びインパ

ルス電圧の測定だけに用いる場合は,高電圧側球のスパーク点と架台との離隔距離 は,

表 に規定する


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値より小さくしてもよい。ただし,1.6以上でなければならない。

表 及び表 におけるスパークオーバ電圧の波高値は,表 に規定する離隔距離の限界条件を満足する

球に対して有効なものである。

試験条件によって,離隔距離 及び の値を

表 に規定する限界条件内に保つことができない球ギャッ

プの場合は,スパークオーバ電圧の慣用的標準偏差が箇条 に規定する要件を満たすとき,又は

附属書 D

に示すような試験所の条件下で校正ができ,

表 及び表 のスパークオーバ電圧値の不確かさの増加が適

切な範囲内であるときには用いることができる。

回路は,試験電圧を印加したとき,次のことが満たされるように配置することが望ましい。

a)

その他の物体へのスパークオーバが生じない。

b)

離隔距離 によって定められている空間内の高電圧接続線又は球柄からの可視リーダ放電が生じない。

c)

その他の接地物体から,で定められる空間内に進入する可視放電が生じない。

表 1−高電圧側球のスパーク点からの離隔距離 

球直径

D  cm

離隔距離 の最小値

離隔距離 の最大値

離隔距離 の最小値

6.25 以下

7D

9D 14S

10∼15 6D

8D 12S

25 5D

7D 10S

50 4D

6D

8S

75 4D

6D

8S

100 3.5D

5D

7S

150 3D

4D

6S

200 3D

4D

6S

注記  D:球の直径(cm),S:ギャップ長(cm) 

4.3 

接続 

球ギャップは,IEC 60060-2 に規定する要求事項に適合するように接続しなければならない。

4.3.1 

接地 

高電圧側球に対向する球は,大地に直接接続しなければならない。ただし,特別な目的のために,大地

に接続する球と大地との間に,抵抗値の小さな分流器を挿入してもよい。

4.3.2 

高電圧接続線 

直列抵抗を含む高電圧接続線は,高電圧側球のスパーク点から,2以上離れた球柄上の位置に接続しな

ければならない。

高電圧側球のスパーク点への距離が より小さい領域内では,高電圧接続線(ただし,直列抵抗がある

場合には,それを含む。

)は,高電圧側球のスパーク点から 2の距離にある球ギャップの軸に垂直な平面

図 及び図 の X 面)を通過してはならない。

4.3.3 

交流及び直流電圧測定時の保護抵抗 

放電による球の損傷を最少にし,印加電圧に重畳される高周波振動によってスパークオーバが生じるこ

とを避けるため,直列保護抵抗を接続する。この目的のために, 0.1 MΩ∼1 MΩ の抵抗を球ギャップと直

列に接続しなければならない。この範囲の抵抗は,それによる電圧降下が無視できるので,商用周波交流

電圧又は直流電圧の測定に用いることができる。

直列保護抵抗はできるだけ球柄に近く配置し,それと直接に接続することが望ましい。


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直列保護抵抗は,試験回路内でストリーマ放電が発生する場合には,球ギャップ動作に及ぼす過渡過電

