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B 8301:2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS B 8301 : 1990 は改正され,この規格に置き換えられる。また,JIS B 

8303 : 1990

(ボイラ給水用遠心ポンプの試験及び検査方法)

JIS B 8304 : 1990(復水ポンプの試験及び検

査方法)及び JIS B 8305 : 1990(自吸遠心ポンプの試験及び検査方法)は,この規格に包含されるので廃

止する。

今回の改正では,日本工業規格と国際規格との整合化を目的とし,

国際規格を基礎として改正を行った。

JIS B 8301

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)  代表的な性能曲線によって選定するはん用ポンプ

                  及び駆動機動力が 10kW 未満のポンプに対する性能の許容幅

附属書 B(規定)  羽根車外径低減量の決定方法

附属書 C(規定)  摩擦損失の補正

附属書 D(参考)  SI 単位への換算

附属書 E(参考)  測定器の適正な校正間隔に対する指針

附属書 F(参考)  費用及び再試験

附属書 G(参考)  高粘度液に対する性能補正線図

附属書 H(参考)  炭化水素液及び高温水を取扱うポンプにおける必要有効吸込ヘッド低減量

附属書 I(参考)  測定結果の統計的評価

附属書 J(参考)  ポンプ試験成績表

附属書 K(参考)  チェックリスト

附属書 L(規定)  吐出し量の測定

附属書 1(参考)  試験装置

附属書 2(参考)  運転状態,耐水圧及び最小吐出し量における温度上昇

附属書 3(参考)  自吸ポンプの自吸性能試験方法


B 8301:2000

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  量,定義及び記号

2

3.1

  量,定義,記号及び単位

2

3.2

  基本的な記号及び添字

6

4.

  保証

7

4.1

  保証項目

7

4.2

  保証のための他の条件

7

5.

  試験の実行

7

5.1

  試験実施基準

7

5.2

  試験機関

8

5.3

  試験装置

9

5.4

  試験条件

10

6.

  試験結果の検討

14

6.1

  試験結果の換算

14

6.2

  測定の不確かさ

14

6.3

  性能の許容幅

16

6.4

  保証の証明

17

6.5

  規定性能の達成

17

7.

  吐出し量の測定

18

8.

  全揚程の測定

18

8.1

  一般事項

18

8.2

  測定断面の定義

21

8.3

  水位の測定

24

8.4

  圧力の測定

24

9.

  回転速度の測定

28

10.

  軸動力の測定

28

10.1

  トルクの測定

28

10.2

  電気動力の測定

29

10.3

  特殊な場合

29

11.

  キャビテーション試験

29

11.1

  一般事項

29

11.2

  試験装置

30

11.3

  ポンプの必要有効吸込ヘッドの決定

33


B 8301:2000

目次

(2) 

ページ

附属書 A(規定)  代表的な性能曲線によって選定するはん用ポンプ  及び駆動機動力が

                  10kW 未満のポンプに対する性能の許容幅

35

附属書 B(規定)  羽根車外径低減量の決定方法

36

附属書 C(規定)  摩擦損失の補正

37

附属書 D(参考)  SI 単位への換算

42

附属書 E(参考)  測定器の適正な校正間隔に対する指針

43

附属書 F(参考)  費用及び再試験

44

附属書 G(参考)  高粘度液に対する性能補正線図

45

附属書 H(参考)  炭化水素液及び高温水を取扱う  ポンプにおける必要有効吸込ヘッド低減量

48

附属書 I(参考)  測定結果の統計的評価

50

附属書 J(参考)  ポンプ試験成績表

52

附属書 K(参考)  チェックリスト

54

附属書 L(規定)  吐出し量の測定

55

附属書 1(参考)  試験装置

57

附属書 2(参考)  運転状態,耐水圧及び最小吐出し量における温度上昇

60

附属書 3(参考)  自吸ポンプの自吸性能試験方法

62

図 1  吐出し量,全揚程及び効率の保証 17

図 2  全揚程の決定方法 19

図 3  全揚程決定方法の説明図 20

図 4  吸込全ヘッドの修正 21

図 5  渦巻部又は曲管部の曲り面に取付ける圧力取出し口22

図 6  種々の形式のポンプに対する全揚程の測定 23

図 7  等級 1 及び等級 2 の試験用の圧力取出し口 25

図 8  圧力取出し口の形状 25

図 9  差圧式マノメータによる全揚程の決定法 27

図 10  スプリング式圧力ゲージの基準面 28

図 11  NPSH3 の決定方法 32

図 12  キャビテーション試験装置−閉回路で圧力及び温度,又は両方の調整によって NPSH を

      変化させる方法 34

図 13  キャビテーション試験装置−吸込側の液高さを調整して NPSH を変化させる方法34

図 14  キャビテーション試験装置−吸込側圧力調整弁によって NPSH を変化させる方法34

図 B.1  羽根車外径の低減 36

図 C.1  等級 1 の試験について摩擦損失の補正の要否を示す図 38

図 C.2  等級 2 の試験について摩擦損失の補正の要否を示す図 39

図 C.3  管摩擦係数(k=5×10

-5

m, v

=1×10

-6

m

2

/s

の場合) 40

図 C.4  管摩擦係数(ムーディ線図)41

図 G.1  高粘度液に対する性能補正線図 47

図 H.1  炭化水素液及び高温水を取扱うポンプにおける必要有効吸込ヘッド低減量 49


B 8301:2000

目次

(3) 

ページ

附属書 1 図 1  試験装置(例 1) 57

附属書 1 図 2  試験装置(例 2) 57

附属書 1 図 3  ボイラ給水用遠心ポンプの試験装置 58

附属書 1 図 4  覆水ポンプの試験装置 59

附属書 2 図 1  振動基準値 60

附属書 3 図 1  自吸性試験の試験装置 62

附属書 3 図 2  吸込状態 62

関連規格 63

参考文献 63

表 1  量,定義,記号及び単位 3

表 2  記号として使用する基本的な文字 6

表 3  添字として使用する文字及び数字 6

表 4  測定量の平均値に対する許容変動振幅  11

表 5  同一量の繰返し測定の間の変量の限界 12

表 6  常温清水の仕様 13

表 7  液体の特性 13

表 8  系統不確かさの許容幅 15

表 9  総合不確かさの許容幅 15

表 10  効率の総合不確かさの許容幅 16

表 11  性能の許容幅 16

表 C.1  管の等価粗さ 37

表 D.1  換算係数 42

表 E.1  測定器の適正な校正間隔43

表 G.1  この附属書で使用する記号及び定義 45

表 I.1  この附属書で使用する記号及び定義 50

附属書 2 表 1  軸受許容最高温度及び許容温度上昇 61


日本工業規格

JIS

 B

8301

:2000

遠心ポンプ,斜流ポンプ及び

軸流ポンプ−試験方法

Rotodynamic pumps

−Hydraulic performance

acceptance tests

−Grades 1 and 2

序文  この規格は,1999 年に発行された ISO 9906,Rotodynamic pumps−Hydraulic performance acceptance

tests

−Grades 1and 2 を翻訳し,対応国際規格の技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であ

るが,7.(吐出し量の測定)については,従来,日本工業規格で規定していた方法も追加規定している。

また,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加している。独立した箇条の

追加挿入は,

挿入箇所の直前の箇条番号に英字アルファベットの大文字を付記して,

その箇条番号とした。

なお,この規格で点線の下線を施してある部分は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,遠心ポンプ,斜流ポンプ及び軸流ポンプ(以下,単にポンプという。)の受渡

試験について規定する。この規格は,いかなる大きさのポンプ及び 5.4.5.1 で規定する清水の特性をもつい

かなる揚液に対しても適用してよい。この規格は,ポンプの構造の詳細及びその部品の機械的特性に関係

しない。

この規格では,測定精度に等級 2 及び等級 1 がある。通常の試験は等級 2 で行い,より高い精度の試験

には等級 1 を用いる。ただし,代表的な性能曲線によって選定するはん(汎)用ポンプ及び駆動機動力が

10kW

未満のポンプは,

附属書 による。

この規格は,ポンプ単体又はポンプの一部とみなせる接続配管を含むポンプ設備のいずれにも適用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 9906 : 1999

,Rotodynamic pumps−Hydraulic performance acceptance tests−Grades 1 and 2

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格を構成し,

その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。

を適用する。

JIS B 7505

  ブルドン管圧力計

JIS B 7554

  電磁流量計

備考  ISO 9104 : 1991, Measurement of fluid flow in closed conduits−Method of evaluating the

performance of electromagnetic flow-meters for liquids

からの引用事項は,この規格の該当事

項と同等である。

JIS B 8302

  ポンプ吐出し量測定方法


2

B 8301:2000

備考  3.(せきによる測定方法)は,ISO 1438-1  Amendment 1 : 1998, Water flow measurement in open

channels using weirs and venturi flumes

−Part 1 : Thin-plate weirs からの引用事項は,この規

格の該当事項と同等である。

JIS B 8327

  模型によるポンプ性能試験方法

JIS C 1102-1

9  直動式指示電気計器

備考  IEC 60051-19 : 1984, Direct acting indicating analogue electrical measuring instruments and their

accessories

−Part 1∼9 が,この規格と一致している。

JIS C 4207

  三相誘導電動機の特性算定方法

備考  IEC 60034-2 : 1972, Rotating electrical machines−Part 2 : Methods for determining losses and

efficiency of rotating electrical machinery from tests (excluding machines for traction vehicles)

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 8762

  絞り機構による流量測定方法

備考  ISO 5167-1 : 1991, Measurement of fluid flow by means of pressure differential devices−Part1:

Orifice plates, nozzles and venturi tubes inserted in circular cross-section conduits running full

らの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

ISO 2186 : 1973, Fluid flow in closed conduits

−Connections for pressure signal transmissions

between primary and secondary elements

ISO 3354 : 1988, Measurement of clean water flow in closed conduits

−Velocity-area method using

current-meters in full conduits and under regular flow conditions

ISO 3966 : 1977, Measurement of fluid flow in closed conduits

−Velocity are method using Pitot

static tubes

ISO 4373 : 1995, Measurement of liquid flow in open channels

−Water level measuring devices

ISO 5198 : 1987, Centrifugal, mixed flow and axial pumps

−Code for hydraulic performance tests−

Precision class

ISO 7194 : 1983,  Measurement of fluid flow in closed conduits

−Velocity-area methods of flow

measurement in swirling or asymmetric flow conditions in circular ducts by means of

current-meters or Pitot-static tubes

ISO 8316: 1987, Measurement of liquid flow in closed conduits

−Method by collection of the liquid

in a volumetric tank

3.

量,定義及び記号  この規格では,次の量,定義,記号及び単位を適用する。

表 1 に,JIS Z 8202 に基づいて,この規格で用いる用語の定義及びそれらに割り当てられた関連記号を

示す。

表 は,アルファベット順の使用記号を,表 は添字を示す。この規格では,SI 単位を用いる。そ

の他の単位を SI 単位に換算する場合には,

附属書 を参照。

3.1

量,定義,記号及び単位  量及びその定義は,表 による。


3

B 8301:2000

表 1  量,定義,記号及び単位

定義

記号

次元

単位

3.1.1

角速度

単位時間当たりの軸の回転角度。

ω

=2

π

n

ω

T

-1

 rad/s

3.1.2

重力加速度

(

1

g LT

-2

 m/s

2

3.1.3

回転速度

単位時間当たりの回転数。

n

T

-1

s

-1

3.1.4

密度

単位体積当たりの質量。

ρ

 ML

-3

 kg/m

3

3.1.5

圧力

単位面積当たりの流体力。この規格では,すべての圧
力はゲージ圧である。すなわち,大気圧からの圧力と

して測定される。ただし,大気圧と飽和蒸気圧は絶対
圧で表示する。

p ML

-1

T

-2

 Pa

3.1.6

動力

単位時間に伝達されるエネルギー。

P ML

2

T

-3

 W

3.1.7

レイノルズ数

この規格では,次の式によって求める。

υ

UD

R

e

=

Re

無次元

3.1.8

質量流量

質量流量とは,ポンプの吐出しノズルから配管へ吐き
出される単位時間当たり通過する質量である。

q(

2

) MT

-1

 kg/s

3.1.9

吐出し量(流量)

吐出し量は,次の式によって求める。

ρ

q

Q

=

ただし,揚液が圧縮されその密度変化が無視できない

場合には,密度

ρ

は平均密度

2

2

1

ρ

ρ

ρ

+

=

m

を用いる。指

定断面の吐出し量(

4

)

は,断面は位置を示す添字を付け

て表す。このときの吐出し量は,その断面を通過する
質量流量をその断面での密度で除した値である。

Q(

3

)

L

3

T

-1

m

3

/s

備考1.  次のポンプに固有の損失又は抽出流量

は,吐出し量に含めない。

a)

軸スラストの水力的バランスに必要な抽

出流量

b)

ポンプ軸受の冷却

c)

パッキンへのシール水

2.

継手類からの漏れ,内部漏れなどは吐出
し量には含めない。ただし,他の目的に
抽出された流量,例えば,

−  モータ軸受の冷却 
−  ギヤボックス(軸受,オイルクーラ)の

冷却などは,吐出し量測定断面の上流側

から抽出している場合には,吐出し量に
加えてよい。

3.1.10

平均速度

流れの軸方向平均速度で,吐出し量を管の断面積で除

した値に等しい。

A

Q

U

=

U LT

-1

 m/s

3.1.11

局所速度

任意の点における流れの局所速度。

v LT

-1

 m/s

3.1.12

ヘッド

比エネルギーy3.1.20 参照)を重力加速度 で除した
値。

g

y

 L

m


4

B 8301:2000

定義

記号

次元

単位

3.1.13

基準面からの高さ

基準面から当該点までの高さ。 
その値は, 
−  当該点が基準面より上にある場合は正。

−  当該点が基準面より下にある場合は負。 

図 及び図 参照)

基準面:高さ測定のための基準として用いられる水平

面。現実的でない基準面を指定しないほうがよい。

z L m

− NPSH 基準面(3.1.24 参照)と基準面との高さの差。 z

D

 L  m

3.1.14

ゲージ圧

大気圧を基準とする相対圧力。 
その値は, 
−  圧力が大気圧より大きければ正。

−  圧力が大気圧より小さければ負。

p ML

-1

T

-2

 Pa

3.1.15

速度ヘッド

g

で除した,液体の単位質量当たりの運動エネルギー。

g

U

2

2

 L

m

3.1.16

全ヘッド

任意の断面において,全ヘッドは,次の式によって求
める。

g

U

g

p

z

H

x

2

2

+

+

=

ρ

ここに,z:基準面から断面中心までの高さ

 

p

:断面中心でのゲージ圧

任意の断面において,絶対全ヘッドは,次の式によっ

て求める。

g

U

g

p

g

p

z

H

x

2

2

amb

)

abs

(

+

+

+

=

ρ

ρ

 L

m

3.1.17

吸込全ヘッド

ポンプの吸込断面における全ヘッド。

g

U

g

p

z

H

2

2

1

1

1

1

+

+

=

ρ

H

1

 L  m

3.1.18

吐出し全ヘッド

ポンプ吐出し断面における全ヘッド。

g

U

g

p

z

H

2

2

2

2

2

2

+

+

=

ρ

H

2

 L  m

3.1.19

全揚程

g

U

U

g

p

p

z

z

H

2

2

1

2

2

1

2

1

2

+

+

=

ρ

H L  m

3.1.20

比エネルギー

(質量エネルギー)

液体の単位質量当たりのエネルギー。

y

L

2

T

-2

 J/kg

3.1.21

吸込損失ヘッド

液体の測定点での全ヘッドとポンプ吸込断面での全ヘ
ッドとの差。

H

J1

 L  m

3.1.22

吐出し損失ヘッド

液体のポンプ吐出し断面での全ヘッドと測定点での全

ヘッドとの差。

H

J2

 L  m

3.1.23

管摩擦係数

管内の摩擦による損失ヘッドを求めるのに用いる係
数。

λ

無次元


5

B 8301:2000

定義

記号

次元

単位

3.1.24 NPSH

NPSH

とは,飽和蒸気圧に相当するヘッドを差し引い

た NPSH 基準面での絶対圧で表示した吸込全ヘッドで
ある。

g

p

p

z

H

NPSH

v

D

1

amb

1

ρ

+

=

この NPSH は,NPSH 基準面に対して定義され,吸込
全ヘッドは,基準面に対して定義される。

NPSH

基準面:

羽根車の翼入口外端の描く円の中心を通る平面。 
立軸又は傾斜軸形両吸込ポンプの場合は,いずれか高
いほうの中心を通る平面である。製造業者は,ポンプ

の正確な基準点との関係によってこの面の位置を示す
のがよい。

NPSH L

m

3.1.24.

