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B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本印刷産業機械工業会(JPMA)/財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14981:2000,Graphic technology−

Process control

−Optical, geometrical and metrological requirements for reflection densitometers for graphic arts

use

を基礎として用いた。

JIS B 9623

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  偏光フィルタ付き測定器用の校正用標準板(CRM)

附属書 B(規定)  偏光試験ジグ

附属書 C(参考)  関連規格


B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

2

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

3.1

  無彩色

3

3.2

  校正

3

3.3

  検定書付き校正板 CRM

3

3.4

  有彩(知覚)色

3

3.5

  光沢抑制係数

3

3.6

  照射領域

3

3.7

  機構的アパーチャ

3

3.8

  プロセスカラー(色刷り)

3

3.9

  受光部

3

3.10

  反射率係数  

3

3.11

  サンプリングアパーチャ

3

3.12

  スクリーン線数;スクリーン周波数

3

3.13

  スクリーン幅

3

3.14

  分光積

Π

3

4.

  要求事項

3

4.1

  入反射光束の幾何学的条件

3

4.2

  機構的アパーチャとサンプリングアパーチャ

5

4.3

  照射領域

5

4.4

  分光条件

5

4.5

  分光データからの反射濃度算出

6

4.6

  適合性

7

4.7

  表記事項

7

5.

  試験方法

8

5.1

  概要

8

5.2

  調整

8

5.3

  分光条件

8

5.4

  偏光効率

9

6.

  明示事項

9

附属書 A(規定)偏光フィルタ付き測定器用の校正用標準板(CRM

10

附属書 B(規定)偏光試験ジグ

11

附属書 C(参考)関連規格

12

解  説

13


日本工業規格

JIS

 B

9623

:2002

(ISO 14981

:2000

)

