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B 8356-1:2017 (ISO 11170:2013) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 供試エレメント ················································································································ 2 

5 試験手順························································································································· 2 

5.1 一般 ···························································································································· 2 

5.2 組立完全性試験 ············································································································· 4 

5.3 材料の作動油適合性試験 ································································································· 4 

5.4 その他の試験 ················································································································ 5 

6 試験報告書 ······················································································································ 5 

7 規格適合表示 ··················································································································· 5 

B 8356-1:2017 (ISO 11170:2013) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

フルードパワー工業会(JFPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。これによって,JIS B 8356-1:2000は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 8356の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 8356-1 第1部:フィルタエレメントの性能確認手順 

JIS B 8356-2 第2部:フィルタエレメントの組立完全性試験及びファーストバブルポイントの測定 

JIS B 8356-3 第3部:フィルタエレメントのつぶれ又は破裂試験 

JIS B 8356-4 第4部:フィルタエレメントの材料の作動油適合性試験 

JIS B 8356-5 第5部:フィルタエレメントの端末荷重試験 

JIS B 8356-6 第6部:テストダストを用いたフィルタエレメントの流れ疲労特性試験 

JIS B 8356-7 第7部:差圧−流量特性試験 

JIS B 8356-8 第8部:フィルタエレメントのろ過性能試験(マルチパステスト法) 

JIS B 8356-9 第9部:フィルタの要求性能一覧 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8356-1:2017 

(ISO 11170:2013) 

油圧用フィルタ性能評価方法− 

第1部:フィルタエレメントの性能確認手順 

Hydraulic fluid power-Filters-Evaluation of filter performance- 

Part 1: Filter elements-Procedure for verifying performance characteristics 

序文 

この規格は,2013年に第3版として発行されたISO 11170を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

適用範囲 

この規格は,フィルタエレメントの性能確認をするための試験手順について規定する。この規格は,フ

ィルタエレメントの油圧特性,機械構造特性及びろ過特性を確認するために使用することができる。 

この規格は,特定の負荷に対するフィルタの適合性を評価する又は実際の使用条件を再現するためのも

のではない。その再現は,実際の使用条件(例えば,作動流体)を含む,その目的のために定めた特定の

試験規定によって達成することができる。 

この規格の手順は,類似の化学的性質をもっている流体にも適用することができる。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 11170:2013,Hydraulic fluid power−Sequence of tests for verifying performance characteristics of 

filter elements(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0142 油圧・空気圧システム及び機器−用語 

注記 対応国際規格:ISO 5598,Fluid power systems and components−Vocabulary(MOD) 

JIS B 8356-2 油圧用フィルタ性能評価方法−第2部:フィルタエレメントの組立完全性試験及びファ

ーストバブルポイントの測定 

注記 対応国際規格:ISO 2942,Hydraulic fluid power−Filter elements−Verification of fabrication 

integrity and determination of the first bubble point(IDT) 

JIS B 8356-3 油圧用フィルタ性能評価方法−第3部:フィルタエレメントのつぶれ又は破裂試験 

注記 対応国際規格:ISO 2941,Hydraulic fluid power−Filter elements−Verification of collapse/burst 

pressure rating(IDT) 

B 8356-1:2017 (ISO 11170:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 8356-4 油圧用フィルタ性能評価方法−第4部:フィルタエレメントの材料の作動油適合性試験 

注記 対応国際規格:ISO 2943,Hydraulic fluid power−Filter elements−Verification of material 

compatibility with fluids(IDT) 

JIS B 8356-5 油圧用フィルタ性能評価方法−第5部:フィルタエレメントの端末荷重試験 

注記 対応国際規格:ISO 3723,Hydraulic fluid power−Filter elements−Method for end load test(IDT) 

JIS B 8356-6 油圧用フィルタ性能評価方法−第6部:テストダストを用いたフィルタエレメントの流

れ疲労特性試験 

注記 対応国際規格:ISO 3724,Hydraulic fluid power−Filter elements−Determination of resistance to 

flow fatigue using particulate contaminant(IDT) 

JIS B 8356-7 油圧用フィルタ性能評価方法−第7部:差圧−流量特性試験 

注記 対応国際規格:ISO 3968,Hydraulic fluid power−Filters−Evaluation of differential pressure versus 

flow characteristics(IDT) 

JIS B 8356-8 油圧用フィルタ性能評価方法−第8部:フィルタエレメントのろ過性能試験(マルチパ

ステスト法) 

