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C 0806-301:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 2 

2 引用規格························································································································· 2 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法 ········································································· 3 

4.1 一般事項 ······················································································································ 3 

4.2 測定装置及び備品 ·········································································································· 5 

4.3 供試品 ························································································································· 7 

4.4 前処理条件及び測定環境条件 ··························································································· 7 

4.5 測定条件 ······················································································································ 8 

4.6 静電気電位の測定方法 ···································································································· 8 

4.7 静電気漏えい性能の測定方法 ··························································································· 9 

5 試験成績表に記載する事項及び関連規格に規定する事項 ·························································· 9 

5.1 試験成績表に記載する事項 ······························································································ 9 

5.2 関連規格に規定する事項 ································································································· 9 

附属書A(規定)試験成績表の記載事項 ·················································································· 10 

附属書B(参考)表面実装部品テーピングのカバーテープ引き剝がし時の静電気電位及び静電気漏えい 

性能の測定方法における注意事項 ····················································································· 12 

参考文献 ···························································································································· 18 

C 0806-301:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から団体規格(JEITA ET-7104-1:2016及びJEITA ET-7104-2:2018)

を基に作成した産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 0806の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 0806-1 第1部:アキシャルリード線端子部品の連続テープによる包装 

JIS C 0806-2 第2部:ラジアルリード線端子部品の連続テープによる包装 

JIS C 0806-3 第3部:表面実装部品の連続テープによる包装 

JIS C 0806-301 第301部:表面実装部品テーピングのカバーテープ引き剝がし時の静電気電位及び静

電気漏えい性能の測定方法 

JIS C 0806-6 第6部:表面実装部品用バルクケースによるパッケージング 

日本産業規格          JIS 

C 0806-301:2020 

自動実装部品の包装−第301部:表面実装部品 

テーピングのカバーテープ引き剝がし時の 

静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法 

Packaging of components for automatic handling-Part 301: Measuring 

methods of electrostatic potential and charge decay performance while  

cover tape is peeled off from carrier of SMD taping 

序文 

表面実装部品(以下,SMDという。)の包装形態には,SMDテーピングが用いられている。SMDを部

品収納部から取り出すには,キャリアテープからカバーテープを引き剝がす必要がある。キャリアテープ

からカバーテープ引き剝がし時に,剝離による静電気が発生する。その静電気によって,次のトラブルが

発生する可能性が大きくなる。 

a) SMDが破壊する,及び/又は特性が劣化する。 

b) SMDがカバーテープに貼り付き,部品収納部が部品欠落状態となる。 

c) SMDがキャリアテープの部品収納部内に貼り付き,実装機における吸着不良となる。 

キャリアテープからカバーテープを引き剝がす作業によって発生する静電気及びその後の減衰時間は,

次の要因によって異なる。 

d) SMDテーピングに採用した包装材料,シール方法などのほか,カバーテープ引き剝がし作業前後の環

境条件及び引き剝がし条件。 

e) SMDの寸法及び種類によるSMDテーピングの寸法及び収納方法の違い。 

SMDの包装に関連して発生する静電気電位などの特性を適切に測定する規格がなく,また,表面抵抗を

直接測定できない多層化した包装材料及び微細化した寸法形状をもつ包装の実態と,現物の表面抵抗の測

定値を静電気特性と規定する現存の静電気関連規格との間にかい(乖)離がみられる。このため,SMDの

包装の実態,静電気関連規格の規定内容などを確認した上で,キャリアテープからカバーテープ引き剝が

し時の静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法を制定する。 

ただし,包装材の静電気対策は,個々の形状,使用環境などの状況を把握して,対策する必要があり,

その対策内容は画一的でないため,各種の測定データを測定しただけでは,解決しないことに留意してお

く必要がある。測定データは,静電気対策を行うための要因解析のツールの一つであることを認識するこ

とが望ましい。 

C 0806-301:2020  

適用範囲 

この規格は,SMDテーピングにおいてキャリアテープからカバーテープ引き剝がし時に発生する静電気

電位の測定方法,及びキャリアテープの長さ方向に働く抵抗値による静電気漏えい性能の測定方法につい

て規定する。 

この規格は,テープ幅が4 mm,8 mm,12 mm 及び16 mmのSMDテーピングに適用する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS C 0806-3:2014 自動実装部品の包装−第3部:表面実装部品の連続テープによる包装 

注記 対応国際規格:IEC 60286-3:2013,Packaging of components for automatic handling−Part 3: 

Packaging of surface mount components on continuous tapes(IDT) 

JIS C 61340-2-2:2013 静電気−第2-2部:測定方法−帯電特性の測定 

注記 対応国際規格:IEC 61340-2-2:2000,Electrostatics−Part 2-2: Measurement methods−

Measurement of chargeability(MOD) 

