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B 8822-1 : 2001 (ISO 4301-1 : 1986)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 4301-1 : 1986, Cranes and lifting

appliances

−Classification−Part 1 : Genera1 を基礎として用いた。

JIS B 8822-1

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 8822-1

には,次に示す部編成がある。

JIS

B

8822-2

:クレーン及び巻上装置−分類及び等級−第 2 部:移動式クレーン

JIS

B

8822-3

:クレーン及び巻上装置−分類及び等級−第 3 部:タワークレーン

JIS

B

8822-4

:クレーン及び巻上装置−分類及び等級−第 4 部:ジブクレーン

JIS

B

8822-5

:クレーン及び巻上装置−分類及び等級−第 5 部:天井走行クレーン及び橋形クレーン


日本工業規格

JIS

 B

8822-1

 : 2001

 (ISO

4301-1

 : 1986

)

クレーン及び巻上装置−

分類及び等級

第 1 部:一般

Cranes and lifting appliances

−Classification−Part 1 : General

序文  この規格は,1986 年に第 1 版として発行された ISO 4301-1, Cranes and lifting appliances−Classification

−Part 1 : Genera1 を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格であ

る。

1.

適用範囲  この規格は,予定寿命期間中のクレーンの運転サイクル数と負荷状態を基準とした荷重ス

ペクトル係数を基準に,クレーンの分類及び等級を一般的に規定した。ただし,この規格は,JIS B 0146-1 :

2000

に規定されているすべてのクレーン及び巻上装置に対して,同一の応力計算方法や試験方法が適用さ

れるとは限らない。

備考  この規格の国際対応規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 4301-1 : 1986, Cranes and lifting appliances

−Classification-Part 1 : General (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成する

ものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新版

(追補を含む)を適用する。

JIS B 0146-1

  クレーン用語−第 1 部:一般

備考  ISO 4306-1 : 1986, Crane-Vocabulary-Part 1 : General からの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。

JIS B 0146-2

  クレーン用語−第 2 部:移動式クレーン

備考  ISO 4306-2 : 1994, Cranes-Vocabulary-Part 2 : Mobile cranes からの引用事項は,この規格の該当

事項と同等である。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0146-1 及び JIS B 0146-2 による。

4.

分類及び等級の使用方法  分類及び等級は次の 2 種類に分類される。


2

B 8822-1 : 2001 (ISO 4301-1 : 1986)

4.1

クレーンとしての分類及び等級  分類及び等級は,まずクレーン使用条件に関して購入者と製造者

の間で合意適用される。ここで合意された分類及び等級は,クレーン全体としての総括的な分類及び等級

であり,契約上や技術上の参照のためのものである。この分類及び等級の決定方法は 5.による。

4.2

設計上の分類及び等級  分類及び等級の第 2 の目的は,クレーンの設計者に対して検討の根拠と,

個々のクレーンに適用する使用条件を想定し,所定の寿命をもつことを確認するための根拠を提供するこ

とである。クレーン技術に精通したクレーンの設計者は購入者が指定するか,または製造者があらかじめ

決定した推定荷重スペクトルデータを採用し(例えば,一連の連続した装置を設計する場合のように)

,部

品の形状や寸法に影響するすべての要素を考慮に入れた上で,解析根拠の前提とする。

5.