注記 対応国際規格:ISO 16889,Hydraulic fluid power−Filters−Multi-pass method for evaluating 

filtration performance of a filter element(IDT) 

JIS B 9933 油圧−作動油−固体微粒子に関する汚染度のコード表示 

注記 対応国際規格:ISO 4406,Hydraulic fluid power−Fluids−Method for coding the level of 

contamination by solid particles(IDT) 

ISO 23181,Hydraulic fluid power−Filter elements−Determination of resistance to flow fatigue using high 

viscosity fluid 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0142による。 

供試エレメント 

性能評価試験に用いるフィルタエレメントは,同じ形式の正常な製品在庫品を代表するものでなければ

ならない。 

一部の試験はフィルタエレメントを破壊したり,それ以降の試験には適さないような損傷を及ぼしたり

する可能性がある。そのため,少なくとも三つのフィルタエレメントを試験しなければならないので,十

分な数のフィルタエレメントを準備することが不可欠である。 

試験手順 

5.1 

一般 

5.1.1 この規格に規定する手順を完了すると,次に挙げるフィルタエレメントの特性のデータが得られる。 

a) 組立完全性(JIS B 8356-2参照) 

b) 材料の作動油適合性(JIS B 8356-4参照) 

c) ろ過効率(JIS B 8356-8参照) 

d) 汚染物質捕捉容量(JIS B 8356-8参照) 

e) つぶれ又は破裂圧力定格(JIS B 8356-3参照) 

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B 8356-1:2017 (ISO 11170:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

差圧−流量特性(JIS B 8356-7参照) 

g) 流れ疲労特性(JIS B 8356-6又はISO 23181参照) 

h) 端末荷重定格(JIS B 8356-5参照) 供試フィルタエレメントの設計に関連していないことを証明でき

る場合には,この試験は省略する。 

5.1.2 

試験は,図1に示した順序に従って行い(フィルタエレメントの番号付けは,5.2.4を参照),表1

に示した要件に従って行わなければならない。 

注記 試験順序の目的は,試験の数を最小限にして,確実に性能確認を完了することである。 

注a) 5.2.4参照 

図1−試験順序 

JIS B 8356-2 

組立完全性試験及びファーストバブルポイントの測定(5.2参照) 

フィルタエレメントNo.1 

[最低バブルポイント−BP1 a)] 

フィルタエレメントNo.2 

[中間バブルポイント−BP2 a)] 

フィルタエレメントNo.3 

[最高バブルポイント−BP3 a)] 

JIS B 8356-4 

及び 

JIS B 8356-2 

材料の作動油適合性試験(5.3参照) 

組立完全性試験(5.2参照) 

JIS B 8356-8 

フィルタエレメントのろ過性能 

試験(マルチパステスト法) 

(表1参照) 

JIS B 8356-5 

端末荷重試験(表1参照) 

JIS B 8356-7 

差圧−流量特性試験(表1参照) 

JIS B 8356-3 

つぶれ又は破裂試験(表1参照) 

JIS B 8356-6又はISO 23181 

流れ疲労特性試験(表1参照) 

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B 8356-1:2017 (ISO 11170:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−組立完全性及び材料の適合性試験以降の試験要件 

試験 

試験手順 

合格基準又は報告データ 

フィルタエレメントNo.1[BP1 a)] 

ろ過効率 

JIS B 8356-8による。ただし,初期組
立完全性試験を除く。 

JIS B 8356-8に規定する粒径x μm(c)に対す
るβx(c)値。 

汚染物質捕捉容量 

JIS B 8356-8による。 

CR値。 

つぶれ又は破裂圧力定格 

JIS B 8356-3による。ただし,初期組
立完全性試験を除く。 

エレメントの構造,シール又はろ材に目視
によって分かる明らかな破損がない。 

投入テストダスト量に対する差圧曲線に
おいて急激な圧力勾配の減少がない。 

フィルタエレメントNo.2[BP2 a)] 

端末荷重試験 

JIS B 8356-5による。ただし,初期組
立完全性試験及び材料の作動油適合
性試験を除く。 

エレメントの構造,シール又はろ材に目視
によって分かる明らかな破損がない。 

投入テストダスト量に対する差圧曲線に
おいて急激な圧力勾配の減少がない。 

フィルタエレメントNo.3[BP3 a)] 