JIS C 61340-4-5:2007 静電気−特定応用のための標準的試験方法−人体と組み合わせた履物及び床

システムの静電気防止性能の評価方法 

注記 対応国際規格:IEC 61340-4-5:2004,Electrostatics−Part 4-5: Standard test methods for specific 

applications−Methods for characterizing the electrostatic protection of footwear and flooring in 

combination with a person(IDT) 

JIS C 61340-4-6:2016 静電気−第4-6部:特定応用のための標準的試験方法−リストストラップ 

注記 対応国際規格:IEC 61340-4-6:2010,Electrostatics−Part 4-6: Standard test methods for specific 

applications−Wrist straps(IDT) 

JIS C 61340-4-7:2011 静電気−第4-7部:特定応用のための標準的試験方法−イオナイザ 

注記 対応国際規格:IEC 61340-4-7:2010,Electrostatics−Part 4-7: Standard test methods for specific 

applications−Ionization(MOD) 

JIS C 61340-4-9:2018 静電気−第4-9部:特定応用のための標準試験方法−衣服 

注記 対応国際規格:IEC 61340-4-9:2016,Electrostatics−Part 4-9: Standard test methods for specific 

applications−Garments(IDT) 

JIS G 4304:2012 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

注記 対応国際規格:ISO16143-1:2004,Stainless steels for general purposes−Part 1: Flat products,ISO 

9444-1:2009,Continuously hot-rolled stainless steel−Tolerances on dimensions and form−Part 1: 

Narrow strip and cut lengths,ISO 9444-2:2009,Continuously hot-rolled stainless steel−Tolerances 

on dimensions and form−Part 2: Wide strip and sheet/plate及びISO 18286:2008,Hot-rolled 

stainless steel plates−Tolerances on dimensions and shape(全体評価:MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS C 0806-3:2014及びJIS C 61340-2-2:2013に

よる。 

C 0806-301:2020  

3.1 

SMDテーピング(SMD taping) 

SMDを自動実装機に一定間隔で連続して供給できるように,SMDを固定又は収納する方式。 

3.2 

キャリアテープ(carrier tape) 

SMDを自動実装機に一定間隔で連続して供給できるように,テーピングの中で部品収納部に用いるテー

プ。 

注記 キャリアテープには,パンチテープ,プレステープ,エンボステープなどがある。 

3.3 

カバーテープ(cover tape) 

SMDを自動実装機に一定間隔で連続して供給できるように,キャリアテープの部品収納部を覆って部品

が脱落しないために用いるテープ。 

注記 カバーテープは,上面テープだけを示すことが一般的であるが,パンチテープは上面カバーテ

ープ及び底面カバーテープを用いている。また,カバーテープには熱溶圧着タイプと粘着タイ

プとがある。 

3.4 

静電気電位(electrostatic potential) 

静電気の帯電に起因する静電界によって,ある任意の点と決められた基準点との間に起こる時間的にも

空間的にも変化しない電位。 

注記 JIS C 61340-2-2の2.7の静電電位を静電気電位に修正した。 

3.5 

静電気漏えい性能(charge decay performance) 

発生した静電気の電荷が物質を通して漏えい・減衰する特性。 

注記1 この特性は,主として物質の表面抵抗及び/又は体積抵抗で決まる場合が多い。 

注記2 この特性は,周囲環境(温湿度)に影響される。 

静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法 

4.1 

一般事項 

静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法は,4.2〜4.7による。 

静電気電位測定器を用いた測定方法の構成図を図1に示す。また,カバーテープ引き剝がし時に発生す

る静電気電位の測定方法を図2に示す。静電気漏えい性能の測定方法の構成図を図3に示し,測定方法を

図4に示す。 

ここで,測定においては,次の事項が必要である。 

a) 測定部(レール状平板電極及び非接触プローブ)の静電容量は10 pF以下とする。 

b) レール状平板電極と静電気電位測定器本体との間の絶縁性は,抵抗1×1014 Ω以上とする。 

c) 全ての測定に用いる機器類は,接地抵抗が約1×106 Ω程度の接地点(GP)に接続する。 

静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法に関する注意事項を,附属書Bに示す。測定者は,この附

属書の内容を,測定前に十分に確認し,必要に応じて有効な対策を実施することが望ましい。 

background image

C 0806-301:2020  

図1−静電気電位測定器を用いた測定方法の構成図 

図2−カバーテープ引き剝がし時の静電気電位の測定方法 

カバーテープ 

引き剝がし角度 

キャリアテープ 

導電性両面テープ 

レール状平板電極 

カップ形金属シールド 

非接触プローブ 

変換機 

引き剝がし角度

カバーテープの引き剝がし

レール状平板電極

静電気電位測定器 

キャリアテープ

記録装置 

0

100

200

300

400

500

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

[V

]

[sec]

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注記 支持体:供試品が導電体などに接触して電荷漏えいがないようにする絶縁支持体 

