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B 8384

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  記号及び単位 

5

5

  試験

5

5.1

  要求事項 

5

5.2

  ポンプ試験 

7

5.3

  モータ試験 

10

5.4

  一体形トランスミッション 

12

6

  結果の表示 

13

6.1

  総則

13

6.2

  ポンプ試験 

13

6.3

  モータ試験 

14

6.4

  一体形トランスミッション試験

14

7

  規格準拠表示 

15

附属書 A(参考)実用単位の使用法

16

附属書 B(参考)測定誤差と精度等級

18

附属書 C(参考)試験前のチェックリスト 

19

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

20


B 8384

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本フル

ードパワー工業会(JFPA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格

である。

これによって,JIS B 8384:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

8384

:2011

油圧−容積式ポンプ,モータ及び

一体形トランスミッション−

定常状態における性能測定方法

Hydraulic fluid power-

Positive-displacement pumps, motors and integral transmissions-

Methods of testing and presenting basic steady state performance

序文 

この規格は,2007 年に第 2 版として発行された ISO 4409 を基とし,日本における実用性を考慮し,技

術的内容を一部変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,油圧ポンプ,モータ及び一体形トランスミッションの性能及び効率を決定する方法につい

て規定する。この規格は,連続的に回転する軸をもつものに適用する。この規格には,試験装置,定常条

件下での試験手順及び試験結果の表示に関する要件を示す。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 4409:2007

, Hydraulic fluid power − Positive-displacement pumps, motors and integral

transmissions−Methods of testing and presenting basic steady state performance(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0125-1

  油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第 1 部:図記号

注記  対応国際規格:ISO 1219-1,Fluid power systems and components−Graphic symbols and circuit

diagrams−Part 1:Graphic symbols for conventional use and data-processing applications(MOD)

JIS B 0142

  油圧・空気圧システム及び機器−用語

注記  対応国際規格:ISO 5598,Fluid power systems and components−Vocabulary(MOD)

JIS B 8385

  油圧−ポンプ・モータ及び一体形トランスミッション−パラメータの定義及び文字記号


2

B 8384

:2011

注記  対応国際規格:ISO 4391,Hydraulic fluid power−Pumps, motors and integral transmissions−

Parameter definitions and letter symbols(IDT)

JIS B 9939-1

  油圧−測定技術−第 1 部:一般測定原則

注記  対応国際規格:ISO 9110-1:1990,Hydraulic fluid power−Measurement techniques−Part 1:

General measurement principles(MOD)

JIS B 9939-2

  油圧−測定技術−第 2 部:管路における平均定常圧力の測定

注記  対応国際規格:ISO 9110-2:1990,Hydraulic fluid power−Measurement techniques−Part 2:

Measurement of average steady-state pressure in a closed conduit(MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142 によるほか,次による。

注記  混乱を生じるおそれのない場合(例えば,あるポンプ又はモータの試験が行われた場合),ポン

プ,モータ又は一体形トランスミッションにそれぞれ関係する量であることを示す上付き添字

“P”

“M”

,及び“T”は,省略してもよい。

3.1 

体積流量,q

V

(volume flow rate)

単位時間当たりに流れる流体の体積。

3.2 

ドレン流量,q

Vd

(drainage flow rate)

ある機器のケーシングから排出される体積流量。

3.3 

ポンプ有効出口流量,

P

e

,

2

V

q

(pump effective outlet flow rate)

ポンプの出口において,温度 θ

2,e

,圧力 p

2,e

であるときの,実際に測定された流量。

注記  そのポンプの出口以外の箇所で温度 θ,圧力 において測定された流量の場合,その流量 q

V

を,

有効出口流量として表すためには,式(1)によって修正する。





)

(

1

e

,

2

T

e

,

2

P

e

,

2

θ

θ

α

K

p

p

q

q

V

V

− 

 (1)

3.4 

モータ有効入口流量

M

e

,

1

V

q

(motor effective inlet flow rate)

モータの入口において,温度 θ

1,e

,圧力 P

1,e

であるときの,実際に測定された流量。

注記 1

  そのモータの入口以外の箇所で温度 θ,圧力 において測定された流量の場合,その流量 q

V

を,有効入口流量として表すためには,式(2)によって修正する。





)

