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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

2

2

  引用規格  

3

3

  用語及び定義  

5

4

  リスクアセスメント  

11

4.1

  一般  

11

4.2

  危険源の同定  

11

4.3

  リスク見積り  

12

5

  安全要求事項及び保護方策  

12

5.1

  一般  

12

5.2

  電池の充電に関連する危険源  

13

5.3

  エネルギーの蓄積及び供給による危険源  

14

5.4

  ロボットの通常運転における起動及び再起動  

16

5.5

  静電電位  

17

5.6

  ロボットの形状による危険源  

18

5.7

  放出による危険源  

18

5.8

  電磁障害による危険源  

22

5.9

  ストレス,姿勢及び使用法による危険源  

22

5.10

  ロボットの動作による危険源  

24

5.11

  耐久性不足による危険源  

31

5.12

  誤った自律的判断及び動作による危険源  

32

5.13

  動いている部品との接触による危険源  

33

5.14

  人がロボットに気付かないことによる危険源  

33

5.15

  危険な環境条件  

34

5.16

  位置確認及びナビゲーションの誤差による危険源  

36

6

  安全関連制御システムに対する要求事項  

37

6.1

  要求安全性能  

37

6.2

  ロボットの停止  

39

6.3

  運転空間の制限  

42

6.4

  安全関連速度制御  

43

6.5

  安全関連環境認識  

44

6.6

  安定性制御  

46

6.7

  安全関連力制御  

46

6.8

  特異点保護  

46

6.9

  ユーザインタフェースの設計  

47


B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)  目次

(2)

ページ

6.10

  運転モード  

48

6.11

  手動制御装置  

50

7

  検証及び妥当性確認  

51

8

  使用上の情報  

51

8.1

  一般  

51

8.2

  マーキング又は表示  

52

8.3

  ユーザマニュアル  

53

8.4

  サービスマニュアル  

54

附属書 A(参考)生活支援ロボットの重要危険源のリスト 

56

附属書 B(参考)生活支援ロボットの運転空間の例  

65

附属書 C(参考)安全防護空間の実施例  

69

附属書 D(参考)生活支援ロボットの機能的タスクの例  

72

附属書 E(参考)生活支援ロボットのマーキングの例  

75


B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本ロボット工業会(JARA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

8445

:2016

(ISO 13482

:2014

)

ロボット及びロボティックデバイス−

生活支援ロボットの安全要求事項

Robots and robotic devices-Safety requirements for personal care robots

序文 

この規格は,2014 年に第 1 版として発行された ISO 13482 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

この規格は,工業分野における製造用途のためではなく,非工業環境においてサービスを提供するため

の新たな用途として近年登場してきた,ロボット及びロボティックデバイスがもたらす固有の危険源を認

識した上で開発された。

この規格は,

医療用でない生活支援ロボットの安全要求事項に焦点を絞っている。

この規格は,工業環境だけに特化したロボットに関する安全要求事項を対象とした JIS B 8433-1 を補完

するものである。この規格は JIS B 9700 に沿った追加情報を含むものであり,ISO 13849 及び IEC 62061

において提案されたアプローチを採用して生活支援ロボット及びロボティックデバイスの安全標準を策定

し,人とロボットとの身体的接触の条件について規定している。

この規格は,JIS B 9700 に規定されている,タイプ C 規格である。

タイプ C 規格が,タイプ A 規格又はタイプ B 規格の取り扱っている一つ以上の規定から逸脱している

場合は,タイプ C 規格が優先される。

生活支援の用途におけるロボット及びロボティックデバイスには,人とロボットとの緊密な相互作用,

共同作業などに加え,人とロボットとの身体的接触も求められることが認識されている。

関連するロボット又はロボティックデバイス,及び対象とする危険源,危険状態又は危険事象の範囲を

この規格の適用範囲に示す。

危険源が広く認識されている。また,危険源の由来はしばしば,個々のロボットシステムに固有のもの

である。危険源の数及びタイプは,ロボットの用途の性質,装置の複雑さ,及び組み込まれている人間と

ロボットとの相互作用のレベルと直接関連付いている。

これらの危険源に付随するリスクは,使用するロボットのタイプ,その目的,設置方法,プログラム方

法,操作方法,保守の方法などによって多様である。

この規格で明らかにする危険源の全てがあらゆる生活支援ロボットに一様に当てはまるということでは

なく,また,所与の危険状態に付随するリスクのレベルが,どのロボットにとっても同じということでも

ない。したがって,安全要求事項・保護方策は,この規格に規定するものとは異なるものとなることがあ

る。保護方策がこの規格に規定する安全要求事項・保護方策を満たさない場合,また,個別の用途が考慮

されている場合は,リスクアセスメントを実施して必要な保護方策を決定する。

生活支援ロボットの用途による危険源の多様な性質を認識した上で,この規格は,医療用ではない生活

支援ロボットの設計及び製造における安全確保だけでなく,その全ライフサイクルを通じたロボットのイ

ンテグレーション,設置及び使用における安全確保のための指針も提供する。生活支援ロボットを使用す


2

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

る際の安全性は,そのロボットシステムの設計に左右されることから,補足的であるとはいえ同様に重要

な目的として,生活支援ロボット及びロボティックデバイスの使用上の情報についての指針を提供する。

この規格の安全要求事項は,生活支援ロボットの製造業者及び供給者が満たさなければならない。

この規格の将来の改正版には,

特定のタイプの生活支援ロボットに関するより具体的な要求事項のほか,

様々な属性の人(子供,高齢者,妊婦など)に対するより完全な数値データを含める見込みである。

適用範囲 

この規格は,生活支援ロボット,特に次の三つのタイプの生活支援ロボットの本質的安全設計,保護方

策及び使用上の情報に対する要求事項について規定する。

−  移動作業型ロボット

−  身体アシストロボット

−  搭乗型ロボット

これらのロボットは,一般的に,年齢又は能力によらず,意図したユーザの生活の質を改善するための

タスクを実行する。この規格は,これらのロボットの使用に付随する危険源について規定し,それら危険

源に伴うリスクを排除したり又は許容レベルまで低減したりするための要求事項を規定する。

この規格は,

人間とロボットとが身体的な接触を起こす用途を対象に含める。

この規格は,重要な危険源を提示し,また,各生活支援ロボットのタイプごとに,危険源にどのように

対処するかを規定する。

この規格は,生活支援の用途において使用され,生活支援ロボットとして取り扱われるロボティックデ

バイスも対象とする。

この規格は,地表で動くロボットに限定する。ただし,次のものには適用しない。

− 20

km/h を超える速度で移動する生活支援ロボット

−  ロボット玩具

−  水中ロボット及び飛行ロボット

−  産業用ロボット(JIS B 8433 の規格群で規定されている。

−  医療機器としてのロボット

−  軍用又は公権力に資するためのロボット

注記 1  この規格に定める安全原則が,上記のロボットに有用であることもある。

注記 2  生活支援ロボットの機能的タスクの例を,附属書 に示す。

この規格の適用範囲は,主として人に関連する危険源に限定されるが,生活支援ロボットが適切に設置・

保守され,さらに,その意図した目的のため又は合理的に予見可能な条件下で使用されており,適切とみ

なされる場合には,適用範囲に飼育動物又は家財(これらは安全関連物体として定義される)を含む。

この規格は,この規格の制定以前に製造されたロボットには適用しない。

この規格は,

附属書 に示す全ての重要危険源,危険状態又は危険事象を取り扱う。この規格の制定の

時点で,衝撃(例えば,衝突によるもの)に関連する危険源に関して,網羅的かつ国際的に認知されたデ

ータ(

例  痛み,受傷限界)は存在していないことに注意が必要である。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13482:2014

,Robots and robotic devices−Safety requirements for personal care robots(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”


3

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:2016 (ISO 13482:2014)

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0134

  ロボット及びロボティックデバイス−用語

注記  対応国際規格:ISO 8373,Robots and robotic devices−Vocabulary(IDT)

JIS B 8361

  油圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項

注記  対応国際規格:ISO 4413,Hydraulic fluid power−General rules and safety requirements for systems

and their components(MOD)

JIS B 8370

  空気圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項

注記  対応国際規格:ISO 4414,Pneumatic fluid power−General rules and safety requirements for

systems and their components(MOD)

JIS B 8433-1

  ロボット及びロボティックデバイス−産業用ロボットのための安全要求事項−第 1

部:ロボット

注記  対応国際規格:ISO 10218-1,Robots and robotic devices−Safety requirements for industrial robots

−Part 1: Robots(IDT)

JIS B 8433-2

  ロボット及びロボティックデバイス−産業用ロボットのための安全要求事項−第 2

部:ロボットシステム及びインテグレーション

注記  対応国際規格:ISO 10218-2,Robots and robotic devices−Safety requirements for industrial robots

−Part 2: Robot systems and integration(IDT)

JIS B 9700:2013

  機械類の安全性−設計のための一般原則−リスクアセスメント及びリスク低減

注記  対応国際規格:ISO 12100:2010,Safety of machinery−General principles for design−Risk

assessment and risk reduction(IDT)

JIS B 9703

  機械類の安全性−非常停止−設計原則

注記  対応国際規格:ISO 13850,Safety of machinery−Emergency stop−Principles for design(IDT)

JIS B 9705-1

  機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第 1 部:設計のための一般原則

注記  対応国際規格:ISO 13849-1,Safety of machinery−Safety-related parts of control systems−Part 1:

General principles for design(IDT)

JIS B 9710

  機械類の安全性−ガードと共同するインタロック装置−設計及び選択のための原則

注記  対応国際規格:ISO 14119,Safety of machinery−Interlocking devices associated with guards−

Principles for design and selection(IDT)

JIS B 9711

  機械類の安全性−人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま

注記  対応国際規格:ISO 13854,Safety of machinery−Minimum gaps to avoid crushing of parts of the

human body(IDT)

JIS B 9714

  機械類の安全性−予期しない起動の防止

注記  対応国際規格:ISO 14118,Safety of machinery−Prevention of unexpected start-up(IDT)

JIS B 9715

1)

  機械類の安全性−人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決め

注記  対応国際規格:ISO 13855,Safety of machinery−Positioning of safeguards with respect to the


4

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:2016 (ISO 13482:2014)

approach speeds of parts of the human body(IDT)

JIS B 9716

  機械類の安全性−ガード−固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事

注記  対応国際規格:ISO 14120,Safety of machinery−Guards−General requirements for the design and

construction of fixed and movable guards(IDT)

JIS B 9718

  機械類の安全性−危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離

注記  対応国際規格:ISO 13857,Safety of machinery−Safety distances to prevent hazard zones being

reached by upper and lower limbs(IDT)

JIS B 9960-1

  機械類の安全性−機械の電気装置−第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60204-1:2009,Safety of machinery−Electrical equipment of machines−Part 1:

General requirements(MOD)

JIS C 0365

  感電保護−設備及び機器の共通事項

注記  対応国際規格:IEC 61140,Protection against electric shock−Common aspects for installation and

equipment(IDT)

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記  対応国際規格:IEC 60529,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)(IDT)

JIS C 6802

  レーザ製品の安全基準

注記  対応国際規格:IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and

requirements(IDT)

JIS C 7550

  ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性

注記  対応国際規格:IEC 62471,Photobiological safety of lamps and lamp systems(MOD)

JIS C 9335-1

  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 1 部:通則

注記  対応国際規格:IEC 60335-1,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 1: General

requirements(MOD)

JIS C 9335-2-29

  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 2-29 部:バッテリチャージャの個別

要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60335-2-29,Household and similar electrical appliances−Safety−Part 2-29:

Particular requirements for battery chargers(MOD)

JIS Z 8737-2

  音響−作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法−第

2 部:現場における簡易測定方法

注記  対応国際規格:ISO 11202,Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Determination

of emission sound pressure levels at a work station and at other specified positions applying

approximate environmental corrections(IDT)

JIS Z 9101

  安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則

注記  対応国際規格:ISO 3864-1,Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Part 1: Design

principles for safety signs and safety markings(IDT)

ISO 3746

,Acoustics−Determination of sound power levels and sound energy levels of noise sources using

sound pressure−Survey method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane

ISO 4871

,Acoustics−Declaration and verification of noise emission values of machinery and equipment

ISO 7000

,Graphical symbols for use on equipment−Registered symbols


5

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:2016 (ISO 13482:2014)

ISO 7010

,Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Registered safety signs

ISO 9227

,Corrosion tests in artificial atmospheres−Salt spray tests

ISO 13856 (all parts)

,Safety of machinery−Pressure-sensitive protective devices

ISO 15534 (all parts)

,Ergonomic design for the safety of machinery

1)

ISO 21227-3

,Paints and varnishes−Evaluation of defects on coated surfaces using optical imaging−Part 3:

Evaluation of delamination and corrosion around a scribe

ISO/TR 11688-1

,Acoustics−Recommended practice for the design of low-noise machinery and equipment−

Part 1: Planning

IEC 60417

,Graphical symbols for use on equipment

IEC 61851 (all parts)

,Electric vehicle conductive charging system

IEC 62061:2012

, Safety of machinery − Functional safety of safety-related electrical, electronic and

programmable electronic control systems

EN 50272 (all parts)

,Safety requirements for secondary batteries and battery installations

1)

  JIS B 9715 及び ISO 15534(規格群)を使用する場合は,ロボットの意図したユーザ,特に高齢

者及び子供に対する定量的データの妥当性及び適用性を検討する。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0134 及び JIS B 9700 によるほか,次による。

3.1 

自律性(autonomy)

人が介入することなく,現在の状態及びセンサ計測に基づいて,意図したタスクを実行する能力。

JIS B 0134 の 2.2 参照)

3.2 

ロボット(robot)

2 軸以上がプログラム可能で,一定の自律性(3.1)をもち,環境内を移動して所期のタスクを実行する

作動メカニズム。

JIS B 0134 の 2.6 を修正)

3.3 

ロボティックデバイス(robotic device)

産業用ロボット又はサービスロボット(3.4)の特性を満たすが,プログラム可能な軸数又は自律性(3.1

の度合いが不足している作動メカニズム。

JIS B 0134 の 2.8 を修正)

3.4 

サービスロボット(service robot)

産業オートメーションの用途を除き,人又は機器のために有用なタスクを実行するロボット(3.2

JIS B 0134 の 2.10 を修正)

3.5 

移動ロボット(mobile robot)

自らの制御下で移動することができるロボット(3.2

JIS B 0134 の 2.13 を修正)


6

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3.6 

危険源(hazard)

危害を引き起こす潜在的根源。

JIS B 9700 の 3.6 を修正)

3.7 

リスク(risk)

危害の発生確率と危害のひどさとの組合せ。

JIS B 9700 の 3.12 参照)

3.8 

リスクアセスメント(risk assessment)

リスク分析及びリスク見積りを含む総合的プロセス。

JIS B 9700 の 3.17 を修正)

3.9 

安全状態(safe state)

生活支援ロボット(3.13)の,差し迫った危険源(3.6)のない状態。

JIS B 8433-2 の 3.11 を修正)

3.10 

制御システムの安全関連部(safety-related part of a control system)

安全関連入力信号に応答し,安全関連出力信号を生成する制御システムの部分。

JIS B 9705-1 の 3.1.1 を修正)

3.11 

検証(verification)

客観的証拠を提示することによって,生活支援ロボット(3.13)の規定要求事項が満たされていること

を確認すること。

JIS Q 9000:2006 の 3.8.4 を修正)

3.12 

妥当性確認(validation)

客観的証拠を提示することによって,生活支援ロボット(3.13)の特定の意図された用途又は適用に関

する要求事項が満たされていることを確認すること。

JIS Q 9000:2006 の 3.8.5 を修正)

3.13 

生活支援ロボット(personal care robot)

医療用を除く,人の生活の質の改善に直接寄与する行為を実施するサービスロボット(3.4

注記 1  これには,タスクを実行するための人との身体的接触(3.19.1)が含まれることがある。

注記 2  生活支援ロボットの典型的なタイプには,次のものが含まれる。

−  移動作業型ロボット(3.14

−  身体アシストロボット(3.15

−  搭乗型ロボット(3.16

3.14 

移動作業型ロボット(mobile servant robot)


7

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:2016 (ISO 13482:2014)

物体の取扱い又は情報交換のような,人と相互作用しながら支援タスクを実行する,移動能力をもつ生

活支援ロボット(3.13

3.15 

身体アシストロボット(physical assistant robot)

個人の身体能力の補助又は増強を行うことによって,必要なタスクを実行するためにユーザ(3.26)を

物理的に支援する生活支援ロボット(3.13

3.15.1 

人間装着型身体アシストロボット(restraint type physical assistant robot)

使用中に人体に固定される身体アシストロボット(3.15

例  着用可能スーツ,非医療用の身体補助外骨格など。

3.15.2 

人間非装着型身体アシストロボット(restraint-free type physical assistant robot)

使用中に人体に固定されない身体アシストロボット(3.15

注記  人間非装着型身体アシストロボットは,身体的補助を制御するか又は停止するために,人がロ

ボットを自由に保持・開放することができるもの。例えば,倍力補助装置が含まれる。

3.16 

搭乗型ロボット(person carrier robot)

意図した目的地まで人を輸送する目的をもった生活支援ロボット(3.13

注記 1  キャビン,及び座席又は直立支持部(若しくはこれと類似のもの)が装備されている場合が

ある。

注記 2  輸送には,人に加えて,例えば,ペット,家財,その他の物体が含まれる場合がある。

3.17 

保護停止(protective stop)

安全防護目的で,順序正しい動作の停止を可能にする運転の中断。

3.18.1 

最大空間(maximum space)

製造業者が定義する,ロボット(3.2)の可動部によって掃引され得る容積に,マニピュレータと貨物搭

載部とによって掃引され得る容積を加えたもの。

注記 1  移動架台の場合は,この容積はロボットが動き回れる物理的境界によって定義することがで

きる。

注記 2  図 を参照。

3.18.2 

制限空間(restricted space)

ロボット(3.2)が越えることを許さない境界を定める制限装置によって囲まれた空間であり,最大空間

3.18.1)の一部。

注記 1  移動ロボット(3.5)の場合,この空間は,床若しくは壁の特殊マーカー,又はロボット若し

くは施設の内部地図に定義されるソフトウェアリミット(3.27)によって制限することがで

きる。

注記 2  図 を参照。

JIS B 0134 の 4.8.2 を修正)


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3.18.3 

監視空間(monitored space)

生活支援ロボット(3.13)が使用可能なセンサによって観察される空間のうち,安全関連物体(3.21.1

を検出する空間。

注記 1  監視空間は,最大空間(3.18.1)を超えて広がる可能性があり,ロボット上に設置され移動す

るセンサと最大空間の内外に設置された固定センサとの集団によって定めることもできる。

注記 2  この空間は,生活支援ロボット及びその用途によって,静的又は動的であったりする。

注記 3  図 を参照。

3.18.4 

安全防護空間(safeguarded space)

安全関連物体(3.21.1)の検知が,直ちに生活支援ロボット(3.13)の安全関連機能の開始につながる空

間。

注記 1  安全関連機能の例には,軌道の変更,減速,保護停止(3.17),力制限が含まれる。

注記 2  減速のための,考えられるアルゴリズムの実装に関する詳細を,附属書 に示す。

注記 3  この空間は,生活支援ロボットの用途,及び(動的)形状によって,静的又は動的となるこ

とがある。

注記 4  図 を参照。

3.18.5 

保護停止空間(protective stop space)

安全関連物体(3.21.1)が入ってきたとき,生活支援ロボット(3.13)が保護停止(3.17)を実行する空

間。

例  附属書 に,幾つかの異なる生活支援ロボットの運転空間の例を示す。

注記 1  この空間は,生活支援ロボットの用途,及び(動的)形状によって,静的又は動的となるこ

とがある。

注記 2  図 参照。

3.19.1 

接触(contact)

ロボット(3.2)とその外部環境にある物体との間の距離がゼロの状態。

3.19.2 

非接触検知(non-contact sensing)

検出又は測定方法のうち,その環境内の対象物(人を含む。

)に接触する必要のないもの。

3.19.3 

接触検知(contact sensing)

検出又は測定方法のうち,その環境内の対象物(人を含む。

)に接触する必要のあるもの。

3.19.4 

意図しない接触(unintended contact)

意図したタスクを実行している間の,生活支援ロボット(3.13)と物体との計画外の接触。

3.19.5 

許された接触(allowed contact)

製造業者によって許可されている,生活支援ロボット(3.13)とのあらゆる接触。


9

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3.20 

相対速度(relative speed)

ロボット(3.2)とそれが接触しそうな物体(人を含む。

)との速度ベクトル間の差の大きさ。

注記  ロボット速度は,ロボット本体とその可動部との速度のベクトル和である。

3.21.1 

安全関連物体(safety-related object)

生活支援ロボットの使用による危害から防護される人,飼育動物又は家財。

注記  防護される飼育動物(特にペット)及び家財の種類は,生活支援ロボットの意図する使用によ

って異なる。

3.21.2 

安全関連障害物(safety-related obstacle)

ロボット(3.2)と接触又は衝突した場合に,危害を引き起こす物体,障害物又は接地面の状態。

3.21.3 

安全関連速度リミット(safety-related speed limit)

生活支援ロボット(3.13)のある一点(本体の場所)が,受容できないリスク(3.7)を生み出すことな

く到達できる速度の上限。

注記  定義上,速度は,絶対値,又は参照点に対する相対値を取り得る。

3.21.4 

安全関連力リミット(safety-related force limit)

生活支援ロボット(3.13)のある一点が,受容できないリスク(3.7)を生み出すことなく,人又は周囲

の物体に行使できる力の上限。

3.21.5 

安全関連表面条件(safety-related surface condition)

表面条件(surface condition)

リスクアセスメント(3.8)で危険源(3.6)が同定できる,移動型生活支援ロボット(3.13)にとっての

移動表面の悪条件。

例  搭乗型ロボット(3.16)が,傷害・損傷を引き起こすような横転又はスリップをしそうな表面条

件。

3.22 

手動制御装置(manual control device)

生活支援ロボット(3.13)を制御するために使用される,制御回路に接続されていて人が操作する装置。

JIS B 9960-1 の 3.9 を修正)