差圧−流量特性 

JIS B 8356-7による。 

流量に対する差圧Δp曲線。 

流れ疲労特性 

JIS B 8356-6又はISO 23181による。
ただし,初期組立完全性試験を除く。 

エレメントの構造,シール又はろ材に目視
によって分かる明らかな破損がない。 

投入テストダスト量に対する差圧曲線に
おいて急激な圧力勾配の減少がない。 

注a) 5.2.4参照 

5.2 

組立完全性試験 

5.2.1 

JIS B 8356-2に従って三つのフィルタエレメントそれぞれの組立完全性を確認する。不合格となっ

たフィルタエレメントは,これ以降の試験に使用してはならない。 

5.2.2 

それぞれのフィルタエレメントのファーストバブルポイントにおける圧力を記録する。 

5.2.3 

加熱真空チャンバ内でフィルタエレメントを乾燥させるか,又は適切な,換気の良い場所でフィル

タエレメントを空気乾燥させる。 

警告 引火点の低い溶剤で洗浄したフィルタエレメントを乾燥させる場合には,換気に十分注意をし,

引火を防止しなければならない。 

5.2.4 

最低のバブルポイント圧力(BP1)のものをNo.1,最高のバブルポイント圧力(BP3)のものを

No.3として,三つのフィルタエレメントをファーストバブルポイントの圧力の低い順にBP1<BP2<BP3

となるように識別する。 

選択した識別記号が,フィルタエレメント上の他の識別記号と競合しないことを確認する。 

5.3 

材料の作動油適合性試験 

警告 地域の安全基準に従う。 

5.3.1 

JIS B 8356-4に規定する加熱要件に従って加熱した流体にフィルタエレメントを浸す。 

5.3.2 

フィルタエレメントの目視検査を実施する。エレメントの構造,シール又はろ材に明らかな破損が

あってはならない。試験の結果,破損の生じたエレメントを不合格とする。 

5.3.3 

この試験に用いた流体及びバブルポイント試験に用いた流体の両方と適合性があり,混和性のある

溶剤を油タンクにろ過して入れ,その中にフィルタエレメントを10分間沈めてすすぐ。これを3回繰り返

す。溶剤の汚染コードレベルは,JIS B 9933に規定する−/11/9に等しいか又はそれ以上清浄でなければな

らない。 

B 8356-1:2017 (ISO 11170:2013) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

その後,同じ種類の溶剤をノズルの先端に取り付けた0.8 μmのメンブレンフィルタを通して噴射させ,

フィルタエレメントの内部及び外部の全ての表面全体にわたってすすぐ。このとき,フィルタエレメント

をきず付けないようにできるだけ慎重に行う。ろ材に損傷を与えるおそれがあるので,針状のジェットの

使用は避けることが望ましい。扇状のジェットを使用するのがよい。 

5.3.4 

5.2.3に従ってフィルタエレメントを乾燥させる。 

警告 引火点の低い溶剤で洗浄したフィルタエレメントを乾燥させる場合には,換気に十分注意をし,

引火を防止しなければならない。 

5.3.5 

JIS B 8356-2に従って三つのフィルタエレメントそれぞれの組立完全性を確認する。 

JIS B 8356-2の評価基準に合格しないエレメントは不合格とし,別のエレメントを使用して試験する。

不合格となったエレメントは全て報告する。 

5.3.6 

それぞれのフィルタエレメントのファーストバブルポイントにおける圧力を記録する。 

5.3.7 

5.2.3に従ってフィルタエレメントを乾燥させる。 

警告 引火点の低い溶剤で洗浄したフィルタエレメントを乾燥させる場合には,換気に十分注意をし,

引火を防止しなければならない。 

5.4 

その他の試験 

その他の試験は,図1に示した順序に従い,表1に示した要件に従ってフィルタエレメントNo.1,No.2

及びNo.3について行わなければならない。それぞれのフィルタエレメントの試験が,図1に規定する順序

に従っている限りは,三つのエレメントの試験の順番は重要ではない(例えば,エレメントNo.2をエレメ

ントNo.1の前に試験をしてもよい)。 

試験報告書 

実施する試験に対応するそれぞれの規格の報告要件に従って,試験報告書を準備する。試験報告書は,

これらの規定に従った試験報告書の全て及び関連する試験値の全てを含んでいなければならない。 

規格適合表示 

この規格に従っていることを,試験報告書,カタログ及び販売資料に記載する場合には,次の文言を用

いる。 

“フィルタエレメントの性能確認手順は,JIS B 8356-1(油圧用フィルタ性能評価方法−第1部:フィル

タエレメントの性能確認手順)に適合する。”