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B 8610 : 2002

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS B 8610 : 1990 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,使用を禁止されている特定フロンに関する規定を削除した。


日本工業規格

JIS

 B

8610

: 2002

冷凍用ユニットクーラの

冷凍能力計算方法

Capacity evaluation for refrigerating unit coolers

1.

適用範囲  この規格は,直接膨張式の冷凍用ユニットクーラ(以下,ユニットクーラという。)の冷凍

能力計算方法について規定する。

備考1.  ユニットクーラは,直径が8.0mm,9.52mm,12.70mm 及び15.88mm の銅管に平滑アルミニウ

ム板フィンを用いたものである。

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

冷凍能力  管内冷媒蒸発温度とユニットクーラ熱交換部の入口及び出口の空気温度とによる対数平均

温度差を使用し,この値に熱通過率,有効外表面伝熱面積(冷媒過熱部を除く。

)を乗じた値[4.3 

(1)

参照]

b)

外表面伝熱面積  ユニットクーラの通風側の全伝熱面積。

c)

有効外表面伝熱面積  外表面伝熱面積をフィン効率及びフィン接触効率で補正したユニットクーラの

通風側有効伝熱面積。

d)

有効内表面伝熱面積  ベンド部を除く管内表面積。

e)

熱通過率  有効外表面伝熱面積を基準とする熱通過率。

f)

過熱部の長さ  管内冷媒が蒸発を完了し,冷媒蒸気が過熱されている部分の管の長さ。

g)

有効伝熱面積比  外表面伝熱面積に対する有効外表面伝熱面積の比。

h)

有効内外面積比  有効内表面伝熱面積に対する有効外表面伝熱面積の比。

i)

管列数  風の流れの方向の管の列数。

j)

管段数  風に直角方向の管の段数。

k)

管有効長  ユニットクーラ側板間の距離。

l)

管ピッチ  管の列及び管の段のピッチ。

m)

フィンカラー長(カラーハイト)  フィンの銅管挿入部の全長からフィンの厚さを差し引いた値。

n)

フィン効率  フィンの全表面温度がフィンの根元の温度と一様に同一と仮定された場合の,空気とフ

ィンとの間の伝熱量に対する実際のフィン面での伝熱量の比。

o)

接触効率  管とフィンカラーとの接触部の熱抵抗がない場合のフィン効率に対する接触熱抵抗がある

場合のフィン効率の比。

p)

対数平均温度差  ユニットクーラ熱交換部出入口の空気温度と冷媒蒸発温度との対数平均温度差[4.3


2

B 8610 : 2002

(2)参照]

q)

温度差  ユニットクーラ熱交換部入口の空気温度(室温)と冷媒蒸発温度との差。

r)

前面風速  ユニットクーラ熱交換部入口での平均風速。

3.

記号及び単位  この規格で用いる主な記号及び単位は,表 による。

表 1  記号及び単位

記号

用語

単位

Φ

o

冷凍能力 W {kcal/h}

A

外表面伝熱面積

m

2

A

e

有効外表面伝熱面積

m

2

A

i

有効内表面伝熱面積

m

2

A

P

管外表面面積

m

2

A

f

フィン片側表面積(管穴面積を除く。

m

2

K

熱通過率 W/m

2

・℃ {kcal/m

2

・h・℃}

a

管 1 回路についての過熱部の長さ m

d

o

管外径 m

d

i

管内径 m

k

有効伝熱面積比  (A

e

/A)

l

1

回路管長(1 回路長) m

l

t

管全長(ベンド部を除く。

) m

N

管数

m

有効内外面積比  (A

e

/A

i

)

n

r

管列数

n

s

管段数

n

フィン数

f

p

(

1

)

フィンピッチ mm

P

p

(

1

)

管ピッチ mm

t

c

(

1

)

フィンカラー長 mm

t

f

(

1

)

フィン厚さ mm

η

f

フィン効率

η

c

接触効率

t

a1

ユニットクーラ入口空気温度(室温)

t

a2

ユニットクーラ出口空気温度

t

o

管内冷媒蒸発温度

x

乾き度 kg/kg

h

冷凍効果 kJ/kg

{kcal/kg}

t

sup

管出口冷媒蒸気過熱度

t

Δ

対数平均温度差

TD

温度差  (t

a1

t

o

)

sup

t

Δ

過熱部平均温度差

U

af

前面風速 m/s

q

mr

1

回路管内冷媒流量 kg/h

p

冷媒圧力降下 MPa

{kgf/cm

2

}

(

1

)  f

p

P

p

t

c

及び t

f

は,次による。


3

B 8610 : 2002

表 1  記号及び単位(続き)

4.