注記  パネル又はハウジングに取り付けられた一つ以上の手動制御装置は,操縦装置(3.23)を形成

する。

3.23 

操縦装置(command device)

オペレータ(3.25)又はユーザ(3.26)が,ロボット(3.2)を制御できるようにする装置。

3.24.1 

手動モード(manual mode)

人の直接的介入,例えば,押しボタン,ジョイスティックなどによってロボット(3.2)が操作される運


10

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

転モード。

注記  このモードは,通常,教示,遠隔操作,障害(不具合)発見,修理,清掃などのために使用さ

れる。

JIS B 0134 の 5.3.10.2 を修正)

3.24.2 

自律モード(autonomous mode)

人の直接的介入なしに,ロボット(3.2)の機能が指定された任務を実行する運転モード。

例  相互作用(命令)を待っている移動作業型ロボット(3.14)。

3.24.3 

半自律モード(semi-autonomous mode)

人の部分的介入を伴って,ロボット(3.2)の機能が指定された任務を実行する運転モード。

例  衝突を避けようと,人が選んだ経路の修正を試みる身体アシストロボット(3.15)。

3.25 

オペレータ(operator)

生活支援ロボット(3.13)のパラメータ及びプログラムを変更する者,並びに所期の運転を起動,監視

及び停止する者として指名された人。

JIS B 0134 の 2.17 を修正)

3.26 

ユーザ(user)

生活支援ロボット(3.13)のオペレータ(3.25)又は生活支援ロボットの提供するサービスの受益者。

注記  用途によっては,ユーザは,オペレータ及び受益者の両方を兼ねることがある。

3.27 

ソフトウェアリミット(software limits)

制御システムで定義された,ロボット(3.2)の一つ以上の操作パラメータの制限。

注記  ソフトウェアリミットは,運転空間,速度,力などを制限することができる。

3.28 

特異点(singularity)

直交座標系における経路速度を維持しようとするとジョイント空間におけるジョイント速度が数学的に

は無限大となる点。

この点では,

運動学から導出されるヤコビ行列のランクがフルランクより小さくなる。

注記 1  実際の作業では,直交座標空間で定義され,特異点の近くを通る運動は,高い軸速度を発生

することがある。この高速度は,オペレータにとっては予想できないことがある。

注記 2  ヤコビ行列は,一般に,ロボット自由度の一階偏導関数の行列と定義される。

JIS B 8433-1:2015 の 3.22 を修正)

3.29 

電気的検知保護機器(electro-sensitive protective equipment),

ESPE 

保護トリップ又は存在検知のために,

協調して作動する装置又は構成部品のアセンブリで,

少なくとも,

次のもので構成される。

−  検知器

−  制御・監視装置


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

−  出力信号開閉器又は安全関連データインタフェース

注記 1 ESPE に連動している安全関連制御システム,又は ESPE 自体が,更に副開閉器,ミューティ

ング機能,停止性能モニタなどを含むことがある。

注記 2  安全関連通信インタフェースを,ESPE と同じエンクロージャとに統合することができる。

JIS B 9704-1 の 3.5 を修正)

3.30 

圧力検知保護機器(pressure-sensitive protective equipment),

PSPE 

危険状況下での保護を提供するために,

“機械的賦活型トリップ”

方式を使用して起動される装置及び構

成部品のアセンブリ。

注記 1 PSPE の例には,感圧マット,フロア,バンパー,感圧エッジ,バーがある。

注記 2 PSPE は,様々な技法の使用によって停止信号を生成する。

例  機械的接点,光ファイバーセンサ,空気圧センサなど

リスクアセスメント 

4.1 

一般 

リスクアセスメントに関しては,JIS B 9700 の全ての要求事項を適用しなければならない。これは,危

険源の同定に基づいたリスク分析を含む,リスクアセスメントの実施における要求事項及び手引を規定し

ている。リスクアセスメントの実施において,リスクが許容できるか否かの決定は,生活支援ロボットの

用途及び使用目的に左右される。

JIS B 9700

には機械類の危険源の全般的リストが含まれており,

附属書 に示す生活支援ロボットの危

険源のリストは,これを基にしている。

4.2 

危険源の同定 

危険源の同定は,ある特定の生活支援ロボットに存在し得る危険源を同定するために実施しなければな

らない。

附属書 に,この規格に記載する生活支援ロボットに存在し得る,典型的な危険源のリストを記

載している。このリストには,全ての危険源が網羅されているものとみなさないことが望ましい。特定の

生活支援ロボットシステムは,その固有の設計,意図した使用方法又は合理的に予見可能な誤使用の結果

として,これ以外の危険源が出現する可能性がある。危険源の同定プロセスは,設計ごとに実施し,特に

次の点を考慮しなければならない。

a)

ロボットが下す自律的判断の不確かさ及び誤った判断によると考えられる危険源

b)

ユーザ及び他の暴露される人が,知識,経験及び身体的条件において異なる水準にあること

c)

生活支援ロボットの,正常ではあるが予想外の動き

d)

人,飼育動物及び他の安全関連物体の予想外の動き(例えば,横又は高所からの生活支援ロボット正

面への飛び出し)

e)

生活支援ロボットの意図しない動き

f)

移動ロボットにおいては,予想外の移動表面及び環境条件

g)

移動作業型ロボットにおいては,取り扱う安全関連物体の不確かさ

h)

身体アシストロボット及び搭乗型ロボットにおいては,人体各部寸法の多様性への適合性

場合によって,生活支援ロボットのマニピュレータ及びエンドエフェクタについては,特に詳細にリス

クアセスメントで検討し,それらはロボット本体と同じ要求事項とする。


12

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

4.3 

リスク見積り 

リスク見積りは,

生活支援ロボットが安全関連物体に接触するおそれのある様々な状況に留意しながら,

4.2

で同定された危険源に関して実施しなければならない。

全ての本質的安全設計及び保護方策を採用した後には,生活支援ロボットの残留リスクの評価を行い,

それが許容レベルにまで低減されたことを証明しなければならない。

適切なリスク見積りの方法は,ケースバイケースで策定しなければならない。見積り結果を基に,事象

(例えば,ロボットと安全関連障害物又は他の安全関連物体との許された接触)が受容できないリスクの

原因とならないことを示さなければならない。特定用途にリスクアセスメントのための数値を用いる場合

は,試験・測定法の適切な妥当性確認を行わなければならない。リスク見積りに出典を異にする数値を用

いる場合は,それを基準としたことが適切であることについて妥当性確認を行わなければならない。

注記 1  人とロボットとの相互作用及び衝撃の調査研究として,成人の痛覚耐性限界,及び重要な傷

害メカニズムを調べるためのロボットと人の身体各部との衝突についてのものが実施されて

いる(参考文献を参照)

注記 2  様々な属性の人(例えば,子供,高齢者,妊婦)及び生活支援ロボット用途(例えば,移動

作業型,身体アシスト,搭乗型)のより完全な数値データは,現在,検討中であり,この規

格の将来の改正版に反映する予定である。この作業は産業用ロボットに関して始まっており,

協働ロボットとの作業空間の設計を支援するために ISO/TS 15066(作成中)として発行され

る予定である。

安全要求事項及び保護方策 

5.1 

一般 

生活支援ロボットは,この箇条の安全要求事項に適合しなければならない。箇条 に規定する方法を用

いて生活支援ロボットに付随する危険源を特定した場合,ロボットは,その危険源に起因するリスクが確

実に許容レベル未満となるように設計しなければならない。

さらに,規格では取り上げていない危険源に関しても,JIS B 9700 の原則に従って機械を設計しなけれ

ばならない。

この規格に規定されていない方策によってリスクの排除又は低減ができる場合は,リスクアセスメント

によって決定される他の要求事項を適用しなければならない。こうした方策は,少なくともこの規格に規

定する方策と同レベルのリスク低減を達成しなければならない。

方策を講じて,合理的に実行可能な限り,生活支援ロボット近傍の暴露されるあらゆる人,及び関連の

ある場合は飼育動物又はその他の安全関連物体を危険源から保護し,更にロボットを継続的に使用する上

でのユーザの安全を確実にしなければならない。

生活支援ロボットは,他の規格及び規制にも従わなければならない場合がある。

例  搭乗型ロボットが公道を走行する場合は,道路交通法に従うなど

生活支援ロボットは,JIS B 9700 の原則に従い,それぞれの用途に応じて特定された全ての危険源に関

して,次の構成で設計しなければならない。

a) 

本質的安全設計 

b) 

保護方策 

c) 

使用上の情報 

注記  この規格を適用する際には,JIS B 9700 は不可欠である。この規格を適用又は使用する前に,


13

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

この規格のユーザは,JIS B 9700 を熟知することが望ましい。

本質的安全設計方策の使用は,リスク低減プロセスの第一歩で,最も重要なステップである。これは,

生活支援ロボットのそのような本質的な特性は効果をもち続けると思われるのに対して,いかにうまく設

計された安全保護策といえども,故障又は故意に解除されることがあり,また,使用上の情報は守られな

いことがあることが経験上,分かっているからである。

本質的安全設計方策は,生活支援ロボット自体は暴露される人とロボットとの相互作用の設計内容の適

切な選択を通じて,リスクを低減又は排除することで危険源を回避する。本質的安全設計方策の要求事項

は,それぞれの危険源などに応じて,5.x.2 又は 5.x.x.2 の細分箇条に規定する。

安全防護及び保護方策の追加は,リスク低減手法の第二ステップである。安全関連物体と生活支援ロボ

ットとの間に起こり得る動的な相互作用によって,多数のリスクが発生することから,ロボットのある保

護制御機能が特定のタイプのリスクを大幅に低減することがある。保護方策の要求事項は,それぞれ 5.x.3

又は 5.x.x.3 の細分箇条に規定する。

リスク低減が安全関連制御機能の使用によって達成される場合は,箇条 の要求事項を適用する。

本質的安全設計及び保護方策が適用された後,それでも存在する残留リスクに関する情報は,取扱説明

書で提供しなければならない。各危険源についての,使用上の情報に関する個別の要求事項は,それぞれ

5.x.4

又は 5.x.x.4 の細分箇条に規定する。一方,使用上の情報に関する一般的な要求事項は,箇条 に規

定する。

この箇条の安全要求事項を満たしているかの確認は,次のうち一つ以上の方法によって検証することが

できる。

−  A:検査

−  B:実地試験

−  C:測定

−  D:運転中の観察

−  E:回路図の精査

−  F:ソフトウェアの精査

−  G:タスクに基づいたリスクアセスメントのレビュー

−  H:配置図及び関連文書の精査

重要危険源に関する様々な要求事項の検証及び妥当性確認の推奨方法は,それぞれ各箇条の末尾の細分

箇条となる,5.x.5 又は 5.x.x.5 の細分箇条に示し,上記の方法に対応して適用可能な方法(A,B,…とい

う形式)をとる。検証及び妥当性確認方法の詳細を,箇条 に示す。

5.2 

電池の充電に関連する危険源 

5.2.1 

一般 

生活支援ロボットが充電システムを内蔵している場合は,ロボット側の充電接続部及びその充電システ

ムと偶発的に接触することによる危険源から人を防護しなければならない。充電システムは適宜,JIS B 

9960-1

又は JIS C 9335-2-29 に適合しなければならず,JIS C 0920 及び EN 50272(規格群)に適合するこ

とが望ましい。

また,

充電システムは,

過充電又は過放電した電池の充電に起因する危険源を防止しなければならない。

5.2.2 

本質的安全設計 

充電接点及びプラグは,充電部との偶発的な接触を防ぐように設計しなければならない(例えば,プラ


14

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

グ及びコンセントにキャップを付けるなど)

充電接点間の電圧は,

充電システムの用途又は環境に応じて,

JIS B 9960-1

JIS C 0365

JIS C 9335-2-29

IEC 61851

(規格群)などの適切な規格に適合しなければならない。

充電電流は,合理的に実現可能な最低限となるように選ばれなければならない。

5.2.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

充電システムは,生活支援ロボットが充電接続部に接続されているときにだけ,充電接続部が作動す

るように設計する。

b)

充電システムは,充電状態を表示するか,又は満充電となったとき信号を発するようにする。

c)

充電システムは,電池が正しく充電されているかを自動的に監視し,したがって,過充電した電池の

充電による危険源が生じないように設計する。

5.2.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,電池の充電に対する説明として,次の事項を含んでいなければならない。

−  生活支援ロボットの充電手順

−  環境条件(例えば,屋外又は屋内での充電)

−  充電中は生活支援ロボットのスイッチを切る,特定の運転モードに切り替えるなどの要求事項

−  適切な警告文

5.2.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,C,D 又は E の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.3 

エネルギーの蓄積及び供給による危険源 

5.3.1 

危険なエネルギー部との接触 

5.3.1.1 

一般 

生活支援ロボットは,エネルギー関連の全ての危険源を防止するように設計し,製作しなければならな

い。

生活支援ロボットは,電気機器の場合は JIS B 9960-1,空圧機器の場合は JIS B 8370,油圧機器の場合

は JIS B 8361 の各々該当する要求事項に従って設計し,製作しなければならない。

暴露されるいかなる人も,ロボットの活性部との直接的又は間接的な接触から防護されなければならな

い。

危険なエネルギー源(例えば,電気,機械的,油圧,空圧,化学的,熱)の分離手段を設けなければな

らない。このような危険なエネルギー源は明瞭に識別できるようにし,再接続が危険源をもたらす場合,

分離手段はロックできるものでなければならない。

5.3.1.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

電気機器に対する,JIS C 0365 に規定する SELV 圧源(交流の場合 25 V 未満,直流の場合 60 V 未満)

を使用する。

b)

空圧・油圧機器に対して低圧を使用する。

その他のタイプの貯蔵エネルギーは,危険源を最小限に抑えるために,合理的に実現可能な最低レベル

に保たなければならない。

5.3.1.3 

安全防護及び付加保護方策 

危険なエネルギー部からの保護にガード又はエンクロージャを使用する場合,その設計は,電気的危険


15

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

源の場合は JIS C 0920 に定義されている適切な IP クラスに,リスクアセスメントで決められる他の危険

源の場合は JIS B 9718 の安全距離に適合しなければならない。

過剰な熱がある場合は,熱放散の方策(例えば,ヒートシンク,エアフロー)を適用しなければならな

い。ファンを使用する場合は,ファン制御装置を推奨する。

5.3.1.4 

使用上の情報 

生活支援ロボットには,ISO 7010 に規定された警告マークを付け,その意味を使用上の情報で説明しな

ければならない。

5.3.1.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の A,B,C,E 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.3.2 

貯蔵エネルギーの制御されていない解放 

5.3.2.1 

一般 

貯蔵エネルギーの制御されない解放が,危険源につながってはならない。これは,ロボットの運転中と

同様,ロボットのスイッチが切れているときにも適用される。

危険な貯蔵エネルギーは,制御された解放又は除去の手段を設けなければならない。貯蔵エネルギーの

制御された解放又は除去が,新たな危険源をもたらすことがあってはならない。

注記  貯蔵エネルギーは,空圧・油圧の蓄圧器,コンデンサ,電池,ばね,釣合いおもり,フライホ

イールなどの中で発生することがある。

5.3.2.2 

本質的安全設計 

貯蔵エネルギーは,合理的に実現可能な最低レベルにとどめなければならない。

5.3.2.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

エネルギー解放中のリスクを最小限に抑えるために,ガード・カバーを取り付ける。

b)

ロボットは,過負荷,短絡,ロボットの熱源を取り囲む布類,装置の故障などに起因する過熱又は過

電流を防止するために,エネルギー供給を調整する手段を備えている。

5.3.2.4 

使用上の情報 

全ての貯蔵エネルギー危険源及びその場所を明示するラベルを貼らなければならない。

使用上の情報は,

貯蔵エネルギーの除去又は制御された解放手段,及びその使用手順についての記載を含んでいなければな

らない。

5.3.2.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D,E 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.3.3 

動力故障又は遮断 

5.3.3.1 

一般 

生活支援ロボットの動力故障又は意図しない遮断,及びその後の動力の再投入が,受容できないリスク

をもたらすものであってはならない。そのため,次の事項を確実に実施しなければならない。

a)

マニピュレータを装備した生活支援ロボットは,マニピュレータに動力故障又は遮断が起きた場合の,

マニピュレータ動作又は荷物の落下によるリスクが受容可能であることを確実にするように設計する。

このことは,動力供給源の種類(例えば,電力,油圧,空圧,真空)によらず実現する。

b)

移動架台を備えた生活支援ロボットは,動力故障又は遮断の後のロボットの移動(例えば,暴走)に

よるリスクが受容可能であることを確実にするように設計する。このことは,移動機構(例えば,車

輪,無限軌道,脚)によらず実現する。


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

c)

一時的に作動動力を切断することができる生活支援ロボットは,動力の喪失又は変化が起きた場合の,

ロボット部品又は構成部品の脱落によるリスクが受容可能であることを確実にするように設計する。

d)

生活支援ロボットの一部が閉込みの危険源を生じる場合で実施可能な場合には,この部分を駆動力の

切れた状態でも一人の力で動かすことができる手段を備えている。これは,リスクアセスメントの定

める潜在的ユーザの全員が,脱出又は救助を行えることを考慮している。これができない場合は,付

加保護方策を適用している。

注記  電源装置に関する要求事項は,JIS B 9960-1 に示されている。

5.3.3.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

全ての可動部の制動機構の設計に“動力断印加(動力断で自動的に制動が効く。

”の原則を採用する。

b)

動力故障又は遮断の後に安全状態に復帰できるようにするための十分なエネルギーを内部に蓄積して

いる。

予期しない起動を回避するため,JIS B 9714 の要求事項を満たさなければならない。

5.3.3.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

適切な場合には,無停止動力源を提供するための手段を設けている。

b)

孤立した場所で人を閉じ込めるおそれのある生活支援ロボットには,独立した動力源をもった救援要

請手段を備えている。

c)

利用できる内部エネルギー又は貯蔵動力(電池電力など)が一定のしきい値を下回った場合,ロボッ

トはユーザ又はオペレータに,音声,光,振動などの手段でその状態を通知し,更に,電池電力が危

険レベルに達したら自動的に安全状態に入る。

5.3.3.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,動力故障又は運転停止に対する残留リスクを記載しなければならない。リスクアセ

スメントで必要とみなされた場合は,動力故障又は運転停止後に保守手順が必要になることがある(8.4

参照)

5.3.3.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D,E 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.4 

ロボットの通常運転における起動及び再起動 

5.4.1 

一般 

生活支援ロボットは,起動直後に危険な動作をしてはならない。

5.4.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボットは,起動中に内部機能チェックを実施し,全ての安全関連機能が使用可能であるこ

とを確実にする。それができなかった場合,危険な操作を防げる。

b)

起動後に生活支援ロボットの安全関連機能が正しく実行されない場合は,直ちに保護停止を実施でき

る。

c)

生活支援ロボットは,制限された速度,力など(6.4 及び 6.7 参照)の状態で起動し,モード変更(6.11

参照)によってだけ,通常の制御レベルに復帰する。

d)

生活支援ロボットは必ず手動モードで起動し,6.10 に規定するモード切替えによってだけ,自律モー

ドでの運転を始める。


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:2016 (ISO 13482:2014)

注記  ISO 13482:2014 においては,参照先を 6.11.1 としているが,参照先誤りであるため,正しい

参照先である 6.10 としている。

一部の安全関連構成部品の試験でロボットの動作が必要な場合,欠陥のある安全関連構成部品がないこ

とを確認するために必要最小限の動作は許される。この動作に付随するリスクは,合理的に実現可能な最

低限にとどめなければならない。

5.4.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

マニピュレータ,移動架台及びその他の可動部は,起動時には(何らかの意図しない動作を防止する

ために)

,安全関連機能によって作動不能となる。センサによって危険状態が存在しないことが確認で

きた場合にだけ,アプリケーション機能が使用可能となる。ロボットが起動後直ちに自律モードに入

るよう意図されている場合は,この方策を適用する。

b)

生活支援ロボットは,常に監視下の静止状態で起動し,ユーザの操作によってだけ正常運転に復帰す

る。

5.4.4 

使用上の情報 

ロボットの使用上の情報には,適用した方策に従った,必要な起動及び再起動方法の説明を記載しなけ

ればならない。

5.4.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D 又は F の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.5 

静電電位 

5.5.1 

一般 

生活支援ロボットは,静電電位及び放電によって,人及び飼育動物にいかなる危害も加わらないように

設計しなければならない。

静電放電(ESD)の防護は,個別の保護具の装着が不要な程度に十分なものでなければならない。

蓄積された有害な静電電位は,放電しなければならない。

生活支援ロボットは,静電放電による有害な機能不良を避けるように設計しなければならない。

注記  第 2 段落及び第 3 段落の要求事項は,静電放電に起因するロボットの暴走状態によって,人及

び飼育動物に危害を加えないことを要求している。

5.5.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

導電材料を使用する。

b)

接地によってロボットの帯電を防止する。

c)

接触する可能性のある表面又は部品への静電荷の蓄積を防止するためのその他の技法を適用する。

5.5.3 

安全防護及び付加保護方策 

電気機器のカバーの使用は,帯電部との接触を避けるために JIS B 9960-1 に適合しなければならない。

5.5.4 

使用上の情報 

ISO 7010

に規定された ESD に関する必要な警告サインを,使用上の情報と併せて示さなければならな

い。

5.5.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,C 又は E の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

