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B 8812

:2004

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業

大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 8812:1999 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS B 8812

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)手鎖

附属書 2(規定)ロードチェーンの計算基準

附属書 3(規定)等級 V(タイプ CV)表面硬化チェーン

附属書 4(規定)ロードチェーンの使用基準及び点検基準

附属書 5(参考)ISO 3077 巻上げ用ショートリンクチェーン−等級 T,(タイプ T,DAT 及び DT),

ロードチェーン

附属書 6(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


B 8812

:2004

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  ロードチェーンの分類及び種類

2

4.1

  分類

2

4.2

  種類

2

5.

  性能

2

5.1

  最大使用荷重

2

5.2

  製造者試験荷重

4

5.3

  静的強さ

4

5.4

  疲れ強さ

4

5.5

  表面硬さ

4

5.6

  全浸炭硬化層深さ

4

5.7

  チェーンリンク衝撃値

5

5.8

  曲げ強さ

5

6.

  形状及び寸法

5

7.

  外観

6

8.

  材料

6

9.

  製造方法

7

10.

  試験方法

7

10.1

  製造者試験荷重の試験

7

10.2

  静的強さ試験

8

10.3

  疲れ強さ試験

8

10.4

  表面硬さ試験

8

10.5

  全浸炭硬化層深さ測定

8

10.6

  オーステナイト結晶粒度測定

8

10.7

  衝撃試験

9

10.8

  曲げ試験

9

11.

  検査

9

11.1

  形状,寸法及び外観

9

11.2

  製造者試験荷重及び静的強さ

10

11.3

  疲れ強さ

10

11.4

  表面硬さ及び全浸炭硬化層深さ

10

12.

  製品の呼び方

10


B 8812

:2004

(3) 

ページ

13.

  表示

10

附属書 1(規定)手鎖

11

附属書 2(規定)ロードチェーンの計算基準

13

附属書 3(規定)等級 V(タイプ CV)表面硬化チェーン

15

附属書 4(規定)ロードチェーンの使用基準及び点検基準

18

附属書 5(参考)ISO 3077 巻上げ用ショートリンクチェーン−  等級 T,(タイプ TDAT 及び DT),

ロードチェーン

20

附属書 6(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

22


B 8812

:2004

白      紙


日本工業規格

JIS

 B

8812

:2004

チェーンブロック用リンクチェーン

Link chain for chain hoists

序文  この規格は,2001 年に第 3 版として発行された ISO 3077:2001,Short-link chain for lifting purposes−

Grade T, (types T, DAT and DT), fine-tolerance hoist chain

が対応国際規格であるが,規格の技術的相違によっ

て,対応国際規格を基礎として JIS 化を図ることに合理性がないため,対応国際規格は翻訳し,

附属書 5

参考)とし記載した。

なお,変更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 6(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,チェーンブロック(

1

)

,チェーンレバーホイスト(

2

)

,電気チェーンブロック(

3

)

などに使用されるリンクチェーン(以下,チェーンという。

)について規定する。

注(

1

)  JIS B 8802

(

2

)  JIS B 8819

(

3

)  JIS B 8815

備考1.  規定するチェーンは,ロードチェーン及び手鎖とし,手鎖は附属書 に規定する。

2.

ロードチェーンの計算基準は,

附属書 に規定する。

3.

等級V(タイプ CV)表面硬化チェーンは,

附属書 に規定する。

4.

ロードチェーンの使用基準及び点検基準は,

附属書 に規定する。

5.

等級 T,

(タイプ T,DAT 及び DT)のチェーンに対応する国際規格については,

附属書 

参考として示す。

6.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 3077:2001

,Short-link chain for lifting purposes−Grade T,(types T,DAT and DT),fine-tolerance

hoist chain (NEQ)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0148

  巻上機―用語

JIS B 8802

  チェーンブロック

JIS B 8815

  電気チェーンブロック

JIS B 8819

  チェーンレバーホイスト

JIS B 8841

  リンクチェーンのじん(靭)性試験−チェーンリンク衝撃試験方法

JIS G 0551

  鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法


2

B 8812

:2004

JIS G 0557

  鋼の浸炭硬化層深さ測定方法

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験―試験方法

JIS Z 8601

  標準数

3.

定義  この規格で用いる用語の定義は,JIS B 0148 及び JIS B 8841 によるほか,次による。

a)

曲げ強さ  90 °Vブロックにチェーンリンクを水平において,リンク中央部を圧子で加圧したときの,

加圧に耐える性能。

4.

ロードチェーンの分類及び種類

4.1

分類  ロードチェーンは,非調質チェーン(

4

)

,調質チェーン及び表面硬化チェーンに分類する。

注(

4

)

熱処理を省略してもよいチェーン。

4.2

種類  ロードチェーンの種類は,分類,等級,タイプ及び線径によって,表 のとおりとする。

  1  ロードチェーンの種類

分類

非調質チェーン

調質チェーン

表面硬化チェーン(

6

)

等級 M

T

V

T

T

タイプ MH TH

VH

DT

DAT

線径(

5

) mm

  3

 3.2

 3.6

 4

 4.5

 5

 5.6

 6.3

 7.1

 8

 9

10

11.2

12.5

14

― 
― 

MH-5

MH-5.6

MH-6.3

MH-7.1

MH-8

MH-9

MH-10

MH-11.2

MH-12.5

MH-14

TH-3

TH-3.2

TH-3.6

TH-4

TH-4.5

TH-5

TH-5.6

TH-6.3

TH-7.1

TH-8

TH-9

TH-10

TH-11.2

TH-12.5

TH-14

VH-3

VH-3.2

VH-3.6

VH-4

VH-4.5

VH-5

VH-5.6

VH-6.3

VH-7.1

VH-8

VH-9

VH-10

VH-11.2

VH-12.5

VH-14

DT-3

DT-3.2

DT-3.6

DT-4

DT-4.5

DT-5

DT-5.6

DT-6.3

DT-7.1

DT-8

DT-9

DT-10

DT-11.2

DT-12.5

DAT-3

DAT-3.2

DAT-3.6

DAT-4

DAT-4.5

DAT-5

DAT-5.6

DAT-6.3

DAT-7.1

DAT-8

DAT-9

DAT-10

DAT-11.2

DAT-12.5

注(

5

)

数値は,JIS Z 8601 による。

(

6

)

表面硬化チェーンは,性能によって二つのタイプとする(

表 参照)。

5.