印刷技術−工程管理−

グラフィックアーツで使用する反射濃度計の光学的,

幾何学的及び計測学的要求事項

Graphic technology

−Process control−

Optical, geometrical and metrological requirements for reflection

densitometers for graphic arts use

序文  グラフィックアーツで工程管理に使われている濃度計は,グラフィックアーツに特有な多くの特徴

をもっている。写真の規格 ISO 5-1(1),ISO 5-3 及び ISO 5-4(2)が基本となっているが,印刷技術に使われ

る測定機器には特別な性能と精度が求められている。

原則的には,

(光電式又は分光測光式の)反射式濃度計及び反射式測色計は,両者とも反射ハードコピー

の反射率係数を測定する反射計である。ISO 5 シリーズに適合する濃度計と ISO 13655 に適合する測色計

は,共通の幾何学的条件,すなわち 45/0 又は 0/45 をもつ。分光測光式の反射計は,一般的に濃度計及び

測色計として使える。この国際規格に使われている測色計の定義は,国際照明委員会による CIE 17.4

(International Lighting Vocabulary)に従う。グラフィックアーツでは,幾何学的条件 45/0(45°入射・0°

反射)又は幾何学的条件 0/45 が積分球方式より好ましい。これらの幾何学的条件は,通常,人が光沢のあ

る印刷物を見る場合に,光沢から受ける影響を最小に抑える角度に相当するからである。ISO 13655:1996,

附属書 を参照。偏光方式の採用は一次表面反射を除去するための付加的な測定方法であり,マット表面

の測定にはこれが唯一の測定方法である。

濃度計と測色計には類似性があるにもかかわらず,両者には根本的な相違がある。第一に濃度測定に用

いられる光源は,CIE の標準 A 光源であるが,グラフィックアーツの測色には ISO 13655 で CIE 標準 D50

光源を指定している。第二には有彩色においては反射率係数の重み付けが濃度測定と測色とで異なる。無

彩色(例えば黒)の濃度測定に使われる“視感”重み関数だけが測色における三刺激値 Y のそれと同じで

ある。

測色の目的は,標準観察者が試料を見るのと同じような視感特性をできるだけ忠実に近似した応答を測

定器から得ることである。グラフィックアーツにおいては,測色は主としてカラーマッチングと色標準の

設定に使用される。サンプリングアパーチャの小さい分光測光式又は光電式の安価なハンディータイプの

測色計の利用は,工程管理で測色を濃度測定の補完として使用することを可能とした。一般的に,カラー

マッチングでは濃度計は使えない。

グラフィックアーツにおける濃度測定の目的は,インキ皮膜の厚さの管理,つまり,単位面積当たりの

色材量の管理及び,トーンバリューやその他の量を測定することである。一方,全く異なる目的として,

カラーフィルムの濃度レンジの測定があるが,この種の濃度測定はここでは規定しない。

この規格の考え方は,ISO 5 シリーズで写真用に規定された一般的原則をベースにしている。分光積に


2

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

ついては ISO 5-3 の幾つかの表を参照している。ISO 5 シリーズでは,計測器使用者を直接対象とするの

ではなく,濃度計製造業者又は適切な設備を保有する研究施設を対象としている。計測器使用者を対象と

した規定は ISO 13656 に規定されている。また,そこでは更に各種の濃度計についても記述されている。

この規格は,2000 年に第 1 版として発行された ISO 14981:2000,Graphic technology−Process control−

Optical, geometrical and metrological requirements for reflection densitometers for graphic arts use

を翻訳し,技術

的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある部分は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,網点のような面積階調又は連続階調多色印刷物における反射濃度及びトーン

バリューの測定に使われる測定器への要求事項を規定する。

この規格は,フィルタ/バンドパスなどの波長選択手法を用いてステータス濃度を直接測定する測定器,

及び分光的に測定してステータス濃度を算出する測定器に適用する。この規格は,連続調原画を測定する

機器には適用しない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 14981:2000

, Graphic technology − Process control − Optical, geometrical and metrological

requirements for reflection densitometers for graphic arts use (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうち,発行年を付記してあるものは記載の年の版だけがこの規格の規定を構成す

るものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新

版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 9622

  印刷技術−反射濃度及び測色データの工程管理並びに画像評価への応用

備考  ISO 13656:2000,Graphic technology−Application of reflection densitometry and colorimetry to

process control or evaluation of prints and proofs

が,この規格と一致している。

ISO 5-3:1995

  Photography−Density measurements−Part 3: Spectral conditions

ISO 2846-1:1997

  Graphic technology−Colour and transparency of ink sets for four-colour-printing−Part 1:

Sheet-fed and heat-set web offset lithographic printing

ISO 13655:1996

  Graphic technology−Spectral measurement and colorimetic computation for graphic arts

images

ISO 14807

  Photography−Method for the determination of densitometer performance specifications

ISO 15790(

1

)

  Graphic technology and photography−Reflection and transmission metrology−Certified

reference materials

− Documentation and procedures for use, including determination of combined

standard uncertainty

注(

1

)