クレーンとしての分類及び等級群  クレーンがどの分類及び等級に入るかを決定するには,使用等級

と負荷状態の二つの要素を考慮する必要がある。

5.1

使用等級  使用者は,寿命期間内にクレーンがある運転サイクル数で稼働することを期待しており,

このサイクル数は,分類における基本的数値の一つである。例えば,グラブバケットによるばら物の荷揚

げのような限定された作業でクレーンが使用される場合は,合計作業時間と時間当たりの作業サイクル数

が判れば,運転サイクル数を容易に求めることができる。しかし,移動式クレーンのような場合には,ク

レーンがさまざまな条件のもとで使用されるので,運転サイクル数の決定が容易ではなく,経験に基づく

適切な値を想定する必要がある。最大運転サイクル数は,クレーンの定められた寿命期間内における運転

サイクル数の総合計である。

寿命を適切に決定するには,経済的,技術的,環境的な要素を考慮する必要があり,また,老朽化によ

る影響にも留意しなければならない。

想定される最大運転サイクル数は,クレーンの使用頻度に関係しており,使いやすさを考慮し,使用等

級を

表 のとおり 10 等級に分類した。この等級における運転サイクルは,荷の地切りの直前から,次の地

切り直前までとする。

表 1  クレーンの使用等級

使用等級

最大運転サイクル数

備考

U0 1.6

×10

4

U1 3.2

×10

4

U2 6.3

×10

4

U3 1.25

×10

5

規則的でない低頻度使用

U4 2.5

×10

5

規則的な低頻度使用

U5 5.0

×10

5

規則的な中頻度使用

U6 1.0

×10

6

規則的でない高頻度使用

U7 2.0

×10

6

U8 4.0

×10

6

U9 4.0

×10

6

規則的な高頻度使用

5.2

負荷状態  分類における第 2 の基本的変数は,負荷状態である。負荷状態は,クレーンの容量に対

する特定の巻上負荷の大きさの回数が関係している。

荷重スペクトル係数  (K

p

)

の 4 種類を

表 に示すが,

これらはそれぞれの負荷状態の代表値である。

クレーンの設計寿命内に取り扱われる荷重の質量とつり上げ回数の詳細が判明していない場合には,負

荷状態は製造者と購入者の合意の下に選定されなければならない。


3

B 8822-1 : 2001 (ISO 4301-1 : 1986)

表 2  クレーンの負荷状態

負荷状態

荷重スペクトル係数 K

p

備考

Q1

−軽 0.125  非常にまれに定格荷重をつるが,通常は軽荷

重をつるクレーン

Q2

−中 0.25  ある程度の頻度で定格荷重をつるが,通常は

中頻度の荷重をつるクレーン

Q3

−重 0.50  頻繁に定格荷重をつるが,通常は中程度以上

の荷重をつるクレーン

Q4

−超重 1.0

定常的に定格荷重に近い荷重をつるクレーン

参考  表 の荷重スペクトル係数 K

p

は,次の式によって計算することができる。

å

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

m

i

T

i

P

P

C

C

K

max

p

 (1)

ここで,

C

i

それぞれの荷重レベルにおける荷重サイクル数の平均値

C

1

C

2

C

3

…………C

n

C

T

すべての荷重レベルの個別荷重サイクルの合計

ΣC

i

C

1

C

2

C

3

+…………+C

n

P

i

クレーンの使用中における個々の荷重の大きさ(荷重レベ
ル)

P

1

P

2

P

3

…………P

n

P

max

クレーンが取り扱うと予想される最大荷重(定格荷重)

m

=3

(1)を展開すると次のようになる。

3

max

3

max

3

3

3

max

2

2

3

max

1

1

p

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

P

P

C

C

P

P

C

C

P

P

C

C

P

P

C

C

K

n

T

n

T

T

T

・・・

 (2)

クレーンの荷重スペクトル係数は,上記の計算で求めた荷重スペクトル係数と

表 の  (K

p

)

の値を比較

し,計算値以下とならない値を

表 の中から採用する。

5.3

クレーンとしての分類及び等級群の決定  表 から使用等級を求め,表 から負荷状態を求めるこ

とによって,

表 でクレーンの等級群を決定することができる。

表 3  クレーン全体としての等級群

使用等級と最大運転サイクル数

U0 U1 U2 U3 U4 U5 U6 U7 U8 U9

負荷状態  荷重スペク

トル係数K

p

1.6

×

10

4

3.2

×

10

4

6.3

×

10

4

1.25

×

10

5

2.5

×

10

5

5

×10

5

1

×10

6

2

×10

6

  4

×10

6

  4

×10

6

Q1

−軽 0.125

  A1 A2 A3 A4 A5 A6 A7 A8

Q2

−中 0.25

  A1 A2 A3 A4 A5 A6 A7 A8

Q3

−重 0.5

A1 A2 A3 A4 A5 A6 A7 A8

Q4

−超重 1.0

A2 A3 A4 A5 A6 A7 A8

6.