圧の影響を抑制するため,

特に重要である。

試験回路又は供試物にこのような放電が存在しない場合には,

抵抗値はスパークオーバによる球の過度の損傷を抑制する程度の値まで減らしてもよい。

4.3.4 

インパルス電圧測定時の保護抵抗 

直径の大きな球に対しては,球間に,高電圧を誘起するような過渡振動が発生することがある(ただし,

供試物が接続されている場合には球間及び供試物の端子間に発生することがある。

。このような過渡振動

を除去するためには,直列抵抗が必要である。小さな球に対しては,長い接続線を用いない限り,一般に

このような過渡振動現象は重要とはならない。

直列抵抗は,供試物に望ましくないストレスを生じる電圧裁断時の急しゅんな電圧降下又は振動を減少

するために必要な場合がある。

雷インパルス電圧測定時の直列保護抵抗は,無誘導構造(30  μH 以下)のものでなければならない。そ

の抵抗値は 500 Ω を超えないことが望ましい。

回路中の抵抗の位置については,4.3.2 による。

球ギャップの使用 

球ギャップは,その使用時にスパークオーバ電圧の慣用的標準偏差が次の条件を満たす場合には,IEC 

60060-1

及び IEC 60060-2 で規定する標準測定装置となる。すなわち,商用周波交流電圧及び雷インパルス

電圧に対しては慣用的標準偏差の値が 1 %未満,開閉インパルス電圧に対しては慣用的標準偏差の値が

1.5 %未満となる場合である。慣用的標準偏差は,球の表面状態,自由電子(十分な照射)の存在,空気中

のじんあい(塵埃)及び測定手順に影響される。

5.1 

球の表面状態 

スパーク点付近の球表面は,清浄で乾燥した状態とする(ただし,磨く必要はない。

。正規の使用によ

っても,スパーク放電によって球表面は荒れてあばた状になった場合には,細かい研磨紙で研磨する。そ

のとき生じた粉じんは,けばの立っていない布でふき取り,油脂又はグリースのこん(痕)跡は溶剤で除

去することが望ましい。使用中に球面の荒れ又はあばたが過度になった場合には,球を修復するか又は取

り換えなければならない。

相対湿度が高くなると,スパーク点の表面に水分が凝結して,測定誤差が増大する原因となる。

スパーク領域外にある球表面の小さな損傷は,

測定装置としての球ギャップの性能に影響を及ぼさない。

注記  慣用的標準偏差に対する要求条件は,表面状態が使用に対して適切であることを保証するもの

である。

5.2 

照射 

球ギャップのスパークオーバ電圧は,電圧印加瞬時における球ギャップ中での自由電子の存在に影響さ

れるため,慣用的標準偏差に対する要求条件を満足しない場合には,照射を行うことが望ましい。

インパルス電圧発生器のギャップ群からの光,又は使用電源若しくは別電源の負極性コロナによる直接

照射は,十分な効果がある。

外部照射は,球の直径の値にかかわらず,電圧の波高値が 50 kV 未満の測定の場合,又はすべての電圧

波形に対し球の直径が 12.5 cm 以下の場合に行わなければならない。参考として外部照射の方法を,

附属

書 に示す。

注記  十分な照射が行われない場合には,表 及び表 のスパークオーバ電圧値の不確かさは増大す

る場合がある。


8

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5.3 

電圧測定 

標準球ギャップによる電圧測定は,標準気中ギャップで測定中に試験回路に現れる電圧と,電圧制御回

路の電圧計の指示値,又は測定システムの低電圧側に接続された適切な測定若しくは記録装置から得られ

る電圧の波高値との間の関係を確立することによって行う。両球間のギャップ長は,電圧測定の総合不確

かさに見合うような方法で測定しなければならない。ただし,ギャップ長の変化によるもの以外に何らか

の点で回路が変更された場合には,何らかの反証が示されない限り,この関係は効力を失う。

5.3.1 

商用周波交流電圧の波高値の測定 

商用周波交流電圧の波高値の測定は,電源を投入したときスパークオーバが生じない程度に十分低い電

圧値を印加し,その後,印加電圧値を上昇させる。電圧上昇率は,ギャップにスパークオーバが生じた瞬

間でも低電圧側の電圧表示器で電圧値が正確に読み取れる程度に,十分ゆっくりした速度でなければなら

ない。

スパークオーバ電圧の平均値及び慣用的標準偏差を算出するために,

最低 10 回の繰返し連続したスパー

クオーバの電圧値を記録する。算出した慣用的標準偏差の値は,平均値の 1 %未満でなければならない。

電圧印加の時間間隔は,30 秒以上であることが望ましい。

5.3.2 

全波雷インパルス電圧及び開閉インパルス電圧の波高値の測定 

全波雷インパルス電圧及び開閉インパルス電圧の波高値の測定は,50 %スパークオーバ電圧 V

50

及び慣

用的標準偏差を決定しなければならない。慣用的標準偏差の値は全波雷インパルス電圧に対して 1 %未満,

開閉インパルス電圧に対して 1.5 %未満でなければならない。

V

50

の決定及び慣用的標準偏差の確認は,マルチレベル法によって行う。V

50

の決定及び慣用的標準偏差

の確認のためには,予想されるスパークオーバ電圧の約 1 %程度の刻み幅で設定した五つの電圧レベルの

それぞれにおいて,最低 10 回ずつの電圧印加が必要である。

V

50

の決定及び慣用的標準偏差の確認は,昇降法によっても実施することができる。この場合,予想され

る 50 %スパークオーバ電圧の約 1 %程度の刻みで,最低 20 回の電圧印加を行う。参考として,昇降法を

附属書 JA に示す。

慣用的標準偏差についての要求条件の適合確認は,

次の方法で行う。

雷インパルス電圧に対しては V

50

  か

ら 1 %を差し引いた電圧(0.990 V

50

)を,開閉インパルス電圧に対しては V

50

からその 1.5 %を差し引いた

電圧(0.985 V

50

)を,それぞれ 15 回印加する。いずれの場合にもスパークオーバの発生が 2 回を超えては

ならない。

電圧印加の時間間隔は,30 秒以上であることが望ましい。

注記  ある一つの試験で,ギャップ長をある範囲にわたって用いる場合,慣用的標準偏差についての

判断基準は,最小及び最大ギャップ長に対してそれぞれ確認することが望ましい。

5.3.3 

直流電圧の測定 

標準球ギャップは,空気中の繊維状浮遊物によって低い電圧でも異常なスパークオーバを発生する不規

則な挙動があるため,直流電圧の測定には推奨しない。絶対湿度が 1 g/m

3

∼13 g/m

3

の範囲内での直流電圧

測定には,標準棒−棒ギャップが望ましい。

標準棒−棒ギャップを用いることができない場合には,標準球ギャップを用いて次の手順による測定を

推奨する。すなわち,ギャップ間を横切る方向に,最低 3 m/s の空気の定常的な流れを維持することが望

ましい。この場合,電源を投入したときスパークオーバが生じない程度に十分低い電圧を印加し,その後,

印加電圧を上昇させる。電圧上昇率は,ギャップにスパークオーバが生じた瞬間でも低電圧側の電圧表示

器で電圧値が正確に読み取れる程度に,十分ゆっくりした速度でなければならない。


9

C 1001

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スパークオーバが生じる最高の安定した電圧レベルが

表 の値である。

注記  球ギャップの直流スパークオーバにおける紛らわしい性質のために,安定した上限を確立する

までには非常に多数回の電圧印加を継続しなければならないことがある。

標準球ギャップのスパークオーバ電圧 

次の気温及び気圧の標準大気条件下における標準球ギャップの様々なギャップ長に対するスパークオー

バ電圧を,

表 及び表 に示す。

気温  t

0

=20  ℃

気圧  b

0

=101.3 kPa

なお,

表 及び表 の値は,絶対湿度が 5∼12 g/m

3

の範囲(中央値が 8.5 g/m

3

)で得られたものである。

表 は,IEC 60060-1 に規定する次の各電圧に対するスパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電