冷凍能力の計算方法

4.1

冷凍能力の計算に用いる前面風速の測定  風速は,熱線風速計,ピトー管及び差圧計,又はビラム

式風速計を用いて

図 に示す(A

1

−A

1

断面)で測定する。ただし,ユニットクーラ空気出口側にファンを

設ける場合には,空気入口側(A

2

−A

2

断面)で風速を測定しなければならない。

なお,風速の測定は風路断面積 0.16m

2

までについて 4 か所で行い,更に風路断面積 0.16m

2

増すごとに 1

か所以上の測定を追加する。また,測定に際しては,自由回転羽根などを用いて測定位置でのダクト内風

速が均一になるようにする。

単位 mm

管径

l

1

l

2

8.0 200

以上 60 以上

9.52 200

以上 60 以上

12.70 270

以上 80 以上

15.88 330

以上 100 以上

図 1  風速の測定


4

B 8610 : 2002

4.2

風速計の精度  測定に使用する計器の精度は,±0.2m/s とする。

4.3

冷凍能力の計算方法  冷凍能力

Φ

o

は,乾き伝熱面についての値とし,次の式によって算出する。

t

K

l

a

l

A

k

Φ

Δ

÷

ø

ö

ç

è

æ −

=

0

 (1)

0

2

0

1

2

1

ln

t

t

t

t

t

t

t

a

a

a

a

=

Δ

 (2)

ここで,

kA

e

/A (3)

A=  (A

p

π

d

o

Nnt

f

×10

3

)

+2nA

f

 (4)

A

e

=  [A

p

π

d

o

Nn (t

f

t

c

)

×10

3

]

η

c

 (

π

d

o

Nnt

c

×10

3

+2

η

f

nA

f

) (5)

η

c

=1 の場合の 値を

付図 1に示す。また,値を付図 5に示し,の値を付図 912 に示す。

なお,図中の数値は計算上の基準値である,

備考  管内冷媒の圧力損失による対数平均温度差 t

Δ の減少値が,設定対数平均温度差の 5%を超える

場合には,冷凍能力

Φ

o

を補正する。この場合,クーラ出口の冷媒飽和圧力に相当する飽和温度

を基準設定蒸発温度とする。

5.

冷凍用ユニットクーラの冷凍能力計算書  冷凍用ユニットクーラの冷凍能力計算書の例を,表 に示

す。


5

B 8610 : 2002

表 2  冷凍用ユニットクーラの冷凍能力計算書(例)

製造業者名

型式

単位

冷媒の種類

管の内外径

m

 

管材料(

2

)

フィン材料(

2

)

フィン厚さ

mm

 

フィン寸法

mm

 

管ピッチ

mm

 

フィンピッチ

mm

 

管列数×管段数

管有効長

m

 

外表面伝熱面積

m

2

有効外表面伝熱面積

m

2

1

回路長

m

 

有効内外面積比

クーラの前面風速又は風量 m/s 又は m

3

/min

 

クーラの前面有効面積

m

2

過熱度

温度差  (TD)

冷凍能力  (

Φ

o

(

3

) W

{kcal/h}

 

対数平均温度差  (

t

Δ

)

冷凍能力  (

Φ

o

(

3

) W

{kcal/h}

 

(

2

)

日本工業規格の材料記号による。

(

3

)

この冷凍能力は,乾き伝熱面とし,ファンモータの発熱量を差し引いていない値で計算した。

6.

