>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

B 8414:2004

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本暖房機器工業

会から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を

経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 8414:1999 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 B

8414

:2004

温水機器用逃し弁

Relief valves for hot water appliances

序文  この規格は,労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)に基づく労働省令ボイラー及び圧力容器安

全規則(昭和 47 年 9 月労働省令第 33 号)の規定外の給湯及び暖房用温水ボイラ(以下,温水用熱交換器

という。

)の膨張水を排出し,温水用熱交換器の缶体内圧力を一定圧力以下に保つために用いる温水機器用

逃し弁の安全性と信頼性を確保することを目的として,1982 年に JIS B 8414 が制定された。

今回の改正は,

“給水装置の構造及び材質の基準に関する省令”の一部を改正する省令(平成 16 年厚生

労働省令第6号,平成 16 年 1 月 26 日交付,平成 16 年 4 月 1 日施行)を受けて,同令による浸出性能基準

との整合性を図った。

1.

適用範囲  この規格は,最高使用圧力 100 kPa 以下,又は 200 kPa 以下の温水用熱交換器に用いる温

水機器用逃し弁(以下,逃し弁という。

)について規定する。

備考  この規格でいう圧力とは,すべてゲージ圧力である。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0203

  管用テーパねじ

JIS B 7505

  ブルドン管圧力計

JIS B 8410

  水道用減圧弁

JIS H 3300

  銅及び銅合金継目無管

JIS H 3320

  銅及び銅合金溶接管

JIS K 6257

  加硫ゴム及び熱可遡性ゴム−熱老化特性の求め方

JIS S 3200-1

  水道用器具−耐圧性能試験方法

JIS S 3200-2

  水道用器具−耐寒性能試験方法

JIS S 3200-6

  水道用器具−耐久性能試験方法

JIS S 3200-7

  水道用器具−浸出性能試験方法

JIS Z 8751

  液柱差を使う真空計による真空度測定方法

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

吹き始め圧力  入口側の圧力の上昇によって,出口側から吹き始めたときの入口側の圧力

b)

吹き止り圧力  入口側の圧力が降下し,水の吹き出しが止まったときの入口側の圧力

4. 

種類及び記号  逃し弁の種類及び記号は,吹き始め圧力,口径の呼びによって,次のように区分する。


B 8414:2004

a)

吹き始め圧力による区分  吹き始め圧力による区分は,表1による。

  1  吹き始め圧力による区分

単位  kPa

記号

吹き始め圧力

温水用熱交換器の最高使用圧力

95

95

97

97

100

190

190

200

備考  逃し弁を使用する場合は,温水用熱交換器の最高使

用圧力と対応する次に示す組合せの JIS B 8410 に規

定された水道用減圧弁を使用する。

逃し弁(記号)

水道用減圧弁(記号)

95

65,80

97

65,80,85

190

120,150,170

b) 

口径の呼びによる区分  口径の呼びによる区分は,表 による。

  2  口径の呼びによる区分

単位  mm

記号

口径の呼び

15

15

20

20

25

25

備考  温水用熱交換器に内蔵する

ものの銅管接続部は,JIS  

H 3300

又は JIS H 3320 

呼び径又は標準寸法でもよ

い。

5. 

性能  逃し弁の性能は,10.の規定によって試験し,表 に適合しなければならない。

  3  性能

項    目

性                      能

試験方法

95

95+4 kPa 以内であること。

−6 kPa

97

97+2 kPa 以内であること。

−4 kPa

吹き始め圧力


190  190±7 kPa 以内であること。

10.2 

95  87 kPa 以上であること。

97  92 kPa 以上であること。

吹き止り圧力


190  180 kPa 以上であること。

10.3 

耐圧性能

変形及び外部への水漏れがないこと。

10.4 

耐寒性能

再通水後,水が吹き出すこと。

10.5 

耐久性能

10 万回作動した後,上記の全項目を満たすこと。

10.6 

浸出性能

付表 に示す判定基準に適合すること。

10.7 

 


B 8414:2004

6. 

構造  構造は、次による。

a) 

構造一般  逃し弁は,図 に示すような構造のもので,作動が確実であり,かつ,耐圧性能及び耐久

性能をもち,容易に破損・変形・水漏れなどがあってはならい。

なお,付属機構として,入口側が負圧になったときに開弁し,負圧を解消する吸気機構をもつものもあ

る。

番号

名        称

1



4

調節ばね

ダイアフラム 
弁箱 
手動レバー

  1  温水機器用逃し弁の構造図(例)

b)

手動作動機構  手動作動機構は,作動確認のときに操作するもので,手動によって容易に開・閉の作

動ができる構造とする。

7. 

