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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B8562-1996 

自動販売機−据付基準 

Vending machines−Installation 

1. 適用範囲 この規格は,全質量が1 000kg以下(幅2 000mm以下,高さ2 200mm以下,奥行き1 000mm

以下)の床置式の自動販売機を,地上のコンクリート面又はこれと同等以上の強度をもつ据付面に設置し,

その脚部と据付面とを固定金具及びあと施工アンカーによって固定する場合の施工基準について規定する。 

備考1. 床置式の自動販売機とは,据付面に直接自動販売機の機体を据え付けるか,専用設置台に自

動販売機を固定して据え付ける形態のものをいう。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0205 メートル並目ねじ 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管 

JIS G 3507 冷間圧造用炭素鋼線材 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 4804 硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) あと施工アンカー 自動販売機の据付けに使用する金属拡張アンカー。 

(2) 固定金具 あと施工アンカーを用いて自動販売機を据付面に固定する金具であって,自動販売機の脚

部及びあと施工アンカーが所定の位置に固定できる構造であり,定められた強度をもつもの。 

(3) へりあき寸法 あと施工アンカーの施工位置の中心から据付コンクリートの端面までの最短距離

(6.2.3参照)。 

3. 名称及び記号 自動販売機の据付けに関する主要な部分の名称及び寸法を表す記号は,図1による。 

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B8562-1996  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 各部の名称及び記号 

注(1) 前後又は左右の脚までの距離のうち,短いほうの距離とする。 

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4. あと施工アンカー 

4.1 

種類及び形状 あと施工アンカーの種類及び形状は,図2による。アンカーのねじの呼びは,JIS B 

0205のM10又はM12とする。 

図2 あと施工アンカーの種類及び形状 

アンカー概要図 

テーパボルト式 

心棒打込み式 

備考 材料は,JIS G 3141,JIS G 3445,JIS G 3507,JIS G 4051及びJIS 

G 4804に規定するもの又はこれらと品質が同等以上のものとす
る。 

4.2 

許容引張荷重 あと施工アンカーは,表1に示す許容引張荷重をもつもの又はそれと同等以上のも

のとする。ただし,変位量2.5mmの場合の引張荷重が,M10では8 000N,M12では12 500N以上でなけ

ればならない。 

表1 あと施工アンカーの許容引張荷重 

単位 N 

ねじの呼び 

許容引張荷重 

M10 

3 700 

M12 

5 700 

4.3 

有効埋込み深さ あと施工アンカーの有効埋込み深さを,図3に示す。 

また,有効埋込み深さの最小寸法を,表2に示す。 

図3 あと施工アンカーの有効埋込み深さ 

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表2 有効埋込み深さの最小寸法 

単位 mm 

ねじの呼び 

有効埋込み深さの最小寸法 

M10 

40 

M12 

50 

5. 固定金具 

5.1 

形状及び寸法 固定金具の形状及び寸法の例を,図4に示す。 

図4 固定金具の例 

材料 JIS G 3131又はJIS G 3141に規定するもの又はこれらと品質が同等以上のもの 
厚さ 3.2mm以上 
表面処理 防せい処理を施す。 

5.2 

単体強度 固定金具の単体強度は,脚部における最大引張荷重を1300Nとし,それに耐えるものと

する。 

6. 据付施工の基準 

6.1 

据付面の条件 

6.1.1 

据付面の基本構造 据付面は,自動販売機本体の脚部,固定金具,あと施工アンカーの設置許容寸

法などの条件を満たしたコンクリート面又はそれと同等以上の強度をもつ平面とする。 

6.1.2 

据付面の水平度 据付面は,据付調整後の自動販売機の傾きが1度以内となるような面とする。 

なお,自動販売機の脚は,図5に示すような高さ調節装置をもつ構造であり,その最大調節範囲は,表

3による。 

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図5 高さ調節装置 

表3 最大調節範囲 

単位 mm 

高さ調節用ねじの呼び 最大調節範囲 

M10以上 
M16未満 

40 

M16以上 
M20未満 

50 

M20以上 

60 

6.1.3 

据付面の強度 据付面のコンクリートの設計基準強度は,4週圧縮強度18N/mm2以上とする。 

6.1.4 

据付面の厚さ 据付面の厚さは,あと施工アンカーの,せん(穿)孔深さの2倍以上で,かつ,100mm

以上とする。 

6.1.5 

据付面の質量 据付面の質量は,次の式の条件を満足するものでなければならない。 

Mc1>Mc2 

ここに, Mc1: 据付面のコンクリートの質量 (Lw1×LD1×t×2 300) (kg)  
 