図3−静電気漏えい性能の測定方法の構成図 

図4−静電気漏えい性能の測定方法 

4.2 

測定装置及び備品 

4.2.1 

静電気電位測定器 

静電気電位測定器は,非接触形で静電気電位が測定できるものを用いる。例えば,その測定器は,静電

気電位測定レンジ±5 kV程度まで測定でき,かつ,応答時間100 ms以下でできるだけ速いものが望まし

い。 

4.2.2 

リストストラップ 

リストストラップは,JIS C 61340-4-6に規定するものを用いる。 

4.2.3 

レール状平板電極 

レール状平板電極は,関連規格に規定がない場合,次による。 

a) 材質 JIS G 4304:2012に規定する熱間圧延ステンレス鋼板とする。 

供試品を空中に保持する支持体 

絶縁糸 

供試品 

静電気電位測定器 

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b) 構造 供試品を測定時固定する導電性両面テープを貼り付けることができ,かつ,カップ形金属シー

ルドの非接触プローブ部に緩み及びがたがなくしっかり固定できる構造とする。 

c) 寸法 供試品が取り付けられる寸法とし,次による。 

1) 長さ:200 mm±10 mm 

2) 幅 :20 mm±1 mm 

3) 厚さ:2.0 mm〜3.0 mm  

4.2.4 

カップ形金属シールド 

カップ形金属シールドは,静電誘導などの外乱の影響を防ぐため,測定部を遮蔽するためのものである。 

4.2.5 

記録装置(データロガーなど) 

