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B 8358

:2013

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  部品名称  

2

5

  アキュムレータ本体の材料  

4

5.1

  材料一般  

4

5.2

  衝撃試験の要求  

4

6

  仕様 

4

6.1

  圧力及び容積  

4

6.2

  ガス封入口  

4

6.3

  給排油口  

4

7

  試験の種類  

4

7.1

  一般  

4

7.2

  形式試験  

5

7.3

  受渡試験  

5

8

  試験方法  

5

8.1

  形式試験  

5

8.2

  受渡試験  

7

8.3

  試験用油  

8

9

  表示 

8

10

  規格準拠表示  

8


B 8358

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

フルードパワー工業会(JFPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。

これによって,JIS B 8358:2004 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

8358

:2013

油圧−ブラダ形アキュムレータ

Hydraulic fluid power-Bladder type accumulators

適用範囲 

この規格は,油圧システムに用いる本体の材料が鋼製であるブラダ形アキュムレータ(以下,アキュム

レータという。

)の仕様及び試験について規定する。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0142

  油圧・空気圧システム及び機器−用語

JIS B 8397

  油圧−セパレータ付き気体式アキュムレータ−圧力及び容積の範囲並びに特性

JIS B 8398

  油圧−気体式アキュムレータ−ガス封入口の寸法

JIS B 8399

  油圧−セパレータ付き気体式アキュムレータ−優先される給排油口の選択

JIS K 2213

  タービン油

JIS K 6251

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方

JIS K 6253-1

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第 1 部:通則

JIS K 6258

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐液性の求め方

JIS K 6261

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−低温特性の求め方

JIS Z 2242

  金属材料のシャルピー衝撃試験方法

JIS Z 2329

  発泡漏れ試験方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142 によるほか,次による。

3.1

最高設計温度

アキュムレータの設計における最高温度。

3.2

最低設計温度

アキュムレータの設計における最低温度。

3.3

呼称容積

アキュムレータの呼称として便宜的に用いる容積。


2

B 8358

:2013

3.4

吐出し容積

アキュムレータに加えられた圧力が回路の最高作動圧力から最低作動圧力に変化する間に,アキュムレ

ータから吐き出される作動油の容積。

3.5

吐出し流量

吐出し容積を吐出しに要した時間で除した値。

部品名称 

アキュムレータの部品名称は,

図 による。


3

B 8358

:2013

 a)

  上部保守形 b)  下部保守形 c)  上下部保守形 d)  ポペット無し形 

番号

名称

番号

名称

番号

名称

番号

名称

番号

名称

1

本体 5

ガス弁体 9

O リング 13

ばね 17

弁体

2

トップキャップ 6

バルブキャップ 10

バックアップリング 14

ブラダ保護座

3

ブラダ 7

バルブカバー 11

給排油弁本体 15

リングナット

4

給気弁本体 8

給気弁固定ナット 12

ポペット 16

プラグ

図 1−部品の名称

3

B 8358


2013


4

B 8358

:2013

アキュムレータ本体の材料 

5.1 

材料一般 

本体に使用する材料は,圧力,最高設計温度,最低設計温度,最高使用圧力,媒体などによる化学的影

響及び物理的影響に対し,安全な化学的成分及び機械的性質をもつもののほか,別途定められている規定

による。

注記  別途定められている規定とは,適用法規又はその他の規格に定める規定をいう。

5.2 

衝撃試験の要求 

最低設計温度において次の方法によって,材料の同一溶鋼ごと,かつ,同一熱処理バッチごとに衝撃試

験を行い,これに合格するものとする。

a)

衝撃試験方法は,JIS Z 2242 による。

b)

衝撃試験片は,長さ 55 mm,幅 10 mm 及び厚さ 10 mm の V ノッチ試験片とし,アキュムレータ本体

の鏡部周方向から採取し,V ノッチは鏡部外面側に設ける。

c)

衝撃試験の吸収エネルギーは,材料の引張強さの規格最小値に応じ,

表 に示す値以上とする。

表 1−吸収エネルギー

材料の引張強さの

規格最小値 σ

N/mm

2

吸収エネルギー

J

3 個の平均値

1 個の最小値

σ≦450 18

14

450<σ≦520 20

16

520<σ≦660 27

20

660<σ 27

27

d)

