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日本工業規格

JIS

 B

9809

-1991

スプレーガン

Spray guns

1.

適用範囲  この規格は,圧縮空気によって塗料を霧化し,被塗物に付着させて塗装する一般塗装用ス

プレーガン(以下,スプレーガンという。

)について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を次に示す。

JIS B 0202

  管用平行ねじ

JIS K 5402

  塗料用フォードカップ

JIS K 5531

  ニトロセルロースラッカー

JIS P 3101

  印刷用紙

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

パターン  平面に対して直角に,瞬間的に吹き付けたときにできる塗り跡の形状。円形のものを丸パ

ターン,だ円形のものをだ円パターンという。

(2)

パターン開き  パターンの大きさ。丸パターンでは円形の直径,だ円パターンではだ円形の長径で表

す。

(3)

丸吹き,平吹き  丸吹きとは丸パターンが,平吹きとはだ円パターンが得られる噴霧方式。

(4)

本体  スプレーガンの主体となる部分。これに各部分品を取り付ける。

(5)

空気キャップ  空気を噴出して塗料を霧化し,パターンを整える部品。

(6)

塗料ノズル  塗料を噴出する部品。

(7)

塗料ノズル口径  塗料ノズル先端の噴出口の内径。

(8)

ニードル弁  塗料ノズルの噴出口の開閉を行う部品。

(9)

空気弁  空気通路の開閉を行う部品。

(10)

引金  指によって操作し,ニードル弁と空気弁とを作動させる部品。

(11)

塗料噴出量調節装置  ニードル弁の動きを加減し,塗料噴出量を調節する装置。

(12)

空気量調節装置  スプレーガンが使用する空気量を調節する装置。

(13)

パターン開き調節装置  空気キャップのつの部小穴に送る空気量を加減し,パターン開きを調節する

装置。

(14)

吹付空気圧力  引金を引いたときの空気ニップル部の静圧。

(15)

空気使用量  スプレーガンが使用する単位時間当たりの空気量。

(16)

塗料噴出量  吹付けによって塗料ノズルから噴出する単位時間当たりの塗料の容量。


2

B 9809-1991

3.

種類  スプレーガンの種類は,塗料供給方式,被塗物による区分,噴霧方式及び塗料ノズル口径によ

って分類し,

表 のとおりとする。

表 1  スプレーガンの種類 

単位 mm

塗料供給

方式

被塗物に

よる区分

噴霧方式

塗料ノズル口径

重力式(

1

) S

丸吹き 0.5 0.6 0.8 1.0 − − − − − − −  −  −  −

S

平吹き

− − 0.8 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.8  −  −  −

吸上式(

2

)

重力式

L

平吹き

− − − − − − 1.3 1.4 1.5 1.6 1.8 2.0 2.5 3.0

S

平吹き

− − 0.8 1.0 1.1 1.2 − − − − −  −  −  −

圧送式(

3

)

L

平吹き

− − − 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.8 2.0  −  −

(

1

)

塗料容器を,スプレーガンの上部に取り付け,塗料が重力によって塗料ノズルに送られ
る方式。

(

2

)

塗料容器を,スプレーガンの下部に取り付け,塗料がスプレーガンから噴出する空気に
よって生じる負圧によって吸い上げられる方式。

(

3

)

塗料が加圧されて,塗料ノズルに送られる方式。

備考1.  被塗物による区分の S は,空気使用量,塗料噴出量が比較的少なく,一般に小形被塗

物に使用するものを示し,L は,空気使用量,塗料噴出量が比較的多く,一般に大形
被塗物に使用するものを示す。

2.

丸吹きスプレーガンとは,丸吹きだけができるものをいい,平吹きスプレーガンとは,
平吹きを主とするものをいう。

4.

主要部品名称  スプレーガンの主要部品名称は,図 による。


3

B 9809-1991

図 1  主要部品名称

備考  この図は,部品名称の説明図であり,構造を規定するものではない。

5.