圧試験に対しては 50 %スパークオーバ電圧 V

50

)を示す。

−  商用周波交流電圧

−  負極性の全波標準雷インパルス電圧

−  負極性の標準開閉インパルス電圧

−  正又は負極性の直流電圧

表 は,IEC 60060-1 に規定する次の各電圧に対するスパークオーバ電圧の波高値(kV,50 %スパーク

オーバ電圧 V

50

)を示す。

−  正極性の全波標準雷インパルス電圧

−  正極性の標準開閉インパルス電圧

ただし,

表 及び表 は,10 kV 未満のインパルス電圧の測定には,適用できない。

注記  表 及び表 の電圧値が実験から導き出され,また,それらが 6.1 に規定する不確かさの限度

内に収まると考えられる電圧範囲についての説明を,

附属書 及び附属書 に示す。


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表 2−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験では V

50

 

商用周波交流電圧,負極性の全波標準雷インパルス電圧,負極性の標準開閉インパルス電圧, 

及び正極性又は負極性の直流電圧 

単位  kV

球の直径(D)  cm

ギャッ

プ長

S

cm

2  5  6.25 10 12.5 15  25  50  75  100 150 200

0

2

1

4

1

6

0.20

8.0

8.0

     

0.25

9.6

9.6

     

3

1

1

0.40

14.4

14.3

14.2

    

0.50

17.4 17.4 17.2 16.8 16.8 16.8

0.60

20.4 20.4 20.2 19.9 19.9 19.9

0.70

23.2 23.4 23.2 23.0 23.0 23.0

0.80

25.8 26.3 26.2 26.0 26.0 26.0

0.90

28.3 29.2 29.1 28.9 28.9 28.9

1.0 30.7 32.0 31.9 31.7 31.7 31.7 31.7

1.2 (35.1) 37.6 37.5 37.4 37.4 37.4 37.4

1.4 (38.5) 42.9 42.9 42.9 42.9 42.9 42.9

1.5 (40.0) 45.5 45.5 45.5 45.5 45.5 45.5

1.6    48.1 48.1 48.1 48.1 48.1 48.1

1.8    53.0 53.5 53.5 53.5 53.5 53.5

2.0    57.5 58.5 59.0 59.0 59.0 59.0  59.0

59.0

2.2    61.5 63.0 64.5 64.5 64.5 64.5  64.5

64.5

2.4    65.5 67.5 69.5 70.0 70.0 70.0  70.0

70.0

2.6    (69.0) 72.0 74.5 75.0 75.5 75.5  75.5

75.5

2.8    (72.5) 76.0 79.5 80.0 80.5 81.0  81.0

81.0

3.0    (75.5) 79.5 84.0 85.0 85.5 86.0  86.0

86.0  86.0

3.5    (82.5)

(87.5) 95.0 97.0 98.0 99.0  99.0

99.0  99.0

4.0    (88.5)

(95.0) 105 108 110 112 112 112  112

4.5

  (101) 115 119 122 125 125 125  125

5.0

  (107) 123 129 133 137 138 138  138  138

5.5

  (131) 138 143 149 151 151  151  151

6.0

  (138) 146 152 161 164 164  164  164

6.5

 

(144)

(154)

161

173

177

177

177

177

7.0

 

(150)

(161)

169

184

189

190

190

190

7.5

 

(155)

(168)

177

195

202

203

203

203

8.0

 

(174)

(185)

206

214

215

215

215

9.0

 

(185)

(198)

226

239

240

241

241

10

 

(195)

(209)

244

263

265

266

266

266

11

 

(219)

261

286

290

292

292

292


11

C 1001

:2010

表 2−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験では V

50

 

商用周波交流電圧,負極性の全波標準雷インパルス電圧,負極性の標準開閉インパルス電圧, 

及び正極性又は負極性の直流電圧(続き) 

単位  kV

球の直径(D)  cm

ギャッ

プ長

S

cm

2  5  6.25 10 12.5 15  25  50  75  100 150 200

12   

(229)

275

309

315

318

318

318

13     

(289)

331

339

342

342

342

14     

(302)

353

363

366

366

366

15     

(314)

373

387

390

390

390

16     

(326)

392

410

414

414

414

17     

(337)

411

432

438

438

438

18     

(347)

429

453

462

462

462

19     

(357)

445

473

486

486

486

20     

(366)

460

492

510

510

510

22        489

530

555

560

560

24        515

565

595

610

610

26     

(540)

600

635

655

660

28     

(565)

635

675

700

705

30     

(585)

665

710

745

750

32     

(605)

695

745

790

795

34     

(625)

725

780

835

840

36     

(640)

750

815

875

885

38     

(655)

(775)

845

915

930

40     

(670)

(800)

875

955

975

45     

(850)

945

1

050

1

080

50     

(895)

1

010

1

130

1

180

55     

(935)

(1

060)

1

210

1

260

60     

(970)

(1

110)

1

280

1

340

65        

(1

160)

1

340

1

410

70        

(1

200)

1

390

1

480

75        

(1

230)

1

440

1

540

80        

(1

490)

1

600

85        

(1

540)

1

660

90        

(1

580)

1

720

100        

(1

660)

1

840

110        

(1

730)

(1

940)

