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日本工業規格

JIS

 B

8413

-1994

温水ボイラ用温度制限器及び

温度調節器

Temperature limiters and thermostats for hot water boilers

1.

適用範囲  この規格は,主に温水ボイラ,石油小形給湯機及び温水用熱交換器の過熱防止を目的とす

る温度制限器(

1

)

(以下,制限器という。

)及び温水温度制御を目的とする温度調節器(

2

)

(以下,調節器とい

う。

)について規定する。

ただし,ボイラ本体などに感温部を挿入して温水温度を検出するものに限る。

(

1

)

温度制限器  感温部の温度が設定された温度に上昇したとき,接点が自動的に開となるか又は

燃焼停止の信号を発する過熱防止のための温度の制限器。復帰は手動操作によって行う機構を

もつか,又は他の手動復帰機構と接続可能なもの。

(

2

)

温度調節器  感温部の温度が設定された温度に上昇したとき,接点が自動的に開となるか又は

燃焼停止の信号を発し,温度の下降で接点が自動的に閉となるか又は燃焼開始の信号を発する

温度の調節器。

備考1.  この規格の引用規格を,付表1に示す。

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであっ

て,参考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

(1)

設定温度  過熱防止又は温水温度制御の目標値となる温度で,温水温度の上昇によって接点が開とな

る点,又は燃焼停止の信号を発する点を制限器又は調節器で設定した温度値。

(2)

作動温度  制限器又は調節器をある温度に設定したとき,温水温度の上昇によって接点が開となった

とき,又は燃焼停止の信号を発したときの温水温度。

(3)

入切り温度差  制限器又は調節器をある温度に設定したとき,温水温度の上昇によって接点が開とな

る点,又は燃焼停止の信号を発する点と,温水温度の下降によって接点が閉となる点,又は燃焼開始

の信号を発する点との温変差。ただし,制限器の場合は,接点が開となった後,又は燃焼停止の信号

を発した後,手動復帰が可能となる点との温度差。

(4)

感温部  温水の温度を検出する部分。

(5)

キャピラリーチューブ  感温部の温度変化を本体に伝達するための細管。

(6)

本体  感温部及びキャピラリーチューブを除く部分で,温度調節機構,接点を開閉する機構などを内

蔵する部分。

(7)

フェールセーフ  制限器の感温部に限定して適用されるもので,機械式の制限器では,感温部,キャ


2

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ピラリーチューブ部などの破損によって,

封入液又は封入ガスが漏れたとき,

安全側に作動する性能。

また,電子式の制限器では,感温素子に開放及び短絡が生じたとき,安全側に作動する性能。

3.

種類及び記号  制限器及び調節器は,復帰方式,感温方式及びキャピラリーチューブの有無,温度設

定方式,入切り温度差の調節機構の有無及び出力構成によって区分し,その種類及び記号は,次による。

(1)

復帰方式による区分  復帰方式による区分は,表 による。

表 1

記号

復帰方式による区分

適用対象

M

手動復帰式

温度制限器

A

自動復帰式

温度調節器

(2)

感温方式及びキャピラリーチューブの有無による区分  感温方式及びキャピラリーチューブの有無

による区分は,

表 による。

表 2

記号

感温方式による区分

キャピラリーチューブの有無による区分

R

有り

C

液又はガス封入式

無し

B

機械式

バイメタル式

無し

T

サーミスタ式

P

電子式

その他

(3)

温度設定方式による区分  温度設定方式による区分は,表 による。

表 3

記号

温度設定方式による区分

V

可変式

F

固定式

(4)

入切り温度差の調節機構の有無による区分  入切り温度差の調節機構の有無による区分は,表 によ

る。

表 4

記号

入切り温度差の調節機構の有無による区分

D

有り

N

無し

(5)

出力構成による区分  出力構成による区分は,表 による。

表 5

記号

出力構成による区分

S

単極単投

W

単極双投

Z

接点出力

その他

E

無接点出力

4.