性能

5.1

空気使用量,塗料噴出量及びパターン開き  スプレーガンの空気使用量,塗料噴出量及びパターン

開きは,8.によって試験を行い,

表 のとおりとする。


4

B 9809-1991

表 2  空気使用量,塗料噴出量及びパターン開き

塗料供給 
方式

被塗物に
よる区分

噴霧方式  塗料ノズル口径

mm

空気使用量

l/min

塗料噴出量

ml/min

パターン開き

mm

0.5

40

以下

10

以上

15

以上

0.6

45

以下

15

以上

15

以上

0.8

60

以下

30

以上

25

以上

重力式 S 丸吹き

1.0

70

以下

50

以上

30

以上

0.8 160

以下

45

以上

60

以上

1.0 170

以下

50

以上

80

以上

1.1 185

以下

60

以上

90

以上

1.2 200

以下

80

以上 100 以上

1.3 220

以下

90

以上 110 以上

1.4 240

以下

95

以上 120 以上

1.5 260

以下 100 以上 130 以上

1.6 280

以下 120 以上 140 以上

S

平吹き

1.8 300

以下 130 以上 150 以上

1.3 280

以下 120 以上 150 以上

1.4 310

以下 130 以上 155 以上

1.5 330

以下 140 以上 160 以上

1.6 350

以下 160 以上 170 以上

1.8 400

以下 180 以上 180 以上

2.0 450

以下 200 以上 200 以上

2.5 480

以下 230 以上 230 以上

吸上式 
重力式

L

平吹き

3.0 560

以下 270 以上 260 以上

0.8 270

以下 150 以上 150 以上

1.0 300

以下 200 以上 170 以上

1.1 320

以下 220 以上 175 以上

S

平吹き

1.2 340

以下 240 以上 180 以上

1.0 500

以下 250 以上 200 以上

1.1 560

以下 300 以上 220 以上

1.2 620

以下 350 以上 240 以上

1.3 650

以下 400 以上 260 以上

1.4 660

以下 460 以上 280 以上

1.5 670

以下 520 以上 300 以上

1.6 700

以下 600 以上 320 以上

1.8 710

以下 650 以上 330 以上

圧送式

L

平吹き

2.0 720

以下 700 以上 340 以上

5.2

パターン及び塗膜厚さの分布  パターン及び塗膜厚さの分布は,8.によって試験を行い,次による。

(1)

パターンは,片寄り,中くびれなどの変形がなく,空気キャップを任意の位置から 180°回した後も

同じパターンが得られること。

(2)

塗膜厚さの分布は正常であり,塗膜の仕上がりに有害な影響を及ぼすような,粗い塗料の噴霧粒子が

あってはならない。

(3)

吹始め及び吹終わりに,塗料の粗い噴霧粒子が噴出したり,吹付け中に息切れなどがあってはならな

い。

6.

構造及び寸法  スプレーガンの構造及び寸法は,次による。


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B 9809-1991

(1)

引金を引くと空気が噴出し,次に塗料が噴出するものとする。

(2)

塗料噴出量調節装置及びパターン開き調節装置を備えること。ただし,パターン開き調節装置は,丸

吹き−平吹き切換装置を用いてもよい。

また,重力式丸吹きスプレーガンには,パターン開き調節装置を備えなくてもよい。

(3)

各部から塗料の漏れがなく,性能に影響を及ぼすような空気漏れがないこと。

(4)

空気ニップル及び塗料ニップルの寸法は,

表 による。

なお,ねじは,JIS B 0202 によって,等級は,B 級とする。

表 3  空気ニップル及び塗料ニップルの寸法

単位 mm

ニップル

ねじの呼び

d L 

α

(度)

空気ニップル

G

1

/

4

8.5

11

以上 30

G

1

/

4

8.5

11

以上 30

塗料ニップル

G

3

/

8

 11.5

12

以上 60

備考  塗料ニップルのねじは、被塗物による区分 S には G

1

/

4

、L に

は G

3

/

8

を用いるのがよい。

7.