Mc2: 地面などからはく離しないための必要質量 (kg) で,次の(1)

〜(3)のうちの最大値 

(1) 耐地震力 据付面が地震力によって自動販売機とともに地上からはく(剥)離しないための最小必要

質量Mc21は,次のMc21a, Mc21b, Mc21c又はMc21dのうちの最大値とする。 

G

t

k

L

k

C

L

k

t

h

k

M

2

2

)

2(

)

()

2(

)

(

2

W1

W

W2

c21a

×

G

t

k

L

k

C

L

L

k

t

h

k

M

2

2

)

2(

)

()

2(

)

(

2

W1

W

W2

W1

c21b

×

+

G

t

k

L

k

C

L

k

t

h

k

M

2

2

)

2(

)

()

2(

)

(

2

D1

D

D2

c21c

×

G

t

k

L

k

C

L

L

k

t

h

k

M

2

2

)

2(

)

()

2(

)

(

2

D1

D

D2

D1

c21d

×

ここに, 

k: 設計用水平震度 (0.4)  

(2) 耐風圧力 据付面が風圧力によって自動販売機とともに地上からはく離しないための最小必要質量

Mc22は,次のMc22a, Mc22b, Mc22C又はMc22dのうちの最大値とする。ただし,壁などによって風圧力が直

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

接に作用しない面は,検討から除いてもよい。 

W1

W

W2

c22a

8.9

)

(

6.

19

)

(

2

L

C

L

G

t

h

q

A

M

β

W1

W

W2

W1

c22b

8.9

)

(

6.

19

)

(

2

L

C

L

L

G

t

h

q

A

M

β

D1

D

D2

c22c

8.9

)

(

6.

19

)

(

2

L

C

L

G

t

h

q

A

M

β

D1

D

D2

D1

c22d

8.9

)

(

6.

19

)

(

2

L

C

L

L

G

t

h

q

A

M

β

ここに, 

A:  風圧を受ける側の表面積(W×H又はD×H) (m2)  

q: 速度圧  (

h

q

=600

) (Pa)  

β: 風力係数 (1.2)  

(3) 耐人的外力 据付面が人的外力によって自動販売機とともに地上からはく離しないための最小必要質

量Mc23は,次のMc23a, Mc23b, Mc23c又はMc23dのうちの最大値とする。ただし,据付面が広く,据付面か

ら外れて人的外力を加えることができない場合は,検討から除いてもよい。 

W1

W

W2

c23a

)

(

2

)

2.1(

120

L

C

L

G

t

M

W1

W

W2

W1

c23b

)

(

2

)

2.1(

120

L

C

L

L

G

t

M

D1

D

D2

c23c

)

(

2

)

2.1(

120

L

C

L

G

t

M

D1

D

D2

D1

c23d

)

(

2

)

2.1(

120

L

C

L

L

G

t

M

6.2 

あと施工アンカーの選定及び施工 

6.2.1 

径及び本数の選定 あと施工アンカーの径及び本数は,4.2で規定するあと施工アンカー1本当た

りの許容引張荷重が,次の(1)〜(3)の計算式で求められる引張荷重(P1,P2及びP3)の最大値を上回るよ

うに選定する。ただし,自動販売機の回転を防止するため,2本以上とする。 

なお,あと施工アンカーがねじの呼びM10で,固定金具の長穴の短寸法が14.5mm以上のものを使用す

る場合は,適切な平座金を用いる。 

(1) 耐地震力 

8.9

)2

/

(

P

1

×

×

a

b

n

D

C

k

G

G

h

G

k

P

ここに, P1: 地震力に耐えられるあと施工アンカー1本当たりの引張荷重 (N)  
 

n: 引張力を受ける脚側のあと施工アンカーの本数 

C: 図1のCwとCDのうち小さいほうの数値。 

DP: Cで使った数値がCwならDpwを使い,CDならDPDを使う。 

(2) 耐風圧力 

a

b

n

D

C

G

h

q

A

P

×

P

2

8.9

β

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, P2: 風圧力に耐えられるあと施工アンカー1本当たりの引張荷重 (N)  