記録装置は,4.6に規定する静電気電位及び4.7に規定する静電気漏えい性能の時間ごとの推移測定デー

タを記録できる装置とする。 

4.2.6 

イオナイザ 

イオナイザは,JIS C 61340-4-7の規定を満足しなければならない。 

4.2.7 

洗浄液 

洗浄液は,レール状平板電極,測定機器,測定者の手指などに付着した,ほこり,薬品,手あかなどを

洗浄できる揮発性の溶剤とする。 

例えば,洗浄剤には,JIS K 1522に規定するイソプロピルアルコールなどの溶剤がある。 

4.2.8 

導電性両面テープ 

導電性両面テープは,供試品のカバーテープ引き剝がし時に,供試品の底面が4.2.3に規定するレール状

平板電極から剝がれないように固定できる接着性をもつ材質とし,その材質の表面抵抗及び体積抵抗は

100 Ω以下とする。 

4.2.9 

静電気チャージャ 

静電気チャージャは,供試品の静電気漏えいを測定するときに,レール状平板電極に固定された供試品

を,±1 000 V以上帯電させることができなければならない。 

4.2.10 絶縁クリップ 

絶縁クリップは,キャリアテープからカバーテープ引き剝がし時に手で把持でき,その材質は静電気が

漏えいすることがない絶縁性材料とし,その表面抵抗及び体積抵抗は,1×1014 Ω以上とする。 

4.2.11 絶縁糸 

絶縁糸は,静電気漏えい測定するときに供試品を空中に保持できる強度をもつ材質とし,その材質の表

面抵抗及び体積抵抗は,1×1014 Ω以上とする。 

4.2.12 圧着ジグ 

圧着ジグは,レール状平板電極と供試品とを均一に圧着できるジグとする。 

4.2.13 静電気対策靴及び静電気対策床 

静電気対策靴及び静電気対策床は,JIS C 61340-4-5の規定によって測定した結果,人体の静電気電位が,

±20 V以内になる組合せとする。 

4.2.14 静電気対策衣服 

静電気対策衣服は,JIS C 61340-4-9に規定する衣服とし,表面電位計を用いて±100 V以内になる衣服

とする。 

4.2.15 表面電位計 

表面電位計は,非接触形で静電気電位が測定できる計器とする。例えば,その計器は,静電気電位測定

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C 0806-301:2020  

レンジ±2 kV程度まで測定でき,応答時間100 ms以下の性能をもつハンディタイプが望ましい。 

4.3 

供試品 

4.3.1 

一般事項 

供試品は,テープ幅4 mm,8 mm,12 mm 及び16 mm以下のSMDテーピングとし,4.3.2及び4.3.3に

よる。 

測定前の供試品の準備は,4.3.4による。 

4.3.2 

静電気電位の測定に用いる供試品 

静電気電位の測定に用いる供試品は,SMDテーピングとし,次による。 

a) キャリアテープ長さは,関連規格に規定がない場合,200 mm±10 mmとする。 

b) キャリアテープ長さ領域が,カバーテープによって確実にシールされていて,かつ,その先は絶縁ク

リップで把持できる約30 mmの長さのカバーテープだけのものとし,その状態を図5に示す。 

図5−供試品の寸法 

4.3.3 

静電気漏えい性能の測定に用いる供試品 

静電気漏えい性能の測定に用いる供試品の長さは,関連規格に規定がない場合,1 mとする。 

4.3.4 

測定前の供試品の準備 

供試品は,測定の効率化を図るため,関連規格の規定によって,測定前に必要な数を準備し,表1に記

載のいずれかの環境に放置する。 

4.4 

前処理条件及び測定環境条件 

前処理条件(測定前の放置環境条件)及び測定環境条件は,関連規格に規定する表1のいずれかの条件

による。条件2において,判定に疑義が生じた場合には,条件1によって再測定する。 

200 mm±10 mm 

キャリアテープ 

カバーテープ 

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C 0806-301:2020  

表1−測定前の放置環境条件及び測定環境条件 

条件 

前処理条件 

測定環境条件 

温度 

℃ 

相対湿度 

放置時間 

温度 

℃ 

相対湿度 

23±2 

15±3 

48以上 

23±2 

15±3 

23±2 

50±3 

48以上 

23±2 

50±3 

注記 JIS C 61340規格群の規定では,条件1の相対湿度は12 %であるが,我が国の気候環境などの実情を考慮し,

この規格では相対湿度を12 %から15 %へ変更している。 

4.5 

測定条件 

4.5.1 

引き剝がし速度 

引き剝がし速度は,関連規格に規定がない場合,300 mm/min〜12 000 mm/minの範囲内で,実際に用い

る実装機のカバーテープ剝離速度以上で,かつ,毎回同じ速度で測定する。 

引き剝がし速度は,記録装置に記録された静電気電位の測定データの立上り時間で確認する。 

4.5.2 

引き剝がし角度 

引き剝がし公称角度は,関連規格に規定がない場合,165°〜180°とする。ただし,180°の水平に近い

角度になる場合,引き剝がしたカバーテープがキャリアテープ,静電気電位測定器などの測定器に接触し

ないように注意する。 

注記 引き剝がし公称角度は,JIS C 0806-3の箇条7(カバーテープの要求事項)に規定する剝離強度

試験における引き剝がし時の角度を用いている。 

4.6 

静電気電位の測定方法 

静電気電位の測定手順は,次による。 

a) 測定前,測定器及び全ての供試品を,4.4に規定する環境に放置する。 

b) 静電気電位測定システムを構築する。このとき,測定に用いる機器類の接地抵抗が,約1×106 Ω程度

になるように接地点(GP)に接続する。 

c) 測定開始前に4.2.1に規定する静電気電位測定器の電源をONにする。 

d) 測定者は,手首などに,4.2.2に規定するリストストラップを装着する。このとき,リストストラップ

からの接地線を確実に接地点(GP)に接続する。 

e) 4.2.3に規定するレール状平板電極を4.2.7に規定する洗浄液で清浄し,5分間以上乾燥させる。 

f) 

4.2.3に規定するレール状平板電極に4.2.8に規定する導電性両面テープを均一にしっかり固定する。 

g) 供試品は,4.2.6に規定するイオナイザの電源をONにして除電する。 

h) 4.3.2に規定する約200 mmの供試品の端を,レール状平板電極の端に合わせ,4.2.12に規定する圧着

ジグを用いて,供試品の底面をレール状平板電極に固定した導電性両面テープに均一に,かつ,しっ

かり固定する。その固定状況を図2に示す。 

i) 

4.2.5に規定する記録装置の電源をONにする。イオナイザの電源をOFFにする。 

j) 

測定者は供試品のカバーテープを絶縁クリップで把持し,4.5に規定する条件でキャリアテープからカ

バーテープを引き剝がし,そのとき,静電気電位測定器によって測定した静電気電位の最大値を記録

する。また,記録装置に表示された静電気電位の時間的な推移波形も記録する。 

k) 複数の供試品を測定する場合,e)〜j) を繰り返す。試料数は,3個以上とする。 

l) 

全測定終了後,全ての装置の電源をOFFにする。 

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4.7 

静電気漏えい性能の測定方法 

静電気漏えい性能の測定手順は,次による。 

a) 測定前,測定器及び全ての供試品を,4.4に規定する環境に放置する。 

b) 静電気電位測定システムを構築する。このとき,測定に用いる機器類の接地抵抗が,約1×106 Ω程度

になるように接地点(GP)に接続する。 

c) 測定開始前に4.2.1に規定する静電気電位測定器の電源をONにする。 

d) 測定者は,手首などに,4.2.2に規定するリストストラップを装着する。このとき,リストストラップ

からの接地線を確実に接地点(GP)に接続する。 

e) 4.2.3に規定するレール状平板電極を4.2.7に規定する洗浄液で清浄し,5分間以上乾燥させる。 

f) 

レール状平板電極に4.2.8に規定する導電性両面テープを均一に,かつ,しっかり固定する。 

g) 供試品を4.2.6に規定するイオナイザの電源をONにして除電する。 

h) 4.3.3に規定する1 mの供試品の端を図4に示すようにレール状平板電極の端に合わせ,4.2.12に規定

する圧着ジグを用いて,供試品の底面をレール状平板電極に固定された導電性両面テープに均一に,

かつ,しっかり固定する。このとき,レール状平板電極からはみ出したもう一方の端までの部分は,

図3に示すように4.2.11に規定する絶縁糸などで上からつるし,供試品が接地点(測定器類,壁,床

など)に対し絶縁されていることを確認する。 

i) 