1

有効吸込ヘッド

NPSHA

定流量に対して,設置条件によって決定される利用可
能な NPSH。

h

sv

 L  m

3.1.24.

2

必要有効吸込ヘッド

NPSHR

規定吐出し量,回転速度及び揚液において,ポンプが
規定性能を達成するために必要な最小 NPSH で,製造
業者及び/又は供給者によって与えられる。例えば,

可視キャビテーションの発生,キャビテーションによ
る騒音及び振動の増加,全揚程又は効率の低下の開始,
所定量の全揚程又は効率の低下,キャビテーション侵

食を防ぐのに必要な最小 NPSH。

H

SV

 L

m

3.1.24.

3

NPSH3

ポンプの第 1 段目の全揚程が 3%低下するときの必要
有効吸込ヘッドで,性能曲線図で標準的な基準として

用いる。

NPSH3 L

m

3.1.25

形式数

最高効率点で計算される無次元数で,次の式によって
求める。

( )

4

/

3

2

/

1

4

/

3

2

/

1

2

y

Q

H

g

Q

n

K

=

=

ω

π

ここに,Q':目玉当たりの吐出し量

H'

:1 段当たりの全揚程

備考

形式数は,最大羽根車径において計算する。

K

無次元

3.1.26

軸動力

駆動機からポンプに伝達される機械的な動力。

P ML

2

T

-3

 W

3.1.27

水動力

ポンプを通過する液体に伝達される動力。

P

u

ρ

QgH

ρ

Qy

P

u

 ML

2

T

-3

 W

3.1.28

駆動機動力

ポンプ駆動機によって吸収される動力。

P

gr

 ML

2

T

-3

 W

3.1.29

ポンプ効率

水動力/軸動力

=

=

P

P

u

η

η

無次元


6

B 8301:2000

定義

記号

次元

単位

3.1.30

総合効率

水動力/駆動機動力

=

=

gr

u

gr

P

P

η

η

gr

無次元

(

1

)

日本国内の試験では,9.80m/s

2

の値を用いれば十分である。の局所値は,次の式による。

g

=9.780 3(1+0.0053sin

2

ψ

)

−3・10

-6

Z

ここに,

ψ

は緯度(度)

は標高 (m) である。

(

2

)

質量流量の記号は,q

m

でもよい。

(

3

)

吐出し量の記号は,q

v

でもよい。

(

4

)

この場合には,は位置によって異なった値となることに注意する。

3.2

基本的な記号及び添字  基本的な記号及び添字は,それぞれ表 及び表 による。

表 2  記号として使用する基本的な文字

記号

単位

A

面積

m

2

D

直径 m

e

総合不確かさ又は相対値 %

E

エネルギー J

f

周波数

s

-1

g

重力加速度 m/s

2

H

全揚程又は全ヘッド m

H

J

液体の損失ヘッド m

k

等価粗さ m

K

形式数

無次元

l

長さ m

m

質量 kg

n

回転速度

s

-1

, min

-1

NPSH

有効吸込ヘッド m

p

圧力 Pa

P

動力 W

q

質量流量 kg/s

Q

吐出し量(流量)

m

3

/s

Re

レイノルズ数

無次元

t

性能の許容幅又は相対値 %

t

時間 s

T

トルク

N

・m

U

平均速度 m/s

v

局所速度 m/s

V

体積

m

3

y

比エネルギー(質量エネルギー)

J/kg

z

基準面からの高さ m

z

D

基準面と NPSH 基準面との高低差

m

η

効率

無次元

θ

温度

λ

管摩擦損失係数

無次元

ν

動粘度

m

2

/s

ρ

密度 kg/m

3

ω

角速度 rad/s

表 3  添字として使用する文字及び数字

添字

意味

1

吸込又は入口

1'

吸込側測定点

2

吐出し又は出口

2'

吐出し側測定点

abs

絶対値

amb

大気

D

差又は基準

f

測定管内の流体

G

保証される

gr

ポンプ駆動機ユニッ

H

全揚程

m

平均

measured

測定した

mot

駆動機

M

マノメータ

n

回転速度

P

動力

Q

吐出し量(流量)

sp

規定の

T

換算した又はトルク

u

有効な

v

蒸気(圧力)

η

効率

x

任意点


7

B 8301:2000

4.

保証

4.1

保証項目  一つの保証点は,保証吐出し量 Q

G

及び保証全揚程 H

G

によって規定する。

製造業者及び/又は供給者は,規定条件及び規定回転速度(場合によっては,規定の周波数及び電圧)

で測定した H (Q)  曲線が保証点を囲む許容幅(

表 11 及び図 参照)内を通過することを保証する。

別の許容幅として,例えば,プラス側だけの許容幅を,契約で協定してもよい。

6.4.1

及び

図 で定義する吐出し量で,規定条件下及び規定回転速度における次のうち一つ以上の諸量を

保証してもよい。

a)

ポンプ効率

η

G

,又はポンプ駆動機結合ユニットの場合には,組合せ効率

η

grG

b)

保証吐出し量における必要有効吸込ヘッド

特別の協定によって,小吐出し量又は大吐出し量の効率及び必要有効吸込ヘッドについて,幾つか

の保証点及び数値を保証してもよい。また,保証吐出し量又は運転範囲において,最大軸動力を保証

してもよい。ただし,より大きな許容幅を必要とすることがあるので,受渡当事者間で協定するのが

よい。

備考  受渡当事者とは,購入者及び製造業者及び/又は供給者をいう。

4.2

保証のための他の条件  契約書で特に協定がなければ,保証値に対して次の条件を適用する。

a)

揚液の化学的及び物理的性質を示していない場合には,保証点は常温清水での性能を適用する(5.4.5.1

参照)

b)

常温清水の条件下の保証値と他の液体条件下の特性との間の関係は,契約書で協定する。

c)

この規格に規定した方法及び試験設備によって試験したポンプだけに保証を適用する。

5.

試験の実行

5.1

試験実施基準  受渡当事者間で特に協定がなければ,次の事項を適用する。

a)

等級 2 による精度。

b)

試験は,製造業者の試験場で行う。

c)

 NPSH

試験は含まない。

上記の a)b)及び c)によらない場合には,受渡当事者間で協定する。

例えば,次のような変更がある。

−  等級 1 による精度

−  プラス側だけの許容幅(4.1 参照)

附属書 による許容幅

附属書 による測定値の統計的評価

−  第三者機関又は現地での試験

−  ポンプ据付及び測定装置に関する規定からの変更

−  相似に製作されたポンプ(例えば,数種類の電動機で駆動される同一ケーシングのポンプ)

− NPSH 試験の要求

附属書 は,受渡当事者間で協定すべき項目のチェックリストである。

5.1.1

契約による試験−保証の履行  試験はポンプ性能を確認し,製造業者及び/又は供給者の保証した

性能と比較することを目的としている。

この規格によって試験を行い,測定した性能が,それぞれの諸量に対して規定許容幅(6.参照)に入れ

ば,それらに対する保証が満足されたものとする。


8

B 8301:2000

必要有効吸込ヘッドを保証する場合には,試験の方法(11.1.2 参照)を規定する。

同一のポンプを多数台購入する場合には,試験を行うべきポンプの台数を受渡当事者間で協定する。

5.1.2

付加的なチェック  試験の間,グランドパッキン及び軸受の温度,空気又は水の漏れ,異常音の発

生及び振動に関して,ポンプの作動が満足であるかどうかを記録してもよい。試験中の振動,軸受温度,

耐水圧及び最小吐出し量における温度上昇については,

附属書 を参考にするのがよい。

5.2

試験機関  受渡当事者は,ともにこれらの試験に立ち会う権利をもつ。

5.2.1

試験場所

5.2.1.1

工場試験  性能試験は,製造業者の工場又は受渡当事者が相互に同意した場所において実施する

のがよい。

5.2.1.2

現地試験  この規格に規定する条件を満足する性能試験を現地で実施するためには協定が必要

である。ただし,現地の条件は,この規格に完全には合致しないので,現地試験を行う場合は,受渡当事

者間で,規定した条件の違いから必然的に生じる不確かさの許容幅を協定する必要がある。

5.2.2

試験日  試験日は,受渡当事者間で相互に協定する。

5.2.3

試験関係者  正確な測定は,使用する測定器の品質によるだけでなく,試験中に測定器を操作し,

読み取る人の能力と技能とにも左右される。試験を行う担当者は,試験で用いる測定器と同様に,注意し

て選ぶ。

一般的に,測定操作に十分な経験をもつ専門家が複雑な測定器の操作及び読みの責任を負う。簡単な測

定器の読みは,あらかじめ指示を与えたうえで,適切な注意及び必要精度で読み取りのできる試験補助者

に任せてもよい。

試験責任者は,測定に十分な経験をもつ者を受渡当事者間の協定によって任命する。製造業者の工場で

試験が実施される場合には,通常,試験責任者はポンプ製造業者の従業員である。

試験中,測定に関係する者はすべて試験責任者の指示による。試験責任者は,測定の指示監督並びに試

験条件,試験結果の報告及び試験報告書を作成する。測定及びその実行に関して生じる問題については,

すべて試験責任者が決定する。

試験関係者は,試験責任者が必要とするあらゆる援助を行う。

5.2.4

ポンプの状態  試験を製造業者の工場で実施しない場合には,製造業者及び据付者の両者であらか

じめ調整する。

5.2.5

試験計画  試験は計画によって実施する。計画及び手順は,試験責任者が準備し,検討及び協定が

できるように受渡当事者に提出する。

保証運転データ(4.1 参照)が,試験の基本である。他の測定データは単に資料的な意味をもつもので,

それらが計画中に含まれている場合には,参考データであることを明示する。

5.2.6

測定器  測定方法の決定と同時に必要な測定器及び記録計も決定する。

試験責任者は,測定器が正しく据え付けられているか,適切に作動するかを調べる責任がある。

測定器はすべて校正によって,又は他の JISISO 及び IEC との比較によって,6.2 の要件に合致してい

ることを校正記録書に示す。これらの記録書は,要求があれば,提示する。

附属書 に,試験に用いる測定器の適正な校正有効期間に関する指針を示す。

5.2.7

記録  試験責任者は,すべての試験記録及び記録図表に署名する。必要があれば,受渡当事者の代

表者も署名する。試験記録及び記録図表すべての複写を受渡当事者に渡す。

試験結果はできる限り試験が行われている間に評価し,疑わしい測定値は,試験装置の分解及び測定器

の取外しをする前に再測定する。


9

B 8301:2000

5.2.8

試験報告書  精査の後,試験結果を報告書にまとめ,試験責任者単独の署名,又は試験責任者並び

に受渡当事者の代表が連名で署名する。

すべての関係者に報告書の複写を渡す。

試験報告書には,次の情報を記載することが望ましい。

a)

受渡試験の場所及び日付

b)

製造業者名,ポンプの形式,製造番号及び必要があれば製造年

c)

羽根車外径

d)

保証性能及び受渡試験中の運転条件

e)

ポンプ駆動機の仕様

f)

試験配置の略図,測定断面の直径,試験手順の記述及び校正データを含め使用した測定器の記録

g)

読み

h)

試験結果の評価及び分析

i)

結論

−  試験結果と保証値との比較

−  特別の協定によって取決めた事項の判定

−  ポンプを受入れるか,又は拒絶するか,及びどのような条件下で受入れるかの勧告(保証値を完全

に満足しない場合には,ポンプを受入れるかどうかの最終決定は,購入者による。

−  特別の協定がある場合には,それに関連した測定から得られた事項の記述

ポンプ試験成績表の一例(参考)を,

附属書 に示す。

5.3

試験装置  ここでは,等級 1 及び等級 2 の試験に要求される精度を考慮して運転性能を満足に測定

するのに必要な条件を規定する。

備考1.  ある試験装置で得られたポンプ性能は,測定器の公差を含むため,測定器の異なる別の試験

装置での性能と完全には一致しない。

2.

満足できる測定を保証する適切な推奨配管とそれに対する一般的な指針とを 7.及び 8.に示す。

必要があれば,閉管路の流量測定に関する種々の方法を規定している JIS 及び ISO 規格を使

用することができる(7.参照)

試験装置の参考図を

附属書 に示す。

5.3.1

標準試験装置  最も良好な計測条件は,測定断面で,流れが次の条件を備えている場合に得られる。

−  軸対称速度分布

−  一様な静圧分布

−  配管設備から誘起される旋回流れがない。

これらの条件を完全に満足させることは難しいが,実用的には次の条件下で測定すればよい。

a)

測定断面付近にベンド,組合せベンド,管路断面の拡大部又は不連続部を設けない。

b)

自由表面をもつ貯水槽又は大きな静定容器から閉管路で吸込管が導かれる試験装置では,吸込直管長

L

は,次の式によって決定する(は管直径。

等級 1 の試験では,L/DK+5

等級 2 の試験では,L/D≧4

この条件を満たすならば,ベンドとポンプとの間の管路に整流装置は必要ない。ただし,ポンプの

すぐ上流に,貯水槽も静定容器もない閉管路においては,整流装置が必要である。

c)

吸込管(5.4.4 参照)に絞り弁を取り付けないことが望ましい。絞り弁の設置が避けられない場合,例


10

B 8301:2000

えば,キャビテーション試験の場合には,絞り弁とポンプ吸込口との間の直管長さは 11.2.1 に示す規

定によるのがよい。

5.3.1A

模型によるポンプ性能試験  次のような場合には,協定によって模型ポンプによる試験でポンプの

性能試験に代えることができる(JIS B 8327 参照)

a)

ポンプが大吐出し量又は大動力のため,工場において性能試験ができない場合

b)

ポンプケーシングの一部がコンクリートなどの構造になり,工場において完全な組立ができない場合

5.3.2

模擬試験装置  協定によって,現地を模擬した条件下でポンプを試験する場合には,模擬管路の入

口において,流れはできるだけ配管設備によって誘起される著しい旋回流れがなく,軸対称速度分布にな

るようにする。これらの条件が確保されるように必要なすべての手段を講じる。

等級 1 の試験に対して必要があれば,要求される流動特性が存在していることを確認するために,模擬

管路入口の流速分布は,ピトー管を注意深く移動させて測定する。流れが軸対称速度分布になっていない

場合には,流れの欠陥(渦又は非軸対称)を修正するのに用いられる整流装置などの適切な方法によって

必要な特性を得ることができる。最も広く使用されている整流装置の仕様を ISO 7194 に示す。ただし,整

流装置によっては圧力損失が生じるので,

この圧力損失が試験条件に影響しないように注意が必要である。

5.3.3

接続配管付きで試験を行うポンプ  協定によって,ポンプと次の組合せとで標準試験を実施できる。

a)

最終据付け現場での関連接続配管

b)

  a)

に代わる複製品

c)