(3) 耐人的外力 

8.9

72

P

3

×

×

a

b

n

D

C

G

P

ここに, P3: 人的外力に耐えられるあと施工アンカー1本当たりの引張荷重 

(N)  

6.2.2 

あと施工アンカーの固定位置 あと施工アンカーは,自動販売機の転倒を防止するために,有効に

作用する位置に固定する。 

6.2.3 

あと施工アンカーの施工位置 表1の許容引張荷重を満足するための,あと施工アンカーの施工位

置を図6に示す。 

また,施工ピッチ及びへりあき寸法の最小値を表4に示す。 

図6 あと施工アンカーの施工位置 

表4 あと施工アンカーの最小施工寸法 

単位 mm 

ねじの呼び 

施工ピッチ 

 (l1)  

へりあき寸法 

 (l2)  

M10 

120 

80 (40)  

M12 

150 

100 (50)  

備考 表4の ( ) 内の値でもよいが,その場合は,

あと施工アンカーの許容引張荷重を表1の
値に0.8を乗じた値とする。 

6.2.4 

せん孔 せん孔に当たっては,次の(1)〜(3)の条件を満足しなければならない。 

(1) コンクリート用ドリルの径 コンクリート用ドリルの径は,表5に示す値とする。 

表5 コンクリート用ドリルの径 

単位 mm 

ねじの呼び 

あと施工アンカーの種類 

テーパボルト式 

心棒打込み式 

M10 

2.005

.0

0.

13

++ 

2.005

.0

5.

10

++ 

M12 

2.005

.0

5.

16

++ 

2.005

.0

7.

12

++ 

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(2) せん孔深さ せん孔深さは,図7及び表6による。 

図7 あと施工アンカーのせん孔深さ 

表6 せん孔深さの寸法 

単位 mm 

ねじの呼び 

あと施工アンカーの種類 

テーパボルト式 

心棒打込み式 

M10 

la+ (7±3)  

47±3 

M12 

la+ (7±3)  

57±3 

(3) せん孔角度 せん孔角度は,据付面に対して垂直にせん孔しなければならない。特に,テーパボルト

式を使用する場合は,施工時にナットが片当たりしないような角度でなければならない。 

6.2.5 

施工の完了 施工の完了は,次によって確認する。 

(1) テーパボルト式の場合は,表7に示す施工トルク値以上で締め付けられていること。 

表7 施工トルク値 

単位 N・m 

ねじの呼び 

施工トルク値 

M10 

40 

M12 

60 

(2) 心棒打込み式の場合は,心棒が完全に打ち込まれていること。 

関連規格 JIS B 8561 自動販売機−試験方法 

B8562-1996  

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JIS B 8562 改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 松 崎 育 弘 

東京理科大学工学部建築学科 

藤 野 達 夫 

通商産業省機械情報産業局産業機械課 

山 村 修 蔵 

工業技術院標準部機械規格課 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会技術部 

松 岡 萬理野 

財団法人日本消費者協会 

佐 野 真理子 

主婦連合会 

谷茂岡 正 子 

全国地域婦人団体連絡協議会生活部 

○ 須之内 大 悟 

サンデン株式会社 

○ 樋 口 義 弘 

三洋電機株式会社 

○ 新 井 正 彬 

富士電機冷機株式会社 

○ 井 上   敏 

株式会社クボタ 

○ 一 橋 義 明 

松下冷機株式会社 

○ 中 村 宏 之 

神鋼事務機株式会社 

○ 中 安 将 兼 

グローリー工業株式会社 

○ 尾 島 一 良 

社団法人日本建築あと施工アンカー協会 

菅 沼 義 保 

ナショナル・ベンディング株式会社 

樋 口 弘 之 

日本コカ・コーラ株式会社 

佐 藤 泰 一 

株式会社エフ・ヴィ・コーポレーション 

中 村 重 治 

自販機器保安整備協会 

(事務局) 

水 口 春 生 

日本自動販売機工業会 

備考 ○印は小委員会委員を兼ねる。