性能  制限器及び調節器の性能は,9.の規定によって試験し,表 に適合しなければならない。


3

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表 6

項目

性能

試験方法

設定精度

±4℃であること。

9.4.2

作動温度特性

入切り温度差

制限器で 2∼30℃であること。ただし,受渡当事者間で特に協定した場合
には,その協定に基づく範囲内にあること。

調節器で 8℃以下であること。ただし,受渡当事者間で特に協定した場合
には,その協定に基づく範囲内にあること。

9.4.3

絶縁抵抗 50M

Ω以上であること。

9.5

耐電圧

1

分間耐えること。

9.6

耐寒性

作動温度変化が 3℃以下で,かつ,機能上支障がないこと。

9.7

耐熱性

作動温度変化が 3℃以下で,かつ,機能上支障がないこと。

9.8

耐湿性

作動温度変化が 3℃以下で,かつ,機能上支障がないこと。

9.9

耐食性

布でふき取れないさびの発生がないこと。

9.10

温度サイクル

作動温度変化が 3℃以下で,かつ,機能上支障がないこと。

9.11

端子部

破損及び使用上有害な曲がりがないこと。

9.12(1)

設定軸の回転止め部

耐えること。

9.12(2)

手動操作部

耐えること。

9.12(3)

感温部

使用上支障がないこと。

9.12(4)




度  キャピラリーチューブ部

破損しないこと。

9.12(5)

耐衝撃性

作動温度変化が 3℃以下で,かつ,機能上支障がないこと。

9.13

耐振性

作動温度変化が 3℃以下で,かつ,機能上支障がないこと。

9.14


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項目

性能

試験方法

フェールセーフ

作動温度が下方に移行するか,燃焼停止の信号を発するか又は接点が開と
なること。ただし,バイメタル式のものは除く。

9.15

低温特性及び高温特性

機械式では,作動温度変化が周囲温度変化 1℃に対し 0.25℃以下であるこ
と。電子式では,作動温度変化が 3℃以下であること。

9.16

び 9.17

電 磁 継 電

器 , 変 圧
器 な ど の
巻線

最高許容周囲温度と温度上昇の和が,次の値を超えないこと。

備考  絶縁の種類は,JIS C 4003 による。

銀及び銀合金

65

(

3

)

以下であること。

接点材料

銅及び銅合金

40

℃以下であること。

温度上昇

そ の 他の 部

品の表面

組み付けてある部品の許容最高温度以下であること。

9.18

耐久性

機能上支障がないこと。

9.19

(

3

)

接点材料が銀又は銀合金で異種の金属にはり合わせなどを行ったもので,銀又は銀合金の厚さが0.5mm 以上の
ものに適用する。ただし,定格電流が10A 以下の場合は,その厚さは0.3mm 以上としてもよい。

5.

構造

5.1

構造一般  制限器及び調節器の構造は,次による。

(1)

電気的,機械的に十分な耐久性をもち,かつ,作動が円滑,確実であること。

(2)

部品の欠陥がなく,かつ,各部の加工,仕上げが良好で,著しいさび,きずなどがないこと。

(3)

機器への取付けが容易で,かつ,確実にできる構造であること。

(4)

機械的衝撃,振動及び応力に十分耐えること。

(5)

温度設定方式が可変式のものでは,温度の設定が円滑に行える構造とし,かつ,通常の使用状態にお

ける振動などで設定位置が移動しないこと。

(6)

温度設定方式が固定式のものの調節機構,接点の調節機構などは,使用中に緩み,ずれなどが生じな

いように適当な緩み止めを施すこと。

(7)

充電部接続端子は,電線との接続が容易に行える構造であること。端子ねじを使用するものでは,有

効ねじ部の山数が 2 山以上であること。

(8)

充電部相互又は充電部と非充電金属部との接続部分は,通常の使用状態で緩みが生じるおそれがない

こと。

(9)

接地するおそれがある金属部のうち,接点が開閉したときアークの達するおそれがある部分には,耐

アーク性の電気絶縁物を施してあること。


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(10)

ほこり,鉄粉などが付着することによって作動に影響を受けるおそれがあるものでは,ケース,カバ

ーなどを設けること。ただし,ボイラに取り付けた状態で,ケース,カバーと同等の機能をもつ外被

内に収納してあるものは,この限りでない。

(11)