ポンプ自身の構成部品でもある接続配管類

組み合わせた全体の入口及び出口の流れは,5.3.1 に規定する条件に合致しなければならない。測定

は,8.2.2 によって行う。

5.3.4

潜水状態のポンプ設備  ポンプ及びポンプとその接続配管を組み合わせたポンプが,近づくことが

できないか,

又は潜水状態のために 5.3.1 に示す標準的な配管ができない状態で試験又は据え付ける場合に

は,8.2.3 によって測定する。

5.3.5

ボアホールポンプ及び水中モータポンプ  ボアホールポンプ及び水中モータポンプでは,その吐出

し管を全長のまま取り付けて試験することは通常できない。その場合には,その部分で生じる損失ヘッド

はなく,その中に取り付けられる回転軸によって吸収される動力も測定できない。スラスト軸受は,最終

据付け状態よりも,試験中のほうが,負荷は軽くなる。測定は,8.2.3 によって行う。

5.3.6

自吸ポンプ  一般に,自吸ポンプの自吸性能は,最終据付け状態におけるものと同等の吸込管を取

り付けた状態で,契約上の吸込圧力ヘッドにおいて確認する。この方法で試験が実施できない場合には,

使用する試験装置は,契約書中に指定する。

自吸ポンプの自吸性能試験方法を参考として

附属書 に示す。

5.4

試験条件

5.4.1

試験の実施  試験時間は得られる精度と関連して矛盾のない結果を得るのに十分な長さにする。

すべての測定は定常運転条件で行うか,又は

表 に示す限界以内の非定常運転条件で行う。

そのような条件が得られない場合には,測定を行うかどうかは受渡当事者間で協定する。

保証点の証明は,保証点に近接し,ほぼ均等に分布した,例えば,0.9∼1.1Q

G

の間の最低 3 点(等級 2

の試験)又は最低 5 点(等級 1 の試験)での記録に基づいて行う。

運転条件のある範囲にわたる性能を決定することが必要な場合には,

6.2

に規定する範囲内の不確かさで

性能を定めるのに十分な数の測定を行う。

参考  ある範囲にわたるポンプの性能曲線を求める場合の測定点の数を参考として示す。


11

B 8301:2000

a)

遠心ポンプの試験は,締切点近傍からできるだけ大水量までの 5 種類以上の異なった吐出し量につい

て測定し,少なくとも 1 種類は規定揚程より低い揚程で測定する。

b)

斜流ポンプの試験は、規定揚程の上下で 5 種類以上の異なった吐出し量について,できるだけ小水量

及び大水量まで測定する。

c)

軸流ポンプの試験は,開放状態からできるだけ小水量までの 5 種類以上の異なった吐出し量について

測定し,少なくとも 1 種類は規定揚程より高い揚程で測定する。

試験に利用する試験装置の駆動動力が不足し,低い回転速度でしか試験できない場合には,試験結

果は 6.1.1 によって規定回転速度での性能に換算する。

5.4.2

運転の安定性

5.4.2.1

変動及び変量  この規格では,次の量を定義して用いる。

a)

変動:1 回の読みを行っている間の平均値を中心にした,物理量の測定値の短い周期の変化。

b)

変量:一つの読みと次の読みとの間に起こる測定値の変化。

5.4.2.2

読みの許容変動及び緩衝の利用

5.4.2.2.1

測定システムからの信号の目視測定  各測定量に対する許容変動振幅を表 に示す。

ポンプが大きな振幅の変動を生じるような構造又は運転状態の場合には,変動の振幅を

表 に示す値以

内に減ずるために測定器又はその接続管に絞り緩衝装置を入れて測定してよい。

緩衝装置は読みの精度に大きく影響する可能性があるので,これを用いる場合には,少なくとも変動の

完全な 1 周期にわたる積分値を示すことができる対称形で線形緩衝の器具,例えば,毛細管を用いる。

表 4  測定量の平均値に対する許容変動振幅

単位%

測定量

許容変動振幅

等級 1

等級 2

吐出し量

±3

±6

全揚程

トルク

軸動力

回転速度

±1

±2

吐出し量の測定に差圧形測定器を用いる場合に

は,測定される差圧の許容変動振幅は等級 1 で±

6%,

等級 2 で±12%とする。

吸込全ヘッドと吐出し全ヘッドとを別々に測定

する場合には,許容変動振幅は全揚程に対して求
める。

5.4.2.2.2

計測システムの信号の自動読取り又は自動積算  測定器から得られる信号を計測システムによ

って自動的に記録又は積算する場合には,これらの信号の許容変動振幅は次の条件があれば,

表 に示す

値よりも大きくてもよい。

a)

使用する計測システムに対応する計測システムの応答時間よりも長い積算区間で平均値を計算するた

めの積算を必要な精度で自動的に行う機器が含まれている場合

b)

アナログ信号の x  (t)  を連続又はサンプリングしながら記録したものから平均値を求める積算がなさ

れる場合(サンプリングの条件は,試験報告書に記入するのがよい。

5.4.2.3

観測の組数


12

B 8301:2000

5.4.2.3.1

定常に対する条件  関係するすべての量(吐出し量,全揚程,軸動力,トルク及び回転速度)

の平均値が時間に無関係の場合には,試験条件は定常である。実際には,試験運転点において少なくても

10

秒間観測された各量の変量が

表 の定常条件に示す値を超えなければ,試験状態は定常とみなしてよい。

この条件に適合し,変動が

表 に示す許容振幅値よりも小さければ,その試験点に対する記録として個々

の量の読みは 1 組だけでよい。

5.4.2.3.2

非定常に対する条件  試験条件が非定常のため,試験の精度に対して疑いが生じる場合は,次

の手順によって処理する。

各試験点において,10 秒以上のランダムな時間間隔で測定を繰り返し,複数組を読み取る。この場合に

は,回転速度及び温度だけは調整してよい。絞り弁,水位,グランド部封水,バランス水などのすべての

設定は完全にそのままの状態に保持する。

同じ量について繰返す読みの間の差異は,少なくても部分的には設備及び試験中のポンプによって影響

を受ける試験状態の非定常性を表している。

各試験点で最少 3 組の測定を行い,個別の読み及び各組の読みから得られた効率の値を記録する。各量

の最大値と最小値との差の百分率は,

表 に示すものより大であってはならない。読みの個数が増えるほ

ど,より大きい許容幅が許される(

表 参照)。

表 5  同一量の繰返し測定の間の変量の限界 

(95%の信頼限界に基づく)

単位%

条件

観測の組数

各量ごとの平均値に対する読みの

最大・最小値間の許容幅

吐出し量,全揚程,
トルク及び軸動力

回転速度

等級 1

等級 2

等級 1

等級 2

定常  1  0.6 1.2 0.2 0.4

非定常

3  0.8 1.8 0.3 0.6

5  1.6 3.5 0.5 1.0

7  2.2 4.5 0.7 1.4

9  2.8 5.8 0.8 1.6

13  2.9 5.9 0.9 1.8

 20

を超え

3.0 6.0 1.0 2.0

これらの許容幅は,ばらつきによる不確かさが

表 に示す系統不確かさと合わせて,表 に示す総合測

定不確かさの値を超えないことを確認して決めている。

各量に対するすべての読みの算術平均を試験の目的から実際の値とみなす。

表 に示す数値以下とすることができない場合は,原因を確かめ,試験条件を修正し,改めて完全な 1

組の測定を行う。もとの記録は破棄する。限界を超えているという理由で読みを取らなかったり,又はあ

る組の中から読みの選択をしてはならない。

過度の変量が,方法又は測定器の誤りによるものではなく,これを取り除くことができない場合には,

誤差の限界は統計的な解析によって求めてもよい。

5.4.3

試験時の回転速度  特に協定がなければ,吐出し量,全揚程及び軸動力の確認に対しては,試験は

規定回転速度の 50%∼120%の範囲内の回転速度で行ってよい。ただし,規定回転速度より 20%以上離して

試験する場合には,効率に影響があるので注意する。

吐出し量が試験回転速度での最高効率に対応する流量の 50%∼120%の間にある場合には,

NPSH

試験は,


13

B 8301:2000

規定回転速度の 80%∼120%の範囲内の回転速度で行うのがよい。

備考  11.1.2.1 及び 11.1.2.2 の要求による試験については,上記の回転速度範囲が常に許容されるとし

てよい。11.1.2.3 の要求による試験については,形式数 が 2 以下のポンプでは同じく上記の

変動が許容されるとしてよい。形式数が 2 より大きいポンプでは,受渡当事者間の協定が必要

である。

5.4.4

全揚程の調節  試験条件は,種々の方法のうち,吸込管又は吐出し管のいずれか一方又は両方にあ

るバルブを絞ることによって変えてよい(吐出し管の吐出弁を絞ることを標準とする。

。吸込管内に絞り

を用いるときは,キャビテーション又は水からの空気分離の可能性があり,これらがポンプの運転,吐出

し量の測定器又はそれらの両方(11.2.1 参照)に影響を与えることがあるので,十分注意する。

5.4.5

常温清水以外の液体を扱うポンプの試験  ポンプ性能は,揚液の性質によって実質的に変化する。

常温清水での性能を他の液体での性能の予想に用いることができるような一般的な法則を示すことは不可

能であるが,受渡当事者が特殊な事情に合う経験的な法則について協定し,ポンプを常温清水で試験して

よい。

附属書 及び附属書 を参考として示す。

5.4.5.1

常温清水の特性  “常温清水”という場合の水の特性は,表 に示す限界内にあるものとする。

表 6  常温清水の仕様

特性

単位

最大値

温度

℃ 40

動粘度

m

2

/s 1.75

×10

-6

密度 kg/m

3

 1

050

不溶浮遊固体含有量

kg/m

3

 2.5

溶解固体含有量 kg/m

3

 50

水に溶解及び浮遊する気体の総量は,それぞれ次の状態に対応する飽和体積を超えてはならない。

−  開放回路に対しては,ポンプ吸込槽における圧力及び温度

−  閉回路に対しては,タンク内の圧力及び温度

5.4.5.2

常温清水による試験が許される揚液の特性  常温清水以外の液体に対するポンプは,その液が表

7

の範囲内であれば,全揚程,吐出し量及び効率に対しては常温清水で試験を行ってよい。

表 7  液体の特性

液体の特性

単位

最小値

最大値

動粘度

m

2

/s

制限なし

10

×10

-6

密度 kg/m

3

 450  2

000

不溶浮遊固体含有量

kg/m

3

− 5.0

水に溶解及び浮遊する気体の総量は,それぞれ次の状態に対応する飽和体積を超えてはならない。

−  開放回路に対しては,ポンプ吸込槽における圧力及び温度

−  閉回路に対しては,タンク内の圧力及び温度

上記に規定する以外の液体を扱うポンプの試験は特別に協定して行う。

特に協定がなければ,キャビテーション試験は常温清水で行う。揚液が常温清水でない場合には,常温

清水を用いた試験を行うと,その結果に影響を受けることがあるので注意する(

1

)


14

B 8301:2000

6.

試験結果の検討

6.1

試験結果の換算  保証の判定を行うために保証条件と異なった条件で測定した物理量は,保証条件

における値に換算する。

6.1.1

規定回転速度(又は周波数)及び密度に対するデータの換算  規定回転速度 n

SP

と異なる回転速度

n

で得られたすべての試験データは,規定回転速度 n

SP

における値に換算する。

規定回転速度 n

SP

と試験回転速度 との差が 5.4.3 に示した許容範囲を超えない場合,また,試験に使用

した液体と仕様の液体との差が 5.4.5.2 の範囲内である場合には,吐出し量 Q,全揚程 H,動力 及び効率

η

に関する測定データは,次の式によって換算する。

n

n

Q

Q

SP

T

=

2

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

n

n

H

H

SP

T

ρ

ρ

SP

SP

T

n

n

P

P

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

3

η

T

η

必要有効吸込ヘッドに関する測定値は,次の式によって換算する。

x

SP

SV

SVT

n

n

H

H

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

回転速度,吐出し量に関して 5.4.3 に示す規定条件が満たされていて,羽根車へ流入する揚液に含まれる

分離した気体がポンプの性能に影響しなければ,べき指数を x=2 としてよい(

2

)

電動機・ポンプの結合ユニットの場合,又は保証が回転速度の代わりに周波数及び電圧の場合(4.1 参照)

には,n

SP

及び を周波数 f

SP

及び に代え,これらの換算式によって吐出し量,全揚程,軸動力及び効率

のデータを求める。ただし,上記の換算は,試験周波数が規定された性能に対して決めた周波数から 1%

以上変らない場合に限定される。

なお,試験で使用した電圧が保証電圧の±5%の範囲内であれば,他の運転データは変更する必要がない。

上記の差が周波数に対して±1%及び電圧に対して±5%を超える場合には,受渡当事者間の協定が必要

である。また,附属電動機を用いて,規定周波数及び規定電圧の電源状態で,ポンプを規定負荷で運転し

た場合には,そのときの実回転速度を用いて性能を保証してよい。

(

1

)

ポンプ製造業者の通常の必要有効吸込ヘッド曲線は,常温清水を用いて作成されるものであり,

必要有効吸込ヘッドの値は,常に常温清水に対して与えられている。

6.1.2

保証と異なる有効吸込ヘッドで行う試験  5.4.3 の許容限界内での回転速度の修正をした上で,

11.1.2.2

又は 11.1.2.3 によってキャビテーションを生じていないことを確認した場合には,低い有効吸込ヘ

ッドにおけるポンプ性能をもって,それより高い有効吸込ヘッドにおける性能を示すものとしてよい。

6.2

測定の不確かさ

6.2.1

一般的な注意  測定手順,測定器及び分析の方法が既存の法則,特にこの規格の規定に完全によっ

ていても,測定には不確かさがある。

6.2.2

偶然不確かさの定義  この規格では,ある測定値の偶然不確かさは,この測定値の標準偏差の 2

倍として定義する。偶然不確かさは,いずれの測定値に対しても ISO 5198 によって求まる。

不確かさを構成するそれぞれの部分誤差が互いに独立しており,ガウス分布をもつ場合には,測定値と

真の値との差が不確かさよりも小さい確率は 95%である。


15

B 8301:2000

6.2.3

許容系統不確かさ  測定誤差は,測定器又は測定方法における残留不確かさにある程度依存する。

すべての既知の誤差を校正,注意深い寸法測定,適切な設置などによって取り除いた後でも誤差は残り,

また,同じ測定器及び同じ測定方法を用いる測定を繰り返しても減じることができない。このような誤差

を“系統不確かさ”という。

7.