性能

5.1

最大使用荷重  ロードチェーンの最大使用荷重(

7

)

は,

表 及び表 による。

注(

7

)

附属書 4  表 を参照。


3

B 8812

:2004

  2  非調質チェーン及び調質チェーンの機械的性質(1)

機械的性質(

8

)

最大使用荷重

t

製造者試験荷重

kN

破断荷重

kN

破断全伸び

%

表面硬さ

HV 10

等級

M  T V M T V M T V M  T  V T V

タイプ MH

TH

VH

MH

TH

VH

MH

TH

VH

MH

TH

VH

TH

VH

3

0.28

0.36

7.1

以上

8.9

以上

11.4

以上

14.2

以上

3.2

0.32

0.4

8.1

以上

10.1

以上

12.9

以上

16.1

以上

3.6

0.4

0.51

10.3

以上

12.8

以上

16.3

以上

20.4

以上

4

0.5

0.63

12.5

以上

16

以上

20

以上

25

以上

4.5

0.63

0.81

16

以上

20

以上

25.5

以上

31.9

以上

5

0.4

0.8

1

10

以上

20

以上

25

以上

16

以上

31.5

以上

40

以上

5.6

0.5

1

1.25

12.5

以上

25

以上

31.5

以上

20

以上

40

以上

50

以上

6.3

0.63

1.25

1.6

16

以上

31.5

以上

40

以上

25

以上

50

以上

63

以上

7.1

0.8

1.6

2

20

以上

40

以上

50

以上

31.5

以上

63

以上

80

以上

8

1

2

2.5

25

以上

50

以上

63

以上

40

以上

80

以上

100

以上

9

1.25

2.5

3.2

31.5

以上

63

以上

80

以上

50

以上

100

以上

128

以上

10

1.6

3.2

4

40

以上

80

以上

100

以上

63

以上

128

以上

160

以上

11.2

2

4

5

50

以上

100

以上

125

以上

80

以上

160

以上

200

以上

12.5

2.5

5

6.3

63

以上

125

以上

160

以上

100

以上

200

以上

250

以上

線径

mm

14

3.2

6.3

8

80

以上

160

以上

200

以上

128

以上

250

以上

315

以上

17

以上

15

以上

17

以上

360

以上

430

以上

注(

8

)

この表にない線径の機械的性質の計算基準は,

附属書 に規定する。 

  3  非調質チェーン及び調質チェーンの機械的性質(2)

機械的性質

チェーンリンク衝撃値

c

  J/mm

3

曲げ強さ

(変形量  mm)

最小破断応力

N/mm

2

等級

T V

M

T

V

M

T  V

タイプ

TH VH

MH

TH

VH

MH

TH  VH

 0.08

以上 0.8

d

n

 400

800

1

000


4

B 8812

:2004

  4  表面硬化チェーンの機械的性質(1)

機械的性質(

8

)

最大使用荷重

t

製造者試験荷重

kN

破断荷重

kN

破断全伸び

表面硬さ

HV 0.3

全浸炭硬化層

深さ(

9

)

  mm

等級

T

タイプ DT

DAT

DT

DAT

DT

DAT

DT

DAT

DT

DAT

DT

DAT

線径

 3

 0.23

  7.1

以上

11.4

以上

6 10

600

500 0.06

以上

mm

 3.2

 0.26

  8.1

以上

12.9

以上

以上

以上

以上

以上 0.06 以上

 3.6

 0.33

 10.3

以上

16.3

以上

0.07

以上

 4

 0.4

 12.5

以上

 20

以上

. 8

以上

 4.5

 0.5

 16

以上

25.5

以上

. 9

以上

 5

 0.63

 20

以上

31.5

以上

. 0

以上

 5.6

 0.8

 25

以上

 40

以上

. 1

以上

 6.3

 1

 31.5

以上

 50

以上

. 3

以上

 7.1

 1.25

 40

以上

 63

以上

. 4

以上

 8

 1.6

 50

以上

 80

以上

. 6

以上

 9

 2

 63

以上 100

以上

. 8

以上

10

 2.5

 80.5

以上 128

以上

. 0

以上

11.2

 3.2

100

以上 160

以上

. 2

以上

12.5

 4

125

以上 200

以上

. 5

以上

注(

9

)

全浸炭硬化層深さは,線径の 2  %以上である。 

  5  表面硬化チェーンの機械的性質(2)

機械的性質

チェーンリンク

衝撃値  T

c

J/mm

3

曲げ強さ

最小破断応力

N/mm

2

等級

T

タイプ

DT DAT  DT

DAT  DT DAT

 0.035

以上

最大使用荷重に相当
する力の 2.5 倍以上

800

5.2

製造者試験荷重  ロードチェーンは,表 及び表 に規定する製造者試験荷重を加えた状態で破断

してはならない。また,製造者試験荷重を加えた後の永久伸びは,10.1 に規定する方法によって試験した

とき,非調質チェーン・調質チェーンは,0.5  %以下,表面硬化チェーンは,0.25  %以下でなければなら

ない。

5.3

静的強さ  ロードチェーンの破断荷重及び破断全伸びは,10.2 に規定する方法によって試験したと

き,

表 及び表 の規定に適合しなければならない。

5.4

疲れ強さ  ロードチェーンにおいて,表面硬化チェーンは,10.3 に規定する疲れ試験によって,繰

返し数 2×10

6

回で破壊してはならない。

5.5

表面硬さ  ロードチェーンの表面硬さは,10.4 に規定する方法によって試験したとき,表 及び表 4

の規定に適合しなければならない。

5.6

全浸炭硬化層深さ  表面硬化チェーンの全浸炭硬化層深さは,10.5 に規定する方法によって試験し

たとき,

表 の規定に適合しなければならない。


5

B 8812

:2004

5.7

チェーンリンク衝撃値  チェーンリンクの衝撃値は,10.7 に規定する方法によって試験したとき,

表 及び表 の規定に適合しなければならない。

5.8

曲げ強さ  非調質チェーン及び調質チェーンの曲げ強さは,10.8 に規定する方法によって試験した

とき,

表 に規定する値以上の変形に耐え,目視で確認できる欠陥が生じてはならない。表面硬化チェー

ンの曲げ強さは,10.8 に規定する方法によって試験したとき,

表 に規定する荷重に耐え,表面の割れ及

び目視で確認できる欠陥が生じてはならない。

6.