(

1

e

,

1

T

e

,

1

M

e

,

1

θ

θ

α

K

p

p

q

q

V

V

− 

 (2)

注記 2

  そのモータの流量が出口で測定され,そのモータが外部ドレン口をもっている場合,モータ

の流量 q

V

(温度 θ 及び圧力 において測定)及びドレン流量

M

d

V

q

(温度 θ

d

及び圧力 p

d

におい

て測定)は,計算に用いられる入口流量の温度及び圧力を参照し,式(3)によって修正する。


3

B 8384

:2011









)

(

1

)

(

1

d

e

,

1

T

d

e

,

1

d

e

,

1

T

e

,

1

M

e

,

1

θ

θ

α

K

p

p

q

θ

θ

α

K

p

p

q

q

V

V

V

− 

− 

 (3)

3.5 

実用容量

V

i

(derived capacity)

試験条件下で,異なる回転速度で測定した結果から計算したポンプ又はモータの一回転当たりの流体の

体積。

3.6 

回転速度

n(rotational frequency, shaft speed)

単位時間当たりの駆動軸の回転数。

注記 

回転方向(時計回り又は反時計回り)は,測定者が軸端から見た方向で表す。また,必要に応

じて図によって示してもよい。

3.7 

トルク

T(torque)

試験に用いる機器の軸トルクの測定値。

3.8 

有効圧力

p

e

(effective pressure)

大気圧に対応する流体圧であって,次の値をとる。

a)

  その圧力が大気圧より高いとき,正の値。

b)

  その圧力が大気圧より低いとき,負の値。

3.9 

ドレン圧力

p

d

(drainage pressure)

大気圧に対応する圧力であって,機器のケーシングのドレン接続口で測定した値。

3.10 

機械的動力

P

m

(mechanical power)

式(4)によって与えられるポンプ又はモータの軸で測定されたトルクと回転速度との積。

P

m

=2πnT  (4)

3.11 

油圧動力

P

h

(hydraulic power)

式(5)によって与えられるある点における流量と圧力との積。

P

h

q

V

 (5)

3.12 

ポンプ有効油圧出力

P

h

,

2

(effective outlet hydraulic power of a pump)

ポンプの総油圧出力。

e

,

2

e

,

2

P

h

,

2

p

q

P

V

 (6)

3.13 

モータ有効油圧出力,

M

h

,

1

P

effective inlet hydraulic power of a motor

モータの総油圧入力。


4

B 8384

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e

,

1

e

,

1

M

h

,

1

p

q

P

V

 (7)

注記  油圧流体の総エネルギーは,その流体に含まれた各種のエネルギーの合計である。式

(6)

及び式

(7)

においては,その流体の運動エネルギー,位置エネルギー及びひずみエネルギーは無視して

おり,圧力は静圧だけを用いて計算している。これらの他のエネルギーが試験結果に重大な影

響を及ぼす場合には,それらを考慮することが望ましい。

3.14 

ポンプ全効率,

P

t

η

pump overall efficiency

ポンプによって変換されるその流体の流体出力と実出力との比率で,式

(8)

によって与えられる。

nT

p

q

p

q

V

V

π

2

)

(

)

(

e

,

1

e

,

1

e

,

2

e

,

2

P

t

η

 (8)

3.15 

ポンプ容積効率

P

v

η (pump volumetric efficiency)

ポンプ実用容量と回転速度との積と,実際の出力流量との比率で,式(9)によって与えられる。

n

 

V

q

V

P

i

e

,

2

P

v

η

 (9)

3.16 

モータ全効率

M

t

η

(motor overall efficiency)

モータによって変換されるその流体のもつ流体入力と機械的出力との比率で,式(10)によって与えられ

る。

)

(

)

(

π

2

e

,

2

e

,

2

e

,

1

e

,

1

M

t

p

q

p

q

nT

V

V

η

 (10)

3.17 

モータ容積効率

M

V

η (motor volumetric efficiency)

モータ実用容量と回転速度との積と,実際の入力流量との比率で,式(11)によって与えられる。

e

,

1

M

i

M

V

V

q

n

 

V

η

(11)