11.は,等級 1 及び等級 2 によった試験に対して要求される精度の範囲において,吐出し量,全揚程,

回転速度,軸動力及び NPSH を決定するために使用される種々の測定方法及び測定器について規定する。

校正又は他の規格を参照することによって,測定時の系統不確かさの値が,

表 に規定する許容値を超

えないことが明らかな測定器又は方法を使用してもよい。これらの測定器又は方法は,受渡当事者間の協

定が必要である。

表 8  系統不確かさの許容幅

単位%

物理量

許容幅

等級 1

等級 2

吐出し量

±1.5

±2.5

回転速度

±0.35

±1.4

トルク

±0.9

±2.0

全揚程

±1.0

±2.5

駆動機動力

±1.0

±2.0

(

2

)

ポンプがキャビテーション限界付近で運転している場合,又は試験回転速度と規定回転速度と

の差が5.4.3の規定範囲より大きい場合には,熱力学的効果,表面張力の変化,溶解又は閉じ込

められた空気量の変化のような要因によってキャビテーション現象が影響を受ける可能性があ

る。べき指数 は,1.3∼2の値が観測されているので,このような条件での試験は避けたほう

かよい。

6.2.4

総合不確かさ  もう一つの不確かさの要素である偶然不確かさは,計測システムの特性,測定され

る物理量の変動,又はその両方に起因しており,測定のばらつきとして現れる。系統不確かさとは違い,

偶然不確かさは,同一条件下で同じ物理量の測定数を増やすことによって減らすことができる。

総合不確かさは,系統及び偶然不確かさの 2 乗の和の平方根として計算する。

総合不確かさは,試験に固有の測定及び運転条件を考慮して,試験後に決定する。

6.2.3

に示すような系統不確かさに関係する推奨及びこの規格に示すような試験方法に関係するすべて

の要求が満たされるならば,総合不確かさ(95%信頼限界で)は,

表 に示す値を超えないとしてよい。

表 9  総合不確かさの許容幅

単位%

物理量

記号

等級 1

等級 2

吐出し量

e

Q

±2.0

±3.5

回転速度

e

n

±0.5

±2.0

トルク

e

T

±1.4

±3.0

全揚程

e

H

駆動機動力

e

Pgr

±1.5

±3.5

軸動力(トルク及び回転速度から計算)

e

P

軸動力(駆動機動力及び電動機効率から計算)

e

P

±2.0

±4.0

6.2.5

効率における総合不確かさの決定  総合効率及びポンプ効率における総合不確かさは,次の式によ

って求める。


16

B 8301:2000

2

2

2

Pgr

H

Q

gr

e

e

e

e

+

+

=

η

2

2

2

2

n

T

H

Q

e

e

e

e

e

+

+

+

=

η

  (効率をトルク及び回転速度から計算するとき)

2

2

2

P

H

Q

e

e

e

e

+

+

=

η

      (効率をポンプ軸動力から計算するとき)

表 に示す値を用いた計算から,表 10 に示す結果が導かれる。

表 10  効率の総合不確かさの許容幅

単位%

記号

等級 1

等級 2

総合効率(Q及び P

gr

から計算)

e

η

gr

±2.9

±6.1

ポンプ効率(QH及び から計算)

e

η

±2.9

±6.1

ポンプ効率(QHP

gr

及び

η

mot

から計算)

e

η

±3.2

±6.4

備考  損失に関連する不確かさの増加を考慮するには,10.3 を参

照。

表 及び表 10 に示した不確かさは,測定によって得られる物理量の値とその真の値との間で起こり得る

偏差を示している。

6.3

性能の許容幅  保証値の証明を簡便に行うには,許容幅を用いる。使用する値について特に協定が

なければ,

表 11 に示す値を用いる。

吐出し量,全揚程及びポンプ効率についてのそれぞれの許容幅±

t

Q

,±

t

H

及び

t

η

は,保証点

Q

G

H

G

に適

用する。

表 11  性能の許容幅

単位%

物理量

記号

等級 1

等級 2

a)

許容範囲が特

に規定される
場合

b)

一般ポンプの場合

吐出し量

t

Q

±4.5

±8

規定全揚程での吐出し量は,規定吐出し量か,又はそれより

全揚程

t

H

±3

±5

大で,規定吐出し量において,規定動力を超えない(*)

ポンプ効率

t

η

−3

−5

(*)  規定動力を超えてはならない場合の条件は,次による。

a)

使用運転範囲が規定されている場合には,その運転範囲において規定動力を超えてはならない。

b)

装置の抵抗曲線(**)が明示されている場合には、装置の抵抗曲線との交点の吐出し量において規
定動力を超えてはならない。

c)

装置の抵抗曲線(**)が不明な場合には,規定全揚程での吐出し量において規定動力を超えてはな
らない。

(**)

使用する装置の抵抗曲線とは,実高さ(吸込液面から測った吐出し液面の高さ)に配管系統

の損失ヘッド及び速度ヘッドを加算したものをポンプの性能曲線図中に記入したものを示
す。実際その装置にポンプを使用した場合には,所要抵抗とポンプの性能とが平衡状態とな
ったところで運転を行う。

これとは異なる許容幅,例えば,プラス側の許容幅による範囲を協定してもよい。

代表的な性能曲線によって選定するはん用ポンプ及び駆動機動力が 10kW 未満のポンプに対する許容幅

は,

附属書 に示す。


17

B 8301:2000

6.4

保証の証明  個々の保証の証明は,試験結果と契約保証値とを比較して行う。

6.4.1

保証吐出し量,全揚程及び効率の証明  測定の結果を 6.1.1 によって規定回転速度(又は周波数)

に換算する。

次にそれらを吐出し量

Q

に対して図示する。

測定点を通る曲線を描いてポンプの性能とする。

保証点

Q

G

H

G

を通る±

t

Q

Q

G

の長さの水平線及び±

t

H

H

G

の長さの垂直線をもつ許容幅の大きさの十字

形を描く。

全揚程及び吐出し量の保証は,

H

  (

Q

)

曲線が十字形の垂直線又は水平線を横切るか,又は少なくても接

するならば満足される(

図 参照)。

効率は,規定された仕様点

Q

G

H

G

QH

軸の原点とを結ぶ直線が測定した

H

  (

Q

)

曲線と交わる点から

の垂直線が

η

 (

Q

)

曲線と交わる点から得られる。

効率についての保証条件は,この交点での効率値が

η

G

・(1−

t

η

)よりも高いか,又は少なくても等しい

ならば,満足される(

図 参照)。

備考

Q

及び

H

の測定値が保証値

Q

G

及び

H

G

より大で,

Q

G

+  (

t

Q

Q

G

)

及び

H

G

+  (

t

H

H

G

)

の十字形内

にあり,かつ,効率が許容幅内にあるならば,実際の軸動力は予想値より大きくてもよい。

6.4.2

保証 NPSH の証明  キャビテーションの影響及び NPSH の値を検査する場合には,11.1 の規定に

よる。

図 1  吐出し量,全揚程及び効率の保証

6.5

規定性能の達成

6.5.1

羽根車外径の低減  試験結果からポンプの性能値が規定値よりも高いことが分かった場合には,一

般に羽根車外径の低減が行われる。

規定値と測定値との差が小さい場合には,改めて試験を行うことを省略し,比例則を適用して新しい性

能を求めることができる。

この方法の適用及び羽根車外径の低減のための実際的な条件は,受渡当事者間の協定事項とする。

形式数

K

≦1.5 のポンプについて,羽根車の平均外径の低減量が 5%を超えない場合に適用可能な指標を

附属書 に示す。


18

B 8301:2000

6.5.2

回転速度の変更  可変速駆動のポンプで保証を満たさない,又は超える場合には,連続運転可能な

最高回転速度を超えない範囲で試験点を別の回転速度に換算してよい。特に協定がない場合には,最高回

転速度は 1.02

n

SP

としてよい。その場合には,新たな試験は不要である。

7.

吐出し量の測定  吐出し量の測定は,JIS B 8302 又は附属書 による。

8.

全揚程の測定

8.1

一般事項

8.1.1

測定の原理  全揚程は,表 の 3.1.19 に示す定義によって計算する。

表 の 3.1.19 の全揚程の定義で規定する種々の量は,規定上はポンプ(又は試験の対象としているポン

プと接続配管の組合せ)の吸込断面

S

1

及び吐出し断面

S

2

で決定する。

実際には,測定のしやすさ及び精度を考慮して,断面

S

1

のやや上流側の断面

S

1

'

及び断面

S

2

のやや下流

側の断面

S

2

'

図 参照)で測定するのが一般的である。この場合には,配管の摩擦損失,例えば,

S

1

'

S

1

との間の損失

H

J1

S

2

S

2

'

との間の損失

H

J2

(及び場合によっては,局所的な損失ヘッド)を考慮するの

がよい。ポンプの全揚程は,次の式によって求める。

H

H

2

'-

H

1

'

H

J1

H

J2

ここに,

H

1

'

H

2

'

各断面

S

1

'

S

2

'

の全ヘッド

8.2

では,種々の据付状態における測定断面及び損失ヘッドの算出方法を規定している。

備考  ヘッドの概念は,比エネルギー(

y

gH

表 の 3.1.20 参照),すなわち,ポンプによって伝達

される揚液の単位質量当たりのエネルギーの概念で置きかえてもよい。これは一般には使用さ

れていないが,使用するのがよい。


19

B 8301:2000

備考1.  吸込管及び吐出し管が水平でない場合には,z

1

と z

1’

又は z

2

と z

2

とがそれぞれ異なり,対応す

る圧力も異なる。

2. 

図は原理を示し,技術的詳細を示すものではない。

図 2  全揚程の決定方法


20

B 8301:2000

備考  横軸の場合には,z1=zD=z1'

図 3  全揚程決定方法の説明図

8.1.2

測定方法  ポンプの据付状態及び管路の配置によって,全揚程は,吸込全ヘッド及び吐出し全ヘッ

ドを別々に測定して決定するか,又は吸込口と吐出し口との差圧を測定して,両断面間で速度ヘッド差が

あれば,それを加えて決定するか,どちらによって決めてもよい(

図 参照)。

全ヘッドは,配管内の圧力を測定して求めるか,又は水槽の水位を測定して求めてもよい。8.28.4 

この場合の測定断面,使用する測定器及び速度ヘッドの求め方を示す。

8.1.3

測定の不確かさ  全揚程の測定の不確かさは,全揚程を構成する各項目の予想不確かさを組み合わ

せて求める。この不確かさは用いる測定方法によって異なるので,ここでは関係する種々の誤差に対する

一般的な情報を示すことにする。

a)

高さに関する誤差は,他の誤差要因に比較して一般に無視できる。

b)

速度ヘッドに関する誤差は,吐出し量測定及び測定断面の面積の測定誤差による。

速度ヘッドの平均値として

U

2

/2

g

を用いることによっても誤差は生じるが,この誤差は一様な速度

分布になれば小さくなる。低揚程ポンプでは,これらの誤差は重要となる。

c)

水位又は圧力測定における誤差は,それぞれの場合に応じて使用する測定器の形式,それらの使用状

態(圧力測定孔の状態,圧力取出し管の水密性など)及び流れの特性(非定常性,脈動,圧力分布な

ど)も考慮する。


21

B 8301:2000

8.2

測定断面の定義

8.2.1

標準据付状態で試験するポンプ

8.2.1.1

吸込側測定断面  5.3.1 に示す標準試験配置でポンプを試験する場合には,吸込側測定断面は,吸

込側直管の長さが許す限り,ポンプの吸込側フランジから管直径の 2 倍の距離に設ける。直管部長さが十

分でない場合(例えば,短いベルマウスの場合)には,実現可能で最適な状態とするために,測定断面は,

例えば,上流側と下流側との割合が 2 対 1 となる位置にする。

吸込側測定断面は,5.3.1 に推奨する流れ状態に近づけるためにも,ポンプ吸込フランジと同一軸上で,

かつ,同一直径の直管断面に設けるのがよい。上流側直近に曲がりがあり,かつ,圧力取出し口を 1 個又

は 2 個しか設けられない場合(等級 2 の試験)には,圧力取出し口は曲がり面に対して垂直にするのがよ

い(

図 2,図 参照)。

等級 2 の試験において吸込速度ヘッドが全揚程に対して非常に小さい(0.5%未満)場合,又は吸込全ヘ

ッドの値自体があまり重要でない場合には,圧力取出し口(8.4.1 参照)をポンプ吸込フランジ自体に又は

管直径の 2 倍未満の上流側に設けてもよい。

吸込全ヘッドは,測定したゲージ圧ヘッド,基準面からの測定点の高さ及び吸込配管内の流速分布が均

一であるとして計算する速度ヘッドから求められる。

ポンプ吸込ヘッドの測定誤差は,部分流量で発生する予旋回によっても生じる。この誤差は,測定可能

で次のように修正するのがよい。

a)

ポンプが水位及び水面に作用する圧力が一定の自由表面をもつ水槽から吸込む場合には,水槽と吸込

測定断面間との損失ヘッドは,予旋回がなければ流量の 2 乗則による。予旋回があれば,低流量にお

いてこの関係が崩れ,測定した吸込全ヘッドはこの差分を補正すればよい(

図 参照)。

b)

ポンプが一定水位及び圧力の水槽から吸込まない場合には,予旋回がないと見込まれる十分上流点に

もう一つの測定断面を選ぶ。これら二つの断面間の損失ヘッドについても上記の a)と同じ方法で求め

る(

図 2,図 参照)。

図 4  吸込全ヘッドの修正


22

B 8301:2000

図 5  渦巻部又は曲管部の曲り面に取付ける圧力取出し口

8.2.1.2

吐出し測定断面  吐出し測定断面は,通常ポンプ吐出しフランジからその管直径の 2 倍の距離に

設ける。全揚程の 5%よりも小さい速度ヘッドをもつポンプに対する等級 2 の試験においては,吐出しフ

ランジに設けてもよい。

吐出し測定断面は,ポンプ吐出しフランジと同軸,かつ,同一直径をもつ直管部に設けるのがよい。一

箇所又は二箇所だけの圧力取出し口を用いる場合(等級 2 の試験において)には,圧力取出し口はポンプ

ケーシングの渦巻部又は曲管部の曲り面に垂直に設けるのがよい(

図 参照)。

吐出し全ヘッドは,測定したゲージ圧ヘッド,基準面からの測定点の高さ及び吐出しの流速分布が一定

として計算する速度ヘッドから求める。全ヘッドは,ポンプ,不規則な速度又は圧力分布によって誘起さ

れる旋回流れの影響を受けるので,圧力取出し口は,かなり下流側に設けてもよい。ただし,この場合吐

出しフランジと測定断面との間の損失ヘッドは考慮する(8.2.4 参照)

8.2.2

接続配管をもつポンプの試験  ポンプ本体とポンプの一部とみなされる上流部及び下流部に接続

される接続配管と一体で試験する場合には,8.2.1 の規定はポンプの吸込及び吐出しフランジの代わりに接

続配管の吸込及び吐出しフランジに対して適用する。この方法によれば,接続配管に基づくすべての損失

ヘッドをポンプに負担させることになる。

ポンプ単体の性能を保証する場合には,吸込全ヘッド測定断面と吸込フランジとの間の全損失ヘッド及

び吐出しフランジと吐出し全ヘッド測定断面との間の全損失ヘッドを 8.2.4 で規定する方法によって求め

て,全揚程に加える。

接続配管が設備の一部であってポンプの一部でない場合にも,同じ方法を適用する。

8.2.3

ボアホールポンプ及び水中モータポンプ  この形式のポンプは,5.3.1 の標準試験装置を用いて試

験を行うことができない。これらのポンプの据付条件を,

図 に示す。

吸込全ヘッドは,ポンプに吸込まれる液体の自由表面水位の基準面からの高さとこの自由表面上のゲー

ジ圧ヘッドとを加えたものである。

吐出し全ヘッドは,吐出し配管(8.2.1.2 参照)の圧力を測定して求めるか,又はポンプが自由表面をも

つ水槽に吐き出す場合には,この水槽の水位を測定して求めるか,どちらかによって決定する。後者の場

合には,取扱い液が水位測定点近傍において,ほとんど静止しているならば,吐出し全ヘッドは,ポンプ

が吐き出す自由表面水位の基準面からの高さにこの自由表面に作用するゲージ圧ヘッドを加えたものに等

しい。

この方法では,測定断面間で生じる損失ヘッドをすべてポンプに負担させることになる。

必要ならば,測定断面と契約上でのポンプの範囲との間の摩擦損失ヘッドは,8.2.4 によって決定する。

管路の特異性及び種々の接続配管(吸込フィルタ,逆流防止弁,吐出しエルボ,弁,拡大管など)によっ

て生じる局部損失ヘッドは,これらの接続配管を用意する当事者が契約を作成する際に決める。これがで


23

B 8301:2000

きない場合には,試験をする前に受渡当事者間で採用する値を協定によって決める。

ボアホールポンプ(

図 6 a)は,現地で試験を実施しない場合には,通常垂直配管すべてを使って試験し

ないので,製造業者及び/又は供給者は,使用しない部分の摩擦損失ヘッドを見積り,購入者と協定する。

ただし,現地試験によって規定性能を確認する必要がある場合には,契約で協定する。

a)

  ボアーホールポンプ b)  水中モータポンプ 

図 6  種々の形式のポンプに対する全揚程の測定

この種のポンプの試験に対して,保証は接続配管を含めて適用しても,しなくてもよい。

8.2.4

吸込側及び吐出し側の摩擦損失  4.1 に基づく保証は,ポンプの吸込フランジと吐出しフランジと

の間のポンプ性能に関するものである。圧力測定位置は,一般にはこれらフランジからある距離に設けら

れる(8.2.18.2.3 参照)

。この測定点とポンプフランジとの間の摩擦による損失ヘッド(

H

J1

及び

H

J2

)を

測定したポンプ全揚程に加えてもよい。

このような補正は,次の場合に適用するのがよい。

H

J1

H

J2

≧0.005

H

等級 2 の場合

≧0.002

H

等級 1 の場合

測定点とこれらフランジとの間の配管が挿入物のない一定直径で長さ

L

の円形直管の場合には,損失ヘ

ッドは,次の式によって求める。

g

U

D

L

H

J

2

2

λ

=

λは,次の式から求めるのがよい。


24

B 8301:2000

ú

û

ù

ê

ë

é

+

=

D

k

R

e

7

.

3

51

.

