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B 9960-1

:2008

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

3

2

  引用規格

3

3

  用語及び定義

8

4

  一般要求事項

14

4.1

  一般考慮事項

14

4.2

  装置の選択

15

4.3

  電源

16

4.4

  物理的環境及び運転条件

16

4.5

  輸送及び保管

18

4.6

  運搬の便宜のための手段

18

4.7

  据付け

18

5

  入力電源導体の接続,断路器及び開路用機器

18

5.1

  入力電源導体の接続

18

5.2

  外部の保護接地システムを接続する端子

19

5.3

  入力電源断路器

19

5.4

  予期しない起動を防止するための開路用機器

21

5.5

  電気装置を断路する機器

22

5.6

  禁止されている投入及び不注意・過誤による投入に対する保護

23

6

  感電保護

23

6.1

  一般事項

23

6.2

  直接接触に対する保護

23

6.3

  間接接触に対する保護

25

6.4

  PELV 使用による保護

27

7

  装置の保護

28

7.1

  一般事項

28

7.2

  過電流保護

28

7.3

  電動機の温度上昇保護

30

7.4

  異常温度保護

31

7.5

  停電,電圧低下及びその復旧時の保護

31

7.6

  電動機の過速度保護

31

7.7

  地絡(漏電)電流保護

32

7.8

  相順の保護

32

7.9

  雷サージ及び開閉サージの過電圧保護

32

8

  等電位ボンディング

32


B 9960-1

:2008  目次

(2)

ページ

8.1

  一般事項

32

8.2

  保護ボンディング回路

34

8.3

  機能ボンディング

36

8.4

  大きな漏えい電流の影響を制限する方策

36

9

  制御回路及び制御機能

36

9.1

  制御回路

36

9.2

  制御機能

37

9.3

  保護インタロック

42

9.4

  故障時の制御機能

42

10

  オペレータインタフェース及び機械に取り付けた制御機器

46

10.1

  一般事項

46

10.2

  押しボタン

47

10.3

  表示灯及び表示器

48

10.4

  照光式押しボタン

49

10.5

  ロータリ形制御機器

49

10.6

  起動機器

49

10.7

  非常停止用機器

49

10.8

  非常スイッチングオフ機器

50

10.9

  イネーブル制御機器

50

11

  制御装置:配置,取付け及びエンクロージャ

51

11.1

  一般要求事項

51

11.2

  配置及び取付け

51

11.3

  保護等級

52

11.4

  エンクロージャ,扉及び開口部

52

11.5

  制御装置へのアクセス

53

12

  導体及びケーブル

54

12.1

  一般要求事項

54

12.2

  導体

54

12.3

  絶縁被覆

54

12.4

  定常使用時の電流容量

55

12.5

  導体及びケーブルの電圧降下

56

12.6

  可とうケーブル

56

12.7

  導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構

57

13

  配線

59

13.1

  接続及び経路

59

13.2

  導体の識別

60

13.3

  エンクロージャ内の配線

61

13.4

  エンクロージャ外の配線

61

13.5

  ダクト,接続箱及びその他の箱

64


B 9960-1

:2008  目次

(3)

ページ

14

  電動機及び関連装置

66

14.1

  一般要求事項

66

14.2

  電動機エンクロージャ

66

14.3

  電動機の寸法

66

14.4

  電動機の取付け及び電動機用区画

66

14.5

  電動機の選定基準

66

14.6

  機械的ブレーキ用の保護機器

67

15

  附属品及び照明

67

15.1

  附属品用コンセント

67

15.2

  機械及び装置の局部照明

67

16

  マーキング,警告標識及び略号

68

16.1

  一般事項

68

16.2

  警告標識

68

16.3

  機能表示

69

16.4

  装置のマーキング

69

16.5

  略号(参照指定)

69

17

  技術文書

70

17.1

  一般事項

70

17.2

  提供情報

70

17.3

  すべての文書類に対する要求事項

70

17.4

  据付け用文書

71

17.5

  全体図及び機能線図

71

17.6

  回路図

71

17.7

  運転マニュアル

72

17.8

  保全マニュアル

72

17.9

  部品表

72

18

  検証

72

18.1

  一般事項

72

18.2

  電源自動遮断による保護が達成される条件の検証

73

18.3

  絶縁抵抗試験

73

18.4

  耐電圧試験

74

18.5

  残留電圧保護

74

18.6

  機能試験

74

18.7

  再試験

74

附属書 A(規定)TN 接地系統における間接接触保護

77

附属書 B(参考)機械の電気装置のための調査書

81

附属書 C(参考)この規格を適用する機械の例

84

附属書 D(参考)機械の電気装置の導体及びケーブルの電流容量,及び過電流保護

87

附属書 E(参考)非常操作機能の説明

92


B 9960-1

:2008  目次

(4)

ページ

附属書 F(参考)この規格の適用指針

93

附属書 G(参考)代表的導体断面積の比較

95

附属書 JA(規定)TT 接地系統における間接接触保護

97

附属書 JB(参考)この規格が規定する側面と箇条との対応

99

附属書 JC(参考)エンクロージャの保護等級

100

附属書 JD(参考)電気装置のクラス(感電保護による分類)

103

附属書 JE(参考)絶縁ケーブル用導体のクラス

104

附属書 JF(参考)この規格と JIS C 60364 規格群との関係

106

附属書 JG(参考)JIS C 3307 に規定する 600 V ビニル絶縁電線の許容電流

109

附属書 JH(参考)参考文献

110

附属書 JI(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

112


B 9960-1

:2008

(5)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本機械

工業連合会(JMF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調

査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 9960-1:1999 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認に

ついて,責任はもたない。

JIS B 9960

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

B

9960-1

第 1 部:一般要求事項

JIS

B

9960-11

第 11 部:交流 1 000 V 又は直流 1 500 V を超え 36 kV 以下の高電圧装置に対する要求

事項

JIS

B

9960-31

第 31 部:縫製機械,縫製ユニット及び縫製システムの安全性と EMC に対する要求事

JIS

B

9960-32

第 32 部:巻上機械に対する要求事項


日本工業規格

JIS

 B

9960-1

:2008

機械類の安全性−機械の電気装置−

第 1 部:一般要求事項

Safety of machinery

−Electrical equipment of machines−

Part 1: General requirements

序文

この規格は,2005 年に第 5 版として発行された IEC 60204-1 を基に作成した日本工業規格であるが,技

術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線及び点線の下線を施してある箇所並びに

附属書 JA∼附属書 JI は,対応国際規格

にはない事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JI に示す。

この規格の適用に関する指針を,

附属書 に示す。

図 は,機械の諸要素及び関連装置の相互関係の理解を助けるものである。図 は,典型的な機械に関

連する装置及び機器のブロック図であり,この規格が扱う電気装置の各要素を示している。

(  )内の番号

は,この規格の箇条番号である。

図 によって,機械の構成には,安全防護物,附属の用具・固定具,ソフ

トウェア,文書を含むすべての要素が含まれること,及び通常少なくとも一つの監視制御レベルのもとで

1 台又は連携して稼働する複数の機械が製造セル又は製造システムを構成することが理解できる。


2

B 9960-1

:2008

 
 
 
 
 
 
 
 

      (外部保護導体接続)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

図 1−典型的機械のブロック図

物理的環境

4 . 4 

警告標識及び略号(箇条 16

技術文書(箇条 17

システム又はセルの

制御装置

 電源断路器(5.3

  感電保護(箇条 6

  装置の保護(箇条 7

  接地(PE)端子(5.2

  保護ボンディング回路(8.2

  制御回路及び制御機能(箇条 9

  非常停止機能(9.2.5.4

  制御装置(箇条 11

  附属品及び照明(箇条 15

電源(4.3

非常停止用機器

10.7

電動機

制御装置

プログラマブルコントローラ

操作盤

(箇条 10

入出力

インタフェース

安全防護物

及び警報機器

PE

導体及びケーブル

(箇条 12

配線(箇条 13

検証(箇条 18

加工装置

アクチュエータ

及び

センサ

電動機(箇条 14

及び

トランスデューサ

データリンク


3

B 9960-1

:2008

1

適用範囲

この規格は,機械の電気装置に関して,次のことを達成するための要求事項及び推奨事項を規定する。

−  人及び財産の安全

−  制御応答の一貫性

−  保全の容易性

この規格は,稼働中には手で運搬できない機械に用いる,電気・電子・プログラマブル電子の,装置及び

システムについて規定する。連携して稼働する一群の機械も適用範囲に含む。

注記 1  この規格は,技術を応用(適用)する規格であって,技術の進歩を制限又は禁止するもので

はない。

注記 2  この規格では,“電気の”という用語は,電気,電子及びプログラマブル電子に関する事項を

含む(すなわち,電気装置は,電気装置,電子装置及びプログラマブル電子装置を含む。

注記 3  この規格では,“人”という用語はすべての個人をいい,機械の使用者又はその代理者から,

当該機械の使用及び手入れを仕事として割り当てられ,指示された人を含む。

この規格は,機械の電気装置の電源接続点から内側の部分について規定する(5.1 参照)

注記 4  建築物の電源設備に関する要求事項は,JIS C 60364 規格群に規定されている。

この規格は,公称電源電圧が交流 1 000 V 以下,直流 1 500 V 以下,公称周波数 200 Hz 以下で作動する

電気装置に適用する。

注記 5  これより高い電圧に関しては JIS B 9960-11 に規定されている。

この規格は,電気的危険源以外の危険源から人を保護するために必要な他の規格又は規則が要求する事

項(例えば,ガード,インタロック又は制御)のすべてを扱うわけではない。機械には,適切な安全性を

備えるために,機械の種類ごとに特有の要求事項がある。

この規格の適用対象には,特に 3.35 で定義する機械の電気装置を含むが,これだけには限定しない。

注記 6  附属書 は,この規格を適用できる電気装置を用いる機械の例を示す。

この規格は,

例えば,

次に示す機械の電気装置に適用するような追加及び特別の要求事項は規定しない。

−  屋外(すなわち,建物又は他の保護構造物の外)で用いる機械。

−  爆発する可能性のあるもの(例えば,塗料又は削りくず)を,使用,加工,又は製造する機械。

−  爆発性又は可燃性の雰囲気内で用いる機械。

−  特定の材料を製造又は使用するときに特別なリスクがある機械。

−  鉱坑内で用いる機械。

−  縫製機械,縫製ユニット,及び縫製システム(JIS B 9960-31 で規定。

−  巻上機械(JIS B 9960-32 で規定。

電気エネルギーを加工手段として直接用いる電力回路は,この規格では規定しない。

注記 7  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60204-1:2005

,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1: General

requirements (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを

示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。


4

B 9960-1

:2008

これらの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追

補を含む。

)には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 9700-1:2004

  機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第 1 部:基本用語,方法論

注記  対応国際規格:ISO 12100-1:2003,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for

design−Part 1: Basic terminology, methodology (IDT)

JIS B 9700-2:2004

  機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第 2 部:技術原則

注記  対応国際規格:ISO 12100-2:2003,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for

design−Part 2: Technical principles (IDT)

JIS B 9703:2000

  機械類の安全性−非常停止−設計原則

注記  対応国際規格:ISO 13850:1996,Safety of machinery−Emergency stop−Principles for design

(IDT)

JIS B 9705-1:2000

  機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第 1 部:設計のための一般原則

注記  対応国際規格:ISO 13849-1:1999,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−

Part 1: General principles for design (IDT)

JIS B 9706-1:2001

  機械類の安全性−表示,マーキング及び作動−第 1 部:視覚,聴覚及び触覚シグ

ナルの要求事項

注記  対応国際規格:IEC 61310-1:1995,Safety of machinery−Indication, marking and actuation−

Part 1: Requirements for visual, auditory and tactile signals (IDT)

JIS B 9706-2:2001

  機械類の安全性−表示,マーキング及び作動−第 2 部:マーキングの要求事項

注記  対応国際規格:IEC 61310-2:1995,Safety of machinery−Indication, marking and actuation−

Part 2: Requirements for marking (IDT)

JIS B 9706-3:2001

  機械類の安全性−表示,マーキング及び作動−第 3 部:アクチュエータの配置及

び操作に対する要求事項

注記  対応国際規格:IEC 61310-3:1999,Safety of machinery−Indication, marking and actuation−

Part 3: Requirements for the location and operation of actuators (IDT)

JIS B 9961:2008

  機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能

安全

注記  対応国際規格:IEC 62061:2005,Safety of machinery−Functional safety of safety-related electrical,

electronic and programmable electronic control systems (IDT)

JIS C 0365

  感電保護−設備及び機器の共通事項

注記  対応国際規格:IEC 61140,Protection against electric shock−Common aspects for installation and

equipment (IDT)

JIS C 0445

  文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法

注記  対応国際規格:IEC 60445,Basic and safety principles for man-machine interface, marking and

identification−Identification of equipment terminals and of terminations of certain designated

conductors, including general rules for an alphanumeric system (IDT)

JIS C 0447

  マンマシンインタフェース(MMI)−操作の基準

注記  対応国際規格:IEC 60447,Man-machine interface (MMI)−Actuating principles (IDT)

JIS C 0448

  表示装置(表示部)及び操作機器(操作部)のための色及び補助手段に関する規準

注記  対応国際規格:IEC 60073,Basic and safety principles for man-machine interface, marking and


5

B 9960-1

:2008

identification−Coding principles for indication devices and actuators (IDT)

JIS C 0452-1:2004

  電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原

理及び参照指定−第 1 部:基本原則

注記  対応国際規格:IEC 61346-1:1996,Industrial systems, installations and equipment and industrial

products−Structuring principles and reference designations−Part 1: Basic rules (IDT)

JIS C 0452-2:2005

  電気及び関連分野−工業用システム,設備及び装置,並びに工業製品−構造化原

理及び参照指定−第 2 部:オブジェクトの分類(クラス)及び分類コード

注記  対応国際規格:IEC 61346-2:2000,Industrial systems, installations and equipment and industrial

products−Structuring principles and reference designations−Part 2: Classification of objects and 
codes for classes (IDT)

JIS C 0453:2005

  電気及び関連分野−部品リストの作成

注記  対応国際規格:IEC 62027:2000,Preparation of parts lists (IDT)

JIS C 0457:2006

  電気及び関連分野−取扱説明書の作成−構成,内容及び表示方法

注記  対応国際規格:IEC 62079:2001,Preparation of instructions−Structuring, content and presentation

(IDT)

JIS C 0617

(規格群)  電気用図記号

注記  対応国際規格:IEC 60617(all parts),Graphical symbols for diagrams (IDT)

JIS C 0664:2003

  低圧系統内機器の絶縁協調  第 1 部:原理,要求事項及び試験

注記  対応国際規格:IEC 60664-1:1992,Insulation coordination for equipment within low-voltage

systems−Part 1: Principles, requirements and tests (MOD)

JIS C 0920:2003

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記  対応国際規格:IEC 60529:2001,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code) (IDT)

JIS C 1082-1:1999

  電気技術文書−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 61082-1:1991,Preparation of documents used in electrotechnology−Part 1:

General requirements  (Amendment 1,Amendment 2 を含む。)(MOD)

JIS C 1082-2:1999

  電気技術文書−第 2 部:機能図

注記  対応国際規格:IEC 61082-2:1993,Preparation of documents used in electrotechnology−Part 2:

Function-oriented diagrams (IDT)

JIS C 1082-3:1999

  電気技術文書−第 3 部:接続図,表及びリスト

注記  対応国際規格:IEC 61082-3:1993,Preparation of documents used in electrotechnology−Part 3:

Connection diagrams, tables and lists (IDT)

JIS C 1082-4:1999

  電気技術文書−第 4 部:配置及び据付け文書

注記  対応国際規格:IEC 61082-4:1996,Preparation of documents used in electrotechnology−Part 4:

Location and installation documents (IDT)

JIS C 2811

  工業用端子台

注記  対応国際規格:IEC 60947-7-1:1989,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 7-1: Ancillary

equipment−Terminal blocks for copper conductors (MOD)

JIS C 4034-1

  回転電気機械−第 1 部:定格及び特性

注記  対応国際規格:IEC 60034-1,Rotating electrical machines−Part 1: Rating and performance (NEQ)

JIS C 4034-5

  回転電気機械−第 5 部:外被構造による保護方式の分類


6

B 9960-1

:2008

注記  対応国際規格:IEC 60034-5,Rotating electrical machines−Part 5: Degrees of protection provided

by the integral design of rotating electrical machines (IP code)−Classification (IDT)

JIS C 4203:2001

  一般用単相誘導電動機

注記  対応国際規格:

IEC 60072-1:1991

,Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 1: Frame

numbers 56 to 400 and flange numbers 55 to 1080 (MOD)

IEC 60034-1:1996

,Rotating electrical machines−Part 1: Rating and performance (MOD)

JIS C 4210:2001

  一般用低圧三相かご形誘導電動機

注記  対応国際規格:

IEC 60072-1:1991

,Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 1: Frame

numbers 56 to 400 and flange numbers 55 to 1080 (MOD)

IEC 60034-1:1996

,Rotating electrical machines−Part 1: Rating and performance (MOD)

IEC 60034-2:1972

,Rotating electrical machines−Part 2: Methods for determining losses and

efficiency of rotating electrical machinery from tests (MOD)

IEC 60034-9:1997

,Rotating electrical machines−Part 9: Noise limits (MOD)

IEC 60034-12:1972

,Rotating electrical machines−Part 12: Starting performance of single-speed

three-phase cage induction motors for voltage up to and including 660 V (MOD)

JIS C 4212:2000

  高効率低圧三相かご形誘導電動機

注記  対応国際規格:IEC 60072-1:1991,Dimensions and output series for rotating electrical machines

−Part 1: Frame numbers 56 to 400 and flange numbers 55 to 1080 (MOD)

JIS C 60364-4-41:2006

  建築電気設備−第 4-41 部:安全保護−感電保護

注記  対応国際規格:IEC 60364-4-41:2001,Electrical installations of buildings−Part 4-41: Protection for

safety−Protection against electric shock (IDT)

JIS C 60364-4-43:2006

  建築電気設備−第 4-43 部:安全保護−過電流保護

注記  対応国際規格:IEC 60364-4-43:2001,Electrical installations of buildings−Part 4-43: Protection for

safety−Protection against overcurrent (IDT)

JIS C 60364-5-52:2006

  建築電気設備−第 5-52 部:電気機器の選定及び施工−配線設備

注記  対応国際規格:IEC 60364-5-52:2001,Electrical installations of buildings−Part 5-52: Selection and

erection of electrical equipment−Wiring systems (IDT)

JIS C 60364-5-53:2006

  建築電気設備−第 5-53 部:電気機器の選定及び施工−断路,開閉及び制御

注記  対応国際規格:IEC 60364-5-53:2001,Electrical installations of buildings−Part 5-53: Selection and

erection of electrical equipment−Isolation, switching and control (IDT)

JIS C 60364-5-54:2006

  建築電気設備−第 5-54 部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及

び保護ボンディング導体

注記  対応国際規格:IEC 60364-5-54:2002,Electrical installations of buildings−Part 5-54: Selection and

erection of electrical equipment− Earthing arrangements, protective conductors and protective 
bonding conductors (IDT)

JIS C 60364-6-61:2006

  建築電気設備−第 6-61 部:検証−最初の検証

注記  対応国際規格:IEC 60364-6-61:2001,Electrical installations of buildings−Part 6-61: Verification

−Initial verification (IDT)


7

B 9960-1

:2008

JIS C 8201-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 1 部:通則

注記  対応国際規格:IEC 60947-1,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 1: General rules

(MOD)

JIS C 8201-2-1:2004

  低圧開閉装置及び制御装置−第 2-1 部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の

遮断器)

注記  対応国際規格:IEC 60947-2:2003,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 2: Circuit

-breakers (MOD)

JIS C 8201-2-2:2004

  低圧開閉装置及び制御装置−第 2-2 部:漏電遮断器

注記  対応国際規格:IEC 60947-2:2003,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 2: Circuit

-breakers (Annex B) (MOD)

JIS C 8201-3

  低圧開閉装置及び制御装置−第 3 部:開閉器,断路器,断路用開閉器及びヒューズ組み

ユニット

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60947-3 , Low-voltage switchgear and controlgear − Part 3: Switches,

disconnectors, switch-disconnectors and fuse-combination units (MOD)

JIS C 8201-5-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 1 節:電気機械

制御回路機器

注記  対応国際規格:IEC 60947-5-1,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-1: Control circuit

devices and switching elements−Electromechanical control circuit devices (MOD)

JIS C 8285-1

  工業用プラグ,コンセント及びカプラ−第 1 部:通則

注記  対応国際規格:IEC 60309-1,Plugs, socket-outlets, and couplers for industrial purposes−Part 1:

General requirements (MOD)

ISO 7000:2004

,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis

ISO 13849-2:2003

,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−Part 2: Validation

IEC 60034-11

,Rotating electrical machines−Part 11: Thermal protection

IEC 60072-2:1990

,Dimensions and output series for rotating electrical machines−Part 2: Frame numbers 355

to 1000 and flange numbers 1180 to 2360

IEC 60417-DB:2002

,Graphical symbols for use on equipment

IEC 60439-1:1999

,Low-voltage switchgear and controlgear assemblies−Part 1: Type-tested and partially

type-tested assemblies

IEC 60445:1999

,Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification−

Identification of equipment terminals and of terminations of certain designated conductors, including

general rules for an alphanumeric system

IEC 60446:1999

,Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification−

Identification of conductors by colours or numerals

IEC 60898:1995

,Electrical accesories−Circuit-breakers for overcurrent protection for household and similar

installations

IEC 60621-3:1979

,Electrical installations for outdoor sites under heavy conditions (including open-cast mines

and quarries). Part 3: General requirements for equipment and ancillaries

IEC 60947-3:1999

, Low-voltage switchgear and controlgear − Part 3: Switches, disconnectors, switch-

disconnectors, and fuse combination units


8

B 9960-1

:2008

IEC 61557-3:1997

,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1000 V a.c. and 1500 V d.c.−

Equipment for testing, measuring or monitoring of protective measures−Part 3: Loop impedance

IEC 61558-1:1997

, Safety of power transformers, power supply units and similar − Part 1: General

requirements and tests,    Amendment 1 (1998)

IEC 61558-2-6

, Safety of power transformers, power supply units and similar − Part 2-6: Particular

requirements for safety isolating transformers for general use

IEC 61984:2001

,Connectors−Safety requirements and tests

IEC 62023:2000

,Structuring of technical information and documentation

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

アクチュエータ(actuator

外部から人が操作する機器の部分。

注記 1  アクチュエータには,ハンドル,ノブ,押しボタン,ローラ,プランジャなどがある。

注記 2  制御手段には,人体の部位(手,足など)の動きだけで作動し,外部からの作動力を必要と

しないものもある。

注記 3  3.34 も参照。

3.2

周囲温度(ambient temperature

装置使用場所の空気又は媒体の温度。

3.3

バリア(barrier

通常の方向からの接近による直接接触を防護する部分(IEV 826-03-13 による。

1)

1)

  IEV:International Electrotechnical Vocabulary(国際電気標準用語)は,IEC 60050 で規定されて

いる。IEV 826-03-13 は,IEC 60050-826-03-13 を意味する(以下,同様。

3.4

ケーブルトレイ(cable tray

ケーブルを支持するものであって,底部は連続していて,盛り上がった縁があり,カバーがないもの(IEV 

826-15-08

による。

注記  ケーブルトレイには,孔のあるものと孔のないものとがある。

3.5

ケーブルトランキングシステム(cable trunking system

絶縁導体,ケーブル及びコードを完全に覆うための,及びその他の電気装置を収容するための,底部及

び取外し可能なカバーからなる閉じたエンクロージャシステム。

3.6

並行操作(concurrent actuation

並行して操作すること。二つ以上の制御機器が同時に(同期していなくてよい。

)操作される状況をいう

ときに用いる。


9

B 9960-1

:2008

3.7

コンジット(conduit

電気設備において,絶縁導体又はケーブルを通し,交換できる円形又は非円形の断面をもつ閉じた配線

用部品(IEV 826-06-03 による。

注記  コンジットは,絶縁導体又はケーブルを軸方向からだけ引き込むことができ,軸と直角方向か

ら挿入するすき間ができないようにし,互いに密着して接合することが望ましい。

3.8

機械の)制御回路[control circuitof a machine)]

機械及び電気装置の制御(監視を含む。

)のための回路。

3.9

制御機器(control device

制御回路に接続して機械の運転制御のために用いる機器(例えば,位置センサ,手動操作スイッチ,リ

レー,コンタクタ,電磁弁など。

3.10

制御装置(controlgear

電気エネルギーを消費する装置の制御を主な目的とする,開閉機器及びこれに付随する制御,計測,保

護,調節のための装置との組合せ。また,これらの機器及び装置と内部(相互)接続,附属品,エンクロ

ージャ及び支持構造との組合せ品(IEV 441-11-03 を修正)

3.11

制御停止(controlled stop

機械の停止プロセスを実行している間,機械アクチュエータへの電力供給を維持する機械の停止。

3.12

直接接触(direct contact

人又は家畜と充電部との接触(IEV 826-12-03 による。

3.13

接点の)直接開路動作機能[direct opening actionof a contact element)]

操作部の一定の動きによって非弾性構造材(例えば,ばねに依存しないもの)を経由して達成する接点

開離機能(JIS C 8201-5-1 の K.2.2 による。

3.14

ダクト(duct

導体,ケーブル及びブスバーを保持又は保護するためのチャネル。

注記  コンジット(3.7 参照),ケーブルトランキングシステム(3.5 参照)及び床下チャネルは,ダク

トの一形式である。

3.15

電気設備区域(electrical operating area

かぎ(鍵)又は道具を用いずに扉を開けることによって,又はバリアを取り除くことによって,電気作

業員又は電気取扱者だけがアクセスできるようにした,明りょうな警告標識のある電気設備室又は区域。

3.16

電子装置(electronic equipment

主として電子機器及び電子部品によって作動する回路を含む電気装置の部分。


10

B 9960-1

:2008

3.17

非常停止機器(emergency stop device

非常停止機能を作動させる手動の制御機器(JIS B 9703 の 3.2 による。

注記  附属書 を参照。

3.18

非常スイッチングオフ機器(emergency switching off device

感電のリスク又はその他の電気的リスクが発生した設備の全体又は部分への電気エネルギーの供給を遮

断するための手動の制御機器。

注記  附属書 を参照。

3.19

囲いがある電気設備区域(enclosed electrical operating area

かぎ(鍵)又は道具を用いて扉を開けることによって,又はバリアを取り除くことによって,電気作業

員又は電気取扱者だけがアクセスできるようにした,明りょうな警告標識のある電気設備室又は区域。

3.20

エンクロージャ(enclosure

外部の影響から電気装置を保護する機能及びすべての方向からの直接接触を防止する機能をもつ部分。

注記  現行の IEV から引用したこの定義をこの規格に適用するために,次の説明を追加する。

a)

エンクロージャは,人又は家畜が危険な部分へ接近しないように保護する。

b)

バリア,異物が侵入しにくいような形にした開口部,その他これらの類で,特定のテストプ

ローブを差し込めないように又は差し込みにくくしたものも,それらがエンクロージャに取

り付けられているかエンクロージャ内の装置で形成されているかにかかわらず,エンクロー

ジャの一部とみなす。ただし,かぎ(鍵)又は工具を用いずに外せるものは除く。

c)

次のものもエンクロージャとみなす。

−  キャビネット又は箱。機械に装着されているものも機械から分離しているものも含む。

−  機械の構造内の囲われた空間によって構成される区画(13.5.7 参照)

3.21

装置(equipment

機械の電気装置の部分として,又は機械の電気装置に関連して用いる,材料,取付け器具,機器,構成

品,部品,器具など。

3.22

等電位ボンディング(equipotential bonding

導電性部分間の電気的接続であって,これによって等電位を達成することを意図するもの(IEV 195-1-10

による。

3.23

露出導電性部分(exposed conductive part

正常運転状態では充電されないが,障害(絶縁故障)時に充電状態となり得る,電気装置の,人が接触

可能な導電性部分(IEV 826-12-10 を修正)

3.24

外部導電性部分(extraneous conductive part

電気設備の構成に含まれない導電性部分であって,電位をもち得るが一般に接地電位となるもの(IEV 


11

B 9960-1

:2008

826-12-11

を修正)

3.25

故障(failure

要求される機能を遂行する能力がアイテム

2)

になくなること。

2)

  アイテム(品目)とは,ディペンダビリティの対象となる,部品,構成品,デバイス,装置,

機能ユニット,機器,サブシステム,システムの総称,又はいずれかをいう。アイテムは,ハ

ードウェア,ソフトウェア,又はその両方から構成される。

注記 1  故障後,アイテムは障害(状態)になる。

注記 2  “故障”は事象であって,状態を意味する“障害”とは区別される。

注記 3  ここに定義する概念は,ソフトウェアだけで構成されるアイテムには適用しない(IEV 

191-04-01

による。

注記 4  実際には,“障害”及び“故障”という用語は,しばしば同義語として用いられる。

3.26

障害(不具合)(fault

予防保全若しくは計画的行動又は外部資源の不足によって機能を実行できない状態を除き,要求される

機能を実行できないアイテムの状態。

注記 1  障害は,しばしばアイテム自体の故障の結果であるが,事前の故障がなくても存在すること

がある。

注記 2  英語の“fault”は,絶縁故障,地絡を意味することもある。IEC 60204-1 では,“fault”がこ

の意味で多用されている。

3.27

機能ボンディング(functional bonding

電気装置が正常に機能するために必要な等電位ボンディング。

3.28

危険源(hazard

身体的傷害又は健康障害を引き起こす根源。

注記 1  危険源という用語は,危険の発生源(例えば,機械的危険源,電気的危険源など)を明確に

し,又は潜在的な危害の性質を明確にするために修飾語を付けて用いられることがある(例

えば,感電の危険源,切断の危険源,毒性による危険源,火災による危険源など。

注記 2  この定義において,危険源は,次のものを想定している。

−  機械の“意図する使用”の期間中,恒久的に存在するもの(例えば,危険な動きをする要

素の運動,溶接工程中の電弧,不健康的な姿勢,騒音放射,高温など)

,又は,

−  予期せずに現れ得るもの(例えば,爆発,意図しない起動及び予期しない起動の結果とし

ての押しつぶしの危険,破損の結果としての放出,加速度又は減速度の結果としての落下

など。

JIS B 9700-13.6 を修正)

3.29

間接接触(indirect contact

絶縁故障によって充電状態となった露出導電性部分に人又は家畜が触れること(IEV 826-12-04 による。


12

B 9960-1

:2008

3.30

誘導式電力供給システム(inductive power supply system

軌道変換器及び軌道導体からなり,ピックアップ(1 個又は複数)及び関連するピックアップ変換器は

移動可能で,移動機械などへの給電を電気的又は機械的な接触なしに行う誘導式の電力供給システム。

注記  軌道導体とピックアップとは,それぞれ変圧器の一次巻線と二次巻線とに相似している。

3.31

電気作業員[(electricallyinstructed person

電気が引き起こすリスクに気付き,危険源を回避できるように,電気取扱者から適切な助言又は指示を

受けた者(IEV 826-18-02 を修正)

3.32

安全防護のための)インタロック[interlockfor safeguarding)]

制御システム及び/又は機械に供給する電源の全部又は一部とガード又は機器とを関連させる仕組み。

3.33

充電部(live part

通常の使用状態で電圧が印加されている導体及び導電性部分。中性線を含むが,通常,PEN 導体は含ま

ない。

注記  この用語は,必ずしも感電のリスクをもつ導体を意味するものではない。

3.34

機械アクチュエータ(machine actuator

機械を作動させる駆動機構。

3.35

機械類(machinerymachine

連結された部分又は構成品の組合せで,そのうちの少なくとも一つは適切な機械アクチュエータ,制御

回路及び動力回路を備えて動くものであって,特に,材料の加工,処理,移動,こん(梱)包などの用途

に合うように結合されたもの。

また,

“機械類”という用語は,同一の目的を達成するために完全な統一体として機能するように配置さ

れ,制御される複数の機械の集合体に対しても用いる(JIS B 9700-13.1 を修正)

注記  この定義における構成品という用語は,広い意味の構成品であって,電気的構成品だけを意味

するものではない。

3.36

マーキング(marking

装置,構成品及び/又は機器の識別(特徴の識別を含む。

)を主目的とする標示。刻印を含む。

3.37

中性線(記号 N)(neutral conductorN

電源系統の中性点と接続され,電気エネルギーの伝送に寄与できる導体(IEV 826-14-07 を修正)

3.38

オブスタクル(obstacle

不用意な直接接触を防止するための構造物。意図的動作による直接接触を防止するものではない。

3.39

過電流(overcurrent


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B 9960-1

:2008

定格値を超える電流。導体の定格値とは許容電流値をいう(IEV 826-11-14 を修正)

3.40

回路の)過負荷[overloadof a circuit)]

回路における電流と時間とに関係する量(I

2

t

)であって,回路に障害がないときにそれが回路の定格負

荷を超えていること。

注記  過負荷を過電流の同義語として用いることは望ましくない。

3.41

プラグ・ソケット対(plug/socket combination

二つ以上のの導体の接続及び切離しをするために導体の終端に用いる構成品及びこれにかん(嵌)合す

る構成品。

注記  プラグ・ソケット対の例には,次のものがある。

−  IEC 61984 の要求事項を満たすコネクタ。

−  JIS C 8285-1 によるプラグ及びコンセント,ケーブルカプラ又は機器用カプラ。

−  IEC 60884-1 によるプラグ及びコンセント,又は IEC 60320-1 による機器用カプラ(電源接続

器)

3.42

電力回路(power circuit

生産用装置の各部分及び制御用変圧器に,電源網から電力を供給する回路。

3.43

保護ボンディング(protective bonding

感電保護のための等電位ボンディング。

注記  感電保護手段は,やけど,火災のリスクを低減することもある。

3.44

保護ボンディング回路(protective bonding circuit

絶縁故障(漏電)時の感電保護のために接続される保護導体及び導電性部分。

3.45

保護導体(protective conductor

感電保護のために,次の部分を電気的に接続する保護ボンディング用導体。

−  露出導電性部分

−  外部導電性部分

−  主接地端子(PE)

IEV 826-13-22 を修正)

3.46

冗長性(redundancy

一つが機能を失ったとき,他の一つが同じ機能を確保する目的で,機器,システム又はそれらの一部を

少なくとも二重化すること。

3.47

略号(reference designation

文書及び装置上に記載してアイテムを識別する記号。

注記  この規格が用いる“略号”という用語は,JIS C 0452-1 の“参照指定”という用語に相当する。


14

B 9960-1

:2008

3.48

リスク(risk

危害(傷害又は健康障害)の発生確率及びその危害のひどさとの組合せ(JIS B 9700-1 の 3.11 を修正)

3.49

安全防護物(safeguard

危険源から人を保護するためのガード又は保護機器。

3.50

安全防護(safeguarding

本質的安全設計方策によって合理的に除去できないリスク,又は十分に低減できないリスクから人を保

護するための,安全防護物の使用による保護方策(JIS B 9700-1 の 3.20 による。

3.51

作業面(servicing level

電気装置の操作又は保全作業をする人が立つ位置(面)