注記  ISO 7176-21 に,適用可能な試験方法が記載されている。


18

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

5.6 

ロボットの形状による危険源 

5.6.1 

一般 

生活支援ロボットが意図したタスクを実行するための意図したユースケースシナリオは,ロボット及び

その外付け部品の全体形状の設計において,例えば,押し潰し,切傷又は切断の傷害を起こすことのある

事故の潜在性を回避するために検討しなければならない。

リスクアセスメントでは,生活支援ロボットが運ぶ負荷の形状についても検討しなければならない。

例  外骨格型のストラップは,例えば,切傷,すりむきなどの傷害を起こさないように設計しなけれ

ばならない。

5.6.2 

本質的安全設計 

生活支援ロボットの設計においては,JIS B 9700 に従って,鋭利な端部及びせん(尖)端を避けなけれ

ばならない。

ロボットの接触可能な部分の穴又は隙間は,JIS B 9711 及び ISO 15534(規格群)に従って,人体のい

かなる部分の挿入も防止されるように設計しなければならない。

ロボットの関節(例えば,マニピュレータの関節)は,関節が製造業者の意図したとおりに動く限り,

人体の一部が押し潰されることがないように設計しなければならない。これは,ロボットの幾何形状の選

択のほか,関節の可動限界を本質的に制限することで行える。

運ぶ負荷を,鋭利でない又はとが(尖)っていない物体に限定する。

5.6.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

せん断,突き刺し及び切断の危険源を排除し,衝撃の危険源を低減するために,鋭利な端部及びせん

(尖)端にクッション処理を施す(4.3 

注記 参照)。

b)

危険な可動部を覆うため,固定式又は可動式のガードを使用する。

c)

危険な負荷[例えば,鋭利な又はとが(尖)った物体]を運ぶ場合,ロボットの速度及び挙動を調整

できる。

5.6.4 

使用上の情報 

形状に関連するリスクを低減する警告及び取扱説明は,JIS B 9700 及び ISO 7010 に適合しなければなら

ない。

使用上の情報は,生活支援ロボットの取扱い,使用,運転などに必要な保護具(例えば,手袋)の取扱

説明を含んでいなければならない。

運ぶ負荷の形状が更に別の危険源をもたらすことがある場合は,そのリスクに対処するための適切な取

扱説明を示さなければならない。

5.6.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の A,C,G 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.7 

放出による危険源 

5.7.1 

有害な騒音 

5.7.1.1 

一般 

生活支援ロボット近傍のあらゆる人は,ロボットの運転によって,不快感,ストレス,難聴,ユーザの

失調若しくは意識低下,又は類似の体調不良を直接的に引き起こし得る騒音(超音波騒音を含む)から保

護されなければならない。

生活支援ロボットが発生する騒音のレベルは,特殊な保護具を着用する必要がない程度に十分に低いも


19

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

のでなければならない。

生活支援ロボットは,その用途に該当する騒音放射に関する規格に適合しなければならない[例えば,

ISO 1996

(規格群)

ISO 3740ISO 11200ISO/TS 15666ISO 15667 参照]

注記  環境騒音アセスメントについては,ISO 1996-1 及び ISO 1996-2 に示されている。

5.7.1.2 

本質的安全設計 

低騒音な機械の設計に関する一般的技術情報及び手引は,ISO/TR 11688-1 に示されている。ロボットの

音響設計には,特に注意しなければならない。必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a) 

低騒音の構成部品  生活支援ロボットは,運転中に本質的に静音な構成部品で製作する。

b) 

適切な運転挙動  ロボットの行動又は動作は,生活支援ロボットに要求されるタスクを前提に,でき

る限り音がしないように設計する。

c) 

遮音材料  生活支援ロボットは,騒音を制限し,外部環境への騒音放射を低減する材料で製作する。

注記  ISO/TR 11688-2 に,機械の騒音発生メカニズムに関する有用な情報が示されている。

5.7.1.3 

安全防護及び付加保護方策 

少なくとも,次の方策の一つを適用しなければならない。

a)

例えば,発泡材,バッフル,カーテン,コーティングなどの追加的吸音材料を適用する。

b)

アクティブノイズキャンセル(騒音対策)メカニズムを採用する。

5.7.1.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,騒音低減のために使われている安全防護及び保護方策を列挙し,また,保守のための

適切な取扱説明を示さなければならない。必要ならば,放射騒音の定期点検のための取扱説明を提供しな

ければならない。

5.7.1.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の C 又は D の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。さらに,ISO 4871 に従った

2 数宣言(dual-number declaration)を適用して,適宜,ISO 3746 又は JIS Z 8737-2 のいずれかに従って放

射騒音値の測定,宣言及び検証を行わなければならない。

5.7.2 

有害な振動 

5.7.2.1 

一般 

生活支援ロボットのユーザは,ロボットの運転中は健康状態が維持できるように,使っているロボット

からの直接又は間接の有害な振動から,次のとおり保護されなければならない。

a)

生活支援ロボットのユーザは,ロボットの連続使用によって,例えば,けん(腱)の炎症,腰痛,不

快感,神経症,関節炎,類似のあらゆる不調などの,振動に関連した傷害の原因となり得る有害な振

動から保護する。

b)

生活支援ロボットのユーザは,健康,心地良さ及び知覚に問題を生じ得る 0.5 Hz∼80 Hz の振動及び

乗物酔いの原因となり得る 0.1 Hz∼0.5 Hz の振動から保護する。生活支援ロボットの設計は,ISO 2631

(規格群)の該当する部に適合している。

生活支援ロボットの振動レベルは,特殊な保護具を着用する必要がない程度に十分に低いものでなけれ

ばならない。

5.7.2.2 

本質的安全設計 

本質的安全設計には,次の方策を含めるがこれらだけに限らない。

a)

生活支援ロボットの設計における,機械的構成部品から発生する振動を最小化する。例えば,質量分

布の偏りの低減,可動部速度の制限などによる。


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

b)

設計における,生活支援ロボット内の振動源に人が暴露される度合いを制限するための制振材料を選

択及び使用する。

5.7.2.3 

安全防護及び付加保護方策 

少なくとも,次の方策の一つを適用しなければならない。

a)

能動的振動制御,例えば,半能動的制振メカニズム,制御型制振などを適用する。

b)

生活支援ロボットの動きの,振動を全く起こさないか,又は最小限となるように速度を制限する。

5.7.2.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,振動する構成部品の仕様を含まなければならない。

5.7.2.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の C 又は D の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.7.3 

有害な物質及び流動体 

5.7.3.1 

一般 

生活支援ロボットのユーザは,やけど又は何らかの炎症の原因となる可能性のある,有毒若しくは有害

な物質から保護されなければならない。また,ロボット本体表面から外部への溶媒若しくは揮発性が高い

場合は,本体内であっても,それらの放射から保護されなければならない(例えば,JIS B 9709-1 参照)

生活支援ロボットは,有害な物質及び流動体を放出しないように設計しなければならない。生活支援ロ

ボットは,正常運転中にユーザが何も保護具を着用する必要がないように設計しなければならない。

アレルギーの原因となり得る物質は,生活支援ロボットの正常運転中に人の皮膚に接触する表面には使

用しないことが望ましい。

注記  ニッケル,クロム及びある種のゴムは,アレルギー反応の原因となることがある。

5.7.3.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボット内のオイル及び冷却液,ブレーキ摩耗によって発生するじんあい(塵埃)など,有

害となる可能性のある物質・流動体を排除する又は使用を回避する。

b)

オイル,冷却液,ブレーキ材など,有害となる可能性のある物質・流動体については,有害性が低い

か又は無害の物質に代替する。

c)

物質を外部環境に放射せず,内部に封じ込めるような生活支援ロボットを設計する。

5.7.3.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

有害な物質又は流動体(オイルなど)が運転に必要な場合は,その減少を検出する方策を図る。

b)

流体管に漏れが発生した場合の,密閉用遮断弁又はヒューズを採用する。

c)

漏れが発生した場合に,人が接触することがないようにする(カバーなど)

5.7.3.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,生活支援ロボット内部の有害物質についての情報を提供しなければならない。必要

ならば,ロボットの使用,取扱い,保守及び分解時に警戒することについての取扱説明を示さなければな

らない。

アレルギー性物質が使用されている場合は,物質に関する情報を提供しなければならない。

5.7.3.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の E,G 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.7.4 

極端な温度 


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

5.7.4.1 

一般 

生活支援ロボットのユーザは,やけど,凍傷,ストレス,不快感若しくは類似のあらゆる不調の原因と

なり得るロボット又はその構成部品の極端な温度(高温又は低温)から保護されなければならない。この

要求事項を満たすため,生活支援ロボットは,ISO 13732 に適合しなければならない。

注記 10 ℃∼43  ℃の表面温度は,通常,極端とはみなされない。

5.7.4.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボット内の極端な熱源を排除又は回避する。

b)

熱伝導率が適切な材料及びその表面構造を選択する。

5.7.4.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

適切な冷却(又は加熱)装置を用いて表面温度を低減(又は上昇)する。

b)

隔離,又はガードの設置(ISO 13732 参照)をする。

5.7.4.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,JIS Z 9101 に従って,極端な温度になる高温・低温部に示す警告文及びマークの表

示を含まなければならない。必要ならば,生活支援ロボットの使用,取扱い,保守及び分解時に警戒する

ことについての取扱説明を示さなければならない。

5.7.4.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の C 又は D の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.7.5 

有害な非電離放射 

5.7.5.1 

一般 

有害なレーザ,光及びその他の電磁波源による放射を防止しなければならない。レーザ以外の光源は,

JIS C 7550

に従ってユーザに対する暴露限界を超えないように設計しなければならない。

レーザの使用は JIS C 6802 に適合し,

用途に対し使用し得る最低限のレーザクラスでなければならない。

5.7.5.2 

本質的安全設計 

使用するレーザ機器は,JIS C 6802 に規定するクラス 1 を超えてはならない。

5.7.5.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

防護シャッターを設ける。

b)

インタロック式可動ガードを設ける。

c)

レーザビームの方向を制御する。例えば,6.1 の要求事項に従い,眼が存在する可能性がある方向を避

けるなどの方策を図る。

d)  6.1

に従ったレーザ出力の制御(例えば,パルス幅,強度)をする。

e)

クラス 2 以上のレーザの場合は,JIS C 6802 の保護方策に合致しなければならない。

5.7.5.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,生活支援ロボットの運転環境にある人,及び場合によっては飼育動物又は家財がさ

らされることのある潜在的に有害な放射についての詳細を示さなければならない。使用上の情報には,光

を直視しないよう忠告し,

保護具及びその他の特別な対処法に関する情報を示さなければならない。

また,

ロボットにはマーキングを施し,その意味を使用上の情報に記載しなければならない。

5.7.5.5 

検証及び妥当性確認 


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:2016 (ISO 13482:2014)

5.1

の C,D 又は G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.7.6 

有害な電離放射線 

生活支援ロボットのユーザ及び第三者は,ロボット又はその構成部品が発する電離放射線から保護され

なければならない。そのような放射線への暴露は,何らかの有害な身体傷害又は疾患を避けるため,最小

限にとどめなければならない。

通常,電離放射線を発生する機構を生活支援ロボットには使用しないことが望ましい。そのような機構

がロボットの用途にとって不可欠の場合(すなわち,その使用目的を達成するための代替方法がない場合)

は,特別な保護要求事項を開発しなければならない。特別な安全防護策は,該当する規格に従って開発し

なければならない(例えば,ISO 2919ISO 3925ISO 14152

5.8 

電磁障害による危険源 

5.8.1 

一般 

合理的に予見可能な全ての電磁妨害に対して,ロボットの危険な動作及び不安全なシステム状態を防止

しなければならない。

生活支援ロボットは,電磁両立性(EMC)に関して該当する全ての規格に適合しなければならない(例

えば,JIS B 9960-1JIS C 61000-6-1JIS C 61000-6-2IEC 61000-6-3IEC 61000-6-4 など)

注記  さらに,IEC/TS 61000-1-2 には,電磁現象に関連する機器を含む,電気及び電子装置の機能安

全を達成する方法が提供されており,役立つ場合がある。

5.8.2 

本質的安全設計 

6.1

に規定する制御システムの諸機能は,IEC 62061:2012 の 6.4.3 に規定する,電磁イミュニティの要求

事項を満たすように設計しなければならない。

生活支援ロボットのその他の機能は,意図した運転環境に従って,JIS C 61000-6-1 又は JIS C 61000-6-2

を満たすことが望ましい。

注記  IEC 62061 の 6.4.3 に記載のイミュニティ試験規格は,工業環境向けであるため,ロボットが住

宅・商業環境でのみ使用される場合は,住宅・商業環境において安全が確保できる適切なイミ

ュニティ試験規格に置き換えてもよい。

5.8.3 

安全防護及び付加保護方策 

リスクは,入射に対する電磁遮蔽によって,受容可能なレベルまで低減しなければならない。

5.8.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,放射電磁波の特性,及び干渉の原因となり得る電磁波の特性に関して必要な情報を

提供しなければならない。

5.8.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,C 又は D の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.9 

ストレス,姿勢及び使用法による危険源 

5.9.1 

一般 

危険源は,生活支援ロボットの使用に伴った肉体的及び精神的の両側面から生じることがある。5.9.2 

び 5.9.3 に規定するような個々の影響を低減することに加えて,リスクアセスメントにおいては複合効果

も検討しなければならない。

5.9.2 

肉体的ストレス及び姿勢の危険源 

5.9.2.1 

一般 

リスクアセスメントでは肉体的ストレス及び姿勢による危険源を同定し,生活支援ロボットの設計では


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

それらのリスクを確実に最小限にしなければならない。

これは,

次の要求事項によって達成してもよいが,

これらだけに限らなくともよい。

a)

生活支援ロボットは,連続使用によるユーザの肉体的ストレス又は緊張を最小限にし,又は低減する

ように設計しなければならない。ユーザの肉体的ストレス又は緊張には,疲労,けん(腱)の炎症な

どの肉体的不快感の直接原因となるような不自然な姿勢及び運転環境を含むが,これらだけに限らな

い。

b)

生活支援ロボットの設計では,意図したユーザ集団の代表的な身体寸法を考慮し,肉体的な苦痛を強

いる姿勢を回避し,操作が楽にできるようにしなければならない。ISO 14738 は,ワークステーショ

ン及び機械類の製作に,人間工学的要素の原則をどのように適用することが望ましいかについて規定

している。誰かがロボットの上に座るか,又はロボットの正面に立つような使い方の生活支援ロボッ

トを作る場合は,これを検討することが望ましい。

5.9.2.2 

本質的安全設計 

次の方策を含む場合があるが,これらだけに限らない。

a)

手動制御装置の設計及び配置は,肉体的ストレス又は不快感なく運転できることが望ましい。

b)

生活支援ロボットの運転中に正しい姿勢を保てるように,座席を人間工学的に適切に設計及び配置す

る。

c)

操縦装置は,生活支援ロボットの不適切な場所に恒久的に取り付けるのではなく,着脱可能とするか

又は手持形のものとする。

5.9.2.3 

安全防護及び付加保護方策 

次の方策を含む場合があるが,これらだけに限らない。

a)

衝撃吸収(サスペンション)機構を使用する。

b)

姿勢保持具を使用する。

5.9.2.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,手動制御装置を正しく操作する方法及び生活支援ロボットの使い方に関する説明を含

まなければならない。使用上の情報には,オペレータの移動時間が推奨時間より長くなることを防ぐ,適

切な教育の必要性を記載しなければならない。

5.9.2.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の A,C,D 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.9.3 

精神的ストレス及び使用法による危険源 

5.9.3.1 

一般 

リスクアセスメントで精神的ストレス及び使用法による危険源を同定し,生活支援ロボットの設計では

それらのリスクを確実に最小限にしなければならない。

これは,

次の要求事項によって達成してもよいが,

これらだけに限らなくともよい。

a)

生活支援ロボットは,連続使用によるユーザの精神的ストレスを最小限に又は低減するように設計し

なければならない。

b)

制御機器類,信号又はデータ表示機器のようなユーザインタフェースは,人と生活支援ロボットとの

間で明快かつ曖昧さのない相互作用が可能なように,理解しやすい設計でなければならない。

c)

生活支援ロボットは,その意図した使用目的に対して適切な人間工学関係の規格に適合したものでな

ければならない[ISO/TR 9241-100ISO 9241-210ISO 9241-400ISO 9241-920 及び ISO 11228(規

格群)参照]


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

5.9.3.2 

本質的安全設計 

次の方策を含む場合があるが,これらだけに限らない。

a)

適切な照明を装備する。

b)

重要な信号を見逃さないために,じっと注意しなければならない程度又はその頻度が,できる限り少

なく済む生活支援ロボットを設計する。

c)

適切なディスプレイを設計する。

d)

信号の不確実性を低減し,及び検出能力を改善する。

5.9.3.3 

安全防護及び付加保護方策 

この危険源に関しては,安全防護のための推奨する方策は見当たらない。

5.9.3.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,手動制御装置を正しく操作する方法及び生活支援ロボットの使い方に関する説明を含

んでいなければならない。使用上の情報には,必要ならば,適切な教育の必要性を記載しなければならな

い。

5.9.3.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の A,C,D 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.10 

ロボットの動作による危険源 

5.10.1 

一般 

生活支援ロボットのいかなる動作(意図した又は意図しない)においても,その危険源のリスクは,受

容可能なレベルまで低減しなければならない。ロボットの構成部品は,破損又は緩みによって生じる危険

源のリスクが受容可能なレベルまで低減するように設計,製作,固定又は収納しなければならない。

暴露される人は,生活支援ロボットの危険な動きから保護されなければならない。危険な動きとは,動

作環境中のカーブ,斜面及び類似の運転条件下でのロボットの通常使用及び運転における横転,暴走など

である。

5.10.2 

機械的な不安定性 

5.10.2.1 

一般 

生活支援ロボットは,規定の使用条件において使用する上で十分な安定性をもつように設計しなければ

ならない。特定の状況における,あるロボットタイプに固有の安定性要求事項を,5.10.6 及び 5.10.7 に規

定する。

生活支援ロボットは,故障又は合理的に予見可能な誤使用に起因する機械的な不安定性(例えば,転倒,

転落,動作中の過度の傾き)を最小にするように設計しなければならない。

生活支援ロボットは,その機械的な安定性を維持するためにユーザに特別な動作又は手順を求めること

が不要な設計にしなければならない。

機械的な安定性は,ロボットのライフサイクル(出荷,輸送,設置,使用,廃棄及び分解を含む。

)のど

の段階にあっても,左右されることがあってはならない。

生活支援ロボットは,

その用途に適した機械的安定性に関する規格に適合しなければならない

(例えば,

移動型生活支援ロボットに関しては,車いすの静的及び動的安定性を規定した JIS T 9201 及び JIS T 9203

を参照)

安定性は,生活支援ロボットのあらゆる可動部(例えば,伸展式マニピュレータ)及び負荷からの,静

的及び動的な力に抗して維持されなければならない。

5.10.2.2 

本質的安全設計 


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

合理的に実現可能な限り,対地支持面積を大きく設計する。

b)

合理的に実現可能な限り,生活支援ロボットの重心を低く設計する。

c)

機械的共振効果が不安定をもたらし得ないように,生活支援ロボットを設計する。

d)

合理的に実現可能な限り,可動部,特にマニピュレータの質量を小さく設計する

5.10.2.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

安定化制御を採用する。

b)

不安定性の兆しを検出して,危害を低減するように動作する(又はしない)ための手段を講じる。

c)

マニピュレータの速度又は範囲を制限するための手段を講じる。

d)

過負荷を防止するための手段を講じる。

例  傾きセンサ,ハーネス(安全ベルト),ロールバー,フィードバック制御,ゼロモーメントポイ

ントの監視及び制御。

上記の機能を実行するあらゆる制御システムは,ロボットのリスクアセスメントに基づき 6.1 に適合し

なければならない。

5.10.2.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,移動表面の傾斜,速度,最大負荷などに関する,生活支援ロボットの使用制限を含ん

でいなければならない。

5.10.2.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

注記  (立ち上り補助の)リフトチェアには ISO 7176-8 が適用されるが,生活支援ロボットの試験に

も,ユーザの持上げ能力を含むことができる。

5.10.3 

移動中の不安定性 

5.10.3.1 

一般 

移動能力をもつ生活支援ロボットは,移動中にいかなる危険な横転,暴走,部品及び持ち運ぶ負荷の落

下も引き起こすことがないよう確実な設計をする。これは,指定された運転環境,すなわち,具体的な用

途の種類及び設計に依存する環境において意図した全ての移動パターン(例えば,前進・後退,回転,タ

ーン・U ターン,加速・減速)で達成しなければならない。

安定性が構成(configuration)及び負荷によって変わる生活支援ロボットの場合は,意図した状況それぞ

れに対して最高速度及び加速度を決めなければならない。

自律移動する生活支援ロボットの場合は,合理的に実現可能な限り,予見可能な条件下における移動の

安定性を確保するように制御系を設計しなければならない。

生活支援ロボット近傍のあらゆる人は,ロボットの転落又は横転から保護されなければならない。

リスクアセスメントでは,搭乗型ロボットの中又は上にいる搭乗者の不正な搭乗位置による潜在的危険

源を考慮しなければならない。

5.10.3.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

当該ロボットに対して規定された,意図した環境において確認された最悪の移動表面の勾配上で,最

大の加速度・減速度で移動する場合又は最高速度でターンする場合でさえも,ロボットが転落,横転

又は転倒することがあり得ないように,生活支援ロボット内の質量分布を設計する。


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

b)

移動用アクチュエータ(例えば,車輪,脚・足)の設計は,生活支援ロボットの意図した環境条件の

仕様の中で定義されている全ての移動表面のタイプで,それがたとえ滑りやすい移動表面などであっ

たとしても(定義されているならば)

,十分な移動表面保持力を確実に維持する。

c)

当該ロボットに対し,意図した環境条件内で定義される最悪の限界までの不整移動表面を移動しても,

転落,横転又は転倒しないように生活支援ロボットの安定性を設計する。

5.10.3.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a) 6.5.3

に規定する,移動表面を検知する能力をもたせる。

b) 

生活支援ロボットは,意図したタスクを実行するために,環境検知技術に基づき,移動経路を計画す

ることができる。

c) 

段差(例えば,階段,穴)による転落又は転倒から生活支援ロボットを保護する手段が,意図した運

転環境に備わっている(6.5.2.2 参照)

d) 

ロボットに対して規定された意図した環境内で,最大の移動表面勾配の地点で転回する場合でも確実

に転倒しないようにする,生活支援ロボットの動的特性(例えば,速度,加速度及び重心)を制限す

る。

e) 

搭乗型ロボットにおいて,シートベルトを使用可能とする。

f) 