形状及び寸法  ロードチェーンの形状及び寸法は,次による。

a)

ロードチェーンの形状及び寸法は,

図 1,図 及び表 による。

b)

ロードチェーンの溶接部は,使用上差し支えがない形状及び寸法とする。

  1  ロードチェーンの形状

  2  チェーンリンクの拡大図

c)

個のリンクが連なるロードチェーンのピッチの和(L)の寸法許容差は,次の式から算出する。

なお,1 リンクのピッチの寸法許容差は,

表 による。

(上の寸法許容差)=

100

1

0.33

1.6

×

úû

ù

êë

é

n

 

p

n

(mm)

(下の寸法許容差)=  0(mm)

ここに,

n: リンク数

p: 1 リンクのピッチ基準寸法(mm)


6

B 8812

:2004

  6  ロードチェーンの寸法

(

10

)

等級

線径

ピッチ 

内面幅 (

11

) 

外面幅

M T  V

d

n

p

a

b  (

11

)

b

  (

12

)

― TH-3, DT-3, DAT-3  VH-3

3

±0.15

9

+0.2

  0

 3.7

以上 10.5 以下 10.8 以下

― TH-3.2,

DT-3.2,

DAT-3.2

VH-3.2  3.2

±0.15

9.6

+0.2

  0

 4

以上 11.2 以下 11.5 以下

― TH-3.6,

DT-3.6,

DAT-3.6

VH-3.6  3.6

±0.15

10.8

+0.2

  0

 4.5

以上 12.6 以下 12.9 以下

― TH-4, DT-4, DAT-4  VH-4

4

±0.2 12

+0.23

  0

 5

以上 14

以下 14.3 以下

― TH-4.5,

DT-4.5,

DAT-4.5

VH-4.5  4.5

±0.2 13.5

+0.26

  0

 5.6

以上 15.8 以下 16.1 以下

MH-5 TH-5, DT-5, DAT-5  VH-5

5

±0.2 15

+0.29

  0

 6.2

以上 17.5 以下 17.9 以下

MH-5.6 TH-5.6, DT-5.6,

DAT-5.6 VH-5.6  5.6

±0.2 17

+0.33

  0

 7

以上 20

以下 20.1 以下

MH-6.3 TH-6.3, DT-6.3,

DAT-6.3 VH-6.3  6.3

±0.3 19

+0.37

  0

 7.8

以上 22

以下 22.6 以下

MH-7.1 TH-7.1, DT-7.1,

DAT-7.1 VH-7.1  7.1

±0.3 21

+0.41

  0

 8.8

以上 25

以下 25.4 以下

MH-8 TH-8, DT-8, DAT-8  VH-8

8

±0.3 24

+0.47

  0

10

以上 28

以下 28.6 以下

MH-9 TH-9, DT-9, DAT-9  VH-9

9

±0.4 27

+0.53

  0

11.2

以上 32

以下 32.2 以下

MH-10 TH-10, DT-10, DAT-10  VH-10

10

±0.4 30

+0.59

  0

12.5

以上 35

以下 35.8 以下

MH-11.2 TH-11.2, DT-11.2, DAT-11.2  VH-11.2

11.2

±0.4 34

+0.67

  0

14

以上 39

以下 40.1 以下

MH-12.5 TH-12.5, DT-12.5, DAT-12.5  VH-12.5

12.5

±0.5 38

+0.75

  0

15.6

以上 44

以下 44.7 以下

MH-14 TH-14,

―,

― VH-14

14

±0.6 42

+0.83

  0

17.5

以上 49

以下 50.1 以下

注(

10

)

この表にない寸法の計算基準は,

附属書 に規定する。

(

11

)  a

及び は,溶接部を除いた部分の寸法とする。

(

12

)  b

w

は,溶接部における外面幅寸法とする。 

7.

外観  ロードチェーンは,溶接不良,き裂,著しいさびなどの有害な欠陥があってはならない。

8.

材料  ロードチェーンの材料は,次による。

a

)

ロードチェーンの材料は,

表 に規定する化学成分のキルド鋼とし,溶接性が優れたものでなければ

ならない。

b

)

ロードチェーンの材料のオーステナイト結晶粒度は,等級 M 及び等級 T では結晶粒度番号が 5 以上,

等級 V では結晶粒度番号が 6 以上のものでなければならない。


7

B 8812

:2004

  7  鋼の硫黄及びりんの含有量

最大含有量    %

溶解分析

成品分析

化学成分

等級 M

等級 T,V

等級 M

等級 T,V

S

0.030 0.020 0.035 0.025

P

0.030 0.020 0.035 0.025

  S

+P 0.055 0.035 0.065 0.045

9.

製造方法  ロードチェーンの製造方法は,次による。

a

)

ロードチェーンは,

図 のように,チェーンリンク平行部中央で溶接する。

b

)

調質チェーンは,溶接後適切な焼入焼戻しの熱処理を施し,また,表面硬化チェーンは,適切な浸炭

焼入焼戻しを施さなければならない。非調質チェーンは,熱処理を省略してもよい。

c

)

ロードチェーンは,熱処理後

表 及び表 に規定する製造者試験荷重以上の引張荷重を加えて,プリ

セット処理を行わなければならない(

13

)

注(

13

)

熱処理を施さないロードチェーンは,溶接後プリセット処理を行う。

10.

試験方法

10.1

製造者試験荷重の試験  ロードチェーンは,表 に規定する試料を図 のように引張試験機の取付

具に固定し,

表 及び表 の製造者試験荷重に規定する 5  %の初荷重を加え,標点距離(

14

)

を測定し,こ

れを初標点距離とする。

次に,

表 及び表 に規定する製造者試験荷重を加え,更に初荷重に戻したときの標点距離を測定し,

次の式によって永久伸びを算出する。

100

0

0

0

×

=

l

l

l

ε

ここに,

ε

0

:  永久伸び(%)

l

0

:  初標点距離(mm)

l  製造者試験荷重を加え,更に初荷重に戻したときの標点距離(mm)

  8  引張試験における 1 連のリンク数

線径  mm 1 連のリンク数 (

15

)

6

以下

9

6

を超え  14 以下

7


8

B 8812

:2004

  3  ロードチェーンの製造者試験荷重試験及び静的強さ試験方法

注(

14

)

標点距離は,

表 のリンク数より 1 リンク少ないリンク数のピッチの和を基準とする。

(

15

)

実際に負荷されるリンク数をいう。

10.2

静的強さ試験  ロードチェーンは,製造者試験荷重の試験後の試料について,図 のように引張試

験機で静的引張荷重を加え,チェーンを破断させて,破断荷重及び破断全伸びを算出する。

破断全伸びは,次の式によって算出する。

100

0

0

×

=

L

∆L

δ

ここに,

δ

0

:  破断全伸び(%)

L

0

:  製造者試験荷重試験前の

表 に規定するリンク数の

チェーンのピッチの和の実測値(mm)