3.18 

モータ機械効率,

M

hm

η

motor hydro-mechanical efficiency

モータの軸トルクと理論トルクとの比率で,式

(12)

によって与えられる。

(

)

M

i

e

,

2

e

1,

th

M

hm

V

p

p

T

T

T

η

 (12)

3.19  

一体形トランスミッション全効率,

T

t

η

integral transmission overall efficiency

機械的出力と機械的入力との比率で,式

(13)

によって与えられる。

1

1

2

2

T

t

T

n

T

 

n

η

 (13)

3.20  

一体形トランスミッション回転速度比率

r(integral transmission rotational frequency ratio)

出力回転速度 n

2

と入力回転速度 n

1

との比率で,式(14)によって与えられる。


5

B 8384

:2011

1

2

n

n

r

 (14)

記号及び単位 

この規格で用いる記号及び単位は,

表 1

による。

表 1

に示す記号に付ける文字及び数字は,

JIS B 8385

による。

図 1

図 2

図 3

及び

図 4

に用いる図記号は,

JIS B 0125-1

による。

表 1

記号及び単位 

名称

記号

単位

配管の内径

mm

体積流量

q

V

 L/min

実用容量

V

i

 cm

3

回転速度

min

1

トルク

N・m

有効圧力

p

e

 M

Pa

a)

動力

W

密度

ρ 

g/cm

3

体積弾性係数

T

K

 Pa

a)

動粘度

ν 

mm

2

/s

温度

θ 

体積膨張係数

α 

K

1

効率

η 

回転速度比率

a)

 1

Pa=1 N/m

2

試験 

5.1 

要求事項 

5.1.1 

一般的事項 

試験設備は,試験中に空気の混入を防止できるように設計する必要があり,試験に先立って装置から気

泡を全て除去するための配慮をしなければならない。

試験機器は,その製造業者の操作要領に従って試験回路に取り付け,試験しなければならない(

附属書

C

参照)

試験範囲の周囲温度は,記録しなければならない。

試験回路には,試験機器の製造業者による試験流体の清浄度を達成するフィルタを設置しなければなら

ない。試験回路に使用されたフィルタの位置,数量及び仕様は,記録しなければならない。

管内の圧力を測定する場合,

JIS B 9939-1

及び

JIS B 9939-2

の条件に準じなければならない。また,圧

力測定点は,その機器のポート面から管内径の 2∼4 倍の範囲となるように決定しなければならない。

温度測定点は,その機器の圧力測定点から管内径の 2∼4 倍の範囲で,機器からより離れた場所でなけれ

ばならない。この距離は,もっと長くてもよいが,その場合には管損失を考慮しなければならない。

図 1

図 2

図 3

及び

図 4

に基本的な回路を示すが,必要な全ての安全装置を含むものではない。試験実

行者は,人員及び機器装置を危険から守るため,十分な配慮をすることが重要である。


6

B 8384

:2011

5.1.2 

試験装置 

試験回路は,

図 1

図 2

図 3

及び

図 4

から適切なものに従って構成する。

5.1.3 

試験条件 

必要時,又は試験を開始する前に,試験機器は,製造業者の推奨に従って慣らし運転をしなければなら

ない。

5.1.4 

試験流体 

試験機器の性能は,試験流体の粘度に大きく左右されるので,試験には,製造業者が承認した流体を使

用しなければならない。

次に示す流体の特性は,記録しなければならない。

a)

  動粘度

b)

  試験温度における密度

c)

  体積弾性係数

d)

  体積膨張係数

5.1.5 

温度 

5.1.5.1 

制御温度 

試験は,指定流体温度で実施しなければならない。試験流体温度は,試験機器の入口で計測し,製造業

者の推奨する範囲内になければならない。

試験流体温度は,

表 2

に示す範囲内に保持しなければならない。

表 2

表示流体温度の許容範囲 

測定精度等級(

附属書 参照) A

B

C

表示温度の変化  ℃

±1.0

±2.0

±4.0

5.1.5.2 

その他の温度 

次に示す箇所の試験流体温度は,記録しなければならない。

a)

  試験機器の出口

b)

  流量測定点

c)

  ドレン配管(該当する場合)

