>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

B 9703

:2011 (ISO 13850:2006)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  安全要求事項 

3

4.1

  一般要求事項 

3

4.2

  電気式非常停止装置の要求事項

4

4.3

  作動条件,設置環境

4

4.4

  非常停止機器 

4

4.5

  アクチュエータとして使用するワイヤ又はロープ 

5


B 9703

:2011 (ISO 13850:2006)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本機械

工業連合会(JMF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 9703:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

9703

:2011

(ISO 13850

:2006

)

機械類の安全性−非常停止−設計原則

Safety of machinery-Emergency stop-Principles for design

序文 

この規格は,2006 年に第 2 版として発行された ISO 13850 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。

この規格は,機械類の安全性規格群の一つであり,その構成は次による。

タイプ A 規格(基本安全規格)−全ての機械類に適用できる基本概念,設計原則及び一般的側面を規定

する規格

タイプ B 規格(グループ安全規格)−広範な機械類に適用できる安全面又は安全防護物を規定する規格

タイプ B1 規格−特定の安全面(例えば,安全距離,表面温度,騒音)に関する規格

タイプ B2 規格−安全防護物(例えば,両手操作制御装置,インタロック装置,圧力検知装置,ガード)

に関する規格

タイプ C 規格(個別機械安全規格)−個々の機械又は機械群の詳細な安全要求事項を規定する規格

上の分類のうち,この規格はタイプ B2 規格である。

なお,この規格における大きな変更点は,次のとおりである。

−  非常停止指令のリセットは,手動であること(4.1.6 参照)

−  非常停止機器は,機械的ラッチングを使用すること(4.4.3 参照)

適用範囲 

この規格は,機械における非常停止の機能的要求事項及び設計原則について規定する。

なお,機能を制御するために使用するエネルギーの種類は限定しない。

この規格は,次のものを除く全ての機械類に適用する。

−  非常停止を設けても,リスクが低減しない機械

−  手持ち機械及び手案内機械

この規格は,非常停止機能の一部である動作の反転又は制限,回避,遮蔽,制動若しくは遮断のような

機能を取り扱うものではない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13850:2006

,Safety of machinery−Emergency stop−Principles for design(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの


2

B 9703

:2011 (ISO 13850:2006)

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 9700-1

  機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第 1 部:基本用語,方法論

注記  対応国際規格:ISO 12100-1,Safety of machinery−Basic concepts, general principles for design

−Part 1: Basic terminology, methodology(IDT)

JIS B 9960-1

  機械類の安全性−機械の電気装置−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60204-1,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1:

General requirements

(MOD)

JIS C 8201-5-5

  低圧開閉装置及び制御装置−第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 5 節:機械的ラ

ッチング機能をもつ電気的非常停止機器

注記  対応国際規格:IEC 60947-5-5,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-5: Control circuit

devices and switching elements

−Electrical emergency stop device with mechanical latching function

(IDT)

IEC 60417-DB

,Graphical symbols for use on equipment (online database)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 9700-1 によるほか,次による。

3.1

非常停止,非常停止機能(emergency stop, emergency stop function)

次のことを意図する機能。

−  人に対する危険源を,又は機械類若しくは工程中の加工物への損害を,避けるか又は低減する。

−  人間の単一の動作によって停止指令を出す。

注記  この規格の対象となる危険源は,次のことから発生する。

−  機能異常(例えば,機械類の機能不良,加工材料の不良,ヒューマンエラー)

−  通常運転

JIS B 9700-1 の 3.37 参照)

3.2

非常停止機器(emergency stop device)

非常停止機能を始動するために使用される手動操作の制御機器。

JIS C 8201-5-5 の 3.2 参照)

3.3

機械アクチュエータ(machine actuator)

機械を作動させる駆動機構。

JIS B 9960-1 の 3.34 参照)

3.4

安全機能(safety function)

故障がリスクの増加に直ちにつながるような機械の機能。

JIS B 9700-1 の 3.28 参照)


3

B 9703

:2011 (ISO 13850:2006)