3.52

短絡電流(short-circuit current

電気回路における障害又は誤接続による短絡の結果として発生する過電流(IEV 441-11-07 による。

3.53

電気取扱者[(electricallyskilled person

電気に起因する危険源を回避できるように教育・訓練を受け,従事経験をもつ者(IEV 826-18-01 を修正)

3.54

供給者(supplier

機械に関連する装置又は役務(サービス)を提供する者(例えば,製造業者,請負者,据付者,インテ

グレータ。

注記  使用者も自ら供給者になることがある。

3.55

開閉機器(switching device

一つ以上の電気回路の電流をオン及び/又はオフするように作られた機器(IEV 441-14-01 を修正)

注記  開閉機器は,電流のオン又はオフのどちらか一つの機能をもつこともあり,両方の機能をもつ

こともある。

3.56

非制御停止(uncontrolled stop

機械アクチュエータへの電力供給を断つことによる機械停止。

注記  この定義は,他の停止装置(例えば,摩擦ブレーキ又は油圧ブレーキ)がどのような状態にな

るかは示唆していない。

3.57

使用者(user

機械及び機械に関連する電気装置を用いる者(個人又は団体)

4

一般要求事項

4.1

一般考慮事項


15

B 9960-1

:2008

この規格は,各種の機械及び連携して稼働する一群の機械に用いる電気装置に適用する。

電気装置関連の危険源によるリスクは,機械のリスクアセスメントの全要求事項の一部として評価しな

ければならない。それによって,機械及び装置の性能を許容できるレベルに保ちながら適切なリスク低減

を達成する方策を策定し,危険源にさらされる人に必要な保護方策を決定することができる。

危険状態は次の原因から起こり得るが,これらに限定されるものではない。

−  感電又は電気火災を引き起こす可能性をもつ,電気装置の故障又は障害。

−  機械の機能不良を引き起こす,制御回路(又は,その構成品及び機器)の故障又は障害。

−  機械の機能不良を引き起こす,電力回路の故障又は障害,及び電源の変動又は停電。

−  安全機能の故障を引き起こす,滑り接触回路又は転がり接触回路の導通不良。

−  機械の機能不良を引き起こす,電気装置の外部又は内部で発生する電気的妨害(例えば,電磁妨害,

静電気)

−  蓄積エネルギーの解放(電気的又は機械的)

。例えば,感電又は傷害をもたらすような予期しない機械

的動きを引き起こす。

−  人の健康を害するレベルの騒音。

−  傷害を引き起こし得る表面温度。

安全方策は,電気装置供給者が装置の設計段階で組み込むものと,使用者が実施しなければならないも

のとの組合せである。

設計及び開発の過程で,危険源及びその危険源から生じるリスクを同定しなければならない。本質的安

全設計によって危険源を取り除くことができない場合及び/又はリスクを十分に低減できない場合は,リ

スク低減のために保護方策(例えば,安全防護物)を備えなければならない。さらにリスク低減を必要と

する場合は,追加手段(例えば,警告手段)を備えなければならない。これらの保護方策と保護手段とに

加えて,リスクを低くするような作業手順が必要となる場合がある。

電気装置の使用者と供給者とが,電気装置に関する基本条件及び使用者の追加仕様について適切な合意

をするために,

附属書 に示す調査書を用いることを推奨する。調査書で追加仕様を指定する目的は,次

のとおりである。

−  その機械(又は一群の機械)の種類及び用途に応じて必要な追加の特性を備える。

−  保全及び修理を容易にする。

−  信頼性及び操作性を向上する。

4.2

装置の選択

4.2.1

一般事項

機械の電気装置に用いる電気部品及び電気機器は,次のすべてを満足しなければならない。

−  意図する用途に適している。

−  関連する日本工業規格又は IEC 規格があれば,それらに適合する。

−  供給者の使用上の指示に従って用いる。

4.2.2

IEC 60439

規格群に適合する電気装置

機械の電気装置は,リスクアセスメントによって同定された機械の安全要求事項を満足しなければなら

ない。機械,機械の意図する用途,及びその機械の電気装置の仕様に応じて,機械の設計者は,機械の電

気装置の部品として IEC 60439 規格群に適合するものを選択することができる(

附属書 参照)。

注記  IEC 60439 規格群は,低圧開閉装置及び制御装置の広範囲の用途をカバーする機器の要求事項

を規定している。


16

B 9960-1

:2008

4.3

電源

4.3.1

一般事項

電気装置は,次のいずれかの電源条件で,正しく作動するように設計しなければならない。

−  4.3.2 又は 4.3.3 に規定する電源。

−  使用者が指定する電源(

附属書 参照)。

−  供給者が指定する電源(機上搭載発電機のような特殊な種類の電源を用いる場合)

4.3.2

交流電源

電圧

定常時の電圧が公称電圧の 0.9∼1.1 倍

周波数

公称電源周波数の 0.99∼1.01 倍(連続)又は 0.98∼1.02 倍(短時間)

高調波

高調波ひずみ(含有率)は,第 2 高調波から第 5 高調波までの合計が充電導体間の総電

圧実効値の 10  %以下。第 6 高調波から第 30 高調波までの合計が充電導体間の総電圧実

効値の 2  %以下。

電圧不平衡

三相電源の逆相分の電圧及び零相分の電圧は,いずれも正相分の 2  %以下。

瞬時停電

電源の中断又は無電圧状態は,供給電源のサイクルのどの時点でも 3 ms 以下で,次の中

断までの間隔は 1 秒を超える。

電圧降下

降下量は電源の波高値の 20  %以下で,降下持続時間は 1 サイクルの長さを超えず,次

の降下までの間隔は 1 秒を超える。

4.3.3

直流電源

電池電源

電圧

公称電圧の 0.85∼1.15 倍

電池駆動車両の場合は,公称電圧の 0.7∼1.2 倍。

瞬時停電 5

ms 以下

コンバータ電源

電圧

公称電圧の 0.9∼1.1 倍

瞬時停電 20

ms 以下。次の中断までの間隔は,1 秒を超えるものとする。

注記  電子機器の適切な作動を保証するため,IEC Guide 106(の規定値 500 ms)を変更している。

リップル(p-p 値)  公称電圧の 0.15 倍以下

4.3.4

特殊電源系統

搭載発電機のような特殊な電源供給系統では,装置が正しく作動するように設計されている場合には,

4.3.2

及び 4.3.3 に規定する限界値を超えてもよい。

4.4

物理的環境及び運転条件

4.4.1

一般事項

電気装置は,運転を意図する場所の物理的環境及び運転条件に適していなければならない。4.4.24.4.8

の要求事項は,この規格が対象とするほとんどの機械に適用できる物理的環境及び運転条件を規定する。

特殊条件を適用する場合,又は環境条件及び運転条件の限度がこの規格の規定値を超えるときは,供給者

と使用者との合意(4.1 参照)が必要になることがある。

4.4.2

電磁両立性(EMC

電気装置は,その意図する運転環境において適正であるとされるレベルを超える電磁妨害を発生しては

ならない。さらに,意図する運転環境において正しく機能するように,電磁妨害に対する適切なイミュニ

ティをもたなければならない。


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注記 1  包括的な EMC 規格 JIS C 61000-6-1 及び JIS C 61000-6-2,並びに,CISPR 61000-6-3 及び IEC 

61000-6-4

は,EMC のイミュニティ及びエミッションの一般的な限度値を規定している。

注記 2  IEC/TR 61000-5-2 は,電磁両立性の確保を目的とする,電気・電子システムの接地及び配線

の指針を示している。個別製品規格(例えば,JIS B 9704-1IEC 61800-3JIS C 8201-5-2

がある場合は,その個別規格がこれらの包括的 EMC 規格に優先する。

電磁妨害の発生,すなわち伝導及び放射によるエミッションを抑制する方策には,次のものがある。

−  電源フィルタ

−  配線のシールド

− RF 放射を最小にするように設計したエンクロージャ。

− RF 放射抑制技術

伝導及び放射による RF 妨害に対する装置のイミュニティを向上させる方策には,次のものがある。

−  次のことを考慮した,機能ボンディングシステムの設計。

・  高感度の電気回路は,シャーシに接続する。そのための接続端子には,次の図記号 IEC 60417-5020

(DB:2002-10)を表示するか,又はラベルを付けなければならない。

・  シャーシを,RF インピーダンスの小さい,可能な限り最短の導体で接地(PE)導体に接続する。

−  コモンモード妨害を最小にするため,高感度の電気装置及び電気回路を,直接 PE 導体又は機能接地

導体(FE)

図 参照)に接続する。FE 端子には,次の図記号 IEC 60417-5018(DB:2002-10)を表示

するか,又はラベルを付けなければならない。

−  妨害源から高感度回路を遠ざける。

− RF 伝達を最小にするように設計したエンクロージャを用いる。

− EMC に効果的な配線方法を採用する。

・  ディファレンシャル(ノーマル)モード妨害の影響を低減するためにツイスト線を用いる。

・  妨害を放射する導体と高感度回路の導体との充分な間隔を確保する。

・  ケーブル交差は,ケーブルの方向ができるだけ 90°に近くなるようにする。

・  導体をできるだけ接地面に近づけて配線する。

・  低い RF インピーダンスで終端した静電スクリーン及び/又は電磁シールドを用いる。

4.4.3

周囲温度

電気装置は,意図する周囲温度において正常に作動しなければならない。すべての電気装置は,最低条

件として,周囲温度が 5  ℃∼40  ℃の間で正常に作動しなければならない。

著しい高温環境(例えば,高温の気候,製鉄所,製紙所)及び低温環境に対しては,特別な要求が必要

となる(

附属書 参照)。

4.4.4

湿度

電気装置は,最高周囲温度+40  ℃において相対湿度が 50  %以下のとき,正常に作動しなければならな

い。温度が低い場合には高い湿度(例えば,+20  ℃では 90  %)も許容する。

結露による悪影響は,設計によって防止するものとし,必要な場合は,追加の方策(例えば,内蔵ヒー

タ,エアコン,水抜き孔)を用いてこれを防止しなければならない。


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B 9960-1

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4.4.5

高度

電気装置は,海抜 1 000 m までの高度で正常に作動しなければならない。供給者と使用者との間で(例

えば,海抜 1 000 m 以上での正常作動について)

,特別な合意が必要になることがある(

附属書 参照)。

4.4.6

汚染物

電気装置は,固体及び液体の侵入から適切に保護しなければならない(11.3 参照)

電気装置は,据付け場所の環境に汚染物(例えば,ほこり,酸,腐食性ガス,塩分)がある場合には,

それらから適切に保護しなければならない(

附属書 参照)。

4.4.7

電離性・非電離性の放射線

電気装置が,放射線(例えば,マイクロ波,紫外線,レーザ,X 線)を受ける場合,追加方策によって

装置の機能不良及び急速な絶縁劣化を防止しなければならない。このことについて供給者と使用者との間

に特別な合意が必要になることがある(

附属書 参照)。

4.4.8

振動,衝撃及びバンプ

振動,衝撃及びバンプ(機械及びその関連装置によって発生するもの,並びに環境から生じるものを含

む。

)による悪影響は,適切な装置を選ぶこと,装置を機械から十分離して据え付けること,又は防振器具

を用いることによって回避しなければならない。振動,衝撃,バンプの対策について,供給者と使用者と

の間に特別な合意が必要になることがある(

附属書 参照)。

4.5

輸送及び保管

電気装置は,輸送中及び保管中に,長時間では−25 ℃∼+55 ℃,24 時間を超えない短時間では+70 ℃

までの温度の影響に耐えるように設計するか,又は適切な温度対策をとらなければならない。輸送中及び

保管中の湿度,振動,衝撃による損傷を防止するための適切な手段を用いなければならない。これについ

て,供給者と使用者との間に特別な合意が必要になることがある(

附属書 参照)。

注記  低温で損傷を受けやすいものに,ビニル(PVC)絶縁ケーブルがある。

4.6

運搬の便宜のための手段

重く,かさばる電気装置であって,輸送のために機械から取り外さなければならないもの又は機械から

独立しているものは,クレーンなどで取り扱えるような適切な手段(例えば,つりボルト)を備えなけれ

ばならない。

4.7

据付け

電気装置の据付けは,電気装置供給者の指示に従って行わなければならない。

5

入力電源導体の接続,断路器及び開路用機器

5.1

入力電源導体の接続

機械の電気装置は,可能な限り単一の電源に接続することが望ましい。入力電源と異なる電源を装置の

特定部分(例えば,入力電源電圧と異なる電圧で作動する電子機器)に用いる必要がある場合には,この

電源は,可能な限り機械の電気装置を構成する機器(例えば,変圧器,変換器)から供給することが望ま

しい。広い範囲に配置して連携稼働する多くの機械で構成する大形の複合機械類に対しては,現場の電源

設備配置によっては,複数の入力電源から供給してもよい(5.3.1 参照)

入力電源導体の接続においては,プラグ接続[5.3.2 e)  参照]による場合を除き,電源導体を電源断路

器に直接接続することが望ましい。

中性線を用いる場合には,そのことを据付図,回路図などの機械の技術文書に明記し,16.1 に従って N

の表示ラベルを付けた絶縁端子を中性線専用に設けなければならない(

附属書 参照)。


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電気装置の内部で中性線(N)と保護ボンディング回路(PE)との間を接続してはならない。また,PE

端子と N 端子とを一つで兼用する PEN 端子を設けてはならない。

例外  TN-C 接地系統

3)

においては,

電源と機械との接続点で,

N 端子と PE 端子とを接続してもよい。

3)

 TN-C 接地系統は,電源の接地系統の一つであり,TN 接地系統において PE 導体と N 導体を PEN

導体で兼用するものである。我が国の商用電源には TT 接地系統が用いられており,TN 接地系

統は用いられない。電源の接地系統については経済産業省の公表文書“電気設備の技術基準の

解釈について”の第 272 条に記述がある。

入力電源接続用のすべての端子は,JIS C 0445 又は IEC 60445,及び 16.1 に従って明確に識別しなけれ

ばならない。外部保護導体用端子の識別については,5.2 を参照。

注記  JIS C 0445:1999(IEC 60445:1988 に一致)は,IEC 60204-1:2005 が引用する IEC 60445:1999 と

少し異なる(JIS C 0445:1999 には,FE 端子,FB 端子の規定がない。

5.2

外部の保護接地システムを接続する端子

電源の接地系統に応じて,機械を外部の保護接地システム又は外部保護導体に接続するための端子を,

入力電源ごとに電圧相導体用端子の近くに設けなければならない。

端子サイズは,

表 に示す断面積をもつ外部の保護用銅導体を接続できるものとしなければならない。

銅以外の外部保護接地導体を用いる場合には,その接地導体に適する寸法の端子を選ばなければならな

い(8.2.2 参照)

注記  外部保護導体接続用端子(PE 端子)のサイズは,次の手順で決めることになる。

表 によって,電源の相導体断面積から外部保護導体の断面積を決める。

−  決まった外部保護導体の断面積から,

この保護導体を接続する PE 端子のサイズを決める。

表 1−外部保護導体(銅)の最小断面積

装置に給電する電源の相導体の断面積

(mm

2

)

外部保護導体(銅)の最小断面積 S

p

 (mm

2

)

(左欄の に対応して S

p

を決める。

  16

S

16  <S    35 

16 

> 35 S 

/ 2 

各電源入力点では,外部保護接地システム又は外部保護導体用の端子を文字 PE のマーク又はラベルで

識別表示しなければならない(JIS C 0445 又は IEC 60445 を参照。

5.3

入力電源断路器

5.3.1

一般事項

入力電源断路器は,次の電源に対して設置しなければならない。

−  機械への各入力電源。

注記 1  入力電源は,機械に直接接続することもあり,給電システムを介して接続することもある。

給電システムには,導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構,可とうケーブルシステ

ム(リール巻き,懸架式)

,誘導式電源供給システムなどがある。

−  機械に搭載している各電源。

入力電源断路器は,機械の電気装置を,必要なとき(例えば,電気装置又は機械に介入して作業をする

とき)に電源から断路(切り離し)できなければならない。

複数の電源断路器を備える場合は,危険状態(機械又は加工中の工作物の損傷を含む。

注記 参照。)を

防止するために,

それらの電源断路器が正しく作動するための保護インタロックを設けなければならない。


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注記 2  “危険状態(hazardous situation)”の定義は,JIS B 9700-1 の 3.9 に次のように記載されてい

る。

“人が少なくとも一つの危険源に暴露される(さらされる)状況。暴露されることが,直

ちに又は長期間にわたり危害を引き起こす可能性がある。

5.3.2

種類

入力電源断路器には,次のいずれかの種類を用いなければならない。

a)

JIS C 8201-3

又は IEC 60947-3 に適合する,使用負荷種別 AC-23B 又は DC-23B の,ヒューズ付き又は

ヒューズなし断路用開閉器。

注記  JIS C 8201-3:2001 は,IEC 60947-3:1990 に対応している(MOD)。IEC 60204-1:2005 が引用

する IEC 60947-3:1999 と同じではない。次の b) についても同様。

b)  JIS C 8201-3

又は IEC 60947-3 に適合する,ヒューズ付き又はヒューズなし断路器であって,常に断

路器の主接点が開く前に別の開閉機器によって負荷回路を遮断させるための補助接点をもつもの。

c)

回路遮断器であって,JIS C 8201-2-1 又は JIS C 8201-2-2 に適合し,断路に適するもの。

d)

その他の開閉機器であって,その製品の日本工業規格又は IEC 規格に適合し,JIS C 8201-1 の断路の

要求事項を満たし,かつ,電動機又は他の誘導負荷を負荷状態で開閉する用途に適することが,その

製品規格の使用負荷種別で規定されているもの。

e)

給電用可とうケーブルに用いるプラグ・ソケット対。

5.3.3

要求事項

入力電源断路器は,5.3.2 の a)  d)  に規定する種類のいずれかである場合は,次の要求事項をすべて満

足しなければならない。

−  電源から電気装置を断路でき,一つのオフ(断路)位置と一つのオン(閉路)位置をもち,各位置を,

記号“○”及び“|”で明示する[記号は,IEC 60417-5008 (DB:2002-10)及び IEC 60417-5007 

(DB:2002-10)による。10.2.2 参照。

−  接点間ギャップを目視できる。又は,全接点が実際に開いて断路機能の要求事項が達成されるまでオ

フ(断路)を表示できない位置表示器をもつ。

−  断路機器のエンクロージャ外面部に操作手段(例えば,ハンドル)をもつ(

例外  電動式の開閉器で

あって,これをオフするための他の操作手段を開閉器とは別に備える場合は,開閉器エンクロージャ

の外面部で直接操作できなくてもよい。

。外面部の操作手段が非常操作を目的とするものでない場合,

ハンドルの色は,黒又は灰色とすることを推奨する(10.7.4 及び 10.8.4 参照。

−  オフ(断路)位置にロックできる手段(例えば,南京錠)を備えている。オフにロックされていると

きは,手元操作及び遠隔操作による閉路を防止できる。

−  電源回路のすべての充電導体を断路できる。ただし,電源が TN-S 接地系統

4)

で供給される場合は,

中性線を断路してもしなくてもよい。いかなる接地系統においても,PE 導体,PEN 導体を断路して

はならない。

4)

 TN-S 接地系統は,TN 接地系統において PE 導体と N 導体(中性線)が分離されるものであ

る。我が国の商用電源には TN-S 接地系統は用いられない。

−  機械の電気装置の中で最大の負荷容量をもつ電動機の拘束電流とその他のすべての電動機及び/又は

負荷の通常の作動電流との総和の電流を遮断できる遮断容量をもつ。

なお,単純合計による遮断容量は,実績に基づく係数によって減じてもよい。

入力電源断路器がプラグ・ソケット対である場合は,次の要求事項をすべて満足しなければならない。

−  機械の電気装置の中で最大の負荷容量をもつ電動機の拘束電流とその他のすべての電動機及び/又は


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負荷の通常の作動電流との総和の電流を遮断するために十分な遮断容量をプラグ・ソケット対自体が

もつか,そのような遮断容量をもつ開閉機器にプラグ・ソケット対をインタロックする。

なお,単純合計による遮断容量は,実績に基づく係数によって減じてもよい。インタロックする開

閉機器が電気制御式のもの(例えば,コンタクタ)である場合は,適切な使用負荷種別のものでなけ

ればならない。

−  13.4.5 の a)  ∼f)  まで。

注記  適切な定格で用いるプラグ及びコンセント,並びに JIS C 8285-1 に適合するケーブルカプラ

又は機器用カプラは,これらの要求事項をすべて満足できる。

入力電源断路器がプラグ・ソケット対である場合,

機械をオンオフする目的には適切な使用負荷種別をも

つ開閉機器を用いなければならない。このことは,前述のインタロック開閉機器を併用することによって

達成してもよい。

5.3.4

操作手段

入力電源断路器の操作手段(例えば,ハンドル)は,作業面から 0.6 m 以上 1.9 m 以下の,容易に手が

届く位置に設けなければならない。上限は 1.7 m を推奨する。

注記  操作の方向については,JIS B 9706-3 に規定されている。

5.3.5

例外回路

次の回路は,入力電源断路器で断路しなくてもよい。

−  保全又は修理の作業中に必要な照明のための電源回路。

−  修理用又は保全用の工具及び装置(例えば,ハンドドリル,試験装置)の接続だけに用いるプラグ及

びコンセント。

−  電源故障のときの自動引き外しだけの目的に用いる不足電圧保護回路。

−  装置を正しく作動させるために常に電源供給状態にしておく装置に給電する回路[例えば,温度制御

して用いる測定装置,製品(作業中の工作物)保温用ヒータ,プログラム記憶装置]

−  インタロック用制御回路。

ただし,これらの回路には,個別に断路器を備えることを推奨する。

これらの回路を入力電源断路器で断路しない場合には,次の要求事項を満足しなければならない。

−  恒久的な警告ラベルを,入力電源断路器の近くの適切な場所にはり付ける。

−  対応する説明文を保全マニュアルに記載し,次の幾つかを適用する。

・  16.1 による恒久的な警告ラベルを各例外回路の近くにはり付ける。

・  例外回路を他の回路から分離する。

・  13.2.4 の勧告を考慮して,導体を色で識別する。

5.4

予期しない起動を防止するための開路用機器

機械の電気装置には,予期しない起動を防止するための開路用機器を備えなければならない(例えば,

保全作業中に機械又は機械の一部が起動すると危険を招くような場合)

これらの機器は,意図する用途に適し使いやすいものとし,適切に配置し,それらの機能と目的とを容

易に識別できるようにしなければならない(例えば,16.1 による耐久性のあるマーキングによって。

注記 1  予期しない起動防止の詳細は,JIS B 9714 に規定されている。この規格は,予期しない起動

を防止するためのすべての施策を規定しているわけではない。

注記 2  予期しない起動の定義及び説明は,JIS B 9700-1 の 3.29 にも記載されている。保全作業員が

機械に介入していることを知らずにオペレータが操作盤の起動スイッチを押すことによる起


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動は,保全作業員の立場からは予期しない起動である。予期しない起動を防止するための開

路用機器は,これが開いている間は機械を起動できないようにするものである,例えば,保

全作業中これを開いておけば誰かが誤って起動スイッチを押しても機械は起動しない。

注記 3  5.4 は,予期しない起動を防止するための開路用機器を,5.3 に規定する入力電源断路器のほ

かに更に別に設けることをすべての機械に要求しているわけではない。機械(電気装置)に

よっては,入力電源断路器を開くことによって予期しない起動を防止できることもある。

予期しない起動を防止するための開路用機器が,操作盤又は他の場所から,不注意に又は誤って閉じら

れることを防止する手段を備えなければならない(5.6 も参照)

断路機能を満たす次の機器は,予期しない起動を防止するための開路用機器として用いてもよい。

−  5.3.2 に示す機器。

−  その他の断路器,引抜き形ヒューズリンク又は引抜き形リンク。ただし,囲いがある電気設備区域(3.19

参照)内に設置する場合に限る。

断路機能を満足しない機器(例えば,制御回路によって開閉制御されるコンタクタ)は,次のような状

況で用いることを意図する場合以外に用いてはならない。

−  検査

−  調整

−  電気装置に介入する作業で次の条件を満たすもの。

・  感電(箇条 参照)及びやけどの危険がない。

・  スイッチングオフ手段が作業中ずっと有効である。

・  作業が軽度である(例えば,配線変更を伴わないプラグイン機器の交換)

注記 4  予期しない起動を防止するための開路用機器にどのような機器を選択するかは,意図

する使用を考慮して行うリスクアセスメントに依存する。例えば,清掃作業員が用い

ることを意図するなら,囲いがある電気設備区域内に断路器,引抜き形ヒューズリン

ク又は引抜き形リンクをこの目的で配置することは適切でないこともある[17.2 b) 12) 

参照]

5.5

電気装置を断路する機器

注記  5.5 で規定する“電気装置”とは,機械のすべての電気品を含む集合体としての電気装置ではな

く,例えば,各電力回路,変圧器,電動機,制御回路などの個別部分のことである(3.21 参照)

ここで要求する“電気装置を断路する機器”は,基本的に 5.3 で規定する入力電源断路器とは

別に備えることを想定しているが,単純な機械(電気装置)においては,入力電源断路器と別

に設けなくても入力電源断路器がこの機能を果たすことができることもある。独立した断路器

の要否は,リスクアセスメントに依存する。

機械の電気装置を充電部から切り離して無電圧状態で作業ができるように,電気装置を断路する機器を

備えなければならない。これらの機器は,

−  意図した用途に適し,使いやすく,

−  適切に配置され,

−  当該装置のどの部分又はどの回路を断路するものであるかを容易に識別できなければならない(例え

ば,耐久性のあるマーキングによって。

これらの機器が,操作盤又は他の場所から不注意に又は誤って閉じられることを防止する手段を備えな

ければならない(5.6 も参照)


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入力電源断路器(5.3 参照)は,場合によっては 5.5 で規定する断路の機能を果たすことができる。ただ

し,機械の電気装置の独立した部分,又は共通の導体バー,導体ワイヤ若しくは誘導式電源システムから

一緒に給電する複数の機械群のうちの 1 台で作業する必要がある場合は,個別に断路を必要とする各部分

又は各機械に断路器を備えなければならない。

個別回路を断路する目的のために,入力電源断路器に加えて,断路機能を満足する次の機器を用いるこ

とができる。

−  5.3.2 に示す機器。

−  その他の断路器,引抜き形ヒューズリンク又は引抜き形リンク。ただし,電気設備区域(3.15 参照)

内に配置する場合に限るものとし,電気装置に関連する情報が提供されるものとする[17.2 b) 9)  及び

17.2 b) 12) 

参照。

注記  6.2.2 c)  に従って感電保護を備える場合,この目的に用いる引抜き形ヒューズリンク又は引

抜き形リンクは,電気作業員又は電気取扱者が用いるように意図されている。

5.6

禁止されている投入及び不注意・過誤による投入に対する保護

5.4

及び 5.5 に規定する機器で,囲いがある電気設備区域の外に配置されるものには,オフ位置(断路状

態)にロックする手段(例えば,南京錠,キー抜取り式のキーインタロック)を備えなければならない。

ロック状態においては,遠隔操作及び手元操作のいずれによる再投入も防止しなければならない。

ロック不可能な断路器(例えば,引抜き形ヒューズリンク,引抜き形リンク)を,囲いがある電気設備

区域内に配置する場合には,再投入を防止する他の保護手段(例えば,16.1 による警告ラベル)を用いな

ければならない。

5.3.2 e) 

に規定するプラグ・ソケット対を断路器として用いる場合,意図しない接続が行われないように

作業者が間近で監視できる場所に配置しているときは,断路側にロックする手段を備えなくてもよい。

6

感電保護

6.1

一般事項

電気装置は,次による感電から人を保護する対策を備えなければならない。

−  直接接触(6.2 及び 6.4 参照)

−  間接接触(6.3 及び 6.4 参照)

JIS C 60364-4-41

から選定した感電保護の推奨手段を 6.26.3 及び 6.4(PELV 使用による保護)に規定

する。物理的制約又は運転条件の制約があってこれらの推奨手段が実際的でない場合は,JIS C 60364-4-41

から他の方策を採用してもよい。

6.2

直接接触に対する保護

6.2.1

一般事項

電気装置の各回路又は各部分には,6.2.2 又は 6.2.3 のいずれかの方策,及び適用可能ならば 6.2.4 の方策

を採用しなければならない。

例外  これらの方策が実際的でない場合は,JIS C 60364-4-41 に規定されている直接接触に対する他

の保護方策(例えば,バリアの使用,手が届かないような配置,オブスタクルの使用,人の接

近を防止する構造又は取付けなど)を採用してもよい(6.2.5 及び 6.2.6 参照)

装置が,子供を含むすべての人が近づける場所にある場合は,直接接触に対する保護(等級)が少なく

とも IP4X 又は IPXXD(JIS C 0920 参照)に相当する  6.2.2 の方策,又は 6.2.3 の方策を採用しなければな

らない。


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B 9960-1

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注記  エンクロージャの保護等級については,附属書 JC に示す。

6.2.2

エンクロージャによる保護

充電部は,箇条 4,箇条 11 及び箇条 14 の関連する要求事項に適合し,直接接触に対する保護(等級)

が少なくとも IP2X 又は IPXXB のエンクロージャ内に配置しなければならない。

エンクロージャの上面に容易に人が近づくことができる場合,その上面は,直接接触に対する保護(等

級)が少なくとも IP4X 又は IPXXD でなければならない。

次の a)∼c)  のいずれかの条件を満たさない限り,エンクロージャを開ける(すなわち,扉,ふた,カバ

ーなどを開く)ことが可能であってはならない。

a)

エンクロージャ内にアクセスするためには,かぎ(鍵)又は工具を必要とする。囲いがある電気設備

区域(3.19 参照)内の場合には,JIS C 60364-4-41

又は IEC 60439-1 を参照。

注記 1  かぎ(鍵)又は工具を使用する意図は,エンクロージャ内へアクセスする人を電気取扱者

又は電気作業員に限ることである[17.2 b) 12)参照]

装置を電源に接続した状態で機器の再設定又は調整を行うときに,人が触れるおそれがある充電部

は,直接接触に対する保護(等級)が,少なくとも IP2X 又は IPXXB でなければならない。扉の内部

にあるその他の充電部の直接接触に対する保護(等級)は,少なくとも IP1X 又は IPXXA でなければ

ならない。

b)

エンクロージャを開ける前に,既に内部の充電部は電源から切り離され,無電圧になっている。

このことは,断路器がオフ状態にあるときだけ扉が開き,扉が閉じているときだけ断路器をオンに

することができるように,断路器(例えば,入力電源用の断路器)とエンクロージャ扉をインタロッ

クすることによって達成してもよい。

例外  このインタロックは,次の条件を満たす場合は,供給者が指定する特別な機器又は工具(注

記 参照)を用いて無効化(バイパス)できるものであってもよい。

−  インタロックが無効化されている間は,いつでも断路器をオフし,かつ,オフ状態にロック

できるようにする。又は,別な方法によって,部外者が勝手に断路器をオンできないように

する。

−  扉を閉じたときは,インタロックが自動的に復帰する(このことによって,次に扉を開けた

ときは自動的に断路する。

−  装置を電源に接続した状態で機器の再設定又は調整を行うときに,人が触れるおそれがある

充電部は,直接接触に対し少なくとも IP2X 又は IPXXB で保護されている。扉の内部にある

その他の充電部の直接接触に対しては,少なくとも IP1X 又は IPXXA で保護されている。

−  感電保護に関連する情報が電気装置に備えられている[17.2 b) 9)及び 17.2 b) 12)参照]

注記 2  特別な機器又は工具は,電気取扱者又は電気作業員だけが用いることが意図されている

17.2 b) 12)参照]

断路器に直接インタロックされていない扉の背後にある充電部にアクセスすることは,電気取扱者

又は電気作業員に限るような対策を実施しなければならない[17.2 b) 12)参照]

断路器をオフした後も充電しているすべての部分(5.3.5 参照)は,直接接触に対する保護(等級)

が少なくとも IP2X 又は IPXXB でなければならない。このような部分には,16.2.1 に規定する警告標

識をマーキングしなければならない(色による導体の識別については 13.2.4 も参照。

16.2.1

に規定する警告標識マーキングの要求は,次の場合は除外してよい。

−  インタロック回路を通してだけ充電する可能性があり,かつ,充電の可能性があることが 13.2.4


25

B 9960-1

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による色によって見分けられる部分。

−  分離したエンクロージャ内に単独で取り付けられている入力電源断路器の電源端子。

c)

エンクロージャを開けた状態でも,すべての充電部が,直接接触に対し少なくとも IP2X 又は IPXXB

の保護等級で保護されている。この場合に限り,かぎ(鍵)又は工具を用いずに,及び充電部を断路

せずにエンクロージャを開くことができてもよい。この保護手段としてバリアを設ける場合には,そ

の取外しに工具を必要とするようにするか,又は工具なしで取り外せる場合はバリアを取り外したと

きにそのバリアで保護されていた充電部を自動的に電源から切り離すかのいずれかとしなければなら

ない。

注記 3  直接接触に対する保護を 6.2.2 c)によって達成する場合,機器の手動操作(例えば,コンタ

クタ,リレーの接点を手で閉じる。

)によって危険源が発生することがあるならば,その

ような操作は,かぎ(鍵)又は工具を必要とするバリア又はオブスタクルによって防止す

ることが望ましい。

6.2.3

絶縁物による充電部の保護

絶縁物で保護する充電部は,破壊しなければ除去できない絶縁物で完全に覆わなければならない。その

ための絶縁物は,通常の使用状態で受ける機械的,化学的,電気的及び熱的ストレスに耐えるものでなけ

ればならない。

注記  塗料,ワニス,ラッカーの塗布及びこれらに類する方法を用いるだけでは,通常の運転条件に

対する感電保護は,一般に不十分であると考えられる。

6.2.4

残留電圧に対する保護

電源を切り離した後の残留電圧が 60 V を超える充電部品は,放電が速すぎることが装置の正常な機能に

影響しない限り,電源切り離し後 5 秒以内に 60 V 以下になるように放電しなければならない。ただし,充

電電荷が 60  μC 以下の部品にはこの要求事項は適用しない。5 秒以下の放電速度が装置の正常な機能に影

響する場合は,そのコンデンサを収納するエンクロージャ自体又はその近傍のよく見える場所に,感電の

警告,及びエンクロージャを開ける前に必要な放電時間を示す警告文を,恒久的に消えない方法で表示し

なければならない。

引き抜いたときに導体(例えば,ピン)が露出するプラグ又は同類の器具の場合には,放電時間は 1 秒

以下でなければならない。これが満たされない場合は,その導体の直接接触に対する保護が少なくとも

IP2X 又は IPXXB でなければならない。

1 秒間で放電せず,また,IP2X 又は IPXXB 以上の保護ができない場合(例えば,導体ワイヤ,導体バ

ー又はスリップリング機構上の取り外し可能形集電子の場合。12.7.4 参照。

)は,蓄積電荷を切り離すスイ

ッチを追加するか,適切な警告手段(例えば,16.1 による警告標識)を設けなければならない。

6.2.5

バリアによる保護

バリアによる保護に対しては,JIS C 60364-4-41 の 412.2

を適用する。

注記  JIS C 60364-4-41 の 412.2.1412.2.4 に,バリア又はエンクロージャによる保護の規定がある。

この規格の 6.2.5 には,このうちのバリアに対する規定を適用する。

6.2.6

人体が届かないところへの配置による保護又はオブスタクルによる保護

人体が届かないところへ配置することによる保護に対しては,JIS C 60364-4-41 の 412.4

を適用する。オ

ブスタクルによる保護に対しては JIS C 60364-4-41 の 412.3 を適用する。

IP2X より低い保護等級の導体ワイヤシステム又は導体バーシステムに対しては,12.7.1 を参照。

6.3

間接接触に対する保護


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6.3.1

一般事項

間接接触(3.29 参照)に対する保護は,充電部と露出導電性部分との間で絶縁破壊が発生した場合の危

険状態を防止することが目的である。

電気装置の各回路又は部分には,次の方策のうち,少なくとも一つを採用しなければならない。

−  接触電圧の発生を防止する方策(6.3.2 に規定)