120        

(1

800)

(2

020)

130        

(2

100)

140        

(2

180)

150        

(2

250)

注記 10

kV 未満のインパルス電圧に対しては,適用できない。

括弧内の数値は,0.5を超える球ギャップ長に対する値で,不確かさが大きい。


12

C 1001

:2010

表 3−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験では V

50

 

正極性の全波標準雷インパルス電圧及び正極性の標準開閉インパルス電圧 

単位  kV

球の直径(D)  cm

ギャッ

プ長

S

cm

2  5  6.25 10 12.5 15  25  50  75  100 150 200

0

1

1

2

2

0.30

11.2

11.2

 

0.40

14.4

14.3

14.2

0.50 17.4 17.4 17.2 16.8 16.8 16.8

0.60 20.4 20.4 20.2 19.9 19.9 19.9

0.70 23.2 23.4 23.2 23.0 23.0 23.0

0.80 25.8 26.3 26.2 26.0 26.0 26.0

0.90 28.3 29.2 29.1 28.9 28.9 28.9

1.0  30.7 32.0 31.9 31.7 31.7 31.7 31.7

1.2  (35.1)

37.8 37.6 37.4 37.4 37.4 37.4

1.4  (38.5)

43.3 43.2 42.9 42.9 42.9 42.9

1.5  (40.0)

46.2 45.9 45.5 45.5 45.5 45.5

1.6

  49.0 48.6 48.1 48.1 48.1 48.1

1.8

  54.5 54.0 53.5 53.5 53.5 53.5

2.0

  59.5 59.0 59.0 59.0 59.0 59.0 59.0 59.0

2.2

  64.0 64.0 64.5 64.5 64.5 64.5 64.5 64.5

2.4

  69.0 69.0 70.0 70.0 70.0 70.0 70.0 70.0

2.6

  (73.0) 73.5 75.5 75.5 75.5 75.5 75.5 75.5

2.8

  (77.0) 78.0 80.5 80.5 80.5 81.0 81.0 81.0

3.0

  (81.0) 82.0 85.5 85.5 85.5 86.0 86.0 86.0 86.0

3.5

  (90.0)

(91.5) 97.5 98.0 98.5 99.0 99.0 99.0 99.0

4.0   (97.5)

(101) 109 110 111 112 112 112 112

4.5

  (108) 120 122 124 125 125 125 125

5.0

  (115) 130 134 136 138 138 138 138 138

5.5

  (139) 145 147 151 151 151 151 151

6.0

  (148) 155 158 163 164 164 164 164

6.5

  (156)

(164)

168 175 177 177 177 177

7.0

  (163)

(173)

178 187 189 190 190 190

7.5

  (170)

(181)

187 199 202 203 203 203

8.0   

(189)

(196)

211

214

215

215

215

9.0   

(203)

(212)

233

239

240

241

241

10

  

(215)

(226)

254

263

265

266

266

266

11

  

(238)

273

287

290

292

292

292


13

C 1001

:2010

表 3−スパークオーバ電圧の波高値(kV,インパルス電圧試験では V

50

 

正極性の全波標準雷インパルス電圧及び正極性の標準開閉インパルス電圧(続き)

単位  kV

球の直径(D)  cm

ギャッ

プ長

S

cm

2  5  6.25 10 12.5 15  25  50  75  100 150 200

12

   

(249)

291

311

315

318

318

318

13

   

(308)

334

339

342

342

342

14

   

(323)

357

363

366

366

366

15

   

(337)

380

387

390

390

390

16

   

(350)

402

411

414

414

414

17

   

(362)

422

435

438

438

438

18

   

(374)

442

458

462

462

462

19

   

(385)

461

482

486

486

486

20

   

(395)

480

505

510

510

510

22

   

510

545

555

560

560

24

   

540

585

600

610

610

26

   

570

620

645

655

660

28

   

(595)

660

685

700

705

30

   

(620)

695

725

745

750

32

   

(640)

725

760

790

795

34

   

(660)

755

795

835

840

36

   

(680)

785

830

880

885

38

   

(700)

(810)

865

925

935

40

   

(715)

(835)

900

965

980

45

   

(890)

980

1

060

1

090

50

   

(940)

1

040

1

150

1

190

55

   

(985)

(1

100)

1

240

1

290

60

   

(1

020)

(1

150)

1

310

1

380

65

       

(1

200)

1

380

1

470

70

       

(1

240)

1

430

1

550

75

       

(1

280)

1

480

1

620

80

       

(1

530)

1

690

85

       

(1

580)

1

760

90

       

(1

630)

1

820

100

       

(1

720)

1

930

110

       

(1

790)

(2

030)

120

       

(1

860)

(2

120)

130

       

(2

200)

140

       

(2

280)

150

       

(2

350)

注記  括弧内の数値は,0.5を超える球ギャップ長に対する値で,不確かさが大きい。


14

C 1001

:2010

6.1 

表 及び表 の数値の精度 

表 及び表 の電圧値は,測定についての国際的に合意された基準規格(International Consensus Reference

Standard of Measurement)として受け入れられている。

6.1.1 

商用周波交流電圧及び全波標準雷・開閉インパルス電圧 

表 及び表 に規定するスパークオーバ電圧の数値は,95 %以上の信頼水準で,3 %の推定不確かさを

もつ。

表 及び表 の括弧内に示す数値は,ギャップ長が 0.5D∼0.75の間で測定したものである。これらの

値に対しては,信頼水準は示されていない。

球の直径に対するギャップ長の比が非常に小さい場合には,ギャップ長を精度よく測定したり調整する

ことが難しいので,ギャップ長は 0.05以上が望ましい。

6.1.2 

直流電圧 

直流電圧に対しては,測定の不確かさを推定する十分な情報がない。

6.2 

空気密度補正係数 

標準状態でない場合の,与えられたギャップ長に対するスパークオーバ電圧 は,

表 及び表 に規定

する値(これを V

0

とする。

)に,相対空気密度 δ で表す補正係数を乗じる(Vδ×V

0

)ことによって求め

る。

相対空気密度は,次の式(1)によって求める。

t

b

t

t

b

b

273

89

.