材料  各部に使用する材料は,その使用状態において,機械的に十分使用できるものであって,5.

規定を満足するものでなければならない。

参考  5.の規定を満足する材料の例を,参考表 に示す。

8.

試験方法

8.1

試験項目  スプレーガンの試験項目は,次による。

(1)

空気使用量

(2)

塗料噴出量

(3)

パターン,パターン開き,塗膜厚さの分布及び塗料の噴霧粒子

(4)

塗料漏れ

8.2

試験条件  スプレーガンの試験条件は,表 による。

なお,塗料噴出量調節装置,パターン開き調節装置及び空気量調節装置は全開とする。


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B 9809-1991

表 4  試験条件

試験条件

塗料供給方式  被塗物による区分

吹付空気圧力

kPa {kgf/cm

2

}

吹付距離

mm

移動速度

m/s

塗料

吸上式

重力式

S

290 {3. 0}

200

0.05

以上

吸上式

重力式

L 340

{3.5}

250

0.1

以上

圧送式 S 340

{3.5}

200

0.1

以上

圧送式 L 340

{3.5}

250

0.15

以上

JIS K 5531

のラッカ

ー エ ナ メ ル 茶 色 と

し,コンシステンシ
ーは,JIS K 5402 
よるフォードカップ

形の器を用いて測定
したとき,22±1 秒
とする。

8.3

空気使用量  空気使用量の測定は,フロート形面積流量計(

4

)

(以下,流量計という。

)を用い,試験

装置は,

図 による。

図 2  試験装置 

(

4

)  JIS Z 8761

参照。

流量計は,最大目盛の±2%の正確度をもつものを使用し,振動が少ない場所を選び,テーパ

管の中心軸が鉛直になるように取り付ける。

なお,

図 に示す P

G

は,吹付空気圧力を示す。

空気使用量の測定値は,次の式によって温度及び圧力の補正を行う。

ïþ

ï

ý

ü

ïî

ï

í

ì

)

03

.

1

(

)

20

273

(

)

03

.

1

(

)

273

(

)

101

(

)

20

273

(

)

101

(

)

273

(

0

1

0

1

P

P

t

Q

Q

P

P

t

Q

Q

ここに,

Q

: 大気圧,t℃における空気使用量  (l/min)

Q

1

: 流量計の指示値  (l/min)

t

: 温度計の指示値  (℃)

P

: 圧力計の指示値 (kPa) {kgf/cm

2

}

P

0

: 設計条件における圧力 (kPa) {kgf/cm

2

}

なお,流量計の設計基準は 20℃,空気の密度

γは 1.20kg/m

3

の場合とする。

8.4

塗料噴出量

  塗料噴出量の測定は,次の方法による。

なお,測定時間は,30 秒以上とし,3 回以上繰り返した平均値とする。

(1)

重力式では,一定容量の塗料を塗料容器に入れ,噴出を始めてから塗料容器中の塗料がなくなるまで

(息切れの発生時点)の時間を測定し,算出する。


7

B 9809-1991

(2)

吸上式では,メスシリンダに塗料を入れ,吸上管を挿入し,塗料を噴出させた後,減容量を測定し,

算出する。

(3)

圧送式では,塗料ニップル入口部の塗料圧力を,

5.

の規定を満足する状態に調整した圧力で,塗料を

霧化させないで噴出させ,排出した塗料容量を測定し,算出する。

なお,このときのスプレーガンの接続ホースは,耐溶剤性ホースを用いる。

8.5

パターン,パターン開き,塗膜厚さの分布及び塗料の噴霧粒子

  パターン,パターン開き,塗膜厚

さの分布及び塗料の噴霧粒子の試験は,次による。

(1)

パターンの試験は,平面に対し直角に,瞬間的に吹き付けたとき,パターンが正常であるかどうかを

調べる。

(2)