直接水に接して使用する感温部は,使用する圧力に十分耐えるものであること。

(12)

感温部にねじ込み部がある場合は,そのねじの種類は JIS B 0202 又は JIS B 0203 に適合すること。

(13)

キャピラリーチューブと本体及び感温部との接合部は,十分な強度をもっていること。

5.2

手動復帰機構  制限器の手動復帰機構は,次による。

(1)

通常の使用状態において,円滑,かつ,確実に作動するものであり,燃焼停止の信号を発することを

妨げるおそれがないこと。

(2)

手動による復帰操作をしない限り復帰しないものであり,かつ,使用上有害な振動,衝撃,周囲温度

の変動などによって復帰しないものであること。

5.3

絶縁距離  絶縁距離は,表 の値以上でなければならない。

表 7

単位 mm

定格電圧 (V)

50

以下 50 を超え 150 以下 150 を超え 300 以下

電線取付端子部間

2 3

4

充電端子部とアースするおそ

れがある非充電金属部との間

2 2.5

3

6.

外観  外部の仕上げが良好で,割れ及び使用上有害なさび,ひび,ばりなどの欠点があってはならな

い。

7.

材料  制限器及び調節器の材料は,次による。

(1)

電気絶縁物は,これに接触又は近接した部分の温度に十分耐え,かつ,吸湿性が少ないものであるこ

と。

(2)

機器の部品及び構造材料は,ニトロセルロース系セルロイド,その他これに類する可燃性物質でない

こと。

(3)

アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,絶縁低下な

どの変質が生じないものであること。

(4)

導電材料は,銅若しくは銅合金又はこれらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもち,さ

びにくいものであること。ただし,弾性を必要とする部分,その他構造上やむを得ない部分に使用す

るもので危険が生じるおそれがないときは,この限りでない。

(5)

接点は,銅若しくは銅合金,銀若しくは銀合金又はこれらと同等以上のものであること。

(6)

鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。

)には,めっき,塗装,油焼き,その他の適当なさび止めを施してあ

ること。ただし,さびによって危険が生じるおそれがない部分に使用するものは,この限りでない。

(7)

直接水に接する部分の金属材料は,JIS H 3100,JIS H 3250,JIS H 3300,JIS G 4303,JIS G 4304 に規

定するもの又はこれらと同等以上のものを用いること。

また,金属材料以外では,通常の使用状態で機械的強度,耐食性をもち,かつ,使用温度に十分耐

えるものであること。


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8.

附属品  保護管,感温部挿入保持金具を附属する制限器及び調節器は,次による。

(1)

材料は,7.(7)に規定したものを使用し,かつ,シール部のパッキンなどには,耐熱性・耐水性が優れ

た材料を用いること。

(2)

使用する圧力に十分耐えるものであること。

(3)

ねじ込み部の形状及び寸法は,JIS B 0202 又は JIS B 0203 に適合すること。

(4)

各部の加工,仕上げは良好で,使用上有害なさび,ばりなどがないこと。

9.

試験方法

9.1

試験条件  試験条件は,次による。

(1)

周囲温度は,20±2℃とする。

(2)

相対湿度は, (65±5) %とする。

(3)

基準大気圧は,1 013hPa とする。

(4)

電源は,定格電圧及び定格周波数の正弦波電源とする。

なお,試験結果の判定に疑義を生じない場合は,次の条件によってもよい。

周囲温度  5∼35℃

相対湿度 45∼85%

大気圧 860∼1 060hPa

電源

正弦波に近い波形の交流電源

9.2

試験一般  試験についての一般的事項は,次による。

(1)

試験に際しては,供試制限器又は調節器を試験場所に置き,各部の温度が平衡するまで放置する。

(2)

供試制限器又は調節器の本体は,試験が容易に行えるように任意の状態に取り付ける。

なお,取付け条件が指定されたものは,その指定による。

(3)

試験に際しては,供試制限器又は調節器の感温部を試験装置の所定の位置に挿入し,感温部の温度が

槽内温度と平衡するまで放置する。

なお,取付け方向が指定されたものは,その指定による。

(4)