搭乗型ロボットで安全輸送を行うための,搭乗者の搭乗位置の連続的検知,及び不正な位置への搭乗

を検知した場合に適切な対応(例えば,保護停止)

g) 

警告信号を採用する。例えば,音声,視覚信号,振動又は各種信号の組合せ

上記の機能を果たすどの制御システムも,生活支援ロボットのリスクアセスメントに基づき,6.1 に適合

しなければならない。

5.10.3.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,生活支援ロボットが運転可能な環境条件を規定しなければならない。危険状態に至る

可能性があるにもかかわらず,ロボットがタスクを実行する状況になりそうな環境条件に対して,使用上

の情報は警告を含んでいなければならない。

搭乗型ロボットの場合,使用上の情報に,ユーザ(搭乗者)に対し指定保護手段(すなわち,シートベ

ルト,ヘルメットなど)の着用を促す,適切な取扱説明及び警告を記載しなければならない。

急転回,急加速,急減速などの危険な操作を防ぐために,適切な教育を行わなければならない。

5.10.3.5 

検証及び妥当性確認 

移動の安定化性能は,リスクアセスメントの結果に基づき,様々な安全関連表面条件下で評価しなけれ

ばならない(表面条件とは,例えば,カーペット,金属タイル,プラスチック積層板,芝生など)

5.1

の B,D 又は F の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.10.4 

荷重運搬中の不安定性 

5.10.4.1 

一般 

荷重

(搭乗者を含む。

による生活支援ロボットの運動特性の変化が,

危険源の原因になってはならない。

生活支援ロボット近傍のどの人も,ロボットが最大荷重を運搬しているときはもちろん,タスクを実行

しているときにも,安全関連物体の落下から保護されなければならない。これには,平らでない荷重及び

可動荷重(例えば,容器内で揺れている液体)を含めなければならない。

リスクアセスメントでは,落下した荷重のもたらす結果及びそうしたあらゆる事象の結果,生活支援ロ

ボットに求められる,あらゆる行動を検討しなければならない。


27

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

緊急操作の場合,最大減速度は,荷重の安定性及び保持力に対する要求事項を含む,非常停止の動的基

準に相当するものでなければならない。

5.10.4.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボットのホルダ,積載部,ラックなど,また,特にエンドエフェクタ(例えば,グリッパ,

ロボットハンド)は,負荷喪失による事故の可能性を防ぐよう設計する。

b)

(負荷の)形状に沿った形状設計を採用する。

c)

動力をもたない固定手段(例えば,ねじ,伸縮性のあるひも,スプリング式クランプ)を採用する。

d)

定格最大積載量を超える負荷の取扱いを防ぐための制限装置を設ける。

5.10.4.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

負荷は,

ボルト締めで固定する若しくはラッチで縛り付けて固定する,

又は把持具によって保持する。

b)

最高速度及び加速度は,正常運転中の負荷の安定性要求事項に相当するものでなければならない。

c)

正常運転をしている限り,保護停止又は非常停止であっても,減速率は荷重の安定性要求事項を満た

す範囲になければならない。

上記の機能を果たすどの制御システムも,生活支援ロボットのリスクアセスメントに基づき,6.1 に適合

しなければならない。

5.10.4.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,負荷の最大寸法,質量,種類(該当する場合)

,及びそれらに対する運搬してもよい限

度に関する情報を含んでいなければならない。負荷の固定が求められる場合は,その手順を記載しなけれ

ばならない。

5.10.4.5 

検証及び妥当性確認 

ハンド,グリッパ及び結合部の性能は,移動型生活支援ロボットの加速,停止,U ターンなど,一連の

極端な動作,及びマニピュレータの高速動作によって決定しなければならない。全ての試験は,最大負荷

及び最高速度で実施しなければならない。

5.1

の B,D 又は F の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.10.5 

衝突時の不安定性 

5.10.5.1 

一般 

安全関連物体は,衝突後又は衝突中の危険な動きから次によって保護しなければならない。生活支援ロ

ボットと他のいずれの安全関連障害物との衝突も,ロボットの不安定性を引き起こさないようにすること

が望ましい。

a)

リスクアセスメントで,

全運転範囲での接触によって生じるリスクに影響を及ぼす該当パラメータ

(例

えば,接触力)の最大許容値を定める。

b)

生活支援ロボットは,その意図した運転に対して規定した上限までの動作中に,いかなる衝突力又は

安全関連障害物の検知信号を受けた場合でも,いかなる危険な横転,暴走又は部品の脱落も引き起こ

さないように設計する。

5.10.5.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

最大の予想限界内での意図しない衝突によって転倒が起きないように,生活支援ロボットの質量分布

及び形状を設計する。


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

b)

危険な不安定性をもたらす力を吸収する柔らかい材料を使用する。

5.10.5.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボットが転倒したときの危害を防ぐ,エアバッグ又はシートベルトを採用する。

b)

予想される最大力で衝突したときの暴走を防ぐ,生活支援ロボット移動架台の制動性能を設計する

6.2.3 参照)

c)

衝撃力を最小限にとどめる,生活支援ロボットの運動挙動を設計する(6.6 参照)

d)

衝突時の不安定性及び高い衝撃力を最小限にとどめる,安全関連速度制御(6.4 参照)を採用する。

5.10.5.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,潜在的に危険な力の範囲を評価する全てのパラメータ及び許容可能な衝突シナリオの

詳細を含んでいなければならない。

5.10.5.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D,F 又は G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.10.6 

人間装着型身体アシストロボットの装着又は取外し時の不安定性 

5.10.6.1 

一般 

人間装着型身体アシストロボット(例えば,外骨格)は,ユーザがロボットを装着・取外しするときに

安定性が失われることがないように設計しなければならない。

装着・取外し時にスイッチを切っておくロボットは,必要な位置に(人力で)楽に動かすことができ,

また,予期せぬ起動を防止するように設計しなければならない。

装着・取外し時に駆動力を用いて動かすロボットは,危険な動きを生じさせることなく,また,人体の

各部に加わる力が人に危害を及ぼすことのないように設計しなければならない。

5.10.6.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

人にロボットを装着,又は人からロボットを取り外す手段は,その手順の間,人が安定した姿勢[座

位,が(臥)位など]でいられるように設計する。

b)

ロボットの装着・取外し時にユーザに危害が加わることがないよう十分に低出力なアクチュエータを

採用する。

5.10.6.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

ロボットは,ロボットがユーザに正しく装着されていないことが検知できるように設計する。装着が

不適切な場合,ロボットは警告を発し,安全状態をとる。

b)

装着手順の間,ロボットの各関節の力及び速度は,安全関連速度制御(6.4 参照)及び安全関連力制御

6.7 参照)に制限される。

c)

ロボットは,正常運転中にロボットの意図的な取外し又は意図しない離脱があった場合は,安全状態

をとるように設計する。

5.10.6.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,必要なロボットの構成並びに適切な環境及び移動表面の条件を含む,ロボットの装

着・取外し方法に関する取扱説明を含んでいなければならない。

5.10.6.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B∼G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

5.10.7 

搭乗型ロボットの乗降時の不安定性 

5.10.7.1 

一般 

搭乗型ロボットは,意図した使用状況の下で搭乗者がロボットに乗り込む,又はロボットから降りる動

作をしている間に,横転又は暴走しないよう確実な設計をする。

5.10.7.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

乗降で転倒しないようなロボットの質量分布及び形状を設計する。

b)

搭乗者の乗降動作中に暴走することを防げるだけの,

搭乗型ロボット移動架台の制動性能を設計する。

5.10.7.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

搭乗型ロボットは,6.1 に従って,搭乗者が乗降するときのいかなる重心移動をも相殺するよう,ロボ

ットのバランスを調整することのできる,能動的安定制御の方策を含んだ設計とする。

b)

搭乗型ロボットは,通常の状況下で乗降を始める前に適切な位置・姿勢となるように設計する。

c)

搭乗型ロボットは,非常時には十分に安全な位置・姿勢に移行することで,降りやすくなるように設

計する。

d)

移動が開始できるようになる前に,搭乗者が正しい位置にいることが検知できる。

5.10.7.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,乗降手順及びユーザが払うべき注意点に関する説明を含んでいなければならない。ま

た,乗降のために必要な構成に関する情報も含んでいなければならない。

5.10.7.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B 又は D の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.10.8 

安全関連障害物との衝突 

5.10.8.1 

一般 

生活支援ロボットは,安全関連障害物(3.21.2 参照)との危険な衝突のリスクが,合理的に実現可能な

最小限となるように設計しなければならない(4.3 

注記 参照)。生活支援ロボットと安全関連障害物と

の衝突をどのように扱うかの手順を含めた,リスクアセスメントを実施しなければならない。

5.10.8.2 

本質的安全設計 

次の方策を含むが,これらだけに限らない(5.10.5 も参照)

a)

生活支援ロボットの移動速度を,本質的に安全となる速度の最大値までとする物理的制限を設ける。

b)

可動部は,受容可能な衝撃エネルギーを超えられないように設計しなければならない。

c)

危害の生じないレベルに衝撃力を低減する材料又は構造を採用する。

5.10.8.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

用途によって人の接近速度の規定値が変わる中,JIS B 9715 に従って生活支援ロボットと安全関連障

害物との最小距離を計算しながら,この距離が維持されない場合はロボットを停止する。これは,位

置及び速度制御(6.3 参照)

,電気的検知保護機器(ESPE)

6.5.2.1 参照)などの安全関連障害物を回

避する機能を用いて達成することができる。

注記 1  附属書 に,生活支援ロボットの安全基準を示す。

注記 2  附属書 に,安全関連障害物の回避能力を備えた生活支援移動ロボットの用途例を示す。

ロボットの速度は安全防護空間の内側で制御され,そこでは安全関連障害物の相対速度が


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

検知され,減速制御のために使用される。

b)

安全関連障害物が生活支援ロボットの保護停止空間にある場合,保護停止(6.2.2.3 参照)を実行する。

c)

生活支援ロボットを手で誘導又は操縦する。この場合は,リスクアセスメントでロボットとのどのよ

うな衝突も避けることができるかどうか検討する。

注記 3  JIS B 9715 のような適用可能な規格は,小さな子供及び幼児に対するものではないため,

リスクアセスメントで必要とみなされた場合は,検知に関するより強力な,又はより厳し

い要求事項(例えば,より低圧でのバンパーの作動,子供の小さな手足を検知するための

ESPE のより細かな解像度)を検討することが重要である。

起こり得る衝突の影響を低減するためには,次の方策のうち一つ以上を適用しなければならない。

−  安全関連速度制御(6.3 参照)を採用する。

−  安全関連力制御(6.7 参照)を採用する。

−  安全関連接触検知(6.5.2.2)を採用する。

5.10.8.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,ロボットの衝突回避挙動について記載しなければならない。衝突の回避のためにあ

る程度の手動制御が必要な場合,使用上の情報は,その手動制御のための取扱説明及び適用される制御方

策の限界について提供しなければならない。

5.10.8.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の C∼G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.10.9 

人とロボットとの相互作用中の危険な物理的接触 

5.10.9.1 

一般 

生活支援ロボットの使用において,人とロボットの触覚とによる相互作用が意図されている場合は,触

覚による相互作用中に人の安全を保証する機能をリスクアセスメントによって同定しなければならない

4.3 

注記 参照)。次の側面を検討しなければならない。

a)

ロボットの最大空間における人の検出

b)

意図した触覚による相互作用中,ロボットから人への物理的反応(例えば,接触力)は,実現可能な

最小限となるように設計しなければならない。

c)

生活支援ロボットは,人とロボットの相互作用のために意図した部分以外の部分との,意図しない触

覚による相互作用を,合理的に実現可能な限り避けるように設計しなければならない。

5.10.9.2 

本質的安全設計 

人とロボットとの物理的相互作用に関する全ての応用タスクにおいて,生活支援ロボットは,皮膚とロ

ボットとの摩擦,せん断応力,動的衝撃,トルク,重心の移動軌跡,体重移動及び支持のいかなるレベル

も,合理的に実現可能な限り低減するよう設計する。

5.10.9.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボットの活動空間に対する,ソフトウェア制御による制限を設ける(6.3 参照)

b)

速度の制限及び安全関連速度制御を設ける(6.4 参照)

c)

力の制限及び安全関連力制御を設ける(6.7 参照)

5.10.9.4 

使用上の情報 

使用上の情報には,ユーザグループ,環境条件などに関する制約を含め,人とロボットとの相互作用を

伴う意図したタスク及び状況に関する情報を提供しなければならない。


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

傷害を回避するために,ユーザはどのように生活支援ロボットを運転したらよいかの情報を提供し,取

扱説明に従わない場合に被るおそれのある傷害についての警告を提供しなければならない。

5.10.9.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の C,D,F 又は G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.11 

耐久性不足による危険源 

5.11.1 

一般 

生活支援ロボットは,その設計寿命の間,危険源を生じることなく耐久性が保証されるように設計・製

作しなければならない。

生活支援ロボットの最低限の耐久性要求事項は,リスクアセスメントによって定めなければならない。

次の事項を考慮しなければならない。

−  機械的応力

−  材料及びその特性

−  振動及びその他の放射

−  環境条件(例えば,熱,水蒸気)

−  予見可能な誤使用シナリオ及び状況を含めた,極端な状況での運転(例えば,予期せぬターン,加速,

減速,過酷な環境条件など)から生じる,最大限度の運転条件

5.11.2 

本質的安全設計 

次の方策を含むが,これらだけに限らない。

a)

機械的故障は,例えば,ISO 13823 などの該当規格を遵守して防止しなければならない。

b)  JIS B 9700

に規定するメカニズムを含め,過負荷防止の方策を生活支援ロボットの設計に適用するこ

とが望ましい

(これを採用する場合,

そのメカニズムは,

適切な該当規格に適合しなければならない。

c)

多様なストレスを受ける生活支援ロボットの構成部品には,適切な疲労限界を適用しなければならな

い。

d)

回転部品に適切な静的及び動的なバランスを取る。

e)

電気装置,特に電気ハーネス及びコネクタの設計では,予想使用サイクル数を考慮しなければならな

い。

f)

自然放熱を組み込む(例えば,伝導又は対流による。

5.11.3 

安全防護及び付加保護方策 

次の方策を含むが,これらだけに限らない。

a)  6.7

に示す,生活支援ロボットが印加する力を監視・調整するための制御機能を備える。

b)

強制放熱方法を採用する(例えば,ファン又はその他の冷却装置による。

c)

必要ならば,生活支援ロボット内部の,特に熱源に近い部分の温度を監視しなければならない。温度

限界を超えた場合でも,ロボットは適切に反応しなければならない(例えば,安全な手順で自らスイ

ッチを切る。

d)

生活支援ロボットのライフサイクルを監視し,保守期間又は寿命に達したら,その旨をユーザに通知

する。

5.11.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,部品の定期交換のような,生活支援ロボットの耐久性を保証するために必要な保守手

順を明記しなければならない。

電気接続ハーネスに起因する好ましくない電気的ノイズから生活支援ロボットを保護するために,ハー


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ネスの交換が必要な場合は,ハーネスの着脱頻度に基づいて,電気接続ハーネスの使用限界を明記しなけ

ればならない。

電力が(電気ケーブルで)直接供給される場合は,ケーブルの着脱頻度に基づいて,使用上の情報に電

気コネクタの使用限界を明記しなければならない。

5.11.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D,E 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.12 

誤った自律的判断及び動作による危険源 

5.12.1 

一般 

自律的に判断を下し,動作するよう設計された生活支援ロボットは,間違った判断及び誤った動作が受

容できないリスクの原因とならないよう設計しなければならない。

例 1  移動作業型ロボットが間違った飲物をつかみ,一杯の水の代わりにコーヒーを出すとすれば,

それは受容可能なリスクであるが,もし割れたカップに入った飲物を出すのであれば,そのリ

スクは受容できない。

例 2  搭乗型ロボットが,平たん(坦)な地面において急に予期せぬ回避動作をとるとすれば,それ

は受容可能なリスクであるが,滑りやすい地面の方へ回避動作をとるならば,そのリスクは受

容できない。

誤った判断の影響として生じる危害のリスクは,判断の信頼度を上げる(例えば,より良いセンサの使

用)か,又は誤った判断の影響を制限する(例えば,使用限界を狭める。

)のいずれかによって低減するこ

とができる。

5.12.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

運転シナリオに制約を付けて,誤った動作による危害のリスクを減らす。

b)

安全関連物体,移動経路などに,固有の識別子を割り当てる。

5.12.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

センサ及び検知アルゴリズムの能力・信頼度は,受容できないリスクが発生しないレベルまで引き上

げなければならない。

b)

識別アルゴリズムは,ある判断が正しいものとなる確率(例えば,既に知っているはずの安全関連物

体を正しく識別する確率)を計算し,それを監視できるように設計しなければならない。確率の低い

計算結果から導かれた判断は,代替アプローチ又は追加情報を用いて再評価しなければならない。再

評価後に不確かさが受容できないままであれば,外部の支援を求めるか,又は保護停止を開始しなけ

ればならない。

c)

危険状態に至る可能性がある自律的判断については,有効性の確認を行わなければならない。

例  安全関連物体の識別の正しさは,それが発見された場所,又はそれが前回見られた時間及び場

所を考慮することによって確認することができる。

d)

判断は,多様なセンシング原理を用いて検証しなければならない。

a)

d)  の要求事項を実施する生活支援ロボットの機能は,全てロボットのリスクアセスメントに従って,

6.1

に記載する制御システム性能要求事項に適合しなければならない。

5.12.4 

使用上の情報 

使用限界は,予見可能な誤使用を考慮し,判断が受容できないあらゆる危害のリスクの原因となるよう


33

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

な状況を排除するものでなければならない。

使用上の情報には,生活支援ロボットの検知及び意思決定能力について記載し,また,誤った動作及び

判断による危害の防止法についての説明を示さなければならない。

5.12.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,C,D,F 又は G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.13 

動いている部品との接触による危険源 

5.13.1 

一般 

生活支援ロボットは,電動機軸,ギア,駆動ベルト,車輪,無限軌道,リンク機構などの構成部品への

暴露による危険源によって生じるリスクが受容可能であるように設計しなければならない。

生活支援ロボットは JIS B 9718 に従って設計し,体の各部が危険区域に到達するのを防止しなければな

らない。

5.13.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボットは,接触可能な可動部の数を最小に設計する。

b)

生活支援ロボットは,モータシャフト,ギア,駆動ベルト,車輪,無限軌道,リンク機構などの構成

部品中の可動部が露出しないように設計する。

5.13.3 

安全防護及び付加保護方策 

可動部による危険源は,JIS B 9716 に従い,予測可能な接近頻度によって,JIS B 9716 に従って決まる,

固定式ガード又は可動式ガードのいずれかを用いて防止しなければならない。

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

固定式ガードを使用する場合は,次の方策を適用する。

1)

固定式ガードは,工具を使用しなければ開放又は取外しができないように取り付ける。

2)

リスクアセスメントによって必要だと考えられる場合,固定具は,ガードを取り外した後にもガー

ド側又は生活支援ロボット側に残るようにする。

3)

可能であれば,ガードは固定具なしでは所定の位置にとどまっていられないようにする。

b)

可動式ガードを使用する場合は,次の方策を適用する。

1)

可動式ガードは,簡単に取り外すことができず,一度開放した後も,生活支援ロボット側に残って

いるように設計する。

2)

可動式ガードは,危険な動きが止まるように,危険な動きと連動(インタロック)するようにする。

この機能を果たす制御システムは,生活支援ロボットのリスクアセスメントに従って,箇条 に適

合する。このガードによって守られる危険な機械機能によるリスクが消滅するまで,JIS B 9710 

従って,ガードは閉じてロックされたままとなる。

c)

回転部品に対する保護には,エンクロージャを使用する。

5.13.4 

使用上の情報 

固定式ガード又は可動式ガードが生活支援ロボットの設計に入っている場合は,使用上の情報に,ガー

ドの正しい取付け,調整及び取外しに必要な全ての指示を含めなければならない。

5.13.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の A,B 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.14 

人がロボットに気付かないことによる危険源 

5.14.1 

一般 


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B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

リスクアセスメントにおいて,

ロボットに対する人の認知不足が危険源になると示された場合,

例えば,

静かな運転が人との衝突確率を増すおそれがあるなどの場合,生活支援ロボットは,騒音規制値などを超

えない範囲のそれと分かる音を出すことで,リスクを低減しなければならない。

警告又はアラームを使用する場合は,リスクアセスメントを使用して,静かな運転による危険源のリス

クと,大音量の又は予期せぬ騒音による危険源のリスクとのバランスをとらなければならない。

注記 1  警告(音響的,視覚的など)は,ユーザ又は生活支援ロボット近傍の人を煩わしい気持ちに

させ,

(警告)信号が出なくなるような細工をする原因となることがある。

注記 2  障害のあるユーザ,例えば,視覚障害,聴覚障害などをもつユーザには,代わりの表示も必

要となることがある。

5.14.2 

本質的安全設計 

必要な場合,生活支援ロボットには目立つ外観をもたせ,有害な騒音レベルにまで達しない,それと分

かる音を発するように設計しなければならない。

5.14.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

ユーザに潜在的な危険状態を警告するための,音響発生器を備える。

b)

ユーザ及び第三者に対して生活支援ロボットの存在に対する注意を喚起するための,警告灯又はその

他の光学装置を備える。

c)

生活支援ロボットは,安全関連物体が保護停止空間にある間は停止し,物体がそこを出たらタスクの

実行を継続する。

5.14.4 

使用上の情報 

製造業者が認知不足による特別の危険源があると認めた場合,使用上の情報には,ユーザへの警告及び

アドバイスを記載しなければならない。

5.14.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,D,F 又は G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