パターン開きの測定は,

JIS P 3101

によるひょう量 62∼67g/m

2

の上質紙を垂直に保ち,スプレーガン

を紙面に平行に 200mm 以上等速移動を行って吹き付けたときの連続した塗り跡の幅を,100mm 以上

の間隔で 3 点測定し,その平均値を求める。

(3)

塗膜厚さの分布状態及び塗膜の仕上がりに有害な塗料の噴霧粒子の有無は,

(1)

及び

(2)

で採取した塗り

跡を用い,これを目視によって調べる。

8.6

塗料漏れ

  塗料漏れ試験は,重力式では使用状態,圧送式では 200kPa {2kgf/cm

2

}

の圧力を加え,そ

れぞれ噴霧を行った後引金を放し,1 分間以上放置し,塗料漏れを調べる。

9.

検査

  スプレーガンの検査は,性能,構造及び寸法について行い,

5.

及び

6.

の規定を満足しなければ

ならない。

10.

製品の呼び方

  スプレーガンの呼び方は,規格番号又は規格の名称,塗料供給方式,被塗物による区

分,噴霧方式,塗料ノズル口径による。

例 1. 

JIS B 9809 

重力式 S

丸吹き 1.0

例 2. 

スプレーガン

圧送式 L

平吹き 1.5

11.

表示

  スプレーガンには,見やすいところに,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。ただし,

(4)

及び

(5)

については,取扱説明書に示してもよい。

(1)

製造業者名又はその登録商標

(2)

被塗物による区分

(3)

塗料ノズル口径

(4)

空気使用量

(5)

塗料噴出量


8

B 9809-1991

参考表 1  材料

部品名

材料

本体

JIS H 5202

の AC3A,  JIS H 5101 の YBsC3,  JIS H 5301 の ZDC1,  JIS H 5302 

ADC12

又は JIS H 5111 の BC3

空気キャップ

JIS H 5101

の YBsC3, JIS H 5111 の BC3, JIS H 3250 の C3771BE 又は JIS H 5301

の ZDC1

塗料ノズル

JIS G 3123

の SGD400−D, JIS G 4303 の SUS410 又は JIS H 3250 の C3604BD

ニードル弁

JIS G 4309

の SUS410, JIS G 4401 の SK2 又は耐溶剤性合成樹脂

空気弁

JIS H 3250

の C3604BD, JIS G 4303 の SUS410,耐溶剤性合成樹脂又は合成ゴム

引金

JIS G 3141

の SPCC,  JIS G 4305 の SUS430,  JIS H 5301 の ZDC1,  JIS H 5302 

ADC12

又は JIS H 5111 の BC2

握り

本体の握りが別構造のものについては,耐溶剤性合成樹脂成形品を用いてもよい。

関連規格

JIS G 3123

  みがき棒鋼

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板

JIS G 4309

  ステンレス鋼線

JIS G 4401

  炭素工具鋼鋼材

JIS H 3250

  銅及び銅合金棒

JIS H 5101

  黄銅鋳物

JIS H 5111

  青銅鋳物

JIS H 5202

  アルミニウム合金鋳物

JIS H 5301

  亜鉛合金ダイカスト

JIS H 5302

  アルミニウム合金ダイカスト

JIS B 9809

  改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

吉  岡      豊

株式会社明治機械製作所

林      信  之

旭大隈産業株式会社

剣  持  雄  治

岩田塗装機工業株式会社

橘      雄  治

株式会社近畿製作所

稲  垣      誠

昭和塗装機器工業所

立  野  保  英

株式会社タテノ

石  川  八州夫

日本グレイ株式会社

西  本      弘

株式会社富士コンプレッサー製作所

笠  岡  一  正

株式会社明治機械製作所

金  子  以  伸

ランズバーク・インダストリー株式会社

副  島  啓  治

社団法人日本塗装工業会

岩  村  兵  二

日本工業塗装協同組合

喜  田  勝治郎

通商産業省機械情報産業局

桐  山  和  臣

工業技術院標準部

(事務局)

井  本  道  親

日本塗装機械工業会