Δ

L:  破断時におけるチェーンの伸び量(mm)

10.3

疲れ強さ試験  疲れ強さ試験は,部分片振り引張試験によって,最小引張荷重が 0.25×(最大使用

荷重に相当する力)

,最大引張荷重が 1.25×(最大使用荷重に相当する力)で,繰り返し負荷する。

10.4

表面硬さ試験  チェーンリンクの表面硬さ試験は,図 に示すチェーンリンクの表面の 2 か所に対

して,JIS Z 2244 の規定によってビッカース硬さ試験を行う。

硬さ試験の試験荷重は,98.07 N(調質チェーン)及び 2.942 N(表面硬化チェーン)(

16

)

とする。

注(

16

)

試験荷重は,2.942 N 以外でもよいが,硬さ試験に対する全浸炭硬化層深さの影響を考慮する必

要がある。

×:表面硬さ測定箇所

  4  ロードチェーンの表面硬さ試験

10.5

全浸炭硬化層深さ測定  表面硬化チェーンは,図 のチェーンリンクの垂直断面について,JIS G 

0557

の規定によって全浸炭硬化層深さを,硬さ試験による方法で測定する。

10.6

オーステナイト結晶粒度測定  ロードチェーンの材料のオーステナイト結晶粒度は,JIS G 0551 

規定する方法で測定する。


9

B 8812

:2004

10.7

衝撃試験  チェーンリンクの衝撃試験は,JIS B 8841 の規定によって行うものとし,試料は 1 本の

チェーンから,3 個のチェーンリンクをサンプリングする。試験温度は,

表 による。

  9  衝撃試験の試験温度

単位  ℃

分類

調質チェーン

表面硬化チェーン

等級

T

V

タイプ

TH VH DAT DT

試験温度

−40

−20

−10

10.8

曲げ試験  ロードチェーンの曲げ試験は,図 のように 90 °V ブロックにチェーンリンクを水平に

置き,リンク平行部の中心に圧子で衝撃力を伴わずに曲げ荷重を加える。

f:変形量

  5  ロードチェーンの曲げ試験方法

11.

検査

11.1

形状,寸法及び外観  ロードチェーンの形状,寸法及び外観試験は,ロット(

17

)

ごとにランダムサン

プリングした試料について検査をして合否を判定する。線径,ピッチ,内面幅,外面幅及び外観について

の検査リンク数は,

表 のリンク数の 3 個リンクとする。

L (

18

)

については,ロットからランダムサンプリングした 3 か所について検査する。

不合格の場合には,サンプリングした試料を除いた残りのチェーンについて,更に 2 倍の試料をサンプ

リングして,すべての試料が合格しなければならない。

注(

17

)

製鋼チャージごとの材料,チェーンの溶接工程及び熱処理加工が同一のものをいう。

(

18

)  L

は,ロードシーブの歯数の 2 倍以上に相当するリンク数 について,6. c)の寸法許容差を基

準として検査する。


10

B 8812

:2004

11.2

製造者試験荷重及び静的強さ  ロードチェーンの製造者試験荷重及び静的強さの検査は,ロット(

17

)

ごとにランダムサンプリングした 3 本の試料について,

10.1

及び 10.2 の規定によって試験して検査を行い,

合否を判定する。不合格の場合には,サンプリングした試料を除いた残りのチェーンについて,更に 2 倍

の試料をサンプリングして,すべての試料が合格しなければならない。

11.3

疲れ強さ  疲れ強さは,同一材料及び製造方法において,試料 1 本(1 本の試料は 3 リンク以上)に

ついて検査して合否を判定する。

11.4

表面硬さ及び全浸炭硬化層深さ  調質チェーン及び表面硬化チェーンの表面硬さ及び全浸炭硬化層

深さの検査は,ロット(

17

)

ごとに 11.2 のサンプリングと同時にサンプリングした 3 個のリンクについて,

10.3

及び 10.4 の規定によって試験・測定して検査を行い,合否を判定する。不合格の場合には,サンプリ

ングした試料を除いた残りのチェーンについて,更に 2 倍の試料をサンプリングして,すべての試料が合

格しなければならない。

12.

製品の呼び方  ロードチェーンの呼び方は,規格名称又は規格番号,分類,タイプ,線径による。

1.  調質チェーンで,等級 V,タイプ VH,及び線径 6.3 mm の場合

チェーンブロック用リンクチェーン,調質チェーン,VH-6.3

JIS B 8812

,調質チェーン,VH-6.3

2.  表面硬化チェーンで,等級 T,タイプ DT,及び線径 8 mm の場合

チェーンブロック用リンクチェーン,表面硬化チェーン,DT-8

JIS B 8812

,表面硬化チェーン,DT-8

13.

表示  ロードチェーンには,強さを減じるおそれがないように,容易に消えない方法で,約 50 cm お

きに次の事項を表示する。

a

)

タイプ

b

)

製造業者名又はその略号

c

)

製造ロット番号又はその略号

関連規格  JIS G 0565  鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類

JIS Z 2343-1

  非破壊試験−浸透探傷試験−第 1 部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示

模様の分類


11

B 8812

:2004

附属書 1(規定)手鎖

1.

適用範囲  この附属書は,手鎖について規定する。

2.

種類  手鎖の種類は,素材線径及び等級によって,附属書 表 のとおりとする。ただし,素材線径

は,

附属書 表 以外も受渡当事者間の協定によって使用できる。

附属書   1  手鎖の種類

素材線径

Mm

等級  J

200 N/mm

2

  (

1

)

4 J-4

5 J-5

6 J-6

注(

1

)

最小破断応力を示す。 

3.

性能  手鎖の機械的性質は,附属書 表 による。その他の性能は,受渡当事者間の協定による。

附属書   2  手鎖の機械的性質

機械的性質

最大使用荷重 (

2

)  kg

破断荷重    kN

4 125

以下

  5

以上

5 200

以下

  8

以上

素材線径

Mm

6 280

以下 11 以上

注(

2

)

衝撃力が作用する場合,低温度,高温度,腐食雰囲気などの特殊使用状態では安全
性を考慮した使用荷重で使用しなければならない。 

4.