4.2.5に規定する記録装置の電源をONにする。イオナイザの電源をOFFにする。 

j) 

測定者は,供試品に4.2.9に規定する静電気チャージャで1 000 V以上帯電させる。帯電させる位置は,

供試品がレール状平板電極に固定されている部分とする。1 000 V以上帯電後,チャージャを離す。次

に供試品の逆端を接地点(GP)に接続し,静電気電位が1 000 Vから100 Vまで減衰する時間を記録

装置に記録された測定データから読み取り,その時間を記録する。また,記録装置に表示された波形

も記録する。帯電させる条件は,静電気チャージャによるプラス及びマイナス両方の帯電に対しそれ

ぞれ測定する。 

k) 複数の供試品を測定する場合,e)〜j)を繰り返す。関連規格に規定する試料数は,3個以上が望ましい。 

l) 

全測定終了後,全ての装置の電源をOFFにする。  

試験成績表に記載する事項及び関連規格に規定する事項 

5.1 

試験成績表に記載する事項 

試験成績表に記載する事項を附属書Aに示す。 

5.2 

関連規格に規定する事項 

関連規格に規定する事項は,次による。 

a) 前処理及び測定環境 

b) 測定条件(引き剝がし速度及び引き剝がし角度) 

c) 静電気電位の測定又は静電気漏えい性能の測定に用いる供試品の長さ 

d) 試料数 

10 

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附属書A 

(規定) 

試験成績表の記載事項 

静電気電位及び静電気漏えい性能試験成績表に記載する事項を次に示す。 

a) 試験測定日:                試験測定場所: 

測定器名:    製造業者:    型式:     製造番号:    校正日: 

測定者名: 

b) 供試品材料の記述及び識別 

1) キャリアテープ:製造業者名:   名称型番:   色:   製造日:  ロット番号: 

2) カバーテープ: 製造業者名:   名称型番:   色:   製造日:  ロット番号: 

3) キャリアテープとカバーテープとの接着方法: シール機:      設定条件: 

4) キャリアテープとカバーテープとの剝離強度: 剝離強度測定器:       剝離強度:  N 

5) 供試品内の表面実装部品(SMD)の有無:( 有 無 )有の場合 品名: 寸法: ロット番号: 

c) 前処理及び試験環境 

1) 測定条件:温度        湿度       試験時間 

2) 測定前の放置環境:温度        湿度 

3) 放置時間:  年  月  日  時〜  年  月  日  時 まで   合計   時間 

4) 測定環境:温度        湿度 

5) 放置環境及び測定環境の注記: 

6) 使用洗浄剤及び洗浄後放置時間 

d) 測定機器類の設置環境及び作業者の静電気対策状況 

1) 測定器の接地及び静電容量:   Ω   pF イオナイザの接地状況:     Ω 

2) 作業台の静電気対策状況:       対策の有無と静電気対策品名: 

3) 測定作業場所の床静電気対策状況: 

4) 静電気対策靴と床との組合せ:        V (すり足にて) *リストストラップ不使用時 

5) 作業者のリストストラップ着用時の静電気電位:     V (すり足にて) 

6) 作業者の衣服 表面電位:     V 

e) 静電気測定試験条件 

1) 引き剝がし速度: 

2) 引き剝がし角度: 

3) 静電気漏えい性能試験の供試品長さ:   m 絶縁支持材料名:   絶縁抵抗値:   Ω 

4) 試料数n(最低3): 

f) 

静電気電位及び静電気漏えい性能結果 

測定チャートは添付による。 

1) 静電気電位測定結果 

静電気電位の最大値:    V,    V,    V 

静電気電位の平均値:    V 

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2) 静電気漏えい性能測定結果 

静電気電位が1 000 Vから100 Vまで減衰する時間:   s,   s,    s 平均値:   s 

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附属書B 

(参考) 

表面実装部品テーピングのカバーテープ引き剝がし時の 

静電気電位及び静電気漏えい性能の測定方法における注意事項 

B.1 

一般事項 

表面実装部品(以下,SMDという。)テーピングにおいてキャリアテープからカバーテープ引き剝がし

時に発生する静電気電位,及びキャリアテープの長さ方向に働く抵抗値による静電気漏えい性能を再現性

よく測定するための注意事項をB.2〜B.5に示す。 

B.2 

測定装置,備品及び供試品に関連する注意事項 

B.2.1 静電気電位測定器 

静電気電位測定器の選定には,静電気電位が適切な応答速度で測定できるものが必要である。また,供

試品には,様々な種類が存在し,その測定値も大小様々な数値が想定されるため,測定値の桁数に応じ適

切な測定レンジを選定する必要がある。例えば,小さい測定値に対し大きい測定レンジで記録する場合,

測定精度は低下するおそれがある。このため,事前の予備測定を行い,適切なレンジを選定しておく必要

がある。 

また,測定部(レール状平板電極及び非接触プローブ)の静電容量は,図B.1のように接地につな(繋)