2

273

273

0

0

×

=

×

=

δ

 (1)

ここに,

及び b

0

気圧(kPa)

及び t

0

気温(℃)

6.3 

湿度補正係数 

球ギャップのスパークオーバ電圧は,絶対湿度の増加に伴い 0.2 %/ (g/m

3

)の割合で増加する。

表 及び表 中の値が得られたときの絶対湿度は 5 g/m

3

∼12 g/m

3

の範囲で,その中央値は 8.5 g/m

3

であ

る。したがって,絶対湿度 に対するスパークオーバ電圧の値は,

表 及び表 に規定する値(これを V

0

とする。

)に,式(2)によって求められる湿度補正係数 を乗じて(Vk×V

0

)補正しなければならない。

+

=

5

.

8

002

.

0

1

δ

h

k

 (2)

ここに,

h: 大気の絶対湿度(g/m

3

大気の相対湿度が高い場合には球表面に水分の凝結又は結露を生じ,スパークオーバ電圧が大きく変動

するので,このような条件下では測定を行わないことが望ましい。

直流電圧測定のための標準棒−棒ギャップ   

7.1 

棒−棒ギャップの標準配置 

棒−棒ギャップの標準配置方式は,

図 3 a)(垂直配置ギャップ),又は,図 3 b)(水平配置ギャップ)に

示すものでなければならない。

二つの棒電極は,鋼又は黄銅で作られ,断面は一辺が 10 mm∼25 mm の正方形であり,かつ,同一軸上

に配置しなければならない。再現性のあるスパークオーバ機構を得るために,鋭利な角をもつよう端部は

軸に対して直角に切り落とさなければならない。

高電圧電極先端から大地面以外の接地物体又は壁への離隔距離は,5 m 以上でなければならない。


15

C 1001

:2010

単位  mm

d:棒間のギャップ長 

a) 

垂直配置の標準棒−棒ギャップ

単位  mm

d:棒間のギャップ長

b) 

水平配置の標準棒−棒ギャップ 

図 3−標準棒−棒ギャップ 


16

C 1001

:2010

7.2 

標準値 

標準大気状態下における正極性及び負極性の直流スパークオーバ電圧 V

0

 (kV)は,垂直配置及び水平配置

の両方に対して次の式(3)によって求める。

V

0

=2+0.534 (3)

ここに,

d: ギャップ長 (mm)

式(3)は,250 mm∼2 500 mm の範囲のギャップ長,及び,h/

δ

が 1 g/m

3

∼13 g/m

3

の湿度範囲において成

立する。これらの条件の下では,直流スパークオーバ電圧 V

0

は,95 %以上の信頼水準で, 3 %の推定不

確かさをもつ。

250 mm より小さいギャップ長では,スパークオーバ以前にストリーマが現れないので,棒−棒ギャッ

プを認可測定装置として使ってはならない。2 500 mm を超えるギャップ長に対しては,その使用を支持す

るような実験的根拠はない。

7.3 

測定手順 

棒間のギャップ長 を設定し,電圧を印加する。このとき,目標スパークオーバ電圧の 75 %から 100 %

に到達するまでの時間が約 1 分であるような電圧上昇率で電圧を加えなければならない。測定システムの

電圧指示装置で,スパークオーバ時の電圧を 10 回読み取らなければならない。10 回の読みの平均値に対

応する標準大気状態でのスパークオーバ電圧を式(3)によって求める。この電圧は,相対空気密度 δ 及び次

の式(4)に示す湿度補正係数 を考慮して,実際の大気状態に対応したものに補正しなければならない。

+

=

11

014

.

0

1

δ

h

k

 (4)

式(4)は,h/δ が 1 g/m

3

∼13 g/m

3

の湿度範囲において成立する。

実際の気象条件として,気温 t,気圧 及び絶対湿度 の下で測定されたスパークオーバ電圧 は,式(5)

によって求める。

V=(δ×kV

0

 (5)

認可測定システムの性能点検への標準気中ギャップの適用 

その性能が IEC 60060-2 で規定する認可測定システム(approved measuring system)の要求事項を満たす

ことだけが知られているような認可測定システムの性能点検に,標準気中ギャップを用いる場合には,点

検回路の二つの要素は,6.1.1 又は 7.2 に示したように,それぞれ 3 %の推定不確かさをもつ。したがって,

比較試験においては,この値を超える差が生じる場合がある。しかし,同一の認可測定システムに対して

性能点検を繰り返し実施する場合には,大気状態補正を行った後の各測定値間の差は,3 %より相当小さ

くなることが期待できる。


17

C 1001

:2010

附属書 A

(参考)

球ギャップ実験的校正の範囲

表 及び表 は,表 A.1 の参考文献に報告されている実験から,部分的に導かれたものである。表 A.1

に示す値よりも高い電圧においては,その精度に対する実験的証明はない。

表 A.1−球ギャップの実験的校正表 

電圧の種類

最高電圧

(kV,波高値)