−  危険な接触電圧になる前の電源の自動遮断(6.3.3 に規定)

注記 1  接触電圧が人体に及ぼす傷害のリスクは,接触電圧の大きさと接触時間に依存する。

注記 2  装置のクラスとその保護基準については,JIS C 0365

を参照。JIS C 0365 が規定する“ク

ラス”の定義を

附属書 JD に示す。

6.3.2

接触電圧の発生防止

6.3.2.1

一般事項

危険な接触電圧の発生を防止する方策には,次のものがある。

−  クラスⅡ装置(

附属書 JD 参照)の使用又はこれと同等の絶縁(6.3.2.2 による。)。

−  電気的分離(6.3.2.3 による。

6.3.2.2

クラスⅡ装置の使用又は同等の絶縁による保護

この保護方策は,人が接触できる部分に危険な接触電圧が基礎絶縁の破壊によって発生することを防止

することが目的である。

この保護は,次の方策の幾つかを実施することによって備えることができる。

−  クラスⅡの電気機器又は器具(二重絶縁,強化絶縁又は JIS C 0365 に適合する同等の絶縁性能をもつ

機器類)の使用。

−  IEC 60439-1 に適合する全体絶縁を施した開閉装置及び制御装置の使用。

−  JIS C 60364-4-41 の 413.2 に適合する追加絶縁又は強化絶縁

の使用。

6.3.2.3

電気的分離による保護

個々の回路を電気的に分離することは,回路の充電部の基礎絶縁が破壊されて露出導電性部分に接触電

圧が発生することを防止することが目的である。

電気的分離による保護に対しては,JIS C 60364-4-41 の 413.5

の要求事項を適用する。

6.3.3

電源の自動遮断による保護

この保護方策は,絶縁不良(漏電)発生時に保護機器の自動作動によって導体を電源から遮断するもの

である。この遮断は,接触電圧が危険を及ぼす前に十分短い時間内に行わなければならない。TN 接地系

統に適用する許容遮断時間を

附属書 に示す。TT 接地系統(我が国で主として用いられる。)に適用する

許容遮断時間を

附属書 JA に示す。

この方策は,次の事項の協調を必要とする。

−  電源形式及び接地系統

−  保護ボンディング系各部のインピーダンス。

−  絶縁不良を検出する保護機器の特性。

絶縁不良の発生によって影響を受ける回路の電源の自動遮断は,接触電圧から生じる危険状態を防止す

ることが目的である。

この保護方策は,次の二つからなる。

−  露出導電性部分の保護ボンディング(8.2.3 参照)

−  次の a)∼c)  のいずれか一つ。


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a) TN

接地系統の場合,絶縁不良発生時に電源を自動的に遮断する過電流保護機器の使用。

b) TT

接地系統の場合,充電部から露出導体又は接地への絶縁不良発生時に電源を自動的に遮断する

漏電保護機器(漏電遮断器)の使用。

注記 1 TT 接地系統の場合,漏電遮断器を設ける場所について,電気装置の使用者と供給者と

が事前に合意する必要があると考えられる(

附属書 参照)。電気装置への電源供給

回路(電気装置の外)に漏電遮断器が設けられていない場合,又は設けられている漏

電遮断器が

附属書 JA の規定を満足しない場合は,漏電遮断器を電気装置内に設ける

ことが必要になる。電源系統に二つ以上の漏電遮断器が存在する場合は,各保護機器

の特性(感度電流,遮断時間など)の協調が必要になる。

注記 2  6.3.2 の方策を採用して,接触電圧の発生を防止できる場合は,漏電遮断器を用いても

用いなくてもよい(6.3.1 参照)

c) IT

接地系統

の場合,

絶縁不良発生時に自動的電源遮断を促す絶縁監視機器又は漏電保護機器の使

用。最初の地絡のときに電源を遮断する保護機器を備えていないときは,充電部から露出導体又

は接地への最初の漏電を検出するための絶縁監視機器を備えなければならない。この絶縁監視機

器は,視覚又は聴覚による警報信号を,漏電が続いている限り発し続けなければならない。

注記 3  大きな機械においては,地絡ポイントを発見する手段を備えることが保全作業に有益

である。

TN 接地系統

の場合,上記の a)  による自動遮断を備えていても,A.1 に規定する時間内に切り離すこと

が保障できないときは,A.3 の規定を満たす追加のボンディングを備えなければならない。

6.4

PELV

使用による保護

注記  PELV(保護特別低電圧)とは,定常状態及び単一故障状態(他の回路の地絡故障を除く。)に

おいて ELV(特別低電圧)を超えない電圧をいう。PELV 回路は接地されている。接地されな

い ELV 回路は SELV という。ELV の電圧値は,IEC 60449 の定義では交流 50 V 未満,直流 120

V 未満であるが,応用規格によっては,PELV の要求値がこれと異なることもある。この規格

の 6.4.1 では,これより厳しい値を規定している。

6.4.1

一般要求事項

PELV の使用は,間接接触及び限られた接触面積の直接接触による感電から人を保護することである

8.2.5 参照)

PELV 回路は,次の a)∼e)  の条件をすべて満足しなければならない。

a)

公称電圧は,次の値を超えない。

−  装置を通常乾燥した場所で用いるとき,及び人体と充電部との間に広い面接触が予想されないとき

は,交流 25 V(実効値)又は直流 60 V(リップルなし)

−  その他の場合は,交流 6 V(実効値)又は直流 15 V(リップルなし)

注記  “リップルなし”は,ここではリップル電圧の基本波成分実効値が 10  %を超えないリッ

プル量と定義する。

b)

回路の一方の側又は回路の供給電源の 1 点を保護ボンディング回路と接続する。

c) PELV

回路の充電部は,他の充電回路から電気的に分離する。この電気的分離は,少なくとも安全絶

縁変圧器(IEC 61558-1 及び IEC 61558-2-6 参照)の一次回路と二次回路との間に要求される分離条件

を満たさなければならない。

d)

各 PELV 回路の導体は,他のいかなる回路の導体からも物理的に分離する。この要求事項が実際的で


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ないときは,13.1.3 の絶縁手段を適用する。

e) PELV

回路用プラグ及びコンセントは,次の事項を満足する。

1)

プラグは,他の電圧系統のコンセントに挿入できない。

2)

コンセントは,他の電圧系統のプラグの挿入を許さない。

6.4.2

PELV

の電源

PELV の電源は,次のいずれかでなければならない。

−  IEC 61558-1 及び IEC 61558-2-6 に適合する安全絶縁変圧器。

−  安全絶縁変圧器と同等の安全度をもつ電源(例えば,絶縁変圧器と同等の絶縁巻線をもつ電動発電

機。

−  電気化学的電源(例えば,電池)

,又は PELV より高い電圧回路から独立しているその他の電源(例え

ば,ディーゼル発電機)

−  出力端子の電圧が,

内部に障害があった場合にも常に 6.4.1 の規定値を超えないようにする方策を規定

している適切な規格に適合する電子回路電源。

7

装置の保護

注記  箇条 で規定する“装置”とは,主として単体の装置(変圧器,電動機,導体など)を意味す

る(3.21 参照)

7.1

一般事項

箇条 は,次の影響から装置を保護するためにとるべき方策について規定する。

−  短絡事故による過電流

−  電動機の過負荷及び/又は冷却障害

−  異常な温度

−  電源電圧の低下又は停電

−  機械及び機械要素の過速度

−  地絡電流又は漏電電流

−  正しくない相順

−  雷サージ及び開閉サージによる過電圧

7.2

過電流保護

7.2.1

一般事項

機械(電気装置)内の回路電流が,構成品の定格値又は導体の許容電流容量のいずれか小さい方を超え

る可能性がある場合には,

過電流保護を備えなければならない。

選定すべき定格値又は設定値に関しては,

7.2.10

に規定する。

7.2.2

電源導体

注記  7.2.2 で規定する電源導体とは,電気装置の入力端子外の,一般には電気装置の構成に含まれな

い(電気装置使用者が用意する)電源線をいう。

電気装置の供給者は,使用者の指定がない限り,電気装置への電源導体のための過電流保護機器を備え

る必要はない(

附属書 参照)。

電気装置の供給者は,電源導体のための過電流保護機器の選定に必要なデータを据付接続図に記述しな

ければならない(7.2.10 及び 17.4 参照)

7.2.3

電力回路


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電力回路の各充電導体には,7.2.10 に従って選定した,過電流を検知してこれを遮断する機器を設けな

ければならない。

次の導体は,それに関連する充電導体が断路する前に断路してはならない。

−  交流電源回路の中性線。

−  直流電源回路の接地側導体。

−  移動機械の露出導体にボンディングされた直流電源の導体。

中性線の断面積がその相導体の断面積と同等以上である場合には,この中性線には過電流検出器及び遮

断器を設けなくてよい。断面積が関連相導体より小さい中性線の過電流保護には,JIS C 60364-5-52 の 524

を適用する。

IT 系統では中性線を用いないことが望ましい。中性線を用いる場合は,JIS C 60364-4-43 の 431.2.2 に規

定する方策を適用しなければならない。

7.2.4

制御回路

制御回路を入力電源に直接接続する導体及び制御回路用変圧器に電源を供給する導体は 7.2.3 に従って

過電流から保護しなければならない。

制御回路用変圧器又は直流電源から電源を供給する制御回路の導体は,次によって過電流保護を実施し

なければならない(9.4.3.1 も参照)

−  保護ボンディング回路に接続した制御回路では,開閉される導体に過電流保護装置を挿入する。

−  保護ボンディング回路に接続しない制御回路には,次を適用する。

・  すべての制御回路に同じ断面積の導体を用いる場合には,開閉される導体に過電流保護機器を挿

入する。

・  異なるサブ回路に異なる断面積の導体を用いる場合には,各サブ回路の開閉される導体及び共通

導体の両方に過電流保護機器を挿入する。

7.2.5

コンセント及びそれに給電する導体

主として保全用の装置に電源を供給するためのはん(汎)用コンセントに給電する回路には,過電流保

護を備えなければならない。過電流保護機器は,このコンセントに給電する各回路の接地しない充電導体

に設けなければはならない。

7.2.6

照明回路

照明用電源回路のすべての非接地導体は,他の回路を保護するものとは別に,照明用電源回路専用の過

電流保護機器を用いて短絡の影響から保護しなければならない。

7.2.7

変圧器

変圧器は,その製造業者の指示に従って保護しなければならない。変圧器の保護は,次のことを満たす

ものでなければならない(7.2.10 も参照)

−  変圧器の突入電流による不要トリップを防止する。

−  二次側の端子間が短絡したとき,巻線温度が変圧器の絶縁種別による許容値を超えることを防止する。

過電流保護機器の種類及び作動電流(回路遮断器のトリップ電流,ヒューズの溶断電流など)の設定値

は,変圧器供給者の推奨に従うことが望ましい。

7.2.8

過電流保護機器の配置

過電流保護機器は,次のすべての条件を満足しない限り,導体断面積の減少又はその他の変化によって

導体電流容量が減少する場所に配置しなければならない。

−  すべての導体の電流容量が,少なくとも負荷の電流容量以上である。


30

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−  電流容量が減少する導体から過電流保護機器までの導体長が 3 m を超えない。

−  短絡する可能性が少ない方法で導体を布設する。例えば,エンクロージャ又はダクトで保護する。

7.2.9

過電流保護機器

定格短絡遮断容量は,

過電流保護機器の設置点において想定される故障電流以上としなければならない。

過電流保護機器に流れる短絡電流に,電源以外(例えば,電動機,力率改善用コンデンサ)から流れ込む

電流が含まれる場合は,これらの電流を考慮しなければならない。

必要な遮断容量をもつ別の過電流保護機器,例えば,電源導体の保護のための過電流保護機器(7.2.2 

照)が,その電気装置の入力端子から見て電源側に設置されている場合には,電気装置の過電流保護機器

の遮断容量は,その外部過電流保護機器の遮断容量より小さくてもよい。この場合,直列になった二つの

過電流保護機器の通過エネルギー(I

2 

t

)が,負荷側の過電流保護機器及びそれによって保護される導体を

損傷しない範囲内になるように二つの保護機器の特性の協調をとらなければならない(JIS C 8201-2-1 

附属書 参照)。

注記  このように過電流保護機器の協調をとることによって,両方の過電流保護機器が正しく作動す

る。

ヒューズを過電流保護機器として用いる場合には,容易に入手できる種類を選ぶか,又は使用者が予備

品として入手できるようにしなければならない。

7.2.10

過電流保護機器の定格及び作動電流設定値

ヒューズの定格電流,又はその他の過電流保護機器の作動電流の設定値は,可能な限り小さくしなけれ

ばならないが,予想される過電流(例えば,電動機の始動時及び変圧器の励磁時)に対して適切な値でな

ければならない。これらの保護機器を選定する場合には,過電流による損傷(例えば,接点溶着)から開

閉機器を保護することを考慮しなければならない。

過電流保護機器の定格電流又は作動電流設定値は,保護する導体の許容電流と最大許容遮断時間 とか

ら決定する。導体の許容電流は,12.4 及び D.2 によって決定できる。最大許容遮断時間 は,D.3 によって

決定できる。この場合,保護する回路内の他の電気機器との協調の必要性を考慮に入れる。

7.3

電動機の温度上昇保護

7.3.1

一般事項

定格が 0.5 kW を超える電動機には,温度上昇保護を設けなければならない。

例外  電動機を自動停止してはならない用途(例えば,消防ポンプ用)では,オペレータが反応でき

るような警報信号を温度検出手段から発するようにしなければならない。

電動機の温度上昇保護は,次によって達成できる。

−  過負荷保護(7.3.2 で規定)

注記 1  過負荷保護機器は,回路の全負荷定格を超えている時間と電流とで決まる量(I

2

t

)を検出

し,必要な制御応答を開始させる。

−  温度保護(7.3.3 で規定)

,又は,

注記 2  温度検出器は,異常温度を検出し必要な制御応答を開始させる。

−  電流制限による保護(7.3.4 で規定)

温度保護機能が作動した後の電動機の自動再起動が,危険状態を招く,機械を損傷する,又は工程中の

工作物を損傷する可能性がある場合は,このような自動再起動を防止しなければならない。

7.3.2

過負荷保護

過負荷保護を備える場合は,中性線を除くすべての充電導体の過負荷を検出しなければならない。ただ


31

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し,電動機の過負荷検出器がケーブル保護を目的とするものでない場合は,使用者の要求によっては,過

負荷検出器を一部の充電導体に限定して設けることによって,過負荷検出器の数を減らしてもよい(D.2

も参照)

。単相電動機又は直流電動機の場合には,検出器は一つの非接地充電導体だけに設ければよい。

過負荷保護を開閉機器によって行う場合は,開閉機器は,過負荷時にすべての充電導体を開路しなけれ

ばならない。中性線導体は,過負荷保護のために開路しなくてもよい。

頻繁に起動又は制動する用途に用いる特別なデューティの電動機(例えば,高速トラバース,ロッキン

グ,早戻し,頻繁な孔あけに用いる電動機)の場合は,保護する巻線の時定数に見合う過負荷保護を備え

ることが難しいことがある。この場合は,特別なデューティの電動機又は特別な温度保護(7.3.3 参照)に

適するように設計した適切な保護機器を用いる必要もあり得る。

過負荷になり得ない電動機(例えば,トルク電動機,機械的な過負荷保護機器で保護される駆動電動機)

には,電気的な過負荷保護機器を備える必要はない。

7.3.3

温度保護

冷却効果が阻害される状況(例えば,ほこりの多い環境)では,電動機に温度保護(IEC 60034-11 参照)

を設けることを推奨する。電動機の種類によっては,温度保護によって拘束状態又は欠相状態に対する保

護が達成されるとは限らない。このためには追加の保護を備えることが望ましい。

温度保護は,過負荷になり得ない電動機(例えば,トルク電動機,機械的な過負荷保護機器で保護され

る駆動電動機)にも,温度超過になる可能性がある場合(例えば,冷却不足による)には備えることを推

奨する。

7.3.4

電流制限による保護

三相電動機の温度上昇の影響に対する保護は,電流制限によって達成できる。三相電動機の電流制限器

の数は,3 個から 2 個に減らしてもよい(7.3.2 参照)

。直流電源又は単相交流電源で作動する電動機では,

電流制限を接地されない充電導体だけに行ってもよい。

7.4

異常温度保護

発熱する抵抗その他の回路で,著しく高温となり危険状態を招く可能性があるもの(例えば,短時間定

格部品の使用又は冷却媒体の喪失による。

には,

適切な制御応答を伴う検出手段を設けなければならない。

7.5

停電,電圧低下及びその復旧時の保護

停電,電圧低下及びそれらの復旧時に,危険状態,機械の損傷,又は加工中の工作物の損傷を招く可能

性がある場合は,あらかじめ設定した電圧で作動する不足電圧保護(例えば,機械への供給電源の遮断)

を備えなければならない。

機械の運転が,

短時間の停電又は電圧降下を許容する場合は,

遅延形不足電圧保護機器を備えてもよい。

この場合,遅延形不足電圧保護機器の作動が機械の停止機能を妨げてはならない。

電圧の回復又は供給電源側の再投入によって,機械が自動的又は予期しない再起動をすると危険状態を

招くことがある場合は,そのような再起動を防止しなければならない。

機械の一部又は連携して稼働中の機械群の一部だけが電圧低下又は停電の影響を受ける場合には,不足

電圧保護は,保護機能が確実に協調して作動するように適切な制御応答を開始させなければならない。

7.6

電動機の過速度保護

速度超過が危険状態を招く可能性がある場合には,9.3.2  の方策を考慮して,過速度保護を設けなければ

ならない。過速度保護は,適切な制御応答を促し,かつ,自動的再起動を防止するものでなければならな

い。

過速度保護は,電動機又は負荷がその機械的限界速度を超えないように作動することが望ましい。


32

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注記  過速度保護には,例えば,遠心力スイッチ又は限界速度モニタを用いることがある。

7.7

地絡(漏電)電流保護

6.3

で規定した自動遮断のための過電流保護に加えて,過電流保護の検知レベルより小さい地絡(漏電)

電流による装置の損傷を低減するために,地絡(漏電)電流保護を備えることができる。

保護機器の電流設定値は,

装置の正しい作動と矛盾せずに,

できるだけ小さい値にしなければならない。

7.8

相順の保護

電源の正しくない相順が,危険状態又は機械の損傷を招く可能性がある場合には,相順保護を備えなけ

ればならない。

注記  正しくない相順による運転が行われる事例には,次のものがある。

−  一つの電源から別の電源に接続を換えて用いる機械。

−  外部電源への接続手段(端子など)をもつ移動機械。

7.9

雷サージ及び開閉サージの過電圧保護

雷サージ及び開閉サージによる過電圧の影響から保護するために,保護機器を設けてもよい。

保護機器を設ける場合は,

−  雷サージによる過電圧を抑制する機器は,電源断路器の入力側端子に接続しなければならない。

−  開閉サージによる過電圧を抑制する機器は,その保護を必要とするすべての機器の端子間に接続しな

ければならない。

8

等電位ボンディング

8.1

一般事項

箇条 は,保護ボンディング及び機能ボンディングについて規定する。

図 は,これらの概念を示す。

注記  保護ボンディング(3.43 参照),機能ボンディング(3.27 参照)は,いずれも等電位ボンディン

グ(3.22 参照)である。

保護ボンディングは,

漏電時の間接接触による感電から人を保護するための基礎となるものである

6.3.3

及び 8.2 を参照)

機能ボンディングは,次のことを最小にすることを目的とするものである。

−  絶縁不良が機械の作動に与える悪影響。

−  敏感な電気装置への電磁妨害が機械の作動に与える悪影響。

通常,機能ボンディングは,保護ボンディング回路に接続することによって達成される。しかしながら,

保護ボンディング回路に加えられる電気的妨害のレベルが,電気装置の正しい作動に対して十分低くない

場合は,

機能ボンディング回路を別の機能接地用導体に接続することが必要になることもある

図 参照)。


33

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注記  “機能接地導体”は,以前は“ノイズレス接地導体”と呼び,“FE 端子”は,以前は“TE”と表記し

た(JIS C 0445 及び IEC 60445 参照)

図 2−機械の電気装置のための等電位ボンディングの例


34

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8.2

保護ボンディング回路

8.2.1

一般事項

保護ボンディング回路は,次のもので構成する。

− PE 端子(5.2 参照)

−  機械の装置内の保護導体(しゅう動接点が保護ボンディング回路の一部である場合は,しゅう動接点

も含む。

−  露出導電性部分及び電気装置の導電性構造部分。

−  機械の構造を形成する外部導電性部分(3.24 参照)

保護ボンディング回路のすべての部分は,そこを流れる地絡電流によって生じる最大の熱的ストレス及

び機械的ストレスに耐えるように設計しなければならない。

電気装置又は機械の構造部分のコンダクタンス(導電度)が,露出導電性部分に接続される最小保護導

体のコンダクタンスよりも小さい場合は,追加のボンディング導体を備えなければならない。追加保護導

体の断面積は,主保護導体の断面積の 50  %以上としなければならない。

IT 系統の電源を用いる場合は,機械の構造部は保護ボンディング回路の一部となるようにして,更に絶

縁監視機器を備えなければならない。6.3.3 c)  を参照。

6.3.2.2

に従う装置の導電性構造部分は,保護ボンディング回路に接続する必要はない。すべての装置が

6.3.2.2

に従うものである場合は,機械の構造を形成する外部導電性部分を,保護ボンディング回路に接続

する必要はない。

6.3.2.3

に従う装置の露出導電性部分は,保護ボンディング回路に接続してはならない。

8.2.2

保護導体

保護導体は,13.2.2 によって識別しなければならない。

保護導体は,銅導体とすることが望ましい。銅以外の導体を用いる場合は,その導体の単位長の電気抵

抗が,許容される銅導体の単位長の抵抗値を超えてはならない。また,その導体の断面積は 16 mm

2

以上

としなければならない。

保護導体の断面積は,次の要求事項によって決定しなければならない。

−  JIS C 60364-5-54 の 543,又は,

−  該当するならば,IEC 60439-1 の 7.4.3.1.7

決定した保護導体断面積と,対応する相導体の断面積との関係が

表 を満足すれば,この要求事項は,

ほとんどの場合満足される(5.2 参照)

8.2.8

も参照する。

8.2.3

保護ボンディング回路の導通性

すべての露出導電性部分は,8.2.1 に従って保護ボンディング回路に接続しなければならない。

例外  8.2.5 に該当するものは,この限りでない。

どのような理由(例えば,定期保全)で電気装置の部分を取り外した場合にも,残った部分の保護ボン

ディング回路の導通が失われてはならない。

ボンディング接続部は,電流容量が,機械的,化学的,電気化学的な影響によって劣化しないように設

計しなければならない。アルミニウム又はアルミニウム合金のエンクロージャ及び導体を用いる場合は,

電食の可能性について特に考慮することが望ましい。

金属製の可とう性ダクト又は非可とう性ダクト,並びに金属のケーブル外装は,保護導体として用いて

はならない。ただし,金属ダクト及びすべての接続ケーブルの金属外装(例えば,ケーブル外装,鉛被)


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B 9960-1

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は,保護ボンディング回路に接続しなければならない。

電気機器が,ふた,扉,カバープレートに取り付けられている場合,保護ボンディング回路の導通性を

確保しなければならない。このために保護導体(8.2.2 参照)を用いることを推奨する。保護導体を用いな

い場合は,

低い抵抗になるように設計した締結部品,

丁番又はしゅう動接点を用いなければならない

18.2.2

試験 参照。)。

損傷の危険にさらされるケーブル(例えば,可とう性の引きずりケーブル)の中の保護導体は,その導

通性を適切な方策(例えば,モニタ)によって確保しなければならない。

導体ワイヤ,

導体バー及びスリップリング機構に用いる保護導体の導通性に対する要求事項については,

12.7.2

を参照。

8.2.4

保護ボンディング回路からの開閉機器の排除

保護ボンディング回路には,開閉機器及び過電流保護機器(例えば,スイッチ,ヒューズ)を挿入して

はならない。

保護ボンディング導体を切り離すいかなる手段も備えてはならない。

例外  囲いがある電気設備区域内にあり,工具を用いなければ切り離せない試験用又は測定用のリン

クは例外とする。

保護ボンディング回路の導通が,

取り外し可能な集電子又はプラグ・ソケット対で切り離しできる場合に

は,保護ボンディング回路用接点は,充電導体用接点よりも接続時には先に閉じ,切り離し時には後に開

かなければならない。このことは,取り外し可能のプラグインユニットにも適用する(13.4.5 参照)

8.2.5

保護ボンディング回路に接続する必要のない部分

次のいずれかの理由で,危険源にならないように取り付けられている露出導電性部分は,保護ボンディ

ング回路に接続する必要はない。

−  接触部分が少ない,又は握ることができないほど小さい(約 50 mm×50 mm 未満)

−  充電部との接触及び絶縁不良が起きないように配置してある。

この規定は,ねじ,リベット,銘板のような小部品にも適用し,エンクロージャ内の部品(例えば,コ

ンタクタ又はリレーの電磁石,及び機器の機械的部分)にも,大きさに関係なく適用する(JIS C 60364-4-41

の 410.3.3.5 も参照)

8.2.6

保護導体の接続点

すべての保護導体は,13.1.1 に従って接続しなければならない。保護導体接続点をその他の用途に,例

えば,器具又は部品の取付け又は接続のために,用いてはならない。

各保護導体接続点は,次の図記号 IEC 60417-5019(DB:2002-10)又は文字 PE を(図記号を優先する。

マーキング又はラベルによって表示するか,緑と黄の 2 色組合せの色表示をするか,又はこれらの組合せ

によって表示しなければならない。

8.2.7

移動機械

電源を搭載する移動機械では,感電保護のために,保護導体,電気装置の導電性構造部分,及び機械の

構造を形成する外部導電性部分のすべてを,一つの保護ボンディング端子に接続しなければならない。移

動機械を外部電源にも接続するときは,外部保護導体をこの保護ボンディング端子に接続しなければなら

ない。


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注記  据置形,移動形又は可搬形の装置が,電気エネルギーを内部電源から供給するものであるとき,

及び外部電源を接続しない(例えば,搭載のバッテリチャージャを外部電源に接続しない。

)も

のであるときは,そのような装置に外部保護導体を接続する必要はない。

8.2.8

接地漏えい電流が 10 mA(交流及び直流)を超える電気装置の追加保護ボンディング要求

注記 1  接地漏えい電流は,“絶縁故障がない状態で設備の充電部から接地回路に流れる電流”と定義

される(IEV 442-01-24 参照)

。この電流は,使用しているコンデンサによって発生する容量

性成分をもつことがある。

注記 2  IEC 61800 規格群の関連規定を満たす可変速電動機システムのほとんどは,接地漏えい電流

が交流 3.5 mA を超える。可変速電動機システムの接地漏えい電流を確認するために,IEC 

61800-5-1

にタイプ試験として接触電流測定法が定義されている。

接地漏えい電流が 10 mA(交流及び直流)を超える電気装置(例えば,可変速電動機システム及び情報

技術装置)は,次の a)∼c)  の条件の幾つかを満たさなければならない。

a)

保護導体の断面積を全長にわたって,銅導体では 10 mm

2

以上,アルミ導体では 16 mm

2

以上とする。

b)

保護導体の断面積が銅導体で 10 mm

2

,アルミ導体で 16 mm

2

に満たない部分には,少なくともその保

護導体と同じ断面積の追加保護導体を備えなければならない。

注記 3  このために,追加保護導体用の接続端子が必要になることもある。

c)

保護導体の導通性が失われたときは,電源を自動遮断する。

電磁妨害による支障を防止するため,二重の保護導体をもつ設備にも 4.4.2 の要求を適用する。

さらに,PE 端子の近傍に,必要なら電気装置の銘板上にも,警告ラベルを付けなければならない。17.2 

b) 1) 

に規定する情報には,接地漏えい電流及び外部保護導体の最小断面積に関する情報を含めなければな

らない。

8.3

機能ボンディング

9.4.3.1

に従って,制御回路の共通導体を接地することによって,制御回路の絶縁故障による誤作動から

の保護を達成できる。

電磁妨害による異常作動を回避するためのボンディングに関しては,4.4.2 を参照する。

8.4

大きな漏えい電流の影響を制限する方策

大きな漏えい電流の影響は,大きな漏えい電流をもつ装置の入力電源を,分離巻線をもつ専用の電源変

圧器から供給することによって,影響をその装置内だけに制限することができる。この場合,保護ボンデ

ィング回路は,装置の露出導電性部分及び変圧器の二次巻線の両方に接続しなければならない。装置と変

圧器二次巻線との間の保護導体は,8.2.8 の a)∼c)  の要求事項の幾つかを満たさなければならない。

9

制御回路及び制御機能

9.1

制御回路

9.1.1

制御回路電源

制御回路に交流電源を供給する場合は,制御回路用の変圧器を用いなければならない。この変圧器は,

分離巻線形(複巻)でなければならない。複数の変圧器を用いる場合には,各二次側電圧が同相となるよ

うに接続することが望ましい。

交流電源から変換した直流電源を用いる制御回路が保護ボンディング回路(8.2.1 参照)に接続される場

合は,その制御用直流電源回路へ供給する交流電源は,交流の制御回路に用いる変圧器の分離巻線から(変

圧器を共用して)供給するか,別の制御回路用変圧器から供給しなければならない。


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注記  IEC 61558-2-17 の分離巻線(複巻)変圧器を用いるスイッチング電源は,この要求事項を満た

す。

電動機始動器が一つだけ,及び/又は制御機器(例えば,インタロック機器,起動停止操作機器)が 2

組以内の機械においては,制御電源用変圧器を用いなくてもよい。

9.1.2

制御回路電圧

制御回路の公称電圧は,制御回路が正常に機能する値としなければならない。変圧器から供給する回路

の公称電圧は,277 V を超えてはならない。

9.1.3

保護

制御回路には,7.2.4 及び 7.2.10 による過電流保護を備えなければならない。

9.2

制御機能

注記 1  制御機能の安全性に関する情報は,JIS B 9705-1JIS B 9961 及び ISO 13849-2 に示されてい

る。

注記 2  9.2 は,制御機能を作動させるために用いる制御機器そのものの要求事項は規定していない。

これらの要求事項の例は箇条 10 に示す。

9.2.1

起動機能

起動機能は,関連回路に電気を通じることによって作動するものでなければならない(9.2.5.2 参照)

9.2.2

停止機能

停止機能には,次の三つのカテゴリがある。

停止カテゴリ 0  機械アクチュエータの電源を即時に遮断することによる停止(すなわち,非制御停

止のこと。3.56 参照。

停止カテゴリ 1  停止するために機械アクチュエータが電源を使える状態で停止し,停止が完了して

から電源を遮断する制御停止(3.11 参照)

停止カテゴリ 2  停止完了後も機械アクチュエータに電源を供給したままにする制御停止。

9.2.3

運転モード

機械は,その種類及び用途に応じて幾つかの運転モードをもつことがある。モード選択によって危険状

態が起こり得る場合は,適切な手段(例えば,キースイッチ,アクセスコード)によって,無許可及び/

又は不注意によるモード選択が行われることを防止しなければならない。

モードを選択しただけで機械が運転を開始してならない。機械の起動には,モード選択とは別の起動制

御を必要としなければならない。

各運転モードにおいて,関連する安全機能及び/又は保護方策が働かなければならない。

選択したモードは,表示しなければならない(例えば,モード選択器の選択位置表示,表示灯,ディス

プレイ画面によって。

9.2.4

安全機能及び/又は保護方策の中断

安全機能及び/又は保護方策を(例えば,段取り又は保全のために)中断する必要がある場合は,次の

ことによって保護を確実に達成しなければならない。

−  他のすべての運転(制御)モードを作動不能にする。

−  他の関連手段(JIS B 9700-2 の 4.11.9 参照)を用いる。例えば,次に示す手段の幾つかを用いる。

・  ホールド  ツゥ  ラン機器又は類似の制御機器による運転の始動。

・  非常停止付きの携行式操作盤(用いることが適切ならば,イネーブル機器も備える。

携行式操作盤が使用されているときは,機械の可動部の始動は,その操作盤だけから可能である


38

B 9960-1

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ようにしなければならない。

・  9.2.7.3 による停止機能を指令する機器をもつケーブルレス操作盤(用いることが適切ならば,イ

ネーブル機器も備える。

ケーブルレス操作盤が使用されているときは,機械の可動部の始動は,

その操作盤だけから可能であるようにしなければならない。

・  機械の動きの速度又は力を制限する手段。

・  機械の可動範囲を制限する手段。

9.2.5

運転

9.2.5.1

一般事項

安全な運転のために,必要な安全機能及び/又は保護方策[例えば,インタロック(9.3 参照)

]を設け

なければならない。

機械がどのような理由(例えば,ロックアウト,電源障害,バッテリー交換,ケーブルレス制御におけ

る信号の断絶)で停止した場合でも,停止後に意図しない動き又は予期しない動きを始めることを防止す

る方策をとらなければならない。

複数の操作盤をもつ機械においては,異なる操作盤からの指令が危険状態を引き起こさないような確実

な方策をとらなければならない。

9.2.5.2

起動

運転の起動は,9.2.4 に示す特定の場合以外,関連するすべての安全機能及び/又は保護方策が有効に機

能しているときだけ可能となるようにしなければならない。

特定の運転条件に対して安全機能及び/又は保護方策を設けることができない機械(例えば,移動機械)

では,これらの運転の手動操作は,ホールド  ツゥ  ラン制御(イネーブル機器を併用することが適切であ

る場合は,これも用いる。

)によらなければならない。

正しい順序で起動するように,適切なインタロック機能を設けなければならない。

起動を指令するために複数の操作盤が必要な機械の場合,これらの各操作盤には,起動専用の制御器を

設けなければならない。起動する条件は,次のとおりでなければならない。

−  機械の運転に必要な条件がすべて満たされており,

−  すべての起動制御器がオフ位置にあり,その状態から,

−  すべての起動制御器を並行して操作(3.6 参照)する。

9.2.5.3

停止

リスクアセスメント及び機械の機能要求(4.1 参照)に従い,停止カテゴリ 0,停止カテゴリ 1,停止カ

テゴリ 2 の,必要な停止機能(一つ又は複数)を備えなければならない。

注記  電源断路器(5.3 参照)を停止機能にも用いるときは,カテゴリ 0 の停止機能となる。

停止機能は,起動機能に優先(割り込み)して作動しなければならない(9.2.5.2 参照)