鏡部の厚さが薄く標準試験片が採取できないときは,

表 の寸法及び係数を使用する。

表 2−サブサイズ試験片の寸法及び係数

材料の厚さ t

mm

試験片の寸法

mm

係数

 8.5

t<12 10×7.5 0.75

 6

t<8.5 10×5 0.50

t<6 10×2.5 0.25

仕様 

6.1 

圧力及び容積 

アキュムレータの最高使用圧力及び容積は,JIS B 8397 の規定による。

6.2 

ガス封入口 

アキュムレータのガス封入口は,JIS B 8398 の規定による。

6.3 

給排油口 

アキュムレータの給排油口は,JIS B 8399 の規定による。

試験の種類 

7.1 

一般 

試験の種類は,形式試験及び受渡試験の 2 種類とする。


5

B 8358

:2013

7.2 

形式試験 

形式試験は,新規設計時及び材質,形状などの変更による設計変更時に,次の試験を行う。

なお,b)  及び c)  については,アキュムレータ本体直胴部を除く部分の材質・寸法・形状が全く同じで,

直胴部の長さだけが異なるアキュムレータの場合には,直胴部の長さが±50 %以内であれば 1 機種で試験

を行い,他の機種による試験を省略することができる。

a)

ブラダの物理試験

1)

ブラダの引張試験

2)

ブラダの耐油性試験

3)

ブラダの耐寒性試験

b)

ブラダを除くアキュムレータ部品の破壊試験

c)

ブラダを除くアキュムレータ部品の疲労試験

d)

ブラダの繰返し作動試験

e)

アキュムレータの吐出し流量試験

7.3 

受渡試験 

受渡試験は,形式試験を終了し,性能の確認されたアキュムレータと同形式のものについて,次の各項

の試験を行う。ただし,試験項目及び各試験における規定値は,受渡当事者間の協定によって変更しても

よい。

a)

ブラダのきず確認試験

b)

アキュムレータ部品の耐圧試験

c)

アキュムレータの作動試験

試験方法 

8.1 

形式試験 

形式試験は,次による。

a)

ブラダの物理試験  ブラダの物理試験は次によって行い,各種使用条件に耐えることを確認する。

1)

ブラダの引張試験  ブラダに用いるゴムの引張試験は,JIS K 6251 によって行う。試験片は,ブラ

ダから採取するか,又は標準試験片のいずれかを用いる。

2)

ブラダの耐油性試験  ブラダに用いるゴムの耐油性試験は,JIS K 6258 によって行い,試験用油は

No.1 又は No.3 を用い,浸せき試験条件は 100±1  ℃で 70 時間とする。

このとき,引張強さ及び伸びの変化の試験は,JIS K 6251 によって,硬さ試験は,JIS K 6253-1

によって行う。

3)

ブラダの耐寒性試験  ブラダに用いるゴムの耐寒性試験は,JIS K 6261 によって行う。

b)

ブラダを除くアキュムレータ部品の破壊試験  ブラダを中央部で切り取り,組み立て,内部に水又は

油圧作動油を満たし給排油口から,次の式(1)によって求めた破壊試験圧力を加え,破裂及び部品の飛

散がないことを確認する。

P

d

=4PS  (1)

ここに,

P

d

破壊試験圧力(MPa)

P: 最高使用圧力(MPa)

S: σ

t

/σ

a

(温度補正の比で,構成材料が複数の場合には,それらの

うちの最大値) 
σ

t

:破壊試験温度における材料の許容引張応力(N/mm

2


6

B 8358

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σ

a

:最高設計温度における材料の許容引張応力(N/mm

2

c)

ブラダを除くアキュムレータ部品の疲労試験  ブラダを除く部品(給気弁本体がブラダに接着されて

いるタイプはブラダを切り取る。

)を組み立てて,試験スタンドに直立に取り付け,油圧作動油又は水

を用いて,

表 3,図 及び式(2)に規定する条件で 10

6

回の繰返し試験を行い,試験後に各部品に破損

又は亀裂がないことを確認する。また,製品と同じ状態での試験結果を得るために,疲労試験を行う

前にあらかじめアキュムレータ内に水又は油圧作動油を満たし,給排油口から最高使用圧力の 1.5 倍

の圧力を加え,5 分間以上圧力を保持し,各部に異常のないことを確認する。

なお,別途受渡当事者間の協定によって試験条件を変更してもよい。

P

u

PK

V

K

N

  (2)

ここに,

P

u

疲労試験圧力(MPa)

P: 最高使用圧力(MPa)

