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B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本フルードパワー工業会 (JFPA)

/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9110-1 : 1990,Hydraulic fluid power

−Measurement techniques−Part 1 : General measurement principles を基礎として用いた。

JIS B 9939-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)油圧機器の特性を決定するための方法を記述した規格

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 9939

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS B 9939-1

第 1 部:一般測定原則

JIS B 9939-2

第 2 部:管路における平均定常圧力の測定


B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

(2)

目  次

ページ

序文  

1

1.

  適用範囲  

1

2.

  引用規格  

1

3.

  定義  

1

3.1

  校正  (calibration)  

1

3.2

  測定器  (measuring instrument)  

1

3.3

  測定系  (measuring system)  

1

3.4

  測定  (measurement)  

2

3.5

  偶然不確かさ・偶然誤差  (random uncertainty ; random error)  

2

3.6

  参照標準  (reference standard)  

2

3.7

  測定の繰返し性  (repeatability of measurements)  

2

3.8

  静的状態  (static conditions)  

2

3.9

  定常状態(steady-state conditions)  

2

3.10

  系統不確かさ・系統誤差  (systematic uncertainty ; systematic error)  

2

4.

  精度等級  

2

4.1

  一般  

2

4.2

  不確かさの限界の決定  

2

5.

  不確かさの等級分け  

3

6.

  不確かさの評価  

3

6.1

  校正  

3

6.2

  部分校正  

4

6.3

  校正の間隔  

4

附属書 A(参考)油圧機器の特性を決定するための方法を記述した規格  

5

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表 

7

 


日本工業規格

JIS

 B

9939-1

:2003

(ISO 9110-1

:1990

)

油圧−測定技術−第 1 部:一般測定原則

Hydraulic fluid power-Measurement techniques-Part 1 : General

measurement principles

序文  この規格は,1990 年に第 1 版として発行された ISO 9110-1,Hydraulic fluid power−Measurement

techniques

−Part 1 : General measurement principles を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,油圧の静的又は定常状態における特性パラメータの測定に関する一般的な原

則について規定する。

これは,油圧機器を使用する測定とその校正時に発生し得る誤差の原因と大きさに関する指針を示す。

測定システムの能力,測定システムの精度レベルを評価するための実用的な必要事項を表す。また,上述

の精度レベルを達成するシステムの開発を補助する実用的な必要事項も表す。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9110-1 : 1990

,Hydraulic fluid power−Measurement techniques−Part 1 : General measurement

principles (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0142

  油圧及び空気圧用語

備考  ISO 5598  Fluid power system and components−Vocabulary からの引用事項は,この規格の該

当事項と同等である。

JIS Z 8103

  計測用語

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0142 及び JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1

校正  (calibration)  ある決められた条件下で,測定器又は測定システムが示す値と,参照標準が示

す値との間の関係を確定する一連の作業。

3.2

測定器  (measuring instrument)  単独又は他の装置と連動して測定を行うための装置。

3.3

測定系  (measuring system)  特定な測定作業を行うために,測定器と他の装置を組み合わせた完結し

たセット。


2

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

3.4

測定  (measurement)  ある量の数値を決めるための一連の作業。

3.5

偶然不確かさ・偶然誤差  (random uncertainty ; random error)  ある量の同じ数値の測定を実質的に

同一条件の下で多数回行う場合に,絶対値と符号が予測できない形で変化する誤差。

3.6

参照標準  (reference standard)  使用測定器の校正に用いられ,同じ計測範囲をもち,用いられる所

定の場所で利用可能な度量衡学的に最高品質をもつ測定器。

3.7

測定の繰返し性  (repeatability of measurements)  同じ方法,同じ測定者,同じ測定器,同じ実験室,

及び非常に短い間隔で測定された,同じ量の連続した測定結果間の一致の度合い。

3.8

静的状態  (static conditions)  パラメータが時間によって変化しない状態。

3.9

定常状態(steady-state conditions)  変量の平均値が時間によって変化せず,変量の瞬間値の変化が

周期的で簡単な数学的表現で表される状態。

3.10

系統不確かさ・系統誤差  (systematic uncertainty ; systematic error)  多数回の測定で,同じ状態で派

生し,測定量の同じ数値で,絶対値と符号が一定値であるか,又は状態が変化する場合は一定の法則に従

う誤差。

4.