2

log

2

1

10

λ

λ

ここに,

k

管内壁面の等価粗さ

D

管内径

D

k

相対粗さ(無次元数)

附属書 に,補正の要否,また,必要な場合に用いる管摩擦係数を示す。

配管が挿入物のない一定直径の円形直管以外の場合にどのような補正するかは別途協定する。

8.3

水位の測定

8.3.1

測定部分の配置  測定場所では,流れは定常で,局部的な乱れがあってはならない。水の自由表面

が小さな波又は揺れで乱されている場合には,どのような形式の測定器を用いるかに応じて,多孔板を介

して水槽につながる整定管又は整定箱を備えることが必要になる。この多孔板の孔は,圧力変動を静める

のに十分な小さい径(直径で約

3

5mm

)とする。

8.3.2

測定器  状況(自由表面に近づくことができるか,自由表面が定常か,乱れているかなど)又は全

揚程に対する要求精度によって,種々の形式の水位測定器を使用してよい。最も一般的に使用される測定

器には,次のものがある。

a)

壁に固定された,垂直式又は傾斜式ゲージ

b)

ポイント式又はフック式ゲージ。これらのゲージは整定管と自由表面上方に接近して取り付けた支持

枠とをもっていなければならない。

c)

目盛付きの鋼製リボンテープからつり下げる水平金属円板で構成される板ゲージ

d)

整定管内だけで使用するフロート式ゲージ

e)

8.3.4.1

の絶対式又は差圧式の液柱マノメータ

f)

圧縮空気の放出を利用する泡式ゲージ

g)

投込式圧力変換器

e)

f)及び g)に示す

3

種類の形式は,自由表面に近づくことができない場合に適している。

備考

これらの測定器は,ISO 4373 に規定する。

8.4

圧力の測定

8.4.1

圧力取出し口  等級

1

の試験の場合には,

図 7 a)に示すように

4

個の圧力取出し口を各測定断面の

外周の等分位置に配置する。

等級

2

の場合には,通常各測定断面に

1

個の圧力取出し口を設ければ十分である。ただし,流れが渦又

は非対称的乱れによって影響を受ける可能性がある場合には,

2

個以上の圧力取出し口が必要となる[

図 

b

)参照]。


25

B 8301:2000

図 7  等級 及び等級 の試験用の圧力取出し口

備考  l≧2.5drd/10。圧力取出し口穴の直径 d=3∼6mm 又は管径の 1/10 のうち小さいほうの値。

図 8  圧力取出し口の形状

圧力取出し口の位置が管路の配置(8.2.1.1 及び 8.2.1.2 参照)によって決定される特別な場合以外は,圧

力取出し口は断面の最高点及び最低点又はその付近に設置しないのがよい。

圧力取出し口は

図 に示す条件に適合し,取出し口の縁にはバリ及び凹凸がないものとし,管内壁面に

垂直に設ける。

圧力取出し口穴の直径は,

3

6mm

又は管内径の

1/10

のうち,いずれか小さいほうとする。圧力取出し

口穴の長さは,その直径の

2.5

倍以上とする。

圧力取出し口が設けられている管内面は清浄,かつ,滑らかで,揚液の化学反応に対して耐性のあるも

のとする。管内面に塗布された塗料などのコーティングの表面は,きずがあってはならない。長手方向に

溶接した管を用いる場合には,圧力取出し口は溶接部からできる限り遠くに離して配置する。

複数の圧力取出し口を使用する場合には,遮断コックを介して圧力取出し口をその総断面積より大きい

断面積のリング状の連結管に連結する。これによって,必要に応じていずれの圧力取出し口からも圧力測

定が可能となる。読取りを始める前に,通常のポンプ試験状態において,各圧力取出し口を順次開いて圧

力を読み取る。読みの一つが

4

回の測定値の算術平均値に対して全ヘッドの

0.5%

を超える差か,又は測定

断面における速度ヘッドを超える差を示す場合には,このばらつきの原因を確認し,試験を開始する前に

試験条件を調整する。

同一の圧力取出し口を

NPSH

測定に使用する場合には,上記の読みと平均値との差は,

NPSH

値の

1%

又は吸込の速度ヘッド以下とする。

圧力取出し口から測定装置までの接続管及び制振器を設ける場合には,制振器までの接続管(5.4.2.2 


26

B 8301:2000

照)の内径は,少なくとも圧力取出し口の内径に等しいものにする。この接続管からの漏れがあってはな

らない。

接続配管系の高位置の点に空気抜き弁を設け,測定中に気体が接続配管に残らないようにする。

接続管内の気体の有無を確認するために,できる限り透明の管を使用することが望ましい。

備考

ISO 2186

は,接続管について規定する。

8.4.2

高さの差の補正  測定断面の中点と圧力測定装置の基準面の高さとの差

  (z

M

z)

がある場合には,

圧力の読み

p

M

は,次の式によって補正する。

p

p

M

ρ

f

g

  (z

M

z)

ここに,

ρ

f

は,接続管内の液体の密度を表す。

備考

接続管の長さ全体にわたって同一の液体が入っていることを確認する。接続管の長さを短く水

平にして誤差の可能性を小さくする

  (z

M

z

0)

8.4.3

圧力測定器

8.4.3.1

液柱マノメータ(圧力計)  液柱マノメータは校正が不要で,低い圧力の測定には,これを使用

してよい。

最も一般的に使用されるマノメータ用液体は,水及び水銀である。測定する圧力に適した密度をもつ他

の液体も使用してもよい。高さが

50mm

未満の液柱は,使用しないのがよい。この液柱の長さは,傾斜マ

ノメータ又は他のマノメータ用液体を用いて拡大してよい。これが不可能な場合には測定誤差には特に注

意を払う。

毛細管現象の影響を最小にするために,マノメータ管の内径は,水銀ゲージについては少なくとも

6mm,

水及び他の液を使用したゲージについては

10mm

とする。

マノメータ管の内径は,

両枝管とも同じとする。

表面張力の変化による測定誤差を避けるために,マノメータ内の液及びマノメータ管の内面は清浄に保

つ。

マノメータの視差による誤差を最小にするように,マノメータを製作する。

二つの目盛線の間隔は,

1mm

で十分である。

液柱マノメータは,開放端形,ヘッド差がスケールで読み取れるように必要量の圧縮空気を注入して用

いるマノメータ両端を測定管に接続した閉鎖形,又はマノメータを液で満たした

U

字管のいずれの形式に

よってもよい。開放形では,圧力は固定基準面からの値として測定され,一定とみなされる周囲の大気圧

に対する値となる。後者の二つの場合には,全揚程は差圧の測定(

図 参照)から求めることになる。

接続管が空気で満たされている場合には,取り残された揚液の残りの液柱(高さ

h

)が水銀面の上に残

ることがあり,その場合の圧力は,次の式によって求める。

p

p

M

  |

ρgh|


27

B 8301:2000

図 9  差圧式マノメータによる全揚程の決定法

8.4.3.2

おもり形マノメータ  液柱マノメータの仕様を超える圧力に対しては,おもり形マノメータ,又

は単純形及び差圧形のピストン形マノメータがある。ただし,これらは回転部分の質量に対応する最低圧

力以下で使用できない。

単純形のマノメータの有効径

D

e

は,直接測定したピストン径

D

p

とシリンダ径

D

c

の算術平均値に等しい

とする。試験前に次の条件が満足される場合には,校正をしなくても有効径

D

e

を圧力計算に使用できる。

%

1

.

0

+

P

c

P

c

D

D

D

D

ピストンとシリンダとの摩擦は

30min

-1

以上の速度でピストンを回転させることによって実用的には除

去することができる。

できるだけ広い圧力範囲で有効ピストン径を決定するために,おもり形マノメータを液柱マノメータと

比較して校正することが望ましい。

8.4.3.3

スプリング式圧力ゲージ  この形式の圧力計は,ループ状の管,平板若しくは渦巻き式スプリン

グ(ブルドン管圧力計)

,又はダイヤフラムの機械的なたわみを圧力指示手段として使用する。

この形式の測定器を使用して入口側及び出口側の圧力を測定する場合には,次の事項を行うことが望ま

しい。

a)

各測定器は,その最適測定範囲で使用する(フルスケールの

40%

以上)

b)

二つの連続した目盛線の間隔は,

1.5

3.0mm

とする。

c)

b

)の間隔に対応する値は,全揚程の

5%

以下とする。

この測定器は,定期的に校正する。

図 10 にスプリング式圧力計を用いるときの基準面を示す。


28

B 8301:2000

図 10  スプリング式圧力ゲージの基準面

8.4.3.4

その他の形式のマノメータ  圧力変換器には非常に多くの種類があり,機械的及び電気的特性の

変化に基づいて絶対圧力を求めるものと,差圧を求めるものとがある。これらは必要精度,再現性及び信

頼性が得られれば使用して差し支えない。変換器はその最適測定範囲で使用する。変換器は,その電子機

器と組み合わせて,精度及び信頼性がともに高い圧力測定装置と比較することによって定期的に校正を行

う。

9.

回転速度の測定  回転速度は,ある測定時間中の回転数を数えることによって測定する。直接指示式

タコメータ,発電形若しくは交流発電形回転計,光学的若しくは電磁気的カウンタ,又はストロボスコー

プによって測定できる。

交流電動機駆動のポンプの場合,回転速度は,電源周波数の実測及び電動機製造業者からの提供又は直

接測定(例えば,誘導コイルを使うことによって)した電動機のスリップデータから導くことができる。

この場合には,回転速度は,次の式によって求める。

÷

ø

ö

ç

è

æ −

=

t

j

f

i

n

2

ここに,  i:  電動機の極数 

f

:  電源周波数の測定値 (Hz)

j

:  電源周波数にストロボ光を同調させたとき,残像が測定時間⊿

t

内に回転した数

回転速度が直接測定できない場合(例えば,水中モータポンプ)には,電源周波数及び電圧を求めれば

十分である。

10.

軸動力の測定

  軸動力は,回転速度及びトルクを測定して求めるか,又はポンプに直結した効率既知

の電動機への入力を測定して求める。

中間伝動装置に接続した電動機への入力,又は伝動装置と電動機との間のトルクメータによって求めた

回転速度及びトルクを軸動力の計測方法として用いる場合には,伝動損失をどのようにして決定するかを

契約時に決めておく。

次に示す方法の詳細は,

ISO 5198

による。

10.1

トルクの測定

  トルクの測定は,

表 9

の要件を満たす動力計又はトルクメータを用いて行う。

トルク及び回転速度の測定は,実現可能な範囲で同時に行う。


29

B 8301:2000

10.2

電気動力の測定

  ポンプと直結する電動機への電気入力を軸動力決定の手段として用いる場合には,

電動機は十分な精度で効率が既知となっている状態で使用する。電動機効率は,

JIS C 4207

 (

IEC 60034-2

)

の勧告によって決定し,電動機製造業者が明記したものを用いる。

この効率には,電動機のケーブルの損失を考慮していない。

交流電動機への電気入力は,2 ワットメータ法,又は 3 ワットメータ法で測定する。この方法では,複

数の単相電力計,若しくは二相又は三相を同時に計測する電力計,又は積算電力計を用いる。

直流電動機の場合には,電力計,又は電流計及び電圧計を用いてよい。

電気動力測定用の指示電気計器の形式及び精度は,

JIS C 1102

 (

IEC 60051

)

による。

10.3

特殊な場合

10.3.1

ポンプ端に近寄れないポンプ

  結合された電動機ポンプ装置(例えば,水中モータポンプ,電動機

直動式ポンプ又は総合効率を保証するポンプと電動機)の場合には,装置の動力は近寄れるときは電動機

端子で測定する。水中モータポンプの場合には,測定はケーブルの入口端で行う。ケーブル損失は考慮に

入れ,契約時に決めておく。得られる効率をケーブル及び起動器の損失を除いた結合された装置本体の効

率とする。

10.3.2

ボアホールポンプ

  一般に,ボアホールポンプは受渡試験を現地で行わない限り全揚水管を付けて

試験することがないので,スラスト軸受,中間軸及び軸受による消費動力は,契約時に決めておく。

10.3.3

共通のスラスト軸受をもつ電動機駆動ポンプ(電動機直動式ポンプ以外)

  この形式のポンプで,

動力及び効率を電動機及びポンプで分けて決定する場合には,スラスト軸受の損失に軸方向のスラスト値

及びポンプの回転体の重量が影響を与えるので,その影響を考慮する。

10.3.4

ポンプ設備の総合効率の測定

  ポンプ設備の効率を決めるには,契約で規定した条件で駆動機を運

転し,入力及び出力だけを測定する。この試験では,駆動機とポンプとの間の損失の割合,歯車装置,変

速機などの中間機器に関連する損失は得られない。

11.

キャビテーション試験

11.1

一般事項

11.1.1

キャビテーション試験の目的

  この規格では,水力的な性能(全揚程,吐出し量及び効率の変化)

に関する測定を対象としており,それ以外のキャビテーションで生じる効果(騒音,振動,材料の損傷な

ど)については対象にしていない。

キャビテーションによって所定の吐出し量において全揚程又は効率の低下,又は所定の全揚程において

吐出し量及び効率の低下が生じる。キャビテーションの判定基準としては,所定の吐出し量における全揚

程の低下を採る場合が多い。多段ポンプの場合には,全揚程の低下は,第一段目の全揚程に対する低下と

して表し,可能ならば第一段目の全揚程を測定するのがよい。

一般に,キャビテーション試験は常温清水を用いて行う。常温清水を用いたキャビテーション試験から

は,それ以外の液体のキャビテーション性能を正確に予測することはできない(

5.4.5

参照)

高温又は臨界点に近い液を用いる試験の場合には,必要精度で NPSH を測定するのは困難であるし,不

可能といってもよい(

11.3.3

参照)

11.1.2

試験の方式

  キャビテーション試験には次の方法があり,いずれかの方法で試験を行うことができ

る。

11.1.2.1

規定有効吸込ヘッドにおける保証性能の確認

  キャビテーションの影響がどのようであるかで

はなく,単に規定有効吸込ヘッドにおけるポンプの水力性能の確認を行う。


30

B 8301:2000

規定吐出し量及び規定有効吸込ヘッドにおいて,

保証する全揚程及び効率が

6.4.1

に合致した条件で得ら

れている場合には,ポンプは要求を満たしている。

11.1.2.2

規定有効吸込ヘッドにおいて性能にキャビテーションの影響がないことの確認

  規定の運転状

態において,ポンプの水力性能がキャビテーションに影響されていないかどうかの確認を行う。

規定有効吸込ヘッドより高い NPSH で行った試験で,同じ吐出し量において同じ全揚程及び効率が得ら

れている場合には,ポンプは要求を満たしている。

11.1.2.3

NPSH3

の測定

  この試験では,規定吐出し量で(一段目の)全揚程の低下が 3%に達するまで連

続的に NPSH を下げる。このときの NPSH の値が NPSH3 である(

図 11

参照)