形状及び寸法  手鎖の形状及び寸法は,附属書 図 1,附属書 図 及び附属書 表 による。

附属書   1  手鎖の形状


12

B 8812

:2004

附属書   2  チェーンリンクの拡大図

附属書   3  手鎖の寸法

単位  mm

種類

線径  d

n 

標準ピッチ  (

3

)

外面幅  

J-4

4

±0.1

20

±0.4 14

以下

J-5

5

±0.1

25

±0.5 18

以下

J-6

6

±0.13 30±0.6 21.2 以下

備考  内面幅 a,外面幅 b

w

は規定しない。

注(

3

)

標準ピッチ は,線径 5  d

n

に基づいている。ただし,ピッチは,4.4  d

n

から 5.8 d

n

を逸脱しない範囲で選択できる。

5.

外観  手鎖は,溶接不良,き裂,著しいさびなどの有害な欠陥があってはならない。

6.

材料  手鎖の材料は,鋼とし,溶接性に優れ,かつ,附属書 の 3.の性能を満足するものでなければ

ならない。

7.

製造方法  手鎖は,附属書 図 のようにチェーンリンク平行部で溶接する。

8.

静的強さ試験  手鎖は,本体表 に規定する 1 連のリンク数の試料について,引張試験機で引張荷重

を加え,チェーンを破断させて,破断荷重を測定する。

9.

検査

9.1

形状,寸法及び外観  手鎖の形状,寸法及び外観の検査は,本体 11.1 による。ただし,内面幅 a

外面幅の b

w

及び については省略する。

9.2

静的強さ  手鎖の静的強さの検査は,本体 11.2 による。

10.

製品の呼び方  手鎖の呼び方は,規格名称又は規格番号,手鎖,種類による。

例  手鎖で,種類 J-6,等級 J,線径 6 mm の場合

チェーンブロック用リンクチェーン,手鎖,J-6

JIS B 8812

,手鎖,J-6

11.

表示  手鎖の表示は,受渡当事者間の協定による。


13

B 8812

:2004

附属書 2(規定)ロードチェーンの計算基準

1.

適用範囲  この附属書は,本体以外のロードチェーンの寸法・性能の計算方法について規定する。

2.

寸法

2.1

線径  ロードチェーンの線径は,d

n

で表す。

備考  数値は,JIS Z 8601 によるが,その他の数値を用いてもよい。

2.1.1

線径の許容差  線径 d

n

の許容差は,次のとおりとする。

4.0 mm

未満  ±0.15 mm

4.0 mm

以上  ±4 %,丸めの幅:0.1,小数点第二位を四捨五入とする。

2.2

ピッチ  ロードチェーンのピッチは,で表す。

2.2.1

ピッチの計算式

基準ピッチ p

p=3 d

n

  (1)

備考1.  ロードチェーンの基準ピッチは,3 d

n

であるが 2.6 d

n

から 3.2 d

n

の間であってもよい。

2.

丸めの幅:0.1,小数点第二位を四捨五入とする。

2.2.2

ピッチの許容差

0.019 8 p

  (2)

備考1. 4.0

mm

未満は丸めの幅:0.1,小数点第二位を四捨五入とする。

2.

 4.0

mm

以上は丸めの幅:0.01,切り捨てとする。

2.3

内面幅  ロードチェーンの溶接部を除いた内面幅は,で表す。

2.3.1

内面幅の計算式(最小)

a=1.25 d

n

  (3)

備考  丸めの幅:0.1,切り捨てとする。

2.4

外面幅  ロードチェーンの外面幅は,で表す。

2.4.1

溶接部を除いた外面幅の計算式(最大)

b=3.5 d

n

  (4)

備考1. 5.6

mm

未満は丸めの幅:0.1,小数点第二位を四捨五入とする。

2.

 5.6

mm

以上は丸めの幅:1,小数点第一位を四捨五入とする。

2.4.2

溶接部を含んだ外面幅の計算式(最大)

b

w

=3.575 d

n

  (5)

備考  丸めの幅:0.1,切り上げとする。

3.

性能

3.1

最大使用応力  最大使用応力は,附属書 表 による。


14

B 8812

:2004

附属書   1  ロードチェーンの最大使用応力

分類

等級

タイプ

最大使用応力(N/mm

2

非調質チェーン

M

MH

100

T

TH

200

調質チェーン

V

VH

250

 DT

T

 DAT

160

 CV (

1

) 250

表面硬化チェーン

V

 CV (

2

) 200

注(

1

)

ロードチェーンタイプ CV は,主に手動駆動方式に使用する場合。

(

2

)

ロードチェーンタイプ CV は,主に動力駆動方式に使用する場合。 

3.2

最大使用荷重  最大使用荷重は,WLL で示し,次の式で算出する。

65

9.806

000

2

WLL

2

n

×

d

π

最大使用応力

  (t)    (6)

3.3

破断荷重  破断荷重は,BF で示し,次の式で算出する。

等級 M BF=0.628 318 5 d

n

2

 (kN)

  (7)

等級 T BF=1.256 637 d

n

2

 (kN)

  (8)

等級 V BF=1.570 796 d

n

2

 (kN)

  (9)

3.4

製造者試験荷重  製造者試験荷重は,MPF で示し,次の式で算出する。

等級 M MPF=0.392 699 1 d

n

2

 (kN)

  (10)

等級 T MPF=0.785 398 2 d

n

2

 (kN)

  (11)

等級 V MPF=0.981 747 7 d

n

2

 (kN)

  (12)


15

B 8812

:2004

附属書 3(規定)等級 V(タイプ CV)表面硬化チェーン

1.

適用範囲  この附属書は,チェーンブロック(

1

)

,チェーンレバーホイスト(

2

)

,電気チェーンブロック(

3

)

などに使用する等級 V(タイプ CV)表面硬化チェーン(以下,表面硬化チェーンという。

)について規定

する。

注(

1

)  JIS B 8802

(

2

)  JIS B 8819

(

3

)  JIS B 8815

備考  表面硬化チェーンの寸法及び性能の計算基準は,附属書 に規定する。

2.

定義  定義は,本体 3.による。

3.

表面硬化チェーンの種類  表面硬化チェーンの種類は,分類,線径,等級,タイプ及び機械的性質に

よって,

附属書 表 のとおりとする。

附属書   1  表面硬化チェーンの種類

分類

表面硬化チェーン

等級

V

1 000 N/mm

2

タイプ CV

線径 (

4

)

3

 CV-3

Mm

3.2

CV-3.2

3.6  CV-3.6

  4

 CV-4

4.5  CV-4.5

  5

 CV-5

5.6  CV-5.6

6.3  CV-6.3

7.1  CV-7.1

  8

 CV-8

  9

 CV-9

 10

 CV-10

 11.2  CV-11.2

 12.5  CV-12.5

注(

4

)

数値は JIS Z 8601 による。 

4.