がれた測定器本体とレール状平板電極との間で静電容量測定器にて測定を行い,記録を残す。 

図B.1−測定部の静電容量測定 

B.2.2 リストストラップ 

リストストラップは,測定者がカバーテープを引き剝がす動作に邪魔にならないように,動作する手と

は反対側の手首に取り付ける。 

B.2.3 レール状平板電極 

レール状平板電極は,縦方向及び横方向に曲がっていないことが必要である。レール状平板電極が曲が

っている場合には,導電性両面テープ及び供試品が均一に固定できないため正確な測定が不可能である。 

静電容量

測定器 

変換機 

カップ形金属シールド 

非接触プローブ 

レール平板電極 

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B.2.4 カップ形金属シールド 

カップ形金属シールドの遮蔽の効果を適切に維持するために,カップ形金属シールドは汚れのない状態

を保つことが必要である。汚れが付着した場合は,B.5.3に記載する清掃を実施する。 

B.2.5 記録装置(データロガーなど) 

記録装置の選定には,静電気電位測定器で測定した測定結果の最大値などの時間推移を含めて正確に記

録できる機能が必要である。 

B.2.6 イオナイザ 

イオナイザは,静電気電位測定器及び作業台表面全体が,除電できる性能及び風量のものを選定する。 

そのイオナイザの扱いは,次による。 

a) イオナイザは,約1×106 Ω程度の接地点(GP)に接続する。 

b) イオナイザは,レール状平板電極の斜め上から気流が当たるように設置する。 

c) イオナイザは,供試品をレール状平板電極に固定した導電性テープに固定する前から稼働させ,固定

が完了後,測定開始前には停止させる。 

d) イオナイザの停止後,約10秒間以上経過した後に測定する。 

e) 測定時のイオナイザの切り忘れには注意する。 

f) 