非常に低い全揚程のポンプでは,3%よりも大きな全揚程低下を協定してもよい。

11.1.2.4

その他のキャビテーション試験

  他のキャビテーション判定基準(例えば,騒音の増加)とそれ

に対応した試験方法を適用してもよい。この場合には,契約書で協定する。

11.2

試験装置

11.1.2

の試験は,

図 11

に示す方法及び次に示す試験装置で行うことができる。

この規格で規定する流れについての一般条件は,特にポンプの吸込側において,満たされなければなら

ない。

11.2.1

管路の一般的特性

  試験装置の安定性,満足な運転,又はポンプの性能に影響するようなキャビテ

ーションが管路のいかなる場所でも生じてはならない。

ポンプ内部のキャビテーションによって発生する気泡及びキャビテーション自体が測定器,特に吐出し

量の測定器の機能に影響を及ぼさないようにする。

キャビテーション試験装置での測定の条件は,この規格で規定する条件に一致させる。

11.2.3

に規定する形式の装置では,吸込及び吐出し側の調整弁にキャビテーションが生じて結果に影響

することを避けるために,吸込及び吐出し側に特別の調整弁を用いることがある。また,直列に接続した

二つ以上の絞り装置を使うか,若しくは絞り弁から密閉容器に直接吐出されるような配置にするか,又は

大口径のタンクを絞り弁とポンプ吸込口との間に配置することによって,絞り弁を通る流れに生じるキャ

ビテーションを防ぐことができる。NPSH が低い場合には,邪魔板及び前述の容器から空気を抜く手段が

必要となることがある。

絞り弁が部分的に開いている場合には,配管が液で満たされていて,かつ,吸込側測定断面において圧

力及び流速の分布が一様である必要がある。これは,適切な整流装置又は少なくとも管直径の 12 倍の長さ

の直管によって達成できる。

11.2.2

試験揚液の性質

  揚液は清浄で透明でなければならない。固形物は含まないほうがよい。試験の前

に浮遊気体はできる限り除去するほうがよい。

ポンプが実際に脱気水を扱う場合には,

キャビテーション試験に用いる水を脱気する必要がある。

また,

ポンプのいかなる場所でも気体の分離が生じるのを防ぐために,

管路内の水は過飽和にしないほうがよい。

11.2.3

装置の形式

11.2.3.1

11.2.3.3

に使用してもよい試験装置を示す。これらの装置は,蒸気圧を決定

する際に温度測定の不確かさが過度の誤差を生む可能性があるので,常温清水以外の揚液に対しては注意

する。

備考

11.2.3.1

及び

11.2.3.2

の装置を用いる試験は,

11.2.3.3

の装置を用いる試験に比べ,正確で信頼

できる結果を与える。

11.2.3.1

閉ループ

  ポンプは,

図 12

に示すように閉回路に組み入れる。この装置では,圧力,水位又は

温度を変えて,ポンプにキャビテーションが発生するまで,全揚程又は吐出し量に影響を与えずに NPSH

を変化させる。


31

B 8301:2000

必要な温度を維持するために,回路内の液を冷却又は加熱する装置が必要になったり,また,気体分離

タンクが必要になることもある。

試験タンク内で温度差が許容できないほどになることを避けるために,揚液の循環回路が必要となるこ

ともある。

タンクは十分大きく,ポンプの吸込流れへ気体が引き込まれないような構造とする。平均流速が 0.25m/s

を超える場合には,静定用スクリーンが必要となることがある。

11.2.3.2

水位調節を備える開放水槽

  ポンプは,揚液を水槽から中になにも取り付けていない管を通して

吸い上げる。この形式の装置では,水槽内の自由液面高さを調節する(

図 13

11.2.3.3

絞り弁を用いる開放水槽

  吸込配管の途中最も低い位置に絞り弁を取り付け,この絞り弁によっ

てポンプに流入する揚液の吸込圧力を調節する(

図 14


32

B 8301:

200

0

試験装置
の形式

開放水槽

開放水槽

開放水槽

開放水槽

開放水槽

閉回路

閉回路

閉回路

密 閉 水 槽 又
は閉回路

独立して
変えるも

吸込側絞り弁

吐出し側絞り弁

水位

吸込側絞り弁

水位

タンク内圧力

温度(蒸気圧) タ ン ク 内

圧力

温 度 ( 蒸 気
圧)

一定にす
るもの

吐出し側絞り弁

吸込側絞り弁

吸 込 側 及 び 吐 出
し側絞り弁

吐出し量

吐出し量

吐出し量

吐出し量

吸込側及び吐出し側絞り

調節によ
って変化
する量

全揚程 
吐出し量 
有効吸込ヘッド

水位

全揚程 
吐出し量 
有効吸込ヘッド

水位

全揚程 
吐出し量 
有効吸込ヘッド

有効吸込ヘッ
ド 
全揚程

吐出し側絞り
弁(吐出し量
を一定にする

ため)

有効吸込ヘッ
ド 
全揚程

吐出し側絞り

全揚程 
有効吸込ヘッ

吐出し側絞り
弁(全揚程が
落ち始めると

きに吐出し量
を一定に保つ
ため)

有効吸込ヘッ
ド 
全揚程

吐出し側絞り
弁(全揚程が
落ち始めると

きに吐出し量
を一定に保つ
ため)

−  有効吸込ヘッド 
−  キャビテーション発

生時の全揚程及び吐

出し量

キャビテ
ーション
による全

揚程の変

吐出し量

に対する

NPSH

図 11  NPSH3 の決定方法


33

B 8301:2000

11.3

ポンプの必要有効吸込ヘッドの決定

11.3.1

性能の測定方法

  特に協定がない場合には,キャビテーション試験中の全揚程,吐出し量,回転速

度及び軸動力(必要なとき)の測定方法は,

7.

10.

に示した方法による。

吐出し量測定の場合には,

キャビテーションが流量計の精度に影響することがないことを特に注意する。

また,継手及び封水部からの空気の吸込みがないように注意する。

試験状態が不安定で繰り返し読み取りを行わなければならない場合には,NPSH の変量は,最大,次の

値まで許容される。

表 5

の全揚程に対して与えられている値の 1.5 倍,又は,

− 0.2m

のいずれか大きい値とする。

11.3.2

蒸気圧の決定

  ポンプに流入する試験液の蒸気圧は,

11.3.3

に適合する十分な精度で決定する。蒸

気圧を,蒸気圧表及びポンプに流入する試験液の温度測定から求める場合には,温度測定に必要な精度を

明らかにしておく。

用いる蒸気圧表の出典は,受渡当事者間で協定しておく。

温度測定プローブの感温素子は,吸込管の管壁から管直径の 1/8 以上離す。温度測定素子の吸込流れへ

の差込み深さが測定器製造業者の要求する値よりも小さい場合には,その差込み深さにおける校正が必要

となる。

ポンプ吸込管に差し込んだ温度測定プローブが,吸込圧力の測定に影響することが決してないように注

意する。

11.3.3

必要有効吸込ヘッドに対する許容値

  必要有効吸込ヘッド測定値及び保証値の許容値は,次のとお

りとする。

−  等級 1:t

NPSHR

=+3%又は t

NPSHR

=+0.15m

−  等級 2:t

NSPHR

=+6%又は t

NSPHR

=+0.30m

のいずれか大きい値とする。

次の式が成立すれば,保証は満たされている。

H

svG

+  (t

NSPSHR

H

svG

)

H

sv measured

又は,

H

svG

+(0.15m 又は 0.30m)≧H

sv measured


34

B 8301:2000

備考  コイルによる冷却は,液自由表面上に冷却水を注入し,加熱水を排出する方法に変えてもよい。

図 12  キャビテーション試験装置−閉回路で圧力及び温度,又は両方の調整によって NPSH を変化させる

方法


35

B 8301:2000


36

B 8301:2000


37

B 8301:2000


38

B 8301:2000


39

B 8301:2000

図 13  キャビテーション試験装置−吸込側の

液高さを調整して NPSH を変化させる方法

図 14  キャビテーション試験装置−吸込側圧力調整弁

によって NPSH を変化させる方法


40

B 8301:2000

附属書 A(規定)  代表的な性能曲線によって選定するはん用ポンプ 

及び駆動機動力が 10kW 未満のポンプに対する性能の許容幅

等級 に関連 

この附属書は,ポンプの許容運転範囲内で適用する。

A.1

代表的な性能曲線によって選定するはん用ポンプ

  カタログに記載された性能曲線は,同形式ポンプ

シリーズの平均的な(最低ではない)性能を示している。このことは,特に効率及び軸動力について当て

はまる。したがって,許容幅を大きくするとともに動力に対しても許容幅が必要である。

製造業者がカタログ中でこの附属書を引用する場合には,次の許容幅とする。

吐出し量

t

=±9%

全揚程

t

=±7%

軸動力

t

=+9%

駆動機動力

t

Pgr 

=+9%

効率

t

η 

=−7%

A.2

駆動機動力が 10kW 未満のポンプ

  駆動機動力が 1kW を超え 10kW 未満のポンプでは,様々な機械的

な損失が相対的に大きく,容易には推定できず,

表 11

の性能の許容幅は適用できない場合がある。この場

合には,次のようにする。

吐出し量

t

Q

=±10%

全揚程

t

H

=±8%

効率についての許容幅 t

η

は,特に協定がない場合には,次の式によって算出する。

%

7

10

1

10

ú

û

ù

ê

ë

é

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

gr

P

t

η

ここに,  P

gr

:  全運転範囲における駆動機の最大動力 kW

t

Pgr

は,次の式によって求める。

( )

%

%

7

2

2

η

t

t

Pgr

+

=

備考

動力が非常に小さい場合(1kW 未満)のポンプについては,受渡当事者間で別に協定してよい。


41

B 8301:2000

附属書 B(規定)  羽根車外径低減量の決定方法 

ポンプの性能が規定の性能を超える場合は,一般に羽根車外径の低減が行われる。

形式数 K≦1.5 のポンプで羽根車平均外径の低減量が 5%を超えない場合及び羽根形状(出口角度,広が

りなど)が加工後変化しない場合には,本体の

6.5.1

の協定がなされていれば次の方法を適用してよい。

新しい性能は,次の式によって算出する。

2

1

2

1

2

2

1

2

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

D

D

D

D

R

t

r

ここに,  D

図 B.1

の直径

添字

t

:試験時の値

r

:低減時の値

Q

r

RQ

t

H

r

R

2

H

t

図 B.1  羽根車外径の低減

形式数 K≦1.0 で,かつ,羽根車外径の低減量が 3%を超えないポンプでは,効率は対応する運転点の間

では実用上変化しないものとする。


42

B 8301:2000

附属書 C(規定)  摩擦損失の補正 

管摩擦による損失ヘッドの計算として本体の

8.2.4

に規定する式は,繰返し計算の必要がある。

計算が必要かどうかの事前検討のための図を,等級 1 の試験に関しては

図 C.1

に,等級 2 の試験に関し

ては

図 C.2

に示す。これらの図は,常温水を扱う一定円形断面の鋼製直管に適用する。吐出し管及び吸込

管は同一直径で,測定点は吸込フランジの上流及び吐出しフランジの下流 2 倍直径の位置にあると仮定し

ている(本体の

8.2.1

参照)

直径が異なる管の場合には,小さい方の管の径を用いる。

“補正不要”と指示されるときには,計算しな

くてもよい。

“要補正”と指示される場合には,常温水を扱う鋼管だけに適用する

図 C.3

λの値の決定に用いてよ

い。管が他の材質か,又は液体が常温水でない場合には,

図 C.4

に示すムーディ線図を用いるか,又は本

体の

8.2.4

λの式を解いてもよい。管の等価粗さ は,

表 C.1

の値を用いてよい。

表 C.1  管の等価粗さ

単位

mm

市販の管(新品)材質

表面の等価粗さ k

ガラス,引抜き黄銅,銅又は鉛

滑らか

鋼 0.05

アスファルト塗装鋳鉄 0.12

亜鉛引き鋳鉄 0.15

鋳鉄 0.25

コンクリート 0.30∼3.0

リベット締め管 1.0∼10.0


43

B 8301:2000

図 C.1  等級 の試験について摩擦損失の補正の要否を示す図

(ポンプフランジより 2D 上流及び下流に測定点がある場合) 


44

B 8301:2000

図 C.2  等級 の試験について摩擦損失の補正の要否を示す図

(ポンプフランジより 2D 上流及び下流に測定点がある場合) 


45

B 8301:2000

図 C.3  管摩擦係数(k5×10

-5

m, v

1×10

-6

m

2

/s

の場合)


46

B 8301:2000

図 C.4  管摩擦係数(ムーディ線図)


47

B 8301:2000

附属書 D(参考)  SI 単位への換算 

表 D.1

は,SI 単位を組み合わせて表す量及び SI 単位以外の単位で表す量を SI 単位へ換算するための係

数を示す。換算係数とは,非 SI 単位で表された値に乗じて,相当する SI 単位の値を求めるための数であ

る。

表 D.1  換算係数

量 SI 単位

種々の単位

換算係数

呼称

非 SI 単位

吐出し量

m

3

/s

リットル毎秒

l/s 10

-3

立方メートル毎時

m

3

/h 1/3

600

リットル毎時

l/h

1/3 600 000

リットル毎分

l/min 1/60

000

インペリアルガロン毎分

gal (UK) /min

75.77

×10

-6

立方フィート毎秒 ft

3

/s 28.316

8

×10

-3

US

ガロン毎分

gal (US) /min

63.09

×10

-6

US

バレル毎時(石油)

barrel (US) /h

44.16

×10

-6

質量流量

kg/s

トン毎秒 t/s

10

3

トン毎時 t/h

1/3.6

キログラム毎時 kg/h

1/3

600

ポンド毎秒

lb/s

0.453 592 37

圧力 Pa

キログラム重毎平方センチメートル

kgf/cm

2

 98

066.5

バール bar

10

5

ヘクトピーズ hpz

10

5

トール torr

133.322

ミリメートル水銀柱 mmHg

133.322

ミリメートル水柱 mmH

2

O 9.806

65

パウンダル毎平方フィート pdl/ft

2

 1.488

16

標準大気圧 atm

101 325

ポンド重毎平方インチ lbf/in

2

 (psi)

68 941.76

密度 kg/m

3

キログラム毎立方デシメートル kg/dm

3

 10

3

グラム毎立方センチメートル g/cm

3

 10

3

ポンド毎立方フィート lb/ft

3

 16.08 5

動力 W

キロワット kW

10

3

I.

T.

キロカロリー毎時 kcal

IT

/h 1.163

仏馬力 PS

735.5

英馬力 hp

745.7

英国熱単位毎時 Btu/h

0.293

071

キログラム重・メートル毎秒 kgf・m/s 9.806

65

粘度 Pa・s

ポアズ P

10

-1

ダイン・秒毎平方センチメートル

dyn

・s/cm

2

 10

-1

グラム毎秒・センチメートル g/s・cm 10

-1

パウンダル・秒毎平方フィート pdl・s/ft

2

 1.488

16

動粘度

m

2

/s

ストークス St=cm

2

/s 10

-4

平方フィート毎秒 ft

2

/s 92.903

×10

-3


48

B 8301:2000

附属書 E(参考)  測定器の適正な校正間隔に対する指針 

この附属書に示す情報は,

“アメリカ水力協会試験基準 1988 年遠心ポンプ 1-6”に一部基づいており,

指針として示すものである。実際の校正間隔はいかなる試験装置及び測定器にも適用できる経験に基づく

ものであり,校正間隔は,試験装置の品質保証手順書に規定するのがよい。

表 E.1  測定器の適正な校正間隔

測定器

期間

測定器

期間

吐出し量

動力

質量法

1

動力計

6

か月

容積法 10 年

トルク伝達棒

1

ベンチュリ管

*) 

校正済モータ

必要なし

ノズル

*) 

携帯用電力電流電圧計

1

オリフィス

*) 

固定式電力電流電圧計

3

タービンメータ

1

ひずみゲージ式トルクメータ

6

か月

電磁流量計

1

年 375kW までの中間歯車 10 か月

せき

*) 

375kW

以上の中間歯車 20 か月

カレントメータ

2

回転速度

超音波流量計

6

か月

タコメータ(はん用)

3

圧力

電子式

1

スプリング式圧力計

4

か月

周波数感応装置

おもり形圧力計

必要なし

  磁気式 10 年

液柱マノメータ

必要なし

  光学式 10 年

変換器

4

か月

ストロボスコープ

5

回転計内蔵形トルクメータ

1

*)