試験場所の周囲温度についても記録しなければならない。

一体形トランスミッションについては,これら全ての温度を測定することが不可能な場合がある。

試験報告書には,その旨を記入する。

5.1.6 

大気圧 

試験中の周囲の絶対大気圧が,その試験に重要な影響を及ぼす可能性がある場合には,その圧力を記録

しなければならない。

5.1.7 

ケーシング圧力 

機器のケーシング内の流体圧力が,性能に影響を及ぼす可能性がある場合には,試験で使用された値と

して,その圧力を記録しなければならない。

5.1.8 

定常状態 

パラメータに対するそれぞれの測定値は,その測定値が

表 3

に示す範囲内にある場合に限り記録する。

多数の不安定な測定値が記録された場合,パラメータが限度値内にあれば,全ての測定値は記入しなけれ


7

B 8384

:2011

ばならない。取得する全ての測定値において,推奨する計測時間は最大 10 秒である。

表 3

各試験パラメータの許容誤差 

各測定精度等級に対する許容誤差

a)

附属書 参照)

パラメータ

A B C

回転速度 %  ±0.5

±1.0

±2.0

トルク % ±0.5

±1.0

±2.0

体積流量 %  ±0.5

±1.5

±2.5

圧力 Pa

 b)

(p

e

<1.5×10

5

 Pa)

±1×10

3

±3×10

3

±5×10

3

圧力 % 
(p

e

≧1.5×10

5

 Pa)

±0.5

±1.5

±2.5

a)

  この表に示す許容誤差は,測定値の変動幅に関するものであり,測定器の精度誤差を

表すものではない(

附属書 参照)。これらの変動幅は,定常の程度を示すものであ

り,特定の値をとるパラメータについてもこれらの変動幅から外れない限り,定常状
態での一様な曲線上の値として扱ってもよい。ただし,動力又は効率の計算において
は,実際の測定値を用いる。

b)

  1 Pa

=1 N/m

2

5.1.9 

試験計測 

試験計測に当たっては,機器の性能が測定範囲全域にわたって表示されるように,測定点及びその数を

決定する。

5.2 

ポンプ試験 

5.2.1 

試験回路 

5.2.1.1 

開回路の試験 

少なくとも

図 1

に示す機器が含まれ,そのとおりに構成された試験回路を使用しなければならない。

加圧された入口圧力の要求がある場合,許容範囲内の入口圧力に保持するように,適切な手段を施さな

ければならない(

5.2.2

参照)


8

B 8384

:2011

図記号説明 
1

流量計の代替位置

2

駆動源

a

圧力及び温度の測定位置(5.1.1 参照)

:2dL≦4

図 1

ポンプユニットの試験回路(開回路) 

5.2.1.2 

閉回路の試験 

少なくとも

図 2

に示すような機器が構成された試験回路を使用しなければならない。

この回路では,ブーストポンプは,冷却目的のために,全回路における損失流量を僅かに上回った流量

を供給すればよい。


9

B 8384

:2011

図記号説明 
1

流量計の代替位置

2

駆動源

a

圧力及び温度の測定位置(5.1.1 参照)

:2dL≦4d

図 2

ポンプユニットの試験回路(閉回路) 

5.2.2 

入口圧力 

各試験を通じて,入口圧力を製造業者の指定する許容変動範囲で一定に保つ(

表 3

参照)

要求のある場合には,異なる入口圧力において試験を行う。

5.2.3 

試験測定 

次の測定結果を記録する。

a)

  入力トルク

b)

  出口流量

c)

  ドレン流量(該当する場合)

d)

  流体温度

出口圧力の全範囲にわたってポンプの性能が示されるように,一定の回転速度(

表 3

参照)において試

験する。また,多数の出口圧力においても試験する。

回転速度の全範囲にわたってポンプの性能が示されるように,異なる回転速度において,

a)

d)

の測定

を反復する。

5.2.4 

可変容量 

可変容量形のポンプの場合には,最大容量と,その他の設定容量(例えば,最大容量の 75 %,50 %及び

25 %)に対して全ての試験を行う。これらの設定容量は,いずれもその試験について規定された最低回転

速度での最低出口圧力における所定の流量比率(百分率)を示すものとする。


10

B 8384

:2011

5.2.5 

逆流 

ポンプからの流れの方向を逆転させることが可能な場合(例えば,容量制御によって)