必要な場合,保護機器及びインタロック機器を接続する手段を備えなければならない。保護機器又はイ

ンタロックを用いて機械を停止させる場合は,通常これらの機器の状態を制御システムの論理回路に伝達

する必要がある。停止機能をリセットしたとき,危険状態を引き起こしてはならない。

複数の操作盤を設ける場合は,機械のリスクアセスメントによって必要であれば,停止指令はどの操作

盤からも有効に作動しなければならない。

9.2.5.4

非常操作(非常停止,非常スイッチングオフ)

9.2.5.4.1

一般事項

この規格は,

附属書 に示す非常操作のうちの非常停止及び非常スイッチングオフについて規定する。


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この二つの停止機能は,いずれも,人の一度の操作行為によって始動する。

非常停止操作(10.7 参照)又は非常スイッチングオフ操作(10.8 参照)が一度行われたら,この停止指

令の効果は,停止指令を解除するまで持続しなければならない。非常停止指令及び非常スイッチングオフ

指令の解除は,その指令操作を行った場所での手動操作によってだけ可能であるようにしなければならな

い。この停止指令の解除は,再起動を許すだけであって,停止指令の解除によって機械が再起動してはな

らない。

すべての非常停止指令が解除されるまで,機械の再起動が可能になってはならない。すべての非常スイ

ッチングオフ指令が解除されるまで機械の動力の再投入が可能になってはならない。

注記  非常停止及び非常スイッチングオフは,補助的な保護方策であり,機械における危険源[例え

ば,捕そく(捉)

,巻き込み,感電,やけど]に関する抜本的なリスク低減手段ではない(JIS B 

9700-1

及び JIS B 9700-2 を参照)

9.2.5.4.2

非常停止

非常停止機器の設計原則は,その機能的側面も含めて,JIS B 9703 に規定されている。

非常停止は,停止カテゴリ 0 又は停止カテゴリ 1 の停止として機能しなければならない(9.2.2 参照)

非常停止の停止カテゴリの選択は,機械のリスクアセスメントの結果によって決定する。

非常停止機能には,停止に対する要求事項(9.2.5.3 参照)に加えて,次の要求事項を適用する。

−  すべてのモードにおいて,他の機能及び操作に優先しなければならない。

−  危険状態を引き起こし得る機械アクチュエータの電源を直ちに(停止カテゴリ 0)遮断するか,又は

他の危険源を発生させることなく,できるだけ早く危険な動きを停止する方法(停止カテゴリ 1)で

制御しなければならない。

−  非常停止の解除によって再起動してはならない。

9.2.5.4.3

非常スイッチングオフ

非常スイッチングオフの機能的側面は,JIS C 60364-5-53 の 536.4 に規定されている。

次の場合には,非常スイッチングオフを備えることが望ましい。

−  直接接触(例えば,導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構,電気設備区域内の制御機器との直

接接触)に対する保護が,充電部を手が届かない場所に取り付けるか,オブスタクルを置くこと(6.2.6

参照)だけによって行われている。

−  直接接触以外に,電気による危険源又は被害が発生する可能性がある。

非常スイッチングオフは,関連する入力電源を電気機械的(非半導体)スイッチでスイッチングオフす

ることによって達成され,入力電源に接続されている機械アクチュエータをカテゴリ 0 で停止する。機械

の性質上カテゴリ 0 の停止を設けることができない場合は,例えば,直接接触に対して非常スイッチング

オフを必要としないような他の方策が必要となることがある。

9.2.5.5

指令した動きの監視

危険状態を引き起こすおそれのある機械又は機械の部分の動きは,例えば,オーバトラベルリミッタ,

電動機の過速度検出,機械的な過負荷検出又は衝突防止機器などを備えて,監視しなければならない。

注記  手動制御の機械の中には,オペレータがこの監視を行うものがある。

9.2.6

その他の制御機能

9.2.6.1

ホールド  ツゥ  ラン制御

注記 1  ホールド ツゥ ラン制御装置の定義は,JIS B 9700-1 の 3.26.3 に次のように記載されている。

“手動制御機器(アクチュエータ)を作動させている間に限り,危険を伴う機械機能の起動


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開始指令を出し,かつ,維持する制御装置。

ホールド  ツゥ  ラン制御は,機械の運転のために制御機器(押しボタンなど)の連続的操作(押し続け

るなど)を必要とするものでなければならない。

注記 2  ホールド  ツゥ  ラン制御は,両手操作制御機器によって達成することもある。

9.2.6.2

両手操作制御

注記  両手操作制御装置の詳細は,JIS B 9712 に規定されている。両手操作制御装置の定義は,JIS B 

9712

の 3.1 及び JIS B 9700-1 の 3.26.4 に次のように記載されている。

“これを操作する人のためだけの保護手段となるものであり,危険な機械機能の起動開始指令

を出し,かつ,維持するために,両手による同時操作を少なくとも必要とする装置。

両手操作の三つのタイプが JIS B 9712 に定義されている。タイプの選択は,リスクアセスメントによっ

て決定する。各タイプは,次の特徴を備えるものでなければならない。

タイプⅠ:次による。

−  両手によって並行操作(3.6 参照)する 2 個の制御機器からなる。

−  危険状態にある間,並行した連続操作を必要とする。

−  危険状態がまだ存続しているとき,一方又は両方の制御機器から手を離すことによって機械の運

転が停止しなければならない。

  タイプⅠの両手操作制御機器は,危険な運転の起動には適切であるとは考えられない。

タイプⅡ:両方の制御機器から一度手を離した後でなければ機械の再起動ができないタイプⅠの制御。

タイプⅢ:次のような制御機器の並行操作を必要とするタイプⅡの制御。

−  二つの制御機器を各々に決められた時間内に操作しなければならない。その時間は,0.5 秒を超え

てはならない。

−  この決められた時間が超過した場合,両方の制御機器から一度手を離さなければ再起動できない。

9.2.6.3

イネーブル制御

注記 1  イネーブル装置の定義は,JIS B 9700-1 の 3.26.2 に次のように記載されている。

“連続的に操作するとき,機械が機能することを許可する。起動制御に連係して用いる補足

的な手動操作装置である。

イネーブル制御(10.9 も参照)は,次のような手動の制御機能インタロック

5)

である。

a)

イネーブル操作をしている間は,機械の運転が別の起動制御によって可能となり,

b)

イネーブル操作をしていないときは,

−  停止機能が始動し,

−  機械の運転始動を防止する。

5)

  例えば,次のようなインタロックがイネーブル制御に用いられる。

−  イネーブル制御装置を操作している間だけイネーブル制御接点がオンになる。

−  イネーブル制御接点がオンの状態にあるときだけ機械の運転が可能になる。

イネーブル制御は,例えば,機械の運転を再開してよいときまでイネーブル機器を作動しない状態(イ

ネーブル機能が効かない状態)にしておくことによって,イネーブル機能が不正使用される可能性を最小

にしなければならない。簡単な手段によっては,イネーブル機能の不正使用ができないようにすることが

望ましい。

9.2.6.4

起動と停止とを兼ねる制御

機械的運動の始動と停止とを交互に指令する押しボタン及び類似機器の使用は,危険状態を招かない機


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B 9960-1

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能だけに限らなければならない。

9.2.7

ケーブルレス制御

9.2.7.1

一般事項

9.2.7

は,機械の制御系と操作盤との間の指令及び信号の伝送手段にケーブルレス技術(例えば,無線,

赤外線)を用いる制御システムに必要な機能要求事項を規定する。

注記  ここに述べるシステム及び用法の中には,有線(例えば,同軸,ツイストペア,光ファイバー)

のシリアルデータ通信技術を用いる制御機能に適用できるものもある。

操作盤の電源を容易に切り離す手段を備えなければならない(9.2.7.3 参照)

操作盤の無断使用を防止するための手段(例えば,キースイッチ,アクセスコード)を,必要により備

えなければならない。

各操作盤には,

どの機械がその操作盤で制御されるかが明確に分かるような表示をしなければならない。

9.2.7.2

制御の制限

制御指令には,次のことが保証されるような方策を用いなければならない。

−  指令が,意図した機械だけに作用する。

−  指令が,意図した機能だけに作用する。

指定の操作盤以外からの信号によって機械が作動しないような方策を用いなければならない。

必要な場合は,機械があらかじめ指定した区域又は場所(一つ又は複数)にある操作盤によってだけ制

御できるような手段を備えなければならない。

9.2.7.3

停止

ケーブルレス操作盤には,機械の運転停止機能又は危険状態を起こし得るすべての運転を停止する機能

をもち,他の操作器から分離していて明確に識別できる停止手段を備えなければならない。停止機能によ

って機械を非常停止できる場合であっても,この停止機能を作動させるための操作器に,非常停止を示す

マーキング又はラベル付けをしてはならない。

ケーブルレス制御機能を備えた機械は,次の状況において自動的に機械を停止する手段及び潜在的に危

険な運転を防止する手段をもたなければならない。

−  停止信号を受信したとき。

−  ケーブルレスシステム内の障害を検出したとき。

−  有効な信号(通信が確立・維持されていることを確認する信号も含む。

)が規定時間内に検出されなか

ったとき(

附属書 参照)。ただし,機械が,事前にプログラムされた作業を危険状態が発生し得な

い状況においてケーブルレス制御の範囲外で実行している場合を除く。

9.2.7.4

複数の操作盤

機械が,ケーブルレス操作盤も含めて複数の操作盤をもつ場合,同時に操作可能な操作盤は一つだけと

なることを保証する方策を用いなければならない。機械のリスクアセスメントによって決まる適切な場所

に,どの操作盤が機械を制御しているかを表示しなければならない。

例外  停止指令は,機械のリスクアセスメントによって要求される場合は,どの操作盤からも有効で

なければならない。

9.2.7.5

電池電源を用いる操作盤

電池電源の電圧変動によって危険状態を生じてはならない。幾つかの潜在的に危険な運動を,電池電源

式のケーブルレス操作盤で制御する場合は,電池電圧が規定値以下になったとき,オペレータに明確な警

告を与えなければならない。このような状況下でもケーブルレス操作盤は,機械を危険のない状態にする


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B 9960-1

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ために十分な時間とその機能を保持しなければならない。

9.3

保護インタロック

9.3.1

インタロック付き安全防護物の再閉鎖又はリセット

インタロック付き安全防護物を再び閉じたとき又はリセットしたとき,危険状態を招くような機械の運

転が始動されてはならない。

注記  起動機能インタロック付きガード(制御式ガード)に関する要求事項は,JIS B 9700-2 の 5.3.2.5

に規定されている。

9.3.2

作動限界からの逸脱

機械が,作動限界(例えば,速度,圧力,位置の限界)を逸脱して危険状態に至ることが起こり得る場

合には,決められた限界を超える行き過ぎを検出して適切な制御を行う手段を備えなければならない。

9.3.3

補助機能の作動

補助機能が正しく作動することを,適切な機器(例えば,圧力センサ)によって確認しなければならな

い。

補助機能(例えば,潤滑用の注油,冷却剤供給,切りくず除去)に用いる電動機又は機器の不作動が危

険状態を招く場合,又は機械若しくは加工中の工作物に損傷を与える場合は,適切なインタロック機能を

備えなければならない。

9.3.4

異なる作動及び相反する動きを防止するインタロック

機械の要素を制御するコンタクタ,リレーその他の制御機器で,同時に作動したときに危険状態をもた

らすおそれのある(例えば,相反する運動を起こさせる)ものは,このような不正な作動を防止するよう

にインタロックしなければならない。

反転制御用コンタクタ(例えば,電動機の回転方向を制御するもの)は,通常運転時に回路間の短絡が

生じないようにインタロックしなければならない。

安全のために,又は連続運転のために,機械の複数の機能を関連付けて作動させる必要があるときは,

適切なインタロックをとらなければならない。

二つ以上の制御装置をもち連携して稼働する一群の機械は,

制御装置間で必要な協調をとらなければならない。

機械的ブレーキが故障したときにブレーキが効いたままとなる可能性があり,この状態で機械アクチュ

エータに動力が供給されると危険状態が起こり得るときは,機械アクチュエータの電源をオフにするイン

タロックを備えなければならない。

9.3.5

逆相制動

電動機に逆相制動を用いる場合,制動終了時に電動機が逆転すると危険状態となるおそれがあるとき,

又は機械若しくは加工中の工作物を損傷するおそれがあるときは,電動機の逆転を防止する対策を実施し

なければならない。この目的に,時間だけに関係して作動する機器を用いてはならない。

電動機の回転軸を(例えば,手によって)回転させても危険状態を生じないような制御回路にしなけれ

ばならない。

9.4

故障時の制御機能

9.4.1

一般要求事項

電気装置内の故障又は干渉妨害が,危険状態を招くおそれがある場合,又は機械若しくは加工中の工作

物を損傷するおそれがある場合には,そのような故障又は妨害が起こる可能性を最小にするために適切な

方策をとらなければならない。どのような方策が必要か,どの程度の規模で実施するか,及び個別に実施

するか組み合わせて実施するかは,リスクのレベルによって決定する(4.1 参照)


43

B 9960-1

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電気制御回路には,

機械のリスクアセスメントによって決定された適切な安全性能レベルが必要である。

電気制御回路には,JIS B 9961 及び/又は JIS B 9705-1, ISO 13849-2 の要求事項を適用しなければならな

い。

電気装置の故障によるリスクを軽減する方策には次のものがあるが,これらだけに限定されない。

−  機械の保護機器(例えば,インタロック付きガード,トリップ機器)

−  電気回路の保護インタロック。

−  実証された回路技術及び部品(9.4.2.1 参照)の使用。

−  部分的若しくは全体的冗長性(9.4.2.2 参照)又はダイバーシティ(9.4.2.3 参照)の採用。

−  機能試験(9.4.2.4 参照)の採用。

メモリを電池で保持する場合は,電池の故障又は取外しによって生じる危険状態を防止しなければなら

ない。

例えば,かぎ(鍵)

,アクセスコード又は工具によって,無許可の又は不注意によるメモリ改変を防止し

なければならない。

9.4.2

故障時のリスクを最小にする方策

9.4.2.1

実証された回路技術及び部品の使用

この方策には次のものがあるが,これらだけに限定されない。

−  制御回路を機能接地用保護ボンディング回路に接続する(9.4.3.1 及び

図 参照)。

−  制御機器を 9.4.3.1 に従って接続する。

−  非通電による停止(9.2.2 参照)

−  被制御機器と制御回路とを結ぶ導体をすべて開閉する制御(9.4.3.1 参照)

−  直接開路機構をもつ開閉機器の使用(JIS C 8201-5-1 参照)

−  望ましくない作動を起こす故障を低減するような回路設計。

9.4.2.2

部分的又は全体的冗長性の採用

部分的又は全体的な冗長性を備えることによって,電気回路の単一故障が危険状態を生む可能性を最小

にすることができる。冗長性は,定常運転中に冗長系も働いているようにする(オンライン冗長系)か,

定常運転中働いている保護機能が故障したときに初めて冗長系がその機能を引き継いで作動する別回路

(オフライン冗長系)として設計できる。

定常運転中は作動しないオフライン冗長性を採用する場合には,この冗長機能が必要なときに確実に作

動することを保証する適切な方策をとらなければならない。

9.4.2.3

ダイバーシティ(多様化設計)の採用

互いに異なる作動原理若しくは異なる種類の部品又は機器をもつ制御回路を用いることによって,障害

及び/又は故障による危険源を低減することができる。ダイバーシティの例としては,次のものがある。

−  インタロック付きガードによって作動する常時閉接点及び常時開接点の組合せ使用。

−  制御回路内に異なる種類の制御回路部品を用いる。

−  電気機械的機器(非半導体機器)と電子的機器(半導体機器)とを組み合わせて冗長構成とする。

電気を用いるシステムと電気を用いない(例えば,機械的,液圧,空圧)システムの組合せによっても,

冗長機能をもつダイバーシティを備えることができる。

9.4.2.4

機能試験の採用

機能試験を行うことが,電気装置の故障によるリスクを低減するために有効である。

機能試験は,制御システムによる自動試験,作業者が手動で行う検査又は試験,起動試験及び一定間隔


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の周期的試験,又はこれらを組み合わせた試験として,適切なものを実施する(17.2 及び 18.6 参照)

9.4.3

地絡,瞬時停電及び導通不良による誤作動に対する保護

9.4.3.1

地絡

制御回路の地絡が,予期しない起動及び危険な運動を引き起こすこと,又は機械の停止を妨げることが

あってはならない。交流電源を用いる制御回路でこれらの要求事項を満たす方法には次のものがあるが,

これらだけに限定されない。

a)

方法 a  制御回路電源を,制御用変圧器から給電し,次の 1)  又は 2)  の要求を満たす。

1)

制御回路電源を接地する場合  制御回路の共通導体は,電源接続点(変圧器二次側の一端)におい

て保護ボンディング回路に接続する。電磁的機器又はその他の機器(例えば,リレー,表示灯)を

制御するすべての接点,半導体素子などは,開閉される側の導体とコイル又は機器の端末との間に

接続する。

コイル又は機器のもう一方の端末

(常に同一のマーキングであることが望ましい。

には,

開閉素子を接続せず,制御回路電源の共通導体へ直接接続する(

図 参照)。

例外  保護機器の接点は,次の条件を満たす場合には共通導体とコイルとの間に接続しても

よい。

−  地絡が起きたときは自動的に回路が遮断される。

−  その制御接点から被制御機器までの接続線が短いので(例えば,同じエンクロージャ

内にあるので)地絡が起きそうもない(例えば,過負荷リレーの場合)

2)

制御回路電源を接地しない場合  図 に示すように,制御変圧器から給電するが,制御用電源の一

端を保護ボンディング回路に接続しない場合には,地絡発生時に自動的に回路を遮断する機器を設

ける(7.2.4 も参照)

b)

方法 b  図 に示すように,中間タップ付き制御変圧器から制御回路に電源を供給し,中間タップを

保護ボンディング回路に接続する場合,すべての制御回路電源導体を開閉する過電流保護機器を設け

る。

注記 1  中間タップが接地された制御回路では,保護回路がなければ一線地絡時にリレーコイルに

50  %の電圧が残り得る。この状態でリレーが保持を続け,機械を停止できないことが起

こり得る。

注記 2  コイル又は制御機器は片切りでも両切りでもよい(図 は,両切りを示す。)。

c)

方法 c  制御回路電源を制御変圧器を介さずに供給する場合  次の 1)  又は 2)  のいずれにおいても,

意図しない起動が起こったとき又は停止機能が故障したときに危険状態を招くか,又は機械に損傷を

与えるおそれがある機械機能の起動・停止の制御には,

すべての充電導体を開閉する多極制御スイッチ

を用いる。又は,2)  において,地絡時に回路を自動的に遮断する機器を設ける。

1)

制御回路を,一端を接地した電源の相導体間に直接接続する,又は,

2)

制御回路を,相導体間又は相導体と接地しない中性線との間,又は相導体と高インピーダンスを介

して接地した中性線との間に接続する。


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図 3−方法 a

Overcurrent protective 
device (see 7.2.4)

Control circuit 
supply

図 4−方法 b

9.4.3.2

瞬時停電

瞬時停電に対しては,7.5 に規定した要求事項を満足しなければならない。

制御システムにメモリ機器を用いる場合には,停電時にメモリを保護する機能を確保し(例えば,不揮

発性メモリを使用)

,危険状態を招くようなメモリ喪失を防止しなければならない。

9.4.3.3

導通性の喪失

安全関連制御回路に用いるしゅう動接点の接触不良が,危険状態を招く可能性がある場合は,適切な方

策をとらなければならない(例えば,しゅう動接点の二重化)

過電流保護機器 
7.2.4 参照)

制御電源

開閉側導体

過電流保護機器 
7.2.4 参照)

制御電源

方法 a)の 1)の場合の保護ボ
ンディング接続

共通導体


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10

オペレータインタフェース及び機械に取り付けた制御機器

10.1

一般事項

10.1.1

制御機器に対する一般要求事項

箇条 10 は,

全体的に又は部分的に制御機器用エンクロージャの外に取り付ける制御機器に対する要求事

項を規定する。

これらの制御機器の選択,取付け,及び識別若しくはコーディングは,可能な限り JIS B 9706 規格群の

関連する部に従わなければならない。

例えば,機器の配置,適切な設計,追加保護方策などによって,不注意による誤操作が起こる可能性を

最小にしなければならない。機械の危険な運転を抑止するために,タッチスクリーン,キーパッド,キー

ボードなどの操作機器の選択,配列,プログラミング及び使用に特別な考慮を払わなければならない。JIS 

C 0447

又は IEC 60447 を参照。

10.1.2

配置及び取付け

制御機器の配置及び取付けは,可能な限り次のことを満足しなければならない。

−  作業及び保全のために容易にアクセスできる。

−  材料運搬などの行為によって損傷される可能性を最小にする。

手操作の制御機器アクチュエータの選択及び取付けは,次のことを満足しなければならない。

−  作業面から 0.6 m 以上の高さで,オペレータの通常の作業位置から容易に届く範囲にある。

−  オペレータがその制御機器を操作するとき,危険状態に置かれない。

足操作の制御機器のアクチュエータの選択及び取付けは,次のことを満足しなければならない。

−  オペレータの通常作業位置から容易に操作できる。

−  オペレータがその制御機器を操作するとき,危険状態に置かれない。

10.1.3

保護

保護等級(JIS C 0920 参照)は,他の適切な方策と合わせて次に対する保護を達成できるものにしなけ

ればならない。

−  周囲にある,又は機械で用いる,浸潤性の液体,蒸気又はガスの影響。

−  汚染物(例えば,削りくず,じんあい,微粒子)の侵入。

さらに,オペレータインタフェース用の制御機器は,直接接触に対する保護等級を,少なくとも IPXXD

としなければならない。

10.1.4

位置センサ

位置センサ(例えば,ポジションスイッチ,近接スイッチ)は,可動部がオーバトラベルした場合にも

損傷しないように取り付けなければならない。

安全関連制御機能の回路に用いる位置センサは,直接開路動作機構(JIS C 8201-5-1 参照)又は同等の

信頼性をもつものでなければならない(9.4.2 参照)

注記  安全関連制御機能は,機械を安全な状態に維持すること又は機械が危険状態を招かないように

することを目的とする制御機能である。

10.1.5

携行式操作盤,ペンダント形操作盤

携行式操作盤及びペンダント形操作盤,並びにこれらに用いる制御機器は,衝撃及び振動(例えば,操

作盤の落下,障害物との衝突など)によって,機械が不意に作動する可能性が最小になるように選択し,

配置しなければならない(4.4.8 も参照)


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10.2

押しボタン

10.2.1

押しボタンのアクチュエータは,

表 によって色分けしなければならない(9.2 及び附属書 も参照)。

起動(オン)用アクチュエータの色は,白,灰,黒,又は緑が望ましく,白が一番よい。赤を起動に用

いてはならない。

非常停止及び非常スイッチングオフ用アクチュエータには,赤を用いなければならない。

停止(オフ)用アクチュエータの色は,黒,灰,白が望ましく,黒が一番よい。緑を停止に用いてはな

らない。赤は停止に用いてもよいが,非常用操作機器の近くでは用いないことを推奨する。

起動・停止(オン・オフ)交互切換えの押しボタン形アクチュエータの色は,白,灰,黒がよい。赤,黄,

緑を用いてはならない(9.2.6 参照)

押している間だけ作動し,離すと作動が停止する(例えば,ホールド  ツゥ  ラン)押しボタン形アクチ

ュエータの色は,白,灰,黒がよい。赤,黄,緑は,用いてはならない。

リセット押しボタンは,青,白,灰,黒としなければならない。それらが停止(オフ)を兼ねる場合は,

白,灰,黒がよく,特に黒が望ましい。緑を用いてはならない。

白,灰,黒の中から同じ色を数種の機能に用いる(例えば,白を起動にも停止にも用いる)ときは,色

が同じで機能が異なる押しボタン形アクチュエータを識別する補助手段(例えば,形状,位置,記号)を

用いなければならない。

表 2−押しボタン形アクチュエータの色及び意味

意味

説明

適用例

  赤

非常

危険状態又は非常時の操作に用いる。 非常停止

非常機能の始動(10.2.1 も参照)

  黄

異常

異常発生時の操作に用いる。

異常状態を抑制するための介入。

中断した自動サイクルを再始動するため

の介入。

  青

強制

必す(須)の操作に用いる。

解除(リセット)機能

  緑

正常

正常状態の始動操作に用いる。

10.2.1 参照)

  白

規定しない。

非常停止以外の機能の一般的始動操

作に用いる(

注記参照)。

起動(オン)

停止(オフ)

“起動”に用いることを優先。

 灰

起動(オン) 
停止(オフ)

 黒

起動(オン) 
停止(オフ)

“停止”に用いることを優先)

注記  押しボタン形アクチュエータを識別するための補助手段(例えば,形,位置,感触)を用いる場合に

は,異なる機能に同じ色(白,灰,又は黒)を用いてもよい。例えば,始動(オン)と停止(オフ)
に白を用いてよい。

10.2.2

マーキング

押しボタンは,16.3 に規定する機能識別に加えて,アクチュエータの近くに,又はできれば直接アクチ

ュエータに,

表 の記号をマーキングして機能識別することを推奨する。


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表 3−押しボタンの記号

起動(オン)

停止(オフ)

起動・停止(オン・オフ)

交互切換形押しボタン

押すと起動(オン),放すと
停止(オフ)の押しボタン(例

えば,ホールド  ツゥ  ラン)

IEC 60417-5007 
(DB:2002-10) 
 
 
 
 
 

IEC 60417-5008 
(DB2002-10)

IEC 60417-5010 
(DB2002-10)

IEC 60417-5011 
(DB2002-10)

10.3

表示灯及び表示器

10.3.1

一般事項

表示灯及び表示器は,次の種類の情報を表示(伝達)するものである。

−  オペレータの注意を引くため又は行動を要求していることを知らせるための表示:

通常このモードには赤,黄,緑,青を用いる。点滅形の表示灯及び表示器については,10.3.3 を参照。

−  指令若しくは状態の確認,又は変化若しくは移行の完了確認:

通常このモードには青及び白を用いる。場合によっては,緑を用いてもよい。

表示灯及び表示器は,オペレータの通常の位置から見えるように,選択,取付けをしなければならない

JIS B 9706-1 も参照)

警告表示に用いる表示灯回路には,表示灯の作動をテストする手段を備えなければならない。

10.3.2

表示灯の色は,機械の状態に応じて

表 に従って色分けしなければならない。ただし,供給者と使用者

との間で別に合意した場合は,それによることができる(

附属書 を参照)。

機械上に設ける表示タワーは,赤,黄,青,緑,白の順で適用可能な色にすることが望ましい。

表 4−表示灯の色が意味する機械の状態

意味

説明(機械の状態)

オペレータに求める行動

  赤

非常

危険状態

危険状態への即時対応 
(例えば,機械電源のスイッチングオフ,危

険状態を警戒して機械を離れる。

  黄

異常

異常状態

危険が差し迫った状態

監視及び/又は介入

(例えば,意図した機能を再実行する。

  青

強制

オペレータの行動を必要とする

状態

必す(須)の行動

  緑

正常

正常状態

任意

  白

中立

その他の状態。赤,黄,緑,青

の使用に疑問がある場合。

監視

10.3.3

点滅形の表示灯・表示器

より細かい区別又は情報を伝えるために,及び特に強調の意味を追加するために,点滅灯及び点滅表示

器を次の目的に用いてもよい。

−  注意を促す。


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−  至急の行動を要求する。

−  指令と実際の作動状態とが一致していないことを示す。

−  変化が進行中であることを示す(移行中に点滅)

優先度の高い情報には,周期の短い点滅表示灯又は点滅表示器を用いることを推奨する(推奨する点滅

速度及び点灯と消灯の時間比については,JIS C 0448 を参照。

優先度の高い情報のために点滅表示灯又は点滅表示器を用いるときは,併せて聴覚による警報機器を備

えることが望ましい。

10.4

照光式押しボタン

照光式押しボタンアクチュエータには,

表 及び表 による色分けを用いなければならない。適切な色

を割り付けることが困難な場合には,白を用いなければならない。非常停止用アクチュエータの赤は,照

光によるものであってはならない。

10.5

ロータリ形制御機器

ポテンショメータ及び選択スイッチのような回転部のある機器は,固定部が回転しないように取り付け

なければならない。摩擦力だけに頼る固定では十分ではない。

10.6

起動機器

機械全体の起動又は動く機械要素(例えば,しゅう動部,主軸,キャリア)の始動に用いるアクチュエ

ータは,不注意による誤操作が最小になるように組立て,取付けをしなければならない。ただし,きのこ

形アクチュエータは,両手操作制御に用いてもよい(JIS B 9712 も参照)

10.7

非常停止用機器

10.7.1

非常停止用機器の配置

非常停止用機器は,容易にアクセスできるように配置しなければならない。

非常停止用機器は,すべての操作盤に,及び非常停止操作が必要となるその他の位置に配置しなければ

ならない(停止機能を非常停止に用いる例外については,9.2.7.3 を参照。

有効状態にある非常停止機器と無効状態にある(操作盤が無効状態になっている)非常停止機器の区別

が紛らわしい場合は,これらが混同されることを最小にする手段(例えば,使用上の情報)を備えなけれ

ばならない。

10.7.2

非常停止用機器の種類

非常停止用機器には,次の種類がある。

−  パーム形又はきのこ形のヘッドをもつ押しボタンスイッチ。

−  コードを引くことによって作動するスイッチ。

−  機械的ガードのないペダルスイッチ。

非常停止用機器は,直接開路動作機構形(JIS C 8201-5-1 

附属書 参照)でなければならない。

10.7.3

アクチュエータの色

非常停止用機器のアクチュエータの色は赤としなければならない。アクチュエータのすぐ背後の色は黄

としなければならない。JIS B 9703 も参照。

10.7.4

非常停止に用いる電源断路器の直接操作

次の場合には,電源断路器の直接操作を非常停止機能として用いてもよい。

−  オペレータが断路器に容易にアクセスできる。

−  5.3.2 の a),b),c)  又は d)  に規定されている種類の断路器である。

電源断路器を非常停止の目的にも用いるときは,アクチュエータを 10.7.3 に規定する色にしなければな


50

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らない。

10.8

非常スイッチングオフ機器

10.8.1

非常スイッチングオフ機器の配置

非常スイッチングオフ機器は,その目的に応じて必要な場所に配置しなければならない。通常,非常ス

イッチングオフ機器は,オペレータ操作盤とは別の位置に配置する。オペレータ操作盤に,非常停止用機

器と非常スイッチングオフ機器とを設ける必要があるときは,これらが混同されないような手段を設けな

ければならない。

注記  混同防止手段は,例えば,非常スイッチングオフ機器に突き破り式の透明エンクロージャを設

けることによっても可能である。

10.8.2

非常スイッチングオフ機器の種類

非常スイッチングオフ機器には,次の種類がある。

−  パーム形,又はきのこ形のヘッドをもつ押しボタンスイッチ。

−  コードを引くことによって作動するスイッチ。

非常スイッチングオフ機器は,直接開路動作機構形(JIS C 8201-5-1 

附属書 参照)でなければなら

ない。

押しボタンスイッチは,突き破り式の透明エンクロージャの中に入れてもよい。

10.8.3

アクチュエータの色

非常スイッチングオフ機器のアクチュエータの色は赤としなければならない。アクチュエータのすぐ背

後の色は黄としなければならない。

非常停止機器と非常スイッチングオフ機器とが混同されるおそれがあるときは,混同を最小にする手段

を設けなければならない。

10.8.4

非常スイッチングオフに用いる電源断路器の直接操作

電源断路器の直接操作を非常スイッチオフとして用いる場合には,断路器に容易にアクセスできるよう

にしなければならない。アクチュエータの色は,10.8.3 の規定によることが望ましい。

10.9

イネーブル制御機器

イネーブル制御機器をシステムの一部として用いる場合は,イネーブル制御機器アクチュエータのただ

一つの位置においてだけ運転が許されるようにしなければならない。アクチュエータが他の位置にある場

合は,運転が停止するか,又は運転できないようにしなければならない。

イネーブル制御機器は,不正に用いられる可能性が最小になるように選定し,組み入れなければならな

い。

イネーブル制御機器には,次の特徴をもつものを選定しなければならない。

−  人間工学原則に基づいて設計されている。

−  2 ポジションタイプのものは次による。

・  ポジション 1:  スイッチのオフ機能(アクチュエータが操作されない状態)

・  ポジション 2:  イネーブル機能(アクチュエータが操作された状態)

−  3 ポジションタイプのものは次による。

・  ポジション 1:  スイッチのオフ機能(アクチュエータが操作されない状態)

・  ポジション 2:  イネーブル機能(アクチュエータがポジション 1 から中間位置まで操作された

状態)

・  ポジション 3:  スイッチのオフ機能(アクチュエータが中間点を越えた位置にある状態)


51

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・  ポジション 3 からポジション 2 に戻ったときは,イネーブル機能は作動しない。

注記  イネーブル制御機能については,9.2.6.3 にも記述がある。

11

制御装置:配置,取付け及びエンクロージャ

11.1

一般要求事項

すべての制御装置(3.10 参照)は,次のことを考慮して配置及び取付けをしなければならない。

−  接近性及び保全性。

−  機械の運転を意図する場所の外界の影響又は周囲条件に対する制御装置の保護。

−  機械及び関連装置の運転及び保全。

11.2

配置及び取付け

11.2.1

接近性及び保全性

制御装置のすべての部品は,それらの部品又は配線を外さずに識別できるような位置,向きに配置しな

ければならない。部品の作動確認又は交換が必要となる場合は,他の装置及び部品を外さずに(ドアの開

放,カバー,バリア,オブスタクルの取外しは除く。

)確認及び交換を行えることが望ましい。端子(構成

品又は機器自体に付いている端子以外のもの)も,これらの要求事項に従わなければならない。

すべての制御装置は,操作及び保全を前面から容易に行えるように取り付けなければならない。機器の

調整,保全又は取外しに特殊な工具を必要とする場合は,その工具を納入しなければならない。定期的保

全又は調整のためにアクセスを必要とする機器は,作業面の上方 0.4 m から 2.0 m までの高さに取り付け

なければならない。端子は,作業面から 0.2 m 以上の高さで,導体又はケーブルを容易に接続できる位置

に配置することを推奨する。

操作,表示,測定及び冷却以外の用途に用いる機器を,エンクロージャの扉又は通常取外し可能なカバ

ーに取り付けてはならない。制御機器をプラグイン形式で接続する場合は,種類(形状)

,マーキング又は

略号のいずれかによって,又はこれらの組合せによって,受け側との対応関係を明確にしなければならな

い(13.4.5 参照)