参考文献

商用周波交流電圧

1 700

Transactions AIEE Vol. 71(1952), Part III, p.455

商用周波交流電圧

1 400

JIEE Vol. 82 (1938), p.655

直流電圧+(球ギャップ) 800

Zeit.Techn.Phys.18(1937),

p.209

直流電圧−(球ギャップ)

1 300

Zeit.Techn.Phys.18(1937), p.209

インパルス電圧+(雷)

2 580

Transactions AIEE Vol.71(1952), Part III, p.455

インパルス電圧+(雷)

2 410

Transactions AIEE Vol.71(1952), Part III, p.455

インパルス電圧+/−(開閉)

1 200

ELECTRA No 136, June 1991, p.91-95

高周波交流電圧

ETZ Vol.60(1939) , p.92

a)

減衰しない高周波交流電圧

− JAIEE.

Vol.46(1927),

p.1314

 b)

Arch.Elektr. Vol. 14(1925), p.491

 b)

Arch.Elektr. Vol. 24(1930), p.525

 b)

Arch.Elektr. Vol. 25(1931), p.322

 b)

Arch.Elektr. Vol. 26(1932), p.123

 b)

減衰高周波交流電圧

− Ann.Phys.

19(1906),

p.1016

 b)

Arch.Elektr. Vol. 16(1926), p.496

 b)

Arch.Elektr. Vol. 20(1928), p.99

 b)

a)

  この参考文献には,減衰及び非減衰の高周波電圧について,1939 年まで実施された電圧値及び周波数の全範囲

にわたって,校正のまとめが含まれている。この表中のその他の参考文献には,それぞれの校正についての詳
細が示されている。

b)

  これらの文献のデータは完全なものではなく,また,食い違うこともあったが,これから 20 kHz までの周波数

における減衰しない交流電圧(ただし,波高値が 15 kV までに限る。

)の測定に,

表 を用いても大きな誤差は

ないと考えられている。さらに,周波数が高くなると,この電圧は 15 kV より低くなる。

これらの文献はまた,500 kHz までの周波数における減衰する交流電圧の測定に,

表 を用いることができる

ことを示している。しかし,その電圧の波高値は 15 kV を超えないとの制限がある。


18

C 1001

:2010

附属書 B

(参考)

表 2 及び表 3 の値が各国の標準又は

その他の出典から導出されるまでの経緯

1956 年ミュンヘンで開催された IEC TC 42 の国際会議において,国際的に受け入れられるような新しい

表を作ることが望ましいということに意見が一致した。

後に記述するような明白な例外は除外し,この新しい表のスパークオーバ電圧は,次の 2 種類の値の平

均値をとった。

a) 1939

年 6 月のパリでの IEC で承認された値

b)  A.S.A. Standard C 68.1 (1953)

の値(温度補正後)

この平均値の計算では,幾つかの不規則な点を生じた。特に,ギャップ長が小さい領域でのスパークオ

ーバ電圧は,球の直径の増加に伴って不規則に変化した。

このような不都合な点は,その他の問題を生じないようにできるだけ除去した。

上記の例外とは,次のようなものである。

1)  A.S.A. Standard

には 2 cm,5 cm,10 cm 及び 15 cm の球に対するデータがない。そのため,まず,5 cm,

10 cm 及び 15 cm の球に対して 1939 年に IEC で合意された数値は,上記のわずかな調整を行っただけ

で,その他はそのまま現在の表の中に組み入れた。

2)

次に,1939 年 IEC で承認された 2 cm の球に対する数値は,

(正極性インパルス電圧には適用できない

ものであったが),1 cm までのギャップ長でも正確でないことが後で判明した。そこで,JIEE

Vol.95(1948) Part II の p.309 を基にして新しい校正値を加えた。しかし,その値は,10 kV 以下の両極

性のインパルス電圧の測定には適用できない。後者のことについての根拠は,Proc.  IEE. Part II Vol.

101(1954)の p.438 を参照されたい。

3)  1 400 kV

以上の電圧に対する 1939 年に IEC で承認された値は,米国でごく最近に実測された値より

も信頼性が低いと考えられたので,後者を採用した[A.S.A. Standard C 68.1(1953)及び Transactions

AIEE Vol. 71(1952) Part III

の p.455 を参照]

表 及び表 の数値の最後のけたは,表 B.1 に示す方法で丸めている。

表 B.1−表 及び表 での数値の丸め方 

電圧の範囲

丸め方

50 kV 以下 0.1

kV 単位で最も近い値に

50 kV を超え 100 kV 以下 0.5

kV 単位で最も近い値に

100 kV を超え 500 kV 以下 1

kV 単位で最も近い値に

500 kV を超え 1 000 kV 以下 5

kV 単位で最も近い値に

1 000 kV を超える 10

kV 単位で最も近い値に


19

C 1001

:2010

附属書 C 
(参考)

照射源

交流電圧に対しては,照射は試験回路内のコロナから得られる。しかし,コロナの存在は,例えば,部

分放電測定には好ましくないので,外部照射によるのがよい。

インパルス電圧に対しては,インパルス発生器のギャップ群の放電による直接照射で十分な効果が得ら

れる場合がある。

外部照射は,遠紫外(UVC:波長 280 nm 以下)領域にスペクトルをもつ石英ガラスの水銀灯で行うこ

とができる。紫外線でも UVA(波長:380∼315 nm)又は UVB(波長:315∼280 nm)領域のスペクトル

をもつ水銀灯は,一般に照射能力が十分でないため推奨できない。水銀灯の定格及びインパルス発生器の

ギャップからの実際の距離は,照射の効果に影響を及ぼす。

球ギャップへの外部照射は,負極性の直流コロナ電源からの前駆放電によっても得られる。


20

C 1001

:2010

附属書 D 
(参考)