試験装置へ供試制限器又は調節器の感温部を挿入する際の挿入長さは,感温部の全長以上とする。

また,キャピラリーチューブをもつもので,感温部を試験装置に直接挿入する場合は,キャピラリ

ー部分の挿入長さを 50mm 以下とする。

(5)

試験装置内の液体は,温度分布が十分均一になるようにかき混ぜる。

なお,感温部周辺の液体の温度の変動は,0.5℃以下とする。

また,温度の測定には,JIS B 7412 による温度計であって,校正されたものを用いる。

(6)

供試制限器又は調節器の本体周辺の温度は,試験結果に影響を及ぼすおそれがない範囲に維持する。

また,試験装置からの熱放射,対流などによる熱的影響を受けないようにする。

(7)

試験に際して,供試制限器又は調節器の本体の周囲温度による補正が必要な場合は,供試制限器又は

調節器から 100mm 以内の点における温度を JIS B 7411 に規定する最小目盛 1℃のもの又は校正表を設

けた JIS C 1602 による階級 0.75 級の熱電対によって JIS Z 8704 の 10.7(測定方式の等級)に規定す

る C 級測定方式によって測定する。

(8)

供試制限器又は調節器の作動の確認は,供試制限器又は調節器の出力信号によって行う。

(9)

抵抗変化によって温度変化を検出する感温素子では,その供試素子を試験槽内に入れ,所定の複数点

の温度での抵抗値を読み取る。


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(10)

感温素子を等価抵抗に置き換えて試験できる場合は,次によって行ってもよい。

抵抗器を可変操作して,供試制限器又は調節器が所定の出力信号を発したときの抵抗値を読み取り,

感温素子の温度−抵抗特性によって温度換算を行う。

9.3

試験装置  試験装置は,参考図 に示す油恒温槽若しくは水恒温槽又はこれらと同等の機能をもつ

ものとする。

参考図 1  恒温槽構造図

9.4

作動温度特性試験

9.4.1

一般  作動温度特性試験は,次の条件によって,9.4.2 及び 9.4.3 の試験を行う。

(1)

試験槽内の液体温度を,毎分 0.5℃以下の速度で上昇及び下降させる。

(2)

周囲温度の基準は 20℃とし,周囲温度によって補正を必要とするものでは,補正した値を設定温度と

みなしてもよい。

(3)

予備動作が必要なものは,開閉動作を手動又は温度変化を与えることによって,2 回以上繰り返して

行う。

(4)

温度設定方式が可変式のものでは,最高目盛に設定する。

(5)

入切り温度差の調節機構をもつものでは,受渡当事者間の協定に基づいて設定する。

9.4.2

設定精度試験  設定精度試験は,設定温度から入切り温度差を引いた値より低い温度から液体温度

を上昇させ,接点が開となるか又は燃焼停止の信号を発したときの液体温度と設定温度との差を調べる。

9.4.3

入切り温度差試験  入切り温度差試験は,次による。

(1)

自動復帰式  9.4.2 における作動温度とその温度から液体温度を下降させ,接点が閉となるか又は燃焼

開始の信号を発する点の温度との差を調べる。

(2)

手動復帰式  9.4.2 における作動温度とその温度から液体温度を下降させ,復帰可能となったときの液

体温度との差を調べる。


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9.5

絶縁抵抗試験  絶縁抵抗試験は,JIS C 1302 に規定する絶縁抵抗計を用い,次の試験箇所の絶縁抵

抗を

表 に示す試験電圧を加えて測定する。

(1)

充電端子部と露出した非充電金属部間

(2)

独立した充電端子部間

(3)

非連続接点端子間(作動時に閉路する接点に接続している端子間)