技術資料などに記載する項目  技術資料などに記載する項目は,次のとおりとする。

a)

製造業者名又はその略号

b)

型式名

c)

製造年

d)

冷凍能力(

4

)

e)

冷媒の種類

f)

外表面伝熱面積 (m

2

)

g)

1

回路長 (m)

h)

風量 (m

3

/min)

i)

ファンモータの入力 (kW) 及び電圧 (V)

(

4

)

表示に際しては TD 10℃を基準とする。


6

B 8610 : 2002

付図 1  8.0 銅管ユニットクーラの k (A

e

/A

と P

p

との関係

η

c

=1 の場合)


7

B 8610 : 2002

付図 2  9.52 銅管ユニットクーラの k (A

e

/A

と P

p

との関係

η

c

=1 の場合)


8

B 8610 : 2002

付図 3  12.70 銅管ユニットクーラの k (A

e

/A

と P

p

との関係

η

c

=1 の場合)


9

B 8610 : 2002

付図 4  15.88 銅管ユニットクーラの k (A

e

/A

と P

p

との関係

η

c

=1 の場合)


10

B 8610 : 2002

付図 5  冷媒 R22 を用いる場合,8.0 銅管ユニットクーラ(回路長 9m

h 

163.3kJ/kg {39kcal/kg} 

基準)の と t

Δ

(過熱度 0℃,

η

c

1P

p

 

18

×18)との関係


11

B 8610 : 2002

付図 6  冷媒 R22 を用いる場合,9.52 銅管ユニットクーラ(回路長 10m

h163.3kJ/kg {39 

kcal/kg} 

基準)の と t

Δ

(過熱度 0℃,

η

c

1P

p

22×25.4)との関係


12

B 8610 : 2002

付図 7  冷媒 R22 を用いる場合,12.70 銅管ユニットクーラ(回路長 12.5m

h163.3 

kJ/kg {39kcal/kg} 

基準)の と t

Δ

(過熱度 0℃,

η

c

1P

p

33×38)との関係


13

B 8610 : 2002

備考  P

p

=50×50 での 値は,この図の値の 17%減とする。

付図 8  冷媒 R22 を用いる場合,15.88 銅管ユニットクーラ(回路長 15m

h163.3kJ/kg {39 

kcal/kg} 

基準)の と t

Δ

(過熱度 0℃,

η

c

1P

p

40×40)との関係


14

B 8610 : 2002

備考  各管ピッチに共通。1 回路長 9m,R22(

h=163.3kJ/kg {39kcal/kg}  基準)の場合。

付図 9  8.0 銅管ユニットクーラの過熱コイル長 と t

Δ

との関係


15

B 8610 : 2002

備考  各管ピッチに共通。1 回路長 10m,R22(

h=163.3kJ/kg {39kcal/kg}  基準)の場合。

付図 10  9.52 銅管ユニットクーラの過熱コイル長 と t

Δ

との関係


16

B 8610 : 2002

備考  各管ピッチに共通。1 回路長 12.5m,R22(

h=163.3kJ/kg {39kcal/kg}  基準)の場合。

付図 11  12.70 銅管ユニットクーラの過熱コイル長 と t

Δ

との関係


17

B 8610 : 2002

備考  各管ピッチに共通。1 回路長 15m,R22(

h=163.3kJ/kg {39kcal/kg}  基準)の場合。

付図 12  15.88 銅管ユニットクーラの過熱コイル長 と t

Δ

との関係


18

B 8610 : 2002

日本工業標準調査会標準部会  産業機械技術専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

岡  村  弘  之

東京理科大学理工学部

(委員)

朝  田  泰  英

財団法人電力中央研究所

伊  藤  正  人

厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課

大  地  昭  生

日本内燃機関連合会[株式会社東芝電力システム社]

大  湯  孝  明

社団法人日本農業機械工業会

重  久  吉  弘

財団法人エンジニアリング振興協会

鈴  木  通  友

社団法人全国木工機械工業会

筒  井  康  賢

独立行政法人産業技術総合研究所機械システム研究部門

橋  元  和  男

国土交通省総合政策局建設施工企画課

平  野  正  明

社団法人日本機械工業連合会

藤  咲  浩  二

社団法人日本産業機械工業会

松  山  新一郎

株式会社豊田自動織機製作所

吉  田  岳  志

農林水産省生産局生産資材課

渡  邉  和  夫

社団法人日本建設機械化協会