出版予定

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

備考  測定の対象となるものには,適宜“単位”を付けた。無次元の用語の単位は,定義によって 1

とする。


3

B 9623

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3.1

無彩色[achromatic(perceived)colour]  色相のない色。例えば黒と白。透過性のある物体では無

色又は中性という記述もまた使われる(

附属書 C6]参照)。

備考  実際の印刷では,無彩色は,1 種のインキ又は適度にバランスされた 3 種の有彩色インキによ

って作り出せる。

3.2

校正(calibration)  計器又は測定系の示す値,若しくは実量器又は標準物質の表す値と,標準によ

って実現される値との間の関係を確定する一連の作業(

附属書 C5]参照)。

備考  校正には,計器を調整して誤差を修正することは含まない。

3.3

検定書付き校正板 CRM(certified reference material CRM)  検定値が書面で記述されている校正試

料。その記述された検定値は,その単位の正確性を保証するトレーサビリティが確立されており,その検

定値は,ある確度の不確かさを伴う(ISO 15790

3.4

有彩(知覚)色[chromatic(perceived)colour]  無彩色の逆(附属書 C6]参照)。

備考  プロセスインキのシアン,マゼンタ及びイエローは有彩色基本カラーインキである。

参考  知覚的に色相を感じる色(JIS Z 8113:1998  照明用語)。

3.5

光沢抑制係数(gloss suppression factor)  測定器に設置した偏光フィルタによって,偏光試験ジグの

反射率を抑制する係数。単位:1

3.6

照射領域(illuminated area)  光源によって照射された試料表面部分。

3.7

機構的アパーチャ(mechanical aperture)  試料上に測定装置を位置決めするために使用する不透明

マスクで作られたアパーチャ。

3.8

プロセスカラー(色刷り)[process colours(for four-colour printing)]  シアン,マゼンタ,イエロ

ー及びブラック(

附属書 C3]参照)。

3.9

受光部(receiver)  放射光を検出する装置。

3.10

反射率係数  R(reflectance factor)  試料の表面要素を頂点とする,与えられたすい体で,範囲を定

められた立体角内への反射放射束又は光束の,全く同様に照明された完全拡散反射体から同じ立体角への

反射放射束又は光束との比。ここでいうすい体とは,平面のふちと平面外の 1 点を結んで形成される立体

附属書 C6]参照)。単位:1

3.11

サンプリングアパーチャ(sampling aperture)  受光部の受光角で決まる試料の表面領域。

3.12

スクリーン線数;スクリーン周波数(screen ruling; screen frequency)  最も高い値を示す方向での,

長さ当たりの網点又は線で構成される画素の数(

附属書 C3]参照)。単位:cm

-1

3.13

スクリーン幅(screen width)  スクリーン線数の逆数(附属書 C3]参照)。単位:

µm

3.14

分光積

Π

(spectral products)  波長ごとに求めた入射光束の分光エネルギーと受光部の分光感度との

積。単位:1

備考  受光部の分光感度には,受光素子及びそれとサンプリングアパーチャ間に介在するすべての分

光的要因が含まれる。

4.

要求事項

4.1

入反射光束の幾何学的条件

4.1.1

概要  測定は,次のいずれかによって行う。

−  環状照射と,サンプリングアパーチャに対して垂直方向に感度指向性がある受光部を用いる(環状入

射モード)

,又は

−  サンプリングアパーチャに対する垂直な照射と環状受光部を用いる(環状反射モード)


4

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4.1.2

環状入射モード  照射は環内にわたって均一であるものとする。もし,試料の反射特性がその面で

回転させても不変であるならば,照射は環内にわたって均一である必要はない。

備考  印刷物が,指向性にあまり敏感に影響を受けないことが分かっている場合で,環内均一性が得

られないときには,下記の方法で照射してもよい。

入射光は方位角 90 度の位置にある 2 個の光源,より望ましくは,等しい方位角に置いた 2

個以上の光源からくるものとする。もし,0/45/90 度の各方向設定で濃度測定を 5 回繰り返した

結果,その平均が濃度差 0.03 以内ならば,指向依存度は無視できる範囲である。

照射輝度の角度成分の分布はサンプリングアパーチャの中心部において,45±2 度でその最大値となり,

また,最大角度から 5 度以上離れた角度において無視できる範囲であるものとする。

図 を参照。

受光部は,サンプリングアパーチャに対し垂直に受けるものとする。受光部感度の角度成分の分布はサ

ンプリングアパーチャの中心において,その垂直線から 2 度以内で最大値となり,また,最大角度から 5

度以上離れた角度において無視できる範囲でなければならない。

図 を参照。

4.1.3

環状反射モード  受光部の感知は環状とし,その感度は環内にわたって均一でなければならない。

試料の反射特性が,その水平面で回転させても一定であるならば,受光部の感度分布は環内にわたって均

一である必要はない。

備考  印刷物が,指向性にあまり敏感に影響を受けないことが分かっている場合で,環内均一性が得

られないときには,次の方法で受光してもよい。

入射光は方位角 90 度の位置にある 2 個の受光部,より望ましくは,等しい方位角に置いた 2

個以上の受光部からなるものとする。もし,0/45/90 度の各方向設定で濃度測定を 5 回繰り返し

た結果,その平均が濃度差 0.03 以内ならば,指向依存度は無視できる範囲である。

受光部感度の角度成分の分布はサンプリングアパーチャの中心部において,45±2 度でその最大値とな

り,また,最大角度から 5 度以上離れた角度において無視できる範囲でなければならない。

凡例

1

:サンプリングアパーチャ

実線:最大値及びその許容度の公称角度 
点線:最大値を得る角度から 2 度ずれた例

また,照射 の分布,受光感度 を余緯度

θ

に対して示す。

  1  環状入射モード-サンプリングアパーチャ中心部での放射すいを示す断面


5

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光源は,サンプリングアパーチャに対し垂直に照射する。照射光束の角度成分の分布はサンプリングア

