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B 8410:2004 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本暖房機器工業

会から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を

経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 8410:1999は改正され,この規格に置き換えられる。 

B 8410:2004 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8410:2004 

水道用減圧弁 

Pressure reducing valves for water works 

序文 この規格は,労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づく労働省令ボイラー及び圧力容器安

全規則(昭和47年労働省令第33号)の規定外の給湯及び暖房用温水ボイラ(以下,温水用熱交換器とい

う。)の給水に用いる水道用減圧弁の安全性と信頼性を確保することを目的として1979年にJIS B 8410が

制定された。 

今回の改正は,“給水装置の構造及び材質の基準に関する省令”の一部を改正する省令(平成16年厚生

労働省令第6号,平成16年1月26日交付,平成16年4月1日施行)を受けて,同令による浸出性能基準

との整合性を図った。 

1. 適用範囲 この規格は,主に温水用熱交換器の給水に用いる逆流防止機構を内蔵した給水一次側が最

高使用圧力750 kPaの水道用減圧弁(以下,減圧弁という。)について規定する。 

備考 この規格でいう圧力は,すべてゲージ圧力である。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0203 管用テーパねじ 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS B 8414 温水機器用逃し弁 

JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管 

JIS H 3320 銅及び銅合金溶接管 

JIS S 3200-1 水道用器具−耐圧性能試験方法 

JIS S 3200-2 水道用器具−耐寒性能試験方法 

JIS S 3200-4 水道用器具−逆流防止性能試験方法 

JIS S 3200-6 水道用器具−耐久性能試験方法 

JIS S 3200-7 水道用器具−浸出性能試験方法 

3. 定義  

a) 一次側圧力 弁箱の入口側圧力又は弁箱に近い入口側配管内の圧力 

b) 二次側圧力 弁箱の出口側圧力又は弁箱に近い出口側配管内の圧力 

c) 設定圧力 一次側に所定の圧力を加え,二次側を閉じたときの二次側の圧力 

d) 開放流量 一次側圧力を規定の圧力に保持し,二次側を開放したときの流量 

e) 圧力特性 二次側を閉じたときの,一次側の圧力変化に対する二次側の圧力 

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f) 

一般用 弁内の水を抜き,凍結による破損等を防止する機構をもたないもの。 

g) 寒冷地用 弁内の水を抜き,凍結による破損等を防止する機構をもつもの。 

4. 種類及び記号 減圧弁の種類及び記号は,設定圧力,口径の呼び及び用途によって,次のように区分

する。 

a) 設定圧力による区分 設定圧力による区分は,表1による。 

表 1 設定圧力による区分 

単位 kPa 

記号 

設定圧力 

温水用熱交換器の最高使用圧力 

65 

65 

100 

80 

80 

85 

85 

120 

120 

200 

150 

150 

170 

170 

備考 減圧弁を使用する場合は,温水用熱交換器の最 

高使用圧力と対応する次に示す組合せのJIS 

B 8414に規定された温水機器用逃し弁を使用 

する。 

減圧弁(記号) 

温水機器用逃し弁(記号) 

65 

95,97 

80 

85 

97 

120 

190 

150 
170 

b) 口径の呼びによる区分 口径の呼びによる区分は,表2による。 

表 2 口径の呼びによる区分 

単位 mm 

記号 

口径の呼び 

15 

15 

20 

20 

25 

25 

備考 温水用熱交換器に内蔵する 

ものの銅管接続部は,JIS 

H 3300又はJIS H 3320の 

呼び径又は標準寸法でもよ 

い。 

c) 用途による区分 用途による区分は,表3による。 

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表 3 用途による区分 

記号 

用 途 

一般用 

寒冷地用 

5. 性能 減圧弁の性能は,10.の規定によって試験し,表4に適合しなければならない。 

表 4 性能 

項  目 

性           能 

試験方法 

設定圧力の許容差 


号 

65,80,85 

±6 kPa以内であること。 

10.2 

120,150,170 

±7 kPa以内であること。 

開放流量 

口径の呼び 15 

15 L/min以上流れること。 

10.3 

口径の呼び 20 

30 L/min以上流れること。 

口径の呼び 25 

50 L/min以上流れること 

圧力特性 

設定圧力の許容差以内であること。 

10.4 

逆流防止性能 

漏れがないこと。 

10.5 

耐圧性能 

変形及び外部への水漏れがないこと。 

10.6 

耐寒性能 

再通水後,設定圧力の許容差以内であること。 

10.7 

耐久性能 

10万回作動した後,上記の全項目を満たすこと。 

10.8 

浸出性能 

付表1に示す判定基準に適合すること。 

10.9 

備考 耐寒性能は,一般用には適用しない。 

6. 構造  

6.1 

構造一般 減圧弁は,図1に示すような構造のもので,作動が確実であり,かつ,耐圧性能及び耐

久性能をもち,容易に破損・変形・水漏れなどがあってはならい。 

番号 

名  称 

番号 

名  称 



調節ねじ 
調節ばね 

ダイアフラム 



弁箱 
弁体 
逆流防止弁 

図 1 水道用減圧弁の構造図(例) 