5.15 

危険な環境条件 

5.15.1 

一般 

生活支援ロボットは,意図された使用の中で予見可能な環境条件が危険源につながることがないよう設

計しなければならない。

生活支援ロボットは,環境中の砂又はじんあい(塵埃)が存在又は堆積することによる危険源から保護

しなければならない。ロボットのじんあい汚染が原因となる危険源のリスクがある場合(リスクアセスメ

ントで決定する。

,影響を受けるロボットの全ての部品,構成部品又はサブシステムは,JIS C 0920 に定

める最低限の保護等級 IP 6X を達成するように設計しなければならない。ダストの侵入は問題なく,砂の

侵入だけが危険源リスクとなる場合(リスクアセスメントで決定する。

,影響を受けるロボットの全ての

部品,構成部品又はサブシステムは,JIS C 0920 に定める最低限の保護等級 IP 5X を達成するように設計

しなければならない。

生活支援ロボットは,高温の構成部品(5.7.4 参照)によるじんあい由来の火災を防ぐように設計しなけ

ればならない。ロボットは,帯電した外表面にじんあいが堆積するのを防ぐため,危険な静電荷(5.5 参照)

の蓄積が起きないように設計しなければならない。

生活支援ロボットは,水及び水蒸気の浸入でリスクが生じないように設計しなければならない。ロボッ

ト内の水又は水蒸気によって生じる危険源のリスクがある場合(リスクアセスメントで決定する。

,生活


35

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

支援ロボットの全ての部品,構成部品,サブシステム及び内部エンクロージャは,JIS C 0920 に定める最

低限の保護等級 IP X6(3 分間の加圧散水に対する耐性)を達成するように設計しなければならない。

生活支援ロボットを寒冷な外部環境で運転することが意図されている場合,ロボットは雪及び氷の条件

に耐えられるように設計しなければならない。可動部及び電気構成部品は,氷の蓄積による故障を防がな

ければならない。可動部は,水,水蒸気,ダスト及び砂に耐えられるように設計しなければならない。電

気構成部品は,耐水若しくは耐湿用に密封するか,又はこのような保護を提供するエンクロージャ内に取

り付けなければならない。電源及び電池は,浸水又は水蒸気の蓄積を原因とする短絡から保護しなければ

ならない。

所与の生活支援ロボットを沿岸地域,海洋,海岸,海水塊の近くの場所,又は船上環境で運転すること

が予見できる場合は,

リスクアセスメントで,

高塩分環境及び塩水噴霧の影響を検討しなければならない。

塩分による腐食などの危険性があると評価された場合,ロボットには,受容可能なレベルのリスクになる

ように十分な保護方策を備えなければならない。

5.15.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

関節及びその他の可動部を密封する。

b)

可動部について耐じんあい性の材料を用いる。

c)

電気構成部品をコーティング又は密封する。

d)

極端な温度に対する,材料の選択及び本質的保護方策を採用する(5.7.4.2 参照)

e)

耐水又は耐湿性材料を用いる。

f)

耐塩性の材料を用いる又はコーティングする(例えば,塗料,ワニス又は有機コーティング)

5.15.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

じんあいの蓄積を防ぐ機構(例えば,強制換気,洗浄機構)とする。

b)

じんあいの検出,及び必要な方策を講じるようにユーザに知らせる警告表示をする。

c)

エンクロージャ開口部をエアフィルタとする。

d)

雪若しくは氷を解かすか,又は水蒸気若しくは細かな水滴を蒸発させ,後に続く危険源なしに生活支

援ロボットを乾燥するためのヒータを使用する。

注記 1  雪及び氷を解かすことは,正しく設計しないと水・水蒸気の危険源の発生につながる可能

性がある。

e)

表面からの水・水蒸気を除去(例えば,ワイパの使用)する。

f)

外側からの表面の雪又は氷を除去(例えば,温水での洗浄)する。

g)

雪・氷・冷気条件の能動的検知,及び雪・氷の堆積量が受容できないレベルに達する前の保護停止を

実行する。ロボットは,ユーザに対して停止の理由を適切に通知しなければならない。

h)

生活支援ロボットは,保守のための定期的な運転休止又は停止を確実にする安全防護機能を組み込ん

でいなければならない(これには,一般に,点検,及び清掃又は部品交換が含まれる。

。ロボットは,

この目的で休止することをユーザに通知しなければならない。この要求事項に関して,運転休止の間

隔は,例えば,腐食,砂,じんあい又は雪の堆積によって受容できないリスクレベルに到達するまで

に要する時間に基づいて決定しなければならない。

注記 2  ISO 4629 には,塗料及びワニスの劣化のアセスメントに関する手引が示されている。

5.15.4 

使用上の情報 


36

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

リスクの防止に対してユーザによる何らかの行為が必要な場合は,

必要な全ての行為及び適切な材料

(例

えば,工具,布,流体)を使用上の情報に記載しなければならない。これには,次のものを含んでもよい。

−  点検,例えば,塩分による腐食又は砂による摩耗に関するもの

−  砂,ダスト,雪及び氷の予防又は除去のためのクリーニング

−  乾燥

−  保守及び部品交換

5.15.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,C,D,F 又は H の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

生活支援ロボットの IP 等級は,JIS C 0920 に従って妥当性を確認しなければならない。

塩水噴霧試験が必要な場合,試験は ISO 9227 に適合しなければならない。光センサ表面の腐食が激しい

場合は,ISO 21227-3 に従って試験を実施しなければならない。

5.16 

位置確認及びナビゲーションの誤差による危険源 

5.16.1 

一般 

位置確認及びナビゲーションが可能な生活支援ロボットは,位置確認及びナビゲーションの誤差の不確

かさが,受容できないリスクにつながらないように設計しなければならない。

位置確認における不確かさが,移動架台又はロボットのその他のどの部分でも,危険な動きにつながる

ことがあってはならない。ロボットが禁止区域へ侵入したり,又は機械的な安定性を(危険な様子で)失

ったり(例えば,階下への転落)する原因となるような位置確認誤差を防止しなければならない。

生活支援ロボットのナビゲーション能力は,任意の到達可能目的地への運動計画が実現でき,その生成

された経路が,衝突及び機械的な不安定の受容できないリスクの原因となることなく,既知のどの安全関

連障害物の位置も避けているような,十分なものでなければならない。

位置確認及びナビゲーションをリスク低減に利用する場合,これらの制御システムの機能は 6.1 の要求

事項に適合しなければならない。

5.16.2 

本質的安全設計 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

生活支援ロボットを,ナビゲーション能力が,リスク低減に必要とならない環境及びタスク下で使用

するように生活支援ロボットを設計する。

b)

生活支援ロボットの安全運転のためにナビゲーション能力が要求されないやり方で,衝突回避,移動

表面検知などのための安全機能を実現する。

c)

位置確認に(自然の又は人工の)ランドマークを使用する場合は,制限空間の任意の点から,生活支

援ロボットが十分な数のランドマークを検出できるようにする。ナビゲーションに使用するランドマ

ーク又はマーカーは,不明瞭でない。

5.16.3 

安全防護及び付加保護方策 

必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。

a)

位置確認の安定性及び確かさを監視し,位置確認が安定を欠く場合は安全状態に入る。

b)

安定を欠く位置確認の補正。例えば,オドメトリ(走行距離測定法)又は他のセンサデータを使用し

て補正する。

c)

ナビゲーションマップは,古いマップを使用することによるリスクを防ぐために,リスクアセスメン

トで決めた十分に高い頻度で,新情報(例えば,内部センサ又は外部情報源による)に更新しなけれ

ばならない。


37

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

5.16.4 

使用上の情報 

使用上の情報は,意図した運転環境を明確にし,位置確認誤差又はナビゲーション誤差が発生し得る条

件に関する情報を提供しなければならない。

5.16.5 

検証及び妥当性確認 

5.1

の B,F 又は G の中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。

安全関連制御システムに対する要求事項 

6.1 

要求安全性能 

6.1.1 

一般 

制御システムによって保護方策を実現する場合は,箇条 の要求事項を適用しなければならない。生活

支援ロボットの制御システム機能(電気式,油圧式,空圧式及びソフトウェア)の要求されるパフォーマ

ンスレベル(PL)又は安全度水準(SIL)は,リスクアセスメントによって決定し,JIS B 9705-1 又は IEC 

62061

のいずれかに適合しなければならない。これには,検証及び妥当性確認が含まれていなければなら

ない。

リスク低減に次のうち一つ以上の機能を使用する場合,PL 又は SIL は,6.1.4 を適用しない限り,使用

する各機能について,各々PL 又は SIL を定めなければならない。

a)

非常停止(6.2.2.2

b)

保護停止(6.2.2.3

c)

活動空間の制限(6.3

(禁止区域の回避 6.5.3 を含む。

d)

安全関連速度制御(6.4

e)

安全関連力制御(6.7

f)

危険な衝突の回避(6.5.2.1 及び 6.5.2.2

g)

安定性制御(過負荷保護を含む。

6.6 及び 6.7

6.1.2

では,生活支援ロボットの各タイプに二つのサブタイプを定義し,二つのレベルのリスクを表す。

どの停止カテゴリ又は複数の停止カテゴリを適用するかは,製造業者が決定する。

6.1.2 

生活支援ロボットのタイプ 

6.1.2.1 

移動作業型ロボット 

タイプ 1.1  小型,軽量,低速及びマニピュレータなしの全てに該当する。

タイプ 1.2  タイプ 1.1 以外(大型,非軽量,高速又はマニピュレータありのいずれかに該当する。)

6.1.2.2 

身体アシストロボット 

6.1.2.2.1 

人間装着型 

タイプ 2.1  低出力身体アシスト(ユーザの力で,生活支援ロボットの力を上回ることができる。)

タイプ 2.2  高出力身体アシスト(ユーザの力で,生活支援ロボットの力を上回ることができない。)

6.1.2.2.2 

人間非装着型 

タイプ 2.3  低出力,非自律モード,静的安定,軽量及び低速の全てに該当する。

タイプ 2.4  タイプ 2.3 以外(非低出力,自律モード,非静的安定性,非軽量又は高速のいずれかに該

当する。

6.1.2.3 

搭乗型ロボット 

タイプ 3.1  立乗り,一人乗り,屋内,平たん(坦)移動表面,低速,軽量,半自律の全てに該当する。

タイプ 3.2  タイプ 3.1 以外(複数乗り,非立乗り,屋外,不整移動表面,非低速,非軽量又は自律の


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いずれかに該当する。

注記 1  大きさは,転落又は転倒したロボットがユーザ(用途によっては,座っているか又は横た

わっている人を含む。

)の上半身と衝突することがあり得ないほどに低い場合,

“小型”と

みなされる。小型とみなすことのできる最大寸法は,意図したタスク及びユーザグループ

を考慮に入れて製造業者が定めている。

注記 2  重さは,衝撃によって怪我をすることがあっても軽傷を負う程度で,また,閉じ込められ

ることがあってもユーザ自身が一人でロボットを持ち上げて脱出できる程度の場合,

“軽

量”とみなされる。軽量とみなすことのできる最大の重さは,意図したタスク及びユーザ

グループを考慮に入れて製造業者が定めている。

注記 3  速度は,リスクアセスメントで決められた意図したユーザグループの普通の歩行速度を下

回る場合,

“低速”とみなされる。成人健常者では,歩行速度は通常,最高 6 km/h と考え

られる。

注記 4  出力は,本質的安全設計方策適用後の時点で,怪我をすることがあっても軽傷を負う程度

の場合,

“低出力”とみなされる。低出力とみなすことのできる最大出力は,意図したタ

スク及びユーザグループを考慮に入れて製造業者が定めている。

注記 5  “静的安定”とは,本質的安全設計方策適用後の時点で,駆動力なしに静止しているロボ

ットの安定性が維持されている状態を指す。ロボットの意図した使用によっては,これは

例えば,ロボットに取り付けられたハンドルを握っている,ロボットに寄りかかっている

など,ユーザがロボットと接触している場合にユーザ及びロボット双方の安定性が維持さ

れることも含む。

6.1.3 

選択した生活支援ロボットのタイプに対する要求パフォーマンスレベル 

表 に規定するパフォーマンスレベルは,大半の用途において十分なリスク低減が得られると期待でき

る標準性能を定めたものである。しかし,全ての用途において,これらの PL の値をもつ安全機能が必要

な全てのリスク低減を与えるわけではない。6.1.4 で異なる要求事項を求めていない限り,

表 に規定する

パフォーマンスレベルを満たさなければならない。


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表 1−生活支援ロボットのパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

6.2.2.2

非常停止

d

(低リスクオプショ

ンなし)

c

d

c

d

d

d

6.2.2.3

保護停止

b

d

b

d

b

c

c

e

6.3

活動空間の制限

(禁止区域の回避 6.5.3

を含む。

b

a)

d

b

d

a

d

N/A

e

6.4

安全関連速度制御

b

d

b

b

b

d

c

e

6.7

安全関連力制御

b

d

b

c)

e

d)

a

b

e)

N/A

N/A

6.5.2.1

及び 6.5.2.2  危険

な衝突の回避

b

d

N/A

N/A

b

d

N/A

e

f)

6.6

及び 6.7  安定性制御

(過負荷防止を含む。

b

d

b)

N/A

c

b

d

b)

b

g)

d

b)

a)

  禁止区域の回避は,PL d でなければならない。

b)

  生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL e が必要となる。

c)

  リスクアセスメントで,ある特定の状況(気絶など)において,ユーザが生活支援ロボットの力を押さえる

ことができないおそれがあると示される場合は,ロボットが危害の発生を防ぐ本質的な制限をもっていない

限り,タイプ 2.2 の要求事項を適用しなければならない。

d)

  他の制限機能(例えば,活動空間又は速度の制限)でも同じリスクに対する保護が行われている場合,関連

する全ての機能がこのレベルに合わせて設計されているという条件で,PL d でよい。

e)

  衝突回避又は能動的な人の保持に力制御が用いられる場合は,PL d が必要となる。

f)

  制御システムは PL e に達しなければならないが,センシング機構ではこれに達しない可能性がある。この場

合,センサの決定論的原因故障によって生じるリスクは,合理的に実現可能な限りに低減しなければならな

い。

g)

  生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL c が必要となる。

6.1.4 

用途に固有のパフォーマンスレベル要求事項 

生活支援ロボット及びその意図した用途に関して実施した包括的リスクアセスメントの結果として,用

途によっては,

表 より高い又は低い安全関連制御システムのパフォーマンスレベルが必要であり,また,

満たさなければならないとなることがある。

より高い又は低い安全関連パフォーマンスレベルの一つを選択した場合は,それを明記し,影響を受け

る装置の使用上の情報に適切な制限及び注意事項を含めなければならない。

6.1.5 

代替方法 

代替性能要求事項(例えば,制御の信頼度)を定めている他の規格を使用してもよい(例えば,ANSI/RIA 

R15.06-1999

の 4.5.4

。代替規格を使用して安全関連制御システムを設計する場合は,同等水準のリスク低

減を達成しなければならない。

6.2 

ロボットの停止 

6.2.1 

一般 

生活支援ロボットは,いかなる速度においても意図した制動であれば,危険な横転,暴走,又はロボッ

ト部品及び負荷の落下を起こすことなく,安全停止に至ることが確実なように設計しなければならない。

停止状態は生活支援ロボットのタイプによって異なるため,ロボットの停止状態はロボット製造業者が


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定義しなければならない。停止状態がロボットの通常の速度制御機能によって達成及び維持される場合,

その機能は 6.6 に適合しなければならない。停止状態が独立した停止機能によって達成される場合は,制

動機構だけによって達成しなければならず,その制動機構には次の要求事項を適用しなければならない。

a)

該当する場合は,動力中断の場合にも作動する。

b)

負荷,速度,移動表面の摩擦係数及び勾配,ロボット部品の予想摩耗状態など,あらゆるパラメータ

に規定された限界を考慮して,装備した安全関連物体の検知装置の作動範囲内で,生活支援ロボット

を停止できる。

c)

生活支援ロボット及びその最大許容荷重を,製造業者の規定する運転可能な最大勾配の移動表面上で,

静止し続けられる。

d)

重要な制御機能を失っても作動できる。

6.2.2 

ロボットの停止機能 

6.2.2.1 

一般 

生活支援ロボットは,保護停止機能を備え,また,リスクアセスメントが要求する場合は独立した非常

停止機能を装備していなければならない。任意で,こうした機能は外部保護装置の接続部を備えていても

よく,非常停止出力信号を出力してもよい。

表 は,非常停止機能と保護停止機能とを比較したものであ

る。

注記  用途によっては,保護停止にシステムの安定性維持のための,駆動源の継続供給を含むことが

ある。この一例は,歩行支援ロボットである。

表 2−非常停止と保護停止との比較 

機能

非常停止

保護停止

目的

非常用

安全防護又はリスク低減

停止カテゴリ(JIS B 9960-1)  0 又は 1

0,1 又は 2

開始

手動

手動,自動,又は安全関連機能によって
自動的に開始してもよい。

安全関連制御システムの性能

6.1

の性能を満たさなければならない。 6.1 の性能を満たさなければならない。

リセット

手動だけ

手動又は自動

使用頻度

まれ

しばしば∼まれ

作用

危険状態の伝搬を防ぐため,アクチュ

エータの動力を遮断

安全防護された危険源を安全に制御

6.2.2.2 

非常停止 

非常停止能力が必要な場合,ロボットの動作又は他の危険状態を開始する能力のある各操縦装置は,次

のような手動で開始する非常停止機能を備えていなければならない。

a)  6.1

及び JIS B 9960-1 の要求事項に適合し,他の全てのロボット制御装置に優先して働く。

b)

制御下にある全ての危険源を停止させる。

c)

ロボットが安全状態にある場合は,ロボットのアクチュエータの動力を除去する。

d)

ロボットシステムによって制御されるべき危険源を制御する能力を提供する。

e)

リセットされるまで非常停止状態のままである。

f)

リセットは,手動の操作だけによって行われなければならないが,そのときはリセット後の再起動を

起こすことはなく,再起動の実行を許可するだけでなければならない。


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操縦装置上に非常停止ボタンを装備することができない場合は(例えば,音声インタフェース,コンピ

ュータ画面式又は遠隔操作)

,従来からある非常停止装備(例えば,生活支援ロボット上又は近くに直接装

着したボタン)と同等の安全レベルが達成されていることを確認しなければならない。

この機能に停止カテゴリ 0 又は停止カテゴリ 1 のいずれを選択するかは,JIS B 9960-1 に従ってリスク

アセスメントで決定しなければならない。

非常停止装置は,JIS B 9703 及び JIS B 9960-1 に従わなければならない。

非常停止の性能は,6.1 に適合しなければならない。6.1.4 又は 6.1.5 を適用しないロボットは,

表 

PL 値を満たさなければならない。

表 3−生活支援ロボットの非常停止に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

非常停止

d

(低リスクオプショ

ンなし)

c

d

c

d

d

d

6.2.2.3 

保護停止 

安全関連制御機能の使用によってリスクが緩和される場合,生活支援ロボットは一つ以上の保護停止機

能を備えていなければならない。これらの停止機能のカテゴリ(JIS B 9960-1 を参照)は,その用途に対

するリスクアセスメントによって決定しなければならない。

これらの停止機能は,ロボットの全ての危険な動作の停止,ロボットの駆動アクチュエータへの動力源

の除去又は制御,及びロボットシステムの制御下にある他の危険源を制御できるようにすることで,安全

防護の対象となる危険源を制御することが望ましい。停止は手動で開始しても,又は制御回路が開始して

もよい。再起動は,リスク分析で自動再起動が許容されていない限り,手動で開始しなければならない。

保護停止機能の性能は,6.1 の要求事項に適合しなければならない。

生活支援ロボットは,JIS B 9960-1 の規定する停止カテゴリ 2 を用いた保護停止機能を備えてもよい。

その場合,ロボットの停止後は動力の除去でなく,静止状態の監視が求められる。静止状態のロボットの

いかなる意図しない動作,又は保護停止機能の故障も,リスクアセスメントでの決定にもよるが,JIS B 

9960-1

に従った停止カテゴリ 0 の停止になることが望ましい。静止及び監視機能の性能は,6.1 に適合し

なければならない(

表 を参照)。

注記  これは,IEC 61800-5-2 に規定する,安全運転停止(safe operational stop)に対応した電気駆動

システムが提供する,JIS B 9960-1 による監視された停止カテゴリ 2 の停止の機能を含むこと

がある。

表 4−生活支援ロボットの保護停止に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

保護停止

b

d

b

d

b

c

c

e


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6.2.3 

制動性能 

ロボットの移動架台の保護停止を発する制御システム機能の設計では,架台の制動性能,更に,全ての

予測可能な移動表面条件下での,生活支援ロボットの停止に必要な距離を考慮に入れなければならない。

制動性能は,生活支援ロボットが定格速度及び定格荷重で規定の表面条件で移動しているとき,安全関

連障害物との危険な衝突を回避できる程度に十分なものでなければならない。合理的に実現可能な限り,

生活支援ロボットは,リスクアセスメントで定められた予想される最悪の表面条件で,安全関連物体の手

前で停止することもできなければならない。

次のいずれかを適用する。

a)

生活支援ロボットの制動性能の評価又は特定の移動表面に対する安全関連速度制限の設定に制御シス

テム機能を用いる場合は,意図した全ての運転条件を考慮に入れて,6.1 に適合しなければならない。

b)

生活支援ロボットは,合理的に実現可能であれば,表面条件を到達前に推定し,危険な表面条件の場

合は回避することができなければならない。この機能は,意図した全ての運転条件を考慮に入れて,

6.1

に適合しなければならない。

6.3 

運転空間の制限 

図 に,生活支援ロボットの運転空間を構成する各種空間を図示する。

図 1−生活支援ロボットの運転空間 

リスク低減のために,運転空間の制限が必要となることがある。この制限は,特定領域内に生活支援ロ

ボットの動作を制限すること,又は,特定領域内へのロボットが侵入を防止することなどによって達成さ

れる。ここでの,特定領域は,

図 の各種空間に対する包含及び排除関係によって定義される(附属書 B

参照)


43

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ソフトウェアリミットを,最大定格荷重及び定格速度でのロボットの停止に作用可能という条件で,制