性能

4.1

最大使用荷重  表面硬化チェーンの最大使用荷重は,附属書 表 による。

4.2

製造者試験荷重  表面硬化チェーンは,附属書 表 に規定する製造者試験荷重を加えた状態で破

断してはならない。また,製造者試験荷重を加えた後の永久伸びは,本体 10.1 に規定する方法によって試

験したとき,0.25  %以下でなければならない。


16

B 8812

:2004

4.3

静的強さ  表面硬化チェーンの破断荷重及び破断全伸びは,本体 10.2 に規定する方法によって試験

したとき,

附属書 表 の規定に適合しなければならない。

附属書   2  表面硬化チェーンの機械的性質(1)

機械的性質 (

5

)

最大使用荷重 (

6

)

t

製造者試験荷重

kN

破断荷重

kN

破断全伸び

表面硬さ

HV 0.3

全浸炭硬化層

深さ (

7

)

  mm

等級

V

タイプ CV

線径

  3

 0.36

(0.28)以下

    8.9

以上

  14.2

15

500

0.06

以上

mm

3.2

0.4

(0.32)以下

10.1

以上

    16.1

以上

以上 0.06 以上

3.6

0.51

(0.4  )以下

12.8

以上

  20.4

0.07

以上

  4

 0.63

(0.5  )以下

 16

以上

 25

0.08

以上

4.5

0.81

(0.63)以下

 20

以上

  31.9

0.09

以上

  5

1

(0.8  )以下

 25

以上

 40

0.10

以上

5.6

1.25

(1

)以下

31.5

以上

 50

0.11

以上

6.3

1.6

(1.25)以下

 40

以上

 63

0.13

以上

7.1

2

(1.6  )以下

 50

以上

 80

0.14

以上

  8

 2.5

(2

)以下

 63

以上 100

0.16

以上

  9

 3.2

(2.5  )以下

 80

以上 128

0.18

以上

 10

4

(3.2  )以下 100

以上 160

0.20

以上

 11.2

5

(4

)以下 125

以上 200

0.22

以上

 12.5

6.3

(5

)以下 160

以上 250

0.25

以上

注(

5

)

この表にない線径の機械的性質の計算基準は,

附属書 に規定する。

(

6

)

電気チェーンブロックなどに使用する場合は,

(  )の数値による。

(

7

)

全浸炭硬化層深さは,線径の 2  %以上とする。 

附属書   3  表面硬化チェーンの機械的性質(2)

性  能

チェーンリンク衝撃値

T

c

  J/mm

3

曲げ強さ

(変形量  mm)

最小破断応力

N/mm

2

等  級 V

タイプ CV

 0.08

以上 0.8

d

n

 1

000

4.4

疲れ強さ  電気チェーンブロックなどに使用する表面硬化チェーンは,本体 10.3 に規定する疲れ試

験によって試験したとき,繰返し数 2×10

6

回で破壊してはならない。

4.5

表面硬さ  表面硬化チェーンの表面硬さは,本体 10.4 に規定する方法によって試験したとき,附属

書 表 の規定に適合しなければならない。

4.6

全浸炭硬化層深さ  表面硬化チェーンの全浸炭硬化層深さは,本体 10.5 に規定する方法によって試

験したとき,

附属書 表 の規定に適合しなければならない。

4.7

チェーンリンク衝撃値  チェーンリンクの衝撃値は,本体 10.7 の規定によって,試験温度−40  ℃で

試験を行ったとき,

附属書 表 の規定に適合しなければならない。

4.8

曲げ強さ  表面硬化チェーンの曲げ強さは,本体 10.8 に規定する方法によって試験を行ったとき,

附属書 表 に規定する値以上の変形に耐え,目視で確認できる欠陥が生じてはならない。

5.

形状及び寸法  表面硬化チェーンの形状及び寸法は,本体 6.による。


17

B 8812

:2004

6.

外観  表面硬化チェーンの外観は,本体 7.による。

7.

材料  表面硬化チェーンの材料は,本体 8.によるほか附属書 の 5.の規定を満足しなければならない。

8.

製造方法  表面硬化チェーンの製造方法は,本体 9.による。

9.

試験  表面硬化チェーンの試験は,本体 10.による。

10.

検査  表面硬化チェーンの検査は,本体 11.による。

11.

製品の呼び方  製品の呼び方は,本体 12.による。

12.

表示  表面硬化チェーンの表示は,本体 13.による。


18

B 8812

:2004

附属書 4(規定)ロードチェーンの使用基準及び点検基準

1.

適用範囲  この附属書は,ロードチェーンの使用基準及び点検基準について規定する。

2.

使用基準  ロードチェーンを使用する際,次の事項に注意しなければならない。

a

)

使用前に日常点検を行う。

b

)

ロードチェーンには,試験以外に使用荷重を超えて負荷してはならない。

c

)

使用前に,ロードチェーンにねじれ,もつれなどがないかを点検し,ねじれ,もつれなどがある場合

はこれを正しく修正してから使用する。

d

)

ロードチェーンを荷に巻き付けて使用してはならない。

e

)

ロードチェーンの通常の使用における使用温度範囲は,

附属書 表 による。

附属書   1  ロードチェーンの使用温度範囲

単位  ℃

等級

タイプ

通常使用の温度範囲

M

MH

−40∼+400

 TH

−40∼+200

 DT

T

DAT

−20∼+200

 VH

V

 CV

−40∼+150

f

)

ロードチェーンは,衝撃力が作用する場合,使用頻度の著しい作業状態,腐食雰囲気,爆発性雰囲気

など特殊状態で使用する場合には,製造業者などの指示による。

g

)

ロードチェーンには,潤滑剤を塗布して使用する。

h

)

ロードチェーンは,使用者がめっき,その他表面処理を施して使用してはならない。

i

)

ロードチェーンは,使用者が熱処理を施して使用してはならない。

3.