6.2 

圧力調整機構 圧力調整機構は,調節ばね,ダイアフラム,弁体などで構成し,一次側圧力が変動

しても,常に安定した二次側圧力を保持できる構造とする。 

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なお,調節ねじ部には,容易に圧力調整ができないようにラベル,固定塗料などで封印する。 

6.3 

逆流防止機構 逆流防止機構は,一次側圧力が二次側圧力よりも低下したときに生じる逆流を確実

に防止する構造とする。 

6.4 

寒冷地用機構 寒冷地用機構は,水抜き操作を行った後,減圧弁内の残留水が凍結しても破損せず,

かつ,再通水を阻害しない構造とする。 

水抜き栓付の場合は,工具を用いないで簡単な操作で水が抜けるものとする。 
 

7. 形状・寸法 減圧弁の継手の形状及び取付け部の形状は,次による。 

a) 継手の形状 継手の形状は,取付け,取外しの際,容易に工具が用いられる形状とする。 

b) 取付け部の寸法 取付け部の寸法は,管用テーパねじを使用する場合,表5による。 

なお,温水用熱交換器に内蔵するもので,管用テーパねじ以外の継手を使用する場合は,表5によ

らなくてもよい。また,面間寸法は,図2に示す寸法をいう。 

表 5 取付け部の寸法 

記号 

面間寸法 mm 

ねじの呼び 

15 

80,90,105,115 

Rc 1/2 

20 

90,115 

Rc 3/4 

25 

110,150 

Rc 1 

備考 ねじは,JIS B 0203に規定する管用テ 

ーパめねじとする。 

図 2 面間寸法 

8. 外観 減圧弁の外観は,各部の仕上げが良好で,割れ及び使用上有害なきず,さび,ばりなどの欠陥

があってはならない。 

なお,使用上有害なさびが発生するおそれのある材料には,適切なさび止め処理を施さなければならな

い。 

9. 材料 減圧弁の材料は,通常の使用及び施工に十分耐えられる強度をもち,接水部に用いる材料は10.9

の規定を満足しなければならない。 

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10. 試験方法  

10.1 試験装置 試験装置は,次による。 

a) 圧力計は,JIS B 7505に規定するものを用いる。 

b) 配管の呼び径は,供試弁の口径の呼びと同じとする。 

10.2 設定圧力試験 設定圧力試験は,図3に示す装置によって,供試弁の二次側を閉じ,一次側から350 

kPaの圧力を1分間加えた後,二次側の圧力を調べる。 

図 3 設定圧力及び圧力特性試験装置の一例 

10.3 開放流量試験 開放流量試験は,図4に示す装置によって,一次側を100 kPaの圧力に保持し,二

次側を開放したときの流量を,容器を用いて測定する。 

なお,測定に疑義を生じない場合は,校正された流量計によってもよい。 

図 4 開放流量試験装置の一例 

10.4 圧力特性試験 圧力特性試験は,図3に示す装置によって,供試弁の二次側を閉じ,一次側を200 kPa

から750 kPaまで圧力を徐々に変化させたときの二次側の圧力を調べる。 

10.5 逆流防止性能試験 逆流防止性能試験は,図5に示す装置によって供試弁を指定の取付け状態に設

置し,二次側から3 kPaの圧力及び当該減圧弁の設定圧力を1分間加え,一次側への漏れの有無を調べる

か,JIS S 3200-4によって行う。 

図 5 逆流防止性能試験装置の一例 

10.6 耐圧性能試験 耐圧性能試験は,図3に示す装置によって,供試弁の二次側を閉じ,一次側から1.75 

MPaの水圧を1分間加え,その状態を保持して変形及び外部への水漏れの有無を調べるか,JIS S 3200-1に 

よって行う。 

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10.7 耐寒性能試験 耐寒性能試験は,図6に示す装置によって,次によるか,JIS S 3200-2によって行う。 

a) 供試弁を水平配管又は垂直配管等の指定の取付け状態に設置して通水する。 

b) 通水を止め,水を抜いた状態で10分間放置する。 

c) 装置内の温度をプラス側から徐々に降下させ,−20±2 ℃で1時間保持した後,再通水する。 

d) 再通水は一次側から常温,200 kPaの圧力とし,通水後に二次側の圧力を調べる。二次側は,開放又

は循環させてもよい。 

図 6 耐寒性能試験装置の一例 

備考 配管の水平部分は先上がりとし,こう配は1/100以上とする。 

10.8 耐久性能試験 耐久性能試験は,図7に示す装置によって,一次側から350 kPaの水圧を加え,供

試弁を電磁弁などで毎分4〜15回の速さで10万回開・閉の作動を繰り返した後,5.の性能を調べるか,JIS 

S 3200-6によって行う。 

なお,開・閉の作動をもって1回とする。 

 
 