表 8

単位  V

定格絶縁電圧

使用する絶縁抵抗計の定格電圧

60

以下

DC 250

60

を超え 250 以下

DC 500

なお,誘導雷サージ防護回路をもつものは,その回路を取り外して行ってもよい。

9.6

耐電圧試験  耐電圧試験は,周波数 50Hz 又は 60Hz の正弦波に近い表 に示す電圧を連続して 1 分

間加え,これに耐えるかどうかを調べる。

なお,判定に疑義を生じない場合は,試験電圧を

表 に示す値の 1.2 倍とし,電圧を加える時間を 1 秒

間とすることができる。

表 9

単位  V

電圧を加える箇所

定格絶縁電圧

試験電圧

60

以下

500

60

を超え 125 以下

1 000

充電端子部と露出した

非充電金属部間及び独

立した充電端子部間

125

を超え 250 以下

1 500

非連続接点端子間 250 以下

500

また,誘導雷サージ防護回路をもつものは,その回路を取り外して行ってもよい。

9.7

耐寒性試験  耐寒性試験は,供試制限器又は調節器を−25±3℃の恒温槽内に連続 48 時間放置した

後,槽から取り出し結露,水滴などが付着したときはこれを十分ふき取って,2 時間放置後 9.4.2 の試験を

行い,作動温度の変化を調べ,かつ,割れ,膨れ,変形などの機能上の支障が生じていないかどうかを調

べ,更に 9.5 及び 9.6 の試験を行う。

9.8

耐熱性試験  耐熱性試験は,供試制限器又は調節器を 70±2℃の恒温槽内に連続 48 時間放置した後,

槽から取り出し 2 時間放置後 9.4.2 の試験を行い,作動温度の変化を調べ,かつ,割れ,膨れ,変形などの

機能上の支障が生じていないかどうかを調べ,更に 9.5 及び 9.6 の試験を行う。

9.9

耐湿性試験  耐湿性試験は,供試制限器又は調節器を温度 40±2℃,相対湿度 90∼95%の恒温恒湿

槽内に 48 時間放置した後,槽から取り出し水滴などをふき取り,通風の良好な場所に 2 時間放置後,9.4.2

の試験を行い,作動温度の変化を調べ,かつ,割れ,膨れ,変形などの機能上の支障があるかどうかを調

べ,更に 9.5 及び 9.6 の試験を行う。

9.10

耐食性試験  耐食性試験は,機械式の制限器及び調節器について行い,供試制限器又は調節器に JIS 

Z 2371

に規定する濃度 5%の塩水を連続 72 時間噴霧した後,塗装及びめっき処理を施した部分に,布でふ

き取れないさびの発生があるかどうかを調べる。

9.11

温度サイクル試験  温度サイクル試験は,機械式の制限器及び調節器について行い,次の(1)(4)

1

サイクルとし,連続 5 サイクル繰り返した後,2 時間以上放置後,9.4.2 の試験を行い,作動温度の変化

を調べ,かつ,割れ,膨れ,変形などの機能上の支障が生じていないかどうかを調べ,更に 9.5 及び 9.6

の試験を行う。


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(1)

供試制限器又は調節器を−20±3℃の恒温槽に入れ,連続 0.5 時間放置する。

(2)

供試制限器又は調節器を槽から取り出し,9.1 の試験条件に 2∼3 分間放置する。

(3)

供試制限器又は調節器を 70±2℃の恒温槽に入れ,連続 0.5 時間放置する。

(4)

供試制限器又は調節器を槽から取り出し,9.1 の試験条件に 2∼3 分間放置する。

9.12

機械的強度試験  機械的強度試験は,次による。

(1)

端子強度試験  端子強度試験は,供試制限器又は調節器の本体を固定し,ねじ式端子,差込式タブ端

子及び差込式ピン端子について,次の試験を行う。

(a)

ねじ式端子では,

トルクドライバによって徐々に締め付け,

表 10 に示すトルクを連続 5 秒間加えて,

端子の状態を調べる。

表 10

端子ねじの呼び M3

M3.5

M4

締付けトルク N・m {kgf・cm}

0.5 {5}

0.8 {8}

1.2 {12}

(b)