限空間の定義及び縮小の手段として用いてもよい。制限空間は,移動した停止距離を計算に入れて,予想

される実際の停止位置によって境界を引かれるものでなければならない。製造業者は使用上の情報に能力

を明記し,

この能力がサポートされていない場合は,

ソフトウェアリミットを無効にしなければならない。

ソフトウェアリミットに基づいて,関節及び空間制限機能を監視,及び実行する制御プログラムは 6.1

に適合し,権限をもつ人だけが変更できるようにしなければならない。ソフトウェアリミットが不正に変

更された場合は,安全状態を開始しなければならない。リミット違反中の動作は,6.4 に記載する安全関連

速度制御の下に置かなければならない。安全リミットの能動的設定及び構成は,構成の変更が簡単に分か

り,審査できるように,記録しなければならない(

表 参照)。

表 5−生活支援ロボットの活動空間制御機能に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

活動空間の制限(禁止

区域の回避を含む。

b

a)

d

b

d

a

d

N/A

e

a)

  禁止区域の回避は,PL d でなければならない。

6.4 

安全関連速度制御 

リスクアセスメントで,超過すると生活支援ロボットが危害を引き起こす可能性のある,安全関連速度

リミットを定めなければならない。これは,ロボットの接触可能な可動部のうち代表的な数点の速度を計

算することで行わなければならない。権限をもつ人だけが,許容最高速度を調整できるようにしなければ

ならない。

生活支援ロボットが実行するタスクによっては,ある状況のときに効力のある,幾つかの異なった速度

リミットが存在することがある。速度リミットを切り替える適切な方法は,リスクアセスメントで定めな

ければならない。

生活支援ロボットの速度は,可動部の速度が安全関連速度リミットを超えないように制御しなければな

らない。

安全関連速度制御を装備している場合は,障害(不具合)が発生した場合にマニピュレータのエンドエ

フェクタ及び他のロボット部品の速度が安全関連速度リミットを超えないように設計・製作し,障害(不

具合)が発生したときに安全状態にならなければならない。安全関連速度制御の性能は,6.1 に適合しなけ

ればならない(

表 参照)。

表 6−生活支援ロボットの安全関連速度制御に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

安全関連速度制御

b

d

b

b

b

d

c

e


44

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6.5 

安全関連環境認識 

6.5.1 

一般 

安全関連環境認識は,6.1 の要求事項に適合しなければならない。安全関連環境認識の目的は,次のとお

りである。

a) 

安全関連物体・安全関連障害物の検知  この機能は,危険な衝突を回避するために用いられなければ

ならない。検出される安全関連物体には,人,飼育動物,及び環境内の他の安全関連物体が含まれる

可能性がある(3.21.1 

注記参照)。物体検知装置を,安全関連障害物と生活支援ロボットとの間の許

容距離,又は接触力を保証するために用いなければならない。

b) 

移動表面検知  この機能は,移動表面の特性(例えば,滑らかさ,粗さ,硬さ)及び移動表面の幾何

学的形状[例えば,平たん(坦)

,勾配,階段,隙間]の検知を含み,不安定性に関連した危険源を回

避するために用いなければならない。

6.5.2 

物体検知 

6.5.2.1 

非接触検知 

非接触検知装置は,次の目的に使用する。

−  安全距離の保証

−  相対接近速度の低減

危険な衝突を回避し,要求された安全レベルを維持するために,次の要求事項を適用する。

a)

人を検知する必要がある場合,IEC 61496 の該当する部(パート)に従った電気的検知保護機器(ESPE)

を使用しなければならない。

b) ESPE

を主検知装置として使用する場合は,適切な運用上の信頼性がなければならず,かつ,取付け

は,生活支援ロボットのリスク見積りに基づいていなければならない。

c)

人以外の安全関連物体を検知する必要がある場合,ESPE 以外の非接触型検知機器を使用することが

できるが,そのような機器の検知能力及び信頼性は,リスクアセスメントで定める要求事項に適合す

るものでなければならない。

注記 1  IEC/TS 62046 に,保護機器の適用に関する手引が示されている。

最小距離の内側で一つ以上の安全関連物体を検知した場合は,次のいずれかによって,生活支援ロボッ

トを安全状態に至らせなければならない。

−  6.2.2.3 に従った保護停止の開始

−  6.4 に従った安全関連速度制御を用いた安全減速の開始

−  安全関連物体との離隔距離の保持

人の検知が必要な場合,最小距離は JIS B 9715 に従って決定しなければならない。

人以外の安全関連物体(飼育動物,壁,家具,最大空間の境界)の検知が必要な場合は,JIS B 9715 

式(2)[S=(K×T)+C]に従って離隔距離を決めなければならないが,式の侵入距離パラメータ“C”は削

除する。

非接触検知装置で,人の相対的接近速度に関する信頼できる情報が得られ,生活支援ロボットが,自分

と近付いてくる安全関連物体との間の,最悪ケースの相対速度を求めることができる場合,最小距離の計

算には,JIS B 9715 の式(2)の の代わりに,ここで求めた速度を使用することができる。非接触検知装置

のパフォーマンスレベルは,要求される安全機能のパフォーマンスレベルを下げるものであってはならな

い(

表 参照)。

注記 2  附属書 に,異なる方向に動いているが次の局面では衝突する可能性のある安全関連物体の,


45

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生活支援ロボットからの相対速度をどのように計算するかの典型的な例を示す。

表 7−生活支援ロボットの危険な衝突の回避に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

危険な衝突の回避

b

d

N/A

N/A

b

d

N/A

e

a)

a)

  制御システムは PL e に達しなければならないが,センシング機構ではこれに達しない可能性がある。この場

合,センサの決定論的原因故障によって生じるリスクは,合理的に実現可能な限りに低減しなければならな

い。

6.5.2.2 

接触検知 

人とロボットとの相互作用のタスクの多くには接触検知が必要である。このためには,ロボットは,ご

く小さな接触力でも間違いなく検知して,適切に反応しなければならない。必要ならば,接触検知は,次

の能力を確実なものにしなければならない。

a)

ロボットの構造全体(すなわち,関節のレベル)に沿って,接触を検知しなければならない。

b)

接触力は,リスクアセスメントで決めた適切な値に限定しなければならない。これらの値は,関連す

る規格及び出版物に記されている限度値に基づいて得ることが望ましい。

人の発見に用いる接触検知は,

ISO 13856

(規格群)

の該当する部の要求事項に適合しなければならない。

人以外の安全関連物体を検知しなければならない場合は,必要な検知能力及び信頼度はリスクアセスメン

トによって決めなければならない。

危険な衝撃の防止には,圧力検知保護機器(PSPE)

(例えば,感圧エッジ,バー,装置,バンパー,プ

レート,ワイヤ)を使用しなければならない。これらの接触検知装置は,生活支援ロボットの用途及びリ

スク見積りに従って,この細分個条に適合しなければならない。安全関連検知装置として使用する場合,

各要素は 6.1 に適合し,ISO 13856(規格群)に規定されているように取り付けなければならない。

6.5.3 

移動表面の検知 

移動表面の条件又は幾何学的形状に起因する機械的な不安定性の受容できないリスクがある場合,自律

移動能力のある生活支援ロボットは,不整移動表面,階段などの,安全関連表面形状及び条件を検知又は

検出する能力を備えていなければならない。

移動表面の形状及び移動条件の検出手段(オンボード又はオフボード)は,検知及び監視区域をロボッ

トが通過する能力があるかどうかを判断することができなければならない。

表面条件の検知性能は,生活支援ロボットがその機械的な安定性を維持するためだけでなく,6.2.3 の要

求事項に従って制動性能を評価するのにも十分なものでなければならない。

生活支援ロボットの環境内に,ロボットが確実に検知できるマーカー,タグ又は磁気テープが用意され

ている場合,そのマーカーなどは,ロボットが死角をもたないために十分な数及び位置で配置しなければ

ならない。

注記  移動表面検知機能の妥当性確認を行うためには,生活支援ロボットとその目的地との間に,様々

なタイプの安全関連障害物(すなわち,隙間,バンプ又は段差)を配置することが望ましい。

そうすることで,好ましくない表面条件を安全に回避できるか,又は立ち往生することなく安

全に停止することができるかどうかを検査することができる。


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6.6 

安定性制御 

生活支援ロボットは,意図した及び合理的に予見可能な全ての使用状況において,安定していなければ

ならない。安定性をもたらす機能の機能安全性能は,6.1 に適合しなければならない。6.1.4 又は 6.1.5 を適

用しないロボットは,

表 の PL 値を満たさなければならない。

表 8−生活支援ロボットの安定性制御に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

安定性制御(過負荷防
止を含む。

b

d

a)

N/A

c

b

d

a)

b

b)

d

a)

a)

  生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL e が必要となる。

b)

  生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL c が必要となる。

6.7 

安全関連力制御 

生活支援ロボットの任意の部分が人又は他の安全関連物体に及ぼす力は,力の限度のような最大安全接

触基準以内に制御されなければならない。

最大安全接触力・トルクに関する定量的要求事項は,人間工学的実験によって十分に吟味することが望

ましい。

安全関連物体との意図しない接触の間に加わる力のリミットは,

用途によって異なることがあり,

リスクアセスメントで決めなければならない。

安全関連力制御は,力のしきい値を超えることができないなどの安全状態にロボットを至らせる,安全

関連接触検知及び反応スキームによって達成しなければならない。

意図しない接触への反応は,少なくとも,次の要求事項を満たさなければならない。

a)

接触力が安全関連力リミット未満にとどまり続けるよう,十分に速く反応する。

b)

接触事象後,生活支援ロボットを安全状態に至らせる。

安全関連力制御装置の機能安全性能は,6.1 に適合しなければならない(

表 参照)。

表 9−生活支援ロボットの安全関連力制御に対するパフォーマンスレベル 

生活支援ロボットの

安全機能

ロボットのタイプ

移動作業型ロボット

身体アシストロボット

搭乗型ロボット

タイプ

1.1

タイプ

1.2

タイプ

2.1

タイプ

2.2

タイプ

2.3

タイプ

2.4

タイプ

3.1

タイプ

3.2

安定関連力制御

b

d

b

a)

e

b)

a

b

c)

N/A

N/A

a)

  リスクアセスメントで,ある特定の状況(気絶など)において,ユーザが生活支援ロボットの力を押さえる

ことができないおそれがあると示される場合は,ロボットが危害の発生を防ぐ本質的な制限をもっていない
限り,タイプ 2.2 の要求事項を適用しなければならない。

b)

  他の制御機能(例えば,活動空間又は速度の制御)でも同じリスクに対する保護が行われている場合,関連

する全ての機能がこのレベルに合わせて設計されているという条件で,PL d でよい。

c)

  衝突回避又は能動的な人の保持に力制御が用いられる場合は,PL d が必要となる。

6.8 

特異点保護 

特異点の近くを通過する動作は,高い軸速度を生じさせることがある。この高速度は予測できないもの


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であり,ユーザ,オペレータ及び環境内の人々へのリスクを誘発することがある。

特異点を通過する生活支援ロボットの動作には,次のうち一つ以上の方策を適用しなければならない。

a)

危険源を回避するために,特異点を通過する動作を制御する。

b)

ロボットは,経路計画の調整を行うなどによって,特異点を回避しなければならない。

c)

特異点通過,又は強調動作中の回避行動実行に先立って,ロボットの動作を停止して警告を出す。

6.9 

ユーザインタフェースの設計 

6.9.1 

一般 

操縦装置(例えば,ジョイスティック,オペレータ制御パネル,音声,ジェスチャー認識システム,そ

の他の手段)を使用して生活支援ロボットの機能を制御する場合,操縦中の適切な信頼性が備わっていな

ければならない。

操縦装置が生活支援ロボットとつな(繋)がれているかいないかにかかわらず,ロボットとの電気的接

続が危険源を引き起こすことがあってはならない。

操縦装置は,手動及び半自律のロボット制御モードのとき,個別又は複合のロボット機能に対する制御

を与えるものでなければならない。

6.9.2 

状態表示 

例えば,電源オン,

(現在の)運転モード,障害(不具合)が検出されたなど,操縦装置の状態は常に明

確に表示されなければならない。この状態は,オペレータの見やすい場所に表示することが望ましい。

遠隔制御の場合,各操縦装置は,どのユニットが生活支援ロボットのどの部分を制御しているのかを明

確に見分けられるようにしなければならない。遠隔制御システムは,次の部分にだけ影響するように設計・

製作しなければならない。

−  ロボットの関連部分

−  関連機能

6.9.3 

接続及び切断 

操縦装置の意図的かどうかを問わない接続,切断若しくは再接続時,又は操縦装置の接続に問題が発生

したときで,タスクの継続が受容できないリスクを招きかねない場合には,生活支援ロボットは保護停止

を実行しなければならない。

遠隔制御される生活支援ロボットは,意図した制御ユニットからの信号だけに応答するように設計・製

作しなければならない。

6.9.4 

複数ロボットに対する単一操縦装置 

1 台の操縦装置での,複数の生活支援ロボットの制御及び制御の切替が,ユーザ又は暴露されるあらゆ

る人に対して,いかなる危害も起こしてはならない。操縦装置は,1 台又は複数のロボットを個別に制御

しても,又は同時に制御してもよい。

どの生活支援ロボットが操縦装置の制御下にあるか,オペレータにとって明瞭に目視確認できなければ

ならない。制御対象の全てのロボットは,指令がロボットに送られる前に選択しなければならない。選択

されていないどのロボットも,予期しない起動が防止されなければならない。

6.9.5 

複数の操縦装置 

複数の操縦装置を使用する場合は,次を適用しなければならない。

a)

動作中の操縦装置を見分けるための,明確な表示をする。

b)

生活支援ロボットの各機能は,保護停止及び非常停止機能を除き,常に 1 台の操縦装置だけで制御で

きる。マルチモーダルな単一ユーザインタフェースの場合(例えば,音声及びジェスチャーの同時認


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識)は,マルチモーダルの通信インタフェースを 1 台の操縦装置とみなしてもよい。

c)

複数の指令が衝突することで生じる危険源を防止するための方策を適用する。

d)

ある操縦装置から別の操縦装置への切替が受容できないリスクの原因になってはならない。

e)

(複数の)別々の機能が異なる(複数の)操縦装置から起動される場合,制御システムは,オペレー

タが(それらの機能)相互に,又は他の安全関連物体に危害を生じることのないように設計する。

f)

ある操縦装置から別の操縦装置に制御を移す前に,明示的な切替動作が必要なようにする。

注記  これには,動作中の操縦装置が一つもなく(例えば,生活支援ロボットが安全状態にあると

き)

,どの操縦装置でも制御を引き継ぐことができるようになっているような状況が含まれる。

g)

適切な場合,現在どの操縦装置が動作中でどの装置がそうでないか,全ての操縦装置に明確に表示す

る。

6.9.6 

無線又は着脱式操縦装置 

生活支援ロボットの運転に,一つ以上の無線又は着脱式操縦装置が利用可能である場合は,次を適用し

なければならない。

a)

通信喪失の場合,又は正しい制御信号が受信できないとき,そのような装置で制御されているロボッ

トは,タスクの継続が受容できないリスクを招く可能性があれば,保護停止になるようにする。

b)

必要に応じて,

データ通信

(エラー補正を含む。

及び通信喪失に対する最大応答時間を考慮に入れて,

全体的な停止性能(時間)を計算し,それを使用上の情報に明記する。

c)

非常停止(手段)が統合されている操縦装置では,動作中とそうでない操縦装置との混同を避ける手

段を設ける(例えば,動作していない操縦装置を適切な場所に格納する。

6.9.7 

不正使用の防止 

必要ならば,たとえ遠隔アクセスを介したものであっても,制御機器の不正使用又はパラメータ変更を

防止する手段を講じなければならない。リスクアセスメントで決められる,不正使用を防止するための手

段(パスワード保護など)を講じなければならない。例えば,意図されていない生活支援ロボットの起動

又は作動を回避するための,キーカード及び指紋認識装置のような不正防止方法の採用。製造業者は,異

なるユーザに対して異なる権限レベルを与えることを検討することが望ましい。

6.10 

運転モード 

6.10.1 

一般 

生活支援ロボットは,一度に一つの決められたモードで運転するように設計しなければならない。リス

クアセスメントで,二つのモード間の切替えが危険源となる可能性があると示された場合,ロボットは,

そのモード切替えの直前に保護停止を実行しなければならない。モードの選択は明瞭に示し,それ自身は

ロボットの動作又は他の危険源を開始することがあってはならない。

全ての運転モードで,どの安全機能が動作中か,及び特にどの安全機能が無効になっているかを明確に

しなければならない。モード間を切替えたとき,

(それまで)一時停止されていた安全機能は,その機能を

完全に復帰しなければならない。安全関連目的で装備されている場合,運転モード選択機能は 6.1 の要求

事項に適合しなければならない。

表 10 に,生活支援ロボットの運転モードの主要特性を示す。


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表 10−生活支援ロボットの運転モードの特性 

特性

運転モード

自律モード

半自律モード

手動モード

保守モード

動作の開始

ロボット又はユーザ
による。

ユーザによる。

ユーザによる。

権 限 の あ る 人 に よ
る。

人の介入の頻度

一度・まれ

高頻度

常時

常時

人による監督の度合い  なし・極めて低い

低い∼高い

高い

高い

タスクの例

移動作業型ロボット
が物を取りに行き,

運んでくるタスク

自律のナビゲーショ
ン能力をもつ搭乗型

ロボット。人が速度

及び方向を優先的に
変更できる。

教示,遠隔操作, 
プログラミング及び

プログラム検証

保守

ユーザの制限

なし

なし

なし

キーロック又はパス
ワード保護が必要

6.10.2 

自律モード 

この運転モードでは,生活支援ロボットは自動的又は自律的に動く。リスクアセスメントで定めた自律

モードに求められる安全機能が動作していなければならない。

6.10.3 

手動モード 

手動モードは,生活支援ロボットが人の介入によって運転されることを可能にするものでなければなら

ない。このモードは,ロボットの教示,遠隔操作,プログラミング,及びプログラム検証に使うことがで

きる。使用上の情報は,適切な取扱説明,手動のナビゲーション及び手引での運転が実行されることの警

告を含んでいなければならない。

リスクアセスメントを実施して,手動モードでは,ある危険源を軽減する上でどの安全防護策及び保護

方策を作動させればよいかを決定しなければならない。

6.10.4 

半自律モード 

半自律モードは,ユーザに生活支援ロボットの機能をオーバライド又は変更,例えば,操だ(舵)

,ハン

ドガイド及びロボットがそのタスクプログラムを実行中に,人とロボットとが相互作用するタスクなどを

行うことを許すものでなければならない。半自律モードでは,自律的衝突回避機能などのように,自律的

プロセスが手動操作をオーバライドすることもある。半自律モードに付随する危険源は,特にどのように

介入を開始するかに焦点を絞って,リスクアセスメントで決定しなければならない。

自律プロセスが手動操作をオーバライドするとき,生活支援ロボットは,オペレータに対してオーバラ

イド状況の目立つ表示をしなければならない。オーバライドの表示(例えば,可視光,可聴音,振動)は,

オペレータが容易に認識できるように設計しなければならない。

注記  身体アシストロボットによるパワーアシストは,オーバライドとはみなされないが,人間のオ

ペレータがアクセルを踏んでいるときの,衝突回避のための自律的ブレーキは,オーバライド

とみなされる。

自律プロセス及び手動操作の優先順位は,リスクアセスメントで決めなければならない。

6.10.5 

保守モード 

保守作業のために,ガードの位置をずらすか若しくはガードを取り外すか,又は保護装置を無効にした

状態で生活支援ロボットを運転する必要がある場合は,保守モードを設けておかなければならない。この

モードに入ったとき,モードセレクタは同時に,次のことをしなければならない。


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a)

他の全ての制御又は運転モードを無効にする。

b)

危険な機能の稼働を,持続的な動作を必要とする制御装置(ホールドトゥラン)だけに許可する。

c)

危険な機能の稼働を,低減リスク条件(例えば,低速,低力)だけに許可し,関係した一連の(作業)

手順からの危険源を防止する。

d)

ロボットのセンサへの故意又は過失の行為による,危険な機能の稼働を防止する。

保守モードへ入ることは,このモードだけにロックし,また,このモードしか有効にできないようにな

っている適切な手段だけで可能でなければならない。これには,例えば,キー操作スイッチ,又は同等の

安全性を提供する別の手段(パスワードアクセスなど)がある。

さらに,オペレータはいかなる可動部も,生活支援ロボットにケーブルなどでつな(繋)がっているか

又は直接取り付けられている駆動制御機器若しくは操縦装置によってだけ制御しなければならない。ロボ

ットがこのモードのときは,遠隔制御機器(6.9.2 及び 6.9.3 参照)又は無線・着脱式操縦装置(6.9.6 参照)

を使用してはならない。このモードで操作する,つな(繋)がっている制御機器のケーブル長さは,リス

クアセスメントで必要とされた場合,ロボットの長さ,幅又は高さのうちの最長のものを超えてはならな

い。

ガードを取り外すか又は安全機能を無効にしての運転中に上記 a)d)  の条件のいずれかが無効になる

場合,生活支援ロボットは 6.2.2.3 に従って保護停止を開始させなければならない。

注記  生活支援ロボットを,動作を規制するジグに固定することで,ロボットを保守モードに切り替

えなくても保守が可能になる。

6.11 

手動制御装置 

6.11.1 

一般 

操縦装置が,動力又は動作を開始させる(複数の)手動制御装置で実現されている場合,それら(手動

制御装置)は,6.9.26.9.6 に示す性能基準を満たすように設計・製作しなければならない。

6.11.2 

状態表示 

電源オン,

(現在の)運転モード,障害(不具合)が検出されたなど,手動制御装置の状態は,常に明確

に表示されなければならない。この状態は,オペレータの見やすい場所に表示することが望ましい。

遠隔制御の場合,各操縦装置は,どのユニットが生活支援ロボットのどの部分を制御しているのかを明

確に見分けられるようにしなければならない。遠隔制御システムは,次の部分にだけ影響するように設計・

製作しなければならない。

−  ロボットの当該部分

−  当該機能

表示器ランプを使用する場合,そのランプは,設置場所に関して人間工学的な設計原則を満たし,また,

その色は JIS B 9960-1 の要求事項を満たさなければならない。

6.11.3 

ラベル表示 

手動制御装置は,ISO 7000 に従って,機能を明確に示すラベル表示をしなければならない。

6.11.4 

意図しない運転からの防護 

手動制御装置は,次の手段によって,意図しない運転を防止するように設計・製作しなければならない。

a)