点検基準

a

)

ロードチェーンは,日常点検(

1

)

及び定期点検(

2

)

を行って使用しなければならない。

b

)

日常点検における点検項目,点検方法及び点検基準は,

附属書 表 2(

3

)

による。ただし,使用頻度の

著しい場合又は特殊な場合には,この点検項目以外についても点検する。

c

)

定期点検については,

附属書 表 2(

3

)

による。

注(

1

)

使用前の点検をいう。

(

2

)

定期的に行う点検で,使用頻度によって異なるが,6 か月又は 1 年ごとに行う。

(

3

)

附属書 表 で〇印の項目について点検を行う。

備考  手鎖の使用基準及び点検基準は,ロードチェーンに準拠する。


19

B 8812

:2004

附属書   2  点検基準

点検の種類

日常点検

定期点検

点検項目

点検方法

点検基準

ピッチの伸び

日常点検では目視,
定期点検では測定

摩擦などによって,非調質チェーン・調質チェーン

のピッチが 5  %以上,表面硬化チェーンのピッチ
が 3  %以上伸びているものは,使用してはならな
い(使用前に基準寸法表を作成しておく。

摩耗

日常点検では目視,
定期点検では測定

非調質チェーン・調質チェーンの線径の摩耗が

10

%以上,表面硬化チェーンの線径の摩耗が 5  %

以上のものは使用してはならない。

変形

目視

変形がないこと。

きず,その他 
有害な欠陥

目視 (

4

)

き裂,その他有害な欠陥がないこと。

腐食

目視

き裂,その他有害な欠陥があってはならない。

注(

4

)

定期点検では,必要に応じて JIS G 0565 に規定する磁粉探傷試験又は JIS Z 2343-1 に規定する浸透探傷試験
を行う。 


20

B 8812

:2004

附属書 5(参考)ISO 3077 巻上げ用ショートリンクチェーン−

等級 T,(タイプ T,DAT 及び DT),ロードチェーン

序文  この附属書(参考)は,2001 年に第 3 版として発行された ISO 3077:2001, Shortlink chain for lifting

purposes

−Grade T, (types T, DAT and DT), fine-tolerance hoist chain を翻訳し,項目だけを記述した。

1.

適用範囲  この附属書は,手動又は動力チェーンホイストと併用する等級 T(タイプ T,DAT 及び DT)

のロードチェーンの要求事項について規定する。

この規格は,熱処理され,ISO 1834 の一般的合否判定条件に従って試験された,チェーンの線径の範囲

が 3 mm∼22 mm の電気溶接丸鋼ショートリンクチェーンに適用する。

備考  タイプ DAT 又は DT ではなく,タイプ T のチェーンは,チェーンホイスト以外の巻上機で使用

されることもある。特に手動ホイストと併用するように意図された等級 TH 及び VH のチェー

ンは,将来この規格の対象となる。

2.

引用規格

3.

用語及び定義

4.

一般的合否判定条件

5.

寸法

5.1

チェーンの線径,d

n

5.2

材料の直径及び公差

5.3

ピッチ及び幅

5.4

溶接部の直径

5.5

溶接によって寸法的に影響される長さ

6.

材料及び製造

6.1

材料の品質

6.1.1

製造業者の責任

6.1.2

鋼のタイプ

6.1.3

脱酸

6.1.4

化学的組成

6.1.5

完成状態

6.2

熱処理

6.3

使用荷重限界(WLL

6.4

機械的特性

6.4.1

製造業者試験荷重(MPF


21

B 8812

:2004

6.4.2

破断荷重(BF)及び破断全伸び A

6.4.3

曲げたわみ

6.4.4

表面硬さ

6.4.5

硬化層深さ

6.4.6

耐疲労性

7.

安全要求事項の検証

7.1

ロットサイズ及びサンプルの選択

7.2

製造業者試験荷重,破断荷重及び破断全伸び

7.2.1

静的引張試験

7.2.2

合否判定基準

7.2.2.1

MPF

7.2.2.2

BF

及び A

7.3

曲げたわみ

7.3.1

曲げ試験

7.3.2

合否判定基準

7.4

硬さ試験

7.5

硬化層深さの測定

7.6

耐疲労性試験,タイプ DAT 及び DT

8.

表示

8.1

等級表示

8.2

識別表示

8.3

検査表示

9.

製造業者の証明書

10.

ホイストへの組込み及び使用に関する情報

10.1

ホイストへのチェーンの組込み

10.1.1

ロードチェーンの選択基準

10.1.2

ホイストの相手部品

10.2

チェーンの使用

10.3

点検

附属書 A(規定)  機械的特性及び寸法公差の計算のための基本要素

附属書 B(規定)  動力ホイストのチェーン(タイプ TDAT 及び DT)の選択基準

附属書 C(参考)  等級 のロードチェーンの近似質量


22

B 8812

:2004

附属書 6(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 8812

:2004  チェーンブロック用リンクチェーン

ISO 1834

:巻上げ用ショートリンクチェーン−一般受入れ条件

ISO 3077

:2001,巻上げ用ショートリンクチェーン−等級 T,

(タイプ

T

,DAT 及び DT)

,ロードチェーン

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

1.

適用範

手動又は動力用チェーンブ
ロック,チェーンレバーホ

イスト,電気チェーンブロ
ックなどに使用されるリン
クチェーンに適用する。

ISO 3077

(ISO 1834)

1

適用範

ISO 3077

は手動又は動力用

チェーンホイストと併用する

等級 T(タイプ T,DAT 及び

DT

)のロードチェーンの要求

事項について規定する。

なお,ISO 1834 は V 級につい
て規定している。

NEQ

左欄のとおり,JIS と国
際規格との構成が異なっ

ている。

国際規格は,DIN 規格を起源
とするもので内容的に不適切

な 箇 所 が あ り 整 合 化 で き な
い。

JIS

を英文化して,国際提案

する予定である。

2.

引用規

B 0148

B 8802B 8815

B 8819

B 8841G 0551

G 0557

Z 2244Z 8601

2 

引用規

ISO 643

ISO 1834

ISO 4301-1

ISO 4965

ISO 6507-1

EN10002

NEQ

引用規格に対する JIS 
国際規格との構成が異な
っている。

同上

3.

定義

この規格で用いる定義につ
いて規定

3 

用語及

び定義

JIS

に同じ

IDT

4.

ロード

チェーン
の分類及

び種類

非調質チェーン(等級 M タ
イプ MH),調質チェーン
(等級 T タイプ TH,等級

V

タイプ VH)及び表面硬

化チェーン(等級 T タイプ

DAT

及び DT)に分類する。

1 

適用範

ISO 3077

は等級 T(タイプ T,

DAT

及び DT)のロードチェ

ーンの要求事項について規定

する。

NEQ

JIS

と国際規格との構成

が異なっている。

同上

 

22

B 8812


2004


23

B 8812

:2004

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

4.

ロード

チェーン

の分類及
び種類

4 

一般的

合否判定

条件

ISO 1834

は,M 級,P 級,S

級,T 級及び V 級について規

定している。

MOD/

削除

JIS

では P 級及び S 級を

削除。

日本国内では,P 級及び S 級
は,ほとんど使用されていな

い。

5.