精度等級

4.1

一般

4.1.1

油圧試験において許容される測定の不確かさは,得られるデータをどのように用いるかによる。測

定量が,例えば制御弁保持圧力のような機器の特性を直接測定するものである場合,許容できる不確かさ

は,試験に要求されるレベルの程度に直接関係する。測定量が,例えば油圧ポンプの全効率を計算すると

きに用いられる流量のような特性値を計算するときの入力値である場合,許容される不確かさは,計算結

果の精度を妥当な限界内に保つために,より小さくなる。測定量が,例えば油圧モータ特性試験時の作動

油温度のような試験条件の場合,

許容できる変動は上述した二つの場合に比べて,

かなり大きくなり得る。

不確かさの許容限界を設定するに当たって,全般的な試験の目的が考慮されるのが望ましい。試験が,設

計上の二つのマイナチェンジの効果の識別を目的とするものなら,許容される不確かさはかなり小さくな

る。試験が,機器の使用中に破損したかどうか調べるために行われるのであれば,許容できる不確かさは,

10

 %又はそれ以上となり得る。

4.1.2

試験実施者の様々な要求に適応するために,

附属書 に示される試験方法のそれぞれには,3 種類

の測定等級に対する許容される不確かさが示されている。

等級 A は,不確かさの限界が最も小さく,計算された量の間で最も厳しいレベルが要求される場合に適

用される。等級 A の測定を行うのに必要な設備の能力と技術的な熟練は,一般的に,限られた研究機関だ

けでみられる。

等級 B の不確かさの限界は,機器製造業者の品質保証試験及び使用者による機器の選択評価に対する,

測定の必要条件を満たすように意図されている。等級 B の測定は,ほとんどの油圧実験室で実行可能であ

る。

等級 C の不確かさの限界は,油圧の測定にほとんど熟練していない者でも標準の計器を用いて達成でき

る。そのような測定は,主として,機能している油圧機器と,破損した又は不良の油圧機器との間を識別

するように意図されている。

4.2

不確かさの限界の決定

測定等級を決めるための不確かさの限界は,偶然不確かさの合計に測定系の各要素機器の系統不確かさ

を加えることによって得られる。偶然不確かさの合計は,測定系の各因子の偶然不確かさの二乗和の平方


3

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

根である。

5.

不確かさの等級分け

5.1

測定系の機器の不確かさは,測定系の個々の要素機器又は系全体のいずれかと関係する。一般に,

系全体を校正し評価することによって,不確かさをより小さくできる。

5.2

校正中にみられる既知の真の値からのズレのような固定誤差は,計器を調整するか結果を補正する

ことによって取り除くのが望ましい。これができなければ,最大値の系統誤差を誤差として取り扱うのが

よい。例えば,圧力計を標準器と比較した結果,目盛範囲の中ほどで 4 %,両端で 2 %の偏差があり,か

つ,計器からの指示を補正なしに用いるときは,その計器は 4 %の系統不確かさをもっていると考えるの

が望ましい。

5.3

ある種の誤差は,もう一つの変数(すなわち二次変数)との物理的関係に由来するものであり,独

立変数の数学的既知関数によって定量化される。温度が圧力検出器の出力に及ぼす影響は,その一例であ

る。このような誤差は,系統不確かさ又は偶然不確かさのどちらかを誘発する可能性がある。例えば,狭

い温度範囲内での温度の影響などで,この誤差を無視する場合には,二次変数の許容範囲内で存在し得る

最大の不確かさを系統誤差として加算しなければならない。影響を修正した場合には,二次変数の測定の

不確かさの大きさの偶然誤差を導入しなければならない。

5.4

高水準の校正標準器に付随していることが知られているすべての不確かさは,測定の系統誤差とみ

なすのが望ましい。

5.5

繰返し性の測定の不確かさ  (r)  は,偶然誤差としてみなされる。ある測定の不確かさを定めるとき

に,6.1.2 によって計算された測定系の繰返し性の不確かさの値をそのまま用いるべきである。測定値を決

めるのに 個の読みが平均された場合には,繰返し性の不確かさは,次式で与えられる。

n

r

ε

  (1)

ここで,

ε  

6.1.2

によって決められた繰返し性の不確かさである。

6.