機械装置としての分類及び等級群

6.1

機械装置の使用等級  機械装置の使用等級は,予想される最大使用時間で表され,表 に 10 等級を

示す。

最大使用時間は,1 日当たりの平均予想使用時間,1 年当たりの稼働日数及び耐用年数から求める。この

場合,機械装置の使用時間は,作動中の時間だけである。


4

B 8822-1 : 2001 (ISO 4301-1 : 1986)

表 4  機械装置の使用等級

使用等級

最大使用時間 (h)

備考

T0 200

T1 400

T2 800

T3 1

600

規則的でない低頻度使用

T4 3

200

規則的な低頻度使用

T5 6

300

規則的な中頻度使用

T6 12

500

規則的でない高頻度使用

T7 25

000

T8 50

000

T9 100

000

規則的な高頻度使用

参考  表中の最大使用時間は,理論上の便宜的な値で,この値は,

使用時間が部品の選択基準となる機械部品(例えば,玉軸
受,歯車,軸類など)の設計値と見なすものである。この
値は保証値であると考えてはならない。

6.2

機械装置の負荷状態  機械装置の負荷状態は,機械装置の最大荷重に対する荷重スペクトル係数と

して表すことができる。機械装置の荷重スペクトル係数  (K

m

)

の 4 種類を

表 に示すが,これらはそれぞ

れの負荷状態の代表値である。

表 5  機械装置の負荷状態

負荷状態

荷重スペクトル係数 K

m

備考

L1

−軽 0.125  非常にまれに最大荷重を受けるが,通常は軽荷

重を受ける機械装置

L2

−中 0.25  ある程度の頻度で最大荷重を受けるが,通常は

中荷重を受ける機械装置

L3

−重 0.50  頻繁に最大荷重を受けるが,通常は中荷重以上

を受ける機械装置

L4

−超重 1.00

定常的に最大荷重を受ける機械装置

参考  表 の荷重スペクトル係数 K

m

は,次の式により計算することができる。

å

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

m

i

T

i

m

P

P

t

t

K

max

 (3)

ここで,

t

i

それぞれの荷重レベルの機械の使用時間の平均値

t

1

t

2

t

3

…………t

n

t

r

すべての荷重レベルの使用時間の合計

Σt

i

t

1

t

2

t

3

+…………+t

n

P

i

機械装置の使用中における個々の荷重の大きさ(荷重レベル)

P

1

P

2

P

3

…………P

n

P

max

機械装置にかかる最大荷重

m

=3

(3)を展開すると次のようになる。

3

max

3

max

3

3

3

max

2

2

3

max

1

1

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

P

P

t

t

P

P

t

t

P

P

t

t

P

P

t

t

K

n

T

n

T

T

T

m

・・・

 (4)

機械装置の荷重スペクトル係数は,上記の計算で求めた荷重スペクトル係数と

表 の  (K

m

)

の値を比較


5

B 8822-1 : 2001 (ISO 4301-1 : 1986)

し,計算値以下とならない値を

表 の中から採用する。

6.3

機械装置としての分類及び等級群の決定  表 から使用等級を求め,表 から負荷状態を求めるこ

とによって,

表 で機械装置の等級群を決定することができる。

表 6  機械装置の等級群

使用等級及び最大使用時間 (h)