,正逆両方向の流

れについて試験を行う。

5.2.6 

非一体形ブーストポンプ 

供試ポンプが独立したブーストポンプを伴っており,入力を別個に測定可能な場合,それらのポンプを

個々に試験し,結果をそれぞれのポンプについて表示する。

5.2.7 

一体形全量ブーストポンプ 

ブーストポンプが供試ポンプと一体構造のために入力を分離できず,ブーストポンプが主ポンプの全流

量を供給する場合は,その 2 台のポンプを一体として扱い,試験結果もそのように表示する。

注記

  測定する入口圧力は,ブーストポンプの入口圧力である。

ブーストポンプからの余剰流量を測定し,記録しなければならない。

5.2.8 

一体形 次流量用ブーストポンプ 

ブーストポンプが供試ポンプと一体構造のために入力を分離できないが,ブーストポンプは,主ポンプ

の油圧回路へ補助流量だけ供給し,余剰流量は,バイパスされるか,副次的な目的(例えば,冷却循環用)

に使われる場合は,可能な限り,ブーストポンプからの流量を測定し,記録する。

5.3 

モータ試験 

5.3.1 

試験回路 

少なくとも

図 3

に示すような機器で構成された試験回路を使用しなければならない。

流量をモータ出口の下流(代替位置)で測定する場合,ドレン流量も含めて,計算によって修正した流

量とする。

1

流量計の代替位置

2

負荷

3

制御流体供給源

a

圧力及び温度の測定位置(5.1.1 参照)

:2dL≦4d

図 3

モータの試験回路 

5.3.2 

出口圧力 

モータの出口圧力は,試験中常に,

表 3

に示す許容誤差内に保持するように,圧力制御弁を用いるなど

して制御しなければならない。この出口圧力は,モータの使用目的と,製造業者の推奨する条件に適した

ものでなければならない。


11

B 8384

:2011

5.3.3 

試験測定 

次の項目を測定しなければならない。

a)

  入口流量

b)

  ドレン流量(該当する場合)

c)

  出力トルク

d)

  流体温度

入口圧力の全範囲にわたるモータ性能が表示できるように,モータの全回転速度範囲について,また,

幾つかの異なる入口圧力で測定する。

5.3.4 

可変容量 

モータが可変容量形のものである場合,最小容量,最大設定容量,及びその他の設定容量(例えば,最

大容量の 75 %,50 %及び 25 %)について全ての試験を行う。

出力トルク・ゼロにおいて,各々の入口流量に対して要求される回転速度が得られるように調整するこ

とによって容量比率を計算する。流量の決定に当たっては,モータがその最小容量において最大回転速度

に達するようにしなければならない。

5.3.5 

逆回転 

両方向に回転する必要のあるモータの場合,両方向の試験を行う。


12

B 8384

:2011

5.4 

一体形トランスミッション 

5.4.1 

試験回路 

少なくとも

図 4

に示すような機器で構成された試験回路を使用しなければならない。

1

負荷

2

一体形トランスミッションケース

3

駆動源

図 4

一体形トランスミッションの試験回路 

5.4.2 

試験計測 

特定の入力回転速度に対して,一体形トランスミッションが最大容量で稼働している状態で,次の項目

を測定しなければならない。

a)

  入力トルク

b)

  出力トルク

c)

  出力回転速度

d)

  流体圧力

e)

  場合に応じて,流体温度

製造業者が,特定の入力回転速度に関して推奨する動力範囲について測定する。

幾つかの異なる入力回転速度について,

a)

e)

の測定を繰り返す。入力回転速度は,

表 3

の許容誤差内

に収める。


13

B 8384

:2011

ポンプが可変容量形の場合,モータを最大容量に設定し,ポンプの最大容量の 75 %,50 %及び 25 %の

流量で,

a)

e)

の測定を繰り返す。

ポンプ容量は,出力軸を無負荷,モータを最大容量に設定した状態で,最大ポンプ容量での出力回転速

度に対する,減少したポンプ容量での出力回転速度の比率で決定する。

モータが可変容量形の場合,モータを最小容量に設定した状態で,

a)

e)