生活支援ロボットが手動制御又は遠隔制御下にある場合,ロボットの動作の開始又はローカル制御の

選択変更は,一つの制御元からだけ実行できる。

b)

ガード付き押しボタン,タッチパネル上の操作シーケンス,キーセレクタスイッチなど,適切に設計

された手動制御装置を使用する。


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c)

偶発的な接触を防止するための,手動制御装置を適切に配置する。

d)

必要に応じて,異なるアクセスレベルを用いて,意図しない操作又は設定変更を防止する。

注記  アクセスを“人に対して”だけでなく,“役割に対して”与えることで,熟練オペレータは日

常業務ではアクセスが制限されたユーザアカウントを使用し,必要なときだけ,特権アカウ

ントに切り替えることができる。

検証及び妥当性確認 

リスク低減プロセスの後,ロボットの安全に関係する生活支援ロボットの全ての性能値を検証し,妥当

性を確認しなければならない。これには,箇条 に規定する要求事項に関する制御システムの性能を含め

なければならない。

全ての安全要求事項は,適切な規格に従って検証しなければならない。

5.1

に規定した検証及び妥当性確認方法の詳細を,次に示す。

−  A

(検査)  特殊な点検機器を使用せずに人間の五感を用いて,生活支援ロボット又は機器及び構造物

の状態を点検する。点検は,通常,ロボットを運転していないときに視覚的又は聴覚的に実施する。

−  B

(実地試験)  通常及び異常条件下で,生活支援ロボット又はその機器の試験を行う。試験は,機能

試験(例えば,欠陥注入試験)

,繰返し試験(例えば,耐久性試験)

,性能試験(例えば,制動性能試

験)である。

−  C

(測定)  生活支援ロボット各部の実測値と仕様限度値とを比較する。

−  D

(運転中の観察)  通常条件及び異常条件,例えば,定格荷重,過負荷状態,衝撃条件下などの条件

下で運転中に,生活支援ロボット又はその機器の機能を(方法 A と同様に)点検する。

−  E

(回路図の精査)  回路の設計(例えば,電気,空圧,油圧)及び関連仕様を組織的にレビュー又は

実地検証する。

−  F

(ソフトウェアの精査)  ソフトウェアコード及び関連仕様を組織的にレビュー又は実地検証する。

この後に,コードの点検又はソフトウェアコードの試験を続けることが望ましい。

−  G

(タスクに基づいたリスクアセスメントのレビュー)  リスク分析,リスク見積り及び関連文書類を

組織的にレビュー又は実地検証する。

−  H

(配置図及び関連文書の精査)  配置図の設計及び関連文書類を組織的にレビュー又は実地検証する。

使用上の情報 

8.1 

一般 

使用上の情報は,生活支援ロボットの正しい使用方法に関する情報で構成する。ユーザ向けだけに限ら

ず要員向けを加えてもよい。

この規格が要求する取扱説明及びその他のテキストは,その生活支援ロボットを販売先の国の公用語で

記載しなければならない。

マーキング,記号及び警告文は,特にロボットの機能に関する部分は,すぐに理解できる明確なもので

なければならない。すぐに理解できる標識(絵文字)を,警告文よりも優先的に使用することが望ましい。

標識及び絵文字は,その生活支援ロボットを販売する文化圏で理解できる場合に限り使用するのがよい。

生活支援ロボットの典型的な環境では,全てのユーザが取扱説明書を読んだり,又は聴覚的若しくは視

覚的な警告サインに気付き,理解することができるとは限らないという事実には注意が必要である。これ

には,次のような状況及びユーザグループが含まれるが,これらだけに限らない。


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a)

子供,高齢者,知的障害者

b)

動物

c)

私有地での客・訪問者

d)

公共の場における,ロボット近傍の第三者

使用上の情報があるグループの人には利用可能でないことが予想できる場合,このことが原因で更にリ

スクが増えることになってはならない。

この規格で要求するマーキングは,明瞭に判読可能で,耐久性のあるものでなければならない。

注記  マーキングの耐久性を検討するときは,通常の使い方の影響を考慮する。例えば,頻繁に掃除

することの多い容器の上に,ガラス状エナメル(ほうろう)以外の塗料又はエナメルで書かれ

たマーキングは,耐久性があるとはみなされない。

8.2

に規定する情報を除いて,その生活支援ロボットが販売される地域で簡単に利用可能である限り,使

用上の情報は印刷物だけではなく,電子媒体でも供給することができる。

8.2 

マーキング又は表示 

生活支援ロボット上のマーキングは,ロボットの外側から,又は必要ならば,カバーを取り外した後も,

明瞭に見分けることができなければならない。

少なくとも製造業者又は責任あるサプライヤの名称又は商標若しくは識別記号,及びモデル名又は型番

が,生活支援ロボットの通常使用において目に入るようでなければならない。ロボットが建物又は別の枠

組み(家具など)と一体化される場合,この要求事項は,生活支援ロボット及び一緒に提供される取扱説

明に従ってロボットを設置した後に適用する。

スイッチ及び制御装置類は,混同しないように明確にマーキングしなければならない。

生活支援ロボットには,次の識別表示をマーキングしなければならない。

−  製造業者名,所在地及び必要に応じて代表者名

−  生活支援ロボットのタイプ・名称

−  該当する場合,法的に必要なマーキング

−  生活支援ロボットのシリーズ又はタイプの名称

−  ある場合,製造番号

−  製造年,すなわち,製造プロセスが完了した年

次の技術情報は,生活支援ロボットの主要部にマーキングしなければならない。

−  定格電圧又は電圧の定格範囲

−  定格周波数を表示しない場合は,電源の性質を表す記号

−  ワット表示の定格入力,又はアンペア表示の定格電流

− IP

X0 以外の,水の浸入に対する保護等級に従った IP 等級

−  クラス II 構造(JIS C 9335-1 に定義)の生活支援ロボットについては,IEC 60417-5172(2003-02)の

記号

−  クラス III 構造(JIS C 9335-1 に定義)の生活支援ロボットについては,IEC 60417-5180(2003-02)の

記号。このマーキングは,電池でしか作動しない生活支援ロボットの場合は不要である(一次電池又

は,生活支援ロボットの外部で充電する二次電池)

−  生活支援ロボット自体及び着脱式部品が 10 kg を超える場合はその質量(単位:キログラム)

物理量の単位及びその記号は,国際単位系(SI)に従わなければならない。

定格電圧範囲をもち,その範囲全体で調整なしに運転できる生活支援ロボットは,電気定格範囲の下限


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及び上限を表記しなければならない。

異なる定格電圧値をもち,使用するためにはユーザ又は設置者が特定の値に調整する必要のある生活支

援ロボットは,それらの異なる値を表記しなければならない。

複数の定格電圧をもつか,又は一つ以上の定格電圧範囲がある生活支援ロボットの場合は,それぞれの

電圧若しくは範囲に対する定格入力又は定格電流を表記しなければならない。ただし,定格電圧範囲の限

度値の差が,範囲の算術平均の 10 %を超えない場合は,定格入力又は定格電流のマーキングを範囲の算術

平均としてもよい。定格入力又は定格電流の上限及び下限は,入力と電圧との関係が明確になるように生

活支援ロボット上に表記しなければならない。

マーキングに記号を使用する場合,記号は IEC 60417JIS B 9960-1 又は ISO 7010 の要求事項に適合し

なければならない。幾つかの例を,

附属書 に示す。

注記 1  これらの規格の間で,その意味に関して幾つか不一致な点があることが分かっている。例え

ば,記号 IEC 60417-5007 (DB:2002-10)  は“オン”

(電源)の意味だけなのに対して,これと

同じ記号が JIS B 9960-1 では,

“スタート又はオン”の意味になっている。

スイッチのマーキングの場合,電源に接続される生活支援ロボット上の異なる(スイッチの)位置及び

全ての生活支援ロボット上の制御機器の異なる(スイッチの)位置を数字,文字又は他の視認手段で示さ

なければならない。この要求事項は,操縦装置の一部であるスイッチにも適用する。

数字を用いて異なる位置を示す場合,オフ位置は数字の“0”で,より高い値(例えば,出力,入力,速

度,冷却効果)の位置は,より大きい文字で示さなければならない。

文字の“O”は,オフ位置の表示と混同されないように,別の数字に付随して配置されるのでない限り,

他のどの表示にも使用してはならない。

信号及び警告装置の場合,差し迫った危険事象(例えば,生活支援ロボットの起動,速度超過)の警告

には,視覚的信号(フラッシュライトなど)及び可聴信号(サイレンなど)を使用するとよい。このよう

な信号を,自動保護方策の起動前にオペレータに警告するために使用するのもよい。

これらの信号は,次によらなければならない。

a)

明瞭で,使用されている他の信号全てと明確に区別できる。

b)

オペレータ及びその他の人が明確に認識できる。

警告装置は,点検が容易なように設計し,配置しなければならない。使用上の情報には,適宜,警告装

置の定期点検を行うように規定しなければならない。

設計者は,信号の数が多すぎることの結果として,警告装置の有効性を無にするような混乱の元になる

ことがある,

“ユーザの過重負担”の可能性に注意する。

注記 2  しばしば,ユーザとの話し合いが必要である。

交換式保護装置の場合,この規格への適合が交換式温度ヒューズ又は電力ヒューズの作動に依存してい

る場合,ヒューズを識別するための参照番号又はその他の手段を,生活支援ロボットをヒューズ交換に必

要な程度まで分解したときに,明瞭に見てとれる位置に表記しなければならない。

注記 3  ヒューズが切れた後でもマーキングが読み取れるのであれば,ヒューズ上へのマーキングが

許される。

この要求事項は,生活支援ロボットの一部と一緒にしか交換のできないヒューズには適用しない。

8.3 

ユーザマニュアル 

ユーザマニュアルは,意図したとおりに使用され得るように,生活支援ロボットとともに提供しなけれ

ばならない。ユーザマニュアルには,特に,次の事項を含めなければならない。


54

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a)

生活支援ロボットの詳細記述

b)

生活支援ロボットの意図した,包括的な用途の範囲。該当する場合,場合によって元の生活支援ロボ

ットのバリエーションを考慮に入れた,禁止用法を含む。

c)

操縦装置

d)

設定及び調整

e)

モード及び停止手段(特に非常停止)

f)

特定の機能によって,又は特定の結合金具の使用によって生じることのある,残存リスクを含めた特

定のリスク及びそのような機能に対して必要な特有の安全防護策

g)

合理的に予見可能な誤使用,及び子供が生活支援ロボットで遊ぶというような禁止された用途

h)

介入後のリセット及び再起動のための障害(不具合)の特定及び障害(不具合)箇所

i)

事故又は故障時に従うべき操作方法

注記  通常使用において視認できる限り,使用説明を生活支援ロボット上に表示してもよい。

ユーザによる保守中において注意する必要がある場合は,適切な詳細を示さなければならない。

ユーザが交換するように意図した電池を内蔵している生活支援ロボットの取扱説明は,次の事項を含ん

でいなければならない。

−  電池の形式記号

−  正しい充電手順及び機器

−  電池の交換方法

−  使用済電池の安全な処分方法の詳細

−  非充電式電池の使用に対する警告

−  電池の酷使に対する警告(例えば,リチウム電池の過放電)

−  漏液のある電池への対処法

生活支援ロボットの設置中において注意する必要がある場合は,適切な詳細を示さなければならない。

設置を要員だけが実施するように意図されている場合,その情報をサービスマニュアルに記載しなければ

ならない。

使用説明は,生活支援ロボットの輸送,取扱い及び保管に関して,例えば,次の情報を含んでいなけれ

ばならない。

−  質量の値及び重心の位置

−  取扱いのための表示[例えば,機器をつ(吊)り上げるときの作用点を示す図面]

−  保管のための環境条件

生活支援ロボットの解体,無効化及び廃棄に関する情報を提供しなければならない。

8.4 

サービスマニュアル 

サービスマニュアルには,一定の技術知識又は特別な技能を必要とするために,技能者(

例  保守スタ

ッフ,専門家)だけが実施する必要のある,生活支援ロボットの保守・再供給に関する説明を含めなけれ

ばならない。

技能者向けの保守説明と非技能者向けの保守説明とは,明確に区別する必要がある。

保守説明は,生活支援ロボットの安全性,品質及び機能性を同水準に維持するための十分な情報を含ん

でいなければならない。

生活支援ロボットと併せて提供する情報には,必要な場合,次の事項を含めなければならない。

a)

機器,設置,取付け及び動力装置・補給源との接続に関する明確で包括的な記述


55

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

b)

動力装置の要求事項

c)

必要に応じて,物理的環境に関する情報(例えば,照明,振動,騒音レベル,大気汚染物)

d)

次に関する情報(必要な場合)

−  生活支援ロボットの設定,使用又は保守に必要なプログラミング

−  運転手順

−  点検の頻度

−  機能試験の頻度及び方法

−  特に保護装置及び回路の調整,保守及び修理に関する手引

−  推奨する補給部品のリスト

−  供給した工具のリスト

e)

特に,協調運転する複数の生活支援ロボットの場合の,安全防護,インタロック機能,及び危険源に

対するガードのインタロックの記述(相互接続図を含む。

f)

安全防護策及び安全防護策を中断する必要がある場合(例えば,設定,保守)のために設けられてい

る手段の記述

g)

安全な保守のためにロボットを固定する手順に関する説明

h)

適宜,負荷電流,ピーク起動電流及び許容電圧降下に関する情報

i)

採用した保護方策による残存リスクに関する情報


56

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

附属書 A

(参考)

生活支援ロボットの重要危険源のリスト

リスクアセスメントを実施するときの必須のステップの一つは,JIS B 9700 に規定されているように,

危険源同定分析である。

この分析形態は,システム又は機械を原因として引き起こされることのある潜在的危険源を,一般仕様

の一部の側面に基づいて同定する系統的手順である。系統的手順には,機能仕様又はインタフェース,及

び開発済類似製品で経験した危険源の分析が必要になることがあるが,一般的な危険源のタイプの包括的

セット・リストを使用してもよい。

生活支援ロボットに見込まれる用途が広範囲に及ぶことから,関連する危険源を包括的に網羅して示す

ことができる危険源のリストを一部に(まとめて)作ることは実際的でない。しかしながら,その結果か

ら,全ての用途に当てはまる危険源の最低限のリストを提供することは可能である。

この規格で対象とする全ての生活支援ロボットについて,あらゆる既知の危険源同定の実行で列挙する

最低限の範囲の推奨として,

表 A.1 に結合したリストを示す。個別の危険源同定手法の結果は,該当する

リストと比較することが望ましく,結果がリストの中の一連の危険源を網羅していないことが明らかにな

ったら,危険源同定結果を拡張又は拡大して,残りの危険源を網羅するようにするとよい。

表 A.1−生活支援ロボットの危険源 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

1.

電 池 充 電 の 危

険源,

エ ネ ル ギ ー の
蓄 積 及 び 供 給

の危険源

電池の過負荷

火災,危険な煙又は物質

の放出

5.2 

2.

過放電した電池の充電

火災,危険な煙又は物質

の放出

5.2 

3.

電池活端子との接触

感電

5.2 

4.

電池の短絡

火災,危険な煙又は物質

の放出

5.2 

5.

エ ネ ル ギ ー の

蓄 積 及 び 供 給
の危険源

高い電気エネルギー源と

の危険な接触

感電,やけど

5.3.1 

6.

障害(不具合)条件下で
電気構成部品・部品が帯

電部となること

感電

5.3.1 

7.

高い機械的エネルギー源

との危険な接触

押し潰し,切断,閉込み,

やけど

5.3.1 

高エネルギーの機械部品

には,回転・高速な可動

部,高圧の水圧又は空圧,
燃料燃焼サブアセンブリ

を含む。

8.

高い空圧エネルギー源と

の危険な接触

押し潰し,切断,閉込み,

噴射

5.3.1 


57

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

9.

エ ネ ル ギ ー の

蓄 積 及 び 供 給

の危険源

高い油圧エネルギー源と

の危険な接触

押し潰し,切断,閉込み,

噴射

5.3.1 

10.

高い化学エネルギー源と

の危険な接触

やけど,炎症

5.3.1 

11.

高温・高熱エネルギー源

との危険な接触

やけど

5.3.1 

12.

貯蔵エネルギーの制御さ
れない解放(急激な放出,

爆発)

火災,やけど,押し潰し,
突き刺し,切断

5.3.2 

貯蔵エネルギーは,空圧
及び油圧の蓄圧器,コン

デンサ,電池,ばね,釣

合いおもり,フライホイ
ールなどの中で発生する

ことがある。

13.

動力故障

押し潰し,閉込み,負荷

の落下,暴走

5.3.3 

14.

意図しない運転停止

押し潰し,閉込み,負荷

の落下

5.3.3 

15.

電力過負荷

火災

5.3.3 

16.

部分的動力故障(部分停

電)

その他の危険源

5.3.3 

17.

危険な静電放電

感電

5.5.1 

18.  ロ ボ ッ ト の 起

動 に よ る 危 険

意図しない・予期しない

起動

その他の危険源

5.4 

19.

起動時又は再起動時にと

る危険な動作

その他の危険源

5.4 

20.  ロ ボ ッ ト 形 状

による危険源

鋭利な端部

切断,断裂,突き刺し,
擦過

5.6 

21.

可動部間の穴又は隙間

押し潰し,閉込み,挟ま
れ,切断,断裂,擦過

5.6 

22.

部品の危険な脱離・落下

押し潰し,閉込み

5.6 

23.

衝突時に危険なロボット
外形形状

衝撃傷害,押し潰し,閉
込み,切断

5.6 

24.  騒 音 に よ る 危

険源

有害な音響ノイズレベル

難聴,ストレス,不快感,

失調,意識低下

5.7.1 

25.

ロボットの有害な超音波

放射

難聴,ストレス,不快感,

失調,意識低下

5.7.1 

26.  認 知 不 足 に よ

る危険源

騒音が小さい又は無音の

運転

人との衝突(衝撃傷害を

引き起こす)

,又はその他

の安全関連障害物との衝

5.14 

この危険源は,もし生活

支援ロボットのユーザに
聴覚障害がある場合,ロ

ボットがたとえ騒音を立

てていても気付かないと
いう可能性について検討

することが望ましい。

人間装着型身体アシスト
ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な

い。


58

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

27.  有害な振動

有害な振動レベル

けん(腱)の炎症,腰痛,

不快感,神経症,関節炎,

乗物酔い,及びその他の
振動関連の傷害

5.7.2 

28.

振動による,ディスプレ

イの読み取りやすさの低

ユ ー ザ の 正 し く な い 行

動,又はユーザが制御を

失うことで生じる有害な
事象

5.7.2 

29.  有 害 物 質 及 び

流動体

生活支援ロボットから放
出された有害物質,流動

体(作動油など)との接

やけど,炎症,感作

5.7.3 

30.

生活支援ロボットの放出
する揮発性溶媒,煙

感作,炎症,窒息,失明

5.7.3 

31.

ロボット表面との接触に
よるアレルギー反応

炎症,感作

5.7.3 

32.  危 険 な 環 境 条

高いレベルのじんあい

火災,その他の危険源

5.15 

次のようなところで生活

支援ロボットを運転する

意図がある場合に検討す
る。

−  家庭内環境

−  大量の粉体又は細か

い粒状物質があると

ころ(キッチンなど)

−  ロボットの保守点検

の間隔を長期間とっ

て運転するように意

図されている場合

33.

鋭利な端部を形成するす

りそ(剝)がれた表面,
不安全な姿勢・配置の原

因となる可動部のジャミ

ング,衝突の原因となる
制動性能の低下

5.15 

生活支援ロボットを屋外

環境で運転するように意
図されている場合に検討

する。

34.

生活支援ロボットの雪,

氷などへの暴露

可動部のジャミング,短

絡危険源,センサの干渉

による正しくない動作,
その他の危険源

5.15 

生活支援ロボットを冬の

環境又は寒帯で運転する

ように意図されている場
合に検討する。

35.

生活支援ロボットの水,
水蒸気への暴露

機能不良,火災,出力低
下の原因となる短絡

5.15 

生 活 支 援 ロ ボ ッ ト を 大
洋,海又は他の塩水域近

くの屋外環境(又はボー

ト上若しくは船上)で運
転するように意図されて

いる場合に検討する。


59

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

36.  危 険 な 環 境 条

ロボットの塩水環境又は

塩水噴霧(例えば,海洋

又は海岸環境)への暴露

構造故障,その他,腐食

誘起機能故障を原因とす

る危険源,電池・動力装
置の故障,短絡の危険源

5.15 

生 活 支 援 ロ ボ ッ ト を 大

洋,海又は他の塩水域近

くの屋外環境(又はボー
ト上若しくは船上)で運

転するように意図されて

いる場合に検討する。

37.  極端な温度

高温表面

やけど,ストレス,不快

5.7.4 

38.

低温表面

やけど,凍そう(瘡)

,ス

トレス,不快感

5.7.4 

39.

ディスプレイの読み取り

やすさの低下

正しくないユーザの行動

又はユーザが制御を失う

ことによって生じる有害
事象

5.7.4 

40.  有 害 な 非 電 離

放射

ロボットが有害な非コヒ
ーレント光線(レーザ)

を発する。

やけど,眼の外傷

5.7.5 

41.

ロボットが有害なコヒー

レント光線(レーザ)を
発する。

眼の外傷(盲点,全盲)

5.7.5 

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な
い。

42.