T0 T1 T2 T3 T4 T5 T6 T7 T8 T9

負荷状態  荷重スペク

トル係数K

m

200

400

800

1 600

3 200

6 300

12 500

25 000  50 000  100 000

L1

−軽  0.125

  M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8

L2

−中  0.25

  M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8

L3

−重  0.5

M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8

L4

−超重 1.0

M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8


6

6

B 8822-

1 : 2

001 (

ISO
 430

1-1 :

 1986)

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 8822-1 

: 2001

  クレーン及び巻上装置−分類及び等級  第 1 部:一般

ISO 4301-1 

: 1986

  クレーン及び巻上装置−分類−Part1 :  一般

(I)

  JIS の規定 (II)  国際規

格番号

(III)

  国際規格の規定内容 (IV)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容

表示箇所: 
表示方法:

(V)

  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対

項目番号

内容

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

1.

  適用範囲

クレーンの分類及び等級に
ついて一般的に規定。

ISO 4301-1

 1  JIS

と同じ IDT

2.

  引用規格

JIS B 0146-1 

: 2000

JIS B 0146-2 

: 2000

規定なし

3.

  定義

主な用語の定義を規定

ISO 4301-1

規定なし

4.

  分類及び等

級の使用方法

分類,等級の考え方につい
て規定。

ISO 4301-1

 2  JIS

と同じ IDT

5.

  クレーンと

しての分類及

び等級群

クレーンとしての分類,等
級について規定。

ISO 4301-1

 3  JIS

と同じ IDT

6.

  機械装置と

しての分類群

機 械 装 置 の 使 用 等 級 を 規
定。

ISO 4301-1

 4  JIS

と同じ IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IDT 

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    −IDT………………技術的差異がない。

2.

  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    −IDT………………国際規格と一致している。


7

B 8822-1 : 2001 (ISO 4301-1 : 1986)

JIS B 8822-1

(クレーン及び巻上装置ー分類及び等級  第 1 部:一般)

原案作成委員会  構成表(平成 11 年 3 月現在)

氏名

所属

(委員長)

石  川  義  雄

埼玉大学名誉教授

(委員)

中  嶋      誠

通商産業省機械情報産業局

穐  山  貞  治

通商産業省

尾  添      博

労働省労働基準局

坂  井      浩

運輸省港湾局

中  尾  武  義

住友重機械工業株式会社

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

村  松  史  朗

社団法人港湾荷役機械化協会

今  中  成  和

新日本製鐵株式会社

尾  崎  康  之

株式会社大林組

細  谷  俊  夫

鹿島建設株式会社

井  元  富美夫

川崎製鉄株式会社

村  田  好  正

株式会社日通総合研究所

春  田      靖

三菱重工業株式会社

新  井  克  巳

石川島播磨重工業株式会社

斎  藤      透

日立機電工業株式会社

高  橋  信  人

株式会社日本起重機製作所

神  内  紘  典

株式会社神内電機製作所

後  藤  晋  司

コベルコ建機株式会社

白  井  良  昌

株式会社加藤製作所

鈴  木  政  男

株式会社日本起重機製作所

大  内  征  紀

社団法人日本クレーン協会

(事務局)

森  本  忠  三

社団法人日本クレーン協会

(分科会委員)

(主査)

高  橋  信  人

株式会社日本起重機製作所

前  田      豊

労働省産業安全研究所

田  中  利  穂

通商産業省工業技術院

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

中  尾  武  義

住友重機械工業株式会社

村  松  史  朗

社団法人港湾荷役機械化協会

春  田      靖

三菱重工業株式会社

上  田  春  生

石川島播磨重工業株式会社

藤  田  恵  一

石川島建機株式会社

斎  藤      透

日立機電工業株式会社

鈴  木  政  男

株式会社日本起重機製作所

横  山  俊  輔

コベルコ建機株式会社

鶴  岡  憲  明

株式会社加藤製作所

小  野      出

株式会社キトー

大  内  征  紀

社団法人日本クレーン協会

橘  内  良  雄

社団法人日本クレーン協会

(事務局)

森  本  忠  三

社団法人日本クレーン協会