パーチャの中心において,その垂直線から 2 度以内で最大値となり,また,最大角度から 5 度以上離れた

角度において無視できる範囲であるものとする。

4.2

機構的アパーチャとサンプリングアパーチャ  機構的アパーチャの内側の境界は,サンプリングア

パーチャ境界の 0.5mm 以上外側に置く。円形のサンプリングアパーチャの直径は,スクリーン幅の 15 倍

以下としないことが望ましいが,

実用される最も粗いスクリーン線数のスクリーン幅の 10 倍以下としては

ならない。4.7 を参照。非円形サンプリングアパーチャの面積は,円形サンプリングアパーチャで要求され

る面積より小さくしてはならない。

備考  サンプリングアパーチャの最少サイズとスクリーン幅の関係は,附属書 C3]及び JIS B 9622

に記載されているものと同一である。

凡例

1

:サンプリング領域

2A

:サンプリング領域より小さい照射領域

2B

:サンプリング領域より大きい照射領域

  2  サンプリング領域の境界と起こり得る 2 種の照射領域の模式図

4.3

照射領域  すべての照射領域の境界は,サンプリングアパーチャ境界から内側又は外側に 0.5mm 以

上離す。

図 参照。

備考1.  この要求は,反射率係数を測定するとき,測定器受光部サンプリングアパーチャ内の光が試

料の半透明性によって,内側から外側へと横方向に拡散するために生じる横方向の測定誤差

を減少させる。通常,反射率係数は,全反射光を集めた場合より低くなる。

2.

実際には,照射領域はサンプリングアパーチャよりも小さくするほうが好ましい。

3.

通常,印刷における濃度測定は,均一なトーンバリューをもつコントロールパッチを非常に

小さいサンプリングアパーチャで行うため,均一性については規定していない。

4.4

分光条件

4.4.1

入射スペクトル  試料に照射する分光エネルギー分布は,分布温度 2 856K に相当する CIE 標準 A

光源とする。許容誤差は,±100K とする。

備考  印刷材料,特に印刷支持体は,蛍光性がある場合もあるので,この要求事項は特に重要である。

蛍光性が問題とならなければ,同一の分光反射率係数データを測色値やステータス濃度の計算

に使用してもよい。


6

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4.4.2

分光積  黒や灰色のような無彩色の測定では,分光積は ISO 5-3 で規定される ISO 視感反射濃度に

従って求める。シアン,マゼンタ及びイエローという有彩色の測定においては,三つの有彩色に対する測

定器の分光応答度の分光積は,ステータス T,I 又はEの濃度について ISO 5-3 で規定された分光積と合っ

ていなければならない。特に,シアンの分光応答度は ISO 5-3 で,

“赤”と書かれた分光データに,マゼン

タの分光応答度は“緑”と書かれた分光データに,イエローの分光応答度は“青”と書かれた分光データ

に一致させる。

4.5

分光データからの反射濃度算出  ステータス濃度は,次のいずれかで決定できる。

−  反射分布の分光的重み付けのため,受光部の分光感度に合わせた光学フィルタを使用する測定器,又

−  ステータス濃度を分光的に測定し算出する測定器。

分光的適合性確認には,2 番目の方法を使用する。4.6.3 を参照。

計算による濃度の算出は,次の方法で行う。

分光反射率係数は 10nm 間隔を基本として,分光感度関数は,感度の半値幅が 10nm の三角形であ

る。もし,測定データがその測定波長間隔とバンドパスが 10nm より狭いときは,ISO 13655 

附属書

A

で与えた方法を使用して,データのバンドパスを広げることができる。反射率係数データの測定は,

少なくとも 400nm から 700nm まで行う。

分光反射率係数は,

4.1.2

又は 4.1.3 に適合する測定器で,

4.2

4.3

及び 4.4.1 に従って測定する。

反射濃度を計算するために次の式を使う。

λ

å

λ

λ

å R

D

g

1

=

(1)

ここに,

D

反射濃度

R

λ

):

波長

λ

における反射率係数

Π

λ

):

ISO 5-3

で規定された波長λにおける分光積

1g

10

を底とする対数

積算は,分光積データに規定された範囲で行う。

反射率係数データが分光積データの最短波長(

λ

1

)より長い波長(

λ

4

)で始まる場合は,その波長(

λ

4

以下の全分光積を合計し,その波長(

λ

4

)の分光積に加算する。また,反射率係数データが分光積データ

の最長波長(

λ

n

)より短い波長(

λ

n

3

)で終わる場合は,その波長(

λ

n

3

)以上の全分光積を合計し,

その波長(

λ

n

3

)の分光積に加算する。

備考1.  この手順は,ISO 13655 で規定する測色計算の記載事項と同様である。

2.