差込式タブ端子では,端子の長軸方向に

表 11 に示す引張力及び押圧力を各 1 回徐々に加え,5 秒間

保持する。

次に 10N {1kgf}  の押圧力を軸方向と直角な 4 方向にそれぞれ連続 5 秒間加え,端子の状態を調べ

る。

表 11

寸法  (A×B) mm

4.75

×0.5

5.21

×0.8

6.35

×0.8

長軸方向に加える力 N {kgf}

60 {6}

100 {10}

100 {10}

(c)

差込式ピン端子では,端子の軸方向に 10N {1kgf}  の引張力及び押圧力を各 1 回徐々に加え,5 秒間

保持する。

次に 5N {0.5kgf}  の押圧力を軸方向と直角な任意の方向に連続 5 秒間加え,

端子の状態を調べる。

(2)

設定軸の回転止め部強度試験  設定軸の回転止め部強度試験は,機械式の制限器及び調節器について

行い,供試制限器又は調節器の本体を固定し,設定軸を左右両方向に回し切ったそれぞれの位置で,

設定軸に 1.0N・m {10kgf・cm}  のトルクを連続 1 分間加えて,これに耐えるかどうかを調べる。

(3)

手動操作部強度試験  手動操作部強度試験は,供試制限器の復帰ボタンを復帰操作方向に 60N {6kgf}

の力を加え連続 1 分間保持し,故障の有無を調べる。

(4)

感温部強度試験  感温部強度試験は,供試制限器又は調節器の感温部で直接水に接して使用するもの

は,750kPa {7.5kgf/cm

2

}

の水圧を連続 5 分間加え,使用上の支障の有無を調べる。ただし,750kPa

{7.5kgf/cm

2

}

を超える圧力で使用されるものは,使用する圧力で行う。

(5)