不確かさ及び球ギャップの校正

表 及び表 のスパークオーバ電圧に対する不確かさは,3 %とされているが,これは,球ギャップに

よる電圧測定の総合不確かさの推定に大きく影響する項目である。

この不確かさの値は,表にするための 1 %程度の結果の丸めを含めて,多くの要因を考慮したものであ

る。このことは,10 kV 以上の電圧に対しては 0.5 %までの誤差を,また,10 kV 未満の電圧に対してはよ

り大きな誤差をもたらす。試験所の認可測定システムの校正時に,適切な基準測定システムを用いた試験

所による球ギャップの内部校正手順を踏めば,不確かさの値は大幅に低減できる。

幾つかのギャップ長に対するスパークオーバ電圧値を,別途適切な方法を用いて新しく校正された測定

システムで測定された電圧によって,幾つかのギャップ長に対するスパークオーバ電圧値を校正すること

は,試験所における内部校正とみなすことができる。この場合,校正の総合不確かさは,

表 及び表 

おける不確かさより明らかに小さくなることが期待される。

状態が不変に保たれているならば,測定システムで測定された電圧値と球ギャップで測定された電圧値

との差の評価には,上記の校正手順によって得られる小さな不確かさを用いることが望ましい。


21

C 1001

:2010

附属書 JA

(参考)

昇降法

5.3.2

では,全波雷インパルス電圧及び開閉インパルス電圧の波高値測定は,50 %スパークオーバ電圧

V

50

及び慣用的標準偏差を求めることを規定しており,さらに,慣用的標準偏差の値に関する要件は,全波

雷インパルス電圧に対しては 1 %未満,開閉インパルス電圧に対しては 1.5 %未満であることを規定してい

る。

この附属書では,昇降法で 50 %スパークオーバ電圧 V

50

及び標準偏差 σ を求める方法,及び慣用的標準

偏差に関する要件の確認方法について記載する。

JA.1 

昇降法による V

50

及び標準偏差 σ の求め方

[1]

[2]

昇降法では,スパークオーバ率が印加電圧に対して正規累積分布になると仮定して,50 %スパークオー

バ電圧 V

50

及び標準偏差 σ を,次によって求める。したがって,昇降法で求める標準偏差 σ は慣用的標準

偏差に相当することとなる。

a)

適切な方法で 50 %スパークオーバ電圧及びその標準偏差の概略値を推定し,その値を V'

50

及び σ'とす

る。

例えば,当該の標準気中ギャップに印加電圧を変化させて(ただし,変化幅は適切にして)10∼20

回程度印加し,必ずスパークオーバした電圧の最低値 V'

100

と,決してスパークオーバしなかった電圧

の最高値 V'

0

を得る。この V'

100

と V'

0

とから,次の式(JA.1)及び式(JA.2)によって V'

50

及び σ'を求める。

2

'

'

'

0

100

50

V

V

V

+

=  

 (JA.1)

5

'

'

'

0

100

V

V

=

σ

 (JA.2)

ここで,式(JA.2)の右辺の分母を 5 としているが,4∼5 が目安である。これは,スパークオーバ電

圧のばらつきの範囲を 4σ∼5σ と考えているためである。

b)

最初の印加電圧 V

0

をほぼ V'

50

に,引き続く 2 回目の印加電圧との差 V

d

を V

d

σ'の一定値に選定する。

c)

V

0

を印加してスパークオーバした場合には,次の印加電圧 V

1

は V

1

V

0

V

d

とし,スパークオーバし

なかった場合には V

1

V

0

V

d

として 2 回目の電圧を印加する。

d)

以下同様にして,V

i

でスパークオーバした場合には V

i

1

V

i

V

d

V

i

でスパークオーバしなかった場

合には V

i

1

V

i

V

d

として,40 回程度の電圧印加を行う。

e)

試験終了後,スパークオーバした回数とスパークオーバしなかった回数とを計数し,少ない方の回数

を とする。

f)

回数の少ない方の印加電圧を低い方から順に並べ,それぞれにおける印加回数を n

0

n

1

n

2

,…・,

n

k

とする。

g)

次の式(JA.3)によって係数 及び を算出する。

=

=

k

i

i

in

A

0

=

=

k

i

i

n

i

B

0

2

 (JA.3)


22

C 1001

:2010

h) 50

%スパークオーバ電圧 V

50

は,次の式(JA.4)によって算出する。

±

+

=

2

1

d

L

50

N

A

V

V

V

 (JA.4)

ここに,V

L

は i=0 に対応する最低電圧である。また,複号はスパークオーバしなかった回数 

用いるときは(+)を,スパークオーバした回数 を用いるときは(−)とする。

i)

スパークオーバ電圧が正規累積分布をするとした場合,その標準偏差 σ の推定値は,次の式(JA.5)に

よって算出する。

⎟⎟

⎜⎜

+

=

029

.

0

62

.