分光反射率係数が波長によって急速に変化する場合は,10nm データの使用は適切ではなく,

算出したステータス濃度は,連続感度関数を用いて求めた値と異なるであろう。

参考  反射率係数データ範囲と分光積データ範囲が異なる場合の算出方法を参考図 に示す。


7

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

参考図  1  反射濃度算出説明図

4.6

適合性

4.6.1

概要  測定器が,4.6.2 及び 4.6.3 の要求事項を満たせば,この規格に適合する。測定器が偏光フィ

ルタを装備している場合には,4.6.4 の追加要求事項を満足しなければならない。

4.6.2

直線性  四つのカラーチャネルを 5.2 に従って調整した後,ISO 15790 に適合する CRM の反射濃

度を測定する。少なくとも 0.0±0.2,1.0±0.2 及び 2.0±0.5 の公称反射濃度をもつ三つの CRM において,

測定濃度は,0.02%又は 2%の誤差範囲内で CRM の添付文書記載の濃度と一致しなければならない。偏光

フィルタ付き測定器では,使用される CRM は,

附属書 の要求事項も満足しなければならない。

備考  附属書 に適合する CRM は,偏光フィルタをもたない測定器にも使用できる。

4.6.3

分光積の適合性  次に 5.2 に従って調整され,かつ 4.6.2 に適合する測定器に関して述べる。この

状態のままで,5.3.2 及び 5.3.4 に従って求めた反射濃度は,プロセスインキのシアン,マゼンタ,イエロ

ー及びブラックのベタ部において,0.03%又は 3%の誤差範囲内でなければならない。5.3.2 及び 5.3.5 に従

って求めた反射濃度にも同様の条件が適用される。

備考  この直線性と分光積の複合要求は,実際にそのような測定器が使用されていることに由来する。

この複合要求は,試験前に個々の調整が許される直線性と

分光積の独立した試験より厳しい条

件を測定器に要求する。

4.6.4

偏光  偏光フィルタ付き測定器では,5.4 の試験方法による光沢抑制係数は,各々のカラーチャン

ネルにおいて 50 より小さくならないものとする。

4.7

表記事項    この規格に適合していると表示する測定器には,供給者は測定器に次の事項を添付しな

ければならない。

−  その測定器で測定したステータス濃度。

−  偏光フィルタの有無。

−  サンプリングアパーチャサイズ及び照射領域の明示。単位:mm

−  測定可能なハーフトーンスクリーン線数の下限,4.2 を参照。

−  測定器の校正,必要であれば,調整に関する説明及び方法。


8

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

供給者は,ISO 14807 に明記された方法で測定器の性能仕様書を用意するのが望ましい。その文書では,

ステータス反射濃度は,完全反射面及び完全拡散面に対するものであることを一般使用者に対し明示する

ことが望ましく,それ以外の場合は反射という言葉の前に“相対”という形容詞を付ける。

5.