キャピラリーチューブの強度試験  キャピラリーチューブの強度試験は,キャピラリーチューブをも

つ供試制限器又は調節器について行い,

図 に示すようにチューブ両端の接合部から 50mm 以上離れ

た部分を曲げ半径を 10mm として 90℃角度に曲げ,次に水平に戻し,それを連続 3 回繰り返し,破損

しないかどうかを調べる。


10

B 8413-1994

図 1  キャピラリーチューブの強度試験

9.13

耐衝撃性試験  耐衝撃性試験は,供試制限器又は調節器を十分な強度をもつ板に固定し,JIS C 0912

に規定する落下式衝撃試験器によって,上下,左右及び前後の各方向について,1 回 300m/s

2

の衝撃を各 3

回加えた後,各部に割れ,変形などの損傷がないかどうかを調べ,かつ,9.4.2 の試験を行い,精度の変化

を調べ,更に 9.5 及び 9.6 の試験を行う。

なお,感温部及びキャピラリーチューブ又はリ−ド線は,共振しないように適切に固定する。

9.14

耐振性試験  耐振性試験は,供試制限器又は調節器を十分な強度をもつ板に固定し,上下,左右及

び前後の各方向について,振動数として 10∼55Hz の間の適当な範囲をとり,変位振幅は 0.35mm で振動数

変化を 1 分間に 1Hz 以上の速さにした振動を連続 2 時間加えた後,各部に割れ,変形などの損傷がないか

どうかを調べ,更に 9.4.29.5 及び 9.6 の試験を行う。

なお,感温部及びキャピラリーチューブ又はリ−ド線は,共振しないように適切に固定する。

9.15

フェールセーフ試験  フェールセーフ試験は,機械式のものでは,供試制限器の感温部に封入液又

はガスが漏れるような措置を講じた後,9.4.2 の試験を行ったとき,作動温度が設定温度の下方に移行する

か又は接点が開となるかどうかを調べ,更に 9.5 及び 9.6 の試験を行う。ただし,感温部がバイメタル式の

ものは除く。

なお,電子式のものでは,その感温素子を開放又は短絡をさせる措置を講じた後,9.4.2 の試験を行った

とき,作動温度が設定温度の下方に移行するか又は燃焼停止の信号を発するかどうかを調べる。

9.16

低温特性試験  低温特性試験は,供試制限器又は調節器に無通電状態で,−20±3℃の恒温槽に連続

2

時間保った後,そのままの状態で 9.4.2 の試験を行う。

なお,電子式のものでは,入力電圧を定格電圧の 85%と 110%とし,それぞれについて行う。

9.17

高温特性試験  高温特性試験は,供試制限器又は調節器に無通電状態で,60±2℃の恒温槽に連続 2

時間保った後,そのままの状態で 9.4.2 の試験を行う。

なお,電子式のものでは,入力電圧を定格電圧の 85%と 110%とし,それぞれについて行う。

9.18

温度上昇試験  温度上昇試験は,供試制限器又は調節器に定格電圧を加え,定格負荷を接続して温

度上昇が最大となる状態で連続通電し,各部の温度がほぼ一定となるまで放置した後,次の部分の温度を

測定する。

(1)

電磁継電器,変圧器などの巻線

(2)

接点


11

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(3)

その他の部品の表面

なお,温度測定は,巻線を抵抗法によって,その他は JIS Z 8704 の 10.7(測定方式の等級)に規定

する C 級測定方式によって,

JIS C 1602

に規定された精度 0.75 級の熱電対を用いて測定する。

ただし,

周波数が 50Hz,60Hz 共用のものでは,50Hz で行う。

また,試験に際しては,

表 12 に示す電線によって端子を接続する。

表 12

通電電流  A 6 以下

6

を超え 10 以下

10

を超え 15 以下

15

を超え 20 以下

導体径 mm

1.0

1.2

1.6

2.0

接続電線

の太さ

公称断面積 mm

2

 0.75

1.25

2.0

3.5

備考 20A を超えるものでは,十分な容量をもつ電線を用いること。

なお,JIS C 4530 の規定に適合する電磁継電器で,その最大適用負荷以内で使用している場合は,接点

部の温度上昇試験は,省略してもよい。

9.19

耐久性試験  耐久性試験は,供試制限器又は調節器の出力に定格負荷を接続し,表 13 に示す条件に

よって感温部に温度変化を与えて接点の開閉動作を行い,割れ,膨れ,変形などの機械的支障及び接点の

開閉などの電気的支障が生じていないかどうかを調べ,かつ,9.4.29.5 及び 9.6 の試験を行う。ただし,

機械式のものでは,作動には空気圧などを用いても差し支えないが,その際の精度変化は,あらかじめ定

めた空気圧−温度特性曲線によって読み取った空気圧変化を,温度変化に換算してもよい。

また,電子式のものでは,作動には感温素子部に温度変化を与える代わりに,抵抗入力を与えてもよい。

表 13

試験条件

種類

開閉回数

開閉頻度

閉時間

制限器

  6 000 回

6

回/分以下

1

秒以上

調節器 100

000

6

回/分以下

1

秒以上

10.

検査方法

10.1

形式検査  制限器・調節器の形式検査は,次の項目について行ったとき,4.5.6.及び 12.の規定に

適合しなければならない。

(1)

構造

(2)

外観

(3)

設定精度

(4)

入切り温度差

(5)

絶縁抵抗

(6)

耐電圧

(7)

耐寒性

(8)

耐熱性

(9)

耐湿性

(10)

耐食性

(11)

温度サイクル

(12)

機械的強度

(13)

耐衝撃性

(14)

耐振性


12

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(15)

フェールセーフ

(16)

低温特性

(17)

高温特性

(18)

温度上昇

(19)

耐久性

(20)

表示

10.2

受渡検査  制限器・調節器の受渡検査は,形式検査に合格し,性能の確認がなされた制限器又は調

節器と同種類のものについて次の項目について行ったとき,4.6.及び 12.の規定に適合しなければならな

い。

なお,受渡当事者間の協定によって,検査項目を変更又は省略してもよい。

(1)

外観

(2)

設定精度

(3)

絶縁抵抗

(4)

耐電圧

(5)

表示

11.

製品の呼び方  制限器・調節器の呼び方は,規格番号,復帰方式,感温方式及びキャピラリーチュー

ブの有無,温度設定方式,入切り温度差の調節機構の有無及び出力構成の順で表す。

 

12.

表示  制限器・調節器の本体の見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。

(1)

製造業者の形式の呼び

(2)

製造業者名又はその略号

(3)

製造年月又はその略号

13.