  重大な寸法変化がない限り必要ない。


49

B 8301:2000

附属書 F(参考)  費用及び再試験 

試験にかかる費用のような純枠に取引上の問題は,この規格の範囲には含まれていないので,受渡当事

者間で別に協定する事項とする。

F.1

受渡試験及び特別な試験にかかる費用

  受渡試験及び特別に行う試験にかかる費用については,契約

の際に明確にしておくことが望まれる。

NPSH

試験を行う場合には,試験にかかる費用が増大することに注意する。

F.2

再試験

  得られた測定データが正しいかどうか,又は精度に関して疑いがある場合には,受渡当事者

のいずれもが再試験を求める権利をもつ。改めて測定を行っても,表明された疑いが立証されない場合に

は,再試験を要求した側が試験に要した費用を負担する。


50

B 8301:2000

附属書 G(参考)  高粘度液に対する性能補正線図 

図 G.1

は,水における性能が既知で高粘度液を扱う一般の遠心ポンプの性能の決定方法を示したもので

ある。補正曲線は,あらゆるポンプに対して正確というわけではない。

正確を必要とする場合,その高粘度液で性能試験するのがよい。

図 G.1

は,理論よりもむしろ経験に基づいているために,図の範囲外への外挿はこれらの線図を支えて

いる経験の範囲を超えることになり,推奨できない。

正規の運転範囲で運転される,オープン形又はクローズ形の羽根車をもつ一般的な水力設計のポンプだ

けに使う。斜流ポンプ又は軸流ポンプ,若しくは高粘度又は非一様の液体を扱うために,特別な設計をし

ているポンプには使わない。

キャビテーション防止の理由で NPSH に十分余裕がある場合だけに使う。

ニュートン(均一)流体だけに使う。ゲル,スラリー,紙まじりの液体及び他の非一様の液体では,そ

の液体の特性によって広範囲に異なる性能を示すことがある。

この附属書で使用する記号及び定義は,

表 G.1

による。

表 G.1  この附属書で使用する記号及び定義

記号

定義

Q

vis

粘性液の吐出し量

高粘度液を送るときの吐出し量

H

vis

粘性液の全揚程

高粘度液を送るときの全揚程

η

vis

粘性液の効率

高粘度液を送るときの効率

P

vis

粘性液の軸動力

高粘度液を送るときの軸動力

Q

w

水の吐出し量

水を送るときの吐出し量

H

w

水の全揚程

水を送るときの全揚程

η

w

水の効率

水を送るときの効率

ρ

密度

C

Q

吐出し量補正係数

C

H

全揚程補正係数

C

η

効率補正係数

Q

NW

水運転時の最高効率点吐出し量

ポンプの水における性能が既知の場合には,高粘度液の性能は,次の式によって求める。

Q

vis

C

Q

×Q

w

H

vis

C

H

×H

W

η

vis

C

η

×

η

w

vis

vis

vis

vis

g

H

Q

P

η

ρ ×

×

×

=

C

Q

CH

及び C

η

は,水での性能に基づく

図 G.1

から決定する。

水の性能を示す効率曲線から,最高効率点の吐出し量 (1.0×Q

NW

)

を決める。

この吐出し量から, (0.6×Q

NW

)

, (0.8×Q

NW

)

及び (1.2×Q

NW

)

を求める。

図 G.1

の横軸上の最高効率点の吐出し量 (1.0×Q

NW

)

の点から真上に段当たりの全揚程の線まで線を引

く。その交点から水平方向に(右又は左へ)使用する液の粘度を示す線まで線を引く。その点から上に種々

の補正係数曲線まで線を引く。

四つの流量のそれぞれに対し最後に説明した線と C

η

C

Q

及び C

H

の各曲線との交点の値を読み取る。


51

B 8301:2000

各ヘッドに対応のヘッド補正係数を乗じて,補正ヘッドを求める。各効率値に効率補正係数 C

η

を乗じて

補正効率が求まる。これが対応の補正流量での値である。

補正吐出し流量に対して補正ヘッド及び補正効率をプロットする。これらの点を滑らかに結ぶ。締切ヘ

ッドは近似値として水の場合の値を採用できる。

粘性液軸動力 P

vis

は,上記の式から求める。

粘性液に対する動力の各点をプロットし,これらの点を滑らかな曲線で結ぶ。曲線は,水での性能曲線

に似たものとし,それにほぼ平行になるようにするのがよい。


52

B 8301:2000

備考 この図に示す値は,DN50∼DN200 までの石油を扱う一般的な遠心ポンプでの試験結果から求めた平均値である。

この図は,Hydraulic Institute Standard (HIS) : 1985 に基づく。

図 G.1  高粘度液に対する性能補正線図


53

B 8301:2000

附属書 H(参考)  炭化水素液及び高温水を取扱う 

ポンプにおける必要有効吸込ヘッド低減量 

図 H.1

は,炭化水素液及び高温水で期待される必要有効吸込ヘッドの低減量を求める図で,図に示した

液での実験データを基に温度及び蒸気圧の関数として描いたものである。

図 H.1

の使用に当たっては,次の制限及び注意が必要である。

この図の適用範囲となっている液体条件下でのポンプの運転状態が確認されるまで,必要有効吸込ヘッ

ド低減量は,常温清水による必要有効吸込ヘッドの 50%までに制限するのがよい。

図 H.1

は,

単一液用のポンプでの結果に基づいている。

液中に空気又は他の非凝縮ガスがある場合には,

正規の有効吸込ヘッドにおいてもポンプ性能に悪影響が現れることがある。この場合には,有効吸込ヘッ

ドが減少し,性能低下が生じることになる。空気又は非凝縮ガスが除去できない場合,及びポンプ吸込側

の絶対圧力が低いために非凝縮ガスを遊離してしまう場合には,気体遊離によるポンプ性能劣化を防止す

るために,常温清水時に必要とする値以上に有効吸込ヘッドを増加させなければならないことがある。

混合炭化水素液の場合には,蒸気圧は,温度によって著しく変化することがあり,特有の蒸気圧は運転

温度に対して決定をするのがよい。

図 H.1

を高温液,特に高温の水に使用する場合には,温度及び絶対圧が過渡的に変化することによって

初段羽根車が影響を受けやすいことを十分考慮しなければならない。この場合には,安定した運転を行う

ためだけであれば,

低減をはるかに上回る必要有効吸込ヘッドの余裕を安全のために付与する必要がある。

3m

以上の必要有効吸込ヘッドの低減を証明する有効なデータがないため,

図 H.1

は 3m までに限定され

ており,それを超えて外挿することは推奨できない。

液温  (℃)  を

図 H.1

の横軸にとり,その点より真上に線を描き,蒸気圧線との交点を得る。その点から

斜めの線に沿って,又は平行に線を引き,図の右側縦軸との交点を求める。縦軸の目盛から,必要有効吸

込ヘッド低減量を読み取る。この値が常温清水時の必要有効吸込ヘッドの 1/2 より大きいときには,常温

清水時の必要有効吸込ヘッドの 1/2 を差し引いた値が求める必要有効吸込ヘッドとなる。この値が常温清

水時の必要有効吸込ヘッドの 1/2 より小さいときには,常温清水時の必要有効吸込ヘッドから

図 H.1

で求

めた低減量を差し引いた値が求める必要有効吸込ヘッドとなる。

備考1.

図 H.1

に温度−蒸気圧の関係が示されている揚液に対してだけ適用できる。炭化水素液及び

水以外の揚液に

図 H.1

を適用することは実験的な根拠がなければ推奨できない。

2.

常温清水時の必要有効吸込ヘッドに対して必要有効吸込ヘッド低減を行う場合には,

図 H.1

の右側目盛値,又は常温清水時の必要有効吸込ヘッドの 1/2 のいずれか小さいほうとする。


54

B 8301:2000

備考  図は,Hydraulic Institute Standard (HIS) : 1985 に基づく。

図 H.1  炭化水素液及び高温水を取扱うポンプにおける必要有効吸込ヘッド低減量


55

B 8301:2000

附属書 I(参考)  測定結果の統計的評価 

1.1

記号

  この附属書で使用する記号及び定義を

表 I.1

に示す。

表 I.1  この附属書で使用する記号及び定義

記号

定義

ar

統計上の変数

a’, r

統計上の変数

h

試験点での全揚程比

G

H

H

h

=

h

全揚程比の平均値

h

N

h

Σ

=

1

N

0.95Q

G

∼1.05Q

G

の範囲における試験点の総数

p

試験点でのポンプ軸動力比

G

P

P

p

=

p

ポンプ軸動力比の平均値

p

N

p

Σ

=

1

q

試験点での吐出し量比

G

Q

Q

q

=

q

吐出し量比の平均値

q

N

q

Σ

=

1

S

q

2

)

(

q

q

S

q

Σ

=

S

h

2

)

(

h

h

S

h

Σ

=

S

p

2

)

(

p

p

S

p

Σ

=

S

qh

)

)(

(

h

h

q

q

S

qh

Σ

=

S

qp

)

)(

(

p

p

q

q

S

qp

Σ

=

備考

Σ記号は,0.95Q

G

∼1.05Q

G

の範囲における測定

点について適用される。

I.2

附属書 の取扱及び有効性

2

変数についての統計的分析は,一方の量のある与えられた値のときの

もう一方の量の平均値を求めるのに用いる。この附属書に紹介した統計的手法は,規定値の前後に試験点

が一定の必要条件を満たして分布している場合に適用できる。

I.3

測定する組の数及び分布

  少なくとも

9

組の測定を行う。

本体の

6.1.1

によって規定回転速度又は規定

周波数に修正した場合には,測定吐出し量が規定吐出し量の±

5%

の範囲内に入るように分布していなけれ

ばならない。これらの試験点のうち,少なくとも

3

点は+

3%

∼+

5%

の吐出し量の範囲内に,また,少な

くとも

3

点は−

3%

∼−

5%

の吐出し量の範囲内にとる。

統計的手法を適用しやすくするため,規定吐出し量の±

5%

の範囲内で最小限以上の試験点をとるのがよ

い。できるならば

20

点とることを推奨する。

I.4

平均値の評価

I.4.1

全揚程の平均値

  全揚程の平均値は,次の式によって求める。

[

]

G

m

H

q

a

h

H

)

1

(

+

=


56

B 8301:2000

I.4.2

軸動力の平均値

  軸動力の平均値は,次の式によって求める。

[

]

G

m

P

q

a

p

P

)

1

(

+

=

I.4.3

試験結果の評価

  統計上の変数の値は,次の式によって求める。

qh

qh

S

S

r

r

a

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

+

+

=

2

1

2

2

1

qp

qp

S

S

r

r

a

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

+

+

=

2

1

2

2

1

qh

q

h

S

S

S

r

2

=

qp

q

p

S

S

S

r

2

=

備考  a

及び

a'

を求める式には,性能曲線の傾きに合致した正又は負の値が得られるように,それぞ

S

qh

及び

S

qp

が含まれている。

I.3

に規定の組数だけ行った観測から,

95%

の信頼限界で,規定吐出し量時の全揚程及び軸動力を求めるの

に統計的分析を用いてもよい。この方法は,関連規格に記載の文献に詳述されており,計算を容易にする

ためのプログラムを載せている。


57

B 8301:2000

附属書 J(参考)  ポンプ試験成績表 

この附属書で例示したポンプ試験成績表は,ポンプ試験結果を提示し,それらの説明に役立つよう指針

として示した。ポンプ試験から得られる情報すべてを含んでいるわけではなく,ポンプの形式,用途,計

算手法によって修正が必要な場合がある。

ポンプ試験成績表

成績表番号

試験種類

客先

ポンプ

形式

製造番号

注文番号

入口径

出口径

羽根車外径

保証値

吐出し量  (Q

G

)

回転速度  (n

SP

)

軸動力  (P

G

)

全揚程  (H

G

)

効率(

η

G

)

有効吸込ヘッド  (h

sv

)

揚液

温度(

θ)蒸気圧  (P

v

)

動粘度(

ν)

密度(

ρ) pH

電動機

製造業者

試験証明書

相数

電圧

形式

入力

回転速度

電流

測定方法

吐出し量

吸込圧力

吐出し圧力

NPSH

トルク

軸動力

回転速度

減速機

方法

試験条件

周囲温度

大気圧

基準面に対する

入口

試験液の温度

ヘッド修正

出口

測定結果

単位

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

回転速度

時間間隔

吐出し量

読み

測定吐出し量

ヘッド

吐出し圧力の読み

吸込圧力読み

吐出し圧力ヘッド

吸込圧力ヘッド

(U

2

2

U

1

2

) /2g

測点高差

全揚程

U

1

2

/2g

N S

動力

水動力 P

u

(トルク)

電圧

電流

電力計の読み

電力計の読み

電力計の読みの合計

電動機入力

電動機効率

トルクの読み

減速機効率

電動機出力

軸動力


58

B 8301:2000

測定結果

単位

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

総合効率

ポンプ効率

規定回転

吐出し量

速度への

全揚程

換算値

軸動力

N S

記事

日付

試験責任者

代表者

購入者側

製作者側


59

B 8301:2000

附属書 K(参考)  チェックリスト 

試験を行う前に受渡当事者間で協定すべき項目のチェックリストを次に示す。契約書の作成の際に,こ

れらすべての項目について協定する必要はない。

1)

試験を実施する等級の選択(本体の

5.1

参照)

2)

保証の範囲

a)

ポンプ単体又はポンプユニット(本体の

10.3.3

参照)

b)

ポンプに付随する接続配管類の有無(本体の

5.3.3

参照)

c)

一つ又は二つ以上の運転点で保証する値(吐出し量,全揚程,軸動力,効率,

NPSH

など)

(本体の

4.1

参照)

3)

多数台の同一ポンプの場合には,試験を行うポンプの台数(本体の

5.1.1

参照)

4)

試験中チェックすべきその他のポンプの運転状態(本体の

5.2.5

参照)

5)

試験を実施する場所(本体の

5.2.1

参照)

6)

試験の日時(本体の

5.2.2

参照)

7)

試験を工場で実施しない場合の試験責任者(本体の

5.2.3

参照)

8)

測定方法の選択(本体の

7.

10.

参照)

9)

試験設備(本体の

5.2.6

参照)

10)

性能試験(本体の

5.3.1

5.3.2

及び

8.2.1

参照)及びキャビテーション試験(本体の

11.2.3

参照)の試

験装置

11)

自吸ポンプの自吸性能試験装置(本体の

5.3.6

参照)

12)

常温清水を使用した試験からポンプの性能を予測する方法(本体の

5.4.5

参照)

13)

許容範囲を逸脱する回転速度(本体の

5.4.3

及び

6.1.1

参照)

14)

 NPSH

換算式のべき指数(本体の

6.1.1

参照)

15)

許容範囲を逸脱する電圧及び周波数(本体の

6.1.1

参照)

16)

保証点及び他の運転点での性能の許容幅(本体の

4.1

6.3

及び

11.3.3

参照)

17)

ボアホールポンプの吸込及び伝達損失(本体の

8.2.3

及び

10.3.2

参照)

18)

吸込及び吐出しにおける摩擦損失及び異常な圧力損失(本体の

8.2.4

及び

附属書 C

参照)

19)

ケーブルの損失(本体の

10.3.1

参照)

20)

減速機の損失(本体の

10.3.4

参照)

21)

キャビテーションに関する保証を確認する方法(本体の

11.1.2

参照)

22)

性能試験(本体の

4.2

参照)及びキャビテーション試験(本体の

11.2.2

参照)で使用する液体

23)

試験にかかる費用(

附属書 F

参照)


60

B 8301:2000

附属書 L(規定)  吐出し量の測定 

この附属書は,

ISO 9906 

: 1999

本体の

7.