K

V

ばらつき係数(圧力を受ける構成部品のうち,最もばらつき
係数が大きくなる値を使用する。また,

表 に適合する材質

がないときは低合金鋼の値を使用する。

K

N

加速係数(10

7

回相当とするための係数で 1.15 とする。

表 3−ばらつき係数 K

V

(確信度 90 %,非破壊度 90 %

材料

試験個数

1 2 3 4 5

炭素鋼

1.23 1.16 1.12 1.10 1.08

ステンレス鋼

1.26 1.18 1.14 1.12 1.10

銅合金

1.26 1.18 1.14 1.12 1.10

ニッケル合金

1.29 1.20 1.16 1.13 1.11

チタン合金

1.36 1.25 1.19 1.16 1.13

アルミニウム合金 1.40 1.28 1.21 1.18 1.15

低合金鋼

1.44 1.30 1.23 1.19 1.16


7

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TT

R

T

1

T

F

T

2

≧0.3 s

 0.4TT

R

T

1

≦0.6T

 0.9T

1

T

2

≦1.1T

1

図 2−サイクル条件

d)

ブラダの繰返し作動試験  アキュムレータの繰返し作動試験は,アキュムレータによって表 に規定

する条件で行う。

なお,繰返し作動試験後に各部に有害な欠陥(ブラダの割れ,剝がれ,膨潤,ポペットのかじりな

ど)がないことを確認する。

表 4−繰返し作動試験条件

繰返し回数

封入圧力

作動圧力(油圧)

10

5

回以上

最高使用圧力の 50 %

封入圧力∼最高使用圧力

(ただし,20 MPa 以下とする)

e)

アキュムレータの吐出し流量試験  アキュムレータの吐出し流量試験は,アキュムレータによって表

5

に規定する封入圧力を満たすようガスを封入し,

表 に規定する作動圧力(油圧)で変化させ,吐

出し時間及び吐出し容積を測定し,算出した吐出し流量をカタログなどに記載する。

表 5−吐出し流量試験条件

単位  MPa

封入圧力

作動圧力(油圧)

3.8 6.3 から 4.2 まで下げる

8.2 

受渡試験 

受渡試験は,次による。

a)

ブラダのきず確認試験  ブラダを呼称容積以上に膨れるように空気圧を加えて,各部に有害なきずが

ないことを確認した後,空気漏れの有無を確認する。空気漏れは,空気を充填したままのブラダを水

1.05 P

u

0.05 P

u

T

1

T

2

時間(s)

T

R

T

F

P

u

0

圧力(MPa)


8

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槽中に 5 分以上浸すか,

又は JIS Z 2329 の発泡液をブラダの全面に塗って漏れがないことを確認する。

b)

アキュムレータ部品の耐圧試験  アキュムレータ内に水などの安全な液体を満たし,給排油口から最

高使用圧力の 1.5 倍の圧力を加え,5 分間以上圧力を保持し,各部に異常のないことを確認する。

c)

アキュムレータの作動試験  アキュムレータの作動試験は,アキュムレータに表 に規定するガス圧

力を満たすようにガスを封入し,

表 に規定する作動圧力(油圧)で行う。

なお,作動試験の前後又は試験中に,封入ガスの漏れがないことを確認する。

表 6−作動試験条件

繰返し回数

封入圧力

作動圧力(油圧)

10 回以上

最高使用圧力の 50 %

最高使用圧力の 60 %∼80 %

(ただし,14 MPa 以下とする)

8.3 

試験用油 

試験用油は,特に指定がない場合には,JIS K 2213 タービン油の ISO VG 32 又は ISO VG 46 による。

表示 

アキュムレータには,次の a)d)の事項を永久的に消えない方法で表示しなければならない。また,e)

i)の事項をアキュムレータ又はアキュムレータに貼ったラベルに表示しなければならない。

a)

製造年月

b)

製造番号又はロット番号

c)

製造業者の名称又は記号

d)

最高使用圧力(MPa 単位)

e)

“充填ガスには窒素だけ使用のこと”

f)

“注意!圧力容器につき分解前に圧抜きのこと”

g)

容積(リットル単位)

h)

定格気体封入圧力を記載する欄

i)

製造業者又は供給業者の名称及び所在地

10 

規格準拠表示 

この規格に従っていることを,試験報告書,カタログ,販売資料及びアキュムレータに貼るラベルに記

載する場合には,次の文言を用いる。

“ブラダ形アキュムレータは,JIS B 8358(油圧−ブラダ形アキュムレータ)に準拠する。