試験方法

5.1

概要  反射濃度の測定は,JIS B 9622 に従って行う。バッキング材は,拡散反射性,分光的に非選

択性で,1.50±0.20 の ISO 視感反射濃度をもつものを使用する。国の標準試験機関が報告する測定値には,

測定器の幾何光学系,ステータス条件を明示することが望ましい。

備考  次に述べる試験方法は,製造業者又は適切な装備をもつ研究施設を対象とするもので,一般使

用者を対象とするものではない。

5.2

調整  測定器を最適な状態で使用するため,校正,必要であれば調整を行う。調整内容には,ハー

ドウエア,必要であればソフトウエアが含まれる。

5.3

分光条件

5.3.1 CRM

は,分光特性が ISO 2846-1:1997 の

附属書 の特性に適合し,色特性はこの規格の表 

各 L

a

b

値に±5 の許容差で整合するものを用意する。適切な CRM がないときは,ISO 2846-1 に準

拠するオフセットプロセスインキを用意し,

表 で与えられた各 L

a

b

値±5 となるようにコート紙

に印刷した CMYK ベタパッチを用意する。

5.3.2

印刷物を,5.1 を満足するブラックバッキングの上に置き,測定器でプロセスインキのベタ 4 色を

測定する。

5.3.3

次の仕様を満たす精密分光光度計を用意する。

−  バンド幅 10nm 以下

−  幾何光学系以外は ISO 13655 に適合

−  この規格に適合した幾何光学系

−  性能は,国の標準試験機関で追試が可能で,測定作業に合った不確かさ水準で確認できる CRM で検

証されたもの。不確かさ水準は,4.6.3 で記載された許容範囲で規定される。

偏光フィルタ付き測定器を試験する場合は,精密分光光度計にも偏光フィルタを備えること。

5.1

に従い,

少なくとも 400nm から 700nm の範囲で,ブラックバッキング上で 4 色プロセスインキの分光反射率係数

を測定する。波長ごとに 5 から 10 回測定した分光反射率係数を平均する。

5.3.4

式(1)と 4.5 の手順で,5.3.3 の平均反射率係数から反射濃度を計算する。

5.3.5

測定器の使用目的によって,その他のインキセット又は色材セットを使用して,5.3.1 から 5.3.4 

手順を繰り返す。

備考  濃度測定が印画紙,染料熱昇華又はインクジェット材料を用いたオフプレスのカラープルーフ

の工程管理に使用する場合は,5.3.5 の手順は特に重要である。

  1  分光適合性試験に使う CRM の CILEAB 値

単位:1

L

a

b

シアン 54

−37

−50

マゼンタ 47

  75

− 6

イエロー 88

− 6

  95

ブラック 18

   0

− 1

備考  JIS B 9622 に従って測定(ブラックバッキング,2°視野,D

50

,0/45 又は 45/0)


9

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

5.4

偏光効率

5.4.1

附属書 に記載された偏光試験ジグを使用し,測定器のすべてのカラーチャンネルについて,5.4.2

から 5.4.9 の手順で行う。

5.4.2

測定器から偏光フィルタを取り外し,白色板によってゼロ調整を行う。

5.4.3

偏光試験ジグを水平に置き,その上に測定器を置く。

5.4.4

反射濃度が最小になるように,測定器の水平位置を調節する。

5.4.5

反射濃度が更に最小値 D

1

(−0.8 まで下がる場合もある)になるよう円すい(錐)シリンダの垂直

位置を調節する。電子回路がその時の大きな光電流値を線形範囲内で扱えることを確認する。扱えない場

合は,光路中に分光選択性のない厚みの薄い適切な濃度フィルタ等の光減衰体を入れ,その時幾何光学系

を崩さないことを確認する。

5.4.6

偏光フィルタを再び測定器に組み込み,5.4.2 と同様にしてゼロ調整を行う。

5.4.7

5.4.4

で最小濃度が得られた位置に対して,0.1mm の誤差内で偏光試験ジグ上に測定器を戻す。

5.4.8

新たな反射濃度,D

2

を読む。

5.4.9

式(2)で計算を行う。

1

2

10

D

D

P

(2)

ここに,

P

光沢抑制係数

D

1

5.4.5

で求めた濃度

D

2

5.4.8

で求めた濃度

6.

明示事項  この規格を満足する反射濃度は,ISO 5-3 のどの分光積を使用したかによって,“視感反射

濃度”

“ステータス T 反射濃度”

“ステータス I 反射濃度”

“ステータス E 反射濃度”のどれに該当する

かを明示する。

偏光フィルタ付き測定器又は JIS B 9622 で規定したバッキング以外を使用した場合,その条件をデータ

とともに記述する。反射濃度が完全反射及び完全拡散でない場合は,

“反射”という語の前に,

“相対”と

いう語を付ける。


10

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

附属書 A(規定)偏光フィルタ付き測定器用の校正用標準板(CRM)