1

2

2

d

N

A

NB

V

σ

 (JA.5)

JA.2 

昇降法による場合の慣用的標準偏差に関する要件の確認法   

5.3.2

では,昇降法を用いる場合の慣用的標準偏差に対する確認は,慣用的標準偏差(又は σ)の値を求

めず,V

50

より 1 %又は 1.5 %低い電圧,すなわち 0.990V

50

又は 0.985V

50

に相当する電圧を 15 回印加して,

スパークオーバの発生が 2 回以下(13.33 %以下)であることの確認で代替できると規定している。これは,

慣用的標準偏差の値が許容限界である 1 %又は 1.5 %であった場合,0.990V

50

又は 0.985V

50

でのスパークオ

ーバ発生率の期待値が 16 %となることに基づいている。


23

C 1001

:2010

附属書 JB

(参考)

標準気中ギャップにおける湿度の影響

JB.1 

標準球ギャップにおける湿度補正の範囲

[3]

[4]

表 及び表 のスパークオーバ電圧値は,絶対湿度 5∼12 g/m

3

の範囲で得られた実験結果に基づいたも

のであることは箇条 に明記されているが,

6.3

の湿度補正式(2)の適用範囲についての明確な記述はない。

しかし,次の参考文献によると,湿度補正係数を 0.2 %/ (g/m

3

)とした場合,絶対湿度が 6∼23 g/m

3

の範

囲でのスパークオーバ電圧の測定結果は,±2 %の範囲内に収まることが報告されている。すなわち,6.3

の湿度補正式(2)は,23 g/m

3

程度の高湿度条件まで適用できると考えられる。

JB.2 

標準棒−棒ギャップのスパークオーバ電圧に対する算定式導出の根拠 

標準棒−棒ギャップによる直流電圧の測定に関する情報は,CIGRE の活動から得られ,ELECTRA  117,

1988, p.23-24 に発表されている。7.2 の式(3)は,この文献に基づいたものである。該当部分の抄訳を次に

示す。

(抄訳)  スパークオーバ瞬間における 10 個の電圧の読みを,校正中の測定装置によって記録しな

ければならない。標準大気状態における 10 個の電圧値の平均値は,次の式で求められる。

V

0

=2+0.534 a 

ここに,

V

0

直流スパークオーバ電圧(kV)

a: ギャップ長(mm)

上の式は,250 mm≦a≦2 500 mm,1 g/m

3

h≦13 g/m

3

の範囲で有効である。V

0

の不確かさは 2 %で

あると見積もられる。V

0

の値は試験時の実際の大気状態について補正しなければならない。

JB.3 

標準棒−棒ギャップにおける湿度補正係数の適用範囲 

7.3

では,湿度補正のための式(4)の適用範囲は,h/δ が 1∼13 g/m

3

とされている。これは,JB.2 で示した

ように,式(3)の根拠となった実験範囲をそのまま規定したものと思われる。

h/δ が 1∼13 g/m

3

の範囲外にある場合については,日本国内の 6 か所での測定結果をとりまとめた参考

文献

[5]

がある。それによると,上記の範囲外であっても,ギャップ長 と h/δ との積が,d×h/δ

2 200 cm・g/m

3

の範囲の場合は,7.3 で示した湿度補正係数 は有効であると報告されている。すなわち,

ギャップ長が比較的短い場合は,h/δ が 13 g/m

3

を超える範囲でも 7.3 の式(4)が適用できるというものであ

る。

参考文献   

[1]  河野照哉:電気四学会連合大会 1-7(1982)

[2]  河野照哉,笈川俊雄:電気学会誌,  Vol.87-8, No.947, p.1618(1967)

[3]  相原,原田,青島:球ギャップの閃絡電圧に及ぼす照射ならびに湿度の影響,

電力中央研究所技術第一研究所報告,70033(1970-9)

[4]  田口,原田,佐伯,張替,脇本:大気中球ギャップの放電電圧に及ぼす大気湿度,紫外線照射の影響,

平成 8 年電気学会全国大会,138(1996-3)

[5]  T. Harada, T. Kawamura, Y. Aihara, M. Honda, T. Watanabe, Y. Kamata, K. Yoshida, Y. Maruyama:

DC Flashover Tests of Rod-Rod Gaps in Japan, 5th. ISH, 11.07, Braunschweig, 1987


24

C 1001

:2010

附属書 JC

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 1001:2010

  標準気中ギャップによる電圧測定方法

IEC 60052:2002

  Voltage measurement by means of standard air gaps

(I)JIS の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇条番号及
び題名

内容

(II) 
国 際 規
格番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

3

用語及び定義

− 3  定義なし(vacant)

追加

標準気中ギャップ,標準球ギャ

ップなどを規定

この規格を説明するために必要

と判断し,規定した。

6.3

湿度補正係数   6.3 JIS とほぼ同じ

追加

我が国の環境条件(高湿度)を

考慮して,電極表面に水分の凝
結又は結露が生じる場合を非
推奨とした。

WTO/TBT 協定の例外事項で特に
提案はしない。

附属書 JA 
(参考)

昇降法

追加

昇降法による V

50

及び標準偏差

の求め方を参考で記述

参考情報として記述

附属書 JB 
(参考)

標 準 気 中 ギ ャ ッ プ
に お け る 湿 度 の 影

追加

標準気中ギャップの湿度によ
る影響及び補正の適用範囲を,
より高湿度範囲に拡張しても

差し支えないことを参考で記

我が国の環境条件を考慮した参
考情報を提供

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60052:2002,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加………………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD………………国際規格を修正している。

24

C

 100

1


2

010