ロボットが有害なレベル
の EMI を発する。

医療インプラント・装置
への有害な作用,外部の

機械,電子装置への有害

な作用,インフラ制御シ
ステム(例えば,輸送,

配電,照明システム,電

気通信)への有害な作用

この規格の
対象外。関

連要求事項

については
EMC 規 格
(例えば,

IEC 61000

規格群)を

参照

43.  有 害 な 電 離 放

射線

ロボットが有害なレベル

の電離放射線を発する。

放射線病,生殖機能への

影響,突然変異

5.7.6 

電離放射線源は,ロボッ

ト の 意 図 し た 用 途 に 対
し,代用可能なものがな

い限り,生活支援ロボッ

トには使用しないことが
望ましい。

電離放射線の使用につい

ては全て,個別なリスク
アセスメントを受けるこ

とが望ましい。

44.  EMI・EMC の

危険源

外部からの EMI による安

全機能の喪失

機能ごとに定義

5.8 

生活支援ロボットの全て

の安全機能について検討

する。


60

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

45.  EMI・EMC の

危険源

外部からの EMI に誘発さ

れた,機能の偶発的な作

機能ごとに定義

5.8 

生活支援ロボットの全て

の機能(アプリケーショ

ン・サービス機能及び安
全機能の両方)について

検討する。

結果及び影響を受ける領
域は,機能的危険源分析

(番号 78.参照)によって
決めたとおりにする。

46.

外部からの EMI に誘発さ
れた,生活支援ロボット

の危険な動作(例えば,

暴走,意図しないアーム
の動き)

押し潰し,閉込み,衝撃,
衝突,切断,断裂

5.8 

47.

外部からの EMI に誘発さ
れた,安全ではないロボ

ットの状態

押し潰し,閉込み,衝撃,
切断,断裂,火災,やけ

5.8 

48.  ストレス,姿勢

及 び 使 用 法 に
よる危険源

ロボットの運転に要求さ

れる無理な姿勢

筋骨格の不調

5.9.2 

49.

身体的不快感の原因とな

る運転環境

過労,筋肉硬直

5.9.2 

過労は,不快なレベルの

音・騒音,光,熱,又は
その他の要素への恒常的

暴 露 が 原 因 の こ と が あ

る。

50.

ユーザの身体サイズに対
する正しくない思い込み

無理な姿勢,ユーザの疲
労,筋肉傷害・不調

5.9 

51.

貧弱なユーザインタフェ
ース設計,表示器及び画

像指示器の位置

ユーザの生活支援ロボッ
トへの誤解による不快感

5.9.3 

52.

危険な状況でのユーザの

反応遅れ

5.9.3 

ユーザインタフェースを

介してユーザにタイムリ
ーな操作を要求する,全

ての安全機能について検

討する。

53.

誤検知によってアラーム

が多すぎて,ユーザにア
ラームの無視,スイッチ

オ フ の 行 動 を 引 き 起 こ

し,そのためにアラーム
信号への対応不履行へつ

な(繋)がる。

5.9.3 

54.

制御と表示との関係が分

かりにくく,そのために
ユーザの反応が誤った・

適切なものとなる。

5.9.3 

ユーザの体調が悪化して

いる場合は,ユーザの能
力が変化することにも配

慮しなければならない。


61

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

55.  ストレス,姿勢

及 び 使 用 法 に

よる危険源

生活支援ロボットの貧弱

な視認性

ヒューマンエラーの結果

として,その他の危険源

が発生

5.9 

56.  ロ ボ ッ ト の 動

作 に よ る 危 険

機械的な不安定性(転倒,
転落,過度の傾き)

押し潰し,閉込み,負荷
の落下

5.10.2 

57.

機械的な不安定性−荷重
取扱中の転倒

押し潰し,閉込み,負荷
の落下

5.10.2 

58.

移動の不安定性−基本の

行動パターンでの横転

押し潰し,閉込み,切断・

断裂,負荷の落下

5.10.3 

基本の行動パターンは,

次のものを含む。

−  前進・後退移動 
−  回転

−  ターン・U ターン

−  加速 
−  減速

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な
い。

59.

移動の不安定性−基本の

行動パターンでの暴走

衝突,負荷の落下,環境

の損傷

5.10.3 

60.

移動の不安定性−搭乗者
の位置が悪いことによる

横転

押し潰し,閉込み,切断・
断裂,負荷の落下

5.10.3 

搭乗型ロボットにだけ適

61.

負荷運搬中の不安定性−

タスク実行中に安全関連
物体が転落又は落下

環境の損傷,有害物質の

放出,やけど(高温流体
の場合)

,切断・断裂(鋭

利な物体の場合)

5.10.4 

62.

衝突時の不安定性−衝突

後の横転又は転倒

押し潰し,閉込み,切断・

断裂,負荷の落下

5.10.5 

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な

い。

63.

衝突時の不安定性−衝突
後の暴走

衝突,負荷の落下,環境
の損傷

5.10.5 

人間装着型身体アシスト
ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な

い。

64.

衝突後の本体部品の脱落

押し潰し,閉込み

5.10.5 

65.

人間装着型身体アシスト

ロボット装着中の不安定

押し潰し,閉込み,衝撃

傷害

5.10.6 

人間装着型身体アシスト

ロボットにだけ適用

66.

人間装着型身体アシスト

ロボット取外し中の不安
定性

押し潰し,閉込み,

5.10.6 

人間装着型身体アシスト

ロボットにだけ適用

67.

搭乗者乗降時の横転

搭乗者が転落し,傷害,

押し潰し,閉込みを被る。

5.10.7 

搭乗型ロボットにだけ適

68.

搭乗者乗降時の暴走

搭乗者が転落し,傷害,

押し潰し,閉込みを被る。

5.10.7 

搭乗型ロボットにだけ適


62

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

69.  安 全 関 連 障 害

物との衝突

安全関連物体との衝突

鈍的外傷,切断・断裂

5.10.8 

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な

い。

70.

飼育動物との衝突

動物の死傷 
 
パニック状態に陥った動

物が人を傷付け,又は環
境に損害を与える。

5.10.8 

動物の反応には,次のも
のが含まれる。

−  動物がロボットにか

み付く。

−  動物がロボットを踏

みつける。

−  動物がロボットを恐

れて逃げる。

−  動物がロボットの存

在に衝撃又は苦痛を
受ける。

−  ロボットのタスク行

動で動物が怪我をす
る。

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な
い。

71.

他のロボットとの衝突

押し潰し,閉込み,負荷
の落下

5.10.8 

人間装着型身体アシスト
ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な

い。

72.

壊れやすい安全関連物体

との衝突

環境の損傷,負荷の落下,

有害物質の放出,やけど
(高温流体の場合),切

断・断裂(鋭利な安全関

連物体の場合)

5.10.8 

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な
い。

73.

壁,恒久的・動かせない

障壁との衝突

環境の損傷,負荷の落下,

有害物質の放出,やけど
(高温流体の場合),切

断・断裂(鋭利な安全関

連物体の場合)

5.10.8 

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な
い。

74.

活動空間内での安全関連
物体の検知失敗

安全関連物体との衝突 
(番号 69.参照)

5.10.9 

全ての機能及びタスクに
ついて検討する(サービ

ス・アプリケーション関

連及び安全関連)

人間装着型身体アシスト

ロ ボ ッ ト に は 適 用 し な

い。


63

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

75.  安 全 関 連 障 害

物との衝突

触覚インタラクション中

の有害な身体反応レベル

切断・断裂,押し潰し,

閉込み

5.10.9 

計画された全ての人とロ

ボットとの触覚インタラ

クションタスクについて
検討する。

インタラクションの物理

的パラメータには,次の
ものを含めることが望ま

しい(該当する場合)

−  皮膚とロボットとの

摩擦

−  せん断応力

−  動的衝撃 
−  トルク

−  重心の描く弧

−  荷重がかかったまま

の移動

−  人体の支持

76.

触覚インタラクションが

意図されていないロボッ
ト部分との触覚インタラ

クション

鈍的外傷,閉込み,押し

潰し

5.10.9 

77.  耐久性不足

耐久性不足によるロボッ

ト部品の故障

その他の危険源

5.11 

全ての機能及びタスクに

ついて検討する。

耐久性不足には,次のも
のが含まれる(該当する

場合)

−  機械的応力による疲

−  温度サイクルによる

疲労

−  材料及びその特性

−  振動及び他の放射

−  環境条件(平常及び

劣悪)

−  正常運転

−  予見可能な異常運転

(予期せぬ移動パタ

ーン,負荷)

−  予 見 可 能 な 誤 使 用

(例えば,過負荷,

破壊行為)

78.  危 険 な 自 律 行

タスク実行時の危険な行

その他の危険源

5.12 

生活支援ロボットの全て

の機能及びタスクに対す
る,機能危険源特定分析

が必要(安全関連とサー

ビス・アプリケーション
関連との両方)


64

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 A.1−生活支援ロボットの危険源(続き) 


危険源の種別

危険源分析

関連する安
全要求事項

の箇条

注記

危険源

潜在的結果

79.  運 動 部 と の 危

険な接触

運動中の機械部品との危

険な接触

巻込み,閉込み,押し潰

し,切断

5.13 

80.  位 置 確 認 及 び

ナ ビ ゲ ー シ ョ
ン の 誤 差 に よ

る危険源

生活支援ロボットの予期

せぬ動きの原因となる位
置確認誤差

押し潰し,閉込み,衝撃

傷害,負荷の落下

5.16 

81.

禁止区域への侵入の原因
となる位置確認誤差

衝突,押し潰し,閉込み,
衝撃傷害,負荷の落下

5.16 

82.

機械的な不安定の原因と

なる位置確認誤差

横転,押し潰し,閉込み,

負荷の落下

5.16 

83

目的地への到達又は安全

関連障害物の回避を妨げ

るナビゲーション誤差

衝突,押し潰し,閉込み,

衝撃傷害,環境の損傷

5.16 

84.  そ の 他 の 危 険

源の種別

貧弱・不適切な取扱説明
及びトレーニング資料

ユーザの過失又は誤った
行動を原因とする危険事

全て

85.

手袋,帽子,サングラス,

ブーツを含む屋外用衣類

の着用による,ユーザの
制御能力の低下

ユーザの過失又は誤った

行動を原因とする危険事

象に至る,感覚の鈍化,
精度の落ちる制御

全て


65

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

附属書 B

(参考)

生活支援ロボットの運転空間の例

B.1 

移動式自律型個人移動機(搭乗型ロボット) 

200 kg の搭乗型ロボットが,美術館の中を自律的に動いており,部屋の壁が最大空間を定めている。ま

た,ロボットの作業空間のフロア見取図は,美術館のフロア見取図から作成されている。さらに,ロボッ

トは一定の稼働範囲をもち,可動性で伸展性のある,壁に触れてはならないアーム部分をもつ。これが制

限空間を規定している(

図 B.1 参照)。

図 B.1−自律式搭乗型ロボットの運転空間 

a)

ロボットには,部屋の中央部分及び戸口通路だけが許されている。自律的に移動するとき,ロボット

は自身に組み込まれたセンサ,及び動的監視空間を定める施設備え付けのセンサを通じて環境を観察

する。

b)

部屋の中を移動しながら,ロボットは自身の安全防護空間及び保護停止空間を動的に更新していく。

安全関連物体が安全防護空間に入ると,直ちにロボットは,ロボット自身及び環境中の安全関連物体

の実際の速度に対応して減速し,あらゆる安全関連物体との安全余地(safe margin)を維持する。

c)

安全関連物体が保護停止空間に入ると,ロボットは保護停止する。このタイプのロボットの場合は,

衝突又は危険な状況が発生しないような動作を計画する上で必要な全ての情報をロボットが得られる

ことを確実にするために,監視空間が他の空間と重複し,少なくとも安全防護空間を覆うようにする


66

B 8445

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ことが重要である。

d)

安全関連物体が突然ロボットの安全防護空間に入ってくると,ロボットの経路プランナは,動いてい

る安全関連物体の周囲の経路を再計算して,直ちに反応するようにとの指令を発するか,又はロボッ

トと物体との相対速度によってはロボットを停止する。

B.2 

マニピュレータ式生活支援ロボット(移動作業型ロボット) 

このケースは,産業用ロボット用途と比較できる。最大空間は,定置型ロボットアームの最大伸展によ

って定まり,ロボットは,その最大空間内で人と協同する。

この生活支援ロボットでは,二つのケースに分けることができる。

a) 

手動運転  ロボットは,完全に人の手で誘導されるため,オペレータがロボットの全ての動作を完全

に制御して,操作する。センサは不要で,空間の定義は当てはまらない。

b) 

半自律運転  オペレータは,ある動作を実行するように指示するだけである。ロボットは,センサ及

び一定の経路計画を使用して,要求のあった操作を実行する。オペレータは安全関連機能の制御を受

けもつが,反応が間に合わないことがある。ロボットはセンサを使用し,目標(人のこともある。

)及

び意図したタスクの実行位置を検知しなければならない。受取側の人は最大空間内にいる。

安全防護空間は,安全関連物体と減速した(安全な)速度で運転するロボットとの間において安全なイ

ンタラクションを可能とするような区域として定められる。センサは,能動的に安全関連物体及びロボッ

トの位置を防護する。安全防護空間及び保護停止空間によって制御が変わることがあり,安全関連物体が

動いて,ロボットが保護停止空間にいることになると,ロボットは保護停止する(

図 B.2 を参照)。


67

B 8445

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図 B.2−マニピュレータをもつ生活支援ロボットの運転空間 

B.3 

外骨格(人間装着型身体アシストロボット) 

健常者が,外骨格を使用して身体的作業負荷を軽減する。

二つのケースが存在し得る。

a) 

手動制御  外骨格のユーザが,ロボット(スーツ)の全ての動きを制御する。環境センサは使用しな

くともよい。

b)

ロボットスーツには,監視空間を対象とする環境検知装置が装備されているが,これは例えば,外骨

格の装着者が誤って階段(安全関連障害物)を下りてしまうなどを防止するためである。このスーツ

は,オペレータを(に)制御・影響することができる。どこに行くかはロボットを装着している人が

決めるので,この用途では定まった最大空間がない。禁止区域の位置(階段及び他の安全関連障害物)

は,ロボットが動いている間中,ロボットの制御システムの中で動的に更新される。その結果,安全

防護空間及び保護停止空間は,オペレータ,ロボットなどが動いている間,常に再計算される。安全

関連物体が安全防護空間に入ると,ロボットはオペレータに信号を送り,オペレータが安全に減速で

きるような仕方で,支持を少なくする。ロボットが保護停止空間に入ると,ロボットは安全に停止し,

オペレータを安全関連障害物の方向とは別の方向にだけ動けるようにする(

図 B.3 を参照)。


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a)

  安全関連物体

b)

  一時的な動きの方向

図 B.3−人間装着型身体アシストロボットの運転空間 


69

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附属書 C 
(参考)

安全防護空間の実施例

この附属書は,3.18.13.18.5 の安全関連空間に関する定義及び

図 に基づいて,人とロボットとの共存

システムの目標を達成しながら,典型的な安全防護策の施された生活支援ロボットの用例を紹介する。こ

の例は,5.10.8 に明記した衝突回避に関連している。この用例でも,同じ安全関連空間の定義を適用する。

図 C.1 は,安全関連速度制御を使用して,障害物回避能力を備えた,マニピュレータ付移動型生活支援

ロボットを示している。この用例では相対速度について説明する。物体の正味の検知接近速度 v

0

を考慮す

ることによって,角速度 ω 及び式(C.1)を満たす安全関連障害物の接近方向にあるロボットの速度成分 v

req

から,ロボットの速度 v

R

を計算することができる。

0

0

>

− S

d

  の場合,

0

0

v

T

S

d

v

req

  (C.1)

ここに,

T

周囲の安全関連障害物の速度の検知及びロボットの減速に
必要なシステム応答時間(min)

d

ロボット(中心)から安全関連障害物までの距離(m)

S

0

最小距離[

5.10.8.3

a)

によって計算する。

ここで注意することは,ロボットが安全関連物体からの基準距離を維持するように厳格に制御されてい

れば,安全関連物体が,

0

0

v

T

S

d

の条件を満たす相対速度でロボットに接近するとき,ロボットは後退

するように制御されることがあるという点である。最終的に安全関連障害物が更に dS

0

の距離まで接近

すると,ロボットは保護停止するよう制御される。ロボットと周囲及び安全関連障害物の両方の動作は,

ベクトル形式で表すことができる。さらに,安全防護空間では,ロボットシステムが安全関連障害物の速

度を検知できない場合,ロボットの速度を事前に丹念に定めた小さな値 v

min

まで減速したままにしなけれ

ばならない。


70

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a)

  最大空間

図 C.1

移動架台上にマニピュレータを備えた生活支援ロボットの用例 

図 C.2

に,障害物回避の安全防護方策が作動中の,ロボットの速度パターン及び安全関連障害物の距離

を示す。dS

0

 > 0 ならば,式(C.1)に従って を変えることができる。間隔 Δでの減速は非線形なことが

あり,温度及び湿度のような環境条件によって変化する可能性がある。線形減速の場合,安全停止は追加

経路長 Δd=0.5×v

min

×Δの後に達成される。


71

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

v

v

min

O

t

t

O

v

d

0

S

0

1

2

3

4

5

d

1

安全防護空間

2

保護停止空間

3

安全防護方策の作動

4

制動機構の作動

5

安全停止

図 C.2

安全防護空間における安全距離及び最高相対速度 


72

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

附属書 D 
(参考)

生活支援ロボットの機能的タスクの例

表 D.1

表 D.3

に,生活支援ロボットの機能的タスクの例を示す。

表 D.1

移動作業型ロボット 

移動作業型ロボットのクラス

実施する必要のある機能的タスク

家庭内環境又は公共建築物における

移動作業型ロボット

静止した,及び動いている安全関連障害物との衝突を回避しながら,家庭

内環境又は公共建築物の中を移動する。これには,PTP 制御(pose-to-pose 
control)の動作及び全域移動を含むことがある。 
物の交換を含む人との相互作用。ロボットは,能動的役割又は受動的役割

を果たすことがある。 
物の把捉,操作,運搬,配置及び手渡しを含む,中小サイズの物(例えば,

コーヒーカップ,皿,本など)の取扱い。

ドア,窓,引き出し,皿洗機を開けるなど,大きな物の取扱いにはおそら
く制約がある。これには,活動空間を広げるための移動が含まれることが

ある。

表 D.2

人間装着型身体アシストロボット 

人間装着型身体アシストロボットの

クラス

実施する必要のある機能的タスク

脚運動補助装置

歩幅を制御し,快適な歩行を達成するために,ユーザの太ももに協調制御
を適用する。


73

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 D.2

人間装着型身体アシストロボット(続き) 

人間装着型身体アシストロボットの

クラス

実施する必要のある機能的タスク

体重支持装置

ユーザの体重の一部を支持することによって,立っている間,又は歩行中
の脚,腰,膝及び足首への負荷を軽減する。

外骨格型装着ロボット

直接的な人との相互作用とストラップ又はクランプのような人体への固定

具を通じて,物理的に人を支持し,及び身体の一部を操作する。

ユーザに,平均的な人の力以上の負荷を運ぶことを可能にする。

装着ロボット

例えば,ストラップ,クランプなどの,人体を毀損することなく直接身体

に装着する固定具をもち,巧妙な操作のための直接的相互作用を行う。

ユーザに,健常者と同等の負荷を運ぶことを可能にする。

人間非装着型身体アシストロボット

高齢者・疲労した人の,椅子,ベッドその他の間での乗移りを補助する。
 
平たん(坦)な表面上で,パートナーによる手助けがある,又はない状態

で,基本的な移動のタスクを補助する。 
 
自立した日常生活に,より安心及び快適をもたらす手助けをする。


74

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 D.3

搭乗型ロボット 

搭乗型ロボットのクラス

実施する必要のある機能的タスク

搭乗者が足置きの上に立って乗る

キャリア

自律モード又は手動モードのいずれかで,車輪式移動架台を使用して,平

たん(坦)な表面上のある場所から別の場所に,物理的に人を運ぶ。 
 
移動方向は,足置上での搭乗者の体重移動によって制御される。

脚式搭乗者キャリア

自律モード又は手動モードのいずれかで,脚式移動架台を使用して,3 次元

表面上のある場所から別の場所に,物理的に人を運ぶ。

搭乗者が一輪車の上に座って乗る

キャリア

自律モード又は手動モードのいずれかで,車輪式移動架台を使用して,平
たん(坦)な表面上のある場所から別の場所に,物理的に人を運ぶ。 
 
移動方向は,搭乗者の体重移動によって制御される。

車輪式搭乗者キャリア

自律モード又は手動モードのいずれかで,車輪式移動架台を使用して,平

たん(坦)な表面上のある場所から別の場所に,物理的に人を運ぶ。


75

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

附属書 E

(参考)

生活支援ロボットのマーキングの例

表 E.1

に,生活支援ロボットのマーキングの例を示す。

表 E.1

生活支援ロボット向けの安全及びその他のマーキングの例 

ISO 7010-W001 

ISO 7010-W08 

ISO 7010-W012 

一般的警告

一般的警告を知らせる

落下(転落)

落下を警告する

電気

電気を警告する

ISO 7010-W017 

ISO 7010-W018 

ISO 7010-W019 

高温表面

高温表面を警告する

自動起動

自動起動を警告する

注意:押し潰し

動く機械部品を警告する

ISO 7010-W022 

ISO 7010-W024 

ISO 7010-W025 

鋭利な要素

鋭利な要素を警告する

手の押し潰し

機器の機械部品の開閉動作を

警告する

二重反転ローラ

巻込みを警告する

ISO 7010-W026 

ISO 7010-M012 

ISO 7010-M021 

電池

電池関連の危険源を警告する

手すりを使用する

保守又は修理の実施前に遮断する


76

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

表 E.1

生活支援ロボット向けの安全及びその他のマーキングの例(続き) 

ISO 7010-P011 

ISO 7010-P012 

ISO 7010-P015 

水で消火しない

重量物を置かない

手を入れない

ISO 7010-P017 

ISO 7010-P018 

ISO 7010-P019 

押さない

座らない

表面を踏まない

ISO 7010-P021 

ISO 7010-P022 

ISO 7010-P023 

犬は禁止

飲食禁止

障害物を置かない

ISO 7010-P024 

ISO 7010-P031 

ここでの歩行又は立止まり禁止

スイッチを切り替えない

IEC 60417-1 

IEC 60417-1 

IEC 60417-1 

“通話”設備を示す

電池状態を点検する装置の確認

機能のロック状態を装置上で確認


77

B 8445

:2016 (ISO 13482:2014)

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  作成中