取扱い上の注意事項  制限器・調節器の取付説明書,取扱説明書などのいずれかに,次の事項を明記

する。

(1)

本体及び感温部の取付け状態に指定があるものは,その指定による。

(2)

キャピラリーチューブの取扱注意。

(a)

持ち運びのときは,本体(キャピラリーチューブ及び感温部を除く。

)をもつこと。

(b)

キャピラリーチューブ両端の接合部から 50mm 以内のところを曲げないこと。

(c)

キャピラリーチューブの曲げ半径は,10mm 以上とすること。

(d)

キャピラリーチューブを伸ばすときは,巻方向に伸ばすこと。


13

B 8413-1994

(3)

感温部及びキャピラリーチューブは,押しつぶしたり又は変形させないこと。

(4)

調節機構でロックされている箇所はいじらないこと。

(5)

制限器の復帰ボタンは固定しないこと。

(6)

制限器又は調節器と組み合わせて使用する感温部は,製造業者の指定するものを使用する。

(7)

制限器又は調節器と感温部若しくは温度設定器を結ぶ配線は,雑音の影響を受けるおそれがあるとき

は,電源,電動機及び燃焼器具用変圧器などの配線に接近させたり,同一の電線管に収納しないこと。

付表 1  引用規格

JIS B 0202

  管用平行ねじ

JIS B 0203

  管用テーパねじ

JIS B 7411

  ガラス製棒状温度計(全浸没)

JIS B 7412

  ガラス製二重管温度計

JIS C 0912

  小形電気機器の衝撃試験方法

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 1602

  熱電対

JIS C 4003

  電気機器絶縁の種類

JIS C 4530

  ヒンジ形電磁継電器

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 3250

  銅及び銅合金棒

JIS H 3300

  銅及び銅合金継目無管

JIS Z 2371

  塩水噴霧試験方法

JIS Z 8704

  温度測定方法−電気的方法

関連規格  JIS C 0020  環境試験方法(電気・電子)低温(耐寒性)試験方法

JIS C 0021

  環境試験方法(電気・電子)高温(耐熱性)試験方法

JIS C 0022

  環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法

JIS C 0023

  環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧試験方法

JIS C 0025

  環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法

JIS C 0704

  制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧

JIS C 8367

  圧力式サーモスタット


14

B 8413-1994

一般機械部会  燃焼機器用安全制御器専門委員会  構成表(昭和 59 年 1 月 1 日改正のとき)

氏名

所属

(委員会長)

猪  飼      茂

慶応義塾大学工学部

田  辺  俊  彦

通商産業省機械情報産業局

小  栁  武  昭

工業技術院標準部

向  井      保

工業技術院標準部

小  俣  和  夫

労働省労働基準局

小  坂  紀一郎

自治省消防庁

相  原      守

財団法人日本規格協会

南      邦  宏

安田火災海上保険株式会社安全技術部

松  本  眞  則

立石電機株式会社制御機器事業本部

新  井  敏  夫

日本ダンフォス製造株式会社営業総括部門

太  田      仁

株式会社東洋制御

小  林  元  喜

イージーオー日本株式会社東京営業所

山  本  次  郎

日本暖房機器工業会

水  谷  紘  通

愛知電機商事株式会社第 3 営業部

黒  岩  八五郎

株式会社前田鉄工所事業本部

仁  後  嗣  郎

東京三洋電機株式会社空調第 2 技術部

関      輝  一

株式会社御法川工場技術部

朝  倉  英  二

社団法人日本ボイラ協会

稲  生      宏

社団法人日本設備設計家協会

(専門委員)

池  田  康  二

山武ハネウエル株式会社機器制御事業部

若  林  信  雄

株式会社鷺宮製作所営業技術部

斉  藤  至  正

東洋ロバートショウ株式会社

(事務局)

土  屋      隆

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

稲  橋  一  行

工業技術院標準部機械規格課(平成 6 年 7 月 1 日改正のとき)

榎  本  正  敏

工業技術院標準部機械規格課(平成 6 年 7 月 1 日改正のとき)