Measurement of rate of flow

を翻訳し,技術的内容を変更するこ

となく作成したものである。

L.1

質量法

  質量法は,測定用容器が満たされる間の平均流量を与えるものであるが,最も正確な流量測

定方法と考えてよい。

この方法は,重量測定,注水時間測定,流体の温度を考慮した密度決定などに関係する誤差の影響を受

ける。さらに,流れの切替え(静的法)

,又は測定時間における動的現象(動的法)に関係した誤差も生じ

ることがある。

備考  ISO 4185

は,質量法による流量測定を規定している。

L.2

容積法

  容積法の精度は,質量法の精度にほぼ近く,質量法と同様に測定用の容器が満たされる間の

平均流量を与えるだけである。

測定用容器の校正は,重量によって,又は計量用ピペットによって測定された水を連続して測定用容器

に注入した後の水位を測定して行う。

容積法は,測定用容器の校正,水位の測定及び注水時間の測定に関係する誤差の影響を受ける。さらに,

流れの切替に関係する誤差の影響も受ける。そのうえ,受水槽の水漏れを調べる必要があり,必要によっ

ては水漏れによる修正を行わなければならない。

一方,現場において,しかも大流量に対して容積法は有用である。この方法では,自然界に存在する貯

水層を測定容量として用いることができる。この貯水層の体積は,幾何学的又は地形学的に求めておく。

この方法を使用するための指針は,

IEC 60041 

: 1963

の改訂版に示されている。しかし,不安定で一様で

ない水位を測定するのが困難なため,この方法の精度は十分でない。

備考  ISO 8316

は,容積法による流量測定を規定している。

L.3

絞り機構

  特に注意することは,絞り機構上流の最小直管長に関することであり,これらのことは各

種の配管形状に関して

ISO 5167-1

に規定されている。ポンプ下流に絞り機構の設置が必要な場合(

ISO 

5167-1

の表には扱われていない。

)には,ポンプは,ポンプボリュート,多段ポンプの最終段又はポンプ

吐出し曲管と同一平面にある一種の

90

°エルボと同じように流れを乱すものと考えてよい。

いずれの絞り装置の場合も,配管の直径及びレイノルズ数については,

ISO 5167-1

が規定する範囲内に

押さえなければならない。

流量調節弁では,キャビテーション又はガス分離が生じることがあるが,流量測定器は確実にそれらの

影響を受けないようにする。空気の存在は,通常,測定器の空気抜きを操作することによって検出できる。

差圧測定器の検査は,液柱マノメータ,おもり形マノメータ又は他の圧力校正基準器と比較して行える

ようにしておく。

関連規格に示している条件がすべて満たされていれば,規格で規定している流出係数を校正なしで用い

ることができる。

備考  ISO 5167-1

は,オリフィス板,ノズル及びベンチュリ管の構造並びに取付け及びそれらの使用

方法を,

ISO 2186

は,マノメータに関する配管接続方法を規定している。


61

B 8301:2000

L.4

薄板せき

  特に注意することは,薄板せきが上流側の流れの状態に非常に敏感であることである。し

たがって,上流水路についての規定による必要がある。

この規格を適用するに際して,せきのヘッド測定器の最小目盛は,測定流量の

1.5%

に対応する目盛を上

回ってはならない。

備考  ISO 1438-1

は,四角形又は三角形の薄板せきの構造,取付け及び使用方法について,

ISO 4373

は,水位測定器について規定している。

L.5

速度面積法

  この方法は複雑であるため,等級

2

の試験で使用するのは適切ではない。ただし,大流

量ポンプに対して等級

1

の試験をする際には,この速度面積法は適用できる唯一の方法である。

非常に長い配管で測定する場合を除いて,大きな乱流又は旋回流れを回避するために,測定部はポンプ

の上流側に設置するのがよい。

備考  ISO 3354

及び

ISO 3966

は,カレントメータ及びピトー管による閉回路の吐出し量測定方法を

規定している。これらの規格は,測定器の使用条件,選定方法,操作方法並びに局所速度の測

定方法及び速度分布の積分による流量計算に関して必要な規定をしている。

L.6

トレーサ法

  速度面積法と組合せて用いる場合には,トレーサ法は等級

1

の試験の場合にだけ適用が

認められる。トレーサ法は専門の技術者以外は使用してはならない。また,放射性トレーサは,ある程度

の制約を受けることに注意する。

備考  ISO 2975

は,管路内の流量測定に適用される希釈法(定量注入)及び通過時間法を規定してい

る。両方法とも放射性トレーサか又は化学トレーサを用いる。

L.7

その他の方法

  タービン式,電磁式

  (ISO 9104)

のような測定器,さらには超音波式,渦式又は可変

面積式の流量計は,

L.1

又は

L.2

による測定方法であらかじめ校正を受けていれば使用してよい。これら

の測定器が試験装置に常設される場合には,それらの校正は定期的に検査が可能でなければならないこと

を考慮しておく。

校正は,流量計及びそれに関係する測定系全体に対して行わなければならない。校正は,試験中に実際

に得られる作動条件(圧力,温度,水質など)で行うのがよい。試験の間,流量計がキャビテーションの

影響を受けることがないように注意する。

タービン及び電磁式流量計は,上流に長い直管を必要とせず(通常,配管直径の

5

倍の長さでよい。

良好な精度が得られる。超音波式流量計は,速度分布に非常に敏感であるので,実際の作動条件で校正す

る。フロート式流量計の使用は,等級

2

の試験に限定するのがよい。


62

B 8301:2000

附属書 1(参考)  試験装置 

この附属書は,ポンプの性能を試験する際に用いる試験装置の参考例を示すものであり,規定の一部で

はない。

附属書 図 1  試験装置(例 1

附属書 図 2  試験装置(例 2


63

B 8301:2000

附属書 図 3  ボイラ給水用遠心ポンプの試験装置


64

B 8301:2000

備考  試験は,真空タンクの温度,圧力及び水位を調節して,有効吸込ヘッドを購入者の指定する仕様に合わせて行

う。計画上,キャビテーションによって水量を調整する方式のポンプは,指定以外の有効吸込ヘッドについて
も試験を行い,有効吸込ヘッドに対する吐出し量の変化を確かめる。

附属書 図 4  覆水ポンプの試験装置


65

B 8301:2000

附属書 2(参考)  運転状態,耐水圧及び最小吐出し量における温度上昇 

この附属書は,ポンプの運転状態,耐水圧及び最小吐出し量における温度上昇について参考として示す

ものであり,規定の一部ではない。

1.

運転状態

1.1

振動及び騒音

  規定の運転状態において,運転が円滑であって,各部に異常振動,異常音があって

はならない。

ポンプの振動基準値を

附属書 図 1

に示す。この基準値は,通常の横軸及び立軸の遠心ポンプ,斜流ポ

ンプ及び軸流ポンプに対するもので,特殊構造のポンプは除外している。

振動は,取付状態によってその測定値が変わり,取付状態が弱いと大きくなるものが多い。したがって,

試験に際しては実際と同じような強さで支えるのがよい。ただし,ポンプの形式,試験装置の都合などに

よってこれができない場合には,受渡当事者間の協定によって現地における実際の振動値で判定すること

ができる。

備考1.

特に軸受部における振動については注意する。

2.

ポンプ直後の吐出し弁で吐出し量を絞っている場合には,絞りに起因する弁の振動がポンプ

の振動に影響を与えるから注意する。

備考

横軸ポンプ:軸受中心における振動

立軸ポンプ:電動機の上部軸受中心における振動

附属書 図 1  振動基準値

1.2

軸受温度

  規定の運転状態において,軸受の許容最高温度及び許容温度上昇は,

附属書 表 1

によ

る。


66

B 8301:2000

附属書 表 1  軸受許容最高温度及び許容温度上昇

単位℃

許容温度上昇

(周囲温度 40℃以下の場

合。ただし,許容最高温
度 を 上 回 っ て は な ら な
い。

許容最高温度

軸受表面

において

メタル温度計感

温部を挿入測定

した場合

軸 受 表 面

において

メタル温度計

感温部を挿入

測定した場合

排油温度

自然冷却式 
普通潤滑油

40 45  75 80

自然冷却式

耐熱性潤滑油

55 60  90 95

水冷式

受渡当事者間

の協定による。

− 80 −

強制潤滑式 
普通潤滑油

− 75 80 80

2.

耐水圧

  一般に,耐水圧試験は,最高吐出し圧力

(*)

1.5

倍の圧力で

3

分間以上行い,水漏れなどの

異常があってはならない。ただし,試験圧力は,

0.15MPa

(ゲージ圧)を最低とする。

(*)

最高吐出し圧力=運転範囲における最高全揚程に相当する圧力+最高押込圧力

備考

規定揚液の温度が高いときは,ポンプ材料の強度の低下,熱ひずみなどを考慮して,清水にお

ける試験圧力を協定によって決める。

3.

最小吐出し量における温度上昇

  ボイラ給水ポンプなどのように,小水量で運転を継続する可能性の

あるポンプでは,許容できる温度上昇値に収まるように最小吐出し量を定めて過熱防止装置を設ける必要

がある。この場合には,最小吐出し量における水の温度上昇は,次の式によって求め,ポンプの運転に支

障のない値でなければならない。

H

t

×

=

η

η

427

100

ここに,  ⊿t:

吐出し量 での温度上昇  (℃)

η

吐出し量 でのポンプ効率 (%)

H

吐出し量 での全揚程 (m)


67

B 8301:2000

附属書 3(参考)  自吸ポンプの自吸性能試験方法 

この附属書は,自吸装置又は自吸能力をもつ遠心ポンプの工場における自吸性の試験について参考とし

て示すものであり,規定の一部ではない。

1.

試験回転速度  一般に,試験回転速度は,規定回転速度とする。設備の都合上,規定回転速度が得ら

れない場合には,規定回転速度に対して±5%の範囲内の異なる回転速度で試験してよい。

2.

試験装置  自吸性試験の試験装置の一例を附属書 図 に示す。この場合吸込状態は,附属書 図 2

による。

附属書 図 1  自吸性試験の試験装置

附属書 図 2  吸込状態

3.

試験方法  自吸性の試験は,ポンプを始動し,揚液開始までの時間を測定する。この試験を行った後,

吸込及び吐出し管内の揚液を落とし,吸込弁を締め切って 5 分間試験回転速度で運転し,その最高負圧を

測定して,規定の成績を満足することを確かめる。自吸性試験は,2 回以上行う。

備考  揚液開始までの所要時間とは,始動してから圧力計の示度が安定するか又は吐出し口から水が

充満して流れ出るまでの時間を指す。

4.

揚液時間の換算  ポンプの吸込管直径と異なる直径の管を使用して試験したときは,規定の吸込管直

径の場合に換算する必要がある。その場合には,次の式によって換算する。

2

1

2

1

)

(

)

(

measured

measured

T

D

D

t

t

×

=

ここに,

t

T

実際の揚液時間

t

measured

試験時の揚液時間

D

1

ポンプの吸込管直径

D

1measured

試験時の吸込管直径


68

B 8301:2000

関連規格  JIS Z 8202  量記号,単位記号及び化学記号

備考

ISO 31-0

13 : 1992, Quantities and units からの引用事項は,この規格の該当事項と同等

である。

JIS Z 8732

  無響室又は半無響室における音響パワーレベル測定方法

備考

ISO 3745 

: 1983, Acoustics

−Determination of sound power levels of noise sources−Precision

methods for anechoic and semi-anechoic rooms

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等

である。

JIS Z 8733

  一般の音場における音響パワーレベル測定方法

備考

ISO 3744 

: 1994, Acoustics

−Determination of sound power levels of noise sources using

sound pressure

−Engineering method in an essentially free field over a reflecting plane 及び ISO

3746 : 1995, Acoustics

−Determination of sound power levels of noise sources using sound

pressure

−Survey method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane からの

引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

ISO 2372 

: 1974 Mechanical vibration of machines with operating speeds from 10 to 200 rev/s

−Basis

for specifying evaluation standards

ISO 2975-1 

: 1974 Measurement of water flow in closed conduits

−Tracer methods−Part 1 : General

ISO 2975-2 

: 1975 Measurement of water flow in closed conduits

−Tracer methods−Part 2 : Constant

rate injection method using non-radioactive tracers

ISO 2975-3 

: 1976 Measurement of water flow in closed conduits

−Tracer methods−Part 3 : Constant

rate injection method using radioactive tracers

ISO 2975-6 

: 1977 Measurement of water flow in closed conduits

−Tracer methods−Part 6 : Transit

time method using non-radioactive tracers

ISO 2975-7 

: 1977 Measurement of water flow in closed conduits

−Tracer methods−Part 7 : Transit

time method using radioactive tracers

ISO 3740 

: 1980 Acoustics

−Determination of sound power levels of noise sources−Guidelines for the

use of basic standards and for the preparation of noise test codes

ISO 3945 

: 1985 Mechanical vibration of large rotating machines with speed range from 10 to 200 r/s

Measurement and evaluation of vibration severity in situ

ISO 4185 

: 1980 Measurement of liquid flow in closed conduits

−Weighing method

ISO 6081 

: 1986 Acoustics

− Noise emitted by machinery and equipment − Guidelines for the

preparation of test codes of engineering grade requiring noise measurements at the operator’s or

bystander’s position

IEC 60041

 : 1991 Field acceptance tests to determine the hydraulic performance of hydraulic turbines,

storage pumps and pump-turbines

IEC 60497

 : 1976 International code for model acceptance tests of storage pumps

参考文献  E. Grist and R. P. Hentschke, The Verification of Centrifugal Pump Performance Guarantees by

Acceptance Tests

−An Alternative Method. I. Mech. Eng. London, March 1989.


69

B 8301:2000

ポンプ JIS 国際整合化調査研究委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

舘  下  忠  夫

日本工業標準調査会(臨時委員)

(委員)

大  嶋  清  治

工業技術院標準部(1995 年)

本  間      清

工業技術院標準部(1996∼1997 年)

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

浦  西  和  夫

株式会社電業社機械製作所三島事業所

斎  藤  純  夫

株式会社荏原製作所羽田工場

松  田  至  弘

株式会社粟村製作所

宮  島  清  志

株式会社荏原製作所羽田工場

長  崎  泰  明

株式会社クボタポンプ技術部

山  代  憲  治

新日本造機株式会社ポンプ事業部(1995∼1996 年)

井  出  紀  彦

新日本造機株式会社ポンプ事業部(1997 年)

久  慈  良  政

株式会社酉島製作所プラント事業部

霜  田  伸  一

新潟ウォシントン株式会社マーケティング部

鈴  木  孝  明

日機装株式会社流体機器工場(1995∼1996 年)

武  田  純  一

日機装株式会社流体機器工場(1996∼1997 年)

吉  田  政  雄

株式会社日立製作所システム本部風水機器部

依  田  裕  明

株式会社日立製作所土浦工場

飽  田  健  一

三菱重工業株式会社高砂製作所

(事務局)

沖  田  宏  之

社団法人日本産業機械工業会

臺      健  一

社団法人日本産業機械工業会

ISO 9906

翻訳分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

浦  西  和  夫

株式会社電業社機械製作所三島事業所

(委員)

斎  藤  純  夫

株式会社荏原製作所羽田工場

川  邊  俊  彦

株式会社粟村製作所技術第一部

前  田      毅

株式会社荏原製作所羽田工場

津  川  卓  司

株式会社クボタポンプ研究部

井  戸  章  雄

株式会社電業社機械製作所三島事業所

渡  辺      基

新日本造機株式会社ポンプ事業部

前  田  真  司

株式会社酉島製作所品質保証部

永  井  彰  一

新潟ウォシントン株式会社柏崎工場

取  手  政  照

日機装株式会社流体機器工場

依  田  裕  明

株式会社日立製作所土浦工場

前  田      学

三菱重工業株式会社高砂研究所

(事務局)

臺      健  一

社団法人日本産業機械工業会

JIS B 8301

(遠心ポンプ,斜流ポンプ及び軸流ポンプー試験方法)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

舘  下  忠  夫

日本工業標準調査会(臨時委員)

(委員)

井  田  富  夫

神奈川大学(名誉教授)

豊  倉  富太郎

横浜国立大学(名誉教授),湘南工科大学教授

中  嶋      誠

通商産業省機械情報産業局

本  間      清

通商産業省工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

原  田      稔

農林水産省構造改善局建設局

西  澤      滋

建設省大臣官房庁営繕部


70

B 8301:2000

氏名

所属

伊  藤  英  男

東京都下水道局設備管理部

長  倉  祐  之

社団法人日本水道協会工務部

椎  橋  章  夫

東日本旅客鉄道株式会社設備部

松  井  音  吉

東京電力株式会社火力部

浦  西  和  夫

株式会社電業社機械製作所三島事業所

斎  藤  純  夫

株式会社荏原製作所羽田工場

松  田  至  弘

株式会社粟村製作所

宮  島  清  志

株式会社荏原製作所羽田工場

長  崎  泰  明

株式会社クボタポンプ技術部

吉  川  宣  行

株式会社酉島製作所品質保証部

霜  田  伸  一

新潟ウォシントン株式会社マーケティング部

依  田  裕  明

株式会社日立製作所土浦工場

(事務局)

沖  田  宏  之

社団法人日本産業機械工業会

臺      健  一

社団法人日本産業機械工業会