通常運転中に取り扱う複数のプラグイン形式の機器は,互換性がなく,受け側との組合せを誤ると機能

が正しく作動しない場合は,誤挿入できない構造にしなければならない。

通常運転中に取り扱うプラグ・ソケット対は,

これへのアクセスを妨げるものがない位置に取り付けなけ

ればならない。

試験装置を接続するための試験用端子を設ける場合は,次のようにしなければならない。

−  これへのアクセスを妨げる物がないように取り付ける。

−  関連文書と対応した識別を明示する(17.3 参照)

−  適切に絶縁する。

−  試験装置を接続するための十分なスペースをとる。

11.2.2

隔離又はグループ分け

制御装置を収納するエンクロージャの中には,電気装置と直接関係ない非電気的な部品及び機器を配置

してはならない。電磁弁のような機器は,他の電気装置から(例えば,別の区画に)隔離することが望ま

しい。

同じ場所に取り付ける制御機器で,入力電源だけに,又は入力電源及び制御電源の両方に接続する機器

は,制御電源だけに接続する機器とグループ分けしなければならない。

端子は,次のグループに分けなければならない。


52

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−  電力回路

−  制御回路

−  外部電源から給電される他の制御回路(例えば,インタロック回路)

各グループが,容易に(例えば,マーキング,寸法の違い,隔壁,色分けなどによって)識別できる場

合は,グループを隣接して取り付けてもよい。

制御機器の配置(機器相互の接続を含む。

)に当たっては,外部からの影響又は物理的環境条件を考慮し

て,その機器の供給者が定める空間距離及び沿面距離を確保しなければならない。

11.2.3

熱の影響

発熱する構成部品(例えば,放熱器,電力用抵抗器)は,周囲の各部品の温度が許容値以内になるよう

に配置しなければならない。

11.3

保護等級

外部からの固体及び液体の侵入に対する制御装置の保護は,機械の運転を意図する場所での外部からの

影響(すなわち,設置場所,物理的環境条件)を考慮して適切な保護能力をもつものでなければならない。

また,ほこり,冷却剤,削りくずなどに対しても十分に保護できるものでなければならない。

注記 1  感電に対する保護は,箇条 で規定している。

注記 2  水の浸入に対する保護等級は,JIS C 0920 に規定されている(附属書 JC も参照)。水以外の

液体に対しては,追加の保護方策が必要となることがある。

制御装置のエンクロージャは,少なくとも IP22 の保護等級(JIS C 0920 参照)をもつものでなければな

らない。

例外  ただし,次の a)  及び  b)  の場合は例外とする。

a)

電気設備区域が,固体及び液体の侵入に対する適切な保護等級をもつ保護エンクロージャ

内にあるとき。

b)

導体ワイヤ及び導体バーシステムにおいて引離し式集電子を用いる場合で,IP22 は達成で

きないが 6.2.5 の手段を適用するとき。

注記 3  エンクロージャの保護等級の代表的な適用例を,次に示す。電気装置を設置する場所の条件

によっては,他の保護等級が適切となることもある。

−  電動機始動用抵抗器及び大形装置だけを収納する換気式エンクロージャ   IP10

−  その他の装置を収納する換気式エンクロージャ   IP32

−  一般産業用エンクロージャ   IP32,IP43,IP54

−  (ホースによる)低圧の洗浄水がかかる場所で用いるエンクロージャ   IP55

−  粉じん(塵)に対して保護するエンクロージャ   IP65

−  スリップリング機構を収納するエンクロージャ  IP2X

11.4

エンクロージャ,扉及び開口部

制御装置のエンクロージャは,通常の使用状態における機械的,電気的及び熱的ストレス,並びに湿度

及び他の環境要因の影響に耐え得る材料を用いて構成しなければならない。

扉及びカバーの止め金具は,脱落防止形にすることが望ましい。内部に取り付けた表示機器を見るため

の窓の材料は,機械的・化学的強度をもつもの(例えば,強化ガラス,厚さ 3 mm 以上のポリカーボネー

ト板)でなければならない。

制御装置エンクロージャの扉は,幅を 0.9 m 以下とし,垂直に丁番を付け,95°以上開くことを推奨す

る。


53

B 9960-1

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扉,ふた,カバー及びエンクロージャに用いるジョイント又はガスケットは,機械に用いる腐食性液体,

蒸気又はガスの化学作用に耐えるものでなければならない。運転時又は保全時に,開ける又は取り外す必

要がある扉,ふた,カバーの保護等級を確保するために用いる手段(ガスケットの類)は,次によらなけ

ればならない。

−  扉,カバー又はエンクロージャに,堅固に取り付ける。

−  扉又はカバーの取外し又は交換によって,劣化せず,保護等級が低下しない。

エンクロージャに開口部(例えば,ケーブルを通すためのもの)を設ける場合は,その開口部が床若し

くは基礎に面するもの又は機械の他の部分に通じるものである場合も含めて,装置に必要な保護等級をエ

ンクロージャが確保する手段を用いなければならない。ケーブル引込み用の開口部は,現場で容易に開け

られるものでなければならない。機械内のエンクロージャの底部には,結露による凝縮液を排出するため

に適切な開口部を設けてもよい。

電気装置を収納するエンクロージャと,冷却剤,潤滑油,作動油が入っている区画,又は油,液体,ほ

こりが侵入するおそれがある区画との間には,開口部を設けてはならない。この要求は,特に油中で作動

するように設計した電気機器(例えば,電磁クラッチ)

,又は冷却剤を用いる電気装置には適用しない。

エンクロージャに取付け孔がある場合は,取付け後それらの孔が必要な保護を損なわないようにする手

段が必要になることもある。

装置(主として部品のこと。3.21 参照。

)が,正常作動時又は異常作動時に,発火のリスク又はエンクロ

ージャ材へ有害な影響を招き得る表面温度に達する可能性がある場合には,その装置は,

−  到達可能な温度に耐え火災及び劣化のリスクのないエンクロージャ内に設置する。さらに,

−  熱が安全に放散するように,隣接する装置から分離して配置する(11.2.3 参照)

,又は,

−  装置が発生する熱に耐え発火及び劣化のリスクのない材料によって,遮へいしなければならない。

注記  16.2.2 による警告ラベルを付けることが必要な場合もある。

11.5

制御装置へのアクセス

通路のドア,電気設備区域の入口ドアは,次のことを満足しなければならない。

−  少なくとも,幅 0.7 m,高さ 2.1 m を確保する。

−  外側に開く。

−  内側からキー又は工具を用いずに開けられる手段(例えば,パニックボルト)を設ける。

人が容易に入れるスペースをもつエンクロージャには,例えば,ドア内部のパニックボルトのような,

脱出を可能にする手段を備えなければならない。例えば,再設定,調整,保全のためにアクセスすること

が想定されるエンクロージャに対しては,少なくとも 0.7 m の障害物のない幅と,少なくとも 2.1 m の障

害物のない高さを確保しなければならない。

次の場合,少なくとも 1.0 m の障害物のない幅を確保しなければならない。

−  アクセス中に装置が充電される可能性があり,かつ,

−  導電部が露出している。

このような部分がアクセス路の両側に存在する場合は,少なくとも 1.5 m の障害物のない幅を確保しな

ければならない。

注記  これらの数値は,JIS B 9713 の規格群から引用している。


54

B 9960-1

:2008

12

導体及びケーブル

12.1

一般要求事項

導体及びケーブルは,使用条件(例えば,電圧,電流,感電保護,ケーブルの密集度)及び外界から受

ける影響,例えば,周囲温度,水又は腐食性物質の存在,機械的応力(布設時の応力も含む。

,火災の危

険に対して適切なものを選択しなければならない。

注記  さらに詳しい情報は,CENELEC HD 516 S2(低電圧用ケーブル使用法のガイド)を参照。

これらの要求事項は,関連する日本工業規格又は IEC 規格(例えば,IEC 60439-1)に従って製造・試験

された組立品の内部配線には適用しない。

12.2

導体

一般に,導体には銅を用いなければならない。アルミニウムを用いる場合は,断面積を 16 mm

2

以上と

しなければならない。

導体の断面積は,適切な機械的強度を確保するために,

表 に示す値未満であってはならない。ただし,

表 に示す値未満の断面積又は表 に示されていない構造をもつ導体であっても,適切な機械的強度が他

の手段で確保され,適切な機能が損なわれないなら用いてもよい。

注記  導体の分類を表 D.4 に示す。

クラス 1 及びクラス 2 の導体は,主として堅固な非可動部間に用いるように意図されている。

高頻度(例えば,運転中 1 時間に 1 回)で動かす導体は,すべてクラス 5 又はクラス 6 の可とうより線

でなければならない。

注記  導体のクラスについて附属書 JE に説明がある。

表 5−銅導体の最小断面積

単位  mm

2

布設場所

用途

導体,ケーブルの種類

単心

多心

可とう性

クラス 5 
又は

クラス 6

非可とう性

単線(クラス 1)
又は 
より線(クラス 2)

1 心 
シールド付

2 心 
シールドなし

3 心以上 
シ ー ル ド 付
又はなし

保護エンク

ロージャ外

の配線

動力回路

(固定) 

1.0

1.5

 0.75

 0.75

 0.75

動力回路

(頻繁に動く) 

1.0

 0.75

 0.75

 0.75

制御回路 

1.0 1.0  0.2 0.5 0.2

データ通信 

 

 

 

 

 0.08 

エンクロー

ジャ内の配

a)

動力回路

(固定) 

 0.75

 0.75

 0.75

 0.75

 0.75

制御回路 0.2  0.2

0.2  0.2 0.2

データ通信

 

 

 

 

 0.08

a)

  個別製品規格に特別の要求事項がある場合を除き 12.1 も参照。

12.3

絶縁被覆

絶縁被覆の種類には,次のものがあるが,これらだけに限定されない。

−  ポリ塩化ビニル(PVC)

−  天然ゴム及び合成ゴム


55

B 9960-1

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−  シリコンゴム(SiR)

−  無機材料

−  架橋ポリエチレン(XLPE)

−  エチレンプロピレン化合物(EPR)

導体及びケーブルの絶縁被覆(例えば,PVC)が,火炎を伝ぱ(播)させ,又は毒性若しくは腐食性煙

霧を発生することによって危険源となる可能性がある場合は,ケーブル供給者の指示を求めることが望ま

しい。安全関連機能をもつ回路のインテグリティに特に注意することが重要である。

ケーブル及び導体の絶縁被覆は,次の耐電圧試験に適合しなければならない。

−  使用電圧が交流 50 V 又は直流 120 V を超える場合は,最低 2 000 V の交流試験電圧で 5 分間,又は,

− PELV 回路の場合は,

交流 500 V,

5 分間(クラスⅢ装置

に対する JIS C 60364-4-41 の 411.1.5.1 を参照。

クラスⅢ装置の定義を

附属書 JD に示す。)。

絶縁被覆は,運転中又は布設中,特にケーブルをダクトに引き込むとき,絶縁が損なわれないような機

械的強度及び厚さをもつものでなければならない。

12.4

定常使用時の電流容量

電流容量は,例えば,絶縁材料,ケーブル内の導体数,シース設計,布設方法,密集度,周囲温度など

の幾つかの要因に依存する。

注記 1  さらに詳細な情報及び指針は,JIS C 60364-5-52,他の国内規格,又は製造業者から得られる。

PVC 絶縁導体の,エンクロージャ間及び装置の各部品間の布設方法に応じた定常状態電流容量の例を表

6

に示す。

注記 2  正しいケーブルサイズの決定にデューティサイクルとケーブルの熱時定数とが関係するよう

な特定の用途(例えば,高慣性負荷の始動,間欠負荷運転)については,ケーブル製造業者

に相談することが望ましい。

注記 3  JIS C 3307 による 600 V ビニル絶縁電線の電流容量の典型例を附属書 JG に示す。表 は,

導体許容温度を 70 ℃(D.3 参照)としており,

表 JG.1 は導体許容温度を 60  ℃としているこ

とに注意する。


56

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表 6PVC 絶縁銅導体及びケーブルの異なる布設方法における定常電流容量(I

z

周囲温度 40  ℃時)

断面積

mm

2

布設方法(D.1.2 参照) 

B1 

B2 

    C 

E 

3 相回路の電流容量  I

z

    (A) 

       0.75 
          1.0 
         1.5 
         2.5 
         4 
         6 
       10 
       16 
       25 
       35 
       50 
       70 
       95 
      120 

        8.6 
      10.3 
      13.5 
      18.3 
      24 
      31 
     44 
     59 
     77 
     96 
    117 
    149 
    180 
    208 

          8.5 
    10.1 
    13.1 
    17.4 
        23 
        30 
        40 
        54 
        70 
        86 
      103 
      130 
      156 
      179 

        9.8 
        11.7 
    15.2 
        21 
        28 
        36 
        50 
        66 
        84 
      104 
      125 
      160 
      194 
      225 

    10.4 
    12.4 
    16.1 
        22 
        30 
        37 
        52 
        70 
        88 
      110 
      133 
      171 
      207 
      240 

電子回路用(ペア線) 
        0.20 
          0.5 
         0.75 

 
        適用外 
        適用外 
        適用外 

 
        4.3 
        7.5 
        9.0 

 
   4.4 
   7.5 
      9.5 

 
        4.4 
        7.8 
      10 

注記 1  表 の電流容量は,次に基づくものである。

−  断面積が 0.75 mm

2

以上の対称負荷電流を流す 3 相交流ケーブル 1 系統。

−  断面積が 0.2 mm

2

∼0.75 mm

2

の直流制御回路用ペア線 1 系統。

負荷電流を流すケーブル及びペア線をもっと多く布設する場合は,

表 の値を補正する(表 D.2 又は

表 D.3 を参照。)。

注記 2  周囲温度が 40  ℃と異なる場合には補正する(表 D.1 参照)。 
注記 3  この表の値は,ドラムに巻かれた可とうケーブルには適用しない(12.6.3 参照)。 
注記 4  その他のケーブルの電流容量については,JIS C 60364-5-52 を参照。

12.5

導体及びケーブルの電圧降下

電源供給点から負荷までの電圧降下は,通常の運転条件では公称電圧の 5  %を超えてはならない。これ

を満たすために,場合によっては

表 から求めた値より大きな断面積の導体を用いる必要がある。

12.6

可とうケーブル

12.6.1

一般事項

可とうケーブルは,クラス 5 又はクラス 6 の導体を用いたものでなければならない。

注記 1  クラス 6 の導体は,クラス 5 の導体より素線の径が小さく,可とう性がクラス 5 より高い(表

D.4

参照)

過酷なデューティで用いるケーブルは,

次のことに対して保護する構造をもつものでなければならない。

−  機械的な力が加わるような取扱い及び粗い表面を引きずることによる摩耗。

−  ガイドがないことによるねじれ。

−  ケーブルドラムへの巻き付け・巻き戻しのとき,ガイドローラ及び強制ガイドから生じる応力。

注記 2  強い引張力,小さい曲げ半径,異なる平面内への曲げなど不利な運転条件が頻繁に繰り返

されるとケーブルの耐用寿命は短くなる。


57

B 9960-1

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12.6.2

機械的定格

機械のケーブルハンドリングシステムは,機械を運転中の導体の引張応力をできるだけ低く保つように

設計しなければならない。銅導体を用いる場合には,引張応力は,銅の断面積に対して 15 N/mm

2

を超え

てはならない。使用時の要求仕様が 15 N/mm

2

の引張応力限界を超える場合には,特殊構造のケーブルを

用いるものとし,その最大使用引張強度についてケーブル製造業者の承認を得ることが望ましい。

銅以外の材質の可とうケーブルの使用時に加わる最大応力は,そのケーブル製造業者の仕様の範囲内に

しければならない。

注記  導体の引張応力に影響する条件には,次のものがある。

−  加速力

−  運動速度

−  ケーブルの垂れ下がり荷重

−  ガイドの方法

−  ケーブルドラムシステムの設計

12.6.3

ドラムに巻いたケーブルの電流容量

ドラムに巻いたケーブルは,完全にドラムに巻かれた状態で正規の使用電流を流したとき,導体温度が

最高許容値を超えないような導体断面積をもつものを選定しなければならない。

ドラムに収容した円形断面のケーブルの許容電流は,

表 によって自由大気中の最大電流容量から低減

することが望ましい(IEC 60621-3 の箇条 44 参照。

注記  自由大気中のケーブルの電流容量は,製造業者仕様又は関連規格から得られる。

表 7−ドラムに巻いたケーブルの許容電流低減係数

ドラムの種類

ケーブル層の数

任意 1  2  3

4

円筒状換気式

− 0.85

0.65 0.45 0.35

放射状換気式 0.85 −

放射状非換気式 0.75  −

注記 1  放射状ドラムは,狭い間隔で配置されたフランジ間にケーブルのら旋層が収容されているものである。孔

のないフランジを用いたドラムを非換気式といい,フランジに適度の通気孔があるものを換気式という。

注記 2  円筒状換気式ドラムは,広い間隔で配置されたフランジ間にケーブル層が収容されており,かつ,ドラム

と端部フランジとに通気孔があるものをいう。

注記 3  低減係数については,ケーブル及びケーブルドラム製造業者と協議することを推奨する。協議によってこ

の表以外の係数を用いることもある。

12.7

導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構

12.7.1

直接接触に対する保護

導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構は,機械に通常のアクセスをしているときの直接接触に

対する保護が達成されるように,次の保護方策のいずれかを採用して設置しなければならない。

−  充電部の部分的絶縁による保護,又は,

−  上の方法が実施できない場合,保護等級が少なくとも IP2X のエンクロージャ又はバリアによる保護

JIS C 60364-4-41 の 412.2 参照)

容易にアクセス可能なバリア又はエンクロージャの水平部分の上面は,少なくとも IP4X の保護等級を

もたなければならない(JIS C 60364-4-41 の 412.2.2 参照)

必要な保護等級を達成できない場合は,充電部を手の届かない場所に配置するとともに,9.2.5.4.3 によ


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る非常スイッチングオフによって保護しなければならない。

導体ワイヤ及び導体バーは,次のように設置及び/又は保護しなければならない。

−  プルコードスイッチのコード,張力軽減機器,ドライブチェーンのような導電体が接触することを防

止する。保護されていない導体ワイヤ及び導体バーに特に配慮する。

−  揺れるつり荷と接触して損傷することを防止する。

12.7.2

保護導体回路

導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構を保護ボンディング回路の一部として用いる場合は,定

常運転中これらに電流を流してはならない。保護導体(PE)と中性線(N)は,それぞれ別の導体ワイヤ,

導体バー又はスリップリングで構成しなければならない。しゅう動接点を用いる保護導体回路は,適切な

方策(例えば,集電子の二重化,導通性の監視)をとることによって導通性を確実にしなければならない。

12.7.3

保護導体用の集電子

保護導体用の集電子は,他の集電子と交換できない形状又は構造でなければならない。その集電子は,

しゅう動接点式でなければならない。

12.7.4

断路機能をもつ引離し式集電子

断路機能をもつ引離し式集電子は,充電部の断路が完了してから保護導体回路が切り離され,充電部が

接続される前に保護導体回路の導通が確立するように設計しなければならない(8.2.4 参照)

12.7.5

空間距離

各導体間,並びに隣接する導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構及び集電子のシステム間の空間

距離は,少なくとも JIS C 0664 による過電圧の定格インパルス電圧カテゴリⅢに適するものでなければな

らない。

12.7.6

沿面距離

各導体間,並びに隣接する導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構及び集電子のシステム間の沿面

距離は,意図する環境,例えば,屋外(JIS C 0664 参照)

,屋内,及びエンクロージャによって保護される

環境における作動に適するものでなければならない。

異常にちりが多い,又は湿気若しくは腐食性が異常に高い環境においては,次の沿面距離を適用する。

−  保護されていない導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構は,最小沿面距離 60 mm の絶縁体を

備えなければならない。

−  エンクロージャで保護されている導体ワイヤ,絶縁された多極及び単極の導体バーは,最小沿面距離

30 mm をもたなければならない。

好ましくない周囲条件(例えば,導電性のほこりの集積,化学作用)によって徐々に絶縁値が減少する

ことを防止する特別な方策に関しては,製造業者の推奨に従わなければならない。

12.7.7

導体システムの分割

導体ワイヤ又は導体バーを幾つかの分離した区画に分けられるように配置する場合は,集電子自体が隣

接区画を充電することを防止するように適切な設計をしなければならない。

12.7.8

導体ワイヤ,導体バーシステム,スリップリング機構の構造及び据付け

電力回路に用いる導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構は,制御回路用のものとは別のグルー

プにまとめなければならない。

導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構は,短絡電流による作用力及び熱の影響に対して,損傷

を受けずに耐えなければならない。

地下又は床下に設置する導体ワイヤ及び導体バーシステムの取外し可能なカバーは,工具を用いずに一


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:2008

人で開けることはできない設計にしなければならない。

複数の導体バーを 1 個の共通の金属エンクロージャ内に設置する場合には,エンクロージャの各区画を

相互にボンディングし,長さに応じて数箇所を保護ボンディング導体に接続しなければならない。地下又

は床下に設置する導体バーの金属カバーも,相互にボンディングし,保護ボンディング導体に接続しなけ

ればならない。

注記  金属エンクロージャ又は床下金属ダクトを,カバー又はカバープレートと一緒に保護ボンディ

ングする目的に対して,金属丁番は十分な導通性をもつと考えてよい。

地下及び床下の導体バー用ダクトには,排水機構を設けなければならない。

13

配線

13.1

接続及び経路

13.1.1

一般要求事項

すべての接続,特に保護ボンディング回路の接続は,不測の緩みが生じないようにしっかり固定しなけ

ればならない。

接続には,接続する導体の断面積及び特性に適する手段を用いなければならない。

一つの端子に複数の導体を接続してはならない。ただし,端子が複数導体接続用に設計されている場合

はこの限りでない。保護導体は,常に 1 端子に 1 本だけの接続にしなければならない。

はんだ付け用端子以外には,はんだ付け接続をしてはならない。

端子台の端子には,図面上の表記と一致する記号で明りょうにマーキングするか,又はラベル付けをし

なければならない。

電気的誤接続(例えば,部品交換時に生じるもの)によってリスクが発生する可能性があり,しかも設

計方策によって誤接続の可能性を軽減できない場合は,導体及び/又は端子を 13.2.1 に従って識別しなけ

ればならない。

可とうコンジット(電線管)及びケーブルの設置においては,取付け部(fitting)から液体が排出される

ように実施しなければならない。

よ(撚)り線接続用でない機器又は端子に,より線を接続する場合には,よりを維持する手段を用いな

ければならない。はんだをこの目的に用いてはならない。

シールド導体は,シールドのほつれを防止し,かつ,簡単に接続を取り外せるように端末処理を行わな

ければならない。

識別用タグは,読みやすく,耐久性があり,物理的環境に適するものでなければならない。

端子台においては,内部配線と外部配線とが端子上で交差しないように取付け及び配線を行わなければ

ならない(JIS C 2811 参照)

13.1.2

導体及びケーブルの配線

導体及びケーブルは,より継ぎ又はジョイントをせずに端子間を配線しなければならない。不測の断路

に対して適切な保護をもつプラグ・ソケット対を用いる接続は,ここではジョイントとみなさない。

例外  接続箱及び端子を用いて接続することが実際的でない場合(例えば,移動機械又は長い可とう

ケーブルを用いる機械における接続,ケーブル製造業者からの納入時に一つのケーブルドラム

で搬送できる長さを超える配線長のケーブル接続,据付け中又は運転中に機械的応力が原因で

損傷したケーブルを修理する場合の接続。

)には,より継ぎ又はジョイントを用いてもよい。

ケーブル及びケーブルアセンブリの接続・取外しが必要な場合は,その目的のために十分な余長を確保


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しなければならない。

ケーブル端末は,導体端末に機械的応力が加わらないように,適切に保持しなければならない。

保護導体は,ループインピーダンスを小さくするために,可能な限り関連する充電導体の近くに配置し

なければならない。

13.1.3

異なる回路の導体

異なる回路用の導体は,分離して配線しなくても各回路の適切な機能を損なわない場合は,隣り合わせ

て布設してもよく,同じダクト(例えば,コンジット,ケーブルトランキングシステム)内に布設しても

よい。また,同じ多心ケーブル内の導体を用いてもよい。これらの回路が異なる電圧で作動する場合には,

各導体を適切な仕切りで分離するか,又は同じダクト内のすべての導体に加わる最高の電圧(例えば,非

接地系統では相導体間の電圧,接地系統では相導体と大地間の電圧)に対する絶縁を行わなくてはならな

い。

13.1.4

誘導式電源システムのピックアップとピックアップコンバータとの間の接続

誘導式電源の製造業者仕様に基づくピックアップとピックアップコンバータとの間のケーブルは,次の

ように接続しなければならない。

−  可能な限り短くする。

−  機械的損傷に対して適切に保護する。

注記  ピックアップの出力は電流源となり得るので,ケーブルの損傷は高電圧の危険源になり得る。

13.2

導体の識別

13.2.1

一般要求事項

各導体は,各端末において,技術文書に従って識別できなければならない(箇条 17 参照)

導体は,数字,英字,色[単色又はしま(縞)模様]のいずれかで識別するか,又は色と数字の組合せ

若しくは色とアルファベットの組合せによって識別することを推奨する。数字にはアラビア数字を,英字

にはローマン体(大文字でも小文字でもよい。

)を用いなければならない。

注記  附属書 は,望ましい識別方法に関して供給者と使用者が合意を得るために使用できる。

13.2.2

保護導体の識別

保護導体は,形状,位置,マーキング又は色によって保護導体であることを容易に見分けられなければ

ならない。

色だけによって識別する場合は,

全長にわたって緑と黄の 2 色組合せを用いなければならない。

緑と黄の 2 色組合せを保護導体以外に用いてはならない。

絶縁保護導体の場合,緑と黄の 2 色組合せは,どの部分の 15 mm の長さをとっても,その色の一つが保

護導体表面の 30  %以上 70  %以下を覆い,残りの表面を他の色が覆うものでなければならない。

保護導体が,その形状,位置又は構造(例えば,編組導体,裸導体)によって容易に識別できる場合,

又はすぐには近づけない絶縁保護導体である場合は,保護導体の全長にわたって色で識別する必要はない

が,端末付近又は接近可能な場所に,IEC  60417-5019  (DB:2002-10)に規定する図記号又は緑と黄の 2 色組

合せによる明確な識別をしなければならない。

13.2.3

中性線の識別

中性線を色だけで識別する場合の色は,青としなければならない。他の色との混同を避けるために,淡

青(ライトブルー)を用いることを推奨する(IEC 60446 の 3.2.2 参照)

。選択した色が中性線を示す唯一

の識別色であって,その色を他の導体の識別にも用いると中性線と混同する可能性がある場合は,その色

を他の導体に用いてはならない。

色による識別を行う場合,中性線として用いる裸導体は,各区画内又はユニット内で,アクセス可能な


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場所ごとに 15 mm∼100 mm 幅の色付けをするか,又はその全長にわたって色付けをしけなければならな

い。

13.2.4

色による導体の識別

保護導体(13.2.2 参照)及び中性線(13.2.3 参照)以外の導体を識別するために色分けを用いる場合は,

次の色を用いることができる。

黒  茶色  赤  黄赤(だいだい色)  黄  緑  青(ライトブルーを含む。)  紫  灰色  白  ピンク

青緑

注記  この色リストは,IEC 60757 からの引用である。

導体の識別に色を用いる場合は,その色を導体の全長にわたって用いることを推奨する。絶縁被覆の色

で全体的に識別するか,色マーカを一定間隔ごとに施し,更に端末又はアクセス可能な位置に施して識別

することを推奨する。

緑又は黄は,緑と黄の 2 色組合せと混同される可能性がある場合には,これを用いないことが安全のた

めに望ましい(13.2.2 参照)

上に掲げた色を組み合わせることによる識別は,その組合せが混同を招くことがなく,黄又は緑を黄と

緑の 2 色組合せ以外の組合せに用いないなら行ってもよい。

色分けを導体識別に用いる場合には,次による色分けを推奨する。

−  黒:  交流電力回路及び直流電力回路

−  赤:  交流制御回路

−  青:  直流制御回路

−  黄赤(だいだい色)

:  5.3.5 に規定する例外回路

例外  次の場合は,上の推奨によらなくてもよい。

−  推奨色の絶縁被覆をもつ導体がない場合,又は,

−  多心ケーブルの場合。ただし,緑と黄の 2 色組合せは用いてはならない。

13.3

エンクロージャ内の配線

エンクロージャ内の導体を定位置に保持する必要がある場合は,導体を固定しなければならない。非金

属製ダクトは,難燃性の絶縁材料を用いたものでなければならない(JIS C 3665 規格群参照)

エンクロージャ内に取り付ける電気装置は,

エンクロージャ前面から配線変更できるように設計・製作す

ることを推奨する(11.2.1 参照)

。これを実施できず,制御機器をエンクロージャ裏面で接続する場合には,

これらにアクセスするための扉又は外開き式パネルを設けなければならない。

扉又はその他の可動部分に取り付ける部品への接続には,可動部分の頻繁な動きに耐えるように 12.2 

び 12.6 による可とう性導体を用いなければならない。この導体は,電気接続とは別の手段で静止部及び可

動部に固定しなければならない(8.2.3 及び 11.2.1 参照)

ダクトに収納しない導体及びケーブルは,適切に保持しなければならない。

エンクロージャの外へつながる制御用配線には,

端子台又はプラグ・ソケット対を用いなければならない。

プラグ・ソケット対に関しては 13.4.5 及び 13.4.6 を参照。

電力回路及び測定回路のケーブルは,機器(部品)の接続用端子に直接つないでもよい。

13.4

エンクロージャ外の配線

13.4.1

一般要求事項

個別のグランド,ブッシングなどを用いてケーブル又はダクトをエンクロージャ内に引き込む手段は,

エンクロージャの保護等級を低下させてはならない(11.3 参照)


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B 9960-1

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13.4.2

外部ダクト

電気装置のエンクロージャ外の導体及びその接続部は,13.5 に規定する適切なダクト(例えば,コンジ

ット又はケーブルトランキングシステム)に収納しなければならない。ただし,適切な保護をもつケーブ

ルは,ダクトに収納しない配線を行ってもよい。ダクトに収納しない場合,必要があれば開放形のケーブ

ルトレイ又はケーブル支持具を用い,必要がなければ用いなくてもよい。ポジションスイッチ又は近接ス

イッチのような機器に附属する専用ケーブルは,目的に適し,十分短く,損傷のリスクを最小にする配置

と保護を行うときは,ダクトに収納しなくてもよい。

ダクト又は多心ケーブルに用いる取付け器具は,物理的環境に適するものでなければならない。

ペンダント形操作盤への可とう性接続が必用な場合は,可とうコンジット又は可とう多心ケーブルを用

いなければならない。ペンダント形操作盤の荷重は,可とうコンジット又は可とう多心ケーブル以外の手

段で保持しなければならない。ただし,コンジット又はケーブルが操作盤荷重を保持するように特別に設

計されている場合は,この限りでない。

13.4.3

機械の可動部への接続

頻繁に動く可動部分への接続には,12.2 及び 12.6 に適合する導体を用いなければならない。可とうケー

ブル及び可とうコンジットは,特に取付け部及び継手部分などで,過度の曲げ及び引張りが生じないよう

に取り付けなければならない。

可動部に用いるケーブルは,接続箇所に機械的引張りがなく,過度の曲げが生じない方法で保持しなけ

ればならない。そのためにループ状に保持する場合には,少なくともケーブル直径の 10 倍の曲げ半径がと

れる長さとしなければならない。

機械の可とうケーブルは,次のような使用又は潜在的に過酷な扱いを含む要因によって外装を損傷する

可能性を最小限に抑えるように,布設又は保護しなければならない。

−  ケーブルが,機械自体にひ(轢)かれる。

−  ケーブルが,運搬車両その他の機械にひかれる。

−  ケーブルが,動いているとき機械構造物に接触する。

−  ケーブルバスケットでの出し入れ,又はケーブルドラムでの巻取り・引出しが行われる。

−  懸架式又はつり下げ式ケーブルに加速力及び風力が加わる。

−  ケーブル収納装置において過度の摩擦がある。

−  ケーブルが,過度の放射熱にさらされる。

ケーブルの外装は,運動中に予想される通常の摩耗及び大気汚染物質(例えば,油,水,冷却剤,ほこ

り)の影響に耐えるものでなければならない。

動きを伴うケーブルを,機械の可動部近くに配置する場合は,可動部とケーブルとの間に 25 mm 以上の

空間を維持する対策をしなければならない。この距離を確保できない場合には,ケーブルと機械の可動部

との間に固定バリアを設けなければならない。

ケーブルハンドリングシステムは,次の場合のケーブルのねじれを防止するために,ケーブルの軸回り

ねじれ角が 5°  を超えないように設計しなければならない。

−  ケーブルドラムにおけるケーブルの巻取り・引出し時,及び,

−  ケーブル案内機器を通過(接近・離脱)するとき。

ケーブルドラムに少なくとも 2 巻分の可とうケーブルを常に残す方策をとらなければならない。

可とうケーブルの案内機器及び搬送機器は,ケーブルの曲げ半径が

表 の値以上になるように設計しな

ければならない。ただし,許容引張力及び予測される金属疲労を考慮して,ケーブル製造業者と別に合意


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B 9960-1

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した場合はこの限りでない。

表 8−可とうケーブルの強制案内における最小許容曲げ半径

用途

ケーブル直径又は

フラットケーブルの厚さ d(mm)

d

≦8 8<d≦20

d

>20

ケーブルドラム

6d

6d

8d

ガイドローラ

6d

8d

8d

懸架式

6d

6d

8d

その他

6d

6d

8d

二つの曲がり部間の直線部は,少なくともケーブル直径の 20 倍としなければならない。

可とうコンジットが機械の可動部に隣接する場合は,コンジットの構造及び支持手段は,すべての運転

条件において可とうコンジットの損傷を防止するものでなければならない。

可とうコンジットは,速い動き又は頻繁な動きをする箇所の接続に用いてはならない。ただし,特にそ

の用途に設計された可とうコンジットはこの限りでない。

13.4.4

機械に実装した機器の相互接続

機械に取り付けた複数のスイッチ機器(例えば,位置センサ,押しボタン)を直列又は並列に接続する

場合は,これらの機器間接続の中間に試験用端子を設けることを推奨する。この端子は,試験に便利な場

所に設け,適切に保護し,関連図面に示さなければならない。

13.4.5

プラグ・ソケット対による接続

プラグ・ソケット対による接続を用いる場合には,次の a)  e)  の要求事項のうち該当する項目を適用し

なければならない。

例外  これらの要求事項は,エンクロージャ内で構成品を接続する固定のプラグ・ソケット対(可とう

ケーブル付きでない。

,又はバスシステムに構成品を接続するプラグ・ソケット対には適用しな

い。

a)

f) 

に従って正しく取り付けられている場合,プラグ・ソケット対は,プラグの抜き差しを含むどのよ

うなときにも,充電部に不用意に接触することを防止するタイプでなければならない。保護等級は,

少なくとも IPXXB でなければならない。この要求事項は,PELV 回路には適用しない。

b) TN

接地系統又は TT 接地系統の電源を用いる場合は,保護ボンディング用接点(接地用接点)が他の

接点に対し,プラグオン時は最初に接触し,プラグオフ時は最後に離れるものとする。

c)