不確かさの評価

6.1

校正

6.1.1

校正は,それぞれの形の測定系に定める方法に従って実施しなければならない。一般に,既知の(認

められた)値の入力信号を測定系に加えること,又は,同じ呼び入力を少なくとも

5

回繰返し加えたとき

の,その点における平均値としての校正誤差を参照標準と比較し,校正される。校正の確認は,それぞれ

の形の測定系に定める対象範囲中の幾つかの点で行わなければならない。

6.1.2

それぞれの校正点で 番目の入力信号に対する測定値の標準偏差 S

j

は,次式を用いて計算しなけれ

ばならない。

(

)

1

1

2

n

X

X

S

n

i

i

j

  (2)

ここに,

X

i

:  番目の測定値

X

:  測定値の平均

このようにして得られた標準偏差の最大値を,測定系の繰返し性の不確かさ  (

ε

 )

とする。


4

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

6.2

部分校正

6.2.1

経済的な配慮と物理的な制約から,6.1 で要求された点の数で校正を行えないことがある。このよ

うな場合,測定点を減らして同じ基本的な技術を用いた部分校正をする。

6.2.2

最も適正な校正点を選ぶためには,測定計器の特性に関する知識及び以前の校正結果を用いること

が望ましい。なお,校正点には,実際の測定範囲の両端の点を含むのがよい。

6.3

校正の間隔

6.3.1

校正の時間間隔は,測定の等級と計装系の安定性とに基づいて定めるのが望ましい。二つの校正の

間で,校正誤差に関連する不確かさは,二つの校正から計算された不確かさの内で大きい方をとる。この

ようにして得られた不確かさが許容範囲内に入らなければ,次の校正までの時間間隔を半分にし,校正の

不確かさが許容範囲に入るまで,半分にし続ける。このようにしても,等級 C に達しなければ,その測定

系は用いないのがよい。

6.3.2

測定等級 A の場合には,各部の試験の前に校正を実施する。又は,連続して用いる場合は 48 時間

以内に行う。破壊,酷使又は校正の変化が予見される場合にも行うほうがよい。

等級 B の測定の場合,校正間隔は 1 年以内とする。又は部分校正は 1 か月以内とする。

等級 C の測定の場合,部分校正が少なくとも 1 年に 1 回とする。

要求される校正間隔を超えて測定系を用いる場合には,毎回,使用後に部分校正をする。


5

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

附属書 A(参考)油圧機器の特性を決定するための方法を記述した規格

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

〔1〕JIS B 8382  油圧−容積式ポンプ・モータ−実容量の決定方法

備考  ISO 8426:1988,Hydraulic fluid power−Positive displacement pumps and motors−Determination of

derived capacity

が,この規格と一致している。

〔2〕JIS B 8384  油圧−容積式ポンプ・モータ及び一体形トランスミッション−定常状態における性能測

備考  ISO 4409 : 1986 , Hydraulic fluid power − Positive displacement pumps, motors and integral

transmissions

−Determination of steady-state performance が,この規格と一致している。

〔3〕JIS B 8386  油圧−バルブ−差圧及び流量特性の測定方法

備考  ISO 4411:1986,Hydraulic fluid power−Valves−Determination of pressure/ differential flow

characteristics

が,この規格と一致している。

〔4〕JIS B 8397-1  油圧−モータ特性の決定方法−第 1 部:一定低速及び一定圧力条件

備考  ISO 4392-1:1989,Hydraulic fluid power−Determination of characteristics of motors−Part 1 : At

constant low speed and at constant pressure

が,この規格と一致している。

〔5〕JIS B 8397-2  油圧−モータ特性の決定方法−第 2 部:起動特性

備考  ISO 4392-2:1989,Hydraulic fluid power−Determination of characteristics of motors−Part 2 :