安全要求事項 

4.1 

一般要求事項 

4.1.1

非常停止機能は,機械の全ての運転モードにおいて,捕捉された人を解放するように設計されたい

かなる設備をも損なうことなく,いつでも利用可能,かつ,操作可能であり,他の全ての機能及び操作に

優先するものでなければならない。

非常停止機能の始動によって停止した運転に対して,非常停止機能が手動でリセットされるまでいかな

る起動信号(意図する,意図しない又は予期しない)も有効となってはならない。

非常停止機器を機械本体から切り離すことができる場合(例えば,携帯形教示ペンダント)

,又は機械類

を部分的に分離できる場合,動作中及び非動作中の制御機器の間に不整合が生じないように注意すること

が望ましい。

4.1.2

非常停止機能は,安全防護策又は他の安全機能の代替手段として採用してはならない。付加保護方

策として設計することが望ましい。非常停止機能は,保護機器又は他の安全機能をもつ機器の有効性を損

なってはならない。

注記  この目的のためには,電磁チャック又は制動機器のような補助的設備が確実に作動することが

必要である。

4.1.3

非常停止機能は,非常停止機器の動作後,新たな危険源が発生することなく,また人の介在なしに,

機械の動作を適切な方法で停止するようにリスクアセスメントに従い設計しなければならない。

適切な方法には,次を含む。

−  最適な減速度の選定

−  停止カテゴリ(4.1.4 参照)の選択

−  事前決定した遮断順序の採用

非常停止機能は,非常停止機器を使用する際,使用後の影響を機械オペレータが考慮しなければならな

いような設計であってはならない。

4.1.4

非常停止機能は,次の停止カテゴリのどちらかに従う機能としなければならない。

a)

停止カテゴリ 0  次の手段による停止

−  機械アクチュエータへの動力の即時供給遮断

−  危険な部位とその機械アクチュエータ間の機械的分離(切り離し)

。必要な場合,ブレーキによる制

b)

停止カテゴリ 1  停止するために,機械アクチュエータへの動力を必要とし,停止したとき動力が遮

断される制御停止

動力供給遮断の例には,次を含む。

−  機械の電気モータへの電力遮断

−  動力可動要素からの機械エネルギー源の切り離し

−  機械の液圧/空圧機械アクチュエータへの流体動力源遮断

4.1.5

4.1.4

による停止カテゴリ 0 又は 1 の選択は,機械のリスクアセスメントによって決定しなければ

ならない(JIS B 9960-1 の 9.2.5.4.2 参照)

注記  安全関連機能に関する要求事項は,JIS B 9705-1 及び JIS B 9961 にも規定されている。

4.1.6

非常停止指令が入力され,非常停止機器の起動操作が終了したら,この指令の効力は,非常停止機

器が手動でリセットされるまで維持しなければならない。リセットは,非常停止指令が始動した場所でだ

け可能でなければならない。指令のリセットは,再起動を許可するだけで,機械類を再起動してはならな


4

B 9703

:2011 (ISO 13850:2006)