直線性評価用の CRM は,光学研磨され,分光的非選択性(

“無彩色濃度”

)の少なくとも 3 種類のガラ

スフィルタを,平面・無光沢白色セラミック基板に,分光的非選択性のセメントで固定してある。

図 A.1

を参照。分光的非選択性のガラスフィルタの寸法は,1cm×1cm 以上,厚さは 0.2mm 以下とする。フィル

タは,完成した CRM で,ISO 視感反射濃度が 0.0±0.2,1.0±0.2,2.0±0.5 となるよう選択する。CRM に

添付する文書には,ISO 視感濃度と,ISO ステータス T,ISO ステータス I 又は ISO ステータス E の分光

条件の少なくとも一つを含んだ(絶対)反射濃度及びその不確実性が一定の信頼水準(適用率)で記載さ

れていなければならない。

備考1. CRM のこの構造は,第一表面反射の強い指向性のため,偏光フィルタの有無にかかわりなく

効果的に抑制し,両方の測定器の校正を一つの CRM で行うことができる。

2.

詳しくは

附属書 C4]を参照。

図の記号

1

,2,3:分光的非選択性のガラスフィルタ

      4:セラミック基板

 A.1  偏光フィルタ付き測定器用の校正用標準板の断面図


11

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

附属書 B(規定)偏光試験ジグ

試験ジグは,中心部の垂直方向に丸穴があり,135°の円すい(錐)点をもつ金属シリンダがかん合し,

部分的に突出している。

図 B.1 を参照。シリンダの直径は,サンプリングアパーチャ寸法を考慮して決め

ること(例えば 3.5mm のサンプリングアパーチャには 8mm)

。円すい点はその頭部が球状であり,金属シ

リンダはクロムめっきされ,よく磨かれていなければならない。金属シリンダの垂直位置は下から微調節

できるものとする。

備考  詳しくは附属書 C4]を参照。

図の記号

1

:支持板

2

:円すい点をもつ金属シリンダ

 B.1  偏光試験ジグの断面図:直径約 3.5mm のサンプリングアパーチャ用の例


12

B 9623

:2002 (ISO 14981:2000)

附属書 C(参考)関連規格

1]  ISO 5-1:1984,Photography−Density measurements−Part 1:Terms, symbols and notations

2]  ISO 5-4:1995,Photography−Density measurements−Part 4:Geometric conditions for reflection density

3]  JIS B 9620-1    印刷技術−カラー印刷における工程管理−第 1 部:パラメータ及びその測定方法

ISO 12647-1:1996  Graphic technology−Process control for the manufacture of half-tone colour

separations, proof and production prints

−Part 1:Parameters and measurement methods)

4]  T.Celio, F.Mast and H.Ott, The use of polarizing filters in the measurement of optical reflection density,

Journal of Imaging Technology, Volume 17, number 1, Feb/Mar 1991. pages 2 to 4

5]  JIS Z 8103:2000  計測用語[BIPMIECIFCCISOIUPACIUPAPOIML,International vocabulary

of basic and general terms in metrology

(VIM)

,second edition, 1993]

6]  JIS Z 8113:1998  照明用語(IEC 60050-845:1987,CIE 17.4:1987)

7]  ISO 10526:1999/CIE S 005/E-1998,CIE standard illuminants for colorimetry

日本工業標準調査会標準部会  産業機械技術専門委員会  構成表

氏名

        所属

(委員会長)

岡  村  弘  之

東京理科大学理工学部

(委員)

朝  田  泰  英

財団法人電力中央研究所

伊  藤  正  人

厚生労働省労働基準局安全衛生部

大  地  昭  生

日本内燃機関連合会(株式会社東芝電力システム社)

大  湯  孝  明

社団法人日本農業機械工業会

重  久  吉  弘

財団法人エンジニアリング振興協会

鈴  木  通  友

社団法人全国木工機械工業会

筒  井  康  賢

独立行政法人産業技術総合研究所

橋  元  和  男

国土交通省総合政策局

平  野  正  明

社団法人日本機械工業連合会

藤  咲  浩  二

社団法人日本産業機械工業会

松  山  新一郎

株式会社豊田自動織機

吉  田  岳  志

農林水産省生産局

渡  邉  和  夫

社団法人日本建設機械化協会