の測定を繰り返す。

5.4.3 

ブーストポンプ 

ブーストポンプ又はその他の補助ポンプが主ポンプと一体構造のもので,同一の入力軸で駆動される場

合,これらのポンプを単一の機器として扱い,その旨を試験結果に記載しなければならない。

ブーストポンプ又はその他の補助ポンプが分離して駆動される場合,それらの消費動力はトランスミッ

ションの性能から除外して,その旨を試験結果に記載しなければならない。

5.4.4 

逆回転 

出力軸が両回転可能な場合,両方向について試験をしなければならない。

結果の表示 

6.1 

総則 

試験計測結果及び計算結果は,試験を実施した機関が,表示及び図示しなければならない。実用単位を

用いて結果を表示する場合は,

附属書 A

を参照する。

6.2 

ポンプ試験 

6.2.1 

一定回転速度で試験されたポンプ 

ある一定回転速度において試験されたポンプについては,その有効出口圧力(p

2,e

)に対して次の項目の

グラフを作成しなければならない。

a)

  容積効率

b)

  全効率

c)

  有効出口流量

d)

  有効入力動力

なお,次のパラメータも記録しなければならない。

パラメータ

結果

単位

試験流体

ポンプ入口での流体温度

試験流体の動粘度

mm

2

/s

試験流体の密度

g/cm

3

試験流体の体積弾性係数  Pa

試験流体の体積膨張係数

K

1

ポンプ有効入口圧力

MPa

ポンプの最大容量に対する百分率

%

回転速度

min

1

6.2.2 

幾つかの異なる一定回転速度において試験されたポンプ 

様々な一定回転速度において試験を行ったポンプについては,試験で使用した有効出口圧力(p

2,e

)に対

する結果を

6.2.1

で示したような形で表すか,又は回転速度に対する次の項目のグラフを作成しなければ

ならない。


14

B 8384

:2011

a)

  容積効率

b)

  全効率

c)

  有効出口流量

d)

  有効入力動力

なお,次のパラメータも記録しなければならない。

パラメータ

結果

単位

試験流体

ポンプ入口での流体温度

試験流体の動粘度

mm

2

/s

試験流体の密度

g/cm

3

試験流体の体積弾性係数  Pa

試験流体の体積膨張係数

K

1

ポンプ有効入口圧力

MPa

ポンプの最大容量に対する百分率

%

ポンプ有効出口圧力

MPa

6.3 

モータ試験 

モータ試験では,様々な有効入口圧力(p

1,e

)で試験を行い,それらをパラメータとして,回転速度に対

して次の項目のグラフを作成しなければならない。

a)

  容積効率

b)

  全効率

c)

  有効入口流量

d)

  出力トルク

e)

  機械効率

なお,次のパラメータも記録しなければならない。

パラメータ

結果

単位

試験流体

モータ入口での流体温度

試験流体の動粘度

mm

2

/s

試験流体の密度

g/cm

3

試験流体の体積弾性係数  Pa

試験流体の体積膨張係数

K

1

モータの最大容量に対する百分率

%

モータ有効入口圧力

MPa

モータ有効出口圧力

MPa

6.4 

一体形トランスミッション試験 

一体形トランスミッションを試験する場合,入力回転速度(又は,入力動力)を一定として,異なる 3

種類の有効出口動力(P

2,e

)で試験を行い,それらをパラメータとして,出力回転速度(n

2

)に対する全効

率(η

t

)のグラフを作成しなければならない。

なお,次のパラメータについても記録しなければならない。


15

B 8384

:2011

パラメータ

結果

単位

試験流体

ポンプ入口での流体温度

試験流体の動粘度

mm

2

/s

試験流体の密度

g/cm

3

試験流体の体積弾性係数

Pa

試験流体の体積膨張係数

K

1

入力回転速度

min

1

有効出口動力

W

さらに,有効ポンプ出口圧力(p

2

)に対する回転速度比率(r)のグラフを作成しなければならない。

なお,次のパラメータについても記録しなければならない。

パラメータ

結果

単位

試験流体

ポンプ入口での流体温度

入力回転速度

min

1

ポンプの最大容量に対する百分率

%

モータの最大容量に対する百分率

%

規格準拠表示 

この規格に適合した製品を製造する製造業者に対して,試験報告書,カタログ及び販売資料に次の一文

を記載することを推奨する。

“定常状態における性能試験は,

JIS B 8384

(油圧−容積式ポンプ,モータ及び一体形トランスミッシ

ョン−定常状態における性能測定方法)に準拠する。


16

B 8384

:2011

附属書 A

(参考)