形状・寸法  逃し弁の継手の形状及び取付け部の寸法は,次による。

a)

継手の形状  継手の形状は,取付け,取外しの際容易に工具が用いられる形状とする。

b)

取付け部の寸法  取付け部の寸法は,管用テーパねじを使用する場合は表 による。

なお,温水用熱交換器に内蔵するもので,管用テーパねじ以外の継手を使用する場合は,

表 によ

らなくてもよい。

  4  取付部の寸法

ねじの呼び

記号

入口側

出口側

15

R 1/2

Rc 1/2

20

R 3/4

Rc 1/2

25

R 1

Rc 1

備考  ねじは,JIS B 0203 に規定する管

用テーパねじとし,入口側はおね

じ,出口側はめねじとする。


B 8414:2004

8. 

外観  逃し弁の外観は,各部の仕上げが良好で,割れ及び使用上有害なきず,さび,ばりなどの欠陥

があってはならない。

なお,

使用上有害なさびが発生するおそれのある材料は,

適当なさび止め処理を施さなければならない。

9. 

材料  逃し弁の材料は,通常の使用及び施工に十分耐えられる強度をもち,接水部に用いる材料は,

10.7

の規定を満足しなければならない。

なお,合成ゴムは,JIS K 6257 の 7.促進老化試験  A-2 法によって,試験条件は試験温度 120±2  ℃,試

験時間 72

 0

-2

時間によって引張り強さ,伸び及び硬さを測定した成績書を確認する。合成樹脂にあっては,

合成ゴムに準じる。

10. 

試験方法

10.1 

試験装置  試験装置は,次による。

a)

圧力計は,JIS B 7505 に規定するもの又は,JIS Z 8751 に規定するマノメータなどを用いる。

b)

配管の呼び径は,供試弁の口径の呼びと同じとする。

10.2

吹き始め圧力試験  吹き始め圧力試験は,図 に示す装置によって,供試弁の開・閉を手動操作し

た後,入口側から徐々に圧力を加え,供試弁の出口側から水が出始めたときの圧力を調べる。

  2  設定圧力(吹き始め圧力及び吹き止り圧力)試験装置の例

10.3 

吹き止り圧力試験  吹き止り圧力試験は,図 に示す装置によって,10.2 の試験後に開閉弁を閉じ

て水の吹き出しが止り,圧力計の指示が停止したときの圧力を調べる。

10.4 

耐圧性能試験  耐圧性能試験は,弁箱の内部に温水用熱交換器の最高使用圧力の 3 倍の水圧を 1 分

間加え,その状態を保持して,変形及び外部への水漏れの有無を調べるか,JIS S 3200-1 によって行う。

10.5 

耐寒性能試験  耐寒性能試験は,図 に示す装置を用い次によるか,JIS S 3200-2 によって行う。

a)

供試弁を指定の取付け状態に設置し通水する。

b)

通水を止め,水を抜いた状態で 10 分間放置する。

c)

装置内の温度をプラス側から徐々に降下させ,−20±2  ℃で 1 時間保持した後,再通水する。

d)

再通水後,水が吹き出すことを調べる。再通水は入口側から常温,温水用熱交換器の最高使用圧力の

1.2 倍の圧力とする。


B 8414:2004

  3  耐寒性能試験装置の例

備考  供試弁の取付け姿勢は,入口側を下にする。また,配管の水平部分は先上がりとし,こう配は

1/100 以上とする。

10.6 

耐久性能試験  耐久性能試験は,図 に示す装置によって,入口側から温水用熱交換器の最高使用

圧力の 1.5 倍,80  ℃以上,沸点以下の温水圧を加え,供試弁を電磁弁などで毎分 4∼15 回の速さで 10 万

回開・閉の作動を繰り返した後,5.の性能を調べるか,JIS S 3200-6 によって,80 ℃以上,沸点以下の温

水を用いて行う。

なお,開・閉の作動をもって 1 回とする。

  4  耐久性能試験装置の例

10.7 

浸出性能試験  浸出性能試験は,JIS S 3200-7 によって行う。

なお,試験を行うべき接水部の材料の特定は,

付表 の注(

1

)を参照すること。

11. 