 
 

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図 7 耐久性能試験装置の一例 

10.9 浸出性能試験 減圧弁の浸出性能試験は,JIS S 3200-7によって行う。 

なお,試験を行うべき接水部の材料の特定は,付表1の注(1)を参照すること。 

11. 検査方法 

11.1 形式検査 減圧弁の形式検査は,次の検査項目について行う。 

なお,耐寒性能は,一般用には適用しない。 

a) 寸法 

b) 外観 

c) 材料 

d) 設定圧力 

e) 開放流量 

f) 

圧力特性 

g) 逆流防止性能 

h) 耐圧性能 

i) 

耐寒性能 

j) 

耐久性能 

k) 浸出性能 

11.2 受渡検査 減圧弁の受渡検査は,形式検査に合格し,性能が確認された減圧弁と同種類のものを,

次の検査項目について行う。 

なお,受渡当事者間の協定によって検査項目の一部を変更又は省略してもよい。 

a) 外観 

b) 設定圧力 

c) 逆流防止性能 

d) 包装 

e) 表示 

12. 包装 減圧弁の包装は,配管接続口に防じん用のふたをするか,その他の方法によって,ちり,ほこ

りなどの異物が入らないようにする。 

13. 製品の呼び方 減圧弁の呼び方は,規格番号,設定圧力,口径の呼び及び用途の順で示す。 

なお,記号で示してもよい。 

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14. 表示 減圧弁には,次の事項を見やすい箇所に,容易に消えない方法で表示する。 

a) 製造業者の形式名 

b) 製造業者名又はその略号 

c) 製造年月又はその略号 

d) 設定圧力(記号120,150及び170の“200 kPa用”は,記号65,80及び85の“100 kPa用”と容易

に識別できること。) 

e) 口径の呼び 

f) 

流体の流れ方向を示す矢印 

g) 用途(一般用は表示しなくてもよい。) 

15. 取扱上の注意事項 減圧弁には,次の事項をラベル,荷札,取扱説明書などで明示する。 

a) 封印がしてある箇所は,封印を解かないこと。 

b) 掃除の方法 

c) 水抜き栓付の場合は,水抜き栓の位置及び操作の方法 

d) 凍結破損しないように,保温などの処置をすること。 

e) 減圧弁は,JIS B 8414に規定する温水機器用逃し弁の吹き始め圧力に適合する組合せで使用すること。 

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付表 1 浸出性能の判定基準 

試験項目(1) 

判定基準値 

味 

異常でないこと。 

臭気 

異常でないこと。 

色度 

5度以下 

濁度 

2度以下 

カドミウム 

0.01 mg/L以下 

水銀 

0.0005 mg/L以下 

セレン 

0.01 mg/L以下 

鉛 

0.01 mg/L以下 

六価クロム 

0.05 mg/L以下 

シアン 

0.01 mg/L以下 

硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 

10 mg/L以下 

ふっ素 

0.8 mg/L以下 

四塩化炭素 

0.002 mg/L以下 

1,2-ジクロロエタン 

0.004 mg/L以下 

1,1-ジクロロエチレン 

0.02 mg/L以下 

ジクロロメタン 

0.02 mg/L以下 

シス-1,2-ジクロロエチレン 

0.04 mg/L以下 

テトラクロロエチレン 

0.01 mg/L以下 

1,1,2-トリクロロエタン 

0.006 mg/L以下 

トリクロロエチレン 

0.03 mg/L以下 

ベンゼン 

0.01 mg/L以下 

亜鉛 

1.0 mg/L以下 

鉄 

0.3 mg/L以下 

銅 

1.0 mg/L以下 

ナトリウム 

200 mg/L以下 

マンガン 

0.05 mg/L以下 

塩素イオン 

200 mg/L以下 

蒸発残留物 

500 mg/L以下 

陰イオン界面活性剤 

0.2 mg/L以下 

フェノール類 

0.005 mg/L以下 

有機物(全有機炭素(TOC)の量)(2) 

5 mg/L以下 

エピクロロヒドリン 

0.01 mg/L以下 

アミン類 

0.01 mg/L以下 

2,4-トルエンジアミン 

0.002 mg/L以下 

2,6-トルエンジアミン 

0.001 mg/L以下 

ホルムアルデヒド 

0.08 mg/L以下 

酢酸ビニル 

0.01 mg/L以下 

スチレン 

0.002 mg/L以下 

1,2-ブタジエン 

0.001 mg/L以下 

1,3-ブタジエン 

0.001 mg/L以下 

注(1) 試験項目は,減圧弁の接水部の材料(青銅鋳物,銅及び銅合金,ス 

テンレス鋼,合成ゴム,合成樹脂など)によって,JIS S 3200-7の 

項目から選択して行うこと。 

(2) 有機物(全有機炭素(TOC)の量)5 mg/L以下とあるは,平成17年 

3月31日までの間は,有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)10  

mg/L以下とする。