実用単位の使用法

A.1 

総則 

試験結果を,実用単位を用いて表示するには,式(4)∼式(13)は,それぞれ

A.2

A.9

に示すように修正し

なければならない。

A.2 

機械的動力 

000

60

π

2

m

nT

(kW) (A.1)

A.3 

油圧動力 

60

h

p

q

P

V

(kW) (A.2)

60

e

,

2

e

,

2

P

h

,

2

p

q

P

V

(kW) (A.3)

60

e

,

1

e

,

1

M

h

,

1

p

q

P

V

(kW)(A.4)

A.4 

ポンプ全効率 

(

) (

)

[

]

100

000

1

e

,

1

e

,

1

e

,

2

e

,

2

P

t

×

×

nT

p

q

p

q

V

V

η

%

(A.5)

A.5 

ポンプ容積効率 

100

000

1

P

i

e

,

2

P

v

×

×

n

V

q

V

η

%

(A.6)

A.6 

モータ全効率 

(

) (

)

[

]

100

000

1

π

2

e

,

2

e

,

2

e

,

1

e

,

1

M

t

×

×

p

q

p

q

nT

V

V

η

%

(A.7)

A.7 

モータ容積効率 

100

000

1

e

,

1

M

i

M

v

×

×

V

q

n

V

η

%

(A.8)

A.8 

モータ油圧機械効率 

(

)

100

π

2

M

i

e

,

2

e

1,

th

M

hm

×

V

p

p

T

T

T

η

%

(A.9)


17

B 8384

:2011

A.9 

一体形トランスミッション全効率 

100

1

1

2

2

T

t

×

T

n

T

n

η

%

(A.10)


18

B 8384

:2011

附属書 B

(参考)

測定誤差と精度等級

B.1 

測定精度等級 

試験は,必要とする精度に応じて,受渡当事者間の協定によって

A

B

又は

C

3

精度等級のいずれか

に従って行わなければならない。

注記 1  A

等級及び

B

等級の試験は,より正確に決定する必要のある特別な場合に対応するものであ

る。

注記 2  A

等級及び

B

等級の試験は,より正確な装置と手法を必要とするため,試験の費用が増加す

ることに留意する。

B.2 

誤差 

試験に用いる装置又は手法は,校正の結果又は国際標準器との比較において,そのシステム誤差が

表 B.1

で示される限度を超えないことが証明されているものでなければならない。

表 B.1

計測器の許容システム校正誤差 

各測定精度等級に対する許容システム誤差

測定項目

A B C

回転速度

±0.5 %

±1.0 %

±2.0 %

トルク

±0.5 %

±1.0 %

±2.0 %

体積流量

±0.5 %

±1.5 %

±2.5 %

圧力(p

e

<0.15 MPa)

±0.001 MPa

±0.003 MPa

±0.005 M Pa

圧力(p

e

≧0.15 MPa)

±0.05 MPa

±0.15 MPa

±0.25 MPa

温度

±0.5  ℃

±1.0  ℃

±2.0  ℃

機械的動力

±4.0 %

注記  百分比限度は,測定対象の量の値に関わるものであり,試験最大値又は測定器の最

大指示値に関するものではない。 

B.3 

誤差の組合せ 

動力又は効率の計算において,計算に含まれる誤差は二乗平均平方根の平方根法を用いて決定すること

ができる。

2

2

2

e

e

2

t

t

δ

δ

δ

δ

δ

⎟⎟

⎜⎜

⎟⎟

⎜⎜

T

T

n

n

p

p

q

q

V

V

η

η

上式中のシステム誤差 δq

V

,δp

e

,δ及び δは計測器のシステム誤差であって,

表 B.1 に示す最大値で

はない。


19

B 8384

:2011

附属書 C 
(参考)