い。機械の再起動は非常停止機器の手動リセットが非常停止を起動した各々の場所で実施されるまで可能

であってはならない。

4.2 

電気式非常停止装置の要求事項 

非常停止に使用される電気装置は,JIS B 9960-1 の関連要求事項に適合しなければならない。非常停止

機器に関連する要求事項は,4.4 及び JIS C 8201-5-5 参照。

4.3 

作動条件,設置環境 

非常停止機能に使用されるコンポーネント,機器及び要素は想定した作動条件及び設置環境のもとで正

しく作動できるように選択,組立,相互に接続し,また保護しなければならない。これには,次を考慮す

ることを含む。

−  作動頻度及び,例えば,作動頻度の少ない場合の定期試験の必要性

−  振動,衝撃,温度,じんあい,異物,湿気,腐食性物質及び流体からの影響

4.4 

非常停止機器 

4.4.1

非常停止機器は,オペレータ及びそれを作動する必要がある人によって容易に作動できるように設

計しなければならない。

使用するアクチュエータの種類は,次を含む。

−  きのこ形押しボタン

−  ワイヤ,ロープ,バー

−  ハンドル

−  特別の用途では,保護カバーなしの足踏みペダル

4.4.2

非常停止機器は,リスクアセスメントの結果によって必要としない場合を除き,各オペレータの制

御ステーションごとに,

及びリスクアセスメントによって決定される他の場所に配置しなければならない。

非常停止機器は,操作を必要とするオペレータ及び他の人が容易に近づくことができ,かつ危険のない操

作ができるような位置に取り付けなければならない。不注意な操作に対する方策は,接近性を損なわない

ようにすることが望ましい。

4.4.3

非常停止機器は,機械的ラッチングの直接開路動作の原理を適用しなければならない。電気的非常

停止機器は,JIS C 8201-5-5 に適合しなければならない。

注記  この原理の適用例は,直接開路動作をもつ電気接点を用いた非常停止機器である。JIS C 

8201-5-1

附属書 によれば,(接点の)直接開路動作とはスイッチのアクチュエータの規定

動作が非弾性要素(例えば,ばねによらない。

)によって直接的に接点を分離するものである。

4.4.4

非常停止機器に故障が生じた場合(保持機能を含む。

,停止指令の発生は,保持機能より優先しな

ければならない。

非常停止のリセット(例えば,かみ外し,切り離し)は,非常停止が起動した場所で,手動操作の結果に

よってだけ可能でなければならない。

4.4.5

非常停止機器のアクチュエータは,赤色でなければならない。アクチュエータ背後に背景があり,

実施可能な場合,背景は黄色でなければならない(JIS B 9960-1 の 10.7.3 参照)

注記  ワイヤ又はロープを使用する場合,マーカフラッグを取り付けると見やすくなる。

4.4.6

ラベルを付ける場合,IEC 60417-5638(DB:2002-10)のシンボルを使用しなければならない。

図 1

参照。


5

B 9703

:2011 (ISO 13850:2006)

図 1−非常停止のシンボル(IEC 60417-5638

注記  図 は,この規格の箇条 の IEC 60417-DB から引用したものである。

4.5 

アクチュエータとして使用するワイヤ又はロープ 

4.5.1

ワイヤ又はロープを非常停止機器のアクチュエータとして使用する場合,容易に使用できるように

設計及び配置しなければならない。この目的のために,次を考慮しなければならない。

−  非常停止指令を出力するために必要な変位量

−  最大可能変位

−  ワイヤ又はロープと最も近い物体との最小空間距離

−  オペレータが,ワイヤ又はロープを目視しやすいようにする(例えば,マーカフラッグの使用による。

−  非常停止機器を働かせるためのワイヤ又はロープに加える力及びその方向

注記  非常停止機器の操作が,ワイヤの軸に沿って引っ張ることによる場合,どちらの方向にワイ

ヤを引けば非常停止指令が発生するのかを確実に明示する必要がある。

JIS C 8201-5-5

参照。

4.5.2

ワイヤ又はロープの切断又は外れた場合の危険源を回避するための方策を実施しなければならな

い(4.4.4 参照)

4.5.3

非常停止機器をリセットする手段は,その位置からワイヤ又はロープの全長が見えるようなところ

に配置するのが望ましい。

4.5.4

非常停止機器の作動後及びリセット前に,作動した原因を発見するため,ワイヤ又はロープの全長

に沿って機械類を検査することを取扱説明書で記述しなければならない。

参考文献

[1]  JIS B 9705-1

  機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第 1 部:設計のための一般原則

注記  対応国際規格:ISO 13849-1,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−Part 1:

General principles for design

(IDT)

[2]  JIS B 9961

機械類の安全性−安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全

注記  対応国際規格:IEC 62061,Safety of machinery−Functional safety of safety-related electrical,

electronic and programmable electronic control systems

(IDT)

[3]  JIS C 8201-5-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 1 節:電気機械

式制御回路機器

注記  対応国際規格:IEC 60947-5-1,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-1: Control circuit

devices and switching elements

−Electromechanical control circuit devices(IDT)