イオンバランスが崩れるため,イオナイザの吸気口側に帯電物を置かない。 

B.2.7 洗浄液 

洗浄液は,測定器及びジグ類の表面並びに測定者の手指を清掃でき,かつ,短時間で乾燥できる溶剤を

選定する。例えば,洗浄液としては,JIS C 60068-2-45で引用されているイソプロピルアルコールなどが

適切である。イソプロピルアルコールは,乾燥には,5分間以上必要であると記載があり,洗浄液を十分

に乾燥させる。 

B.2.8 導電性両面テープ 

導電性両面テープは,粘着性などの特性が変化しないように,測定前までテープ製造業者の取扱いの仕

様に応じて保管する。供試品の測定ごとに交換することが望ましい。 

B.2.9 静電気チャージャ 

静電気チャージャは,供試品の静電気漏えい性能を測定するために,供試品へ繰り返して安定した電圧

を加えることができる装置とする。 

B.2.10 絶縁クリップ 

絶縁クリップは,キャリアテープからカバーテープ引き剝がし時に発生する静電気電位の測定で,カバ

ーテープを通して静電気が漏えいしないよう,絶縁クリップを介してつかむことで絶縁性を確保すること

が必要であり,絶縁クリップは,絶縁性を保つため,4.2.7で規定する洗浄液によって十分清掃してから用

いる。 

B.2.11 絶縁糸 

絶縁糸は,静電気漏えい性能試験のときに供試品を空中に保持できる強度があり,かつ,供試品の測定

のために毎回同じような方法及び条件でつり下げることができる釣り糸などを用いる。この対応ができな

い場合には,再現性のある測定ができない。 

B.2.12 圧着ジグ 

圧着ジグは,供試品と導電性両面テープとの間に均一に荷重が加わるようなジグ(金属平板,ローラ状

の固定ジグなど)とし,このジグを用いて,均一,かつ,しっかり固定することが必要である。また,供

試品の変形が起こらない範囲で圧着する力を調整する必要がある。 

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B.2.13 静電気対策靴及び静電気対策床 

静電気対策靴と静電気対策床との組合せは,お互いを組み合わせた状態でJIS C 61340-4-5の図1(人体

と組み合わせた履物及び床システムの電気抵抗を測定するセットアップ)に基づく確認を行い,人体に発

生する静電気電位を,測定環境で±20 V以内になるようにする。 

B.2.14 静電気対策衣服 

静電気対策衣服は,外衣服だけでなく,内衣服も静電気が発生しない材質を選定し,外衣服と内衣服と

の組合せも静電気電位が発生しないようにする必要がある。そのため,表面電位計を用いて,外衣服の上

から表面電位を測定し±100 V以内であることを確認する。 

B.2.15 表面電位計 

表面電位計で測定を行うときには,必ず本体を接地点(GP)に接続する。 

B.3 

前処理及び測定環境における注意事項 

B.3.1 前処理 

前処理は,供試品の状態で行う。供試品の静電気電位の発生状態は,環境の温度及び相対湿度に依存す

る水分含有量によって影響を受けるため,測定環境条件にて保存する必要がある。供試品の相対湿度によ

る飽和点は,供試品の材質,寸法などによって異なるため,事前の調査を行い,その内容を関連規格など

に記載しておく必要がある。 

B.3.2 測定環境 

供試品を前処理条件とは異なる環境条件で測定する場合,測定を完了するまでの時間が異なると,同じ

測定環境条件で同じ供試品を測定しても,測定値が異なる場合もある。よって測定は,前処理条件と同じ

環境条件で実施することが望ましい。 

環境条件は,温度・湿度要因以外でも測定を実施する部屋の空調装置,扉及び窓の開閉,並びに静電気

電位測定器近くで稼働している別装置の排気又は人体の移動による気流によって変化する。測定は静電気

電位測定器周辺の測定エリアに影響を及ぼす気流のない場所で行う必要がある。実際に,静電気測定時に

影響を与えた実例として次のものなどが挙げられる。 

a) 空調装置からの気流 

b) プロジェクターからの排気による気流 

c) 他の測定器からの排気による気流 

d) 測定者及び観測者の移動による気流 

B.4 

供試品の取扱い 

絶縁クリップで把持する部分のカバーテープの長さは,絶縁クリップを手でつかんでカバーテープを引

き剝がす,ジグを用いて引き剝がすなどあるが,測定の主旨を妨げない場合,測定に適した長さにしても

よい。 

供試品の材質の中には,静電気防止効果を狙って帯電防止剤を用いているものもある。その多くは空気

中の水分を表面に付着させることで,抵抗値を低く抑えるようにしている。そのため,温度及び湿度に依

存するものが多いことに留意する。 

供試品の測定前の放置環境は,測定に大きな影響を与える場合がある。放置時間は,その環境下におい

て供試品の材質の特性を安定させることが目的であり,材質に応じてその必要な放置時間を考慮する。測

定前の放置環境(温度,湿度及び放置時間)が異なる場合,同じ供試品を測定しても測定値が異なる可能

15 

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性がある。 

静電気電位を精度よく測定するために,測定者は,次に示すように十分注意して供試品を取り扱う。 

a) 測定者は,キャリアテープの側面エッジ部を手指で直接,手袋などを介して挟むようにつかむ。 

b) 測定者は,キャリアテープ及びカバーテープの表面に手指を触れないように扱い,キャリアテープ及

びカバーテープの帯電防止剤などの成分が,安易に測定者の手指などに付着しないように十分注意す

る。このため,試験ごとに,洗浄液にて,測定者の手指などを清掃し,洗浄液を乾燥させる。 

c) 測定者は,供試品をレール状平板電極に固定する際には,レール状平板電極部以外に供試品に手指な

どが触れないように慎重に行う。固定方法は次による。 

1) 供試品のレール状平板電極への固定位置は,供試品であるキャリアテープの端をレール状平板電極

の端に合わせ,レール状平板電極に既に固定してある導電性両面テープの上に載せる。 

2) レール状平板電極と同寸法の金属平板又はローラ状の固定ジグなどの圧着ジグを用意し,その圧着

ジグで供試品の上から全体的に及び均一に押さえ,供試品のキャリアテープを導電性両面テープに

密着させる。 

3) 供試品を強く押さえ過ぎて,供試品のキャリアテープが変形しないように注意する。 

4) 準備段階において,レール状平板電極と供試品との摩擦などで静電気が生じると,正確な静電気電

位の測定ができないため,レール状平板電極及び供試品を不用意に擦らない。 

5) 圧着ジグを用いる。その理由は,測定者が手指で直接供試品を押さえた場合に,手指から転写する

油脂及び水分による影響を排除するためである。 

6) 圧着ジグにも手指による汚れ又はカバーテープの成分が付着するため,洗浄液で測定ごと又は定期

的に洗浄することが望ましい。 

B.5 

測定システムを構築する場合の注意事項 

B.5.1 静電気電位測定器の配置 