試験前のチェックリスト

次のリストは,試験実施前に受渡当事者間で協定しておくことが望ましい事柄の選定のためのチェック

リストである。ただし,必ずしもこれらの項目全部に関して協定する必要はない。

a)

製造業者

b)

製造業者の識別手段(形式番号及びシリアル番号)

c)

製造業者の機器概要説明書

d)

軸の回転方向

e)

試験回路

f)

製造業者の要求する取付方法

g)

用いるろ過装置

h)

圧力測定点の位置

i) 

計算に用いる管損失

j) 

試験前の要件

k)

試験用流体(名称及び概要)

l) 

試験温度における試験流体の動粘度

m)

試験温度における試験流体の密度

n)

試験流体の体積弾性係数

o)

試験流体の体積膨張係数

p)

試験油温

q)

ケーシングの最大許容圧力

r)

ポンプの入口圧力

s)

試験中の回転速度

t) 

試験圧力値

u)

可変容量の百分比容量

v)

逆流に対する要件

w)

ブーストポンプに関する資料

x)

モータの出口圧力

y)

逆回転に対する要件

z)

結果の表示

aa)

測定精度等級

参考文献  JIS B 8382  油圧−容積式ポンプ・モータ−実容量の決定方法 


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 8384:2011

  油圧−容積式ポンプ,モータ及び一体形トランスミ

ッション−定常状態における性能測定方法 

ISO 4409:2007

  Hydraulic fluid power − Positive-displacement pumps, motors and integral

transmissions−Methods of testing and presenting basic steady state performance 

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号 及
び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇 条 番

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と 国 際 規 格 と の
技術的差異の理由及び今

後の対策

3  用 語 及 び
定義

3.18 モータ機械
効率

 3.18

モータ機械効率

変更

式の誤りを修正した。

ISO

に指摘する。

4  記 号 及 び
単位

表 1

4

記号及び単位

変更

表 1 の単位に実用単位を用いた。

構成の違いのため,特に
対処しない。

5  試験

図 1

Fig.1

変更

図記号を最新版に修正した。

ドレンラインを点線に修正した。 
計器の取付け位置を示す表示箇所の誤りを修正した。

ISO

に指摘する。

図 2

Fig.2

変更

図記号を最新版に修正した。 
ドレンラインを点線に修正した。 
計器の取付け位置を示す表示箇所の誤りを修正した。

ISO

に指摘する。

図 3

Fig.3

変更

図記号を最新版に修正した。 
ドレンラインを点線に修正した。 
ポンプ記号をモータ記号に修正した。

計器の取付け位置を示す表示箇所の誤りを修正した。

ISO

に指摘する。

図 4

Fig.4

変更

図記号を最新版に修正した。

ドレンラインを点線に修正した。 
チェック弁記号の向きが逆なので修正した。 
モータ記号の誤りを修正した。

ISO

に指摘する。

 5.1.6

大気圧

5.1.6 大気圧

追加

大気圧を記録する場合の必要条件を追加した。

実用性を考慮した対応で
あり,特に対処しない。

6 結 果 の 表

6.2  ポンプ試験

6

結果の表示

追加

表のパラメータの欄に体積弾性係数及び体積膨張係数
を追加した。

ISO

に指摘する。

20

B 838

4


20
1

1


(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号 及

び題名

内容

(II) 
国際 規
格番号

箇 条 番

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との
技 術 的 差 異 の 理 由 及 び
今後の対策

6 結 果 の 表
示(続き)

6.3  モータ試験

6.3

モータ試験

変更 
 
追加

表のパラメータの欄において,モータとあるべきところ

がポンプとあるので修正した。 
表のパラメータの欄にモータ有効入口圧力を追加した。

ISO

に指摘する。 

附属書 A

(参考)

AnnexA

  削除

実用単位の表を削除した。

構成の違いのため,特に

対処しない。

追加

ポンプ容積効率及びモータ容積効率の式を追加した。

ISO

に指摘する。 

変更

モータ油圧機械効率の式の誤りを修正した。

ISO

に指摘する。 

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 4409:2007,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

21

B 838

4


20
1

1