Startability

が,この規格と一致している。

〔6〕JIS B 8351-1  油圧―騒音レベル測定方法―第 1 部:ポンプ

備考  ISO 4412-1,Hydraulic fluid power−Test code for determination of airborne noise levels−Part 1 :

Pumps

が,この規格と一致している。

〔7〕JIS B 8351-2  油圧―騒音レベル測定方法―第 2 部:モータ

備考  ISO 4412-2,Hydraulic fluid power−Test code for determination of airborne noise levels−Part 2 :

Motors

が,この規格と一致している。

〔8〕JIS B 8351-3  油圧―騒音レベル測定方法―第 3 部:ポンプ―平行六面体配置のマイクロホンによる測

備考  ISO 4412-3,Hydraulic fluid power−Test code for determination of airborne noise levels−Part 3 :

Pumps

−Method using a parallelepiped microphone array  が,この規格と一致している。

〔9〕  JIS B 8660    油圧―制御弁(流れ・圧力)−  試験方法

備考  ISO 6403:1988,Hydraulic fluid power−Valves controlling flow and pressure−Test methods が,こ

の規格と一致している。

〔10〕  JIS B 8659-1  油圧―電気操作形油圧制御弁―第 1 部:4 方向流量制御弁試験方法

備考  ISO 10770-1:1998,Hydraulic fluid power−Electrically modulated hydraulic control valves−Part 1 :

Test methods for four-way directional flow control valves

が,この規格と一致している。

〔11〕  JIS B 8659-2  油圧―電気操作形油圧制御弁―第 2 部:3 方向流量制御弁試験方法

備考  ISO 10770-2:1998,Hydraulic fluid power−Electrically modulated hydraulic control valves−Part 2 :


6

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

Test methods for three-way directional flow control valves

が,この規格と一致している。


7

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 9939-1 : 2003

  油圧−測定技術−第 1 部:一般測定原則

ISO 9110-1

:1990,油圧−測定技術−第1部:一般測定原則

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅱ) 国際
規格番号

(Ⅲ)  国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本文 
  表示方法:点線の下線

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策

項目 
番号

内容

ISO  

9110-1 

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

1.

適 用 範

静 的 又 は 定 常 状 態 に お け
る 特 性 パ ラ メ ー タ の 測 定
に 関 す る 一 般 的 な 原 則 に

ついて規定

1.

JIS

に同じ

IDT

2.

引 用 規

JIS B 1402  

JIS Z 8103   

MOD 
/追加

ISO

には引用規格の記

載がない

ISO

の見直し時に引用規格の追加を

提案する

3.

定義

JIS B 1402 

及び JIS Z 8103

による以外,次を定義。校

正,測定器,測定系,測定,
偶然不確かさ,参照標準な

 2.

JIS B 1402  及び JIS 

Z 8103

による以外”の

記載なし

MOD 
/追加

JIS B 1402 

及び JIS Z 

8103

追加

ISO

の見直し時に追加を提案する

4.

精 度 等

一般,不確かさの限界の決

 3.

JIS

に同じ

IDT

5.

不 確 か

さの等級

分け

不確かさの等級分け

4.

JIS

に同じ

IDT

6.

不 確 か

さの評価

校正,部分校正,校正の間

5.

JIS

に同じ

IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

7

B 9939-1


2003 (IS

O

 91
10
-1


1990)

7

B 9939-1


2003 (IS

O

 91
10
-1


1990)


8

B 9939-1

:2003 (ISO 9110-1:1990)

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  国際規格と一致している。 
    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

    ―  NEQ……………  技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。

8

B 9939-1


2003 (IS

O

 91
10
-1


1990)

8

B 9939-1


2003 (IS

O

 91
10
-1


1990)