負荷を接続した状態で抜き差しするプラグ・ソケット対は,負荷を遮断するための十分な遮断容量をも

つものでなければならない。定格 30 A 以上のプラグ・ソケット接続は,プラグの抜き差しを開閉機器

とインタロックして,開閉機器がオフ状態にあるときだけプラグ・ソケット接続のオンオフが可能とな

るようにしなければならない。

d)

定格 16 A を超えるプラグ・ソケット対は,意図しない断路又は偶発的な断路を防止する接続保持形で

なければならない。

e)

プラグ・ソケット対が意図せずに又は偶発的に外れるときに危険状態を招く可能性がある場合には,接

続を保持する手段を備えなければならない。

プラグ・ソケット対の取付けに関連しては,次の f)∼k)  の要求事項のうち該当する項目を満たさなさな

ければならない。

f)

断路後も充電が残る構成部品は,必要な空間距離及び沿面距離を考慮して,少なくとも IP2X 又は

IPXXB の保護等級で保護しなければならない。PELV 回路にはこの要求事項は適用しない。


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g)

プラグ・ソケット対の金属ハウジングは,保護ボンディング回路に接続しなければならない。PELV 回

路にはこの要求事項は適用しない。

h)

電力負荷に給電はできるが,通電中に断路してはならないプラグ・ソケット対は,意図しない断路又は

偶発的な断路を防止する接続保持形とし,負荷電流を通電中にプラグオフしてはならないことを明り

ょうにマーキングしなければならない。

i)

複数のプラグ・ソケット対を同じ電気装置に用いる場合は,はめ合い関係を明りょうに識別しなければ

ならない。異なる相手に誤挿入できないような機械的対策をすることを推奨する。

j)

制御回路に用いるプラグ・ソケット対は,IEC 61984 の該当する要求事項を満たさなければならない。

例外  JIS C 8285-1 に規定するプラグ・ソケット対は,k)  を満たせば,制御回路に用いてよい。

k)

家庭用及び類似の一般用プラグ・ソケット対を,制御回路に用いてはならない。JIS C 8285-1 に規定す

るプラグ・ソケット対を制御回路に用いる場合は,

意図した用途に合う接点だけを用いなければならな

い。

例外  k)  の要求事項は,電源に重畳して高周波信号を用いる制御機能には適用しない。

13.4.6

輸送のための取外し

輸送のために配線を外す必要がある場合には,配線取外し点に,端子台又はプラグ・ソケット対を設けな

ければならない。このような端子台は,適切に覆わなければならない。プラグ・ソケット対は,輸送中及び

保管中の物理的環境に耐えるように保護しなければならない。

13.4.7

予備導体

保全又は修理のために予備導体を配線しておくことが望ましい。予備導体は,予備端子に接続するか,

充電部と接触しないように絶縁しなければならない。

13.5

ダクト,接続箱及びその他の箱

13.5.1

一般要求事項

ダクトは,その用途に適する保護等級(JIS C 0920 参照)を満たすものでなければならない。

導体の絶縁物に接触するおそれのある鋭いエッジ,ばり,粗い表面,ねじ山などは,ダクト及びその付

帯部品から除去しなければならない。必要な場合には,難燃性及び耐油性を併せもつ絶縁材料を用いた保

護を追加して,導体の絶縁物を保護しなければならない。

配線用のケーブルトランキングシステム,

接続箱及びその他の配線箱で,

油又は水滴が貯まるものには,

直径 6 mm の排出孔を設けてもよい。

コンジットは,油用,空気用又は水用の配管との混同を避けるために,物理的に分離するか,適切に識

別することを推奨する。

ダクト及びケーブルトレイは,損傷又は摩耗の可能性が最小となるように,可動部から十分な距離を確

保してしっかりと支持,配置しなければならない。通路を必要とする場所では,ダクト及びケーブルトレ

イは,作業面から 2 m 以上の高さに設置しなければならない。

ダクトは,機械的に保護する目的だけに用いなければならない(保護ボンディング回路への接続に関す

る要求事項は 8.2.3 を参照。

部分的にカバーをもつケーブルトレイは,ダクト又はケーブルトランキングシステムとはみなさない

13.5.6 参照)

。このような部分的にカバーをもつケーブルトレイに布設するケーブルは,開放形のケーブ

ルトレイ若しくはケーブル支持手段を用いる布設又は用いない布設に適するものでなければならない。

13.5.2

ダクトの内部占積率

ダクトの内部占積率は,ダクトの直線度及び長さ,並びに導体の可とう性に基づいて検討することが望


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ましい。ダクトは,導体を容易に挿入できる寸法及び配置とすることを推奨する。

13.5.3

金属製の非可とうコンジット及び付帯部品

金属製の非可とうコンジット及びその付帯部品は,亜鉛めっき鋼又は使用条件に適する耐腐食性材料を

用いたものでなければならない。接触部分で電食を起こすような異種金属を用いないことを推奨する。

コンジットは,定位置にしっかり保持し,各端部で支持しなければならない。

付帯部品(継手,取付け用部品など)は,コンジットに適合し,用途に適するものでなければならない。

取付け用部品は,構造的に難しくない限り,ねじ付きとしなければならない。ねじなしの取付け用部品を

用いる場合には,コンジットを装置にしっかりと固定しなければならない。

コンジットを曲げる場合は,損傷せず,管の内径を著しく減少させないようにしなければならない。

13.5.4

金属製の可とうコンジット及び付帯部品

金属製の可とうコンジットは,可とう性金属管又は編組外装で構成したものでなければならない。金属

製の可とうコンジットは,予測される物理的環境に適するものでなければならない。

付帯部品は,コンジットに適合し,用途に適するものでなければならない。

13.5.5

非金属製の可とうコンジット及び付帯部品

非金属製の可とうコンジットは,ねじれに耐え,多心ケーブルの外装と同等の物理的特性を備えたもの

でなければならない。

コンジットは,予測される物理的環境における使用に適するものでなければならない。

付帯部品は,コンジットに適合し,用途に適するものでなければならない。

13.5.6

ケーブルトランキングシステム

エンクロージャ外のケーブルトランキングシステムは,しっかりと保持し,機械のすべての可動部及び

汚れの原因となる部分から遠ざけなければならない。

カバーは,側面で重なる形状でなければならない。ガスケットは用いてもよい。カバーは,適切な手段

によってケーブルトランキングシステムに取り付けなければならない。水平のケーブルトランキングシス

テムでは,特にその用途に設計したものでない限り底部にカバーを設けてはならない。

注記  電気設備のケーブルトランキングシステム及びダクトに対する要求事項は,IEC 61084 に規定

されている。

ケーブルトランキングシステムを幾つかの部分に分けて取り付ける場合,その部分間の接合部は,確実

に結合しなければならないが,必ずしもガスケットを用いた接合にしなくてよい。

配線用又は排水用以外の開口部を設けてはならない。ケーブルトランキングシステムには,開けたまま

未使用のノックアウトがあってはならない。

13.5.7

機械内の閉区画及びケーブルトランキングシステム

機械のコラム内又はベース内で,導体を覆うために閉区画(コンパートメント)又はケーブルトランキ

ングシステムを用いる場合は,その閉区画又はケーブルトランキングシステムは冷却剤又は油貯蔵部から

隔離し,

完全に閉じたものとしなければならない。

閉区画及びケーブルトランキングシステム内の導体は,

損傷を受けないように固定,配置しなければならない。

13.5.8

接続箱,その他の箱

配線用接続箱及びその他の箱は,

保全のためにアクセスできるものでなければならない。

これらの箱は,

機械の運転を意図する場所での外部の影響を考慮して,固形物及び液体の侵入を防止するものでなければ

ならない(11.3 参照)

これらの箱には,開けたまま未使用のノックアウトがあってはならない。また,ほこり,綿くず,油,


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冷却剤などが侵入しない構造としなければならない。

13.5.9

電動機用接続箱

電動機用接続箱は,電動機及び電動機の附属機器(例えば,ブレーキ,温度センサ,プラグスイッチ,

速度計用発電機)への接続部だけを収納するものでなければならない。

14

電動機及び関連装置

14.1

一般要求事項

電動機は,JIS C 4034-1JIS C 4034-5JIS C 4203JIS C 4210,又は IEC 60034 規格群の関連する部に

適合するものであることが望ましい。

注記  IEC 60034 規格群の内容には,JIS C 4034-1JIS C 4034-5JIS C 4203JIS C 4210 に含まれる

部分と含まれない部分とがある。

電動機及びその関連装置の保護に関する要求事項は,過電流に対しては 7.2,過負荷に対しては 7.3,過

速度に対しては 7.6 で規定する。

電動機が停止中でも電動機電源をオフにしないコントローラが多いので,5.35.45.57.57.6 及び

9.4

の要求事項を確実に満たすように注意を払わなければならない。電動機の制御装置は,箇条 11 に従っ

て配置し,取り付けなければならない。

14.2

電動機エンクロージャ

電動機エンクロージャは,JIS C 4034-5 に規定するものの中から選定することを推奨する。

電動機エンクロージャは,すべての電動機に対して,少なくとも IP23(JIS C 0920 参照)の保護等級を

満足しなければならない。用途及び物理的環境によっては,より厳しい要求事項が必要になることがある

4.4 参照)

機械に組み込む電動機は,機械的損傷から適切に保護されるように取り付けなければならない。

14.3

電動機の寸法

電動機の寸法は,可能な限り JIS C 4203JIS C 4210JIS C 4212 又は IEC 60072 規格群に適合しなけ

ればならない。

注記  IEC 60072 規格群の内容には,JIS C 4203JIS C 4210 及び JIS C 4212 に含まれる部分と含まれ

ない部分とがある。

14.4

電動機の取付け及び電動機用区画

電動機及びそのカップリング,ベルト,プーリ及びチェーンは,適切に保護し,検査,保全,調整,位

置合わせ,給油,交換のために,容易にアクセスできるように取り付けなければならない。電動機は,そ

の固定具を取り外すことができ,また,端子箱にアクセスできるように取り付けなければならない。

電動機は,適正な冷却が保証され,温度上昇がその絶縁種別の許容限度内になるように取り付けなけれ

ばならない(JIS C 4034-1 参照)

電動機用区画は,できる限り清潔で乾燥していることが望ましく,必要なら機械外部へ直接換気しなけ

ればならない。通風口は,削りくず,ちり,又は水の飛まつの侵入を許容限度内に保つものでなければな

らない。

電動機用区画と,電動機用区画の要求事項を満足しないその他の区画との間には,開口部があってはな

らない。コンジット又は管路が,電動機用区画の要求事項を満足しない区画から電動機用区画に通じる場

合は,コンジット又は管路の周囲のすき間をシールしなければならない。

14.5

電動機の選定基準


67

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電動機及び関連装置の特性は,想定する用途及び物理的環境条件(4.4 参照)に適合するように選定しな

ければならない。このために,次の事項を考慮しなければならない。

−  電動機の種類

−  デューティサイクルの種類(JIS C 4034-1 参照)

−  定速運転又は可変速運転(及びそれに伴う通風の変化による影響)

−  機械的振動

−  電動機制御の種類

−  電動機へ供給する電圧・電流高調波の温度上昇への影響(特に,静止形コンバータから供給する場合。

−  起動方法,及び突入電流がその電源を共用する他の使用者の装置運転に及ぼす影響。電力会社が規定

する特別の注意事項を考慮する。

−  反トルク負荷の時間及び速度による変化

−  大きな慣性をもつ負荷の影響

−  定トルク又は定出力運転の影響

−  電動機とコンバータとの間の誘導リアクトルの必要性

14.6

機械的ブレーキ用の保護機器

機械的ブレーキのアクチュエータ(駆動部)のための過負荷保護機器及び過電流保護機器が作動した場

合には,それが関連する機械アクチュエータの動力も同時に非通電(開放)にしなければならない。

注記  関連する機械アクチュエータとは,一つの動きに複数のアクチュエータが関連する場合,関連

するすべてのアクチュエータをいう。

15

附属品及び照明

15.1

附属品用コンセント

機械及び機械に関連する装置が,附属装置(例えば,手持ち式電動工具,試験装置)用のコンセントを

備える場合には,次の事項を適用する。

−  コンセントは,JIS C 8285-1 に適合することが望ましい。不可能なときは,電圧及び電流定格をマー

キングすることが望ましい。

−  コンセントの保護ボンディング回路の導通性を確保しなければならない。ただし,PELV の使用によ

る保護を用いる場合は除く。

−  コンセントに接続するすべての非接地導体は,過電流に対して,及び必要なら過負荷に対して,7.2

及び 7.3 に従って,他の回路の保護とは別に保護しなければならない。

−  コンセントの電源が,機械又は機械の部分のための電源断路器で断路されない場合は,5.3.5 の要求事

項を適用する。

注記 1  附属書 も参照。

注記 2  コンセント用回路に漏電保護装置(RCD)を備えることもある。

15.2

機械及び装置の局部照明

15.2.1

一般事項

局部照明回路の保護ボンディング回路への接続は,8.2.2 に従って行わなければならない。

スイッチをランプホルダ又は可とう接続コードに組み込んではならない。

適切な発光体を用いることによって,照明にストロボ的影響が現れることを防止しなければならない。

エンクロージャ内に固定照明を備える場合には,4.4.2 に示す原則を用いて,電磁両立性を考慮すること


68

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が望ましい。

15.2.2

電源

局部照明回路の公称電圧は,線間 250 V 以下でなければならない。線間 50 V 以下を推奨する。

照明回路は,次のいずれかの電源から供給しなければならない(7.2.6 も参照)

−  入力電源断路器の負荷側に接続した照明専用の絶縁変圧器。過電流保護は変圧器の二次側回路に設け

なければならない。

−  入力電源断路器の電源ライン側に接続した照明専用の絶縁変圧器。この電源の使用は,制御エンクロ

ージャ内の保全用照明回路に用いる場合に限る。過電流保護を照明専用絶縁変圧器の二次側回路に設

けなければならない(5.3.5 及び 13.1.3 参照)

−  専用の過電流保護を備えた機械内の回路。

−  入力電源断路器の電源ライン側に接続された絶縁変圧器であって,その一次側に局部照明専用の開閉

手段(5.3.5 参照)及び二次側に過電流保護を備え,電源断路器に隣接する制御エンクロージャ内に取

り付けたもの(13.1.3 も参照)

−  外部から供給する照明電源(例えば,工場照明の電源)

。これの使用は,制御エンクロージャ内だけの

照明,及び照明用の定格電力の総和が 3 kW 未満の作業用照明に限る。

例外  通常運転中にオペレータが届かない位置に設置されている固定照明には,15.2.2 の規定は適

用しない。

15.2.3

保護

局部照明回路は,7.2.6 に従って保護しなければならない。

15.2.4

取付け器具

調節可能な照明取付け器具は,物理的環境に適するものでなければならない。

ランプホルダは,次のことを満足しなければならない。

−  関連する日本工業規格又は IEC 規格に適合しなければならない。

−  ランプキャップを調節する(動かす)とき不注意によって充電部に接触しないようにランプキャップ

を保護する絶縁材を用いてランプホルダを構成しなければならない。

反射器は,ブラケットで保持するものとし,ランプホルダで保持してはならない。

例外  通常運転中にオペレータが届かない位置にある固定照明器具には,15.2.4 の規定は適用しない。

16

マーキング,警告標識及び略号

16.1

一般事項

警告標識,銘板,マーキング及び識別プレートは,装置の物理的環境に十分耐えるものでなければなら

ない。

16.2

警告標識

16.2.1

感電の危険源

感電のリスクをもつ電気装置を内蔵していることを別の方法で明示していないエンクロージャには,次

の図記号 IEC 60417-5036 (DB 2002-10)をマーキングしなければならない。


69

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この警告標識は,はっきり見えるようにエンクロージャの扉又はカバーに表示しなければならない。

次の場合には,この警告標識を省略してもよい[6.2.2 b)も参照]

−  電源断路器を備えているエンクロージャ。

−  オペレータインタフェース装置又は操作盤。

−  それ自体がエンクロージャをもつ単体機器(例えば,位置センサ)

16.2.2

高温の危険源

リスクアセスメントによって,電気装置表面が危険温度になる可能性を警告する必要がある場合,次の

図記号 IEC 60417-5041 (DB 2002-10)を用いなければならない。

注記  建築内電気設備に対しては,この方策は JIS C 60364-4-42 の 423 及び表 42A に規定されている。

16.3

機能表示

制御機器,表示機器及びディスプレイ(特に安全に関するもの)には,機器自体又はその近くに,その

機能を,明りょうに,消えないようにマーキングしなければならない。このマーキングについては,装置

使用者と供給者との間で合意することが望ましい(

附属書 参照)。IEC 60417 (DB 2002)及び ISO 7000 

規定する記号を優先的に用いることが望ましい。

16.4

装置のマーキング

装置(例えば,制御装置アセンブリ)には,装置の据え付け後にもはっきり見えるように,消えない方

法によって,読めるようにマーキングしなければならない。エンクロージャの各入力電源引込み口の近傍

に,次の内容を示す銘板を付けなければならない。

−  供給者名又は商標。

−  必要な場合,認証済みの表示。

−  あれば,製造番号。

−  各電源の定格電圧,相数及び周波数(交流の場合)

,全負荷電流。

−  装置の短絡定格(例えば,短絡遮断容量)

−  基本文書番号(IEC 62023 参照)

銘板に記載する全負荷電流は,通常の条件で同時に運転される可能性のあるすべての電動機及びその他

の装置の負荷電流以上でなければならない。

機械が用いる電動機制御器が 1 個だけの場合は,電動機制御器の情報を,よく見えるように取り付けた

機械の銘板に記載してもよい。

16.5

略号(参照指定)

すべてのエンクロージャ,アセンブリ,制御機器及び構成品には,技術文書に示す略号と同じ略号を付


70

B 9960-1

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けて,明りょうに識別しなければならない。

17

技術文書

17.1

一般事項

機械の電気装置の据付け,運転及び保全に必要な情報は,例えば,図面,接続図,チャート,表及び説

明書の形で提供(納入)しなければならない。提供する情報の内容及び量は,電気装置の複雑度によって

異なってよい。極めて単純な装置の場合には,その情報を一冊の文書にまとめてよいが,その場合,この

文書は電気装置内のすべての機器を示し,電源の接続法がわかるようにしなければならない。

注記  電気装置の構成品に附属する技術文書類が,機械の電気装置の文書類の一部になることもある。

17.2

提供情報

電気装置とともに提供(納入)する情報(技術文書)には,次のことを含めなければならない。

a)

主文書(部品表又は文書一覧表)

b)

下記を含む補足文書。

1)

装置,据付け,取付け及び電源接続に関する明りょうで包括的な説明。

2)

電源仕様

3)

必要に応じて,物理的環境に関する情報(例えば,照明,振動,騒音レベル,空気中の汚染物質)

4)

必要に応じて,全体図(ブロック図)

5)

回路図

6)

次に関する情報のうち必要なもの。

−  装置の使用に必要なプログラミング。

−  運転順序

−  検査頻度

−  機能試験の頻度及び方法。

−  調整,保全及び修理の手引き,特に保護機器及び保護回路について。

−  推奨予備品のリスト。

−  納入工具のリスト。

7)

安全防護物,インタロック機能,及びガードインタロックに関する説明(相互接続図を含む。

。連

携して稼働する機械では,特に必要である。

8)

安全防護の説明及び安全防護を解除する必要がある場合(例えば,マニュアルプログラミング,プ

ログラム検証などのために。

)の解除手段の説明(9.2.4 参照)

9)

保守作業を安全に行うための諸手順の指示(17.8 参照)

10)

取扱い,搬送及び保管に関する情報。

11)

負荷電流,起動ピーク電流及び許容電圧降下に関する情報(必要なもの)

12)

保護方策採用(実施)後も残留するリスクに関する情報,特別な訓練が必要かどうかの説明,及び

個人用保護具が必要ならその仕様。

17.3

すべての文書類に対する要求事項

電気装置の製造業者と使用者との間で文書類について別の合意がないときは,次の事項を適用する。

−  文書類は,JIS C 1082 規格群の関連の部に従って作成しなければならない。

−  略号(参照指定)は,JIS C 0452 規格群の関連の部に適合しなければならない。

−  取扱説明書・マニュアルは,JIS C 0457 に適合しなければならない。


71

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−  部品表(付ける場合)は,JIS C 0453 のクラス B に適合しなければならない。

注記  B.1 の 13(技術文書)を参照。

他の文書の参照について,供給者は次のいずれかを採用しなければならない。

−  文書類が,少ない文書数(例えば,5 未満)で構成される場合は,各文書に電気装置に関する他のす

べての文書の文書番号を相互参照用として記載する。

−  すべての文書の文書番号及び文書名を主文書(single level main documents:IEC 62023 参照)の図面又

は文書リストに記載する(単一階層の文書構成の場合)

−  一つの階層(レベル)に属するすべての文書(IEC 62023 参照)の文書番号及び文書名を,その階層

の図面又は文書リストに記載する(複数階層の文書構成の場合)

17.4

据付け用文書

据付け用文書には,機械の立上げ(引渡しを含む。

)準備作業に必要なすべての情報を記載しなければな

らない。複雑な電気装置の場合には,詳細なアセンブリ図面が必要となることもある。

布設する電源ケーブルに関して,推奨する配置,種類及び断面積を明確に記載しなければならない。

機械の電気装置に給電する電源導体を保護する過電流保護機器の種類,特性,定格電流及び設定値の選

定に必要なデータを記載しなければならない(7.2.2 参照)

必要な場合には,使用者が準備して基礎に設置するダクトの,寸法,用途及び配置を詳細に記載しなけ

ればならない(

附属書 参照)。

機械と関連装置との間のダクト,ケーブルトレイ又はケーブル支持物を使用者が準備する場合は,これ

らの寸法,種類及び用途を詳細に記載しなければならない(

附属書 参照)。

電気装置の撤去又は作業のためのスペースが必要な場合には,これを図面に示さなければならない。

注記 1  据付け用文書の例は,JIS C 1082-4 に示されている。

さらに,相互接続図又は相互接続表も,必要であれば据付け用文書に含めなければならない。この接続

図又は表には,すべての外部接続に関する情報を記載しなければならない。複数の電源で運転する電気装

置の場合には,相互接続図又は相互接続表には,各電源を用いるために必要な配線変更又は相互接続を示

さなければならない。

注記 2  相互接続図及び相互接続表の例は,JIS C 1082-3 に示されている。

17.5

全体図及び機能線図

作動原理の理解を助けるために必要な場合は,全体図を納入技術文書に含めなければならない。全体図

は,相互接続のすべてを示す必要はなく,電気装置(構成品)を機能の相互関係とともに記号で表現する。

注記 1  全体図の例は,JIS C 1082 規格群に示されている。

機能線図は,全体図の一部としてもよく,追加として作成してもよい。

注記 2  機能線図の例は,JIS C 1082-2 に示されている。

17.6

回路図

回路図は,納入技術文書に含めなければならない。回路図には機械及び関連電気装置の電気回路を示さ

なければならない。JIS C 0617 規格群に採録されていない図記号は,回路図又はその附属文書に個別に示

し,説明しなければならない。構成品及び機器の記号及び識別は,すべての文書上及び機械上で一致して

いなければならない。

必要な場合には,ユニット間の相互接続用端子を示す図を提供しなければならない。この図は,簡略化

のために回路図と併用してもよい。この図には,各ユニットの詳細回路図との参照関係を含めることが望

ましい。


72

B 9960-1

:2008

電気回路図のスイッチ(接点)記号は,すべて(例えば,電気,空気,水,油)の供給源がオフで,機

械及びその電気装置を正常に起動できる状態(起動前の状態)を示さなければならない。

導体は,13.2 に従って識別しなければならない。

回路図は,これによって保全及び故障探求ができるように,また,回路の機能を容易に理解できるよう

に示さなければならない。制御機器及び構成品の機能に関する特性を,その記号では明確に表現できない

場合には,回路図中の図記号の近くに文字などで書き入れるか,又は脚注で示さなければならない。

17.7

運転マニュアル

技術文書には,電気装置の立上げ及び使用のための適切な手順を詳述した運転マニュアルを含めなけれ

ばならない。備えている安全方策には,特に注意を払うことが望ましい。

プログラム運転を行える装置の場合は,プログラミング方法,プログラミングに必要な装置,プログラ

ムの検証,及び必要なら追加安全手順についての詳細な情報を記載しなければならない。

17.8

保全マニュアル

技術文書には,調整,手入れ,予防検査,及び修理のための適切な手順を詳述した保全マニュアルを含

めなければならない。このマニュアルには,保全及び手入れの間隔,並びに記録に関する推奨事項を含む

ことが望ましい。

正しく作動することを検証する方法(例えば,ソフトウェアの試験プログラム)を備えている場合には,

その検証法の使い方を詳しく記載しなければならない。

17.9

部品表

部品表には,少なくとも,予防保全又は事後保全に必要な予備品又は交換品(例えば,構成品,機器,

ソフトウェア,試験装置,技術文書)を発注するために必要な情報を含めなければならない。装置の使用

者が在庫としてもつべき部品の推奨も含める。

18

検証

18.1

一般事項

この規格は,機械の電気装置に対する一般的要求事項を規定するものである。

特定の機械の検証の規模(範囲)は,その機械の製品規格が規定するものとする。その機械の製品規格

がない場合は,次の a),b),及び f)  の検証は必ず行わなければならない。さらに,c),d),及び  e)  の幾

つかを含めてもよい。

a)

電気装置がその技術文書に適合することを検証する。

b)

電源自動遮断による間接接触保護を採用している場合は,自動遮断による保護の条件を 18.2 に従って

検証する。

c)

絶縁抵抗試験(18.3 参照)

d)

耐電圧試験(18.4 参照)

e)

残留電圧に対する保護の検証(18.5 参照)

f)

機能試験(18.6 参照)

これらの試験を実施するときは,上の順序で行うことを推奨する。

電気装置を変更したときは,18.7 の要求事項を適用しなければならない。

試験は,関連する日本工業規格又は IEC 規格による測定機器を用いて行わなければならない。18.2 及び

18.3

の試験には,IEC 61557 規格群に適合する測定器を用いる。

検証結果は,文書化しなければならない。


73

B 9960-1

:2008

18.2

電源自動遮断による保護が達成される条件の検証

18.2.1

一般事項

電源自動遮断の条件(6.3.3 参照)は,試験によって検証しなければならない。

TN 接地系統における試験方法は,18.2.2 による。TN 接地系統電源における異なる条件(機械の状態)

に対するこれらの試験方法の適用は,18.2.3 による。

TT 接地系統における検証法は,附属書 JA による。 
IT 接地系統における検証法は,JIS C 60364-6-61 を参照。

18.2.2  TN

接地系統における試験方法

次に示す

試験 は,保護ボンディング回路の導通性を検証するための試験である。試験 は,電源自動

遮断によって保護される条件を検証するための試験である。

試験 1  保護ボンディング回路の導通性の検証

PE 端子(5.2 及び図 参照)と各保護ボンディング回路の関連ポイントとの間の抵抗値を,最大無負荷

電圧 24 V の電気的に分離された交流電源又は直流電源(例えば,SELV 電源。JIS C 60364-4-41 の 413.1

参照。

)で,0.2 A から約 10 A の間の電流で測定しなければならない。PELV 電源を用いると測定結果を誤

ることがあるので,PELV 電源は用いないほうがよい。抵抗測定値は,関連する保護ボンディング回路の

長さ,断面積,材質による予測値の範囲になければならない。

注記 1  導通性試験を大きな電流で行うと試験結果の精度がよくなる,特に大きい断面積又は短い線

路長の場合の低抵抗値を測定する場合は有効である。

試験 2  故障ループインピーダンス及び過電流保護機器の適切性の検証

電源導体の接続,

及び外部保護導体と機械の PE 端子との接続を検査によって検証しなければならない。

電源自動遮断の条件が 6.3.3 及び

附属書 に適合することを,次の 1)  及び 2)  によって検証しなければ

ならない。

1)

故障ループインピーダンスを,次のいずれかによって検証する。

−  計算による。

−  A.4 に従って測定する。

2)

関連する過電流保護機器の設定値及び特性が

附属書 の要求事項に適合していることを確認する。

注記 2  故障ループインピーダンス試験は,遮断電流 I

a

が約 1 kA までの範囲で自動遮断器による

保護を行う場合に適用できる(I

a

は,遮断器が

附属書 で規定する時間内に自動遮断す

る電流値である。

18.2.3  TN

接地系統への試験方法の適用

18.2.2

試験 は,機械の各保護ボンディング回路に対して行わなければならない。

18.2.2

試験 を測定によって実施するときは,常に試験 の後に実施しなければならない。

注記  ループインピーダンスの試験中に保護ボンディング回路を断路すると,試験実施者その他に危

険状態を招くことがあり,また,電気機器を破壊することもあり得る。

機械の状態の違いに応じて必要な試験は,

表 による。機械の状態を決定するために表 10 を用いること

ができる。

18.3

絶縁抵抗試験

絶縁抵抗試験を実施する場合は,500 V メガーを用いて電力回路と保護ボンディング回路との間の絶縁

抵抗値を測定し,測定値が 1 MΩ 以上でなければならない。試験は電気装置全体を個々の区画に分けて実

施してもよい。


74

B 9960-1

:2008

例外  例えばブスバー,導体ワイヤ又は導体バーシステム,スリップリング機構のような電気装置の

特定部分には,より低い下限値が許されるが,その値は 50 kΩ 以上でなければならない。

機械の電気装置に,絶縁試験中に作動する可能性のあるサージ保護機器が含まれている場合は,次のこ

とを行ってもよい。

−  これらの機器を取り外す,又は,

−  試験電圧をサージ保護機器の電圧保護レベルより低い値に下げる。ただし,供給電圧の上限のピーク

値(中性線と相導体間)より低くしてはならない。

18.4

耐電圧試験

耐電圧試験を実施する場合は,IEC 61180-2 に適合する計測機器を用いることが望ましい。

公称周波数 50 Hz 又は 60 Hz の試験電源を用いなければならない。

最大試験電圧は,機器の定格供給電圧の 2 倍又は 1 000 V の大きい方とする。最大試験電圧を回路の相

導体と保護ボンディング回路との間に約 1 秒間加える。

この試験電圧に耐えられない定格の部品及び機器は,試験中は取り外さなければならない。

部品及び機器の製品規格によって耐電圧試験を実施済みの部品は,試験中取り外してもよい。

18.5

残留電圧保護

必要ならば,6.2.4 の規定を満足することを確認する試験を行わなければならない。

18.6

機能試験

電気装置の機能は,試験しなければならない。

電気的安全のための回路の機能(例えば,地絡検出)は,試験しなければならない。

18.7

再試験

機械及び関連装置の一部を変更した場合には,必要ならば変更部分の再検証及び再試験を行わなければ

ならない(18.1 参照)

再試験によって生じる可能性のある過酷な影響について特別な注意をすることが望ましい(例えば,絶

縁試験,機器の取外し・再接続によって生じる過度のストレスに対して。


75

B 9960-1

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表 9TN 接地系統における試験方法の適用

手順

機械の状態

現場での検証

A

現場で組立・接続が行われた機械の電気装置であ

って,組立・接続後に保護ボンディング回路の導通
性が確認されていない。

試験 及び試験 を行う。

例外  故障ループインピーダンス又はループ抵抗の
計算が前もって行われていて,次の省略条件を満足

する場合は,

試験 を省略してよい。すなわち,現

場で接続した保護ボンディング回路に

試験 を適用

し,電源接続及び外部保護導体と機械の PE 端子との

接続を目視検査するだけでよい。 
試験 を省略できる条件 
・  計算に用いた導体長及び断面積を,据付状態で確

認できる。

・  現場の電源インピーダンスが,ループインピーダ

ンスの計算時に想定した電源インピーダンスの

値より小さいことが確認できる。

B

表 10 に示すケーブル長を超える保護ボンディン

グ回路をもち,

試験 又は試験 による保護ボンデ

ィング回路の導通性の検証(18.1 参照)を測定によ

って確認してから納入された機械で; 
 
 
ケース B1):  出荷時に分解せずに完全組立状態で

納入されている。 
 
ケース B2):  出荷時に分解したが,分解,輸送,

再組立後の保護導体の導通性が保証されている(例
えば,プラグ・ソケット対を用いることによって。

試験 を行う。

例外  現場の供給電源インピーダンスが,ループイ
ンピーダンスの計算に用いた値以下であるか,又は
試験 の計測用電源のインピーダンス以下であるこ
とが確認できる場合は,現場での実測試験を省略し,
次の検証を行うだけでよい。

・  ケース B1)の場合:  電源導体の接続及び外部保

護導体と機械の PE 端子との接続が正しいことの
検証。

・  ケース B2)の場合:  電源導体の接続及び外部保

護導体と機械の PE 端子との接続が正しいことの
検証,及び出荷時切り離した電気装置のすべての

保護導体が正しく接続されたことの検証。

C

保護ボンディング回路が,

表 10 に示すケーブル

長を超えず,

試験 又は試験 による保護ボンディ

ング回路の導通性の検証(18.1 参照)を測定によっ
て確認してから納入された機械で;

ケース C1):  出荷時に分解せず完全組立状態で納
入されている。

ケース C2):  出荷時に分解したが,輸送,再組立

後の保護導体の導通性が保証されている(例えば,
プラグ・ソケット対を用いることによって。

現場試験は省略してよい。

プラグ・ソケット対以外の方法で電源を接続する

機械では,外部保護導体と機械の PE 端子との接続が
正しいことを目視検査で検証しなければならない。

 
 
ケース C2)の場合は,出荷時に切り離したすべての保

護導体の接続を検証(例えば,目視検査)する必要
があることを,据付け用文書(17.4 参照)に示さな

ければならない。


76

B 9960-1

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表 10−各保護機器からその負荷までの最大許容ケーブル長の例

1

各保護機器

までの電源

インピーダ
ンス

(mΩ)

2

断面積(mm

2

3

保護機器

の定格値

又は設定

I

N

(A) 

各保護装置から負荷までの最大ケーブル長(m)

4

ヒューズ 
 
 
 
 
溶断時間 
5 秒

5

ヒューズ 
 
 
 
 
溶断時間 
0.4 秒

6

小形サー 
キットブ

レーカ

特性 B 
(IEC 
60898
)

I

a

  =  5I

N

遮断時間 
0.1 秒

7

小形サー 
キットブ

レーカ

特性 C 
(IEC 
60898
)

I

a

  = 10 I

N

遮断時間 
0.1 秒

8

調整式サ 
ーキット

ブレーカ

 
 
 
I

a

  = 8 I

N

遮断時間 
0.1 秒

500 1.5

16

97

53

76

30

28

500

2.5

20

115 57  94 34 36

500

4.0

25

135 66 114 35 38

400 6.0

32

145

59

133

40

42

300 10

50

125

41

132

33

37

200 16

63

175

73

179

55

61

200 25(相導体)/ 16(PE)

80

133

38

100 35(相導体)/

16(PE)

100

136

 