静電気電位測定システムは,図B.2に示すように,接地点(GP)に接続した金属板を敷いた机の上に静

電気電位測定器を設置し,机の下の試験領域の床には,接地点(GP)に接続した静電気対策床を敷く。ま

た,壁面及び記録装置は,静電気電位測定器から2 m以上離しておくことが重要である。 

注記 市販品である静電気対策床などは静電気の発生を抑制するため,静電気帯電防止剤などの有機

化合物が含有・塗布されている構造のものが多い。帯電防止剤の成分が供試品,手指,測定機

器類などに付着し静電気電位が測定できなくなるため,十分注意が必要である。静電気対策床

の代替として,金属板(SUS)がある。 

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図B.2−静電気電位測定器の配置 

B.5.2 測定試験エリアの帯電物の取扱い 

測定を精度よく行うためには,静電気電位測定器に影響を与える帯電物からの静電誘導を排除しなけれ

ばならない。測定場所近傍には帯電するものは置いてはならない。供試品であっても,測定する供試品以

外(次に測定する供試品,測定が終了した供試品など)は,全て静電気電位測定器から2 m以上離す。 

蓋付き金属製容器を用意し,その中に供試品を入れることで,静電誘導を排除することが可能となる。 

B.5.3 静電気電位測定器の清掃 

静電気電位測定器の清掃を行う。清掃手順を次に示す。 

a) 静電気電位測定器からレール状平板電極及びカップ形金属シールドを取り外す。 

b) 洗浄液を浸した汚れのないウエスを用い,レール状平板電極及びカップ形金属シールドに付着した汚

れを拭き取る。特に,絶縁性が必要なレール状平板電極とカップ形金属シールドとの接続部分及びカ

ップ形金属シールドと静電気電位測定器との接続部分の清掃を重点的に行う。 

c) 清掃では,静電気電位測定器の測定部(非接触プローブ)及び相対するカップ形金属シールドの内側

(非接触プローブ)には絶対に触れないよう注意する。この部分に変形,腐食,油脂付着などがあっ

た場合,測定の信頼性が失われる。 

d) 清掃後,カップ形金属シールド及びレール状平板電極を取り付け,静電気チャージャでレール状平板

電極を帯電させ電位の減衰がないことを確認する。そのときの減衰量は5 %以下とする。 

e) 減衰量が5 %以下とならない場合には,低下するまで,a)〜d)の清掃及び確認を繰り返す。絶縁性が

確保できない原因としては,人体からの油脂又は測定者の手指を介して,供試品から転移した帯電防

止剤の付着などが考えられる。手袋を用いても,手袋にて人体からの油脂付着は防げても,手袋表面

に付着した帯電防止剤の転移は防げない点に留意が必要である。帯電防止剤は,測定で用いるキャリ

アテープ,カバーテープ,包装に用いている帯電防止袋などからも転移する。 

静電気電位測定器 

静電気対策床 

金属板(SUS) 

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B.5.4 測定システムの安定性確認及びゼロ点調整 

測定者は,測定システムを,測定器製造業者による取扱説明書に従って,測定前に安定性の確認及びゼ

ロ点調整を行う。 

B.5.5 レール状平板電極に関する注意点 

レール状平板電極の静電気電位測定器への取付けは,レール状平板電極が,図B.3に示すように,静電

気電位測定器本体の上面及び前面に対し平行になるように注意する。 

a) 静電気電位測定器上面との平行 

b) 静電気電位測定器前面との平行 

図B.3−レール状平板電極の取付け 

レール状平板電極 

レール状平板電極 

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参考文献 

JIS C 60068-1:2016 環境試験方法−電気・電子−第1部:通則及び指針 

注記 対応国際規格:IEC 60068-1:2013,Environmental testing−Part 1: General and guidance(IDT) 

JIS C 60068-2-45:1995 環境試験方法−電気・電子−耐溶剤性(洗浄溶剤浸せき)試験方法 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-45:1980,Basic environmental testing procedure Part 2:Test XA and 

guidance: Immersion in cleaning solvents及びAmendment 1:1993(IDT) 

JIS C 61340規格群 静電気 

注記 対応国際規格:IEC 61340(all parts),Electrostatics 

JIS K 1522:2012 イソプロピルアルコール(イソプロパノール) 

JEITA ET-7104:2016 実装部品包装の実態及びこれらの包装から見た静電気に関連する規格について 

JEITA ET-7104-1:2016 表面実装部品テーピングのカバーテープ剥離時の静電気電位及び静電気漏洩

性能の測定方法 

JEITA ET-7104-2:2018 表面実装部品テーピングのカバーテープ剥離時の静電気電位及び静電気漏洩

性能の測定方法(JEITA ET-7104-1)の補足注意事項 

Paper title−A new Technology in Low Tribrocharging Adhesives−1994 EOS/ESD Symposium Pages 

230-236Authos-Gutman, Yau, Goetz, Koehn and Swenson 

(The paper was used as the main reference for APPENDIX H in ESD Assosiation ADV 11.2- Triboelectric 

Charge Accumulation Testing) 

ESDA ESD ADV 11.2 1995, (ESDA: Electro Statics Discharge Association) For the Protection of Electrostatic 

Discharge Susceptible Items−Triboelectric Charge Accumulation Testing 

3M Products specification of #40 and #42 tape 1998(A new Technology in Low Tribocharging Adhesives−

1994 ESO/ESD Symposium Pages 230-236)David Swenson and Steve Koehn Technical paper The 

removal from a Surface. To mesure electrostatics when to removal tape from a surface. This is 3M 

evalution test method for #40 and #42 tape.