性能 5.7

チェーンリンク衝撃値

表 3,表 5

6 

材料及

び製造

ISO

に規定なし。

NEQ

JIS

ではチェーンリンク

衝撃値を追加している。

JIS

では,材料成分を規定し

ない代わりに衝撃値を規定す
る。

JIS

を英文化して,国際提案

する予定である。

6.

形状及

び寸法

a)

線径,ピッチ

表 6 
基準ピッチ p=3  d

n

である

が,2.6 d

n

から 3.2 d

n

の間で

あってもよい。

5 

寸法 5.1

チェーンの線径

5.2

材料の直径及び公差

5.3

ピッチ及び幅

表 1

呼びピッチ 3 d

n

に基づいて,

3.2 d

n

の最大呼び値をもつ。

NEQ

JIS

と国際規格で,異な

る線径,ピッチ,内面幅
及び外面幅がある。

国際規格は,DIN 規格を起源

とするもので内容的に不適切
な 箇 所 が あ り 整 合 化 で き な
い。

JIS

を英文化して,国際提案

する予定である。

7.

外観

溶接不良,き裂,著しいさ
びなどの有害な欠陥があっ
てはならない。

ISO

に規定なし。

MOD/

追加

JIS

では外観に関する規

定を追加している。

JIS

を英文化して,国際提案

する予定である。

8.

材料 a)

表 7

JIS

に規定なし。

6 

材料及

び製造

6.1.4

化学的組成

表 2 
鋼は,ニッケル及び少なくと

もクロム又はモリブデンのう
ち,一つを最小限の割合で含
まなければならない。

NEQ

JIS

では化学的組成にお

けるニッケル,クロム及
びモリブデンに関する規

定はない。

JIS

では,性能を重視し,材

料の化学成分を規定すべきで
は な い と の 基 本 的 考 え の 違

い。 
代替特性としての衝撃値を国
際提案する予定である。

 
 
 

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B 8812


2004


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B 8812

:2004

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

9.

製造方

a)

,b),c)

調質チェーンは,焼入焼戻

しの熱処理を実施し,また,
表面硬化チェーンは,適切
な浸炭焼入焼戻しを施さな

ければならない。

6 

材料及

び製造

6.2

熱処理

すべてのタイプのロードチェ

ーンは,AC3 点を上回る温度
から焼入れ,肌焼き,又はそ
の両方を行い,更に焼戻しし

なければならない。

NEQ

JIS

では,チェーンの種

類別の熱処理方法を限定

している。国際規格では,
焼入れ温度を規定してい
る。

JIS

では,チェーンの種類別

に熱処理方法を詳細に記述し

ている。

10.

試験

JIS

に規定なし。

10.4

表面硬さ試験

図 4

測定箇所は 2 か所

10.7

衝撃試験

7 

安全要

求事項の
検証

7.1

ロットサイズ及びサンプ

ルの選択 
サンプルを選択するロットサ
イズは 200 m とする。ロット

の長さの超過部分は,別のロ
ットとみなさなければならな
い。

7.4

硬さ試験

図 3

測定箇所は 3 か所

ISO

に規定なし。

NEQ

NEQ

NEQ

JIS

では,ロットサイズ

に関して規定していない。

JIS

と国際規格との測定

箇所が異なっている。

JIS

では衝撃試験に関し

て規定している。

製造方法の自由度に対する基

本的な考え方の違い。 

製造方法の自由度に対する基
本的な考え方の違い。

JIS

では,材料成分を規定し

ない代わりに衝撃値を規定す
る。

JIS

を英文化して,国際提案

する予定である。

11.

検査 11.1

形状,寸法及び外観

形状,寸法及び外観試験は,

ロットごとにランダムサン
プリングした試料について
検 査 を し て 合 否 を 判 定 す

る。

6

試験必

す事項

ISO 1834

では,形状,寸法を

含む各品質が確認できるよう

に,十分な試料をロットある
いは 部 分ロ ット か ら選 択 す
る。

IDT

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B 8812

:2004

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

12.

製 品

の呼び方

規格名称又は規格番号,分
類,等級,タイプ,線径,

及び種類による。

ISO

に規定なし。

国際規格は,DIN 規格を起源
とするもので内容的に不適切

な 箇 所 が あ り 整 合 化 で き な
い。JIS を英文化して国際提
案する予定である。

13.

表示

一 定 間 隔 で 次 項 を 表 示 す
る。

a)

等級又はタイプ

b)

製造業者名又はその略

c)

製造ロット番号又はそ

の略号

7 

表示

機械的性能を害しないように
一定の表示高さで等級及び製

造者のシンボルを一定間隔で
表示する。

NEQ

JIS

と国際規格との表示

間隔,表示内容が異なっ

ている。

同上

附属書 1

(規定)
手鎖

手鎖

ISO

に規定なし。

MOD/

追加

JIS

では手鎖を追加して

いる。

JIS

を英文化して国際提案す

る予定である。

附属書 2
(規定)
ロードチ

ェーンの
計算基準

2.1.1

線径の公差

4.0 mm

未満:±0.15 mm

4.0 mm

以上:±4 %

附属書 A
(規定)
機械的特

性及び寸
法公差の
計算のた

めの基本
要素

A.1

線径

18 mm

未満:線径の±4 %

18 mm

以上:線径の±5 %

NEQ

JIS

と国際規格との公差

が異なっている。

国際規格は,DIN 規格を起源
とするもので内容的に不適切
な 箇 所 が あ り 整 合 化 で き な

い。

JIS

を英文化して国際提案す

る予定である。

附属書 3

(規定)

V

級(タ

イプ CV)

表面硬化
チェーン

チェーンの種類,性能(製

造者試験荷重,静的強さ,
疲れ強さ,表面硬さ,全浸
炭硬化層深さ,衝撃値)を

規定。その他は,本体に準
ずる。

ISO 1834 

序文

破断応力と等級記号だけ記載

されている。

NEQ

JIS

と国際規格との構成

が異なっている。

JIS

を英文化して国際提案す

る予定である。

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B 8812


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B 8812

:2004

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:

  表示方法:

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

附属書 4
(規定)

ロードチ
ェーンの
使用基準

及び点検
基準

使用基準及び点検基準を規
定する。

10.2

チェ

ーンの使

通常使用温度範囲 
酸溶液中,雰囲気中での使用

を注意する。 
使用者がめっき及び表面処理
を施してはならない。

NEQ

JIS

と国際規格との構成

が異なっている。

JIS

を英文化して国際提案す

る予定である。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:NEQ

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  NEQ……………  技術的差異があり,かつ,それがはっきりと識別され説明されていない。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  NEQ……………  技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。

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