73

100 50(相導体)/25

(PE)

125

141

 

66

100 70(相導体)/35

(PE)

160

138

 

46

50 95(相導体)/

50(PE)

200

152

 

98

50 120(相導体)/

70(PE)

250

157

 

79

表 10 の最大許容ケーブル長の値は,次の仮定に基づいている。 
−  銅導体 PVC ケーブルであって,導体温度は短絡状態で 160  ℃(

表 D.5 参照)。

−  相導体(1 本)の断面積が 16 mm

2

以下の多心ケーブルは,同じ断面積の保護導体を備えている。

−  相導体(1 本)の断面積が 16 mm

2

  を超える多心ケーブルは,斜線の次に××(PE)で示す断面積の保護

導体を備えている(欄 を参照)

−  3 相電源であって,電源公称電圧は 400 V とする。

−  各保護機器に対する最大供給電源インピーダンスは欄 による。

−  欄 の値は,

表 612.4 参照)に示す許容電流に関連している。

注記  これらの仮定から外れる場合は,故障ループインピーダンスの完全な計算又は測定が必要である。詳しい

情報は,JIS C 3664 及び IEC 61200-53 に示されている。


77

B 9960-1

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附属書 A

規定)

TN

接地系統における間接接触保護

序文

この附属書は,TN 接地系統の電源を用いる場合の間接接触保護について規定する。この附属書は,JIS 

C 60364-4-41:2006

及び JIS C 60364-6-61:2006 に基づいている。

A.1

一般事項

間接接触に対する保護は,回路又は装置内で,充電部と露出導電性部分又は保護導体との間に絶縁不良

が発生したとき,十分短い遮断時間内に電源を自動的に回路又は装置から遮断する過電流保護装置によっ

て行わなければならない。手持ち式及び携帯式以外の機械では,5 秒以下を十分短い時間とみなす。

例外  この遮断時間を達成できない場合は,同時に接触できる二つの導電性部分間の接触電圧が,交

流 50 V r.m.s.又は直流 120 V(リップルを除く)を超えないようにする方策(例えば,追加の保

護ボンディング)を実施しなければならない。

注記  一般に,接触電圧が 50 V を超過している限り 5 秒という遮断時間では間接接触保護はできない。

ただし,TN 接地系統の配電線路(負荷機器ではない。

)の場合は,次の理由から 5 秒の遮断時

間が認められている。

a)

配電回路における故障発生確率は小さい。

b)

配電回路に設置されている機器は据付け形機器で,故障発生期間中にこのような機器に接

触する確率は極めて小さい。

c)

この種の機器には通常取っ手がなく,故障時に人は容易に離脱することができる。

d)

接触電圧は等電位ボンディングにより低減される。

e)

負荷に,始動時間が長く,大きな始動電流をもつ電動機がある場合に,過電流保護器の作

動時間を短く設定することは困難であるが,5 秒の遮断時間ならば,大概の場合をカバー

できる。

f)

配電回路に端末機器用分岐回路が接続されている場合には,その端末機器のエンクロージ

ャの接地には局部的等電位ボンディングが追加され,それが当該システムの主等電位ボン

ディングに含まれ,かつ,主等電位ボンディングの要件を満たすものとする。

クラスⅠの手持ち式機械又は携帯式機械に給電する回路に対しては,

十分短いといえる最大遮断時間は,

コンセントを経由するしないにかかわらず

表 A.1 による(例えば,機械に備えた附属機器用コンセントに

対しては 15.1 参照。


78

B 9960-1

:2008

表 A.1TN 接地系統における最大遮断時間

U

o

(V)

a)

遮断時間(秒)

120 0.8 
230 0.4 
277 0.4 
400 0.2

>400 0.1

注記  IEC 60038 に規定する許容範囲内の電圧に対しては,公称値に対する遮断時間を適用する。中

間値の電圧に対しては,この表中のそれより高い直近の電圧に対する値を用いる。

a)

  U

o

は,対地公称電圧(交流実効値)である。

A.2

過電流保護装置による電源自動遮断で保護が達成される条件

過電流保護装置の特性及び回路インピーダンスは,電気装置内で相導体と保護導体又は露出導電部との

間にインピーダンス 0 に近い地絡が生じたとき,規定の時間内(すなわち,  5 秒以内又は

表 A.1 の値以内)

に自動的に電源回路が遮断されるようにしなければならない。この要求は,次の式が成り立てば満足され

る。

Z

s

 × I

a

 

≦  U

o

ここに,

Z

s

:  電源,電源から地絡点までの充電導体,及び地絡点から電源ま

での保護導体からなる地絡ループのインピーダンス。

I

a

:  規定時間内に保護装置を自動的に作動(遮断)させる地絡電流

U

o

:  接地電位に対する交流公称電圧

地絡電流による温度上昇によって導体抵抗が上昇することを考慮しなければならない(A.4.3 も参照。

注記  短絡電流の計算に関する情報は,例えば,IEC 60909 規格群,地絡保護装置製造業者から得る

ことができる。

A.3

接触電圧を 50 V 以下に抑える保護の条件

A.2

の要求事項を満たせず,危険な接触電圧に対する保護として追加の保護ボンディングを行う場合,

この保護方策に必要な条件は,接触電圧を 50 V 以下に低減し,保護回路のインピーダンスが次の式の値を

超えないことである。

S

o

PE

50

Z

U

Z

×

ここに,  Z

PE

:  機械及び電気装置内の機器と PE 端子との間を接続する保護ボ

ンディング回路(5.2 及び

図 参照)のインピーダンス,又は,

同時に接触できる露出導電性部分若しくは外部導電性部分間

のインピーダンス。

この条件の確認には,18.2.2 

試験 の R

PE

を測定する方法を用いることができる。R

PE

が次の式の値を

超えなければ,保護の条件を満たすといえる。

( )

s

5

a

PE

50

I

R

ここに,  I

a(5s)

保護機器が 5 秒で作動する電流

R

PE

機械及び電気装置内の機器と PE 端子間の保護ボンディング

回路(

5.2

及び

図 2

参照)の抵抗,又は同時に接触できる露出


79

B 9960-1

:2008

導電性部分若しくは外部導電性部分間の抵抗。

注記 1

  追加の保護ボンディングは,間接接触保護における追加方策とみなされる。

注記 2

  追加の保護ボンディングは,機械及び電気装置の全体を対象にすることもあり,一部に対し

て実施することもある。

A.4

電源自動遮断による保護が達成される条件の検証

A.4.1

一般事項

A.2

に従う電源自動遮断による間接接触保護方策の有効性検証は,次によって行う。

−  遮断器の公称作動電流設定値及びヒューズの電流定格の目視検査による当該保護装置の特性検査,

及び,

−  地絡ループインピーダンス Z

s

の測定

例外

地絡ループインピーダンス又は保護導体の抵抗の計算値があり,かつ,据付け状態で保護導

体の長さと断面積を検査できる場合は,測定を省略し保護導体の導通性を検査するだけでよ

い。

A.4.2

地絡ループインピーダンスの測定

地絡ループインピーダンスの測定は,

IEC 61557-3

に適合する測定器を用いて行わなければならない。

測定器の説明書に与えられている測定精度及び測定手順を考慮しなければならない。

機械の運転に用いる電源と同じ周波数の電源に接続して測定しなければならない。

注記

  機械の地絡ループインピーダンス測定の一例を

図 A.1

に示す。試験中に電動機が接続されてい

ることが実際的でない場合は,試験に供しない二つの相導体は,例えば,ヒューズを外すなど

によって開放してもよい。

A.4.3

導体抵抗の測定値と短絡状態の実際値に対する考慮

注記

  測定は,常温において低電流によって行うので,

A.2

の要求に対する適合性を検証するには,

地絡電流によって導体が温度上昇することによる抵抗増加を考慮する必要がある。

地絡電流による導体の温度上昇に伴う抵抗増加は,次の式で考慮する。

( )

a

o

m

s

3

2

I

U

Z

×

ここに,  Z

s(m)

: Z

s

の測定値

地絡ループインピーダンスが 2U

o 

/3I

a

を超える場合の更に詳しい評価は,

JIS C 60364-6-61

E.612.6.3

の手順に従って行うことができる。


80

B 9960-1

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図 A.1

故障ループインピーダンス測定の例


81

B 9960-1

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附属書 B

参考)

機械の電気装置のための調査書

序文

この附属書は,機械の電気装置の供給者及び使用者の便宜のために参考として示すものであって,規定

の一部ではない。

B.1

  機械の電気装置使用者は,次の表(調査書)に示す情報を供給者に提供することを推奨する。この

ことは,機械の電気装置の適切な設計,適用及び利用を可能にするために,使用者と供給者との間で基本

条件及び使用者の追加要求事項に関する合意を得るために有益である(

4.1

参照)

調査項目

記入欄

製造業者名・供給者名

最終使用者名

見積番号・発注番号

日付

機械の形式

製造番号

特別条件(本体の箇条 参照)

a)

この機械は,屋外で使用されるか? 

はい/いいえ

b)

この機械は,爆発する可能性のある材料を使
用,加工又は製造するか? 

はい/いいえ

はいの場合
は詳細

c)

この機械は,爆発性又は可燃性雰囲気の中で

使用されるか? 

はい/いいえ

はいの場合

は詳細

d)

この機械は,ある材料を製造又は用いるとき

に特別な危険を生じることがあるか? 

はい/いいえ

はいの場合

は詳細

e)

この機械は,鉱内で使用されるか?

はい/いいえ

電源に関する条件(4.3 参照)

a)

予想される電圧変動(±10  %を超える場合)

b)

予想される周波数変動(±2  %を超える場

合)

連続

短時間

c)

将来電気装置の変更によって追加を必要と

する電源条件があれば記入する。

d)

本体の箇条 に規定する値より長い瞬時停

電のある電源条件で正常運転を続ける必要
があるならば,その瞬停時間を明示する。

物理環境及び運転条件(4.4 参照)

a)

電磁環境(4.4.2 参照)

住宅,商業又は軽

工業環境

工業環境

特別な条件又は要求

b)

周囲温度範囲

c)

湿度範囲

d)

高度(海抜)

e)

特別な環境条件(例えば,腐食性雰囲気,ほ

こり,湿潤な環境)


82

B 9960-1

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調査項目

記入欄

f)

放射線

g)

振動,衝撃

h)

据付け及び運転の特別な要求事項(例えば,

ケーブル及び導体の難燃性要求事項)

i)

輸送及び保管(例えば,4.5 に規定する範囲

外の温度)

入力電源

各電源の仕様を記入する。

a)

公称電圧(V)

交流

直流

交流の場合

相数

周波数

機械との電源接続点における予想短絡電
流(この表の も参照)

kA r.m.s.

b)

供給電源の接地系統(JIS C 60364-1 参照)

TN:電源の 1 点
を 直 接 接 地 し て

い て , 保 護 導 体
(PE)

がその点に

直 接 接 続 さ れ て

いる接地系統。接
地点が中性点(星

形 結 線 の 中 点 )

か,他の点かを指
定する。

 TT:電源の 1 点

を直接接地して

いるが,機械の
保護導体(PE)

は電源系統の接

地点に接続され
ていない接地系

統。

IT:電源を直接接
地 し て い な い 系

統。

c)

電気装置は,電源の中性線(N)に接続する

か?(5.1 参照)

はい

いいえ

d)

電源断路器

中性線(N)の断路が必要か?

はい

いいえ

中性線(N)の断路に取外し可能なリンク

を必要とするか?

はい

いいえ

用意すべき電源断路器の形式は?

感電保護(本体の箇条 参照)

a)

装置の通常運転中,エンクロージャ内にアク

セスする人の技量レベルは?

電気取扱者

電気作業員

b)

ドア又はカバーを施錠するキー(抜取り式で

別の場所に保管できる。

)を付けるか?(6.2.2

参照)

はい

いいえ

c)

間接接触保護のための漏電遮断器を電気装
置に設けるか?  設ける場合,その特性は?

6.3.3 参照)

はい

いいえ

装置の保護(本体の箇条 参照)

a)

使用者又は供給者が,給電導体(電気装置の

構成外)のための過電流保護機器を用意する

か?(7.2.2 参照)

はい

いいえ

過電流保護機器の形式と定格

形式

定格

b)

供給電源に直接接続して直入れ始動する三

相誘導電動機の最大出力(kW)は?


83

B 9960-1

:2008

調査項目

記入欄

c)

電動機の過負荷検出機器の数は減らしてよ
いか?(7.3 参照)

はい

いいえ

運転 

ケーブルレス制御において,正規の信号がなくな
ってから自動的に機械を遮断するまでの時間は

何秒とするか?

オペレータインタフェース及び機械に取り付

けた制御機器(本体の箇条 10 参照)

特別な色の選択(例えば,既に存在する機械に合

わせるなど)

起動

停止

その他

制御装置 

エンクロージャの保護等級(11.3 参照)又は特別

な条件

10 

配線(本体の箇条 13 参照)

導体識別に特別な方法を用いるか?(13.2.1 

照)

はい

いいえ

その形式

11 

附属品及び照明(本体の箇条 15 参照)

a)

特別なタイプのコンセントが必要か?

はい

いいえ

そのタイプ

b)

保 全 用 コ ン セ ン ト に 漏 電 電 流 保 護 装 置
(RCD)を用いる追加の保護が必要か?

はい

いいえ

c)

機械の局部照明について

最大許容電圧 V

照明回路電圧を

電源から直接と

らない場合,望
ましい電圧はい

くらかを記入す

る。

12 

マーキング,警告標識及び略号(本体の箇条

16

参照)

a)

機能表示(16.3 参照)

詳細仕様

b)

刻印,特殊マーキング

電 気 装 置 に 付 け
るか?

言語は?

c)

認証マークは必要か?

はい

いいえ

認証機関は?

13 

技術文書(本体の箇条 17 参照)

a)

技術文書(17.1 参照)

媒体は?

言語は?

b)

使用者が準備するべきダクト,開放形ケーブ

ルトレイ又はケーブル支持物の寸法,配置及

び用途(17.5 参照)

c)

機械又は制御装置を据付場所まで輸送する
ときの寸法及び質量に対する特別の制限が

あれば記入する。

最大寸法

最大質量

d)

特別注文の機械の場合,実負荷運転試験の証

明書が必要か?

はい

いいえ

e)

その他の機械の場合,プロトタイプの機械で

実負荷運転形式試験の証明書は必要か?

はい

いいえ


84

B 9960-1

:2008

附属書 C 

参考)

この規格を適用する機械の例

序文

この附属書は,この規格を適用する機械の例示であって,規定の一部ではない。

C.1

この規格を適用する機械の例

次のリストは,その機械に用いる電気装置をこの規格に適合させることが望ましい機械の例である。こ

のリストは,適用対象の機械をすべて挙げているわけではなく,機械の定義(

3.35

参照)に矛盾しないも

のを挙げてある。

IEC 60335

規格群の適用範囲にある家庭用電気器具及びそれに類似する家庭用器具の機械には,この規

格を適用する必要はない。

金属加工機械農業

−  金属工作機械

−  金属成形機械

プラスチック及びゴム機械

−  射出成形機

−  押出機

−  ブロー成形機

−  熱硬化成形機

−  粉砕機

木工機械

−  木材加工機械

−  ラミネート機

−  製材機械

組立機械

材料搬送機械

−  ロボット

−  コンベヤ

−  トランスファーマシン

−  立体自動倉庫

繊維機械

冷凍機空調機

食品機械

−  パン生地打ち機

−  混合機

−  パイ製造機

−  食肉加工機


85

B 9960-1

:2008

印刷・紙機械

−  印刷機

−  仕上機械,断裁機,製本機

−  巻取機,スリット機

−  ホルダボックスのり(糊)付機

−  製紙機

検査試験機械

−  三次元測定機

−  インプロセスゲージマシン

コンプレッサ

包装機械

−  パレタイザ,デパレタイザ

−  袋詰機及び収縮式袋詰機

洗濯機

加熱機及び換気機械

皮革製品及び履物用機械

−  切断,孔あけ機

−  粗加工,磨きとり,研磨,トリミング及びブラシ機械

−  履物成形機

−  靴型機

巻上機械

−  クレーン

−  ホイスト

乗客運搬用機械

−  エスカレータ

−  乗客用ロープウェイ

−  乗客用リフト

動力駆動扉

レジャー機械,遊園地の乗り物

−  遊園地の乗り物

ポンプ

農業及び林業機械

建設及び建材機械

−  トンネル掘進機

−  バッチ式コンクリート機械

−  れんが製造機

−  石材,セラミック,ガラス製造機

可搬式機械

−  木工機械

−  金属加工機械


86

B 9960-1

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移動機械

−  昇降形プラットホーム

−  フォークリフト

−  建設機械

高熱金属加工用機械

製革機械

−  多ローラ機械

−  バンドナイフ機械

−  油圧製革機械

鉱山及び採石機械


87

B 9960-1

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附属書 D 

参考)

機械の電気装置の導体及びケーブルの電流容量,及び過電流保護

序文

この附属書は,参考であって,規定の一部ではない。

この附属書は,

表 6

の条件(箇条

12

参照)を変更する必要がある場合,導体サイズの選定に関する追加

情報を提供することが目的である(

表 6

注記

を参照。

D.1

一般使用条件

D.1.1

周囲温度

表 6

の PVC 絶縁銅導体の電流容量は,周囲温度が+40  ℃の場合のものである。異なる周囲温度の場合

には,

表 D.1

に示す係数を用いてその値を補正できる。

ゴム絶縁ケーブルの補正係数は,製造業者が指定するものを用いる。

表 D.1

電流容量補正係数

周囲温度  ℃

補正係数

30 1.15 
35 1.08 
40 1.00 
45 0.91 
50 0.82 
55 0.71 
60 0.58

注記  補正係数は JIS C 60364-5-52 からの引用である。

PVC の通常時の最高許容温度は 70  ℃である。

D.1.2

布設方法

機械では,エンクロージャと各電気用品との間の導体及びケーブルの布設方法は,

図 D.1

及び次に示す

方法が代表的なものである(布設方法の分類記号は,

JIS C 60364-5-52

による。

方法 B1:  導体又は単心ケーブルを保持,保護するために,コンジット(

3.7

参照)及びケーブルト

ランキングシステム(

3.5

参照)を用いる。

方法 B2:  B1 と同じであるが,多心ケーブルに用いる。

方法 C  :  開放壁面上に,すき間なく水平又は垂直に多心ケーブルを布設する。

方法 E  :  開放ケーブルトレイ(

3.4

参照)上に,垂直又は水平に多心ケーブルを布設する。


88

B 9960-1

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図 D.1

導体及びケーブルの布設方法

(条数を規定する図ではない。

D.1.3

密集布設

グループ布設

布設するケーブル内又は束線内の負荷電流を流す導体の回路数又はペア数が,

表 6

に示す条件より多い

場合には,

表 6

に示す  I

z

の値又はケーブル製造業者が示す許容電流値から

表 D.2

及び

表 D.3

に従って低減

できる。

注記

  I

b

(設計電流)が I

 z

(電流容量)の 30  %を超えない回路では低減する必要はない。

表 D.2

密集布設する場合に適用する単独布設の I

z

からの低減率

布設方法

図 D.1 参照。注記 参照。)

負荷電流を流す導体,ケーブルの数

2 4 6 9

B1:(単心の場合),及び B2(多心ケーブルの場合) 0.80

0.65

0.57

0.50

C:すき間なく布設した単層ケーブル 0.85

0.75

0.72

0.70

E:孔のあいた一つのトレイ上にすき間なく一層に布設したケ

ーブル

0.88 0.77  0.73

 0.72

E: 300 mm の垂直間隔で 2∼3 段に配置した孔のあいたトレイ

上にすき間なく一層に布設したケーブル(

注記 参照)

0.86 0.76  0.71

 0.66

0.5 mm

2

以下の制御回路のペア線(布設方法を問わない。

0.76      0.57

0.48

0.40


89

B 9960-1

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表 D.2

密集布設する場合に適用する単独布設の I

z

からの低減率

続き

注記 1  この表の係数は,次のものに適用できる。

−  各心に均等な負荷電流を流すケーブル,対称の負荷電流を流す導体ペア。

−  同じ許容最高使用温度をもつ絶縁導体及びケーブルのグループ。

注記 2  この表の係数は,次にも適用できる。

−  2 条又は 3 条の単心ケーブルのグループ。

−  多心ケーブル

注記 3  この表の係数は,JIS C 60364-5-52 からの引用である。 
注記 4  孔のあいたケーブルトレイ(打抜き形トレイ)とは,孔の面積が底面の 30  %以上を占めるトレイを

いう(JIS C 60364-5-52 

附属書 による。)。

表 D.3

多心ケーブルの I

z

からの低減率

導体断面積 10 mm

2

以下

負荷電流を流す単線又はペア線の数

断面積>1mm

2

の導体

注記 参照)

断面積 0.25∼0.75 mm

2

ペア線

1

− 1.0

3 1.0

5 0.75

0.39

7 0.65

0.34

10 0.55

0.29

24 0.40

0.21

注記 1  係数は,均等に負荷電流が流れる単線又はペア線の多心ケーブルに適用する。 
注記 2  多心ケーブル群(密集布設)の低減率は,表 D.2 を参照。 
注記 3  係数は,JIS C 60364-5-52 から導かれている。

D.1.4

導体のクラス分け

導体は,

表 D.4

のようにクラス分けできる。

表 D.4

導体のクラス分け

クラス

仕様

用途

1

銅又はアルミニウムの単線

固定据付け品

2

銅又はアルミニウムのより線

5

フレキシブルな銅のより線 

振動のある固定据付け機械用,

可動部への接続用 
 
頻繁に運動する機械装置用

6

クラス 5 より更にフレキシブルな導

体を用いた銅のより線

注記  この表の内容は,JIS C 3664 からの引用である。

D.2

導体と過負荷保護機器との協調

図 D.2

に,導体のパラメタと過負荷保護機器のパラメタとの関係を示す。


90

B 9960-1

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図 D.2

導体及び保護機器のパラメタ

ケーブル保護が正しく作動するためには,保護機器(例えば,過電流保護機器,電動機過負荷保護機器)

の過負荷に対する特性が次の条件を満たす必要がある。

I

b

≦  I

n

≦  I

z

  (1)

I

2

≦ 1.45×I

z

  (2)

ここに,  I

b

:  回路の設計電流

I

z

:  実際の使用状態において

表 6

に従って連続通電するケーブルの

実効電流容量(A)

−  温度に対する I

z

の低減率は,

表 D.1

を参照。

−  密集布設に対する I

z

の低減率は,

表 D.2

を参照。

−  多心ケーブルに対する I

z

の低減率は,

表 D.3

を参照。

I

n

:  保護装置の公称電流

注記 1

  作動値を調整できる保護装置の公称電流 I

n

は,選択し

た設定値である。

I

2

:  保護装置が規定の時間内(例えば,63 A 以下の保護装置に対し

て 1 時間以内)に有効に作動することを保証する最小電流。

保護装置が有効に作動する電流の最小値 I

2

は,製品規格又は製造業者から入手する。

注記 2

  電動機回路の導体の過電流保護は,短絡保護装置による短絡保護を備えた電動機過負荷保護

によって行うことができる。

過負荷保護と過電流保護の両方を備えた保護装置を,

D.2

に従って導体の過負荷保護に用

いることは,すべてのケース(例えば,I

2

以下の電流による過負荷)に対して完全な保護を

保証できるわけではなく,それが経済的な解決策になるとは限らないから,I

2

以下の電流に

よる過負荷があり得る場合には,このような装置は不向きである。

D.3

導体の過電流保護

すべての導体は,充電導体の回路に組み込まれている保護機器によって,過電流から保護することが必

要である(

7.2

参照)

。保護は,導体温度が最大許容温度に達する前に導体を流れる短絡電流を遮断するこ

とによって行う。

注記

  中性線については

7.2.3

(第 2 段落)を参照。

電流容量 I

z

導体の 
パラメタ

保護機器の 
パラメタ

公称電流又は 
設定電流 I

n

トリップ電流 I

2

の許容範囲

1.45×I

z

I (A)

設計電流 I

b


91

B 9960-1

:2008

表 D.5

定常時及び短絡時の最高許容導体温度

絶縁体の種類

定常時の

最高許容導体温度

短絡時の

短時間最高許容導体温度

a)

ビニル(PVC)

70  160

ゴム

60

200

架橋ポリエチレン(XLPE)

90

250

エチレンプロピレンゴム混合物
(EPR)

 90

250

シリコンゴム(SiR) 180

350

注記  銅導体は,すず(錫)めっき又はめっきなしでは 200  ℃以上の短時導体温度には適さない。200  ℃

を超える用途には銀めっき又はニッケルめっきのものが適する。

a)

  これらの値は,経過時間 5 秒以内の断熱作用に基づくものである。

実際に

7.2

の要求事項を満足するには,保護機器が電流 のとき 5 秒未満の時間 で回路を遮断すればよ

い。時間 t(秒)は,次の式から求める。

t

= ( × S / I )

2

< 5 秒

ここに,

S

:  断面積  (mm

2

)

I

:  短絡電流  (A)  交流の場合は実効値

k

:  銅導体の係数  絶縁物によって次の値をとる。

PVC 115

ゴム 141

SiR 132

XLPE 143

EPR 143

特性が gG 及び gM(

IEC 60269-1

参照)のヒューズ及び

IEC 60898

による特性 B 及び C の回路遮断器を

用い,公称電流 I

n

が I

n

≦  I

z 

となるように,

表 6

によって選定すれば,

表 D.5

の温度限界値を超えないこ

とが保証される。


92

B 9960-1

:2008

附属書 E

参考)

非常操作機能の説明

序文

この附属書は,参考であって,規定の一部ではない。

E.1

非常操作機能の説明

非常操作機能の理解を助けるために,関連用語をここに採録した。ただし,この規格では,そのうちの

二つの用語を用いている。

非常操作

非常操作には,次の単独操作又は組合せ操作がある。

−  非常停止

−  非常起動

−  非常スイッチングオフ

−  非常スイッチングオン

非常停止

危険になったプロセス又は運動を停止させるための非常操作。

非常起動

危険状態を除くため又は避けるために,プロセス又は運動を開始するための非常操作。

非常スイッチングオフ

感電のリスク又は電気に起因するその他のリスクを発生した設備の全体又はその一部に対し,電気エネ

ルギーの供給を遮断するための非常操作。

非常スイッチングオン

ある設備のうち非常事態において用いることが目的の部分に,電気エネルギーを供給するための非常操

作。


93

B 9960-1

:2008

附属書 F

参考)

この規格の適用指針

序文

この附属書は,参考であって,規定の一部ではない。

この規格は,機械の電気装置のための一般的要求事項を数多く規定しているが,要求事項には,特定の

機械の電気装置に対しては,適用できるものと適用できないものがある。したがって,特定の電気装置に

単純にこの規格全体を引用すると不完全な規定をすることとなる。この規格の要求事項を取り入れるとき

は,幾つかの選択を必要とする。

F.1

適用の指針

製品分野別の規格又は製品規格を作成する専門委員会,及び製品分野規格又は製品規格のない機械の供

給者は,この規格を次のように用いるとよい。

a

)  全体を適用する。

b

)  関連する要求事項の中から最も適切なものを選択して適用する。

c

)  当該機械の電気装置に対して,特定の要求事項を適切に規定する他の規格がある場合,必要に応じて

この規格の該当箇条を変更して適用する。

この規格から選択又は変更して適用する場合は,リスクアセスメントによってその機械に要求される保

護のレベルを悪化させないことが必要である。

上記の原則

a

),

b

)

及び

c

)

を適用するときは,次の方法によるとよい。

−  この規格の中の関連する箇条及び細分箇条を引用する。

1

)  この規格から選択して変更せずに適用する事項を示す。

2

)  特定の機械又は装置に対して,この規格の一部を変更又は拡張して適用する事項を示す。

−  当該電気装置の要求事項を適切に規定している他の規格から直接引用する事項を示す。

いずれの場合にも,次のことを遂行できる専門的知識が必要である。

−  当該機械について必要なリスクアセスメントを実施する。

−  この規格の要求事項全体を読み,理解する。

−  この規格内の選択肢から,適用すべき要求事項を選択する。

−  当該機械とその用途から,この規格の規定と異なる,又はこの規格にない要求事項が必要な場合,置

き換え又は追加するべき固有の要求事項を特定する。

−  その特定した固有の要求事項を正確に規定する。

この規格の

図 1

は,典型的機械のブロック図である。

図 1

は,この規格を適用するときの最初の段階で

用いるとよい。

図 1

には,各要求事項又は各装置を規定する箇条番号を示してある。

表 F.1

には,この規格を特定の機械に適用する場合の適用方法の選択肢及び他の関連規格を示す。


94

B 9960-1

:2008

表 F.1

この規格の適用方法選択肢

規定項目

箇条番号 i)

ii)

iii)

iv)

適用範囲

一般要求事項

JIS B 9700

規格群

JIS B 9702 

装置の選択

4.2.2

IEC 60439

規格群 

入力電源断路器

5.3

例外回路

5.3.5

JIS B 9700

規格群 

予期しない起動の防止,断路

5.4

5.5 及び 5.6

JIS B 9714 

感電保護

JIS C 60364-4-41 

非常操作

9.2.5.4

JIS B 9703 

両手操作制御

9.2.6.2

JIS B 9712 

ケーブルレス制御

9.2.7

故障時の制御機能

9.4

JIS B 9702

JIS B 9705-1 

JIS B 9961

ISO 13849-2

位置センサ

10.1.4

JIS B 9710 

制御機器,表示器の色及び

マーキング

10.2

10.3

及び 10.4

JIS C 0448

JIS B 9706

規格群 

非常停止用機器

10.7

JIS B 9703 

非常スイッチングオフ機器

10.8

制御装置−汚染物質などからの

保護

10.1.3

及び

11.3

JIS C 0920 

導体の識別

13.2

検証

18 

使用者の追加要求事項

附属書 B

この表は,特定の機械の要求事項を策定するに当たって次の i)  ∼iv)  の選択肢をとるとき,考慮するべき

この規格の箇条を i)  ∼iii)  欄の○印で示し,考慮するべき他の規格番号を iv)  欄に示している。

i)

この規格に与えられた手段を選択する。

ii)

この規格及び追加要求事項を適用する。

iii)

この規格とは別の要求事項を適用する。

iv)

他の関連規格を適用する。


95

B 9960-1

:2008

附属書 G 

参考)

代表的導体断面積の比較

序文

この附属書は,参考であって,規定の一部ではない。

導体断面積の比較表

表 G.1

は,導体サイズ及び AWG 番号と,導体断面積(mm

2

,平方インチ)

,及びサーキュラーミル

1)

比較を示す。

1)

  サーキュラーミル(circular mil)は,直径 0.001 inch(インチ)の円の断面積を 1 単位として表

す導体断面積である。

表 G.1

導体サイズの比較

導体サイズ

ゲージ No.