検査方法

11.1 

形式検査  逃し弁の形式検査は,次の検査項目について行う。

a)

寸法

b)

外観

c)

材料

d)

吹き始め圧力

e)

吹き止り圧力

f)

耐圧性能

g)

耐寒性能

h)

耐久性能


B 8414:2004

i)

浸出性能

11.2

受渡検査  逃し弁の受渡検査は,形式検査に合格し,性能が確認された逃し弁と同種類のものを,

次の検査項目について行う。

なお,受渡当事者間の協定によって検査項目の一部を変更又は省略してもよい。

a)

外観

b)

吹き始め圧力

c)

吹き止り圧力

d)

包装

e)

表示

12. 

包装  逃し弁の包装は,配管接続口に防じん用のふたをするか,その他の方法によって,ちり,ほこ

りなどの異物が入らないようにする。

13. 

製品の呼び方  逃し弁の呼び方は,規格番号,吹き始め圧力及び口径の呼びの順で示す。

なお,記号で示してもよい。

14.

表示  逃し弁には,次の事項を見やすい箇所に,容易に消えない方法で表示する。

a)

製造業者の形式名

b)

製造業者名又はその略号

c)

製造年月又はその略号

d)

吹き始め圧力(記号 190 の“200 kPa 用”は,記号 95,97 の“100 kPa 用”と容易に識別できること。

e)

口径の呼び

f)

流体の流れ方向を示す矢印

15. 

取扱上の注意事項  逃し弁には,次の事項をラベル,荷札,取扱説明書などで明示する。

a)

手動レバーなどの操作の方法

b)

調節ねじを動かすと作動圧力が変わるので,動かさないこと。

c)

凍結破損しないように,保温などの処置をすること。

d)

逃し弁は,JIS B 8410 に規定する水道用減圧弁の設定圧力に適合する組合せで使用すること。


B 8414:2004

付表  1  浸出性能の判定基準

試験項目(

1

判定基準値

異常でないこと。

臭気

異常でないこと。

色度

5 度以下

濁度

2 度以下

カドミウム

0.01 mg/L 以下

水銀

0.0005 mg/L 以下

セレン

0.01 mg/L 以下

0.01 mg/L 以下

六価クロム

0.05 mg/L 以下

シアン

0.01 mg/L 以下

硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素

10 mg/L 以下

ふっ素

0.8 mg/L 以下

四塩化炭素

0.002 mg/L 以下

1,2-ジクロロエタン

0.004 mg/L 以下

1,1-ジクロロエチレン

0.02 mg/L 以下

ジクロロメタン

0.02 mg/L 以下

シス-1,2-ジクロロエチレン

0.04 mg/L 以下

テトラクロロエチレン

0.01 mg/L 以下

1,1,2-トリクロロエチレン

0.006 mg/L 以下

トリクロロエチレン

0.03 mg/L 以下

ベンゼン

0.01 mg/L 以下

亜鉛

1.0 mg/L 以下

0.3 mg/L 以下

1.0 mg/L 以下

ナトリウム

200 mg/L 以下

マンガン

0.05 mg/L 以下

塩素イオン

200 mg/L 以下

蒸発残留物

500 mg/L 以下

陰イオン界面活性剤

0.2 mg/L 以下

フェノール類

0.005 mg/L 以下

有機物(全有機炭素(TOC)の量)(

)

5 mg/L 以下

エピクロロヒドリン

0.01 mg/L 以下

アミン類

0.01 mg/L 以下

2,4-トルエンジアミン

0.002 mg/L 以下

2,6-トルエンジアミン

0.001 mg/L 以下

ホルムアルデヒド

0.08 mg/L 以下

酢酸ビニル

0.01 mg/L 以下

スチレン

0.002 mg/L 以下

1,2-ブタジエン

0.001 mg/L 以下

1,3-ブタジエン

0.001 mg/L 以下

注(

)

試験項目は,逃し弁の接水部の材料(青銅鋳物,銅及び銅合金,ス

テンレス鋼,合成ゴム,合成樹脂など)によって,JIS S 3200-7 

項目から選択して行うこと。

(

)

有機物(全有機物炭素(TOC)

)5 mg/L 以下とあるは,平成 17 年 3

月 31 日までの間は,有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)10

mg/L 以下とする。