断面積

銅の直流抵抗

(20  ℃)

サ ー キ ュ ラ ー
ミル

mm

2

 (AWG)  mm

2

 inches

2

Ω/km

0.2

 0.196

0.000

304

91.62  387

 24

0.205

0.000

317

87.60 404

0.3

 0.283

0.000

438

63.46  558

 22

0.324

0.000

504

55.44 640

0.5

 0.500

0.000

775

36.70  987

20

0.519

0.000 802

34.45

1 020

0.75

0.750

0.001 162

24.80

1 480

18

0.823

0.001 272

20.95

1 620

1.0

1.000

0.001 550

18.20

1 973

16

1.31

0.002 026

13.19

2 580

1.5

1.500

0.002 325

12.20

2 960

14

2.08

0.003 228

8.442

4 110

2.5

2.500

0.003 875

7.56

4 934

12

3.31

0.005 129

5.315

6 530

4

4.000

0.006 200

4.700

7 894

10

5.26

0.008 152

3.335

10 380

6

6.000

0.009 300

3.110

11 841

8

8.37

0.012 967

2.093

16 510

10

10.000

0.001 550

1.840

19 735

6

13.3

0.020 610

1.320

26 240

16

16.000

0.024 800

1.160

31 576

4

21.1

0.032 780

0.829 5

41 740

25

25.000

0.038 800

0.734 0

49 338

2

33.6

0.052 100

0.521 1

66 360

35

35.000

0.054 200

0.529 0

69 073

1

42.4

0.065 700

0.413 9

83 690

50

47.000

0.072 800

0.391 0

92 756


96

B 9960-1

:2008

20  ℃以外の温度における抵抗値は,次の式で計算できる。

R

=  R1 [ 1  + 0.003 93 (t−20) ]

ここに,  R1: 20

℃における抵抗値

R

:  t  ℃における抵抗値


97

B 9960-1

:2008

附属書 JA

規定)

TT

接地系統における間接接触保護

序文

この附属書は,TT 接地系統の電源を用いる場合の間接接触保護について規定する。この附属書は,

JIS C 

60364-4-41

:2006 及び

JIS C 60364-6-61

:2006 に基づいている。TT 接地系統は,我が国で標準的に用いられ

る接地系統である。

JA.1

漏電遮断器による電源自動遮断

間接接触に対する保護を,漏電検出と電源自動遮断によって行う場合は,保護対象の装置内で充電部と

露出導電性部分又は保護導体との間に絶縁不良が発生したとき,十分短い遮断時間内に電源を自動的に遮

断しなければならない。

電源自動遮断は,次の条件に適合しなければならない。

R

A

×I

a

  ≦ 50 V  (1)

ここに,  R

A

:  露出導電性部分に接続する保護導体の抵抗と接地極の接地抵抗

との合計(Ω)

I

a

:  保護器の定格作動電流(A)

保護器が漏電遮断器である場合,I

a

は定格感度電流 I

△n

である。

保護器が過電流保護器である場合,I

a

は次のいずれかとする。

−  反限時特性をもつ保護器では,I

a

は 5 秒以内に自動遮断を可能にする電流,又は,

−  瞬時引外し特性をもつ保護器では,I

a

は瞬時引外しを可能にする最小電流とする。

この条件を満たすことができない場合,補助等電位ボンディングを適用しなければならない。

注記

  過電流保護機器を TT 接地系統の間接接触保護に使用できるのは,R

A

が非常に低い場合だけで

ある。一般に漏電遮断器の I

a

は mA のオーダであるのに対し,過電流保護機器の I

a

は A のオー

ダ(始動時の負荷電流よりも大きく設定する必要がある。

)であるから,一般に過電流保護機器

によって式(1)の条件を満たすことは困難である。例えば,I

a

= 50 A とした場合は,R

A

を 1  Ω

以下にしなければならないが,1  Ω 以下の接地抵抗を得ることは,一般には簡単でない。した

がって,TT 接地系統の間接接触保護は,一般に漏電遮断器によって行われる。

表 JA.1

は,TT 接地系統における間接接触保護のために,推定接触電圧(U

t

)に対して漏電遮断器の最

大遮断時間を規定する。ただし,露出導電性部分は,電気設備技術基準(強制法規)で規定される C 種接

地工事(接地抵抗値 10  Ω 以下)又は D 種接地工事(接地抵抗値 100  Ω 以下)によって接地されているも

のとする。


98

B 9960-1

:2008

表 JA.1

TT

接地系統における漏電遮断器の許容最大遮断時間

U

t

(V)

遮断時間(秒)

120 0.33 
230 0.16 
277 0.13 
400 0.07 
500 0.04

注記 1  U

t

は,間接接触時の推定接触電圧(交流実効値)である。間接接触時の推定接触電圧 U

t

が推定

できない場合には,対地公称電圧 U

o

(交流実効値)を適用できる。中間値の電圧に対しては,

表中のそれより高い直近の電圧に対する遮断時間を適用する。

注記 2  この表は,IEC 61200-413 の図 から導かれている。

JA.2

漏電遮断器による電源自動遮断で保護が達成される条件の検証

JA.1

に示す漏電遮断器を用いた電源自動遮断による間接接触保護方策の有効性の検証には,少なくとも

次のことを実施しなければならない。

−  漏電遮断器の定格感度電流値及び漏電引外し時間の目視検査,漏電遮断器の作動テスト,並びに漏電

遮断器及び保護ボンディング回路の接続ポイントの確実な接続(溶接,ねじ締めトルク)確認。

−  電気装置の露出導電性部分を接地する接地極の接地抵抗の測定(100 Ω 以下であること。

例外

  接地極が D 種接地の要求接地抵抗値(接地抵抗 100 Ω 以下)に管理され,保護導体の抵抗の

計算値があり,かつ,据付け状態で外部保護導体の長さ及び断面積を検査できる場合は,保

護導体の導通(接続)を確認するだけでよい。

注記

漏電遮断器の作動の検証及び接地抵抗の測定方法が

JIS C 60364-6-61

の附属書に記載されてい

る。


99

B 9960-1

:2008

附属書 JB

参考)

この規格が規定する側面と箇条との対応

序文

この附属書は,この規格の理解を助けるために記載するものであって,規定の一部ではない。

JB.1

この規格が規定する側面と箇条との対応

この規格は,機械類の電気装置の主として安全側面を規定するが,安全だけに限定していない。この規

格は次の側面を規定している。

−  人の保護

−  財産(もの)の保護

−  制御応答の一貫性

−  保全の容易性

財産の保護とは,加工中の工作物,機械,電気装置そのものなどを損傷から保護することをいう。

上に分類した各側面に特に関係深い箇条の対応を

表 JB.1

に示す。ただし,各箇条は,特定の側面だけを

規定しているわけではなく,部分的に他の側面も規定していることがある。

表 JB.1

この規格が規定する側面と箇条との対応

この規格が規定する側面

人の保護

財産(もの)の保護

制御応答の一貫性

保全の容易性

規定する側面

を扱う箇条番

号及び題名

5

入力電源導体の接続,
断路器及び開路用機

6

感電保護

8

等電位ボンディング

9

制御回路及び制御機

12

導体及びケーブル

13

配線

14

電動機及び関連装置

18

検証

7

装置の保護

12

導体及びケーブル

13

配線

14

電動機及び関連装置

8

等電位ボンディング

9

制御回路及び制御機

10

オペレータインタフ
ェース及び機械に取

り付けた制御機器

11

制御装置:  配置,

取付け及びエンクロ

ージャ

13

配線

15

附属品及び照明

16

マーキング,警告標識

及び略号

17

技術文書


100

B 9960-1

:2008

附属書 JC

参考)

エンクロージャの保護等級

序文

この附属書は,この規格の理解を助けるために記載するものであって,規定の一部ではない。

この規格は,感電保護及び装置保護のために必要なエンクロージャの保護性能を規定している。保護性

能を表すために

JIS C 0920

[電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

]が規定する保護等級を引

用している。エンクロージャは,電気回路などを覆う構造物である(

3.20

参照)

JIS C 0920

では,エンク

ロージャを外郭と呼ぶ。

この附属書は,この規格が要求するエンクロージャの保護等級(IP コード)及びその記号の意味(保護

性能)を説明するものである。

JC.1

IP

コードの意味

JIS C 0920

エンクロージャには,次の目的がある。

−  エンクロージャ内の危険な箇所へ接近することに対する人体の保護(感電保護)

−  外部からの固形物の侵入に対するエンクロージャ内の電気機器の保護

−  水の浸入による有害な影響に対するエンクロージャ内の電気機器の保護

エンクロージャの保護等級とは,エンクロージャによる危険な箇所へ人体部分が接近することに対する

保護,並びに外来固形物の侵入及び/又は水の浸入に対する保護の割合を表す等級である。

JIS C 0920

  に

保護等級(IP コード)が定められている。

JIS C 0920

の IP コードは,次のように表される。文字及び数字の意味は,

表 JC.1

による。

IP  2  3  C  H

コード文字

第 1 特性数字(0∼6 までの数字又は文字 X)

第 2 特性数字(0∼8 までの数字又は文字 X)

付加文字(オプション,文字 A,B,C,D)

補助文字(オプション,文字 H,M,S,W)


101

B 9960-1

:2008

表 JC.1

IP

コードの意味

等級

電気機器に対する保護

人に対する保護

第 1 特性数字

外来固形物の侵入

危険な箇所への接近

0

無保護

無保護

1

直径≧50 mm

こぶしによる

2

直径≧12.5 mm

指による

3

直径≧2.5 mm

工具による

4

直径≧1.0 mm

針金による

5

防じん(塵)形

針金による

6

耐じん(塵)形

針金による

X

等級 0∼6 を特定しない。

同左

第 2 特性数字

有害な影響を伴う水の浸入

0

無保護

1

鉛直落下

2

偏向落下(鉛直±15°)

3

散水(spraying)

4

飛まつ(splashing)

5

噴流(jetting)

6

暴噴流

7

一時的潜水

8

継続的潜水

X

等級 0∼8 を特定しない。

付加文字(オ
プション)

危険な場所への接近

A

こぶしによる

B

指による

C

工具による

D

針金による

補助文字(オ

プション)

補助表示

H

高圧機器

S

水の試験中動作させる

M

水の試験中停止させる

W

気象条件

JC.2

この規格が要求するエンクロージャ保護等級のまとめ

この規格は,

6.2.1

6.2.2

6.2.4

及び

11.3

でエンクロージャの保護等級を規定している。この規格が要求

する IP コードは,2 けた又は 3 けたで構成されており,2 けたの場合は二つの補助文字による特性要求が

ない。3 けたの場合は最後の補助文字による特性要求がない。

表 JC.2

に,この規格の各細分箇条が規定するエンクロージャ保護等級及びその意味を示す。


102

B 9960-1

:2008

表 JC.2

この規格が要求する保護等級及びその意味

細分 
箇条

エンクロージャの種類

要求保護等級

(IP コード)

IP コードの意味

6.2.1 

人が近づける場所にある電
気装置を覆うエンクロージ

IP4X,又は

直径 1 mm 以上の固形物及び針金の侵入を
防止。防水性は問わない。

IPXXD

針金の侵入を防止。防水性は問わない。

6.2.2 

・充電部を覆うエンクロージ

・断路器をオフにした後も充

電が 残る 部分 を覆 うエン

クロージャ

・断路器をオフにした後も充

電が 残る 部分 を覆 うエン

クロージャ

IP2X,又は

直径 12.5 mm 以上の固形物及び指の侵入を

防止。防水性は問わない。

IPXXB

指の侵入を防止。防水性は問わない。

人が容易に近づける充電部

の上面を覆うエンクロージ

IP4X,又は

直径 1 mm 以上の固形物及び針金の侵入を

防止。防水性は問わない。

IPXXD

針金の侵入を防止。防水性は問わない。

扉の内部にあるその他の充

電部を覆うエンクロージャ

IP1X,又は

直径 50 mm 以上の固形物及びこぶしの侵入

を防止。防水性は問わない。

IPXXA

こぶしの侵入を防止。防水性は問わない。

6.2.4 

引き抜いたとき導体が露出

し,1 秒以内に放電しないプ

ラグ類を覆うエンクロージ

IP2X,又は

直径 12.5 mm 以上の固形物及び指の侵入を

防止。防水性は問わない。

IPXXB

指の侵入を防止。防水性は問わない。

10.1.3 

オペレータインタフェース
機器の充電部を覆うエンク

ロージャ

IPXXD

針金の侵入を防止。防水性は問わない。

11.3 

制御機器のエンクロージャ IP22

直径 12.5 mm 以上の固形物及び指の侵入を

防止。鉛直±15°からの落下水から保護。

大形装置だけを収納する換

気式エンクロージャ

IP10

直径 50 mm 以上の固形物の侵入を防止。人

体の侵入防止及び防水性は問わない。

その他の装置を収納する換
気式エンクロージャ

IP32

直径 2.5 mm 以上の固形物及び工具による
侵入を防止。散水による水の浸入を防止。

一般産業用エンクロージャ IP32

同上。

IP43

直径 1 mm 以上の固形物及び針金の侵入を
防止。散水による水の侵入を防止。

IP54

防じん(塵)形で,針金の侵入を防止。飛
まつによる水の浸入を防止。

低圧洗浄水がかかる場所で

用いるエンクロージャ

IP55

防じん(塵)形で,針金の侵入を防止。噴

流による水の浸入を防止。

粉じん(塵)に対して保護す

るエンクロージャ

IP65

耐じん(塵)形で,針金の侵入を防止。噴

流による水の浸入を防止。

スリップリング機構を収納

したエンクロージャ

IP2X

直径 12.5 mm 以上の固形物及び指の侵入を

防止。防水性は問わない。


103

B 9960-1

:2008

附属書 JD

参考)

電気装置のクラス(感電保護による分類)

序文

この附属書は,この規格の理解を助けるために記載するものであって,規定の一部ではない。

この規格では,感電保護の観点から分類した電気装置の“クラス”という用語を用いている。この規格

が用いる“クラス”は,

JIS C 0365

(感電保護−設備及び機器の共通事項)に基づくものである。この附

属書は,

JIS C 0365

が規定する“クラス”の意味を要約して説明するものである。

JD.1

電気装置の

クラス

使用箇所

この規格が電気装置の“クラス”を用いている細分箇条を,

表 JD.1

に示す。

表 JD.1

電気装置の“クラス”使用箇所

用語

使用箇所

クラス

6.3.1

注記 2

クラスⅠ装置

附属書 

クラスⅡ装置

6.3.2.1

及び 6.3.2.2

クラスⅢ装置

12.3

JD.2

電気装置の

クラス

の意味

JIS C 0365

JIS C 0365

が規定する各クラスの意味を,

表 JD.2

に示す。

表 JD.2

電気装置の“クラス”の意味

分類

意味

クラスⅠ装置

基本保護のための手段の要素として基礎絶縁をもち,

故障保護のための手段の要素とし

て保護ボンディングをもつ機器。

クラスⅡ装置

クラスⅡ装置とは,次のものをいう。

−  基本保護のための保護手段の要素として基礎絶縁をもち,かつ,

−  故障保護のための保護手段の要素として補助絶縁をもつか,又は 
−  基本保護及び故障保護を強化絶縁で行う。

クラスⅢ装置

クラスⅢ装置とは,基本保護のための手段の要素として,特別低電圧値という電圧制限
に依存し,故障保護のための要素をもたないものをいう。

表内の用語の意味は,次による。

基本保護:正常状態(故障のない状態)の下での感電保護。

故障保護:単一故障状態(

例  基礎絶縁の故障)の下での感電保護。

基礎絶縁:感電に対し,基本保護を行う危険充電部の絶縁。

補助絶縁:基礎絶縁の故障時の感電保護(故障保護)を行うために,基礎絶縁に加えて施す独立

した絶縁。

強化絶縁:感電に対し,二重絶縁と同等の保護を行う危険充電部の絶縁。

二重絶縁:基礎絶縁と補助絶縁との両方で構成する絶縁。

特別低電圧値:ELV のこと。PELV 又は SELV をいう。


104

B 9960-1

:2008

附属書 JE

参考)

絶縁ケーブル用導体のクラス

序文

この附属書は,この規格の理解を助けるために記載するものであって,規定の一部ではない。

この規格では,導体,ケーブルの要求事項を規定するために導体の“クラス”という用語を用いている。

この規格が用いる導体の“クラス”は,

JIS C 3664

(絶縁ケーブルの導体)に基づくものである。この附

属書は,

JIS C 3664

が規定する“クラス”の意味を要約して説明するものである。

JE.1

導体の

クラス

の使用箇所

この規格が導体の“クラス”を用いている箇所を

表 JE.1

に示す。

表 JE.1

導体の“クラス”使用箇所及び規定事項

使用箇所

規定事項

12.2 

表 

この規格が許容するクラス 1,クラス 2,クラス 5 及びクラス 6 導体の最小断

面積を規定(JIS C 3664 が規定する最小断面積より大きい。

第 3 段落

クラス 1 及びクラス 2 の導体は,主として堅固な非可動部間に用いるように

意図されている。

第 4 段落

高頻度で動かす導体は,すべてクラス 5 又はクラス 6 の可とうより線でなけ

ればならない。

12.6.1 

第 1 段落

可とうケーブルは,クラス 5 又はクラス 6 の導体を用いたものでなければな
らない。

注記 

クラス 6 の導体は,クラス 5 の導体より素線の径が小さく,可とう性がクラ
ス 5 より高い。

附属書 

表 D.4 

クラス 1,クラス 2,クラス 5 及びクラス 6 の仕様及び用途の概要を示してい

る。

JE.2

導体の

クラス

の意味

JIS C 3664

JIS C 3664

は,単心及び多心のケーブルに用いる導体の公称断面積,素線構成,導体抵抗などについて

規定している。素線の仕様によってケーブル用導体を 4 クラスに分類している。クラス番号が大きいほど

可とう性が高い。

JIS C 3664

が規定する各導体の“クラス”の意味を

表 JE.2

に示す。


105

B 9960-1

:2008

表 JE.2

導体の“クラス”の意味

クラス

仕様

用途

クラス 1

・単線である。

・材料は,銅及びアルミニウム。

・公称断面積は,0.5∼300 mm

2

。ただし,銅は 150 mm

2

以下,アルミニウムは 1.5 mm

2

以上。

JIS C 3664 

表 に明細がある。)

固定配線用

クラス 2

・より線である。 
・材料は,銅及びアルミニウム。

・公称断面積は,0.5∼2 000 mm

2

。ただし,アルミニウ

ムは 4 mm

2

以上。

・導体を構成する最小素線数の規定がある。

JIS C 3664 

表 に明細がある。)

クラス 5

・より線である。

・材料は,銅に限る。

・公称断面積は,0.5∼630 mm

2

・導体を構成する素線の最大径の規定がある。

JIS C 3664 

表 に明細がある。)

可とうケーブル・可とうコード

クラス 6

・より線である。

・材料は,銅に限る。 
・公称断面積は,0.5∼300 mm

2

・導体を構成する素線の最大径がクラス 5 より小さい

(可とう性がより高い。

JIS C 3664 

表 に明細がある。)


106

B 9960-1

:2008

附属書 JF

参考)

この規格と JIS C 60364 規格群との関係

序文

この附属書は,この規格の理解を助けるために記載するものあって,規定の一部ではない。

この規格は,広い範囲で

JIS C 60364

規格群を基礎にしている。この規格には,

JIS C 60364

の規定と同

じ内容を記載している部分と,

JIS C 60364

から引用する細分箇条番号だけを指定し規定内容を具体的に記

載しない部分とがある。この附属書は,この規格の使用者の便宜のために,この規格が引用する

JIS C 60364

の部及び箇条をまとめて示すものである。

JF.1

この規格が引用する JIS C 60364 規格群

この規格が引用する

JIS C 60364

の部は,次のとおりである。

JIS C 60364-1

  建築電気設備−第 1 部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義

JIS C 60364-4-41

  建築電気設備−第 4-41 部:安全保護−感電保護

JIS C 60364-4-42

  建築電気設備−第 4-42 部:安全保護−熱の影響に対する保護

JIS C 60364-4-43

  建築電気設備−第 4-43 部:安全保護−過電流保護

JIS C 60364-5-52

  建築電気設備−第 5-52 部:電気機器の選定及び施工−配線設備

JIS C 60364 5-53

  建築電気設備−第 5-53 部:電気機器の選定及び施工−断路,開閉及び制御

JIS C 60364 5-54

  建築電気設備−第 5-54 部:電気機器の選定及び施工−接地設備,保護導体及び保

護ボンディング導体

JIS C 60364-6-61

  建築電気設備−第 6-61 部:検証−最初の検証

この規格の関連する箇条が引用する

JIS C 60364

の部を

表 JF.1

に示す。

表 JF.1

この規格が引用する JIS C 60364 の部

この規格の箇条

左欄の箇条が引用する JIS C 60364 の部

6

  感電保護

4-41

7

  装置の保護

4-43

及び 5-52

8

  等電位ボンディング

4-41

及び 5-54

9

  制御回路及び制御機能

5-53

12

  導体及びケーブル

4-41

及び 5-52 

16

  マーキング,警告標識及び略号

4-42

18

  検証

4-41

及び 6-61 

附属書 A  TN 接地系統における間接接触保護

4-41

及び 6-61 

附属書 B  機械の電気装置のための調査書

1

附属書 D  機械の電気装置の導体及びケーブルの電流容量,及
び過電流保護

5-52

附属書 JA  TT 接地系統における間接接触保護

4-41

及び 6-61 

JF.2

感電保護に関するこの規格及び JIS C 60364-4-41 の体系比較

この規格は,特に感電保護に関して

JIS C 60364-4-41

の規定と共通する部分が多い。この規格と

JIS C 


107

B 9960-1

:2008

60364-4-41

の感電保護規定の体系比較を

図 JF.1

に示す。

図 JF.1

において,点線の矢印は,

JIS C 60364-4-41

の規定と同じ内容(すべてとは限らない。

)がこの規

格の当該細分箇条に記載されていることを示す。

太い実線の矢印は,この規格では要求事項を具体的に記述せず,

JIS C 60364-4-41

の細分箇条を引用し

ていることを示す。


108

B 9960-1

:2008

この規格の体系 

JIS C 60364-4-41

の体系 

感電保護 4-41  感電保護

6.1 

一般事項 410  概要

6.2 

直接接触に対する保護 

6.2.1 

一般事項 411

直接及び間接接触保護

6.2.2 

エンクロージャによる保護 411.1 SELV 及び PELV

6.2.3 

絶縁物による充電部の保護 411.1.5 

接地回路(PELV)の要求事項

6.2.4 

残留電圧に対する保護 411.2  放出エネルギーの制限による保護

6.2.5 

バリアによる保護 411.3 FELV システム

6.2.6 

人体が届かないところへの配置に

よ る 保 護 又 は オ ブ ス タ ク ル に よ る 保 
 

6.3 

間接接触に対する保護 412  直接接触保護

6.3.1 

一般事項 412.1  充電部の絶縁

6.3.2 

接触電圧の発生防止 412.2  バリア又はエンクロージャ

6.3.2.1 

一般事項 412.3  オブスタクル

6.3.2.2 

クラスⅡ装置の使用又は同等の

絶縁による保護 

412.4

アームズリーチ外への設置

6.3.2.3 

電気的分離による保護 412.5  漏電遮断器による追加保護

6.3.3 

電源の自動遮断による保護 

6.4 

PELV

使用による保護 413  間接接触保護

6.4.1 

一般要求事項 413.1  電源の自動遮断

6.4.2 PELV

の電源 413.1.1  一般事項

 413.1.2

等電位ボンディング

等電位ボンディング 413.1.3 TN 系統

8.2.5 

保護ボンディング回路に接続する

必要のない部分

413.1.4 TT

系統

 413.1.5 IT

系統

12 

導体及びケーブル 413.1.6  補助等電位ボンディング

12.3 

絶縁被覆 413.1.7  設置場所の外的影響の条件に関す

る要求事項

 413.2

クラスⅡ機器又はこれと同等の絶縁

12.7.1 

直接接触に対する保護 413.3  非導電性場所

 413.4

非接地局部的等電位ボンディングに

よる保護

18 

検証 413.5  電気的分離

18.1 

一般事項

 
注記 
          :  JIS C 60364-4-41 の規定内容

が,この規格に記載されてい
る。

          :  規定内容を知るには,JIS C 

60364-4-41

を見なければな

らない。 

18.2 

電源自動遮断による保護が達成さ

れる条件の検証 

18.2.1 

一般事項 

18.2.2 TN

接地系統における試験方法 

18.2.3 TN

接地系統への試験方法の適用 

 
附属書 A(規定)  TN 接地系統におけ
る間接接触保護

附属書 JA(規定)  TT 接地系統におけ
る間接接触保護

図 JF.1

感電保護規定体系の比較


109

B 9960-1

:2008

附属書 JG

参考)

JIS C 3307

に規定する 600 V ビニル絶縁電線の許容電流

序文

この附属書は,この規格使用者の便利のために記載するものであって,規定の一部ではない。

JG.1

許容電流表

表 JG.1

は,

JIS C 3307

[600 V ビニル絶縁電線(Ⅳ)]に規定する 600 V ビニル電線の公称断面積又は導体

径と布設条件に対する許容電流を示している。この表の内容は,

JIS B 6015

附属書 表 1

と同じである。

表 JG.1

JIS C 3307

に規定する 600 V ビニル絶縁電線の許容電流

周囲温度 40  ℃時

単 線 よ

り 線 の

公称

断面積

mm

2

導体径

mm

露出

配線

管内配線で同一管内に収める電線数

3 以下 4

5∼6 7∼15 16∼40 41∼60 61 以上

  0.9

14

10

9

8

6

5 5 5

  1.25

15

10

9

9

7

6 5 5

  2.0

22

15

14

12

10

10 9 7

3.5

30 21

19

17

14

13 11 10

5.5

40 28

25

22

19

17 15 13

8

50 34

31

28

24

21 19 17

14

72 50

45

40

35

31 28 24

22

94 65

59

52

45

40 36 32

38

133 92

83

73

64

57 51 45

60

178

124

111

99

86

76 69 60

100

244

171

154

137

120

105 95 83

150

324 225

203

180

157

139 125 109

200

383 268

241

214

188

165 149 130

250

456 317

286

254

222

195 177 154

325

533 371

334

297

259

228 207 180

400

611 425

383

340

298

261 237 206

500

690 481

432

384

336

295 268 233

1.0

 13  9

8

7

6

5.6 5.3 4.5

1.2

16

10

10

8

7

6 5 5

1.6

22

15

14

12

10

10 9 7

2.0

29 19

18

15

14

12 11 10

2.6

39 27

24

22

19

17 15 14

3.2

51 35

31

28

24

22 19 17

4.0

  66 −

5.0

  88 −

注記  同一管内に収める電線数は,中性線,接地線及び制御回路の電線を含まない。


110

B 9960-1

:2008

附属書 JH

参考)

参考文献

序文

この附属書は,参考文献について記載するものであって,規定の一部ではない。

参考文献

次の表は,この規格の,主として

注記

及び

附属書

で引用する参考文書を列記している。併せて,その参

考文書がこの規格で引用されている箇所を示す。

規格番号及び規格名称

引用箇所

JIS B 9702:2000

,機械類の安全性−リスクアセスメントの原則(ISO 14121:1999,Safety of

machinery−Principles of risk assessment) 

附属書 F

JIS B 9704-1:2006

,機械類の安全性−電気的検知保護設備−第 1 部:一般要求事項及び試

験(IEC 61496-1:2004,Safety of machinery−Electro-sensitive protective equipment−Part 
1:General requirements and tests) 

4.4.2

注記 2

JIS B 9710:2006

,機械類の安全性−ガードと共同するインタロック装置−設計及び選択の

ための原則(ISO 14119:1998,Safety of machinery−Interlocking devices associated with guards

−Principles for design and selection) 

附属書 F

JIS B 9712:2006

,機械類の安全性−両手操作制御装置−機能的側面及び設計原則(ISO 

13851:2002

,Safety of machinery−Two-hand control devices−Functional aspects and design

principles) 

9.2.6.2

10.6

JIS B 9714:2006

,機械類の安全性−予期しない起動の防止(ISO 14118:2000,Safety of

machinery−Prevention of unexpected start-up)

5.4

注記 1

JIS B 9713-1:2004

,機械類の安全性−機械類への常設接近手段−第 1 部:高低差のある 2

か所間の固定された昇降設備の選択(ISO 14122-1:2001,Safety of machinery−Permanent 
means of access to machinery−Part 1: Choice of fixed means of access between two levels)

11.5

注記

JIS B 9713-2:2004

  機械類の安全性−機械類への常設接近手段−第 2 部:作業用プラット

フォーム及び通路(ISO 14122-2:2001,Safety of machinery−Permanent means of access to 
machinery−Part 2: Working platforms and walkways)

11.5

注記

JIS B 9713-3:2004

  機械類の安全性−機械類への常設接近手段−第 3 部:階段,段ばしご

及び防護さく(柵)(ISO 14122-3:2001,Safety of machinery−Permanent means of access to 
machinery−Part 3: Stairs, stepladders and guard-rails)

11.5

注記

JIS B 9713-4:2004

  機械類の安全性−機械類への常設接近手段−第 4 部:固定はしご(ISO 

14122-4:2004

,Safety of machinery−Permanent means of access to machinery−Part 4: Fixed

ladders)

11.5

注記

JIS B 9960-11:2004

,機械類の安全性−機械の電気装置−第 11 部:交流 1 000 V 又は直流

1 500 V を超え 36 kV 以下の高電圧装置に対する要求事項(IEC 60204-11:2000,Safety of 
machinery−Electrical equipment of machines−Part 11: Requirements for HV equipment for 
voltages above 1 000 V a.c. or 1 500 V d.c. and not exceeding 36 kV)   

箇条 

注記 5

JIS B 9960-31:2004

,機械類の安全性−機械の電気装置−第 31 部:縫製機械,縫製ユニッ

ト及び縫製システムの安全性と EMC に対する要求事項(IEC 60204-31:2001,Safety of 
machinery−Electrical equipment of machines−Part 31: Particular safety and EMC requirements 
for sewing machines, units and systems)

箇条 1


111

B 9960-1

:2008

規格番号及び規格名称

引用箇所

JIS B 9960-32:2004

,機械類の安全性−機械の電気装置−第 32 部:巻上機械に対する要求

事項(IEC 60204-32:1998,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 32: 
Requirements for hoisting machines)

箇条 1

JIS C 3664:2007

  絶縁ケーブルの導体

IEC 60228:2004,Conductors of insulated cables) 

表 10 内の注記

JIS C 3665-1:1998

  電気ケーブルの難燃試験−第 1 部:絶縁電線又はケーブルの一条垂直

試験(IEC 60332-1:1993,Tests on electric cables under fire conditions−Part 1: Test on a single 
vertical insulated wire or cable) 

13.3

JIS C 8201-5-2

  低圧開閉装置及び制御装置−第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 2

節:近接スイッチ

IEC 60947-5-2:1997,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-2: Control circuit devices 
and switching elements−Proximity switches)

4.4.2

注記 2

JIS C 60364

規格群  建築電気設備[IEC 60364 (all parts): Electrical installations of buildings]  箇条 

注記 4

JIS C 61000-6-1:2003

,電磁両立性−第 6 部:共通規格−第 1 節:住宅,商業及び軽工業環

境におけるイミュニティ(IEC 61000-6-1:1997,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6: 
Generic standards−Section 1: Immunity for residential, commercial and light-industrial   
environments) 

4.4.2

注記 1

JIS C 61000-6-2:2003

,電磁両立性−第 6 部:共通規格−第 2 節:工業環境におけるイミュ

ニティ[IEC 61000-6-2:1999,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6-2: Generic standards
−Immunity for industrial environments]

注記  対応国際規格には,IEC 6100-6-2:2005 が記載されている。

4.4.2

注記 1

IEC 60038:2002

,IEC standard voltages   

表 A.1 の注記

IEC 60269-1:1998

,Low-voltage fuses−Part 1: General requirements   

D.3

IEC 60335 (all parts)

,Household and similar electrical appliances−Safety   

附属書 C

IEC 60757:1983

,Code for designation of colours     

13.2.4

注記 

IEC 60909(all parts)

,Short-circuit currents in three-phase a.c. systems

A.2

IEC/TR 61000-5-2:1997

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 5: Installation and

mitigation guidelines−Section 2: Earthing and cabling 

4.4.2

注記 

IEC 61000-6-4:1997

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6: Generic standards−Section

4: Emission standard for industrial environments 

4.4.2

注記 

IEC 61180-2:1994High-voltage test techniques for low-voltage equipment

−Part 2: Test

equipment   

18.4 

IEC/TS 61200-53:1994

,Electrical installation guide−Part 53: Selection and erection of electrical

equipment−Switchgear and controlgear

表 10 内の注記 

IEC 61557 (all parts)

,Electrical safety in low voltage distribution systems up to 1 000 V a.c. and

1500 V d.c.−Equipment for testing, measuring or monitoring of protective measures 

18.1

IEC 61558-2-17:1997

,Safety of power transformers, power supply units and similar−Part 2:

Particular requirements for transformers for switch mode power supplies 

9.1.1

注記 

IEC 61800-3:2004

,Adjustable speed electrical power drive systems−Part 3: EMC requirements

and specific test methods 

4.4.2

注記 2

IEC 61800-5-1:2003

,Adjustable speed electrical power drive systems−Part 5-1: Safety

requirements−Electrical, thermal and energy 

8.2.8

注記 2

CISPR 61000-6-3:1996

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 6: Generic standards−

Section 3: Emission standard for residential, commercial and light-industrial environments     

4.4.2

注記 1

IEC Guide 106:1996

,Guide for specifying environmental conditions for equipment performance

rating

4.3.3

注記 

CENELEC HD 516 S2

,Guide to use of low-voltage harmonized cables

12.1

注記 


附属書 JI 

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS B 9960-1:2008

  機械類の安全性−機械の電気装置−第 1 部:一般要求事項

IEC 60204-1:2005

,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1:

Genaral requirements

 
(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅱ)

国際

規格 
番号

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇

条ごとの評価及びその内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対策

箇条番号及び

名称

内容

箇条

番号

内容

箇 条 ご

と の 評

技術的差異の内容

4  一般要求事項
4.2  装置の選択

 
関連する日本工業規格又は

IEC

規格があれば,それら

に適合する装置を用いる。


4.2

 
関連する IEC 規格があれ

ば,それらに適合する装置

を用いる。

 
選択

 
この規格では,JIS 適合品を用

いることを認める。

 
我が国で JIS 適合品を用いる

ことは妥当。IEC 規格適合品

を排除するわけではない。

5  入力電源導体
の接続,断路器
及び開路用機器

5

5.3.3  要求事項

第 5 項目

電源回路のすべての充電導
体を断路できる。ただし,

電源が TN-S 接地系統で供

給される場合は,中性線を
断 路 し て も し な く て も よ

い。いかなる接地系統にお

いても PE 導体,PEN 導体
を断路してはならない。 

5.3.3

第 5 項目

電源回路の充電導体を断
路できる。ただし,電源が
TN 接地系統で供給され,
中性線を用いる場合にこ
れを断路することが義務

付けられていない国では,

中性線を断路してもしな
くてもよい。

変更

我が国では,TN 接地系統はほ

とんど用いられないし,中性
線を断路することが義務付け

られてもいないので,JIS 

は,これを明確にした。また,
保護導体を断路してはならな

いことを明記した。

我が国の接地系統による。

1

12

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-1


20
08


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅱ) 
国際

規格

番号

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策

箇条番号及び

名称

内容

箇条 
番号

内容

箇 条 ご
と の 評

技術的差異の内容

6  感電保護

6

6.3.3  電 源 の 自
動遮断による保

TN 接地系統に加え,TT 接
地系統に適用する許容遮断

時間の規定(附属書 JA に

よる。

)を追加。

− TN 接地系統に適用する

許 容 遮 断 時 間 だ け 規 定

(附属書 A による。

)され

ている。

追加

国際規格は,我が国の商用電
力系統に用いられている TT

接地系統を詳しく扱っていな

い。

JIS

は TT 接地系統を詳しく扱

う。

国際的に,我が国の TT 接地系
統は,安全の観点からは,欧米

で主流の TN 接地系統に劣る

という意見が強いため,TT 接
地系統が安全規格の中で軽視

される傾向にある。IEC/TC44

活動を通じて IEC 規格内で TT
接地系統の規定充実を図る。

12  導 体 及 び ケ
ーブル

12

12.1  一般要求 
事項

使用条件に合うものを選定

することを要求。 
これらの要求事項は,関連

する日本工業規格又は IEC

規格(例えば,IEC 60439-1
に従って製造・試験された

組立品の内部配線には適用

しない。

12.1

使用条件に合うものを選

定することを要求。 
これらの要求事項は,関

連する IEC 規格(例えば,

IEC 60439-1

)に従って製

造 ・ 試 験 さ れ た 組 立 品 の

内 部 配 線 に は 適 用 し な

い。

選択

この規格では,JIS 適合品を用

いることを認める。

我が国で JIS 適合品を用いる

ことは妥当。IEC 規格適合品
を排除するわけではない。

15  附 属 品 及 び
照明

15

15.2.4  取付け器

試験は,関連する日本工業

規格又は IEC 規格による取

付け器具を用いて行わなけ
ればならない。

15.2.4

IEC

規格による取付け器

具を用いて行わなければ

ならない。

選択

この規格では,JIS 適合品を用

いることを認める。

我が国で JIS 適合品を用いる

ことは妥当。IEC 規格適合品

を排除するわけではない。

11
3

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-1


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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅱ) 
国際

規格

番号

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策

箇条番号及び

名称

内容

箇条 
番号

内容

箇 条 ご
と の 評

技術的差異の内容

18  検証

18

18.1  一般事項

製品規格がない場合の,電
気装置の検証範囲の一般条

件を規定している。

試験は,関連する日本工業
規格又は IEC 規格による測

定機器を用いて行わなけれ

ばならない。

18.1

製品規格がない場合の,電
気装置の検証範囲の一般

条件を規定している。

試験は,関連する

IEC

規格による測定機器

を用いて行わなければな

らない。

選択

この規格では,JIS 適合品を用
いることを認める。

我が国で JIS 適合品を用いる
ことは妥当。IEC 規格適合品

を排除するわけではない。

18.2  電源自動 
遮断による保護
が達成される条

件の検証

TN 接地系統に対しては,
18.2.2,18.2.3 及び附属書 A
による。 
TT 接地系統に対しては,附
属書 JA による。 
IT 接地系統に対しては,JIS 
C 60364-6-61

を参照。

18.2 TN 接地系統に対しては,

18.2.2,18.2.3 及び附属書 A
による。 
TT 及び IT 接地系統に対し
ては,IEC 60364-6-61 を参

照。

変更

我が国の配電系統は,ほとん

どが TT 接地系統であるため,
国内における要求事項を具体

的に示すために附属書 JA を

追加し,これによることとし
た。

我が国の接地系統による。

附 属 書 JA ( 規

定)

TT 接地系統における間接
接触保護

追加

我が国で用いられる TT 接地

系統における間接接触保護の
規定を附属書にまとめた。

TT 接地系統は,我が国以外に
用いる国が少ないので,国際
規格では,詳細に扱われてい

ない。JIS ではこれを明確に規

定するために附属書 JA を追
加した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60204-1:2005,MOD

 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更  国際規格の内容を変更している。

    −  選択  国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD   国際規格を修正している。

1

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